(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】流体試料中のエンドトキシンの視覚化のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20240405BHJP
G01N 33/579 20060101ALI20240405BHJP
G01N 21/03 20060101ALI20240405BHJP
G01N 21/01 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
G01N35/00 A
G01N33/579
G01N21/03 Z
G01N21/01 B
(21)【出願番号】P 2021553142
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(86)【国際出願番号】 US2020021642
(87)【国際公開番号】W WO2020185646
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-01-11
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517430716
【氏名又は名称】ビーエル テクノロジーズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】スクミ レドル
(72)【発明者】
【氏名】クルジストフ フラナスズズク
(72)【発明者】
【氏名】ジェッセ マンリー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド クレマー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァムシ パヌガンティ
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミアー ティーグ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン リー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル スカエル
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-501020(JP,A)
【文献】特開2011-002379(JP,A)
【文献】特開2015-099160(JP,A)
【文献】特開2014-140487(JP,A)
【文献】特開2006-275895(JP,A)
【文献】国際公開第2008/139544(WO,A1)
【文献】特開2015-127646(JP,A)
【文献】特表2015-531489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
G01N 33/579
G01N 21/00-21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体試料中のエンドトキシン濃度の視覚化を生成するコンピュータ実装方法であって、
プロセッサによって、グラフィカルユーザーインターフェース用またはレポート用に、据え置き型またはモバイル型コンピューティングデバイスに表示されるように、複数の光学ウェルを備えるマイクロプレートの光学濃度(OD)読取値を識別するデータセットから、画像視覚化を生成することを含み、各光学ウェルは流体試料を含有し、前記画像視覚化は、
第1の垂直棒のセットを有する垂直方向の棒グラフを備え、前記第1の垂直棒のセットの少なくとも1つの垂直棒は前記マイクロプレートの
各光学ウェルに
対応しており、
ここで、前記プロセッサは、前記マイクロプレートの前記光学ウェル
の対応する1つにおいてカブトガニ血球抽出成分(LAL)と細菌エンドトキシンとの間の反応が起こるにつれて、前記
第1の垂直棒のセットの垂直棒の各々を、時間の経過とともに垂直方向に増加させ、
ここで、前記光学ウェルに存在するエンドトキシンの量が多いほど、前記LAL
の試薬と起こる反応が速くなり
、前記プロセッサは、
前記画像視覚化において
前記第1の垂直棒のセットの関連する
垂直棒をより速く増加させる、
流体試料中のエンドトキシン濃度の視覚化を生成するコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記プロセッサによって、
前記画像視覚化上に閾値ODまたは開始ODを表す水平線を生成することをさらに含み、ここで、
前記第1の垂直棒のセットの各垂直棒が前記水平線に到達または通過する時間は、前
記対応する光学ウェル
における前記流体試料と前記LAL
の試薬との反応の「開始時間」または「反応時間」
である、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記
第1の垂直棒のセットの1つの垂直棒が
前記水平線に達すると、前記プロセッサは、前記
垂直棒の色を第1の色から第2の色に変化させる、請求項
2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記第1の色は、青色であり、前記第2の色は、緑色である、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記プロセッサによって、
エンドトキシン標準を表す第2の垂直棒のセット、および陰性対照を表す第3の垂直棒のセットを生成することをさらに含み、前記第2の垂直棒のセットおよび前記第3の垂直棒のセットも前記画像視覚化
上に表示され
る、請求項
1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
エンドトキシン標準を表す前記
第2の垂直棒のセットは、前記プロセッサによって第1の色で標識付けされ、陰性対照を表す前記
第3の垂直棒のセットは、前記プロセッサによって第2の色で標識付けされ、前記マイクロプレートの前記光学ウェルに対応する前記
第1の垂直棒のセットは、前記プロセッサによって第3の色で標識付けされる、請求項
5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
エンドトキシン標準を表す前記
第2の垂直棒のセットは、前記プロセッサによって濃い緑色で標識付けされ、陰性対照を表す前記
第3の垂直棒のセットは、前記プロセッサによって赤色で標識付けされ、前記マイクロプレートの前記光学ウェルに対応する前記
第1の垂直棒のセットは、前記プロセッサによって青色または薄い緑色で標識付けされる、請求項
6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記プロセッサによって前記画像視覚化上に生成された閾値ODまたは開始ODを表す水平線を超える、前記第1の垂直棒のセット、前記第2の垂直棒のセットまたは前記第3の垂直棒のセットのいずれかの少なくとも1つの垂直棒に応答して、前記少なくとも1つの垂直棒は前記プロセッサによって緑色に変化される、請求項
6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記プロセッサによって、前記画像視覚化上で陽性製品対照を表す
第2の垂直棒のセットを生成することをさらに含む、請求項
1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
陽性製品対照を表す前記
第2の垂直棒のセットは、前記マイクロプレートの前記光学ウェルに対応する前記
第1の垂直棒のセットが前記画像視覚化で前記プロセッサによって生成された水平線に到達したときに、前記マイクロプレートの前記光学ウェルに対応する前記
第1の垂直棒のセットに標識付けするために前記プロセッサによって使用されるものと同じ色を使用して、前記プロセッサによって標識付けされ、前記水平線は、閾値ODまたは開始ODを表す、請求項
9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
陽性製品対照を表す前記
第2の垂直棒のセットは、前記プロセッサによって緑色を使用して標識付けされる、請求項
9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記陽性製品対照は、
前記陽性製品対照中のエンドトキシン濃度から
前記流体試料中のエンドトキシン濃度を差し引き、0.5EU/mL標準の実際のエンドトキシン濃度で割ったものとして
前記プロセッサによって計算される、請求項
9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行するシステム。
【請求項14】
コンピュータ実行可能命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、実行されるとき、前記プロセッサに、請求項1から12のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ実行可能命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法に従って生成されたレポート。
【請求項16】
注射可能な製剤または水中のエンドトキシンを試験するためのシステムであって、
プロセッサと、
格納された命令を有するメモリと、を備え、ここで、前記プロセッサによる前記命令の実行は、前記
システムに、
マルチウェルマイクロプレートの測定値の取得中に、
前記マルチウェルマイクロプレートの
前記測定値に関連する1つ以上のデータセットを継続的に取得させ、ここで、各測定値は、(i)
前記注射可能な製剤または水の
獲得試料中のエンドトキシンから(ii)経時的な1つ以上の試験試薬への、エンドトキシン反応の測定レベルに関連付けられ、ここで、前記
1つ以上のデータセット
の各々は、前記マルチウェルマイクロプレートの各ウェルについてエンドトキシン反応の現在の測定レベルを備え、ここで前記マルチウェルマイクロプレートは、少なくとも96ウェルを備え、
グラフィカルユーザーインターフェースのペイン内に、前記
1つ以上のデータセットから、複数の
第1の視覚要素を備える並列グラフを単独で表示させ、ここで、
前記複数の
第1の視覚要素の各視覚要素は、前記マルチウェルマイクロプレート
の各ウェルについて
エンドトキシン反応の前記現在の測定レベルに関連付けられ、
ここで、前記複数の
第1の視覚要素の各視覚要素は、最小値と最大値との間の範囲にわたるデータ値を表示するように構成された垂直方向の棒を備え
、
ここで、
前記表示は、
(i)前記最小値に位置合わせされた第1の水平線、(ii)前記最大値に位置合わせされた第2の水平線、および(iii)前記マルチウェルマイクロプレート
の各々、または前記
マルチウェルマイクロプレートのウェルのグループ
について、エンドトキシン反応の開始閾値を示す値
での第3の水平線を
含む複数の第2の視覚要素をさらに備え、
ここで、前
記並列グラフは、前記注射可能な製剤または水の
前記獲得された試料中のエンドトキシンを試験するため
、前記マルチウェルマイクロプレートの
前記ウェルの各々内の、または前記
マルチウェルマイクロプレートのウェルのグループ間での、エンドトキシン反応の進行の同時比較を提供する、
注射可能な製剤または水中のエンドトキシンを試験するためのシステム。
【請求項17】
前
記並列グラフは、不適切に構成されたウェルの表示を提供し、前記表示は、後続の試験において
前記不適切に構成されたウェル内の前記注射可能な製剤または水の試料の再試験のためにまたは再試験を評価するために使用される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記マルチウェルマイクロプレートの
測定値に関連する
前記1つ以上のデータセットは、少なくとも1秒に1回のあらかじめ決められた間隔で連続的に取得および表示され、前記間隔は、少なくとも96ウェルまたはその一部におけるエンドトキシン反応の速度の観察を提供するために固定される、請求項
16に記載のシステム。
【請求項19】
前記命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、前記
システムに、
入力デバイスからの入力の受信であって、前記入力は前記
グラフィカルユーザーインターフェースのカーソルに関連付けられる、入力の受信と、
