(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】締結具の内視鏡的留置のための関節動作ツール
(51)【国際特許分類】
A61B 17/92 20060101AFI20240405BHJP
B25B 21/00 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
A61B17/92
B25B21/00 540Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023014617
(22)【出願日】2023-02-02
(62)【分割の表示】P 2020506780の分割
【原出願日】2018-08-08
【審査請求日】2023-03-03
(32)【優先日】2017-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509316394
【氏名又は名称】プロ-デツクス・インコーポレイテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ボウエン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・フェイナス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイク・ハントリー
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-517885(JP,A)
【文献】特開2014-155826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0152867(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0266709(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0236174(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
B25B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術中に駆動機構とともに使用するためのオフセットツールであって、
内腔および長手方向軸を備える細長外側ハウジングであって、長手方向軸の周りを回転するように構成される細長外側ハウジングと、
細長外側ハウジングに接続されたオフセットトルク伝達機構であって、
細長外側ハウジングの内腔内の第1のシャフトと、
関節動作トルク伝達ユニットであって、
第1のシャフトの遠位部分に連結される第1の端部と、
第1の端部と同一直線上になく、ビットと着脱自在に係合し、ビット軸の周りにビットを回転させるように構成されたドライバヘッドアダプタを備える第2の端部と
を有する、関節動作トルク伝達ユニットとを備え、
駆動機構からドライバヘッドアダプタおよびビットにトルクを伝達するように構成されたオフセットトルク伝達機構と、
オフセットトルク伝達機構とは別個の方向付け機構であって、
細長外側ハウジングの内腔内の第2のシャフトと、
第2のシャフトを回転させるように構成されたコントローラとを備え、
第2のシャフトの近位部分がコントローラに接続され、、
第2のシャフトの遠位部分がドライバヘッドアダプタに接続され、
第2のシャフトの回転が、長手方向軸におおよそ垂直である横方向軸の周りにドライバヘッドアダプタを回転させる、方向付け機構と
を備えるオフセットツール。
【請求項2】
関節動作トルク伝達ユニットが、第1、第2および第3の傘歯車を備え、第1の傘歯車が、第1のシャフトに固定的に連結され、第2の傘歯車が、歯車支持シャフトに連結され、第3の傘歯車が、ドライバヘッドアダプタに連結される、請求項1に記載のオフセットツール。
【請求項3】
第2の傘歯車が、長手方向軸とビット軸との間にある、請求項2に記載のオフセットツール。
【請求項4】
第1の傘歯車が、第2の歯車と噛み合い、第2の歯車が、第3の歯車と噛み合う、請求項2に記載のオフセットツール。
【請求項5】
関節動作トルク伝達ユニットが、第1、第2、第3および第4の傘歯車を備え、第1の傘歯車が、第1のシャフトに固定的に連結され、第2および第3の傘歯車が、歯車支持シャフトに連結され、第4の傘歯車が、ドライバヘッドアダプタに連結される、請求項1に記載のオフセットツール。
【請求項6】
第2および第3の傘歯車が、長手方向軸とビット軸との間にある、請求項5に記載のオフセットツール。
【請求項7】
第1の傘歯車が、第2の傘歯車と噛み合い、第3の傘歯車が、第4の傘歯車と噛み合い、第2の傘歯車の回転が、歯車支持シャフトを介して第3の傘歯車の回転に伝達される、請求項5に記載のオフセットツール。
【請求項8】
ドライバヘッドアダプタが、ビットのシャフトを収容するように構成される内腔を備える、請求項1に記載のオフセットツール。
【請求項9】
ドライバヘッドアダプタが、クイックリリース機構を介してビットのシャフトに連結される、請求項8に記載のオフセットツール。
【請求項10】
駆動機構が、電気モータを備える、請求項1に記載のオフセットツール。
【請求項11】
細長外側ハウジングが
、0°
~360°の間で駆動機構に対して回転するように構成される、請求項1に記載のオフセットツール。
【請求項12】
ドライバヘッドアダプタが
、0°
~360°の間で横方向軸の周りを回転するように構成される、請求項1に記載のオフセットツール。
【請求項13】
コントローラが、ホイールを備え、ホイールの回転が、第2のシャフトを回転させる、請求項1に記載のオフセットツール。
【請求項14】
手術中に締結具を骨に打ち込むための関節動作ツールであって、
近位端、遠位端、内腔および長手方向軸を備える細長外側ハウジングであって、駆動機構を備えるハンドピースと係合するように構成される細長外側ハウジングと、
トルク伝達機構であって、
外側ハウジングの内腔を通して延在する第1のシャフトと、
関節動作トルク伝達ユニットであって、
第1の組の歯車を備える第1の端部であって、第1のシャフトの遠位部分に連結される第1の端部と、
第1の端部に対して関節動作するように構成される第2の端部であって、第2の組の歯車を備え、第2の組の歯車の少なくとも1つが、第1の組の歯車の少なくとも1つと噛み合う、第2の端部と
を備える、関節動作トルク伝達ユニットと、
関節動作トルク伝達ユニットの第2の端部に配置されるドライバヘッドアダプタであって、ビットと着脱自在に係合し、ビット軸の周りにビットを回転させるように構成され、ビットが締結具と係合するように構成される、ドライバヘッドアダプタとを備え、
駆動機構からドライバヘッドおよびビットにトルクを伝達するように構成され、それによって、ビットに係合される締結具を骨に打ち込む、トルク伝達機構と、
トルク伝達機構とは別個の方向付け機構であって、
細長外側ハウジングの内腔を通して延在する第2のシャフトと、
第2のシャフトの近位部分に接続され、第2のシャフトを近位および遠位に移動させるように構成されるアクチュエータであって、
第2のシャフトの移動に応じて、長手方向軸に対しておおよそ垂直である横方向軸の周りをドライバヘッドアダプタが回転するように、第2の組の歯車が、第1の組の歯車の中心軸の周りを回転する、アクチュエータと
備える、方向付け機構と
を備える、関節動作ツール。
【請求項15】
ドライバヘッドアダプタが、第1のシャフトと同じ方向にビットを回転するように構成される、請求項14に記載の関節動作ツール。
【請求項16】
細長外側ハウジングが、ハンドピースに着脱自在に連結するように構成される本体連結組立体をさらに備える、請求項14に記載の関節動作ツール。
【請求項17】
本体連結組立体が、クイックリリース機構を備え、クイックリリース機構が、ハンドピースを本体連結組立体と位置合わせし易くする方向付け特徴をさらに備える、請求項16に記載の関節動作ツール。
【請求項18】
アクチュエータが、ホイールを備え、ホイールの回転が、第2のシャフトの軸方向移動を引き起こす、請求項14に記載の関節動作ツール。
【請求項19】
手術中に駆動機構とともに使用するための関節動作ツールであって、
近位端、遠位端、内腔および長手方向軸を備える細長外側ハウジングであって、長手方向軸の周りを回転するように構成される細長外側ハウジングと、
