(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】クレーン
(51)【国際特許分類】
B66C 23/76 20060101AFI20240405BHJP
【FI】
B66C23/76 B
B66C23/76 D
(21)【出願番号】P 2022554750
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 CN2020129938
(87)【国際公開番号】W WO2021179668
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202010173433.2
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520411641
【氏名又は名称】シュージョウ コンストラクション マシーナリー グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイドン チェン
(72)【発明者】
【氏名】リー スン
(72)【発明者】
【氏名】ジンジュン モン
(72)【発明者】
【氏名】シーシアン ジアン
(72)【発明者】
【氏名】レイ ハン
(72)【発明者】
【氏名】シーチュエン ソン
(72)【発明者】
【氏名】ユーロン ジョウ
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-123570(JP,A)
【文献】特開2019-137514(JP,A)
【文献】特開平09-328294(JP,A)
【文献】特開昭56-017891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0200556(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンであって、
シャーシ(1)と、
前記シャーシ(1)に回転可能に配置され、互いに反対側にある第1の端部および第2の端部を備えた、回転可能プラットフォーム(22)と、
メインブーム(3)であって、前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第1の端部とヒンジ接続された第1の端部と、重量を持ち上げるための第2の端部とを備えた、メインブーム(3)と、
前記メインブーム(3)を上下するように構成されたマスト(4)であって、前記マスト(4)の第1の端部は前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第1の端部とヒンジ接続され、前記マスト(4)の第2の端部は、前記メインブーム(3)の前記第2の端部および前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第2の端部に接続される、マスト(4)と、
第1独立カウンタウェイトシステムであって、第1独立カウンタウェイト(72)と、前記第1独立カウンタウェイト(72)と前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第2の端部との間に接続された接続構造とを備えた、第1独立カウンタウェイトシステムと、
を備え、
前記接続構造は、前記第1独立カウンタウェイト(72)が部分的に作動状態にあることを可能にするように構成され、部分作動状態では、前記第1独立カウンタウェイト(72)は地面に支持され、前記第1独立カウンタウェイト(72)の重量は、前記地面と前記回転可能プラットフォームによって共同で支持され
、
スーパーリフティングアームフレーム(8)であって、第1の端部は前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第1の端部にヒンジ接続され、第2の端部は前記メインブーム(3)と前記マスト(4)の前記第2の端部に接続される、スーパーリフティングアームフレーム(8)と
第2独立カウンタウェイト(91)であって、
第2独立カウンタウェイト(91)と、
前記第2独立カウンタウェイト(91)と前記スーパーリフティングアームフレーム(8)の前記第2の端部との間に接続された第2の持ち上げ装置(92)と、
前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第2の端部と前記第2の持ち上げ装置(92)との間に接続される、第2の接続フレーム(93)と、
を備えた、第2独立カウンタウェイト(91)と、
をさらに備え、
前記第2の持ち上げ装置(92)は、前記第2独立カウンタウェイト(91)を持ち上げるように構成され、前記第2独立カウンタウェイト(91)は地面または地面から離れて支持される、クレーン。
【請求項2】
