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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】医療用X線撮像機器の位置決め
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20240405BHJP
【FI】
A61B6/00 560
A61B6/00 550D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021530194
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2019084043
(87)【国際公開番号】W WO2020115307
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-05-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】18211045.2
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】エンヘル クラウス ユルヘン
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】▲高▼見 重雄
【審判官】渡戸 正義
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-347024(JP,A)
【文献】特表2017-534401(JP,A)
【文献】特開2002-119502(JP,A)
【文献】特表平7-503669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力ユニットと、
処理ユニットと、
出力ユニットと、
を有する、医療用X線撮像機器の位置決めをサポートする装置において、
前記入力ユニットは、i)現在使用されているX線撮像機器の3D動きモデルを受け取り、ii)仮想X線投影の計算に適した対象の3Dモデルを受け取り、(iii)前記3D動きモデルの移動のための移動命令を受け取るように構成され、前記移動命令は、撮像のための目標場所への前記撮像機器の移動、又は撮像が行われることを意図される前記撮像機器の移動軌道に関し、
前記処理ユニットは、前記移動命令によって前記3D動きモデルを適合させ、前記対象の前記3Dモデルに対する前記適合された3D動きモデルの空間的配置に基づいて、関心領域の仮想X線投影を生成するように構成され、
前記出力ユニットは、前記仮想X線投影の画像データを提供するように構成され、
前記入力ユニットが、前記現在使用されているX線撮像機器の手動で移動可能なスケールされたモデルとして提供され、前記移動命令が、前記移動可能なスケールされたモデルの動きとして入力される、
装置。
【請求項2】
前記入力ユニットは、物体支持体の現在の配置、前記物体支持体上の前記対象の現在の位置、及び前記X線撮像機器の潜在的な移動領域内に現在配置されている物体又は人のグループのうちの少なくとも1つを有する現在の3D空間コンテキストデータを受け取るように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理ユニットは、前記3D動きモデル、前記3D空間コンテキストデータ、及び前記対象の前記3Dモデルに基づいて、前記X線撮像機器、前記対象及び前記X線撮像機器の近傍の物体又は人の配置を示す現在の3Dシーンモデルを生成し、前記適合された3D動きモデルによって前記3Dシーンモデルを適合させるように構成され、前記出力ユニットは、前記3Dシーンモデルの画像データを提供するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記処理ユニットは、前記現在の3D空間コンテキストデータによって与えられる動き制約に基づいて、前記3D動きモデルの適合を制限するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記処理ユニットは、前記物体支持体上の前記対象の現在の空間配置に対して前記対象の前記3Dモデルを適合させるように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記処理ユニットは、前記3Dシーンモデルの画像データ及び前記仮想投影の画像データを連続的に更新するように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記入力ユニットは、前記移動命令を入力するためのユーザインタフェースを有する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
X線源及びX線検出器を有する可動式X線撮像機器と、
対象を受けるための物体支持体と、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医療用X線撮像機器の位置決めをサポートする装置と、
を有する医療用X線撮像システムにおいて、
前記3D動きモデルは、前記可動式X線撮像機器に対応し、
前記可動式X線撮像機器及び/又は前記物体支持体は、前記3D動きモデルの移動のための前記移動命令に基づいて、前記X線源及びX線検出器と前記物体支持体とを互いに対して位置決めするためのモータ駆動装置を有する、
