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特許7466554カテーテルフラッシュ装置、システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】カテーテルフラッシュ装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20240405BHJP
【FI】
A61M5/142 520
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021544873
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020013909
(87)【国際公開番号】W WO2020159718
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】62/799,211
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/741,998
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ アイザックソン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510677(JP,A)
【文献】特表2013-544161(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0209190(US,A1)
【文献】国際公開第2012/126745(WO,A2)
【文献】国際公開第2009/044221(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器であって、
ハウジング;
ハウジングに連結された近位コネクタ;
ハウジングに連結された遠位コネクタ;
ハウジング内に配置され、近位コネクタと遠位コネクタとの間に延びる第1の導管;
ハウジング内に配置され、第1の導管と流体連通する第2の導管;
第2の導管に連結された流体リザーバであって、第2の導管が第1の導管と流体リザーバとの間に延びる、流体リザーバ;
ハウジング内に配置されたポンプであって、ポンプが流体を流体リザーバから第2の導管を通って第1の導管内に送り込むように構成される、ポンプ;および
第2の導管内に配置された一方向弁であって、一方向弁は、流体が一方向弁を越えて流体リザーバに向かって流れることを防止するように構成されている、一方向弁
を備える、医療機器。
【請求項2】
遠位コネクタは、血管アクセス装置に連結するように構成され、血管アクセス装置は、末梢静脈カテーテルを備える、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
近位コネクタは、ニードルレスコネクタを備える、請求項1に記載の医療機器。
【請求項4】
ポンプは、0.2mL/時の流体流速を提供する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項5】
ポンプは、0.2mL/時を超える流体流速を提供する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項6】
医療機器は、患者が身につけるように構成された衣料品をさらに備え、ハウジングは、衣料品に連結される、請求項1に記載の医療機器。
【請求項7】
衣料品がアームバンドを含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項8】
第2の導管が第1の導管の側面に連接する、請求項1に記載の医療機器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一般的な医療処置である注入療法は、血管アクセス装置によって促進され得る。入院患者、在宅ケア患者、およびその他の患者は、血管系に挿入した血管アクセス装置を介して流体、薬剤、および血液製剤を受け取る。採血は、血管アクセス装置によって促進され得る別の一般的な医療処置である。
【0002】
血管アクセス装置は、患者の末梢または中心脈管構造(central vasculature)にアクセスすることができる。血管アクセス装置は、短期間(数日)、中程度の期間(数週間)、または長期間(数カ月から数年)留置することがある。血管アクセス装置は、持続注入療法または定期的注入療法のために使用され得る。血管アクセス装置の一般的なタイプは、例えば、末梢静脈カテーテル(PIVC)または末梢挿入中心カテーテル(PICC)などのカテーテルである。
【0003】
カテーテルが患者の脈管構造内に長期間とどまる場合、カテーテルはデブリ(例えば、フィブリンまたは血小板血栓)による閉塞または封鎖を受けやすい可能性がある。カテーテル閉塞は、カテーテル感染、肺塞栓症、血栓後症候群、およびその他の健康上の転帰不良(negative health outcome)につながる可能性がある。カテーテルの閉塞が発生した場合、カテーテルを除去および/または交換してもよく、その結果、追加の針刺し、患者への痛み、およびより高い材料コストが生じ得る。
