(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】粒子の区別に使用するためのパラメータ
(51)【国際特許分類】
G01N 15/1429 20240101AFI20240405BHJP
G01N 15/0227 20240101ALI20240405BHJP
G01N 15/14 20240101ALI20240405BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20240405BHJP
G01N 21/53 20060101ALI20240405BHJP
G01N 21/64 20060101ALN20240405BHJP
【FI】
G01N15/1429
G01N15/0227 100
G01N15/14 C
G01N21/17 A
G01N21/53 Z
G01N21/64 F
(21)【出願番号】P 2021554380
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 US2020022440
(87)【国際公開番号】W WO2020205200
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-16
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】バハル,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ディボールド,エリック ディー.
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】オウスリー,キーガン
【審査官】目黒 大地
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-195473(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0268981(US,A1)
【文献】特表2015-531062(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109141276(CN,A)
【文献】国際公開第2009/057525(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00-15/14
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流れ内の対象が細胞凝集体であるか否かを決定するための方法であって、
流れ内の細胞を含むサンプルからの光を検出し、
調査領域での前記流れ内の対象の
周波数符号化データを生成して、前記対象
を横切る空間的符号化周波数を含む空間データを得て、
前記空間データに基づいて前記流れ内の前記対象が細胞凝集体であるか否かを決定する、方法。
【請求項2】
前記流れ内の前記サンプルからの光を検出する際に、前記流れ内の前記サンプルからの光散乱を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記流れ内の前記サンプルからの前方散乱光又は前記流れ内の前記サンプルからの側方散乱光を検出する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記空間データに基づいて前記対象のサイズを決定する、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記空間データに基づいて前記対象の重心を決定する、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記空間データに基づいて前記対象の偏心度を決定する、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記空間データに基づいて前記対象の画像モーメントを計算する、請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記空間データから前記対象の画像を生成する、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記対象が単一細胞であると決定するか、又は前記対象が2つ以上の細胞を含む細胞凝集体であると決定する、請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
周波数符号化画像を生成する、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記周波数符号化画像を生成する際に、周波数シフト光の第1のビーム及び周波数シフト光の第2のビームを前記流れに照射する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
周波数シフト光の前記第1のビームは局部発振器(LO)ビームを含み、周波数シフト光の前記第2のビームは高周波コムビームを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記対象を選別する、請求項1~12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
流れ内の細胞を有するサンプルに照射するように構成された光源、
光検出器を含む光検出システム、及び
プロセッサに動作可能に結合されたメモリを含む前記プロセッサ
を備えており、
前記メモリに命令が格納されており、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
調査領域での前記流れ内の対象の
周波数符号化データを生成させて、前記対象
を横切る空間的符号化周波数を含む空間データを生成させ、
請求項1~13のいずれか1つに記載の方法に従って、前記空間データに基づいて前記流れ内の前記対象が細胞凝集体であるか否かを決定させる、システム。
【請求項15】
調査領域での流れ内の対象の
周波数符号化データを生成して、前記対象
を横切る空間的符号化周波数を含む空間データを生成し、
請求項1~13のいずれか1つに記載の方法に従って、前記空間データに基づいて、前記流れ内の前記対象が細胞凝集体であるか否かを決定する
ようにプログラムされた、集積回路。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
選別フローサイトメータなどのフロータイプの粒子選別システムは、粒子の少なくとも1つの測定された特徴に基づいて流体サンプル内の粒子を選別するために使用される。フロータイプの粒子選別システムでは、流体懸濁液中の分子、分析物結合ビーズ、又は個々の細胞などの粒子は、選別すべきタイプの流れに含まれる粒子をセンサが検出する検出領域によって流れを通過する。センサは、選別すべきタイプの粒子を検出すると、着目する粒子を選択的に分離する選別メカニズムをトリガする。サンプル中の粒子を選別するために、液滴帯電メカニズムは、選別すべき粒子タイプを含む流れの液滴を、流れの遮断点で電荷を用いて帯電させる。液滴は静電界を通過し、液滴の電荷の極性及び大きさに基づいて1つ以上の収集コンテナに偏向される。帯電していない液滴は、静電界によって偏向されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
粒子選別では、凝集体(例えば、細胞の凝集塊)がサンプルの顕著な成分となり、選別プロトコルの精度及び再現性に影響を与える可能性がある。更に、細胞の凝集体を単一細胞として誤って特徴付けると、選別された細胞の全体的な収量及び純度が低下し、これは、特に純度が選別された細胞組成物の最終的な使用に(例えば、治療薬として)重要である場合に有害である可能性がある。凝集塊は、単一細胞への機械的若しくは酵素的な分解による、凝集塊を誘発するアルコールベースの固定剤の使用による、又は、遠心分離による、組織の不完全な破壊のために起こり得る。凝集塊は、ケラチノサイトなどの特定の細胞タイプの固有属性としても発生し得る。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の態様は、流れ中のサンプルの粒子を特徴付けるための方法を含む。特定の実施形態による方法では、流れ内の細胞を有するサンプルからの光を検出し、調査領域での流れ内の対象の空間データを生成し、空間データに基づいて流れ内の対象が凝集体であるか否かを決定する。プロセッサに動作可能に結合されて命令が格納されているメモリを有するプロセッサを備えたシステムであって、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに流れ内の対象の空間データを生成させて、対象が凝集体であるか否かを決定させるシステムについても説明する。本方法を実施するためのプログラムを有する集積回路デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)も提供される。
【0004】
実施形態では、流れ内のサンプルからの光が調査領域で検出され、流れ内の対象の1つ以上の画像(例えば、周波数符号化画像)が生成される。いくつかの実施形態では、調査領域で画像化された対象は細胞を含む。いくつかの実施形態では、方法で、流れ内のサンプルからの光吸収、光散乱、発光(例えば、蛍光)のうちの1つ以上を検出する。いくつかの例では、サンプル内の1つ以上の対象の空間データは、検出された光吸収から生成される(例えば、明視野画像データ)。他の例では、サンプル内の1つ以上の対象の空間データは、検出された光散乱から生成される(例えば、前方散乱画像データ、側方散乱画像データ)。更に他の例では、サンプル内の1つ以上の対象の空間データは、検出された蛍光から生成される(例えば、蛍光マーカ画像データ)。更に他の例では、サンプル内の1つ以上の対象の空間データは、検出された光吸収、検出された光散乱、及び検出された蛍光のうちの2つ以上の組み合わせから生成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、方法で、空間データに基づいて対象のサイズを決定する。他の実施形態では、方法で、空間データに基づいて対象の重心を決定する。更に他の実施形態では、方法で、空間データに基づいて対象の偏心度を決定する。特定の実施形態では、画像モーメントが、空間データに基づいて計算される。いくつかの例では、方法で、水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算する。他の例では、方法で、水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算する。更に他の例では、方法で、垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算する。更に他の例では、方法で、垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算する。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法で、調査領域の流れ内の対象の画像を生成する。いくつかの実施形態では、画像は、対象のグレースケール画像である。特定の実施形態による方法では、生成された画像から対象の画像モーメントを計算する。いくつかの例では、方法で、水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算する。他の例では、方法で、水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算する。更に他の例では、方法で、垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算する。更に他の例では、方法で、垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算する。
【0007】
いくつかの実施形態では、対象の1つ以上の特性は、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて決定される。例えば、方法で、対象のサイズ、重心、水平軸芯若しくは垂直軸芯に沿った対象の偏心度、又はそれらの組み合わせを決定し得る。いくつかの例では、方法で、対象のサイズ、重心、及び偏心度のうちの1つ以上を評価し、対象が細胞凝集体であるか否かを決定する。特定の例では、対象は、対象の決定されたサイズ及び重心に基づいて、細胞凝集体であると決定される。他の例では、対象は、対象の決定されたサイズ及び偏心度に基づいて、細胞凝集体であると決定される。更に他の例では、対象は、対象の決定された重心及び偏心度に基づいて、細胞凝集体であると決定される。更に他の例では、対象は、対象の決定されたサイズ、重心、及び偏心度に基づいて、細胞凝集体であると決定される。特定の例では、方法で、対象の第1の画像を対象の第2の画像と比較し、対象の第1の画像と対象の第2の画像との比較に基づいて対象の1つ以上の特性を決定する。
【0008】
対象が細胞凝集体であるか否かを決定する際に、特定の例では、方法で、1)計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価する。いくつかの実施形態では、光散乱は、対象からの前方散乱光を含む。他の実施形態では、光散乱は、対象からの側方散乱光を含む。特定の実施形態では、方法で、パルス幅、パルス高さ、及びパルス面積のうちの1つ以上について、光散乱検出器出力信号を評価する。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法で、1)計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価する。いくつかの実施形態では、光散乱は、対象からの前方散乱光を含む。他の実施形態では、光散乱は、対象からの側方散乱光を含む。特定の実施形態では、方法で、パルス幅、パルス高さ、及びパルス面積のうちの1つ以上について、光散乱検出器出力信号を評価する。
【0010】
特定の実施形態では、方法で、対象の画像マスクを生成する。いくつかの例に従って画像マスクを生成するために、方法では、流れ内の対象のグレースケール画像を生成し、グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定し、グレースケール画像からの各ピクセルを決定されたピクセル強度閾値と比較し、各ピクセルをバイナリピクセル値に変換する。1つの例では、方法で、流れからの光吸収(例えば、明視野画像データ)を検出し、ピクセル強度が閾値よりも小さい場合はグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、グレースケール画像のピクセル強度が閾値より大きい場合は0のピクセル値を割り当てる。別の例では、方法で、流れ内の細胞からの光散乱を検出し、ピクセル強度が閾値より大きい場合はグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、ピクセル強度が閾値より小さい場合は0のピクセル値を割り当てる。更に別の例では、方法で、流れ内の細胞からの蛍光を検出し、ピクセル強度が閾値よりも大きい場合はグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、ピクセル強度が閾値より小さい場合は0のピクセル値を割り当てる。いくつかの実施形態では、画像マスクは、1のバイナリピクセル値を有するピクセルから生成される。他の実施形態では、画像マスクは、0のバイナリピクセル値を有するピクセルから生成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法で、生成された画像マスクに基づいて、対象のサイズ、重心、又は水平軸芯又は垂直軸芯に沿った対象の偏心度を決定する。これらの実施形態では、画像マスクからのこれらのパラメータの1つ以上を使用して、対象が単一細胞であるか、又は細胞凝集体であるかを評価する。1つの例では、方法で、画像マスクから対象のサイズ及び重心を評価して、対象が単一細胞であるか又は細胞凝集体であるかを決定する。別の例では、方法で、画像マスクから対象の水平軸芯又は垂直軸芯に沿った偏心度及びサイズを評価して、対象が単一細胞であるか又は細胞凝集体であるかを決定する。更に別の例では、方法で、画像マスクから水平軸芯又は垂直軸芯に沿った偏心度、及び重心を評価して、対象が単一細胞であるか又は細胞凝集体であるかを決定する。
【0012】
いくつかの実施形態では、方法で、対象が細胞凝集体であることを識別する。いくつかの例では、方法で、対象が、2つ以上の細胞が流れの水平軸芯に対して共に整列する水平細胞凝集体であると決定する。他の例では、方法で、対象が、2つ以上の細胞が流れの垂直軸芯(すなわち、長手軸芯)に沿って共に整列する垂直細胞凝集体であると決定する。更に他の例では、方法で、対象が、水平軸芯に対して共に整列する2つ以上の細胞を有し、垂直軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を有する組み合わせ細胞凝集体であると決定する。
【0013】
いくつかの実施形態では、方法で、対象からの周波数符号化蛍光データから空間データを計算する。いくつかの例では、対象の空間データを計算する際に、周波数符号化蛍光データの変換を実行する。1つの例では、周波数符号化蛍光データのフーリエ変換(FT)を実行することによって、空間データを計算する。別の例では、周波数符号化蛍光データの離散フーリエ変換(DFT)を実行することによって、空間データを計算する。更に別の例では、周波数符号化蛍光データの短時間フーリエ変換(STFT)を実行することによって、空間データを計算する。更に別の例では、デジタルロックインアンプを使用して周波数符号化蛍光データのヘテロダイン及び逆多重化を行って、空間データを計算する。
【0014】
特定の実施形態による方法では、対象を選別する。いくつかの実施形態では、対象は単一細胞であると識別され、第1のサンプル成分収集場所に選別される。他の実施形態では、対象は、細胞凝集体であると識別され、第2のサンプル成分収集場所に選別される。いくつかの例では、第1のサンプル成分収集場所はサンプル収集コンテナを含み、第2のサンプル成分収集場所は廃棄物収集コンテナを含む。
【0015】
本開示の態様はまた、サンプルの粒子(例えば、生物学的サンプル中の細胞)を特徴付けるためのシステムを含む。特定の実施形態によるシステムは、流れ中の細胞を有するサンプルに照射するように構成された光源、光検出器を有する光検出システム、及び、メモリが格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備えており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、調査領域での流れ内の対象の空間データを生成させ、空間データに基づいて流れ内の対象が細胞凝集体であるか否かを決定させる。実施形態では、光検出システムは、光吸収、光散乱、蛍光、又はそれらの組み合わせを検出するための1つ以上の光検出器を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、システムは、メモリが格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備えており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、空間データに基づいて対象のサイズを決定させる。他の実施形態では、メモリは、空間データに基づいて対象の重心を決定するための命令を含む。更に他の実施形態では、メモリは、空間データに基づいて対象の偏心度を決定するための命令を含む。特定の実施形態では、メモリは、空間データに基づいて画像モーメントを計算するための命令を含む。いくつかの例では、メモリは、水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するための命令を含む。他の例では、メモリは、水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するための命令を含む。更に他の例では、メモリは、垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するための命令を含む。更に他の例では、メモリは、垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するための命令を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、システムは、メモリが格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備えており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに流れ内の対象の画像を生成させる。いくつかの実施形態では、メモリは、流れ内の対象のグレースケール画像を生成するための命令を含む。いくつかの実施形態では、システムは、流れ内の対象からの検出された光吸収(例えば、明視野画像データ)から画像を生成するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。他の実施形態では、システムは、流れ内の対象からの検出された光散乱(例えば、前方散乱画像データ、側方散乱画像データ)から画像を生成するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。更に他の実施形態では、システムは、流れ内の対象からの検出された蛍光(例えば、蛍光マーカ画像データ)から画像を生成するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。更に他の例では、システムは、検出された光吸収、検出された光散乱、及び検出された蛍光のうちの2つ以上の組み合わせから対象の画像を生成するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、生成された画像から対象の画像モーメントを計算させる命令を含む。いくつかの例では、システムは、水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。他の例では、システムは、水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。更に他の例では、システムは、垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。更に他の例では、システムは、垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。
【0019】
着目するシステムはまた、プロセッサによって実行されると、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて流れ内の対象の1つ以上の特性をプロセッサに決定させる命令を含むメモリを備え得る。これらの実施形態では、メモリは、対象のサイズ、対象の重心、又は水平軸芯若しくは垂直軸芯に沿った対象の偏心度、又はそれらの組み合わせを決定するための命令を含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、対象のサイズ、重心、及び偏心度のうちの1つ以上を評価し、対象が細胞凝集体であるか否かを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。1つの例では、システムは、対象の決定されたサイズ及び重心に基づいて、対象が細胞凝集体であると決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。別の例では、システムは、対象の決定されたサイズ及び偏心度に基づいて、対象が細胞凝集体であると決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。更に別の例では、システムは、対象の決定された重心及び偏心度に基づいて、対象が細胞凝集体であると決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。更に別の例では、システムは、対象の決定されたサイズ、重心、及び偏心度に基づいて、対象が細胞凝集体であると決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。特定の例では、システムは、対象の第1の画像と対象の第2の画像とを比較し、対象の第1の画像と対象の第2の画像との比較に基づいて対象の1つ以上の特性を決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。
【0020】
特定の例では、システムは、1)計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。いくつかの実施形態では、システムは、前方散乱光検出器からの出力信号を評価するように構成される。他の実施形態では、システムは、側方散乱光検出器からの出力信号を評価するように構成される。特定の実施形態では、システムは、パルス幅、パルス高さ、及びパルス面積のうちの1つ以上について光散乱検出器出力信号を評価するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。
【0021】
特定の例では、システムは、1)計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。いくつかの実施形態では、システムは、前方散乱光検出器からの出力信号を評価するように構成される。他の実施形態では、システムは、側方散乱光検出器からの出力信号を評価するように構成される。特定の実施形態では、システムは、パルス幅、パルス高さ、及びパルス面積のうちの1つ以上について光散乱検出器出力信号を評価するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。
【0022】
特定の実施形態では、着目するシステムはまた、プロセッサによって実行されると、プロセッサに対象の画像マスクを生成させる命令を含むメモリを備えている。これらの実施形態では、システムは、1)流れ内の対象のグレースケール画像を生成し、2)グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定し、3)グレースケール画像からの各ピクセルを決定されたピクセル強度閾値と比較し、4)各ピクセルをバイナリピクセル値に変換するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。1つの例では、システムは、流れからの光吸収(例えば、明視野画像データ)を検出し、ピクセル強度が閾値より小さい場合はグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、グレースケール画像のピクセル強度が閾値より大きい場合は0のピクセル値を割り当てるための命令を含むコンピュータプログラムを含む。別の例では、システムは、流れ内の細胞からの光散乱を検出し、ピクセル強度が閾値よりも大きい場合にグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、ピクセル強度が閾値よりも小さい場合に0のピクセル値を割り当てるための命令を含むコンピュータプログラムを含む。更に別の例では、システムは、流れ内の細胞からの蛍光を検出し、ピクセル強度が閾値より大きい場合にグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、ピクセル強度が閾値より小さい場合に0のピクセル値を割り当てるための命令を含むコンピュータプログラムを含む。いくつかの実施形態では、システムは、1のバイナリピクセル値を有するピクセルから画像マスクを生成するように構成される。他の実施形態では、システムは、0のバイナリピクセル値を有するピクセルから画像マスクを生成するように構成される。
