(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】圃園管理判断装置並びに圃園管理判断方法
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
A01G7/00 603
(21)【出願番号】P 2020058539
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】591155242
【氏名又は名称】鹿児島県
(73)【特許権者】
【識別番号】000104375
【氏名又は名称】カワサキ機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086438
【氏名又は名称】東山 喬彦
(74)【代理人】
【識別番号】100217168
【氏名又は名称】東山 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】飯牟▲禮▼ 啓介
(72)【発明者】
【氏名】内村 浩二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智久
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昌志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 尚武
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 優太
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-074807(JP,A)
【文献】特開2000-139164(JP,A)
【文献】特開2019-037225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理すべき圃園内を移動可能とした遮光ボックスと、
この遮光ボックス内に設けられる光源体と、
遮光ボックス内に設けられる撮像装置とを具えて成り、
前記遮光ボックスは、その下部を開放状態として作物畝上に臨ませるものであり、
また前記光源体は、照射方向を作物畝に指向させるものであり、
また前記撮像装置は、撮像対象を作物畝とし、
作物畝の状況を
、前記撮像装置により取得される撮像データから取得できるようにしたこと特徴とする圃園管理判断装置。
【請求項2】
前記撮像装置により取得される撮像データに、データ取得した位置情報が付加され、作物畝の状況に加えてその位置も撮像データから取得できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の圃園管理判断装置。
【請求項3】
前記撮像装置により取得され
る撮像データは、位置情報と共に記憶装置に保存されるものであることを特徴とする請求項2記載の圃園管理判断装置。
【請求項4】
前記撮像装置による撮像対象となる作物畝は、茶畝であることを特徴とする請求項1、2または3いずれか記載の圃園管理判断装置。
【請求項5】
前記遮光ボックス、光源体及び撮像装置は、乗用型の圃園管理機に搭載されていることを特徴とする請求項1、2、3または4いずれか記載の圃園管理判断装置。
【請求項6】
前記請求項1、2、3、4または5いずれか記載の圃園管理判断装置を用いて行う圃園管理判断方法であって、
撮像装置による作物畝の画像取込工程と、
取込んだ画像をスペクトル分解するスペクトル分解工程と、
分解されたスペクトルの統計量を求める統計量算出工程と、
求められたスペクトルの統計量を基に、画像撮影個所の作物畝状況程度を数段階で算出する作物畝状況程度算出工程と
算出された作物畝状況程度に応じた対処を判断する圃園管理判断工程とを具えたことを特徴とする圃園管理判断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば茶畝等の作物畝の生育状況や病害虫による作物の被害状況等を観察乃至は予察するための圃園管理判断装置並びに圃園管理判断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農園芸作業の省力化、効率化の一環として、作物の生育状況を光学的な撮像データとして取得し、これにより施肥、防疫、防除等の作業を管理することが行われている(例えば特許文献1参照)。
このための撮像装置としては、近時、例えば作物畝上を飛行できるドローンにCCDカメラ等を搭載したものが実用化されている。
しかし乍らこのような手法では、ドローン自体の飛行状況が風、降雨等の天候に左右され、また撮像状況も晴天か否かで異なる上、作物畝にその上方から充分に接近しきれない状況で撮像するため、観察される状況も微細なものまで得られないことが多い。
【0003】
