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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】両面発光LEDチップ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/22 20100101AFI20240408BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20240408BHJP
【FI】
H01L33/22
H01L33/48
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021538768
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 KR2019018807
(87)【国際公開番号】W WO2020141861
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2018-0174265
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0001089
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521289009
【氏名又は名称】ナノエックス
【氏名又は名称原語表記】NANO-X
【住所又は居所原語表記】3th floor, 110-17, Gajangsaneopseobuk-ro Osan-si Gyeonggi-do 18102 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】パク、デュジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ピルク
【審査官】八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-522871(JP,A)
【文献】特開2016-39365(JP,A)
【文献】特開2016-25205(JP,A)
【文献】特表2013-526052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/222088(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
P層(P)および前記P層(P)の下側方向に備えられたN層(N)を含むP-N接合(10)の電界発光効果を利用したLEDチップにおいて、
前記P層(P)は、
前記P層(P)の上面から前記N層(N)の所定深さまで陰刻されて形成される1個以上のP方向メサ構造(PMS)を含み、
前記N層(N)は、
前記N層(N)の下面に所定深さに陰刻されて形成される1個以上のN方向メサ構造(NMS)を含み、
前記P層(P)の上側方向および前記N層(N)の下側方向にそれぞれ発光することを特徴とする、両面発光LEDチップ。
【請求項2】
前記P層(P)の上面にP方向連結部(20)が備えられ、
前記N層(N)の下面にN方向連結部(30)が備えられ、
前記P方向連結部(20)は前記P層(P)に電源の連結を提供し、
前記N方向連結部(30)は前記N層(N)に電源の連結を提供し、
前記P-N接合(10)は前記P方向連結部(20)および前記N方向連結部(30)により外部環境から保護されることを特徴とする、請求項1に記載の両面発光LEDチップ。
【請求項3】
前記P方向連結部(20)は前記P層(P)上面に備えられるP連結電極610を含み、
前記P層(P)は前記P連結電極(610)を通じて上側方向から電源と連結され、
前記N方向連結部(30)は前記N層(N)下面に備えられるN連結電極(620)を含み、
前記N層(N)は前記N連結電極(620)を通じて下側方向から電源と連結されることを特徴とする、請求項2に記載の両面発光LEDチップ。
【請求項4】
前記P方向連結部(20)は、
前記P層(P)と前記P連結電極(610)の間に備えられて前記P層(P)と前記P連結電極(610)間のオーミック接触を形成するP方向オーミック接触電極(310)を含み、
前記N方向連結部(30)は、
前記N層(N)と前記N連結電極(620)の間に備えられて前記N層(N)と前記N連結電極(620)間のオーミック接触を形成するN方向オーミック接触電極(320)を含むことを特徴とする、請求項3に記載の両面発光LEDチップ。
【請求項5】
前記N方向オーミック接触電極(320)は枝構造(BS)で備えられることを特徴とする、請求項4に記載の両面発光LEDチップ。
【請求項6】
前記P連結電極(610)は前記P層(P)の上面から縁に沿って所定の上側方向の高さの壁形態で備えられ、
前記N連結電極(620)は前記N層(N)の下面から縁に沿って所定の下側方向の高さの壁の形態で備えられることによって、
前記P連結電極(610)はP方向発光の反射板の役割をし、
前記N連結電極(620)はN方向発光の反射板の役割をすることを特徴とする、請求項3に記載の両面発光LEDチップ。
【請求項7】
前記P方向連結部(20)は、
前記P層(P)の上面および前記P連結電極(610)で囲まれた空間に備えられて前記P層(P)を保護し、P方向の発光色を変換するP方向封止材層(710)を含み、
前記N方向連結部(30)は、
前記N層(N)の上面および前記N連結電極(620)で囲まれた空間に備えられて前記N層(N)を保護し、N方向の発光色を変換するN方向封止材層(720)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の両面発光LEDチップ。
【請求項8】
前記P-N接合(10)の外側面および前記P層(P)の上面縁に所定厚さの膜で形成されるP方向絶縁部(210)が備えられ、
前記P方向絶縁部(210)の下面および前記N層(N)の下面縁に所定厚さの膜で形成されるN方向絶縁部(220)が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の両面発光LEDチップ。
【請求項9】
前記P-N接合(10)、前記P方向連結部(20)および前記N方向連結部(30)の外側面にメッキされて備えられる支持金属部(500)をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の両面発光LEDチップ。
【請求項10】
単一LEDチップとしてP-N接合の上側および下側でそれぞれ発光する両面発光LEDチップの製造方法であって、
基板(Sub1)の上面にN層(N)およびP層(P)を成長させてP-N接合(10)を形成する第1段階(S100);
前記P層(P)の上面に前記P層(P)で電源の連結を提供するP方向連結部(20)を形成する第2段階(S200);
前記P-N接合(10)の上下を反転させる第5段階(S500);
前記N層(N)の上面に前記N層(N)で電源の連結を提供するN方向連結部(30)を形成する第6段階(S600);および
前記P-N接合(10)、P方向連結部(20)およびN方向連結部(30)を切断して単一のチップに分離する第7段階(S700);を含み、
前記P方向連結部(20)を形成する第2段階(S200)は、
