(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】菜園開設支援システムおよび菜園開設支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240405BHJP
【FI】
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2023058469
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-09-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 裕太
(72)【発明者】
【氏名】田村 千秋
(72)【発明者】
【氏名】桐ケ谷 誠
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-005131(JP,A)
【文献】特開2002-099587(JP,A)
【文献】特開2002-117243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
菜園を開設しようとする場所である菜園開設場所に含まれる領域であり前記菜園として利用しようとする領域である利用領域の面積および形状を示す利用領域情報と、前記利用領域に設けられた給排水設備に関する給排水設備情報とを取得する情報取得部と、
前記利用領域情報および前記給排水設備情報と、前記菜園を構築するために使用される設備品である菜園用設備品に関する設備品情報とに基づいて、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定する設備品配置決定部と、
前記設備品配置決定部により決定された配置プランに含まれる前記菜園用設備品と、前記菜園用設備品の種類毎の購入費用を示す購入費用情報と、前記菜園を開設するために行われる工事の種類毎の工事費用を示す工事費用情報とに基づいて、前記菜園を開設するための初期費用を導出する費用導出部と、
前記費用導出部により導出された初期費用を示す初期費用情報を出力する情報出力部とを備える
菜園開設支援システム。
【請求項2】
菜園を開設しようとする場所である菜園開設場所に含まれる領域であり前記菜園として利用しようとする領域である利用領域の面積および形状を示す利用領域情報と、前記利用領域に設けられた給排水設備に関する給排水設備情報とを取得する情報取得部と、
前記利用領域における
前記菜園を構築するために使用される設備品である菜園用設備品の配置プランの作成を担当する作成担当者により利用される表示部に、前記利用領域情報と前記給排水設備情報と
前記菜園用設備品に関する設備品情報とを表示させ
、前記作成担当者により利用される操作部に、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定するための操作が入力されると、前記操作に応じて前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定する
設備品配置決定部と、
前記設備品配置決定部により決定された配置プランに含まれる前記菜園用設備品と、前記菜園用設備品の種類毎の購入費用を示す購入費用情報と、前記菜園を開設するために行われる工事の種類毎の工事費用を示す工事費用情報とに基づいて、前記菜園を開設するための初期費用を導出する費用導出部と、
前記費用導出部により導出された初期費用を示す初期費用情報を出力する情報出力部とを備える
菜園開設支援システム。
【請求項3】
請求項1の菜園開設支援システムにおいて、
前記設備品配置決定部は、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置規則を示す配置規則情報と、前記利用領域情報と、前記給排水設備情報と、前記設備品情報とに基づいて、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを自動的に決定する
菜園開設支援システム。
【請求項4】
請求項1の菜園開設支援システムにおいて、
前記菜園は、前記菜園の所有者が前記菜園を他者に利用させることで前記他者から対価を得ることを目的とする菜園であり、
前記情報取得部は、前記菜園開設場所の金銭的価値を示す金銭的価値情報を取得し、
前記金銭的価値情報に示される前記菜園開設場所の金銭的価値は、前記菜園開設場所の近隣の駐車場の駐車料金および前記菜園開設場所の路線価の少なくとも1つであり、
前記費用導出部は、前記金銭的価値情報に基づいて、前記菜園開設場所において想定される収益金額を導出し、
前記情報出力部は、前記費用導出部により導出された収益金額を示す収益金額情報を出力する
菜園開設支援システム。
【請求項5】
請求項1の菜園開設支援システムにおいて、
総重量導出部を備え、
前記菜園用設備品は、木質培地と、用土と、前記木質培地または前記用土を収容する栽培用設備品とを含み、
前記設備品情報は、前記木質培地の種類毎の密度を示す第1密度情報と、前記用土の種類毎の密度を示す第2密度情報と、前記栽培用設備品の種類毎の容積を示す設備品容積情報を含み、
前記総重量導出部は、
前記設備品配置決定部により決定された配置プランに含まれる前記栽培用設備品と、前記第1密度情報と、前記設備品容積情報とに基づいて、前記配置プランに含まれる前記栽培用設備品に前記木質培地が収容された場合における前記木質培地の総重量である第1総重量を導出し、
前記設備品配置決定部により決定された配置プランに含まれる前記栽培用設備品と、前記第2密度情報と、前記設備品容積情報とに基づいて、前記配置プランに含まれる前記栽培用設備品に前記用土が収容された場合における前記用土の総重量である第2総重量を導出し、