ところで茶園の場合、上記手法で一定レベルでの観察は可能ではあるものの、先に記した不都合が顕著になることは否めない。即ち茶葉の防除予察に当たっては、どのような病害虫が発生しているか、更に微細に観察しなければ、適切な判断ができない場合が多い。加えて、茶園でのドローン運用にあっては、防霜ファンなどの構造物や、茶園脇の植栽等があり、これらを避けてドローンを操作するとなると高度の技術が要求されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような背景を考慮してなされたものであって、作物畝の撮像データを、季節、天候や時間帯による太陽光のバラツキ等に影響を受けることなく、異なる日時に採取された撮像データ間の相関性の信頼度を担保したものとして取得することができ、作物畝におけるゾーン毎の病害虫の発生状況や生育状況を正確に把握することができるとともに、この撮像データに基づいて、最適な農薬散布、施肥等の圃園管理作業の実施内容の判断を実現することができる、新規な圃園管理判断装置並びに圃園管理判断方法を開発することを技術課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の圃園管理判断装置は、管理すべき圃園内を移動可能とした遮光ボックスと、この遮光ボックス内に設けられる光源体と、遮光ボックス内に設けられる撮像装置とを具えて成り、前記遮光ボックスは、その下部を開放状態として作物畝上に臨ませるものであり、また前記光源体は、照射方向を作物畝に指向させるものであり、また前記撮像装置は、撮像対象を作物畝とし、作物畝の状況を、前記撮像装置により取得される撮像データから取得できるようにしたこと特徴として成るものである。
【0007】
請求項2記載の圃園管理判断装置は、前記請求項1記載の要件に加え、前記撮像装置により取得される撮像データに、データ取得した位置情報が付加され、作物畝の状況に加えてその位置も撮像データから取得できるようにしたことを特徴として成るものである。
【0008】
請求項3記載の圃園管理判断装置は、前記請求項2記載の要件に加え、前記撮像装置により取得される撮像データは、位置情報と共に記憶装置に保存されるものであることを特徴として成るものである。
【0009】
請求項4記載の圃園管理判断装置は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記撮像装置による撮像対象となる作物畝は、茶畝であることを特徴として成るものである。
【0010】
請求項5記載の圃園管理判断装置は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記遮光ボックス、光源体及び撮像装置は、乗用型の圃園管理機に搭載されていることを特徴として成るものである。
【0011】
請求項6記載の圃園管理判断方法は、前記請求項1、2、3、4または5いずれか記載の圃園管理判断装置を用いて行う圃園管理判断方法であって、撮像装置による作物畝の画像取込工程と、取込んだ画像をスペクトル分解するスペクトル分解工程と、分解されたスペクトルの統計量を求める統計量算出工程と、求められたスペクトルの統計量を基に、画像撮影個所の作物畝状況程度を数段階で算出する作物畝状況程度算出工程と算出された作物畝状況程度に応じた対処を判断する圃園管理判断工程とを具えたことを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0012】
まずこれらの発明によれば、作物畝の撮像データを、季節、天候や時間帯による太陽光のバラツキ等に影響を受けることなく、異なる日時に採取された撮像データ間の相関性の信頼度を担保したものとして取得することができ、作物畝におけるゾーン毎の病害虫の発生状況や生育状況を正確に把握することができる。
また撮像データに基づいて、最適な農薬散布、施肥等の圃園管理作業の実施内容の判断を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の圃園管理判断装置及び遮光ボックスを示す斜視図である。
【
図2】圃園管理判断装置を示す正面図(a)及び側面図(b)である。
【
図3】遮光ボックスを示す正面図(a)、側面図(b)、平面図(c)及び底面図(d)である。
【
図4】茶畝上面に臨んだ遮光ボックスを示す縦断側面図(a)及びA-A断面図(b)である。
【
図6】摘採機及び移送ダクトが具えられた圃園管理判断装置を示す斜視図である。
【
図7】防除機が具えられた圃園管理判断装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態は、以下の実施例に述べるものをその一つとするとともに、更にその技術思想内において改良し得る種々の手法を含むものである。
以下の説明にあたっては、まず本発明の圃園管理判断装置の構成を説明し、その後、この圃園管理判断装置を用いた本発明の圃園管理判断方法の説明を行う。
【実施例】
【0015】
本発明の圃園管理判断装置1は、
図1、2に示すように、茶畝Tの畝間を走行する走行機体2と、この走行機体2によって茶畝T上方に位置するように支持される画像センシング装置3とを主要部材として具えて成るものである。
更にこの実施例で示す圃園管理判断装置1は乗用型の摘採機が搭載された茶園管理機が改造されて流用されたものであり、この乗用型の装置には、茶葉Aに作用してこのものを刈り取る刈刃が具えられた刈取機体と、刈り取られた茶葉Aを収容するためのコンテナ等が配される荷台4と、これら刈取機体と荷台4との間に設けられる移送ダクトが設けられる。そして前記刈取機体と移送ダクトとが取り除かれ、この部位に前記画像センシング装置3が具えられることにより、本発明の圃園管理判断装置1が構成されている。