前記グラフィカルユーザーインターフェースの前記ペイン内において、前記カーソルが、
(i)視覚要素の選択、または(ii)あらかじめ決められた期間
の少なくとも1つについて、
前記複数の視覚要素の
1つの視覚要素上に配置されることの決定と、
前記グラフィカルユーザーインターフェースの前記ペインまたは第2のペイン内への、
i)前記カーソルが配置されている
前記視覚要素に関連する1つ以上のウェルの経時的なエンドトキシン反応の測定レベルのグラフ
、または
ii)前記カーソルが配置されている
前記視覚要素に関連する1つ以上のウェルに
ついて測定
されたパラメータの表示と、
をさせる、請求項
16に記載のシステム。
【請求項20】
経時的なエンドトキシン反応の測定レベルの
前記グラフは、提示され、前記グラフは、選択されたウェルの反応時間の期間にわたる1つ以上の動態曲線を備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記マルチウェルマイクロプレートのウェルの数の2倍を超える水平ピクセル素子を有す
るディスプレイをさらに備える、請求項
16に記載のシステム。
【請求項22】
前記ディスプレイは、垂直ピクセル素子のセットを有し、前記複数の視覚要素の各々は、前記垂直ピクセル素子のセットの少なくとも80%にわたる、請求項
21に記載のシステム。
【請求項23】
前記マルチウェルマイクロプレートの
前記少なくとも96ウェルの一部は、第1の標準ウェルおよび第2の標準ウェルを含む1つ以上の標準ウェルのセットを含み、ここで、前記第1の
標準ウェルおよび第2の
標準ウェルに関連する
前記視覚要素は、前記マルチウェルマイクロプレートの
前記少なくとも96ウェルの残りの部分
に関連する前記視覚要素の色とは異なる色を有する、請求項
16に記載のシステム。
【請求項24】
前記マルチウェルマイクロプレート内のエンドトキシン反応の測定レベルを測定するために前記マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルに応答させるように構成されたセンサーシステムをさらに備え、前記センサーシステムは、吸光センサー、蛍光センサー、発光センサーからなる群から選択される1つ以上のセンサーを備える、請求項
16に記載のシステム。
【請求項25】
前記センサーシステムは、96ウェルマイクロプレート
用に構成されている、請求項
24に記載のシステム。
【請求項26】
前記センサーシステムは、104ウェルマイクロプレート
用に構成されている、請求項
24に記載のシステム。
【請求項27】
エンドトキシン反応の
測定レベルは、1つ以上の試験試薬との反応に関連する
前記注射可能な製剤または水の獲得された試料の透明性の測定された変化に関連する値を備える、請求項
16に記載のシステム。
【請求項28】
前記測定レベルは、1つ以上の試験試薬との反応に関連する
前記注射可能な製剤または水の獲得された試料の吸光度、輝度、蛍光、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される光学特性の測定された変化に関連する値を備える、請求項
16に記載のシステム。
【請求項29】
前記複数の
第1の視覚要素は、標準ウェルに関連する視覚要素の第1のセット、標準ウェルに関連する視覚要素の第2のセット、標準ウェルに関連する視覚要素の第3のセット、標準ウェルに関連する視覚要素の第4のセット、標準ウェルに関連する視覚要素の第5のセット、および標準ウェルに関連する視覚要素の第6のセットを備え、
ここで、前記視覚要素の第1のセットは、50-EU/ml標準を有し、
ここで、前記視覚要素の第2のセットは、5-EU/ml標準を有し、
ここで、前記視覚要素の第3のセットは、0.5-EU/ml標準を有し、
ここで、前記視覚要素の第4のセットは、0.05-EU/ml標準を有し、
ここで、前記視覚要素の第5のセットは、0.005-EU/ml標準を有し、
ここで、前記視覚要素の第6のセットは、陰性対照標準を有する、
請求項
16に記載のシステム。
【請求項30】
開始閾値を示す値は、ユーザが選択可能である、請求項
16に記載のシステム。
【請求項31】
前記命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、前記
システムに、
入力デバイスからの入力の受信であって、前記入力は、測定された開始時間、測定されたエンドトキシン濃度、測定された陽性製品対照(PPC)回収および決定されたマトリックス効果からなる群から選択される前記マルチウェルマイクロプレートの測定パラメータの選択に関連付けられる、受信と、
選択したパラメータに関連付けられた1つ以上の第2のデータセットの取得と、
グラフィカルユーザーインターフェースの前記ペインまたは第
2のペイン内への、前記選択されたパラメータに関連する第
3の複数の視覚要素の表示であって、
前記第
3の複数の視覚要素は、
前記マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルまたはその一部に対応する番号を有する、表示と、
をさせる、請求項
16に記載のシステム。
【請求項32】
注射可能な製剤または水におけるエンドトキシンの試験を観察する方法であって、
マルチウェルマイクロプレートの
測定値に関連する1つ以上のデータセットをプロセッサによって取得するステップであって、各
測定値は、経時に伴う注射可能な製剤または水の獲得試料中のエンドトキシンの測定レベルに関連し、ここで、前記
1つ以上のデータセットは、前記マルチウェルマイクロプレートの各ウェルについて現在測定されたレベルを備え、ここで、前記マルチウェルマイクロプレートは、少なくとも96ウェルを備える、ステップと、
前記得られた
1つ以上のデータセットから、前記プロセッサによって、グラフィカルユーザーインターフェースのペイン内に、複数の
第1の視覚要素を含む並列グラフを単独で表示するステップであって、ここで、
前記複数の
第1の視覚要素の各視覚要素は、前記マルチウェルマイクロプレート
の各々の現在の測定レベルに関連する、ステップと、を備え、
ここで、
前記複数の
第1の視覚要素の各視覚要素は、最小値と最大値との間の範囲のデータ値にわたるように構成された垂直方向の棒を備え
、
ここで、
前記表示は、
(i)前記最小値に位置合わせされた第1の水平線、(ii)前記最大値に位置合わせされた第2の水平線、および(iii)前記マルチウェルマイクロプレート
の各々の開始閾値を示す測定値での第3の水平線を備える
複数の第2の視覚要素をさらに備え、
ここで
、前記並列グラフは、前記マルチウェルマイクロプレートの
前記ウェル内の、または
前記マルチウェルマイクロプレートのウェルのグループ間での、反応速度の同時比較を提供し、注射可能な製剤または水の
前記獲得試料中のエンドトキシンの試験を観察する、方法。
【請求項33】
吸光センサー、蛍光センサー、および発光センサーからなる群から選択される1つ以上のセンサーを備えるセンサーシステムを用いて、前記マルチウェルマイクロプレート内のエンドトキシン反応の
前記測定レベルを取得するために前記マルチウェルマイクロプレートの
前記少なくとも96ウェルに応答させるステッ
プをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
格納された命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、プロセッサによる
前記命令の実行によって、
前記プロセッサに、
マルチウェルマイクロプレートの
測定値に関連する1つ以上のデータセットの取得であって、各
測定値は、経時に伴う注射可能な製剤または水の獲得試料中のエンドトキシンの測定レベルに関連し、ここで、前記
1つ以上のデータセットは、前記マルチウェルマイクロプレートの各ウェルの現在の測定レベルを備え、ここで、前記マルチウェルマイクロプレートは、少なくとも96ウェルを備える、取得と、
前記得られた
1つ以上のデータセットから、グラフィカルユーザーインターフェースのペインへの、複数の
第1の視覚要素を含む並列グラフの単独表示であって、ここで、
前記複数の
第1の視覚要素の各視覚要素は、前記マルチウェルマイクロプレート
の各々の現在の
測定レベルに関連する、表示と、
をさせ、
ここで、
前記複数の
第1の視覚要素の各視覚要素は、最小値と最大値との間の範囲のデータ値にわたるように構成された垂直方向の棒を備え
、
ここで、
前記表示は、
(i)前記最小値に位置合わせされた第1の水平線、(ii)前記最大値に位置合わせされた第2の水平線、および(iii)前記マルチウェルマイクロプレート
のウェルについて開始閾値を示す測定値での第3の水平線を備える
複数の第2の視覚要素をさらに備え、
ここで、前
記並列グラフは、前記マルチウェルマイクロプレートの
各ウェル内の、または
前記マルチウェルマイクロプレートのウェルのグループ間での、反応速度の同時比較を提供し、注射可能な製剤または水の
前記獲得試料中のエンドトキシンの試験を監視する、
命令が格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項35】
前記命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、
前記プロセッサに、前記マルチウェルマイクロプレート内のエンドトキシン反応の
前記測定レベルを測定するために、前記マルチウェルマイクロプレートの
各ウェルを応答させおよびその測定値を取得するように構成されたセンサーシステムを制御させ、ここで、前記センサーシステムは1つ以上の吸光センサー、蛍光センサー、発光センサーからなるグループから選択されるセンサーを備える、
請求項34に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願)
本PCT出願は、2019年3月8日に出願された“Method and System for Visualization of Endotoxins in a Fluid Sample”と題する米国仮特許出願第62/815,716号と、2019年3月29日に出願された“Method and System for Visualization of Endotoxins in a Fluid Sample”と題する米国仮特許出願第62/826,253号と、2019年3月29日に出願された“Method and System for Visualization of Endotoxins in a Fluid Sample”と題する米国仮特許出願第62/826,355号と、の優先権およびその利益を主張し、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
(背景技術)
グラム陽性菌、グラム陰性菌、酵母および真菌などの微生物汚染は、人間に重篤な病気や死さえも引き起こし得る。人々がグラム陰性菌に感染するとき、細菌は、発熱を誘発する細菌エンドトキシンを生成し得る。エンドトキシンは、人間にとって危険であり得、致命的でさえあり得る。グラム陰性菌の細胞壁のリポ多糖成分であるエンドトキシン分子は、微生物汚染とは無関係に、製剤中および医療機器の表面内に存在し得る。システムが無菌試験に合格した場合であっても、エンドトキシン汚染が発生し得るため、独立したエンドトキシン試験が求められる。
【0003】
これまでのところ、カブトガニの血球溶解物を使用して、試験対象の試料内または試料上のエンドトキシンの存在を検出するために、さまざまな試験が開発されてきた。血球溶解物がエンドトキシンにさらされると、凝固が生じることとなる。血球溶解物は、リムルス(Limulus)、タキプレウス(Tachypleus)およびカルシノスコルピウス(Carcinoscorpius)種種を含むさまざまなカブトガニ種の血リンパから生成される血球抽出成分である。一般的に使用される血球抽出成分は、リムルスまたはタキプレウス種の血リンパから生成され、カブトガニ血球抽出成分(Limulus amebocyte lysate)(「LAL」)と呼ばれる。LALを使用する通常の試験には、ゲルクロットアッセイ、エンドポイント比濁アッセイ、カイネティック比濁アッセイ、エンドポイント比色アッセイ、およびカイネティック比色アッセイが含まれる。LALを使用する試験は、真菌汚染のマーカーである特定の種類のグルカンを試験するためにも使用され得る。
【0004】
