IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 合肥美的電冰箱有限公司の特許一覧 ▶ 合肥華凌股▲フン▼有限公司の特許一覧 ▶ 美的集団股▲フン▼有限公司の特許一覧

特許7466696食材栄養素向上方法及び制御装置、収納キャビネット、電子機器
<>
  • 特許-食材栄養素向上方法及び制御装置、収納キャビネット、電子機器 図1
  • 特許-食材栄養素向上方法及び制御装置、収納キャビネット、電子機器 図2
  • 特許-食材栄養素向上方法及び制御装置、収納キャビネット、電子機器 図3
  • 特許-食材栄養素向上方法及び制御装置、収納キャビネット、電子機器 図4
  • 特許-食材栄養素向上方法及び制御装置、収納キャビネット、電子機器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】食材栄養素向上方法及び制御装置、収納キャビネット、電子機器
(51)【国際特許分類】
   A23L 19/00 20160101AFI20240405BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240405BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20240405BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240405BHJP
   F25D 27/00 20060101ALI20240405BHJP
   A23L 3/26 20060101ALN20240405BHJP
   A23B 7/015 20060101ALN20240405BHJP
   A23L 33/00 20160101ALN20240405BHJP
【FI】
A23L19/00 Z
H05B45/10
H05B47/115
F25D11/00 101B
F25D27/00
A23L3/26
A23B7/015
A23L33/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022570197
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2020138639
(87)【国際公開番号】W WO2022110417
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】202011382358.7
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517215032
【氏名又は名称】合肥美的電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI MIDEA REFRIGERATOR CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.669,West Changjiang Road,Hefei,Anhui 230601,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】516320344
【氏名又は名称】合肥華凌股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI HUALING CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.176 JinXiu Road,Hefei Economic And Technological Development Area Hefei,Anhui, 230601,China
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】叶 瑞森
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲哲▼
(72)【発明者】
【氏名】伍 志▲剛▼
【審査官】関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106091536(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111623582(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106705566(CN,A)
【文献】特開2013-231596(JP,A)
【文献】特開2010-078300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 19/00
F25D
A23L 3/
A23B 7/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室の閉鎖信号に基づいて、光源を制御して起動させる起動ステップと、
第1のプリセット時間長を経過した後、前記貯蔵室の湿度を取得する湿度取得ステップと、
前記貯蔵室の湿度が目標湿度よりも大きい場合、前記貯蔵室に入れた食材が青果物であると判定し、調湿ファンを制御して通常モードで作動させかつ前記光源を前記青果物に照射し続け、第2のプリセット時間長を経過した後、前記光源をオフにする制御ステップとを含み、
前記湿度取得ステップと前記制御ステップとの間に、
前記貯蔵室の湿度が前記目標湿度よりも大きい場合、前記食材の目標光照射強度及び目標光照射時間長を確定する第1の確定ステップと、
前記光源の光照射強度を前記目標光照射強度に設定し、前記第2のプリセット時間長を前記目標光照射時間長に設定する設定ステップと、を更に含み、
前記第1の確定ステップは、
前記貯蔵室の湿度が前記目標湿度よりも大きい場合、前記食材の画像に基づいて、前記貯蔵室に入れた食材の種類を取得するステップと、
前記食材の種類に基づいて、前記食材の種類に必要な最小光照射強度及び最短光照射時間長を確定するステップと、
前記最小光照射強度及び前記最短光照射時間長に基づいて、前記目標光照射強度及び前記目標光照射時間長を確定するステップと、を含み、
前記した、前記最小光照射強度及び前記最短光照射時間長に基づいて、前記目標光照射強度及び前記目標光照射時間長を確定するステップは、
前記食材の種類が1種である場合に、前記最小光照射強度を前記目標光照射強度として設定し、前記最短光照射時間長を前記目標光照射時間長として設定するステップと、
前記食材の種類が複数種である場合に、すべての前記最小光照射強度のうちの値が最も大きいものを前記目標光照射強度として設定し、すべての前記最短光照射時間長のうちの値が最も大きいものを前記目標光照射時間長として設定するステップと、を含むことを特徴とする食材栄養素向上方法。
【請求項2】