トルク伝達機構であって、
細長外側ハウジングの内腔を通して延在する第1のシャフトと、
関節動作トルク伝達ユニットであって、
第1の歯車を備える第1の端部であって、第1のシャフトの遠位部分に連結される、第1の端部と、
第2の歯車を備える第2の端部であって、第2の歯車が、第1の歯車と噛み合う、第2の端部と
を備える、関節動作トルク伝達ユニットと、
関節動作トルク伝達ユニットの第2の端部に配置されるドライバヘッドアダプタであって、ビットと着脱自在に係合し、ビット軸の周りにビットを回転させるように構成される、ドライバヘッドアダプタと
を備え、トルク伝達機構が、駆動機構からドライバヘッドアダプタおよびビットにトルクを伝達するように構成され、細長外側ハウジングを回転することが、長手方向軸の周りにトルク伝達機構を回転する、トルク伝達機構と、
トルク伝達機構とは別個の方向付け機構であって、
細長外側ハウジングに沿って延在する第2のシャフトと、
第2のシャフトの近位部分に接続され、第2のシャフトを近位および遠位に移動させるように構成されるアクチュエータであって、
第2のシャフトの第1の方向の移動に応じて、長手方向軸とビット軸との間の角度が増加するように、第2の歯車が、第1の歯車の中心軸の周りを回転し、
第2のシャフトの第2の方向の移動に応じて、長手方向軸とビット軸との間の角度が減少するように、第2の歯車が、第1の歯車の中心軸の周りを回転する、
アクチュエータと
備える、方向付け機構と
を備える関節動作ツール。
【請求項20】
関節動作トルク伝達機構ユニットが、第1の傘歯車と第2の傘歯車とを備え、第1の傘歯車が、第1のシャフトに固定的に連結され、第1の歯車と噛み合い、第2の傘歯車が、ドライバヘッドアダプタに連結され、第2の歯車と噛み合う、請求項19に記載の関節動作ツール。
【請求項21】
内視鏡手術中に締結具を骨に打ち込むための関節動作ツールであって、
近位端、遠位端、内腔および長手方向軸を備える細長外側ハウジングであって、モータを備えるハンドピースと係合するように構成される細長外側ハウジングと、
外側ハウジングの内腔を通過して延在する第1のシャフト、
第1の端部および第2の端部を有し、第1の端部が第1のシャフトの遠位部分に連結される、関節動作トルク伝達ユニットおよび、
関節動作トルク伝達ユニットの第2の端部に配置され、ビットと着脱自在に係合し、ビット軸の周りにビットを回転させるように構成され、ビットが締結具と係合するように構成される、ドライバヘッドアダプタを備えるトルク伝達機構であって、
モータからドライバヘッドおよびビットにトルクを伝達するように構成され、それによって、ビットに係合される締結具を骨に打ち込むトルク伝達機構と、
トルク伝達機構とは別個の関節動作機構であって、
外側ハウジングの内腔を通過して延在する第2のシャフト、
第2のシャフトの近位部分に接続され、第2のシャフトを近位および遠位に移動させるように構成されるアクチュエータおよび、
第2のシャフトの遠位部分に接続され、ドライバヘッドアダプタに接続され、かつヒンジに枢支されるリンクであって、
第2のシャフトの遠位への移動に応じて、長手方向軸とビット軸との間の角度が増加するようにヒンジ周りで回転し、
第2のシャフトの近位への移動に応じて、長手方向軸とビット軸との間の角度が減少するように、リンクがヒンジの周りで回転するリンクを備える関節動作機構と、
を備える関節動作ツール。
【請求項22】
関節動作トルク伝達ユニットが第1、第2および第3の傘歯車を備え、第1の傘歯車が第1のシャフトに固定的に連結され、第2の傘歯車が歯車支持シャフトに連結され、第3の傘歯車が出力シャフトに連結される、請求項21に記載の関節動作ツール。
【請求項23】
第1の傘歯車が第2の歯車と噛み合い、第2の歯車が第3の歯車と噛み合う、請求項22に記載の関節動作ツール。
【請求項24】
シャフトの回転がドライバヘッドアダプタの反対方向の回転を引き起こす、請求項22または23に記載の関節動作ツール。
【請求項25】
関節動作ユニットが第1、第2、第3および第4の傘歯車を備え、第1の傘歯車が第1のシャフトに固定的に連結され、第2および第3の傘歯車が歯車支持シャフトに連結され、第4の傘歯車が出力シャフトに連結される、請求項21に記載の関節動作ツール。
【請求項26】
第1の傘歯車が第2の傘歯車と噛み合い、第3の傘歯車が第4の傘歯車と噛み合う、請求項25に記載の関節動作ツール。
【請求項27】
第2の傘歯車の回転が、歯車支持シャフトを介して第3の傘歯車の回転に伝達される、請求項25または26に記載の関節動作ツール。
【請求項28】
第1のシャフトの回転が、ドライバヘッドアダプタの同方向への回転を引き起こすように構成される、請求項25~27のいずれかに記載の関節動作ツール。
【請求項29】
関節動作ユニットの一
部に延在する支持壁を備える、請求項21~28のいずれかに記載の関節動作ツール。
【請求項30】
支持壁が、第2のシャフトおよびリンクを収容するように構成される開口部を備える、請求項29に記載の関節動作ツール。
【請求項31】
第2のシャフトが近位に移動するとき、リンクが、ツールの長手方向軸から外側に曲がる、請求項30に記載の関節動作ツール。
【請求項32】
支持壁が、歯車支持シャフトに連結される第2のヒンジで枢動可能に連結される遠位部分および近位部分を備え、遠位部分が出力シャフトに連結され、遠位部分が第2のシャフトの軸方向の移動に応じて第2のヒンジおよび/または歯車支持シャフトの周りで近位部分に対して回転する、請求項29または30に記載の関節動作ツール。
【請求項33】
ドライバヘッドアダプタが、ビットのシャフトを収容するように構成される内腔を備える、請求項21~32のいずれかに記載の関節動作ツール。
【請求項34】
ドライバヘッドアダプタの内腔が回転制限面を備える、請求項33に記載の関節動作ツール。
【請求項35】
細長外側ハウジングが、ハンドピースに着脱自在に連結するように構成される本体連結組立体をさらに備える、請求項21~34のいずれかに記載の関節動作ツール。
【請求項36】
本体連結組立体が、第1のシャフトの近位端に動作可能に連結されるコレットシャフトを備え、コレットシャフトの自由端が、ハンドピースの駆動シャフトに連結されるように構成される、請求項35に記載の関節動作ツール。
【請求項37】
駆動シャフトの回転が第1のシャフトの回転を引き起こすように、コレットシャフトの自由端が回転制限形状を備える、請求項36に記載の関節動作ツール。
【請求項38】
本体連結組立体が、細長外側ハウジングの近位端に動作可能に連結される本体インターフェースを備える、請求項35~37のいずれかに記載の関節動作ツール。
【請求項39】
本体インターフェースが、該本体インターフェースの外面に溝を備える、請求項38に記載の関節動作ツール。
【請求項40】
少なくとも1つの方向付け機構が、本体インターフェースの近位対向面から近位に延在する、請求項38または39に記載の関節動作ツール。
【請求項41】
第2のシャフトの遠位端の近傍で第2のシャフトの一部にあるねじ山と螺合するアクチュエータをさらに備え、アクチュエータが、第2のシャフトの軸方向の移動を引き起こすように構成される、請求項21~40のいずれかに記載の関節動作ツール。
【請求項42】
第2のシャフトが回転動作を実質的に阻まれるように、第2のシャフトの遠位部分が、第2のシャフトの遠位端の近傍で回転制限ストッパに摺動可能に収容される回転制限面を備える、請求項41に記載の関節動作ツール。
【請求項43】
アクチュエータがホイールを備え、該ホイールの回転が第2のシャフトの軸方向移動を引き起こす、請求項42に記載の関節動作ツール。
【請求項44】
第2のシャフト上の回転制限面が実質的に平坦な表面を備える、請求項42または43に記載の関節動作ツール。
【請求項45】
ドライバヘッドアダプタが
、0°
~45°の間で外側ハウジングに対して回転するように構成される、請求項21~44のいずれかに記載の関節動作ツール。
【請求項46】
請求項21~45のいずれかに記載の関節動作ツールと、ビットおよびハンドピースのいずれかまたは両方とを備える、内視鏡的締結具留置のためのシステム。
【請求項47】