前記接続構造は、第1の持ち上げ装置(73)を備え、前記第1の持ち上げ装置(73)は、前記第1独立カウンタウェイト(72)を持ち上げるように構成され、それにより、前記第1独立カウンタウェイト(72)は、地面または地面から離れて支持される、請求項1に記載のクレーン。
【請求項3】
前記回転可能プラットフォーム(22)に固定的に配置されたカウンタウェイト(6)をさらに備え、前記第1独立カウンタウェイト(72)は、前記回転可能プラットフォーム(22)に取り外し可能に接続される、請求項2に記載のクレーン。
【請求項4】
前記第1独立カウンタウェイト(72)が、前記回転可能プラットフォーム(22)に取り外し可能に接続され、
クレーンは、
前記回転可能プラットフォーム(22)に固定的に配置されたカウンタウェイト(6)と、
力センサ(5)であって、前記マスト(4)の前記第2の端部と前記メインブーム(3)の前記第2の端部との間に配置され、前記マスト(4)に対する前記メインブーム(3)の引張力を検出するように構成された力センサ(5)と、
制御システムであって、前記力センサ(5)および前記第1の持ち上げ装置(73)に信号で接続され、前記力センサ(5)の検出結果に従って前記第1の持ち上げ装置(73)に前記第1独立カウンタウェイト(72)を持ち上げさせるように構成された制御システムと、
をさらに備えた、請求項2に記載のクレーン。
【請求項5】
前記第1独立カウンタウェイトシステムは、前記回転可能プラットフォーム(22)と前記接続構造とを接続する第1の接続フレーム(74)を備え、前記第1の接続フレーム(74)は、前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第1の端部から離れて延びる、請求項1に記載のクレーン。
【請求項6】
前記第1の接続フレーム(74)が、前記接続構造と前記回転可能プラットフォーム(22)との間に配置された第1のテレスコープ機構を備え、前記第1のテレスコープ機構は、前記第1独立カウンタウェイト(72)を駆動させ、前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第1の端部に近づけるか、または遠ざけるように構成される、請求項5に記載のクレーン。
【請求項7】
前記第2の接続フレーム(93)が第2のテレスコープ機構を備え、前記第2のテレスコープ機構は、前記第2独立カウンタウェイト(91)を駆動させ、前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第1の端部に近づけるか、または遠ざけるように構成される、
請求項1に記載のクレーン。
【請求項8】
前記クレーンは、前記回転可能プラットフォーム(22)の前記第2の端部に固定的に配置されたカウンタウェイト(6)を備え、前記第2独立カウンタウェイト(91)は、前記回転可能プラットフォーム(22)に取り外し可能に接続される。
請求項1に記載のクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「CRANE」と題された2020年3月13日に出願された中国出願第202010173433.2号の優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、エンジニアリング機械、特にクレーンに関する。
【背景技術】
【0003】
クレーンは、ホイストとも呼ばれ、一定範囲の重量を垂直に持ち上げ、水平に運ぶためのマルチアクションエンジニアリング機械である。クレーンは、フックを使用してメインブーム(クレーンジブとも呼ばれる)の昇降を通じて重量を垂直に持ち上げ、回転可能プラットフォームの旋回運動または機械全体の歩行を通じて重量を水平方向に移動させる。重量を持ち上げる際にメインブームと重量の重力作用でクレーンが転倒するのを防止するため、またはメインブームが地面から徐々に上昇する際にメインブームの重力作用でクレーンが転倒するのを防止するために、カウンタウェイトはクレーンの回転可能プラットフォームに配置され、吊り上げ時に重量とメインブームの重力によって発生する転倒モーメントを克服し、またはメインブームが上昇するときにメインブームの重力によって発生する転倒モーメントを克服する。しかし、クレーンの回転可能プラットフォームの支持能力と回転可能プラットフォームを支持するための旋回支持構造が限られているため、クレーンの吊り上げ能力を向上させるために、回転可能プラットフォームにあまりにも多くのカウンタウェイトが配置されるため、回転可能プラットフォームまたは旋回支持構造の作業負荷が大きすぎ、構造部品の損傷を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、以下を含むクレーンを開示する。
【0005】
シャーシと、
【0006】
回転可能プラットフォームであって、前記シャーシに回転可能に配置され、互いに反対側にある第1の端部および第2の端部を含む、回転可能プラットフォームと、
【0007】