X線撮像システム。
【請求項9】
前記可動式X線撮像機器は、前記X線源及び前記X線検出器を担持するCアーム構造を有する、請求項8記載のX線撮像システム。
【請求項10】
前記システムが、前記X線撮像機器の現在の場所及び向きに関する現在の3D状況を検出するように構成された空間環境検出装置を更に有し、前記現在の3D状況は、前記物体支持体の現在の配置、前記物体支持体上の前記対象の現在の位置、及び前記X線撮像機器の潜在的な移動領域内に現在配置されている物体又は人のグループのうちの少なくとも1つを有し、前記検出された3D状況は、前記3D空間コンテキストデータに変換される、請求項2に直接的又は間接的に従属する請求項8又は9に記載のX線撮像システム。
【請求項11】
前記空間環境検出装置は、1つ以上の深度感知カメラと、3D物体認識ソフトウェアと組み合わされるいくつかのカメラの組み合わせとのグループのうちの少なくとも1つを有する、請求項10に記載のX線撮像システム。
【請求項12】
医療用X線撮像機器の位置決めをサポートする装置の作動方法において、前記装置が、入力ユニット、処理ユニット、及び出力ユニットを有し、前記方法は、
a1)前記入力ユニットが、現在使用されているX線撮像機器の3D動きモデル及び仮想X線投影の計算に適した対象の3Dモデルを受け取るステップと、
b)前記入力ユニットが、前記3D動きモデルの移動のための移動命令を受け取るステップであって、前記移動命令は、撮像のための目標場所への前記撮像機器の移動、又は撮像が行われることを意図される前記撮像機器の移動軌道に関し、前記入力ユニットが、前記現在使用されているX線撮像機器の手動で移動可能なスケールされたモデルとして提供され、前記移動命令が、前記移動可能なスケールされたモデルの動きとして入力される、ステップと、
c1)前記処理ユニットが、前記移動命令によって前記3D動きモデルを適合させるステップと、
d)前記処理ユニットが、前記対象の3Dモデルに対する前記3D動きモデルの前記空間配置に基づいて関心領域の仮想X線投影を生成するステップと、
e1)前記出力ユニットが、前記仮想X線投影の画像データを提供するステップと、
を有する方法。
【請求項13】
前記入力ユニットが、物体支持体の現在の配置、前記物体支持体上の前記対象の現在の位置、及び前記X線撮像機器の潜在的な移動領域内に現在配置されている物体又は人のグループのうちの少なくとも1つを有する現在の3D空間コンテキストデータを受け取るステップと、
a2)前記処理ユニットが、前記3D動きモデル、前記3D空間コンテキストデータ、及び前記対象の前記3Dモデルに基づいて、前記X線撮像機器、前記対象及び前記X線撮像機器の近傍の物体又は人の配置を示す現在の3Dシーンモデルを生成するステップと、
c2)前記処理ユニットが、前記適合された3D動きモデルによって前記3Dシーンを適合させるステップと、
e2)前記出力ユニットが、前記3Dシーンモデルの画像データを提供するステップと、
が、提供される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
処理ユニットによって実行される場合に、請求項12又は13に記載の方法のステップを実行するように構成される、請求項1から11のいずれか1項に記載の機器を制御するコンピュータプログラム要素。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラム要素を記憶したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用X線撮像機器の位置決めに関し、特に、医療用X線撮像機器の位置決めをサポートする装置、医療用X線撮像システム、及び医療用X線撮像機器の位置決めをサポートする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一例として、介入Cアームシステムは、所望の向きで患者を通る投影としてX線画像を提供する。しかしながら、所望の向きは、患者の解剖学的構造、実行される処置、及び関心領域の向き(又はそれぞれの2D投影)に強く依存する。一例として、介入処置は、心臓ステント配置であってもよい。この処置のための所望の向きは、関心領域(ROI)が、理想的には脊柱のようなコントラストリッチ及び/又は強い減衰の骨構造によって覆われておらず、更に、ステントが、ステント軸に対して垂直な視野において可視であるべきである場合である。したがって、オペレータは、向きが最も適しているかどうかをチェックするためのテスト画像を作成し、試行錯誤的に別の向きに切り替えてもよい。このアプローチは、時間がかかり、患者及びスタッフに対するごくわずかであっても追加のX線線量を生じうることが示されている。一例として、国際公開第2006/103580A1号パンフレットは、血管系におけるカテーテルの観察に関し、最適な投影方向を見つけるためのサポートを記載している。しかしながら、最適な視野角の決定に用いられる複数のX線投影が、提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、医療用X線撮像機器の位置決めにおいて、更に容易化されたサポートを提供する必要があり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、更なる実施形態は、従属請求項に組み込まれる。本発明の以下に説明する態様は、医療用X線撮像機器の位置決めをサポートする装置、医療用X線撮像システム、及び医療用X線撮像機器の位置決めをサポートする方法にも適用されることに留意されたい。