前記P層(P)の上面に前記P層(P)のオーミック接触のためのP方向オーミック接触電極(310)を積層させる段階(S240);
前記P-N接合(10)の外側面に所定高さの壁形態でP方向支持金属部(510)を形成する段階(S250);
前記P方向支持金属部(510)の内側面に前記P方向オーミック接触電極(310)と連結されるP連結電極(610)を形成する段階(S260);および
前記P層(P)の上面および前記P連結電極(610)で囲まれた空間に封止材を塗布してP方向封止材層(710)を形成する段階(S270);を含むことを特徴とする、両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項11】
前記P方向支持金属部(510)を形成する段階(S250)は、
前記P-N接合(10)の外側面に電解メッキ工程に必要なP方向シードメタル(410)を形成する段階(S251);
前記P-N接合(10)の上面にP方向フォトレジスト(511)を形成する段階(S252);
前記P方向シードメタル(410)を通じての電解メッキ工程で前記P方向支持金属部(510)を形成する段階(S253);および
前記P方向フォトレジスト(511)を除去する段階(S254);を含むことを特徴とする、請求項10に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項12】
前記P方向オーミック接触電極(310)を積層させる段階(S240)の前に、
前記P-N接合(10)の外側面および前記P層(P)の上面縁を所定厚さの膜でコーティングさせてP方向絶縁部(210)を形成する段階(S230)を含むことを特徴とする、請求項10に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項13】
前記P方向オーミック接触電極(310)を形成する段階(S240)の前に、
前記P層(P)および前記N層(N)を所定の幅で食刻して複数個のP-N接合(10)に分離する段階(S220);を含むことを特徴とする、請求項10に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項14】
前記N方向連結部(30)を形成する第6段階(S600)は、
前記N層(N)の上面に前記N層(N)のオーミック接触のためのN方向オーミック接触電極(320)を積層させる段階(S630);
前記P方向支持金属部(510)の上面に所定高さの壁形態でN方向支持金属部(520)を形成する段階(S640);
前記N方向支持金属部(520)の内側面に前記N方向オーミック接触電極(320)と連結されるN連結電極(620)を形成する段階(S650);および
前記N層(N)の上面および前記N連結電極(620)で囲まれた空間に封止材を塗布してN方向封止材層(720)を形成する段階(S660);を含むことを特徴とする、請求項10に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項15】
前記N方向オーミック接触電極(320)を積層させる段階(S630)は、
枝構造(BS)で備えられるN方向オーミック接触電極(320)を積層させることを特徴とする、請求項14に記載の両面発光LEDチップ。
【請求項16】
前記N方向支持金属部(520)を形成する段階(S640)は、
前記P方向支持金属部(510)の上面に電解メッキ工程に必要なN方向シードメタル(420)を形成する段階(S641);
前記P-N接合(10)の上面にN方向フォトレジスト(521)を形成する段階(S642);
前記N方向シードメタル(420)を通じての電解メッキ工程で前記N方向支持金属部(520)を形成する段階(S643);および
前記N方向フォトレジスト(521)を除去する段階(S644);を含むことを特徴とする、請求項14に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項17】
前記N方向オーミック接触電極(320)を積層させる段階(S630)の前に、
前記P方向支持金属部(510)の上面および前記N層(N)の上面縁を所定厚さの膜でコーティングさせてN方向絶縁部(220)を形成する段階(S620)を含むことを特徴とする、請求項14に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項18】
前記P方向オーミック接触電極(310)を積層させる段階(S240)の前に、
前記P層(P)の上面を所定深さだけ陰刻してP方向メサ構造(PMS)を形成する段階(S210)をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項19】
前記N方向オーミック接触電極(320)を積層させる段階(S630)の前に、
前記N層(N)の上面を所定深さだけ陰刻してN方向メサ構造(NMS)を形成する段階(S610)をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項20】
前記P-N接合(10)の上下を反転させる第5段階(S500)の前に、
P方向連結部(20)の上面に支持基板(Sub2)を付着する第3段階(S300);および
前記基板(Sub1)を除去する第4段階(S400);を含むことを特徴とする、請求項10に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【請求項21】
前記単一のチップに分離する第7段階(S700)の後に、
前記支持基板(Sub2)を除去する第8段階(S800)が含まれることを特徴とする、請求項20に記載の両面発光LEDチップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は両面で発光するLEDチップに関する。詳細には、単一のLEDチップであって、上側および下側にそれぞれ発光する両面発光LEDチップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のLEDチップはP-N接合面を基準として一方向にのみ発光する。したがって、従来のLEDチップを使って両面で光を発するようにするためには、各面にLEDチップがそれぞれ装着されなければならず、この場合、厚さが厚くなる問題、電力の浪費が激しい問題および製作費用が増加する問題がある。
【0003】
[先行技術文献]
【0004】
[特許文献]
【0005】
先行文献1:大韓民国公開特許第10-2012-0040972号(2012年04月30日公開)
【0006】
先行文献2:大韓民国登録特許第10-1342418号(2013年12月11日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は両面で発光するLEDチップの構造を提供することである。
【0008】
本発明の他の課題は前記両面発光LEDチップの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するために、本発明はP層および前記P層の下側方向に備えられたN層を含むP-N接合の電界発光効果を利用したLEDチップにおいて、前記P層の上側方向および前記N層の下側方向にそれぞれ発光することを特徴とする両面発光LEDチップを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、両面発光が必要な分野に単一のチップとして適用が可能であるため適用装備の小型化が可能であり、電力効率が増加し、製作費用が減少する効果がある。