LALアッセイおよび使用される標準の更なる詳細については、米国薬局方(「USP」)第85章「Bacterial Endotoxins Test(細菌エンドトキシン試験法)」(「BET」)、日本薬局方4.01「Bacterial Endotoxin Test(細菌エンドトキシン試験法)」、欧州薬局方2.6.14「Bacterial Endotoxins(細菌エンドトキシン)」および他の同等の国内薬局方において見られ得る。国際的に統一されたさらなる薬局方情報は、ICH Q4B付属書14「BacterialEndotoxinTestGeneralChapter(細菌エンドトキシン試験法総則)」において参照され得る。医療機器内のエンドトキシン試験について、情報は、USP第161章「Transfusion and Infusion Assemblies and Similar Medical Devices(輸血および輸液アセンブリおよび同様の医療機器)」およびANSI/AAMI ST72「Bacterial endotoxins-Test methods, routine monitoring, and alternatives to batch testing(細菌エンドトキシン-試験方法、ルーチンモニタリングおよびバッチ試験の代替)」において見られ得る。これらの基準および手順は、一般的にコンペンディアと呼ばれ得る。
【0005】
医薬、医療機器、食品業界の製造業者は、その製品が微生物またはエンドトキシンによる汚染を含有しないことを確実にするために、特定の標準を満たさなければならない。これらの業界では、米国食品医薬品局または環境保護庁によって設定されたものなどのさまざまな安全基準を満たすために、エンドトキシンの存在について、頻繁に、正確に、高感度で試験する必要がある。これらの機関は、コンペンディア手法標準の多くを承認している。したがって、製造業者が新製品を市場にリリースするために政府の承認を取得したい場合、製品が上記のコンペンディアの方法および基準に準拠している場合は、FDAの要件の多くが満たされ得る。これにより、製造業者が新製品のFDA承認を取得するためのコストを大幅に削減し得る。
【0006】
これらの機関はまた、試験結果が悪い結果を示したとき、またはエンドトキシン濃度が予想範囲外であるとき、厳格な報告要求をも有する。このような非準拠の結果は、根本的原因を見つけるために徹底的に調査され、規制当局に説明されなければならない。これには時間とコストがかかる。製造業者が、実際に試料内または試料上にエンドトキシンが存在するからではなく、試験自体の異常が原因で非準拠の結果が発生することを示し得る場合、機関への報告要件の多くが満たされ得る。これにより、そのような報告義務を履行するために発生する時間およびコストを削減し得る。現在まで、試験自体の異常またはエラーと試料の異常とを区別できる既知の方法または装置は存在しない。
【0007】
さまざまなコンペンディアにおけるこれらのアッセイは、標準として使用するために既知の濃度のエンドトキシンを含む水溶液を必要とする。これらの水溶液は通常不安定である。したがって、それらは通常、試験直前に、試験場所で粉末毒素から作成される。LAL試薬もまた、通常粉末の形で提供され、使用前に水溶液で還元しなければならない。
【0008】
エンドトキシンおよびLAL粉末の調製は、重要な生体分子の溶媒和が遅く、混合中に表面に付着し、その後表面上で凝縮する傾向があるため、困難である。LAL試薬はまた、再構成時にゆっくりと反応し始め、非常に短い保存寿命を有する。最善の操作方法は、使用直前にこれらを混合することであるが、ワークフローでは通常、プロセスの開始時にこれらを混合することを指示している。また、調整のプロセスは、環境に遍在するエンドトキシンによる汚染を受けやすい。
【0009】
機関はまた、使用される機器および試薬が適切に機能していることを確認するために、一連の校正試験をも必要とする。校正試験および試料測定もまた、複数回行われなければならない。BETおよび他のコンペンディアに適合する現在の実験室方法は非常に詳細であり、汚染なしにマイクロプレートなどの複数の注入口に分配するために流体量の反復的かつ高精度の測定を必要とする。
【0010】
LAL分析を実行する最も一般的な方法は、マイクロウェルプレートとリーダーとを有する。上部が開口し下部に透明なウィンドウを有する反応ウェルのマトリックスを、複数の同時アッセイに使用する加熱分光光度リーダーに配置する。プレートの準備に時間がかかること、コストが高いこと、ミスおよび汚染の可能性があること、この作業のために特別に訓練された専門の技術者が作業を行う必要があることなど、多くの欠点が存在する。
【0011】
高度なスキルを持つ作業者は、測定および試験の適切な技術および精度を確保するために継続的に監視され、繰り返しの動作の正確さを確保するために、作業者は、必要に応じて再訓練される。典型的な方法は、248もの遅くて時間のかかるピペット操作ステップを伴い得、その複雑さのためにエラーが発生しやすい方法であり、操作の長さと数のために汚染が発生しやすい方法となっている。
【0012】
エンドトキシン試験中のステップ数を減らすか、ステップの一部またはすべてを自動化するための方法およびデバイスが開発されてきた。いくつかの方法には、1つ以上のピペット操作または分取ステップの自動化、試料の自動混合、または非常に限られた数の試験のみを許可する試験基板への試薬の予充填が含まれる。しかしながら、開発されたすべての方法またはデバイスには、次の態様、基板に設計された低コストの自動制御、清浄度を保証する使い捨てのクリーンな基板、各基板の公定試験コンプライアンス、組み込みの個別の試験測定検証および測定操作のシンプルさ、の一つ以上が欠けている。
【0013】
アッセイプロセスを部分的に自動化する他のマイクロ流体法が存在するが、サイズが限られており、同じ試薬および標準を使用して同じ装置内で同時に実行されるキャリブレーションではなく、格納されたキャリブレーションに依存しているため、これらは公定法と完全には互換性がない。また、正確な試料測定も必要である。機器または装置自体によってアリコートが生成されることはない。
【0014】
他の自動化された方法は、マイクロプレート内の試料および試薬を測定して配布するためにロボティクスに依存している。準備ができたら、手動または別のロボットを使用して、プレートをリーダーにロードする。ロボットは通常、ピペットベースのディスペンシングシステムであり、試料と試薬とをバイアルラックからプレートに正確に移送し、相互汚染を防ぐためにピペットチップを交換する。
【0015】
これは高価なシステムであり、ロボット操作の頻繁な検証と、実行ごとに複数の使い捨て品(ピペットチップ、マルチウォールプレート、希釈チューブ、ピペット充填トレイ、サンプリングバイアルなど)が必要である。また、ウェルを順番に準備することにより、手動調製のように、すべての反応を同時に開始することはできない。汚染は依然として問題であり、プロセスは通常監視されていないため、汚染された試料を原因として拒否する正当な方法はない。
【0016】
フローインジェクションまたはシーケンシャルインジェクションに基づく自動システムも開発された。これは、洗浄を必要とせず、汚染されにくい使い捨てマイクロフルイディクスを使用する。これは、分析を同時に実行するという点で大幅な改善であり、したがって、コンペンディアで指定されているように、より高速に分析される。
【0017】
しかしながら、今日まで、流体試料中のエンドトキシン濃度の試験および分析から得られるデータの提示を容易にする既知の方法またはシステムは存在しない。
【0018】
エンドトキシン検査の検査進捗状況の視覚化を改善する利点もまた存在する。
【発明の概要】
【0019】
例示した方法およびシステムは、流体試料中のエンドトキシンの測定から得られるデータの提示を容易にする。特に、例示した方法およびシステムは、グラフィカルユーザーインターフェースおよび/または流体試料中のエンドトキシン濃度のレポートにおけるそのような測定値の提示を容易にする。本提示は、単一の対話型インターフェースおよび/またはレポート内に表示される統一された直観的画像視覚化を容易にする。
【0020】
いくつかの実施形態においては、注射可能な製剤または水中のエンドトキシンを試験するためのシステムが開示される。本システムは、プロセッサと格納された命令を有するメモリとを含み、ここで、プロセッサによる命令の実行は、マルチウェルマイクロプレートの測定値の取得中に、マルチウェルマイクロプレートの測定に関連する1つ以上のデータセットをプロセッサに連続的に取得させ、ここで、各測定値は、(i)注射可能な製剤の取得試料中のエンドトキシンまたは水から(ii)1つ以上の試験試薬(例えば、注射可能な製剤または水は、薬品と混合されたまたは薬品もしくは水試料の試験品と混合された1つ以上の複数の試薬を含む)への経時的なエンドトキシン反応の測定レベル(例えば、光学特性(例:吸光度、輝度、および/または蛍光度など)の関連する変化)に関連し、ここで、データセットは、マルチウェルマイクロプレートの各ウェルについて現在測定されたエンドトキシン反応のレベルを含み、ここで、マルチウェルマイクロプレートは、少なくとも96ウェルを備える。本命令は、プロセッサによって実行されるとき、グラフィカルユーザーインターフェースのペイン中に、取得したデータセットから、複数の視覚要素を備える並列グラフをプロセッサに単独で表示させ、ここで、複数の視覚要素の各視覚要素は、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの各ウェルについて現在の測定レベルに関連付けられ、ここで、複数の視覚要素の各視覚要素は、最小値と最大値との間の範囲にわたるデータ値を表示するように構成された垂直方向の棒を備え、ここで、最小値および最大値の各々は、それぞれの第1および第2の水平線と位置合わせされる。表示は、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの各々、またはウェルのグループ間での、エンドトキシン反応の開始閾値を示す値における第3の水平線を備える視覚要素をさらに含む。マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの並列グラフは、注射可能な製剤または水の獲得された試料中のエンドトキシンを試験するためのマルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェル内の、またはウェルのグループ間での、エンドトキシン反応の進行の同時比較を提供する。
【0021】
一態様では、流体試料中のエンドトキシン濃度の視覚化を提示するために、表示(例えば、グラフィカルユーザーインターフェースまたはレポート)をフォーマットするためのコンピュータ実装方法が開示され、本方法は、プロセッサによって、グラフィカルユーザーインターフェース用またはレポート用に、据え置き型またはモバイル型コンピューティングデバイスに表示されるように、複数の光学ウェルを備えるマイクロプレートの光学濃度(OD)読取値を識別するデータセットから、画像視覚化を生成することを含み、各光学ウェルは流体試料を含有し、当該画像視覚化は、マイクロプレートの各光学ウェルに対して少なくとも1つの垂直方向の棒グラフと共に複数の垂直棒を有する垂直方向の棒グラフを備え、ここで、プロセッサは、マイクロプレートの光学ウェル中でカブトガニ血球抽出成分(LAL)と細菌エンドトキシンとの間の反応が起こるにつれて、マイクロプレートの光学ウェルに対応する垂直方向の棒グラフを、時間の経過とともに垂直方向に増加させ、ここで、光学ウェルに存在するエンドトキシンの量(試料、エンドトキシン標準または陽性製品対照に関連するかどうか)が多いほど、LAL試薬と起こる反応が速くなり、その後、プロセッサは、画像視覚化において関連する垂直方向の棒グラフをより速く増加させるようになる。
【0022】
いくつかの実施形態においては、本方法は、プロセッサによって、画像視覚化上に閾値ODまたは開始ODを表す水平線を生成することをさらに含み、ここで、光学ウェルに対応する垂直方向の棒グラフが水平線に到達または通過する時間は、水平線に到達または通過した垂直方向の棒グラフに対応する光学ウェル内の流体試料の「開始時間」または「反応時間」と呼ばれる。
【0023】
いくつかの実施形態においては、垂直方向の棒グラフが水平線に達すると、プロセッサは、垂直方向の棒グラフの色を第1の色から第2の色に変化させる。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1の色は、青色であり、第2の色は、緑色である。