前記制御ステップは、前記貯蔵室の湿度が前記目標湿度以下である場合、調湿ファンを低湿モードで運転させように制御し、前記光源をオフにするステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項3】
前記目標湿度は、履歴データ、又は前記起動ステップを実行する前の前記貯蔵室の湿度に基づいて確定されることを特徴とする請求項1に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項4】
前記起動ステップを実行した後に、
前記貯蔵室のオープン信号に基づいて、第3のプリセット時間長を経過して前記光源がオフにされるように制御するオフステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項5】
前記食材の種類が複数種である場合に、前記設定ステップと前記制御ステップとの間に、
前記貯蔵室の閉鎖信号に基づいて、前記貯蔵室内の現在の食材の種類を再取得するステップと、
前記現在の食材の種類が前記設定ステップを実行する前の食材の種類よりも少ないことを確定すると、減少した前記食材の種類に対応する最小光照射強度及び最短光照射時間長を取得するステップと、
減少した前記食材の種類に必要な最小光照射強度がすべての前記現在の食材の種類に対応する最小光照射強度よりも大きいことを確定すると、前記設定ステップにおける前記目標光照射強度をすべての前記現在の食材の種類に対応する最小光照射強度のうちの最大値に更新するステップと、
減少した前記食材の種類に必要な最短光照射時間長がすべての前記現在の食材の種類に対応する最短光照射時間長よりも大きいことを確定すると、前記光源のオン時間長を取得するステップと、
前記オン時間長がすべての前記現在の食材の種類に対応する最短光照射時間長のうちの最大値よりも小さことを確定すると、前記設定ステップにおける前記目標光照射時間長をすべての前記現在の食材の種類に対応する最短光照射時間長のうちの最大値に更新するステップとを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項6】
前記食材の種類が複数種である場合に、前記設定ステップと前記制御ステップとの間に、
前記現在の食材の種類が前記設定ステップを実行する前の食材の種類よりも多いことを確定すると、多い分の前記食材の種類に対応する最小光照射強度及び最短光照射時間長を取得するステップと、
多い分の前記食材の種類に必要な最小光照射強度が前記設定ステップを実行する前のすべての食材の種類に対応する最小光照射強度よりも大きいことを確定すると、前記設定ステップにおける前記目標光照射強度を多い分の前記食材の種類に対応する最小光照射強度に更新するステップと、
多い分の前記食材の種類に必要な最短光照射時間長が前記設定ステップを実行する前のすべての食材の種類に対応する最短光照射時間長よりも大きいことを確定すると、計時を再開し、前記設定ステップにおける前記目標光照射時間長を多い分の前記食材の種類に対応する最短光照射時間長に更新するステップとを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項7】
前記第1の確定ステップは、
ユーザが手動で入力した入力光照射強度及び入力光照射時間長を取得するステップと、
前記入力光照射強度を前記目標光照射強度に設定し、前記入力光照射時間長を前記目標光照射時間長に設定するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項8】
前記目標光照射強度が100μmol・m-2・s-1以下であり、前記目標光照射時間長が120h以下であることを特徴とする請求項1に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項9】
前記制御ステップを実行した後に、
貯蔵室内での前記食材の貯蔵時間長を確定する第2の確定ステップと、
前記貯蔵時間長が第1のプリセット貯蔵時間長以上であることを確定すると、賞味提示命令を送信するステップであって、ここで、前記第1のプリセット貯蔵時間長が前記第2のプリセット時間長以上である提示ステップとを更に含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項10】
前記提示ステップは、
前記貯蔵時間長が第2のプリセット貯蔵時間長に等しいことを確定すると、最適賞味期限切れ提示命令を送信するステップであって、ここで、前記第1のプリセット貯蔵時間長が前記第2のプリセット貯蔵時間長よりも小さいステップを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項11】
前記第1のプリセット貯蔵時間長及び前記第2のプリセット貯蔵時間長は履歴データ及び/又は食材の種類に基づいて確定されることを特徴とする請求項10に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項12】
前記光源は青色光源を含み、前記青色光源が発する青色光の波長は440nm~460nmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の食材栄養素向上方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の食材栄養素向上方法のための食材栄養素向上制御装置であって、
貯蔵室の閉鎖信号に基づいて、光源を制御して起動させるための起動モジュールと、
第1のプリセット時間長を経過した後、前記貯蔵室の湿度を取得するための湿度取得モジュールと、
前記貯蔵室の湿度が目標湿度よりも大きい場合、調湿ファンを制御して通常モードで作動させ、第2のプリセット時間長を経過した後、前記光源をオフにするための制御モジュールとを含むことを特徴とする食材栄養素向上制御装置。
【請求項14】
キャビネット本体、光源、湿度検出器、及び請求項13に記載の食材栄養素向上制御装置を含み、
前記キャビネット本体内には貯蔵室が形成され、前記光源及び前記湿度検出器は前記貯蔵室内に設けられ、前記光源は、それぞれ、前記起動モジュール及び前記制御モジュールに通信接続され、前記湿度検出器は前記湿度取得モジュールに通信接続されていることを特徴とする収納キャビネット。
【請求項15】
通信インタフェース、メモリ、プロセッサ、及びメモリに記憶されプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む電子機器であって、前記プロセッサが前記プログラムを実行すると、請求項1~12のいずれか1項に記載の食材栄養素向上方法のステップを実現することを特徴とする電子機器。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~12のいずれか1項に記載の食材栄養素向上方法のステップを実現することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年11月30日に提出された、出願番号が2020113823587であり、発明の名称が「食材栄養素向上方法及び制御装置、収納キャビネット、電子機器」である中国特許出願の優先権を主張し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、食品鮮度保持の技術分野に関し、特に、食材栄養素向上方法及び制御装置、収納キャビネット、電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