【0023】
本システムは、特定の例に従って、サンプル内の対象を区別するように構成される。いくつかの例では、システムは、生成された画像マスクに基づいて、対象のサイズ、重心、又は水平軸芯若しくは垂直軸芯に沿った対象の偏心度を決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。これらの例では、本システムは、画像マスクからのこれらのパラメータのうちの1つ以上を使用して、対象が単一細胞であるか、又は細胞凝集体であるかを評価する。1つの例では、システムは、画像マスクから対象のサイズ及び重心を評価し、対象が単一細胞であるか、又は細胞凝集体であるかを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。別の例では、システムは、画像マスクから対象の水平軸芯又は垂直軸芯に沿った偏心度及びサイズを評価し、対象が単一細胞であるか、又は細胞凝集体であるかを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。更に別の例では、システムは、画像マスクから対象の水平軸芯又は垂直軸芯に沿った偏心度及び重心を評価し、対象が単一細胞であるか、又は細胞凝集体であるかを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、着目するシステムは、プロセッサによって実行されると、対象が細胞凝集体であることをプロセッサに識別させる命令を含むメモリを備えている。いくつかの例では、システムは、対象を、2つ以上の細胞が流れの水平軸芯に対して共に整列する水平細胞凝集体であると分類するように構成される。他の例では、システムは、対象を、2つ以上の細胞が流れの垂直軸芯(すなわち、長手軸芯)に沿って共に整列する垂直細胞凝集体であると分類するように構成される。更に他の例では、システムは、対象を、2つ以上の細胞が水平軸芯に対して共に整列し、2つ以上の細胞が垂直軸芯に沿って共に整列する組み合わせ細胞凝集体であると分類するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、着目するシステムは、プロセッサによって実行されると、対象からの周波数符号化蛍光データから空間データをプロセッサに計算させる命令を含むメモリを備えている。いくつかの例では、対象の空間データを計算する際に、周波数符号化蛍光データの変換を実行する。1つの例では、周波数符号化蛍光データのフーリエ変換(FT)を実行することによって、空間データは計算される。別の例では、周波数符号化蛍光データの離散フーリエ変換(DFT)を実行することによって、空間データは計算される。更に別の例では、周波数符号化蛍光データの短時間フーリエ変換(STFT)を実行することによって、空間データは計算される。更に別の例では、デジタルロックインアンプを使用して周波数符号化蛍光データのヘテロダイン及び逆多重化を行って、空間データは計算される。
【0026】
着目するシステムは、流れ内のサンプル(例えば、生物学的サンプル)の粒子を選別するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、サンプル流体送達サブシステム、及び粒子選別要素の入口と流体連通しているシース流体送達サブシステムを有する粒子選別要素と、選別された対象を流れから受けるための1つ以上のサンプル収集コンテナとを更に備えている。特定の例では、対象は細胞凝集体であると決定され、選別要素は、細胞凝集体を廃棄物収集出口(例えば、廃棄物導管又はコンテナ)に向けるように構成される。他の例では、対象は単一細胞であると決定され、選別要素は単一細胞をサンプル収集コンテナに向けるように構成される。
【0027】
本開示の態様はまた、調査領域での流れ内の対象の空間データを生成し、空間データに基づいて流れ内の対象が細胞凝集体であるか否かを決定するようにプログラムされた集積回路デバイスを含む。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、対象が細胞凝集体であると決定された場合には廃棄物収集コンテナに、又は対象が単一細胞であると決定された場合にはサンプル収集コンテナになど、対象を選別するようにプログラムされる。着目する集積回路デバイスには、特定の例では、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)が含まれ得る。
【0028】
特定の実施形態による集積回路デバイスは、流れ内の対象の空間データを生成するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、光吸収検出器からのデータ信号(例えば、明視野画像データ)から空間データを生成するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、光散乱検出器からのデータ信号(例えば、前方散乱画像データ、側方散乱画像データ)から空間データを生成するようにプログラムされる。更に他の実施形態では、集積回路デバイスは、発光検出器からのデータ信号(例えば、蛍光マーカ画像データ)から空間データを生成するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、検出された光吸収、検出された光散乱、及び検出された蛍光のうちの2つ以上の組み合わせから対象の空間データを生成するようにプログラムされる。
【0029】
いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、空間データに基づいて対象のサイズを決定するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、空間データに基づいて対象の重心を決定するようにプログラムされる。更に他の実施形態では、集積回路デバイスは、空間データに基づいて対象の偏心度を決定するようにプログラムされる。特定の実施形態では、画像モーメントは、空間データに基づいて計算される。いくつかの例では、集積回路デバイスは、水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。他の例では、集積回路デバイスは、水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。
【0030】
いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、生成された画像から対象の画像モーメントを計算するようにプログラムされる。いくつかの例では、集積回路デバイスは、水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。他の例では、集積回路デバイスは、水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。
【0031】
いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて、流れ内の対象の1つ以上の特性を決定するようにプログラムされる。これらの実施形態では、集積回路デバイスは、対象のサイズ、対象の重心、又は水平軸芯若しくは垂直軸芯に沿った対象の偏心度、又はそれらの組み合わせを決定するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、対象のサイズ、重心、及び偏心度のうちの1つ以上を評価し、対象が細胞凝集体であるか否かを決定するようにプログラムされる。1つの例では、集積回路デバイスは、対象の決定されたサイズ及び重心に基づいて、対象が細胞凝集体であると決定するようにプログラムされる。別の例では、集積回路デバイスは、対象の決定されたサイズ及び偏心度に基づいて、対象が細胞凝集体であると決定するようにプログラムされる。更に別の例では、システムは、対象の決定された重心及び偏心度に基づいて、対象が細胞凝集体であると決定するようにプログラムされた集積回路デバイスを備えている。更に別の例では、集積回路デバイスは、対象の決定されたサイズ、重心、及び偏心度に基づいて、対象が細胞凝集体であると決定するようにプログラムされる。特定の例では、集積回路デバイスは、対象の第1の画像を対象の第2の画像と比較し、対象の第1の画像と対象の第2の画像との比較に基づいて対象の1つ以上の特性を決定するようにプログラムされる。
【0032】
特定の例では、集積回路デバイスは、1)計算された画像モーメント及び空間データに基づいて、対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、前方散乱光検出器からの出力信号を評価するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、側方散乱光検出器からの出力信号を評価するようにプログラムされる。特定の実施形態では、集積回路デバイスは、パルス幅、パルス高さ、及びパルス面積のうちの1つ以上について、光散乱検出器出力信号を評価するようにプログラムされる。
【0033】
特定の例では、集積回路デバイスは、1)計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて、対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、前方散乱光検出器からの出力信号を評価するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、側方散乱光検出器からの出力信号を評価するようにプログラムされる。特定の実施形態では、集積回路デバイスは、パルス幅、パルス高さ、及びパルス面積のうちの1つ以上について、光散乱検出器出力信号を評価するようにプログラムされる。
【0034】
特定の実施形態では、集積回路デバイスは、対象の画像マスクを生成するようにプログラムされる。これらの実施形態では、集積回路デバイスは、1)流れ内の対象のグレースケール画像を生成し、2)グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定し、3)グレースケール画像からの各ピクセルを決定されたピクセル強度閾値と比較し、4)各ピクセルをバイナリピクセル値に変換するようにプログラムされる。1つの例では、集積回路デバイスは、光吸収検出器からデータ信号(例えば、明視野画像データ)を受信し、ピクセル強度が閾値よりも小さい場合はグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、グレースケール画像のピクセル強度が閾値よりも大きい場合は0のピクセル値を割り当てるようにプログラムされる。別の例では、集積回路デバイスは、光散乱検出器からデータ信号を受信し、ピクセル強度が閾値よりも大きい場合にグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、ピクセル強度が閾値よりも小さい場合に0のピクセル値を割り当てるようにプログラムされる。更に別の例では、集積回路デバイスは、蛍光検出器からデータ信号を受信し、ピクセル強度が閾値より大きい場合はグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、ピクセル強度が閾値より小さい場合は0のピクセル値を割り当てるようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、1のバイナリピクセル値を有するピクセルから画像マスクを生成するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、0のバイナリピクセル値を有するピクセルから画像マスクを生成するようにプログラムされる。
【0035】
いくつかの例では、集積回路デバイスは、生成された画像マスクに基づいて、対象のサイズ、重心、又は水平軸芯若しくは垂直軸芯に沿った対象の偏心度を決定するようにプログラムされる。これらの例では、集積回路デバイスは、画像マスクからのこれらのパラメータの1つ以上に対応するデータ信号を使用して、対象が単一細胞であるか、又は細胞凝集体であるかを評価する。1つの例では、集積回路デバイスは、画像マスクから対象のサイズ及び重心を評価し、対象が単一細胞であるか、又は細胞凝集体であるかを決定するようにプログラムされる。別の例では、集積回路デバイスは、画像マスクから対象の水平軸芯又は垂直軸芯に沿った偏心度及びサイズを評価し、対象が単一細胞であるか、又は細胞凝集体であるかを決定するようにプログラムされる。更に別の例では、集積回路デバイスは、画像マスクから対象の水平軸芯又は垂直軸芯に沿った偏心度及び重心を評価し、対象が単一細胞であるか、又は細胞凝集体であるかを決定するようにプログラムされる。
【0036】
いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、対象が細胞凝集体であることを識別するようにプログラムされる。いくつかの例では、集積回路デバイスは、対象を、2つ以上の細胞が流れの水平軸芯に対して共に整列する水平細胞凝集体であると分類するようにプログラムされる。他の例では、集積回路デバイスは、対象を、2つ以上の細胞が流れの垂直軸芯(すなわち、長手軸芯)に沿って共に整列する垂直細胞凝集体であると分類するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、対象を、水平軸芯に対して共に整列する2つ以上の細胞を有し、垂直軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を有する、組み合わせ細胞凝集体であると分類するようにプログラムされる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明は、添付の図面と併せて読むと、以下の詳細な説明から最もよく理解され得る。図面には次の図が含まれている。
【0038】
【
図1】特定の実施形態による細胞凝集体の画像を示す図である。
図1Aは、垂直軸芯に沿って共に整列する2つの細胞を有する垂直方向に向いた細胞凝集体の画像を示す。
図1Bは、水平軸芯に沿って共に整列する2つの細胞を有する水平方向に向いた細胞凝集体の画像を示す。
【
図2】特定の実施形態による、単一細胞と細胞凝集体とを区別するための計算された偏心度の使用を示す図である。
図2Aは、画像化された単一細胞を示す。
図2Bは、画像化された細胞凝集体を示す。
【
図3】特定の実施形態による、流れ内の粒子を画像化して特徴付けるためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示の態様は、流れ中のサンプルの粒子を特徴付けるための方法を含む。特定の実施形態による方法では、流れ内の細胞を有するサンプルからの光を検出し、調査領域での流れ内の対象の画像を生成し、生成された画像に基づいて流れ内の対象が凝集体であるか否かを決定する。プロセッサに動作可能に結合されて命令が格納されているメモリを有するプロセッサを備えているシステムであって、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに流れ内の対象の画像を生成させ、対象が凝集体であるか否かを決定させるシステムについても説明する。本方法を実施するためのプログラムを有する集積回路デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)も提供される。
【0040】
本発明をより詳細に説明する前に、この発明は、説明した特定の実施形態に限定されず、従って、言うまでもなく様々であり得ることを理解されたい。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図しないことも理解されたい。
【0041】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、下限の単位の10分の1までの、その範囲の上限と下限との間における各介在値、及び、その記載範囲における任意の別様記載の又は介在する値は、本発明に含まれることが理解される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立してより小さな範囲に含まれ得、また、記載範囲において特に除外された任意の限界を条件として、本発明に含まれる。記載範囲が一方又は両方の限界を含む場合、それらの含まれる限界のいずれか又は両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
【0042】
本明細書では、特定の範囲が示され、数値の前に「約」という用語が付いている。「約」という用語は、本明細書では、その用語が先行する正確な数、並びにその用語が先行する数に近い数か又はほぼその数に対する文字通りのサポートを提供するために使用される。数が、具体的に記載された数に近いか又はほぼ等しいか否かを決定する際に、近いか又は近似する不記載の数は、その数が提示される文脈において、具体的に記載された数についての実質的均等をもたらす数であり得る。
【0043】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、この発明が属する技術の当業者によって共通して理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載された方法及び材料と類似又は均等の任意の方法及び材料もまた、本発明の実施又は試験にて使用することができるが、代表的な例示的方法及び材料がここに記載されている。
【0044】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、各個々の刊行物又は特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれ、出版物が関連して引用されている方法及び/又は材料を記述及び記載するために参照により本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日より前のその開示についてであり、本発明が先行発明のためにそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。更に、提供される発行日は、個別に確認する必要があり得る実際の発行日とは異なり得る。
【0045】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の選択的要素を除外するために起草され得ることに更に留意されたい。従って、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連して「単独」、「のみ」などの排他的な用語を使用する、又は「否定的な」制限を使用するための先行する基礎として機能することを目的としている。
【0046】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載及び図示された個々の実施形態の夫々は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得る又は前記特徴と組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。列挙された任意の方法は、列挙された事象の順序で又は論理的に可能な任意の他の順序で実行することができる。
【0047】
装置及び方法は、機能的な説明を伴って文法的流動性のために説明されているか、又は説明されるが、米国特許法第112条に基づいて明示的に述べられていない限り、特許請求の範囲は、「手段」又は「ステップ」の制限の構築によっていかなる場合であっても必ずしも制限されると解釈されるべきではなく、均等法論の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び均等物の全範囲を与えられるべきであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条に基づいて明示的に述べられている場合には、米国特許法第112条に基づく完全な法定均等物が付与されると明示的に理解されるべきである。
【0048】
上に要約したように、本開示は、流れ内の対象が細胞凝集体であるか否かを決定するためのシステム及び方法を提供する。本開示の実施形態を更に説明する際に、流れ内の対象の空間データを生成し、空間データに基づいて対象が細胞凝集体であるか否かを決定するための方法を最初に、より詳細に説明する。次に、流れ内の対象を特徴付け、サンプル内の粒子をリアルタイムで分離するためのシステムについて説明する。流れ内の対象の空間データを生成し、対象を細胞凝集体又は単一細胞であると分類し、細胞凝集体又は単一細胞を選別するためのプログラムを有するフィールドプログラマブルゲートアレイなどの集積回路デバイスも提供される。
【0049】
サンプル中の粒子を特徴付ける方法
本開示の態様は、サンプルの粒子(例えば、生物学的サンプル中の細胞)を特徴付けるための方法を含む。特定の実施形態による方法を実施する際に、流れ中の細胞を有するサンプルに光源で照射し、サンプルからの光を検出して、調査領域での流れ内の対象の空間データを生成し、空間データに基づいて対象が粒子の凝集体(例えば、細胞の凝集体)であるか否かを決定する。実施形態では、方法で、対象の空間データに基づいて、単一細胞と2つ以上の細胞の凝集体とを区別する。「空間データ」という用語は、本明細書では、流れの照射調査領域の空間位置を符号化するデータ信号を説明するために使用される。以下でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、例えば流れ内の対象からの周波数符号化蛍光データの変換を実行することによって(例えば、フーリエ変換を実行するか、又はデジタルロックインアンプを使用して周波数符号化蛍光データのヘテロダイン及び逆多重化を行って空間データを計算することによって)、流れ内の対象からの周波数符号化蛍光データから空間データは計算される。いくつかの実施形態では、サンプルは生物学的サンプルである。「生物学的サンプル」という用語は、生物全体、植物、真菌、又は、特定の例では血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水、臍帯血、尿、膣液及び精液に見られ得る、動物組織、細胞又は構成要素部分のサブセットを指すべく、従来の意味で使用される。従って、「生物学的サンプル」は、天然生物又はその組織のサブセット、並びに、生物又はその組織のサブセットから調製されたホモジネート、溶解物又は抽出物の両方を指し、これには、例えば、血漿、血清、髄液、リンパ液、皮膚の切片、呼吸器、胃腸、心臓血管及び尿生殖路、涙、唾液、乳汁、血球、腫瘍、臓器が含まれるが、これらに限定されない。生物学的サンプルは、健康な組織及び罹患した組織(例えば、癌性、悪性、壊死など)の両方を含む、任意のタイプの生物組織であり得る。特定の実施形態では、生物学的サンプルは、血液又はその誘導体、例えば、血漿、涙、尿、精液などの液体サンプルであり、いくつかの例では、サンプルは、静脈穿刺又は指先から得られる血液などの全血を含む血液サンプルである(血液はアッセイ前に保存剤、抗凝固剤などの任意の試薬と組み合わされてもよく又は組み合わされなくてもよい)。
【0050】
特定の実施形態では、サンプルの供給源は「哺乳動物」又は「哺乳類」であり、これらの用語は、肉食類(例えば、イヌ及びネコ)、げっ歯類(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、及び霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む哺乳綱内にある生物を記述するために広く使用される。いくつかの例では、対象はヒトである。本方法は、両方の性別及び発達の任意の段階(すなわち、新生児、乳児、若年、青年、成人)のヒト対象から得られたサンプルに適用され得、特定の実施形態では、ヒト対象は、若年、青年又は成人である。本発明は、ヒト対象からのサンプルに適用され得るが、本方法は、限定されないが、鳥、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、ウマのような他の動物対象(すなわち「非ヒト対象」)からのサンプルに対しても実施され得ることを理解されたい。
【0051】
本方法を実施する際に、(例えば、フローサイトメータの流れ内の)細胞を有するサンプルに、光源からの光を照射する。いくつかの実施形態では、光源は広帯域光源であり、例えば、50nm以上に亘る、例えば100nm以上、例えば150nm以上、例えば200nm以上、例えば250nm以上、例えば300nm以上、例えば350nm以上、例えば400nm以上、及び500nm以上などに亘る広範囲の波長を有する光を放出する。例えば、1つの適切な広帯域光源は、200nm~1500nmの波長を有する光を放出する。適切な広帯域光源の別の例には、400nm~1000nmの波長を有する光を放出する光源が含まれる。方法で広帯域光源を用いて照射する場合、着目する広帯域光源プロトコルには、その他の広帯域光源のうち、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを備えた広帯域LED、スーパールミネセント発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED一体型白色光源、又はそれらの任意の組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0052】
他の実施形態では、方法で、特定の波長又は狭い範囲の波長を放出する狭帯域光源、例えば、50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば25nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下、例えば10nm以下、例えば5nm以下、例えば2nm以下の範囲のような狭い範囲の波長の光を放出する光源、例えば特定波長の光(つまり、単色光)を放出する光源を用いて照射する。方法で狭帯域光源を用いて照射する場合、着目する狭帯域光源プロトコルは、狭波長LED、レーザダイオード又は1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータに結合された広帯域光源又はそれらの任意の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0053】
特定の実施形態では、方法で、流れに1つ以上のレーザで照射する。上で論じたように、レーザのタイプ及び数は、サンプル及び収集される所望の光に応じて様々であり、パルスレーザ又は連続波レーザであり得る。例えば、レーザは、ヘリウム-ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2 レーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ又はキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ又はそれらの組み合わせなどのガスレーザ;スチルベンレーザ、クマリンレーザ又はローダミンレーザなどの色素レーザ;ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ又は金レーザ及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザ;ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4 レーザ、Nd:YCa4 O(BO3 )3 レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウム2 O3 レーザ又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザ;半導体ダイオードレーザ、光ポンピング半導体レーザ(OPSL)、又は上記のレーザのいずれかの周波数2倍器又は周波数3倍器であり得る。
