(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶
(51)【国際特許分類】
F17C 9/00 20060101AFI20240405BHJP
F17C 13/00 20060101ALI20240405BHJP
B65D 90/00 20060101ALI20240405BHJP
B63B 27/24 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
F17C9/00 A
F17C13/00 302D
B65D90/00 H
B63B27/24 B
(21)【出願番号】P 2022573743
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 KR2021008383
(87)【国際公開番号】W WO2022005235
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0082330
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520387760
【氏名又は名称】ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ ビョン キ
(72)【発明者】
【氏名】イム ホン イル
(72)【発明者】
【氏名】オ フン キュ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン テ
(72)【発明者】
【氏名】パク チョン チン
(72)【発明者】
【氏名】ホ ウォン ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク ミン キュ
(72)【発明者】
【氏名】キム トン ウ
(72)【発明者】
【氏名】イ サン オク
(72)【発明者】
【氏名】パク ソン ボ
(72)【発明者】
【氏名】アン チェ ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨン ム
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0076930(KR,A)
【文献】特開昭61-104987(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第03092561(FR,A1)
【文献】特開2006-126562(JP,A)
【文献】特開2019-173424(JP,A)
【文献】特開2016-173184(JP,A)
【文献】特開平09-126235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 9/00
F17C 13/00
B65D 90/00
B63B 27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを収容する貯蔵空間を形成し、上面に液化ガスの流出入のためのドームが形成される壁体と、
上端が上記ドームに固定され、液化ガスをローディング及びアンローディングするためのパイプ及び液化ガスをアンローディングするための排出ポンプが設けられるポンプタワーと、
上記貯蔵空間の底をなす上記壁体に設けられて上記ポンプタワーの下端を拘束するロータリーベアリングの下側部と、を含み、
上記ポンプタワーは、
上記ロータリーベアリングの下側部によって水平の動きは拘束され、垂直の動きは許容されるようにガイドされるロータリーベアリングの上側部を有し、
上記ロータリーベアリングの下側部は、
垂直中心を基準として放射状に配置され、上記垂直中心と並んで設けられて複数の拘束面をそれぞれ有する複数の拘束部を含み、上記複数の拘束部の間に上記ロータリーベアリングの上側部が装着され
、
上記拘束部は、
一定角度で広がっている1対の上記拘束面を連結する弧状を有することを特徴とする液化ガス貯蔵タンク。
【請求項2】
上記ロータリーベアリングの下側部は、
上記壁体から内側に突出するように上記壁体に固定され、円形の断面を有する固定部と、
上記固定部の周りに放射状に配置される上記複数の拘束部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項3】
上記拘束部は、
上記垂直中心を基準として点対称に設けられることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の上記液化ガス貯蔵タンクを有することを特徴とする船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、技術開発により、ガソリンやディーゼルに代わって液化天然ガス(Liquefied Natural Gas;LNG)、液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas;LPG)などの液化ガスが広く使用されている。
【0003】
このようなLNGなどの液化ガスを海上で輸送または保管するLNG運搬船、LNG RV(Regasification Vessel)、LNG FPSO(Floating、Production、Storage and Offloading)、LNG FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)などの船舶内にはLNGを極低温の液体状態で貯蔵するための液化ガス貯蔵タンク(いわゆる「貨物倉」と呼ばれる)が設けられている。
【0004】
このような液化ガス貯蔵タンクには液化ガスの流出入のためのポンプタワーが設けられる。ポンプタワーは上端が液化ガス貯蔵タンクのドームに固定設置され、下端は液化ガス貯蔵タンクの内部の底に設けられたガイド構造物によってガイドされる。
【0005】
ところが、ポンプタワーは液化ガス貯蔵タンクの高さに相応するように上下に延長された形態で設けられ、液化ガスによって上下方向への収縮/膨張が発生し得る。これを考慮して、ガイド構造物はポンプタワーの下端に対して水平方向は拘束し、上下方向には動きが許容される構造を有することができる。
【0006】