生活水準が日増しに高まるにつれて、果物や野菜の品質に対する要求もますます高くなっている。現在、冷蔵庫は青果物の賞味期限を延長することができるが、冷蔵庫の冷蔵過程の中で、青果物は依然としてある程度の呼吸酸化作用を維持して、絶えず自分の栄養素を消費しているため、ユーザーの食用する青果物の品質が悪くなることを招きく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、少なくとも従来技術又は関連技術に存在している技術的問題の1つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の1つの目的は、青果物の栄養素の含有量を高めるための食材栄養素向上方法を提供することである。
【0006】
本開示の実施形態の食材栄養素向上方法は、
貯蔵室の閉鎖信号に基づいて、光源を制御して起動させる起動ステップと、
第1のプリセット時間長を経過した後、前記貯蔵室の湿度を取得する湿度取得ステップと、
前記貯蔵室の湿度が目標湿度よりも大きい場合、調湿ファンを制御して通常モードで作動させ、第2のプリセット時間長を経過した後、前記光源をオフにする制御ステップとを含む。
【0007】
本開示の実施形態の食材栄養素向上方法は、貯蔵室の閉鎖信号に基づいて光源を制御して起動させた後に、貯蔵室の湿度に応じて、貯蔵室に入れた食材が青果物であると判定された場合、調湿ファンを制御して通常モードで作動させ、光源を青果物に照射し続けることができ、これにより青果物中の対応する栄養素の含有量を高めることができる。
【0008】
一つの実施形態では、前記制御ステップは、前記貯蔵室の湿度が前記目標湿度以下である場合、調湿ファンを制御して低湿モードで運転させ、前記光源をオフにするステップを更に含む。
【0009】
一つの実施形態では、前記目標湿度は、履歴データ、又は前記起動ステップを実行する前の前記貯蔵室の湿度に基づいて確定される。
【0010】
一つの実施形態では、前記起動ステップを実行した後に、
前記貯蔵室のオープン信号に基づいて、第3のプリセット時間長を経過して前記光源がオフにされるように制御するオフステップを更に含む。
【0011】
一つの実施形態では、前記湿度取得ステップと前記制御ステップとの間に、
前記貯蔵室の湿度が前記目標湿度よりも大きい場合、前記食材の目標光照射強度及び目標光照射時間長を確定する第1の確定ステップと、
前記光源の光照射強度を前記目標光照射強度に設定し、前記第2のプリセット時間長を前記目標光照射時間長に設定する設定ステップとを更に含む。
【0012】
一つの実施形態では、前記第1の確定ステップは、
前記貯蔵室の湿度が前記目標湿度よりも大きい場合、前記食材の画像に基づいて、前記貯蔵室に入れた食材の種類を取得するステップと、
前記食材の種類に基づいて、前記食材の種類に必要な最小光照射強度及び最短光照射時間長を確定するステップと、
前記最小光照射強度及び前記最短光照射時間長に基づいて、前記目標光照射強度及び前記目標光照射時間長を確定するステップとを含む。
【0013】
一つの実施形態では、前記した、前記最小光照射強度及び前記最短光照射時間長に基づいて、前記目標光照射強度及び前記目標光照射時間長を確定するステップは、
前記食材の種類が1種である場合に、前記最小光照射強度を前記目標光照射強度として設定し、前記最短光照射時間長を前記目標光照射時間長として設定するステップと、
前記食材の種類が複数種である場合に、すべての前記最小光照射強度のうちの値が最も大きいものを前記目標光照射強度として設定し、すべての前記最短光照射時間長のうちの値が最も大きいものを前記目標光照射時間長として設定するステップとを含む。
【0014】
一つの実施形態では、前記食材の種類が複数種である場合に、前記設定ステップと前記制御ステップとの間に、
前記貯蔵室の閉鎖信号に基づいて、前記貯蔵室内の現在の食材の種類を再取得するステップと、
前記現在の食材の種類が前記設定ステップを実行する前の食材の種類よりも少ないことを確定すると、減少した前記食材の種類に対応する最小光照射強度及び最短光照射時間長を取得するステップと、
減少した前記食材の種類に必要な最小光照射強度がすべての前記現在の食材の種類に対応する最小光照射強度よりも大きいことを確定すると、前記設定ステップにおける前記目標光照射強度をすべての前記現在の食材の種類に対応する最小光照射強度のうちの最大値に更新するステップと、
減少した前記食材の種類に必要な最短光照射時間長がすべての前記現在の食材の種類に対応する最短光照射時間長よりも大きいことを確定すると、前記光源のオン時間長を取得するステップと、
前記オン時間長がすべての前記現在の食材の種類に対応する最短光照射時間長のうちの最大値よりも小さことを確定すると、前記設定ステップにおける前記目標光照射時間長をすべての前記現在の食材の種類に対応する最短光照射時間長のうちの最大値に更新するステップとを更に含む。
【0015】
一つの実施形態では、前記食材の種類が複数種である場合に、前記設定ステップと前記制御ステップとの間に、
前記現在の食材の種類が前記設定ステップを実行する前の食材の種類よりも多いことを確定すると、多い分の前記食材の種類に対応する最小光照射強度及び最短光照射時間長を取得するステップと、
多い分の前記食材の種類に必要な最小光照射強度が前記設定ステップを実行する前のすべての食材の種類に対応する最小光照射強度よりも大きいことを確定すると、前記設定ステップにおける前記目標光照射強度を多い分の前記食材の種類に対応する最小光照射強度に更新するステップと、
多い分の前記食材の種類に必要な最短光照射時間長が前記設定ステップを実行する前のすべての食材の種類に対応する最短光照射時間長よりも大きいことを確定すると、計時を再開し、前記設定ステップにおける前記目標光照射時間長を多い分の前記食材の種類に対応する最短光照射時間長に更新するステップとを更に含む。
【0016】
一つの実施形態では、前記第1の確定ステップは、
ユーザが手動で入力した入力光照射強度及び入力光照射時間長を取得するステップと、
前記入力光照射強度を前記目標光照射強度に設定し、前記入力光照射時間長を前記目標光照射時間長に設定するステップとを含む。
【0017】
一つの実施形態では、前記目標光照射強度が100μmol・m-2・s-1以下であり、前記目標光照射時間長が120h以下である。