【0004】
現在の閉塞予防対策にはカテーテルを手動でフラッシュすることが含まれるが、フラッシングプロトコルの遵守は臨床医によって異なる可能性がある。場合によっては、カテーテルの閉塞を解くために血栓溶解剤を使用することができる。しかしながら、血栓溶解剤はしばしば高価であり、血栓溶解剤の取り付けにより、カテーテルを介した注入療法を中断させ得る。さらに、カテーテルの閉塞のリスクは、手動フラッシングを増加させ、感染のリスクを増加させる結果となり得る。
【0005】
本明細書に請求される主題は、いずれかの欠点を解決するか、または上述のような環境においてのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、本明細書に記載されたある実装が実施され得る1つの例示的な技術分野を示すためにのみ提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第8,066,670号明細書
【発明の概要】
【0007】
本開示は、一般に、カテーテル閉塞を低減または排除するための装置、システム、および方法に関する。ある実施形態において、フラッシュ装置(flush device)は、カテーテルの閉塞を低減または排除するために、カテーテルの自動フラッシング(automatic flushing)を容易にすることができる。ある実施形態では、フラッシュ装置は、持ち運び可能であり、臨床医による複数のタスクの実行を容易にするように構成されてもよい。ある実施形態において、フラッシュ装置は、カテーテルの手動フラッシュ、IVラインへの接続、および血液採取のうちの1つ以上を容易にすることができる。
【0008】
ある実施形態では、フラッシュ装置はハウジングを含むことができる。ある実施形態では、フラッシュ装置は、ハウジングに連結された近位コネクタおよび/またはハウジングに連結された遠位コネクタを含むことができる。ある実施形態では、フラッシュ装置は、ハウジング内に配置され、近位コネクタと遠位コネクタとの間に延びる第1の導管を含むことができる。ある実施形態では、フラッシュ装置は、ハウジング内に配置され、第1の導管と流体連通する第2の導管を含むことができる。
【0009】
ある実施形態において、フラッシュ装置は、ハウジング内に配置された流体リザーバを含んでもよい。ある実施形態では、流体リザーバは、ハウジングの外部にあってもよい。ある実施形態において、第2の導管は、第1の導管とリザーバとの間に延在することができる。ある実施形態では、フラッシュ装置は、ハウジング内に配置されたポンプを含むことができる。ある実施形態では、ポンプは、流体リザーバから、第2の導管を通って、第1の導管内に流体を送り込むように構成されてもよい。ある実施形態では、フラッシュ装置は、第2の導管内に配置された一方向弁を含むことができる。ある実施形態では、一方向弁は、流体が一方向弁を越えて流体リザーバに向かって流れることを防止するように構成されてもよい。
【0010】
ある実施形態において、遠位コネクタは、血管アクセス装置に連結するように構成されてもよい。ある実施形態では、近位コネクタは、ニードルレスコネクタを含むことができる。ある実施形態では、近位コネクタは、ハウジングと一体的に形成されてもよい。ある実施形態において、フラッシュ装置は、患者が身につける衣料品(clothing article)に連結されてもよい。ある実施形態において、衣料品は、フラッシュ装置のハウジングを患者に固定するように構成することができる。
【0011】
ある実施形態において、フラッシュ装置は、容器を含むことができる。ある実施形態において、流体リザーバは、容器内に配置されてもよい。ある実施形態において、容器は、ハウジング内に取り外し可能に配置されてもよい。ある実施形態では、容器は、臨床医によってハウジングから取り外されるか、またはハウジング内に取り付けられてもよい。ある実施形態において、流体リザーバは、バイアルを含んでもよく、例えば、生理食塩水などの流体を含んでもよい。ある実施形態において、バイアルは、約5mLの流体を保持し得る。ある実施形態において、バイアルは、5mLより多くまたは5mL未満の流体を保持し得る。
【0012】
ある実施形態において、ポンプは、約0.2mL/時の流体流速を提供し得る電気ポンプを含み得る。これらおよび他の実施形態において、ポンプは、カテーテルの連続的または周期的なフラッシュを容易にすることができ、閉塞を防止することができる。ある実施形態において、ポンプは、ポンプの作動中にカテーテルの連続的なフラッシングを容易にすることができる。
【0013】
ある実施形態において、方法は、血管アクセス装置をフラッシュ装置に連結し、フラッシュ装置のポンプを作動させて、流体リザーバから第1の導管に流体を供給することを含み得る。ある実施形態において、流体は、流体リザーバから第2の導管に送り込まれてもよい。ある実施形態では、流体が第2の導管を通って流れた後、流体は第1の導管を通って遠位方向に流れ、血管アクセス装置内に流入することができる。
