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  • 特許-電子部品における水侵入防止 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】電子部品における水侵入防止
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20240405BHJP
【FI】
H05K5/02 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021531069
(86)(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 US2019053058
(87)【国際公開番号】W WO2020112226
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】16/205,477
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド エル.カストロ
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-063124(JP,A)
【文献】特開平08-180760(JP,A)
【文献】特開2013-070560(JP,A)
【文献】特開平05-064107(JP,A)
【文献】特開2002-325212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方シャーシカバーを含む電子機器筐体であって、
前記上方シャーシカバーは、互いに対向する一対の第1の側部と、互いに対向する一対の第2の側部とを含み、
前記一対の第1の側部の各々は第1のチャネルを含み、前記第1のチャネルは、側溝、樋、窪み部分、及び凹みからなる群から選択され、
前記一対の第2の側部の各々は第2のチャネルを含み、前記第2のチャネルは、隆起したリップ部であり、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記電子機器筐体の側壁よりも外側に位置するとともに、前記上方シャーシカバーが前記電子機器筐体の前記側壁の上端に当接するように構成され、
前記第1のチャネルの各々は、少なくとも1つの切り欠きを含むとともに、前記電子機器筐体の上方から衝突する液体を前記切り欠きに方向づけ、前記切り欠きから下方へ流れるように配置、構成されており、
前記上方シャーシカバーは、前記上方シャーシカバーを前記電子機器筐体の前記側壁に固定するためのタブを含み、前記タブは、前記第1のチャネルの前記切り欠きにおいて、前記第1のチャネルよりも下方に延びている、
電子機器筐体。
【請求項2】
記第2のチャネルは、前記電子機器筐体の上方から衝突する液体を前記第1のチャネルに方向付けるように配置、構成されている、請求項1に記載の電子機器筐体。
【請求項3】
前記第1のチャネルの各々が少なくとも2つの切り欠きを含、請求項に記載の電子機器筐体。
【請求項4】
後面、空気取入口、開口部及び電子機器端子からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含み、前記切り欠きは、前記電子機器筐体の上方から衝突する液体を前記少なくとも1つの要素から離反するように方向付けるように選択される請求項に記載の電子機器筐体。
【請求項5】
電子機器筐体用の上方シャーシカバーであって、
前記上方シャーシカバーは、互いに対向する一対の第1の側部と、互いに対向する一対の第2の側部とを含み、
前記一対の第1の側部の各々は第1のチャネルを含み、前記第1のチャネルは、側溝、樋、窪み部分、及び凹みからなる群から選択され、
前記一対の第2の側部の各々は第2のチャネルを含み、前記第2のチャネルは、隆起したリップ部であり、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記電子機器筐体の側壁よりも外側に位置するとともに、前記上方シャーシカバーが前記電子機器筐体の前記側壁の上端に当接するように構成され、
前記第1のチャネルの各々は、少なくとも1つの切り欠きを含むとともに、前記電子機器筐体の上方から衝突する液体を前記切り欠きに方向づけ、前記切り欠きから下方へ流れるように配置、構成されており
前記上方シャーシカバーは、前記上方シャーシカバーを前記電子機器筐体の前記側壁に固定するためのタブを含み、前記タブは、前記第1のチャネルの前記切り欠きにおいて、前記第1のチャネルよりも下方に延びている、