前記回転可能プラットフォームの前記第1の端部でヒンジ接続された第1の端部と、重量を持ち上げるための第2の端部と、を含むメインブームと、
【0008】
前記メインブームを上下(luff)するように構成されたマストであって、前記マストの第1の端部は、前記回転可能プラットフォームの前記第1の端部とヒンジ接続され、前記マストの第2の端部は、前記メインブームの前記第2の端部および前記回転可能プラットフォームの前記第2の端部に接続される、前記マストと、
【0009】
第1独立カウンタウェイトを含む第1独立カウンタウェイトシステムと、前記第1独立カウンタウェイトと前記回転可能プラットフォームの前記第2の端部との間に接続された接続構造とを備え、前記接続構造は、前記第1独立カウンタウェイトが部分的に作動状態にあることを可能にするように構成され、前記部分的な作動状態では、前記第1独立カウンタウェイトは地面に支持され、前記第1独立カウンタウェイトの前記重量は、前記地面および前記回転可能プラットフォームによって共同して支持される、クレーン。
【0010】
いくつかの実施形態では、接続構造は、第1の持ち上げ装置を含み、第1の持ち上げ装置は、第1独立カウンタウェイトを上昇または下降させるように構成され、第1独立カウンタウェイトは、地面に支持されるか、または地面から分離される。
【0011】
いくつかの実施形態では、クレーンは、回転可能プラットフォームに固定的に配置されたカウンタウェイトをさらに含み、第1独立カウンタウェイトは、回転可能プラットフォームに取り外し可能に接続される。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1独立カウンタウェイトは、回転可能プラットフォームに取り外し可能に接続される。
【0013】
クレーンはさらに、
前記回転可能プラットフォームに固定的に配置されたカウンタウェイトと、
【0014】
前記マストの前記第2の端部と前記メインブームの前記第2の端部との間に配置され、前記マストの前記メインブームに対する引張力を検出するように構成された、力センサと、
【0015】
前記力センサおよび前記第1の持ち上げ装置に信号で接続され、前記力センサの検出結果に従って前記第1独立カウンタウェイトを上昇または下降させるように前記第1の持ち上げ装置を制御するように構成される、制御システムと、を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1独立カウンタウェイトシステムは、回転可能プラットフォームと接続構造とを接続するための第1の接続フレームを含み、第1の接続フレームは、回転可能プラットフォームの第1の端部から離れて延在する。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1の接続フレームは、接続構造と回転可能プラットフォームとの間に配置された第1のテレスコーピング機構を含み、第1のテレスコーピング機構は、第1独立カウンタウェイトを回転可能プラットフォームの第1の端部に近接または離れるように駆動するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、クレーンは、
【0019】
スーパーリフティングアームフレームであって、その第1の端部が前記回転可能プラットフォームの前記第1の端部とヒンジ接続され、第2の端部が前記メインブームおよび前記マストの前記第2の端部に接続される、前記スーパーリフティングアームフレームと、
【0020】
第2独立カウンタウェイトシステムであって、前記第2独立カウンタウェイトと、第2独立カウンタウェイトと前記スーパーリフティングアームフレームの前記第2の端部との間に接続された第2の持ち上げ装置と、回転可能プラットフォームの前記第2の端部と第2の持ち上げ装置との間に接続された第2の接続フレームと、を含み、第2の持ち上げ装置は、第2独立カウンタウェイトを持ち上げるように構成され、第2独立カウンタウェイトが地面に支持されるか、または地面から分離される。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2の接続フレームは、第2のテレスコーピング機構を含み、第2のテレスコーピング機構は、第2独立カウンタウェイトを回転可能プラットフォームの第1の端部に近接または離れるように駆動するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、クレーンは、回転可能プラットフォームの第2の端部に固定的に配置されたカウンタウェイトを含み、第2独立カウンタウェイトは、回転可能プラットフォームに取り外し可能に接続される。
【0023】