【0005】
本発明によれば、医療用X線撮像機器を位置決めする際にサポートするための装置が、提供される。装置は、入力ユニット、処理ユニット、及び出力ユニットを有する。入力ユニットは、現在使用されているX線撮像機器の3D動きモデルを受け取るように構成される。入力ユニットは、また、仮想X線投影の計算に適した対象の3Dモデルを受け取るように構成される。入力ユニットは、更に、3D動きモデルの移動のための移動命令を受け取るように構成され、それによって、移動命令は、撮像のための目標場所への撮像機器の移動、又はそれに沿って撮像が行われることが意図されている撮像機器の移動軌道に関する。
【0006】
処理ユニットは、移動命令によって3D動きモデルを適合させるように構成されている。処理ユニットは、更に、対象の3Dモデルに関連して、3D動きモデルの空間的配置に基づいて、関心領域の仮想X線投影を生成するように構成される。更に、出力ユニットは、仮想X線投影の画像データを提供するように構成される。
【0007】
これは、ユーザが、X線試験運転を更に必要とせずに、X線撮像に適用される視野角を決定するための詳細な情報を持つシミュレートされた状況を提供されるという効果を提供する。容易化され、直感的なワークフローに加えて、これは、また、対象及びスタッフに対してより少ないX線量を意味する。
【0008】
一例では、Cアーム撮像装置は、特定の視野角から対象の関心領域の仮想露光を生成する前記角度に仮想的に移動されることができる。このような仮想露光は、医師、放射線技師、又は他の病院スタッフによってチェックされてもよく、仮想画像が後続の処置に適していると見なされる場合、対応する視野角(例えば、Cアーム回転及びアンギュレーション)への現実の撮像装置の実際の移動が、達成されてもよい。
【0009】
一例によれば、入力ユニットは、X線撮像機器の現在の場所及び向きに関連する現在の3D空間コンテキストデータを受け取るように更に構成され、3D空間コンテキストデータは、物体支持体の現在の配置、物体支持体上の対象の現在の位置、及びX線撮像機器の潜在的な移動領域内に現在配置された物体又は人のグループのうちの少なくとも1つを有する。いくつかの例では、処理ユニットは、次いで、3D動きモデル、3D空間コンテキストデータ、及び対象の3Dモデルに基づいて、現在の3Dシーンモデルを生成するように構成される。処理ユニットは、また、適合された3D動きモデルによって3Dシーンを適合させるように構成される。更に、出力ユニットは、3Dシーンモデルの出力データを提供するように構成されてもよい。
【0010】
一例によれば、処理ユニットは、3Dシーンモデルの画像データ及び仮想投影の画像データを連続的に更新するように構成される。
【0011】
本発明によれば、医療用X線撮像システムも提供される。このシステムは、X線源及びX線検出器を有する可動X線撮像機器と、対象を受け取るための対象支持体とを有する。更に、前述の例のうちの1つによる医療用X線撮像機器を位置決めするための装置が、提供される。3D動きモデルは、可動X線画像機器に対応する。可動X線撮像機器及び/又は物体支持体は、3D動きモデルの移動のための移動命令に基づいて、X線源及びX線検出器並びに物体支持体を互いに対して位置決めするためのモータ駆動装置を有する。
【0012】
一例によれば、X線撮像機器は、X線源及びX線検出器を担持するCアーム構造を有する。
【0013】
一例によれば、X線撮像システムは、X線撮像機器の現在の場所及び向きに関連して現在の3D状況を検出するように構成された空間環境検出構成を更に有する。現在の3D状況は、物体支持体の現在の配置、物体支持体上の対象の現在の位置、及びX線撮像機器の潜在的な移動領域内に現在配置されている対象又は人のグループのうちの少なくとも1つを有する。検出された3D状況は、3D空間コンテキストデータに変換される。
【0014】
一例によれば、空間環境検出構成は、1つ又は複数の深度感知カメラと、3D物体認識ソフトウェアと組み合わせた複数のカメラの組み合わせとのグループのうちの少なくとも1つを有する。
【0015】
本発明によれば、医療用X線撮像機器の位置決めをサポートする方法も、提供される。この方法は、
a1)現在使用されているX線撮像機器の3動きモデル及び仮想X線投影の計算に適した対象の3Dモデルを受信するステップと、
b)3D動きモデルの移動のための移動命令を受信するステップであって、移動命令は、撮像のための目標場所への撮像機器の移動、又は撮像が行われることを意図される撮像機器の移動軌道に関する、ステップと、
c1)移動命令によって3D動きモデルを適合させるステップと、
d)対象の3Dモデルに対する3D動きモデルの空間配置に基づいて関心領域の仮想X線投影を生成するステップと、
e1)仮想X線投影の画像データを提供するステップと、
を有する。
【0016】
