(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】光データ通信用の発光集光器を備えた受信機
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20240405BHJP
C09B 57/08 20060101ALI20240405BHJP
C09B 57/12 20060101ALI20240405BHJP
C09B 67/20 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
G02B5/20
C09B57/08 B
C09B57/12
C09B67/20 F
(21)【出願番号】P 2021537497
(86)(22)【出願日】2019-09-09
(86)【国際出願番号】 EP2019073944
(87)【国際公開番号】W WO2020053124
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-09-09
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521037411
【氏名又は名称】ベーアーエスエフ・エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ハンナ・シュテファニエ・マンゴルト
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ケーネマン
(72)【発明者】
【氏名】ソリン・イヴァノヴィチ
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/134261(WO,A1)
【文献】特表2011-523319(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0346556(US,A1)
【文献】特開2014-160894(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121733(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0244457(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0081114(KR,A)
【文献】特表2014-532288(JP,A)
【文献】国際公開第2012/168395(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
C09B 57/08
C09B 57/12
C09B 67/20
H04B 10/00-10/90
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光集光器を含む受信機であって、発光集光器において、光信号が、収集され、電流に変換され、発光集光器が
i)少なくとも1つの波長シフト材料と、
ii)少なくとも1つの検出器と、を含み、
ここで、前記波長シフト材料は、
ia)ポリマーマトリックス材料と、
ib
)式(I)のナフトイルベンゾイミダゾール化合物及びそれらの混合物(B1)からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bと、を含み、
【化1】
式中、
ラジカルR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10の少なくとも1つは、互いに独立して1、2または3つのシアノ基および0、1、2、3または4つの置換基R
Arを有するアリールであり、残りのラジカルR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10は、互いに独立して水素および非置換または1、2、3、4もしくは5の置換基R
Arを有するアリールから選択され、
ここで、
R
Arは、互いに独立して、かつ各出現において独立して、ハロゲン、
C
1~C
30-アルキル、C
2~C
30-アルケニル、C
2~C
30-アルキニル(後者の3つのラジカルは非置換であるか、1つ以上のR
a基を有する)、
C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル(後者の2つのラジカルは非置換であるか、1つ以上のR
b基を有する)、
アリールおよびヘテロアリール(後者の2つのラジカルは、非置換であるか、1つ以上のR
c基を有する)から選択され、
ここで、
R
aは、互いに独立して、かつ各出現において独立して、シアノ、ハロゲン、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリルは非置換であるか1つ以上のR
b1基を有し、アリールおよびヘテロアリールは非置換であるか1つ以上のR
c1基を有し、
R
bは、互いに独立して、かつ各出現において独立して、シアノ、ハロゲン、C
1~C
18-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリルは非置換であるか、1つ以上のR
b1基を有し、アリールおよびヘテロアリールは非置換であるか、または1つ以上のR
c1基を有し、
R
cは、互いに独立して、かつ各出現において独立して、シアノ、ハロゲン、C
1~C
18-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリルは非置換であるか、1つ以上のR
b1基を有し、アリールおよびヘテロアリールは非置換であるか、1つ以上のR
c1基を有し、
R
b1は、互いに独立して、かつ各出現において独立して、ハロゲン、C
1~C
18-アルキルおよびC
1~C
18-ハロアルキルから選択され、
R
c1は、互いに独立して、かつ各出現において独立して、ハロゲン、C
1~C
18-アルキルおよびC
1~C
18-ハロアルキルから選択される
、受信機。
【請求項2】
前記発光集光器の前記ポリマーマトリックスが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、シリコーン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)-コポリマー(EVA、EVOH)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリスチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチレート(PVB)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、2,5-フランジカルボキシレートポリエステル、UV硬化性または熱硬化性レジストおよびそれらの混合物、からなる群から選択される、請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記発光集光器の前記有機蛍光着色剤
Bが前記ポリマーマトリックスに分子的に溶解されている、請求項1または2に記載の受信機。
【請求項4】
前記発光集光器の前記有機蛍光着色剤
Bの濃度が、マトリックスポリマー100重量部に対して、0.0001~5重量%の範囲にある、請求項1~3のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項5】
前記発光集光器の前記波長シフト材料が、湾曲したおよび/もしくは可撓性であり得るシートの形態で存在し得るか、または1つ以上のファイバから構成され得る、請求項1~4のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項6】
前記式(I)のナフトイルベンゾイミダゾール化合物は式(I-A)
【化2】
の化合物であって、式中、
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、フェニル、1もしくは2つのシアノ基を有するフェニルまたはC
1~C
10-アルキルから選択される1、2または3つの置換基を有するフェニルであり、
R
7、R
8、R
9、およびR
10は、それぞれ独立して、水素、フェニル、1もしくは2つのシアノ基を有するフェニル、またはC
1~C
10-アルキルから選択される1、2もしくは3つの置換基を有するフェニルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項7】
前記式(I)のナフトイルベンゾイミダゾール化合物及びそれらの混合物(B1)が、以下の化合物およびそれらの混合物から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の受信機:
【化3】
【化4】
【化5】
【請求項8】
前記
有機蛍光着色剤Bの発光寿命
τ0は0.1ns~10nsである、請求項1~7のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項9】
前記発光集光器の前記検出器がフォトダイオードまたはフォトダイオードのアレイである、請求項1~8のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項10】
- そこで電気信号が光信号に変換される、少なくとも1つの送信機(T)、および
- そこで前記光信号が、収集され、電流に変換される、発光集光器を含む少なくとも1つの受信機(R)を含み、
前記発光集光器が、
i)少なくとも1つの波長シフト材料、および
ii)少なくとも1つの検出器、を含み、
請求項1、6または7のいずれか一項に記載の
式(I)のナフトイルベンゾイミダゾール化合物及びそれらの混合物(B1)からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bが、前記受信機の前記波長シフト材料中に存在する、光データ通信システム。
【請求項11】
(i)入力(A)、
(ii)送信機(T)、
(iii)光路(C)、
(iv)受信機(R)、および
(v)出力(E)を含み、
請求項1、6または7のいずれか一項に記載の
式(I)のナフトイルベンゾイミダゾール化合物及びそれらの混合物(B1)からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bが、前記受信機の前記波長シフト材料中に存在する、請求項10に記載の光データ通信システム。
【請求項12】
自由空間光データ通信システムである、請求項10または11に記載の光データ通信システム。
【請求項13】
光データ通信システムのための受信機における、波長シフト材料中の請求項1、6、または7のいずれか一項に定義される少なくとも1つの化合物の使用であって、前記受信機が発光集光器を含み、発光集光器において光信号が、収集され、電流に変換され、発光集光器が
i)少なくとも1つの波長シフト材料
および
ii)少なくとも1つの検出器を含む、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光集光器(発光検出器, luminescent collector)を含む受信機(receiver)、当該受信機を含む光データ通信システム、および光データ通信システムの受信機における高速光検出器としての発光集光器の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
光データ通信、特に可視光通信(VLC)、自由空間光通信(FSO)、Li-Fi(Light Fidelity)などの光無線通信(OWC)は、急速に成長している技術分野であり、これに既存のワイヤレステクノロジーに代わる代わるまたは補完する高速で安全な無線通信の実装を目指している。モノのインターネットのような新技術(産業の基礎とされる、4.0、IP4.0(登録商標)など)、ウェアラブル(すなわちインプラントやアクセサリーなどの身体の上に着用することができるマイクロコントローラとスマート電子機器)および移動体通信における一般的な増加をデータストリームの急速な増加と新しい通信チャネルの必要性につながる。光データ通信システムでは、一般に、電気信号は送信機で光信号に変換される。光学光源は通常、発光ダイオード(LED)またはレーザーダイオード(LD)のいずれかである。次に、変調された光フィールドは、受信機に到達する前に自由空間経路を伝搬しうる。受信機では、光信号が電気信号に逆変換される。
【0003】
Li-Fiは、高速無線通信用に強度が変化するLED照明を使用した照明を介したデータ送信のために確立された用語である。Li-Fiは、オフィス、街灯、家庭でのLED照明の普及とともに、既存の照明インフラストラクチャに追加の利点をもたらす。
【0004】
OWCシステムの受信側では、半導体フォトダイオードが高周波の光検出器として一般的に使用されている。ただし、これらのダイオードの応答時間は、接合容量とキャリア通過時間によって制限され、検出器のサイズに比例しる。T.G.Tiecke et al.、Optica、Vol.3、No.7、July 2016、787-792では、高速応答時間を維持しながら、光受信機の有効面積と視野を拡大する方法が提示されている。これは、波長シフト色素(発光集光器)をドープした光導波路を使用することによって実現される。通信信号で変調された入射光は、光の入射角とは無関係に色素分子によって吸収され、その後、異なる波長で再放射される。放出された光の一部はファイバによって集められ、小面積の半導体フォトダイオードに導かれる。発光集光器とフォトダイオードを組み合わせたシステムを発光検出器(LD)と呼ばれる。ただし、T.G.Tiecke et al.では、特定の波長シフト色素については言及されていない。
【0005】
米国特許出願第US2017/0346556A号は、入力光信号を受信するように構成された波長シフト要素を含む装置を開示し、波長シフト要素は、受信した入力光信号の少なくとも一部を吸収し、受信された入力光信号の吸収された部分から放出光信号を生成するように構成された波長シフト材料と、複数のプラズモン構造要素を含むプラズモン格子であって、プラズモン格子は、放出光信号の少なくとも一部を受信し、放出された光信号の受信された部分を光検出器に差し向けるように構成されるプラズモン格子と、放出光信号の差し向けられた部分を受信するように構成され、放出光信号の差し向けられた部分に対応する電流を生成する光検出器と、を備える。波長シフト材料の例として、無機材料のカドミウム/セレニド/硫化カドミウム(CdSe/CdS)量子ドットおよびセレン化鉛/硫化鉛(PdSe/PdS)量子ドットが挙げられる。
【0006】
WO2017/089540A1は、検出器、検出器システム、および少なくとも1つの対象の位置を決定するための方法に関する。
【0007】
ただし、波長シフト材料としての従来の蛍光体のフォトルミネッセンス寿命(蛍光/リン光寿命または励起状態寿命)は長すぎて(10ナノ秒超から最大数マイクロ秒超のオーダーの範囲)、高速のデータ転送をサポートできない。
【0008】
したがって、良好な発光効率を維持しながら、発光性、特に数ナノ秒のオーダーの、好ましくはさらに短い蛍光寿命を有する蛍光体に対する大きな需要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願第US2017/0346556A号明細書
【文献】WO2017/089540A1
【非特許文献】
【0010】
【文献】T.G.Tiecke et al.,Optica、Vol.3、No.7,July 2016、787-792
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、光データ通信システムの受信機において高速光検出器として使用するための発光集光器(発光検出器, luminescent collector)を提供し、当該発光集光器を含む受信機(レシーバー, receiver)を提供し、受信機を含む光データ通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の目的は、(B1)ナフトイルベンゾイミダゾール化合物、(B2)シアン化ナフトイルベンゾイミダゾール化合物、(B3)式(III)のシアン化ペリレン化合物、(B4)式(IV)のシアン化化合物、(B5)式(V)のベンゾ(チオ)キサンテン化合物、(B6)式(VIA)または(VIB)のベンゾイミダゾキサンテンイソキノリン化合物、(B7)式(VII)の少なくとも1つの構造単位を含む蛍光化合物、(B8)式(VIII)または(IX)のペリレン化合物、(B9)式(X)のナフタレンモノイミド化合物、(B10)7-(ジエチルアミノ)-3-(5-メチルベン[d]オキサゾール-2-イル)-2H-クロメン-2-オン、(B11)式(XIA)または(XIB)のペリレン化合物、(B12)式(XIIA)または(XIIB)のシアン化ペリレン化合物、(B13)式(XIII)のペリレンビスイミド化合物、(B14)式(XIV)のペリレン化合物、(B15)式(XV)の化合物、(B16)式(XVI)のテリレンビスイミド化合物、(B17)シアノアリール置換ベンゾ(チオ)キサンテン化合物および(B18)シアノ置換BODIPY(ホウ素-ジピロメテン)染料からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bを含む光データ通信システム用の受信機において、高速光検出器として使用するための発光集光器(発光検出器)を含む受信機によって解決されることが見出された。
【0013】
目的は、本発明による受信機を含む光データ通信システムによって、および光データ通信システムの受信機の光検出器としての発光集光器(発光検出器)中での化合物(B1)から(B18)からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bの使用によってさらに解決される。
【0014】
本発明は、発光集光器(luminescent collector)を含む受信機(receiver)であって、発光集光器が
i)少なくとも1つの波長シフト材料と、
ii)少なくとも1つの検出器(detector)と、を含み、
ここで、波長シフト材料は、
ia)高分子マトリックス材料、および
ib)
【0015】
(B1) 式(I)
【化1】
のナフトイルベンゾイミダゾール化合物であって、式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10基の少なくとも1つは、互いに独立して1、2または3つのシアノ基および0、1、2、3または4つの置換基R
Arを有するアリールであり、残りのR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9およびR
10基は、互いに独立して水素および非置換または1、2、3、4もしくは5つの置換基R
Arを有するアリールから選択され、
ここで、
R
Arは、互いに独立して、かつ各出現において独立して、ハロゲン、
C
1~C
30-アルキル、C
2~C
30-アルケニル、C
2~C
30-アルキニル(後者の3つのラジカルは非置換であるか、1つ以上のR
a基を有する)、
C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル(後者の2つのラジカルは非置換であるか、1または複数のR
b基を有する)、
アリールおよびヘテロアリール(後者の2つのラジカルが非置換であるか、1つ以上のR
c基を有する)から選択され、
ここで、
R
aは、互いに独立して、かつ各出現において独立して、シアノ、ハロゲン、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリルは非置換であるか1つ以上のR
b1基を有し、アリールおよびヘテロアリールは非置換であるか1つ以上のR
c1基を有し、
R
bは、互いに独立して、かつ各出現において独立して、シアノ、ハロゲン、C
1~C
18-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリルは非置換であるか、1つ以上のR
b1基を有し、アリールおよびヘテロアリールは非置換であるか、または1つ以上のR
c1基を有し、
R
cは、互いに独立して、かつ各出現において独立して、シアノ、ハロゲン、C
1~C
18-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリルは非置換であるか、1つ以上のR
b1基を有し、アリールおよびヘテロアリールは非置換であるか、1つ以上のR
c1基を有し、
R
B1は、互いに独立して、かつ各出現において独立して、ハロゲン、C
1~C
18-アルキルおよびC
1~C
18-ハロアルキルから選択され、
R
c1は、互いに独立して、かつ各出現において独立して、ハロゲン、C
1~C
18-アルキルおよびC
1~C
18-ハロアルキルから選択される、
ナフトイルベンゾイミダゾール化合物およびそれらの混合物;
【0016】
(B2) 式(II)
【化2】
のシアン化ナフトイルベンゾイミダゾール化合物であって、式中、
R
21、R
22、R
23、R
24、R
25、R
26、R
27、R
28、R
29およびR
210は、それぞれ独立して、水素、シアノまたは非置換であるか、1つ以上の同一のまたは異なる置換基R
2Arを有するアリールであり、
ここで、
各R
2Arは、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、
-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、
-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、
C
1~C
30-アルキル、C
2~C
30-アルケニル、C
2~C
30-アルキニル(後者の3つのラジカルは非置換であるか、1つ以上のR
2a基を有する)、
C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、(後者の2つのラジカルは非置換であるか、1つ以上のR
2b基を有する)、
アリール、U-アリール、ヘテロアリールおよびU-ヘテロアリール(後者の4つのラジカルは非置換であるか、1つ以上のR
2b基を有する)、から独立して選択され、
ここで、
各R
2aは、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、
-NR
2Ar2R
Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
Ar3、
-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールラジカルは非置換であるか、1つ以上のR
2b基を有し、
各R
2bは、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、
-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、
-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、ここで後者の4つのラジカルは非置換であるか、1つ以上のR
2b1基を有し、
各R
2b1は、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロゲン、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、
-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、