【0025】
いくつかの実施形態においては、この方法は、プロセッサによって、画像視覚化上にも表示されるエンドトキシン標準および陰性対照を表す垂直方向の棒グラフを生成することをさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態においては、エンドトキシン標準を表す垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって第1の色で標識付けされ、陰性対照を表す垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって第2の色で標識付けされ、マイクロプレートの光学ウェルに対応する垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって第3の色で標識付けされる。
【0027】
いくつかの実施形態においては、エンドトキシン標準を表す垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって濃い緑色で標識付けされ、陰性対照を表す垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって赤色で標識付けされ、マイクロプレートの光学ウェルに対応する垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって青色で標識付けされる。
【0028】
いくつかの実施形態においては、エンドトキシン標準を表す垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって濃い緑色で標識付けされ、陰性対照を表す垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって赤色で標識付けされ、マイクロプレートの光学ウェルに対応する垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって薄い緑色で標識付けされる。
【0029】
いくつかの実施形態においては、エンドトキシン標準を表す垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって濃い緑色で標識付けされ、陰性対照を表す垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって赤色で標識付けされ、マイクロプレートの光学ウェルに対応する垂直方向の棒グラフは、閾値ODまたは開始ODを表す画像視覚化上にプロセッサによって生成された水平線に達するまでプロセッサによって青色で標識付けされ、その点において、マイクロプレートの光学ウェルに対応する垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって緑色に変化する。
【0030】
いくつかの実施形態においては、この方法は、プロセッサによって、画像視覚化上で陽性製品対照を表す垂直方向の棒グラフを生成することをさらに含む。
【0031】
いくつかの実施形態においては、陽性製品対照を表す垂直方向の棒グラフは、マイクロプレートの光学ウェルに対応する垂直方向の棒グラフが画像視覚化上でプロセッサによって生成された水平線に到達したときに、マイクロプレートの光学ウェルに対応する垂直方向の棒グラフを標識付けするためにプロセッサによって使用されるものと同じ色を使用して、プロセッサによって標識付けされ、ここで、水平線は、閾値ODまたは開始ODを表す。
【0032】
いくつかの実施形態においては、陽性製品対照を表す垂直方向の棒グラフは、プロセッサによって緑色を使用して標識付けされる。
【0033】
いくつかの実施形態においては、陽性製品対照は、プロセッサによって、(PPC中のエンドトキシン濃度-試料中のエンドトキシン濃度)÷0.5EU/mL標準の実際のエンドトキシン濃度として計算される。
【0034】
別の態様においては、上記の方法のいずれかを実行し得るシステムが開示される。
【0035】
別の態様においては、コンピュータ実行可能命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体が開示され、ここで、コンピュータ実行可能命令は、実行されるとき、プロセッサに上記の方法のいずれかを実行させる。
【0036】
別の態様では、上記の方法に従って生成されたレポート(例えば、非一時的なレポート)が開示される。
【0037】
別の態様では、注射可能な製剤または水中のエンドトキシンを試験するためのシステムが開示されており、システムは、プロセッサと、格納された命令を有するメモリと、を備え、ここで、プロセッサによる命令の実行によって、マルチウェルマイクロプレートの測定値の取得中に、マルチウェルマイクロプレートの測定に関連する1つ以上のデータセットをプロセッサに連続的に取得させ、ここで、各測定値は、(i)注射可能な製剤または水の取得試料中のエンドトキシンから(ii)経時的な1つ以上の試験試薬(例えば、注射可能な製剤または水が、薬品と混合されたまたは薬品もしくは水試料の試験品と混合された1つ以上の試薬を備える)へのエンドトキシン反応の測定レベル(例えば、光学特性(例:吸光度、輝度、および/または蛍光)の関連する変化)に関連付けられ、データセットは、マルチウェルマイクロプレートの各ウェルについて現在測定されたエンドトキシン反応のレベルを備え、マルチウェルマイクロプレートは、少なくとも96ウェルを備え、そして、得られたデータセットから、グラフィカルユーザーインターフェースのペインに、複数の視覚要素を備える並列グラフを単独で表示させ、ここで、複数の視覚要素の各視覚要素は、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの各ウェルの現在の測定レベルに関連付けられ、ここで、複数の視覚要素の各視覚要素は、最小値と最大値との間の範囲にわたるデータ値を表示するように構成された垂直方向の棒を備え、ここで、最小値および最大値の各々は、それぞれの第1および第2の水平線と整列し、ここで、表示は、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの、各ウェルまたはウェルのグループ間でのエンドトキシン反応の開始閾値を示す値において、第3の水平線を備える視覚要素をさらに備え、ここで、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの並列グラフは、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェル内またはウェルのグループ間でのエンドトキシン反応の進行の同時比較を提供し、注射可能な製剤または水の取得した試料中のエンドトキシンを試験する。
【0038】
いくつかの実施形態では、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの並列グラフは、不適切に構成されたウェルの表示を提供し、表示は、後続の試験で不適切に構成されたウェル内の注射可能な製剤または水の試料の再試験または再試験の評価のために使用される。
【0039】
いくつかの実施形態では、少なくとも96ウェルを有するマルチウェルマイクロプレートの測定に関連する1つ以上のデータセットは、少なくとも1秒に1回(例えば、5秒ごとに)のあらかじめ決められた間隔で連続的に取得および表示され、ここで、間隔は、少なくとも96ウェルまたはその一部におけるエンドトキシン反応の速度の観察を提供するために固定される。
【0040】
いくつかの実施形態では、命令は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに入力デバイスからの入力を受信させ、ここで、入力は、表示のカーソルに関連付けられ、グラフィカルユーザーインターフェースのペインにおいて、カーソルが視覚要素の選択からなる群からの少なくとも1つの複数の視覚要素の視覚要素上に(例えば、マウスクリックまたはキーボードクリックを介して)、またはあらかじめ決められた期間(例えば、ホバリングアクションを介して)、置かれることを判別させ、グラフィカルユーザーインターフェースのペインまたは第2のペインに、(i)カーソルが置かれている1つ以上のウェルのエンドトキシン反応の測定レベルのグラフ、または(ii)カーソルが置かれている1つ以上のウェルに関連付けられた測定パラメータを表示させる。
【0041】
いくつかの実施形態では、経時的なエンドトキシン反応の測定レベルのグラフが提示され、グラフは、選択されたウェルの反応時間の期間にわたる1つ以上の動態曲線を備える。
【0042】
いくつかの実施形態では、システムは、ディスプレイをさらに含み、ディスプレイは、マルチウェルマイクロプレートのウェルの数の2倍を超える水平ピクセル素子を有する(例えば、2より大きいピクセル幅を有する棒を提供する)。
【0043】
いくつかの実施形態では、ディスプレイは、垂直ピクセル素子のセットを有し、複数の視覚要素の各々は、垂直ピクセル素子のセットの少なくとも80%にわたる。
【0044】
いくつかの実施形態では、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの一部は、第1の標準ウェルおよび第2の標準ウェルを含む1つ以上の標準ウェルのセットを含み、視覚要素は、第1のウェルおよび第2のウェルの色は、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの残りの部分とは異なる。
【0045】
いくつかの実施形態では、この方法は、マルチウェルマイクロプレート内のエンドトキシン反応の測定レベルを測定するためにマルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルに応答させるように構成されたセンサーシステムをさらに含み、ここで、センサーシステムは、吸光センサー、蛍光センサー、発光センサーからなる群から選択される1つ以上のセンサーを備える。
【0046】
いくつかの実施形態においては、センサーシステムは、96ウェルマイクロプレートで構成される。
【0047】
いくつかの実施形態においては、センサーシステムは、104ウェルマイクロプレートで構成される。
【0048】
いくつかの実施形態において、エンドトキシン反応の測定されたレベルは、1つ以上の試験試薬との反応に関連する注射可能な製剤または水の取得された試料の透明性の測定された変化に関連する値を含む。
【0049】
いくつかの実施形態においては、測定されたレベルは、1つ以上の試験試薬との反応に関連する注射可能な製剤または水の取得された試料の吸光度、輝度、蛍光、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される光学特性において測定された変化に関連する値を含む。
【0050】
いくつかの実施形態においては、複数の視覚要素は、標準ウェルに関連する視覚要素の第1のセット、標準ウェルに関連する視覚要素の第2のセット、標準ウェルに関連する視覚要素の第3のセット、標準ウェルに関連する視覚要素の第4のセット、標準ウェルに関連する視覚要素の第5のセット、および標準ウェルに関連する視覚要素の第6のセットを備え、ここで、視覚要素の第1のセットは、50-EU/ml標準を有し、ここで、視覚要素の第2のセットは、5-EU/ml標準を有し、ここで、視覚要素の第3のセットは、0.5-EU/ml標準を有し、ここで、視覚要素の第4のセットは、0.05-EU/ml標準を有し、ここで、視覚要素の第5のセットは、0.005-EU/ml標準を有し、ここで、視覚要素の第6のセットは、陰性対照標準を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、開始閾値を示す値は、ユーザが選択可能である。
【0052】
いくつかの実施形態では、命令は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、入力デバイスからの入力(例えば、GUI要素のマウスクリック、キーボードのショートカットキーなど)の受信であって、入力は、測定された開始時間、測定されたエンドトキシン濃度、測定された陽性製品対照(PPC)回収および決定されたマトリックス効果からなる群から選択されるマルチウェルマイクロプレートの測定パラメータの選択に関連付けられる、受信と、選択したパラメータに関連付けられた1つ以上の第2のデータセットの取得と、グラフィカルユーザーインターフェースのペインまたは第2のペイン内への、選択されたパラメータに関連する第2の複数の視覚要素の表示であって、第2の複数の視覚要素は、少なくとも96ウェルまたはその一部に対応する番号を有する、表示と、をさせる。