【0054】
流れ内のサンプルは、上記の光源のうちの1つ以上、例えば2つ以上の光源、例えば3つ以上の光源、例えば4つ以上の光源、例えば5つ以上の光源及び10以上の光源で照射され得る。光源は、光源のタイプの任意の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、本方法で、流れ内のサンプルに、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ及び1つ以上の固体レーザを有するアレイなどのレーザのアレイで照射する。
【0055】
サンプルは、200nm~1500nmの範囲、例えば250nm~1250nm、例えば300nm~1000nm、例えば350nm~900nm、及び400nm~800nmの波長で照射され得る。例えば、光源が広帯域光源である場合、サンプルは、200nm~900nmの波長で照射され得る。他の例では、光源が複数の狭帯域光源を含む場合、サンプルは、200nm~900nmの範囲の特定の波長で照射され得る。例えば、光源は、200nm~900nmの間の波長範囲を有する光を夫々独立して放出する複数の狭帯域LED(1nm~25nm)であり得る。他の実施形態では、狭帯域光源には1つ以上のレーザ(レーザアレイなど)が含まれ、サンプルは、上記のガスレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ及び固体レーザを有するレーザアレイなど、200nm~700nmの範囲の特定波長で照射される。
【0056】
2以上の光源が採用される場合、サンプルは、同時的に又は連続して、或いはそれらの組み合わせで複数の光源で照射され得る。例えば、サンプルは、各光源で同時的に照射され得る。他の実施形態では、流れは、各光源で順次、照射される。2以上の光源を採用してサンプルに順次、照射する場合、各光源がサンプルに照射する時間は、独立して、0.001マイクロ秒以上、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、及び60マイクロ秒以上であり得る。例えば、方法では、0.001マイクロ秒~100マイクロ秒の範囲、例えば0.01マイクロ秒~75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、及び5マイクロ秒~10マイクロ秒の持続時間の間、光源(例えば、レーザ)でサンプルに照射し得る。サンプルが2つ以上の光源で連続的に照射される実施形態では、サンプルが各光源によって照射される持続時間は、同じであっても異なっていてもよい。
【0057】
各光源による照射間の時間もまた、所望に応じて様々であり得、0.001マイクロ秒以上、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、及び60マイクロ秒以上の遅延で独立して分離され得る。例えば、各光源による照射間の時間は、0.001マイクロ秒~60マイクロ秒、例えば0.01マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、及び5マイクロ秒~10マイクロ秒の範囲であり得る。特定の実施形態では、各光源による照射間の時間は10マイクロ秒である。サンプルが2超(すなわち3以上)の光源によって順次、照射される実施形態では、各光源による照射間の遅延は、同じであっても異なっていてもよい。
【0058】
サンプルは、連続的に又は別々の間隔で照射され得る。いくつかの例では、方法で、サンプル中のサンプルに光源で連続的に照射する。他の例では、サンプルは、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、及び1000ミリ秒毎、又は他の間隔など、別々の間隔にて光源で照射される。
【0059】
光源に応じて、サンプルは、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上、及び50mm以上など、様々な距離から照射され得る。また、照射角度も10°~90°、例えば15°~85°、例えば20°~80°、例えば25°~75°及び30°~60°の範囲で様々であり得、例えば90°の角度である。
【0060】
本方法を実施する際に、照射されたサンプルからの光は、例えば、ある範囲の波長(例えば、200nm~1000nm)に亘ってサンプルから光を収集することによって測定される。実施形態では、方法は、サンプルによる光吸収の測定(例えば、明視野光データ)、光散乱の測定(例えば、前方又は側方散乱光データ)、及びサンプルによる発光の測定(例えば、蛍光の光データ)のうちの1つ以上を含み得る。
【0061】
サンプルからの光は、1つ以上の波長、例えば5つ以上の異なる波長、例えば10以上の異なる波長、例えば25以上の異なる波長、例えば50以上の異なる波長、例えば100以上の異なる波長、例えば200以上の異なる波長、例えば300以上の異なる波長で測定され得、例えば400以上の異なる波長で測定される。
【0062】
光は、200nm~1200nmの波長範囲の内の1つ以上に亘って収集され得る。いくつかの例では、方法で、例えば200nm~1200nm、例えば300nm~1100nm、例えば400nm~1000nm、例えば500nm~900nm、及び600nm~800nmの波長範囲に亘ってサンプルからの光を測定する。他の例では、方法で、1つ以上の特定の波長で収集された光を測定する。例えば、収集された光は、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上で測定され得る。特定の実施形態では、方法で、特定のフルオロフォアの蛍光ピーク波長に対応する光の波長を測定する。
【0063】
収集された光は、連続的に又は別々の間隔で測定され得る。いくつかの例では、方法で、光の測定を連続的に行う。他の例では、光を別々の間隔で測定し、例えば、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、及び1000ミリ秒毎又は他の間隔で光を測定する。
【0064】
収集された光の測定は、本方法の間に、1回以上、例えば2回以上、例えば3回以上、例えば5回以上、及び10回以上、行われ得る。特定の実施形態では、サンプルからの光は2回以上、測定され、特定の例ではデータが平均化される。
【0065】
いくつかの実施形態では、方法で、光を検出する前に、サンプルからの光を更に調整する。例えば、サンプル供給源からの光は、1つ以上のレンズ、ミラー、ピンホール、スリット、格子、光屈折器、及びそれらの任意の組み合わせを通過し得る。いくつかの例では、例えば光のプロファイルを低減するため、収集された光は1つ以上の集束レンズを通過する。他の例では、サンプルから放出された光は、光ビームの発散を減らすために1つ以上のコリメータを通過する。
【0066】
特定の実施形態では、方法で、周波数シフト光の2つ以上のビームをサンプルに照射する。上記のように、レーザ及びレーザ光を周波数シフトするための音響光学デバイスを有する光ビーム発生器要素を採用し得る。これらの実施形態では、方法で、音響光学デバイスにレーザで照射する。出力レーザビームで生成される光の所望波長に応じて(例えば、流れ中のサンプルに照射する際に使用するために)、レーザは、200nm~1500nm、例えば250nm~1250nm、例えば300nm~1000nm、例えば350nm~900nm、及び400nm~800nmなど、様々な特定の波長を有し得る。音響光学デバイスは、1つ以上のレーザ、例えば2つ以上のレーザ、例えば3つ以上のレーザ、例えば4つ以上のレーザ、例えば5つ以上のレーザ及び10以上のレーザで照射され得る。レーザは、レーザのタイプの任意の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、本方法で、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、及び1つ以上の固体レーザを有するアレイなどの、レーザのアレイで音響光学デバイスに照射する。
【0067】
2以上のレーザが採用される場合、音響光学デバイスは、レーザで同時的に又は連続して、或いはそれらの組み合わせで照射され得る。例えば、音響光学デバイスは、各レーザで同時的に照射され得る。他の実施形態では、音響光学デバイスは、各レーザで順次、照射される。音響光学デバイスに順次、照射するために2以上のレーザが採用される場合、各レーザが音響光学デバイスに照射する時間は、独立して、0.001マイクロ秒以上、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、及び60マイクロ秒以上であり得る。例えば、方法では、0.001マイクロ秒~100マイクロ秒、例えば0.01マイクロ秒~75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、及び5マイクロ秒~10マイクロ秒の範囲の持続時間の間、音響光学デバイスにレーザで照射し得る。音響光学デバイスが2つ以上のレーザで連続的に照射される実施形態では、音響光学デバイスが各レーザによって照射される持続時間は、同じであっても異なっていてもよい。
【0068】
各レーザによる照射間の時間もまた、所望に応じて様々であり得、0.001マイクロ秒以上、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、及び60マイクロ秒以上の遅延で独立して分離され得る。例えば、各光源による照射間の時間は、0.001マイクロ秒~60マイクロ秒、例えば0.01マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、及び5マイクロ秒~10マイクロ秒の範囲であり得る。特定の実施形態では、各レーザによる照射間の時間は10マイクロ秒である。音響光学デバイスが2超(すなわち3以上)のレーザによって順次、照射される実施形態では、各レーザによる照射間の遅延は、同じであっても異なっていてもよい。
【0069】
音響光学デバイスは、連続的に又は別々の間隔で照射され得る。いくつかの例では、方法で、音響光学デバイスにレーザで連続的に照射する。他の例では、音響光学デバイスは、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、及び1000ミリ秒毎、又は他の間隔など、別々の間隔にてレーザで照射される。
【0070】
レーザに応じて、音響光学デバイスは、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上、及び50mm以上など、様々な距離から照射され得る。また、照射角度も、10°~90°、例えば15°~85°、例えば20°~80°、例えば25°~75°及び30°~60°を含む範囲で様々であり得、例えば90°の角度である。
【0071】
実施形態では、方法で、高周波駆動信号を音響光学デバイスに与えて、角度偏向レーザビームを生成する。2つ以上の高周波駆動信号を音響光学デバイスに与えて、例えば3つ以上の高周波駆動信号、例えば4つ以上の高周波駆動信号、例えば5つ以上の高周波駆動信号、例えば6つ以上の高周波駆動信号、例えば7つ以上の高周波駆動信号、例えば8つ以上の高周波駆動信号、例えば9つ以上の高周波駆動信号、例えば10以上の高周波駆動信号、例えば15以上の高周波駆動信号、例えば25以上の高周波駆動信号、例えば50以上の高周波駆動信号、及び100以上の高周波駆動信号など、所望の数の角度偏向レーザビームを有する出力レーザビームを生成し得る。
【0072】
高周波駆動信号によって生成される角度偏向レーザビームは夫々、与えられる高周波駆動信号の振幅に基づく強度を有する。いくつかの実施形態では、方法で、所望の強度を有する角度偏向レーザビームを生成するのに十分な振幅を有する高周波駆動信号を与える。いくつかの例では、与えられる各高周波駆動信号は、独立して、約0.001V~約500V、例えば約0.005V~約400V、例えば約0.01V~約300V、例えば約0.05V~約200V、例えば約0.1V~約100V、例えば約0.5V~約75V、例えば約1V~50V、例えば約2V~40V、例えば3V~約30V、及び約5V~約25Vの振幅を有する。与えられる各高周波駆動信号は、いくつかの実施形態では、約0.001MHz~約500MHz、例えば約0.005MHz~約400MHz、例えば約0.01MHz~約300MHz、例えば約0.05MHz~約200MHz、例えば約0.1MHz~約100MHz、例えば約0.5MHz~約90MHz、例えば約1MHz~約75MHz、例えば約2MHz~約70MHz、例えば約3MHz~約65MHz、例えば約4MHz~約60MHz、及び約5MHz~約50MHzの周波数を有する。
【0073】
これらの実施形態では、出力レーザビーム内の角度偏向レーザビームは、空間的に分離される。与えられる高周波駆動信号及び出力レーザビームの所望の照射プロファイルに応じて、角度偏向レーザビームは、0.001μm以上、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上、及び5000μm以上、分離され得る。いくつかの実施形態では、角度偏向レーザビームは、出力レーザビームの水平軸芯に沿って隣接する角度偏向レーザビームなどと重なる。隣接する角度偏向レーザビーム間の重なり(ビームスポットの重なりなど)は、0.001μm以上の重なり、例えば0.005μm以上の重なり、例えば0.01μm以上の重なり、例えば0.05μm以上の重なり、例えば0.1μm以上の重なり、例えば0.5μm以上の重なり、例えば1μm以上の重なり、例えば5μm以上の重なり、例えば10μm以上の重なり、及び100μm以上の重なりであり得る。
【0074】
特定の例において、流れは、周波数シフト光の複数のビームで照射され、流れ内の細胞は、高周波タグ付き発光を使用する蛍光イメージング(FIRE)によって画像化されて、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Dieboldら、Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)、並びに、米国特許第9423353号明細書、米国特許第9784661号明細書、米国特許第10006852号明細書及び米国特許出願公開第2017/0133857号明細書及び米国特許出願公開第2017/0350803号明細書に記載されているような周波数符号化画像を生成する。
【0075】
実施形態では、方法で、検出された光から流れ内の対象の空間データを生成する。対象の空間データは、検出された光吸収、検出された光散乱、検出された発光、又はそれらの任意の組み合わせから生成され得る。いくつかの例では、対象の空間データは、明視野光検出器などによって、サンプルから検出された光吸収から生成される。他の例では、対象の空間データは、側方散乱検出器、前方散乱検出器、又は側方散乱検出器及び前方散乱検出器の組み合わせなどによって、サンプルから検出された光散乱から生成される。更に他の例では、対象の空間データは、サンプルに追加されたフルオロフォアからの光など、サンプルから放出された光から生成される。更に他の例では、対象の空間データは、検出された光吸収、検出された光散乱、及び検出された発光の組み合わせから生成される。
【0076】
特定の実施形態では、空間データは、周波数符号化データ(例えば、周波数符号化蛍光データ)から計算される。これらの実施形態では、周波数符号化データは、複数の周波数シフト光ビーム及び局部発振器ビームで照射された対象からの光を検出することによって生成される。1つの例では、流れを横切る様々な位置が、局部発振器ビームと高周波シフトビームの1つとによって照射されるように、流れを横切る(水平軸芯の)複数の位置は、局部発振器ビーム及び複数の高周波シフトレーザビームを含むレーザビームによって照射される。いくつかの例では、局部発振器は、レーザからの周波数シフト光ビームである。この例では、流れ内の粒子を横切る各空間位置は、その位置での局部発振器ビームの周波数と高周波シフトビームの周波数との差に対応する、異なるビート周波数によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、対象からの周波数符号化データは、流れ内の粒子の水平軸芯を横切る空間的符号化ビート周波数を含む。
【0077】
実施形態では、周波数符号化データの変換を実行することによって、周波数符号化データから空間データが計算され得る。1つの例では、周波数符号化データのフーリエ変換(FT)を実行することによって、空間データが計算される。別の例では、周波数符号化データの離散フーリエ変換(DFT)を実行することによって、空間データが計算される。更に別の例では、周波数符号化データの短時間フーリエ変換(STFT)を実行することによって、空間データが計算される。更に別の例では、デジタルロックインアンプを使用して周波数符号化データのヘテロダイン及び逆多重化を行って、空間データが計算される。
【0078】
いくつかの実施形態では、方法で、検出された光から流れ内の対象の画像を生成する。対象の画像は、検出された光吸収、検出された光散乱、検出された発光、又はそれらの任意の組み合わせから生成され得る。いくつかの例では、対象の画像は、明視野光検出器などによって、サンプルから検出された光吸収から生成される。これらの例では、対象の画像は、流れ内の細胞からの明視野画像データに基づいて生成される。他の例では、対象の画像は、側方散乱検出器、前方散乱検出器、又は側方散乱検出器及び前方散乱検出器の組み合わせなどによって、サンプルから検出された光散乱から生成される。これらの例では、対象の画像は、散乱光画像データに基づいて生成される。更に他の例では、対象の画像は、サンプルに追加されたフルオロフォアからの光など、サンプルから放出された光から生成される。これらの例では、対象の画像は、蛍光画像データ(すなわち、細胞上又は細胞内の蛍光化合物からの画像化データ)に基づいて生成される。更に他の例では、対象の画像は、検出された光吸収、検出された光散乱、及び検出された発光の組み合わせから生成される。
【0079】
対象の1つ以上の画像は、検出された光から生成され得る。いくつかの実施形態では、単一の画像が、検出された光の各形態から生成される。例えば、対象の第1の画像は、検出された光吸収から生成され、対象の第2の画像は、検出された光散乱から生成され、対象の第3の画像は、検出された発光から生成される。他の実施形態では、2つ以上の画像、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、及び10以上の画像又はそれらの組み合わせが、検出された光の各形態から生成される。
【0080】
特定の実施形態では、方法で、流れ内の対象の画像マスクを生成する。これらの実施形態では、画像マスクは最初に、流れ内の対象のグレースケール画像から生成され得る。「グレースケール」という用語は、本明細書では、各ピクセルでの光の強度に基づくグレーの様々な濃淡で構成される流れ内の対象の画像を指すべく、従来の意味で使用される。実施形態では、以下でより詳細に説明するように、ピクセル強度閾値はグレースケール画像から決定され、ピクセル強度閾値は、各ピクセルを、対象の画像マスクを生成するために使用されるバイナリ値に変換するために使用される。いくつかの実施形態では、ピクセル強度閾値は、グレースケール画像のクラス内分散を最小化して、最小化されたクラス内分散に基づくピクセル強度閾値を計算することによって決定される。いくつかの実施形態では、ピクセル強度閾値は、検出された光データにバイモーダルヒストグラムに従う(前景ピクセルと背景ピクセルとを有する)2つのクラスのピクセルが含まれ、クラス内分散の組み合わせが最小になるように2つのクラスを分離する最適な閾値を計算するアルゴリズムで決定される。他の実施形態では、方法で、クラス間分散が最大になるように2つのクラスを分離する最適な閾値を計算する。
【0081】
画像マスクを生成する際に、対象のグレースケール画像の各ピクセルは、決定された強度閾値と比較され、バイナリピクセル値に変換される。対象のグレースケール画像の各ピクセルは、所望に応じて、決定された強度閾値と任意の順序で比較され得る。いくつかの実施形態では、対象のグレースケール画像の各水平行に沿ったピクセルが、決定された強度閾値と比較される。いくつかの例では、各ピクセルは、対象のグレースケール画像の左側から対象のグレースケール画像の右側まで、決定された強度閾値と比較される。他の例では、各ピクセルは、対象のグレースケール画像の右側から対象のグレースケール画像の左側まで、決定された強度閾値と比較される。他の実施形態では、対象のグレースケール画像の各垂直列に沿ったピクセルが、決定された強度閾値と比較される。いくつかの例では、各ピクセルは、各垂直列に沿って対象のグレースケール画像の上部から対象のグレースケール画像の下部まで、決定された強度閾値と比較される。他の例では、各ピクセルは、各垂直列に沿って対象のグレースケール画像の下部から対象のグレースケール画像の上部まで、決定された強度閾値と比較される。
【0082】
画像化される流れ内の対象のサイズと、サンプルから光を収集するために使用される光学系(以下でより詳細に説明)とに応じて、対象のグレースケール画像内のピクセルの全ての部分が、強度閾値と比較され得る。例えば、本方法を実施する際に、対象のグレースケール画像内のピクセルの50%以上、例えば対象のグレースケール画像内のピクセルの60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば97%以上、及び99%以上が、強度閾値と比較され得る。特定の実施形態では、対象のグレースケール画像内の全て(100%)のピクセルが、強度閾値と比較される。
【0083】
上に要約したように、対象のグレースケール画像の各ピクセルはバイナリピクセル値に変換される。検出された光のタイプに応じて、各ピクセルには、1のバイナリピクセル値又は0のバイナリピクセル値が割り当てられる。1つの例では、方法で、流れからの光吸収(例えば、明視野画像データ)を検出し、ピクセル強度が強度閾値よりも小さい場合は対象のグレースケール画像の各ピクセルに1のバイナリピクセル値を割り当て、対象のグレースケール画像のピクセル強度が強度閾値よりも大きい場合は0のバイナリピクセル値を割り当てる。別の例では、方法で、流れ内の対象からの光散乱を検出し、ピクセル強度が強度閾値より大きい場合にグレースケール画像の各ピクセルに1のバイナリピクセル値を割り当て、ピクセル強度が強度閾値より小さい場合に0のバイナリピクセル値を割り当てる。更に別の例では、方法で、流れ内の対象からの蛍光を検出し、ピクセル強度が強度閾値よりも大きい場合に対象のグレースケール画像内の各ピクセルに1のバイナリピクセル値を割り当て、ピクセル強度が強度閾値よりも小さい場合に0のバイナリピクセル値を割り当てる。
【0084】
バイナリピクセル値が水平行に対して対象のグレースケール画像の各ピクセルに割り当てられる場合、いくつかの実施形態では、方法で更に、1のバイナリピクセル値を有する水平行の第1のピクセルを決定し、1のバイナリピクセル値を有する水平行の最後のピクセルを決定する。1つの例では、方法で、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から最後のピクセルを決定する。別の例では、方法で、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から最後のピクセルを決定する。他の実施形態では、方法で更に、0のバイナリピクセル値を有する水平行の第1のピクセルを決定し、0のバイナリピクセル値を有する水平行の最後のピクセルを決定する。1つの例では、方法で、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から最後のピクセルを決定する。別の例では、方法で、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から最後のピクセルを決定する。
【0085】
バイナリピクセル値が垂直列に沿って対象のグレースケール画像の各ピクセルに割り当てられる場合、いくつかの実施形態では、方法で更に、1のバイナリピクセル値を有する垂直列に沿って第1のピクセルを決定し、1のバイナリピクセル値を有する垂直列に沿って最後のピクセルを決定する。1つの例では、方法は、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から最後のピクセルを決定する。別の例では、方法で、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から最後のピクセルを決定する。他の実施形態では、方法で更に、0のバイナリピクセル値を有する垂直列に沿って第1のピクセルを決定し、0のバイナリピクセル値を有する垂直列の最後のピクセルを決定する。1つの例では、方法で、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から最後のピクセルを決定する。別の例では、方法で、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から最後のピクセルを決定する。
【0086】
いくつかの実施形態では、方法で、空間データに基づいて対象の1つ以上の特徴を評価する。例えば、方法で、空間データに基づいて、対象のサイズ、対象の重心、水平軸芯若しくは垂直軸芯に沿った対象の偏心度、又はそれらの組み合わせを決定し得る。いくつかの例では、方法で、対象の空間データに基づいてサイズ、重心、及び偏心度のうちの1つ以上を評価し、対象が細胞凝集体であるか否かを決定する。特定の例では、対象は、対象のサイズ及び重心に基づいて細胞凝集体であると決定される。他の例では、対象は、対象の決定されたサイズ及び偏心度に基づいて細胞凝集体であると決定される。更に他の例では、対象は、対象の決定された重心及び偏心度に基づいて、細胞凝集体であると決定される。更に他の例では、対象は、対象の決定されたサイズ、重心、及び偏心度に基づいて、細胞凝集体であると決定される。
【0087】
いくつかの実施形態では、方法で、生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特徴を評価する。例えば、方法では、生成された画像に基づいて、対象のサイズ、対象の重心、水平軸芯若しくは垂直軸芯に沿った対象の偏心度、又はそれらの組み合わせを決定し得る。いくつかの例では、方法で、対象の生成された画像に基づいてサイズ、重心、及び偏心度のうちの1つ以上を評価し、対象が細胞凝集体であるか否かを決定する。特定の例では、対象は、対象のサイズ及び重心に基づいて細胞凝集体であると決定される。他の例では、対象は、対象の決定されたサイズ及び偏心度に基づいて細胞凝集体であると決定される。更に他の例では、対象は、対象の決定された重心及び偏心度に基づいて細胞凝集体であると決定される。更に他の例では、対象は、対象の決定されたサイズ、重心、及び偏心度に基づいて細胞凝集体であると決定される。
【0088】