【0018】
一つの実施形態では、前記制御ステップを実行した後に、
貯蔵室内での前記食材の貯蔵時間長を確定する第2の確定ステップと、
前記貯蔵時間長が第1のプリセット貯蔵時間長以上であることを確定すると、賞味提示命令を送信するステップであって、ここで、前記第1のプリセット貯蔵時間長が前記第2のプリセット時間長以上である提示ステップとを更に含む。
【0019】
一つの実施形態では、前記提示ステップは、
前記貯蔵時間長が第2のプリセット貯蔵時間長に等しいことを確定すると、最適賞味期限切れ提示命令を送信するステップであって、ここで、前記第1のプリセット貯蔵時間長が前記第2のプリセット貯蔵時間長よりも小さいステップを更に含む。
【0020】
一つの実施形態では、前記第1のプリセット貯蔵時間長及び前記第2のプリセット貯蔵時間長は履歴データ及び/又は食材の種類に基づいて確定される。
【0021】
一つの実施形態では、前記光源は青色光源を含み、前記青色光源が発する青色光の波長は440nm~460nmである。
【0022】
本開示の実施形態は、
貯蔵室の閉鎖信号に基づいて、光源を制御して起動させるための起動モジュールと、
第1のプリセット時間長を経過した後、前記貯蔵室の湿度を取得するための湿度取得モジュールと、
前記貯蔵室の湿度が目標湿度よりも大きい場合、調湿ファンを制御して通常モードで作動させ、第2のプリセット時間長を経過した後、前記光源をオフにするための制御モジュールとを含む食材栄養素向上制御装置を更に提供する。
【0023】
本開示の実施形態は、キャビネット本体、光源、湿度検出器、及び上記した食材栄養素向上制御装置を含み、前記キャビネット本体内には貯蔵室が形成され、前記光源及び前記湿度検出器は前記貯蔵室内に設けられ、前記光源は、それぞれ、前記起動モジュール及び前記制御モジュールに通信接続され、前記湿度検出器は前記湿度取得モジュールに通信接続されている収納キャビネットを更に提供する。
【0024】
本開示の実施形態は、通信インタフェース、メモリ、プロセッサ、及びメモリに記憶されプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む電子機器であって、前記プロセッサが前記プログラムを実行すると、上記した食材栄養素向上方法のステップを実現する電子機器を更に提供する。
【0025】
本開示の実施形態は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記した食材栄養素向上方法のステップを実現するコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【0026】
本開示の実施形態又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、以下に説明する図面は、本開示のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労働を要しない前提で、これらの図面に基づいてその他の図面を更に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は本開示に係る食材栄養素向上方法のフローチャートの一である。
図2図2は本開示に係る食材栄養素向上方法のフローチャートの二である。
図3図3は本開示に係る収納キャビネットの構造の概略図である。
図4図4は本開示に係る貯蔵室の透視概略図である。
図5図5は本開示に係る電子機器の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の上記の目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、図面及び具体的な実施形態を参照しながら、本開示の実施形態をより詳細に説明する。なお、衝突しない場合には、本願の実施形態及び実施形態における特徴を組み合わせることができる。
【0029】
本開示の実施形態の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語で表れる方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示の実施形態を便利に又は簡単に説明するために使用されるものに過ぎず、示された装置又は素子が必ず特定の方位にあり、特定の方位において構造されて操作されると指示又は暗示するものではないため、本開示の実施形態に対する限定と理解されるものではない。なお、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明するためのものに過ぎず、比較的な重要性を指示又は暗示するものとして理解されるべきではない。
【0030】
本開示の実施形態の説明において、明確な規定と限定がない限り、「互いに接続」、「接続」等の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。機械的な接続や、電気的な接続でも可能であり、直接的に互いに接続することや、中間媒体を介して間接的に互いに接続することも可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本開示の実施形態での具体的な意味を理解することができる。
【0031】
図1図3及び図4に示すように、本開示の実施形態の食材栄養素向上方法は、ステップ100~ステップ300を含む。
【0032】
ステップ100は、起動ステップであって、貯蔵室200の閉鎖信号に基づいて、光源300を制御して起動させ、
ステップ200は、湿度取得ステップであって、第1のプリセット時間長を経過した後、貯蔵室200の湿度を取得し、ここで、第1のプリセット時間は20min~60minであってもよいが、これに限定されない。
【0033】
ステップ300は、制御ステップであって、貯蔵室の湿度が目標湿度よりも大きい場合、貯蔵室200に入れた食材が青果物500であることを意味し、そして、調湿ファンを制御して通常モードで作動させ、第2のプリセット時間長を経過した後、光源300をオフにする。ここで、第2のプリセット時間長は2hであってもよいが、これに限定されない。なお、目標湿度は、履歴データ、又は起動ステップを実行する前の貯蔵室200の湿度に基づいて確定されてもよいが、これに限定されない。例えば、目標湿度は、プリセットの湿度値80%であってもよく、起動ステップの前の貯蔵室200の湿度+5%であってもよい。
【0034】
次に、青果物500のアントシアニンを向上させることを例として、本開示の実施形態に係る食材栄養素向上方法を説明する。
【0035】