【0011】
また、本発明により製造された両面発光LEDチップは、一括工程で製作が可能であるため別途のパッケージング工程が不要である。
【0012】
また、本発明に係る両面発光LEDチップは、LEDで発生した光の内部全反射が減少して光効率が増加する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップを示した斜視図である。
【0014】
図2】本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップを示した断面図である。
【0015】
図3】本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップを分離して垂直に切断したことを示した斜視図である。
【0016】
図4】本発明の第1実施例に係るP-N接合を示した断面図である。
【0017】
図5】本発明の第1実施例に係るP方向発光部を示した断面図である。
【0018】
図6】本発明の第1実施例に係るN方向発光部を示した断面図である。
【0019】
図7】本発明の第1実施例に係るN方向オーミック接触電極を示した平面図である。
【0020】
図8】本発明の第1実施例に係るP-N接合、P方向発光部およびN方向発光部の結合関係を示した断面図である。
【0021】
図9】本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップの製造方法を示したフローチャートである。
【0022】
図10】本発明の第1実施例に係るP-N接合を形成する第1段階を示した断面図である。
【0023】
図11】本発明の第1実施例に係るP方向発光部を形成する第2段階を示したフローチャートである。
【0024】
図12】本発明の第1実施例に係るP方向メサ食刻段階を示した断面図である。
【0025】
図13】本発明の第1実施例に係る分離食刻段階を示した断面図である。
【0026】
図14】本発明の第1実施例に係るP方向絶縁処理段階を示した断面図である。
【0027】
図15】本発明の第1実施例に係るP方向オーミック接触電極形成段階を示した断面図である。
【0028】
図16】本発明の第1実施例に係るP方向選択的メッキ段階を示したフローチャートである。
【0029】
図17】本発明の第1実施例に係るP方向シードメタル形成段階を示した断面図である。
【0030】
図18】本発明の第1実施例に係るP方向フォトレジスト形成段階を示した断面図である。
【0031】
図19】本発明の第1実施例に係るP方向メッキ段階を示した断面図である。
【0032】
図20】本発明の第1実施例に係るP方向フォトレジスト除去段階を示した断面図である。
【0033】
図21】本発明の第1実施例に係るP連結電極形成段階を示した断面図である。
【0034】
図22】本発明の他の実施例に係る枝構造で備えられたP連結電極形成段階を示した断面図である。
【0035】
図23】本発明の他の実施例に係る枝構造で備えられたP連結電極を示した平面図である。
【0036】
図24】本発明の第1実施例に係るP方向封止材層形成段階を示した断面図である。
【0037】
図25】本発明の第1実施例に係る接着剤の塗布および支持基板を付着する第3段階を示した断面図である。
【0038】
図26】本発明の第1実施例に係る基板を分離する第4段階を示した断面図である。
【0039】
図27】本発明の第1実施例に係るチップアレイの上下を反転させる第5段階を示した断面図である。
【0040】
図28】本発明の第1実施例に係るN方向発光部を形成する第6段階を示したフローチャートである。
【0041】
図29】本発明の第1実施例に係るN方向メサ食刻段階を示した断面図である。
【0042】
図30】本発明の第1実施例に係るN方向絶縁処理段階を示した断面図である。
【0043】
図31】本発明の第1実施例に係るN方向オーミック接触電極形成段階を示した断面図である。
【0044】
図32】本発明の第1実施例に係るN方向選択的メッキ段階を示したフローチャートである。
【0045】
図33】本発明の第1実施例に係るN方向シードメタル形成段階を示した断面図である。
【0046】
図34】本発明の第1実施例に係るN方向フォトレジスト形成段階を示した断面図である。
【0047】
図35】本発明の第1実施例に係るN方向メッキ段階を示した断面図である。
【0048】
図36】本発明の第1実施例に係るN方向フォトレジスト除去段階を示した断面図である。
【0049】
図37】本発明の第1実施例に係るN連結電極形成段階を示した断面図である。
【0050】
図38】本発明の第1実施例に係るN方向封止材層形成段階を示した断面図である。
【0051】
図39】本発明の第1実施例に係る接着剤および支持基板を除去した後の両面発光LEDチップを示した断面図である。
【0052】
図40】本発明の第2実施例に係る両面発光LEDチップを示した断面図である。
【0053】
図41】本発明の第2実施例に係るP方向発光部を形成する第2-1段階を示したフローチャートである。
【0054】
図42】本発明の第2実施例に係る第2P方向絶縁処理段階を示した断面図である。
【0055】
図43】本発明の第2実施例に係るN方向発光部を形成する第6-1段階を示したフローチャートである。
【0056】
図44】本発明の第2実施例に係る第2N方向オーミック接触電極形成段階を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
P層(P)および前記P層(P)の下側方向に備えられたN層(N)を含むP-N接合10の電界発光効果を利用したLEDチップにおいて、前記P層(P)の上側方向および前記N層(N)の下側方向にそれぞれ発光することを特徴とする両面発光LEDチップ。
【0058】
本明細書で使われる用語について簡略に説明し、本発明の実施例について具体的に説明することにする。本明細書で使われる用語は本発明での機能を考慮しつつ、できる限り現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新しい技術の出現などにより変わり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明の部分で詳細にその意味を記載するであろう。したがって、本明細書で使われる用語は単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般に亘った内容に基づいて定義されなければならない。
【0059】
本発明を詳細に説明する前に、本明細書で「上側」は図面で上側方向を意味し、「下側」は図面で下側方向を意味する。
【0060】
【0061】
以下、添付された図面を通じて本発明に係る実施例を詳細に説明することにする。
【0062】
【0063】
図1は、本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップを示した斜視図である。
【0064】