【0014】
ある実施形態において、流体リザーバは消耗してもよい。ある実施形態において、本方法は、ポンプを停止させた後に、流体リザーバを別の流体リザーバと交換する工程を含み得る。ある実施形態では、流体リザーバを他の流体リザーバと交換する工程は、流体リザーバを第2の導管から分離すること、および他の流体リザーバを第2の導管に連結することを含むことができる。ある実施形態において、流体リザーバは、他の流体リザーバと比較して、より少ない流体を含むことができる。ある実施形態において、本方法は、ポンプを作動させる工程を含み、流体リザーバを他の流体リザーバと交換することに対応して実施され得る。ある実施形態において、他のリザーバは、例えばバイアルのような別の容器を含むことができる。
【0015】
ある実施形態において、本方法は、フラッシュ装置を患者に固定することを含み得る。ある実施形態では、フラッシュ装置は、例えば、アームバンドまたは別の適切な衣料品などの、衣料品を介して患者に固定することができる。ある実施形態では、フラッシュ装置が患者に固定されているときに、以下:ポンプを介して患者に流体を注入すること、IVラインを近位コネクタに連結すること、血液採取装置を近位コネクタに連結すること、およびシリンジを近位コネクタに連結することのうちの1つ以上を実施することができる。ある実施形態において、フラッシュ装置は、以下:ポンプを介して患者に流体を注入すること、IVラインを近位コネクタに連結すること、血液採取装置を近位コネクタに連結すること、およびシリンジを近位コネクタに連結することのうちの1つ以上の間で、患者から取り外されなくてもよい(例えば、衣料品またはアームバンドは、患者に固定されたままであってもよい)。
【0016】
ある実施形態において、患者から血液を吸引する方法は、血管アクセス装置をフラッシュ装置に連結する工程、ポンプを停止させる工程、血液採取装置を近位コネクタに連結する工程、および血液試料を近位コネクタを介して血液採取装置内に取り出す工程を含み得る。ある実施形態において、患者から血液を吸引する方法は、シリンジをフラッシュ装置の近位コネクタに連結する工程と、シリンジを介して第1の導管を手動でフラッシュする工程とを含み得る。ある実施形態では、近位コネクタを介して血液試料を血液採取装置内に取り出す工程、および血液採取装置を近位コネクタから分離する工程に応じて、シリンジを近位コネクタに連結してもよいし、第1の導管を手動でフラッシュしてもよい。
【0017】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的であり、限定的ではないことが理解されるべきである。様々な実施形態は、図面に示された配置および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態を組み合わせてもよく、または他の実施形態を利用してもよく、主張されない限り、本開示の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、構造的な変更を行ってもよいことも理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味では解釈されない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用して、さらに具体的および詳細に説明される。
【0019】
図1】ある実施形態による、例示的なフラッシュ装置の上部透視図(upper perspective view)である。
図2A】ある実施形態による、例示的な第1の導管、例示的な第1の導管と流体連通する例示的な第2の導管、および例示的なポンプを示す、図1のフラッシュ装置の断面図である。
図2B】ある実施形態による、第1の導管、第1の導管と流体連通する第2の導管、および別の例示的なポンプを示す、図1のフラッシュ装置の別の断面図である。
図2C】ある実施形態による、図2Bのポンプの拡大図である。
図3A】ある実施形態による、図1のフラッシュ装置を含む例示的なカテーテルシステムの上部透視図である。
図3B】ある実施形態による、患者が身につける例示的な衣料品に連結された図1のフラッシュ装置の上部透視図である。
図4A】ある実施形態による、例示的な静脈(IV)ラインに連結された図1のフラッシュ装置の上部透視図である。
図4B】ある実施形態による、例示的なシリンジに連結された図1のフラッシュ装置の上部透視図である。
図4C】ある実施形態による、例示的な血液採取装置に連結された図1のフラッシュ装置の上部透視図である。
図4D】ある実施形態による、例示的な近位コネクタに連結された例示的なキャップを示す、図1のフラッシュ装置の上部透視図である。