いくつかの実施形態では、方法で更に、対象の画像モーメントを計算する。「画像モーメント」という用語は、本明細書では、画像(例えば、生成された画像又は生成された画像マスク)内の空間データ又はピクセル強度の加重平均を指すべく、従来の意味で使用される。以下に説明するように、決定された画像モーメントを使用して、対象のピクセルの総強度、対象が占める総面積、対象の重心(すなわち、幾何学的中心)、及び(例えば、画像又は画像マスク内の)対象の向きを計算し得る。いくつかの実施形態では、画像モーメントは、以下に従って計算される。
【0089】
【0090】
ここで、mはx軸に沿って計算された画像モーメントであり、nはy軸に沿って計算された画像モーメントである。いくつかの例では、方法で、水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算する。他の例では、方法で、水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算する。更に他の例では、方法で、垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算する。更に他の例では、方法で、垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算する。
【0091】
いくつかの実施形態では、対象の1つ以上の特性は、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて決定される。例えば、方法では、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて、細胞のサイズ、細胞の重心、又は細胞の偏心度を決定し得る。これらの実施形態では、方法で、1つ以上の画像モーメントを計算し、その後、計算された画像モーメント及び空間データの両方を使用して細胞の特徴を決定する。
【0092】
いくつかの実施形態では、対象の1つ以上の特性は、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて決定される。例えば、方法で、対象の計算された画像モーメント及び生成された画像(例えば、画像又は画像マスク)に基づいて、細胞のサイズ、細胞の重心、又は細胞の偏心度を決定し得る。これらの実施形態では、方法で、1つ以上の画像モーメントを計算し、その後、対象の計算された画像モーメント及び画像の両方を使用して細胞の特徴を決定する。
【0093】
いくつかの例では、重心は、対象の画像モーメント及び生成された画像から計算され得る。例えば、対象の重心は、以下に従って、計算された画像モーメント及び生成された画像から決定され得る。
重心=M1,0/M0,0
【0094】
他の例では、対象の向きは、対象の画像モーメント及び生成された画像から計算され得る。例えば、対象の向きは、以下に従って、計算された画像モーメント及び生成された画像から決定され得る。
【0095】
【0096】
更に他の例では、対象の偏心度は、対象の画像モーメント及び生成された画像から計算され得る。例えば、対象の偏心度は、以下に従って、計算された画像モーメント及び生成された画像から決定され得る。
【0097】
【0098】
いくつかの実施形態では、方法で、1)対象の計算されたサイズ、2)対象の重心、3)対象の偏心度のうちの1つ以上を評価し、対象が粒子の凝集体(例えば、細胞凝集体)であるか、又は単一の粒子(例えば、単一細胞)であるかを識別する。いくつかの例では、対象は、対象の計算されたサイズに基づいて凝集体であると決定される。1つの例では、対象の計算されたサイズは、着目する細胞の所定のサイズと比較されて、対象を単一の粒子(例えば、単一細胞)又は凝集体であると分類する。この例では、所定のサイズは、標準的な較正サンプル又は参照サイズデータを使用して決定され得る。別の例では、対象の計算されたサイズが閾値と比較され、それにより、対象のサイズが閾値より大きいと決定された場合、対象は凝集体であると分類される。
【0099】
他の例では、対象は、対象の計算された重心に基づいて凝集体であると決定される。1つの例では、対象の計算された重心は、着目する細胞の所定の重心と比較されて、対象を単一の粒子(例えば、単一細胞)又は凝集体であると分類する。この例では、所定の重心は、着目する細胞の標準的な較正サンプル又は参照重心データを使用して決定され得る。
【0100】
更に他の例では、対象は、対象の計算された偏心度に基づいて凝集体であると決定される。1つの例では、対象の計算された偏心度は、着目する細胞の所定の偏心度と比較されて、対象を単一の粒子(例えば、単一細胞)又は凝集体であると分類する。この例では、所定の偏心度は、着目する細胞の標準的な較正サンプル又は参照偏心度データを使用して決定され得る。
【0101】
特定の例では、対象は、対象の決定されたサイズ及び重心に基づいて凝集体であると識別される。他の例では、対象は、対象の決定されたサイズ及び偏心度に基づいて凝集体であると識別される。更に他の例では、対象は、対象の決定された重心及び偏心度に基づいて凝集体であると識別される。更に他の例では、対象は、対象の決定されたサイズ、重心、及び偏心度に基づいて凝集体であると識別される。
【0102】
対象が凝集体(例えば、細胞凝集体)であるか否かを決定する際に、特定の例では、方法で、1)計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価する。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、前方光散乱検出器出力又は側方光散乱検出器出力又はそれらの組み合わせであり得る。実施形態では、光散乱検出器出力信号は、信号パルス幅、信号パルス高さ、及び信号パルス面積、又はそれらの組み合わせであり得る。1つの例では、方法で、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて、対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス幅を評価する。別の例では、方法で、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて、対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス高さを評価する。更に別の例では、方法で、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて、対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス面積を評価する。
【0103】
特定の例では、方法で、1)計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価する。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、前方光散乱検出器出力又は側方光散乱検出器出力又はそれらの組み合わせであり得る。実施形態では、光散乱検出器出力信号は、信号パルス幅、信号パルス高さ、及び信号パルス面積、又はそれらの組み合わせであり得る。1つの例では、方法で、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス幅を評価する。別の例では、方法で、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス高さを評価する。更に別の例では、方法で、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス面積を評価する。
【0104】
特定の実施形態では、方法で、1)光散乱検出器出力信号のパルス幅、パルス高さ、及びパルス面積の夫々を評価し、続いて2)計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価する。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器のうちの1つ以上から収集され得る。いくつかの例では、これらの実施形態による本方法で使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器から収集される。他の例では、本方法で使用される光散乱検出器出力信号は、前方散乱検出器から収集される。更に他の例では、本方法で使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器の両方から収集される。
【0105】
特定の実施形態では、方法で、1)光散乱検出器出力信号のパルス幅、パルス高さ、及びパルス面積の夫々を評価し、続いて2)計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価する。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器のうちの1つ以上から収集され得る。いくつかの例では、これらの実施形態による本方法で使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器から収集される。他の例では、本方法で使用される光散乱検出器出力信号は、前方散乱検出器から収集される。更に他の例では、本方法で使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器の両方から収集される。
【0106】
いくつかの例では、方法で、対象が、2つ以上の細胞、例えば3つ以上の細胞、例えば4つ以上の細胞、5つ以上の細胞が流れの水平軸芯に対して共に整列する水平細胞凝集体であると決定する。他の例では、方法で、対象が、2つ以上の細胞、例えば3つ以上の細胞、例えば4つ以上の細胞、5つ以上の細胞が流れの垂直軸芯(すなわち、長手軸芯)に沿って共に整列する垂直細胞凝集体であると決定する。更に他の例では、方法で、対象が、水平軸芯に対して共に整列する2つ以上の細胞を有し、垂直軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を有する組み合わせ細胞凝集体であると決定する。
【0107】
図1A及び
図1Bは、特定の実施形態による、画像化された細胞凝集体の画像を示す。
図1Aは、垂直軸芯に沿って(つまり、流れの長手軸芯に沿って)2つの細胞が共に整列する垂直方向に向いた細胞凝集体を示す。いくつかの実施形態では、
図1Aの対象は、y軸に沿って計算された二次画像モーメントに基づいて、垂直に整列する細胞凝集体として識別され得る。
図1Bは、水平軸芯に沿って(つまり、流れの長手軸芯に直交して)2つの細胞が共に整列する水平方向に向いた細胞凝集体を示す。いくつかの実施形態では、
図1Bの対象は、x軸に沿って計算された二次画像モーメントに基づいて、水平に整列する細胞凝集体として識別され得る。
【0108】
図2A及び
図2Bは、特定の実施形態による、単一細胞と細胞凝集体とを区別するための画像及び計算された偏心度の使用を示す。
図2Aは単一細胞を示し、
図2Bは4つの細胞の凝集体を示す。光散乱検出器出力信号に基づいて、
図2Aの単一細胞及び
図2Bの細胞凝集体は、同様の出力信号パラメータ(例えば、出力信号のパルス幅、パルス高さ、及びパルス面積)を示す。
図2A及び
図2Bに示す画像を生成して偏心度を計算することにより、
図2Aの対象は、本方法に従って単一細胞であると正しく識別されることができ、
図2Bの対象は細胞凝集体であると正しく識別されることができる。
【0109】
図3は、特定の実施形態による、流れ内の対象を画像化して特徴付けするためのフローチャートを示す。ステップ301で、流れ内の対象からの光(光吸収、散乱光、又は放出)を検出する。ステップ302で、対象の空間データを生成する。ステップ303で、対象の画像(例えば、グレースケール画像)を生成する。ステップ304で、画像からのピクセルに基づいてピクセル強度閾値を決定する。特定の実施形態では、ステップ305で、各ピクセルの強度を決定されたピクセル強度閾値と比較することによって、画像内の各ピクセルをバイナリピクセル値に変換する。次にステップ306で、バイナリピクセル値を使用して画像マスクを生成する。ステップ307で、画像化された対象の1つ以上の特性を、空間データ、生成された画像(又は画像マスク)から決定する。ステップ308で、決定された特性に基づいて、対象は、凝集体(例えば、細胞凝集体)又は単一の粒子(例えば、単一細胞)であると識別する。いくつかの例では、光散乱検出器出力信号(パルス幅、パルス高さ及びパルス面積)を評価し(ステップ309)、対象を識別するために更に使用される。
【0110】
上に要約したように、本開示の方法で更に、対象の空間データ、生成された画像、生成された画像マスク、計算された画像モーメント、1つ以上の決定された特性(例えば、サイズ、重心、偏心度)、又はそれらの組み合わせに基づいて対象を選別する。「選別」という用語は、本明細書では、サンプルの成分(例えば、細胞を含む液滴、生体高分子などの非細胞粒子を含む液滴)を分離して、いくつかの例では、分離された成分を1つ以上のサンプル収集コンテナに送達することを指すべく、従来の意味で使用される。例えば、方法で、サンプルの2つ以上の成分、例えば3つ以上の成分、例えば4つ以上の成分、例えば5つ以上の成分、例えば10以上の成分、例えば15以上の成分、サンプルの25以上の成分を選別し得る。いくつかの実施形態では、対象は単一細胞であると識別され、第1のサンプル成分収集場所に選別される。他の実施形態では、対象は、細胞凝集体であると識別され、第2のサンプル成分収集場所に選別される。いくつかの例では、第1のサンプル成分収集場所はサンプル収集コンテナを含み、第2のサンプル成分収集場所は廃棄物収集コンテナを含む。
【0111】
流れ内のサンプルから対象を選別する際に、方法には、コンピュータなどを使用したデータの取得、分析、及び記録が含まれ、複数のデータチャネルが、対象の画像又は画像マスクの生成に使用される各検出器(例えば、散乱検出器、明視野光検出器又は蛍光検出器)からのデータを記録する。これらの実施形態では、分析する際に、各粒子が一組のデジタル化されたパラメータ値として存在するように、粒子を分類してカウントする。着目する粒子をバックグラウンド及びノイズから区別するために、選択されたパラメータでトリガするように本システム(以下で説明)を設定し得る。
【0112】
次に、着目する特定の亜集団(例えば、単一細胞)は、集団全体について収集されたデータに基づいて「ゲーティングする」ことによって更に分析され得る。適切なゲートを選択するために、データは、可能な限り亜集団を最適に分離するようにプロットされる。この手順は、画像モーメント又は決定された特性(例えば、サイズ、重心、偏心度)の内の1つ以上をプロットすることによって実行され得る。他の実施形態では、方法で、2次元ドットプロット上に前方光散乱(FSC)対側方(すなわち直交)光散乱(SSC)をプロットする。更に他の実施形態では、方法で、前方光散乱(FSC)及び側方(すなわち直交)光散乱(SSC)のうちの1つ以上に対して、決定された特性(例えば、サイズ、重心、偏心度)の内の1つ以上をプロットする。更に他の実施形態では、方法で、前方光散乱(FSC)及び側方(すなわち直交)光散乱(SSC)について粒子の集団をゲーティングし、続いて、対象の画像に基づいて決定された特性(例えば、サイズ、重心、偏心度)のうちの1つ以上に基づいてゲーティングする。更に他の実施形態では、方法で、対象の画像に基づいて決定された特性(例えば、サイズ、重心、偏心度)のうちの1つ以上に基づいて粒子の集団をゲーティングし、続いて前方光散乱(FSC)及び側方(つまり直交)光散乱(SSC)について粒子の集団をゲーティングする。更に他の実施形態では、方法で、対象の画像に基づいて、前方光散乱(FSC)出力信号及び側方(すなわち直交)光散乱(SSC)出力信号、並びに決定された特性(例えば、サイズ、重心、偏心度)の内の1つ以上を評価し、対象を単一の粒子(例えば、単一細胞)又は凝集体(例えば、細胞凝集体)であると分類し、続いて対象の分類に基づいてゲーティングする。
【0113】
次に、対象の亜集団(つまり、ゲート内のそれらの単一細胞)が選択され、ゲート内に無い粒子が除外される。所望の場合、コンピュータ画面上のカーソルを使用して所望の亜集団の周りに線を引くことにより、ゲートを選択し得る。その後、ゲート内のそれらの粒子のみが、蛍光など、これらの粒子の他のパラメータをプロットすることによって更に分析される。所望の場合、上記の分析は、サンプル中の着目する粒子のカウントをもたらすように構成され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、サンプルの成分を選別するための方法で、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月28日に出願された米国特許出願公開第2017/0299493号明細書に記載されているような偏向板を有する粒子選別モジュールを用いて粒子(例えば、生物学的サンプル中の細胞)を選別する。特定の実施形態では、サンプルの細胞は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2019年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/803264号明細書に記載されているものなど、複数の選別決定ユニットを有する選別決定モジュールを使用して選別される。
【0115】
サンプル中の粒子を特徴付けるためのシステム
上に要約したように、本開示の態様は、サンプルの粒子(例えば、生物学的サンプル中の細胞)を特徴付けるためのシステムを含む。特定の実施形態によるシステムは、流れ中の細胞を有するサンプルに照射するように構成された光源、光検出器を有する光検出システム、及びメモリが格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備えており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに調査領域での流れ内の対象の空間データを生成させ、空間データに基づいて流れ内の対象が細胞凝集体であるか否かを決定させる。
【0116】
着目するシステムは、流れ中のサンプルに照射するように構成された光源を備えている。実施形態では、光源は、任意の適切な広帯域又は狭帯域の光源であり得る。サンプル中の成分(例えば、細胞、ビーズ、非細胞粒子など)に応じて、光源は、200nm~1500nm、例えば250nm~1250nm、例えば300nm~1000nm、例えば350nm~900nm、及び400nm~800nmの範囲で様々である光の波長を放出するように構成され得る。例えば、光源は、200nm~900nmの波長を有する光を放出する広帯域光源を含み得る。他の例では、光源は、200nm~900nmの範囲の波長を放出する狭帯域光源を含む。例えば、光源は、200nm~900nmの範囲の波長を有する光を放出する狭帯域LED(1nm~25nm)であり得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、光源はレーザである。着目するレーザには、パルスレーザ又は連続波レーザが含まれ得る。例えば、レーザは、ヘリウム-ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2 レーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ又はキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ又はそれらの組み合わせなどのガスレーザ;スチルベンレーザ、クマリンレーザ又はローダミンレーザなどの色素レーザ;ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ又は金レーザ及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザ;ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4 レーザ、Nd:YCa4 O(BO3 )3 レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウム2 O3 レーザ又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザ;半導体ダイオードレーザ、光ポンピング半導体レーザ(OPSL)、又は上記のレーザのいずれかの周波数2倍器又は周波数3倍器であり得る。
【0118】
他の実施形態では、光源は、限定されないがハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプなどのランプ、連続スペクトルを有する広帯域LED、スーパールミネッセント発光ダイオード、半導体発光ダイオード、ワイドスペクトルLED白色光源、マルチLED一体型などの発光ダイオード等の非レーザ光源である。いくつかの例では、非レーザ光源は、他の光源の中でも、安定化ファイバ結合広帯域光源、白色光源、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0119】
特定の実施形態では、光源は、周波数シフト光の2つ以上のビームを生成するように構成された光ビーム発生器である。いくつかの例では、光ビーム発生器は、レーザ、高周波駆動信号を音響光学デバイスに与えて2つ以上の角度偏向レーザビームを生成するように構成された高周波発生器を含む。これらの実施形態では、レーザは、パルスレーザ又は連続波レーザであり得る。例えば、着目する光ビーム発生器のレーザは、ヘリウム-ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2 レーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ又はキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ又はそれらの組み合わせなどのガスレーザ;スチルベンレーザ、クマリンレーザ又はローダミンレーザなどの色素レーザ;ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ又は金レーザ及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザ;ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4 レーザ、Nd:YCa4 O(BO3 )3 レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリウムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウム2 O3 レーザ又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザであり得る。
【0120】
音響光学デバイスは、与えられた音響波を使用してレーザ光を周波数シフトするように構成された任意の都合の良い音響光学プロトコルであり得る。特定の実施形態では、音響光学デバイスは音響光学偏向器である。本システムの音響光学デバイスは、レーザからの光及び与えられた高周波駆動信号から角度偏向レーザビームを生成するように構成される。高周波駆動信号は、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)、任意波形発生器(AWG)、又は電気パルス発生器などの任意の適切な高周波駆動信号源を用いて音響光学デバイスに与えられ得る。
【0121】
実施形態では、制御装置は、高周波駆動信号を音響光学デバイスに与えて、出力レーザビーム内に所望の数の角度偏向レーザビームを生成するように構成され、例えば、3つ以上の高周波駆動信号、例えば4つ以上の高周波駆動信号、例えば5つ以上の高周波駆動信号、例えば6つ以上の高周波駆動信号、例えば7つ以上の高周波駆動信号、例えば8つ以上の高周波駆動信号、例えば9つ以上の高周波駆動信号、例えば10以上の高周波駆動信号、例えば15以上の高周波駆動信号、例えば25以上の高周波駆動信号、例えば50以上の高周波駆動信号を与えるように構成され、及び100以上の高周波駆動信号を与えるように構成される。
【0122】
いくつかの例では、出力レーザビーム内の角度偏向レーザビームの強度プロファイルを生成するために、制御装置は、例えば約0.001V~約500V、例えば約0.005V~約400V、例えば約0.01V~約300V、例えば約0.05V~約200V、例えば約0.1V~約100V、例えば約0.5V~約75V、例えば約1V~50V、例えば約2V~40V、例えば3V~約30V、及び約5V~約25Vのように様々な振幅を有する高周波駆動信号を与えるように構成される。与えられる各高周波駆動信号は、いくつかの実施形態では、約0.001MHz~約500MHz、例えば約0.005MHz~約400MHz、例えば約0.01MHz~約300MHz、例えば約0.05MHz~約200MHz、例えば約0.1MHz~約100MHz、例えば約0.5MHz~約90MHz、例えば約1MHz~約75MHz、例えば約2MHz~約70MHz、例えば約3MHz~約65MHz、例えば約4MHz~約60MHz、及び約5MHz~約50MHzの周波数を有する。
【0123】
特定の実施形態では、制御装置は、メモリが格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、所望の強度プロファイルを有する角度偏向レーザビームを有する出力レーザビームを生成させる。例えば、メモリは、2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば10以上、例えば25以上、及び50以上の同じ強度を有する角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得、メモリは、同じ強度を有する100以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得る。他の実施形態では、メモリは、2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば10以上、例えば25以上、及び50以上の異なる強度を有する角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得、メモリは、異なる強度を有する100以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得る。
【0124】
特定の実施形態では、制御装置は、メモリが格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸芯に沿って出力レーザビームのエッジから中心に向かって増加する強度を有する出力レーザビームを生成させる。これらの例では、出力ビームの中心での角度偏向レーザビームの強度は、水平軸芯に沿った出力レーザビームのエッジでの角度偏向レーザビームの強度の0.1%~約99%、例えば約0.5%~約95%、例えば1%~約90%、例えば約2%~約85%、例えば約3%~約80%、例えば約4%~約75%、例えば約5%~約70%、例えば約6%~約65%、例えば約7%~約60%、例えば約8%~約55%、及び水平軸芯に沿った出力レーザビームのエッジでの角度偏向レーザビームの強度の約10%~約50%の範囲であり得る。他の実施形態では、制御装置は、メモリが格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸芯に沿って出力レーザビームのエッジから中心に向かって増加する強度を有する出力レーザビームを生成させる。これらの例では、出力ビームのエッジでの角度偏向レーザビームの強度は、水平軸芯に沿った出力レーザビームの中心での角度偏向レーザビームの強度の0.1%~約99%、例えば0.5%~約95%、例えば1%~約90%、例えば約2%~約85%、例えば約3%~約80%、例えば約4%~約75%、例えば約5%~約70%、例えば約6%~約65%、例えば約7%~約60%、例えば約8%~約55%、及び水平軸芯に沿った出力レーザビームの中心での角度偏向レーザビームの強度の約10%~約50%の範囲であり得る。更に他の実施形態では、制御装置は、メモリが格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸芯に沿ってガウス分布の強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。更に他の実施形態では、制御装置は、メモリが格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸芯に沿ってシルクハット強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。