本発明に係る両面発光LEDチップは上側方向および下側方向にそれぞれ発光面を有するものの、発光面の形態は設計により変わり得る。本実施例では四角形の発光面を有するものを基準として説明する。本発明によると、両面発光LEDチップは一面から垂直な方向に上側発光(Emit 1)および下側発光(Emit 2)を通じて両面で発光する。
【0065】
【0066】
図2は、本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップを示した断面図である。本発明に係る両面発光LEDチップはP型半導体、N型半導体および電極などが積層されて備えられる。
【0067】
【0068】
以下、図3図9を参照して本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップの構造について詳細に説明する。
【0069】
【0070】
図3は、本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップを分離して垂直に切断したことを示した斜視図である。本発明によると、両面発光LEDチップは、P-N接合10、P方向連結部20およびN方向連結部30を含む。以下、図4を参照してP-N接合10について、図5を参照してP方向連結部20について、図6を参照してN方向連結部30について詳細に説明する。
【0071】
【0072】
図4は、本発明の第1実施例に係るP-N接合10を示した断面図である。P-N接合10はP層(P)、活性層(A)およびN層(N)を含み、電界発光効果によって光を発する構成である。詳細には、P-N接合10はN型半導体で形成されて所定の第1厚さで備えられるN層(N)、前記N層(N)の上面に所定の第2厚さで備えられる活性層(A)および前記活性層(A)の上面にP型半導体で形成されて所定の第3厚さで備えられるP層(P)を含む。
【0073】
P層(P)は電荷輸送者として正孔(hole)が使われるP型半導体からなる層であり、目的とするLEDチップの光学的特性により素材が変わり得る。本説明ではP-GaNを基準として説明する。
【0074】
活性層(A)は電子と正孔が結合して光を発する層であり、本説明ではInGaNまたはGaN層で形成されるものを基準として説明する。
【0075】
N層(N)は電荷輸送者として自由電子(free electron)が使われるN型半導体からなる層であり、目的とするLEDチップの光学的特性により素材が変わり得る。本説明ではN-GaNを基準として説明する。
【0076】
【0077】
一方、P-N接合10では発光効果とともに熱が発生する。したがって、各層の表面積を増やして発熱が容易となり得るように、P-N接合10はメサ構造(Mesa structure)で備えられ得る。ここで「メサ構造」とは、各層の表面が所定深さだけ陰刻されて複数個の島が形成され、各島の縁部分は垂直の崖乃至は斜面で備えられる構造を意味する。本発明の第1実施例によると、P-N接合はP層の表面に形成されるP方向メサ構造(PMS)およびN層の表面に形成されるN方向メサ構造(NMS)を含む。
【0078】
P方向メサ構造(PMS)はP層(P)の上面からN層(N)の所定深さまで陰刻されて形成されるメサ構造であり、複数個のP方向の島110を形成する。設計によりP方向の島110の個数は変わり得る。P方向メサ構造(PMS)がP層(P)の上面から活性層(A)を貫通してN層(N)の所定深さまで陰刻されて備えられるため、各層で発生する熱が効率的に放出され得る。
【0079】
N方向メサ構造(NMS)はN層(N)の下面から所定深さで陰刻されて形成されるメサ構造であり、複数個のN方向の島120を形成する。設計によりN方向の島120の個数は変わり得る。N層(N)はP層(P)に比べて厚い厚さで備えられることが一般的であるので、N方向メサ構造(NMS)はN層(N)にのみ形成される。
【0080】
【0081】
また、P-N接合10の側面および前記P方向メサ構造(PMS)の側面は、金属で形成される部材が接合された時、電荷がP層(P)、活性層(A)およびN(層)を通じずに前記部材を通じて移動することによって、LEDチップの正常機能を妨害し得るという問題点がある。これを防止するために、P方向絶縁部210およびN方向絶縁部220が備えられ得る。
【0082】
P方向絶縁部210はP-N接合10の外側面の表面および前記P方向メサ構造(PMS)の外側面に備えられる膜形態の構成である。P方向絶縁部210の素材は二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(SiN)が使われ得る。
【0083】
N方向絶縁部220はP方向絶縁部210の下面と接して備えられてN層(N)の縁部分を絶縁させるための膜形態の構成である。N方向絶縁部220の素材は二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(SiN)が使われ得る。
【0084】
P方向絶縁部210およびN方向絶縁部220が互いに接して備えられることによって、P-N接合10はP層(P)の上面およびN層(N)の上面のみが露出するように絶縁処理される効果がある。
【0085】
【0086】
図5は、本発明の第1実施例に係るP方向連結部20を示した断面図である。P方向連結部20はP層(P)の上面に備えられてP層(P)に電極を連結し、P-N接合10の上面を保護し、P方向の発光色の変換のための構成である。詳細には、P方向連結部20はP方向オーミック接触電極310、P連結電極610およびP方向封止材層710を含む。
【0087】
P方向オーミック接触電極310は、P層(P)に対するオーミック接触(ohmic contact)を形成するための構成である。詳細には、P方向オーミック接触電極310はP層(P)の上面およびP方向絶縁部210の上面に所定厚さだけ蒸着されて形成され、各P方向の島110とのオーミック接触を形成する。本実施例に係るP方向オーミック接触電極310としては、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide、ITO)、NiAu alloyまたはNiPt alloyなどが使われ得る。
【0088】
P方向封止材層710はP-N接合10の上面を保護し、P方向の発光色の変換のための構成である。詳細には、P方向封止材層710はP方向オーミック接触電極310の上面に備えられて透過する光の色を変換させる。ただし、P連結電極610がP方向オーミック接触電極310と連結されなければならないため、P方向封止材層710はP方向オーミック接触電極310の上面に備えられるものの、P方向オーミック接触電極310の上面縁は露出するように形成される。P方向封止材層710の素材としては、一般の蛍光体およびシリコンの混合物またはシリコン、PIG(Phosphor in Glass)またはRemote Phosphorであり得る。
【0089】
P連結電極610はP方向オーミック接触電極310と連結されてアノード(Anode)の役割をするための構成である。詳細には、P連結電極はP方向封止材層710の側面を囲み、P方向オーミック接触電極310の上面縁に連結されて備えられる。また、P連結電極610は反射板の役割をしてP方向封止材層710の側面を通じて光が漏れることを防止する効果がある。P連結電極610の素材としては、Ti/Ag、Ti/Al、Ti/Au、Ag、Al、Cu、Ni、Ti/Al/Ni/AuまたはCr/Ni/Auなどの合金または金属のうちいずれか一つが使われ得る。