【0053】
一態様では、注射可能な製剤または水におけるエンドトキシンの試験を観察する方法が開示され、方法は、マルチウェルマイクロプレートの測定に関連する1つ以上のデータセットをプロセッサによって取得するステップであって、各測定は、経時に伴う注射可能な製剤または水の獲得試料中のエンドトキシンの測定レベルに関連し、ここで、データセットは、マルチウェルマイクロプレートの各ウェルについて現在測定されたレベルを備え、ここで、マルチウェルマイクロプレートは、少なくとも96ウェルを備える、ステップと、得られたデータセットから、プロセッサによって、グラフィカルユーザーインターフェースのペイン内に、複数の視覚要素を含む並列グラフを単独で表示するステップであって、ここで、複数の視覚要素の各視覚要素は、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの各々の現在の測定レベルに関連する、ステップと、を備え、ここで、複数の視覚要素の各視覚要素は、最小値と最大値との間の範囲のデータ値にわたるように構成された垂直方向の棒を備え、ここで、最小値と最大値の各々は、第1および第2の水平線と一致し、ここで、表示は、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの各々の開始閾値を示す測定値での第3の水平線を備える視覚要素をさらに備え、ここで、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの並列グラフは、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェル内の、またはウェルのグループ間での、反応速度の同時比較を提供し、注射可能な製剤または水の獲得した試料中のエンドトキシンの試験を観察する。
【0054】
いくつかの実施形態においては、本方法は、マルチウェルマイクロプレート内のエンドトキシン反応の測定レベルを取得するためにマルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルに応答させるステップであって、ここで、センサーシステムは、吸光センサー、蛍光センサー、および発光センサーからなる群から選択される1つ以上のセンサーを備える、ステップをさらに含む。
【0055】
一態様では、命令が格納された非一時的なコンピュータ可読媒体が開示され、プロセッサによる命令の実行によって、プロセッサに、マルチウェルマイクロプレートの測定に関連する1つ以上のデータセットの取得であって、各測定は、経時に伴う注射可能な製剤または水の獲得試料中のエンドトキシンの測定レベルに関連し、ここで、データセットは、マルチウェルマイクロプレートの各ウェルの現在の測定レベルを備え、ここで、マルチウェルマイクロプレートは、少なくとも96ウェルを備える、取得と、得られたデータセットから、グラフィカルユーザーインターフェースのペインへの、複数の視覚要素を含む並列グラフの単独表示であって、ここで、複数の視覚要素の各視覚要素は、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの各々の現在の測定されたレベルに関連する、表示と、を引き起こし、ここで、複数の視覚要素の各視覚要素は、最小値と最大値との間の範囲のデータ値にわたるように構成された垂直方向の棒を備え、最小値と最大値の各々は、第1および第2の水平線と一致し、ここで、表示は、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの各々の開始閾値を示す測定値での第3の水平線を備える視覚要素をさらに備え、ここで、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルの並列グラフは、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェル内の、またはウェルのグループ間での、反応速度の同時比較を提供し、注射可能な製剤または水の獲得した試料中のエンドトキシンの試験を監視する。
【0056】
いくつかの実施形態においては、命令は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、マルチウェルマイクロプレート内のエンドトキシン反応の測定レベルを測定するために、マルチウェルマイクロプレートの少なくとも96ウェルを応答させおよびその測定値を取得するように構成されたセンサーシステムを制御させ、ここで、センサーシステムは1つ以上の吸光センサー、蛍光センサー、発光センサーからなるグループから選択されるセンサーを備える。
【0057】
他のシステム、方法、特徴、および/または利点は、以下の図面および詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかとなるか、または明らかになり得る。そのようなすべての追加のシステム、方法、機能、および/または利点がこの説明に含まれ、この出願またはこの出願の優先権を主張する任意の出願において付随する請求項によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本明細書内に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、実施形態を図示し、説明とともに、方法およびシステムの原理を説明するのに役立つ。図面内の構成要素は、必ずしも互いに相対的な縮尺である必要はない。同様の参照番号は、いくつかの図を通して対応する部分を指定する。特許または出願ファイルは、少なくとも1つのカラーで実行された図面を含有する。カラー図面を有する本特許または特許出願公開の写しは、要求と必要な料金の支払いに応じて、特許庁から提供される。
【
図1】流体試料のエンドトキシンを分析するための例示的なシステムのブロック図である。
【
図2A】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2B】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2C】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2D】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2E】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2F】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2G】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2H】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2I】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2J】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図2K】本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面キャプチャである。
【
図3A】本明細書に記載の分析ソフトウェアを使用してエンドトキシン分析を実行するときに発生する速度論的反応の、垂直方向の棒グラフの形での視覚的表現を備えるグラフィカルユーザーインターフェースを図示する。
【
図3B】本明細書に記載の分析ソフトウェアを使用してエンドトキシン分析を実行するときに発生する速度論的反応の、垂直方向の棒グラフの形での視覚的表現を備えるグラフィカルユーザーインターフェースを図示する。
【
図4A】例示的な実施形態に従って、反応速度、反応の進行、および反応の相対的な進行を、即時視覚化からどのように図示し得るかを示す。
【
図4B】例示的な実施形態に従って、反応速度、反応の進行、および反応の相対的な進行を、即時視覚化からどのように図示し得るかを示す。
【
図4C】例示的な実施形態に従って、反応速度、反応の進行、および反応の相対的な進行を、即時視覚化からどのように図示し得るかを示す。
【
図5A】96ウェルマイクロプレートのLAL試験の市販の視覚化の例である。
【
図5B】96ウェルマイクロプレートのLAL試験の市販の視覚化の例である。
【
図6A】LAL試験の進行の評価のより直観的なレビューを提供するように配置された104ウェルマイクロプレートの時系列速度論的反応プロットを示す。
【
図7】一実施形態による、並列垂直方向で表示され得るマイクロプレート内の、ウェルまたはウェルのグループの例示的なパラメータの例示的な図を示す。
【
図8】一実施形態による、並列垂直方向で表示され得るマイクロプレート内の、ウェルまたはウェルのグループの例示的なパラメータの例示的な図を示す。
【
図9】一実施形態による、並列垂直方向で表示され得るマイクロプレート内の、ウェルまたはウェルのグループの例示的なパラメータの例示的な図を示す。
【
図10】一実施形態による、並列垂直方向で表示され得るマイクロプレート内の、ウェルまたはウェルのグループの例示的なパラメータの例示的な図を示す。
【
図11】一実施形態による、並列垂直方向で表示され得るマイクロプレート内の、ウェルまたはウェルのグループの例示的なパラメータの例示的な図を示す。
【
図12】一実施形態による、並列垂直方向で表示され得るマイクロプレート内の、ウェルまたはウェルのグループの例示的なパラメータの例示的な図を示す。
【
図13】各々は、一実施形態による、並列垂直方向で表示され得るマイクロプレート内の、ウェルまたはウェルのグループの例示的なパラメータの例示的な図を示す。
【
図14】本明細書に記載の分析ソフトウェアを実行するために使用され得るプロセッサを有する例示的なコンピュータを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0059】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料は、本開示の実施または試験において使用され得る。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈において明確に別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。本明細書で使用される「comprising(含む、備える)」という用語およびその変形は、「including(含む)」という用語およびその変形と同義的に使用され、オープンで非限定的な用語である。「comprise(含む、備える)」という単語、ならびに「comprising」および「comprises」などの単語の変形は、「including but not limited to(~を含むがこれらに限定されない)」を意味し、例えば、他の添加物、成分、整数またはステップを除外することを意図しない。「Exemplary(例示的)」は、「an example of(~の例)」を意味し、好ましいまたは理想的な実施形態の指標を伝えることを意図するものではない。「Such as(~などの)」は、限定的な意図ではなく、説明の目的で使用される。本明細書で使用される「optional(任意)」または「optionally(任意に)」という用語は、その後に記載される特徴、事象または状況が発生する場合と発生しない場合とがあり得ることを意味し、説明には、当該特徴、事象または状況が発生する場合と発生しない場合とが含まれることを意味する。
【0060】
本発明の方法およびシステムが開示および説明される前に、方法およびシステムは、特定の合成方法、特定の成分、または特定の組成物に限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0061】