【0125】
実施形態では、着目する光ビーム発生器は、空間的に分離した出力レーザビーム内の角度偏向レーザビームを生成するように構成され得る。与えられる高周波駆動信号及び出力レーザビームの所望の照射プロファイルに応じて、角度偏向レーザビームは、0.001μm以上、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm、例えば500μm以上、例えば1000μm以上、及び5000μm以上、分離され得る。いくつかの実施形態では、システムは、出力レーザビームの水平軸芯に沿って隣接する角度偏向レーザビームなど、重なる出力レーザビーム内の角度偏向レーザビームを生成するように構成される。隣接する角度偏向レーザビーム間の重なり(ビームスポットの重なりなど)は、0.001μm以上の重なり、例えば0.005μm以上の重なり、例えば0.01μm以上の重なり、例えば0.05μm以上の重なり、例えば0.1μm以上の重なり、例えば0.5μm以上の重なり、例えば1μm以上の重なり、例えば5μm以上の重なり、例えば10μm以上の重なり、及び100μm以上の重なりであり得る。
【0126】
特定の例では、周波数シフト光の2つ以上のビームを生成するように構成された光ビーム発生器は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9423353号明細書、米国特許第9784661号明細書及び米国特許第10006852号明細書並びに米国特許出願公開第2017/0133857号明細書及び米国特許出願公開第2017/0350803号明細書に記載されているようなレーザ励起モジュールを含む。
【0127】
実施形態では、システムは、サンプルからの光を検出して測定するための1つ以上の光検出器を有する光検出システムを備えている。着目する光検出器は、サンプルからの光吸収(例えば、明視野光データ)、光散乱(例えば、前方散乱光データ又は側方散乱光データ)、発光(例えば、蛍光光データ)、又はそれらの組み合わせを測定するように構成され得る。着目する光検出器には、他の光検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、イメージセンサ、電荷結合デバイス(CCD)、強化電荷結合デバイス(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、熱電検出器、フォトレジスタ、光起電力セル、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、及びそれらの組み合わせなどの光学センサが含まれ得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、サンプルからの光は、電荷結合デバイス(CDD)、半導体電荷結合デバイス(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ又はN型金属酸化膜半導体(NMOS)イメージセンサで測定される。
【0128】
いくつかの実施形態では、着目する光検出システムは、複数の光検出器を含む。いくつかの例では、光検出システムは、フォトダイオードなどの複数の固体検出器を含む。特定の例では、光検出システムは、フォトダイオードのアレイなどの光検出器アレイを含む。これらの実施形態では、光検出器アレイは、4つ以上の光検出器、例えば10以上の光検出器、例えば25以上の光検出器、例えば50以上の光検出器、例えば100以上の光検出器、例えば250以上の光検出器、例えば500以上の光検出器、例えば750以上の光検出器及び1000以上の光検出器を含み得る。例えば、検出器は、4つ以上のフォトダイオード、例えば10以上のフォトダイオード、例えば25以上のフォトダイオード、例えば50以上のフォトダイオード、例えば100以上のフォトダイオード、例えば250以上のフォトダイオード、例えば500以上のフォトダイオード、例えば750以上のフォトダイオード、例えば1000以上のフォトダイオードを有するフォトダイオードアレイであり得る。
【0129】
光検出器は、所望により任意の幾何学的構成で配置され得、着目する配置には、正方形構成、長方形構成、台形構成、三角形構成、六角形構成、七角形構成、八角形構成、九角形構成、十角形構成、十二角形構成、円形構成、楕円形構成、及び不規則なパターンの構成が含まれるが、これらに限定されない。光検出器アレイ内の光検出器は、(X-Z平面で参照されるように)他に対して、10°~180°、例えば15°~170°、例えば20°~160°、例えば25°~150°、例えば30°~120°、及び45°~90°の範囲の角度で方向付けられ得る。光検出器アレイは、任意の適切な形状であり得、直線形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線形状、例えば、円形、楕円形、並びに不規則な形状、例えば、平面状上部部分に結合された放物線状底部部分であり得る。特定の実施形態では、光検出器アレイは、長方形の作動表面を有する。
【0130】
アレイ内の各光検出器(例えば、フォトダイオード)は、幅が5μm~250μm、例えば10μm~225μm、例えば15μm~200μm、例えば20μm~175μm、例えば25μm~150μm、例えば30μm~125μm、及び50μm~100μmの範囲であり、長さが5μm~250μm、例えば10μm~225μm、例えば15μm~200μm、例えば20μm~175μm、例えば25μm~150μm、例えば30μm~125μm、及び50μm~100μmの範囲である作動表面を有し得る。アレイ内の各光検出器(例えば、フォトダイオード)の表面積は、25μm2 ~10000μm2 、例えば50μm2 ~9000μm2 、例えば75μm2 ~8000μm2 、例えば100μm2 ~7000μm2 、例えば150μm2 ~6000μm2 、及び200μm2 ~5000μm2 の範囲である。
【0131】
光検出器アレイのサイズは、光の量及び強度、光検出器の数、及び所望の感度に応じて様々であり得、0.01mm~100mm、例えば0.05mm~90mm、例えば0.1mm~80mm、例えば0.5mm~70mm、例えば1mm~60mm、例えば2mm~50mm、例えば3mm~40mm、例えば4mm~30mm及び5mm~25mmの範囲の長さを有し得る。光検出器アレイの幅もまた様々であり得、0.01mm~100mm、例えば0.05mm~90mm、例えば0.1mm~80mm、例えば0.5mm~70mm、例えば1mm~60mm、例えば2mm~50mm、例えば3mm~40mm、例えば4mm~30mm、及び5mm~25mmの範囲である。従って、光検出器アレイの作動表面は、0.1mm2 ~10000mm2 、例えば0.5mm2 ~5000mm2 、例えば1mm2 ~1000mm2 、例えば5mm2 ~500mm2 、及び10mm2 ~100mm2 の範囲であり得る。
【0132】
着目する光検出器は、1つ以上の波長、例えば2つ以上の波長、例えば5つ以上の異なる波長、例えば10以上の異なる波長、例えば25以上の異なる波長、例えば50以上の異なる波長、例えば100以上の異なる波長、例えば200以上の異なる波長、例えば300以上の異なる波長で収集された光を測定するように構成され、400以上の異なる波長で流れ内のサンプルによって放出された光を測定するように構成される。
【0133】
いくつかの実施形態では、光検出器は、ある範囲の波長(例えば、200nm~1000nm)に亘って収集された光を測定するように構成される。特定の実施形態では、着目する光検出器は、ある範囲の波長に亘る光のスペクトルを収集するように構成される。例えば、システムは、200nm~1000nmの波長範囲の内の1つ以上に亘る光のスペクトルを収集するように構成された1つ以上の検出器を含み得る。更に他の実施形態では、着目する検出器は、1つ以上の特定の波長で流れ内のサンプルからの光を測定するように構成される。例えば、システムは、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上で光を測定するように構成された1つ以上の検出器を備え得る。
【0134】
光検出システムは、光を連続的又は別々の間隔で測定するように構成される。いくつかの例では、着目する光検出器は、収集された光を連続的に測定するように構成される。他の例では、光検出システムは別々の間隔で測定するように構成され、例えば0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、及び1000ミリ秒毎又は他の間隔で光を測定するように構成される。
【0135】
実施形態では、システムは、照射されたサンプルからの光を分析し、流れ内の対象の空間データを生成するように構成される。着目するシステムはコンピュータ制御システムを備えることができ、システムは、本明細書に記載の方法を実施するためのシステムの完全な自動化又は部分的な自動化のための1つ以上のコンピュータを更に備えている。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを備えており、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、流れ中のサンプルを有するフローセルに光源で照射し、複数の光検出器を有する光検出システムでフローセルからの光を検出し、流れ内の対象の空間データを生成し、空間データに基づいて対象が凝集体(例えば、細胞凝集体)であるか否かを決定するための命令を含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、システムは、例えば、サンプルの1つ以上の成分が生成された画像に基づいて選別されることができるように、流れ内の対象の画像をリアルタイムで生成するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを備えており、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、流れ中のサンプルを有するフローセルに光源で照射し、複数の光検出器を有する光検出システムでフローセルからの光を検出し、流れ内の対象の画像を生成し、生成された画像に基づいて、画像化された対象が凝集体(例えば、細胞凝集体)であるか否かを決定するための命令を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを備えており、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、検出された光から流れ内の対象の画像を生成するための命令を更に含む。画像は、検出された光吸収、検出された光散乱、検出された発光、又はそれらの任意の組み合わせから生成され得る。特定の実施形態では、流れ内の対象の画像はグレースケール画像である。いくつかの例では、グレースケール画像は、明視野光検出器などによって、サンプルから検出された光吸収から本システムによって生成される。これらの例では、グレースケール画像は、流れ内の細胞からの明視野画像データに基づいて生成される。他の例では、グレースケール画像は、側方散乱検出器、前方散乱検出器、又は側方散乱検出器と前方散乱検出器との組み合わせなどによって、サンプルから検出された光散乱から本システムによって生成される。これらの例では、グレースケール画像は、散乱光画像データに基づいて生成される。更に他の例では、グレースケール画像は、サンプルに追加されたフルオロフォアからの光など、サンプルから放出された光から本システムによって生成される。これらの例では、グレースケール画像は、蛍光画像データ(すなわち、細胞上又は細胞内の蛍光化合物からの画像データ)に基づいて生成される。更に他の例では、グレースケール画像は、検出された光吸収、検出された光散乱、及び検出された発光の組み合わせから本システムによって生成される。
【0138】
本システムは、検出された光から対象の1つ以上の画像を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、単一の画像が、検出された光の各形態から生成される。例えば、対象の第1の画像は、検出された光吸収から生成され、対象の第2の画像は、検出された光散乱から生成され、対象の第3の画像は、検出された発光から生成される。他の実施形態では、2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、及び10以上又はそれらの組み合わせの画像が、検出された光の各形態から生成される。
【0139】
いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを備えており、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると対象の画像マスクを生成するための命令を更に含む。これらの実施形態では、システムは、グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定するための命令を含むメモリを備えている。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、グレースケール画像のクラス内分散を最小化し、最小化されたクラス内分散に基づく(又はクラス間分散が最大である場合の)ピクセル強度閾値を計算することによって、グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定させる命令を含む。
【0140】
システムは、グレースケール画像の各ピクセルを決定された強度閾値と比較し、各ピクセルをバイナリピクセル値に変換するための命令を含むメモリを備えている。いくつかの実施形態では、メモリは、グレースケール画像の各水平行に沿ったピクセルを決定された強度閾値と比較するための命令を含む。いくつかの例では、メモリは、グレースケール画像の左側からグレースケール画像の右側までピクセルを決定された強度閾値と比較するための命令を含む。他の例では、メモリは、グレースケール画像の右側からグレースケール画像の左側までピクセルを決定された強度閾値と比較するための命令を含む。他の実施形態では、メモリは、グレースケール画像の各垂直列に沿ったピクセルを、決定された強度閾値と比較するための命令を含む。いくつかの例では、メモリは、各垂直列に沿ってグレースケール画像の上部からグレースケール画像の下部までピクセルを決定された強度閾値と比較するための命令を含む。他の例では、メモリは、各垂直列に沿ってグレースケール画像の下部からグレースケール画像の上部までピクセルを決定された強度閾値と比較するための命令を含む。
【0141】
検出された光のタイプに応じて、各ピクセルには、1のバイナリピクセル値又は0のバイナリピクセル値が割り当てられる。1つの例では、システムは、流れからの光吸収(例えば、明視野画像データ)を検出し、ピクセル強度が強度閾値よりも小さい場合はグレースケール画像の各ピクセルに1のバイナリピクセル値を割り当て、グレースケール画像のピクセル強度が強度閾値よりも大きい場合は0のバイナリピクセル値を割り当てるための命令を含むコンピュータプログラムを含む。別の例では、システムは、流れ内の対象からの光散乱を検出し、ピクセル強度が強度閾値よりも大きい場合にグレースケール画像の各ピクセルに1のバイナリピクセル値を割り当て、ピクセル強度が強度閾値よりも小さい場合は0のバイナリピクセル値を割り当てるための命令を含むコンピュータプログラムを含む。更に別の例では、システムは、流れ内の対象からの蛍光を検出し、ピクセル強度が強度閾値よりも大きい場合にグレースケール画像の各ピクセルに1のバイナリピクセル値を割り当て、ピクセル強度が強度閾値よりも小さい場合に0のバイナリピクセル値を割り当てるための命令を含むコンピュータプログラムを含む。
【0142】
バイナリピクセル値が本システムによって水平行に対してグレースケール画像の各ピクセルに割り当てられる場合、いくつかの実施形態では、システムは、1のバイナリピクセル値を有する水平行の第1のピクセルを更に決定し、1のバイナリピクセル値を有する水平行の最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。1つの例では、システムは、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。別の例では、システムは、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。他の実施形態では、システムは、0のバイナリピクセル値を有する水平行の第1のピクセルを更に決定し、0のバイナリピクセル値を有する水平行の最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。1つの例では、システムは、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。別の例では、システムは、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。
【0143】
バイナリピクセル値が垂直列に沿ってグレースケール画像の各ピクセルに割り当てられる場合、いくつかの実施形態では、システムは、1のバイナリピクセル値を有する垂直列に沿って第1のピクセルを更に決定し、1のバイナリピクセル値を有する垂直列に沿って最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。1つの例では、システムは、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。別の例では、システムは、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。他の実施形態では、システムは、0のバイナリピクセル値を有する垂直列に沿って第1のピクセルを更に決定し、0のバイナリピクセル値を有する垂直列の最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。1つの例では、システムは、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。別の例では、システムは、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から最後のピクセルを決定するための命令を含むコンピュータプログラムを含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを備えており、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性を決定するための命令を更に含む。例えば、システムは、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて、細胞のサイズ、細胞の重心、又は細胞の偏心度を決定するための命令を有するメモリを備え得る。これらの実施形態では、システムは、1つ以上の画像モーメントを計算し、次に、計算された画像モーメント及び空間データの両方を使用して細胞の特徴を決定するように構成される。
【0145】
いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを備えており、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性を決定するための命令を更に含む。例えば、システムは、対象の計算された画像モーメント及び生成された画像(例えば、画像又は画像マスク)に基づいて、細胞のサイズ、細胞の重心、又は細胞の偏心度を決定するための命令を含むメモリを備え得る。これらの実施形態では、システムは、1つ以上の画像モーメントを計算し、次に、対象の計算された画像モーメント及び画像の両方を使用して細胞の特徴を決定するように構成される。
【0146】
いくつかの例では、重心は、対象の画像モーメント及び生成された画像から計算され得る。例えば、システムは、以下に従って、計算された画像モーメント及び生成された画像から対象の重心を決定するように構成され得る。
重心=M1,0/M0,0
【0147】
他の例では、対象の向きは、対象の画像モーメント及び生成された画像から計算され得る。例えば、システムは、以下に従って、計算された画像モーメント及び生成された画像から対象の向きを決定するように構成され得る。
【0148】
【0149】
更に他の例では、対象の偏心度は、対象の画像モーメント及び生成された画像から計算され得る。例えば、システムは、以下に従って、計算された画像モーメント及び生成された画像から、対象の偏心度を決定するように構成され得る。
【0150】
【0151】
特定の実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを備えており、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされると、1)対象の計算されたサイズ、2)対象の重心及び3)対象の偏心度のうちの1つ以上を評価し、対象が粒子の凝集体(例えば、細胞凝集体)であるか、又は単一の粒子(例えば、単一細胞)であるかを識別するための命令を更に含む。いくつかの例では、システムは、対象の計算されたサイズに基づいて、対象が凝集体であると決定するように構成される。他の例では、システムは、対象の計算された重心に基づいて、対象が凝集体であると決定するように構成される。更に他の例では、システムは、対象の計算された偏心度に基づいて、対象が凝集体であると決定するように構成される。
【0152】
特定の例では、システムは、1)計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価するための命令を含むメモリを備えている。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、前方光散乱検出器出力又は側方光散乱検出器出力又はそれらの組み合わせであり得る。実施形態では、光散乱検出器出力信号は、信号パルス幅、信号パルス高さ、及び信号パルス面積、又はそれらの組み合わせであり得る。1つの例では、システムは、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス幅を評価するための命令を含むメモリを備えている。別の例では、システムは、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス高さを評価するための命令を含むメモリを備えている。更に別の例では、システムは、計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス面積を評価するための命令を含むメモリを備えている。
【0153】
特定の実施形態では、システムは、1)光散乱検出器出力信号のパルス幅、パルス高さ、及びパルス面積の夫々を評価し、続いて2)計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価するための命令を含むメモリを備えている。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器のうちの1つ以上から収集され得る。いくつかの例では、これらの実施形態による本システムによって使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器から収集される。他の例では、使用される光散乱検出器出力信号は、前方散乱検出器から収集される。更に他の例では、使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器の両方から収集される。
【0154】
特定の例では、システムは、1)計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価するための命令を含むメモリを備えている。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、前方光散乱検出器出力又は側方光散乱検出器出力又はそれらの組み合わせであり得る。実施形態では、光散乱検出器出力信号は、信号パルス幅、信号パルス高さ、及び信号パルス面積、又はそれらの組み合わせであり得る。1つの例では、システムは、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス幅を評価するための命令を含むメモリを備えている。別の例では、システムは、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス高さを評価するための命令を含むメモリを備えている。更に別の例では、システムは、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス面積を評価するための命令を含むメモリを備えている。
【0155】
特定の実施形態では、システムは、1)光散乱検出器出力信号のパルス幅、パルス高さ、及びパルス面積の夫々を評価し、続いて2)計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価するための命令を含むメモリを備えている。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器のうちの1つ以上から収集され得る。いくつかの例では、これらの実施形態による本システムによって使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器から収集される。他の例では、使用される光散乱検出器出力信号は、前方散乱検出器から収集される。更に他の例では、使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器の両方から収集される。
【0156】
いくつかの例では、システムは、対象が、2つ以上の細胞、例えば3つ以上の細胞、例えば4つ以上の細胞、5つ以上の細胞が流れの水平軸芯に対して共に整列する水平細胞凝集体であると決定するための命令を含むメモリを備えている。他の例では、システムは、対象が、2つ以上の細胞、例えば3つ以上の細胞、例えば4つ以上の細胞、及び5つ以上の細胞が流れの垂直軸芯(すなわち、長手軸芯)に沿って共に整列する垂直細胞凝集体であると決定するための命令を含むメモリを備えている。更に他の例では、システムは、対象が、水平軸芯に対して共に整列する2つ以上の細胞を有し、垂直軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を有する組み合わせ細胞凝集体であると決定するための命令を含むメモリを備えている。
【0157】