ハンドピースのモータが電気モータを備える、請求項46に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2017年8月10日に出願された米国特許出願第62/543,551号明細書、2017年10月3日に出願された米国特許出願第62/567,584号明細書、および2017年11月22日に出願された米国特許出願第62/590,122号明細書の利益を主張するものである。前述の出願の各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
この開示は、ねじ等の締結具の内視鏡的留置ための関節動作ツールに関する。
【背景技術】
【0003】
種々の外科的処置(骨折手術等)には、骨にプレート(例えばチタン骨接合プレート、その他)等の構造物を保持するために、骨に1つ以上のねじを挿入することがある。挿入中に、ねじは骨にねじ込まれる。例えば、肋骨骨折を治療するために、外科医は、骨折した肋骨の(肺に面する側の)内面に1つ以上の固定ねじでプレートを取り付けることができる。手術は、胸腔鏡の助けを借りて、最小限の侵襲的な方法で行うことができる。胸腔鏡からの視界により、骨折部位(複数の部位)を含む胸郭の内側の視覚化を可能にする。骨折した肋骨の胸腔鏡補助下の内側固定は、痛覚脱失および/または換気等の、ある特定の他の治療よりも患者に一層有益であり得る。
【0004】
骨にねじを挿入することは、骨の位置および/または向き、周囲の解剖学的構造(例えば筋肉、靭帯、腱、血管、神経またはその他)、および/または骨の形状により難しい場合もある。ある特定の外科的処置においては、骨に対するねじの所望の挿入位置および/または角度へのアクセスが制限される場合もある。挿入位置および/または角度を調整するように締結ツールを後退させることは、時間が掛かり、患者に外傷を引き起こし、かつ/または不便でありもしくは実用的でない場合がある(締結ツールの直接侵入経路が他の解剖学的構造によって阻止される場合等)。
【0005】
可撓性または弾性部分を有する延長部分は、患者の体にドライバヘッドを操作する際の助けとなり得る。しかし、可撓性または弾性部分は、骨の皮質にねじを挿入するのに十分なトルクを効率的に伝達しない場合がある。
【0006】
方向を変えることができる剛性および/または非可撓性および/または非弾性締結ツールは、トルクを効率的に伝達すると同時に、患者の体内でドライバヘッドを操作する際に助けとなり得る。いくつかの実施形態においては、この種の延長部分(例えばスクリュードライバ)は、複数の軸で複数の角度で関節動作するように構成される関節構成要素を含むことができる。これにより、締結ツールは、狭いスペースにアクセスし、ユーザが位置を再調整する頻度を減らし、かつ/または締結ツールの所望の向きを提供するように調整する(例えば曲げまたは枢動)ことができようになっている。締結ツールは、意図される機能を実行する(例えば骨に固定ねじを挿入する)のに十分なトルク出力を同時に維持できることが有益であり得る。
【0007】
標準の非関節動作式締結ツールに匹敵できる外側プロファイルを有する関節構成要素を持つ延長部分を有することは、有益であり得る。より小さい外側プロファイルにより、より大きなサイズのアクセスポータル(例えばトロカール)の必要性が低減されることができ、かつ/または関節構成要素を持つ締結ツールが、標準の非関節動作式締結ツールによって通常アクセスできるスペースにアクセスできるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願第62/543,551号
【文献】米国特許出願第62/567,584号
【文献】米国特許出願第62/590,122号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
いくつかの実装形態においては、伝動装置(例えば傘歯車またはマイタ歯車)は、関節動作ドライバヘッド等の関節構成要素の全範囲の改善を行うことができる。元の機能を実行するのに十分なトルク出力を維持しながら、利用可能なスペースに収まることになる歯車および伝動機構を使用することが望ましい場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の利益または他の利益の内の1つ以上を提供する、内視鏡的締結具留置のための関節動作ツールのいくつかの実施形態が、本明細書において開示されている。
【0011】
上記で開示され、または本明細書において他の場所で開示された構造、材料、ステップまたは他の特徴のいずれかは、この開示の実施形態のいずれかに使用することができる。任意の実施形態の任意の構造、材料、ステップまたは他の特徴は、この開示の一部である、さらなる実施形態を形成するように、任意の他の実施形態の任意の構造、材料、ステップまたは他の特徴と組み合わされることが可能である。
【0012】
前述の概要、以下の詳細な説明および関連する図面は、保護の範囲を限定しまたは定義するものではない。保護の範囲はクレームによって定義される。
【0013】
本明細書において開示される実施形態の上述および他の特徴は、実施形態の図面を参照して以下に説明される。例示された実施形態は、例示することを意図するものであるが、実施形態を限定することを意図するものではない。開示された異なる実施形態の種々の特徴は、この開示の一部である、さらなる実施形態を形成するように組み合わされることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】ハンドピースおよび関節動作ドライバヘッドに連結される例示的な締結ツールの、異なる角度で示される側面図である。
【
図1B】ハンドピースの例示的な締結ツールインターフェースの正面図である。
【
図2】締結ツールの長手方向軸に対して約0°の、関節動作ドライバヘッドを有する例示的な締結ツールの斜視図である。
【
図3A】
図2の締結ツールの長手方向断面図である。
【
図3B】
図3Aの締結ツールの近位部分の詳細な断面図である。
【
図3D】
図3Aの締結ツールの例示的なドライバヘッドアダプタの斜視図である。
【
図3E】中心長手方向軸線に沿って切断された
図3Cのドライバヘッドアダプタの斜視図である。
【
図4A】例示を目的として支持壁および外側ハウジングを示さない状態の、
図2の締結ツールの例示的な遠位部分の斜視図である。
【
図4B】
図4Aの締結ツールの例示的な関節動作(例えば傘歯車)装置の動作を示す図である。
【
図5A】例示を目的として支持壁および外側ハウジングを示さない状態の、
図2の締結ツールのもう1つの例示的な遠位部分の斜視図である。
【
図5B】
図5Aの締結ツールの例示的な傘歯車装置の種々の斜視図である。
【
図5C】
図5Aの締結ツールの例示的な傘歯車装置の種々の斜視図である。
【
図5D】
図5Aの締結ツールの例示的な傘歯車装置の種々の斜視図である。
【
図5E】
図5Aの締結ツールの例示的な傘歯車装置の種々の斜視図である。
【
図6A】例示を目的として外側ハウジングを示さず、コレットハウジングを透明のように示した状態の、
図2の締結ツールの斜視図である。
【
図7A】締結ツールの長手方向軸に対して鋭角で関節動作ドライバヘッドに連結された
図2の締結ツールの斜視図である。
【
図8】もう1つの例示的な関節動作装置の動作を示す図である。
【
図9】もう1つの例示的な関節動作装置の動作を示す図である。
【
図10A】ヘッドを実質的に傾けていない状態の例示的な関節動作歯車装置の上面図である。
【
図10B】ヘッドを第1の角度に傾けた状態の、
図10Aの関節動作装置の側面図である。
【
図10C】ヘッドを第2の角度に傾けた状態の、
図10Aの関節動作装置の上面図である。
【
図10D】もう1つの関節動作装置の上面図である。
【
図11】もう1つの例示的な関節動作装置の斜視図である。
【
図12】もう1つの例示的な関節動作装置の側面図である。
【
図13】もう1つの例示的な関節動作装置を示す図である。
【
図14】例示的なウォーム歯車装置を示す図である。
【
図15】例示的なカムおよび/またはピン型関節動作装置を示す図である。
【
図16】例示的な斜板または角度付き板型関節動作装置を示す図である。
【
図17】ドライバヘッドを回転させるように構成されたシャフト回転機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