-SO
3R
2Ar2、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
1~C
12-アルコキシ、およびC
1~C
12-アルキルチオから独立して選択され、
Uは-O-、-S-、-NR
2Ar1-、-CO-、-SO-または-SO
2-部分であり、
R
2Ar1、R
2Ar2、R
2Ar3はそれぞれ独立して水素、C
1~C
18-アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここでアルキルは非置換または1つ以上のR
2a基を有し、ここで3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか、または1つ以上のR
2b基を有するシアン化ナフトイルベンゾイミダゾール化合物を有し
(ただし、式IIの化合物が少なくとも1つのシアノ基を含む)、
およびそれらの混合物;
【0017】
(B3) 式(III)
【化3】
のシアン化ペリレン化合物であって、
Z
3置換基の1つは、シアノであり、他のZ
3の置換基は、CO
2R
39、CONR
310R
311、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで
C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニルは非置換であるか、1つ以上の同一のまたは異なるZ
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、非置換であるか1つ以上の同一のまたは異なるZ
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、非置換であるか、または1つ以上の同一のまたは異なるZ
3Ar置換基を有し、
Z
3*置換基の1つは、シアノであり、他のZ
3*置換基がCO
2R
39、CONR
310R
311、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで
C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニルは非置換であるか、1つ以上の同一のまたは異なるZ
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、非置換であるか、1つ以上の同一のまたは異なるZ
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、非置換であるか、または1つ以上の同一のまたは異なるZ
3Ar置換基を有し、
R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37、およびR
38は、それぞれ独立して、水素、シアノ、臭素、および塩素から選択され
(ただし、R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37またはR
38置換基の1、2、3、4、5、6、7または8つはシアノである)、
ここで、
R
39が水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、
C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニルは非置換であるか、1つ以上の同一のまたは異なるR
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、非置換であるか、1つ以上の同一のまたは異なるR
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、非置換であるか、または1つ以上の同一のまたは異なるR
3Arの置換基を有し、
R
310およびR
311は、それぞれ独立して水素,C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル,C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニルは非置換であるか、1つ以上の同一のまたは異なるR
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、非置換であるか1つ以上の同一のまたは異なるR
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、非置換であるか、または1つ以上の同一のまたは異なるR
3Ar置換基を有し、
各Z
3aは、独立してハロゲン、ヒドロキシル、NR
310aR
311a、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
3~C
12-シクロアルキル、C
6~C
14-アリール、C(=O)R
39a、C(=O)OR
39aまたはC(O)NR
310aR
311aであり、ここで
C
3~C
12-シクロアルキルは、非置換であるか、1つ以上の同一のまたは異なるR
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、非置換であるか、または1つ以上の同一のまたは異なるR
3Ar置換基を有し、
各Z
3bおよび各Z
3Arは
、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、NR
310AR
311A、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C(=O)R
39a;C(=O)OR
39aまたはC(O)NR
310aR
311aであり、
各R
3aは独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10アルコキシ、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、
各R
3bは、独立してハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14アリールであり、
各R
3Arは、独立してハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14アリールであり、
R
39aは、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3-C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14アリールであり、
R
310a、R
311aは、それぞれ独立して、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールである、シアン化ペリレン化合物、
およびそれらの混合物;
【0018】
(B4) 式(IV)
【化4】
のシアン化合物であって、式中、
m4は0、1、2、3、または4であり、
各R
41は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、-NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで最後に述べた6つのラジカル中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールオキシの環は、非置換であるか、1、2、3、4または5つの同一のまたは異なるラジカルR
41aで置換されており、ここでC
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1つ以上の基によって中断されてもよく、
ラジカルR
42、R
43、R
44およびR
45のうちの少なくとも1つはCNであり、残りのラジカルは、互いに独立して、水素、塩素および臭素から選択され、
X
40は、O、S、SOまたはSO
2であり、
Aは、一般式(A.1)、(A.2)、(A.3)、および(A.4)
のジラジカルから選択されるジラジカルであり、
【0019】
【化5】
式中、
*はいずれの場合も、分子の残りの部分への付着点を示し、
n4は0、1、2、3、または4であり、
o4は0、1、2、または3であり、
p4は0、1、2、または3であり、
R
46は、水素、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、C
6~C
24-アリールまたはC
6~C
24-アリール、C
1~C
10-アルキレンであって、最後に述べた3つのラジカル中のシクロアルキル、アリール、およびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、1、2、3、4、または5つの同一のまたは異なるラジカルR
46aで置換されており、C
1~C
24アルキル、C
1~C
24-ハロアルキルおよびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、1つ以上のヘテロ原子またはO、Sから選択されるヘテロ原子基およびNR
4cによって中断されてもよく、
各R
47は、互いに独立に臭素、塩素、シアノ、-NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、6つの最後に述べたラジカル中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は非置換であるか、または1、2、3、4または5つの同一または異なる基R
47aで置換され、ここでC
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分はO、SおよびNR
4cから選択される1つ以上の基で中断されてもよく、
各R
48は、臭素、塩素、シアノ、NR
4AR
4B、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから互いに独立にから選択され、最後に述べた6つのラジカル内のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換または1、2、3、4のまたは5つの同一または異なる基R
48aで置換され、ここでC
1~C
24-アルキル、
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、および、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分はO、SおよびNR
4cから選択される1つ以上の基によって中断されてもよく、
各R
49は、臭素、塩素、シアノ、NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから互いに独立にから選択され、最後に述べた6つのラジカル中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換または1、2、3、4または5つの同一のまたは異なるラジカルR
49aで置換され、ここでC
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分はO、SおよびNR
4cから選択される1つ以上の基によって中断されてもよく、
R
41a、R
46a、R
47a、R
48a、R
49aは、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-フルオロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、フッ素、塩素および臭素から互いに独立して選択され、
R
4aとR
4bと、R
4cは、互いに独立して、水素、C
1~C
20-アルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC
6~C
24アリールから選択される、シアン化合物、
およびそれらの混合物;
【0020】
(B5) 式(V)
【化6】
のベンゾ(チオ)キサンテン化合物であって、式中、
X
5は酸素または硫黄であり、
R
51は、非置換であるか、1つ以上のR
51a基によって置換されているC
1-C
24-アルキルであるか、またはR
51は、非置換であるか、またはハロゲン、R
511、OR
552、NHR
552およびNR
552R
557から選択される1、2、3、4、または5つの置換基を有するフェニルであり、
R
51aは、互いに独立して、かつ各出現において独立して、シアノ、ハロゲン、C
3~C
8-シクロアルキル、3から8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、C
3~C
8-シクロアルキル、3から8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、非置換であるか、またはハロゲン、C
1~C
18-アルキルおよびC
1~C
18-ハロアルキルから選択される1つ以上の置換基を有し、
R
52、R
53、R
54、R
55、R
56、R
57、R
58およびR
59は、互いに独立して水素、ハロゲン、R
553、OR
553、NHR
553およびNR
553R
554から選択され、
式中、
R
511はC
1~C
20-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択され、
R
552およびR
557は、互いに独立して、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択され、
R
553およびR
554は、互いに独立して、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択される、ベンゾ(チオ)キサンテン化合物、
およびそれらの混合物;
【0021】
(B6) 式(VIA)または(VIB)
【化7】
のベンゾイミダゾキサンテンイソキノリン化合物であって、式中、
X
6は、酸素または硫黄であり、
R
61、R
62、R
63、R
64、R
65、R
66、R
67、R
68、R
69、R
610、R
611、およびR
612は、互いに独立して、水素、ハロゲン、R
661、または
661、NHR
661およびNR
661R
662、から選択され、
式中、
各R
661は、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択され、および
各R
662は、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択される、ベンゾイミダゾキサンテンイソキノリン化合物、
ならびにそれらの混合物;
【0022】
(B7) 式(VII)
【化8】
の少なくとも1つの構造単位を含む蛍光化合物であって、ここで、示されているベンゾイミダゾール構造の6員環の1つ以上のCH基は窒素で置き換えてもよく、ここで記号はそれぞれ
n7は、式(VII)の各構造単位の0から(10-p7)までの数値であり;ここで、p7は、示されるベンゾイミダゾール構造の6員環で窒素に置き換えられたCH単位の数であり;
X7は、化学結合、O、S、SO、SO
2、NR
71であるように定義され、および
Rは脂肪族ラジカル、脂環式ラジカル、アリール、ヘテロアリールであり、それぞれが置換基を有してもよく、
式(VII)の構造単位の他の芳香族環にそれぞれが融合している芳香族環またはヘテロ芳香族環または環系は、
X7が化学結合でない場合、F、Cl、Br、CN、Hであり、
ここで、2つのRラジカルを結合して、1つの環状ラジカルを生じ得、
ここで、X7とRは、n7>1の場合、同じでも異なってもよく、
R
71は、それぞれ独立して、C
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキルであって、その炭素鎖は1つ以上の-O-、-S-、-CO-、-SO-および/または-SO
2部分を含むことができ、一置換または多置換され得、
アリールまたはヘテロアリールは一置換または多置換され得る、蛍光化合物、
およびそれらの混合物;
【0023】
(B8) 式(VIII)または(IX)
【化9】
のペリレン化合物であって、ここで、
R
81、R
82は、それぞれ独立して、1つ以上の酸素、C
3-C
8-シクロアルキル、C
6~C
10-アリール、ヘテロアリール、C
6~C
10-アリール-C
1~C
10-アルキレン(3つの後者のラジカル中の芳香環は、非置換であるかまたはC
1~C
10-アルキルによって一置換または多置換されている)で中断される、C
1~C
30-アルキル、C
2-C
30-アルキルであり、
R
92は、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで後者の3つのラジカル中の芳香族環は非置換であるか、または一置換もしくは多置換C
1~C
10-アルキルである、ペリレン化合物:
【0024】
(B9) 式(X)
【化10】
のナフタレンモノイミド化合物であって、式中、
各R
101は、互いに独立して、1つ以上の酸素、C
3~C
8-シクロアルキル、C
6~C
10-アリール、ヘテロアリール、C
6~C
10-アリール-C
1~C
10-アルキレン(後者の3つのラジカル中の芳香環は、非置換であるかまたは一置換または多置換された、C
1~C
10-アルキルである)によって中断される、水素、C
1~C
30-アルキル、C
2~C
30-アルキルであり、
R
102は、水素または1もしくは複数の酸素、C
3~C
8-シクロアルキル、C
6~C
10-アリール、ヘテロアリール、C
6~C
10-アリール-C
1~C
10-アルキレン(後者の3つのラジカル中の芳香族環は非置換であるか、またはC
1~C
10-アルキルによって一置換または多置換される)、によって中断された、C
1~C
30-アルキル、C
2~C
30-アルキルである、ナフタレンモノイミド化合物;
【0025】
(B10) 7-(ジエチルアミノ)-3-(6-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-2H-クロメン-2-オン;
【0026】
(B11) 式(XIA)または(XIB)
【化11】
のペリレン化合物であって、式中、
各R
111は、互いに独立して、ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C
1~C
18アルキルによって一置換または多置換される、またはハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C
1~C
18アルキルによって一置換または多置換されるフェニルまたはナフチルである、C
1~C
18アルキル、C
4~C
8シクロアルキルである、ペリレン化合物、
およびそれらの混合物;
【0027】
(B12) 式(XIIA)または(XIIB)
【化12】
のシアン化ペリレン化合物であって、式中、
各R
121は、互いに独立して、ハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C
1~C
18アルキルによって一置換または多置換される、またはハロゲンまたは直鎖もしくは分岐C
1~C
18アルキルによって一置換または多置換されるフェニルまたはナフチルであるC
1~C
18アルキル、C
4~C
8シクロアルキルであるシアン化ペリレン化合物
およびそれらの混合物;
【0028】
(B13) 式(XIII)
【化13】
のペリレンビスイミド化合物であって、
p13は1、2、3、または4であり;
R
131およびR
132は、互いに独立して、非置換、またはC
6~C
10-アリール[これはまた非置換または1、2または3つのC
1~C
10-アルキル、C
2~C
20-アルキル(これは1個以上の酸素原子で中断されている)、C
3~C
8-シクロアルキル(非置換であるか、1、2、または3つのC
1~C
10-アルキルで置換されている)、C
6~C
10-アリール(非置換であるか、または1、2または3つのC
1~C
10-アルキルで置換されている)により置換されている]、により置換されているC
1~C
10-アルキルであり;
各R
133は、互いに独立して、フッ素、塩素、1つ以上の酸素原子で中断されるC
1~C
16-アルキル、C
2~C
16-アルキル、非置換またはフッ素、塩素により一置換または多置換されるC
1~C
16アルコキシ、C
6~C
10-アリールオキシ、1つ以上の酸素で中断されるC
1~C
16-アルキル、C
2~C
16-アルキル、非置換またはC
1~C
6-アルキル、C
1~C
6-アルコキシ-C
1~C
6-アルキルおよびC
1~C
6-アルコキシから選択される1、2または3つのラジカルによって置換されるC
1~C
16-アルコキシまたはC
6~C
10-アリールであり、
ここで、R
133ラジカルは*で示された位置にある、ペリレンビスイミド化合物、
およびそれらの混合物;
【0029】
(B14) 式(XIV)
【化14】
のペリレン化合物であって、式中、
R
141とR
142は、互いに独立して、水素、
各場合において、非置換または置換C
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルキルオキシ、C
6~C
24-アリールおよびC
6~C
24アリールオキシから選択され、
R
143、R
144、R
145、R
146、R
147、R
148、R
149、R
1410、R
1411、R
1412、R
1413、R
1414、R
1415、R
1416、R
1417、R
1418は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、-NE
141E
142、-NR
Ar141COR
A142、
-CONR
Ar141R
Ar142、-SO
2NR
A141R
A142、-COOR
Ar141、-SO
3R
Ar142、
各場合において非置換または置換C
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオから選択され、
ここで、R
143およびR
144、R
144およびR
145、R
145およびR
146、R
146およびR
147、R
147およびR
148、R
148およびR
149、R
149およびR
1410、R
1411およびR
1412、R
1412およびR
1413、R
1413およびR
1414、R
1414およびR
1415、R
1415およびR
1416、R
1416およびR
1417ならびに/またはR
1417およびR
1418は、それらが結合されるビフェニリル部分の炭素原子と共にさらなる融合芳香族または非芳香族環系を形成し得(式中、融合環系が非置換または置換されている)、
ここで、
E
141およびE
142は、互いに独立して、水素、非置換または置換C
1~C
18-アルキル、非置換または置換C
2~C
18-アルケニル、非置換または置換C
2~C
18-アルキニル、非置換または置換C
3~C
20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C
6~C
10-アリールであり;
R
Ar141およびR
Ar142は、それぞれ互いに独立して、水素、非置換または置換C
1~C
18-アルキル、非置換または置換C
3~C
20-シクロアルキル、非置換または置換ヘテロシクリル、非置換または置換C
6~C
20-アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールである、ペリレン化合物、
およびそれらの混合物;
【0030】