即ち、ポンプタワーの下端はガイド構造物に固定されないため、ポンプタワーは実質的に上端のみがドームに固定された状態でぶら下がっている形態となり、構造的安定性が問題となり得る。従って、このようなポンプタワー及びガイド構造物に対して、構造的安定性などを改善することができる様々な研究及び開発が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は、ポンプタワーの下端を液化ガス貯蔵タンク内にガイドすることができる構造を改善することで、構造的安定性などを向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面による液化ガス貯蔵タンクは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成し、上面に液化ガスの流出入のためのドームが形成される壁体と、上端が上記ドームに固定され、液化ガスをローディング及びアンローディングするためのパイプ及び液化ガスをアンローディングするための排出ポンプが設けられるポンプタワーと、上記貯蔵空間の底をなす上記壁体に設けられて上記ポンプタワーの下端を拘束するロータリーベアリングの下側部と、を含み、上記ポンプタワーは、上記ロータリーベアリングの下側部によって水平の動きは拘束され、垂直の動きは許容されるようにガイドされるロータリーベアリングの上側部を有し、上記ロータリーベアリングの下側部は、垂直中心を基準として放射状に配置され、上記垂直中心と並んで設けられて複数の拘束面をそれぞれ有する複数の拘束部を含み、上記複数の拘束部の間に上記ロータリーベアリングの上側部が装着されるようにすることを特徴とする。
【0009】
具体的に、上記ロータリーベアリングの下側部は、上記壁体から内側に突出するように上記壁体に固定され、円形の断面を有する固定部と、上記固定部の周りに放射状に配置される上記複数の拘束部と、を含んでもよい。
【0010】
具体的に、上記拘束部は、一定角度で広がっている1対の上記拘束面を連結する弧状を有することができる。
【0011】
具体的に、上記拘束部は、上記垂直中心を基準として点対称に設けられてもよい。
【0012】
本発明の他の側面による液化ガス貯蔵タンクは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成し、上面に液化ガスの流出入のためのドームが形成される壁体と、上端が上記ドームに固定され、液化ガスをローディング及びアンローディングするためのパイプ及び液化ガスをアンローディングするための排出ポンプが設けられるポンプタワーと、上記貯蔵空間の底をなす上記壁体に設けられて上記ポンプタワーの下端を拘束するロータリーベアリングの下側部と、を含み、上記ポンプタワーは、上記ロータリーベアリングの下側部によって水平の動きは拘束され、垂直の動きは許容されるようにガイドされるロータリーベアリングの上側部を有し、上記ロータリーベアリングの下側部は、垂直中心を基準として放射状に配置され、上記垂直中心と並んで設けられて上記ロータリーベアリングの上側部を拘束する複数の拘束面を有し、上記ロータリーベアリングの上側部は、上記複数の拘束面の間に入るように上記ポンプタワーの下方に突出して上記拘束面と対向する装着面を有する複数の装着部と、互いに異なる角度の上記装着面を有する上記複数の装着部を連結する補強部と、を含むことを特徴とする。
【0013】
具体的に、上記装着部は、上記ポンプタワーの下方に垂直に突出する突出部と、上記突出部の上端に設けられる補強リブと、を有し、上記装着面は上記突出部に垂直に設けられて上記突出部とT字をなすことができる。
【0014】
具体的に、上記突出部に平行に設けられ、上記装着面が設けられる補強板をさらに含んでもよい。
【0015】
具体的に、上記補強部は、90度を有するように広がっている上記複数の装着部を連結するように設けられてもよい。
【0016】
具体的に、互いに異なる角度で配置された上記複数の装着部を連結するために少なくとも1回折り曲げられるか、または曲がるように設けられた形状を有することができる。
【0017】
具体的に、上記装着部は、上記垂直中心を基準として点対称に設けられてもよい。
【0018】
本発明のさらに他の側面による液化ガス貯蔵タンクは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成し、上面に液化ガスの流出入のためのドームが形成される壁体と、上端が上記ドームに固定され、液化ガスをローディング及びアンローディングするためのパイプ及び液化ガスをアンローディングするための排出ポンプが設けられるポンプタワーと、上記貯蔵空間の底をなす上記壁体に設けられて上記ポンプタワーの下端を拘束し、液化ガスをエンジンに供給するための燃料ポンプが設けられるロータリーベアリングの下側部と、を含み、上記ロータリーベアリングの下側部は、垂直中心を基準として放射状に配置され、上記垂直中心と並んで設けられて上記ポンプタワーの下端を拘束する複数の拘束面を有する拘束部と、上記拘束部から上記垂直中心から遠くなる方向に延長する延長部と、上記延長部に固定され、上記燃料ポンプを支持するポンプ支持部と、を含むことを特徴とする。
【0019】
具体的に、上記拘束部は複数設けられて上記垂直中心を基準として放射状に配置され、上記延長部は何れか1つの上記拘束部から延長されるように設けられてもよい。
【0020】
具体的に、上記ポンプ支持部は、少なくとも一部が上記燃料ポンプを取り囲むU字状であり、上記燃料ポンプの周りで上記燃料ポンプの荷重方向と並んで補強部が設けられてもよい。
【0021】
具体的に、上記ロータリーベアリングの下側部は、上記貯蔵空間の液化ガスのレベルを測定するためのレベルゲージパイプを支持するレベルゲージ支持部をさらに含み、上記ポンプ支持部は、上記燃料ポンプを取り囲む部分を基準として一側が上記延長部に固定され、上記一側とずれた他側に上記レベルゲージ支持部が固定されてもよい。
【0022】
具体的に、上記燃料ポンプは、上記貯蔵空間内に貯蔵された液化ガスを上記エンジンに供給する機能に加えて、上記貯蔵空間内に残留する液化ガスを外部に排出するストリッピング機能または上記貯蔵空間の底の液化ガスを上記貯蔵空間の上部に循環するスプレーイング機能を複合的に具現することができる。
【0023】
本発明の一側面による船舶は上記液化ガス貯蔵タンクを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶は、ポンプタワーの下端部分及び液化ガス貯蔵タンクの内部の底に設けられ、ポンプタワーの下端部分をガイドする部分の形態などを改善することで、ポンプタワーの安定的な支持を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明による液化ガス貯蔵タンクの斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施例によるポンプタワーの部分斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施例によるポンプタワーの断面図である。