図5】ある実施形態による、例示的な近位コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、一般に、カテーテル閉塞を低減または排除するための装置、システム、および方法に関する。図1を参照すると、ある実施形態では、フラッシュ装置10は、ハウジング12を含むことができる。ある実施形態では、フラッシュ装置10は、ハウジング12に連結された近位コネクタ14と、ハウジング12に連結された遠位コネクタ16とを含むことができる。ある実施形態では、近位コネクタ14および/または遠位コネクタ16は、ハウジング12と一体的に形成されてもよい。ある実施形態では、近位コネクタ14は、ニードルレスコネクタを含むことができる。
【0021】
ある実施形態において、フラッシュ装置10は、容器20内に配置され得る流体リザーバ18を含むことができる。ある実施形態において、容器20は、バイアル、シリンジ、または別の適切な容器を含むことができる。ある実施形態では、フラッシュ装置10は、ハウジング12内に配置されたポンプを含むことができる。
【0022】
ある実施形態において、ポンプは、ポンプを作動および/または停止するために使用され得る操作スイッチ22を含んでもよい。ある実施形態では、操作スイッチ22および/またはインジケータ24は、臨床医に見えるようにハウジング12上に配置されてもよい。ある実施形態では、操作スイッチ22は、押しボタンまたは別の適切なスイッチを含むことができる。
【0023】
ある実施形態では、例えば、作動または停止などのポンプの操作の状態は、インジケータ24によって示されてもよく、インジケータ24は、ライトまたは他の適切なインジケータを含んでもよい。ある実施形態では、インジケータ24は、1つ以上の他の装置と電気的に連結されてもよい。ある実施形態では、インジケータ24は、臨床医に情報を提供してもよい。ある実施形態では、情報は、以下:バッテリ寿命、流体流速、および流体リザーバ18内に残っている流体体積のうちの1つ以上を含むことができる。
【0024】
ここで図2Aを参照すると、ある実施形態において、フラッシュ装置10は、ハウジング12内に配置され、近位コネクタ14と遠位コネクタ16との間に延びる第1の導管26を含んでもよい。ある実施形態において、第1の導管26は、管を含んでもよく、またはハウジング12と一体的に形成されてもよい。ある実施形態において、管は、可撓性であってもよい。ある実施形態では、第2の導管28もまた、ハウジング12内に配置され、第1の導管26と流体連通していてもよい。
【0025】
ある実施形態において、第2の導管28は、第1の導管26と流体リザーバ18との間に延びてもよい。ある実施形態において、第2の導管28は、管を含んでもよく、またはハウジング12と一体的に形成されてもよい。ある実施形態において、第2の導管28は、第1の導管26と交差してもよい。ある実施形態において、第2の導管28は、Tコネクタまたは別の適切なコネクタを介して第1の導管26に連結されてもよい。
【0026】
ある実施形態において、フラッシュ装置10は、ポンプ30を含んでもよく、ポンプ30は、ハウジング12内に配置されてもよい。ある実施形態において、ポンプ30は、流体リザーバ18から、第2の導管28を通って、第1の導管26内に流体を送り込むように構成されてもよい。ある実施形態において、流体は、生理食塩水または別の流体を含んでもよい。ある実施形態では、ポンプ30によって送り込まれる流体は、血管アクセス装置に到達して、血管アクセス装置の閉塞の防止を促進してもよい。
【0027】
ある実施形態において、ポンプ30は、約0.2mL/時であり得る流体流速を提供し得る。ある実施形態において、流体流速は、約0.2mL/時よりも大きくてもよい。ある実施形態において、流体流速は、約0.2mL/時~約0.5mL/時であり得る。ある実施形態において、流体流速は、約0.2mL/時~約1mL/時であり得る。これらの実施形態および他の実施形態では、ポンプ30は、流体を連続的または周期的に送り込んで、血管アクセス装置をフラッシュしてもよい。ある実施形態において、ポンプ30は、ポンプ30の作動に応じて、血管アクセス装置の連続的または周期的な自動フラッシングを提供してもよい。ある実施形態において、連続的または周期的な自動フラッシングは、ポンプ30が停止されるまで行われてもよい。
【0028】
ある実施形態では、ポンプ30は、当技術分野で公知の任意のタイプの適切なポンプを含み得る。ある実施形態では、ポンプ30は、蠕動医療用注入ポンプ(peristaltic medical infusion pump)、回転ピストンポンプ、シリンジまたはシリンジポンプ、ピストンブレーキポンプ、または任意の他の適切なポンプを含み得る。ある実施形態では、ポンプ30は電気式であってもよい。ある実施形態において、ポンプ30は、電源36に電気的に連結されてもよい。ある実施形態において、電源36は、フラッシュ装置10のハウジング12の内部に配置されてもよい。ある実施形態において、電源36は、アルカリ電池を含んでもよい。ある実施形態では、電源36は、再充電可能バッテリ、外部電源、または別の適切な電源を含んでもよい。電源36の位置は、ハウジング12内の他の特徴(feature)と同様に、変化し得ることが理解される。
【0029】