本開示によって提供されるクレーンに基づいて、第1独立カウンタウェイトシステムが提供され、第1独立カウンタウェイトと、第1独立カウンタウェイトを回転可能プラットフォーム上に接続するための接続構造が提供され、第1独立カウンタウェイトは部分的な作動状態を有し、第1独立カウンタウェイトが地面に配置され得る。第1独立カウンタウェイトは、クレーンが転倒するのを防ぐためにクレーンを安定させる効果を発揮することができ、回転可能プラットフォームおよび回転可能プラットフォームを支持するための旋回支持構造の負荷を低減することができ、回転可能プラットフォームおよび旋回支持構造の作業環境は改善され、回転可能プラットフォームまたは旋回支持構造の損傷は低減され、回転可能プラットフォームおよび旋回支持構造の耐用年数を延長する。第1独立カウンタウェイトは、スーパーリフティング装置を用いたクレーンのスーパーリフティング作動条件下でのクレーンの安定化、およびスーパーリフティング装置を用いないクレーンの標準的な作動条件下でのクレーンの安定化の効果を発揮することができる。
【0024】
本開示の他の特徴および利点は、以下の添付図面を参照して、本開示の例示的な実施形態の詳細な説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本明細書に記載される添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の一部を構成する。本開示の概略的な実施形態およびその説明は、本開示を説明するために使用されるが、本開示に対する不適切な限定を構成するものではない。添付図面では、
【0026】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態によるクレーンの構造概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の別の実施形態によるクレーンの構造概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の別の実施形態によるクレーンの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の実施形態における技術的解決策は、本開示の実施形態における添付の図面を参照して明確かつ完全に説明される。明らかに、記載された実施形態は、本開示の実施形態の全てではなく、単なる一部である。少なくとも1つの例示的な実施形態の以下の説明は、実際には単なる例示であり、本開示およびその適用または使用に限定するものではない。創造的な努力を支払うことなく当業者によって本開示の実施形態に基づいて行われる他のすべての実施形態は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0028】
特に明記しない限り、本実施形態に記載される部品およびステップの相対配置、数値表現および値は、本開示の範囲を限定しない。また、説明の便宜上、添付図面に示す各部の寸法は、実際の比例関係に従って描かれていないことを理解されたい。関連分野の当業者に既知の技術、方法、およびデバイスは、詳細に議論されない場合があるが、必要に応じて、技術、方法、およびデバイスは、承認された仕様の一部と見なされるべきである。本明細書に示され、議論される全ての実施例において、任意の特定の値は、限定ではなく単なる例示として解釈されるべきである。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有し得る。なお、類似の参照符号および文字は、以下の添付図面における類似の項目を表す。したがって、ある項目が一つの図面で定義されると、後続の図面でその項目についてさらに議論する必要はない。
【0029】
図1から
図3に示されるように、実施形態によって提供されるクレーンは、シャーシ1、回転可能プラットフォーム22、メインブーム3、マスト4、および第1独立カウンタウェイトシステムを含む。
【0030】
回転可能プラットフォーム22は、シャーシ1に回転可能に配置され、互いに反対側にある第1の端部および第2の端部を含み、回転可能プラットフォーム22は、旋回支持構造21を通してシャーシ1に支持される。いくつかの実施形態では、旋回支持構造21は、シャーシ1に対して回転するように回転可能プラットフォーム22を駆動するための、旋回モータまたは電気モータなどの機構を含む。いくつかの実施形態では、シャーシ1は、キャタピラシャーシまたはホイールタイプシャーシなどの移動式シャーシである。このとき、クレーンは移動式クレーンである。いくつかの実施形態では、シャーシ1は、静的シャーシである。このとき、クレーンは非移動式クレーンである。
【0031】
メインブーム3は、回転可能プラットフォーム22の第1の端部でヒンジ接続された第1の端部と、重量を持ち上げるための第2の端部とを含む。メインブーム3は、回転可能プラットフォーム22に対して回転して振幅変動を実行するように、その第1の端部を通して回転可能プラットフォーム22の第1の端部にヒンジ接続される。メインブーム3の第2の端部は、フックによって持ち上げられた重量を支持するように構成される。
