(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】電池、装置、電池の製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/658 20140101AFI20240405BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20240405BHJP
H01M 10/6555 20140101ALI20240405BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240405BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20240405BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240405BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240405BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20240405BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20240405BHJP
H01M 50/358 20210101ALI20240405BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240405BHJP
H01M 50/267 20210101ALI20240405BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240405BHJP
【FI】
H01M10/658
H01M10/6557
H01M10/6555
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6568
H01M50/35 101
H01M50/358
H01M50/289
H01M50/267
H01M50/204 401H
(21)【出願番号】P 2022542013
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2020119736
(87)【国際公開番号】W WO2022067808
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】李 全国
(72)【発明者】
【氏名】叶 永煌
(72)【発明者】
【氏名】梁 成都
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲海▼族
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲倩▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 霞
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲曉▼富
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/161751(WO,A1)
【文献】特開2009-021223(JP,A)
【文献】特開2008-226518(JP,A)
【文献】特表2015-530858(JP,A)
【文献】国際公開第2017/191679(WO,A1)
【文献】特開2015-170591(JP,A)
【文献】国際公開第2019/123903(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/031613(WO,A1)
【文献】特表2020-527848(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104979503(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0058968(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0301045(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/52-10/667
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H01M50/20-50/298
H01M50/30-50/392
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
第1電池セルと、
前記第1電池セルに隣接して設置され、且つエネルギー密度が前記第1電池セルよりも小さい第2電池セルと、
前記第1電池セルと前記第2電池セルとの間に設置される第1断熱部材と、
を
含み、
前記第1断熱部材は中空部を含み、前記第1断熱部材の厚さ方向に沿って、前記中空部は前記第1断熱部材を貫通し、且つ前記中空部は前記第1電池セル及び/又は前記第2電池セルの膨張を可能にするための空間を提供するように構成される電池。
【請求項2】
前記第1断熱部材は口型枠構造として構成される請求項
1に記載の電池。
【請求項3】
前記第1断熱部材は前記中空部を充填するための充填部材をさらに含み、前記充填部材は弾性を有する請求項
1又は
2に記載の電池。
【請求項4】
前記充填部材は発泡体、ゴム、断熱綿、エアロゲル断熱パッドから選択される少なくとも1種である請求項
3に記載の電池。
【請求項5】
前記第1電池セルのエネルギー密度E1と前記第2電池セルのエネルギー密度E2との比は、1.26≦E1/E2≦2.14の範囲である請求項1~
4のいずれか1項に記載の電池。
【請求項6】
前記第1電池セルと前記第2電池セルとは、n個の第1電池セル、m個の第2電池セルの配置方式で交互に配列され、ここでn≧1、m≧1である請求項1~
5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
前記第1電池セルは少なくとも2つ設置され、隣接する2つの前記第1電池セルの間に第2断熱部材が設置される請求項1~
6のいずれか1項に記載の電池。
【請求項8】
前記第2電池セルは少なくとも2つ設置され、隣接する2つの前記第2電池セルの間に第3断熱部材が設置される請求項1~
7のいずれか1項に記載の電池。
【請求項9】
前記第1電池セルに第1圧力解放機構が設置され、前記第1圧力解放機構は前記第1電池セルの内部圧力又は温度が閾値になったときに作動してその内部圧力を解放することに用いられ、
前記第2電池セルに第2圧力解放機構が設置され、前記第2圧力解放機構は前記第2電池セルの内部圧力又は温度が閾値になったときに作動してその内部圧力を解放することに用いられ、
前記第1電池セルは第1壁を含み、前記第1圧力解放機構が前記第1壁に設置され、前記第2電池セルは第2壁を含み、前記第2圧力解放機構は前記第2壁に設置され、
前記第1壁における前記第1圧力解放機構の正投影の面積は前記第2壁における前記第2圧力解放機構の正投影の面積よりも大きい請求項1~
8のいずれか1項に記載の電池。
【請求項10】
排出通路をさらに含み、前記排出通路は前記第1圧力解放機構及び/又は前記第2圧力解放機構と対向して設置され、且つ前記排出通路は前記第1圧力解放機構が作動するときに前記第1電池セルからの排出物を収集し、及び/又は、
前記第2圧力解放機構が作動するときに前記第2電池セルからの排出物を収集するように構成される請求項
9に記載の電池。
【請求項11】
前記排出通路は少なくとも2つ設置され、各前記排出通路は互いに分離して設置され、
前記第1圧力解放機構と前記第2圧力解放機構はそれぞれ異なる前記排出通路と対向して設置される請求項
10に記載の電池。
【請求項12】
前記第1電池セルは少なくとも2つ設置され、隣接する2つの前記第1電池セルの第1圧力解放機構はそれぞれ異なる前記排出通路と対向して設置され、及び/又は、
前記第2電池セルは少なくとも2つ設置され、隣接する2つの前記第2電池セルの第2圧力解放機構はそれぞれ異なる前記排出通路と対向して設置される請求項
10又は
11に記載の電池。
【請求項13】
前記電池は筐体をさらに含み、前記筐体は複数の壁を有し、前記複数の壁は前記第1電池セル及び第2電池セルを収容する収容キャビティを取り囲んで形成することに用いられ、前記複数の壁のうちの少なくとも1つの壁は中空の内部キャビティを有し、前記中空の内部キャビティは前記排出通路を形成することに用いられる請求項
10~
12のいずれか1項に記載の電池。
【請求項14】
前記複数の壁は底壁を含み、前記底壁は前記第1電池セル及び前記第2電池セルを支持することに用いられ、前記底壁は前記中空の内部キャビティを有する請求項
13に記載の電池。
【請求項15】
前記少なくとも1つの壁は、前記第1電池セル及び/又は前記第2電池セルからの排出物が前記少なくとも1つの壁を貫通して対応する前記排出通路に入るように、前記第1圧力解放機構及び/又は前記第2圧力解放機構が作動するときに破壊されるように構成される請求項
13又は
14に記載の電池。
【請求項16】
前記少なくとも1つの壁に第1貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔は、前記第1電池セル及び/又は前記第2電池セルが作動するときに前記第1電池セル及び/又は前記第2電池セルからの排出物が前記第1貫通孔を通って対応する前記排出通路に入るように、前記排出通路と連通するように構成される請求項
13又は
14に記載の電池。
【請求項17】
前記電池は、流体を収容して前記第1電池セル及び前記第2電池セルの温度を調整するための熱管理部材をさらに含み、前記熱管理部材は前記第1電池セル及び前記第2電池セルと前記少なくとも1つの壁との間に設置され、前記熱管理部材は、前記第1圧力解放機構及び/又は前記第2圧力解放機構が作動するときに破壊されて、前記流体を流出させるように構成される請求項
16に記載の電池。
【請求項18】
前記熱管理部材に第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は、前記第1圧力解放機構及び/又は前記第2圧力解放機構が作動するときに前記第1電池セル及び/又は前記第2電池セルからの排出物が前記第2貫通孔を通って対応する前記排出通路に入るように、前記排出通路と連通するように構成される請求項