【
図4】本発明の第1実施例によるロータリーベアリングの下側部の斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施例によるロータリーベアリングの下側部の平面図である。
【
図6】本発明の第1実施例によるポンプタワーの部分斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施例によるポンプタワーの底面図である。
【
図8】本発明の第2実施例によるポンプタワー及びロータリーベアリングの下側部の側面図である。
【
図9】本発明の第2実施例によるポンプタワーの底面図である。
【
図10】本発明の第2実施例によるポンプタワーの部分斜視図である。
【
図11】本発明の第3実施例によるロータリーベアリングの下側部の斜視図である。
【
図12】本発明の第3実施例によるロータリーベアリングの下側部の平面図である。
【
図13】本発明の第4実施例によるポンプタワー及びロータリーベアリングの下側部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面に関連する以下の詳細な説明及び好ましい実施例からより明らかになるであろう。また、本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同じ構成要素に限ってはたとえ異なる図面上に表示されても、できる限り同じ番号を付したことに留意されたい。なお、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0028】
参考までに、本発明は以下に説明する液化ガス貯蔵タンクが備えられる船舶を含む。このとき、船舶は少なくとも液化ガスを推進燃料/発電燃料として使用する船舶であってもよく、ガス運搬船、ガスではない貨物や人を運搬する商船、FSRU、FPSO、Bunkering vessel、海洋プラントなどを全て含む概念である。
【0029】
また、参考までに、以下において、垂直中心とはロータリーベアリングの下側部の垂直方向の中心線上の一定地点を意味し、ロータリーベアリングの下側部の垂直方向の中心線はポンプタワーの垂直方向の中心線と一致しない場合がある。
【0030】
図1は本発明による液化ガス貯蔵タンクの斜視図であり、
図2は本発明の第1実施例によるポンプタワーの部分斜視図であり、
図3は本発明の第1実施例によるポンプタワーの断面図である。
【0031】
以下において各実施例を説明する前に、まず、
図1を参照して本発明の液化ガス貯蔵タンク1を概略的に説明する。
【0032】
図1を参照すると、本発明の液化ガス貯蔵タンク1は壁体10、ポンプタワー20を含む。
【0033】
壁体10は液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する。そのために、壁体10は少なくとも六面で貯蔵空間を形成することができ、例えば、貯蔵空間は八角形の断面を有することができる。
【0034】
また、壁体10は、内部に貯蔵された液化ガスを熱浸透による蒸発から保護するために断熱構造を備えてもよい。例えば、壁体10は2重断熱構造及び2重シーリング構造を備えることができる。
【0035】
具体的に、壁体10は、船体側に設けられる2次断熱壁(不図示)と、2次断熱壁の内側に設けられる2次防壁(不図示)と、2次防壁の内側に設けられる1次断熱壁(不図示)と、1次断熱壁の内側に設けられる1次防壁(不図示)と、を含む構造であってもよい。
【0036】
このとき、断熱壁は、ポリウレタンフォームなどの断熱ブロックまたはパーライトなどの断熱材を収容する断熱ボックスを使用することができる。また、防壁は、SUS、INVARなどの金属シートまたはアルミニウムとガラス繊維などが混合された複合素材などを使用してもよい。
【0037】
このような壁体10は、上面に液化ガスの流出入のためのドーム10aが形成される。貯蔵空間の上面をなす壁体10は開口(不図示)が形成され、開口には上方に突出するドーム10aコーミング(不図示)が設けられ、ドーム10aコーミングにドーム10aカバー(符号不図示)が装着されて開口を密閉することができる。
【0038】
このとき、ドーム10aカバーには後述するポンプタワー20に設けられる各種パイプが貫通するように設けられ、液化ガスはドーム10aを貫通したパイプを介して貯蔵空間から外部に排出されるか、または外部から貯蔵空間に流入されることができる。また、貯蔵空間内で発生する蒸発ガスもドーム10aを貫通するパイプを介して外部に排出されることができる。
【0039】
ポンプタワー20は上端がドーム10aに固定され、液化ガスのローディング及びアンローディングのためのパイプを有する。ポンプタワー20はドーム10aから貯蔵空間の底まで垂直に延長されるパイプ及びパイプを相互連結するトラス構造の骨組などを含む柱状に設けられてもよい。
【0040】
このようなポンプタワー20は上端のみがドーム10aに固定され、下端は固定されないように設けられてもよい。即ち、ポンプタワー20の下端は少なくとも垂直方向に拘束されないように設けられる。これは、貯蔵空間の高さに対応するポンプタワー20が極低温の液化ガスによって収縮/膨張することに備えるためである。
【0041】
ただし、上端は固定され、下端は自由端となるポンプタワー20を安定して配置するために、貯蔵空間の底をなす壁体10にはロータリーベアリングの下側部30が設けられてもよい。
【0042】
ロータリーベアリングの下側部30は、ポンプタワー20の下端の垂直方向の動きは許容するが、水平方向の動きは拘束することで、ポンプタワー20が回転するか、揺れることを最小化することができる。ロータリーベアリングの下側部30については、
図4などを通じて以下に詳細に説明する。
【0043】
以下では、まず、
図2及び
図3を参照して第1実施例のポンプタワー20について説明する。
【0044】
図2及び
図3を参照すると、ポンプタワー20は複数のパイプを含むように設けられる。例えば、ポンプタワー20はアンローディングパイプ21、補助パイプ22、ローディングパイプ23を含む。
【0045】