いくつかの実施形態では、システムは、流れ内の対象の周波数符号化データから空間データを計算するための命令を含むメモリを備えている。これらの実施形態では、システムは、周波数符号化データの変換を実行することによって空間データを計算するように構成される。1つの例では、周波数符号化データのフーリエ変換(FT)を実行することによって、空間データは計算される。別の例では、周波数符号化データの離散フーリエ変換(DFT)を実行することによって、空間データは計算される。更に別の例では、周波数符号化データの短時間フーリエ変換(STFT)を実行することによって、空間データは計算される。更に別の例では、デジタルロックインアンプを使用して周波数符号化データのヘテロダイン及び逆多重化を行って、空間データは計算される。
【0158】
いくつかの実施形態による選別システムは、ディスプレイ及びオペレータ入力デバイスを備え得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであり得る。処理モジュールは、本方法のステップを実行するための命令が記憶されているメモリにアクセスできるプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)制御装置、システムメモリ、メモリストレージデバイス、及び入出力制御装置、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、及び他の多くのデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得、又は、利用可能であるか、若しくは利用可能になる予定の他のプロセッサの1つであり得る。プロセッサはオペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェースし、当技術分野で知られているようにJava、Perl、C++、その他の高水準言語又は低水準言語、及びそれらの組み合わせなど、様々なプログラム言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが調整及び実行するのを容易にする。オペレーティングシステムは、通常はプロセッサと連携して、コンピュータの他の要素の機能を調整及び実行する。オペレーティングシステムは、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、及び通信制御、並びに関連サービスも、全て既知の手法に従って提供する。プロセッサは、任意の適切なアナログ又はデジタルシステムであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えばネガティブフィードバック制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0159】
システムメモリは、様々な既知又は今後のメモリストレージデバイスのいずれかであり得る。例として、一般的に利用可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスク又はテープなどの磁気媒体、読み取り及び書き込みコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、又はその他のメモリストレージデバイスが含まれる。メモリストレージデバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、又はディスケットドライブを含む、様々な既知又は今後のデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリストレージデバイスは、通常、夫々、コンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブルハードディスク、又はフロッピーディスケットなどのプログラム記憶媒体(図示せず)から読み取り及び/又はこのようなプログラム記憶媒体に書き込みする。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されている、又は後で開発され得る他の媒体は、コンピュータプログラム製品と見なされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶する。コンピュータ制御ロジックとも称されるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリ及び/又はメモリストレージデバイスと組み合わせて使用されるプログラムストレージデバイスに格納される。
【0160】
いくつかの実施形態では、制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)が格納されたコンピュータ使用可能媒体を含むコンピュータプログラム製品が説明されている。制御ロジックは、コンピュータのプロセッサによって実行されると、プロセッサに本明細書に記載の機能を実行させる。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えば、ハードウェアステートマシンを使用して、ハードウェアに主に実装される。本明細書に記載の機能を実行するためのハードウェアステートマシンの実装は、関連技術分野の当業者には明らかである。
【0161】
メモリは、磁気ストレージデバイス、光ストレージデバイス又はソリッドステートストレージデバイス(磁気ディスク若しくは光ディスク、又はテープ、又はRAM、又は固定若しくはポータブルのその他の適切なデバイスを含む)など、プロセッサがデータを保存及び検索できる任意の適切なデバイスであり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを保持するコンピュータ可読媒体から適切にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラムは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供されるか、或いは、メモリに関連するそれらのデバイスのいずれかを使用してメモリ又はその他のポータブル若しくは固定のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に事前に保存され得る。例えば、磁気ディスク又は光ディスクがプログラムを保持することができ、ディスクライタ/リーダによって読み取られることができる。本発明のシステムはまた、上記の方法を実施する際に使用するためのアルゴリズムの、例えばコンピュータプログラム製品の形態のプログラムを含む。本発明によるプログラムは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接、読み取られてアクセスされ得る任意の媒体に記録され得る。このような媒体には、フロッピーディスク、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープなどの磁気記憶媒体;CD-ROMなどの光記憶媒体;RAM及びROMなどの電気記憶媒体;ポータブルフラッシュドライブ;磁気/光学ストレージメディアなどの、これらのカテゴリのハイブリッドが含まれるが、これらに限定されない。
【0162】
プロセッサは、通信チャネルにアクセスして、遠隔地にいるユーザと通信し得る。遠隔地とは、ユーザがシステムに直接、接しておらず、携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、電話網、衛星ネットワーク又は他の適切な通信チャネルに接続されたコンピュータなどの外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0163】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワーク及び/又は別のデバイスと通信するための受信機及び/又は送信機を含む。通信インターフェースは、無線(RF)通信(例えば、無線識別(RFID)、Zigbee通信プロトコル、WiFi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、Ultra-Wide Band(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル)、及び符号分割マルチアクセス(CDMA)又はグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)などのセルラー通信を含むがこれらに限定されない有線通信又は無線通信用に構成され得る。
【0164】
1つの実施形態では、通信インターフェースは、本システムと、同様の補完的なデータ通信用に構成された(例えば、医者の診療所又は病院環境での)コンピュータ端末などの他の外部デバイスとのデータ通信を可能にする、1つ以上の通信ポート、例えば、USBポート、RS-232ポート又は任意の他の適切な電気接続ポートなどの物理ポート又はインターフェースを含むように構成される。
【0165】
1つの実施形態では、本システムがコンピュータ端末及び/又はネットワーク、通信対応携帯電話、携帯情報端末、又はユーザが共に使用し得る任意の他の通信デバイスなどの他のデバイスと通信し得るために、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又は任意の他の適切な無線通信プロトコル用に構成される。
【0166】
1つの実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されているローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、又はWiFiホットスポットでのインターネットへのWiFi接続を介したインターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成される。
【0167】
1つの実施形態では、本システムは、例えば、802.11又はBluetooth(登録商標)RFプロトコル、又はIrDA赤外線プロトコルなどの一般的な規格を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線通信するよう構成される。サーバデバイスは、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、若しくはノートブックコンピュータなどの別のポータブルデバイス、又は、デスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大きなデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LDC)などのディスプレイ、並びにボタン、キーボード、マウス又はタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0168】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、上記の通信プロトコル及び/又はメカニズムの1つ以上を使用して、本システム、例えば、オプションのデータストレージユニットに格納されたデータをネットワーク又はサーバデバイスと自動的又は半自動的に通信するよう構成される。
【0169】
出力制御装置は、ローカルであろうとリモートであろうと、人間であろうと機械であろうと、ユーザに情報を提示するための様々な既知のディスプレイデバイスのいずれかのための制御装置を含み得る。ディスプレイデバイスの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、通常、ピクセルのアレイとして論理的及び/又は物理的に構造化され得る。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)制御装置は、システムとユーザとの間にグラフィカル入力・出力インターフェースを提供し、ユーザ入力を処理するための、様々な既知又は今後のソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信の幾つかは、ネットワーク又は他のタイプのリモート通信を使用して、代替の実施形態で達成され得る。出力マネージャはまた、既知の技術に従って、例えばインターネット、電話又は衛星ネットワークを介して、遠隔地にいるユーザに処理モジュールによって生成された情報を提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技術に従って実施され得る。いくつかの例として、データには、SQL、HTML又はXMLドキュメント、電子メール若しくはその他のファイル、又はその他の形式のデータが含まれ得る。ユーザがリモートソースから追加のSQL、HTML、XML、又はその他のドキュメント若しくはデータを検索し得るように、データにはインターネットURLアドレスが含まれ得る。本システムに存在する1つ以上のプラットフォームは、通常サーバと一般に称されるコンピュータのクラスになるが、既知のコンピュータプラットフォームの任意のタイプ又は今後開発されるタイプであり得る。しかし、このようなプラットフォームは、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、又はその他のコンピュータタイプであり得る。このようなプラットフォームは、ネットワーク化されているか否かに関わらず、既知又は今後のタイプのケーブル又はワイヤレスシステムを含む他の通信システムを介して接続され得る。このようなプラットフォームは同じ場所に配置されている場合もあれば、物理的に離れている場合もある。場合によっては選択したコンピュータプラットフォームのタイプ及び/又は構成に応じて、様々なオペレーティングシステムを任意のコンピュータプラットフォームで採用し得る。適切なオペレーティングシステムには、Windows 10、Windows NT(登録商標)、Windows XP、Windows 7、Windows 8、iOS、Sun Solaris、Linux(登録商標)、OS/400、Compaq Tru64 Unix、SGI IRIX、Siemens Reliant Unix、Ubuntu、Zorin OS及び他のものが含まれる。
【0170】
特定の実施形態では、本システムは、(例えばレーザから)サンプルに照射された光又はサンプルから収集された光(例えば、散乱、蛍光)などの光を調整するための1つ以上の光学調整要素を備えている。例えば、光学的調整は、光の寸法、光の焦点を増加させるか又は光を平行にするためであってもよい。いくつかの例では、光学的調整は、光(例えばビームスポット)の寸法を増加させるための拡大プロトコルであり、例えば、寸法を5%以上、例えば10%以上、例えば25%以上、例えば50%以上増加させて、寸法を75%以上増加させることである。他の実施形態では、光学的調整は、光の寸法を例えば5%以上、例えば10%以上、例えば25%以上、例えば50%以上縮小し、ビームスポットの寸法を75%以上縮小するように光を集束させることである。特定の実施形態では、光学的調整は、光を平行にすることを含む。「平行にする」という用語は、光伝搬の共線性を光学的に調整するか、又は共通の伝搬軸芯からの光による発散を低減することを指すべく、従来の意味で使用される。いくつかの例では、平行にする際に、光ビームの空間断面を狭める(例えば、レーザのビームプロファイルを縮小する)。
【0171】
いくつかの実施形態では、光学調整要素は、0.1~0.95の倍率、例えば0.2~0.9の倍率、例えば0.3~0.85の倍率、例えば0.35~0.8の倍率、例えば0.5~0.75の倍率、及び0.55~0.7の倍率、例えば0.6の倍率を有する集束レンズである。例えば、集束レンズは、特定の例では、約0.6の倍率を有する二重アクロマティック倍率縮小レンズである。集束レンズの焦点距離は様々であり得、5mm~20mm、例えば6mm~19mm、例えば7mm~18mm、例えば8mm~17mm、例えば9mm~16mmの範囲であり、10mm~15mmの範囲である。特定の実施形態では、集束レンズは、約13mmの焦点距離を有する。
【0172】
他の実施形態では、光学調整要素はコリメータである。コリメータは、1つ以上のミラー又は湾曲レンズ又はそれらの組み合わせなどの任意の都合の良いコリメータプロトコルであり得る。例えば、コリメータは、特定の例では単一のコリメータレンズである。他の例では、コリメータはコリメータミラーである。更に他の例では、コリメータは2つのレンズを含む。更に他の例では、コリメータはミラー及びレンズを含む。コリメータが1つ以上のレンズを含む場合、コリメータレンズの焦点距離は様々であり得、5mm~40mm、例えば6mm~37.5mm、例えば7mm~35mm、例えば8mm~32.5mm、例えば9mm~30mm、例えば10mm~27.5mm、例えば12.5mm~25mmの範囲であり、15mm~20mmの範囲である。
【0173】
いくつかの実施形態では、本システムはフローセルノズルを備えており、フローセルノズルは、フローセルノズルを通して流れを流すように構成されたノズルオリフィスを有している。本フローセルノズルは、流体サンプルをサンプル調査領域に伝播するオリフィスを有し、いくつかの実施形態では、フローセルノズルは、長手軸芯を定める近位円筒形部分と、長手軸芯を横断するノズルオリフィスを有する平坦面で終端する遠位円錐台形部分とを含む。(長手軸芯に沿って測定される)近位円筒部分の長さは様々であり得、1mm~15mm、例えば1.5mm~12.5mm、例えば2mm~10mm、例えば3mm~9mm、及び4mm~8mmの範囲である。(長手軸芯に沿って測定される)遠位円錐台形部分の長さも様々であり得、1mm~10mm、例えば2mm~9mm、例えば3mm~8mm、及び4mm~7mmの範囲である。フローセルノズルチャンバの直径は様々であり得、いくつかの実施形態では、1mm~10mm、例えば2mm~9mm、例えば3mm~8mm、及び4mm~7mmの範囲である。
【0174】
特定の例では、ノズルチャンバは円筒形部分を含まず、フローセルノズルチャンバ全体が円錐台形状である。これらの実施形態では、(ノズルオリフィスを横断する長手軸芯に沿って測定される)円錐台形ノズルチャンバの長さは、1mm~15mm、例えば1.5mm~12.5mm、例えば2mm~10mm、例えば3mm~9mm、及び4mm~8mmの範囲であり得る。円錐台形ノズルチャンバの近位部分の直径は、1mm~10mm、例えば2mm~9mm、例えば3mm~8mm、及び4mm~7mmの範囲であり得る。
【0175】
実施形態では、サンプルの流れは、フローセルノズルの遠位端にあるオリフィスから放出される。流れの所望の特徴に応じて、フローセルノズルオリフィスはあらゆる適切な形状であってもよく、着目する断面形状は、直線断面形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線状断面形状、例えば、円形、楕円形、並びに不規則な形状、例えば、平面状上部に結合された放物線状下部を含むがこれらに限定されない。特定の実施形態では、着目するフローセルノズルは、円形のオリフィスを有する。ノズルオリフィスのサイズは、様々であり得、いくつかの実施形態では、1μm~20000μm、例えば2μm~17500μm、例えば5μm~15000μm、例えば10μm~12500μm、例えば15μm~10000μm、例えば25μm~7500μm、例えば50μm~5000μm、例えば75μm~1000μm、例えば100μm~750μm、及び150μm~500μmの範囲である。特定の実施形態では、ノズルオリフィスは100μmである。
【0176】
いくつかの実施形態では、フローセルノズルは、フローセルノズルにサンプルを与えるように構成されたサンプル注入ポートを有する。実施形態では、サンプル注入システムは、フローセルノズルチャンバにサンプルの適切な流れを与えるように構成される。流れの所望の特徴に応じて、サンプル注入ポートによってフローセルノズルチャンバに運ばれるサンプルの速度は、1μL/秒以上、例えば2μL/秒以上、例えば3μL/秒以上、例えば5μL/秒以上、例えば10μL/秒以上、例えば15μL/秒以上、例えば25μL/秒以上、例えば50μL/秒以上、例えば100μL/秒以上、例えば150μL/秒以上、例えば200μL/秒以上、例えば250μL/秒以上、例えば300μL/秒以上、例えば350μL/秒以上、例えば400μL/秒以上、例えば450μL/秒以上、及び500μL/秒以上であり得る。例えば、サンプル流量は、1μL/秒~約500μL/秒、例えば2μL/秒~約450μL/秒、例えば3μL/秒~約400μL/秒、例えば4μL/秒~約350μL/秒、例えば5μL/秒~約300μL/秒、例えば6μL/秒~約250μL/秒、例えば7μL/秒~約200μL/秒、例えば8μL/秒~約150μL/秒、例えば9μL/秒~約125μL/秒及び10μL/秒~約100μL/秒の範囲であり得る。
【0177】
サンプル注入ポートは、ノズルチャンバの壁に配置されたオリフィスであり得るか、又はノズルチャンバの近位端に配置された導管であり得る。サンプル注入ポートがノズルチャンバの壁に配置されたオリフィスである場合、サンプル注入ポートのオリフィスはあらゆる適切な形状であってもよく、着目する断面形状は、直線断面形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線断面形状、例えば、円形、楕円形など、並びに不規則な形状、例えば、平面状上部に結合された放物線状下部を含むがこれらに限定されない。特定の実施形態では、サンプル注入ポートは円形のオリフィスを有する。サンプル注入ポートのオリフィスのサイズは、特定の例では0.1mm~5.0mm、例えば0.2~3.0mm、例えば0.5mm~2.5mm、例えば0.75mm~2.25mm、例えば1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mmの範囲、例えば1.5mmの開口部を有する形状に応じて様々であり得る。
【0178】
特定の例では、サンプル注入ポートは、フローセルノズルチャンバの近位端に配置された導管である。例えば、サンプル注入ポートは、サンプル注入ポートのオリフィスがフローセルノズルオリフィスと一直線になるように配置された導管であり得る。サンプル注入ポートがフローセルノズルオリフィスと一直線になるように配置された導管である場合、サンプル注入ポートの断面形状はあらゆる適切な形状であってもよく、着目する断面形状は、直線断面形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線断面形状、例えば、円形、楕円形、並びに不規則な形状、例えば、平面状上部に結合された放物線状下部を含むがこれらに限定されない。導管のオリフィスは、特定の例では0.1mm~5.0mm、例えば0.2~3.0mm、例えば0.5mm~2.5mm、例えば0.75mm~2.25mm、例えば1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mmの範囲、例えば1.5mmの開口部を有する形状によって様々であり得る。サンプル注入ポートの先端の形状は、サンプル注入ポートの断面形状と同じであっても異なっていてもよい。例えば、サンプル注入ポートのオリフィスは、1°~10°、例えば2°~9°、例えば3°~8°、例えば4°~7°の範囲の斜角、及び5°の斜角を有する斜角先端を含み得る。
【0179】
いくつかの実施形態では、フローセルノズルはまた、フローセルノズルにシース流体を与えるように構成されたシース流体注入ポートを含む。実施形態では、シース流体注入システムは、例えばサンプルと合わせてフローセルノズルチャンバにシース流体の流れを与えて、サンプルの流れを囲むシース流体の積層流れを生成するように構成される。流れの所望の特徴に応じて、フローセルノズルチャンバに運ばれるシース流体の速度は、25μL/秒以上、例えば50μL/秒以上、例えば75μL/秒以上、例えば100μL/秒以上、例えば250μL/秒以上、例えば500μL/秒以上、例えば750μL/秒以上、例えば1000μL/秒以上、及び2500μL/秒以上であり得る。例えば、シース流体の流量は、1μL/秒~約500μL/秒、例えば2μL/秒~約450μL/秒、例えば3μL/秒~約400μL/秒、例えば4μL/秒~約350μL/秒、例えば5μL/秒~約300μL/秒、例えば6μL/秒~約250μL/秒、例えば7μL/秒~約200μL/秒、例えば8μL/秒~約150μL/秒、例えば9μL/秒~約125μL/秒、及び10μL/秒~約100μL/秒の範囲であり得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、シース流体注入ポートは、ノズルチャンバの壁に配置されたオリフィスである。シース流体注入ポートオリフィスはあらゆる適切な形状であってもよく、着目する断面形状は、直線断面形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形など、曲線断面形状、例えば、円形、楕円形、並びに不規則な形状、例えば、平面状上部に結合された放物線状下部を含むがこれらに限定されない。サンプル注入ポートオリフィスのサイズは、特定の例では0.1mm~5.0mm、例えば0.2~3.0mm、例えば0.5mm~2.5mm、例えば0.75mm~2.25mm、例えば1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mmの範囲、例えば1.5mmの開口部を有する形状に応じて様々であり得る。
【0181】
本システムは、特定の例では、フローセルノズルオリフィスと流体連通するサンプル調査領域を含む。これらの例では、サンプルの流れは、フローセルノズルの遠位端でオリフィスから放出され、流れ内の粒子は、サンプル調査領域にて光源で照射され得る。調査領域のサイズは、ノズルオリフィスのサイズ及びサンプル注入ポートのサイズなど、フローノズルの特性によって様々であり得る。実施形態では、調査領域は、0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2mm以上、例えば3mm以上、例えば5mm以上、及び10mm以上の幅を有し得る。調査領域の長さも様々であり得、いくつかの例では、0.01mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば1.5mm以上、例えば2mm以上、例えば3mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば20mm以上、例えば25mm以上、及び50mm以上の範囲である。
【0182】