種々の関節動作ツールが、1つ以上の所望の改善を達成するために用いられ得る様々な実施例を示すために、以下に説明される。これらの実施例は単に例示であり、提示される一般的な発明およびこれらの発明の種々の態様および特徴を限定することを意図するものではない。本明細書において使用される語法および用語は、説明を目的とするものであり、限定と見なされるべきではない。本明細書において開示されるいかなる特徴、構造またはステップも、本質的なものではなく、また必須のものではない。
【0016】
概要
いくつかの実施形態においては、関節動作ツール1は、締結具の内視鏡的留置を容易にするように構成される。例えば、関節動作ツール1は、外科的処置中にねじを骨に打ち込むように使用することができる。
図1Aに示されるように、関節動作ツール1は、ハンドピース10および締結ツール20を含むことができる。ハンドピース10は、電池および電気モータを有するような電動装置とすることができる。ハンドピース10は、ユーザが関節動作ツール1を把持して操作するようにグリップを含むことができる。ハンドピース10は、打込み動作、速度および/または(例えば時計回りもしくは反時計回りの)方向を指図するような、関節動作ツール1を操作するための操作部(例えばボタン)を含むことができる。締結ツール20は、締結ツール20の近位端等においてハンドピース10に連結され得る。締結ツール20は、ハンドピース10に着脱自在に接続され得る。ある実施形態においては、締結ツール20は、クイックリリース機構を持つハンドピース10に連結される。いくつかの実施形態においては、クイックリリース機構は、ボタンまたはレバーを作動させる(例えば押し下げる)ことがハンドピース10への締結ツール20の取付けを解除することができるように、締結ツール20またはハンドピース10に解除ボタンまたはレバーを備える。
【0017】
締結ツール20は、締結ツール20の遠位端に関節動作ドライバヘッドアダプタ22を含むことができる。アダプタ22は、ドライバヘッド30(例えば、ねじの頭と係合するように構成されるビット)に連結することができる。例えば、アダプタ22は、着脱自在に、かつ/または戻り止め等のクイックリリース機構を介してドライバヘッド30に連結することができる。
【0018】
いくつかの実施形態においては、アダプタ22は、回転するように構成される。図示されるように、アダプタ22は、継手26の周りで、かつ締結ツール20の長手方向軸線Lに対して回転するように構成されることができる。アダプタ22の回転により、アダプタ22(および、それによるドライバヘッド30)の位置および角度を調整することを可能とすることができ、これは、所望の位置および角度で締結具の打込みを容易にすることができる。いくつかの実施形態においては、アダプタ22は、1つの平面内で、かつ/または長手方向軸線Lに略垂直な回転軸線の周りで回転可能である。ある実施形態においては、アダプタ22は、(
図1Aに示されるような)約0°~約140°、または約0°~約110°、または約0°~約90°、あるいは約0°~約45°まで回転することができる。締結ツール20は、アダプタ22の角度を調整するように構成される関節動作アクチュエータを含むことができる。
図1Aに示される実施例においては、関節動作アクチュエータは、手動で操作されるホイール等の調整ダイヤル24を備える。アクチュエータは、締結ツール20の近位端において、またはその近傍等に、ドライバヘッドアダプタ22から離れて配置され得る。
【0019】
ハンドピース10または締結ツール20は、ボタン、サムホイール、レバーまたはその他等のドライバヘッドアクチュエータを含むことができる。例えば、ハンドピース10は、ドライブヘッド30を(例えば時計回りおよび/または反時計回りに)回転させるような、ドライバヘッド30に動作可能に接続することができるモータを駆動させる1つ以上のボタン11を含むことができる。いくつかの実施形態においては、モータからの動力は、締結ツール20の内部シャフトを通して、かつ/または継手26を通してドライバヘッド30に伝達される。いくつかの実施形態においては、ハンドピース10は、ドライバヘッド30に加えられるトルクを適応的に制限するためのソフトウェアおよび/またはハードウェアを含むことができる。適応トルク制限に関する追加情報は、米国特許第9,265,551号明細書に見出されることができ、その全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0020】
図1Bに示されるようないくつかの実施形態においては、締結ツール20は、様々な向きにハンドピース10に対して割り出され得る。例えば、締結ツール20は、ハンドピース10および締結ツール20の嵌合機構15(例えば、凹部および突出部)等により複数(例えば、2箇所、3箇所、4箇所、6箇所、8箇所あるいはそれ以上)の回転位置でハンドピース10に固定され得る。ハンドピース10に対して締結ツール20を新しい向きに回転させると、ドライバヘッド30もまた新しい向きに回転させることができる。これにより、ドライブヘッド30はハンドピース10に対して様々な向きで締結具を打ち込むことができるようになり得る。いくつかの実装形態においては、締結ツール20の異なる向きを通して一平面で関節動作するように構成され得る、ドライバヘッド30を回転させることによって、関節動作ツール1は、(ドライバヘッド30が操作され得る半球の空間で関節動作することができる等の)それらの異なる平面で関節動作するように構成され得る。種々の実施形態においては、締結ツール20は、ハンドピース10から取り外され、ハンドピース10に対して新しい位置に回転され、次いでドライバヘッド30の新しい範囲の操作を可能にするようにハンドピースに再び取り付けることができる。
【0021】
関節動作締結ツールの特定の実施形態
関節動作締結ツール200の種々の実施形態が開示されている。
図2に示されるように、締結ツール200は、
図1Aの締結ツール20の特徴のいずれかを有することができる。例えば、ツール200は、締結ツール200の近位端で本体に、および締結ツール200の遠位端でドライバヘッド300に連結するように構成され得る。
【0022】
締結ツール200は、近位部分204および遠位部分206を有する細長外側ハウジング202を含むことができる。本体連結組立体300が、ツール200の近位端に配置され得る。本体連結組立体300は、細長外側ハウジング202の近位部分204に連結されるコレットハウジング302を含むことができる。
図3Aおよび
図3Bに示されるように、外側ハウジング202の近位部分204の末端部分は、コレットハウジング302の第1のキャビティ内に収容されることができ、横壁310において、またはその近傍で終端し得る。横壁310は、コレットシャフト308が壁310の開口部を通過し、この開口部に対して自由に回転できるように構成される略中央の開口部を含むことができる。ある実施形態においては、ハウジング202は、ハンドピース10に接続される間、ハンドピース10に対して回転され得る。
【0023】
コレットハウジング302は、第1のキャビティから横壁310の反対側に第2のキャビティを含むことができる。第2のキャビティは、コレットハウジング302から近位に延在する本体インターフェース304を収容することができる。コレットハウジング302は、ハンドピース10の開口部に収容され得る。これは、ハンドピース10のモータがドライバヘッド300を駆動することができるようにする等のために、ツール200およびハンドピース10を機能的に接続することができる。
【0024】
図3A~
図3Cに示されるように、本体インターフェース304は、近位対向面318を含むことができる。近位対向面318の外周線は、コレットハウジング302の外面から半径方向外向きに延在する。近位対向面318は、締結ツール200を本体に取り付ける場合に、ハンドピース10等の本体のストッパとして働くことができる。ダウエルピン320等の1つ以上(例えば、2つ、3つまたはそれ以上)の方向付け機構が、近位対向面318から近位に延在することができる。ダウエルピン330は、ハンドピース10を本体連結組立体300と位置合わせさせることを容易にすることができる。本体インターフェース304は、インターフェース304の近位端の近傍に外側溝306を含むことができる。いくつかの実施形態においては、外側溝306は、本体を保持する際に、それを促進するように構成され得る。
【0025】
図3A~