ある実施形態において、ポンプ30および/または弾性力は、流体リザーバ18に一定のまたは安定した圧力を提供してもよい。ある実施形態において、流体リザーバ18に対する弾性力は、例えば、ハウジング12の外部から操作されるハンドルまたはねじりダイヤルなどの手動圧力調整によって提供されてもよい。
【0030】
ある実施形態では、ポンプ30は、ポンプ30によって作動されて、流体が第2の導管28を通って流れることを可能にするソレノイドバルブを含んでもよい。ある実施形態では、ソレノイドバルブは、磁気ソレノイドが通電されないときに閉じた状態で維持されてもよい。ある実施形態では、磁気ソレノイドが通電されると、ソレノイドバルブが開き、流体が流体リザーバ18から第2の導管28を通って流れることができる。
【0031】
ある実施形態において、容器20は、ハウジング12内に取り外し可能に配置され得る。ある実施形態において、ハウジング12は、アクセスドアを有するように構成され得、その結果、容器20は、フラッシュ装置10内に設置または取り外され得る。ある実施形態において、流体リザーバ18は、生理食塩水または他の流体を含有し得るバイアルを含み得る。ある実施形態において、流体リザーバ18は、約2mL~約10mLの流体を含むことができる。ある実施形態において、流体リザーバ18は、約5mLの流体を含むことができる。ある実施形態において、流体リザーバ18は、約10mLを超える流体を含むことができる。
【0032】
ある実施形態において、流体リザーバ18は、ハウジング12の外部にあってもよい。ある実施形態において、流体リザーバ18は、シリンジまたは別の適切な流体リザーバを含んでもよい。ある実施形態では、流体リザーバ18は、交換または補充され得る第1の流体リザーバである。ある実施形態において、第1の流体リザーバは、第2の流体リザーバと比較して、より少ない流体を有してもよい。ある実施形態では、ポンプ30を停止した後の流体リザーバ18の交換は、第1の流体リザーバ18を第2の導管28から分離し、第2の流体リザーバを第2の導管28に連結し、次いでポンプ30を作動させることを含み得る。
【0033】
ある実施形態において、フラッシュ装置10は、第2の導管28内に配置された一方向弁32を含んでもよい。ある実施形態において、一方向弁32は、流体が一方向弁32を越えて流体リザーバ18に向かって流れることを防止するように構成されてもよい。ある実施形態において、一方向弁32は、逆止弁を含んでもよい。ある実施形態では、一方向弁32は、例えば、薬剤または血液のような流体がポンプ30および/または流体リザーバ18内に入るのを防ぐことができる。
【0034】
図2B-2Cを参照すると、ある実施形態において、ポンプ30は、蠕動医療用注入ポンプを含むことができる。ある実施形態では、第2の導管28は、管40によって形成され得る。ある実施形態では、ポンプ30は、管40を順次押し、流体を横方向および/または第1の導管26に向かって流れるように強制する部材38を含み得る。ある実施形態では、ポンプ30は、間欠的にまたは周期的に操作し得る。ある実施形態では、ポンプ30は、一定の間隔で、および/または所与の期間にわたって、一時的な流体のバーストを提供することができる。
【0035】
ここで図3Aを参照すると、ある実施形態によるカテーテルシステム41が示されている。ある実施形態では、フラッシュ装置10は、血管アクセス装置42または別の適切なデバイスに連結されてもよい。より詳細には、延長チューブ47は、遠位コネクタ16に連結されてもよく、血管アクセス装置42とフラッシュ装置10との間に延びていてもよい。
【0036】
ある実施形態において、血管アクセス装置42は、カテーテルアダプタ43を含むことができる。ある実施形態において、カテーテルアダプタ43は、近位端、遠位端、およびそれらの間に延びる管腔を含むことができる。ある実施形態では、カテーテルアダプタ43は、遠位端から延びるカテーテル44を含むことができる。ある実施形態において、カテーテル44は、PIVCまたはPICCを含むことができる。
【0037】
ある実施形態では、遠位コネクタ16は、ハウジング12と一体的に形成されてもよい。ある実施形態では、遠位コネクタ16は、スリップまたはスレッド雄または雌ルアーアダプタなどのルアーアダプタ、または別の適切なコネクタを含んでもよい。ある実施形態において、延長チューブ47の近位端は、遠位コネクタ16と一体的に形成されてもよい。
【0038】
図3A~3Bを参照すると、ある実施形態では、フラッシュ装置10は、患者が身につけるように構成された衣料品45に連結されてもよい。ある実施形態では、ハウジング12は、糸、スナップ、接着剤、または任意の他の適切な連結機構を介して、衣料品45に連結されてもよい。ある実施形態において、衣料品45は、ハウジング12を患者に固定することができる。一実施形態では、衣料品45は、例えば図3Bに示すように、人の腕に固定することができるアームバンドであってもよい。ある実施形態では、衣料品45は、ガウン、ラップ、または他の適切な衣料品を含んでもよい。ある実施形態では、カテーテルシステム41は、衣料品45を含まなくてもよい。
【0039】