【0090】
【0091】
一方、P-N接合10、P方向オーミック接触電極310およびP方向封止材層710は素材の特性上損傷しやすく、P連結電極610は薄く備えられるためP方向封止材層710を保護する役割はできないという問題点がある。これを解決するために、P方向連結部20はP方向支持金属部510を含むことができる。詳細には、P方向支持金属部510はP方向絶縁部210、P方向オーミック接触電極310およびP連結電極610の外側面に備えられてP-N接合10およびP方向連結部20の構造を保護する。P方向支持金属部510はCu、CuW、NiまたはAuなどの金属のうちいずれか一つが使われ得る。
【0092】
また、P方向支持金属部510を形成するためにP方向シードメタル410が備えられ得る。詳細には、P方向シードメタル410はP方向絶縁部210およびP方向オーミック接触電極310の外側面に薄い膜でコーティングされて備えられることによって、P方向支持金属部510がP方向シードメタル410を通じての電解メッキ工程で形成され得る。
【0093】
【0094】
図6は、本発明の第1実施例に係るN方向連結部30を示した断面図である。N方向連結部30はN層(N)の下面に備えられてN層(N)に電極を連結し、P-N接合10の下面を保護し、N方向の発光色の変換のための構成である。詳細には、N方向連結部30はN方向オーミック接触電極320、N連結電極620およびN方向封止材層720を含む。
【0095】
N方向オーミック接触電極320は、N層(N)に対するオーミック接触(ohmic contact)を形成するための構成である。詳細には、N方向オーミック接触電極320はN層(N)の下面およびN方向絶縁部220の下面に所定厚さだけ蒸着されて備えられ、各N方向の島120とのオーミック接触を形成する。一方、P方向オーミック接触電極310とは異なり、N方向オーミック接触電極320としてはTi/Al/Ni/AuまたはCr/Ni/Auなどの不透明な合金素材が使われ得る。したがって、N方向オーミック接触電極320はN方向枝構造(NBS)で備えられてN層(N)の下面を部分的に露出させるように備えられる。ここで、「枝構造」とは、縁部および縁部から内部方向に伸び出た枝部を含む構造を意味する。
【0096】
図7は、本発明の第1実施例に係るN方向オーミック接触電極320を示した平面図である。図7を参照してN方向枝構造(NBS)について詳細に説明すると、N層(N)の下面縁部分に四角縁の形態のNオーミック縁部321が形成され、前記Nオーミック縁部321から内部方向に伸び出て多岐に分かれるNオーミック枝部322が各N方向メサ構造(NMS)に形成される。Nオーミック縁部321は後述するN連結電極620と連結されるための構成であり、Nオーミック枝部322はN層(N)との接触面積を広げるために前記Nオーミック縁部321から伸び出てN方向メサ構造(NMS)に接する構成である。
【0097】
ただし、図2図6では図面の簡潔化のために3個のN方向メサ構造(NMS)および3個のNオーミック枝部322が備えられ、各N方向メサ構造(NMS)の全体P-N接合10に対する相対的に幅が広いものを基準として図示したが、実際には図7でのように、より多い数のN方向メサ構造(NMS)およびNオーミック枝部322が備えられ得、各N方向メサ構造(NMS)は全体P-N接合10に対して相対的に微細な幅で備えられ得る。
【0098】
【0099】
N方向封止材層720はP-N接合10の下面を保護し、N方向の発光色の変換のための構成である。詳細には、N方向封止材層720はN方向オーミック接触電極320の下面に備えられて透過する光の色を変換させる。ただし、N連結電極620がN方向オーミック接触電極320と連結されなければならないため、N方向封止材層720はN方向オーミック接触電極320の下面に備えられるものの、N方向オーミック接触電極320の下面縁は露出するように形成される。N方向封止材層720の素材としては、一般の蛍光体およびシリコンの混合物またはシリコン、PIG(Phosphor in Glass)またはRemote Phosphorであり得る。
【0100】
N連結電極620はN方向オーミック接触電極320と連結されてカソード(Cathode)の役割をするための構成である。詳細には、N連結電極はN方向封止材層720の側面を囲み、N方向オーミック接触電極320の下面縁に連結されて備えられる。また、N連結電極620は反射板の役割をしてN方向封止材層720の側面を通じて光が漏れることを防止する効果がある。N連結電極620の素材としては、Ti/Ag、Ti/Al、Ti/Au、Ag、Al、CuまたはNiなどの合金または金属のうちいずれか一つが使われ得る。
【0101】
【0102】
一方、N方向オーミック接触電極320およびN方向封止材層720は素材の特性上損傷しやすく、N連結電極620は薄く備えられるため、N方向封止材層720を保護する役割はできないという問題点がある。これを解決するために、N方向連結部30はN方向支持金属部520を含むことができる。詳細には、N方向支持金属部520はN方向オーミック接触電極320およびN連結電極620の外側面に備えられてN方向連結部30の構造を保護する。N方向支持金属部520はCu、CuW、NiまたはAuなどの金属のうちいずれか一つが使われ得る。
【0103】
また、N方向支持金属部520を形成するためにN方向シードメタル420が備えられ得る。詳細には、N方向シードメタル420はN方向オーミック接触電極320の外側面およびN方向絶縁部220の下面に薄い膜でコーティングされて備えられることによって、N方向支持金属部520がN方向シードメタル420を通じての電解メッキ工程で形成され得る。
【0104】
【0105】
図8は、本発明の第1実施例に係るP-N接合10、P方向連結部20およびN方向連結部30の結合関係を示した断面図である。P方向連結部20はP層(P)の上面に備えられてP層(P)に電極を連結し、P-N接合10の上面を保護し、P方向の発光色を変換する。N方向連結部30はN層(N)の下面に備えられてN層(N)に電極を連結し、P-N接合10の下面を保護し、N方向の発光色を変換する。その結果、単一P-N接合10で構成されたLEDチップがP方向連結部20およびN方向連結部30により両面で発光することになる。
【0106】
【0107】
以下、図9図44を参照して本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップの製造方法について詳細に説明する。
【0108】
【0109】
図9は、本発明の第1実施例に係る両面発光LEDチップの製造方法を示したフローチャートである。
【0110】
本発明によると、両面発光LEDチップの製造方法は、基板の上面にP-N接合10を形成する第1段階(S100)、P方向連結部20を形成する第2段階(S200)、接着剤の塗布および支持基板を付着する第3段階(S300)、基板を分離する第4段階(S400)、チップアレイの上下を反転させる第5段階(S500)、N方向LED構造を形成する第6段階(S600)、支持基板および接着剤を除去する第7段階(S700)およびチップアレイを切断して単一のチップを分離する第8段階(S800)を含むことを特徴とする。
【0111】
【0112】
図10は、本発明の第1実施例に係る基板Sub1の上面にP-N接合を形成する第1段階(S100)を示した断面図である。
【0113】
第1段階(S100)はLEDに使われる半導体層が基板Sub1の上面に形成される段階であり、基板Sub1の上面にN層(N)、活性層(A)およびP層(P)が順に形成される。N層(N)、活性層(A)およびP層(P)の各層はMOCVD(Metal-Organic chemical vapor deposition)等の装備によってエピタキシャル成長(EPI Growth)で形成され得る。
【0114】
基板Sub1はLEDを形成するために上面に半導体が成長する基板であり、サファイア(Al)、SiまたはSiCなどの単結晶性基板のうちいずれか一つの素材で備えられる。本説明では所定の厚さを有するサファイア基板を使うものを基準として説明する。
【0115】
【0116】
図11は、本発明の第1実施例に係るP方向連結部20を形成する第2段階(S200)を示したフローチャートである。
【0117】
第2段階(S200)は、P層の上面に電極構造および封止材構造を形成する段階である。詳細には、第2段階(S200)はP方向メサ食刻(Mesa Etching)段階(S210)、分離食刻(Isolation Etching)段階(S220)、P方向絶縁処理(Passivation)段階(S230)、P方向オーミック接触電極310形成段階(S240)、P方向選択的メッキ段階(S250)、P連結電極610形成段階(S260)およびP方向封止材層710形成段階(S270)を含む。
【0118】
【0119】
図12は、本発明の第1実施例に係るP方向メサ食刻段階(S210)を示した断面図である。
【0120】
P方向メサ食刻段階(S210)はP方向メサ構造(PMS)を形成するための段階であり、P層(P)の上面からN層(N)の所定深さまで削って陰刻する段階である。詳細には、P層(P)の上面からあらかじめ設定したパターンに該当する部分をRIE(Reactive-ion etching)またはICP(Inductively Coupled Plasma Etching)などの乾式食刻方式を通じて所定の第1深さだけ削る。本説示例では複数個のP方向の島110を形成するメサ構造であるものを基準として説明した。
【0121】
【0122】
図13は、本発明の第1実施例に係る分離食刻段階(S220)を示した断面図である。
【0123】
分離食刻段階(S220)はP層(P)、活性層(A)およびN層(N)を横および縦に分離して複数個のチップを製造するために、個別チップの間を食刻して除去する段階である。本説明の図面は複数個のチップからなる配列(Array)のうち単一のチップを示したものであり、単一のチップの外側部分が分離食刻されて除去されたものとして図示した。以下、分離食刻段階によって基板が露出した部分を分離部として説明する。分離食刻段階はRIE(Reactive-ion etching)またはICP(Inductively Coupled Plasma Etching)などの乾式食刻方式が使われ得る。
【0124】
【0125】
図14は、本発明の第1実施例に係るP方向絶縁処理段階(S230)を示した断面図である。
【0126】
P方向絶縁処理段階(S230)はP方向絶縁部210を形成する段階である。詳細には、基板Sub1およびチップの全体表面に絶縁膜を所定の第4厚さだけ蒸着させた後、各P方向の島110の上面が露出するように各P方向の島110に該当する部分の絶縁膜は除去される。
【0127】
【0128】
図15は、本発明の第1実施例に係るP方向オーミック接触電極310形成段階(S240)を示した断面図である。
【0129】
P方向オーミック接触電極310形成段階(S240)はP-N接合10の上面にP方向オーミック接触電極310を形成する段階である。詳細には、P-N接合10の上面にP方向オーミック接触電極310が所定の第5厚さだけ蒸着され、形成されたP方向オーミック接触電極310は各P方向の島110の上面に接することになる。
【0130】
【0131】
図16は、本発明の第1実施例に係るP方向選択的メッキ段階(S250)を示したフローチャートである。
【0132】
P方向選択的メッキ段階(S250)はP方向支持金属部510を形成する段階である。詳細には、P方向選択的メッキ段階(S250)はP方向シードメタル410形成段階(S251)、P方向フォトレジスト511形成段階(S252)、P方向メッキ段階(S253)およびP方向フォトレジスト除去段階(S254)を含む。
【0133】
【0134】
図17は、本発明の第1実施例に係るP方向シードメタル410形成段階(S251)を示した断面図である。
【0135】
P方向シードメタル410形成段階(S251)は後述するP方向メッキ段階(S253)で使われる電解メッキ工程のために必要なシードメタルをコーティングする段階である。詳細には、シードメタルが基板およびP-N接合10の上面にコーティングされた後、P-N接合10の上面に該当する部分はエッチング(Etching)およびLift off工程を通じて除去される。したがって、P方向オーミック接触電極310の上面が露出する。
【0136】
【0137】
図18は、本発明の第1実施例に係るP方向フォトレジスト511形成段階(S252)を示した断面図である。
【0138】
P方向フォトレジスト511形成段階(S252)はフォトリソグラフィ(Photolithography)を通じての選択的メッキのためにP方向フォトレジスト511を形成する段階である。詳細には、P-N接合10の上面部分はメッキされないように、P-N接合10の上面にフォトレジスト511を形成する。したがって、P方向シードメタル410のみが露出することになる。
【0139】
【0140】
図19は、本発明の第1実施例に係るP方向メッキ段階(S253)を示した断面図である。
【0141】
P方向メッキ段階(S253)は露出したP方向シードメタル410を通じての電解メッキ工程でP方向支持金属部510を形成する段階である。詳細には、電解メッキ工程によって露出したP方向シードメタル410部位にのみP方向支持金属部510が形成され、フォトレジスト511によりP-N接合10が電解メッキ工程中に損傷することが防止される。
【0142】
【0143】
図20は、本発明の第1実施例に係るP方向フォトレジスト除去段階(S254)を示した断面図である。
【0144】
P方向フォトレジスト除去段階(S254)は選択的メッキのために使われたフォトレジスト511が除去される段階である。したがって、P方向オーミック接触電極310の上面が再び露出する。
【0145】
【0146】
図21は、本発明の第1実施例に係るP連結電極610形成段階(S260)を示した断面図である。
【0147】
P連結電極610形成段階(S260)は、P方向オーミック接触電極310に連結されるP連結電極610を形成する段階である。詳細には、P連結電極610はP方向オーミック接触電極310の上面縁に接し、P方向支持金属部510の内側壁に接するように形成される。また、電源との連結が容易であるようにP方向支持金属部510の上面に所定幅で露出するように形成されることが好ましい。
【0148】
【0149】