【0032】
マスト4の第1の端部は、回転可能プラットフォーム22とヒンジ接続され、第2の端部は、メインブーム3を上下するためにメインブーム3の第2の端部に接続される。スーパーリフティング装置を備えないクレーンの実施形態では、
図1および
図2に示されるように、マスト4の第2の端部は、プルプレートおよび/またはプルロープを通してメインブーム3の第2の端部に直接接続される。スーパーリフティング装置を有するクレーンの実施形態では、
図3に示されるように、マスト4の第2の端部は、プルロープおよび/またはプルプレートを通してスーパーリフティングアームフレーム8の第2の端部に接続され、次いで、スーパーリフティングアームフレーム8の第2の端部を通してメインブームの第2の端部に接続され、マスト4の第2の端部は、メインブーム3の第2の端部に間接的に接続される。
【0033】
第1独立カウンタウェイトシステムは、第1独立カウンタウェイト72と、第1独立カウンタウェイト72と回転可能プラットフォーム22との間に接続された接続構造とを含み、接続構造は、第1独立カウンタウェイト72が部分的な作動状態にあることを可能にするように構成され、第1独立カウンタウェイト72の部分的な作動状態では、第1独立カウンタウェイト72は地面に支持され、第1独立カウンタウェイト72の重量は、地面と回転可能プラットフォームによって共同で支持される。いくつかの実施形態では、第1独立カウンタウェイト72は、図に示されるように、複数のカウンタウェイトブロックと、複数のカウンタウェイトブロックをベアリングするためのカウンタウェイトトレイ71とを含む。
【0034】
接続構造は、第1独立カウンタウェイト72と回転可能プラットフォーム22との間に接続される。いくつかの実施形態では、接続構造は、回転可能プラットフォーム22に直接接続される。いくつかの実施形態では、接続構造は、他のデバイスを通じて回転可能プラットフォーム22に間接的に接続される。第1独立カウンタウェイト72が部分的な作動状態にあるとき、第1独立カウンタウェイト72の重量は、地面および回転可能プラットフォームによって共同で支持される。このとき、第1独立カウンタウェイト72は、接続構造を通して回転可能プラットフォームに吊り下げられ、第1独立カウンタウェイト72の重量の一部は、クレーンが重量を持ち上げてクレーンを安定させるときにクレーンの転倒を回避するために、接続構造を通して回転可能プラットフォームに作用力を加え、第1独立カウンタウェイト72の重量の残りの部分は、地面によって支持される。クレーンによって持ち上げられた重量の重さが増加するにつれて、第1独立カウンタウェイト72が地面から完全に分離される前に、クレーンの転覆を防止するために第1独立カウンタウェイト72によって回転可能プラットフォームに加えられる作用力は、重量の重さの増加とともに増加し得る。第1独立カウンタウェイト72が地面に支持され、クレーンが重量を持ち上げたり、より軽い重量を持ち上げたりしないとき、第1独立カウンタウェイト72の重量はすべて地面に印加され得、回転可能プラットフォーム22を支持するために圧力を回転可能プラットフォームおよび旋回支持構造21に印加せず、それによって旋回支持構造21の負荷を低減する。
【0035】
実施形態によって提供されるクレーンによれば、第1独立カウンタウェイトシステムが提供され、接続構造が第1独立カウンタウェイト72が部分的に作動状態にあることを可能にするために提供され、第1独立カウンタウェイト72が地面に配置され得、これにより、メインブームの組み立てプロセスにおいて、またはクレーンが重量を持ち上げないとき、作用力が回転可能プラットフォーム22および旋回支持構造21に加えられない。あるいは、より軽い重量が持ち上げられるとき、第1独立カウンタウェイト72は部分的な作動状態を有し、第1独立カウンタウェイト72の重量の一部のみが回転可能プラットフォームおよび旋回支持構造21に負荷を形成し、作用力を加える。第1独立カウンタウェイト72は、クレーンが転倒するのを防ぐためにクレーンを安定させる効果を及ぼすことができ、回転可能プラットフォームおよび回転可能プラットフォーム22を支持するための旋回支持構造21への負荷を低減することができ、回転可能プラットフォーム22および旋回支持構造21の高負荷作業条件時間を低減することができ、回転可能プラットフォームおよび旋回支持構造構成要素への損傷を低減することができ、回転可能プラットフォームおよび旋回支持構造21の耐用年数を延長することができる。第1独立カウンタウェイトは、スーパーリフティング装置を用いたクレーンのスーパーリフティング作動条件下でのクレーンの安定化、およびスーパーリフティング装置を用いないクレーンの標準的な作動条件下でのクレーンの安定化をすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、接続構造は、第1の持ち上げ装置73を含み、第1の持ち上げ装置73は、第1独立カウンタウェイト72が地面に支持されるように、または第1独立カウンタウェイト72が地面から分離されるように、すなわち、第1独立カウンタウェイト72が地面上に持ち上げられるように、第1独立カウンタウェイト72を上昇または下降させるように構成される。