前記情報出力部は、前記総重量導出部により導出された前記第1総重量を示す第1総重量情報と、前記総重量導出部により導出された前記第2総重量を示す第2総重量情報とを関連付けて出力する
菜園開設支援システム。
【請求項6】
コンピュータにより行われる菜園開設支援方法であって、
菜園を開設しようとする場所である菜園開設場所に含まれる領域であり前記菜園として利用しようとする領域である利用領域の面積および形状を示す利用領域情報と、前記利用領域に設けられた給排水設備に関する給排水設備情報とを取得する情報取得ステップと、
前記利用領域情報および前記給排水設備情報と、前記菜園を構築するために使用される設備品である菜園用設備品に関する設備品情報とに基づいて、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定する設備品配置決定ステップと、
前記設備品配置決定ステップにより決定された配置プランに含まれる前記菜園用設備品と、前記菜園用設備品の種類毎の購入費用を示す購入費用情報と、前記菜園を開設するために行われる工事の種類毎の工事費用を示す工事費用情報とに基づいて、前記菜園を開設するための初期費用を導出する初期費用導出ステップと、
前記初期費用導出ステップにより導出された初期費用を示す初期費用情報を出力する情報出力ステップとを備える
菜園開設支援方法。
【請求項7】
コンピュータにより行われる菜園開設支援方法であって、
菜園を開設しようとする場所である菜園開設場所に含まれる領域であり前記菜園として利用しようとする領域である利用領域の面積および形状を示す利用領域情報と、前記利用領域に設けられた給排水設備に関する給排水設備情報とを取得する情報取得ステップと、
前記利用領域における前記菜園を構築するために使用される設備品である菜園用設備品の配置プランの作成を担当する作成担当者により利用される表示部に、前記利用領域情報と前記給排水設備情報と前記菜園用設備品に関する設備品情報とを表示させ、前記作成担当者により利用される操作部に、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定するための操作が入力されると、前記操作に応じて前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定する設備品配置決定ステップと、
前記設備品配置決定ステップにより決定された配置プランに含まれる前記菜園用設備品と、前記菜園用設備品の種類毎の購入費用を示す購入費用情報と、前記菜園を開設するために行われる工事の種類毎の工事費用を示す工事費用情報とに基づいて、前記菜園を開設するための初期費用を導出する費用導出ステップと、
前記費用導出ステップにより導出された初期費用を示す初期費用情報を出力する情報出力ステップとを備える
菜園開設支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する技術は、菜園の開設を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、家庭で農作物の栽培を行なうことを欲するユーザを支援する家庭菜園運用システムが開示されている。この家庭菜園運用システムは、ユーザが操作可能なクライアントコンピュータと、サーバとを備える。サーバは、ユーザデータ記憶手段と、算出手段とを備える。
【0003】
ユーザデータ記憶手段は、クライアントコンピュータに対して通信回線を介して互いに通信可能に接続され、ユーザの氏名および住所などのユーザデータを記憶する。算出手段は、クライアントコンピュータから所定の農作物について栽培を開始したい旨の栽培開始信号が入力された場合に、その栽培開始信号で指示された農作物の種類およびユーザデータ記憶手段に記憶されているユーザデータに基づいて、ユーザが栽培するための栽培用容器の大きさなどの種類、栽培用容器内に入れるための土の種類および/または肥料の種類などの栽培補助用具をユーザに合わせて選択して算出する。
【0004】
近年、家庭菜園のみに留まらず、都市部の未活用のオープンスペース(例えばビルの屋上など)に菜園を開設することも盛んに行われつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
菜園を開設する際に初期費用を把握することが重要である。しかしながら、特許文献1には、菜園を開設するための初期費用について、何ら開示も示唆もない。
【0007】
そこで、ここに開示する技術は、菜園を開設するための初期費用を示す情報を提供することが可能な菜園開設支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示する技術は、菜園開設支援システムに関し、この菜園開設支援システムは、 菜園を開設しようとする場所である菜園開設場所に含まれる領域であり前記菜園として利用しようとする領域である利用領域の面積および形状を示す利用領域情報と、前記利用領域に設けられた給排水設備に関する給排水設備情報とを取得する情報取得部と、前記利用領域情報および前記給排水設備情報と、前記菜園を構築するために使用される設備品である菜園用設備品に関する設備品情報とに基づいて、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定する設備品配置決定部と、前記設備品配置決定部により決定された配置プランに含まれる前記菜園用設備品と、前記菜園用設備品の種類毎の購入費用を示す購入費用情報と、前記菜園を開設するために行われる工事の種類毎の工事費用を示す工事費用情報とに基づいて、前記菜園を開設するための初期費用を導出する費用導出部と、前記費用導出部により導出された初期費用を示す初期費用情報を出力する情報出力部とを備える。