一方、P方向オーミック接触電極310は抵抗が高くてP連結電極610との電荷の移動が容易でない場合もあり得るため、P連結電極610はP方向オーミック接触電極310との接触面積を高めるためのP方向枝構造(PBS)を有することができる。ここで「枝構造」とは、前述したN方向枝構造(NBS)と同様に縁部および縁部から内部方向に伸び出た枝部を含む構造を意味する。
【0150】
【0151】
図22は本発明の他の実施例に係る枝構造で備えられたP連結電極610'形成段階(S260')を示した断面図であり、図23は本発明の他の実施例に係る枝構造で備えられたP連結電極610'を示した平面図である。ただし、図22では図面の簡潔化のために3個のP電極枝部612が備えられ、各P電極枝部612の全体P-N接合10に対する相対的な幅が広いものを基準として図示したが、実際には図23でのように、より多い数のP電極枝部612が備えられ得、各P電極枝部612は全体P-N接合10に対して相対的に微細な幅で備えられ得る。
【0152】
図22および図23を参照してP方向枝構造(PBS)について詳細に説明すると、P電極縁部611はP方向オーミック接触電極の上面縁に接し、P方向メッキ金属の内側壁および上面に接するように形成される。また、前記P電極縁部611から内部方向に伸び出て多岐に分かれるP電極枝部612がP方向オーミック接触電極310の上面に複数個形成される。P電極縁部611およびP電極枝部612がそれぞれP方向オーミック接触電極310と接触して形成されることによって、電荷の移動が容易となる。また、P方向枝構造(PBS)およびN方向枝構造(NBS)が対称となるように備えられる場合、スプレッディング効果を増加させる効果がある。
【0153】
【0154】
図24は、本発明の第1実施例に係るP方向封止材層710形成段階(S270)を示した断面図である。
【0155】
P方向封止材層710形成段階(S270)は、P方向オーミック接触電極310の上面にP方向封止材層710を形成する段階である。詳細には、P方向オーミック接触電極310およびP連結電極610で囲まれた空間に封止材が塗布されることによってP方向封止材層710が形成される。
【0156】
【0157】
図25は、本発明の第1実施例に係る接着剤Gの塗布および支持基板Sub2を付着する第3段階(S300)を示した断面図である。
【0158】
接着剤Gの塗布および支持基板Sub2を付着する第3段階(S300)は、後述する段階のためにP方向連結部20の上面に支持基板Sub2を付着する段階である。支持基板Sub2としてはガラス、Si、金属、セラミックのうちいずれか一つの素材が使われ得る。
【0159】
【0160】
図26は、本発明の第1実施例に係る基板Sub1を分離する第4段階(S400)を示した断面図である。
【0161】
基板を除去する第4段階(S400)はN層(N)の下面にN方向連結部30を形成するために基板Sub1を分離して除去する段階である。基板Sub1はLaser Lift-offおよびChemical Lift-off方式を通じて分離することができる。
【0162】
【0163】
図27は、本発明の第1実施例に係るチップアレイの上下を反転させる第5段階(S500)を示した断面図である。
【0164】
チップアレイの上下を反転させる第5段階(S500)は、N方向連結部30を形成しやすく容易にするためにチップアレイの上下を反転させる段階である。以下、反転したN層(N)方向を上側、P層(P)方向を下側と定義して説明する。
【0165】
【0166】
図28は、本発明の第1実施例に係るN方向連結部30を形成する第6段階(S600)を示したフローチャートである。
【0167】
第6段階(S600)は、N層の上面に電極構造および封止材構造を形成する段階である。詳細には、第6段階(S600)はN方向メサ食刻(Mesa Etching)段階(S610)、N方向絶縁処理(Passivation)段階(S620)、N方向オーミック接触電極320形成段階(S630)、N方向選択的メッキ段階(S640)、N連結電極620形成段階(S650)およびN方向封止材層720形成段階(S660)を含む。
【0168】
【0169】
図29は、本発明の第1実施例に係るN方向メサ食刻段階(S610)を示した断面図である。
【0170】
N方向メサ食刻段階(S610)はN方向メサ構造(NMS)を形成するための段階であり、N層(N)の上面から所定深さを削って陰刻する段階である。詳細には、N層(N)の上面からあらかじめ設定したパターンに該当する部分をRIE(Reactive-ion etching)またはICP(Inductively Coupled Plasma Etching)などの乾式食刻方式を通じて所定の第2深さだけ削る。本説示例では複数個のN方向の島120を形成するメサ構造であるものを基準として説明した。
【0171】
【0172】
図30は、本発明の第1実施例に係るN方向絶縁処理段階(S620)を示した断面図である。
【0173】
N方向絶縁処理段階(S620)はN方向絶縁部220を形成する段階である。詳細には、基板Sub1およびチップの全体表面に絶縁膜を所定の第4厚さだけ蒸着させた後、N層(N)の上面が露出するように各N層(N)の上面に該当する部分の絶縁膜は除去される。P方向絶縁部210の場合とは異なり、N方向メサ構造(NMS)には絶縁膜が形成されない。
【0174】
【0175】
図31は、本発明の第1実施例に係るN方向オーミック接触電極320形成段階(S630)を示した断面図である。
【0176】
N方向オーミック接触電極320形成段階(S630)はP-N接合10の上面にN方向オーミック接触電極320を形成する段階である。詳細には、P-N接合10の上面にN方向オーミック接触電極320が所定の第5厚さだけ蒸着されるものの、前述したN方向枝構造(NBS)で形成されることによって、各Nオーミック枝部322がN方向メサ構造(NMS)に接するように備えられる。
【0177】
【0178】
図32は、本発明の第1実施例に係るN方向選択的メッキ段階(S640)を示したフローチャートである。
【0179】
N方向選択的メッキ段階(S640)はN方向支持金属部520を形成する段階である。詳細には、N方向選択的メッキ段階(S640)はN方向シードメタル420形成段階(S641)、N方向フォトレジスト521形成段階(S642)、N方向メッキ段階(S643)およびN方向フォトレジスト除去段階(S644)を含む。
【0180】
【0181】
図33は、本発明の第1実施例に係るN方向シードメタル420形成段階(S641)を示した断面図である。
【0182】
N方向シードメタル420形成段階(S641)は後述するN方向メッキ段階(S643)で使われる電解メッキ工程のために必要なシードメタルをコーティングする段階である。詳細には、シードメタルが基板およびP-N接合10の上面にコーティングされた後、P-N接合10の上面に該当する部分はエッチング(Etching)およびLift off工程を通じて除去される。したがって、N方向オーミック接触電極320および各N方向の島120の上面が露出する。
【0183】
【0184】
図34は、本発明の第1実施例に係るN方向フォトレジスト521形成段階(S642)を示した断面図である。
【0185】