【0031】
(B16) 式(XVI)
【化16】
のテリレンビスイミド化合物であって、式中、
p16は0、1、2、3、または4であり、
R
161およびR
162は、互いに独立して、非置換、またはC
6~C
10-アリール(これは、次いで、非置換であるか、1、2または3つのC
1~C
10-アルキルで置換されている)で置換されているC
1~C
10-アルキル、
11つ以上の酸素で中断されたC
2~C
20-アルキル、
非置換であるか、1、2、または3つのC
1~C
10-アルキルで置換されている、C
3~C
8-シクロアルキル、または
非置換であるか、または1、2または3つのC
1~C
10-アルキルで置換されたC
6~C
10-アリールであり、
R
163が存在する場合、互いに独立して、フッ素、塩素、1つ以上の酸素によって中断されるC
1~C
16-アルキル、C
2~C
16-アルキル、非置換またはフッ素、塩素で一置換または多置換されるC
1~C
16-アルコキシ、C
6~C
16-アリールオキシ、1つ以上の酸素によって中断されるC
1~C
16-アルキル、C
2~C
16-アルキル、非置換またはC
1~C
6-アルキル、C
1~C
6-アルコキシ-C
1~C
6-アルキルおよびC
1-C
6-アルコキシから選択される1、2または3つのラジカルにより置換されるC
1~C
16-アルコキシまたはC
6~C
10アリールであり、
ここで、R
163ラジカルは*で示された位置にある、テリレンビスイミド化合物、
およびそれらの混合物;
【0032】
(B17) 式(XVII)
【化17】
のシアノアリール置換ベンゾ(チオ)キサンテン化合物であって、式中、
mは0、1、2、3、または4であり、
各R
1は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、-NR
aR
b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシC
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10からなる群から選択され、6つの最後に述べたラジカル中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールオキシおよびアリール-アルキレンの環は非置換であるか、または1、2、3、4または5つの同一のまたは異なるラジカルR
1aで置換され、ここでC
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分はO、SおよびNR
cのからなる群から選択される11つ以上の基によって中断されてもよく、
R
2、R
3、R
4およびR
5は、水素、塩素、臭素および1、2または3つのシアノ基を有するC
6~C
24-アリールからなる群から選択され
(ただし、前記ラジカルR
1、R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの少なくとも1つは、1、2、または3つのシアノ基を有するC
6~C
24-アリールである)、
XはO、S、SOまたはSO
2であり、
Aは、一般式(A.1)、(A.2)、(A.3)、および(A.4)
【0033】
【化18】
のジラジカルからなる群から選択されるジラジカルであり、式中、
*いずれの場合も、分子の残りの部分への付着点を示しており、
nは0、1、2、3、または4であり、
oは0、1、2、または3であり、
pが、0、1、2、または3であり、
R
6は、水素、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、最後に述べた3つのラジカルの中のシクロアルキル、アリール、およびアリール-アルキレンの環は非置換であるか、1、2、3、4、または5つの同一のまたは異なるラジカルR
6aで置換されており、C
1~C
24アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、11つ以上のヘテロ原子またはO、SおよびNR
cからなる群から選択されるヘテロ原子基によって中断されてもよく、
各R
7は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、-NR
aR
b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンからなる群から選択され、ここで、最後に述べた6つのラジカル中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、およびアリール-アルキレンの環は、非置換であるか、1、2、3、4、または5つの同一のまたは異なるラジカルR
7aで置換されており、ここでC
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
cからなる群から選択される1つ以上の基により中断されてもよく、
各R
8は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、NR
aR
b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンからなる群から選択され、6つの最後に述べたラジカルの中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換または1、2、3、4または5つの同一のまたは異なる基R
8aに置換され、ここでC
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分はO、SおよびNR
cのからなる群から選択される1つ以上の基によって中断されてもよく、
各R
9は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、NR
aR
b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3-C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール、C
1~C
10-アルキレンからなる群から選択され、最後に述べた6つのラジカル中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、非置換または、1、2、3、4または5つの同一または異なる基R
9aで置換され、ここでC
1-C
24アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシおよびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
cのからなる群から選択される1または複数の基で中断されてもよく、
R
1a、R
6a、R
7a、R
8a、R
9aは、互いに独立してC
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-フルオロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、フッ素、塩素、臭素およびシアノからなる群から選択され、
R
a、R
bは、R
cは、互いに独立して、水素、C
1~C
20-アルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘタリールおよびC
6~C
24-アリール、からなる群から選択される、シアノアリール置換ベンゾ(チオ)キサンテン化合物;
【0034】
(B18) 式(XVIIIa)、(XVIIIb)、(XVIIIc)
【化19】
の化合物またはそれらの混合物から選択されるシアノ置換BODIPY(ホウ素-ジピロメテン)染料であって、式中、
R
1、R
2、R
3、R
5、R
6およびR
7は、式(XVIIIA)、(XVIIIB)および(XVIIIc)内に存在する場合、互いに独立して、水素、C
1~C
20-アルキルまたはC
6~C
14-アリール、C
1~C
10-アルキレンから選択され、C
6~C
14-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアリール部分、は、非置換であるか、またはkの同一のまたは異なる置換基R
9で置換されており、
式(XVIIIa)、(XVIIIb)および(XVIIIc)中のR
4a、R
4bは、互いに独立して、フッ素、塩素、シアノまたはOR
10から選択され、
式(XVIIIa)のR
8aは、C
1~C
20-アルキルであり、
式(XVIIIb)のR
8bは、C
1~C
20-アルキルであり、
式(XVIIIc)のR
8cは、C
1~C
20-アルキル、C
6~C
10-アリールまたはC
6~C
10-アリール-C
1~C
10-アルキレンであって、上述の2つのラジカル内のアリール部分が非置換またはkの同一のまたは異なる置換基R
9で置換され、
式中、
kは、1、2、3、4、5、または6の整数であり、
R
9は、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、CN、ハロゲン、フェニルまたはフェノキシであり、
R
10はC
1~C
10-アルキルまたはヒドロキシ-C
1~C
10-アルキルである、シアノ置換BODIPY(ホウ素-ジピロメテン)染料;からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤B、を含む受信機に関する。
【0035】
本発明はさらに、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bを含む受信器に関する
【0036】
本発明はさらに、
-少なくとも1つの送信機(トランスミッター, transmitter)(T)、および
-少なくとも1つの受信機(レシーバー, receiver)(R)を含み、
B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bが受信機に存在する光データ通信システムに関する。
【0037】
本発明はさらに、光データ通信システム用の受信機の発光集光器におけるB1,B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される有機蛍光着色剤Bの使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明による光データ通信システムは、送信機(T)によって放出される変調された電磁放射の少なくとも一部を検出するための受信機(R)を含む。本発明による受信機(R)は、発光集光器を含む。発光集光器では、光信号が収集され、電流に変換される。
【0039】
受信機の検出器として一般的に使用されるフォトダイオードの応答時間は、接合容量およびキャリア通過時間によって制限され、検出器のサイズに比例し、視野を拡大するために、本発明では、波長シフト材料と検出器、好ましくはフォトダイオード(PDまたはPDのアレイ)の組み合わせシステムである発光集光器が、受信器(R)に採用されている。
【0040】
<発光集光器>
したがって、本発明は、
i)少なくとも1つの波長シフト材料と、
ia)高分子マトリックス材料、および
ib)B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤B;
および
ii)少なくとも1つの検出器と、を含む発光集光器に関する。
【0041】
<波長シフト材料>
従来の光学系の代わりに波長シフト材料を使用して変調された電磁放射を収集するか、従来の光学系と一緒に変調された電磁放射を収集する。波長シフト材料は、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bでドープされた光導波路(すなわち、好適なポリマーマトリックス材料が以下に記載されるポリマーマトリックス材料)である。
【0042】
本発明による発光集光器は、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bおよび検出器、好ましくはフォトダイオードを含む波長シフト材料の組み合わせシステムである。
【0043】
通信信号(すなわち、変調された電磁放射、好ましくは送信機(T)によって放出される)で変調された入射光は、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17、およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bによって光の入射角に関係なく吸収され、その後、異なる波長で再放射される。放出された光の少なくとも一部、理想的な場合には放出された光のすべてが、例えばファイバまたはシートによって収集され、内部反射によって検出器、好ましくはフォトダイオード、より好ましくは小面積のフォトダイオードに導かれる。
【0044】
波長シフト材料は、ポリマーマトリックスに存在するB1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bを含む。通常、有機蛍光着色剤Bは、ポリマーマトリックスに分子的に溶解している。適切なポリマーマトリックス材料は、以下に記載されている。
【0045】
波長シフト材料のポリマーマトリックス材料中のB1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される有機蛍光着色剤Bの濃度は、受信器の厚さとポリマーの種類の関数として設定される。薄いポリマー層が使用される場合、有機蛍光着色剤Bの濃度は、一般に、厚いポリマー層の場合よりも高い。
【0046】
好ましくは、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される有機蛍光着色剤Bの濃度(2つ以上の有機蛍光着色剤Bの場合、有機蛍光着色剤Bの合計の濃度)は、使用されるマトリックスポリマーの量に基づいて、0.0001から5重量%、より好ましくは0.001から0.5重量%の範囲にある。
【0047】
B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される有機蛍光着色剤Bは、粒子の形態で適用することができ、通常、ポリマーマトリックスに分子的に溶解される。さらなる実施形態において、有機蛍光着色剤Bは、溶解形態の有機蛍光着色剤Bを含む容器(例えばガラス)に含まれる液体に溶解される。
【0048】
波長シフト材料は、湾曲しているおよび/または可撓性であり得るシートの形態で存在し得るか、または1つ以上の繊維から構成され得る。
【0049】
<高分子マトリックス材料>
前述のように、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される有機蛍光着色剤Bは、ポリマーマトリックス中に存在する。
【0050】
本発明による、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bのポリマーマトリックスは、好ましくは、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、シリコーン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)-コポリマー(EVA、EVOH)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリスチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチレート(PVB)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、2,5-フランジカルボキシレートポリエステル、エポキシ、アクリルまたはシリコーンなどのUV硬化性または熱硬化性レジスト、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0051】
好ましくは、ポリマーマトリックス材料は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのポリマーを含む。
【0052】
ポリスチレンは、ここではとりわけ、スチレンおよび/またはスチレンの誘導体の重合から生じるすべてのホモまたはコポリマーを意味すると理解される。スチレンの誘導体は、例えば、αメチルスチレン、例えば、オルト-、メタ-、パラ-メチルスチレン、パラ-ブチルスチレン、特にパラ-tert-ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、パラ-メトキシスチレン、パラ-ブトキシスチレンなどパラ-tertブトキシスチレンなどのアルコキシスチレンである。一般に、適切なポリスチレンの数平均分子量Mnは10000~1000000g/mol(GPCにより決定)、好ましくは20000~750000g/mol、より好ましくは30000~500000g/molである。
【0053】
本発明の1つの好ましい実施形態では、ポリマーマトリックスは、スチレンまたはスチレン誘導体のホモポリマーを含むか、またはスチレンまたはスチレン誘導体のホモポリマーである。より具体的には、ポリマーマトリックスはポリスチレンからなる。
【0054】
本発明のさらに好ましい実施形態では、ポリマーマトリックスは、スチレンコポリマーを含むか、またはスチレンコポリマーであり、これは、本出願の文脈において同様にポリスチレンと見なされる。
【0055】
スチレンコポリマーは、さらなる構成成分として、例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、無水マレイン酸、ビニルカルバゾール、またはモノマーとしてアクリル酸、メタクリル酸またはイタコン酸のエステルを含み得る。適切なスチレンコポリマーは、一般に、少なくとも20重量%のスチレン、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも60重量%のスチレンを含む。別の実施形態において、それらは、少なくとも90重量%のスチレンを含む。
【0056】
好ましいスチレンコポリマーは、スチレン-アクリロニトリルコポリマー(SAN)およびアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(ABS)、スチレン-1,1’-ジフェニルエテンコポリマー、アクリルエステル-スチレン-アクリロニトリルコポリマー(ASA)、メチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(MABS)である。さらに好ましいポリマーは、αメチルスチレン-アクリロニトリルコポリマー(AMSAN)である。スチレンホモポリマーまたはコポリマーは、例えば、フリーラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合によって、または有機金属触媒(例えば、チーグラー・ナッタ触媒)の影響下で調製することができる。これは、アイソタクチック、シンジオタクチック、またはアタクチックポリスチレンまたはコポリマーを導く可能性がある。それらは、好ましくは、フリーラジカル重合によって調製される。重合は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合または塊状重合として実施することができる。適切なポリスチレンの調製は、例えば、Oscar Nuyken,Polystyrenes and Other Aromatic Polyvinyl Compounds,Kricheldorf,Nuyken,Swift,New York 2005,p.73~150、およびそこで引用されている参考文献、ならびにElias,Macromolecules,Weinheim 2007,p.269~275に記載されている。
【0057】
別の好ましい実施形態では、ポリマーマトリックスは、ポリエチレンテレフタレートを含むか、またはポリエチレンテレフタレートである。ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールとテレフタル酸の縮合によって得られる。
【0058】
さらに好ましい実施形態では、ポリマーマトリックスは、ポリカーボネートを含むか、またはポリカーボネートである。ポリカーボネートは、芳香族または脂肪族ジヒドロキシル化合物を含む炭酸のポリエステルである。好ましいジヒドロキシル化合物は、例えば、メチレンジフェニレンジヒドロキシル化合物、例えば、ビスフェノールAである。ポリカーボネートを調製する1つの手段は、界面重合における適切なジヒドロキシル化合物とホスゲンとの反応である。別の手段は、縮合重合における炭酸ジフェニルなどの炭酸のジエステルとの反応である。適切なポリカーボネートの調製は、例えば、Elias,Macromolecules,Weinheim 2007,p.343-347に記載されている。
【0059】
さらに好ましい実施形態では、ポリマーマトリックスは、(i)脂肪族C2-C20-ジオールと脂環式C3-C20-ジオールから選択される少なくとも1つのジオールと、(ii)2,5-フランジカルボン酸および/またはそのエステル形成誘導体、および(iii)任意選択で、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、3,4-フランジカルボン酸、テレフタル酸および2,5-ナフタル酸および/またはそれらのエステル形成誘導体とから選択される少なくとも1つのさらなるジカルボン酸と、を反応させることによって得られる少なくとも1つの2,5-フランジカルボキシレートポリエステル(A)を含む。
【0060】
適切な脂肪族C2-C20-ジオールは好ましくは直鎖または分岐C2-C15-アルカンジオールであり、特にエタン-1,2-ジオール(エチレングリコール)、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール(プロピレングリコール)、ブタン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール(ブチレングリコール)、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ペンタン-1,5-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、ヘキサン-1,6-ジオール、ヘプタン-1,7-ジオール、オクタン-1,8-ジオール、ノナン-1,9-ジオール、デカン-1,10-ジオールなどの直鎖または分岐C2-C10-アルカンジオールである。適切な脂環式C3-C20-ジオールは好ましくは1,2-シクロペンタンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘプタンジオールまたは1,4-シクロヘプタンジオールなどのC3-C10-シクロアルキルレンジオールである。その他の適切な脂環式C3-C20-ジオールには、1,3-シクロヘキサンジメタノールおよび1,4-シクロヘキサンジメタノール、もしくは2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、またはそれらの組み合わせが含まれる。特に好ましいジオールはC2-C6-アルカンジオール、特にエタン-1,2-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールおよびそれらの混合物である。より特に好ましいのは、エタン-1,2-ジオールおよびプロパン-1,3-ジオールである。特に好ましいのはエタン-1,2-ジオールである。
【0061】