アンローディングパイプ21は液化ガスのアンローディングのために設けられ、少なくとも2つ以上の複数で設けられることができる。例えば、1対のアンローディングパイプ21は互いにバックアップできるように設けられてもよい。
【0046】
各アンローディングパイプ21には排出ポンプ24が割り当てられるが、排出ポンプ24は上下方向にアンローディングパイプ21とずれた位置に設けられ、アンローディングパイプ21の下部は排出ポンプ24に向かって傾斜して折り曲げられた後、排出ポンプ24と連結されるように設けられてもよい。
【0047】
補助パイプ22は、アンローディングパイプ21を介したアンローディングに問題が生じることなどに備えるために設けられ、緊急パイプ(emergency pipe)と称することができる。非常事態の時、補助パイプ22の内部に緊急排出用ポンプが入れられた後、緊急排出用ポンプを介して貯蔵空間内の液化ガスを外部に排出することができ、そのために、補助パイプ22はアンローディングパイプ21に比べて大きな直径で設けられてもよい。
【0048】
補助パイプ22はアンローディングパイプ21に比べて少ない数で設けられ、例えば、1つ設けられてもよい。このとき、1対のアンローディングパイプ21と1つの補助パイプ22を三角形状に配置されてもよい。
【0049】
ローディングパイプ23は液化ガスを貯蔵空間の内部にローディングする。ローディングパイプ23は外部から流入される液化ガスを貯蔵空間の内部の底に伝達するために、下端が開放された中空状であってもよい。
【0050】
ローディングパイプ23は補助パイプ22の一側に設けられ、1対のアンローディングパイプ21が補助パイプ22と三角配置されるとき、ローディングパイプ23も1対のアンローディングパイプ21と三角配置されることができる。
【0051】
このとき、ローディングパイプ23は1対のアンローディングパイプ21と補助パイプ22とがなす三角形の外側に配置されてもよく、水平補強材などを介して補助パイプ22に固定設置されることができる。
【0052】
即ち、ローディングパイプ23は、補助パイプ22よりもポンプタワー20の垂直中心から遠い位置に設けられることができ、これはローディングパイプ23を介して貯蔵空間内に流入される極低温の液化ガスから排出ポンプ24などを保護するためである。
【0053】
例えば、
図3を参照すると、ローディングパイプ23は補助パイプ22から一定距離d以上離隔して配置されてもよく、これにより極低温の液化ガスから排出ポンプ24をより効率的に保護することができる。ここで、一定距離dはパイプ支持部251の幅などに基づいて決定されることができる。
【0054】
ポンプタワー20は、上記のようなアンローディングパイプ21、補助パイプ22、ローディングパイプ23の他にもガスサンプリングパイプ(不図示)、レベルゲージパイプ(不図示)、排出ポンプ24の電力/信号伝達のためのケーブルパイプ(不図示)などを多様に含んでもよい。
【0055】
このようなポンプタワー20の下端にはロータリーベアリングの上側部25が設けられる。ロータリーベアリングの上側部25はアンローディングパイプ21などを支持しながら、後述するロータリーベアリングの下側部30によって水平方向の動きが拘束されるように設けられる構成である。
【0056】
ロータリーベアリングの上側部25はアンローディングパイプ21の下部に設けられ、ロータリーベアリングの下側部30によって水平の動きは拘束され、垂直の動きは許容されるようにガイドされる。ロータリーベアリングの上側部25には1対のアンローディングパイプ21、補助パイプ22が固定設置されてもよく、ローディングパイプ23は補助パイプ22を介してロータリーベアリングの上側部25に間接的に固定されてもよい。
【0057】
また、ロータリーベアリングの上側部25には排出ポンプ24が固定設置されてもよい。従って、ポンプタワー20の収縮/膨張の際、アンローディングパイプ21などの下端と排出ポンプ24の高さは可変することができる。
【0058】
ロータリーベアリングの上側部25はパイプ支持部251と連結部252を含む。パイプ支持部251は排出ポンプ24を挟んで1対が平行に設けられ、一側のパイプ支持部251は複数のアンローディングパイプ21を支持する。また、他側のパイプ支持部251は補助パイプ22またはローディングパイプ23を支持することができる。
【0059】
一側のパイプ支持部251は両端でアンローディングパイプ21を支持するように設けられる。即ち、一側のパイプ支持部251は1対のアンローディングパイプ21を相互連結する形態で設けられる。
【0060】
一方、他側のパイプ支持部251は中央で補助パイプ22を支持するように設けられる。そのために、他側のパイプ支持部251は中央部分がポンプタワー20の垂直中心に向かって陥没した形態で設けられてもよく、陥没した部分に補助パイプ22が位置することができる。
【0061】
1対のパイプ支持部251は重量節減などのために、開放された骨組構造で設けられてもよく、これにより、パイプ支持部251は閉空間を省略して作業効率性を向上させることができる。
【0062】
また、1対のパイプ支持部251は直方体の形状を基本とし、一側のパイプ支持部251は両端に設けられるアンローディングパイプ21を効果的に支持するために角部分がアンローディングパイプ21を少なくとも部分的に取り囲むように曲面状に陥没されていてもよい。
【0063】
また、一側のパイプ支持部251の下面は断面積が拡張された形状であってもよく、断面積が拡張された部分はアンローディングパイプ21の下端面を全てカバーする形状で設けられてアンローディングパイプ21の下端を安定的に支持することができる。
【0064】
他側のパイプ支持部251の下面も断面積が拡張された形状であってもよく、これは補助パイプ22などを支持するために使用されず、パイプ支持部251そのものの構造強度のために設けられてもよい。
【0065】
補助パイプ22は他側のパイプ支持部251において垂直中心に向かって陥没した部分に位置し、垂直方向に傾斜して設けられる支持台(符号不図示)などの様々な構造によりパイプ支持部251の上面に固定されることができる。
【0066】
このようにアンローディングパイプ21を支持する一側のパイプ支持部251と補助パイプ22を支持する他側のパイプ支持部251は、連結部252によって相互連結されてもよい。連結部252は平行に設けられる1対のパイプ支持部251に対して垂直に設けられてパイプ支持部251を連結し、これにより、ロータリーベアリングの上側部25は1対のパイプ支持部251と連結部252によってHの字型を有することができる。