17に記載の電池。
【請求項19】
前記第2貫通孔は前記第1貫通孔を介して前記排出通路と連通する請求項
18に記載の電池。
【請求項20】
請求項1~
19のいずれか1項に記載の電池を含み、前記電池が電気エネルギーを供給することに用いられる装置。
【請求項21】
電池の製造方法であって、
第1電池セルを配置するステップと、
第2電池セルを配置して前記第1電池セルに隣接して設置するステップであって、前記第2電池セルのエネルギー密度が前記第1電池セルよりも小さい、ステップと、
第1断熱部材を配置して前記第1電池セルと前記第2電池セルとの間に設置するステップと、
を含
み、
前記第1断熱部材は中空部を含み、前記第1断熱部材の厚さ方向に沿って、前記中空部は前記第1断熱部材を貫通し、且つ前記中空部は前記第1電池セル及び/又は前記第2電池セルの膨張を可能にするための空間を提供するように構成される電池の製造方法。
【請求項22】
電池の製造装置であって、
第1電池セルを配置するための第1電池セル配置モジュールと、
第2電池セルを配置して前記第1電池セルに隣接して設置するための第2電池セル配置モジュールであって、前記第2電池セルのエネルギー密度が前記第1電池セルよりも小さい、第2電池セル配置モジュールと、
第1断熱部材を配置して前記第1電池セルと前記第2電池セルとの間に設置するための第1断熱部材配置モジュールと、
を含
み、
前記第1断熱部材は中空部を含み、前記第1断熱部材の厚さ方向に沿って、前記中空部は前記第1断熱部材を貫通し、且つ前記中空部は前記第1電池セル及び/又は前記第2電池セルの膨張を可能にするための空間を提供するように構成される電池の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、エネルギー貯蔵技術分野に関し、特に電池、装置、電池の製造方法及び電池の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーと排出削減は自動車産業の持続可能な発展の鍵である。このような場合には、電気自動車は、その省エネルギーと環境保護の利点により自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電気自動車の場合、電池技術はその発展に関連する重要な要素である。電池技術の発展では、電池の性能を向上させることに加えて、安全問題も無視できない問題である。電池の安全問題が確保できない場合、該電池が使用できない。従って、如何に電池の安全性を強化するかは、電池技術における解決すべき緊急の技術的課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記課題に鑑みて、本願の実施例は、電池、装置、電池の製造方法及び電池の製造装置を提供して、電池の使用安全性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本願の実施例は以下の技術案を提供する。
【0005】
本願の実施例の第1態様は電池を提供し、
第1電池セルと、
第1電池セルに隣接して設置され、且つエネルギー密度が第1電池セルよりも小さい第2電池セルと、
第1電池セルと第2電池セルとの間に設置される第1断熱部材と、を含む。
【0006】
従来技術に比べて、本願の実施例に係る電池は以下の利点を有する。
【0007】
本願の実施例に係る電池は、第1電池セル及び第2電池セルを含み、第2電池セルのエネルギー密度は第1電池セルよりも小さく、第1電池セルは第2電池セルよりも熱安定性が低くなり、第1電池セルの熱故障反応は第2電池セルの熱故障反応よりも深刻であり、第1電池セルが熱故障すると、第1電池セルは高温ガスを生成し、第1電池セル自体の温度が急激に上昇するが、第1電池セルと第2電池セルとの間に第1断熱部材が設置され、第1断熱部材は、第1電池セルと第2電池セルとの間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断するため、さらに第1電池セルに起因する第2電池セルの連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1断熱部材は中空部を含み、第1断熱部材の厚さ方向に沿って、中空部は第1断熱部材を貫通し、且つ中空部は第1電池セル及び/又は第2電池セルの膨張を可能にするための空間を提供するように構成される。このように、第1電池セル又は第2電池セルが膨張するときに、第1電池セル又は第2電池セルが膨張した後の余分な体積を中空部内に充填させ、さらに電池の膨張力を効果的に緩衝することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1断熱部材は口型枠構造として構成され、このように、中空部の製造が容易である。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1断熱部材は、中空部を充填するための充填部材をさらに含み、充填部材は弾性を有し、このように、第1電池セル及び第2電池セルが熱故障していないときに、第1電池セル及び第2電池セルを確実に固定して、第1電池セル及び第2電池セルが熱故障したときに、第1電池セル及び第2電池セルに膨張変形空間を提供できる。
【0011】
いくつかの実施形態では、充填部材は発泡体、ゴム、断熱綿、エアロゲル断熱パッドから選択される少なくとも1種である。複数種の材質の充填部材が示されており、具体的な第1電池セル及び第2電池セルの種類に応じて選択し、さらに充填部材が使用要件及び安全要件を満たせることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1電池セルのエネルギー密度E1と第2電池セルのエネルギー密度E2との比は、1.26≦E1/E2≦2.14の範囲である。このように、電池の使用安全性を確保するとともに、電池の容量を増加させることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1電池セルと第2電池セルは、n個の第1電池セル、m個の第2電池セルの配置方式で交互に配列され、ここでn≧1、m≧1である。このように、エネルギー密度の異なる第1電池セルと第2電池セルは間隔をおいて設置されると、熱拡散の広がりを遅くし、さらに電池の使用安全性を向上させることに寄与する。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1電池セルは少なくとも2つ設置され、隣接する2つの第1電池セルの間に第2断熱部材が設置される。第2断熱部材は、第1電池セルと、それに隣接する第1電池セルとの間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第1電池セルに起因するそれに隣接する第1電池セルの連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2電池セルは少なくとも2つ設置され、隣接する2つの第2電池セルの間に第3断熱部材が設置される。第3断熱部材は、第2電池セルと、それに隣接する第2電池セルとの間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第2電池セルに起因するそれに隣接する第2電池セルの連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1電池セルに第1圧力解放機構が設置され、第1圧力解放機構は、第1電池セルの内部圧力又は温度が閾値になったときに作動してその内部圧力を解放することに用いられ、第2電池セルに第2圧力解放機構が設置され、第2圧力解放機構は、第2電池セルの内部圧力又は温度が閾値になったときに作動してその内部圧力を解放することに用いられ、第1圧力解放機構の面積は第2圧力解放機構の面積よりも大きい。第1電池セルに第1圧力解放機構が設置されることにより、第1電池セルの内部圧力又は温度が閾値になったときに、第1電池セルは内部圧力を解放することができ、第2電池セルに第2圧力解放機構が設置されることにより、第2電池セルの内部圧力又は温度が閾値になったときに、第2電池セルは内部圧力を解放することもでき、第1電池セルのエネルギー密度は第2電池セルのエネルギー密度よりも大きく、第1電池セルの熱故障の故障反応は第2電池セルの熱故障の故障效反応よりも深刻であり、第1圧力解放機構の面積が第2圧力解放機構の面積よりも大きく限定することにより、故障反応がより深刻である第1電池セルは、面積のより大きい第1圧力解放機構により圧力を適時かつ効果的に解放し、第1電池セルの急速昇温を効果的に緩和し、さらに第1電池セルの熱故障に起因する連鎖反応の確率を効果的に低減させ、電池全体の使用安全性を向上させることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、電池は排出通路をさらに含み、排出通路は第1圧力解放機構及び/又は第2圧力解放機構と対向して設置され、且つ排出通路は、第1圧力解放機構が作動するときに第1電池セルからの排出物を収集し、及び/又は、第2圧力解放機構が作動するときに第2電池セルからの排出物を収集するように構成される。排出通路が設置されることにより、第1電池セル及び/又は第2電池セルの内部圧力又は温度が閾値になったときに、第1電池セル及び/又は第2電池セルの内部圧力を適時に解放でき、さらに電池の使用安全性がより高くなる。
【0018】
いくつかの実施形態では、排出通路は少なくとも2つ設置され、各排出通路は互いに分離して設置され、第1圧力解放機構と第2圧力解放機構はそれぞれ異なる排出通路と対向して設置され、第1電池セルと第2電池セルの排出物をいずれも電池の外部に適時かつ効果的に排出でき、且つ第1電池セル及び第2電池セルから放出された固体物質が排出通路を詰まる可能性を効果的に低減させ、電池の使用安全性を向上させる。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1電池セルは少なくとも2つ設置され、隣接する2つの第1電池セルの第1圧力解放機構はそれぞれ異なる排出通路と対向して設置される。このように、異なる第1電池セルがそれぞれ異なる排出通路を介して排出物を排出することを実現し、さらに第1電池セルの排出物を電池の外部に適時かつ効果的に排出することができ、且つ、第1電池セルの熱故障に起因するそれに隣接する第1電池セルの熱故障の確率を効果的に低減させることができ、さらに熱故障に起因する連鎖反応を緩和し、電池の使用安全性を向上させることに寄与する。