上方シャーシカバー。
【請求項6】
記第2のチャネルは、前記電子機器筐体の上方から衝突する液体を前記第1のチャネルに方向付けるように配置、構成されている、請求項に記載のシャーシカバー。
【請求項7】
電子機器筐体を含む材料試験装置であって、前記電子機器筐体は、上方シャーシカバーを更に含み、
前記上方シャーシカバーは、互いに対向する一対の第1の側部と、互いに対向する一対の第2の側部とを含み、
前記一対の第1の側部の各々は第1のチャネルを含み、前記第1のチャネルは、側溝、樋、窪み部分、及び凹みからなる群から選択され、
前記一対の第2の側部の各々は第2のチャネルを含み、前記第2のチャネルは、隆起したリップ部であり、
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルが前記電子機器筐体の側壁よりも外側に位置するとともに、前記上方シャーシカバーが前記電子機器筐体の前記側壁の上端に当接するように構成され、
前記第1のチャネルの各々は、少なくとも1つの切り欠きを含むとともに、前記電子機器筐体の上方から衝突する液体を前記切り欠きに方向づけ、前記切り欠きから下方へ流れるように配置、構成されており、
前記上方シャーシカバーは、前記上方シャーシカバーを前記電子機器筐体の前記側壁に固定するためのタブを含み、前記タブは、前記第1のチャネルの前記切り欠きにおいて、前記第1のチャネルよりも下方に延びている、
材料試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年11月30日に提出された米国特許出願第16/205,477号の優先権を米国特許法第119条(e)の下に主張し、この特許出願の内容は、引用することによりその全体があらゆる目的で本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、電子部品、特にカードケージ又は同様の大きさ及び構成とされた構成部品内への水浸入(water ingress)を防止し又は最小化する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
水又はデブリの侵入から電子機器を保護する概念は、よく理解され、応用されている。多くの製品、特に最近のスマートフォンの製造者は、近年、彼らの機器の侵入保護(IP)定格を進んで宣伝して、水との接触、場合によっては水没に対する彼らの製品の耐性を売り込んでいる。
【0004】
さらに、電子機器において温度室から凝縮又は溶融による滴りが生じ、又は材料、生物医学装置又は同様の試験装置から塩水又は他の溶液の滴りが生じることがある。
【0005】
商業的応用における大型電子機器に応用するとき、この問題は、通常、構成部品を耐候性ボックスに収容することによって対処される。所与の用途向けにカスタマイズされるか、又は市場で入手可能な多くの製品の1つを使用するかにかかわらず、解決法は、通常、プラスチック製又は金属製のボックスを含み、このプラスチック製又は金属製のボックスにおいて、カバーがガスケットと、外部への接続を可能にするために穴を開ける又は穿孔することができるボックスに沿った場所とを有することも有しないこともある。これらの解決法は、個別に取り付けられたプリント回路基板を含む、一連の関連する電気部品又は電子部品を配置するために非常に良好に機能する。
【0006】
中央平面板又は後面板にブラインドメイト(blind mate)する複数の板を収容するカードケージ向けの、水浸入軽減をもたらす解決法は見つかっていない。通常、このようなカードケージは、より高いレベル(親)の構造における水浸入からの保護を保証する、別の構造の内部にある。
【発明の概要】
【0007】
従って、本開示の目的は、電子部品、特にカードケージ、又は同様の大きさ及び構成の電子部品内への水漏れを最小化し又は排除する改善を提供することである。
【0008】
開示された実施の形態は、高価でかつ時間がかかる解決法の必要性、又は機械に水侵入保護をもたらすことへの要求に、密封の実施の形態によって対処する。水浸入を機械レベルで防止する試みは、かなり複雑になりかつ費用が上昇することが分かっている。
【0009】
方法及び装置の開示された実施の形態は、電子機器筐体(electronics enclosure)のシートメタルシャーシに組み込まれた、形成された機構を設けることを含み、形成された機構は、水を敏感な電子機器から離反するように方向づける。事実上、シャーシカバーは、その周囲に沿って側溝、隆起したリップ部及び指定された開口部を有し、水が流出することがある場所を制御し、こうして水の影響を受け易い電子機器筐体の種々の要素を回避する。