【0037】
第1の持ち上げ装置73は、第1独立カウンタウェイト72を空中に持ち上げることができ、または第1独立カウンタウェイト72を地面に置くこともできる。第1独立カウンタウェイト72が地面に支持され、クレーンが重量を持ち上げたり、より軽い重量を持ち上げたりしないとき、第1独立カウンタウェイト72の重量はすべて地面に印加され得、回転可能プラットフォーム22を支持するために圧力を回転可能プラットフォームおよび旋回支持構造21に印加せず、それによって旋回支持構造21の負荷を低減する。クレーンがより重い重量を持ち上げ、第1独立カウンタウェイト72によってクレーンに安定性作用を加える必要があるとき、第1独立カウンタウェイト73は、第1独立カウンタウェイト72と第1の持ち上げ装置73との間で作用力が伝達されるように、第1独立カウンタウェイト72に吊り上げ力を加えることができ、第1独立カウンタウェイト72は、回転可能プラットフォーム22および旋回支持構造21に重量をすべて加え得る。第1独立カウンタウェイト72がクレーンに安定化効果を適用するとき、いくつかの実施形態では、第1独立カウンタウェイト72は、完全な役割を果たし(第1独立カウンタウェイトは、地面から分離されている)、いくつかの実施形態では、第1独立カウンタウェイト72は、部分的な役割を果たす(第1独立カウンタウェイトは、地面から分離されていない)。第1独立カウンタウェイト72が地面から分離されていないとき、第1独立カウンタウェイト72の重量の一部が地面に作用し、他の部分がクレーンに作用する。第1独立カウンタウェイト72が安定化効果を適用するとき、第1独立カウンタウェイトのクレーンに作用する重量は、回転可能プラットフォーム22を通して旋回支持構造21に伝達され、回転可能プラットフォームおよび旋回支持構造21の負荷を形成する。第1の持ち上げ装置73が、第1独立カウンタウェイト72を地上から持ち上げるとき、すなわち、第1独立カウンタウェイト72が空中に吊り下げられ、第1独立カウンタウェイト72の重量はすべてクレーンに作用し、最高の安定化効果を適用することができる。このとき、クレーンはより重い重量を持ち上げることができる。回転可能プラットフォーム22が旋回するとき、またはクレーンが移動式クレーンであるとき、クレーンはまた歩くために、重量および第1独立カウンタウェイト72を運ぶことができる。この実施形態によれば、第1の持ち上げ装置73が提供され、第1独立カウンタウェイト72が地面に配置されることができるため、メインブームの組み立てプロセスにおいて、またはクレーンが重量を持ち上げないとき、回転可能プラットフォーム22および旋回支持構造21に作用力が加えられないか、またはより軽い重量が持ち上げられたとき、第1独立カウンタウェイト72は地面から分離されず、重量の一部のみが回転可能プラットフォームおよび旋回支持構造21に負荷を形成して作用力を加える。一方、持ち上げられた重量を旋回させる必要がある場合、第1独立カウンタウェイト72は、第1の持ち上げ装置73を通して地面の上に持ち上げることができ、回転可能プラットフォーム22が便利に旋回を実行することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、クレーンは、回転可能プラットフォーム22に配置されたカウンタウェイト6をさらに含み、第1独立カウンタウェイト72は、回転可能プラットフォーム22に取り外し可能に接続される。第1の独立カウンタウェイト72と回転可能プラットフォーム22との間の取り外し可能な接続は、いくつかの実施形態では、第1の独立カウンタウェイト72と第1の持ち上げ装置73との間の取り外し可能な接続によって、またはいくつかの実施形態では、接続構造と回転可能プラットフォーム22との間の取り外し可能な接続によって実現される。この実施形態では、クレーンは、様々な吊り上げ能力を有し、様々な作業環境に適応することができる。クレーンがより軽い重量を持ち上げる、またはより短いメインブームの作業条件に適用されるとき、第1独立カウンタウェイト72は、回転可能プラットフォーム22から分離され、分解されることができ、それにより、より軽い重量に対して昇降、旋回、移動、および他の操作を実行することが、カウンタウェイト6と便利にすることができる。