【0009】
上記の構成では、菜園を開設するための初期費用を示す初期費用情報を提供することができる。
【0010】
上記菜園開設支援システムにおいて、前記設備品配置決定部は、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランの作成を担当する作成担当者により利用される表示部に、前記利用領域情報と前記給排水設備情報と前記設備品情報とを表示させ、前記作成担当者により利用される操作部に、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定するための操作が入力されると、前記操作に応じて前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定してもよい。
【0011】
上記の構成では、作成担当者により作成された配置プランに応じた初期費用を示す初期費用情報を提供することができる。
【0012】
上記菜園開設支援システムにおいて、前記設備品配置決定部は、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置規則を示す配置規則情報と、前記利用領域情報と、前記給排水設備情報と、前記設備品情報とに基づいて、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを自動的に決定してもよい。
【0013】
上記の構成では、自動的に作成された配置プランに応じた初期費用を示す初期費用情報を提供することができる。また、配置プランを自動的に決定することができるので、配置プランの決定のための作業負担を軽減することができる。
【0014】
上記菜園開設支援システムにおいて、前記菜園は、前記菜園の所有者が前記菜園を他者に利用させることで前記他者から対価を得ることを目的とする菜園であってもよい。前記情報取得部は、前記菜園開設場所の金銭的価値を示す金銭的価値情報を取得してもよい。前記金銭的価値情報に示される前記菜園開設場所の金銭的価値は、前記菜園開設場所の近隣の駐車場の駐車料金および前記菜園開設場所の路線価の少なくとも1つであってもよい。前記費用導出部は、前記金銭的価値情報に基づいて、前記菜園開設場所において想定される収益金額を導出してもよい。前記情報出力部は、前記費用導出部により導出された収益金額を示す収益金額情報を出力してもよい。
【0015】
上記の構成では、菜園開設場所において想定される収益金額を示す収益金額情報を提供することができる。これにより、菜園開設場所において想定される収益金額を考慮して菜園を開設するかどうかを利用者(例えば菜園開設場所の所有者)に検討させることができる。
【0016】
上記菜園開設支援システムは、総重量導出部を備えてもよい。前記菜園用設備品は、木質培地と、用土と、前記木質培地または前記用土を収容する栽培用設備品とを含んでもよい。前記設備品情報は、前記木質培地の種類毎の密度を示す第1密度情報と、前記用土の種類毎の密度を示す第2密度情報と、前記栽培用設備品の種類毎の容積を示す設備品容積情報を含んでもよい。前記総重量導出部は、前記設備品配置決定部により決定された配置プランに含まれる前記栽培用設備品と、前記第1密度情報と、前記設備品容積情報とに基づいて、前記配置プランに含まれる前記栽培用設備品に前記木質培地が収容された場合における前記木質培地の総重量である第1総重量を導出し、前記設備品配置決定部により決定された配置プランに含まれる前記栽培用設備品と、前記第2密度情報と、前記設備品容積情報とに基づいて、前記配置プランに含まれる前記栽培用設備品に前記用土が収容された場合における前記用土の総重量である第2総重量を導出してもよい。前記情報出力部は、前記総重量導出部により導出された前記第1総重量を示す第1総重量情報と、前記総重量導出部により導出された前記第2総重量を示す第2総重量情報とを関連付けて出力してもよい。
【0017】
上記の構成では、第1総重量情報と第2総重量情報とを関連付けることで、「配置プランに含まれる栽培用設備品に木質培地が収容される場合の木質培地の総重量」と「配置プランに含まれる栽培用設備品に用土が収容される場合の用土の総重量」とを比較することができる。これにより、総重量の違いを考慮して、木質培地および用土のどちらを使用するのかを利用者(例えば菜園開設場所の所有者)に検討させることができる。
【0018】
また、ここに開示する技術は、コンピュータにより行われる菜園開設支援方法に関し、この菜園開設支援方法は、菜園を開設しようとする場所である菜園開設場所に含まれる領域であり前記菜園として利用しようとする領域である利用領域の面積および形状を示す利用領域情報と、前記利用領域に設けられた給排水設備に関する給排水設備情報とを取得する情報取得ステップと、前記利用領域情報および前記給排水設備情報と、前記菜園を構築するために使用される設備品である菜園用設備品に関する設備品情報とに基づいて、前記利用領域における前記菜園用設備品の配置プランを決定する設備品配置決定ステップと、前記設備品配置決定ステップにより決定された配置プランに含まれる前記菜園用設備品と、前記菜園用設備品の種類毎の購入費用を示す購入費用情報と、前記菜園を開設するために行われる工事の種類毎の工事費用を示す工事費用情報とに基づいて、前記菜園を開設するための初期費用を導出する初期費用導出ステップと、前記初期費用導出ステップにより導出された初期費用を示す初期費用情報を出力する情報出力ステップとを備える。
【0019】
上記の方法では、菜園を開設するための初期費用を示す初期費用情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