図3Cに示されるように、本体インターフェース304は、コレットハウジング302および細長外側ハウジング202の内腔から連続し、コレットシャフト308を収容するように構成される内腔を有することができる。コレットシャフト308の近位端は、本体インターフェース304の内腔の内側で終端することができ、これにより、外部の衝撃からコレットシャフト308の近位端を保護することができる。少なくとも1つ(例えば、2つ、3つまたはそれ以上)のボールベアリグ322が、(例えばコレットシャフト308の回転軸を本体インターフェース304の内腔の長手方向軸と位置合わせさせる際に助けとなることによって)本体インターフェース304の内腔内でのコレットシャフト308の回転を容易にするように、コレットシャフト308の外壁と本体インターフェース304の内腔壁との間に延在することができる。波型ワッシャ324等の付勢部材が、(例えば横壁310が遠位ボールベアリング322に衝突するのを抑制しまたは防止するように)横壁310と遠位ボールベアリング322との間に配置され得る。
【0026】
コレットシャフト308の近位端は、モータに動作可能に連結できるハンドピース駆動シャフトと連結するように構成され得る。コレットシャフト308は、少なくとも1つの平面等の回転制限形状を含むことができる。
図3Aおよび3Bに示されるようないくつかの実施形態においては、回転制限形状は、2つの対向する平面309を含むことができる。コレットシャフト308が駆動シャフトと係合すると、駆動シャフトの回転がコレットシャフト308の回転を生じさせる。
【0027】
コレットシャフト308の遠位端は、第1のシャフト208に連結され得る。
図3Aおよび3Bに示されるように、コレットシャフト308の遠位端は、第1のシャフト208を固定的に(例えば摩擦、接着剤またはその他を介して)受け入れるように構成される凹部を含むことができる。いくつかの実施形態においては、コレットシャフト308および第1のシャフト208は、他の取付け機能および/または機構によって固定的に係合され得る。以下に説明されるように、第1のシャフト208は、コレットシャフト308の回転および/またはトルクをドライバヘッド300等のドライバヘッドに伝達するように構成される。
【0028】
第1のシャフト208は、細長外側ハウジング202の内腔の内側に配置され、かつ/またはこの内腔を通過することができる。第1のシャフト208の遠位部分は、細長外側ハウジング202から遠方に、傘歯車組立体等の関節動作トルク伝達ユニット210内に延在することができる。関節動作ユニットは、細長外側ハウジング202から遠位に配置され得る。関節動作トルク伝達ユニット210は、(例えば、出力シャフト214の遠位部分のピン穴を通過する圧入ピン216、およびアダプタ212のピン穴218またはその他を介して)ドライバヘッドアダプタ212に固定的に連結される出力シャフト214を含むことができる。
図4A~
図5Fを参照して以下に説明されるように、関節動作トルク伝達ユニット210は、シャフト208の回転、および/またはトルクをドライバヘッドアダプタ212へ伝達するように構成される。
【0029】
ドライバヘッドアダプタ212は、ビット(例えば平頭ビット、フィリップスビット、六角ビット、星形ビットまたはその他)等のドライバヘッド400を着脱自在に受け入れるように構成され得る。
図3Dおよび3Eに示されるようないくつかの実施形態においては、アダプタ212は、略正方形の断面を持つシャフトを有するドライバヘッドを受け入れるように構成される略正方形の開口部220を含むことができる。ある実施形態においては、ドライバヘッドアダプタ212は、ドライバヘッドシャフトの形状に対して相補的であり、ドライバヘッドアダプタ212の回転がドライバヘッドシャフトに伝達されるようになっている、異なる形状の開口部を含むことができる。図示されるように、ドライバヘッドアダプタ212は、正方形の開口部220よりも大きな内部寸法を有する第2の開口部221を含むことができる。
【0030】
種々の実施形態においては、ドライバヘッドシャフト402はアダプタ212に保持され得る。例えば、ドライバヘッドシャフト402は、摩擦嵌め、ディテント機構、またはその他によって保持され得る。
図3Fに示されるようないくつかの実装形態においては、ドライバヘッド400のドライバヘッドシャフト402は、2つ以上の対向する突出部404を含むことができ、この突出部404の外面の間の距離が、略正方形の開口部220の幅よりも大きくなるような隙間によって分離される。突出部404は、略正方形の開口部220に挿入されると、互いに向かって僅かに撓むことができる。突出部404が元の隙間の大きさに別々に跳ね返る傾向は、正方形の開口部220の内側にドライバヘッドシャフト304を保持する際の助けとなることができる。いくつかの実施形態においては、突出部404は、略正方形の開口部220への突出部404の挿入を容易にするように、その自由端に面取り部または先細部406を有することができる。ドライバヘッドシャフト402の突出部404は、ドライバヘッドシャフト402が正方形の開口部220を通過して第2の開口部221に前進した後に広がることができ、これは、ドライバヘッドシャフト402をドライバヘッドアダプタ212内に保持する際の助けとなることができる。いくつかの実施形態においては、ドライバヘッドのシャフトは、ばね付勢されたボールディテントまたは他のもののような他のタイプの保持機構(複数の保持機構)を含むことができ、したがって、第2の開口部221は、ドライバヘッドシャフトが正方形の開口部220を通過して第2の開口部221に前進すると、ドライバヘッドシャフトを保持することができる。種々の実施形態においては、アダプタ212およびドライバヘッドシャフト402は、少なくとも約100mm、150mm、200mm、250mmあるいはそれ以上等、ツール200の近位端および/またはハンドピース10から間隔を置いて設けられる。
【0031】
図4Aに示されるように、関節動作トルク伝達ユニット210は、第1のシャフト208に固定的に連結される第1の傘歯車226、歯車支持シャフト224に固定的に連結される第2の傘歯車228および、出力シャフト214に固定的に連結される第3の傘歯車230を含むことができる。第1の傘歯車226は、第2の傘歯車228と噛み合う。第2の傘歯車228は、第3の傘歯車230と噛み合う。いくつかの実施形態においては、傘歯車は、440Cステンレス鋼またはその他等の金属を含むことができる。ある実施形態においては、これらの傘歯車は、少なくとも約60~65Cのロックウェル硬度を有することができる。
図2および
図3Aに示されるように、関節動作トルク伝達ユニット210は、外部の衝撃から傘歯車および/またはシャフトを保護することができる、1つ以上の支持壁232を含むことができる。
【0032】
図4Bに示されるように、第1の傘歯車226および第1のシャフト208が第1の方向(例えば反時計回り)に回転すると、第2の傘歯車228および歯車支持シャフト224は、第1の方向に垂直な第2の方向に(例えば、図示されているように右に)回転する。第2の傘歯車228の回転により、第3の傘歯車230および出力シャフト214は第1の方向とは反対の第3の方向(例えば時計回り)に回転することになる。種々の実施形態においては、第2の傘歯車228の回転軸は、第1の傘歯車226および/または第3の傘歯車230の回転軸にほぼ垂直である。ある実装形態においては、第1の傘歯車226および第3の傘歯車230の回転軸は、ドライバヘッドが関節動作されない場合に、略平行でありかつ/または同一直線上にある。
【0033】
いくつかの実施形態においては、締結ツールは、
図5Aに示されるような関節動作ユニット211を含むことができる。関節動作ユニット211は、第1のシャフト208に固定的に連結される第1の傘歯車226、歯車支持シャフト224の2つの端部に固定的に連結される第2の傘歯車228および第3の傘歯車229、および出力シャフト214に固定的に連結される第4の傘歯の230を含むことができる。第1の傘歯車226は、第2の傘歯車228と噛み合う。第2の傘歯車228の回転は、歯車支持シャフト224を介して第3の傘歯車229に伝達される。第3の傘歯車229は、第4の傘歯車230と噛み合う。
図5B~
図5Eは、
図5Aに示されるような4つの傘歯車を持つ関節動作トルク伝達ユニット210の略図を示している。
【0034】