範囲は、本明細書では、「about(約)」ある特定の値から、および/または「about(約)」別の特定の値までとして表され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似として表されるとき、先行詞「about(約)」を使用することによって、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されよう。さらに、範囲の各々の終端は、他の終端に関しておよび他の終端とは独立して、重要であることが理解されよう。
【0062】
開示されるのは、開示される方法およびシステムを実行するために使用され得る構成要素である。これらおよび他の構成要素は、本明細書に開示され、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、これらの各様々な個々および集合的な組み合わせおよび順列の特定の参照は明示的に開示されない場合があり得るが、各々は、すべての方法およびシステムについて、本明細書で具体的に検討および説明されることを理解されたい。これは、開示された方法のステップを含むがこれに限定されない、この出願のすべての態様に適用される。したがって、実行され得る様々な追加のステップがある場合、これらの追加のステップの各々は、開示された方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせで実行され得ることを理解されたい。
【0063】
当業者によって理解されるように、方法およびシステムは、完全なハードウェアの実施形態、完全なソフトウェアの実施形態またはソフトウェアとハードウェアとの態様を組み合わせた実施形態の形態をとり得る。さらに、方法およびシステムは、記憶媒体に組み込まれたコンピュータ可読プログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を有するコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。より具体的には、本発明の方法およびシステムは、ウェブで実装されたコンピュータソフトウェアの形をとり得る。ハードディスク、CD-ROM、光記憶装置または磁気記憶装置を含む、任意の適切なコンピュータ可読記憶媒体を利用し得る。
【0064】
方法およびシステムの実施形態は、方法、システム、装置、およびコンピュータプログラム製品のブロック図およびフローチャート図を参照して以下に説明される。ブロック図およびフローチャート図の各ブロック、およびブロック図中のブロックとフローチャート図中のブロックとの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて機構を製造し得、その結果、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行される命令が1つ以上のフローチャートブロックで指定された関数を実装するための手段を作成する。
【0065】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で機能するように指示し得るコンピュータ可読メモリに格納され得、その結果、コンピュータ可読メモリに格納された命令は、1つ以上のフローチャートブロックで指定された機能を実装するためのコンピュータ可読命令を含む製品を生成する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされ、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で一連の操作ステップを実行し、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令が1つ以上のフローチャートブロックで指定された機能を実装するためのステップを提供するようなコンピュータ実装プロセスを生成し得る。
【0066】
したがって、ブロック図およびフローチャート図のブロックは、指定された機能を実行するための手段の組み合わせ、指定された機能を実行するためのステップの組み合わせおよび指定された機能を実行するためのプログラム命令手段の組み合わせをサポートする。ブロック図およびフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図中のブロックとフローチャート図中のブロックとの組み合わせは、指定された機能もしくはステップ、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する専用のハードウェアベースのコンピュータシステムによって実装され得ることもまた理解されよう。
【0067】
本発明の方法およびシステムは、好ましい実施形態の以下の詳細な説明およびそこに含まれる実施例、ならびに図およびそれらの前後の説明を参照することによって、より容易に理解され得る。
【0068】
本明細書全体を通して、識別名「first(第1)」、「second(第2)」、「third(第3)」、「fourth(第4)」、「fifth(第5)」、「sixth(第6)」などは、開示された主題の様々な構成要素およびステップを区別するのを助けるためにのみ使用されることを理解されたい。識別名「first(第1)」、「second(第2)」、「third(第3)」、「fourth(第4)」、「fifth(第5)」、「sixth(第6)」などは、これらの用語によって変更された構成要素またはステップに対する任意の特定の順序、配列、量、選択、または重要性を意味することを意図するものではない。
【0069】
図1は、流体試料102のエンドトキシン分析を実行するための例示的なシステムのブロック図である。
図1では、分析器104は、流体試料102を受け取る。使用できる分析装置の非限定的な例には、SUEZ Water Technologies&Solutions(コロラド州ボールダー)から入手可能なSievers(商標)全有機炭素(TOC)分析装置および機器が含まれ得る。分析器104は、流体試料102の分析を実行し、生データ106を提供し、これをさらに分析して、試料102中の細菌エンドトキシン濃度を決定し得る(細菌エンドトキシン試験(BET))。流体試料102の分析を実行するための例示的なシステムおよび方法は、2017年6月13日に発行された米国特許第9,678,079号に示され記載されているものを、参照により全体を援用する。
【0070】
生データ106は、分析ソフトウェア110を使用して生データ106を分析するデータ分析プロセッサ108に提供される。データ分析プロセッサ108は、分析器104に統合されその一部であり得るか、またはスタンドアロンコンピュータまたは分析デバイスなどの分離したプロセッサであり得ることを理解されたい。
【0071】
分析ソフトウェア108は、エンドトキシンを検出する目的で、分析器104からの生データ106を補間して、経時的な光学濃度の変化を検出する。分析ソフトウェア108の実施形態は、他のタイプの分析器、例えば、光学特性(例えば、吸光度、輝度、蛍光度など)の変化に基づいて測定を提供するものからの、生データを分析するために使用され得る。
【0072】
分析ソフトウェア108の一実施形態は、SQLサーバーを利用し、スタンドアロン(データベースは実験室PC自体に存在する)またはクライアント/サーバー(SQLデータベースは実験室PCにインストールされたクライアントアプリケーションを備えたリモートサーバーに存在する)としてインストールされ得る。ソフトウェアアプリケーション108は高度にカスタマイズ可能であり、各組織が品質管理システムに従ってユーザの役割および権限を割り当てることを可能にする。このプログラムは、製品、アクセサリ、分析者、eclipseマイクロプレートロット、LALロット、アッセイ成績(%CV、R値、PPC回収など)などを追跡して、進行中の動向を把握する。
【0073】
図2A~2Kは、本明細書に記載の分析ソフトウェアの実施形態の例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の図である。
図2A~2Kに示すように、分析ソフトウェア108は、メニューナビゲーション内に固有の「Pharmacopeia(薬局方)」セクションを含む。このセクションは、規制要求事項および/または検証およびルーチン保守(例えば、分析者条件、1:1の比の検証、および溶解物条件)に直接関連する試験のセットアップおよび試験結果を含有する。「Diagnostics(診断)」セクションでは、顧客がファームウェアのアップグレードを実装したり、温度検証または光学検証試験のいずれかを実行したりすることも可能である。ログインすると、分析ソフトウェア108のナビゲーションメニューを最小化または拡大し得、メニューの任意のサブカテゴリに迅速にアクセスし得る。最後に、分析ソフトウェア108は、
図3Aおよび3Bに示され、以下に説明されるように、カラフルで解説的なGUIまたはレポート112を提供することによって、従来のBETソフトウェアと差別化される。
【0074】
(エンドトキシン反応の視覚化)
【0075】
アッセイにおけるエンドトキシン反応中(例えば、試薬の試験)、有用な情報は、開始閾値に到達する際の反応の進行(例えば、どのような速さで反応が開始閾値に到達するか、反応が開始閾値に到達するまでの時間がどの程度か、同じ試験グループの関連する反応などに関して反応がどのように進行するかなど)である。即時視覚化の一実施形態は、測定された反応の開始閾値までの進行を示すために、各反応チャンバ(試験ウェル)の棒グラフを生成する。例えば、すべてのウェルの測定された反応は、マイクロプレート試験のエンドトキシン反応のすべてのステータスの同時表示を提供するために同時に提示される。即時視覚化により、所与のプレートのエンドトキシン反応の開始閾値のさまざまな進行状況の視覚化が容易になる。例えば、個々のウェルの進行状況、グループに対する個々のウェルの進行状況、標準ウェルの進行状況などである。例えば、即時視覚化により、ウェルの反応がより速いかより遅いか、またはウェルのグループの反応が期待どおりに連携しているかどうかの識別が容易になり得る。
【0076】
即時視覚化の実施形態を分析ソフトウェアとともに使用して、エンドトキシン反応進行視覚化のために光学特性(例えば、吸光度、輝度、蛍光度など)の変化に基づく測定を提供するものを含む、様々な分析器からの生データを分析および/または表示し得る。
【0077】
実際、
図3Aおよび3Bに示されるように、GUIまたはレポート112は、例えば、分析ソフトウェア108を実行するデータ分析プロセッサ108によって生成され、例えば、Eclipse(登録商標)マイクロプレート(SUEZ Water Technologies&Solutions、コロラド州ボールダー)であるが光学ウェルを有する異なる製造のマイクロプレートは、本明細書に記載の実施形態の範囲内で意図されているものを実行するときに発生する104の動的反応の並列垂直方向の棒グラフの形態を有する、画像視覚化300を含む。
図3Aおよび3Bに示すように、並列棒グラフの各垂直棒302は、関連するマイクロプレートの各光学ウェルのエンドトキシン反応の進行(例えば、光学濃度(OD)の読取値、光学特性の変化などに関連し得る)を表す。標準的マイクロプレートは、通常96以上のウェルを有する。インスタントGUI112は、104ウェルの画像視覚化を有するが、開示された視覚化の実施形態は、96以上のウェルに適合され得る。
【0078】
さらに
図3Aおよび3Bを参照すると、試料の光学ウェルは、GUIまたはレポート112の下部を横切って水平に示される試料セグメント番号303によって識別される。垂直棒302は、1つ以上の試験試薬(例えば、カブトガニ血球抽出成分(LAL)または組換え因子C(rFC)、リムルス凝固因子C、リムルス凝固酵素などのその合成代替物)間の反応として経時的に増加し、細菌エンドトキシンは各ウェルで発生する。実際、光学ウェルに存在するエンドトキシンが多いほど(試料、エンドトキシン標準、または陽性製品対照に関連するかどうかにかかわらず)、試験試薬との反応が速くなり、その後、関連する棒の増加が速くなる。画像視覚化上の水平線304(「開始閾値」304として標識付けされる)は、閾値ODまたは開始ODを表す。所与の反応がその閾値を超える時間は、「開始時間」または「反応時間」と呼ばれる。エンドトキシン標準306および陰性対照308に関連する垂直棒は、いくつかの実施形態においては、開始閾値に達する前に、アッセイごとに1つの色(例えば、赤色)で標識付けされる。一方、試料302を表す垂直棒は、開始閾値に達する前に、異なる色(例えば、青色)で標識付けされ得る。垂直棒302が開始閾値(例えば、線304)に達すると、いくつかの実施形態においては、