ここに開示する技術によれば、菜園を開設するための初期費用を示す初期費用情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態1の情報処理装置の構成を例示する概略図である。
【
図2】情報処理装置の制御部の機能的構成を例示するブロック図である。
【
図3】情報処理装置による処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図6】各種の情報を含む菜園開設支援情報を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して実施の形態を詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0023】
(用語の説明)
まず、以下において用いられる用語について説明する。
【0024】
「菜園開設場所」は、菜園を開設しようとする場所のことである。菜園開設場所の例としては、ビルなどの建物の屋上、建物の屋内の空きスペース、空き地などが挙げられる。
【0025】
「利用領域」は、菜園開設場所に含まれる領域であり、菜園として利用しようとする領域のことである。
【0026】
「菜園用設備品」は、菜園を構築するために使用される設備品のことである。菜園用設備品には、木質培地と、用土と、栽培用設備品とが含まれる。栽培用設備品は、木質培地または用土を収容する。栽培用設備品の例としては、プランタなどの植物を栽培するための容器、花壇などの植物を栽培するための構造物などが挙げられる。木質培地と用土と栽培用設備品を除く菜園用設備品の例としては、給水管、排水管、防根シート、アルミ棚、支柱、道具箱、肥料などが挙げられる。
【0027】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の情報処理装置10の構成を例示する。情報処理装置10は、菜園の開設を支援するための処理(菜園開設支援処理)を含む各種の処理を行う。情報処理装置10は、菜園の開設を支援する菜園開設支援システムの一例である。
【0028】
情報処理装置10は、操作部11と、表示部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0029】
操作部11は、情報処理装置10の利用者により操作される。操作部11に入力された操作は、制御部15に伝達される。操作部11の例としては、キーボード、マウス、タッチパッドなどが挙げられる。
【0030】
表示部12は、画像を表示する。例えば、表示部12は、制御部15から供給された画像データに基づいて画像を再生する。このようにして、表示部12に画像を表示させることができる。表示部12の例としては、ディスプレイモニタが挙げられる。
【0031】
通信部13は、各種の情報およびデータを送受信する。通信部13は、インターネットなどの通信ネットワークに接続される。
【0032】
記憶部14は、各種の情報およびデータを記憶する。記憶部14に記憶される情報については、後で詳しく説明する。
【0033】
制御部15は、各種の処理を行う。制御部15は、操作部11と表示部12と通信部13と記憶部14とに接続される。制御部15は、通信部13を経由して各種の情報およびデータを送受信する。この例では、制御部15は、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータを動作させるためのプログラムを記憶するメモリとを有する。メモリに記憶されたプログラムをマイクロコンピュータが実行することで、制御部15の各種の機能が実現される。
【0034】
この例では、情報処理装置10は、通信ネットワークを経由して接続された利用者端末20から送信された各種の情報に基づいて菜園開設支援処理を行う。利用者端末20は、利用者に利用される。利用者は、菜園仮設場所場所の所有者である。利用者端末20の構成は、情報処理装置10の構成と同様である。利用者は、利用者端末20を操作することで、利用者に関する情報、菜園開設場所に関する情報を利用者端末20に入力する。利用者端末20は、利用者により入力された各種の情報を、通信ネットワークを経由して情報処理装置10に送信する。
【0035】
〔制御部の機能的構成〕
図2は、制御部15の機能的構成を例示する。制御部15は、情報取得部101と、設備品配置決定部102と、費用導出部103と、総重量導出部104と、情報出力部105とを有する。具体的には、制御部15は、メモリに記憶されたプログラムをマイクロコンピュータが実行することで、上記の構成要素(情報取得部101、設備品配置決定部102、費用導出部103と、総重量導出部104、情報出力部105)として機能する。
【0036】
情報取得部101は、各種の情報を取得する。設備品配置決定部102は、各種の情報に基づいて、利用領域における菜園用設備品の配置プランを決定する。費用導出部103は、各種の費用を導出する。総重量導出部104は、木質培地に関する総重量と、用土に関する総重量とを導出する。情報出力部105は、各種の情報を出力する。
【0037】
〔記憶部に記憶される情報〕
記憶部14は、設備品情報と、購入費用情報と、工事費用情報とを記憶する。
【0038】
設備品情報は、菜園用設備品に関する情報である。この例では、設備品情報は、設備品寸法情報と、設備品容積情報と、第1密度情報と、第2密度情報とを含む。設備品寸法情報は、菜園用設備品の種類毎の寸法を示す。設備品容積情報は、栽培用設備品の種類毎の容積を示す。第1密度情報は、木質培地の種類毎の密度を示す。第2密度情報は、用土の種類毎の密度を示す。なお、密度は、比重を用いて表現されてもよい。また、木質培地の密度は、用土の密度よりも低い。そのため、菜園開設場所が「建物の屋上または屋内」である場合、建物の耐荷重制限を考慮すると、木質培地を利用することが好ましい。さらにいえば、木質培地を用いることで、二酸化炭素吸収量への貢献や木材利用促進への貢献が可能となる。