調査領域は、放出流れの平面断面の照射を容易にするように構成され得るか、又は所定の長さの拡散場の(例えば、拡散レーザ又はランプによる)照射を容易にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、調査領域は、例えば1mm以上、例えば2mm以上、例えば3mm以上、例えば4mm以上、例えば5mm以上、及び10mm以上などの所定の長さの放出流れの照射を容易にする透明な窓を含む。(以下に説明するように)放出流れを照射するために使用される光源に応じて、調査領域は、100nm~1500nm、例えば150nm~1400nm、例えば200nm~1300nm、例えば250nm~1200nm、例えば300nm~1100nm、例えば350nm~1000nm、例えば400nm~900nm、及び500nm~800nmの範囲の光を通過させるように構成され得る。従って、調査領域は、所望の波長範囲を通過させる任意の透明材料から形成されることができ、透明材料として、光学ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、紫外線石英、赤外線石英、サファイア、及びプラスチック、例えばポリカーボネート、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、又はこれらの熱可塑性プラスチックのコポリマー、例えば、他の高分子プラスチック材料の中でも、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどを含むがこれらに限定されない。着目するポリエステルには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ボトルグレードPET(モノエチレングリコール、テレフタル酸、及びイソフタル酸、シクロヘキセンジメタノールなどの他のコモノマーに基づいて作られたコポリマー)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、及びポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)などのポリ(アルキレンテレフタレート);ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4-ブチレンアジペート)、及びポリ(ヘキサメチレンアジペート)などのポリ(アルキレンアジペート);ポリ(エチレンスベレート)などのポリ(アルキレンスベレート);ポリ(エチレンセバケート)などのポリ(アルキレンセバケート);ポリ(ε-カプロラクトン)及びポリ(β-プロピオラクトン);ポリ(エチレンイソフタレート)などのポリ(アルキレンイソフタレート);ポリ(エチレン2,6-ナフタレン-ジカルボキシレート)などのポリ(アルキレン2,6-ナフタレン-ジカルボキシレート);ポリ(エチレンスルホニル-4,4’-ジベンゾエート)などのポリ(アルキレンスルホニル-4,4’-ジベンゾエート);ポリ(p-フェニレンエチレンジカルボン酸塩)などのポリ(p-フェニレンアルキレンジカルボン酸塩);ポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルエチレンジカルボキシレート)などのポリ(トランス-1,4-シクロヘキサンジイルアルキレンジカルボキシレート);ポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート);ポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1,4-ジメチレンエチレンジカルボキシレート)などのポリ([2.2.2]-ビシクロオクタン-1,4-ジメチレンアルキレンジカルボキシレート);(S)-ポリラクチド、(R,S)-ポリラクチド、ポリ(テトラメチルグリコリド)、及びポリ(ラクチド-コ-グリコリド)などの乳酸ポリマー及びコポリマー;並びに、ビスフェノールA、3,3’-ジメチルビスフェノールA、3,3’,5,5’-テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’-テトラメチルビスフェノールAのポリカーボネート;ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)などのポリアミド;ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、例えば、Mylar(商標)ポリエチレンテレフタレート;などが含まれ得るがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、本システムは、サンプル調査領域に配置されたキュベットを備えている。実施形態では、キュベットは、100nm~1500nm、例えば150nm~1400nm、例えば200nm~1300nm、例えば250nm~1200nm、例えば300nm~1100nm、例えば350nm~1000nm、例えば400nm~900nm、及び500nm~800nmの範囲の光を通過させ得る。
【0183】
いくつかの実施形態では、本システムは、サンプルの細胞を選別するための粒子選別要素を備えている。特定の例において、粒子選別要素は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月28日に出願された米国特許出願公開第2017/0299493号明細書及び2018年10月30日に出願された米国仮特許出願第62/752793号明細書に記載されているような粒子選別モジュールである。特定の実施形態では、粒子選別要素は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月14日に出願された米国特許出願公開第2018/0095022号明細書に記載されているような1つ以上の液滴偏向器を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、本システムはフローサイトメトリックシステムである。適切なフローサイトメトリーシステムには、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Ormerod(編)、Flow Cytometry:A Practical Approach、Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeskiら(編)、Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91、Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry、3rd ed.,Wiley-Liss(1995);Virgoら(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28;Lindenら、Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11;Alisonら、J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344;及びHerbigら、(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載のフローサイトメトリーシステムが含まれ得るが、これらに限定されない。特定の例において、着目するフローサイトメトリーシステムには、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortess(商標)X-20フローサイトメータ及びBD Biosciences FACSCalibur(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSCount(商標)細胞選別機、BD Biosciences FACSLyric(商標)細胞選別機及びBD Biosciences Via(商標)細胞選別機、BD Biosciences Influx(商標)細胞選別機、BD Biosciences Jazz(商標)細胞選別機、BD Biosciences Aria(商標)細胞選別機及びBD Biosciences FACSMelody(商標)細胞選別機などが含まれる。
【0185】
いくつかの実施形態では、本粒子選別システムは、その開示が参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第1006852号明細書、米国特許第9952076号明細書、米国特許第9933341号明細書、米国特許第9784661号明細書、米国特許第9726527号明細書、米国特許第9453789号明細書、米国特許第9200334号明細書、米国特許第9097640号明細書、米国特許第9095494号明細書、米国特許第9092034号明細書、米国特許第8975595号明細書、米国特許第8753573号明細書、米国特許第8233146号明細書、米国特許第8140300号明細書、米国特許第7544326号明細書、米国特許第7201875号明細書、米国特許第7129505号明細書、米国特許第6821740号明細書、米国特許第6813017号明細書、米国特許第6809804号明細書、米国特許第6372506号明細書、米国特許第5700692号明細書、米国特許第5643796号明細書、米国特許第5627040号明細書、米国特許第5620842号明細書、米国特許第5602039号明細書に記載されているようなフローサイトメトリックシステムである。
【0186】
特定の例において、本システムは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Dieboldら、Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)、並びに、米国特許第9423353号明細書、米国特許第9784661号明細書及び米国特許第10006852号明細書、並びに、米国特許出願公開第2017/0133857号明細書及び米国特許出願公開第2017/0350803号明細書に記載されているような、高周波タグ付き発光を使用する蛍光イメージング(FIRE)によって流れ中の粒子をイメージングするように構成されたフローサイトメトリーシステムである。
【0187】
集積回路デバイス
本開示の態様はまた、流れ内の対象の空間データを生成し、空間データに基づいて対象が凝集体(例えば、細胞凝集体)であるか否かを決定するようにプログラムされた集積回路デバイスを含む。特定の実施形態では、本集積回路デバイスは、対象を選別するように構成される。いくつかの実施形態では、着目する集積回路デバイスは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。他の実施形態では、集積回路デバイスは、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。更に他の実施形態では、集積回路デバイスは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)を含む。
【0188】
特定の実施形態による集積回路デバイスは、流れ内の対象の空間データを生成するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、光吸収検出器からのデータ信号(例えば、明視野画像データ)から空間データを生成するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、光散乱検出器からのデータ信号(例えば、前方散乱画像データ、側方散乱画像データ)から空間データを生成するようにプログラムされる。更に他の実施形態では、集積回路デバイスは、発光検出器からのデータ信号(例えば、蛍光マーカ画像データ)から空間データを生成するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、検出された光吸収、検出された光散乱、及び検出された蛍光の2つ以上の組み合わせから対象の空間データを生成するようにプログラムされる。
【0189】
いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、空間データに基づいて対象のサイズを決定するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、空間データに基づいて対象の重心を決定するようにプログラムされる。更に他の実施形態では、集積回路デバイスは、空間データに基づいて対象の偏心度を決定するようにプログラムされる。特定の実施形態では、画像モーメントが、空間データに基づいて計算される。いくつかの例では、集積回路デバイスは、水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。他の例では、集積回路デバイスは、水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するようにプログラムされる。
【0190】
いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、検出された光から流れ内の対象の画像を生成するようにプログラムされる。画像は、検出された光吸収、検出された光散乱、検出された発光、又はそれらの任意の組み合わせから生成され得る。本集積回路デバイスは、検出された光から対象の1つ以上の画像を生成するようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、単一の画像が、検出された光の各形態から生成される。例えば、対象の第1の画像が、検出された光吸収から生成され、対象の第2の画像が、検出された光散乱から生成され、対象の第3の画像が、検出された発光から生成される。他の実施形態では、2つ以上の画像、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、及び10以上の画像又はそれらの組み合わせが、検出された光の各形態から生成される。
【0191】
いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、対象の画像マスクを生成するようにプログラムされる。これらの実施形態では、集積回路デバイスは、グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、グレースケール画像のクラス内分散を最小化し、最小化されたクラス内分散(又はクラス間分散は最大である)に基づくピクセル強度閾値を計算することによって、グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定するようにプログラムされる。
【0192】
集積回路デバイスは、グレースケール画像の各ピクセルを決定された強度閾値と比較し、各ピクセルをバイナリピクセル値に変換するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、グレースケール画像の各水平行に沿ったピクセルを、決定された強度閾値と比較するようにプログラムされる。いくつかの例では、集積回路デバイスは、グレースケール画像の左側からグレースケール画像の右側までピクセルを決定された強度閾値と比較するようにプログラムされる。他の例では、集積回路デバイスは、グレースケール画像の右側からグレースケール画像の左側までピクセルを決定された強度閾値と比較するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、グレースケール画像の各垂直列に沿ったピクセルを決定された強度閾値と比較するようにプログラムされる。いくつかの例では、集積回路デバイスは、各垂直列に沿ってグレースケール画像の上部からグレースケール画像の下部までピクセルを決定された強度閾値と比較するようにプログラムされる。他の例では、集積回路デバイスは、各垂直列に沿ってグレースケール画像の下部からグレースケール画像の上部までピクセルを決定された強度閾値と比較するようにプログラムされる。
【0193】
検出された光のタイプに応じて、各ピクセルには、1のバイナリピクセル値又は0のバイナリピクセル値が割り当てられる。1つの例では、集積回路デバイスは、流れからの光吸収(例えば、明視野画像データ)を検出し、ピクセル強度が強度閾値よりも小さい場合はグレースケール画像の各ピクセルに1のバイナリピクセル値を割り当て、グレースケール画像のピクセル強度が強度閾値よりも大きい場合は0のバイナリピクセル値を割り当てるようにプログラムされる。別の例では、集積回路デバイスは、流れ内の対象からの光散乱を検出し、ピクセル強度が強度閾値よりも大きい場合にグレースケール画像の各ピクセルに1のバイナリピクセル値を割り当て、ピクセル強度が強度閾値よりも小さい場合は0のバイナリピクセル値を割り当てるようにプログラムされる。更に別の例では、集積回路デバイスは、流れ内の対象からの蛍光を検出し、ピクセル強度が強度閾値よりも大きい場合にグレースケール画像の各ピクセルに1のバイナリピクセル値を割り当て、ピクセル強度が強度閾値よりも小さい場合に0のバイナリピクセル値を割り当てるようにプログラムされる。
【0194】
バイナリピクセル値が、本システムによって、水平行に対してグレースケール画像の各ピクセルに割り当てられる場合、いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、1のバイナリピクセル値を有する水平行の第1のピクセルを決定し、1のバイナリピクセル値を有する水平行の最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。1つの例では、集積回路デバイスは、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。別の例では、集積回路デバイスは、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、0のバイナリピクセル値を有する水平行の第1のピクセルを決定し、0のバイナリピクセル値を有する水平行の最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。1つの例では、集積回路デバイスは、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の左側から最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。別の例では、集積回路デバイスは、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する水平行の右側から最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。
【0195】
バイナリピクセル値が垂直列に沿ってグレースケール画像の各ピクセルに割り当てられる場合、いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、1のバイナリピクセル値を有する垂直列に沿って第1のピクセルを決定し、1のバイナリピクセル値を有する垂直列に沿って最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。1つの例では、集積回路デバイスは、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。別の例では、集積回路デバイスは、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた1のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、0のバイナリピクセル値を有する垂直列に沿って第1のピクセルを決定し、0のバイナリピクセル値を有する垂直列の最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。1つの例では、集積回路デバイスは、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の上部から最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。別の例では、集積回路デバイスは、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から第1のピクセルを決定し、割り当てられた0のバイナリピクセル値を有する垂直列の下部から最後のピクセルを決定するようにプログラムされる。
【0196】
いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて、対象の1つ以上の特性を決定するようにプログラムされる。例えば、集積回路デバイスは、対象の計算された画像モーメント及び生成された画像(例えば、画像又は画像マスク)に基づいて、細胞のサイズ、細胞の重心、又は細胞の偏心度を決定するようにプログラムされる。これらの実施形態では、集積回路デバイスは、1つ以上の画像モーメントを計算し、次に対象の計算された画像モーメント及び画像の両方を使用して細胞の特徴を決定するようにプログラムされる。
【0197】
いくつかの例では、重心は、対象の画像モーメント及び生成された画像から計算され得る。例えば、集積回路デバイスは、以下に従って、計算された画像モーメント及び生成された画像から対象の重心を決定するようにプログラムされ得る。
重心=M1,0/M0,0
【0198】
他の例では、対象の向きは、対象の画像モーメント及び生成された画像から計算され得る。例えば、集積回路デバイスは、以下に従って、計算された画像モーメント及び生成された画像から対象の向きを決定するようにプログラムされる。
【0199】
【0200】
更に他の例では、対象の偏心度は、対象の画像モーメント及び生成された画像から計算され得る。例えば、集積回路デバイスは、以下に従って、計算された画像モーメント及び生成された画像から対象の偏心度を決定するようにプログラムされる。
【0201】
【0202】
特定の実施形態では、集積回路デバイスは、1)対象の計算されたサイズ、2)対象の重心及び3)対象の偏心度のうちの1つ以上を評価し、対象が粒子の凝集体(例えば、細胞凝集体)であるか、単一の粒子(例えば、単一細胞)であるかを識別するようにプログラムされる。いくつかの例では、集積回路デバイスは、対象の計算されたサイズに基づいて、対象が凝集体であると決定するようにプログラムされる。他の例では、集積回路デバイスは、対象の計算された重心に基づいて、対象が凝集体であると決定するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、対象の計算された偏心度に基づいて、対象が凝集体であると決定するようにプログラムされる。
【0203】
特定の例では、集積回路デバイスは、1)計算された画像モーメント及び空間データに基づいて、対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、前方散乱光検出器からの出力信号を評価するようにプログラムされる。他の実施形態では、集積回路デバイスは、側方散乱光検出器からの出力信号を評価するようにプログラムされる。特定の実施形態では、集積回路デバイスは、パルス幅、パルス高さ、及びパルス面積のうちの1つ以上について光散乱検出器出力信号を評価するようにプログラムされる。
【0204】
特定の例では、集積回路デバイスは、1)計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性を評価し、2)流れの調査領域内の対象からの光散乱検出器出力信号を評価するようにプログラムされる。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、前方光散乱検出器出力又は側方光散乱検出器出力又はそれらの組み合わせであり得る。実施形態では、光散乱検出器出力信号は、信号パルス幅、信号パルス高さ、及び信号パルス面積、又はそれらの組み合わせであり得る。1つの例では、集積回路デバイスは、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス幅を評価するようにプログラムされる。別の例では、集積回路デバイスは、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス高さを評価するようにプログラムされる。更に別の例では、集積回路デバイスは、計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価し、光散乱検出器出力信号のパルス面積を評価するようにプログラムされる。
【0205】
特定の実施形態では、集積回路デバイスは、1)光散乱検出器出力信号のパルス幅、パルス高さ及びパルス面積を夫々評価し、続いて2)計算された画像モーメント及び空間データに基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価するようにプログラムされる。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器のうちの1つ以上から収集され得る。いくつかの例では、これらの実施形態に従って使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器から収集される。他の例では、使用される光散乱検出器出力信号は、前方散乱検出器から収集される。更に他の例では、使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器の両方から収集される。
【0206】
特定の実施形態では、集積回路デバイスは、1)光散乱検出器出力信号のパルス幅、パルス高さ、及びパルス面積を夫々評価し、続いて2)計算された画像モーメント及び生成された画像に基づいて対象の1つ以上の特性(サイズ、重心、偏心度)を評価するようにプログラムされる。これらの実施形態では、光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器のうちの1つ以上から収集され得る。いくつかの例では、これらの実施形態に従って使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器から収集される。他の例では、使用される光散乱検出器出力信号は、前方散乱検出器から収集される。更に他の例では、使用される光散乱検出器出力信号は、側方散乱検出器及び前方散乱検出器の両方から収集される。
【0207】
いくつかの例では、集積回路デバイスは、対象が、2つ以上の細胞、例えば3つ以上の細胞、例えば4つ以上の細胞、5つ以上の細胞が流れの水平軸芯に対して共に整列する水平細胞凝集体であると決定するようにプログラムされる。他の例では、集積回路デバイスは、対象が、2つ以上の細胞、例えば3つ以上の細胞、例えば4つ以上の細胞、5つ以上の細胞が流れの垂直軸芯(すなわち、長手軸芯)に沿って共に整列する垂直細胞凝集体であると決定するようにプログラムされる。更に他の例では、集積回路デバイスは、対象が、水平軸芯に対して共に整列する2つ以上の細胞を有し、垂直軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を有する組み合わせ細胞凝集体であると決定するようにプログラムされる。
【0208】
いくつかの実施形態では、集積回路デバイスは、流れ内の対象の周波数符号化データから空間データを計算するようにプログラムされる。これらの実施形態では、集積回路デバイスは、周波数符号化データの変換を実行することによって空間データを計算するようにプログラムされる。1つの例では、周波数符号化データのフーリエ変換(FT)を実行することによって、空間データは計算される。別の例では、周波数符号化データの離散フーリエ変換(DFT)を実行することによって、空間データは計算される。更に別の例では、周波数符号化データの短時間フーリエ変換(STFT)を実行することによって、空間データは計算される。更に別の例では、デジタルロックインアンプを使用して周波数符号化データのヘテロダイン及び逆多重化を行って、空間データは計算される。
【0209】
特定の実施形態では、集積回路デバイスは、生成された画像に基づいて又は計算されたパラメータ(例えば、重心、偏心度など)に基づいて(上記のように)選別決定を行うようにプログラムされる。これらの実施形態では、分析する際に、各粒子が一組のデジタル化されたパラメータ値として存在するように、粒子を分類してカウントする。本集積回路デバイスは、着目する粒子をバックグラウンド及びノイズから区別するために、選択されたパラメータに基づいて選別要素をトリガするようにプログラムされ得る。
【0210】
キット