クレーンが、より重い重量を持ち上げる、またはより長いメインブームの作業条件に適用されるとき、第1独立カウンタウェイト72は、回転可能プラットフォーム22に接続することができ、クレーンは、第1独立カウンタウェイト72およびカウンタウェイト6の組み合わせの作用を通じて、より高い吊り上げ能力を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1独立カウンタウェイト72は、回転可能プラットフォームに取り外し可能に接続され、クレーンは、回転可能プラットフォーム22に配置されたカウンタウェイト6をさらに含み、マスト4のメインブーム3の引張力を検出するための力センサ5は、マスト4の第2の端部とメインブーム3の第2の端部との間に配置される。クレーンは、力センサ5および第1の持ち上げ装置73に信号で接続される制御システムをさらに含み、制御システムは、力センサ5の検出結果に従って第1独立カウンタウェイト72を上昇または下降させるように第1の持ち上げ装置73を制御するように構成される。クレーンが重量を持ち上げるとき、重量が大きいほど、またはクレーンがアームを持ち上げるとき、メインブームが長いほど、マスト4の第2の端部とメインブーム3の第2の端部との間の引張力が大きくなり、クレーンが転覆させ得るモーメントが大きくなるため、カウンタウェイトの必要な安定化効果が大きくなる。力センサ5は、引張力の大きさを測定することによって、クレーンが転倒しないようにするために、必要な安定化効果およびカウンタウェイトの必要な安定化モーメントの大きさを決定することができる。この実施形態では、重量を持ち上げるプロセスにおいて、重量を完全に持ち上げる前に、制御システムは、力センサ5の測定結果に従ってカウンタウェイトを除く第1独立カウンタウェイト72の作用を及ぼす必要があるかどうかを判定することができ、第1独立カウンタウェイト72の作用を及ぼす必要があると判定されると、第1の持ち上げ装置73は、重量の徐々に持ち上げと一致する方法で第1独立カウンタウェイト72を徐々に持ち上げ、第1独立カウンタウェイト72が地面から徐々に分離されるプロセスは、重量を持ち上げるプロセスと一致し、重量を持ち上げるプロセスにおけるクレーンの安定性が向上する。
【0040】
いくつかの実施形態では、
図2および
図3に示されるように、第1独立カウンタウェイトシステムは、回転可能プラットフォーム22および第1の持ち上げ装置73を接続するための第1の接続フレーム74を含む。第1の接続フレーム74は、回転可能プラットフォーム22の第1の端部から第2の端部までの方向で、第1の端部から離れて延びる。いくつかの実施形態では、第1の持ち上げ装置73は、テレスコープオイルシリンダ(telescopicoilcylinder)、ロープロー(roperow)などの持ち上げ機能を有する装置である。第1独立カウンタウェイト72が第1の接続フレーム74に接続され、第1独立カウンタウェイト72がクレーンを安定させる効果を発揮するとき、第1接続フレーム74は、第1独立カウンタウェイト72によって提供される転倒防止モーメントの力アームのサイズを増大させることができるので、構造設計中に第1独立カウンタウェイト72の重量を減らすことができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、第1の接続フレーム74は、接続構造と回転可能プラットフォーム22との間に配置された第1のテレスコーピング機構を含み、第1のテレスコーピング機構は、第1独立カウンタウェイト72を回転可能プラットフォームの第1の端部に近接または離れるように駆動するように構成される。この実施形態では、第1のテレスコーピング機構を通じて、回転可能プラットフォーム22の第1の端部から離れて延びる第1の接続フレーム74の長さを調整することができ、これにより、第1独立カウンタウェイト72が第1独立カウンタウェイト72を安定させる効果を発揮するときに、力アームのサイズを調整することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、クレーンは、スーパーリフティングアームフレーム8および第2独立カウンタウェイトシステムをさらに含む。
【0043】
スーパーリフティングアームフレーム8の第1の端部は、回転可能プラットフォーム22にヒンジ接続され、第2の端部は、メインブーム3の第2の端部に接続され、マスト4の第1の端部は、回転可能プラットフォーム22の第1の端部でヒンジ接続され、第2の端部は、スーパーリフティングアームフレーム8の第2の端部に接続され、第2独立カウンタウェイトシステムは、第2独立カウンタウェイト91、第2独立カウンタウェイト91とスーパーリフティングアームフレーム8の第2の端部とを接続するための第2の持ち上げ装置92、および回転可能プラットフォーム22の第2の端部と第2の持ち上げ装置92との間に接続される第2の接続フレーム93を含む。第2の持ち上げ装置92は、第2独立カウンタウェイト91を吊り上げるように構成され、第2独立カウンタウェイト91は、地面に支持されるか、または地面から分離されることができる。第2の持ち上げ装置92は、プルプレート、プルロープ、および/または他の構造を通してスーパーリフティングアームフレーム8の第2の端部に接続される。