(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】洗浄方法及び洗浄ブラシ及び洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
B08B3/02 E
(21)【出願番号】P 2023158099
(22)【出願日】2023-09-22
【審査請求日】2023-09-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年4月29日公開 https://www.instagram.com/gaihekiwash/
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523365583
【氏名又は名称】株式会社リホム
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 将
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-179832(JP,U)
【文献】実開昭52-162777(JP,U)
【文献】実開昭54-089857(JP,U)
【文献】実開昭54-107162(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0286963(US,A1)
【文献】特開2001-238841(JP,A)
【文献】実開昭54-116961(JP,U)
【文献】実開昭48-022453(JP,U)
【文献】実開平01-153179(JP,U)
【文献】中国実用新案第211685022(CN,U)
【文献】中国実用新案第209776388(CN,U)
【文献】中国実用新案第208134290(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00~ 3/14
A46B 11/00
A46B 11/06
B60S 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物へ接触される毛束と、前記毛束が取り付けられる
表面を有するプレート形状の植毛部と、前記植毛部に設けられ、かつ、前記対象物へ噴射される液体が通る液体噴射孔と、前記植毛部に接続されて作業者が手で握る操作棒と、を有する洗浄ブラシを用いて前記対象物を洗浄する洗浄方法であって、
前記洗浄ブラシは、前記植毛部
の厚さ方向で前記表面の反対に位置する背面に固定されたボス部と、前記操作棒を前記ボス部に対し作動可能に接続する接続部と、前記植毛部に固定され、かつ、前記液体噴射孔に接続された液体供給管と、前記液体供給管に設けられ、かつ、前記液体供給管へ供給される液体が流れる補助供給管が取り付け及び取り外しされる接続管と、を有
し、
前記液体供給管は、第1供給管及び第2供給管を有し、
前記第1供給管と前記第2供給管とが、前記接続管から逆向きに突出され、
前記植毛部の平面視で、前記第1供給管及び前記第2供給管は、前記背面の領域内に配置され、
前記第1供給管及び前記第2供給管は、
前記接続部に接続され、かつ、前記背面と平行に配置された第1構成部と、
前記第1構成部に接続され、かつ、前記背面に固定され、かつ、前記背面に対し垂直に配置された第2構成部と、
をそれぞれ有する、洗浄方法。
【請求項2】
請求項1記載の洗浄方法であって、
前記液体供給管及び前記接続管は、前記ボス部、前記接続部、及び前記操作棒から独立して設けられている、洗浄方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の洗浄方法であって、
前記操作棒は、中空のパイプ構造であり、
前記液体供給管及び前記接続管は、前記操作棒の外に設けられている、洗浄方法。
【請求項4】
請求項1または2記載の洗浄方法であって、
前記接続部は、前記植毛部に沿った方向に延ばされた支持軸を有し、
前記操作棒は、前記支持軸に対して垂直な平面内で、前記支持軸を中心として作動可能である、洗浄方法。
【請求項5】
請求項1または2記載の洗浄方法であって、
前記植毛部の平面視で、前記液体噴射孔が設けられている第1領域における前記毛束の配置密度は、前記液体噴射孔が設けられていない第2領域における前記毛束の配置密度より低い、洗浄方法。
【請求項6】
請求項1または2記載の洗浄方法であって、
前記植毛部は、2つの長縁及び2つの短縁を有し、
前記ボス部は、前記2つの長縁に沿った方向で前記第1供給管の前記第2構成部と、前記第2供給管の前記第2構成部との間に配置され、かつ、前記2つの長縁に沿った方向で前記植毛部の中央に固定されている、洗浄方法。
【請求項7】
対象物へ接触される毛束と、
前記毛束が取り付けられる
表面を有するプレート形状の植毛部と、
前記植毛部に設けられ、かつ、前記対象物へ噴射される液体が通る液体噴射孔と、
前記植毛部に接続されて作業者が手で握る操作棒と、
を有する洗浄ブラシであって、
前記植毛部
の厚さ方向で前記表面の反対に位置する背面に固定されたボス部と、
前記操作棒を前記ボス部に対し作動可能に接続する接続部と、
前記植毛部に固定され、かつ、前記液体噴射孔に接続された液体供給管と、
前記液体供給管に設けられ、かつ、前記液体供給管へ供給される液体が流れる補助供給管が取り付け及び取り外しされる接続管と、
を有し、
前記液体供給管は、第1供給管及び第2供給管を有し、
前記第1供給管と前記第2供給管とが、前記接続管から逆向きに突出され、
前記植毛部の平面視で、前記第1供給管及び前記第2供給管は、前記背面の領域内に配置され、
前記第1供給管及び前記第2供給管は、