【0020】
いくつかの実施形態では、第2電池セルは少なくとも2つ設置され、隣接する2つの第2電池セルの第2圧力解放機構はそれぞれ異なる排出通路と対向して設置される。このように、異なる第2電池セルがそれぞれ異なる排出通路を介して排出物を排出することを実現し、さらに第2電池セルの排出物を電池の外部に適時かつ効果的に排出することができ、且つ、第2電池セルの熱故障に起因するそれに隣接する第2電池セルの熱故障の確率を効果的に低減させることができ、さらに熱故障に起因する連鎖反応を緩和し、電池の使用安全性を向上させることに寄与する。
【0021】
いくつかの実施形態では、電池はハウジングをさらに含み、ハウジングは複数の壁を有し、複数の壁は、第1電池セル及び第2電池セルを収容する収容キャビティを取り囲んで形成することに用いられ、複数の壁のうちの少なくとも1つの壁は中空の内部キャビティを有し、中空の内部キャビティは排出通路を形成することに用いられる。筐体は、収容キャビティ内に配置された第1電池セル及び第2電池セルを保護することに用いられ、筐体の複数の壁のうちの少なくとも1つの壁には排出通路を形成する中空の内部キャビティが設置されることにより、第1電池セル及び第2電池セルの内部圧力又は温度が閾値になったときに、第1電池セル及び第2電池セルの排出物を中空の内部キャビティに排出でき、このように、第1電池セル及び第2電池セルが熱故障したときの排出物を電池の外部に適時かつ効果的に排出し、電池の使用安全性を向上させることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、複数の壁は底壁を含み、底壁は第1電池セル及び第2電池セルを支持することに用いられ、底壁は中空の内部キャビティを有する。このように、第1電池セル内の排出物が下向きに放出され、第1圧力解放機構を通って底部に位置する中空の内部キャビティに入り、同時に、第2電池セル内の排出物が下向きに放出され、第2圧力解放機構を通って底部に位置する中空の内部キャビティに入り、電池のこの設置方式により、電池が車両の電池収容室に配置された後、電池が、電池収容室の上方に位置する乗客室ではなく、車両の底部に排出物を放出し、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの壁は、第1電池セル及び/又は第2電池セルからの排出物が少なくとも1つの壁を貫通して対応する排出通路に入るように、第1圧力解放機構及び/又は第2圧力解放機構が作動するときに破壊されるように構成される。このように、第1電池セルの内部圧力又は温度が閾値になり、第1電池セルの第1圧力解放機構を作動させ、且つ第1電池セル内部の排出物が放出されるときに、及び/又は、第2電池セルの内部圧力又は温度が閾値になり、第2電池セルの第2圧力解放機構を作動させ、且つ第2電池セル内部の排出物が放出されるときに、第1電池セル及び/又は第2電池セルから放出された排出物は筐体の少なくとも1つの壁に作用でき、それにより、筐体の第1圧力解放機構と対向する部分及び/又は筐体の第2圧力解放機構と対向する部分が破壊され、筐体の中空の内部キャビティが第1圧力解放機構及び/又は第2圧力解放機構と連通して、第1電池セル及び/又は第2電池セル内部の排出物を排出通路に適時かつ効果的に排出することを実現し、さらに電池の使用安全性を向上させる。
【0024】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの壁に第1貫通孔が設けられ、第1貫通孔は、第1電池セル及び/又は第2電池セルが作動するときに第1電池セル及び/又は第2電池セルからの排出物が第1貫通孔を通って対応する排出通路に入るように、排出通路と連通するように構成される。このように、第1電池セルの内部圧力又は温度が閾値になり、第1電池セルの第1圧力解放機構を作動させ、且つ第1電池セル内部の排出物が放出されるときに、及び/又は、第2電池セルの内部圧力又は温度が閾値になり、第2電池セルの第2圧力解放機構を作動させ、且つ第2電池セル内部の排出物が放出されるときに、第1電池セル及び/又は第2電池セルから放出された排出物は第1貫通孔を通って筐体の中空の内部キャビティに入り、第1電池セル及び/又は第2電池セル内部の排出物を排出通路に適時かつ効果的に排出することを実現し、さらに電池の使用安全性を向上させる。
【0025】
いくつかの実施形態では、電池は、流体を収容して第1電池セル及び第2電池セルの温度を調整するための熱管理部材をさらに含み、熱管理部材は第1電池セル及び第2電池セルと少なくとも1つの壁との間に設置され、熱管理部材は、第1圧力解放機構及び/又は第2圧力解放機構が作動するときに破壊されて、流体を流出させるように構成される。このように、第1電池セル及び/又は第2電池セルの排出物が破壊された熱管理部材を通って排出通路内に入ることができ、且つ熱管理部材が破壊されて流体を流出させ、さらに流体により電池内部の温度を急速に低減させ、熱故障に起因する連鎖反応を緩和し、電池の使用安全性を向上させることに寄与する。
【0026】
いくつかの実施形態では、熱管理部材に第2貫通孔が設けられ、第2貫通孔は、第1圧力解放機構及び/又は第2圧力解放機構が作動するときに第1電池セル及び/又は第2電池セルからの排出物が第2貫通孔を通って対応する排出通路に入るように、排出通路と連通するように構成される。このように、第1電池セル及び/又は第2電池セルから放出された排出物が第2貫通孔を通って排出通路内に急速かつスムーズに入り、電池の使用安全性を向上させることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、第2貫通孔は第1貫通孔を介して排出通路と連通する。このように、第1電池セル及び/又は第2電池から放出された排出物が第2貫通孔を通って第1貫通孔に急速かつスムーズに入り、さらに排気通路内に入り、電池の使用安全性を向上させることができる。
【0028】
本願の実施例の第2態様は装置を提供し、上記電池を含み、電池が電気エネルギーを供給することに用いられる。
【0029】
本願の装置は、上記電池を用いて電気エネルギーを供給するため、第1断熱部材により第1電池セルと第2電池セルとの間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第1電池セルに起因する第2電池セルの連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
【0030】
本願の実施例の第3態様は電池の製造方法を提供し、
第1電池セルを配置するステップと、
第2電池セルを配置して第1電池セルに隣接して設置するステップであって、第2電池セルのエネルギー密度が第1電池セルよりも小さい、ステップと、
第1断熱部材を配置して第1電池セルと第2電池セルとの間に設置するステップと、を含む。
【0031】
本実施例に係る電池の製造方法は、エネルギー密度の高い第1電池セル及びエネルギー密度の低い第2電池セルを配置し、且つ隣接する第1電池セルと第2電池セルとの間に第1断熱部材を配置することにより、第1電池セルの熱安定性がより低く、第1電池セルの熱故障反応が第2電池セルの熱故障反応よりも深刻であるとしても、第1電池セルが熱故障すると、配置された第1断熱部材により第1電池セルと第2電池セルとの間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第1電池セルに起因する第2電池セルの連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
【0032】
本願の実施例の第4態様は電池の製造装置を提供し、
第1電池セルを配置するための第1電池セル配置モジュールと、
第2電池セルを配置して第1電池セルに隣接して設置するための第2電池セル配置モジュールであって、第2電池セルのエネルギー密度が第1電池セルよりも小さい、第2電池セル配置モジュールと、
第1断熱部材を配置して第1電池セルと第2電池セルとの間に設置するための第1断熱部材配置モジュールと、を含む。
【0033】
本実施例の電池の製造装置は、第1電池セル配置モジュールにより第1電池セルを配置し、第2電池セル配置モジュールにより第2電池セルを配置し、且つ配置された第2電池セルと第1電池セルが隣接して設置され、第2電池セルのエネルギー密度が第1電池セルよりも小さく、第1断熱部材配置モジュールにより第1断熱部材を配置し、且つ配置された第1断熱部材が第1電池セルと第2電池セルとの間に設置され、このように、第1電池セルの熱安定性がより低く、第1電池セルの熱故障反応が第2電池セルの熱故障反応よりも深刻であるとしても、第1電池セルが熱暴走すると、第1断熱部材により第1電池セルと第2電池セルとの間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第1電池セルに起因する第2電池セルの連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】本願の実施例に係る電池モジュールの構造模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る電池パックの構造模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る電池セルの構造模式図である。
【
図6】本願の実施例に係る電池セルの正面図である。
【
図7】本願の実施例に係る電池セルの右側面図である。
【
図8】本願の実施例に係る電池セルの平面図である。
【
図9】本願の実施例に係る電池の構造模式
図1である。
【
図10】本願の実施例に係る電池の構造模式
図2である。
【
図11】本願の実施例に係る電池の構造模式
図3である。
【
図12a】本願の実施例に係る第1電池セルの構造模式図である。
【
図12b】本願の実施例に係る第2電池セルの構造模式図である。
【
図13】本願の実施例に係る電池の分解
図2である。
【
図14】本願の実施例に係る電池の分解
図3である。
【
図15】本願の一実施例に係る底壁の構造模式
図1である。
【
図16】本願の一実施例に係る底壁の構造模式
図2である。
【
図17】本願の一実施例に係る熱管理部材の構造模式図である。