N方向フォトレジスト521形成段階(S642)はフォトリソグラフィ(Photolithography)を通じての選択的メッキのためにN方向フォトレジスト521を形成する段階である。詳細には、P-N接合10の上面部分はメッキされないように、P-N接合10の上面にフォトレジスト521を形成する。したがって、N方向シードメタル420のみが露出することになる。
【0186】
【0187】
図35は、本発明の第1実施例に係るN方向メッキ段階(S643)を示した断面図である。
【0188】
N方向メッキ段階(S643)は露出したN方向シードメタル420を通じての電解メッキ工程でN方向支持金属部520を形成する段階である。詳細には、電解メッキ工程によって露出したN方向シードメタル420部位にだけN方向支持金属部520が形成され、フォトレジスト521によりP-N接合10が電解メッキ工程中に損傷することが防止される。
【0189】
【0190】
図36は、本発明の第1実施例に係るN方向フォトレジスト除去段階(S644)を示した断面図である。
【0191】
N方向フォトレジスト除去段階(S644)は選択的メッキのために使われたフォトレジスト521が除去される段階である。したがって、N方向オーミック接触電極320の上面および各N方向の島120の上面が再び露出する。
【0192】
【0193】
図37は、本発明の第1実施例に係るN連結電極620形成段階(S650)を示した断面図である。
【0194】
N連結電極620形成段階(S650)は、N方向オーミック接触電極320に連結されるN連結電極620を形成する段階である。詳細には、N連結電極620はNオーミック縁部321の上面に接し、N方向支持金属部520の内側壁に接するように形成される。また、電源との連結が容易であるようにN方向支持金属部520の上面に所定幅で露出するように形成されることが好ましい。
【0195】
【0196】
図38は、本発明の第1実施例に係るN方向封止材層720形成段階(S660)を示した断面図である。
【0197】
N方向封止材層720形成段階(S660)は、N方向オーミック接触電極320上面およびN層(N)の上面にN方向封止材層720を形成する段階である。詳細には、N方向オーミック接触電極320、N層(N)およびN連結電極620で囲まれた空間に封止材が塗布されることによってN方向封止材層720が形成される。
【0198】
【0199】
支持基板Sub2および接着剤Gを除去する第7段階(S700)は、N方向連結部30を形成するためにP方向連結部20の下面に付着された支持基板Sub2および接着剤Gを除去することによって、P方向連結部20を再び露出させる段階である。
【0200】
チップアレイを切断して単一のチップを分離する第8段階(S800)は、アレイを形成している複数個のチップをそれぞれ切断して分離する段階である。各単一のチップはLaser Scribe工程またはDicing工程を通じて切断され得る。
【0201】
【0202】
図39は、本発明の第1実施例に係る接着剤および支持基板を除去した後の両面発光LEDチップを示した断面図である。前述した第7段階(S700)および第8段階(S800)を経た後、単一両面発光LEDチップが完成される。
【0203】
【0204】
一方、本発明の第2実施例として、P方向メサ構造(PMS)および/またはN方向メサ構造(NMS)がないフラット構造の両面発光LEDチップが提供され得る。詳細には、本発明の第2実施例としてN層(N)、活性層(A)およびP層(P)はメサ構造がないフラット構造で備えられ、各P方向の島110および各N方向の島120が形成されない両面発光LEDチップが提供され得る。
【0205】
以下、図40図44を参照して本発明の第2実施例について詳細に説明する。
【0206】
図40は、本発明の第2実施例に係る両面発光LEDチップを示した断面図である。図39に示された第1実施例に係る両面発光LEDチップとは異なり、前記第1実施例に係るP方向絶縁処理段階(S230)でP方向メサ構造(PMS)に形成された絶縁膜が除外された変形P方向絶縁部210'が備えられる。また、前記第1実施例に係るN方向オーミック接触電極320形成段階(S630)でN方向メサ構造(NMS)に形成されたNオーミック枝部322は、N方向メサ構造(NMS)に形成される代わりにN層(N)の上面に接する変形N方向枝構造(NBS「)で形成される。
【0207】
【0208】
図41は、本発明の第2実施例に係るP方向発光部20'を形成する第2-1段階(S200')を示したフローチャートである。第2-1段階(S200')は前記第1実施例の第2段階(S200)を代替する段階である。前記第2段階(S200)でP方向メサ食刻段階(S210)が除外され、P方向絶縁処理段階(S230)は変形P方向絶縁処理段階(S230')に代替される。その他には第1実施例のように、分離食刻段階(S220)、P方向オーミック接触電極310形成段階(S240)、P方向選択的メッキ段階(S250)、P連結電極610形成段階(S260)およびP方向封止材層710形成段階(S270)を含む。
【0209】
【0210】
図42は、本発明の第2実施例に係る第2P方向絶縁処理段階(S230')を示した断面図である。第2P方向絶縁処理段階(S230')は前記第1実施例でのP方向絶縁処理段階(S230)でP方向メサ構造(PMS)に形成された絶縁膜が除外されることを特徴とする。本発明の第2実施例によると、メサ構造が形成されないため、チップの分離部分のみが絶縁処理される。詳細には、基板Sub1およびチップの全体表面に絶縁膜を所定の第4厚さだけ蒸着させた後、P層(P)の上面に該当する部分の絶縁膜は除去される。
【0211】
【0212】
図43は、本発明の第2実施例に係るN方向連結部30を形成する第6-1段階(S600')を示したフローチャートである。第6-1段階(S600')は前記第1実施例の第6段階(S600)を代替する段階である。前記第6段階(S600)でN方向メサ食刻段階(S610)が除外され、N方向オーミック接触電極320形成段階(S630)は変形N方向オーミック接触電極(320')形成段階(S630')に代替される。その他には第1実施例のように、N方向絶縁処理段階(S620)、N方向選択的メッキ段階(S640)、N連結電極620形成段階(S650)およびN方向封止材層720形成段階(S660)を含む。
【0213】
【0214】
図44は、本発明の第2実施例に係る変形N方向オーミック接触電極(320')形成段階(S630')を示した断面図である。変形N方向オーミック接触電極(320')形成段階(S630')は前記第1じっしれでのN方向オーミック接触電極320形成段階(S630)でN方向オーミック接触電極320がN方向メサ構造(NMS)に形成される代わりに、N層(N)の上面に接する変形N方向枝構造(NBS')で形成されることを特徴とする。
【0215】
産業上利用の可能性
【0216】
本発明によると、両面発光が必要な分野に単一のチップとして適用が可能であるため適用装備の小型化が可能であり、電力効率が増加し、製作費用が減少する効果がある。
【0217】
また、本発明により製造された両面発光LEDチップは、一括工程で製作が可能であるため別途のパッケージング工程が不要である。
【0218】
また、本発明に係る両面発光LEDチップは、LEDで発生した光の内部全反射が減少して光効率が増加する効果がある。
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