アントシアニンは、花色素とも呼ばれ、C6-C3-C6骨格構造を有するフラボノイド化合物であり、植物に普遍的に存在している水溶性天然色素でもある。そのため、アントシアニンの含有量が高い青果物500、例えばイチゴ、チェリー、ブルーベリー、ミニトマト、ヤマモモ等のベリー類/核果類の果物は、深い色を持つ。アントシアニンは、抗酸化、抗炎症、抗がん、アンチエイジング、視力保護、及び心血管疾患予防などの重要な生理機能を有し、高い栄養価値を有する。研究によると、青果物500への青色光による照射は、青果物500中のアントシアニン代謝経路における重要な調節酵素の酵素活性を刺激するだけでなく、アントシアニン代謝経路の対応するゲノムの転写レベルを増強することができる。従って、青果物500におけるアントシアニンの含有量を高めるために、本実施形態における光源300は青色光源を採用することができ、青色光源が放射する青色波長は440nm~460nmであってもよいが、これに限定されない。なお、ここでの貯蔵室200は、冷蔵庫の冷蔵室区画や冷蔵室内の引き出しであってもよいが、これらに限定されない。
【0036】
例えば、ユーザが青果物500を冷蔵室の引き出しに入れた後に、当該引き出しの閉鎖信号に基づいて、直ちに青色光源を制御して起動させ、20min経過後に引き出し内の湿度を取得する。ユーザが引き出しに入れた食材が青果物500であると、青果物500は引き出し内の空气の湿度を高め、これにより、引き出し内の湿度が目標湿度よりも大きくなる。そのため、引き出し内の湿度が目標湿度よりも大きいことに基づいて、ユーザが引き出しに入れた食材は青果物500であることを判定することができ、これにより、調湿ファンを制御して通常モードで作動させ、青色光源を引き出し内の青果物500に照射し続ける。青色光の照射の下で、青果物500中のアントシアニン代謝経路における重要な調節酵素の酵素活性及び対応する遺伝子の転写レベルは徐々に上昇し、更に青果物500におけるアントシアニンの含有量を徐々に上昇させた。青色光源の照射時間長が2時間に達すると、青色光源をオフにする。
【0037】
ただし、光源300の種類が異なる場合、光源300が発する光線は、青果物500中の異なる栄養素、例えばアントシアニン、クロロフィル、還元糖、ビタミン等に対する向上効果が異なるため、本開示の実施形態における光源300は青色光源及び/又は赤色光源であってもよいが、これに限定されない。
【0038】
以上から分かるように、当該方法では、貯蔵室200の閉鎖信号に基づいて光源300を制御して起動させた後、貯蔵室200の湿度に基づいて、貯蔵室200に入れた食材が青果物500であると判定された場合、調湿ファンを制御して通常モードで作動させ、光源300を青果物500に照射し続けることができ、これにより、青果物500中の対応する栄養素の含有量を高めることができる。
【0039】
ユーザが貯蔵室200に入れた食材は青果物500に限らず、光を当てる必要がなく、且つ貯蔵室200に入れると貯蔵室200の湿度を上げないドライフルーツ、ドライ野菜などの乾物であってもよいことを考慮すると、省エネルギーを実現するために、上記ステップ300は、貯蔵室の湿度が目標湿度以下である場合、貯蔵室200に入れた食材が青果物500ではなく、乾物である可能性があることを意味し、この場合、調湿ファンを制御して低湿モードで運転させ、光源300をオフにするステップを更に含んでもよい。
【0040】
なお、光源300の運転中にユーザが貯蔵室200から食材を出し入れする際に光源300からの光線の影響を受けることを回避するために、上記ステップ100を実行した後に、貯蔵室200のオープン信号に基づいて、第3のプリセット時間長を経過して光源300がオフにされるように制御するオフステップを更に含む。ここで、第3のプリセット時間長の値の範囲は0s~5sであってもよい。例えば、第3のプリセット時間長の値が0sである場合、貯蔵室200が開いていることを検出したと、光源300は同期してオフにされる必要があることを意味する。第3のプリセット時間長の値が3sである場合、貯蔵室200が開いていることを検出した後、3s遅れて光源300をオフにされる必要があることを意味する。
【0041】
また、青果物500の種別によって、光照射に対する需要が異なるため、青果物500の光照射の需要を満たすことができるように、図2に示すように、上記ステップ200とステップ300との間に、ステップ210とステップ220をを更に含む。
【0042】
ステップ210は、第1の確定ステップであって、貯蔵室の湿度が目標湿度よりも大きい場合、つまり、貯蔵室200に入れた食材が青果物500であると判定された場合、食材である青果物500の目標光照射強度及び目標光照射時間長を確定する。
【0043】
ステップ220は、設定ステップであって、光源300の光照射強度を目標光照射強度に設定し、第2のプリセット時間長を目標光照射時間長に設定する。
【0044】
ただし、ステップ210における目標光照射強度及び目標光照射時間長は、以下のように様々な方法で確定することができる。
【0045】
方法一は、知能認識に基づくものであって、具体的には、食材である青果物500の画像に基づいて、貯蔵室200に入れた食材の種類を取得し、具体的に、貯蔵室200内に取り付けられた識別プローブ400、例えばカメラにより実現することができるステップと、食材の種類に基づいて、食材の種類に必要な最小光照射強度及び最短光照射時間長を確定するステップと、最小光照射強度及び最短光照射時間長に基づいて、目標光照射強度及び目標光照射時間長を確定するステップであって、貯蔵室200に入れた食材の種類が1種である場合に、当該食材の種類に対応する最小光照射強度を目標光照射強度として設定すると共に、当該食材の種類に対応する最短光照射時間長を目標光照射時間長として設定し、貯蔵室200に入れた食材の種類が複数種である場合に、すべての最小光照射強度のうちの値が最も大きいものを目標光照射強度として設定し、すべての最短光照射時間長のうちの値が最も大きいものを目標光照射時間長として設定するステップとを含む。
【0046】
ただし、食材の種類に応じて対応する最小光照射強度及び最短光照射時間長を素早く確定することを容易にするために、実験で得られた青果物の種類-光照射強度-光照射時間長の関係テーブルを予め記憶してもよい。勿論、当該関係テーブルには、対応する栄養素の向上率及び推奨賞味期限も含めることができる。ここで、栄養素の向上率は、光照射前と比較して、光照射開始から24時間経過後の青果物500における栄養素の含有量の増加量を指す。
【0047】
以下、表1の青果物500の種類を例として、方法一を採用した場合の当該食材栄養素向上方法について例を挙げて説明する。
【0048】
【表1】
【0049】