【0039】
購入費用情報は、菜園用設備品の種類毎の購入費用(販売価格)を示す。
【0040】
工事費用情報は、菜園を開設するために行われる工事の種類毎の工事費用を示す。菜園を開設するために行われる工事の例としては、栽培用設備品の一例である花壇を作るための工事、菜園用設備品の一例である給水管および排水管により構成される灌水システムを設置するための工事などが挙げられる。
【0041】
〔菜園開設支援処理〕
次に、
図3を参照して、情報処理装置10による菜園開設支援処理の流れについて説明する。菜園開設支援処理は、菜園の開設を支援する菜園開設支援方法の一例である。
【0042】
〈ステップS10〉
まず、情報取得部101は、利用領域情報と、給排水設備情報とを取得する。利用領域情報は、利用領域の面積および形状を示す。給排水設備情報は、利用領域に設けられた給排水設備に関する情報である。
【0043】
この例では、利用者は、利用者端末20を操作することで、利用領域情報および給排水設備情報を利用者端末20に入力する。情報取得部101は、利用者端末20から送信された利用領域情報および給排水設備情報を受信する。
【0044】
また、情報取得部101は、金銭的価値情報を取得する。金銭的価値情報は、菜園開設場所の金銭的価値を示す。金銭的価値情報に示される菜園開設場所の金銭的価値は、「菜園開設場所の近隣の駐車場の駐車料金」および「菜園開設場所の路線価」の少なくとも1つである。駐車場は、月極駐車場であってもよいし、コインパーキングなどの時間貸し駐車場であってもよい。
【0045】
この例では、利用者は、利用者端末20を操作することで、場所識別情報を利用者端末20に入力する。場所識別情報は、菜園開設場所を識別するための情報である。場所識別情報の例としては、菜園開設場所の住所が挙げられる。情報取得部101は、利用者端末20から送信された場所識別情報を受信する。情報取得部101は、場所識別情報に基づいて菜園開設場所の所在(例えば住所)を確認し、その菜園開設場所の近隣の駐車場の駐車料金を示す情報、菜園開設場所の路線価を示す情報などを収集する。このようにして、情報取得部101は、金銭的価値情報を取得する。
【0046】
〈ステップS20〉
次に、設備品配置決定部102は、ステップS10において情報取得部101により取得された利用領域情報および給排水設備情報と、記憶部14に記憶された設備品情報とに基づいて、利用領域における菜園用設備品の配置プランを決定する。
【0047】
図4に示すように、利用領域情報には、利用領域の面積(
図4では図示省略)および形状が示される。また、給排水設備情報には、利用領域における給排水設備の有無と種類と配置が示される。なお、利用領域情報には、給排水設備を除く他の設備に関する情報(他設備情報)が含まれてもよい。他設備情報には、給排水設備を除く他の設備の有無と種類と配置が示される。
【0048】
図4の例では、利用領域は、略矩形状の敷地であり、
図4における右下隅に凹部が設けられ、
図4における左上隅に、給排水設備の一例である給水口および排水口が設けられている。
【0049】
図5は、配置プランを例示する。配置プランは、配置プランに含まれる菜園用設備品の各々について、その菜園用設備品の「種類」を示す種類情報、その菜園用設備品の利用領域における「位置」を示す位置情報、その菜園用設備品の「向き(どのような姿勢で配置されているのか)」を示す向き情報とを含むデータである。
【0050】
図5に示した配置プランの例では、利用領域に、4つのプランタと、7つの花壇と、1つの道具箱が配置されている。4つのプランタは、
図5における利用領域の右上隅に配置され、道具箱は、
図5における利用領域の右下隅の凹部に配置される。また、
図5に示した配置プランの例では、排水口に繋がる排水管が埋設されている。排水管は、プランタおよび花壇から排出された水を排水口に送る。なお、
図5では、図示の簡略化のために、給水口に繋がる給水管の図示を省略している。例えば、給水管は、架設または埋設され、給水口から供給された水をプランタおよび花壇に送る。
【0051】
この例では、設備品配置決定部102は、配置プランの作成担当者により利用される表示部12に、利用領域情報と給排水設備情報と設備品情報とを表示させる。これにより、作成担当者は、表示部12に表示された各種の情報を参照しながら配置プランを検討することができる。
【0052】
例えば、設備品配置決定部102は、利用領域情報と給排水設備情報と設備品情報とともに、配置プランを作成するための作成画面の画像(例えば作成注意の配置プランを示す画像)を、表示部12に表示させる。作成担当者は、表示部12に表示された作成画面の画像を参照しながら、配置プランを編集するための編集操作を操作部11に入力することで、配置プランの作成を進めていく。なお、編集操作の例としては、配置プランに菜園用設備品を追加するための操作、配置プランから菜園用設備品を削除するための操作、配置プランにおける菜園用設備品の位置および向きを変更するための操作などが挙げられる。
【0053】
そして、作成担当者により利用される操作部11に、配置プランを決定するための操作が入力されると、設備品配置決定部102は、その操作に応じて配置プランを決定する。例えば、作成担当者が「作成画面に表示された配置プランの編集を完了して配置プランを確定させるための操作」を操作部11に入力すると、設備品配置決定部102は、その操作に応じて、作成画面に表示された配置プランを「以降の処理において利用される配置プラン(確定版の配置プラン)」に決定する。
【0054】