【0010】
本開示の更なる目的及び利点は、以下の記載及び添付の図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】限定されないが材料試験用途等において使用し得る、本開示の実施形態の斜視図である。
図2】本開示の側溝を例示する図1の平面2-2に沿う横断面図である。
図3】隆起したリップ部を例示する図1の平面3-3に沿う横断面図である。
図4】本開示のシャーシカバーの実施形態の上面図である。
図5】本開示のシャーシカバーの実施形態の第1の側面図である。
図6】本開示のシャーシカバーの実施形態の第2の側面図である。
図7】本開示のシャーシカバーの実施形態の第3の側面図である。
図8】本開示のシャーシカバーの実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで図面を詳細に参照すると、図1は、本開示の電子機器筐体10(限定されないが、カードケージ等であり、さらに特に材料試験装置に応用可能である)の実施形態であり、電子機器筐体10にわたってシャーシカバー12上の場所100で滴り、注がれ又は衝突する水その他の液体を、どのように電子機器筐体10の開口、開口部又は入口からそらす(diverted away)のかを例示することが分かる。
【0013】
図1は、通常はシートメタルから作られる電子機器筐体10を例示し、この筐体10は、筐体10の上方にあるからの水その他の液体の流れの滴り、注がれ、又は衝突にさらされており、この水その他の液体は、限定されないが材料試験用途等の任意の通常の動作又は事象の過程で、電子機器筐体10が予想する水量を越えるおそれがある。シャーシカバー12は、4つの側又は縁部を有する正方形又は長方形であり、側溝14及び15を更に含み、側溝14及び15は、シャーシカバー12の4つの側のうち互いに対向する第1の対の側部の周りに、樋、隆起部分、窪み部分、輪郭又は凹みを含み得る第1のチャネルとして構成され(通常の側溝14の横断面図について図2を参照)、水(その他の液体)を、側溝14において下向きに延びるタブ18及び20(それぞれのボルト19、21によって電子機器筐体10の側壁に固定される)、及び側溝15において下向きに延びるタブ18′、20′(図4図9に示され、ボルト19、20と同様のボルトによって側壁に固定される)内に組み込まれた出口ポート又は所定の地点に方向付ける。さらに、隆起したリップ部16、17(隆起したリップ部17の横断面図について図3を参照)が、シャーシカバー12の互いに対向する第2の対のに提示される。隆起したリップ部16、17は同様に第2のチャネルとして構成可能であり、第2のチャネルは、樋、隆起部分、窪み部分、輪郭又は凹みを含むことができる。側溝14、15及び隆起したリップ部16、17は、シャーシカバー12の周囲を形成する。側溝14、15、隆起したリップ部16、17、及びタブ18、18′、20、20′に組み込まれた出口ポートの位置決めの組み合わせにより、水は、空気取入口30及び電子機器端子32、後面34及び同様の開口部及び要素から離反するように方向づけられる。
【0014】
いくつかの実施形態は、シャーシカバー12の周囲の一部又は全体の周りに第1のチャネル構成を含み得ることが構想される。
【0015】
図1は、水の浸入防止方策がうまく機能し、大量の水を保持し、それを所望の場所に適切に向け直すことを例示する。
【0016】
図4図8は、側溝14、15、隆起したリップ部16、17及びタブ18、18′、20、20′の更なる詳細を含む、シャーシカバー12の種々の図を例示する。タブ18、20は、シャーシカバーの互いに対向するおいて、タブ18′、20′の正反対に例示される。さらに、図7に例示した実施形態において、衝突する液体を、隆起したリップ部16、17から離反するように、かつ側溝14、15へ方向付けるために、隆起したリップ部16はシャーシカバー12に対して165度の角度をなして形成され、その一方で、隆起したリップ部17は135度の角度をなして形成されことに留意されたい。当業者は、これらの値は代表例であり、異なる実施形態において変化し得ることを認識するであろう。
【0017】
このように、幾つかの上述の目的及び利点が、最も効率的に達成される。本明細書において本発明の好ましい実施形態を詳細に開示及び記載してきたが、本発明がこれにより限定されるものでは決してないことが理解されるべきである。
[構成1]