【0067】
1対のパイプ支持部251の間には1対の排出ポンプ24が配置されてもよいが、1対の排出ポンプ24はアンローディングパイプ21に比べて互いの間隔が小さく配置されてもよく、各アンローディングパイプ21は少なくとも一部が傾斜して分岐されることで各排出ポンプ24に連結される。
【0068】
連結部252は1対の排出ポンプ24の間で1対のパイプ支持部251を連結するように設けられてもよい。このとき、連結部252もパイプ支持部251と同様に閉空間の形成を抑制するために、開放された骨組構造に設けられてもよい。
【0069】
1対のパイプ支持部251と連結部252は、部分的にコの字型またはUの字型をなすことができる。このとき、ロータリーベアリングの上側部25は1対のパイプ支持部251と連結部252が排出ポンプ24を取り囲むように設けられる。
【0070】
パイプ支持部251及び連結部252は、構造強度を補強するために上方に延長するブラケット253を有する。このとき、ブラケット253は排出ポンプ24を取り囲むように設けられることで、排出ポンプ24の荷重を十分に支持することができる。
【0071】
また、ブラケット253の一部はアンローディングパイプ21、補助パイプ22などに固定されてアンローディングパイプ21の水平揺れを十分に抑えることができる。このようなブラケット253の形状は特に限定されない。
【0072】
ただし、ブラケット253の上端は排出ポンプ24の上端と同じ高さで並んで設けられ、排出ポンプ24の下端はパイプ支持部251の下端と同じ高さで並んで設けられて、排出ポンプ24は下端と上端がそれぞれパイプ支持部251の下端及びブラケット253の上端に別途の固定構造により安定的に固定設置されることができる。
【0073】
及び/または、排出ポンプ24はパイプ支持部251の上端に側面が固定されることも可能であり、排出ポンプ24がロータリーベアリングの上側部25に固定される構造は特に限定されない。
【0074】
このようなロータリーベアリングの上側部25にはアンローディングパイプ21、補助パイプ22、ローディングパイプ23、及び排出ポンプ24が固定されてもよく、極低温の液化ガスによりアンローディングパイプ21などが収縮すると、排出ポンプ24は上下に高さが可変することができる。
【0075】
ただし、貯蔵空間の底に残留する液化ガスは、以下の他の実施例で説明する燃料ポンプ26のストリッピング機能により全て排出されることができるが、これは後述する。
【0076】
以下では、
図4及び
図5を参照してロータリーベアリングの上側部25を拘束するロータリーベアリングの下側部30について説明する。
【0077】
図4は本発明の第1実施例によるロータリーベアリングの下側部の斜視図であり、
図5は本発明の第1実施例によるロータリーベアリングの下側部の平面図である。
【0078】
図4及び
図5を参照すると、ロータリーベアリングの下側部30は貯蔵空間の底をなす壁体10に固定設置され、ロータリーベアリングの上側部25の水平の動きを拘束し、垂直の動きは許容することで、ポンプタワー20の下端に対して水平移動や回転などを阻止することができる。
【0079】
ロータリーベアリングの下側部30は固定部31と拘束部32を含む。固定部31は壁体10から内側に突出するように壁体10に固定される。固定部31は下端が液化ガス貯蔵タンク1の外壁(例えば、船体)に固定され、壁体10を貫通して上端が貯蔵空間の内部に位置することができる。
【0080】
このとき、固定部31は少なくとも貯蔵空間内に露出する部分が円形の断面を有するように設けられてもよく、固定部31の周りには拘束部32が放射状に配置されてもよい。
【0081】
拘束部32は固定部31の周りに放射状に配置されるように複数設けられる。このとき、拘束部32は拘束面321を有する。拘束面321は垂直中心線が位置する仮想の平面上に位置するように設けられ、1つの拘束部32に複数備えられる。拘束部32に設けられた複数の拘束面321は垂直中心を基準として放射状に配置され、ロータリーベアリングの上側部25を拘束することができる。
【0082】
例えば、拘束部32は、垂直中心を基準として一定角度で広がっている1対の拘束面321を連結する形態で設けられてもよく、このような拘束部32は弧状(または切ったドーナツ状など)であってもよい。
【0083】
拘束部32は1対の拘束面321を備え、三角形や四角形などの形状を有することもできる。図のように1つの拘束部32に設けられる1対の拘束面321が90度の角度を有する場合、拘束部32において垂直中心から遠い外面の形状に応じて拘束部32の全体の形状が多様に決められる。
【0084】
拘束部32は固定部31に対して放射状に配置され、垂直中心を基準として点対称に設けられてもよい。例えば、垂直中心を基準として四分儀を仮想で設定すると、第1象限と第3象限に拘束部32が配置され、第2象限と第4象限は拘束部32の間の空間であって空いていてもよい。
【0085】
このとき、空いている拘束部32の間の空間にはロータリーベアリングの上側部25が装着され、拘束部32が設けられた部分において水平方向の断面を見ると、拘束面321はロータリーベアリングの上側部25にと対向することができる。
【0086】
例えば、ロータリーベアリングの上側部25は拘束面321と対向する部分に装着面2541を有し、拘束面321よりも小さい面積の接触領域をなして拘束面321と接することができる。
【0087】
従って、ポンプタワー20が回転または水平移動する場合、拘束面321がロータリーベアリングの上側部25に当接してロータリーベアリングの上側部25の水平の動きを制限することができる。即ち、
図5に示すように、矢印方向にポンプタワー20の並進/回転荷重が作用すると、拘束面321がロータリーベアリングの上側部25の動きを阻止することで、ロータリーベアリングの下側部30がポンプタワー20の下端の位置を安定的に固定することができるようになる。
【0088】
勿論、拘束面321とロータリーベアリングの上側部25が当接しても、拘束面321はロータリーベアリングの上側部25の垂直移動を許容する材質/表面(HDPEなどの合成樹脂)を有するように設けられて、ポンプタワー20の収縮に備えることができる。
【0089】
このようなロータリーベアリングの下側部30は円筒構造の固定部31に弧状の拘束部32を備えた比較的に簡単な形状であり、2つの拘束部32だけで4点スライド支持による並進の動き及び回転の動きの抑制が可能である。
【0090】