【
図18】本願の別の実施例に係る底壁の構造模式
図1である。
【
図19】本願の別の実施例に係る底壁の構造模式
図2である。
【
図20】本願の別の実施例に係る熱管理部材の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置として、新エネルギー自動車、エネルギー貯蔵発電所などの分野に広く適用されている。
【0036】
既存の種類の電池はハウジング、及びハウジング内に設置された複数の電池セルを含み、複数の電池セルは直列及び/又は並列に接続される。複数の電池セルは第1電池セル及び第2電池セルを含み、第1電池セルのエネルギー密度は第2電池セルのエネルギー密度よりも大きい。
【0037】
しかしながら、本願の発明者による研究の結果、第1電池セルの熱安定性は第2電池セルの熱安定性よりも低く、熱故障するときに、第1電池セルの故障反応は第2電池セルの故障反応よりも深刻であり、すなわち、第1電池セルが生成した高温ガスは第2電池セルが生成した高温ガスよりもはるかに大きくなり、これにより、連鎖反応を引き起こし、熱が広がることをもたらし、燃焼、爆発の危険発生率を高め、電池の使用安全の問題を引き起こしやすい。
【0038】
第1電池セルが連鎖反応を引き起こし、熱が広がることをもたらし、燃焼、爆発の危険発生率を高め、電池の使用安全の問題を引き起こすことを解決するために、本願は、電池、装置、電池の製造方法及び電池の製造装置を提供し、隣接する第1電池セルと第2電池セルとの間に第1断熱部材が設置されることにより、さらに第1電池セルと第2電池セルとの間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、このように、第1電池セルが熱故障するときに、第1断熱部材により第1電池セルの熱を第2電池セルに伝達することを遮断し、第2電池セルが第1電池セルの熱故障により発生した熱を吸収することに起因する連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池全体の使用安全性を向上させることができる。
【0039】
以下、本願の実施例の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術案を明確、かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、実施例の全部ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに得た全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0040】
本願の実施例は装置及び電池を提供し、本願に係る装置は電池を含み、電池は電気エネルギーを供給することに用いられ、本願に係る装置は、例えば、携帯電話、ポータブルデバイス、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、船舶、宇宙機、電動玩具及び電動工具などであり、宇宙機は、例えば、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などであり、電動玩具は、例えば、固定式又は可動式の電動玩具を含み、具体的に例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船玩具及び電動飛行機玩具などが挙げられ、電動工具は、例えば、金属切削電動工具、研削電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具などを含み、具体的に例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマー、電動インパクトドリル、コンクリート振動機及び電気プレーナーなどが挙げられる。
【0041】
本願で説明される電池は上記説明される電力消費装置に適用できることに限定されないが、説明を簡潔にするために、以下の実施例はいずれも電気自動車を例として説明される。
【0042】
図1は本実施例に係る車両1の簡単な模式図である。車両1は、ガソリン車、ガス車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部に電池11が設置されてもよく、具体的に例えば、車両1の底部又は前部又は尾部に電池11が設置されてもよい。電池11は車両1の給電に用いられてもよく、例えば、電池は車両1の操作電源として使用されてもよい。車両1はコントローラ12及びモータ13をさらに含んでもよく、コントローラ12は、例えば、電池11がモータ13に給電するように制御することに用いられる。電池11は車両1の起動、ナビゲーションなどに用いられてもよく、もちろん、電池11は車両1の走行を駆動して、ガソリン又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供することに用いられてもよい。
【0043】
本実施例に係る電池11は、
図2に示される電池モジュール又は
図3に示される電池パックなどであってもよく、電池モジュール及び電池パックの基本構造ユニットは電池セルであり、複数の電池セルは電極端子を介して一体に直列接続及び/又は並列接続されて、各種の電力消費装置に適用できる。電池モジュールは、外部の衝撃、熱、振動などから電池セルを保護するためのものであり、電池モジュールは、所定数の電池セルを一体に電気的に接続して1つのフレームに入れることにより形成される。電池パックは電気自動車に組み込まれた電池システムの最終状態である。既存の大部分の電池パックは、1つ又は複数の電池モジュールに電池管理システム、熱管理部材などの各種の制御及び保護システムを組み立てることにより製造される。技術の発展に伴って、電池モジュールというレベルが省略でき、すなわち、電池セルで電池パックが直接形成される。この改良により、電池システムの重量エネルギー密度、体積エネルギー密度が向上するとともに、部品の数が顕著に少なくなる。
【0044】
図4に示すように、本願の電池11は、第1電池セル111、第2電池セル112及び第1断熱部材114を含み、第2電池セル112は第1電池セル111に隣接して設置され、第1電池セル111のエネルギー密度は第2電池セル112のエネルギー密度よりも大きく、第1断熱部材114は第1電池セル111と第2電池セル112との間に設置される。
【0045】
本願における第1電池セル111及び第2電池セル112はリチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。第1電池セル111及び第2電池セル112は、円筒体、扁平体、直方体又は他の形状などであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。第1電池セル111及び第2電池セル112は、一般的に包装方式に応じて、円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分けられ、本願の実施例はこれを限定しない。
【0046】
図5~
図8に示すように、第1電池セル111は、通常、電極組立体(図示せず)及び電解液(図示せず)を含み、電極組立体は、正極極板、負極極板、正極極板と負極極板との間に設置される分離膜で構成され、第1電池セル111は、主に金属イオンが正極極板と負極極板との間に移動することにより動作する。正極極板は、正極集電体及び正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極活物質層が塗布された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体は正極タブとして使用される。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極極板は、負極集電体及び負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極活物質層が塗布された集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は負極タブとして使用される。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流が流れて溶断しないことを確保するために、正極タブは数が複数であり且つ一体に積層され、負極タブは数が複数であり且つ一体に積層される。分離膜の材質はポリプロピレン(PPと略称する)又はポリエチレン(PEと略称する)などであってもよい。また、電極組立体は、巻回構造であってもよく、積層構造であってもよく、電極組立体の数は1つ又は複数であってもよく、本願の実施例はこれを具体的に限定しない。第1電池セル111はハウジング1114をさらに含み、電極組立体と電解液の両方はハウジング1114内に包装され、ハウジング1114は中空の直方体、立方体又は円筒体であってもよく、ハウジング1114の材質は、アルミニウム又は鋼及びそれらの合金であってもよく、プラスチック材質又はアルミニウムプラスチック膜であってもよい。ハウジング1114には正電極端子1112及び負電極端子1113がさらに設置され、正極タブは正電極端子1112に電気的に接続され、負極タブは負電極端子1113に電気的に接続されて、電気エネルギーを出力する。
【0047】
理解できるように、第2電池セル112の構造は第1電池セル111の構造と同じであり、ここで詳細な説明を省略する。
【0048】
本願の実施例に係る電池11は、第1電池セル111及び第2電池セル112を含み、第2電池セル112のエネルギー密度は第1電池セル111よりも小さく、第1電池セル111は第2電池セル112よりも熱安定性が低くなり、第1電池セル111の熱故障反応は第2電池セル112の熱故障反応よりも深刻であり、第1電池セル111が熱暴走すると、第1電池セル111は高温ガスを生成し、第1電池セル111自体の温度が急激に上昇するが、第1電池セル111と第2電池セル112との間に第1断熱部材114が設置され、かつ第1断熱部材114は、第1電池セル111と第2電池セル112との間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断するため、さらに第1電池セル111に起因する第2電池セル112の連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池の使用安全性を向上させることができる。