本開示の態様は、キットを更に含み、キットは、本明細書に記載の集積回路デバイスのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、キットは、コンピュータ可読媒体(例えば、フラッシュドライブ、USBストレージ、コンパクトディスク、DVD、Blu-ray(登録商標)ディスクなど)の形態などの、本システムのためのプログラム、又はそのプログラムをインターネットウェブプロトコル若しくはクラウドサーバからダウンロードするための説明書を更に含み得る。キットには、本方法を実施するための説明書が更に含まれ得る。これらの説明書は、様々な形態で本キットに存在し得、そのうちの1つ以上がキットに存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、適切な媒体又は基板上に印刷された情報、例えば、情報が印刷された一枚又は複数枚の紙、キットの包装体、添付文書などである。これらの説明書の更に別の形態は、情報が記録されているコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得るこれらの説明書の更に別の形態は、離れた場所で情報にアクセスするためにインターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0211】
実用性
本システム、本方法、及び本コンピュータシステムは、生物学的サンプルなどの流体媒体中のサンプルの粒子成分を分析して選別することが望ましい様々な用途に使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるシステム及び方法は、蛍光タグで標識された生物学的サンプルのフローサイトメトリー特徴付けに使用される。他の実施形態では、システム及び方法は、放出された光の分光法に使用される。更に、本システム及び本方法は、(例えば、流れ中の)サンプルから収集された光から得られる信号を増加させる際に使用される。特定の例では、本開示は、フローサイトメータ内の流れに照射されるサンプルから収集された光の測定を高める際に使用される。本開示の実施形態は、細胞選別中の、改善された細胞選別精度、向上した粒子収集、粒子帯電効率、より正確な粒子帯電、及び向上した粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい場合に使用される。
【0212】
本開示の実施形態はまた、生物学的サンプルから調製された細胞が、研究、実験室試験、又は治療での使用のために望まれ得る用途に使用される。いくつかの実施形態では、本方法及び本デバイスは、標的の流体又は組織の生物学的サンプルから調製された個々の細胞の取得を容易にし得る。例えば、本方法及び本システムは、癌などの疾患の研究又は診断標本として使用される流体又は組織サンプルからの細胞の取得を容易にする。同様に、本方法及び本システムは、治療に使用される流体又は組織サンプルからの細胞の取得を容易にし得る。本開示の方法及びデバイスは、従来のフローサイトメトリーシステムと比較して高効率及び低コストで、生物学的サンプル(例えば、器官、組織、組織断片、流体)から細胞を分離して収集することを可能にする。
【0213】
添付の特許請求の範囲に関わらず、本開示は下記の付記により更に定義される。
【0214】
付記1. 流れ内の対象が細胞凝集体であるか否かを決定するための方法であって、
流れ内の細胞を含むサンプルからの光を検出し、
調査領域での流れ内の対象の空間データを生成して対象の空間データを取得し、
空間データに基づいて流れ内の対象が細胞凝集体であるか否かを決定する、方法。
【0215】
付記2. 流れ内のサンプルからの光を検出する際に、流れ内のサンプルからの光散乱を検出する、付記1に記載の方法。
【0216】
付記3. 流れ内のサンプルからの前方散乱光を検出する、付記2に記載の方法。
【0217】
付記4. 流れ内のサンプルからの側方散乱光を検出する、付記2に記載の方法。
【0218】
付記5. 空間データに基づいて対象のサイズを決定する、付記1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
付記6. 空間データに基づいて対象の重心を決定する、付記1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
付記7. 空間データに基づいて対象の偏心度を決定する、付記1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
付記8. 空間データに基づいて対象の画像モーメントを計算する、付記1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
付記9. 水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算する、付記8に記載の方法。
【0223】
付記10. 水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算する、付記8に記載の方法。
【0224】
付記11. 垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算する、付記8に記載の方法。
【0225】
付記12. 垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算する、付記8に記載の方法。
【0226】
付記13. 空間データから対象の画像を生成する、付記1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
付記14. 調査領域内の対象の画像を生成する際に、対象の画像マスクを生成する、付記12に記載の方法。
【0228】
付記15. 画像マスクを生成する際に、
流れ内の対象のグレースケール画像を生成し、
グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定し、
グレースケール画像からの各ピクセルを決定された閾値と比較し、
各ピクセルをバイナリピクセル値に変換する、付記14に記載の方法。
【0229】
付記16. 画像マスクは、1のピクセル値を有するピクセルを含む、付記15に記載の方法。
【0230】
付記17. 生成された画像マスクに基づいて対象のサイズを決定する、付記15~16のいずれか1つに記載の方法。
【0231】
付記18. 生成された画像マスクに基づいて対象の重心を決定する、付記15~16のいずれか1つに記載の方法。
【0232】
付記19. 生成された画像マスクに基づいて対象の偏心度を決定する、付記15~16のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
付記20. 対象が単一細胞であると決定する、付記1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0234】
付記21. 対象が2つ以上の細胞を含む細胞凝集体であると決定する、付記1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0235】
付記22. 細胞凝集体が、流れの長手軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を含むと決定する、付記21に記載の方法。
【0236】
付記23. 細胞凝集体が、流れの水平軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を含むと決定する、付記21に記載の方法。
【0237】
付記24. 流れに光源で照射する、付記1~23のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
付記25. 流れに、200nm~800nmの波長の光源で照射する、付記24に記載の方法。
【0239】
付記26. 周波数符号化画像を生成する、付記1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
付記27. 周波数符号化画像を生成する際に、周波数シフト光の第1のビーム及び周波数シフト光の第2のビームを流れに照射する、付記26に記載の方法。
【0241】
付記28. 周波数シフト光の第1のビームは局部発振器(LO)ビームを含み、周波数シフト光の第2のビームは高周波コムビームを含む、付記27に記載の方法。
【0242】
付記29. 高周波駆動信号を音響光学デバイスに与え、
音響光学デバイスにレーザで照射して、周波数シフト光の第1のビーム及び周波数シフト光の第2のビームを生成する、付記27~28のいずれか1つに記載の方法。
【0243】
付記30. 対象からの周波数符号化蛍光データから空間データを計算する、付記26~29のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
付記31. 周波数符号化蛍光データの変換を実行することによって、対象の空間データを計算する、付記30に記載の方法。
【0245】
付記32. 周波数符号化蛍光データのフーリエ変換(FT)を実行することによって、空間データを計算する、付記31に記載の方法。
【0246】
付記33. 周波数符号化蛍光データの離散フーリエ変換(DFT)を実行することによって、空間データを計算する、付記31に記載の方法。
【0247】
付記34. 周波数符号化蛍光データの短時間フーリエ変換(STFT)を実行することによって、空間データを計算する、付記30に記載の方法。
【0248】
付記35. デジタルロックインアンプを使用して周波数符号化蛍光データのヘテロダイン及び逆多重化を行って、空間データを計算する、付記30に記載の方法。
【0249】
付記36. 対象を選別する、付記1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
付記37. 流れ内の細胞を有するサンプルに照射するように構成された光源、
光検出器を含む光検出システム、及び
プロセッサに動作可能に結合されたメモリを含むプロセッサ
を備えており、
メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
調査領域での流れ内の対象の空間データを生成させて、対象の空間データを生成させ、
空間データに基づいて流れ内の対象が細胞凝集体であるか否かを決定させる、システム。
【0251】
付記38. 光検出システムは、流れ内のサンプルからの光散乱を検出するように構成された光検出器を含む、付記37に記載のシステム。
【0252】
付記39. 光検出器は、流れ内のサンプルからの前方散乱光を検出するように構成される、付記38に記載のシステム。
【0253】
付記40. 光検出器は、流れ内のサンプルからの側方散乱光を検出するように構成される、付記38に記載のシステム。
【0254】
付記41. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに空間データに基づいて対象のサイズを決定させる、付記37~40のいずれか1つに記載のシステム。
【0255】
付記42. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに空間データに基づいて対象の重心を決定させる、付記37~41のいずれか1つに記載のシステム。
【0256】
付記43. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに空間データに基づいて対象の偏心度を決定させる、付記37~42のいずれか1つに記載のシステム。
【0257】
付記44. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに空間データに基づいて対象の画像モーメントを計算させる、付記37~43のいずれか1つに記載のシステム。
【0258】
付記45. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算させる、付記44に記載のシステム。
【0259】
付記46. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算させる、付記44に記載のシステム。
【0260】
付記47. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算させる、付記44に記載のシステム。
【0261】
付記48. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算させる、付記44に記載のシステム。
【0262】
付記49. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに空間データから対象の画像を生成させる、付記37~48のいずれか1つに記載のシステム。
【0263】
付記50. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに対象の画像マスクを生成させる、付記49に記載のシステム。
【0264】
付記51. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
流れ内の対象のグレースケール画像を生成させ、
グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定させ、
グレースケール画像からの各ピクセルを、決定された閾値と比較させ、
各ピクセルをバイナリピクセル値に変換させる、付記50に記載のシステム。
【0265】
付記52. 画像マスクは1のピクセル値を有するピクセルを含む、付記51に記載のシステム。
【0266】
付記53. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに生成された画像マスクに基づいて対象のサイズを決定させる、付記51~52のいずれか1つに記載のシステム。
【0267】
付記54. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに生成された画像マスクに基づいて対象の重心を決定させる、付記51~52のいずれか1つに記載のシステム。
【0268】
付記55. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに生成された画像マスクに基づいて対象の偏心度を決定させる、付記41~42のいずれか1つに記載のシステム。
【0269】
付記56. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに対象が単一細胞であると決定させる、付記37~55のいずれか1つに記載のシステム。
【0270】
付記57. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに対象が2つ以上の細胞を含む細胞凝集体であると決定させる、付記37~55のいずれか1つに記載のシステム。
【0271】
付記58. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに細胞凝集体が流れの長手軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を含むと決定させる、付記57に記載のシステム。
【0272】
付記59. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに細胞凝集体が流れの水平軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を含むと決定させる、付記57に記載のシステム。
【0273】
付記60. 流れ内の対象の空間データ、
流れ内の対象の画像、又は
対象の画像マスク
のうちの1つ以上を生成するようにプログラムされた集積回路要素を含む、付記37~59のいずれか1つに記載のシステム。
【0274】
付記61. 集積回路要素はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む、付記60に記載のシステム。
【0275】
付記62. 集積回路要素は特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、付記60に記載のシステム。
【0276】
付記63. 集積回路要素はコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)を含む、付記60に記載のシステム。
【0277】
付記64. 光源は、少なくとも周波数シフト光の第1のビーム及び周波数シフト光の第2のビームを生成するように構成された光ビーム発生器要素を含む、付記37~63のいずれか1つに記載のシステム。
【0278】
付記65. 光ビーム発生器要素は音響光学偏向器を含む、付記64に記載のシステム。
【0279】
付記66. 光ビーム発生器要素はダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)RFコム発生器を含む、付記64~65のいずれか1つに記載のシステム。
【0280】
付記67. 光ビーム発生器要素は、周波数シフトされた局部発振器ビームを生成するように構成される、付記64~66のいずれか1つに記載のシステム。
【0281】
付記68. 光ビーム発生器要素は、複数の周波数シフトされたコムビームを生成するように構成される、付記64~67のいずれか1つに記載のシステム。
【0282】
付記69. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに周波数符号化画像を生成させる、付記64~68のいずれか1つに記載のシステム。
【0283】
付記70. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに対象からの周波数符号化蛍光データから周波数符号化画像を生成させる、付記69に記載のシステム。
【0284】
付記71. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに周波数符号化蛍光データの変換を実行させて対象の空間データを計算させる、付記70に記載のシステム。
【0285】
付記72. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに周波数符号化蛍光データのフーリエ変換を実行させて対象の空間データを計算させる、付記71に記載のシステム。
【0286】
付記73. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに周波数符号化蛍光データの離散フーリエ変換を実行させて対象の空間データを計算させる、付記72に記載のシステム。
【0287】
付記74. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに周波数符号化蛍光データの短時間フーリエ変換を実行させて対象の空間データを計算させる、付記72に記載のシステム。
【0288】
付記75. メモリに命令が格納されており、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサにデジタルロックインアンプを使用して周波数符号化蛍光データのヘテロダイン及び逆多重化を行わせて対象の空間データを計算させる、付記72に記載のシステム。
【0289】
付記76. 光源はレーザを含む、付記37~75のいずれか1つに記載のシステム。
【0290】
付記77. レーザは連続波レーザである、付記76に記載のシステム。
【0291】
付記78. フローサイトメータである、付記37~77のいずれか1つに記載のシステム。
【0292】
付記79. 細胞選別機を更に備える、付記37~78のいずれか1つに記載のシステム。
【0293】
付記80. 細胞選別機は液滴偏向器を含む、付記79に記載のシステム。
【0294】
付記81. オリフィスを含むフローセルノズル、及び
流れ中のサンプルに光源で照射するためのフローセルノズルオリフィスと流体連通しているサンプル調査領域
を更に備える、付記37~80のいずれか1つに記載のシステム。
【0295】
付記82. サンプル調査領域に配置されたキュベットを更に備える、付記81に記載のシステム。
【0296】
付記83. 調査領域の流れ内の対象の空間データを生成して、対象の空間データを生成し、
空間データに基づいて、流れ内の対象が細胞凝集体であるか否かを決定する
ようにプログラムされた、集積回路。
【0297】
付記84. 空間データに基づいて対象のサイズを決定するようにプログラムされた、付記83に記載の集積回路。
【0298】
付記85. 空間データに基づいて対象の重心を決定するようにプログラムされた、付記83~84のいずれか1つに記載の集積回路。
【0299】
付記86. 空間データに基づいて対象の偏心度を決定するようにプログラムされた、付記83~85のいずれか1つに記載の集積回路。
【0300】
付記87. 空間データに基づいて対象の画像モーメントを計算するようにプログラムされた、付記83~86のいずれか1つに記載の集積回路。
【0301】
付記88. 水平軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するようにプログラムされた、付記87に記載の集積回路。
【0302】
付記89. 水平軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するようにプログラムされた、付記87に記載の集積回路。
【0303】
付記90. 垂直軸芯に沿った対象の一次画像モーメントを計算するようにプログラムされた、付記87に記載の集積回路。
【0304】
付記91. 垂直軸芯に沿った対象の二次画像モーメントを計算するようにプログラムされた、付記87に記載の集積回路。
【0305】
付記92. 空間データから対象の画像を生成するようにプログラムされた、付記83~91のいずれか1つに記載の集積回路。
【0306】
付記93. 対象の画像マスクを生成するようにプログラムされた、付記83~92のいずれか1つに記載の集積回路。
【0307】
付記94. 流れ内の対象のグレースケール画像を生成し、
グレースケール画像からピクセル強度閾値を決定し、
グレースケール画像からの各ピクセルを、決定された閾値と比較し、
各ピクセルをバイナリピクセル値に変換する
ようにプログラムされた、付記93に記載の集積回路。
【0308】
付記95. ピクセル強度が閾値よりも大きい場合にグレースケール画像の各ピクセルに1のピクセル値を割り当て、ピクセル強度が閾値よりも小さい場合に0のピクセル値を割り当てるようにプログラムされた、付記94に記載の集積回路。
【0309】
付記96. 生成された画像マスクに基づいて対象のサイズを決定するようにプログラムされた、付記93~95のいずれか1つに記載の集積回路。
【0310】
付記97. 生成された画像マスクに基づいて対象の重心を決定するようにプログラムされた、付記93~95のいずれか1つに記載の集積回路。
【0311】
付記98. 生成された画像マスクに基づいて対象の偏心度を決定するようにプログラムされた、付記93~95のいずれか1つに記載の集積回路。
【0312】
付記99. 対象が単一細胞であると決定するようにプログラムされた、付記83~98のいずれか1つに記載の集積回路。
【0313】
付記100. 対象が2つ以上の細胞を含む細胞凝集体であると決定するようにプログラムされた、付記83~98のいずれか1つに記載の集積回路。
【0314】
付記101. 細胞凝集体が、流れの長手軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を含むと決定するようにプログラムされた、付記100に記載の集積回路。
【0315】
付記102. 細胞凝集体が、流れの水平軸芯に沿って共に整列する2つ以上の細胞を含むと決定するようにプログラムされた、付記100に記載の集積回路。
【0316】
付記103. フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である、付記83~102のいずれか1つに記載の集積回路。
【0317】
付記104. 特定用途向け集積回路(ASIC)である、付記83~102のいずれか1つに記載の集積回路。
【0318】
付記105. コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)である、付記83~102のいずれか1つに記載の集積回路。
【0319】
付記106. 対象からの周波数符号化蛍光データから空間データを生成するようにプログラムされた、付記83~105のいずれか1つに記載の集積回路。
【0320】
付記107. 周波数符号化蛍光データの変換を実行して、対象の空間データを計算するようにプログラムされた、付記106に記載の集積回路。
【0321】
付記108. 周波数符号化蛍光データのフーリエ変換を実行して、対象の空間データを計算するようにプログラムされた、付記106に記載の集積回路。
【0322】
付記109. 周波数符号化蛍光データの離散フーリエ変換を実行して、対象の空間データを計算するようにプログラムされた、付記106に記載の集積回路。
【0323】
付記110. 周波数符号化蛍光データの短時間フーリエ変換を実行して対象の空間データを計算するようにプログラムされた、付記106に記載の集積回路。
【0324】
付記111. デジタルロックインアンプを使用して周波数符号化蛍光データのヘテロダイン及び逆多重化を行って、対象の空間データを計算するようにプログラムされた、付記106に記載の集積回路。
【0325】
付記112. 周波数符号化蛍光データから対象の周波数符号化画像を生成するようにプログラムされた、付記106~111のいずれか1つに記載の集積回路。
【0326】
前述の発明は、理解の明瞭さという目的のために例示及び例を用いて幾らか詳細に記載されているが、添付された特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく変更及び修正がなされてもよいことは、本発明の教示に照らして当業者に容易に明らかとなる。
【0327】
従って、前述の記載は本発明の原理を単に例示するものである。本明細書に明白に記載又は図示されていなくても本発明の原理を具現化しその趣旨及び範囲内に含まれる様々なアレンジを当業者が考案可能であることは理解される。更に、本明細書に記載される全ての例及び条件を表す言葉は、本技術を促進すべく本発明の原理及び本発明者らにより与えられる概念を理解する上で読者を助けることを主に意図しており、このように特に記載される例及び状態に限定するものではないと解釈されるべきである。また、本発明の原理、態様、及び実施形態並びに特定の例を記載する本発明の全ての記述は、その構造的同等物及び機能的同等物を両方包含すると意図される。加えて、このような同等物は、現在知られている同等物及び今後開発される同等物の両方、即ち、構造に拘わらず同じ機能を行う、あらゆる開発された要素を含む。また、本明細書に開示される如何なるものも、このような開示が特許請求の範囲に明白に記載されているか否かに拘わらず公益に捧げられていると意図されない。
【0328】
従って、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。特許請求の範囲では、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、請求項にて「ための手段」という正確な句又は「ためのステップ」という正確な句がそのような制限の冒頭に記載されている場合にのみ、請求項の制限について適用されると明示的に定義されており、そのような正確な句が請求項における制限で使用されていない場合、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は適用されない。
【0329】
関連出願への相互参照
本願は、2019年3月29日に出願された米国仮特許出願第62/826646号に関し、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる。