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  • 特許-建具吊具および吊り帯 図1
  • 特許-建具吊具および吊り帯 図2
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  • 特許-建具吊具および吊り帯 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】建具吊具および吊り帯
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/16 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
E04G21/16
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020062984
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021161700
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504082025
【氏名又は名称】株式会社イング
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】南川 達浩
(72)【発明者】
【氏名】馬場 峰雄
(72)【発明者】
【氏名】野村 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】潮見 真生
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-157178(JP,A)
【文献】実開昭58-016777(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0311661(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107503454(CN,A)
【文献】特開2000-264570(JP,A)
【文献】特開昭64-006436(JP,A)
【文献】米国特許第05934038(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/14-21/22
E04B 2/88
B66C 1/00- 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建具の下辺部の一方の角部に係合される係合部を有する第1吊り帯と、
建具の下辺部の他方の角部に係合される係合部を有する第2吊り帯と、
上記建具に吸引装着される吸盤を有し、上記第1吊り帯および上記第2吊り帯が連結される吸盤装置と、を備えており、
上記第1吊り帯および第2吊り帯は、曲り帯部と、当該曲り帯部の曲り開始端側同士を引っ張り寄せる弾性部と、
上記吸盤装置に連結されるとともに、上記建具における上記吸盤の非吸着側である後ろ側に回り込んで位置し、上記吸盤の外れ時の上記建具の倒れを防止する横掛け帯と、を有することを特徴とする建具吊具。
【請求項2】
請求項1に記載の建具吊具において、上記吸盤装置は、複数の吸盤を横並びに有することを特徴とする建具吊具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の建具吊具において、上記第1吊り帯と上記第2吊り帯とがクロスして上記吸盤装置に連結されることを特徴とする建具吊具。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の建具吊具において、上記係合部は環状帯部からなることを特徴とする建具吊具。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の建具吊具において、上記弾性部はゴムからなることを特徴とする建具吊具。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の建具吊具において、上記弾性部が交換可能に上記曲り帯部に設けられることを特徴とする建具吊具。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の建具吊具において、上記第1吊り帯および第2吊り帯には、輪状帯部が所定間隔で複数備えられており、最も端側の輪状帯部と当該輪状帯部に近い側の上記係合部との間に、上記曲り帯部および弾性部が設けられていることを特徴とする建具吊具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サッシ等の建具を吊り上げることができる建具吊具および吊り帯に関する。
【背景技術】
【0002】
建具が大型化すると、少人数で建具を持ち上げて窓枠に嵌め込む作業において、各人にかかる負担が大きくなる。また、窓枠に1枚目の建具が取り付けられた状態では、取り付け空間が狭くなり、大人数で取り付け作業を行うことは困難である。さらに、建具取付作業の迅速化も望まれている。
【0003】
また、建具を機械的に吊り上げる装置として、特許文献1には、ガラス窓を保持して吊り込むと同時に、構造体へのガラス窓の取り付け作業を容易にするガラス窓の吊り込み治具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-46824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の吊り込み治具は、ガラス窓の表裏両面を挟み込むために吸盤を対向配置した吸盤装置を用いるため、大掛かりな装置となる。
【0006】
ここで、万が一の吸盤外れの対策として、吸盤装置と吊り帯とを併用し、上記吊り帯をガラス窓の下辺部の角部に引っ掛ける構成が考えられる。しかしながら、上記吊り帯の引っ掛かりが浅いと、吸盤外れ時に、建具が吊り帯から離脱するおそれがある。
【0007】
この発明は、吸盤装置と吊り帯とを併用する構成において、吊り帯の建具への引っ掛かりが浅くなるのを抑制できる建具吊具および吊り帯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の建具吊具は、上記の課題を解決するために、建具の下辺部の一方の角部に係合される係合部を有する第1吊り帯と、建具の下辺部の他方の角部に係合される係合部を有する第2吊り帯と、上記建具に吸引装着される吸盤を有し、上記第1吊り帯および上記第2吊り帯が連結される吸盤装置と、を備えており、上記第1吊り帯および第2吊り帯は、曲り帯部と、当該曲り帯部の曲り開始端側同士を引っ張り寄せる弾性部と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記の構成であれば、上記吸盤装置と上記第1、第2吊り帯とを併用し、これら吊り帯を建具の下辺部の角部に引っ掛ける構成であるので、万が一の吸盤外れに際し、上記吊り帯で建具を吊ることができる。ここで、上記吸盤装置が建具に装着されている状態では、上記第1、第2吊り帯には、建具の荷重は特に掛からないが、上記弾性部によって、上記第1、第2吊り帯の上記係合部には、上向きのテンションが掛かるので、上記吊り帯の上記角部への引っ掛かりが浅くなるのを抑制できる。すなわち、十分なテンション無しで上記吊り帯が上記角部に掛けられている状態で、吸盤外れが生じて瞬間的に建具の荷重が上記吊り帯に掛かると、上記吊り帯の上記角部への引っ掛かりが浅い状態で上記建具を支持することになるが、このような問題は、上記第1、第2吊り帯において上記弾性部により生じるテンションによって解消されることになる。なお、上記吸盤が外れて上記吊り帯に建具の荷重が掛かると、その瞬間に、当該吊り帯の上記弾性部が伸び、当該吊り帯は、曲り帯部を直線に伸ばして建具を受け止める。
【0010】
上記吸盤装置は、複数の吸盤を横並びに有してもよい。例えば、2個の吸盤のうちの1つが外れた場合、この外れた吸盤の側に連結されている吊り帯に建具の一部荷重が掛かり、その瞬間に、当該吊り帯の上記弾性部が伸び、当該吊り帯は、曲り帯部を直線に伸ばして建具の一部の荷重を受け止める。
【0011】
上記第1吊り帯と上記第2吊り帯とがクロスして上記吸盤装置に連結されてもよい。これによれば、上記第1吊り帯と上記第2吊り帯とがハ字状に上記吸盤装置に連結される場合に比べて、上記第1吊り帯および上記第2吊り帯の引っ張りの方向が建具の中心側に向くことが容易になり、横ずれし難く、安定して建具を支持することができる。
【0012】
上記係合部は環状帯部からなっていてもよい。上記係合部が金具である場合に比べ、建具に対する掛かりが浅い場合の横ずれを抑制できる。また、環状帯部であれば、建具枠のレール等を傷めることがない。
【0013】
上記弾性部はゴムからなっていてもよい。これによれば、当該弾性部が建具にあたっても、建具に傷は付きにくい。
【0014】
上記弾性部が交換可能に上記曲り帯部に設けられていてもよい。これによれば、上記弾性部の方が吊り帯よりも耐用年数が短い場合でも、上記交換によって、吊り帯を耐用年数使用することが可能になる。
【0015】
上記第1吊り帯および第2吊り帯には、輪状帯部が所定間隔で複数備えられており、最も端側の輪状帯部と当該輪状帯部に近い側の上記係合部との間に、上記曲り帯部および弾性部が設けられてもよい。これによれば、2つの輪状帯部を例えばシャックルで連結することで、当該吊り帯の吊り長さを変えることができ、長めの吊り帯を用いてサイズの異なる建具を適切に吊り上げることができる。
【0016】
また、この発明の吊り帯は、両端に係合部を有する吊り帯であって、上記両端の間に、曲り帯部と、当該曲り帯部の曲り開始端側同士を引っ張り寄せる弾性部と、を備えることを特徴とする。この吊り帯を上記吸盤装置と併用すると、建具の荷重が特に掛からない状態において、上記弾性部によって、当該吊り帯の係合部にテンションを掛けて、当該記吊り帯の上記建具の角部への引っ掛かりが浅くなるのを抑制できる。そして、万が一吸盤が外れた場合、当該吊り帯には、建具の荷重が掛かり、その瞬間に、当該吊り帯の上記弾性部が伸び、当該吊り帯は、曲り帯部を直線に伸ばして建具を受け止める。
【0017】
上記の吊り帯において、上記両端の間に、輪状帯部が所定間隔で複数備えられており、最も端側の輪状帯部と当該輪状帯部に近い側の上記係合部との間に、上記曲り帯部および弾性部が設けられていてもよい。これによれば、2つの輪状帯部を例えばシャックルで連結することで、当該吊り帯の吊り長さを変えることができ、長めの吊り帯を用いてサイズの異なる建具等を適切に吊り上げることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明であれば、吸盤装置と吊り帯とを併用する建具吊具において、吊り帯の建具への引っ掛けの掛かりが浅くなるのを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態の建具吊具を用いて建具を建具枠に取り付ける作業を示した説明図である。
図2】実施形態の建具吊具における吊り帯に設けられた曲り帯部と弾性部を拡大して示すとともに曲り帯部が伸びた状態を示した説明図である。
図3】実施形態の建具吊具で吊り帯がクロス掛けされている構成において、片側吸盤外れ時の動作を示した説明図である。
図4】実施形態の建具吊具で吊り帯がハの字掛けされている構成において、片側吸盤外れ時の動作を示した説明図である。
図5】実施形態の建具吊具における吊り帯に設けられた輪状帯部によって行う吊り帯の長さ調整を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態の建具吊具100を、例えば、屋内側で床施工前に、建具(サッシ等)5に取り付け、上記建具吊具100を介して建具5を、建物8の梁等に取り付けたホイスト7によって吊り上げる段階を示している。上記建具5の下部には、下部側の凹レールが形成されており、上部には、上部側の凹レールが形成されている。また、上記建具5が嵌め込まれる建具枠(窓枠等)6の下側枠には、下部側の凸レールが形成されており、上側枠には、上部側の凸レールが形成されている。
【0021】
上記建具吊具100は、第1吊り帯1と、第2吊り帯2と、吸盤装置3と、ホイスト7のフック部71が引っ掛けられるリング部101と、上記第1吊り帯1および第2吊り帯2の端部(後述する環状帯部)がそれぞれ引っ掛けられるフック部102、102を備えている。
【0022】
第1吊り帯1は、建具5の下辺部の一方の角部に係合される係合部11を有する。また、第2吊り帯2は、建具5の下辺部の他方の角部に係合される係合部21を有する。第1吊り帯1および第2吊り帯2は、例えば、ナイロンベルトスリングからなり、上記係合部11、21は、当該ナイロンベルトスリングの一方の端部位置に形成されている環状帯部からなる。このような環状帯部は、ナイロンベルトスリングの端を折り返して当該ナイロンベルトスリングに縫い付けることにより作製できる。
【0023】
吸盤装置3は、建具5のガラス面に吸引装着される吸盤31を横方向に2個備える。これら2個の吸盤31は、横方向に長尺の吸盤取付部材32に横並びに固定されている。また、上記リング部101および上記フック部102、102も上記吸盤取付部材32に固定されている。上記リング部101は吸盤取付部材32の左右方向中央に固定された棒部の上端部に固定されている。また、上記フック部102、102は上記吸盤取付部材32の左右端側に固定されている。
【0024】
吸盤装置3は、建具5の上下方向中央位置よりも上側に配置され、また、2個の吸盤31の左右方向中間位置に建具5の左右方向中央が位置するように、建具5のガラス面に装着される。
【0025】
吸盤装置3には、上記第1吊り帯1および上記第2吊り帯が、例えば、クロスして連結される。この連結は、上記ナイロンベルトスリングにおける他方の端部位置の環状帯部を、フック部102、102に引っ掛けることで行える。なお、横掛け帯(ラッシングベルト)105が建具5に横掛けされる。この横掛け帯105が建具5の後ろ側から回り込んで上記フック部102、102に通されることで、吸盤外れ時の建具5の倒れが防止される。
【0026】
上記第1吊り帯1は、図2にも示すように、曲り帯部12と、当該曲り帯部12の曲り開始端側同士を引っ張り寄せる弾性部13とを備える。同様に、上記第2吊り帯2は、曲り帯部22と、当該曲り帯部22の曲り開始端側同士を引っ張り寄せる弾性部23とを備える。曲り帯部12、22は、上記ナイロンベルトスリングの一部を曲げることで作製される。また、弾性部13、23は、例えば、板状或いは棒状等ゴムからなり、上記曲り開始端の近傍に、縫い付け、接着、金具を用いた圧着等、によって上記吊り帯1、2に固定される。なお、弾性部13、23の弾性力は、例えば、1kgf以上10kgf以下(9.8N以上98N以下)程度に設定される。
【0027】
上記の構成であれば、上記吸盤装置3と上記第1、第2吊り帯1、2とを併用し、これら吊り帯1、2を建具5の下辺部の角部に引っ掛ける構成であるので、万が一の吸盤外れに際し、上記吊り帯1、2で建具5を支持することができる。
【0028】
ここで、上記吸盤装置3が建具5に装着されている状態では、上記第1、第2吊り帯1、2には、建具5の荷重は特に掛からないが、上記弾性部13、23によって、上記第1、第2吊り帯1、2の係合部11、21には、上向きのテンションが掛かるので、上記吊り帯1、2の上記角部への引っ掛かりが浅くなるのを抑制できる。すなわち、十分なテンション無しで上記吊り帯1、2が上記角部に掛けられている状態で、吸盤外れが生じて瞬間的に建具5の荷重が上記吊り帯1、2に掛かると、上記吊り帯1、2の上記角部への引っ掛かりが浅い状態で上記建具5を支持することになるが、このような問題は、上記吊り帯1、2において上記弾性部13,23により生じるテンションによって解消されることになる。