一態様によれば、仮想X線撮像は、現実のCアームシステムの1対1仮想モデルに基づいて提供される。これは、例えば標準的でない患者の場合の、介入X線撮像のための最も望ましい向きを見つけることを可能にする。介入計画サポートとして、オペレータは、患者モデルと共に仮想モデルを使用して、最良のマッチするCアーム向きを探索することができる。仮想X線撮像、すなわち、患者のコンピュータモデルによって作成されたX線画像は、実際の介入が行われる前に医師がX線撮像のための最も望ましい向きを見つけるのを助けるために提供される。したがって、これは、介入計画サポートとして役立つ。オプションとして、以下の手順の間に、Cアームは、自動的に、すなわち、ユーザによる詳細な移動制御なしに、最も望ましい、すなわち、最終位置に移動される。
【0017】
オプションの態様によれば、現実のCアームシステム及びその対応する仮想モデルは、現実のシステムのスケーリングされたコピーを提供している。患者モデルは、例えば先行する診断から再使用される、又は適切な場合に、例えば磁気共鳴断層撮影法、コンピュータトモグラフィ若しくはCアーム体積撮像のような典型的な体積撮像システムから仮想X線撮像の目的で取得される、関心領域(ROI)を含む。前記Cアームシステムの仮想モデル及び前記患者モデルは、特定の位置、向き、及び他の(X線)画像設定についてX線投影をシミュレートし、したがって、オペレータによって規定された特定の設定についてシミュレートされたが依然として十分に現実的なX線画像を提供する。
【0018】
したがって、ワークフローが、仮想モデルを使用して最も望ましい向きを見つける際にオペレータをサポートするように提供される。オプションとして、最も望ましい位置は、記憶され、使用を意図されたCアームシステムに転送することができる。以下の処置の間、Cアームは、所望の位置、回転及び/又はアンギュレーションに移動される。
【0019】
仮想X線画像の提供は、例えばCアームシステムのための、可動X線撮像構成を有する全ての介入X線システムに適している。
【0020】
別の態様によれば、介入Cアームシステムの移動及び位置決めは、例えば、手術室における無菌性の改善のためのアプローチをサポートするために、また、ユーザ体験を向上させるために、ジェスチャ又はボーカルコマンドによって提供される。システム及び患者の安全性を改善するために、移動は、まず、仮想現実モデルにおいて実行される。仮想空間では、移動は、例えば病院内の手術室内のメインモニタに表示される、シーン上の複数のビューによってユーザによって制御されることができる。一旦、所望の又は好ましい位置が、シミュレーションとも称される仮想現実において達成されると、現実のシステムの移動及び位置決めは、例えば、仮想モデルによって提供される位置に従って自動的に実行される。
【0021】
オプションでは、介入室状況のライブ3Dサンプリングモデルが、改善された精度のために提供される。
【0022】
本発明は、可動介入X線システム、例えば、所望のX線ビューを得るために患者に対してX線焦点スポット及び検出器を位置決めするように移動されることができるCアームシステムに関する。仮想モデルシーンを提供することによって、洗浄するのが容易である別個のインタフェースを提供し、滅菌状態に変換することが、可能である。したがって、無菌性の理由から、X線システム自体の触れられた端子は、必要とされず、箔などによるカバーの必要性は回避される。更に、ポジティブかつ改善されたユーザ体験のために、オペレータは、自分の意図及びニーズに最も良くマッチするX線撮像のための位置を達成することに集中することができ、良好な位置を見つけるためのCアームの「盲目的」移動が、回避される。オペレータが最終位置に対する位置決めを微調整するためにストップアンドゴーモードに切り替える代わりに、ユーザは、最初に仮想世界でCアームを自由に移動し、所望の位置を見つけることができる。次いで、目標位置及び向きは、撮像位置又は撮像軌道に対するCアーム又は別のタイプのX線システムの制御されたモータ駆動のために、現実世界に転送される。
【0023】
言い換えれば、移動命令によって3D動きモデルを適応させた後、ユーザは、生成されている仮想X線投影を検証しうる。仮想投影が、例えば患者に対するCアームの位置及び向きに関する期待に合致する場合、後続の画像取得のための現実のCアームの実際の移動は、好ましくは自動化された方法で実施されてもよい。
【0024】
いくつかの例では、3Dシーンモデル情報は、Cアームと3Dシーンモデル内で表されるCアームの近傍の物体又は人との間の衝突を回避するように、現実のCアームの実際の移動のための軌道を計算するのに使用されてもよい。
【0025】
オプションでは、オペレータがCアームを位置決めしようとする間、対象を伴う仮想的にモデル化されたCアームは、スクリーン上に表示される。第1の部分では、オペレータは、最終的な位置を見つけるまで、例えばジェスチャ又は音声によってCアームを制御する。第2の部分では、Cアームは、自動的に、すなわち、ユーザによる詳細な移動制御なしに、最終位置に移動される。
【0026】
オプションの態様によれば、例えば少なくともCアーム、テーブル、及び患者など、3D空間内の関連する物体をモデル化し、表示するソフトウェアが、提供される。オプションでは、介入室のメインスクリーン又はディスプレイが、オペレータの選択に従って、仮想モデル化されたシーン上に1つ又は複数の事前に規定されたビューを表示する。更に、オペレータからのジェスチャ又は音声を認識することによって、これらが、(仮想)患者による仮想Cアーム及び/又は仮想テーブルの移動及び位置決めを制御するように変換されることができる。例えば、これは、音声認識を有するマイクロフォンによって、及び/又は例えば、指先の移動を追跡する又はオペレータの手によって形成される規定されたジェスチャを認識する、深度感知カメラによって提供される。