【0049】
説明されるように、第1電池セル111の熱安定性は第2電池セル112の熱安定性よりも低いため、通常、第1電池セル111は先ず熱故障し、このとき、第1断熱部材114は、第1電池セル111の熱故障により発生した熱を第2電池セル112に伝達することを遮断し、さらに第1電池セル111に起因する第2電池セル112の連鎖反応の確率を低減させることができ、しかしながら、これは、第1電池セル111が必然的に第2電池セル112の前に熱故障することを意味するものではなく、外力が第2電池セル112のみに作用するときに、第2電池セル112が先ず熱故障することができ、このとき、第1断熱部材114は、第2電池セル112の熱故障により発生した熱を第1電池セル111に伝達することを遮断し、さらに第2電池セル112に起因する第1電池セル111の連鎖反応の確率を低減させることもでき、ここで、通常、第1電池セル111が先ず、より容易に熱故障するため、説明を簡潔で容易にするために、第1電池セル111が先ず熱故障することを説明する。
【0050】
本願の電池では、第1断熱部材114は中空部1141を含み、第1断熱部材114の厚さ方向に沿って、中空部1141は第1断熱部材114を貫通し、且つ中空部1141は、第1電池セル111及び/又は第2電池セル112の膨張を可能にするための空間を提供するように構成され、このように、第1電池セル111又は第2電池セル112が膨張するときに、第1電池セル111又は第2電池セル112が膨張した後の余分な体積を中空部1141に充填させ、さらに電池11の膨張力を効果的に緩衝することができる。いくつかの実施形態では、第1断熱部材114は口型枠構造として構成され、このように、第1断熱部材114の中空部1141の製造が容易になる。別のいくつかの実施形態では、第1断熱部材114は、中空部1141を充填するための充填部材(図示せず)をさらに含み、充填部材は弾性を有し、充填部材は発泡体、ゴム、断熱綿、エアロゲル断熱パッドから選択される少なくとも1種である。このように、具体的な第1電池セル111及び第2電池セル112の具体的な種類、及びコストなどの要素に応じて、充填部材の材料を選択的に配置することができる。
【0051】
本実施例の電池11では、第1電池セル111と第2電池セル112は、n個の第1電池セル111、m個の第2電池セル112の配置方式で交互に配列され、ここでn≧1、m≧1であり、且つn、mはいずれも整数である。
【0052】
nとmの値は、同じであってもよく、異なってもよく、例えば、いくつかの実施形態では、
図2、
図4及び
図5に示すように、nとmの値はいずれも1であり、すなわち、n=1、m=1であり、このとき、第1電池セル111と第2電池セル112は、1行又は1列に1つずつ間隔をおいて配置され、すなわち、隣接する2つの第1電池セル111の間に1つの第2電池セル112が設置され、且つ隣接する2つの第2電池セル112の間に1つの第1電池セル111が設置され、また、例えば、いくつかの実施形態では、
図3に示すように、nとmの値はいずれも6であり、すなわち、n=6、m=6であり、このとき、6つの第1電池セル111と6つの第2電池セル112は配置ユニットを形成し、配置ユニットは3つであり、3つの配置ユニットの配置方向は、
図3に示されるY軸方向に沿っており、各配置ユニット内部の6つの第1電池セル111と6つの第2電池セル112は、
図3に示されるX方向に沿って配置され、且つ隣接する2つの配置ユニットには、第1電池
セル111と第2電池セル112は互いにずらして配置され、また、例えば、別のいくつかの実施形態では、
図4に示すように、nの値は2、mの値は2であり、すなわち、n=2、m=2であり、このとき、第1電池セル111と第2電池セル112は、2つの第1電池セル111、2つの第2電池セル112が1行又は1列に2つずつ間隔をおいて配置され、すなわち、2つの第1電池セル111、2つの第2電池セル112で形成された配置ユニットは1行又は1列に沿って循環的に配置される。理解できるように、nの値とmの値はさらに別の値であってもよく、ここで列挙されていない。
【0053】
いくつかの実施形態では、本願の電池11では、第1電池セル111は少なくとも2つ設置され、すなわち、n≧2の場合、隣接する2つの第1電池セル111の間に第2断熱部材115がさらに設置され、第2断熱部材115は、第1電池セル111と、それに隣接する第1電池セル111との間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第1電池セル111に起因するそれに隣接する第1電池セル111の連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池11の使用安全性を向上させることができる。
【0054】
別のいくつかの実施形態では、本願の電池11では、第2電池セル112は少なくとも2つ設置され、すなわち、m≧2の場合、隣接する第2電池セル112の間に第3断熱部材116がさらに設置され、第3断熱部材116は、第2電池セル112と、それに隣接する第2電池セル112との間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第2電池セル112に起因するそれに隣接する第2電池セル112の連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池11の使用安全性を向上させることができる。
【0055】
説明されるように、いくつかの実施形態では、第1電池セル111と第2電池セル112との間にのみ第1断熱部材114が設置されてもよい。いくつかの実施形態では、隣接する第1電池セル111と第2電池セル112との間に第1断熱部材114が設置されるとともに、隣接する2つの第1電池セル111の間に第2断熱部材115が設置されてもよい。いくつかの実施形態では、隣接する第1電池セル111と第2電池セル112との間に第1断熱部材114が設置されるとともに、隣接する2つの第2電池セル112の間に第3断熱部材116が設置されてもよい。いくつかの実施形態では、隣接する2つの第1電池セル111の間に第2断熱部材115が設置され、隣接する第1電池セル111と第2電池セル112との間に第1断熱部材114が設置され、且つ隣接する第2電池セル112と第2電池セル112との間に第3断熱部材116が設置される。
【0056】
説明されるように、第2断熱部材115と第3断熱部材116の構造は、第1断熱部材114と同じであってもよく、第1断熱部材114と異なってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、
図4に示すように、第1断熱部材114と第2断熱部材115は、口型枠構造として構成される。選択可能に、第1断熱部材114と第2断熱部材115は、中空部を充填するための充填部材をさらに含み、充填部材は弾性を有し、充填部材は、発泡体、ゴム、断熱綿、エアロゲル断熱パッドから選択される少なくとも1種である。
【0057】
図9に示すように、本願の電池11では、第1電池セル111は第1圧力解放機構1111をさらに含み、第1圧力解放機構1111は、第1電池セル111の内部圧力又は温度が閾値になったときに作動して第1電池セル111の内部圧力を解放することに用いられ、第2電池セル112は第2圧力解放機構1121をさらに含み、第2圧力解放機構1121は、第2電池セル112の内部圧力又は温度が閾値になったときに作動して第2電池セル112の内部圧力を解放することに用いられ、第1圧力解放機構1111の面積は第2圧力解放機構1121の面積よりも大きい。
【0058】
第1圧力解放機構1111とは、第1電池セル111の内部圧力又は内部温度が所定の閾値になったときに作動して内部圧力及び/又は内部物質を解放することができる素子又は部材を指す。第1圧力解放機構1111は、具体的には、防爆弁、空気弁、圧力解放弁又は安全弁などの形態を用いてもよく、具体的には、感圧又は感温素子又は構造を用いてもよく、すなわち、第1電池セル111の内部圧力又は温度が所定の閾値になったときに、第1圧力解放機構1111が動作し又は第1圧力解放機構1111に設けられた脆弱構造が破壊され、それにより内部圧力を解放できる開口部又は通路が形成される。
【0059】
理解できるように、第2圧力解放機構1121とは、第2電池セル112の内部圧力又は内部温度が所定の閾値になったときに作動して内部圧力及び/又は内部物質を解放することができる素子又は部材を指す。第2圧力解放機構1121は、具体的には、防爆弁、空気弁、圧力解放弁又は安全弁などの形態を用いてもよく、具体的には、感圧又は感温素子又は構造を用いてもよく、すなわち、第2電池セル112の内部圧力又は温度が所定の閾値になったときに、第2圧力解放機構1121が動作し又は第2圧力解放機構1121に設けられた脆弱構造が破壊され、それにより内部圧力を解放できる開口部又は通路が形成される。
【0060】
本願に係る閾値は、圧力閾値又は温度閾値であってもよく、該閾値の設計は、設計ニーズの異なりによって異なり、例えば、危険又は暴走リスクが存在すると考えられる第1電池セル111の内部圧力又は内部温度値に基づいて該閾値を設計又は決定することができ、且つ、該閾値は、例えば、第1電池セル111の正極極板、負極極板、電解液及び分離膜のうちの1種又は複数種で使用される材料により決められる可能性があり、さらに例えば、危険又は暴走リスクが存在すると考えられる第2電池セル112の内部圧力又は内部温度値に基づいて該閾値を設計又は決定することができ、且つ、該閾値は、例えば、第2電池セル112の正極極板、負極極板、電解液及び分離膜のうちの1種又は複数種で使用される材料により決められる可能性がある。
【0061】