なお、配置プランが決定される際に、利用領域における緑化面積が考慮されてもよい。例えば、建物の屋上に菜園を開設する場合に、利用領域の面積に対する緑化面積の割合を考慮して配置プランを決定してもよい。緑化面積は、例えば、植物で覆われる部分の面積であり、予め定められた計算方法で算出される面積であってもよい。
【0055】
〈ステップS31〉
次に、費用導出部103は、ステップS20において設備品配置決定部102により決定された配置プランに含まれる菜園用設備品と、記憶部14に記憶された購入費用情報および工事費用情報とに基づいて、菜園を開設するための初期費用を導出する。
【0056】
具体的には、費用導出部103は、配置プランに含まれる菜園用設備品の種類毎に、その種類の菜園用設備品の「数」に、その種類の菜園用設備品の「1つ当たりの購入費用(販売単価)」を乗算することで、その種類の菜園用設備品の総購入費用を算出する。
【0057】
また、費用導出部103は、配置プランにおける菜園用設備品の種類に基づいて、その配置プランを実現する(その配置プランのとおりに菜園用設備品を設ける)ために必要となる工事を導出する。そして、費用導出部103は、配置プランを実現するために必要となる工事の種類毎に、その種類の工事の「数(例えば所要日数)」に、その種類の工事の「1つ当たりの工事費用(例えば1日当たりの工事単価)」を乗算することで、その種類の工事の総工事費用を算出する。
【0058】
例えば、記憶部14には、「菜園用設備品の種類」と「その菜園用設備品を配置するために必要となる工事」との対応関係を示す情報が記憶されている。費用導出部103は、その情報を参照して、配置プランに含まれる菜園用設備品の種類毎に、その種類の菜園用設備品に対応する工事を導出する。
【0059】
そして、費用導出部103は、配置プランを実現するために必要となる「菜園用設備品の種類毎の総購入費用」および「工事の種類毎の総工事費用」との合計を「初期費用」として算出する。
【0060】
なお、給排水設備などの各種の設備が利用領域に既に設けられている場合、費用導出部103は、利用領域に既設の設備の種類および配置を考慮して、上記の初期費用を修正する。例えば、費用導出部103は、既設の設備を取り除く必要がある場合に、費用導出部103は、その既設の設備を取り除くための工事に要する工事費用を、上記の初期費用に加算する。また、費用導出部103は、既設の設備を援用することができる場合(例えば既設の設備が配置プランに含まれる菜園用設備品と一致する場合)に、その援用により省略される工事の工事費用を、上記の初期費用から減算する。利用領域における設備の有無は、利用領域情報および給排水設備情報に基づいて確認することが可能である。
【0061】
また、初期費用には、配置プランを実現するために必要となる「菜園用設備品の種類毎の総購入費用」および「工事の種類毎の総工事費用」との合計に加えて、その他の費用が含まれてもよい。その他の費用の例としては、菜園を開設するために利用される車両(例えば資材を運搬する車両)に関する車両経費、菜園を開設するための作業に付随する作業(例えば許可の申請など)に関する諸経費などが挙げられる。
【0062】
〈ステップS32〉
また、費用導出部103は、ステップS10において情報取得部101により取得された金銭的価値情報に基づいて、菜園開設場所において想定される収益金額を導出する。
【0063】
具体的には、費用導出部103は、金銭的価値情報に示された菜園開設場所の金銭的価値が高くなるほど、その菜園開設場所において想定される収益金額が高くなるように、収益金額を導出する。
【0064】
例えば、費用導出部103は、金銭的価値情報に示された「菜園開設場所の近隣の月極駐車場の駐車料金」の平均値を算出する。また、費用導出部103は、駐車場における駐車スペースの標準面積(標準的な大きさを有する1台の自動車を駐車することが可能な駐車スペースの面積)である「標準駐車面積」を取得する。例えば、記憶部14は、標準駐車面積を示す情報を記憶してもよい。そして、費用導出部103は、菜園開設場所に含まれる利用領域の面積を「標準駐車面積」で除算することで「面積指標値」を算出し、その面積指標値に「菜園開設場所の近隣の月極駐車場の駐車料金の平均値」を乗算することで「1月当たりの収益金額」を算出する。
【0065】
または、費用導出部103は、金銭的価値情報に示された「菜園開設場所の路線価」に所定係数を乗算することで「1月当たりで且つ単位面積当たりの収益金額」を算出し、その単位面積当たりの収益金額に「菜園開設場所に含まれる利用領域の面積」を乗算することで、「1月当たりの収益金額」を算出してもよい。
【0066】
なお、費用導出部103は、「1月当たりの収益金額」に「12」を乗算することで「1年当たりの収益金額」を算出してもよい。
【0067】
〈ステップS33〉
また、総重量導出部104は、ステップS20において設備品配置決定部102により決定された配置プランに含まれる栽培用設備品と、記憶部14に記憶された第1密度情報および設備品容積情報とに基づいて、配置プランに含まれる栽培用設備品に木質培地が収容された場合における木質培地の総重量(以下では「第1総重量」と記載)を導出する。
【0068】
また、総重量導出部104は、ステップS20において設備品配置決定部102により決定された配置プランに含まれる栽培用設備品と、記憶部14に記憶された第2密度情報および設備品容積情報とに基づいて、配置プランに含まれる栽培用設備品に用土が収容された場合における用土の総重量(以下では「第2総重量」と記載)を導出する。
【0069】