図5Fに示されるようないくつかの実施形態においては、第1の傘歯車226および第1のシャフト208が第1の方向(例えば反時計回り)に回転すると、第2の傘歯車228、歯車支持シャフト224および第3の傘歯車229は、第1の方向に垂直な第2の方向に(例えば左に)に回転する。第3の傘歯車229の回転により、第4の傘歯車230および出力シャフト214は第1の方向と同じ方向(例えば反時計回り)に回転することになる。
【0035】
図4A~
図4Bおよび
図5A~
図5Fの関節動作トルク伝達ユニット210は、
図4A~
図4Bに示される実施形態の第1の歯車226と第3の歯車230との間、および
図5B~
図5Dに示される実施形態の第1の歯車226と第4の歯車230との間等における可動域の改善を可能にすることができる。
図5A~
図5Fに示されるような4つの傘歯車を持つ関節動作トルク伝達ユニット210の実施形態は、有利なことに、出力シャフト224の回転が第1のシャフト208と同じ方向であるようになっていることができる。例えば、ハンドピース10からの方向の入力回転は、ドライバヘッド400において同じ方向の出力回転をもたらすことができる。
【0036】
図4A~
図4Bに示されるような3つの傘歯車を持つ関節動作トルク伝達ユニット210の実施形態は、第1のシャフト208の回転に対して逆方向の出力シャフト224の回転をもたらすことができる。出力シャフト224を第1のシャフト208と反対方向に回転させることは、使用者を混乱させることとなり得る。例えば、使用者は、関節動作ツール1が時計回りの回転を出力するようになっている特定のボタンに慣れ親しんでいる場合があり、したがって、ツール200が接続された後に関節動作ツール1が反時計回りの回転を出力すると、使用者が混乱する場合がある。いくつかの実施形態は、逆方向の回転に適応するために自動的に適合するように構成される。例えば、ハンドピース10は、ツール200がハンドピース10に接続されることに応じて、ボタンのモータの駆動方向を反転させることができる。いくつかの変形例においては、ツール200がハンドピース10に接続される前に、ボタンは第1の方向(例えば時計回り)にハンドピース駆動シャフトを駆動し、ツール200がハンドピース10に接続された後に、ボタンはハンドピース駆動シャフトを第2の方向(例えば反時計回り)に駆動し、それにより、次にはドライバヘッド300が第1の方向(例えば時計回り)に回転するようになっている。反転は、ハンドピース10のコントローラ上のソフトウェアを通して行われ得る。反転は、ツール200の接続に応じて自動的に生じる場合もあり、かつ/または使用者には見えない場合もある。
【0037】
種々の実施形態は、関節動作機構を含む。
図6Aに示されるようないくつかの実施形態においては、関節動作機構は、第2のシャフト234を含む。シャフト234は、細長外側ハウジング202の内腔の内側に配置されることができ、かつ/または内腔を通過することができる。第2のシャフト234は、第1のシャフト208と略平行に延在することができる。第2のシャフト234の近位部分は、回転制限機構236(例えば1つ以上の平担面)を含むことができる。第2のシャフト234の近位部分は、コレットハウジング302の遠位端からおよび、この遠位端の近傍で遠位に配置されるストッパ238の開口部を通過して延在することができる。第2のシャフト234の近位部分に係合するストッパ238の開口部は、回転制限機構236に対して略相補的な形状を有することができる。ストッパ238は、第2のシャフト234が実質的に回転動作を防止されるように、コレットハウジング302の遠位端に固定的に取り付けられることができる。
【0038】
いくつかの実施形態においては、第2のシャフト234の近位部分の少なくとも一部は螺旋ねじ(例えば雄ねじ)を含むことができる。(ホイール240、ウォーム歯車、またはその他のような)アクチュエータは、第2のシャフト234のねじに係合する、対応する螺旋ねじ(例えば雌ねじまたは雄ねじ)を含むことができる。第2のシャフト234は、回転制限機構236とストッパ238との間の係合により回転動作が実質的に防止されるので、ホイール240を回転させることにより、第2のシャフト234の軸方向の動作を生じさせることができる。ホイール240を一方向に回転させると、第2のシャフト234はドライバヘッドアダプタ212に向かって遠位に前進することになり得る。ホイール240を反対方向に回転させると、第2のシャフト234はドライバヘッドアダプタ212から離れて遠方に後退することになり得る。
【0039】
第2のシャフト234の遠位部分は、細長外側ハウジング202から、関節動作トルク伝達ユニット210の中に遠位に延在することができる。リンケージアーム242が、ヒンジ244において第2のシャフト234の遠位端に連結され得る。
図6Aおよび6Bに示されるように、関節動作トルク伝達ユニット210の支持壁232は、第2のシャフト234とリンケージアーム242を摺動可能に係合するように構成される隙間を含むことができる。ヒンジ244に連結される端部と反対側のリンケージアーム242の端部は、(例えば支持壁およびリンケージアーム242をほぼ横切って通過するピボットピンを介して)支持壁232に枢支的に連結され得る。
【0040】
図7Aおよび7Bに示されるように、アダプタ212および/またはドライバヘッド300は、ハウジング202に対して関節動作され得る。いくつかの実装形態においては、関節動作は、このようにホイール240の回転およびホイール240と第2のシャフト234とのねじ係合により、第2のシャフト234の動作の結果として生じる。図示されるように、(例えばハウジング202および/またはホイール240に対する)第2のシャフト234の近位への移動により、リンケージアーム242はヒンジ244で曲がり、第2のシャフト234に対して回転することができる。支持壁232は、歯車支持シャフト224に連結される、第2のヒンジ246で枢支的に連結される近位部分245および遠位部分247を含むことができる。遠位部分247は、出力シャフト214に固定的に連結され得る。リンケージアーム242の曲げにより、遠位部分247、ドライバヘッドアダプタ212(およびアダプタ212に連結されるドライバヘッド300)は第2のヒンジ246および/または歯車支持シャフト224の周りに枢支的に回転することになり得る。
図6Aに示されるように、第2のシャフト234に対してリンケージアーム242を真っ直ぐにするために、第2のシャフト234は、例えばホイール240を反対方向に回転させることによって、遠位に移動され得る。
【0041】
種々の実施形態においては、ツール200は、ヒンジ246の周り等で関節動作することができると同時に、回転をドライバヘッド300に伝達することができる。ツール200は、ねじまたは他の締結具を様々な位置に有利に打ち込むことができる。ツール200は、狭いスペースにアクセスし、かつ/または締結具を所望の向きになるように配置して打ち込むように調整する(例えば曲げるまたは枢動する)ことができる。種々の実施形態においては、ツールの関節動作を制御する機構は、ねじまたは他の締結具を打ち込むようにトルクを伝達する機構とは別個である(例えば独立して動作可能である)。いくつかの変形例においては、関節動作を制御する機構およびドライバヘッドにトルクを伝達する機構は、それぞれ、別個のシャフトおよび/または別個の制御装置(例えばアクチュエータ)を含むことができる。例えば、関節動作を制御する機構は、第2のシャフト234および/またはホイール240を含むことができ、ドライバヘッドにトルクを伝達する機構は、第1のシャフト208および/またはハンドピース10上の1つ以上のボタンを含むことができる。
【0042】
関節動作締結ツールの他の実施形態
以下に説明されている実施形態の機能のいずれかは、上述の締結ツール200に組み込まれ得る。
【0043】
図8に示されるようないくつかの実施形態においては、入力シャフト(1)は歯車「X」に剛結合され、アイドラシャフト(3)は歯車「A」に剛結合され(歯車「A」は両面傘歯車である)、出力シャフト(2)は歯車「Z」に剛結合される。歯車「X」は歯車「A」と噛み合う。また、歯車「A」は歯車「Z」と噛み合う。歯車「X」が反時計回りに回転すると歯車「A」は左に回転し、それにより、歯車「Z」は反時計回りに回転することになる。この配置の利点は、達成され得る関節動作が増加することである。
【0044】
いくつかの実施形態は、(互いに、まさに傘歯車無しで約45°または約90°を越えるようなドライバヘッドアダプタを関節動作させるように構成される。