図3Aおよび3Bに示されるように、GUIは、所与のウェルが開始閾値状態に到達したことを示すために、画像視覚化300の棒302の色を調整するように(例えば、赤色または青色から緑色へ)構成される。
【0079】
GUIまたはレポート112は、例示的なマイクロプレート(例えば、96ウェルマイクロプレート、104ウェルマイクロプレートなど)のすべてのウェルで発生する速度論的反応の進行の包括的かつ全体的な表示をユーザに提供する。
【0080】
図4A、4Bおよび4Cは、各々、例示的な実施形態による、反応速度、反応の進行、および反応の相対的な進行が、即時視覚化からどのように表示され得るかを示す。
図4A、4B、および4Cにおいて、GUI112の視覚化は、同じ試験について3つの異なる時間インスタンスで提供される。
図4Aにおいて、視覚化によって実行時間1459秒での試験のスナップショットを示す。
図4Bは、実行時間1579秒での試験のスナップショットを示す。
図4Cは、実行時間2124秒での試験のスナップショットを示す。
図4Aおよび4Bに見られ得るように、標準ウェルは赤で示され、(測定が開始閾値に近づくにつれて)より濃い赤に遷移し、その後、閾値を超えると緑に遷移する。同様に、試験ウェルは青色で示され、(測定が開始閾値に近づくにつれて)濃い青色に遷移し、その後、閾値を超えると緑色に遷移する。そして、
図4Aと
図4Bとの間で観察され得るように、特定のウェルの垂直棒は、測定されたレベルが開始閾値に近づくにつれて、赤色および青色から濃い赤色および濃い青色に遷移する。
図4Cは、開始閾値ラインを通過すると緑色に遷移するこれらのウェルの垂直棒を示す。
【0081】
上記に示すように、標準曲線のエンドトキシン濃度が高いほど反応が速くなり、動的表示を使用すると、ユーザは、標準曲線または陰性対照308において可能性のあるエラーをすばやく識別可能であり(例えば、5.0-EU/mL標準は、50-EU/mL標準より速く反応する)、および可能であれば、無効なアッセイのために再試験プロセスを促進するように、アッセイを場合によっては中止することが可能である。さらに、陽性製品対照(PPC)310は、既知量のエンドトキシンが添加された製品試料(しばしば「spiked(スパイク)」または「product spikes(製品スパイク)」と呼ばれる)であり、これは、標準曲線範囲の中間のエンドトキシン濃度(例えば、0.5EU/mL)で行われる。あるいは、陽性製品対照310は、PPC中のエンドトキシン濃度と試料中のエンドトキシン濃度との間の差、およびその差を0.5EU/mL標準の実際のエンドトキシン濃度で割ったものとして計算され得る。他の実施形態においては、陽性製品対照310は、各々のアッセイおよびアッセイ毎における実際の計算値で割るのではなく、PPC中のエンドトキシン濃度と試料中のエンドトキシン濃度との間の差として計算され、その差は一定の公称0.5濃度で割られる。示されているGUIの機能により、エンドユーザーは、すべての試料PPC(例えば、21個の試料PPC)の反応速度、反応の進行、および反応の相対的な進行を観察し得、同時に、同じ濃度(例えば、0.5EU/mL)でのエンドトキシン標準の反応速度、反応の進行、および反応の相対的な進行を観察する。この包括的で広範な視点により、試験を実行する分析者または技術者は、試料PPCが適切に動作して、追加されたエンドトキシンの必要な50~200%を回収できるかどうかをすばやく識別し得る。分析者または技術者が、試料が合格しないと疑いをもつ場合、品質管理システム(QMS)に従って、次のステップおよびアクションを準備するために迅速に行動することが可能である。
【0082】
現在、LAL試験などのソフトウェアアプリケーションは、試料中のエンドトキシンの反応時間の期間にわたる速度論的反応曲線を表示する。いくつかの実施形態においては、これらのソフトウェアは、エンドトキシン反応速度、エンドトキシン反応の進行、およびエンドトキシン反応の相対的進行に関する同じ迅速かつ包括的な情報を提供しない、マトリックス形式で結果を示す。
図5Aは、96ウェルマイクロプレートのLAL試験における速度論的試験の進行の視覚化の例である。
図5Bは、試験が完了した後の同じものの視覚化の例である。
【0083】
注射可能な製剤または水中のエンドトキシン測定は、通常、96ウェルマイクロプレートで実行される。既存のシステムは一般に、測定されたレベル(例えば、吸光度レベル)をグラフの形で表示し(例えば、
図5Aおよび5B)、異なるウェルの反応速度を評価または比較することは困難である。さらに、これらのグラフは、予期しない反応(例えば、ウェルの反応が遅すぎるか速すぎるか、またはウェルが同じグループ内の他のウェルと一貫して(つまり、連携して)反応しているかどうか)の識別を容易にはしない。対照的に、並列垂直方向の棒グラフは、そのような識別をより簡単かつ直観的に容易にし得る。
【0084】
別の態様では、マイクロプレートは、例えば、特定のグループに配置され得、LAL試験の進行を評価するより直観的表示を提供する。
図6Aは、LAL試験の進行の評価のより直観的なレビューを提供するように配置された104ウェルマイクロプレートの時系列速度論的反応プロットを示す。
図6Bおよび6Cは、異なる表示縮尺レベルで同じものを示す。示されているように、縦軸は測定される試料に対応するように縮尺変更される。さらに、x軸はHDディスプレイ用(より高い解像度)に縮尺変更される。
【0085】
別の態様では、即時視覚化は、ウェルの選択時に(例えば、カーソルまたはキーボードを介して)所与のウェルの詳細情報を提供し得る。
図4Aは、アッセイ名404、アッセイタイプ406、光学濃度閾値408、製品試料識別子409、および希釈比410などの試料402に関する詳細情報を示す。
【0086】
別の態様では、並列垂直方向の棒グラフを備える即時視覚化を使用して、測定または分析に関連する他のパラメータを表示し得る。いくつかの実施形態においては、即時視覚化を使用して、マイクロプレート内の各ウェルの測定値(例えば、光学特性の変化、本明細書に記載の中でも、例えば吸光度、蛍光度、発光度など)を並列垂直方向で表示する。いくつかの実施形態においては、即時視覚化を使用して、マイクロプレート内の各ウェルの測定された開始時間値を、並列垂直方向で表示する。いくつかの実施形態では、即時視覚化を使用して、マイクロプレート内の各ウェルの測定されたエンドトキシン濃度値を、並列垂直方向で表示する。いくつかの実施形態では、即時視覚化を使用して、マイクロプレート内の各ウェルの測定されたPPC回収値を、並列垂直方向で表示する。いくつかの実施形態では、即時視覚化を使用して、マイクロプレート内の各ウェルの評価されたマトリックス効果値を、並列垂直方向で表示する。
【0087】
図7、8、9、10、11、12、13は各々、マイクロプレート内のウェルまたはウェルのグループの例示的なパラメータの例示的な図を示しており、これは、一実施形態に従って、並列垂直方向で表示され得る。
【0088】
図7は、並列垂直方向で表示されるマイクロプレート内のウェルの測定された吸光度レベル(例えば、AU)の例示的な図を示す。
図8は、並列垂直方向で表示されるマイクロプレート内のウェルの評価された開始時間(例えば、秒単位)の例示的な図を示す。
図9は、並列垂直方向で表示されるマイクロプレート内のウェルの2点変動係数値(例えば、パーセンテージで)の例示的な図を示す。
図10は、並列垂直方向で表示されるマイクロプレート内のウェルのエンドトキシン濃度値(例えば、EU/mlで)の例示的な図を示す。
図11は、並列垂直方向で表示されるマイクロプレート内の所与の試料(例えば、所与のグループのウェルの平均値として)のエンドトキシン濃度値(例えば、EU/mlで)の例示的な図を示す。
図12は、並列垂直方向で表示されるマイクロプレート内のウェルの測定されたPPC回収値(例えば、EU/mlで)の例示的な図を示す。
図13は、並列垂直方向で表示されるマイクロプレート内のウェルの計算されたマトリックス効果値(例えば、無単位)の例示的な図を示す。
【0089】
(コンピューティング環境)
【0090】
このシステムは、ユニットで構成されるものとして上記で説明される。当業者は、これが機能の説明であり、それぞれの機能がソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実行され得ることを理解するであろう。ユニットは、ソフトウェア、ハードウェアまたはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせであり得る。ユニットは、エンドトキシンの液体試料を分析するためのソフトウェアを備え得る。一例示的な態様では、ユニットは、
図14に示され、以下に図示されるように、各々プロセッサ1421を備える1つ以上のコンピューティングデバイスを備える分析器および/またはデータ分析コンピュータを備え得る。本明細書で使用される場合、プロセッサは、入力に対して機能を実行し、出力を作成するための符号化された命令を実行する物理ハードウェアデバイスを指す。
【0091】
図14は、エンドトキシンについて流体試料を分析するためのソフトウェアを実行するために使用され得る例示的なコンピュータを示す。本明細書で使用される場合、「コンピュータ」は、複数のコンピュータを含み得る。コンピュータは、例えば、プロセッサ1421、ランダムアクセスメモリ(RAM)モジュール1422、読み取り専用メモリ(ROM)モジュール1423、ストレージ1424、データベース1425、1つ以上の入力/出力(I/O)デバイス1426、およびインターフェース1427などの1つ以上のハードウェア構成要素を含み得る。あるいは、および/または加えて、コンピュータは、例えば、例示的な実施形態に関連する方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体などの1つ以上のソフトウェア構成要素を含み得る。上記のハードウェア構成要素のうちの1つ以上は、ソフトウェアを使用して実装され得ることが意図される。例えば、ストレージ1424は、1つ以上の他のハードウェア構成要素に関連付けられたソフトウェアパーティションを含み得る。上記の構成要素は単なる例示であり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0092】
プロセッサ1421は、1つ以上のプロセッサを含み得、各プロセッサは、命令を実行し、データを処理して、エンドトキシンについて流体試料の分析を実行するソフトウェアを実行するためのコンピュータに関連する1つ以上の機能を実行するように構成される。プロセッサ1421は、RAM1422、ROM1423、ストレージ1424、データベース1425、I/Oデバイス1426、およびインターフェース1427に通信可能に結合され得る。プロセッサ1421は、コンピュータプログラム命令のシーケンスを実行してさまざまなプロセスを実行するように構成され得る。コンピュータプログラム命令は、プロセッサ1421による実行のためにRAM1422にロードされ得る。
【0093】
RAM1422およびROM1423は各々、プロセッサ1421の動作に関連する情報を格納するための1つ以上のデバイスを含み得る。例えば、ROM1423は、1つ以上の構成要素およびサブシステムの動作を識別、初期化、および監視するための情報を含む、コンピュータに関連する情報にアクセスして格納するように構成されたメモリデバイスを含み得る。RAM1422は、プロセッサ1421の1つ以上の動作に関連するデータを格納するためのメモリデバイスを含み得る。例えば、ROM1423は、プロセッサ1421によって実行するために、命令をRAM1422にロードし得る。
【0094】
ストレージ1424は、プロセッサ1421が開示された実施形態と一致するプロセスを実行するために必要とし得る情報を格納するように構成された任意のタイプの大容量記憶装置を含み得る。例えば、ストレージ1424は、ハードドライブ、CD?ROM、DVD?ROM、または任意の他のタイプの大容量メディアデバイスなどの1つ以上の磁気および/または光ディスクデバイスを含み得る。
【0095】