より特に好ましいのはまた、生物学的に誘導された(「生物由来の」)C2-C10-アルカンジオール、特に-エタン-1,2-ジオールおよびプロパン-1,3-ジオールなどのC2-C6-アルカンジオールでもある。バイオベースのエタン-1,2-ジオールは、リグノセルロース系バイオマス源から、そこに含まれる炭水化物の変換によって得ることができる。バイオマス由来のC2-C10-アルカンジオールの調製方法は、当技術分野で知られており、例えば、米国特許出願公開第US2011/0306804号からである。
【0062】
好ましくは、ジオール成分(i)は、好ましいと述べられている1つのジオール、特にエタン-1,2-ジオールのみから構成される。ジオール成分(i)はまた、2つ、3つ、または4つ以上の異なるジオールを含み得る。2つ、3つ、または3つ以上の異なるジオールが使用される場合、好ましいものとして上記のものが優先される。この場合、成分(i)の総重量に基づいて、好ましくはエタン-1,2-ジオールが主成分である。
【0063】
2,5-フランジカルボン酸のエステル形成誘導体は特にC1-C10-2,5-フランジカルボン酸のジアルキルエステルである。特に好ましいジエステルはフランジカルボン酸のC1-C6-2,5-ジアルキルエステル、特にジメチルエステルとジエチルエステルである。成分(ii)はまた、2,5-フランジカルボン酸の2つ、3つ、または4つ以上の異なるジエステルを含み得る。2,5-フランジカルボン酸は、バイオベースの糖から製造できる。Co、Mnおよび/またはCeを含む触媒を用いた5-ヒドロキシメチルフルフラールなどの2,5-二置換フランの空気酸化を使用して2,5-フランジカルボン酸を調製するための経路は、最近、WO2010/132740、WO2011/043660、WO2011/043661、US2011/0282020、US2014/0336349およびWO2015/137804で報告された。
【0064】
2,5-フランジカルボン酸のジアルキルエステルを調製するための経路は、例えば、WO2011/043661にも記載されている。
【0065】
好ましくは、成分(ii)は、2,5-フランジカルボン酸または2,5-フランジカルボン酸のジエステルのみから構成される。
【0066】
好ましくは、2,5-フランジカルボキシレートポリエステル(A)は、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(プロピレン-2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(エチレン-co-プロピレン-2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(ブチレン-2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(ペンチレン-2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(ネオペンチレン-2,5-フランジカルボキシレート)およびそれらの混合物から選択される。
【0067】
特に、周波数変換器と組み合わせて使用するためのポリマーマトリックス材料は、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)、ポリ(トリメチレン-2,5-フランジカルボキシレート)およびポリ(ブチレン-2、5-フランジカルボキシレート)からなる群から選択される。より好ましくは、周波数変換器と組み合わせて使用するためのポリマーマトリックス材料は、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)である。
【0068】
さらに特定の実施形態では、周波数変換器と組み合わせて使用するためのポリマーマトリックス材料は、上で定義された異なる2,5-フランジカルボン酸ポリエステル(A)の混合物(ブレンド)、例えば、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)およびポリ(プロピレン-2,5-フランジカルボキシレート)のブレンドを含む。
【0069】
ポリ(プロピレン-2,5-フランジカルボキシレート)は、ポリ(トリメチレン-2,5-フランジカルボキシレート)とも呼ばれ、ポリ(ブチレン-2,5-フランジカルボキシレート)はポリ(テトラメチレン-2,5-フラン-ジカルボキシレート)とも呼ばれ、ポリ(ペンチレン-2,5-フランジカルボキシレート)はポリ(ペンタメチレン-2,5-フラン-ジカルボキシレート)とも呼ばれる。
【0070】
同様に適切なのは、上で定義された少なくとも1つのジオール成分(i)、上で定義された成分(ii)、およびから1,2-シクロヘキサン-ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、3,4-フランジカルボン酸、テレフタル酸および2,6-ナフタル酸および/またはそれらのエステル形成誘導体から選択される少なくとも1つのさらなるジ酸またはジエステル成分(iii)を反応させることによって得られる2,5-フランジカルボン酸ポリエステル(A)である。1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、3,4-フランジカルボン酸、テレフタル酸および2,5-ナフタル酸のエステル形成誘導体は特にC1-C10-ジアルキルエステルである。特に好ましいエステルはC1-C6-ジアルキルエステル、特にジメチルエステルとジエチルエステルである。成分(ii)と成分(iii)の組み合わせを使用する場合、成分(ii)は通常、成分(ii)と(iii)の総重量に基づく主要成分である。例としては、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート-co-1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート)、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート-co-1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート)、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート-co-テレフタレート)、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート-co-2,5-ナフタレート)またはポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート-co-3,4-フランジカルボキシレート)、好ましくはポリ(エチレン-2、5-フランジカルボキシレート-co-テレフタレート)、ポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート-co-2,6-ナフタレート)またはポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート-co-3,4-フランジカルボキシレート)が挙げられる。
【0071】
2,5-フランジカルボン酸ポリエステル(A)は、米国特許第2,551,731号に記載されているように調製することができる。
【0072】
好ましい実施形態では、酸素を排除して重合されたポリマーが使用される。好ましくは、重合中のモノマーは、合計で1000ppm以下、より好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下の酸素を含む。
【0073】
さらに適切なポリマーマトリックス材料は、エポキシ、アクリレート、またはシリコーンのようなUV硬化性または熱硬化性のレジストでもある。
【0074】
本発明の一実施形態では、適切なポリマーは、光学的に透明なポリマーである。別の実施形態では、適切なポリマーは不透明なポリマーである。
【0075】
本出願の意味において、光学的に透明とは、完全に光学的に透明であるか半透明であることを意味する。したがって、光学的に透明とは、入射光の少なくとも30%、好ましくは30%から100%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは50%から100%、最も好ましくは少なくとも80%、さらにはより好ましくは80%から100%がポリマーを通って入ることである。
【0076】
少なくとも30%、好ましくは30%~100%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは50%~100%、最も好ましくは少なくとも80%、さらに最も好ましくは80%~100の透明度(光透過率)は、好ましくは、EN410に基づく光透過TL(380~780nm)として決定される。
【0077】
不透明なポリマーは、光波の伝達を許容しない。言い換えれば、不透明なポリマーを通して見ることはできない。不透明度は、ポリマーの表面から離れたところでの光波の反射が原因で発生する。
【0078】
適切なマトリックスポリマーは、さらなる構成要素として、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、UV吸収剤、フリーラジカルスカベンジャー、帯電防止剤などの添加剤を含み得る。この種の安定剤は当業者に知られている。
【0079】
適切な抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャーは、例えば、フェノール、特にブチルヒドロキシアニソール(BHA)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)などの立体障害のあるフェノール、または立体障害のあるアミン(HALS)である。この種の安定剤は、Irganox(登録商標)の商品名でBASFにより、例えば、販売されている。いくつかの場合では、抗酸化剤およびフリーラジカルスカベンジャーは、例えばIrgafos(登録商標)の商品名で、例えば、BASFにより販売されているホスファイトまたはホスホナイトのような二次安定剤によって補完することができる。
【0080】
適切なUV吸収剤は、例えば、2-(2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(BTZ)などのベンゾトリアゾール、(2-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン(HPT)などのトリアジン、ヒドロキシベンゾフェノン(BP)またはオキサラニリドである。この種のUV吸収剤は、例えば、Uvinul(登録商標)の商品名でBASFにより販売されている。
【0081】
本発明の好ましい実施形態では、適切なマトリックスポリマーは、抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャーを含まない。
【0082】
<顔料/散乱体>
一実施形態では、波長シフト材料は、少なくとも1つの散乱体をさらに含む。好ましくは、波長シフト材料は、散乱体としての少なくとも1つの無機白色顔料と共にさらに使用される。
【0083】
適切な散乱体は、無機白色顔料、例えば、DIN13320よる平均粒子サイズが0.01~10μm、好ましくは0.1~1μm、より好ましくは0.15~0.4μmである、二酸化チタン、硫酸バリウム、リトポン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウムであり、特にTiO2に基づく散乱体である。
【0084】
散乱体は、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bを含む染料を含む組成物に含まれ、各場合においてポリマーマトリックスに基づいて少なくとも1つのポリマーマトリックスおよび少なくとも1つの散乱体は、典型的には0.01から10重量%、好ましくは0.05から5重量%、より好ましくは0.1から2重量%の量である。
【0085】
適切な光散乱有機剤の例には、ポリ(アクリレート);ポリ(メタクリル酸アルキル)、例えばポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA);ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE);シリコーンベースの散乱剤、例えば加水分解されたポリ(アルキルトリアルコキシシラン)、およびそれらの混合物に基づくものが含まれる。これらの光散乱剤のサイズ(平均直径-重量平均)は、通常、0.5から50μm、好ましくは1から10μmの範囲である。
【0086】
有用な散乱剤は、例えば、PMMAベースの散乱剤とシリコーンベースの散乱剤との混合物である。また、EP-A 634 445に記載されているように、コア/シェル形態のアクリル酸ビニルをTiO2との組み合わせ基づくポリマー粒子を含む光散乱組成物も適切である。好ましくは、少なくとも1つの散乱剤は、ポリ(メチルメタクリレート)-ベースの散乱剤、シリコーンベースの散乱剤、またはTiO2である。
【0087】
波長シフト材料は、任意選択で、裏打ち層などのさらなる構成要素を含み得る。
【0088】
裏打ち層は、波長シフト材料に機械的安定性を与えるのに役立ち得る。裏打ち層の材料の種類は、それが透明であり、所望の機械的強度を有する限り、重要ではない。裏打ち層に適した材料は、例えば、ガラス、またはポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、またはポリメチルメタクリレートなどの透明な硬質有機ポリマーである。
【0089】
裏打ち層は、一般に、0.1mmから10mm、好ましくは0.2mmから5mm、より好ましくは0.3mmから2mmの厚さを有する。
【0090】
本発明の一実施形態では、波長シフト材料は、WO2012/152812に開示されているように、酸素および/または水に対する少なくとも1つのバリア層を有する。バリア層に適したバリア材料の例は、例えば、ガラス、石英、金属酸化物、SiO2、M2O3およびSiO2層の交互の層で構成される多層システム、窒化チタン、SiO2/金属酸化物多層材料、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル(PVDC)、液晶ポリマー(LCP)、ポリスチレン-アクリロニトリル(SAN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルブチレート(PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、エチレン-ビニルアセテート(EVA)に由来するポリマー、およびエチレン-ビニルアルコール(EVOH)に由来するポリマーである。
【0091】
バリア層に好ましい材料は、ガラスまたはAlO3およびSiO2の交互層で構成される多層システムである。
【0092】
好ましくは、適切なバリア層は、酸素に対する透過性が低い。
【0093】
より好ましくは、適切なバリア層は、酸素および水に対する透過性が低い。
【0094】
波長シフト材料の調製は、一般に当業者に知られている。特に、波長シフト材料は、押出、繊維延伸、印刷、コーティングまたは成形によって形成される。
【0095】
<有機蛍光着色剤B1~B18>
発光集光器は、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17、B18およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤Bを含む。
【0096】
好ましくは、発光集光器は、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18、からなる群から選択される1つまたは2つの有機蛍光着色剤Bを含み、より好ましくは、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される1つの着色剤Bを含む。
【0097】
<有機蛍光着色剤(B1)>
式(I)のナフトイルベンゾイミダゾール化合物は、EP17151931.7から知られている。式(I)の化合物は通常、黄色の蛍光化合物である。
【0098】
光受信機での使用に関しては、式(I-A)の化合物に対応する式(I)の化合物が好ましい。
【化20】
式中、
R
3およびR
4は、それぞれ独立して、水素、フェニル、1もしくは2つのシアノ基を有するフェニルまたはC
1~C
10-アルキルから選択される1、2もしくは3つの置換基を有するフェニルであり、
R
7、R
8、R
9およびR
10は、それぞれ独立して、水素、フェニル、1もしくは2つのシアノ基を有するフェニル、またはC
1~C
10-アルキルから選択される1、2もしくは3つの置換基を有するフェニルである。
【0099】
式(I-A)の化合物の中で、R8およびR10が同じ意味を有する化合物が優先される。同様に、好ましくはR7およびR9が同じ意味を有するに化合物が優先される。特に、R8とR10は同じ意味を有し、R7とR9は同じ意味を有する。具体的には、R7およびR9は、同じ意味を有し、水素である。
【0100】
本発明の特定の好ましい実施形態は、式(I-A)の化合物に関し、
式中、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素、フェニル、1または2つのシアノ基を有するフェニル、1、2または3つのC1~C10-アルキル置換基を有するフェニル、特に、水素、フェニル、1つのシアノ基を有するフェニルから選択され、
R7は、水素であり、
R8は、フェニル、1のまたは2つのシアノ基を有するフェニル、1、2または3つのC1-C10-アルキル置換基を有するフェニルであり、
R9は、水素であり、そして
R10は、フェニル、1または2つのシアノ基を有するフェニルまたは1、2または3つのC1~C10-アルキル置換基を有するフェニルである。
【0101】
特に、R8は、4-シアノフェニルである。特に、R10は、4-シアノフェニルである。
【0102】
本発明のより特定の好ましい実施形態は、式(I-A)の化合物に関し、
式中、R3はフェニル、1つのシアノ基を有するフェニル、またはC1~C10-アルキルから選択される1つの置換基を担持するフェニルであり;
R4は、水素であり、
R8およびR10は、それぞれ1つのシアノ基を有するフェニルであり、
R7およびR9は、それぞれ水素である。
【0103】
特に、R3は、1つのシアノ基を有するフェニルである。
本発明のさらに特に好ましい実施形態は、式(I-A)の化合物に関し、
式中、R3は水素であり、
R4は、フェニル、1つのシアノ基を有するフェニル、C1~C10-アルキルから選択される1つの置換基を担持するフェニル、特に1つシアノ基を有するフェニルであり、
R8およびR10は、それぞれ1つのシアノ基を有するフェニルであり、
R7およびR9は、それぞれ水素である。
【0104】
式(I-A)の好ましい化合物の例は、式(I-A.1)(I-A.2)(I-A.3)および(I-A.4)の化合物である。
【0105】
【0106】
式Iの化合物およびそれらの混合物は、例えば、WO2012/168395、特に64~81ページまたはWO2015/019270の21~30ページに記載されているように、標準的な方法と同様に調製することができる。
【0107】
<有機蛍光着色剤(B2)>
式(II)のシアン化ナフトイルベンゾイミダゾール化合物は、WO2015/019270から知られている。式(II)の化合物は通常、緑色、黄緑色、または黄色の蛍光色素である。本発明の光受信機での使用に関して、化合物(II)は、好ましくは、式(II-A)の化合物
【化22】
およびそれらの混合物から選択され、
式中、
R
23およびR
24は、それぞれ独立して、シアノ、フェニル、4-シアノフェニルまたはC
1-C
10-アルキルから選択されるから選択される1、2または3つの置換基を有するまたはフェニルであり、特にシアノ、フェニルまたは4-シアノフェニルであり、
R
27、R
28、R
29およびR
210は、それぞれ独立して、水素、シアノ、フェニル、4-シアノフェニルまたはC
1-C
10-アルキルから選択される1、2または3つの置換基を有するフェニルであり、特に水素、シアノ、フェニルまたは4-シアノフェニルである。
【0108】
より好ましい化合物は、WO2015/019270の16ページ、第2段落~20ページ、第3段落に指定されている。本発明の光受信機での使用に関して、特に好ましいのは、式(II-1)、(II-2)、(II-3)、(II-4)、(II-5)、(II-6)、(II-7)、(II-8)、(II-9)、(II-10)、(II-11)、(II-12)、(II-13)、(II-14)、(II-15)、(II-16)、(II-17)、(II-18)、(II-19)、(II-20)、(II-21)、(II-22)、(II-23)、(II-24)、(II-25)、(II-26)、(II-27)、(II-28)、(II-29)、(II-30)、(II-31)、(II-32)、(II-33)、(II-34)、(II-35)、(II-36)、(II-37)、(II-38)、(II-39)、(II-40)、(II-41)、(II-42)、(II-43)、(II-44)、(II-45)、(II-46)、(II-47)、(II-48)、(II-49)、および(II-50)の化合物ならびにそれらの混合物から選択される式(II)の化合物である。
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
より特に好ましいのは、化合物(II-11)、(II-12)、(II-13)および(II-14)ならびにそれらの混合物である。
【0114】
<有機蛍光着色剤(B3)>
式(III)の化合物は、WO2015/169935から知られている。式(III)の化合物は通常、黄色または黄緑色の蛍光色素である。本発明の光受信機での使用に関して、式(III)の化合物は、以下の式(III-a)および(III-b)の化合物ならびに式(III-c)および式(IIII-d)の化合物
【化24】
を個別におよびそれらの混合物として包含し、
ここでR
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37、R
38、Z
3およびZ
3*はそれぞれ上で定義したとおりである。
【0115】
特に、WO2015/169935の12ページ、9行目から13ページ、31行目に指定されている化合物が優先される。本発明の光受信機での使用に関しては、式(III-1)、(III-2)、(III-3)、(III-4)、(III-5)、(III-6)、(III-7)、(III-8)、(III-9)、(III-10)、(III-11)、(III-12)、(III-13)、(III-14)、(III-15)、(III-16)、(III-17)、(III-18)、(III-19)、(III-20)の化合物から選択される式(III)の化合物
【0116】
【0117】
【化25-2】
およびそれらの混合物が好ましく、
式中、
Z
3は、C
1~C
6-アルキル、C
1~C
6-アルコキシカルボニル、フェニル、および1、2または3つのC
1~C
4-アルキル基を有するフェニルから選択され、そして
Z
3*は、C
1~C
6-アルキル、C
1~C
6-アルコキシカルボニル、フェニル、および1、2または3つ、C
1~C
4-アルキル基を有するフェニルから選択される。
【0118】
特別な実施形態では、Z3*は、Z3と同じ意味を有する。
【0119】
これらの中で、式(10.a)、(10.b)のペリレン化合物