図9に示されるようないくつかの実施形態においては、関節動作締結ツールの関節動作ユニットは、チェーンまたはベルト950を含むことができる。ベルト950は、一組の傘歯車から他の組の傘歯車へ動作が伝達される点を延長することができる。入力シャフト956は、1組の傘歯車952に作用することができ、傘歯車952の内の1つは、ベルトプーリまたはチェーン歯車954に剛結合され得る。ベルト950は、第2のベルトプーリまたはチェーン歯車958に接続されることができ、これは第2の組の傘歯車960に接続されることができ、この傘歯車960の内の1つは、出力シャフト962に作用する。この設計の利点は、関節動作傘歯車が他の伝動装置と干渉しないように、入力側傘歯車952と出力側傘歯車960と間の動作伝達が効果的に再配置されるということである。
【0045】
図10A~
図10Eに示されるようないくつかの実施形態においては、平歯車1064の追加が、入力シャフト1056の運動の関節動作出力シャフト1062への伝達を可能にする。このことは、上述したベルトおよび/またはチェーンシステムと同様な効果を有するが、傘歯車をより効果的な位置に移動させるように追加の歯車を使用することで同様な効果を得る。(例えば2個、3個またはそれ以上の)複数の歯車が、必要に応じて、傘歯車をさらに置き換える(例えば別個に間隔を置いて配置する)ように追加され得る。この設計の利点は、関節動作傘歯車が他の伝動装置と干渉しないように、入力側傘歯車と出力側傘歯車との間の動作伝達が再配置され得るということである。
【0046】
いくつかの実施形態においては、締結ツールは、
図11に示されるような傘歯車を含むことができる。歯車Aは駆動シャフトに連結され得る。歯車Aの回転は、アイドラギヤBを介して歯車Cに伝達され、この歯車Cは、ねじを打ち込むように出力シャフトに連結され得る。同時に、歯車Cは、自由に3次元で新しい方向を与えることができる。いくつかの実装形態は、アイドラギヤを通して歯車減速または増速を含むことができる。
【0047】
図12に示されるようないくつかの実施形態においては、傘歯車の他の形状構成は、関節動作継手を通して回転を伝達することができる。
図11に示される形状構成においては、歯車Aは、歯車Cの回転を(例えば物理的な干渉により)拘束することができる。対照的に、
図12に示されるような傘歯車機構においては、歯車Aおよび歯車Bは、アイドラギヤBの周りに対称に配置される。関節動作平面はもはや交差しないので、
図12の機構は、例えば
図11の機構と比較して可動域が増加することを可能にし得る。
【0048】
図13に示されるようないくつかの実施形態においては、ドライバヘッドアダプタの先端は、入力シャフト1356の駆動軸と実質的に同一線上にあり得る。
図12の傘歯車機構は、オフセットを導入している。
図13に示されるような、ある実施形態においては、
図12の歯車機構は、オフセットを調整するように平歯車1364に接続され得る。図示のように、ドライバヘッドアダプタ1312の先端は、入力シャフト1356の先端と実質的に同一直線上にあり得る。
【0049】
関節動作締結ツールの種々の実施形態は、ドライバヘッドアダプタ212から離れた、かつ/またはハンドピース10により近い位置でドライバヘッドアダプタ212の向きを制御するように構成され得る。
図14に示されるようないくつかの実施形態は、歯車またはアダプタ調整ダイヤル1468に作用するウォーム歯車1466を含むことができる。調整ダイヤル1468は、(例えば締結ツールの近位端の近傍またはハンドピース上に配置される)ユーザインターフェースとして役立つことができる。調整ダイヤル1468を回転させることにより、調整ダイヤル1468の左側の機械的リンク機構を関節動作させる(例えば開くまたは閉じる)ことができる(例えば約0°~約90°)。ある実施形態においては、リンク機構は、シャフトの軸線周りの回転動作を、シャフトの軸線にほぼ垂直な軸線に移動させることができ、その軸線周りでドライバヘッドは回転し、または関節動作することができる。いくつかの変形例においては、アダプタ調整ダイヤル1468の回転は、それに応じてウォーム歯車1466およびドライバヘッドアダプタを回転させることができる。
【0050】
いくつかの実施形態は、ドライバヘッドアダプタおよび/またはドライバヘッドを関節動作させるために、
図15に示されるような固定カムまたはピン1570を有することができる。歯車Bおよびカムもしくはピン1570は、同じシャフトまたは軸線に取り付けられるが、互いに独立して自由に回転することができる。カムまたはピン1570は、シャフトに接続されるが、歯車Bは、歯車Bがシャフトと独立して回転することができる軸受を有する。歯車Cの中心は、カムまたはピン1570の端部に固定される。カムまたはピン1570は、(上述の歯車C等の)可動の出力側傘歯車の方へ突出することができるが、可動の出力傘歯車の回転に対しては回転しない。カムまたはピン1570が、接続されたシャフトを中心に回転されると、歯車Cは、歯車Bの表面に沿ってカムまたはピン1570と共に回転することができる。しかし、カムまたはピン1570は、歯車Cがシャフトの中心軸の周りに自由に回転することができるように歯車Cの中心に固定される。カムまたはピン1570は、
図16のロッド1674に類似した前後に摺動するロッドを介して作動され得る。歯車1678に類似しているがサイズがより小さい歯車が、カムまたはピン1570が取り付けられるシャフトに接続され得る。
【0051】
ある実装形態は、例えば
図16に示されるようなアダプタを押し引きするロッドによって作動される機械的リンク機構を使用することができる。ロッドは、歯付きトラック上で調整ダイヤルを進めることによって作動され得る。
図16に示されるようないくつかの実施形態は、斜板(または傾斜させた板)1672を有することができる。斜板1672は、ツール200の長手方向軸に対してある角度に向けることができる。斜板1672は、ドライバヘッドアダプタ212および/またはドライバヘッド300に当接しかつ/またはそれらを関節動作させるように構成することができる。いくつかの実施形態においては、斜板1672は、プッシュロッド1674に逆らって作用する。例えば、斜板1672は、プッシュロッド1674に対して回転することができ、それにより、斜板1672の角度に起因して、プッシュロッド1674が長手方向に移動することになる。実装形態においては、プッシュロッド1674は、ラックギヤ1676を移動させ、このラックギヤは、ドライバヘッドアダプタ212および/またはドライバヘッド300の向きを制御するように使用される歯車1678を作動させる。いくつかの実施形態においては、シャフト208は、斜板1672を通過し、かつ/または斜板1672に対して回転することができる。
【0052】
締結ツールのいくつかの実施形態は、入力シャフトを360°回転させることができるようにすることができる。いくつかの実施形態においては、入力シャフトの360°回転は、ドライバユニットに対するドライバヘッドアダプタの別々の回転を可能にするピンを後退させることによって達成される。いくつかの実施形態においては、入力シャフトの回転は、入力シャフトが所望の向きに手動で回転され得るように、入力シャフトと本体インターフェース(例えばハウジング202)との間の摩擦嵌めによって達成される。
図17に示されるようないくつかの実施形態においては、入力シャフト1756の360°回転は、それによって調整ダイヤル1770が(例えば入力シャフト1756の回転に垂直な方向に)歯車1772を回転させるように使用され得る歯車式システムを利用することによって達成され得る。歯車1772は、ドライバユニットに対してシャフト1756の向きを制御することができる。
図17に示されるような実施形態においては、ドライバヘッドは、歯車1772がドライバヘッドを回転させるように回転されると、締結ツールに固定されて留まることが可能になる。
【0053】
特定の用語