以下では、
図6及び
図7を参照して、上述したロータリーベアリングの下側部30に対応するロータリーベアリングの上側部25の形状について説明する。
【0091】
なお、
図3で説明したロータリーベアリングの上側部25のパイプ支持部251及び連結部252はロータリーベアリングの上側部25の上側部分であり、以下で説明する内容はロータリーベアリングの上側部25の下側部分であり、以下の構成はパイプ支持部251または連結部252の下面に設けられてもよい。
【0092】
図6は本発明の第1実施例によるポンプタワーの部分斜視図であり、
図7は本発明の第1実施例によるポンプタワーの底面図である。
【0093】
図6及び
図7を参照すると、ポンプタワー20の下面に設けられるロータリーベアリングの上側部25は、
図4及び
図5におけるロータリーベアリングの下側部30に対応する形状で設けられてもよい。
【0094】
ロータリーベアリングの上側部25は装着部254を含む。装着部254は複数の装着面2541を有し、装着面2541は上述した拘束面321と対向する構成であってもよい。
【0095】
装着部254はロータリーベアリングの下側部30の拘束部32と対応するように弧状であり、複数の拘束面321の間に入るようにポンプタワー20の下方に突出する。また、装着部254は1対の拘束面321を弧状に連結した拘束部32と対応するように、垂直中心を基準として一定角度で広がっている1対の装着面2541を弧状に連結した構造からなってもよい。
【0096】
このとき、装着部254は、垂直中心を基準として複数の装着部254が放射状に配置されてもよい。但し、ロータリーベアリングの上側部25は垂直中心から一定半径だけ離隔した位置で装着部254が放射状に配置されていてもよい。これは固定部31との干渉を避けるためである。
【0097】
ロータリーベアリングの上側部25の装着部254は、ロータリーベアリングの下側部30の拘束部32と対応するように垂直中心を基準として点対称に設けられてもよい。上述した拘束部32に対する説明を再び引用すると、垂直中心を基準として四分儀を仮想で設定すると、第1象限と第3象限に拘束部32が配置され、第2象限と第4象限は拘束部32の間の空間であって空いていてもよいが、第2象限と第4象限にロータリーベアリングの上側部25の装着部254が挿入されて装着面2541が拘束面321と対向するように設けられてもよい。
【0098】
従って、
図7のように、ポンプタワー20の下端が水平方向に外力を受けるとき、ロータリーベアリングの上側部25とロータリーベアリングの下側部30の間の相対的な並進/回転荷重が装着面2541に作用しても、各装着面2541と拘束面321との当接及び弧状の拘束部32及び装着部254の構造強度などによって、ポンプタワー20の下端は水平位置の移動が効果的に制限されることができる。
【0099】
このように、本実施例は1対のパイプ支持部251と連結部252によりアンローディングパイプ21と補助パイプ22を効果的に支持するロータリーベアリングの上側部25を通じて各パイプの安定的な支持を具現することができる。
【0100】
また、本実施例は、ロータリーベアリングの下側部30が弧状の拘束部32を有し、ロータリーベアリングの上側部25に設けられた弧状の装着部254を設け、1対の拘束部32と1対の装着部254との係合により、拘束部32の拘束面321と装着部254の装着面2541の間の4点スライド支持を具現し、ポンプタワー20の下端の水平移動を効率的に制限することができる。
【0101】
図8は本発明の第2実施例によるポンプタワー及びロータリーベアリングの下側部の側面図であり、
図9は本発明の第2実施例によるポンプタワーの底面図であり、
図10は本発明の第2実施例によるポンプタワーの部分斜視図である。
【0102】
以下では、本実施例が上述した実施例と異なる点を中心に説明し、説明を省略した部分は上述した内容に代える。これは以下の他の実施例においても同様である。
【0103】
本実施例は、上述の実施例と同じロータリーベアリングの下側部30に対して、上述の実施例と異なるロータリーベアリングの上側部25を備えることができる。本実施例のロータリーベアリングの上側部25は装着部254と補強部255を有する。
【0104】
装着部254は、複数の拘束面321の間に入れるようにポンプタワー20の下方に突出し、拘束面321と対向する装着面2541を有する。具体的には、装着部254はポンプタワー20の下方に垂直に突出する突出部2542を備え、突出部2542に垂直に装着面2541が設けられる。
【0105】
装着面2541は、金属材質の周り部分2541aと、周り部分の内側に設けられて拘束面321と対向し、弾性材質からなる接触部分2541bと、を含んでもよい。
【0106】
このとき、接触部分2541bは垂直方向にスライドを許容することができる材質(HDPEなどの合成樹脂)からなり、周り部分2541aはSUSなどからなってもよく、装着面2541に設けられる合成樹脂材質からなる接触部分2541bが拘束面321に接することができる。
【0107】
ただし、突出部2542の構造強度を補強するために、突出部2542の上端には補強リブ2543が少なくとも1つ以上設けられてもよい。補強リブ2543は垂直に突出した突出部2542の水平方向の変形を制限するように備えられてもよい。
【0108】
突出部2542には装着面2541が垂直に設けられ、突出部2542と装着面2541はT字状をなすように設けられてもよい。このとき、装着面2541と突出部2542との間に補強板2544が設けられる。補強板2544は突出部2542に平行に設けられ、装着面2541が設置されてもよい。
【0109】
突出部2542は板状にポンプタワー20の下方に突出してもよいが、このとき、突出部2542の厚さが十分でないと、突出部2542と装着面2541の連結部位に集中する応力に耐えられないという問題が発生する。従って、本実施例は、突出部2542において装着面2541が設けられる部分に補強板2544を付加することで、突出部2542の厚さを補強して応力集中に備えることができる。
【0110】
補強板2544は突出部2542と平行に設けられてもよく、または突出部2542に積層された構造で設けられてもよい。補強板2544は突出部2542の両面に備えられて装着面2541が設けられる部分の厚さを十分に確保することができる。
【0111】