前記接続部に接続され、かつ、前記背面と平行に配置された第1構成部と、
前記第1構成部に接続され、かつ、前記背面に固定され、かつ、前記背面に対し垂直に配置された第2構成部と、
をそれぞれ有する、洗浄ブラシ。
【請求項8】
対象物へ液体を噴射できる洗浄ブラシと、前記洗浄ブラシへ液体を供給する液体供給源と、を有する洗浄装置であって、
前記洗浄ブラシは、
前記対象物へ接触される毛束と、
前記毛束が取り付けられる
表面を有するプレート形状の植毛部と、
前記植毛部に設けられ、かつ、前記対象物へ噴射される液体が通る液体噴射孔と、
前記植毛部に接続されて作業者が手で握る操作棒と、
前記植毛部
の厚さ方向で前記表面の反対に位置する背面に固定されたボス部と、
前記操作棒を前記ボス部に対し作動可能に接続する接続部と、
前記植毛部に固定され、かつ、前記液体噴射孔に接続された液体供給管と、
前記液体供給管に設けられ、かつ、前記液体供給管へ供給される液体が流れる補助供給管が取り付け及び取り外しされる接続管と、
を有し、
前記液体供給管は、第1供給管及び第2供給管を有し、
前記第1供給管と前記第2供給管とが、前記接続管から逆向きに突出され、
前記植毛部の平面視で、前記第1供給管及び前記第2供給管は、前記背面の領域内に配置され、
前記第1供給管及び前記第2供給管は、
前記接続部に接続され、かつ、前記背面と平行に配置された第1構成部と、
前記第1構成部に接続され、かつ、前記背面に固定され、かつ、前記背面に対し垂直に配置された第2構成部と、
をそれぞれ有し、
前記液体供給源は、水供給源及び洗浄液タンクを含み、
前記補助供給管は、
前記水供給源に接続される水供給管と、
前記洗浄液タンクに接続される洗浄液供給管と、
を含む、洗浄装置。
【請求項9】
請求項8記載の洗浄装置であって、
前記操作棒は、中空のパイプ構造であり、
前記液体供給管、前記接続管、前記水供給管、及び前記洗浄液供給管は、前記操作棒の外に設けられる、洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象物に液体を噴射して洗浄する洗浄方法及び洗浄ブラシ及び洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物に液体を噴射することのできる洗浄ブラシの一例が、非特許文献1に記載されている。非特許文献1に記載されている洗浄ブラシは、複数の毛束が設けられた植毛部と、植毛部に設けられた水噴射孔と、植毛部に固定されたボス部と、ボス部に接続部を介して取り付けられた操作棒と、を有する。操作棒は、植毛部に対して接続部を中心として作動可能である。操作棒の内部、及びボス部に通路が設けられており、操作棒の後端から水が供給されると、その水が通路を通って水噴射孔から噴射される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】amazon(登録商標).co.jp/タカギ(takagi)伸縮型パチット洗車ブラシG271[令和5年9月19日検索]、インターネット、<https://www.amazon.co.jp/%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%82%AE-takagi-G271-%E4%BC%B8%E7%B8%AE%E5%9E%8B%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%83%E3%83%88%E6%B4%97%E8%BB%8A%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B7-G271%E3%80%902%E5%B9%B4%E9%96%93%E3%81%AE%E5%AE%89%E5%BF%83%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E3%80%91/dp/B000EVPHFI/ref=psdc_2045111051_t1_B09WKFMMTF?th=1>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、非特許文献1に記載されている洗浄ブラシは、通路が操作棒及び接続部に亘って設けられているため、非特許文献1に記載されている洗浄ブラシを使用して対象物を洗浄する方法を行うと、操作棒を作動させると通路を流れる液体が漏れる可能性がある、という課題を認識した。
【0005】
本開示の目的は、操作棒と植毛部との接続部から液体漏れが生じることを抑制できる洗浄方法及び洗浄ブラシ及び洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、対象物へ接触される毛束と、前記毛束が取り付けられる植毛部と、前記植毛部に設けられ、かつ、前記対象物へ噴射される液体が通る液体噴射孔と、前記植毛部に接続されて作業者が手で握る操作棒と、を有する洗浄ブラシを用いて前記対象物を洗浄する洗浄方法であって、前記洗浄ブラシは、前記植毛部に設けられたボス部と、前記操作棒を前記ボス部に対し作動可能に接続する接続部と、前記植毛部に固定され、かつ、前記液体噴射孔に接続された液体供給管と、前記液体供給管に設けられ、かつ、前記液体供給管へ供給される液体が流れる補助供給管が取り付け及び取り外しされる接続管と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態の洗浄方法は、操作棒と植毛部との接続部から液体漏れが生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】洗浄方法に用いる洗浄装置の全体を示す模式図である。