第1独立カウンタウェイト72の第1の持ち上げ装置73の吊り上げ動作原理と同様に、第2独立カウンタウェイト92が空中に第2独立カウンタウェイトを吊り上げるとき、第2独立カウンタウェイト91の重量はすべてクレーンに作用し、第2独立カウンタウェイト91の安定化効果を最大限に発揮することができる。加えて、第2の接続フレーム93は、第2の独立カウンタウェイト91がクレーンを安定させる効果を発揮するとき、力アームを効果的に増加させ、それによって第2の独立カウンタウェイト91の重量を減らすことができる。一方、第2独立カウンタウェイトシステムは、スーパーリフティングアームフレーム8の下に配置され、スーパーリフティングアームフレーム8の応力状態を改善することができる。この実施形態では、クレーンの吊り上げ能力を効果的に向上させることができるように、第2独立カウンタウェイトシステムが提供される。
【0044】
いくつかの実施形態では、第2の接続フレーム93は、第2のテレスコーピング機構を含み、第2のテレスコーピング機構は、第2独立カウンタウェイト91を回転可能プラットフォームの第1の端部に近接または離れるように駆動するように構成される。第2独立カウンタウェイト91がクレーンを安定させる効果を発揮するときの力アームのサイズを調整することができるように、第2のテレスコーピング機構が提供される。いくつかの実施形態では、第2のテレスコーピング機構は、第1のテレスコーピング機構と同様に、テレスコープ式オイルシリンダ、リニアモータなどのテレスコーピング装置を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、クレーンは、回転可能プラットフォーム22に配置されたカウンタウェイト6をさらに含み、第1独立カウンタウェイト72および第2独立カウンタウェイト91は、回転可能プラットフォーム22に取り外し可能に接続され、マスト4のメインブーム3の引張力を検出するための力センサ5は、マスト4の第2の端部とスーパーリフティングアームフレーム8の第2の端部との間に配置され、クレーンは、力センサ5、第1の持ち上げ装置73および第2の持ち上げ装置に信号的に接続された制御システムをさらに含み、制御システムは、力センサ5の検出結果に従って、第1独立カウンタウェイト72を昇降させるように第1の持ち上げ装置73を制御し、第2独立カウンタウェイト91を昇降させるように第2の持ち上げ装置を制御するように構成される。第1独立カウンタウェイト72および第2独立カウンタウェイト91は、回転可能プラットフォーム22に取り外し可能に接続されているため、クレーンは、第1独立カウンタウェイト72、第2独立カウンタウェイト91および回転可能プラットフォーム22の切り離しまたは接続の組み合わせを通じて様々な吊り上げ能力を有し得、クレーンは、より多くの作業条件に適している。力センサ5を通じて、第1独立カウンタウェイト72および第2独立カウンタウェイト91の持ち上げは、クレーンが重量を持ち上げるプロセスとより一致させることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1独立カウンタウェイト72は依然として地面に配置され、接続構造は、チェーンおよび接続プレートなどの非テレスコープ式構造部品として設計され得、第1独立カウンタウェイト72は、地面から能動的に分離することができない。このとき、第1独立カウンタウェイト72は、依然として部分的な作動状態を有し得、依然としてクレーンの安定化効果を改善し、回転可能プラットフォームの負荷を低減することができ、より単純な構造を有する。第1独立カウンタウェイトは、スーパーリフティング装置を用いたクレーンのスーパーリフティング作動条件下でのクレーンの安定化、およびスーパーリフティング装置を用いないクレーンの標準的な作動条件下でのクレーンの安定化の効果を発揮することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、上述の制御システムは、本開示によって説明される機能を実行するための汎用プロセッサ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲートまたはトランジスタロジックデバイス、離散ハードウェア分解、または任意の適切な組み合わせであってもよい。
【0048】
最後に、上記の実施形態は、本開示の技術的解決策を例示することのみを意図しており、それらを限定するものではないことに留意されたい。本開示は、好ましい実施形態を参照して詳細に例示されているが、当業者は、本開示の特定の実施形態に対して修正が行われてもよく、または技術的特徴の一部に対して等価な置き換えが行われてもよいことを理解すべきであり、修正および等価な置き換えは、本開示の技術的解決策の精神から逸脱することなく、本開示によって請求される技術的解決策の保護範囲内でカバーされるべきである。