「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「水平の(horizontal)」、「垂直の(vertical)」、「長手方向の(longitudinal)」、「側方の(lateral)」および「端部(end)」等の、本明細書において使用される方向についての用語は、例示的な実施形態という文脈において使用される。しかしながら、本開示は、例示的な方向に限定されるべきではない。実際、他の方向は可能であり、この開示の範囲内である。直径または半径等の本明細書において使用される円形に関する用語は、完全な円形の構造物を必要とするのではないと理解されるべきあるが、むしろ左右に測定され得る断面領域を持つ任意の適切な構造物に適用されるべきである。「円形の(circular)」または「円筒形の(cylindrical)」または「半円形の(semi-circular)」または「半円筒形の(semi-cylindrical)」あるいは任意の関連するもしくは類似の用語等の、一般に形状に関する用語は、円または円筒あるいは他の構造物の数学的な定義に厳密に合致する必要はなく、適度に近い近似である構造物を含むことができる。
【0054】
「することができる(can)」、「し得る(could)」、「するかもしれない(might)」、または「してもよい(may)」等の条件付き言語は、特に記述されない限り、あるいは使用される文脈の中で別様に理解されない限り、一般に、ある実施形態が特定の特徴、要素および/またはステップを含むが、他の実施形態はこれらを含まないことを意味することを意図している。したがって、この種の条件付き言語は、一般に、特徴、要素および/またはステップが1つ以上の実施形態に多少なりとも必要とされること、あるいは1つ以上の実施形態がユーザ入力またはユーザへの刺激の有無にかかわらず、これらの特徴、要素および/またはステップが含まれ、または任意の特定の実施形態で実行されるべきであるかどうかを決定するためのロジックを必ず含むことを意味することを意図するものではない。
【0055】
本明細書において使用される「およそ(approximately)」、「約(about)」および「実質的に(substantially)」という用語は、所望の機能を依然として実行し、または所望の結果を達成する、記載される量に近い量を表す。例えば、いくつかの実施形態においては、文脈が許すことができる場合、「およそ(approximately)」、「約(about)」および「実質的に(substantially)」という用語は、記載される量の10%未満であるか、またはそれに等しい量を指すことができる。本明細書において使用される「一般に(generally)」という用語は、特定の値、量、または特性を大部分は含み、またはそれらに向かう傾向を示す値、量、または特性を表す。例示として、ある実施形態においては、文脈が許すことができる場合、「略平行な(generally parallel)」という用語は、15°よりも小さいかまたはそれに等しいだけ正確に平行から外れるものを指すことができる。もう1つの実施例として、ある実施形態においては、文脈が許すことができる場合、「略垂直な(generally perpendicular)」という用語は、15°よりも小さいかまたはそれに等しいだけ正確に垂直から外れるものを指すことができる。
【0056】
結論
本開示のいくつかの変形が詳細に示され説明されているが、この開示の範囲内である他の修正は、この開示に基づいて当業者には容易に明らかとなるであろう。例えば、いくつかの実施形態が傘歯車に関して上記で議論されているが、他の形式の歯車(例えば、平歯車、スプラインギヤ、曲がり歯傘歯車、マイタ歯車、はすば歯車、その他)および他のトルク伝達装置が考えられる。また、実施形態の特定の特徴および態様の種々の組み合わせまたはサブコンビネーションが作られることができ、依然として本開示の範囲に属し得ることが考えられる。したがって、開示された実施形態の種々の特徴および態様は、開示されたものの様々なモードを形成するために互いに組み合わせられ、または置き換えられ得ることを理解されたい。
【0057】
さらに、個別の実装形態の文脈において、この開示で説明される特定の機能はまた、単一の実装形態で組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実装形態の文脈において説明される種々の機能はまた、複数の実装形態で個別に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装され得る。さらに、機能が特定の組み合わせで働くものとして上記で説明され得るが、請求された組み合わせからの1つ以上の機能は、場合によっては組み合わせから削除されることができ、該組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形としてクレームされ得る。
【0058】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特徴、材料、特性、またはグループは、それと矛盾しない限り、このセクションまたはこの明細書の他の場所で説明される任意の他の態様、実施形態または実施例に適用可能であると理解されるべきである。(任意の添付のクレーム、要約および図面を含む)この明細書で開示される特徴はすべて、この種の特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わされ得る。本発明の保護は、任意の前述の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明の保護は、この明細書に開示される特徴の任意の新規なもの、または任意の新規な組み合わせ(任意の添付のクレーム、要約および図面を含む)、あるいはそのように開示された任意の新規なもの、または任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0059】
この開示の目的のために、特定の態様、利点および新規の特徴が、本明細書において説明される。必ずしもこの種の利点すべてが、任意の特定の実施形態において達成され得るとは限らない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書において教示されまたは示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示される1つの利点または一群の利点を達成する方法で具体化されまたは実施され得ることを認識するであろう。
【0060】
いくつかの実施形態は、添付の図面に関連して説明されている。図形は必要に応じて一定の尺度で描かれているが、示されているもの以外の寸法および比率が考えられ、開示された発明の範囲内であるので、この種の尺度は限定的なものであるべきではない。距離、角度等は単なる例示であり、図示された装置の実際の寸法およびレイアウトに対して正確な関係を必ずしも持つとは限らない。構成要素は、追加され、除去され、かつ/または再配置され得る。さらに、種々の実施形態に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、性質、特性、品質、属性、要素等の本明細書における開示は、本明細書において記述されたすべての他の実施形態で使用され得る。そのうえ、本明細書において説明された任意の方法は、引用されたステップを実行するのに適した任意の装置を用いて実施され得る。
【0061】
本発明は、特定の実施形態および実施例の文脈で開示されているが、この開示の範囲は、具体的に開示された実施形態を超えて、本発明の他の代替実施形態および/または使用および明白な修正およびその均等物にまで及ぶ。本出願で説明される任意のシステム、方法および装置は、その後の段落で説明される特徴および組み合わせを含む本明細書において説明される他の特徴および組み合わせの間で、このおよび他の段落で説明される前述の特徴の任意の組み合わせを含むことができる。本発明のいくつかの変形が詳細に示され説明されているが、この発明の範囲内である他の修正が、この開示に基づいて当業者には容易に明らかであろう。また、実施形態の特定の特徴および態様の種々の組み合わせまたはサブコンビネーションが作られることができ、依然として本発明の範囲に属し得ることが考えられる。開示された実施形態の種々の特徴および態様は、開示された発明のさまざまなモードを形成するために互いに組み合わされ、置き換えられ得る。したがって、本明細書において開示される本発明の範囲は、上述の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではなく、次に続くクレームを公正に読むことによってのみ決定されるべきである。