このような装着部254は複数設けられ、垂直中心から一定距離離隔した位置に配置される。また、複数の装着部254のうち少なくとも2つの装着部254は装着面2541が互いに異なる角度を有するように配置されてもよい。
【0112】
例えば、
図9を基準として説明すると、装着部254は、垂直な装着面2541を有して垂直中心の上下に配置される装着部254と、水平な装着面2541を有して垂直中心の左右に配置される装着部254と、を有することができる。この場合、複数の装着部254は垂直中心を基準として点対称に設けられる。
【0113】
ただし、装着部254の装着面2541は全て垂直中心からずれるように配置されてもよい。即ち、装着面2541を仮想で延長しても垂直中心と接しないように設けられてもよい。即ち、
図9において垂直中心の左右に示された水平な装着面2541は垂直中心に対してそれぞれ下方/上方に偏向されており、
図9において垂直中心の上下に示された垂直な装着面2541は垂直中心に対してそれぞれ右方/左方に偏向されてもよい。
【0114】
互いに異なる角度の装着面2541を有する複数の装着部254は補強部255によって連結されてもよい。補強部255は90度を有するように広がっている複数の装着部254を連結するように設けられてもよい。ただし、上述したように、装着部254の装着面2541は垂直中心とずれて配置されるため、互いに異なる角度で配置される2つの装着部254は垂直中心からずれた特定地点を基準として90度を有するように広がっていてもよい。
【0115】
補強部255は、互いに異なる角度を有する2つの装着部254の突出部2542を相互連結するように設けられてもよく、複数の装着部254を連結するために少なくとも1回折り曲げられるか、または曲がるように設けられた形状を有することができる。
【0116】
ただし、補強部255で90度に折り曲げられた部位が設けられる場合は、ポンプタワー20の回転の動きを拘束しようとすると、補強部255に応力が過度に集中する恐れがあるため、補強部255は少なくとも2回鈍角に折り曲げられた形状を有することができる。または、補強部255は弧状に設けられることも可能である。
【0117】
このように、本実施例は、ロータリーベアリングの上側部25が全体的に弧状を有する上述した実施例の装着部254とは異なり、1対の装着部254を連結する補強部255を利用することで、構造を単純化し、補強リブ2543及び補強部255の形状などを通じて構造強度を十分に確保することで、ポンプタワー20の下端の水平の動きを効率的に拘束することができる。
【0118】
図11は本発明の第3実施例によるロータリーベアリングの下側部の斜視図であり、
図12は本発明の第3実施例によるロータリーベアリングの下側部の平面図である。
【0119】
図11及び
図12を参照すると、本発明の第3実施例によるロータリーベアリングの下側部30は、上の第1実施例で説明したロータリーベアリングの下側部30と比較すると、拘束部32を同様に備え、延長部33とポンプ支持部34をさらに含む。本実施例のロータリーベアリングの下側部30に含まれる拘束部32については上述の内容に代える。
【0120】
延長部33は拘束部32から垂直中心から離れる方向に延長される。延長部33は垂直中心を基準として放射状に配置される1対の拘束部32のうち何れか1つの拘束部32のみから延長されるように設けられ、これにより、延長部33が設けられた拘束部32は垂直中心を基準として非対称の形状となる。
【0121】
延長部33は図のように何れか1つの拘束部32と一体に製作されてもよく、または、図面と異なって、別途で製作した後、拘束部32にボルトや溶接などで連結されるように設けられてもよい。
【0122】
延長部33は、後述する燃料ポンプ(符号不図示)がポンプタワー20に設けられるパイプを介した液化ガスの流動を干渉しないように、垂直中心から一定距離離隔した位置に燃料ポンプ26を位置させる構成であり、また、ポンプ支持部34の強固な結合を具現する構成であってもよい。
【0123】
延長部33の延長方向は垂直中心とずれた方向であってもよく、例えば、
図12を基準に説明すると、延長部33は水平に左側方向に延長され、延長方向はロータリーベアリングの下側部30の垂直中心より下側に偏向されている。
【0124】
ポンプ支持部34は延長部33に固定され、燃料ポンプ26を支持する。液化ガス貯蔵タンク1内には貯蔵空間内に残留した液化ガスを外部に排出するストリッピングまたは貯蔵空間の底の液化ガスを貯蔵空間の上部に循環するスプレーイングなどのためのストリッピング/スプレーポンプが備えられる。また、液化ガス貯蔵タンク1内には貯蔵空間内に貯蔵された液化ガスをエンジン(推進エンジン、発電エンジンなど)に供給するための燃料ポンプ26が設けられてもよい。
【0125】
ただし、本実施例は、ストリッピング/スプレーポンプと燃料ポンプ26を別途で備える代わりに、1つのポンプがストリッピング/スプレーポンプ及び燃料ポンプ26の機能を複合的に具現するように設けられてもよい。
【0126】
これにより、本実施例は、ロータリーベアリングの下側部30に2つのポンプ(スプレーポンプと燃料ポンプ26)をそれぞれ支持する構造を適用する必要がなく、統合された1つのポンプ(燃料ポンプ26と称する)だけを支持する構造を適用することで、ロータリーベアリングの下側部30の構造を簡素化することができる。
【0127】
このようにストリッピングなどの機能を複合的に実行する燃料ポンプ26は、ポンプ支持部34により固定されることができる。ポンプ支持部34は少なくとも一部が燃料ポンプ26を取り囲むU字状であり、燃料ポンプ26の周りの少なくとも一部がポンプ支持部34にボルトなどで固定設置されてもよい。ただし、燃料ポンプ26はメンテナンスのために着脱する必要があるため、燃料ポンプ26とポンプ支持部34は分離可能な締結方式(ボルトなど)を用いて連結されてもよい。
【0128】
ポンプ支持部34には燃料ポンプ26を安定的に支持できるように補強部341が設けられてもよい。このとき、補強部341は燃料ポンプ26の周りで燃料ポンプ26の荷重方向と並んで設けられ、例えば、垂直に設けられてもよい。従って、ポンプ支持部34は燃料ポンプ26の荷重による偏向を防止するため、燃料ポンプ26を壁体10の底の上方位置に安定的に支持することができる。
【0129】
また、本実施例のロータリーベアリングの下側部30はレベルゲージ支持部35をさらに含んでもよい。ポンプタワー20には、上述したように貯蔵空間の液化ガスレベル(液位)を測定するためのレベルゲージパイプが設けられてもよいが、レベルゲージ支持部35はレベルゲージパイプを支持し延長部33を経て固定部31を介して壁体10に固定されるように設けられてもよい。