【0027】
オプションの態様によれば、介入室内のライブ、すなわち現在の3D位置セットアップを検出する、例えばサンプリングするシステムが、提供され、このシステムは、少なくとも、Cアーム及び患者テーブル、すなわち、それらの形状及び互いに対する位置、オプションとして、Cアームシステムの移動範囲内の物体又は人の認識を含む。これは、3D空間における関連する物体を提供する。一例では、1つ又は複数の深度感知カメラ、又は3D物体認識ソフトウェアと組み合わされたいくつかのカメラの組み合わせが、提供される。したがって、すべての関連する物体及び患者のライブ3D仮想モデリング、例えば、少なくともCアーム及び対象に対する相対位置のモデリングが、提供される。従って、仮想Cアーム及び/又は患者テーブルは、オペレータの入力に従って最初に位置決めされる。次に、現実のシステムの自動又は少なくとも操縦された移動が、上記の仮想システムに示された目標位置に向かって提供される。Cアームの移動範囲内の任意の物体又は障害物は、移動軌道の決定に適切に考慮されることができ、適切な安全軌道が見つけられることができない場合、オペレータは、安全問題について警告されることができる。
【0028】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して説明される。
【0029】
本発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】医療用X線撮像機器を位置決めする際のサポートのための装置の一例を概略的に示す。
図2】医療用X線撮像システムの一例を概略的に示す。
図3】医療用X線撮像機器の位置決めにおけるサポートのための方法の一例のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
特定の実施形態が、ここで、添付の図面を参照して、より詳細に説明される。以下の説明では、同様の図面参照番号は、異なる図面においても、同様の要素に対して使用される。詳細な構成及び要素のような、本明細書で規定される事項は、例示的な実施形態の包括的な理解を助けるために提供される。また、周知の機能又は構成は、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にするので、詳細には説明されない。更に、「のうちの少なくとも1つ」などの表現は、要素のリストに後続する場合、要素のリスト全体を修飾し、リストの個々の要素を修飾しない。
【0032】
図1は、医療用X線撮像機器を位置決めする際にサポートするための装置10を概略的に示す。装置10は、入力ユニット12と、処理ユニット14と、出力ユニット16とを有する。入力ユニット12は、現在使用されているX線撮像機器の3D動きモデルMMを受け取り、仮想X線投影の計算に適した対象の3DモデルMSを受け取るように構成される。
【0033】
いくつかの例では、入力ユニット12は、X線撮像機器の現在の場所及び向きに関する現在の3D空間コンテキストデータCDを受け取るように構成されてもよい。3D空間コンテキストデータは、物体支持体の現在の配置、物体支持体上の対象物の現在の位置、及びX線撮像機器の潜在的な移動領域内に現在配置された対象又は人のグループのうちの少なくとも1つを有する。
【0034】
入力ユニット12は、更に、3D動きモデルの移動のための移動命令IMを受け取るように構成される。これらの移動命令は、撮像のための目標位置への撮像機器の移動、又は撮像がそれに沿って行われることを意図される撮像機器の移動軌道に関する。
【0035】
処理ユニット14は、移動命令によって3D動きモデルを適合させるように構成される。また、処理ユニット14は、対象の3Dモデルに対する3D動きモデルの空間的配置に基づいて、関心領域の仮想X線投影を生成するように構成される。更に、出力ユニット16は、仮想X線投影の出力データを提供するように構成される。
【0036】
一例では、X線撮像機器は、線源及び検出器が共通のCアームの対向する端部に取り付けられるCアームX線撮像システムである。
【0037】
別の例では、X線撮像機器は、線源及び検出器のための個々の可動支持体を有する。
【0038】
対象の3Dモデルは、対象の予め取得された画像データに基づいてもよい。
【0039】
一例では、対象の3Dモデルは、現在の対象に適応された標準的な3Dモデルに基づいている。更なる例では、複数の異なるタイプの標準的な3Dモデルが、提供され、現在の対象と最も類似性を示すタイプが、選択される。
【0040】
別の例では、対象の3Dモデルは、磁気共鳴断層撮影(MRT)、X線コンピュータトモグラフィ(CT)、又はX線Cアーム体積撮像など、現在の対象の事前取得画像データに基づく。
【0041】
「物体又は人」における「人」という用語は、例えば、外科医及び補助者のような医療スタッフを有する。「物体又は人」における「物体」という用語は、例えば、介入中に使用される装置を有する。
【0042】
用語「医療用」は、医学的側面の文脈における画像取得、例えば、介入処置中に提供される撮像、又は対象の検査のための撮像などに関する。
【0043】