ここで図4Aを参照すると、ある実施形態において、近位コネクタ14は、静脈(IV)ライン46に連結するように構成されてもよい。ある実施形態において、IVライン46からの流体は、第1の導管26を通過し、血管アクセス装置42内に入ることができる。ある実施形態において、近位コネクタ14は、フラッシュ装置10のオペレータによって要求されるように、1つ以上の代替の流体源に連結されてもよい。ある実施形態において、近位コネクタ14は、ニードルレスコネクタまたは別の適切なコネクタを含んでもよい。ある実施形態では、近位コネクタ14は、IVライン46などの流体供給源に連結するように構成することができる。
【0040】
図4Bを参照すると、ある実施形態では、シリンジ48を装置の近位コネクタ14に連結することができる。ある実施形態において、シリンジ48は、例えば、フラッシュ装置10を介して患者に投与するための薬剤、またはフラッシュ装置10および/または血管アクセス装置42をフラッシュするための生理食塩水などの流体を含有してもよい。ある実施形態において、特定の流体がIVライン46(例えば図4Aに示されている)によって、または手動でシリンジ48で投与される場合、一方向弁32(例えば図2A~2Bに示される)は、特定の流体が、以下:第2の導管28、ポンプ30、および流体リザーバ18のうちの1つ以上に入るのを防止してもよい。ある実施形態において、ポンプ30は、複数の流体流速でのフラッシュ装置10および/または血管アクセス装置42のフラッシュを容易にしてもよい。さらに詳細には、ある実施形態において、シリンジ48の手動による作動は、第1の流体流速でのフラッシングを容易にすることができ、ポンプ30の作動は、第2の流体流速でのフラッシングを容易にすることができる。
【0041】
図4Cを参照すると、ある実施形態において、血液採取装置50は、近位コネクタ14に連結されてもよい。ある実施形態において、血液採取装置50に含まれる血液試料は、フラッシュ装置10に連結された血管アクセス装置42から採取されてもよい。ある実施形態において、血液試料は、第1の導管26を通って近位コネクタ14から、近位コネクタ14に連結された血液採取装置50内に、近位に取り出されてもよい。
【0042】
ある実施形態において、ポンプ30は、血液試料の採取前に停止されてもよい。ある実施形態では、血液試料が血液採取装置50に採取された後、臨床医は、血液採取装置50を近位コネクタ14から外し、シリンジ48を近位コネクタ14に連結することができる。ある実施形態では、シリンジ48を使用して、第1の導管26および/または血管アクセス装置42を手動でフラッシュすることができる。ある実施形態では、血液試料が採取される際、一方向弁32は、血液が、以下:第2の導管28、ポンプ30、および流体リザーバ18のうちの1つ以上に入るのを防止してもよい。
【0043】
図4Dを参照すると、ある実施形態では、近位コネクタ14および/または遠位コネクタ16は、それぞれ、取り外し可能なキャップ52を含むことができる。ある実施形態では、キャップ52は、ネジ山または別の適切な方法によって、近位コネクタ14および/または遠位コネクタ16に連結されてもよい。ある実施形態では、キャップ52を近位コネクタ14及び/又は遠位コネクタ16に取り付けることにより、フラッシュ装置10を汚染物及び不注意な使用から保護することが容易になり得る。
【0044】
図5は、ある実施形態によるニードルレスコネクタの例を示す。ある実施形態では、近位コネクタ14は、任意の適切なニードルレスコネクタを含むことができる。近位コネクタ14は、ある実施形態に従って、図5のニードルレスコネクタを含むか、またはそれに対応することができる。図5のニードルレスコネクタは、「VASCULAR ACCESS DEVICE SEPTUM VENTING」という表題の2007年11月5日出願の特許文献1(米国特許第8,066,670号明細書)にさらに詳細に記載され得、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
ある実施形態において、近位コネクタ14は、隔壁88を含むことができ、これにより、流体がフラッシュ装置10から流出することを妨げてもよい。ある実施形態において、近位コネクタ14は、ハウジング12と一体的に形成されてもよい。ある実施形態において、近位コネクタ14は、単一ユニットとしてハウジング12とモノリシックに(monolithically)形成されてもよい。ある実施形態では、第1の導管26は、近位コネクタ14と一体化され得る管90を含むことができる。
【0046】
本明細書に記載されている全ての例および条件付きの文言は、本開示、および本技術を促進するために発明者によって貢献された概念を読者が理解するのを助けるための教育的な目的を意図しており、そのような具体的に記載された例および条件に限定されないものと解釈されるべきである。本開示の実施形態を詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を本明細書においてなされ得ることを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5