【化26】
およびそれらの混合物が特に優先され、式中、
R
2、R
3、R
6およびR
7の中の3つの置換基は水素であり、そして
R
2、R
3、R
6およびR
7置換基の1つは、シアノである。
【0120】
<有機蛍光着色剤(B4)>
式(IV)のシアン化合物は、WO2016/151068の主題である。式(IV)の化合物は通常、黄色または黄緑色の蛍光色素である。本発明の光受信機での使用に関して、式(IV)の化合物は、好ましくは、X40がOである化合物が好ましい。また、式(IV)の化合物であり、X40がSである化合物が好ましい。WO2016/151068の24ページの10行目から34ページの4行目に指定されている化合物が優先される。
【0121】
これらの中で、式(IV)の化合物が特に好ましく、ここで、Aは式(A.2)のラジカルである。Aが式(A.2)のラジカルである式(IV)の化合物は、式(IV-A.2)の化合物とも呼ばれる。
【化27】
式中、
m4、X
40、R
41、R
42、R
43、R
44、R
45、およびR
46は上で定義されたとおりである。
【0122】
式(I-A.2)の化合物において、R
46は、好ましくは、水素、直鎖C
1-C
24-アルキル、分岐C
3-C
24-アルキル、C
6-C
10-アリールおよびC
6-C
10アリール-C
1-C
10-アルキレンから選択され、最後に述べた二つの部分におけるアリール環は、非置換または1、2、3、4または5つの同一または異なる基R
46Aで置換されている。特に、R
46は、直鎖C
1-C
24-アルキル、式(B.1)のラジカルおよび式(B.2)のラジカルから選択され、
【化28】
式中、
#は窒素原子への結合部位であり、
式(B.1)におけるR
dおよびR
eは、互いに独立してR
dおよびR
eラジカルの炭素数の和が2から23までの整数であるC
1-C
23-アルキルから選択され、
式(B.2)におけるR
f、R
gおよびR
hは、C
1~C
20-アルキルから独立して選択され、R
f、R
gおよびR
hラジカルの炭素原子の合計は、3から23までの整数である。
【0123】
式(B.1)の好ましいラジカルは、1-メチルエチル、1-メチルプロピル、1-メチルブチル、1-メチルペンチル、1-メチルヘキシル、1-メチルヘプチル、1-メチルオクチル、1-エチルプロピル、1-エチルブチル、1-エチルペンチル、1-エチルヘキシル、1-エチルヘプチル、1-エチルオクチル、1-プロピルブチル、1-プロピルペンチル、1-プロピルヘキシル、1-プロピルヘプチル、1-プロピルオクチル、1-ブチルペンチル、1-ブチルヘキシル、1-ブチルヘプチル、1-ブチルオクチル、1-ペンチルヘキシル、1-ペンチルヘプチル、1-ペンチルオクチル、1-ヘキシルヘプチル、1-ヘキシルオクチル、1-ヘプチロクチルである。
【0124】
式(B.2)の特に好ましいラジカルは、tert.-ブチルである。
【0125】
同様に、特に、R
46は、式(C.1)のラジカル、式(C.2)のラジカル、または式(C.3)のラジカルであり、
【化29】
ここで、
#は窒素原子への結合側を表し、
存在する場合、BはC
1-C
10-アルキレン基であり、-O-および-S-から選択される1つ以上の非隣接基によって中断される可能性があり、
yが、0または1であり、
R
iは、互いに独立してC
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-フルオロアルキル、フッ素、塩素または臭素から選択され、
R
kは、互いに独立してC
1~C
24-アルキルから選択され、
式C.2およびC.3のxは、1、2、3、4、または5つである。
【0126】
好ましくは、yは0であり、すなわち可変物Bは存在しない。
【0127】
その存在に関係なく、Riは、好ましくはC1~C24-アルキル、より好ましくは直鎖C1~C10-アルキルまたは分岐C3~C10-アルキル、特にイソプロピルから選択される。その存在に関係なく、Rkは、好ましくはC1-C30~アルキル、より好ましくは直鎖C1~C10-アルキルまたは分岐C3~C10-アルキルから選択される。式C.2およびC.3の変数xは、好ましくは1、2または3である。
【0128】
実施形態の特別な基は式(IV-A.2)の化合物に関し、式中、可変物m4、X40、R41、R42、R43、R44、およびR45が互いに独立して、または特に組み合わせて以下の意味を有する:
X40は、OまたはSであり、
R42とR44はそれぞれシアノであり、
R43およびR45はそれぞれ水素であるか、またはR43およびR45の一方は臭素であり、R43およびR45の他方は水素であり、
R41は、シアノ、臭素、および非置換であるか、またはC1-C4-アルキルから選択される1または2つのラジカルを有するフェニルから選択され、
R46は、水素、C1~C24-直鎖アルキル、分岐C3~C24-アルキル、式(C.1)のラジカル、(式(C.2)のラジカル、(式C.3)のラジカルから選択され、
m4が、0または1である。
【0129】
さらにより好ましくは、
X40は、OまたはSであり、
R42とR44は、それぞれシアノであり、
R43とR45は、それぞれ水素であり、
R41は、シアノ、臭素、および非置換であるか、またはC1~C4-アルキルから選択される1または2つのラジカルを有するフェニル、特にシアノから選択され、
R46は、直鎖C1~C24-アルキル、分岐C3~C24-アルキル、式(C.1)のラジカル、式(C.2)のラジカル、および式(C.3)のラジカル;特に直鎖C1~C24-アルキル、分岐C3~C24-アルキル、またはC1~C4-アルキルから選択される1または2つのラジカルを有するフェニルたとえば2,6-ジイソプロピルフェニルなどのから選択され、
m4は、0または1である。
【0130】
式(IV-A.2)の好ましい化合物の例を以下に示す:
【0131】
【0132】
【0133】
特に、有機蛍光着色剤(B4)は、化合物IV-A.2-1、IV-A.2-6およびIV-A.2-9から選択される。
【0134】
<有機蛍光着色剤(B5)>
式(V)のベンゾキサンテン化合物は、WO2014/131628から知られている。適切な化合物は、WO2014/131628の
図2A、
図2B、および
図2Cに示されている。それらは通常、黄色または黄緑色の蛍光色素である。式(V)のベンゾチオキサンテン化合物は、例えば、米国特許第3,357,985号から知られている。式(V)のベンゾチオキサンテン化合物が好ましく、ここで、X
5はOまたはSであり、R
51はC
1~C
24-アルキルであり、R
52~R
59は水素である。好ましくは、R
51は、C
6~C
20-アルキルである。
【0135】
<有機蛍光着色剤(B6)>
式(VIA)および(VIB)のベンジミダゾキサンテニソキノリン化合物は、WO2015/062916から知られている。適切な化合物は、WO2015/062916の3ページ、24行目から8ページ、24行目に、特に
図3A、
図3B、
図3Cに示されている。
【0136】
<有機蛍光着色剤(B7)>
式(VII)の構造単位を有する化合物は、WO2012/168395から知られている。一般的に、それらは黄色の蛍光色素である。本発明の光受信機での使用に関して、式(VII)の構造単位を有する化合物は、好ましくは、WO2012/168395の28ページ、14行目から32ページ、5行目に指定された化合物である。
【0137】
本発明の光受信機での使用に関して、式(VII)の構造単位を有する化合物は、式(VII-1)、(VII-2)、(VII-3)、(VII-4)、(VII-5)、(VII-6)、(VII-7)、(VII-8)、(VII-9)、(VII-10)、(VII-11)、(VII-12)、(VII-13)、(VII-14)、(VII-15)、(VII-16)、(VII-17)、(VII-18)、(VII-19)、(VII-20)、(VII-21)、(VII-22)、(VII-23)、(VII-24)、(VII-25)、(VII-26)、(VII-27)、(VII-28)、(VII-29)、(VII-30)、(VII-31)、(VII-32)、(VII-33)、(VII-34)、(VII-35)、(VII-36)、(VII-37)、(VII-38)、(VII-39)、(VII-40)、(VII-41)、(VII-42)、(VII-43)、(VII-44)、(VII-45)、(VII-46)、(VII-47)、(VII-48)、(VII-49)、(VII-50)、(VII-51)、(VII-52)、(VII-53)、(VII-54)、(VII-55)の化合物、およびそれらの混合物
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【化31-6】
およびそれらの混合物からより好ましくは選択され、
ここで、n7は0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の番号であり、
R
71は、独立して、水素、C
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキルであり、その炭素鎖は11つ以上の-O-、-S-、-CO-、-SO-および/または-SO
2-部分を含み得、それは一置換または多置換であり得;
アリールまたはヘテロアリールは、一置換または多置換され得る。
【0144】
式(VII-5)、(VII-6)、(VII-7)および(VII-8)の化合物およびそれらの混合物が特に好ましい。式(VII-56)、(VII-57)、(VII-58)および(VII-59)の化合物およびそれらの混合物も特に好ましい。
【0145】
<有機蛍光着色剤(B8)>
式(VIII)および(IX)のペリレンイミド化合物は、当技術分野で周知であり、例えば、WO2007/006717または米国特許第6,472,050号からである。式(IX)の9-シアノ置換ペリレン-3,4-ジカルボン酸モノイミドもまた、WO2004/029028から知られている。それらは通常橙色の蛍光色素である。
【0146】
好ましくは、式(VIII)の化合物において、R81およびR82は、ハロゲンまたは直鎖または分岐C1~C18アルキル基によって一置換または多置換されてもよい、C1~C18アルキルまたはC4~C8シクロアルキルラジカルであるか、またはハロゲン若しくは直鎖または分岐C1~C18アルキル基によって一置換または多置換されてもよいフェニルまたはナフチルである。
【0147】
好ましくは、R81およびR82は同じ意味を有する。
【0148】
一実施形態では、式(VIII)のR81およびR82は、WO2009/037283A1の16ページ、19行目から25ページ、8行目で指定されている、いわゆるアゲハチョウ置換を有する化合物を表す。好ましい実施形態では、R81およびR82は、互いに独立して、1-アルキルアルキル、例えば、1-エチルプロピル、1-プロピルブチル、1-ブチルペンチル、1-ペンチルヘキシルまたは1-ヘキシルヘプチルである。
【0149】
好ましい実施形態では、有機蛍光着色剤(B8)は、化合物(VIII-1)
【化32】
から選択され、式中、
x8は1、2、または3であり、
y8は1、2、または3であり、
R
181がC
1~C
4アルキルであり、
R
182は、C
1~C
4-アルキルである。
【0150】
好ましくは、x8は2である。好ましくは、y8は2である。好ましくは、R181およびR182は、イソプロピルおよびtert-ブチルから選択される。
【0151】
式(VIII)の好ましい化合物は、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミドである。
【0152】
式(IX)の適切な9-シアノ置換ペリレン-3,4-ジカルボン酸モノイミドは、好ましくは、R92が水素または直鎖または分岐C1~C18アルキルラジカルによって一置換または多置換されてもよい、直鎖または分岐C1~C18アルキルラジカル、C4~C8シクロアルキルラジカルであり、またはハロゲンまたは直鎖または分岐C1~C18アルキルによって一置換または多置換されてもよいフェニルまたはナフチルである。
【0153】
一実施形態では、式IXのR92は、WO2009/037283A1の16ページの19行目から25ページの8行目で指定されているような、いわゆるアゲハチョウ置換を有する化合物を表す。好ましい実施形態では、R92は、1-アルキルアルキル、例えば、1-エチルプロピル、1-プロピルブチル、1-ブチルペンチル、1-ペンチルヘキシルまたは1-ヘキシルヘプチルである。
【0154】
好ましい実施形態では、R92は、2,4-ジ(tert-ブチル)フェニル2,6-ジイソプロピルフェニルまたは2,6-ジ(tert-ブチル)フェニルである。特に、R92は2,6-ジイソプロピルフェニルである。
【0155】
<有機蛍光着色剤(B9)>
式(X)の4-アミノ置換ナフタルイミド化合物は当技術分野で知られている。式(X)の適切な4-アミノ置換ナフタルイミド化合物は、好ましくは、R101が、直鎖または分岐C1~C10-アルキル、1つ以上の酸素によって中断されるC2~C10-アルキル、またはC3-C8-シクロアルキルである。R102は好ましくは水素である。式(X)の適切な化合物は、4-(ブチルアミノ)-N-ブチル-1,8-ナフタルイミドである。同様に好ましくは、R102は、直鎖または分岐C1~C10-アルキルである。式(X)の化合物は、2つのステップで合成することができる。最初のステップは、還流下での1,4-ジオキサンまたは2-メトキシエタノールなどの溶媒中での4-クロロ-1,8-ナフタル酸無水物とアミンとの縮合であり、対応する4-クロロ-1,8-ナフタルイミドを生成する。2番目のステップでは、塩素原子を脂肪族の第一級または第二級アミンでの置換を伴う。
【0156】
<有機蛍光着色剤(B10)>
7-(ジエチルアミノ)-3-(6-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-2H-クロメン-2-オンは、ディスパースイエローとしても知られている。
【0157】
<有機蛍光着色剤(B11)>
式(XIA)および(XIB)の化合物は、米国特許第5,470,502号から知られている。それらは通常黄色の蛍光色素である。式(XIA)および(XIB)の化合物が好ましく、ここで、R111は、直鎖C1~C10-アルキルまたは分岐C3~C10-アルキルである。好ましい例は、ジイソブチル-3,9-ペリレンジカルボキシレート、ジイソブチル-3,10-ペリレンジカルボキシレートおよびそれらの混合物である。特に好ましいのは、ジイソブチル-3,9-ペリレンジカルボキシレートとジイソブチル-3,10-ペリレンジカルボキシレートの混合物である。
【0158】
<有機蛍光着色剤(B12)>
式(XIIA)および(XIIB)の化合物は、米国特許第5,470,502号から知られている。それらは通常黄色の蛍光色素である。式(XIIA)および(XIIB)の化合物が好ましく、ここで、R121は、直鎖C1~C10-アルキルまたは分岐C3~C10-アルキルである。好ましい例は、ジイソブチル4,10-ジシアノペリレン-3,9-ジカルボキシレートおよびジイソブチル4,9-ジシアノペリレン-3,10-ジカルボキシレートならびにそれらの混合物である。特に好ましいのは、ジイソブチル4,10-ジシアノペリレン-3,9-ジカルボキシレートおよびジイソブチル4,9-ジシアノペリレン-3,10-ジカルボキシレートの混合物である。
【0159】
<有機蛍光着色剤(B13)>
式(XIII)の化合物の適切な例は、例えば、WO2007/006717、特に1ページ、5行目から22ページ、6行目;米国特許第4,845,223号では特に2列、行54から6列、行54;WO2014では、特に3ページの20行目から9ページの11行目;EP3072887;およびEP16192617.5では、特に35ページの34行目から37ページの29行目に指定されているペリレン誘導体である。式(XIII)の化合物は通常、橙色または赤色の蛍光着色剤である。式(XIII)の化合物が好ましく、ここで、R131およびR132は、それぞれ、C1~C10-アルキル、2,6-ジ(C1~C10-アルキル)アリールおよび2,4-ジ(C1~C10-アルキル)アリールから独立して選択される。より好ましくは、R131およびR132は同一である。非常に具体的には、R131およびR132はそれぞれ2,6-ジイソプロピルフェニルまたは2,4-ジ-tert-ブチルフェニルである。R133は、好ましくはフェノキシであり、これは、非置換またはフッ素、塩素、C1~C10-アルキルおよびフェニルから選択される1つまたは2つの同一または異なる置換基によって置換されている。好ましくは、p13は2、3または4、特に2または4である。
【0160】
式(XIII)の化合物は、例えば、WO2007/006717、米国特許第4,845,223号、EP3072887およびWO2014/122549に記載されている方法と同様に調製することができる。
【0161】
適切な有機蛍光着色剤B13は、例えば、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラフェノキシペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(2,6-ジイソプロピルフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6-ジ(2,6-ジイソプロピルフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(p-tert-オクチルフェノキシ)ペリレン-3、4;9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジフェノキシペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル))-1,7-ジ(2,6-ジフェニルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6-ジ(2,6-ジフェニルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2-フェニルフェノキシ)ペリレン-3,4:9、10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(2,3-ジフルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2、6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,3-ジフルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルブオキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(3-フルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2、6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,6-ジフルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,5-ジフルオロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,3-ジクロロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(3-クロロフェノキシ)ペリレン-3、4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,6-ジクロロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラ(2,5-ジクロロフェノキシ)ペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミドである。
【0162】
特に、有機蛍光着色剤(B13)は、化合物(XIII-1)、(XIII-2)、(XIII-3)および(XIII-4)から選択される。
【0163】
【0164】
<有機蛍光着色剤(B14)>
式(XIV)の化合物は、WO2017/121833の主題である。式(IV)の化合物は通常、橙色または赤色の蛍光着色剤である。式(XIV)の化合物が優先され、ここで、R
141およびR
142は、互いに独立して、非置換であるか、1、2または3つのC
1~C
6-アルキルで置換されたフェニルから選択され、およびR
143、R
144、R
145、R
146、R
147、R
148、R
149、R
1410、R
1411、R
1412、R
1413、R
1414、R
1415、R
1416、R
1417、R
1418はそれぞれ水素である。上で定義された式(XIV)の化合物は、好ましくは、
【化34】
である。
【0165】
式(XIV)の化合物は、式(XIVa)
【化35】
の適切な塩素化または臭素化ペリレンビスイミドを反応させることによって調製することができ、式中、
Halは、いずれの場合も臭素またはいずれの場合も塩素であり、および
R
141およびR
142は上で定義されたとおりであり、
式(XIVb)の2,2’-ビフェノール化合物、および適切な場合、式(XIVc)の2,2’-ビフェノール化合物を有し、
【化36】
式中、
R
143、R
144、R
145、R
146、R
147、R
148、R
149、R
1410、R
1411、R
1412、R
1413、R
1414、R
1415、R
1416、R
1417、R
1418は上で定義したとおりである。
【0166】
式(XIVc)の2,2’-ビフェノールはまた、式(XIVc)の2,2’-ビフェノールについて定義された通りであり得る(式(XIVb)の2,2’-ビフェノールが1つだけがハロゲン置換反応に使用される場合)。
【0167】
<有機蛍光着色剤(B15)>
式(XV)の化合物の適切な例は、例えば、WO2016/026863、特に6ページ、32行目から18ページ、26行目に指定されている化合物である。特に好ましいのは、WO2016/026863の2455、2452、2517および2440の化合物である。式(XV)の化合物の適切な例はまた、EP3101087、特に、[0059]~[0078]に指定されている化合物である。
【0168】
特に、有機蛍光着色剤(B15)は、式(XV-1)の化合物である。
【化37】
【0169】
<有機蛍光着色剤(B16)>
第1の好ましい実施形態において、有機蛍光着色剤(B16)は、化合物(XVI-1)
【化38】
から選択され、式中、
x161は1、2、または3であり、
y162は1、2、または3であり、
R
161がC
1~C
4アルキルであり、および
R
162は、C
1~C
4-アルキルである。
【0170】
好ましくは、x161は2である。好ましくは、y162は2である。好ましくは、R161およびR162は、イソプロピルおよびtert-ブチルから選択される。
【0171】
さらに好ましい実施形態では、有機蛍光着色剤(B16)は、化合物(XVI-2)
【化39】
から選択され、式中、
x161は1、2、または3であり、
y162は1、2、または3であり、
R
161がC
1~C
4アルキルであり、および
R
162は、C
1~C
4-アルキルである。
【0172】
好ましくは、x161は2である。好ましくは、y162は2である。好ましくは、R161およびR162は、イソプロピルおよびtert-ブチルから選択される。