貯蔵室200内に入れた食材の種類がチェリーの1種類のみであると仮定すると、当該方法は、貯蔵室200の閉鎖信号に基づいて、光源300を制御して起動させるステップS1と、第1のプリセット時間長、例えば20minを経過した後、貯蔵室200の湿度を取得するステップS2と、チェリーが青果物500であるため、チェリーを貯蔵室200に入れると貯蔵室200の湿度が上昇し、貯蔵室200の湿度が目標湿度よりも大きくなり、従って、貯蔵室200内の識別プローブ400により貯蔵室200に入れた食材の種類を取得するステップS3と、表1を検索することにより、チェリーに必要な最小光照射強度が80μmol・m-2・s-1であり、必要な最短光照射時間長が4hであることを確定することができるステップS4と、80μmol・m-2・s-1を目標光照射強度として設定し、4hを目標光照射時間長として設定するステップであって、このような設定のメリットは、青果物500の光照射強度及び光照射時間長が表1中の対応する光照射強度及び光照射時間長の最小値に達した場合、その栄養素の向上効果が最も良く、更に光照射強度を増やしたり、光照射時間長を長くしたりするとかえって向上効果が遅くなることであるステップS5と、光源300の光照射強度を80μmol・m-2・s-1である目標光照射強度に設定し、第2のプリセット時間長を4hである目標光照射時間長に設定するステップS6と、光源300が80μmol・m-2・s-1の光照射強度で貯蔵室200内のチェリーに4h照射し、調湿ファンが通常モードで運転するように制御するステップS7とを含む。これにより、光源300の照射により、チェリーにおける栄養素の含有量が徐々に向上する。
【0050】
貯蔵室200内に同時に入れた食材の種類がリンゴ、イチゴ、及びミニトマトの3種類であると仮定すると、当該方法は、貯蔵室200の閉鎖信号に基づいて、光源300を制御して起動させるステップS1と、第1のプリセット時間長、例えば30minを経過した後、貯蔵室200の湿度を取得するS2と、リンゴ、イチゴ、及びミニトマトが青果物500であるため、リンゴ、イチゴ、及びミニトマトを貯蔵室200に入れると貯蔵室200の湿度が上昇し、貯蔵室200の湿度が目標湿度よりも大きくなり、従って、貯蔵室200内の識別プローブ400により貯蔵室200に入れた食材の種類を取得するステップS3と、表1を検索することにより、リンゴに必要な最小光照射強度が65μmol・m-2・s-1であり、必要な最短光照射時間長が8hであり、イチゴに必要な最小光照射強度が50μmol・m-2・s-1であり、必要な最短光照射時間長が2hであり、ミニトマトに必要な最小光照射強度が15μmol・m-2・s-1であり、必要な最短光照射時間長が6hであることを確定することができるステップS4と、上記の3つの最小光照射強度のうちの最大値65μmol・m-2・s-1を目標光照射強度として設定し、上記の3つの最短光照射時間長のうちの最大値8hを目標光照射時間長として設定するステップS5と、光源300の光照射強度を65μmol・m-2・s-1である目標光照射強度に設定し、第2のプリセット時間長を8hである目標光照射時間長に設定するステップS6と、光源300が65μmol・m-2・s-1の光照射強度で貯蔵室200内のリンゴ、イチゴ及びミニトマトに8h照射し、調湿ファンが通常モードで運転するように制御するステップS7とを含む。これにより、光源300の照射により、リンゴ、イチゴ及びミニトマトの栄養素含有量が徐々に向上する。
【0051】
なお、ユーザが途中で貯蔵室200内から青果物500を取り出す可能性があることを考慮すると、食材の種類が複数種ある場合には、設定ステップ及び制御ステップとの間に、貯蔵室200の閉鎖信号に基づいて、貯蔵室200内の現在の食材の種類を再取得するステップと、現在の食材の種類が設定ステップを実行する前の食材の種類よりも少ないことを確定すると、減少した食材の種類に対応する最小光照射強度及び最短光照射時間長を取得するステップと、減少した食材の種類に必要な最小光照射強度がすべての現在の食材の種類に対応する最小光照射強度よりも大きいことを確定すると、設定ステップにおける目標光照射強度をすべての現在の食材の種類に対応する最小光照射強度のうちの最大値に更新するステップと、減少した食材の種類に必要な最短光照射時間長がすべての現在の食材の種類に対応する最短光照射時間長よりも大きいことを確定すると、光源300のオン時間長を取得するステップと、オン時間長がすべての現在の食材の種類に対応する最短光照射時間長のうちの最大値よりも小さことを確定すると、設定ステップにおける目標光照射時間長をすべての現在の食材の種類に対応する最短光照射時間長のうちの最大値に更新するステップとを更に含む。
【0052】
以下、リンゴ、イチゴ、及びミニトマトの3種類の青果物500を例とし、目標光照射時間長に達していない間にリンゴが取り出されたと仮定すると、この場合に設定ステップを実行した後に、貯蔵室200の閉鎖信号に基づいて、貯蔵室200内の現在の食材の種類を再取得するステップと、設定ステップを実行する前に比べて、貯蔵室200内の食材の種類からリンゴが減少されたことを確定する場合、表1を検索することにより、リンゴに必要な最小光照射強度が65μmol・m-2・s-1であり、必要な最短光照射時間長が8hであることを確定することができるステップと、現在の貯蔵室200内に残っている青果物500がイチゴ及びミニトマトであり、イチゴに必要な最小光照射強度が50μmol・m-2・s-1であり、ミニトマトに必要な最小光照射強度が15μmol・m-2・s-1であり、取り出されたリンゴに必要な最小光照射強度が65μmol・m-2・s-1であるため、この前の設定ステップにおける目標光照射強度を65μmol・m-2・s-1から50μmol・m-2・s-1に更新することができるステップと、それと共に、イチゴに必要な最短光照射時間長が2hであり、ミニトマトに必要な最短光照射時間長が6hであり、取り出されたリンゴに必要な最短光照射時間長が8hであるため、まず光源300のオン時間長を取得することができ、この時の光源300のオン時間長が6h以上であると、この前の設定ステップにおける目標光照射時間長を更新する必要がなく、この時の光源300のオン時間長が6h未満であると、この前の設定ステップにおける目標光照射時間長を8hから6hに更新することができるステップとを更に含む。
【0053】
同様に、ユーザが途中で貯蔵室200内から青果物500を取り出す可能性があるほか、貯蔵室200に新しい青果物500を補充する可能性もあり、食材の種類が複数種ある場合、設定ステップと制御ステップとの間に、現在の食材の種類が制御ステップを実行する前の食材の種類よりも多いことを確定すると、多い分の食材の種類に対応する最小光照射強度及び最短光照射時間長を取得するステップと、多い分の食材の種類に必要な最小光照射強度が設定ステップを実行する前のすべての食材の種類に対応する最小光照射強度よりも大きいことを確定すると、設定ステップにおける目標光照射強度を多い分の食材の種類に対応する最小光照射強度に更新するステップと、多い分の食材の種類に必要な最短光照射時間長が設定ステップを実行する前のすべての食材の種類に対応する最短光照射時間長よりも大きいことを確定すると、計時を再開し、設定ステップにおける目標光照射時間長を多い分の食材の種類に対応する最短光照射時間長に更新するステップとを更に含む。