本願で言及される「作動」とは、第1圧力解放機構1111が動作し又は起動して所定の状態になることにより、第1電池セル111の内部圧力を解放させ、第2圧力解放機構1121が動作し又は起動して所定の状態になることにより、第2電池セル112の内部圧力を解放させることを指す。第1圧力解放機構1111の動作は、第1圧力解放機構1111の少なくとも一部が破裂され、破砕され、引き裂かれ又は開かれるなどを含むが、これらに限定されない。第1圧力解放機構1111が作動するときに、第1電池セル111の内部の高温高圧物質は、排出物として作動部位から外向きに排出される。このように、圧力又は温度を制御できる場合には、第1電池セル111に圧力を解放させ、それにより潜在的なより深刻な事故の発生を回避することができる。本願で言及される第1電池セル111からの排出物は、電解液、溶解又は分裂された正負極極板、分離膜の破片、反応により生成された高温高圧ガス、火炎などを含むが、これらに限定さない。高温高圧排出物は、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111が設置される方向に向けて排出され、且つより具体的には、第1圧力解放機構1111が作動する領域に向ける方向に沿って排出され、このような排出物の威力及び破壊力が非常に大きい可能性があり、ひいては該方向における1つの又は複数の部品を突破するのに十分である可能性がある。同様に、第2圧力解放機構1121の動作は、第2圧力解放機構1121の少なくとも一部が破裂され、破砕され、引き裂かれ又は開かれるなどを含むが、これらに限定されない。第2圧力解放機構1121が作動するときに、第2電池セル112の内部の高温高圧物質は、排出物として作動部位から外向きに排出される。このように、圧力又は温度を制御できる場合には、第2電池セル112に圧力を解放させ、それにより潜在的なより深刻な事故の発生を回避することができる。本願で言及される第2電池セル112からの排出物は、電解液、溶解又は分裂された正負極極板、分離膜の破片、反応により生成された高温高圧ガス、火炎などを含むが、これらに限定されない。高温高圧排出物は、第2電池セル112の第2圧力解放機構1121が設置される方向に向けて排出され、且つより具体的には、第2圧力解放機構1121が作動する領域に向ける方向に沿って排出され、このような排出物の威力及び破壊力が非常に大きい可能性があり、ひいては該方向における1つの又は複数の部品を冲破するのに十分である可能性がある。
【0062】
第1電池セル111では、第1圧力解放機構1111は、ハウジング1114の任意の位置に設置されてもよく、例えば、第1圧力解放機構1111は、ハウジング1114の頂部、底部又は側部に設置されてもよく、第1圧力解放機構1111は、正電極端子1112と負電極端子1113との間に設置されてもよく、本願はこれを具体的に限定せず、第1電池セル111の内部圧力の解放を実現すればよい。同様に、第1電池セル112に設置された第2圧力解放機構1121は、第1電池セル111に設置された第2圧力解放機構1111と同様であってもよく、ここで詳細な説明を省略する。
【0063】
いくつかの実施形態では、第1電池セル111のエネルギー密度E1と第2電池セル112のエネルギー密度E2との比は、1.26≦E1/E2≦2.14を満たし、エネルギー密度とは、単位質量又は単位体積当たりの電池から放出されたエネルギー、すなわち重量エネルギー密度又は体積エネルギー密度を指し、いくつかの実施形態では、第1電池セル111は、例えば、三元リチウム電池であり、具体的に例えば、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム電池又はニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム電池であり、第2電池セル112は、例えば、リン酸鉄リチウム電池又はコバルト酸リチウム電池である。説明されるように、第1電池セル111のエネルギー密度は第2電池セル112のエネルギー密度よりも大きく、通常、第1電池セル111の熱故障反応は第2電池セル112の故障反応よりも深刻であり、第1電池セル111と第2電池セル112が同時に設置されると、熱故障に起因する連鎖反応を低減させることに寄与し、すなわち熱拡散の広がりを遅くし、さらに電池11の使用安全性を向上させることに寄与する。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1圧力解放機構1111の面積A1と第2圧力解放機構1121の面積A2との比は、1.5≦A1/A2≦4を満たし、このように、第1電池セル111と第2電池セル112の両方は、エネルギーを適時かつ効果的に放出し、電池の使用安全性を向上させることができる。
【0065】
本願の実施例に係る電池11では、第1電池セル111に第1圧力解放機構1111が設置され、これにより、第1電池セル111の内部圧力又は温度が閾値になったときに、第1電池セル111は内部圧力を解放することができ、第2電池セル112に第2圧力解放機構1121が設置され、これにより、第2電池セル112の内部圧力又は温度が閾値になったときに、第2電池セル112は内部圧力を解放することもでき、第1電池セル111のエネルギー密度は第2電池セル112のエネルギー密度よりも大きく、第1電池セル111の熱故障の故障反応は第2電池セル112の熱故障の故障反応よりも深刻であり、第1圧力解放機構1111の面積が第2圧力解放機構1121の面積よりも大きく限定されることにより、故障反応がより深刻である第1電池セル111は、面積のより大きい第1圧力解放機構1111により圧力を適時かつ効果的に解放し、第1電池セル111が内部圧力を適時に解放できないことに起因する連鎖反応の確率を効果的に低減させ、電池11全体の使用安全性を向上させることができる。
【0066】
図10に示すように、本願の実施例の電池11は排出通路117をさらに含み、排出通路117は第1圧力解放機構1111及び/又は第2圧力解放機構1121と対向して設置され、且つ排出通路117は、第1圧力解放機構1111が作動するときに第1電池セル111からの排出物を収集し、及び/又は、第2圧力解放機構1121が作動するときに第2電池セル112からの排出物を収集するように構成される。排出通路が設置されることにより、第1電池セル111及び/又は第2電池セル112の内部圧力及び温度が閾値になったときに、第1電池セル111及び/又は第2電池セル112の内部圧力を適時に解放することができ、さらに電池11の使用安全性がより高くなる。
【0067】
いくつかの実施形態では、排出通路117は第1圧力解放機構1111と対向して設置され、且つ排出通路117は、第1圧力解放機構1111が作動するときに第1電池セル111からの排出物を収集するように構成され、いくつかの実施形態では、排出通路117は第2圧力解放機構1121と対向して設置され、且つ排出通路117は、第2圧力解放機構1121が作動するときに第2電池セル112からの排出物を収集するように構成される。別のいくつかの実施形態では、
図10に示すように、排出通路117は、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111及び第2電池セル112の第2圧力解放機構1121と同時に対向して設置され、排出通路117は、第1圧力解放機構1111及び第2圧力解放機構1121が作動するときに第1電池セル111及び第2電池セル112からの排出物を収集するように構成され、対応して、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111は
図12aに示される真ん中位置に設置され、同様に、第2電池セル112の第2圧力解放機構1121も真ん中位置に設置される。
【0068】
図11に示される実施形態では、排出通路117は少なくとも2つ設置され、各排出通路117は互いに分離して設置され、第1圧力解放機構1111と第2圧力解放機構1121はそれぞれ異なる排出通路117と対向して設置され、例示的には、第1電池セル111と第2電池セル112は1列に配置され、第1電池セル111と第2電池セル112の長さ及び幅は略同じであってもよく、厚さが同じであってもよく、異なってもよく、且つ第1電池セル111の第1圧力解放機構1111とその側辺との間の距離は、第1電池セル111の幅の4分の1であり、第2電池セル112の第2圧力解放機構1121とその側辺との間の距離は、第2電池セル112の幅の4分の1であり、且つ第1圧力解放機構1111と第2圧力解放機構1121は同一線に設置されておらず、すなわち、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と第2電池セル112の第2圧力解放機構1121は、第1電池セル111及び第2電池セル112の配置方向に交互に設置され、このように、第1電池セル111の内部圧力又は温度が閾値になったときに、第1電池セル111内部の排出物は、そのうちの1つの排出通路117から排出され、第2電池セル112の内部圧力又は温度が閾値になったときに、第2電池セル112内部の排出物は、そのうちの1つの排出通路117から排出され、さらに第1電池セル111と第2電池セル112の排出物をいずれも電池11の外部に適時かつ効果的に排出し、電池11の使用安全性を向上させることができる。
【0069】
もちろん、上記実施形態の代替実施形態では、
図12a及び
図12bに示すように、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111とその側辺との間の距離は、第1電池セル111の幅の2分の1であってもよく、第2電池セル112の第2圧力解放機構1121とその側辺との間の距離は、第2電池セル112の幅の4分の1であってもよく、このとき、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と第2電池セル112の第2圧力解放機構1121も同一線に設置されておらず、すなわち、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と第2電池セル112の第2圧力解放機構1121は、第1電池セル111及び第2電池セル112の配置方向に交互に設置される。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1電池セル111は少なくとも2つ設置され、隣接する2つの第1電池セル111の第1圧力解放機構1111はそれぞれ異なる排出通路117と対向して設置され、このように、異なる第1電池セル111がそれぞれ異なる排出通路117を介して排出物を放出することを実現し、さらに第1電池セル111の排出物を電池11の外部に適時かつ効果的に排出することができ、且つ、第1電池セル111の熱故障に起因するそれに隣接する第1電池セル111の熱故障を効果的に低減させ、さらに連鎖反応を緩和し、電池11の使用安全性を向上させることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、第2電池セル112は少なくとも2つ設置され、隣接する2つの第2電池セル112の第2圧力解放機構1121はそれぞれ異なる排出通路117と対向して設置され、このように、異なる第2電池セル112がそれぞれ異なる排出通路117を介して排出物を放出することを実現し、さらに第2電池セル112の排出物を電池11の外部に適時かつ効果的に排出することができ、且つ、第2電池セル112の熱故障に起因するそれに隣接する第2電池セル112の熱故障を効果的に低減させ、さらに連鎖反応を緩和し、電池11の使用安全性を向上させることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、