シャーシカバーを含む電子機器筐体であって、前記シャーシカバーは、該シャーシカバーの周囲の少なくとも第1の部分の周りに第1のチャネルを含み、前記第1のチャネルは、衝突する液体を前記周囲の少なくとも1つの所定位置に方向づけ、該所定位置から下方へ流れるように配置、構成されている電子機器筐体。
[構成2]
前記第1のチャネルは、側溝、樋、隆起部分、窪み部分、輪郭及び切欠きからなる群から選択される構成1に記載の電子機器筐体。
[構成3]
前記シャーシカバーは、前記シャーシカバーの前記周囲の少なくとも第2の部分の周りに第2のチャネルを含み、前記第2のチャネルは、衝突する液体を前記第1のチャネルに方向付けるように配置、構成されている構成1に記載の電子機器筐体。
[構成4]
前記第2のチャネルは、隆起したリップ部、樋、隆起部分、窪み部分、輪郭及び切欠きからなる群から選択される構成3に記載の電子機器筐体。
[構成5]
前記シャーシカバーは4つの側面を含み、前記4つの側面は、対向する一対の第1の側壁と、対向する一対の第2の側壁とを備える構成3に記載の電子機器筐体。
[構成6]
対向する一対の前記第1の側壁は、前記第1のチャネルを含む前記周囲の前記第1の部分を含む構成5に記載の電子機器筐体。
[構成7]
前記対向する一対の第2の側壁は、前記第2のチャネルを含む前記周囲の前記第2の部分を含む構成6に記載の電子機器筐体。
[構成8]
前記対向する一対の第1の側壁の各々が少なくとも1つの所定位置を含み、衝突する液体を前記所定位置から下方へ流れるように方向付ける構成7に記載の電子機器筐体。
[構成9]
前記対向する一対の第1の側壁の各々が少なくとも2つの所定位置を含み、衝突する液体を前記所定位置から下方へ流れるように方向付ける構成7に記載の電子機器筐体。
[構成10]
後面、空気取入口、開口部及び電子機器端子からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含み、前記周囲の前記所定位置は、衝突する液体を前記少なくとも1つの要素から離反するように方向付けるように選択される構成7に記載の電子機器筐体。
[構成11]
前記所定位置は、前記シャーシカバー内の少なくとも1つのタブに組み込まれ、前記少なくとも1つのタブは、前記電子機器筐体の側壁に固定される構成1に記載の電子機器筐体。
[構成12]
電子機器筐体用のシャーシカバーであって、該シャーシカバーの前記周囲の少なくとも第1の部分の周りに第1のチャネルを含み、前記第1のチャネルは、衝突する液体を前記周囲の少なくとも1つの所定位置に向け、前記所定位置から下方へ流れるように配置、構成されているシャーシカバー。
[構成13]
前記第1のチャネルは、側溝、樋、隆起部分、窪み部分、輪郭及び切欠きからなる群から選択される構成12に記載のシャーシカバー。
[構成14]
該シャーシカバーの前記周囲の少なくとも第2の部分の周りに第2のチャネルを更に含み、前記第2のチャネルは、衝突する液体を前記第1のチャネルに方向付けるように配置、構成されている構成12に記載のシャーシカバー。
[構成15]
前記第2のチャネルは、隆起したリップ部、樋、隆起部分、窪み部分、輪郭及び切欠きからなる群から選択される構成14に記載の電子機器筐体。
[構成16]
4つの側面を更に含み、前記4つの側面は、対向する一対の第1の側壁と、対向する一対の第2の側壁とを備える構成15に記載のシャーシカバー。
[構成17]
前記対向する一対の第1の側壁は、前記第1のチャネルを含む前記周囲の前記第1の部分を含む構成16に記載のシャーシカバー。
[構成18]
前記対向する一対の第2の側壁は、前記第2のチャネルを含む、前記周囲の前記第2の部分を含む構成17に記載のシャーシカバー。
[構成19]
前記対向する一対の第1の側壁の各々は、少なくとも1つの所定位置を含むことで、衝突する液体を前記所定位置から下方へ流れるように方向付ける構成18に記載のシャーシカバー。
[構成20]
電子機器筐体を含む材料試験装置であって、前記電子機器筐体はシャーシカバーを更に含み、前記シャーシカバーは、前記シャーシカバーの前記周囲の少なくとも第1の部分の周りに第1のチャネルを含み、前記第1のチャネルは、衝突する液体を前記周囲の少なくとも1つの所定位置に向け、前記所定位置から下方へ流れるように配置、構成されている材料試験装置。
【符号の説明】
【0018】
10 電子機器筐体
12 シャーシカバー
14 側溝
15 側溝
16 リップ部
17 リップ部
18 タブ
19 ボルト
20 タブ
21 ボルト
30 空気取入口
32 電子機器端子
34 後面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8