以下、圃園管理判断装置1の各構成部について詳しく説明する。
【0016】
まず前記走行機体2について説明すると、このものは茶畝Tを跨いで走行するものであり、走行方向(正面)から見て概ね門型状に形成されたフレーム21を骨格部材とする。
このフレーム21は、一例としてクローラを適用した走行体22上に立ち上げられるものであり、走行体22の前後に設けられる前部ポストフレーム21A及び後部ポストフレーム21Bが、茶畝Tを跨ぐ間隔で設けられるもう一基の走行体22における前部ポストフレーム21A及び後部ポストフレーム21Bと、連結フレーム21Cによって繋がれることにより構成されている。
なお前記走行体22としては、前記クローラに限らず、空気タイヤを適用することもでき、更には例えば前側に空気タイヤ、後側にクローラを適用した形態等が適宜採り得る。 また後部ポストフレーム21Bに対しては、上下二個の昇降ブラケット21Dが摺動自在に具えられるものであり、左右の後部ポストフレーム21Bに具えられる昇降ブラケット21Dはそれぞれ連結フレーム21Cによって繋がれるとともに、これら昇降ブラケット21Dを繋ぐ上下の連結フレーム21C間は不図示のフレーム部材によって連結される。
【0017】
そして下方の昇降ブラケット21D付近に前記荷台4が接続され、一方、上方の昇降ブラケット21Dに対しては適宜のリンク機構が接続されるとともに、このリンク機構を駆動するシリンダCの収縮により、前記架台4を含むフレーム部材の一部が昇降するように構成される。
また上方の昇降ブラケット21Dに対しては取付フレーム21Eが設けられるものであり、この取付フレーム21Eとその下方に位置する連結フレーム21Cに対して、後述する遮光ボックス31が取り付けられる。
【0018】
またフレーム21の前方側の上部には、操縦者用シート23、操縦桿24及び制御装置が具えられたコントロールボックス25が設けられる。そして操縦者用シート23の側傍には、例えばディーゼルエンジン等を適用した原動機26が搭載されるものであり、この原動機26により油圧ポンプ(図示省略)を駆動し、この油圧ポンプにより供給される作動油によって、前記走行体22やシリンダC等の駆動が行われる。
【0019】
また前記画像センシング装置3は、下部が開口部31aとして開放された箱体である遮光ボックス31と、この遮光ボックス31内に設けられる光源体32と、遮光ボックス31内に設けられる撮像装置33とを具えて成るものである。
前記光源体32は、一例として平均演色評価数65以上、好ましくは85以上、更に好ましくは95以上の直管型蛍光管が適用される。
【0020】
そしてこの光源体32は、遮光ボックス31の内側面であり、高さ方向の中間部付近に対して水平状態に設置される。
なおこの実施例では
図3に示すように、遮光ボックス31の前後の内側面に対し、それぞれ二本の光源体32を並設するようにしたが、光量が十分に確保できるようであれば、前後の内側面に対し、それぞれ一本の光源体32を設けるようにしてもよい。
そしてこのように配設された光源体32の照射方向は、開口部31aを指向するようにされるものであり、実質的に開口部31aの下方に位置することとなる茶畝Tに指向するものとなる。
また
図4(b)に示すように、開口部31aの長手寸法が茶畝Tの幅寸法よりも長くなるようにし、撮像装置33によって茶畝Tの幅方向全域を撮影することができるように設定される。
更にまた遮光ボックス31の内側面は、つや消し加工された高反射率な素材により形成されるか、もしくはそれに代わる表面処理が施されたものとなっている。
【0021】
なお発生時期が異なる病害虫の種類によって、茶葉Aに現れる被害も異なるため、前記光源体32は病害虫の種類に応じて適宜好適なものに交換することが好ましい。
【0022】
また前記撮像装置33は、CCDイメージセンサ等の撮像素子及びレンズを具えて成るカメラであり、遮光ボックス31の天板部に対して、開口部31aにレンズが指向するように配設される。
【0023】
そしてこのように構成される画像センシング装置3は、前部ポストフレーム21Aと後部ポストフレーム21Bとの間に配されるものであり、遮光ボックス31が取付フレーム21E及び連結フレーム21Cに取り付けられて、
図1、4に示すように、開口部31aが作物畝たる茶畝T上に臨むような状態を取り得るものである。
【0024】
なお画像センシング装置3の周辺機器として、GPS、QZSS、Galileo、GLONASS等の衛星測位システムの電波を受信解析するためのGNSS装置5及び外部記憶装置6が具えられる。
【0025】
本発明の圃園管理判断装置1は、一例として以上のように構造されるものであり、以下、この装置を用いた圃園管理判断方法について、作物畝を茶畝Tとして説明する。
なお圃園管理に先立ち、シリンダCを適宜伸縮させて遮光ボックス31の位置を調整し、開口部31aが茶畝Tの上面に臨むような高さにしておく。
【0026】
(1)画像取込工程
まず操作者は、走行体22を畝間に位置させ、圃園管理判断装置1が茶畝Tを跨いだ状態となるようにして進行する。
このとき
図4に示すように、遮光ボックス31における開口部31aが茶畝Tの上面に臨むこととなり、光源体32から発せられる光が茶畝T上面に照射されるものであり、撮像装置33により開口部31aから露見する茶畝Tの上面を撮影し、撮像データを取得する。