【0173】
<有機蛍光着色剤(B17)>
式(XVII)のシアノアリール置換ベンゾ(チオ)キサンテン化合物は、「シアノアリール置換ベンゾ(チオ)キサンテン化合物」という表題で、2017年12月19日に出願されたEP17208597.9に開示されている。
【0174】
可変物Xが酸素である、式(XVII)の好ましい化合物。
【0175】
本発明による好ましい化合物は、式Iの化合物であり、式中、R2、R3、R4およびR5は、水素および1、2または3つのシアノ基を有するC6~C10-アリールからなる基からなる群から選択される。
【0176】
より好ましくは、R2およびR4は、1、2、または3つのシアノ基を有するC6-C10-アリールからなる群から選択される。特に好ましいR2およびR4は、それぞれ1、2、または3つのシアノ基、特に1または2つのシアノ基を有するフェニルである。特に好ましいR3およびR5は、それぞれ水素である。
【0177】
本発明の一実施形態によれば、式Iの化合物中の可変物Aは、式A.1のジラジカルである。
【0178】
本発明の好ましい実施形態によれば、式Iの化合物中の可変物Aは、式A.2のジラジカルである。A.2の文脈において、R
6は、好ましくは、水素、直鎖C
1~C
24-アルキル、分岐C
3~C
24-アルキル、C
6~C
10-アリールおよびC
6~C
10-アリール-C
1~C
10-アルキレンを含む基からなる群から選択され、最後に述べた2つの部分のアリール環は、非置換または1、2、3、4または5つの同一または異なるラジカルR
6aで置換される。より好ましくは、R
6は、直鎖C
1~C
24-アルキル、式(B.1)のラジカル、式(B.2)のラジカルおよびラジカル(B.3)からなる群から選択され、
【化40】
式中、
#は窒素原子への結合部位を表し、
式(B.1)中のR
dおよびR
eは、互いに独立して、R
dおよびR
eラジカルの炭素原子の合計が2から23までの整数であるC
1~C
22-アルキルからなる群から選択され、
式(B.2)中のR
f、R
gおよびR
hは、C
1~C
21-アルキルからなる群から独立して選択され、ここでR
f、R
gおよびR
hの炭素原子の合計が3から23までの整数であり、
式(B.3)中のR
IおよびR
kは、独立して、C
1~C
21-アルキルからなる群から選択され、ここでR
iおよびR
kラジカルの炭素原子の合計は2から22の整数である。
【0179】
具体的には、R6は、直鎖C6~C24-アルキルである。本明細書において、R6の特定の例は、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-ノナデシル、n-エイコシル、n-ウニコシル、n-ドコシルである。
【0180】
本発明の別の実施形態によれば、式Iの化合物中の可変物Aは、式A.3のジラジカルである。A.3の文脈では、式A.3のnは、0、1、または2つであることが好ましい。R7は、存在する場合、好ましくは、シアノ、臭素、および非置換であるか、C1-C4-アルキルからなる群から選択される1または2つのラジカルを有するフェニルからなる群から選択される。
【0181】
本発明の別の実施形態によれば、式Iの化合物中の可変物Aは、式A.4のジラジカルである。A.4の文脈では、式A.4のoおよびpは好ましくは0であり、すなわち、R8およびR9は両方とも存在しない。同様に好ましくは、A.4の文脈では、oとpの合計は1、2、3、または4である。この文脈で、R8およびR9は、互いに独立して、好ましくは、シアノ、臭素、塩素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、フェニルおよびフェニルオキシからなる群から選択され、ここで、最後に述べた2つのラジカルの中のフェニルは、非置換であるか、C1-C10-アルキルからなる群から選択される1、2、または3つの置換基を有する。
【0182】
式(XVII)の好ましい化合物の例は、以下に示されるものである。
【化41】
【0183】
<有機蛍光着色剤(B18)>
式(XVIIIa)、(XVIIIb)、(XVIIIc)またはそれらの混合物の化合物から選択されるシアノ置換BODIPY(ホウ素-ジピロメテン)染料は(B18)、2018年6月22日に出願された、表題が「Photostable green cyano-substituted boron-dipyrromethene dye for display and illumination application」であるEP18179281.3に開示されている。
【0184】
式(XVIIIa)、(XVIIIb)、(XVIIIc)の好ましい化合物を以下に例示する:
式(XVIIIa)の好ましい化合物の例は、以下の表Aにまとめられている:
【化42】
【0185】
【0186】
式(XVIIIb)の好ましい化合物の例は、以下の表Bにまとめられている:
【化43】
【0187】
【0188】
式I.bの化合物のうち、より好ましいのは、化合物XVIIIb-1、XVIIIb-6、XVIIIb-11およびXVIIIb-16である。
【0189】
式(XVIIIc)の好ましい化合物の例は、以下の表Cにまとめられている:
【化44】
【0190】
【0191】
式IXVIIIcの化合物のうち、化合物XVIIIc-1、XVIIIc-6、XVIIIc-11、XVIIIc-16、XVIIIc-21およびXVIIIc-26が好ましい。
【0192】
発光集光器は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11つ以上の、上で定義された複数の有機蛍光着色剤(B)を含み得る。好ましくは、発光集光器は、1つまたは2つの有機蛍光着色剤(B)、より好ましくは1つの有機蛍光着色剤(B)を含む。
【0193】
特に、有機蛍光着色剤(B)は、以下の化合物およびそれらの混合物から選択される:
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
【0199】
本出願の明細書で言及される残基は、当該残基が言及される特定の実施形態でさらに特定されない場合、一般に以下の好ましい意味を有する。
「ハロゲン」という表現は、それぞれの場合において、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特に塩素、臭化物またはヨウ素を意味する。
【0200】
本発明の文脈において、「それぞれの場合において非置換または置換アルキル、シクロアルキルおよびアリール」という表現は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、および非置換または置換アリールを表す。
【0201】
同様に、本発明の文脈において、それぞれの場合において表現「非置換または置換C1~C30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C1~C30-アルコキシ、C1~C30-アルキルチオ、C3~C20-シクロアルキル、C3~C20-シクロアルキルオキシ、C6~C24-アリールおよびC6~C24-アリールオキシ」は、非置換もしくは置換C1~C30-アルキル、非置換もしくは置換ポリアルキレンオキシ、非置換もしくは置換C1~C30-アルコキシ、非置換もしくは置換C1~C30-アルキルチオ、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルオキシ、非置換もしくは置換C6~C24-アリール、または非置換もしくは置換C6~C24-アリールオキシを表す。
【0202】
本発明の目的のために、「脂肪族ラジカル」という用語は、非環式飽和または不飽和、直鎖または分岐炭化水素ラジカルを指す。通常、脂肪族ラジカルは1~100個の炭素原子を有する。脂肪族ラジカルの例は、アルキル、アルケニルおよびアルキニルである。
【0203】
本発明の目的のために、「脂環式ラジカル」という用語は、通常3~20個の環炭素原子を有する環状の非芳香族飽和または不飽和炭化水素ラジカルを指す。例としては、シクロアルカン、シクロアルケン、およびシクロアルキンがある。脂環式ラジカルはまた、N、O、SおよびSO2から選択されるヘテロ原子またはヘテロ原子基を含み得る。
【0204】
本明細書およびアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルなどのアルキル部分で使用される「アルキル」という用語は、通常1~100(「C1~C100-アルキル」)、1~30(「C1~C30-アルキル」)、1~18(「C1~C18-アルキル」)、1~12(「C1~C12-アルキル」)、1~8(「C1~C8-アルキル」)または1~6(「C1~C6-アルキル」)の炭素原子)を有する飽和直鎖または分岐炭化水素ラジカルを指す。アルキルは、好ましくはC1~C30-アルキル、より好ましくはC1~C20-アルキルである。アルキル基の例は、特にメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、1-エチルプロピル、ネオペンチル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、1-エチルペンチル、1-プロピルブチル、2-エチルペンチル、n-オクチル、1-メチルヘプチル、2-メチルヘプチル、1-エチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1-プロピルペンチル、2-プロピルペンチル、n-ノニルなどである。
【0205】
置換アルキル基は、アルキル鎖の長さに応じて、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5または6つを超える)置換基を有する。これらは、好ましくは互いに独立して、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAR1、NE1E2、-NRAR1CORAr2、-CONRAR1RAr2、-SO2NRAR1RAr2および-SO3RAr2から選択され、ここで、E1およびE2は水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、置換もしくは非置換C3~C20-シクロアルキル、置換もしくは非置換もしくはC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは換C1~C18-アルキル,非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル,非置換もしくは置換ヘテロシクリル,非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。特に、置換アルキル基は、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2、および-SO3RAr2から選択される1つ以上、例えば1、2または3の置換基を有し、ここで、E1、E2は、互いに独立して水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。
【0206】
置換アルキル基の特別な実施形態は、1つの水素原子がアリールラジカル(「アラルキル」、以下、アリールアルキルまたはアリールアルキレンとも呼ばれる)、特にフェニルラジカルによって置き換えられているアルキル基である。次に、アリールラジカルは、非置換または置換されていてもよく、適切な置換基は、以下に記載されるアリールの置換基である。アリール-C1~C4アルキルの特定の例としては、ベンジル、1-フェネチル、2-フェネチル、1-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、3-フェニル-1-プロピル、2-フェニル-2-プロピル、ナフチルメチル、ナフチルエチル等である。
【0207】
置換アルキル基のさらに特別な実施形態は、これらの基の水素原子のいくつかまたはすべてが上述のようにハロゲン原子によって置き換えられ得るアルキル基、例えばC1~C4-ハロアルキルアルキル基である。
【0208】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、通常2~100(「C2~C100-アルケニル」)、2~18(「C2~C18-アルケニル」)、2~10(「C2~C10-アルケニル”)、2~8(「C2~C8-アルケニル」)または2~6(”C2~C6-アルケニル」)の炭素原子および1つ以上、例えば2または3つの任意の位置での二重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基を指す。置換アルケニル基は、アルケニル鎖の長さに応じて、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5または6つ以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは互いに独立して、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAR1、NE1E2、-NRAR1CORAr2、-CONRAR1RAr2、-SO2NRAR1RAr2および-SO3RAr2から選択され、ここで、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、置換もしくは非置換C3~C20-シクロアルキル、または非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。特に、置換アルケニル基は、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2、および-SO3RAr2から選択される1つ以上、例えば1、2または3つの置換基を有し、ここで、E1、E2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリール、または非置換もしくは置換ヘテロアリールである。
【0209】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語(その炭素鎖が1つ以上の三重結合を含み得るアルキルとも呼ばれる)は、通常2~100(「C2~C100-アルキニル」)、2~18(「C2~C18-アルキニル」)、2~10(「C2~C10-アルキニル」)、2~8(「C2~C8-アルキニル」)、または2~6(「C2~C6-アルキニル」)の炭素原子および1つ以上の、例えば2または3つの、いずれかの位置の三重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基を指す。アルキニル鎖の長さに応じて、置換アルキニル基は、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5または5つ以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは、互いに独立して、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2、-SO3RAr2から選択され、E1およびE2は水素、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換または置換されたC2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、非置換または置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。特に、置換アルキニル基は、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2、および-SO3RAr2から選択される1つ以上、例えば1、2または3つの置換基を有し、ここで、E1、E2は、互いに独立して水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換されたC6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。
【0210】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して結合したアルキル基を指し、すなわち、「アルコキシ」基は、-O-アルキルとして表すことができ、ここで、アルキルは上で定義された通りである。C1~C2-アルコキシは、メトキシまたはエトキシである。C1~C4-アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、
1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、ブトキシ、1-メチルプロポキシ(sec-ブトキシ)、2-メチルプロポキシ(イソブトキシ)または1,1-ジメチルエトキシ(tert-ブトキシ)である。
【0211】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換アルコキシ」という用語は、アルキルが非置換または上で定義されたように置換されている-O-アルキルを指す。
【0212】
本明細書で使用される「ポリオキシアルキレン」という用語は、酸素原子を介して分子の残りの部分に結合したアルキル基を指し、アルキルは1つ以上の隣接しない酸素原子によって中断され、アルキルは上で定義された通りである。
【0213】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換ポリアルキレンオキシ」という用語は、アルキルが1つ以上の非隣接酸素原子によって中断され、アルキルが非置換または上で定義されるように置換されている-O-アルキルを指す。
【0214】
本明細書で使用される「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子を介して結合したアルキル基を指し、すなわち、「アルキルチオ」基は、-S-アルキルとして表すことができ、ここで、アルキルは上で定義された通りである。C1~C2-アルキルチオは、メチルチオまたはエチルチオである。C1~C4-アルキルチオは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、1-メチルエチルチオ(イソプロピルチオ)、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ(sec-ブチルチオ)、2-メチルプロピルチオ(イソブチルチオ)または1,1-ジメチルエチルチオ(tert-ブチルチオ)である。
【0215】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換アルキルチオ」という用語は、アルキルが非置換または上で定義されたように置換されている-S-アルキルを指す。
【0216】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、通常3~24(C3~C24-シクロアルキル)、3~20(「C3~C20-シクロアルキル」)、好ましくは3~8(「C3~C8-シクロアルキル」)または3~6個の炭素原子(「C3~C6-シクロアルキル」)を有する単環式または二環式または多環式飽和炭化水素ラジカルを指す。3~6個の炭素原子を有する単環式ラジカルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。3~8個の炭素原子を有する単環式ラジカルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。7~12個の炭素原子を有する二環式ラジカルの例には、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.4.0]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、およびペルヒドロナフチルが含まれる。多環式環の例は、ペルヒドロアントラシル、ペルヒドロフルオレニル、ペルヒドロクリセニル、ペルヒドロピセニル、およびアダマンチルである。
【0217】
置換シクロアルキル基は、環サイズに応じて、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5または6つ以上)の置換基を有し得る。これらは、好ましくは、互いに独立して非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr11RAr2および-SO3RAr2から選択され、ここでE1およびE2は水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、およびRAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、非置換または置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールである。特に、置換シクロアルキル基は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2、および-SO3RAr2から選択される1つ以上、例えば1、2または3つの置換基を有し、ここでE1、E2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくはC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ独立して、それぞれ水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換または置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。
【0218】
本明細書で使用される「シクロアルキルオキシ」という用語は、酸素原子を介して結合したシクロアルキル基を指し、すなわち、「シクロアルキルオキシ」基は、シクロアルキルが上で定義された通りである-O-シクロアルキルとして表され得る。
【0219】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換シクロアルキルオキシ」という用語は、シクロアルキルが非置換であるか、または上で定義されるように置換されている-O-シクロアルキルを指す。
【0220】
本明細書で使用される「シクロアルキルチオ」という用語は、硫黄原子を介して結合したシクロアルキル基を指し、すなわち、「シクロアルキルチオ」基は、シクロアルキルが上で定義された通りである-S-シクロアルキルとして表され得る。
【0221】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換シクロアルキルチオ」という用語は、シクロアルキルが非置換であるか、または上で定義されるように置換されている-S-シクロアルキルを指す。
【0222】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、一般に5~8つの環員、好ましくは5つまたは6つの環員を有し、環員として炭素原子に加えて、1、2、3または4つのヘテロ原子または環員としてO、N、NRcc、S、SOおよびS(O)2から選択されるヘテロ原子を含み、Rccは水素、C1~C20-アルキル、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C6~C24-アリール、またはヘテロアリールである。ヘテロシクロアルキル基の例は、特にピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロフランイル、ジヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロピラニル、2-オキサゾリニル、3-オキサゾリニル、4-オキサゾリニルおよびジオキサニルである。