物体支持体は、患者テーブルと称されることもできる。
【0044】
用語「対象」は、また、個人と称されてもよい。「対象」は、更に、患者と称されてもよいが、この用語は、何らかの病気又は疾患が対象とともに実際に存在するかどうかを示すものではないことに注意される。
【0045】
「仮想X線投影の計算に適した」という用語は、X線画像をシミュレートするのに必要とされるそれぞれの情報を有する3Dデータに関する。十分な分解能の他に、構造情報も、放射線の減衰をシミュレートする観点から利用可能でなければならない。
【0046】
現在の場所及び向きは、空間配置とも称されることができる。
【0047】
詳細には示されていないオプションでは、処理ユニット14は、3D動きモデル、3D空間コンテキストデータ、及び対象の3Dモデルに基づいて、現在の3Dシーンモデルを生成するように構成される。処理ユニット14は、また、適合された3D動きモデルによって3Dシーンを適合させるように構成される。また、出力ユニット16は、3Dシーンモデルの画像データを提供するように構成される。
【0048】
詳細には示されない別のオプションでは、処理ユニット14は、現在の3D空間コンテキストデータによって与えられる動き制約に基づいて、3D動きモデルの適合を制限するように構成される。
【0049】
詳細には示さない別のオプションでは、処理ユニット14は、対象の3Dモデルを、物体支持体上の対象の現在の空間配置に適合させるように構成される。
【0050】
一例では、X線撮像機器が、X線源及びX線検出器を有する。例えば、X線源及びX線検出器は、Cアーム構造のように共通の可動支持体上に配置される。更なる例では、X線源及びX線検出器は、それぞれ、ロボットアームのような個々の可動支持構造体に取り付けられている。
【0051】
詳細には示されない別のオプションでは、処理ユニット14は、3Dシーンモデルの画像データ及び仮想投影の画像データを連続的に更新するように構成される。
【0052】
1つのオプションでは、3Dシーンモデルの画像データのみが、連続的に更新される。別のオプションでは、仮想投影の画像データのみが、連続的に更新される。更なるオプションでは、3Dシーンモデルの画像データ及び仮想投影の画像データが、連続的に更新される。
【0053】
一例では、「連続的に」という用語が、ユーザのリアルタイム受信に関する。例えば、最大1秒、例えば最大0.5秒の遅延が、提供される。
【0054】
一例では、毎秒5つの更新された画像が、提供される。更なる例では、更新された画像のより高いフレームレートが、提供される。一例として、毎秒約20乃至30の画像、例えば毎秒24フレームのフレームレートは、画像の流動性のある流れの印象を提供する。
【0055】
一例では、仮想X線投影の連続シーケンスは、3D動きモデルが移動命令に基づいて適合される持続時間に対してユーザに提供される。
【0056】
別の例では、仮想X線投影の連続シーケンスが、移動の持続時間に対して、また、X線撮像機器の3D動きモデルの動きの変化がない期間に対して、ユーザに提供される。
【0057】
詳細には示されない別のオプションでは、入力ユニットが、移動命令を入力するためのユーザインタフェース18を有する。
【0058】
一例では、ユーザインタフェースが、所定のユーザジェスチャに基づいて移動命令を生成するように構成されたジェスチャ制御装置である。例えば、ジェスチャは、カメラを介して認識される。更なる例では、インタラクティブ手袋装置が、提供される。更に別の例では、ハンドヘルド装置が、ユーザによって移動されるように提供される。
【0059】
一例では、ユーザインタフェースが、所定のユーザ音声コマンドに基づいて移動命令を生成するように構成された音声制御装置である。
【0060】
別の例では、ユーザインタフェースが、ユーザ制御移動に基づいて動作命令を生成するように構成されたジョイスティック制御装置である。
【0061】
更なる例では、ユーザインタフェースが、使用されるX線撮像機器の手動で移動可能なスケールされたモデルとして提供される。ユーザは、モデルを握り、X線撮像装置のモデルを用いて、意図される移動を実行することができる。モデルの動きは、追跡され、それぞれの移動命令に変換される。
【0062】
詳細には示されていない別のオプションでは、出力ユニットは、ディスプレイ20を有する。一例では、ディスプレイ20は、例えば、少なくとも1つの視点から、オプションとして複数の視点からも(ディスプレイの左側部分に参照番号22で示される)、3Dシーンモデルを表示するように、また、仮想X線投影(ディスプレイの右側部分に参照番号24で示され、現在選択されている撮像構成によって見られるかのように、物体の血管構造の仮想X線投影を概略的に示す)を表示するように構成される。
【0063】
ディスプレイ20は、別個のディスプレイ又はモニタとして提供されてもよいことに留意されたい。しかしながら、どんな方法でも存在するディスプレイは、シーンモデルを提示する、又は任意の他のコンテンツ又は機能を提示するタスクのために使用されることができる。
【0064】
いくつかの例では、3D動きモデル、3Dシーンモデル、及び/又は仮想投影の画像データは、拡張現実(AR)環境においてユーザに提示される。オプションとして、AR環境は、移動命令を入力するためのユーザインタフェースをも有する。すなわち、例えば、ユーザは、ジェスチャの手段によってAR環境内の3D動きモデルを操作してもよく、この場合、適合された3D動きモデル及び対応する仮想投影が、ユーザに提示されてもよい。ユーザが、更なるジェスチャの手段によって仮想装置の場所を検証する場合、現実のシステムは、対応する場所に自動的に移動されてもよい。