【0029】
また、吸盤装置3における横並びの2個の吸盤31のうち、例えば、図1において右側の1つの吸盤31が外れると、図3に示すように、吸盤装置3は、左側の吸盤31を中心に反時計回りに回転し、また、建具5は左側の吸盤31を中心に時計回りに回転して傾く。このとき、右側の吸盤31側に連結されている第2吊り帯2に建具5の一部荷重が掛かり、その瞬間に、当該第2吊り帯2の弾性部23において伸びが生じ、当該第2吊り帯2は、曲り帯部22を直線に伸ばして建具5の一部荷重を受け止める。
【0030】
なお、2個の吸盤31が共に外れた場合には、建具5の全荷重が第1吊り帯1および第2吊り帯2に掛かることになる。
【0031】
一方、図4に示すように、第1吊り帯1と上記第2吊り帯2とがハ字状に上記吸盤装置3に連結されている場合、右側の1つの吸盤31が外れると、右側の吸盤側に連結されている第1吊り帯1に建具5の一部荷重が掛かり、その瞬間に、当該第1吊り帯1の弾性部13において伸びが生じ、当該第1吊り帯2は、曲り帯部12を直線に伸ばして建具5の一部荷重を受け止める。
【0032】
図3に示したように、第1吊り帯1と上記第2吊り帯2とがクロスして上記吸盤装置3に連結されていると、第1吊り帯1と第2吊り帯2とがハ字状に上記吸盤装置3に連結される場合に比べて、第1吊り帯1および第2吊り帯2における引っ張りの方向を建具5の中心側に向けることが容易になり、横ずれし難く、安定して建具5を支持することが可能になる。
【0033】
上記弾性部13、23がゴムからなっていると、当該弾性部13、23が建具5に当たって建具5を傷つけるのを防止できる。なお、ゴム以外の弾性体として、金属製或いは樹脂製のコイルばね等も用いることができる。
【0034】
上記係合部11、21が環状帯部からなっていると、上記係合部11、21が金具である場合に比べ、建具5に対する掛かりが浅い場合の横ずれを抑制できる。また、上記環状帯部であれば、建具5を建具枠6に嵌め込む際に、建具枠6のレール等を傷めることがない。すなわち、上記環状帯部を付けたまま建具5を建具枠6に載せることができる。作業者は、例えば、建具5の右側を少し持ち上げて右側の下辺を浮き上がらせて右側の環状帯部を外し、さらに、建具5の左側を少し持ち上げて、左側の下辺を浮き上がらせて左側の環状帯部を外すことができる。
【0035】
上記の例では、弾性部13、23が縫い付け等によって吊り帯1、2に固定されるが、これに限らず、弾性部13、23が交換可能に上記曲り帯部12、22に設けられていてもよい。これによれば、上記弾性部13、23の方が吊り帯1、2よりも耐用年数が短い場合でも、上記交換によって、第1、第2吊り帯1、2を耐用年数使用することが可能になる。弾性部13、23の交換構造としては、例えば、ゴム板にハト目を取り付け、吊り帯1、2の曲り開始端の近傍に結び付けたカラビナ等を上記ハト目に引っ掛けて上記ゴム板を連結する構造が考えられる。
【0036】
また、図5に示すように、建具吊具100において、上記第1吊り帯1および第2吊り帯2は、上記係合部11、21から上記吸盤装置3との連結箇所までの間に、輪状帯部15、25を所定間隔で複数備えてもよい。この輪状帯部15、25は、吊り帯として要求される規定の耐荷重要件を満たして上記ナイロンベルトスリングに縫製される。輪状帯部15、25は、上記ナイロンベルトスリングの片側の面に設けられている。また、輪状帯部15、25は、上記係合部11、21である上記環状帯部よりも小さな輪となるように作製されている。
【0037】
これによれば、例えば、上記第1吊り帯1において、2つの輪状帯部15、15を例えばシャックル104で連結することで、当該第1吊り帯1の吊り長さを変えることができ、上記第1吊り帯1として長めの吊り帯を用いてサイズの異なる建具5を適切に吊り上げることができる。換言すれば、建具5のサイズに関わらず、吸盤装置3を建具5の上部側の適切な位置にセットすることが容易になる。
【0038】
なお、このような輪状帯部15、25を有する吊り帯1、2においては、上記曲り帯部12、22および弾性部13,23は、吊り帯1、2の係合部(環状帯部)11,21と当該係合部11,21に最も近い輪状帯部15、25との間に設けられる。
【0039】
上記の実施形態では、建具として建具5を例示したが、これに限らず、ドアや戸などの建具を建具枠に取り付けることにも利用できる。
【0040】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 :第1吊り帯
2 :第2吊り帯
3 :吸盤装置
5 :建具
6 :建具枠
7 :ホイスト
8 :建物
11 :係合部
12 :曲がり帯部
13 :弾性部
15 :輪状帯部
21 :係合部
22 :曲がり帯部
23 :弾性部
25 :輪状帯部
31 :吸盤
32 :吸盤取付部材
71 :フック部
100 :建具吊具
101 :リング部
102 :フック部
104 :シャックル
105 :横掛け帯
図1
図2
図3
図4
図5