【0223】
置換ヘテロシクロアルキル基は、環サイズに応じて、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5または5つ以上)の置換基を有し得る。これらは、好ましくは、互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、
-NRAR1CORAr2、-CONRAR1RAr2、-SO2NRAR1RAr2-SO3RAr2から選択され、ここでE1およびE2が水素、非置換もしくは置換C1-C18-アルキル、非置換もしくは置換C2-C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2-C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3-C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6-C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換、非置換もしくは置換C1-C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルオキシ、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6-C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。特に、置換ヘテロシクロアルキル基は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2、および-SO3RAr2、から選択される1つ以上、例えば1、2または3の置換基を有し、ここでE1、E2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくはC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリール、または非置換もしくは置換ヘテロアリールである。
【0224】
本発明の目的のために、「アリール」という用語は、分子の残りの部分に結合している少なくとも1つの縮合フェニレン環を有するフェニルおよび二環式または多環式炭素環を指す。少なくとも1つのフェニレン環を有する二環式または多環式炭素環の例には、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル、アントラセニル、フルオレンなどが含まれる。好ましくは、「アリール」という用語は、フェニルおよびナフチルを示す。
【0225】
置換アリールは、それらの環系の数およびサイズに応じて、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5または6つ以上)の置換基を有し得る。これらは、好ましくは互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAR1RAr2および-SO3RAr2から選択され、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、そしてRAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。特に、置換アリール基は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2-SO2NRAr1RAr2、および-SO3RAr2から選択される1つ以上、例えば1、2または3つの置換基を有し、
ここで、E1、E2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ独立して、水素、非置換もしくはC1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。
【0226】
置換アリールは、好ましくは、少なくとも1つのアルキル基(「アルカリル」、以下、アルキルアリールとも呼ばれる)によって置換されたアリールである。アルキル基は、芳香環系のサイズに応じて、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または9を超える)のアルキル置換基を有し得る。アルキル置換基は、非置換または置換されていてもよい。これに関して、非置換および置換アルキルに関する上記の記載が参照される。特別な実施形態は、アルキルが非置換であるアルカリル基に関する。アルキルは、好ましくは、1、2、3、4または5つ、好ましくは1、2または3つ、より好ましくは1または2つのアルキル置換基を有するフェニルである。1つ以上のアルキルラジカルを有するアリールは、例えば、2-、3-および4-メチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2-、3-および4-エチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジエチルフェニル、2,4,6-トリエチルフェニル、2-、3-および4-n-プロピルフェニル、2-、3-および4-イソプロピルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジ-n-プロピルフェニル、2,4,6-トリプロピルフェニル、2-、3-および4-イソプロピルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジイソプロピルフェニル、2,4,6-トリイソプロピルフェニル、2-、3-および4-ブチルフェニル、2。4-、2,5-、3,5-および2,6-ジブチルフェニル、2,4,6-トリブチルフェニル、2-、3-および4-イソブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジイソブチルフェニル、2,4,6-トリイソブチルフェニル、2-、3-および4-sec-ブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-di-sec-ブチルフェニル、2,4,6-トリ-sec-ブチルフェニル、2-、3-および4-tert-ブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジ-tert-ブチルフェニルならびに2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニルである。
【0227】
C6~C24-アリールオキシ:上で定義したC6~C24-アリールであって、酸素原子(-O-)を介して骨格に結合する。フェノキシとナフチルオキシが優先される。
【0228】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換アリールオキシ」という用語は、アリールが非置換であるか、または上で定義されるように置換されている-O-アリールを指す。
【0229】
C6~C24-アリールチオ:上で定義されたC6~C24-アリールであって硫黄原子(-S-)を介して骨格に結合する。フェニルチオとナフチルチオが優先される。
【0230】
したがって、本明細書で使用される「非置換または置換アリールチオ」という用語は、アリールが非置換であるか、または上で定義されるように置換されている-S-アリールを指す。
【0231】
本発明の文脈において、「ヘタリール」(ヘテロアリールとも呼ばれる)という表現は、ヘテロ芳香族、単環式または多環式基を含む。環の炭素原子に加えて、これらは環のメンバーとして1、2、3、4または5個以上のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子は、好ましくは、酸素、窒素、セレンおよび硫黄から選択される。ヘタリール基は、好ましくは5~18、例えば5、6、8、9、10、11、12、13または14個の環原子を有する。
【0232】
単環式ヘタリール基は、好ましくは、2-フリル(フラン-2-イル)、3-フリル(フラン-3-イル)、2-チエニル(チオフェン-2-イル)、3-チエニル(チオフェン-3-イル)、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、ピロール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-4-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾール-3-イル、ピラゾール-4-イル、ピラゾール-5-イル、3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3、4-オキサジアゾール-2-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、4H-[1,2、4]-トリアゾール-3-イル、1,3,4-トリアゾール-2-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピラジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、2-ピラジニル、1,3,5-トリアジン-2-イルおよび1,2,4-トリアジン-3-イルなどの5員または6員のヘタリール基である。
【0233】
多環式ヘタリール基は、2、3、4、または4つ以上の縮合環を持っている。縮合環は、芳香族、飽和または部分的に不飽和であり得る。多環式ヘタリール基の例は、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾトリアジニル、ベンゾセレノフェニル、チエノチオフェニル、チエノピリミジル、トリアゾロチアゾリル、ジベンゾピロリル(カルバゾリル)、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ナフト[2,3-b]チオフェニル、ナフタ[2,3-b]フリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロインドリジニル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキノリニルおよびジヒドロイソキノリニルである。
【0234】
置換ヘタリール基は、それらの環系の数およびサイズに応じて、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5または6つを超える)の置換基を有し得る。これらは、好ましくは互いに独立して、非置換または置換アルキル、非置換または置換アルケニル、非置換または置換アルキニル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換シクロアルキルチオ、非置換または置換ヘテロシクロアルキル、非置換または置換アリール、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、非置換または置換ヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、非置換または置換アルコキシ、非置換または置換ポリアルキレンオキシ、非置換または置換アルキルチオ、非置換または置換シクロアルキルオキシ、非置換または置換アリールオキシ、非置換または置換アリールチオ、シアノ、ニトロ、非置換または置換アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAR1CORAr2、-CONRAR1RAr2、-SO2NRAR1RAr2および-SO3RAr2
から選択され、E1およびE2は、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C2~C18-アルケニル、非置換もしくは置換C2~C18-アルキニル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換C1~C18-アルキル、非置換もしくは置換C3~C20-シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、非置換もしくは置換C6~C20-アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロアリールである。特に、置換ヘタリール基は、非置換または置換アルキル、非置換または置換シクロアルキル、非置換または置換アリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2、および-SO3RAr2から選択される1つ以上、例えば1、2または3つの置換基を有し、ここでE1、E2、RAr1およびRAr2は上で定義されたとおりである。
【0235】
縮合環系は、脂環式、脂肪族複素環式、芳香族およびヘテロ芳香族環、ならびにそれらの組み合わせ、縮合によって結合されたヒドロ芳香族を含むことができる。縮合環系は、2つ、3つ、またはそれ以上(例えば、4、5、6、7、または8つ)の環を含む。縮合環系の環が結合する方法に応じて、オルト融合、すなわち各環が隣接する各環と少なくとも1つのエッジまたは2個の原子を共有する方法と、3つ以上の環に炭素原子が属する周辺融合とが区別される。好ましい縮合環系は、オルト縮合環系である。
【0236】
本発明の化合物の部分構造を示す式に#または*が現れる場合、それは残りの分子の付着結合を示す。
【0237】
有機蛍光着色剤B(B1~B18)は、発光寿命が短いという特徴がある。本発明よれば、発光寿命は(減衰時間、発光寿命τ0)測定された減衰時間(励起状態の寿命τV)と発光の量子収率の商であり、すなわち、発光寿命(蛍光寿命)τ0は、τ0=τV/QYによって計算される。QY、τ0およびτVの測定条件は、実施例部分に示されている。
【0238】
好ましくは、有機蛍光着色剤B(B1~B18)の発光寿命τ0は0.1ns~10ns、より好ましくは0.2ns~7nsである。
【0239】
有機蛍光着色剤B(B1~B18)の特別な利点は、非常に短い発光寿命(減衰時間)および高い量子収率を有することである。このような短い発光寿命は、高速のデータ伝送をサポートする。
【0240】
<検出器>
検出器は、好ましくはフォトダイオード(PD)またはフォトダイオードのアレイ(PDs)であり、より好ましくは小面積フォトダイオードである。適切な検出器は、光データ通信システムの受信機で通常使用される検出器であり、当業者に知られている。
【0241】
本発明による受信機に存在する発光集光器には、少なくとも1つの検出器、好ましくは1つまたは2つの検出器、より好ましくは1つの検出器が存在する。
【0242】
<受信機>
光データ通信システムは、送信機(T)によって放出された変調された電磁放射の少なくとも一部を検出するための受信機(R)を含む。本発明による受信機(R)は、発光集光器を含む。発光集光器では、光信号が収集され、電流に変換される。
【0243】
受信機(R)は通常、変調された電磁放射(光信号)によって照射されるように配置されている。
【0244】
したがって、本発明はさらに、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17、およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bを含む受信機に関する。
【0245】
適切な受信機の構造の例は、例えば、T.G.Tiecke et al.,Optica,Vol.3,No.7,July2016,787~792およびUS2017/0346556Aに記載されている。Tieckeらの検出器(本発明による発光集光器に対応する)は、特殊な蛍光繊維の球形の束を含む。ゴルフボールとテニスボールの間のサイズの束は、任意の方向からの光(青色レーザー)を吸収し、緑色の光として再放射することができる。緑色の光は、光をデータに戻す小さな受信機に送られる。
【0246】
適切な受信機のさらなる例は、米国特許第US2017/075191A1号、Collins et al.、Optics Letters、Vol.39、No.7、April 1、2014、1756~1759、Mulyawanetal.、IEEE Photonics Technology etters、Vol..29、No.3、February,2017およびManousiadis etal.、Optica、Vol.3、No.7、July2016,702~706に与えられる。
【0247】
本発明による受信機は、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bを含む波長シフト材料ならびに検出器、好ましくはフォトダイオードを含む発光集光器を含む。B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される有機蛍光着色剤Bは、送信機(T)から放出される変調された電磁放射、すなわち、第1の波長帯域の波長を有する光子を吸収し、第2の波長帯域の波長を有する1つ以上の光子を放出することが好ましい。
【0248】
電流信号は、任意選択で受信機に存在するトランスインピーダンス増幅器(TIA)によって前もって電子的に増幅することができる。トランスインピーダンス増幅器(TIA)は、好ましくは、検出器の出力に結合される。
【0249】
受信機(R)は、通常、検出器、好ましくはフォトダイオードがそれぞれ、任意選択で存在するTIAに結合されたデータ分析器をさらに含む。データ分析器は、当技術分野で知られているように、検出された変調電磁放射からデータを抽出するように適合されている。データ分析器は、例えば、アナログ電流信号をデジタル信号に変換し、情報ビットを復調するためのアナログ-デジタル変換器(ADC)を備えたデジタル信号プロセッサ(DSP)を含み得る。出力(E)からの復調された情報ビット。出力(E)がデジタル信号の場合、信号のデジタル信号への変換は省略される。
【0250】
さらに、光スペクトルにおいて送信機(T)によって放出される変調された電磁放射を選択するために、検出器、好ましくはフォトダイオード(PDまたはPDのアレイ)の前に光学フィルタを配置することができる。さらに、光学フィルタは周囲光からの干渉を大幅に低減しる。
【0251】
変調された電磁放射を収集し、それを通常は小さな検出器に集中させるために、当業者に知られている集光要素のような従来の光学系を、波長シフト材料に加えて使用することができる。いくつかの実施形態では、集光要素はレンズを含む。
【0252】
したがって、受信機は、第2の波長帯域の波長を有する光子を検出器に集光および/または他の方法で向ける集光要素をさらに備え得る。いくつかの実施形態では、集光要素はレンズを含む。いくつかの実施形態では、集光要素は、複合放物面集光器(CPC)を含む。いくつかの実施形態では、集光要素は、第2の波長帯域の波長を有する光子を吸収し、第3の波長帯域の光子を放出するように構成されたさらなる波長シフト材料を含む。これらの実施形態では、検出器は、第3の波長帯域の波長を有する光子を検出するように構成される。最後に述べた実施形態では、波長シフト材料は、複数の異なる(重複しない)波長帯の波長を有する光子を吸収および放出するように構成され得る。例えば、波長シフト材料は、1つ以上の種類の染料を含み得る。本出願で開示される有機蛍光着色剤Bに加えて、適切な染料は、当業者に知られている。
【0253】
検出器の出力は、好ましくは、検出器によって生成された電流信号を電圧に変換するトランスインピーダンス増幅器(TIA)(上記のように)に結合される。
【0254】
この点から、受信機は、当技術分野で知られている標準的な受信機トポロジーに似ている。
【0255】
本発明による光データ通信システムの1つ以上の構成要素の表面、特に受信機の1つ以上の構成要素および/または送信機の1つ以上の構成要素の表面は、コーティングおよび/または構造化することができる。適切な構造およびコーティングは、当業者に知られている。
【0256】
受信機の1つ以上の構成要素は、例えば、反射防止コーティングおよび/または離型、耐熱性、耐薬品性、耐食性、低摩擦性能、および耐候性などの特性を改善するためのコーティングで被覆され、例えば、コーティングはSiO2および/またはフルオロポリマー(フルオロコーティング)を含む。
【0257】
特に、光データ通信システム、特に受信機のファイバは、好ましい一実施形態では、クラッドで被覆されている。クラッドは、ファイバコア(「コーティング」)を囲む層であり、通常、ファイバ半径の1~10パーセントの厚さである。その屈折率ncladはncoreよりも低くなっている。繊維、特にプラスチック繊維のクラッドの典型的な材料は、PMMAまたはフッ素化ポリマー(FP)(フルオロポリマー)である。適切なフルオロポリマーは、当業者に知られている。光ファイバは、それぞれが下層にあるクラッドよりも低い屈折率を有する1つのクラッドまたは複数のクラッドを有し得る。クラッドは、屈折率が減少する界面を提供し、光をファイバ内に閉じ込めて伝搬するために使用されるTIR(全反射)を繰り返すことができる。クラッドが1つしかないファイバはシングルクラッドファイバと呼ばれ、クラッドが追加されているファイバはマルチクラッドファイバと呼ばれる。
【0258】
<光データ通信システム>
本発明はさらに、
-少なくとも1つの送信機(T)、および
-少なくとも1つの受信機(R)含む光データ通信システムに関し、
ここで、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bが受信機に存在する。
【0259】
適切な受信機および適切な有機蛍光着色剤Bは上述されている。
【0260】
本発明による光データ通信システムにおいて、好ましくは、電気信号は、送信機において光信号に変換される。変調された光信号は次いで、伝搬されて受信機に到達する。受信機では、光信号が電気信号に変換される。
【0261】
好ましくは、本発明による光データ通信システムは、自由空間光データ通信システムである。当該自由空間光データ通信システムでは、変調された光信号は、受信機に到達する前に自由空間経路を通って伝搬する。
【0262】
本発明による光データ通信システム、好ましくは自由空間光データ通信システムは、屋内および屋外環境で有用である。屋内および屋外環境用の光データ通信システム、好ましくは自由空間光データ通信システムの一般的なセットアップは、当業者によって知られており、例えば、「Principles of LED light communications」,S.Dimitrov,H.Haas,Cambridge University Press 2015、第2.1章から第2.4章に記述されている。
【0263】
好ましくは、本発明による光データ通信システムは
(i)入力(A)、
(ii)送信機(T)、
(iii)光路(C)、
(iv)受信機(R)、および
(v)出力(E)を含み、
ここで、B1、B2、B3、B4、B5、B7、B8、B11、B12、B13、B14、B15、B16、B17およびB18からなる群から選択される少なくとも1つの有機蛍光着色剤Bが、光データ通信システムの受信機内に存在する。
【0264】
本発明による光データ通信システムの構成要素(A)、(T)、(C)および(E)を以下に説明し、構成要素(R)は上述される。
【0265】
図1に、光データ通信システムの一般的な例が示される。