具体的には、総重量導出部104は、配置プランに含まれる菜園用設備品の中から「栽培用設備品(プランタや花壇など)」を検出する。次に、総重量導出部104は、配置プランに含まれる栽培用設備品の種類毎に、その種類の栽培用設備品の「数」に、その種類の栽培用設備品の「容積」を乗算することで、その種類の栽培用設備品の総容積を算出する。そして、総重量導出部104は、栽培用設備品の種類毎の総容積の合計を「栽培用設備品の合計総容積」として算出する。
【0070】
次に、総重量導出部104は、栽培用設備品の合計総容積に、第1密度情報に示された「木質培地の密度」を乗算することで、第1総重量を算出する。同様に、総重量導出部104は、栽培用設備品の合計総容積に、第2密度情報に示された「用土の密度」を乗算することで、第2総重量を算出する。
【0071】
〈ステップS40〉
情報出力部105は、ステップS31において費用導出部103により導出された初期費用を示す初期費用情報を出力する。また、情報出力部105は、ステップS32において費用導出部103により導出された収益金額を示す収益金額情報を出力する。また、情報出力部105は、ステップS33において総重量導出部104により導出された第1総重量を示す第1総重量情報と、ステップS33において総重量導出部104により導出された第2総重量を示す第2総重量情報とを関連付けて出力する。
【0072】
具体的には、情報出力部105は、各種の情報を含むデータを生成し、その生成されたデータを表示部12に出力する。これにより、情報出力部105から出力された各種の情報が表示部12に表示される。
【0073】
なお、情報出力部105により生成されたデータ(情報出力部105により出力される各種の情報を含むデータ)は、利用者端末20に送信されてもよい。利用者端末20は、情報出力部105から送信されたデータを受信し、そのデータに基づいて「情報出力部105により出力される各種の情報」を表示することができる。
【0074】
また、情報出力部105により生成されたデータ(情報出力部105により出力される各種の情報を含むデータ)は、プリンタ(図示省略)に送信されてもよい。プリンタは、情報出力部105から送信されたデータを受信し、そのデータに基づいて「情報出力部105により出力される各種の情報」を印刷紙に印刷することができる。
【0075】
図6は、「初期費用情報」と「収益金額情報」と「第1総重量情報と第2総重量情報」とを含む菜園開設支援情報を例示する。
図6の例では、菜園開設支援情報は、各種の情報を含む見積書を示している。
図6の例では、「合計」の欄の情報が「初期費用情報」に対応し、「想定収益金額(1年当たり)」の欄の情報が「収益金額情報」に対応し、土壌総重量の欄の情報が「第1総重量情報と第2総重量情報」に対応する。
【0076】
〔実施形態1の効果〕
以上のように、実施形態1の情報処理装置10では、情報取得部101は、利用領域情報と、給排水設備情報とを取得する。設備品配置決定部102は、利用領域情報および給排水設備情報と、菜園用設備品に関する設備品情報とに基づいて、利用領域における菜園用設備品の配置プランを決定する。費用導出部103は、配置プランに含まれる菜園用設備品と、購入費用情報と、工事費用情報とに基づいて、菜園を開設するための初期費用を導出する。情報出力部105は、初期費用を示す初期費用情報を出力する。
【0077】
上記の構成では、菜園を開設するための初期費用を示す初期費用情報を提供することができる。
【0078】
また、実施形態1の情報処理装置10では、設備品配置決定部102は、配置プランの作成担当者により利用される表示部12に、利用領域情報と給排水設備情報と設備品情報とを表示させ、作成担当者により利用される操作部11に、配置プランを決定するための操作が入力されると、その操作に応じて配置プランを決定する。
【0079】
上記の構成では、作成担当者により作成された配置プランに応じた初期費用を示す初期費用情報を提供することができる。
【0080】
また、実施形態1の情報処理装置10では、開設しようとする菜園が「菜園の所有者が菜園を他者に利用させることで他者から対価を得ることを目的とする菜園」である場合、費用導出部103は、菜園開設場所の金銭的価値を示す金銭的価値情報に基づいて、菜園開設場所において想定される収益金額を導出する。情報出力部105は、収益金額を示す収益金額情報を出力する。
【0081】
上記の構成では、菜園開設場所において想定される収益金額を示す収益金額情報を提供することができる。これにより、菜園開設場所において想定される収益金額を考慮して菜園を開設するかどうかを利用者(例えば菜園開設場所の所有者)に検討させることができる。
【0082】
また、実施形態1の情報処理装置10では、総重量導出部104は、配置プランに含まれる栽培用設備品に木質培地が収容された場合における木質培地の総重量である第1総重量と、配置プランに含まれる栽培用設備品に用土が収容された場合における用土の総重量である第2総重量とを導出する。情報出力部105は、「第1総重量を示す第1総重量情報」と「第2総重量を示す第2総重量情報」とを関連付けて出力する。
【0083】
上記の構成では、第1総重量情報と第2総重量情報とを関連付けることで、「配置プランに含まれる栽培用設備品に木質培地が収容される場合の木質培地の総重量」と「配置プランに含まれる栽培用設備品に用土が収容される場合の用土の総重量」とを比較することができる。これにより、総重量の違いを考慮して、木質培地および用土のどちらを使用するのかを利用者(例えば菜園開設場所の所有者)に検討させることができる。なお、菜園開設場所が「建物の屋上または屋内」である場合、建物の耐荷重制限を考慮すると、土壌の総重量をできる限り小さくすることが好ましい。
【0084】
(実施形態2)
実施形態2の情報処理装置10は、設備品配置決定部102による処理(ステップS20)が実施形態1の情報処理装置10と異なり、その他の構成および処理は、実施形態1の情報処理装置10の構成および処理と同様である。
