(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】顔料含有被膜形成コーティング方法
(51)【国際特許分類】
B05D 1/28 20060101AFI20240408BHJP
B05D 5/00 20060101ALI20240408BHJP
B05D 5/06 20060101ALI20240408BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20240408BHJP
C09D 7/41 20180101ALI20240408BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20240408BHJP
C09D 183/04 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B05D1/28
B05D5/00 Z
B05D5/06 G
B05D7/24 301B
C09D7/41
C09D7/61
C09D183/04
(21)【出願番号】P 2021046888
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2023-09-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510330552
【氏名又は名称】株式会社クリスタルプロセス
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【氏名又は名称】田村 善光
(74)【代理人】
【識別番号】100062328
【氏名又は名称】古田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】秋吉 一介
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-143970(JP,A)
【文献】特開2000-042480(JP,A)
【文献】国際公開第2018/230328(WO,A1)
【文献】特開2021-010879(JP,A)
【文献】特開2001-262065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
B32B 1/00-43/00
C09D 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿気硬化性固定化成分と顔料と溶剤を含むコーティング組成物を、基材の表面に塗布した、又は、塗布しながら、前記コーティング組成物を塗布した基材の表面に対して、バフでコーティング組成物を擦り付けながらバフによる塗り拡げ作業により、空気中に含まれる水分とコーティング組成物がミキシングされることにより前記基材表面上で前記コーティング組成物の硬化反応が促進され、前記顔料が前記基材表面に固定化される顔料含有被膜形成工程を備え、
前記溶剤が前記顔料含有被膜形成工程で形成される顔料含有被膜に対して相溶性の高い揮発性溶剤と、前記顔料含有被膜に対して相溶性の低い不揮発性の溶剤とを組み合わせることを特徴とする顔料含有被膜形成コーティング方法。
【請求項2】
前記コーティング組成物に含まれる前記湿気硬化性固定化成分が、湿気硬化性シリコーンと反応触媒とからなることを特徴とする請求項
1に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法。
【請求項3】
前記湿気硬化性シリコーンが、下記一般式(1)
(式中、nは1~10の整数、Xは独立にハロゲン原子、水素原子、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、アセトキシキ、エノキシ、オキシム、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ノルマルヘキシル、シクロヘキシル、ノルマルオクチル、ノルマルデシル、フェニル、ビニル、アリル、パラスチル、3-グリシドキシプロピル、2-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチル、3-アミノプロピル、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピル、N-フェニル-3-アミノエチル-3-アミノプロピル、3-メタクリロキシプロピル、3-アクリロキシプロピル、3-メルカプトプロピル、3-ウレイドプロピル、3-イソシアネートプロピル、イソシアヌレート又は、酸無水物である)で表される化学構造を有するシリコーン化合物であることを特徴とする請求項
2に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法。
【請求項4】
前記コーティング組成物塗布前に、前記基材の表面にアンダーコートを塗布するアンダーコート塗布工程を設けたことを特徴とする請求項1~
3のいずれかに記載の顔料含有被膜形成コーティング方法。
【請求項5】
形成された顔料含有被膜の表面に、トップコートを塗布するトップコート塗布工程を設けたことを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の顔料含有被膜形成コーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の表面に塗装したように、着色効果や遮熱効果を期待できる顔料含有被膜を形成する顔料含有被膜形成コーティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、5~80重量%の色材、0.01~30重量%の添加剤および残部樹脂からなる着色コーティング材であって、 色材として、染料と粒径0.05~10μmの顔料とを含有し、 染料と顔料との重量比が1:99~30:70であり、 添加剤として、フッ素系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、高分子エーテル系レベリング剤およびノニオン系レベリング剤からなる群から選択された1種または2種以上のレベリング剤と、カルボン酸系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アルキルリン酸エステル、ポリエチレングリコール誘導体、分子中にアミノ官能基を有するポリエステル系高分子化合物からなる群から選ばれた1種または2種以上の分散剤とを含有し、樹脂として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ビニル樹脂、メラミン樹脂および ポリエステル樹脂からなる群から選ばれた1種または2種以上の樹脂を含有する着色コーティング材が開示されている。そして、着色コーティング材をスプレー塗布で基材に吹き付け120℃で30分間乾燥し、約10μmのコーティング膜を形成させている。
【0003】
特許文献2には、透明樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、セシウム酸化タングステンを含有し、ガラス転移温度が40~120℃である熱可塑性アクリル樹脂からなる熱可塑性樹脂層を有する遮熱フィルム及び、 2枚のガラス板によって遮熱フィルムが挟まれた構成を有する遮熱合わせガラスであって、前記遮熱フィルムは 、透明樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、セシウ ム酸化タングステンを含有し、ガラス転移温度が40~120℃である熱可塑性アクリル樹脂からなる熱可塑性樹脂層を有していることを特徴とする遮熱合わせガラスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-254054号公報
【文献】特開2017-185669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の着色コーティング材は、スプレー塗布で基材に吹き付け120℃で30分間乾燥し、約10μmのコーティング膜を形成させる技術であるため、乾燥装置が必要になり簡便にはコーティング膜を形成できないという問題があった。
【0006】
エアーガンで塗装の吹き付けを屋内でする場合は、塗装による拭き散りが広範囲に及ぶため屋内にすでに設置されている家具などの配置物を移動させたり、壁、床など広範囲にわたり養生しなければならないという問題があった。
【0007】
マンションなどのワンルーム型集合建築物の場合は、吹き付け塗装によって生じるミストを建物全体での換気や排気が困難であるという問題があった。
【0008】
また、エアーガンで塗装の吹き付けを屋外で行うと、エアー圧を発生させるためのコンプレッサーという装置を用意し、ミストが周囲の建物に飛散するのを防止するために飛散防止ネットが必要であり、特にビルなど高層階の窓ガラスに施工する場合は飛散防止ネット設置等のための足場を組む必要もあるなど大掛かりな準備が必要であるという問題があった。
【0009】
特許文献2の遮熱合わせガラスは2枚のガラス板によって遮熱フィルムが挟まれた構成を有する遮熱合わせガラスであるため、新築の建物に導入する場合は問題ないが、既存の建物のガラスの場合は既存のガラスを取り換えなければならないという問題があった。
【0010】
遮熱フィルムを既存のガラスに貼り付ける場合でも、ガラスに付着した油膜を除去しなければ十分な密着性が得られず研磨作業が必要であるという問題があった。さらにはガラスに遮熱フィルムを屋内に貼り付ける場合に気泡を除去することが困難であり、さらに空気中に浮遊しているホコリやチリがガラスとフィルムの間に混入することで著しく透明なガラスの美観を損なうという問題があった。また遮熱フィルムを屋外に貼り付ける場合は屋外の過酷な環境にさらされるため短期間で遮熱性能が急激に劣化するという問題があった。
【0011】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、乾燥設備、コンプレッサー、エアガンを使用せず、また周囲への飛散が発生しないため大掛かりな設備を必要とせずに基材に着色効果や遮熱効果が期待できる、顔料を使用した顔料含有被膜形成コーティング方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明において固定化とは、顔料が移動しない状態にすることを意味する。また、固定化成分とは顔料を固定化する成分を意味する。
【0013】
請求項1に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、湿気硬化性固定化成分と顔料と溶剤を含むコーティング組成物を、基材の表面に塗布した、又は、塗布しながら、前記コーティング組成物を塗布した基材の表面に対して、バフでコーティング組成物を擦り付けながらバフによる塗り拡げ作業により、空気中に含まれる水分とコーティング組成物がミキシングされることにより前記基材表面上で前記コーティング組成物の硬化反応が促進され、前記顔料が前記基材表面に固定化される顔料含有被膜形成工程を備え、前記溶剤が前記顔料含有被膜形成工程で形成される顔料含有被膜に対して相溶性の高い揮発性溶剤と、前記顔料含有被膜に対して相溶性の低い不揮発性の溶剤とを組み合わせることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、請求項1において、前記コーティング組成物に含まれる前記湿気硬化性固定化成分が、湿気硬化性シリコーンと反応触媒とからなることを特徴とする。
【0015】
請求項
3に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、請求項
1又は2において、
前記湿気硬化性シリコーンが、下記一般式(1)
(式中、nは1~10の整数、Xは独立にハロゲン原子、水素原子、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、アセトキシキ、エノキシ、オキシム、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ノルマルヘキシル、シクロヘキシル、ノルマルオクチル、ノルマルデシル、フェニル、ビニル、アリル、パラスチル、3-グリシドキシプロピル、2-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチル、3-アミノプロピル、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピル、N-フェニル-3-アミノエチル-3-アミノプロピル、3-メタクリロキシプロピル、3-アクリロキシプロピル、3-メルカプトプロピル、3-ウレイドプロピル、3-イソシアネートプロピル、イソシアヌレート又は、酸無水物である)で表される化学構造を有するシリコーン化合物であることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、請求項1~3のいずれかにおいて、前記コーティング組成物塗布前に、前記基材の表面にアンダーコートを塗布するアンダーコート塗布工程を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、請求項1~4のいずれかにおいて、形成された顔料含有被膜の表面に、トップコートを塗布するトップコート塗布工程を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、基材の表面に一次粒子径5nm~100μmの顔料を均一に拡散することができ、バフを取り付けたポリッシャー操作で顔料含有被膜層を基材表面に形成し固定化させることができるという効果を奏する。前記バフによる押圧及び塗り拡げが終了した直後に指で前記顔料含有被膜層を触れても顔料が付着しない。したがって、バフ(ポリッシャー)操作後における、顔料を固定させる乾燥工程を不要とする顕著な効果を有する。
【0019】
また、顔料が一次粒子径の小さいものは半透明性の被膜を形成することができるため、窓ガラスなどの透明性を必要とする基材に対して、顔料による色付の半透明性を確保できるという効果を奏する。また膜厚が薄いときも同様に半透明性を確保することができ、被膜を塗り重ねていくことで、顔料により素材を覆い隠すことで素材を隠ぺいすることができる。
【0020】
また、基材の表面に顔料含有被膜を形成するためには、一般的には塗装作業によるため、塵を入らないようにした作業空間、塗装設備、加熱設備を必要とし電力費も高くかかるのに対して、本発明の顔料含有被膜形成コーティング方法は、加熱設備を設置していない場所で、かつクリーンルームでなく一般的な作業環境で、常温で顔料含有被膜を形成させることができ、電力費もほとんどかからないという効果を奏する。
【0021】
また、クリーンルームでなく真空でない作業環境で作業できることから、空気中の埃が基材の表面上に付着するが、その場合は形成される顔料含有被膜の膜厚が薄いので、目視で視認可能な又は光の反射で存在が視認可能な大きさの塵は付着せずに、目視で視認することが困難な大きさの塵しか付着しないという効果がある。前記目視で視認が困難な大きさの塵は塗装品質にほとんど影響を与えない。
【0022】
顔料含有被膜形成コーティング方法を実施したときには周囲への顔料などの飛散が発生しないため、屋内にすでに設置されている家具などの配置物を移動させなくともよく、壁、床などを養生しなくてもよく、家庭で一般的に利用される100V程度の電源で作業できるという効果を奏する。
【0023】
マンションなどのワンルーム型集合建築物において顔料含有被膜形成コーティング方法を実施する場合であっても、ミストの発生がないので、建物全体において換気や排気を必要としないという効果を奏する。
【0024】
また、顔料含有被膜形成コーティング方法を屋外で実施するときは、エアーガンで塗装の吹き付けを行う場合に比較して、コンプレッサーやミスト飛散防止ネットが不要であるという効果を奏する。特に、顔料含有被膜形成コーティング方法をビルなど高層階の窓ガラスに施工するときは、エアーガンで塗装の吹き付けを行う場合に比較して、ミスト飛散防止ネット設置のための足場を組む必要がなく、屋上からゴンドラを吊り下げてゴンドラに小型発電機(重量13kg以下、使用電力0.9kw)を積み込んで実施できるという効果を奏する。
【0025】
また、コーティング組成物に含有されている、湿気硬化性シリコーンと反応触媒とからなる湿気硬化性固定化成分が、一次粒子径5nm~100μmの顔料を前記基材の表面上に接着させた後に、前記顔料を前記基材表面に固定させ、かつ剥がれないようにするという効果を奏する。すなわち、湿気硬化性固定化成分が顔料を含有した状態で硬化するため、かつ前記湿気硬化性固定化成分は接着性も有するため、顔料は固体化した湿気硬化性固定化成分により固められることから、乾燥工程を必要とせずに顔料は固定化されるという際立つ効果を有する。
【0026】
請求項1に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、顔料含有被膜に対して相溶性の高い揮発性溶剤によって、バフで擦り付けながら塗り拡げるときにスムースに均一に塗り拡げることができる。
【0027】
そして、前記揮発性溶剤は揮発し、不揮発性溶剤が液状で残る。そして、湿気硬化性固定化成分は固体であるので、顔料を含有した固体である湿気硬化性固定化成分の層が基材表面に固定化され、液状である不揮発性溶剤が前記湿気硬化性固定化成分の層の上層となって顔料含有被膜が形成される。そのため、表面には顔料を含有していない不揮発性溶剤の層ができ、不揮発性溶剤の層で顔料を含有した湿気硬化性固定化成分の層が覆われているので、前記不揮発性溶剤の層によりバフと顔料含有被膜との摩擦が軽減されるために、形成した顔料を含有した湿気硬化性固定化成分の層にキズが生じない。このときは、顔料は移動せず固定された状態になっている。
【0028】
請求項2又は3に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、湿気硬化性シリコーンが空気中の水分で硬化しやすくいので、コーティング組成物を基材又は下層の顔料含有被膜に押し付けるというバフ操作により基材又は下層の顔料含有被膜に固定化させるという効果を奏する。
【0029】
請求項4に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、基材の表面にアンダーコートすることにより基材と前記顔料との密着性を向上させる効果を奏する。
【0030】
請求項5に記載の顔料含有被膜形成コーティング方法は、着色の色褪せや変色を長期間に亘って生じにくくし、遮熱効果も長期間に亘って持続可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の顔料含有被膜形成コーティング方法の工程のフローを示す図である。
【
図2】2層の顔料含有被膜形成工程の手順のフローを示す図である。
【
図3】コーティング組成物を基材上に塗布後に回転式ポリッシャーを使用する場合の状態を示す図である。
【
図4】コーティング組成物をバフ表面に塗布後に回転式ポリッシャーを使用する場合の状態を示す図である。
【
図5】基材の表面に2層の顔料含有被膜を形成した状態を説明する説明図である。
【
図6】基材の表面に1層目の顔料含有被膜を形成する状況を説明する説明図で、(a)がコーティング組成物を基材上に塗布した状態の説明図で、(b)がバフで押圧した後の状態の説明図である。
【
図8】基材の1層目の上に2層目の顔料含有被膜を形成する状況を説明する説明図で、(a)がコーティング組成物を1層目上に塗布した状態の説明図で、(b)がバフで押圧した後の状態の説明図である。
【
図9】比較例で、基材の表面に刷毛で塗装膜を形成した状態の説明図である。
【
図10】ポリッシャーのバフの種類の事例の説明図で、(a)がバフ形状が円板状の場合、(b)がバフ形状が円錐状の場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の顔料含有被膜形成コーティング方法1は、例えば
図5の顔料含有被膜51、52の2層構造の顔料含有被膜50に示すように、基材8表面に顔料9を含む顔料含有被膜50を形成させる方法であり、しかもバフ6一つを回転させながら押圧させる作業により、コーティング組成物7を塗り拡げることと固定化させることの2つのことがほぼ同時に行われるという際立つ効果を有する。これにより、一般的な屋内や屋外の作業空間で、常温で、基材8表面に顔料9を含む顔料含有被膜50を形成することができる。
【0033】
そのため、バフ6をかけた後に塗料を固定させるために別途に乾燥工程を必要としない点が、従来の一般的な塗装方法である、塗料塗布後に塗料を固定させるための乾燥工程を設ける塗膜形成方法とは大きく相違する。一般的な乾燥工程としては、例えば塗装専用工場のようなクリーンルーム、加温設備等の設備による乾燥、及び、自然乾燥があるが、本発明ではコーティング組成物7の塗り拡げ後に塗料を固定させるための乾燥工程は不要である。
【0034】
本発明の顔料含有被膜形成コーティング方法1は顔料含有被膜形成工程3を備える。
図1に示すように、アンダーコート塗布工程2、顔料含有被膜形成工程3、トップコート塗布工程4を備えてもよい。また、アンダーコート塗布工程2と顔料含有被膜形成工程3の組み合わせでもよく、顔料含有被膜形成工程3とトップコート塗布工程4の組み合わせでもよい。
【0035】
本発明の顔料含有被膜形成コーティング方法1は、湿気硬化性固定化成分30と顔料9と溶剤35を含むコーティング組成物7を、基材8の表面に塗布した、又は、塗布しながら、前記コーティング組成物7を塗布した基材8の表面に対して、バフ6でコーティング組成物7を擦り付けながらバフ6による塗り拡げ作業により、空気中に含まれる水分とコーティング組成物7がミキシングされることにより前記基材8表面上で前記コーティング組成物7の硬化反応が促進され、前記顔料9が前記基材8表面に固定化される顔料含有被膜形成工程3を備える。前記湿気硬化性固定化成分30は湿気硬化性シリコーン31と反応触媒32とからなる。また、前記湿気硬化性固定化成分30と溶剤3は無色である。
【0036】
前記基材8は、材質は金属、樹脂、ガラスなどの表面に顔料含有被膜50を形成可能な材質であればよく、表面状態は平面状や曲面状等のいずれでもよく、かつ、素材の表面に限らず表面に塗装やめっきをした表面でもよい。
【0037】
前記基材8としては、例えば、建物の部位(例えば、窓ガラス、屋根、ドア、塀、門等)、自動車の部位(例えば、バックミラーの塗装部位、ドア取手、フロントフェンダー、ボンネット、各種ドア、リアフェンダー等)、装飾品の平面状・曲面状であってガラス・金属・樹脂部分、身の回り品の平面状・曲面状であってガラス・金属・樹脂部分等、ガラス製・金属製又は樹脂製の平面状や曲面状の部位がある。
【0038】
そして、前記コーティング組成物7は、前記湿気硬化性固定化成分30を1重量%~90重量%、前記顔料9を1~50重量%、前記溶剤35として、石油系溶剤又はアルコール系溶剤などの揮発性溶剤35aを1重量%~30重量%、グリコールエーテル類等の不揮発性溶剤35bを1重量%~50重量%を含有する。また、前記湿気硬化性固定化成分30を100重量%としたときに、前記湿気硬化性固定化成分30に含有される前記湿気硬化性シリコーン31を50重量%~99.9重量%、反応触媒32を0.1重量%~50重量%とする。
【0039】
前記湿気硬化性シリコーン31は、下記一般式(1)
(式中、nは1~10の整数、Xは独立にハロゲン原子、水素原子、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、アセトキシキ、エノキシ、オキシム、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ノルマルヘキシル、シクロヘキシル、ノルマルオクチル、ノルマルデシル、フェニル、ビニル、アリル、パラスチル、3-グリシドキシプロピル、2-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチル、3-アミノプロピル、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピル、N-フェニル-3-アミノエチル-3-アミノプロピル、3-メタクリロキシプロピル、3-アクリロキシプロピル、3-メルカプトプロピル、3-ウレイドプロピル、3-イソシアネートプロピル、イソシアヌレート又は、酸無水物である)で表される化学構造を有するシリコーン化合物である。これにより、空気中の湿気と反応して顔料含有被膜50をすばやく硬化させることができる。
【0040】
前記反応触媒32としては、酸、アルカリ、有機金属化合物などがある。前記反応触媒32は、前記湿気硬化性シリコーン31が空気中の水分と触れたときに反応して前記湿気硬化性シリコーン31をすみやかに硬化させる機能がある。
【0041】
次に顔料9について説明する。前記顔料9には、着色顔料のみからなる顔料、着色顔料に遮熱顔料を混合させた顔料、又は、遮熱顔料のみからなる顔料がある。着色効果を期待する場合や遮熱効果を期待する場合のいずれであっても、例えば基材8が自動車のバックミラーの塗装部位又はウインドウである場合に基材8となるバックミラー又はウインドウを取り外さずそのまま自動車に装着させた状態で本発明の顔料含有被膜形成コーティング方法1をすることができる。
【0042】
前記着色顔料9しては、例えば、黄色顔料は黄鉛、イソインドリノン、アゾメチン、アントラキノン、キサンテン等があり、黒色顔料はカーボンブラック等があり、赤色顔料は鉛丹、酸化鉄赤、キナクリドン、アントラキノン、インジゴイド等があり、白色顔料は二酸化チタン、亜鉛華、鉛色、リトボン等があり、青色顔料はウルトラマリン青、プロシア青、フタロシアン等があり、橙色顔料はペリノン、ジケトピロロピロール等があり、緑色顔料はアゾメチン、フタロシアニン等があり、紫色顔料はジオキサジン等がある。また、着色顔料には、パール顔料、蓄光顔料、蛍光顔料などの光輝顔料も含む。
【0043】
前記着色顔料9の前記コーティング組成物7に対する含有量が多い場合には前記着色顔料被膜は不透明の被膜となるが、前記着色顔料9の前記コーティング組成物7に対する含有量がわずかな場合には前記着色顔料被膜は半透明の被膜となる。
【0044】
また、前記遮熱顔料としては、日射の透過率、反射率、吸収率を低下させるものであればいずれの顔料でもよく、より好ましくは可視光を透過させ紫外線や赤外線の透過率を低下させるものがよい。日射の透過率を低下させるものとしては複合酸化物顔料、セラミックス顔料、金属粉末顔料等がある。
【0045】
前記粒状の着色顔料9又は遮熱顔料9の大きさは、一次粒子径5nm~100μmであり、好ましくは一次粒子径10nm~10μmであり、さらに好ましくは一次粒子径15nm~100nmである。
【0046】
前記溶剤35は、前記顔料含有被膜形成工程3で形成される顔料含有被膜50に対して相溶性の高い揮発性溶剤35aと、前記顔料含有被膜50に対して相溶性の低い不揮発性の溶剤35bとを組み合わせる。
【0047】
前記揮発性溶剤35aとしては、例えば、炭化水素系溶剤、アルコール溶剤、エーテル類、エステル類、ケトン類、ハロゲン類、シリコーン類であり大気圧での沸点が、150℃以下であることが望ましい。具体例としてノルマルヘプタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、ノルマルオクタン、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタンなどが挙げられる。
【0048】
前記揮発性溶剤35aは、密封容器内に収容されているときのコーティング組成物7を溶液の状態で保管させ、前記密封容器から基材8表面に塗布されると空気に触れて蒸発する。これにより、基材8表面にバフ6によりコーティング組成物7を塗り拡げ始めたときはまだ蒸発量が少ないのでコーティング組成物7の液状を維持させてコーティング組成物7をバフ6で擦り付けながら塗り拡げやすくし、塗り拡げやすくしながらすばやく蒸発していき、コーティング組成物7の液体割合を急激に低下させて、コーティング組成物7が顔料含有被膜50となってすばやく固定化されやすくする。よって、前記揮発性溶剤35aは液状のコーティング組成物7を基材8上に塗りやすくし固定化しやすくする機能がある。
【0049】
前記不揮発性溶剤35bとしては、例えば、炭化水素系溶剤、アルコール溶剤、多価アルコール、グリコールエーテルであり、大気圧での沸点が170℃以上であることが望ましい。具体的には、炭素数9以上の脂肪族炭化水素の混合物、炭素数9以上の脂肪族環式炭化水素混合物、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
【0050】
前記不揮発性溶剤35bは、密封容器内にあるときのコーティング組成物7を溶液の状態で保管させ、前記密封容器から基材8表面に塗布された後において、バフ6でコーティング組成物7を押し付けて回転させるときに、すぐには蒸発しないので、前記揮発性溶剤35aとともに液体としてコーティング組成物7を塗り拡げやすくし、その後は、
図6(b)又は
図7に示すように、顔料9及び湿気硬化性固定化成分30が固体であるので、前記固体が下層を形成し上層を液体である前記不揮発性溶剤35bが層を形成する。このため、バフ6で上層を回転させながら押圧をかけても不揮発性溶剤35bの上層が顔料9を覆っているので、バフ6と顔料含有被膜50との摩擦が軽減されるために湿気硬化性固定化成分30の層の表面にキズが生じない。