図1では、
Aは入力(A)であり、
Bは送信機(T)であり、
Cは光路(C)であり、
Dは受信機(R)であり、
Eは出力(E)である。
【0266】
<送信機(T)>
送信機では、電気信号が光信号に変換される。一般に、本発明による、光データ通信システム、特に光無線通信システム(OWC)システムにおいて有用な送信機は、当業者に知られている。たとえば、「Principles of LED light communications」、S.Dimitrov、H.Haas、Cambridge University Press 2015、第2.1章から第2.4章を参照されたい。
【0267】
送信機は、一般に、デジタル情報ビット(入力(A))の変調およびそれらのアナログ電流信号への変換に使用されるデジタル-アナログ変換器(DAC)を有するデジタル信号プロセッサ(DSP)を含む。電流は発光体、つまり光源(L)を駆動する。入力(A)がすでにアナログ信号である場合、信号のアナログ信号への変換は省略される。
【0268】
<光源(L)>
光源(L)は、通常、1つ以上の発光ダイオード(LED)または1つ以上のレーザーダイオード(LD)のいずれかであり、好ましくは1つ以上のLEDである。
【0269】
光源(L)は、好ましくは、単一波長の光を生成する。しかしながら、白色光を発生する光源(L)を使用することも可能である。単一波長の光または白色光を生成するための適切なLEDおよびLDは、当業者に知られている。
【0270】
<変調器(M)>
さらに、送信機(T)は、好ましくは変調器(M)を含み、好ましくは、送信されるデータに応じて、放射源(L1)によって放出される第1の電磁放射を変調するように適合される。
【0271】
変調器(M)は入力(A)に結合されている。入力(A)は、送信されるデータを変調器(M)に転送し、変調器(M)は、そのようなデータを変調信号に変換する。
【0272】
例えば、放射源(L1)を形成する青色LEDは、送信されるデータに従って変調される第1の電磁放射として青色光を放出する。そのような変調された青色光は、周波数変換器(L2)によって、変調された第2の電磁放射を形成する変調された白色光に変換され得る。
【0273】
第2の電磁放射は、第1の電磁放射の変調に対応して変調される、すなわち、データ送信に使用される変調は、周波数変換器(L2)によって維持される。
【0274】
光キャリアの変調と復調は、通常、たとえば直接検出を使用した強度変調(IM/DD)によって実現される。所望の波形が光キャリアの瞬時電力に変調され、検出器は受信した瞬時電力に比例した電流を生成する。つまり、光波の強度のみが検出され、周波数または位相情報はない(たとえば、H.Elgala et al.,Indoor optical wireless communication:Potential and state-of-the-art,TOPICS IN OPTICAL COMMUNICATIONS,IEEE Communications Magazine October 2011の記事に述べられている)。
【0275】
適切な変調技術は、例えば、H.Elgala et al.,Indoor optical wireless communication:Potential and state-of-the-art,TOPICS IN OPTICAL COMMUNICATIONS,IEEE Communications Magazine October 2011の記事にも記載されている。
高い平均電力効率は、光パルスの時間依存特性を使用して情報を伝達するシングルキャリア(SC)パルス変調技術を採用することで実現できる。いくつかの手法の中で、オンオフキーイング(OOK)とパルス位置変調(PPM)の2つの方式が広く使用されている。OOKは最も古いフォーマットの1つであり、ハードウェアの実装と統合の点で最も単純である。また、複雑さと性能の間の適切な妥協点も示している。PPMでは、光パルスはシンボル時間ごとにSスロットのうちの1つで送信される。占有スロット位置は、シンボルによって伝達されるビットの組み合わせを示す。PPMは、OOKと比較して信号帯域幅を拡張するが、より高い電力効率を提供する。さらに、PPMを使用すると、システムパフォーマンスにとって重要なスロットレベルとシンボルレベルの両方の同期が受信機で必要になるため、OOKよりもシステムが複雑になる。
【0276】
OW(光無線)リンク用のマルチサブキャリア変調MSM技術も一般的に適している。OFDMは、マルチサブキャリア変調(MSM)の実用的な実現である。OFDMは、直交サブキャリアを送信することで高いデータレートを実現できる並列データ送信方式である。OFDMシステムは複雑なチャネルイコライザーを必要とせず、周波数領域チャネル推定を使用して時変チャネルを簡単に推定でき、アップリンク/ダウンリンク(UL/DL)の要求データレートとサービス品質(QoS)に基づいて適応変調を適用できる(QoS)。また、OFDMを任意の多元接続方式と組み合わせることができるため、屋内OWアプリケーションに最適な性能とすることができる。
【0277】
好ましくは、第1の電磁放射は変調される。このような変調は、放射源の制御によって実施することができる。別の実施形態によれば、第1の電磁放射線はまた、この放射が放射源によって放出された後に変調され得る。
【0278】
<入力(A)および出力(E)>
入力(A)および出力(E)は通常、電気デジタル信号またはアナログ信号の形式で転送される情報である。通常、転送される情報は、デジタル情報ビットの形式である。
【0279】
<光路(C)>
光路(C)は、一般に、当業者に知られている光通信に適した任意の光路であり得る。好ましくは、光路(C)は自由空間、すなわち光無線チャネルである。
【0280】
光路は、屋内および/または屋外環境にある。好ましくは、光路は屋内環境にある。
【0281】
屋外の光無線通信は、超長距離自由空間リンク、中距離/長距離リンク、および短距離リンクに分けることができる。超長距離自由空間リンクは、たとえば、衛星のコンステレーションをネットワーク化するために使用される。中距離/長距離リンクは、たとえば、建物間のネットワークやモバイルバックホールに使用される。短距離リンクは、たとえば車から車への通信に使用される。
【0282】
屋内光無線通信は、短距離リンクと超短距離リンクに分けることができる。短距離リンクは、たとえば、光WLAN、飛行機内通信、車からインフラストラクチャへの通信、屋内測位、およびワイヤレス自動化である。屋内光無線通信は、たとえば、携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報端末、ラップトップなどのポータブル電子デバイスのTV制御からIrDA(Infrared Data Association)ポートに至るまで、家庭、オフィス、倉庫に適用される。超短距離リンクは、たとえば、チップ間相互接続やボディ内ネットワークである。
【0283】
より好ましくは、光路は、屋内環境における自由空間である。
【0284】
<その他の任意選択の構成要素>
さらに、本発明による光データ通信システムは、送信機(T)によって放出される変調された電磁放射をさらに形作るために、光学システムをさらに含み得る。例えば、光増幅器レンズ、コリメータ、および/または拡散器を使用して、変調された電磁放射を集中または拡大することができる。
【実施例】
【0285】
以下の図および例は、本発明を説明するためのものであり、限定として解釈されるべきではない。
【0286】
以下の有機蛍光着色剤(色素)1~25を実施例で試験した。
【0287】
色素1:
(グループB13の着色剤)
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラフェノキシペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシイミド
色素1は、BASF SEなどから購入できる。
【0288】
色素2:
(グループB12の着色剤)
ジイソブチル4,10-ジシアノペリレン-3,9-ジカルボキシレートとジイソブチル4,9-ジシアノペリレン-3,10-ジカルボキシレートの混合物
【化46】
【0289】
色素2は、BASF SEなどから購入できる。
【0290】
【0291】
色素3は、BASF SEなどから購入できる。
色素4:
N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド
(グループB8の着色剤)
【化48】
【0292】
色素4は、BASF SEなどから購入できる。
【0293】
【0294】
色素5は、EP3072887に記載されている方法と同様に調製することができる。
【0295】
【0296】
2.2g(2.6mmol)の1,6,7,12-テトラクロロ-N,N’-2,6-ジイソプロピルフェニルペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸ジイミド、4.25g(31.2mmol)の2-イソプロピルフェノール、2.52グラム(18.2mmol)K2CO3および170mLのN-メチルピロリドンの混合物を17時間90℃に加熱した。その後、混合物を10時間110℃に加熱した。さらに、2.12g(15.6mmol)の2-イソプロピルフェノールおよび1.26gのK2CO3を加え、加熱を23時間続けた。さらに、2.12g(15.6mmol)の2-イソプロピルフェノールおよび1.26gのK2CO3を加え、加熱を6時間続けた。生成物を1Lの希HClで沈殿させた。ジクロロメタンで抽出した後、7.5gの液体粗物質が得られ、これをトルエンジクロロメタンを使用するカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。0.28gの純粋な表題化合物が単離された。
【0297】
Rf(石油エーテル/酢酸エチル8:1)=0.3。
【0298】
λ最大発光:616nm(ポリカーボネート中)。
【0299】
色素7
(グループB11の着色剤)
ジイソブチルペリレン-3,10-ジカルボキシレートとジイソブチルペリレン-3,9-ジカルボキシレートとの混合物
【化51】
【0300】
色素7は、BASF SEなどから購入できる。
【0301】
【0302】
色素8は、WO2014/131628に記載されているように調製することができる。
【0303】
【0304】
色素9は、WO2012/168395の実施例10に記載されているように調製することができる。
【0305】
色素10:
(グループB3の着色剤)
化合物(10.a)と(10.b)の混合物
【化54】
式中、
R
2、R
3、R
6のR
7の3つの置換基は水素であり、および
R
2、R
3、R
6のR
7置換基の1つは、シアノである。
【0306】
色素10は、WO2015/169935の実施例3に記載されているように調製することができる。
【0307】
色素11:
(グループB1の着色剤)
【化55】
11.1
【化56】
の調製
【0308】
WO2012/168395の実施例6に記載されている手順に従って、表題化合物と対応する一臭化および二臭化および四臭化化合物の混合物が得られた。三臭化合物は約40重量%を構成する。
【0309】
11.2 表題化合物の調製
2.5g(0.005mol)gの実施例11.1の三臭化化合物、4.41g(0.03mol)の4-シアノフェニルボロン酸、5mLの水に溶解した炭酸カリウム2.07g(0.015mol)および0.174g(0.00015mol)テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)の混合物を90℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、残留物を濾別し、メタノールおよび水で洗浄し、真空乾燥して、2.29gの粗生成物を得た。化合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;トルエン/酢酸エチル20:1)により精製して、0.92g(32%)の黄色の固体を得た。
【0310】
Rf(トルエン/酢酸エチル10:1)=0.3。
【0311】
λ最大発光=508nm(ポリカーボネート)。
【0312】
色素12:
(グループB2の着色剤)
【化57】
の混合物
【0313】
色素12は、WO2015/019270の実施例3に記載されているように調製することができる。
【0314】
【0315】
色素13は、WO2016/151068の実施例1に記載されているように調製することができる。
【0316】
色素14:
(グループB13の着色剤)
【化59】
【0317】
5g(5.9mmol)のN,N’-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12、-テトラクロロ-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、4.23g(24.9mmol)のビフェニル-2-オール、138.21g(16.9mmol)の炭酸カリウムと30mLのN-メチル-2-ピロリドン(NMP)の混合物を、室温で24時間、次に115°Cで48時間撹拌した。80℃に冷却した後、反応混合物を15分以内に10mLの酢酸と20mLの水の混合物に滴下し、2時間かけて室温に冷却し、次に濾過した。残留物をエタノール/水(1:1)の混合物300mLで洗浄し、次にエタノール/水/NMP(4:4:1)の混合物600mLで洗浄した。残留物を35mLのエタノールと5mLのNMPの混合物に還流下で溶解し、次に室温に冷却し、分離して5.6g(62%)の赤色色素を得、これをシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するクロマトグラフィーにより精製した。収量は2.06g(23%)であった。Rf(シクロヘキサン/酢酸エチル10:1)=0.29。
【0318】
色素15:
(グループB14の着色剤)
【化60】
【0319】
色素15は、WO2017/121833A1の例1に記載されているように調製できる。
【0320】
【0321】
色素16は、WO2014/131628に記載されている化合物と同様に調製することができる。
【0322】
【0323】
色素17は、WO2016/151068の実施例6に記載されているように調製することができる。
【0324】
【0325】
色素18は、WO2016/151068の実施例5に記載されているように調製することができる。
【0326】
色素19:
(グループB1の着色剤)
化合物
【化64】
の混合物
【0327】
19.1 2,4ジブロモ-6-ニトロアニリン
10g(0.072モル)の2-ニトロアニリン、100mLの氷酢酸、14.5mL(0.29モル;46.4g)の臭素の混合物を約45℃で加熱した。2時間後、さらに3.0mL(0.06モル)の臭素を加え、反応混合物をさらに2時間撹拌した。過剰な臭素がアウトガスされた。反応混合物に水を加えた。沈殿物を吸い取り、水で洗浄し、乾燥させて、21.0g(98%)の黄色の固体を得た。
【0328】
Rf(トルエン/酢酸エチル10:1)=0.8。
【0329】
19.2 4-[-アミノ-3-(4-シアノフェニル)-5-ニトロ-フェニル]ベンゾニトリル
367mLのトルエン、19.45g(0.066モル)の19.1の化合物、21.72g(0.242モル)の4-シアノフェニルボロン酸、50mLの水に溶解した31.6g(0.114モル)の炭酸カリウムを混合物、6.02g(0.0066mol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムおよびトルエン中の26mL(0.0264mol)のトリ-tert-ブチルホスフィン溶液の混合物を窒素下で80~90℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥して21.6g(96%)の黄色の固体にした。
【0330】
Rf(トルエン/酢酸エチル10:1)=0.29。
【0331】
19.3 4-[3,4-ジアミノ-5-(4-シアノフェニル)フェニル]ベンゾニトリル
19.2g(0.0584モル)の19.2の化合物、400mLのエタノール、100mLのN-メチルピロリドンおよび44.0g(0.2328モル)の塩化亜鉛(II)の混合物を85℃で2時間加熱還流した。室温まで冷却して濾過した後、蒸留により濾液からエタノールを除去した。水とエタノールを加えることにより、表題化合物を沈殿させた。沈殿物を濾別し、熱水で洗浄し、真空乾燥して、25.9g(143%)の無機塩を含む黄色の化合物を得た。
【0332】
Rf(トルエン/酢酸エチル10:1)=0.1。
【0333】
【0334】
250mLのキノリン、8.8g(0.032mol)の4-ブロモ-1,8-ナフタル酸無水物、11.0g(0.032mol;純度90%)の19.3からの混合物、6.0g(0.032mol)の酢酸亜鉛の混合物を窒素下で130℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、200mLのメタノールを加えた。混合物を一晩撹拌し、続いて濾過した。残留物をメタノールおよび水で洗浄した。11.45g(65%)の黄色の沈殿物が得られた。
【0335】
Rf(トルエン/酢酸エチル10:1)=0.5。
【0336】
19.5 表題化合物の混合物
11.0g(0.02mol)の19.4からの化合物の混合物、2.68g(0.02mol)のフェニルボロン酸、5.52g(0.04mol)の炭酸カリウム、水30mL、トルエン250mL、および0.23g(0.0002mol)のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを90℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、残留物を濾別し、メタノールおよび水で洗浄し、真空乾燥して、10.5(95%)の黄黒色残留物を得た。この残留物を還流下で加熱することにより400mLのトルエンに溶解し、2.0gの活性炭を加え、混合物を30分間撹拌し、続いて熱濾過した。濾液を一晩冷却させ、沈殿物を濾別した。収量:パラジウムを含まない表題化合物2.3g。
【0337】
Rf(トルエン/酢酸エチル10:1)=0.5。
【0338】
λ最大発光:519nm(ポリカーボネート)。
【0339】
【0340】
色素20は、WO2014/131628に記載されているように調製することができる。
【0341】
色素21:
(グループB15の着色剤)
【化67】
【0342】
色素21は、WO2012/168395に記載されている方法と同様に調製することができる。
【0343】
色素22:
(グループB7の着色剤)
【化68】
の混合物
【0344】
色素22は、WO2012/168395に記載されているように調製することができる。
【0345】
色素23:
(グループB1の着色剤)
【化69】
の混合物
【0346】
色素23は、欧州特許出願17151931.7に記載されているように調製することができる。
色素24:
(グループB16の着色剤)
【化70】
【0347】
色素24は、WO2007/006717の実施例2に記載されているように調製することができる。
【0348】
色素25:
(グループB16の着色剤)
【化71】
【0349】
色素25は、Chem.Eur.J1997、3、S.219-225に記載されているように調製できる。
【0350】
色素26:
(グループB17の着色剤)
【化72】
【0351】
色素26は、EP17208597.9に記載されているように調製できる。
【0352】
色素27:
(グループB18の着色剤)
【化73】
【0353】
色素27は、EP18179281.3に記載されているように調製できる。
【0354】
色素1~27(有機蛍光着色剤B)の性質
色素を含む分析サンプルの製造:
実施例に従って合成された有機蛍光着色剤(色素)を使用して、波長シフト材料を製造した。この目的のために、それらは、以下に記載されるように、ポリマーから構成されるマトリックスに組み込まれた。ポリマーは、PMMA(Plexiglas(登録商標)6N、Evonik)、ポリスチレン(PS168N、BASF)とPC(Macrolon(登録商標)2808、Bayer)を使用した。
【0355】
各場合使用されるポリマーの量に基づいて、約2.5gのポリマーおよび0.008重量%~0.06重量%の色素を約5mLの塩化メチレンに溶解し、それぞれの場合の量に基づいて、0.5重量%のTiO2(Kronos 2220)をその中に分散させた。得られた溶液/分散液を、アプリケーターフレーム(湿潤膜厚400μm)を使用してガラス表面にコーティングした。溶媒が乾燥した後、フィルムをガラスから剥がし、真空乾燥キャビネット内で50℃で一晩乾燥させた。厚さ80~85μmの各フィルムから直径15mmの円形フィルムを2枚打ち抜き、分析サンプルとした。
【0356】
量子収率の測定
分析サンプルの蛍光量子収率(QY)は、C9920-02量子収率測定システム(Hamamatsu製)を使用して測定した。これは、積分球(ウルブリヒト球)内で各サンプルを445~455nmの光で照射することによって行われた。サンプル無しのウルブリヒト球での参照測定と比較することにより、励起光の吸収されていない部分とサンプルによって放出された蛍光が、CCD分光計によって決定される。吸収されなかった励起光のスペクトルの強度と放出された蛍光のスペクトルの強度を統合すると、それぞれ吸収度と蛍光強度が得られるため、各サンプルの蛍光量子収率を計算できる。
【0357】
励起状態の寿命τvの決定と放射寿命τ0
調製された薄膜の励起状態の寿命(τV)を、10kHzで動作する(85μW、105μW/cm2)450nmの励起波長を有するパルスダイオードレーザ(Picoquant)を用いて薄膜を励起し、放射を時間相関単一光子計数(TCSPC)で検出することによって測定する。この波長は、最大発光450nmの青色LEDが使用される照明アプリケーションに近づけるために選択された。励起状態寿命(τV)を決定するために、減衰曲線の単一指数関数フィットを使用した。
【0358】
発光寿命τ0は、τ0=τv/QYによって計算される。ここでは放射減衰過程のみが考慮されているため、この値は異なる材料間で比較するために重要である。
【0359】
次の表は、結果をまとめたものである。励起は450nmであり、減衰率は2番目の列に示されている最大発光で決定された。いくつかの材料は異なるマトリックスで測定し、いくつかのサンプルも散乱剤の影響を見るためにフィルムにTiO2を追加せずに測定した。
【0360】
【0361】
【0362】
さらに、色素24および25の場合、450nmでの吸収が非常に少ないため、励起は635nmで行われた。次の表は、結果をまとめたものである。
【0363】
【0364】
以下のデータは、120mW/cm2の青色光照明(450nm)で測定されたものである。実施例24および25は、450nmでのそれらの吸収が無視できるので、100mW/cm2の白色光で照射される。日単位のT80は、蛍光の生成と吸収が初期値の80%に減少する時間である。染料の濃度は、入ってくる青色光の約50%を吸収するように選択される。
【0365】
【0366】
受信機(レシーバー)の例
波長シフト材料を製造するために、いくつかの濃度の色素9/色素24をPMMAに押し出し、10cm×10cm×1mmの導波路プレートを製造した。収集効率に対する光吸収の影響を調査するために、染料濃度を変化させた。導波管板の片面にフォトダイオードを取り付けた。
【0367】
【0368】