データベース1425は、コンピュータおよび/またはプロセッサ1421によって使用されるデータを格納、編成、ソート、フィルタリング、および/または配置するために協働する1つ以上のソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素を含み得る。例えば、データベース1425は、分析ソフトウェアに関連するデータを格納し得る。データベースはまた、エンドトキシンについて流体試料の分析を実行し、分析の結果のためのGUIおよび/またはレポートを作成するためのコンピュータ実行可能命令に関連するデータおよび命令をも含有し得る。データベース425は、追加の情報および/または上記に列挙されたものとは異なる情報を格納し得ると考慮される。
【0096】
I/Oデバイス1426は、コンピュータに関連付けられたユーザと情報を通信するように構成された1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、I/Oデバイスは、統合されたキーボードおよびマウスを備えるコンソールを含み得、これにより、ユーザは、流体試料およびエンドトキシン情報などのデータベースを維持することが可能となる。I/Oデバイス1426はまた、モニタに情報を出力するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含むディスプレイをも含み得る。I/Oデバイス1426はまた、ユーザがポータブルメディアデバイス、マイクロフォン、スピーカーシステム、またはその他の適切なタイプのインターフェースデバイスに格納されたデータを入力することを可能にする、例えば、プリンタ、ユーザアクセス可能なディスクドライブ(例えば、USBポート、フロッピー、CD-ROMまたはDVD-ROMドライブなど)などの周辺機器をも含み得る。
【0097】
インターフェース1427は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワークステーションピアツーピアネットワーク、ダイレクトリンクネットワーク、ワイヤレスネットワーク、または他の任意の適切な通信プラットフォームなどの通信ネットワークを介してデータを送受信するように構成された1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、インターフェース1427は、1つ以上の変調器、復調器、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、ネットワーク通信デバイス、ワイヤレスデバイス、アンテナ、モデム、および通信ネットワークを介したデータ通信を可能にするように構成された任意の他のタイプのデバイスを含み得る。
【0098】
これらの図は、本発明の様々な実装によるシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、またはコードの一部を表し得、これは、指定された論理機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を備える。いくつかの代替の実装においては、ブロックに示されている機能が図に示されている順序とは異なり得ることにも留意されたい。例えば、連続して表示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行され得、または、関連する機能に応じて、ブロックが逆の順序で実行され得る。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する専用ハードウェアベースのシステムによって、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって、実装され得ることにも留意されたい。
【0099】
添付の特許請求の範囲におけるすべての手段または機能要素を加えたステップの対応する構造、材料、動作、および均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または動作を含むことを意図する。本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されるが、網羅的であることを意図するものではなく、または開示された形態の本発明に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲および精神から逸脱することのない多くの修正および変形は、当業者には明らかであろう。実装は、本発明の原理および実際の用途を最もよく説明し、他の当業者が、意図される特定の使用に適するような様々な修正を伴う様々な実装について本発明を理解可能になるようにするために、選択および説明された。
【0100】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせは、上記のシステムおよび方法を実施するために使用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、または前述の任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)には、1つ以上のワイヤを備えた電気接続、ポータブルコンピュータディスケット(フロッピーディスク)、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置または前述の適切な組み合わせ、が含まれる。この文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによってまたはそれらに関連して使用するためのプログラムを含有し得るまたは格納し得る、任意の有形媒体であり得る。
【0101】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいてまたは搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードがその中に具体化された伝搬データ信号を含み得る。そのような伝播された信号は、電磁的、光学的、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な形態のいずれかをとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではない、命令実行システム、装置、またはデバイスによってまたはそれらに関連して使用するためのプログラムを通信、伝播、または転送し得る、任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0102】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなどまたは前述の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0103】
本発明の態様の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語と、を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、一部はスタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で、一部はユーザのコンピュータ上で、および一部はリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータまたはサーバー上で、実行され得る。後者のケースでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得、または外部コンピュータに接続され得る(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用したインターネット経由)。
【0104】
本発明の態様は、本発明の実施による方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書に記載される。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装できることを理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され得、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令がフローチャートおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実装するための手段を作成するように、機構を製造する。
【0105】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスに特定の方法で機能し得るように指示することができるコンピュータ読み取り媒体に格納され得、その結果、コンピュータ読み取り媒体に格納された命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/動作を実装する命令を含む製品を生成する。
【0106】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスにロードされ得、コンピュータ、他のプログラム可能な装置または他のデバイス上で一連の操作ステップを実行させ、コンピュータ実装プロセスを生成し得、その結果、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックにおいて指定された機能/行為を実施するためのプロセスを提供する。
【0107】
主題は、構造的特徴および/または方法論的行為について固有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示される。
【0108】
開示された実施形態に対する様々な変更および修正は、当業者には明らかであろう。本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、組成物、製剤、または使用方法に関連するものを含むがこれらに限定されないそのような変更および修正は、その精神および範囲から逸脱することなく行われ得る。
【0109】
方法およびシステムは、好ましい実施形態および特定の例に関連して説明されてきたが、本明細書の実施形態は、すべての点で限定的ではなく例示的であることを意図しているので、範囲が記載された特定の実施形態に限定されることを意図しない。
【0110】
特に明記しない限り、本明細書に記載の方法が、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とすると解釈されることを決して意図するものではない。したがって、方法クレームが実際にそのステップが従うべき順序を記載していない場合、またはステップが特定の順序に限定されることがクレームまたは説明に具体的に記載されていない場合、いかなる点においても、順序が推測されることを意図するものではない。これは、ステップの配置または操作フローに関するロジックの問題、文法構成または句読点に由来する明白な意味、本明細書に記載されている実施形態の数またはタイプを含む、解釈可能な任意の非明示的な根拠に当てはまる。
【0111】
この出願全体を通して、さまざまな刊行物を参照し得る。これらの刊行物の全体の開示は、方法およびシステムが関係する最新技術をより完全に説明し、特許請求される発明における現在の最新技術に対する改善を説明するために、参照により本出願に組み込まれる。
【0112】
前述の説明は、説明の目的で、説明された実施形態の完全な理解を提供するために特定の命名法を使用した。しかしながら、記載された実施形態を実施するために特定の詳細が必要とされないことは当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載されている特定の実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示される。それらは、網羅的であること、または実施形態を開示された正確な形態に限定することを意図しない。上記の教示を考慮すると、多くの修正および変形が可能であることは当業者には明らかであろう。
【0113】
範囲または精神から逸脱することなく、様々な修正および変形を行い得ることは当業者には明らかであろう。他の実施形態は、本明細書に開示される仕様および実施を考慮することから、当業者には明らかであろう。明細書および実施例は例示としてのみ見なされることが意図されており、真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示される。