【0051】
基材8の表面に塗布した前記コーティング組成物7に対して、バフ6による塗り拡げ作業を実施するとは、
図3に示すように、前記基材8の表面に前記コーティング組成物7を塗布し、基材8の表面に塗布されたコーティング組成物7に対して、バフ6を押圧させながら回転Rや往復(図示なし)による塗り拡げ作業を実施することをいう。つまり、コーティング組成物7を基材8の表面に塗布した後に、あるいは、バフ6にコーティング組成物7を塗布した後に、バフ6を使用して基材8の表面に対して擦り付けながら塗り拡げ作業を実施する。
【0052】
前記バフ6の塗り拡げ作業を実施するために使用する器具としては、円板型バフを取付可能な回転式ポリッシャー、円筒型又は円錐型バフを取付可能な回転式ドリルドライバー、平面型バフを取付可能な往復動する、例えばパッドが前後左右に振れるオービタルサンダー、パッドが前後往復運動をする往復直線運動式サンダー等の振動工具がある。
【0053】
前記回転式ポリッシャー5としては、ダブルアクションポリッシャー、ギアアクションポリッシャー、又は、シングルアクションポリッシャーが該当するが、バフ6を取付けられ回転Rを加えることができる器工具であればこれ以外の器工具でもよい。
【0054】
前記回転Rは、200~16000rpmがよく、好ましくは1000~10000rpm、さらに好ましくは2000~8000rpmがよい。また、往復動の速度は前記回転速度と同じ速度が好ましい。また、往復動は、往復回数が100~10000回/分がよく、好ましくは500~8000回/分、さらに好ましくは1000~3000回/分がよい。
【0055】
前記バフ6は、ウレタンバフ6、羊毛フェルトバフ6、又は、綿バフ6が該当する。前記バフ6の形態としては、例えば
図10(a)に示すような、裏面に硬板62を具備可能な円板状、あるいは、
図10(b)に示すように、中心部に硬い回転軸61を具備可能な円錐状や円筒状(図示なし)が該当するが、前記バフ6の表面側を基材8に対して当接可能な形態であればいずれの形態でもよい。
【0056】
前記バフ6が、
図10(a)に示すような円板状の場合は基材8の表面形状が面形状を形成されている場合に適し、
図10(b)に示すような円錐状の場合は穴の内壁面やスリット部分等のバフが使用される空間が狭い場合に適し、円錐状なのでスリット幅が狭い部位から比較的広い部位まで塗り拡げ作業を実施することが可能である。
【0057】
次に、アンダーコート塗布工程2について説明する。アンダーコートは、基材8表面上に前記コーティング組成物7を塗布する前準備として、前記基材8表面への密着性を向上させる目的で使用するものであり、前記基材8の表面に塗布する。
【0058】
次に、顔料含有被膜形成工程3について説明する。顔料含有被膜形成工程3は、
図2に示すように、基材8の表面に顔料含有被膜50を形成する工程である。前記顔料含有被膜50は、1層でも2層でも3層でも何層でもよい。例えば顔料9の含有量が少ないコーティング組成物7の場合は1層で半透明の層を形成することができ、顔料9の含有量の多いコーティング組成物7の場合は1層でも基材8の表面を隠蔽する層を形成できる。顔料9の含有量によって顔料含有被膜50を半透明にするか不透明にするかを調整することができる。また、多層にもできるので顔料含有被膜50の厚みを厚くすることもできる。
【0059】
まず、顔料含有被膜の1層目手順10について説明する。
図2に示すように、まず手順11である。手順11は、
図6(a)に示すように基材8表面に、又は、バフ6の表面に、顔料9を含有するコーティング組成物7を塗布する。
【0060】
次に、手順12は、
図3又は
図4に示すように、ポリッシャー5で回転R又は往復動の塗り拡げを加える。ポリシャー5を基材8の表面に当接させながら、回転R又は往復動させながら前記コーティング組成物7を前記基材8の表面に均一に拡散させる。
【0061】
このときに、空気中に含まれる水分とコーティング組成物7がミキシングされることにより前記基材8表面上で前記コーティング組成物7の硬化反応が促進され、前記顔料9が前記基材8表面に固定化される。
【0062】
すなわち、バフ6を、コーティング組成物7が塗布された基材8表面に押し付けて回転させるときに、前記湿気硬化性固定化成分30が空気中の水分と触れたときに硬化する。より詳しくは例えば反応触媒32の働きも加わって湿気硬化性シリコーン31が空気中の水分と触れたときに硬化する。この硬化により、
図7に示すように、前記湿気硬化性固定化成分30、例えば前記湿気硬化性シリコーン31及び前記反応触媒32が前記顔料9を閉じ込めて顔料9を含有した前記湿気硬化性固定化成分30、例えば湿気硬化性シリコーン31及び前記反応触媒32の層が形成される。
【0063】