【0065】
したがって、生成された3Dシーンモデルは、現実世界の状況の可能な配置を示す。ユーザは、命令された移動が、ユーザが記憶していた空間的向きをもたらすかどうかを検証することができる。更に、仮想X線投影を提供することによって、ユーザは、それぞれのX線画像が実際に意図されたビューを示すかどうかを検証することができる。
【0066】
いくつかの例では、そのようなユーザ検証時に、3Dシーンモデル情報が、Cアームと、3Dシーンモデルで表されるCアームの近傍の物体又は人との間の衝突を回避するように、現実のCアームの実際の移動のための軌道を計算するのに使用されてもよい。この場合、実際の移動は、Cアーム制御ユニットの手段によって実施されてもよく、したがって、Cアームを、計算された軌道に沿って、意図されたビューに対応する場所、すなわち、位置、回転及び/又はアンギュレーションに移動させる。
図2は、医療用X線撮像システム50の一例を概略的に示す。システム50は、X線源54及びX線検出器56を持つ可動X線撮像機器52を有する。システム50は、更に、対象59を受け入れるための物体支持体58を有する。更に、前述の例のうちの1つによる医療用X線撮像機器を位置決めするための装置10の例が、提供される。3D動きモデルは、可動X線画像機器に対応する。更に、可動X線撮像機器及び/又は物体支持体は、3D動きモデルの移動のための移動命令に基づいて、X線源及びX線検出器と物体支持体とを互いに対して位置決めするためのモータ駆動装置を有する。
【0067】
タッチレス操作又は遠隔制御による操作と組み合わせた、線源/検出器のためのCアーム又は他の形態の支持体の電動移動は、維持しやすい滅菌撮像システムを提供する。
【0068】
更に詳細には示されていない別のオプションでは、可動式X線撮像機器52は、X線源及びX線検出器を担持するCアーム構造60を有する。
【0069】
更に詳細には示されていない別のオプションでは、X線撮像システムは、X線撮像機器の現在の場所及び向きに関する現在の3D状況を検出するように構成された空間環境検出構成62を更に有し、現在の3D状況は、物体支持体の現在の配置、物体支持体上の対象の現在の位置、及びX線撮像機器の潜在的な移動領域内に現在配置された物体又は人のグループのうちの少なくとも1つを有する。検出された3D状況は、3D空間コンテキストデータに変換される。
【0070】
詳細には示されていない別のオプションでは、空間環境検出構成は、1つ又は複数の深度感知カメラ64と、3D物体認識ソフトウェアと組み合わされたいくつかのカメラの組み合わせとのグループのうちの少なくとも1つを有する。
【0071】
図3は、医療用X線撮像機器の位置決めをサポートするための方法100の一例のステップを示す。方法100は、以下のステップを有する。
ステップa1)とも称される第1のステップ102では、現在使用されているX線撮像機器の3D動きモデル、及び仮想X線投影の計算に適した対象の3Dモデルが、受け取られる。
ステップb)とも称される第2のステップ104では、3D動きモデルの移動のための移動命令が、受け取られる。移動命令は、撮像のための目標場所への撮像機器の移動、又は撮像が行われることを意図される撮像機器の移動軌道に関する。
ステップc1)とも称される第3のステップ106において、3D動きモデルは、移動命令によって適合される。
ステップd)とも称される第4のステップ108において、関心領域の仮想X線投影が、対象の3Dモデルに対する3D動きモデルの空間配置に基づいて生成される。
ステップe1)とも称される第5のステップ110において、仮想X線投影の画像データが、提供される。
【0072】
図3に破線で示されるオプションでは、
a2)X線撮像機器の現在の場所及び向きに関する現在の3D空間コンテキストデータを受け取り、3D空間コンテキストデータは、物体支持体の現在の配置と、物体支持体上の対象の現在の位置と、X線撮像機器の潜在的な移動領域内に現在配置されている物体又は人とのグループのうちの少なくとも1つを有し、3D動きモデル、3D空間コンテキストデータ、及び対象の3Dモデルに基づいて現在の3Dシーンモデルを生成するステップ112、
c2)適合された3D動きモデルによって3Dシーンを適合させるステップ114、及び
e2)3Dシーンモデルの画像データを提供するステップ116
が、更に提供される。。
【0073】
本発明の別の例示的な実施形態において、適切なシステム上で、前述の実施形態のうちの1つによる方法の方法ステップを実行するように構成されることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が、提供される。
【0074】
したがって、コンピュータプログラム要素は、本発明の実施形態の一部であってもよいコンピュータユニット上に記憶されるか、又は1より多いコンピュータユニットにわたって分散されてもよい。この計算ユニットは、上述の方法のステップを実行する又はその実行を誘導するように構成されてもよい。更に、それは、上述の機器の構成要素を動作させるように構成されてもよい。計算ユニットは、自動的に動作するように及び/又はユーザのオーダを実行するように、構成されることができる。コンピュータプログラムは、データプロセッサのワーキングメモリにロードされてもよい。従って、データプロセッサは、本発明の方法を実行するように備えられてもよい。