図13及び
図14に示すように、電池11は筐体113をさらに含み、筐体113は複数の壁を有し、複数の壁は、第1電池セル111及び第2電池セル112を収容する収容キャビティを取り囲んで形成することに用いられ、複数の壁のうちの少なくとも1つの壁は中空の内部キャビティを有し、中空の内部キャビティは排出通路117を形成することに用いられる。筐体113は、密封されてもよく、密封されなくてもよい。具体的に例えば、筐体113は、頂部に位置する頂壁(図示せず)、下部に位置する底壁1131、及び底壁1131の周囲に位置する環状側壁1132を含み、頂壁及び底壁1131は、それぞれ側壁1132の両端の開口箇所に覆設され、さらに側壁1132とともに収容キャビティを取り囲んで形成し、もちろん、側壁1132は、4つのサブ側壁でエンドツーエンドで取り囲んで形成されてもよく、一体的に形成されてもよい。筐体113は、収容キャビティ内に配置された第1電池セル111及び第2電池セル112を保護することに用いられ、筐体113の複数の壁のうちの少なくとも1つの壁には排出通路117を形成する中空の内部キャビティが形成され、これにより、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と第2電池セル112の第2圧力解放機構1121が対応する中空の内部キャビティと対向して設置されることは容易になり、さらに第1電池セル111の内部圧力又は温度が閾値になったときに、第1電池セル111の排出物を中空の内部キャビティに排出でき、第2電池セル112の内部圧力又は温度が閾値になったときに、第2電池セル112の排出物を中空の内部キャビティに排出でき、さらに燃焼及び爆発のリスクを効果的に低減させ、電池11の使用安全性を向上させる。
【0073】
さらに、底壁1131は、第1電池セル111及び第2電池セル112を支持することに用いられ、底壁1131は中空の内部キャビティを有し、対応して、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111及び第2電池セル112の第2圧力解放機構1121はいずれもそれぞれのハウジング1114の底部に設置され、このように、第1電池セル111内の排出物が下向きに放出され、且つ第1圧力解放機構1111を通って底部に位置する中空の内部キャビティに入り、第2電池セル112内の排出物が下向きに放出され、且つ第2圧力解放機構1121を通って底部に位置する中空の内部キャビティに入り、電池11のこの設置方式により、電池11が車両1の電池収容室に配置された後、電池11が電池収容室の上方に位置する乗客室ではなく、車両1の底部に排出物を放出し、さらに電池11の使用安全性を向上させる。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1電池セル111及び第2電池セル112の排出物を排出通路117に適時かつ効果的に排出できることを容易にするために、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111及び第2電池セル112の第2圧力解放機構1121は、対応する排出通路117と連通できるように構成される。第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と筐体113上の排出通路117を形成する中空の内部キャビティとの連通方式、及び第2電池セル112の第2圧力解放機構1121と筐体113上の排出通路117を形成する中空の内部キャビティとの連通方式は、下記2種の実施形態を介して説明され、ただし、以下の2種の実施形態は、2種の実現可能な実施形態を例示的に示すものに過ぎず、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と中空の内部キャビティとの連通方式、及び第2電池セル112の第2圧力解放機構1121と中空の内部キャビティとの連通方式を限定するものではない。
【0075】
一実施形態では、電池11の筐体113の少なくとも1つの壁は、第1電池セル111からの排出物が少なくとも1つの壁を貫通して排出通路117に入るように、第1圧力解放機構1111が作動するときに破壊されるように構成される。換言すれば、筐体113の少なくとも1つの壁に中空の内部キャビティが設置され、上記頂壁、底壁1131又は側壁1132であってもよく、且つ筐体113の、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と対向する部分は、第1圧力解放機構1111が作動しないときに完全な壁面を有し、すなわち、筐体113の、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と対向する部分は、第1圧力解放機構1111が作動しないときに中空の内部キャビティと連通する孔構造がなく、しかしながら、第1電池セル111の内部圧力又は温度が閾値になり、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111を作動させ、且つ第1電池セル111内部の排出物を放出させるときに、第1電池セル111から放出された排出物は、筐体113の少なくとも1つの壁に作用でき、それにより筐体113の、第1電池セル111の第1圧力解放機構と対向する部分が破壊(破損又は破裂)され、それにより筐体113の中空の内部キャビティの内部が第1圧力解放機構1111と連通し、このように、第1電池セル111内部の排出物を排出通路117に適時かつ効果的に排出することは実現される。同様に、電池11の筐体113の少なくとも1つの壁は、第2電池セル112からの排出物が少なくとも1つの壁を貫通して排出通路117に入るように、第2圧力解放機構1121が作動するときに破壊されるように構成され、第2電池セル112の第2圧力解放機構1121と中空の内部キャビティとの連通方式は、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と中空の内部キャビティとの連通方式と同じであるため、ここで詳細な説明を省略する。
【0076】
別の実施形態では、電池11の筐体113の少なくとも1つの壁に第1貫通孔1133が設けられ、上記頂壁、底壁1131又は側壁1132であってもよく、第1貫通孔1133は、第1圧力解放機構1111が作動するときに第1電池セル111からの排出物が第1貫通孔1133を通って排出通路117に入るように、排出通路117と連通するように構成され、第1電池セル111の内部圧力及び温度が閾値になり、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111を作動させ、且つ第1電池セル111内部の排出物を放出させるときに、第1電池セル111から放出された排出物が、第1貫通孔1133を通って筐体113の中空の内部キャビティの内部に入り、このように、第1電池セル111内部の排出物を排出通路117に適時かつ効果的に排出できることは実現される。同様に、電池11の筐体113の少なくとも1つの壁に第1貫通孔1133が設けられ、上記頂壁、底壁1131又は側壁1132であってもよく、第1貫通孔1133は、第2圧力解放機構1121が作動するときに第2電池セル112からの排出物が第1貫通孔1133を通って排出通路117に入るように、排出通路117と連通するように構成され、第2電池セル112の第2圧力解放機構1121と中空の内部キャビティとの連通方式は、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111と中空の内部キャビティとの連通方式と同じであるため、ここで詳細な説明を省略する。
【0077】
電池11は、流体を収容して第1電池セル111及び第2電池セル112の温度を調整するための熱管理部材118をさらに含み、熱管理部材118は、第1電池セル111及び第2電池セル112と少なくとも1つの壁との間に設置され、熱管理部材118が設置されることにより、第1電池セル111及び第2電池セル112の温度を調整することを実現し、さらに第1電池セル111及び第2電池セル112が、より効率的かつ安全に充放電できるようになる。ここでの流体は、液体又はガスであってもよく、温度を調整することとは、第1電池セル111及び第2電池セル112を加熱又は冷却することを指す。第1電池セル111及び第2電池セル112を冷却又は降温する場合、該熱管理部材118は、冷却流体を収容して第1電池セル111及び第2電池セル112の温度を低減させることに用いられ、このとき、熱管理部材118は、冷却部材、冷却システム又は冷却板などと呼ばれてもよく、収容された流体は、冷却媒体又は冷却流体と呼ばれてもよく、より具体的には、冷却液又は冷却ガスと呼ばれてもよい。また、熱管理部材118は、加熱流体を収容して第1電池セル111を昇温することに用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。選択可能に、流体は、より良好な温度調整効果を達成するように循環的に流れてもよい。選択可能に、流体は、水、水とエチレングリコールの混合液又は空気などであってもよい。
【0078】