そして、同時に、密閉容器収容時から塗られるまでは液状であったコーティング組成物7は、塗り拡げる作業の過程で前記揮発性溶剤35aがすばやく蒸発して、残った液体の不揮発性溶剤35bが固体の湿気硬化性シリコーン31の層の上部の層として形成される。
【0064】
前記基材8の表面に均一に、前記顔料9を拡散させるように、ポリッシャー5で回転R又は往復動(図示なし)を加えながら前記ポリッシャー5を移動させる。この手順12を繰り返し実施すると、前記顔料9を前記基材8の表面に均一に拡散させ、前記コーティング組成物7の成分の揮発性成分35aが蒸発し、前記湿気硬化性固定化成分30によって、例えば前記湿気硬化性シリコーン31及び前記反応触媒32によって顔料9を基材8の表面に固定させることができる。そして、手順13として、
図6(b)に示すように、基材8表面に顔料9を含有する層である顔料含有被膜50の1層目51が完成する。手順12を終了した時点、すなわち前記ポリッシャー5の操作を終了した時点の手順13では、顔料9は固体の前記湿気硬化性固定化成分30によって基材8表面に固定されているので、顔料9を固定化させるための乾燥工程は必要ない。
【0065】
ここで、固体の前記湿気硬化性固定化成分30の層、例えば前記湿気硬化性シリコーン31及び前記反応触媒32の層の上部の層である不揮発性溶剤35bは、そのままの状態で2層目の手順に取り掛かることができるが、前記不揮発性溶剤35bをふき取ることもできる。
【0066】
前記不揮発性溶剤35bをふき取る方法として、バフ、スポンジ、マイクロファイバークロスなどの液体を吸収可能な物質のものならばいずれでもよい。そして、例えば、マイクロファイバークロスとの摩擦を軽減するために、まず、前記マイクロファイバークロスに水や前記不揮発性溶剤35bで湿らせた前記マイクロファイバークロスで拭きとり、その後、徐々に乾いた前記マイクロファイバークロスで拭きとることが好ましい。
【0067】
次に、顔料含有被膜50の2層目手順20について説明する。2層目手順20は1層目手順11、手順12及び手順13と同じ手順の繰り返しを実施する。まず、
図8(a)に示すように、手順11として、1層目51の表面に、手順11で塗布したものと同じコーティング組成物7を塗布する。次に手順12として、
図3に示すように、ポリッシャー5で基板8に当接させながら回転R又は往復動の塗り拡げを加える。ポリシャー5を回転R又は往復動させながら前記コーティング組成物7を前記1層目51の表面に均一に拡散させる。このときに、1層目51の上層の液体の不揮発性溶剤35bは2層目52のコーティング組成物7といっしょに混合される。しかし、1層目に形成された顔料9を含有した前記湿気硬化性固定化成分30の層、例えば前記湿気硬化性シリコーン31及び前記反応触媒32の層は基材8にしっかり固定されており剥離しないので、2層目のコーティング組成物7と混合されない。
【0068】
そして、1層目51の顔料9を含有した湿気硬化性シリコーン31の層の表面全体に均一に、前記コーティング組成物7を拡散するように、ポリッシャー5で回転R又は往復動(図示なし)を加えながら移動させる。次に、手順13として、
図8(b)に示すように、1層目51の表面に顔料含有被膜50の2層目52が完成する。手順12を終了した時点、すなわち前記ポリッシャー5の操作を終了した時点の手順13では、顔料9は固体の前記湿気硬化性固定化成分30によって1層目の前記湿気硬化性固定化成分30の層の表面に固定されているので、顔料9を固定化させるための乾燥工程は必要ない。
【0069】
次に、顔料含有被膜50の3層目、4層目などは1層目又は2層目と同じ手順を繰り返す。
【0070】
次に、顔料含有被膜形成工程3後に、トップコートを塗布するトップコート塗布工程4を設ける。コーティング組成物は透明なコーティング組成物を使用する。着色の色褪せ、変色又は遮熱効果を長期間維持させる場合には実施するのが好ましい。
【0071】
ここで、比較例として、
図9に示すように、基材8表面に顔料72を含有した塗料70を例えば刷毛又はスプレーで塗布した場合は、刷毛塗り又はスプレー噴射した直後には塗膜の表面が柔らかい状態なので第2層をすぐに上に積層させようとすると第1層の塗膜と混合状態になり塗膜が乱れるという問題が生じ積層構造とすることはできない。また、刷毛塗り又はスプレー噴射した直後は、塗膜に触れると塗料が指に付着するため、塗料を固定させるには塗膜の乾燥工程が不可欠である。
【符号の説明】
【0072】
1 顔料含有被膜形成コーティング方法
2 アンダーコート塗布工程
3 顔料含有被膜形成工程
4 トップコート塗布工程
5 ポリッシャー
6 バフ
7 コーティング組成物
8 基材
9 顔料
10 1層目手順
11 手順
12 手順
13 手順
20 2層目手順
30 湿気硬化性固定化成分
31 湿気硬化性シリコーン
32 反応触媒
35 溶剤
35a 揮発性溶剤
35b 不揮発性溶剤
50 顔料含有被膜
51 1層目
52 2層目
61 回転軸
62 硬板
70 塗料
72 顔料
R 回転