【0130】
ただし、レベルゲージパイプも他のパイプと同様に極低温の液化ガスにより収縮/膨張して高さが可変することができる。これに備えるべく、レベルゲージパイプは下端がレベルゲージ支持部35によって固定され、上下方向に少なくとも一部分に収縮/膨張を許容する構造(ジャバラ構造や伸縮構造など)を適用することができる。
【0131】
または、レベルゲージパイプは、ポンプタワー20の他のパイプと類似するように上端はドーム10aに固定され、下端はレベルゲージ支持部35によって水平方向の動きのみが拘束されるように設けられてもよい。この場合、レベルゲージ支持部35の一側はレベルゲージパイプの下端を取り囲む中空の筒状に設けられてもよい。
【0132】
レベルゲージ支持部35はポンプ支持部34を介して延長部33に固定されることができる。即ち、延長部33に締結されるポンプ支持部34は、燃料ポンプ26を取り囲む部分を基準として一側が延長部33に固定され、一側とずれた他側にレベルゲージ支持部35が固定されることができる。
【0133】
図12を参照すると、ポンプ支持部34の右側が延長部33に連結され、ポンプ支持部34の上側にレベルゲージ支持部35が連結されてもよい。このとき、ポンプ支持部34と延長部33との結合及びポンプ支持部34とレベルゲージ支持部35との結合は、同じボルト締結方式を利用することができ、またはポンプ支持部34とレベルゲージ支持部35は、ポンプ支持部34と延長部33の結合とは異なって溶接などを使用することもできる。
【0134】
このように、本実施例は、ストリッピング/スプレーイング及び燃料供給を1つの燃料ポンプ26で具現することによりポンプの数を減らし、ロータリーベアリングの下側部30において燃料ポンプ26を支持するためのポンプ支持部34を拘束部32の一側に設けることで、構造が簡素化されながらも耐久性が向上した構造のロータリーベアリングの下側部30を提供することができる。
【0135】
図13は本発明の第4実施例によるポンプタワー及びロータリーベアリングの下側部の断面図である。
【0136】
図13を参照すると、本発明の第4実施例によるロータリーベアリングの下側部30は、壁体10から内側に突出するように壁体10に固定される固定部31を含むという点では上述の実施例と類似する。
【0137】
ただし、本実施例のロータリーベアリングの下側部30は、別途の拘束部32なしに固定部31のみでポンプタワー20の下端の水平の動きを制限することができる。
【0138】
そのため、ポンプタワー20の下端のロータリーベアリングの上側部25は、固定部31が挿入されて装着されるように中空状の引込部256を含む。従って、引込部256内に固定部31が位置して引込部256の内面と固定部31の外面が対向するようになるため、固定部31と引込部256は二重管構造を通じて互いの水平の動きが拘束されることができる。
【0139】
このとき、ロータリーベアリングの下側部30の固定部31は、引込部256の内面と対向する外面にロータリーベアリングの上側部25の垂直の動きを許容するためにスライドパッド36などの滑り可能な表面を適用することができる。
【0140】
ただし、引込部256及び固定部31が円形に設けられると、ポンプタワー20の回転の動きが許容され得るため、本実施例では、固定部31または引込部256が非円形の断面を有するように設けられる。従って、ロータリーベアリングの下側部30を基準としてロータリーベアリングの上側部25の水平の動き(並進及び回転)が十分に拘束されることができる。
【0141】
ここで、非円形の断面は楕円形または多角形などを意味することができ、または、円形が複数であるものも本明細書で言及する非円形の断面に該当することができる。
【0142】
または、これとは異なり、固定部31の垂直中心がポンプタワー20の垂直中心とずれて設けられるようにして、引込部256と固定部31を通じたポンプタワー20の下端の回転を抑制することもできる。この場合、ポンプタワー20が回転しても固定部31と引込部256の中心がポンプタワー20の回転中心からずれるため、引込部256と固定部31は円形断面を有してもポンプタワー20の回転を抑制することができる。
【0143】
引込部256は、ロータリーベアリングの上側部25と対向する内面の周りに1つ以上の貫通口2561を有する多孔形に設けられてもよい。これにより、ロータリーベアリングの上側部25の自重を低減させることができる。
【0144】
また、引込部256は一側に排出ポンプ24または燃料ポンプ26を支持するポンプ支持部257が設けられてもよい。ポンプ支持部257は、引込部256に設けられる何れか1つの貫通口2561に挿入されて設置されてもよい。
【0145】
排出ポンプ24はアンローディングパイプ21に固定される構成であるため、ポンプ支持部257が排出ポンプ24を支持する場合、ポンプ支持部257は引込部256に強固に固定設置されることができる。
【0146】
一方、本実施例の燃料ポンプ26は、上述の実施例で説明したように、ストリッピングなどの機能を具現する複合ポンプであってもよく、(ロータリーベアリングの下側部30を介して)壁体10に固定される構成であるため、ポンプ支持部257が燃料ポンプ26を支持する場合、ポンプ支持部257は貫通口2561内で上下にスライド可能であるが、水平の動きは拘束されるように設けられてもよい。
【0147】
このように、本実施例は、ロータリーベアリングの下側部30とロータリーベアリングの上側部25が二重管構造で挿入されて水平の動きは拘束され、伸縮構造のように垂直の動きは許容され、非円形の断面または垂直中心のずれた配置などにより回転の動きも安定的に制限することができる。
【0148】
本発明は、上述の実施例の他にも少なくとも1つ以上の実施例と当業者に知られている公知技術の組み合わせ、または少なくとも2つ以上の実施例の組み合わせをさらなる実施例として含むことができる。
【0149】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的な思想内で当該分野の通常の知識を有する者によりその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0150】
本発明の単純な変形ないし変更はすべて本発明の範囲に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明らかになるであろう。