【0054】
次に、リンゴ、イチゴ、及びミニトマトの3種類の青果物500を例とし、貯蔵室200内に前に入れた青果物500がイチゴ及びミニトマトであると仮定すると、表1から分かるように、この場合の目標光照射強度が50μmol・m-2・s-1であり、目標光照射時間長が6hであり、目標光照射時間長6hに到達していない間にユーザが貯蔵室200内にリンゴを補充した場合に、制御ステップを実行した後に、貯蔵室200の閉鎖信号に基づいて、貯蔵室200内の現在の食材の種類を再取得するステップと、制御ステップを実行する前に比べて、貯蔵室200内の食材の種類にリンゴが追加されたことを確定すると、表1を検索することにより、リンゴに必要な最小光照射強度が65μmol・m-2・s-1であり、必要な最短光照射時間長が8hであることを確定することができるステップと、設定ステップを実行する前の貯蔵室200内の青果物500がイチゴ及びミニトマトであり、イチゴに必要な最小光照射強度が50μmol・m-2・s-1であり、ミニトマトに必要な最小光照射強度が15μmol・m-2・s-1であり、追加されたリンゴに必要な最小光照射強度が65μmol・m-2・s-1であるため、この前に設定ステップにおいて設定された目標光照射強度を50μmol・m-2・s-1から65μmol・m-2・s-1に更新することができるステップと、それと共に、イチゴに必要な最短光照射時間長が2hであり、ミニトマトに必要な最短光照射時間長が6hであり、追加されたリンゴに必要な最短光照射時間長が8hであるため、計時を再開し、この前に設定ステップにおいて設定された目標光照射時間長を6hから8hに更新することができるステップとを更に含む。
【0055】
方法二は、人工識別に基づくものであって、具体的には、ユーザが手動で入力した入力光照射強度及び入力光照射時間長を取得するステップと、入力光照射強度を目標光照射強度に設定し、入力光照射時間長を目標光照射時間長に設定するステップとを含む。食材の種類に応じてユーザがより正確な入力光照射強度及び入力光照射時間長を入力することを補助するために、表1のような仕様書をユーザーに用意することができ、仕様書には、以下の内容を明記することができる。青果物500の光照射強度及び光照射時間長が表1中の対応する光照射強度及び光照射時間長の最小値に達した場合、その栄養素の向上効果は最も良く、更に光照射強度を増やしたり、光照射時間長を長くしたりするとかえって向上効果が遅くなる。従って、青果物500を1種類のみ保存する場合、表1中の当該食材の種類に必要な最小光照射強度及び最短光照射時間長を入力することができ、一方、複数種類の青果物500を同時に保存する場合、表1中の保存すべきの複数の食材の種類に対応する最小光照射強度のうちの最大値及び最短光照射時間長のうちの最大値を入力することができる。
【0056】
ただし、研究により、青果物500への光源300による光照射強度が100μmol・m-2・s-1よりも大きく、又は光照射時間長が120hよりも長くなると、青果物500にある程度の縮み現象が生じることが分かった。従って、目標光照射強度が100μmol・m-2・s-1以下であり、目標光照射時間長が120h以下である。
【0057】
ユーザがより良い状態の青果物500を食べることができるようにするために、制御ステップを実行する後に、
貯蔵室200内での青果物500の貯蔵時間長を確定する第2の確定ステップと、
貯蔵時間長が第1のプリセット貯蔵時間長以上であることを確定すると、この時青果物500中の対応する栄養素の含有量が比較的に良いレベルに達したことを意味し、この時、青果物500をタイムリーに食べるようにユーザに注意するために、賞味提示命令を送信することができるステップであって、ここで、第1のプリセット貯蔵時間長が第2のプリセット時間長以上である提示ステップとを更に含む。ここで、第1のプリセット貯蔵時間長は、履歴データ及び/又は食材の種類に基づいて確定することができる。なお、賞味提示命令は、起動ブザー音、デジタルテキスト又はプロンプトランプであってもよいが、これに限定されない。
【0058】
勿論、ユーザが青果物500をタイムリーに食べることを忘れて後続の食体験に影響を与えないようにするために、提示ステップは、貯蔵時間長が第2のプリセット貯蔵時間長に等しいことを確定すると、最適賞味期限切れ提示命令を送信するステップであって、ここで、第1のプリセット貯蔵時間長が第2のプリセット貯蔵時間長よりも小さいステップを更に含む。ここで、第2のプリセット貯蔵時間長は履歴データ及び/又は食材の種類に基づいて確定されることもできる。例えば、第1のプリセット貯蔵時間長は、表1中の推奨賞味期限の最小値を選択し、第2のプリセット貯蔵時間長は、表1中の推奨賞味期限の最大値を選択することができる。
【0059】
また、本開示の実施形態は、起動モジュール、湿度取得モジュール、及び制御モジュールを含む食材栄養素向上制御装置を更に提供し、ここで、起動モジュールは、貯蔵室200の閉鎖信号に基づいて、光源を制御して起動させるためのものであり、湿度取得モジュールは、第1のプリセット時間長を経過した後、貯蔵室200の湿度を取得するためのものであり、制御モジュールは、貯蔵室の湿度が目標湿度よりも大きい場合、調湿ファンを制御して通常モードで作動させ、第2のプリセット時間長を経過した後、光源300をオフにするためのものである。
【0060】
また、制御モジュールは、更に、貯蔵室の湿度が目標湿度以下である場合、調湿ファンを制御して低湿モードで運転させ、光源300をオフにするためのものである。
【0061】
なお、当該食材栄養素向上制御装置は、オフモジュール、第1の確定モジュール、第2の確定モジュール、設定モジュール、及び提示モジュールを更に含み、ここで、第1の確定モジュールは、室の湿度が目標湿度よりも大きい場合、食材の目標光照射強度及び目標光照射時間長を確定するためのものであり、設定モジュールは、光源300の光照射強度を目標光照射強度に設定し、第2のプリセット時間長を目標光照射時間長に設定するためのものであり、第2の確定モジュールは、貯蔵室200内での青果物500の貯蔵時間長を確定するためのものであり、提示モジュールは、貯蔵時間長が第1のプリセット貯蔵時間長以上であることを確定すると、賞味提示命令を送信するためのものであり、第1のプリセット貯蔵時間長が目標光照射時間長以上である。
【0062】
また、提示モジュールは、更に、貯蔵時間長が第2のプリセット貯蔵時間長に等しいことを確定すると、最適賞味期限切れ提示命令を送信するためのものであり、ここで、第1のプリセット貯蔵時間長が第2のプリセット貯蔵時間長よりも小さいである。
【0063】