熱管理部材118は、第1圧力解放機構1111及び/又は第2圧力解放機構1121が作動するときに破壊(破損又は破裂)されて、流体を流出させるように構成される。すなわち、熱管理部材118は、第1電池セル111及び第2電池セル112の内部圧力又は温度が閾値になって高温高圧ガスを放出する必要があるときに、第1電池セル111及び第2電池セル112から放出された排出物を用いて熱管理部材118に作用し、さらに熱管理部材118を破壊し、第1電池セル111及び第2電池セル112の排出物が、破壊された熱管理部材118を通って排出通路117(すなわち、筐体113の中空の内部キャビティ)内に入ることができる。且つ、熱管理部材118が破壊されるため、冷却液などの流出した流体が、大量の熱を吸収してガス化され、それにより電池11内部の温度を急速に低減させ、熱故障に起因する連鎖反応を緩和し、電池11の使用安全性を向上させることに寄与する。
【0079】
例示的には、
図13及び
図14に示すように、熱管理部材118は、例えば、水冷板であり、水冷板内に流体通路が設置され、流体通路の一端に吸水口が形成され、
流体通路の他端に排水口が形成され、第1電池セル111及び第2電池セル112が正常に動作する場合、水冷板内の水温を調整することにより、さらに第1電池セル111及び第2電池セル112の環境温度を調整し、さらに第1電池セル111及び第2電池セル112に合理的な温度範囲内で充放電させ、電池11の充電効率及び放電効率を向上させ、第1電池セル111が熱故障するか、又は第2電池セル112が熱故障するか、又は第1電池セル111と第2電池セル112が同時に熱故障するときに、第1電池セル111及び第2電池セル112から放出された内部圧力で水冷板を破損させ、さらに水冷板内部の水をガス化させ、さらに第1電池セル111及び第2電池セル112から放出された高温ガスの熱を吸収し、さらに第1電池セル111及び第2電池セル112の燃焼爆発の確率を低減させ、電池11の使用安全性を向上させる。
【0080】
選択可能に、熱管理部材118に第2貫通孔1181が設けられ、第2貫通孔1181は、第1圧力解放機構1111及び/又は第2圧力解放機構1121が作動するときに第1電池セル111及び/又は第2電池セル112からの排出物が第2貫通孔1181を通って対応する排出通路117に入るように、排出通路117と連通するように構成され得る。選択可能に、第2貫通孔1181は、第1電池セル111に設置された第1圧力解放機構1111の面積以上であり、及び/又は、第2電池セル112に設置された第2圧力解放機構1121の面積以上であるように設定されてもよい。このように、第1電池セル111の内部圧力又は温度が閾値になり、第1電池セル111の第1圧力解放機構1111を作動させ、且つ第1電池セル111内部の排出物が放出されるときに、第1電池セル111から放出された排出物は、第2貫通孔1181を通って排気通路117(すなわち、筐体113の中空の内部キャビティ)内に急速かつスムーズに入ることができ、第1電池セル111内部の排出物を排出通路117に適時かつ効果的に排出することは実現される。同様に、第2電池セル112の内部圧力又は温度が閾値になり、第2電池セル112の第2圧力解放機構1121を作動させ、且つ第2電池セル112内部の排出物が放出されるときに、第2電池セル112から放出された排出物は、第2貫通孔1181を通って排気通路117(すなわち筐体113的中空の内部キャビティ)内に急速かつスムーズに入ることができ、第2電池セル112内部の排出物を排出通路117に適時かつ効果的に排出できることは実現される。
【0081】
さらに、筐体113の少なくとも1つの壁に第1貫通孔1133が設けられ、第1貫通孔1133が、排出通路117と連通するように構成されるときに、このとき、第2貫通孔1181は、第1貫通孔1133を介して排出通路117と連通し、第1電池セル111及び/又は第2電池セル112から放出された排出物は、第2貫通孔1181及び第1貫通孔1133を順番に通って排出通路117(すなわち筐体113の中空の内部キャビティ)に入り、このように、第1電池セル111及び第2電池セル112内部の排出物を排出通路117に適時かつ効果的に排出できることは実現される。
【0082】
ただし、上記実施形態では、第2貫通孔1181は第1貫通孔1133と1対1で対応する必要があり、例示的には、
図15の底壁1131には2つの排出通路
117が設置され、
図16の底壁1131には2つの排出通路
117と連通する複数の第1貫通孔1133が設置され、対応し、
図17の熱管理部材
118には第1貫通孔1133と1対1で対応する複数の第2貫通孔
1181が設置される。例示的には、
図18の底壁1131には1つの排出通路
117が設置され、
図19の底壁1131には1つの排出通路
117と連通する複数の第1貫通孔1133が設置され、対応し、
図20の熱管理部材
118には第1貫通孔1133と1対1で対応する複数の第2貫通孔11
81が設置される。
【0083】
以上、
図1~
図20を参照して本願の実施例の電池11を説明し、以下、本願の実施例の電池の製造方法及び
装置を説明し、ここで詳細に説明されていない部分は上記各実施例を参照すればよい。
【0084】
本願の実施例は電池の製造方法を提供し、
第1電池セル111を配置するステップと、
第2電池セル112を配置して第1電池セル111に隣接して設置するステップであって、第2電池セル112のエネルギー密度が第1電池セル111よりも小さい、ステップと、
第1断熱部材114を配置して第1電池セル111と第2電池セル112との間に設置するステップと、を含む。
【0085】
本実施例に係る電池の製造方法は、エネルギー密度の高い第1電池セル111及びエネルギー密度の低い第2電池セル112を配置し、且つ隣接する第1電池セル111と第2電池セル112との間に第1断熱部材114を配置することにより、第1電池セル111の熱安定性がより低く、第1電池セル111の熱故障反応が第2電池セル112の熱故障反応よりも深刻であるとしても、第1電池セル111が熱故障すると、配置された第1断熱部材114により第1電池セル111と第2電池セル112との間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第1電池セル111に起因する第2電池セル112の連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池11の使用安全性を向上させることができる。
【0086】
本願の実施例の第4態様は電池の製造装置を提供し、
第1電池セル111を配置するための第1電池セル配置モジュールと、
第2電池セル112を配置して第1電池セル111に隣接して設置するための第2電池セル配置モジュールであって、第2電池セル112のエネルギー密度が第1電池セル111よりも小さい、第2電池セル配置モジュールと、
第1断熱部材114を配置して第1電池セル111と第2電池セル112との間に設置するための第1断熱部材配置モジュールと、を含む。
【0087】
本実施例の電池の製造装置は、第1電池セル配置モジュールにより第1電池セル111を配置し、第2電池セル配置モジュールにより第2電池セル112を配置し、且つ配置された第2電池セル112と第1電池セル111が隣接して設置され、第2電池セル112のエネルギー密度が第1電池セル111よりも小さく、第1断熱部材配置モジュールにより第1断熱部材114を配置し、且つ配置された第1断熱部材114が第1電池セル111と第2電池セル112との間に設置され、このように、第1電池セル111の熱安定性がより低く、第1電池セル111の熱故障反応が第2電池セル112の熱故障反応よりも深刻であるとしても、第1電池セル111が熱故障すると、第1断熱部材114により第1電池セル111と第2電池セル112との間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第1電池セル111に起因する第2電池セル112の連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池11の使用安全性を向上させることができる。
【0088】
本実施例に係る電池の製造装置は、上記実施例の電池の製造方法に適用でき、すなわち、上記実施例の電池の製造方法は、本実施例の電池の製造装置を用いて具体的に実施されてもよい。
【0089】
以上より、本願に係る電池11、装置、電池の製造方法及び電池の製造装置は、エネルギー密度のより高い第1電池セル111とエネルギー密度のより低い第2電池セル112との間に第1断熱部材114が設置されるように限定することにより、第1電池セル111と第2電池セル112との間の熱伝達を効果的に遅延又は遮断し、さらに第1電池セル111に起因する第2電池セル112の連鎖反応の確率を効果的に低減させ、さらに電池11の使用安全性を向上させることができる。
【0090】
本明細書の各実施例又は実施形態は漸進的に説明されており、各実施例では、他の実施例との違いが重点的に説明されており、各実施例間の同じ又は類似する部分は互いに参照すればよい。
【0091】
本明細書の説明では、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などの参照用語についての説明は、実施形態又は例を組み合わせて説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を意味するものではない。且つ、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性を任意の1つの又は複数の実施形態又は例に適切な方式で組み合わせることができる。
【0092】
なお、以上の各実施例は、本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではなく、上記各実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば理解されるように、依然として上記各実施例に記載の技術案を修正し、又はそのうちの一部又は全部の技術的特徴に対して等価置換を行うことができるが、これらの修正や置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0093】
1-車両、
11-電池、
111-第1電池セル、
1111-第1圧力解放機構、
1112-正電極端子、
1113-負電極端子、
1114-ハウジング、
112-第2電池セル、
1121-第2圧力解放機構、
113-筐体、
1131-底壁、
1132-側壁、
1133-第1貫通孔、
114-第1断熱部材、
1141-中空部、
115-第2断熱部材、
116-第3断熱部材、
117-排出通路、
118-熱管理部材、
1181-第2貫通孔、
12-コントローラ、
13-モータ。