【0075】
本発明の態様は、コンピュータによって実行されてもよいコンピュータ可読記憶装置上に記憶されたコンピュータプログラム命令の集合であってもよいコンピュータプログラム製品で実現されてもよい。本発明の命令は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)又はJavaクラスを含むが、これらに限定されない、任意の解釈可能又は実行可能なコードメカニズムであってもよい。命令は、完全な実行可能プログラム、部分的な実行可能プログラム、既存のプログラムに対する修正(例えば、更新)又は既存のプログラムに対する拡張(例えば、プラグイン)として提供されることができる。更に、本発明の処理の一部は、複数のコンピュータ又はプロセッサに分散されてもよい。
【0076】
上述したように、処理ユニット、例えばコントローラは、制御方法を実施する。コントローラは、必要とされる様々な機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、様々な態様で実装されることができる。プロセッサは、必要な機能を実行するようにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされうる1つ以上のマイクロプロセッサを使用するコントローラの一例である。しかしながら、コントローラは、プロセッサを用いて又は用いずに実装されてもよく、また、いくつかの機能を実行するための専用ハードウェアと、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組み合わせとして実装されてもよい。
本開示の様々な実施形態において採用され得るコントローラコンポーネントの例は、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。
【0077】
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、更新の手段によって既存のプログラムを本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムとの両方を包含する。
【0078】
更に、コンピュータプログラム要素は、上述の処置の例示的な実施形態の手順を実行するために必要なすべてのステップを提供することができてもよい。
【0079】
本発明の更なる例示的な実施形態によれば、CD-ROMなどのコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体は、その上に記憶されたコンピュータプログラム素子を有し、そのコンピュータプログラム素子は、前述のセクションによって説明される。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶及び/又は配布されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムなどを介して他の形態で配布されてもよい。
【0080】
しかしながら、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワークを通じて提示されてもよく、そのようなネットワークからデータプロセッサのワーキングメモリにダウンロードされることができる。本発明の更なる例示的な実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロード可能にするための媒体が、提供され、このコンピュータプログラム要素は、本発明の前述の実施形態のうちの1つによる方法を実行するように構成される。
【0081】
本発明の実施形態は、それぞれ異なる主題を参照して説明されることに留意されたい。特に、いくつかの実施形態は、方法タイプの請求項を参照して説明され、他の実施形態は、装置タイプの請求項を参照して説明される。しかしながら、当業者は、上記及び下記の説明から、別段の通知がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせも、本出願で開示されることを理解するであろう。しかしながら、全ての特徴が、結合されて、特徴の単純な合計よりも高い相乗効果を提供することができる。
【0082】
本発明は、図面及び前述の説明において図示され、詳細に説明されてきたが、このような図示及び説明は、例示的又は典型的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示及び従属請求項の検討から、請求項に記載の発明を実施する際に当業者によって理解され達成されることができる。
【0083】
請求項において、単語「有する」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に記載されたいくつかの項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において言及されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3