図3に示すように、本開示の実施形態は、収納キャビネット100を更に提供し、当該収納キャビネット100は、キャビネット本体、光源300、湿度検出器、及び上記した食材栄養素向上制御装置を含み、キャビネット本体内には貯蔵室200が形成され、光源300及び湿度検出器は貯蔵室200内に設けられ、光源300は、それぞれ、起動モジュール及び制御モジュールに通信接続され、湿度検出器は湿度取得モジュールに通信接続されている。ここで、光源300は青色光源300であってもよいが、これに限定されない、収納キャビネット100は冷蔵庫であってもよいが、これに限定されない。
【0064】
食材の種類のスマートな識別を実現できるために、当該収納キャビネット100は、貯蔵室200内に設けられる識別プローブ400を更に含み、識別プローブ400は、第1の確定モジュールに通信接続されており、貯蔵室200内の食材の種類を識別するためのものである。ここで、識別プローブ400はカメラであってもよいが、これに限定されない。
【0065】
勿論、人工に基づいてもよく、この場合、キャビネット本体の外壁には、第1の確定モジュールにそれぞれ通信接続された食材種類入力キー、目標光光照射強度入力キー、及び目標光照射時間長入力キーを設けることができる。備え付けられた仕様書に基づいて、食材種類入力キー、目標光光照射強度入力キー、及び目標光照射時間長入力キーにより、それぞれ食材の種類、当該食材の種類に必要な最小光照射強度及び最短光照射時間長を入力する。ここで、食材種類入力キー、目標光光照射強度入力キー、及び目標光照射時間長入力キーは、ヒューマンインタラクティブディスプレイスクリーン600に統合することができる。
【0066】
図5は、電子機器の実体構造の概略図であり、図5に示すように、当該電子機器は、プロセッサ(processor)810、通信インタフェース(CommunicationsInterface)820、メモリ(memory)830、及び通信バス840を含んでもよく、ここで、プロセッサ810、通信インタフェース820、メモリ830は、通信バス840を介して相互の通信を行う。プロセッサ810は、上記した食材栄養素向上方法のステップを実行するために、メモリ830における論理命令を呼び出すことができる。
【0067】
なお、上記のメモリ830における論理命令は、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現することができ、独立した製品として販売されたり、使用されたりする場合には、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づいて、本開示の技術案の本質的又は従来技術に寄与する部分、又は当該技術案の一部が、ソフトウェア製品の形態で具体化することができ、当該コンピューターソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶されており、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスなどであり得る)に本開示の各実施形態の方法のすべて又は一部のステップを実行させるいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBディスク、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-OnlyMemory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、RandomAccessMemory)、磁気ディスク、又は光ディスク等のプログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0068】
別の側面では、本開示は、コンピュータプログラム製品を更に提供し、当該コンピュータプログラム製品は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムはプログラム命令を含み、プログラム命令がコンピュータによって実行されると、コンピュータは、上記の各方法によって提供される食材栄養素向上方法のステップを実行することができる。
【0069】
更に別の側面では、本開示は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体を更に提供し、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記した食材栄養素向上方法のステップを実現する。
【0070】
上記した装置の実施形態は、単なる例示的なものであり、ここでは分離した部材として説明したユニットは、物理的に分離されているものでもよく、物理的に分離されているものでなくてもよく、ユニットとして示した部材は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットでなくてもよく、即ち、1つの場所に位置していてもよく、複数のネットワークユニットに分散していてもよい。本実施形態の技術案の目的は、実際のニーズに応じて、ここでのモジュールの一部又はその全部を選択することにより達成することができる。当業者であれば、創造的な労働をすることなく、理解して実施することができる。
【0071】
上記の実施形態の説明から、当業者は、各実施形態がソフトウェアと必要となる共通のハードウェアプラットフォームを組み合わせるにより実現されてもよいし、ハードウェアにより実現されてもよいことが明確に理解することができる。このような理解に基づいて、上記の技術案は、本質的又は従来技術に寄与する部分が、ソフトウェア製品の形態で具体化することができる。当該コンピューターソフトウェア製品は、例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、コンピュータ機器(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスなど)に各実施形態又は実施形態のいくつかの部分に係る方法を実行させるためのいくつかの命令を含む。
【0072】
上記の実施形態は、本開示の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示の実施形態を限定するためのものではない。実施形態を参照して本開示の実施形態を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として本開示の実施形態の技術案に対して様々な組み合わせ、修正又は等価的な置き換えを行うことは、本開示の実施形態の技術案の精神と範囲から逸脱することなく、本開示の請求の範囲に含まれるべきであることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0073】
100 収納キャビネット、
200 貯蔵室、
300 光源、
400 識別プローブ、
500 青果物、
600 ヒューマンインタラクティブディスプレイスクリーン、
810 プロセッサ、
820 通信インタフェース、
830 メモリ、
840 通信バス。
図1
図2
図3
図4
図5