そして得られた撮像データには、GNSS装置5によって得られる、撮像データを取得した位置の位置情報が付加されて、記憶装置6に記憶される。なお前記記憶装置6は、圃園管理判断装置1に搭載されたメモリ等の他、適宜の通信手段を用いて接続される外部記憶装置とすることができる。
【0027】
その後も圃園管理判断装置1の走行が継続されると、光源体32から発せられる光によって茶畝T上面が走査されるものであり、茶畝T上面の撮像が切れ目なく連続するように一定間隔で撮像装置33による撮影が行われ、位置情報が付加されて記憶装置に記憶される。
そしてこのような位置情報が付加された撮像データを用いて、
図5に示すような圃園センシングマップMが作成されるものであり、例えば茶畝TのゾーンZ1~Z20それぞれにおいて取得されたデータD1~D20が紐付けられる。
【0028】
(2)スペクトル分解工程と統計量算出工程
次いで撮像データはスペクトル分解されるとともに統計量の算出が行われるものであり、例えば茶畝Tの撮像データにおける可視光帯域のR、G、B各成分の平均値及びヒストグラムが算出され、データDに追加される。
なおこのとき、
図4(b)に示すように茶畝Tの外側部分(畝間)の映像が撮像データに含まれている場合には、この部分を除外してスペクトル分解と統計量の算出が行われるものとする。
【0029】
(3)作物畝状況程度算出工程
次いで前工程で得られたデータDに基づいて、作物畝状況程度の算出が行われる。
ここで作物畝状況程度とは、茶畝Tの病害虫被害の程度や、茶畝Tの生育状況の程度を意味するものである。
また作物畝状況程度の算出とは、例えば下表1に示すように、R、G、B各成分の統計量(ここでは平均値及びヒストグラム)から作業判断値を算出し、更に所定の基準値と比較することにより、データDが取得された茶畝Tの各ゾーンZ毎の作物畝状況程度の度合いを格付けするものである。
【0030】
【0031】
(4)圃園管理判断工程
そして圃園センシングマップMと、各茶畝TのゾーンZ毎の作物畝状況程度の度合いに応じて圃園管理判断が行われる。例えば作業判断値が基準値以上であれば、表1に基づいて農薬散布が必要と判断され、基準値以下であれば農薬散布が不要と判断される。
【0032】
上述のように本発明によれば、光源体32から発せられる光が照射された茶畝Tの上面を、遮光ボックス31における開口部31aを通じて、遮光ボックス31内にレンズが位置する撮像装置33により撮影する。この手法により、季節、天候や時間帯による太陽光のバラツキ等に影響を受けることなく、異なる日時に採取された撮像データ間の相関性の信頼度を担保して、最適な農薬散布、施肥等の圃園管理作業の実施内容の判断を実現することができる。
因みに太陽光の下で茶畝Tの上面を撮影した場合には、季節、天候や時間帯により、茶畝Tの上面に照射される太陽光の状況が異なってくる。このため、撮像データを元に行われる作物畝状況程度の判定の際に、複雑な補正操作が必要となるばかりでなく、異なる日時に採取された撮像データ間の相関性の信頼度が低下してしまうことは避けられない。
【0033】
〔他の実施例〕
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想の範囲内で以下に示すような形態を採ることもできる。
まず上述した基本となる実施例では、圃園管理判断装置1を、茶畝Tの上面を撮影し撮像データを取得
するための専用機として構成したが、摘採機、中刈機、剪枝機、裾刈機、摘採前洗浄機、防除機等を具え、これらの機器による作業と同時に撮像データを取得するような構成を採ることもできる。
図6には、摘採機7を具えた圃園管理判断装置1に対し、摘採機7の後方、且つ移送ダクト8の下部後方に遮光ボックス31が具えられた実施例を示した。
また
図7には、防除機9を具えた圃園管理判断装置1に対し、防除機9の後方に遮光ボックス31が具えられた実施例を示した。なお
図6、7ではGNSS装置5の記載は省略してあるが、適宜の箇所に具えられるものとする。
【0034】
また上述した基本となる実施例では、圃園管理判断装置1を乗用型のものとして、操作者が操作する形態としたが、圃園管理判断装置1を自動走行が可能なものとして無人運転するような形態とすることもできる。この場合、例えば夜間に圃園管理判断装置1を自動走行させて撮像データを取得することができ、この撮像データに基づいて昼間に管理作業を行うことで、効率的な管理運営が可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1 圃園管理判断装置
2 走行機体
21 フレーム
21A 前部ポストフレーム
21B 後部ポストフレーム
21C 連結フレーム
21D 昇降ブラケット
21E 取付フレーム
22 走行体
23 操縦者用シート
24 操縦桿
25 コントロールボックス
26 原動機
3 画像センシング装置
31 遮光ボックス
31a 開口部
32 光源体
33 撮像装置
4 荷台
5 GNSS装置
6 記憶装置
7 摘採機
8 移送ダクト
9 防除機
A 茶葉
C シリンダ
D データ
M 圃園センシングマップ
T 茶畝
Z ゾーン