【0085】
実施形態2の情報処理装置10では、設備品配置決定部102は、利用領域における菜園用設備品の配置規則を示す配置規則情報と、利用領域情報と、給排水設備情報と、設備品情報とに基づいて、利用領域における菜園用設備品の配置プランを自動的に決定する。配置規則情報は、記憶部14に記憶されている。
【0086】
具体的には、設備品配置決定部102は、配置規則情報に示された配置規則に沿うように、利用領域情報と給排水設備情報と設備品情報とに基づいて配置プランを決定する。例えば、設備品配置決定部102は、配置プランにおける利用領域に追加された菜園用設備品の配置が配置規則に沿わない場合に、その菜園用設備品の配置を変更(または菜園用設備品を削除)し、配置プランにおける利用領域に追加された菜園用設備品の配置が配置規則に沿う場合に、次の菜園用設備品を配置プランにおける利用領域に追加する。このような処理を繰り返し行うことで、配置プランが完成していく。
【0087】
配置規則の例としては、菜園開設場所が屋上である場合に屋上に設置されたフェンスとの間隔が500mm以上となるように菜園用設備品を配置するという規則、花壇の間隔が600mm以上となるよう花壇を配置するという規則、片面アプローチの花壇(矩形状の花壇であり一辺のみからアプローチ可能な花壇)の場合に花壇の奥行き方向の幅を500mmまでに制限するという規則、両面アプローチの花壇(矩形状の花壇であり互いに対向する二辺からアプローチ可能な花壇)の場合に花壇の奥行き方向の幅を1000mmまでに制限するという規則などが挙げられる。
【0088】
〔実施形態2の効果〕
実施形態2の情報処理装置10では、実施形態1の情報処理装置10の効果と同様の効果を得ることができる。例えば、菜園を開設するための初期費用を示す初期費用情報を提供することができる。
【0089】
また、実施形態2の情報処理装置10では、自動的に作成された配置プランに応じた初期費用を示す初期費用情報を提供することができる。また、配置プランを自動的に決定することができるので、配置プランの決定のための作業負担を軽減することができる。
【0090】
(その他の実施形態)
なお、以上の説明において、配置プランが決定される際に、利用領域の利用条件が考慮されてもよい。利用領域の利用条件の例としては、利用領域において構築される菜園の数が挙げられる。例えば、利用領域情報には、利用領域の利用条件を示す利用条件情報が含まれてもよい。設備品配置決定部102は、利用条件情報に示された利用領域の利用条件が満たされるように、配置プランを決定してもよい。
【0091】
また、以上の説明において、配置プランが決定される際に、利用領域における気象条件(例えば日当たりや降水量など)が考慮されてもよい。例えば、情報取得部101は、場所識別情報により識別される「菜園開設場所の所在地(例えば住所)」に基づいて、アメダスなどの気象観測システムから「菜園開設場所に関する気象情報」を収集してもよい。気象情報には、日照時間などの日当たりに関する情報、降水量、風向、風速、気温、湿度などが含まれる。そして、設備品配置決定部102は、気象情報に示された気象条件に応じて、配置プランを決定してもよい。例えば、設備品配置決定部102は、利用領域において日当たりがよい場所に栽培用設備品が配置されるように、配置プランを決定してもよい。または、設備品配置決定部102は、利用領域における降水量に応じた灌水量を導出(予測)し、その灌水量に応じた給排水設備が必要に応じた位置に配置されるように、配置プランを決定してもよい。
【0092】
また、以上の説明において、菜園用設備品には、セキュリティのための設備品が含まれてもよい。また、菜園用設備品には、排水を排出せずに濾過して給水として再利用するための設備が含まれてもよい。
【0093】
また、以上の説明では、菜園開設支援システムが1つの情報処理装置10により構成される場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、菜園開設支援システムは、通信網を経由して通信する複数の情報処理装置により構成されてもよい。菜園開設支援システムの構成要素は、1つの情報処理装置10に纏めて設けられてもよいし、複数の情報処理装置に分散して設けられてもよい。
【0094】
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、ここに開示する技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0095】
以上説明したように、ここに開示する技術は、菜園の開設を支援する技術として有用である。
【符号の説明】
【0096】
10 情報処理装置(菜園開設支援システム)
11 操作部
12 表示部
13 通信部
14 記憶部
15 制御部
101 情報取得部
102 設備品配置決定部
103 費用導出部
104 総重量導出部
105 情報出力部
【要約】
【課題】菜園を開設するための初期費用を示す情報を提供する。
【解決手段】設備品配置決定部は、菜園として利用しようとする利用領域の面積および形状を示す利用領域情報と、利用領域に設けられた給排水設備に関する給排水設備情報と、前記菜園を構築するために使用される菜園用設備品に関する設備品情報とに基づいて、利用領域における菜園用設備品の配置プランを決定する。費用導出部は、配置プランに含まれる菜園用設備品と、菜園用設備品の種類毎の購入費用を示す購入費用情報と、菜園を開設するために行われる工事の種類毎の工事費用を示す工事費用情報とに基づいて、菜園を開設するための初期費用を導出する。情報出力部は、費用導出部により導出された初期費用を示す初期費用情報を出力する。
【選択図】
図3