【
図2】(A)は、洗浄ブラシの正面図、(B)は、洗浄ブラシの植毛部の表面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(概要)
洗浄方法及び洗浄ブラシ及び洗浄装置に含まれるいくつかの実施形態は、図面に基づいて説明されている。洗浄装置の実施形態を説明するための図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1には、対象物を洗浄する洗浄方法の工程で用いられる洗浄装置10が示されている。洗浄装置10は、洗浄ブラシ11、洗浄液タンク12、ポンプ13、水供給源14を有する。洗浄ブラシ11は、植毛部16と、植毛部16に設けられた液体供給管21,22と、植毛部16に設けられたボス部19と、ボス部19に接続された操作棒20と、を有する。植毛部16は、台座またはヘッドと定義してもよい。植毛部16の材質は、例えば、合成樹脂または金属であり、植毛部16は、プレート形状を有する。植毛部16の平面形状は、四角形、例えば、長方形である。植毛部16は、2つの長縁23,24、及び2つの短縁25,26を有する長縁23,24同士は平行であり、短縁25,26同士は平行である。
【0010】
植毛部16は、表面27及び背面28を有し、表面27及び背面28は、植毛部16の厚さ方向で反対の位置に設けられている。表面27と背面28とは平行である。液体噴射孔17,18が、植毛部16を厚さ方向に貫通して設けられている。液体噴射孔17,18は、長縁23,24に沿った方向に間隔をおいて複数、例えば、2個設けられている。2つの液体噴射孔17,18は、長縁23,24に沿った方向の中央位置を隔てて配置されている。表面27に複数の毛束15が設けられている。
【0011】
毛束15は、合成樹脂、例えば、ナイロンの毛を複数本束ねて表面27に固定したものである。複数の毛束15は、表面27から所定量、例えば、35mm突出されている。表面27において、液体噴射孔17または液体噴射孔18が設けられている単数の第1領域A1における毛束15の配置密度は、液体噴射孔17,18が設けられていない第2領域A2における毛束15の配置密度より低い。表面27の平面視で、第1領域A1の面積と、第2領域A2の面積とは、同じである。なお、
図2(B)に示す第1領域A1及び第2領域A2は、共に円形である。
【0012】
2本の液体供給管21,22は、
図2(A)のように、植毛部16の背面28へ固定されている。2本の液体供給管21,22の材質は、例えば、合成樹脂または金属である。液体供給管21は、液体噴射孔17へ接続され、液体供給管22は、液体噴射孔18へ接続されている。液体供給管21,22は、管継手37へ接続されている。
図2(A)のように、植毛部16を正面視すると、管継手37を隔てて液体供給管21,22が設けられている。管継手37は、液体供給管21,22につながるように分岐された通路を有する。管継手37の材質は、合成樹脂または金属である。
【0013】
液体供給管21は、第1構成部21A及び第2構成部21Bを有する。第1構成部21Aは、背面28と平行に配置され、第2構成部21Bは、背面28に対し垂直に配置されている。第1構成部21Aは、管継手37へ接続され、第2構成部21Bは、第1構成部21Aへ接続され、かつ、背面28へ固定されている。
図2(A)のように、植毛部16を正面視すると、第2構成部21B及び第2構成部22Bは、長縁23,24に沿った方向に間隔をおいて背面28へ固定されている。
図2(A)のように、植毛部16を正面視すると、ボス部19は、長縁23,24に沿った方向において、第2構成部21Bと第2構成部22Bとの間に配置されている。第1構成部21Aと第1構成部22Aとが、長縁23,24に沿った方向で管継手37から逆向きに突出されている。
【0014】
液体供給管22は、第1構成部22A及び第2構成部22Bを有する。第1構成部22Aは、背面28と平行に配置され、第2構成部22Bは、背面28に対し垂直に配置されている。第1構成部22Aは、管継手37へ接続され、第2構成部22Bは、第1構成部22Aへ接続され、かつ、背面28へ固定されている。第1構成部21A及び第1構成部22Aは、同軸上に配置されている。
【0015】
ボス部19は、背面28へ固定要素、例えば、ねじ部材により固定されている。植毛部16を
図4のように平面視すると、ボス部19は、長縁23,24に沿った方向で略中央に配置されている。ボス部19の材質は、例えば、合成樹脂または金属である。操作棒20は、ボス部19に接続部29を介して取り付けられている。操作棒20の中心を通る中心線B2が示されており、中心線B2の延長上にボス部19及び管継手37が設けられている。接続部29は、支持軸30及びノブ31を有し、操作棒20は、接続部29へ接続されている。
【0016】
図3のように、接続部29は支持軸30を有する。操作棒20は、支持軸30に対して垂直な平面内で、支持軸30を中心として所定角度θ1の範囲内で作動可能である。所定角度θ1は、ボス部19の中心を通る中心線B1と、操作棒20の中心を通る中心線B2とにより形成される角度である。支持軸30は、背面28と平行に配置され、かつ、支持軸30は、長縁23,24の長手方向に沿って延ばされている。作業者がノブ31を操作することにより、操作棒20が支持軸30を中心として作動可能な状態と、操作棒20が固定された状態とを、切り替えることができる。
【0017】
操作棒20は、作業者が手で握る要素である。操作棒20は、
図4のように、第1シャフト32、第2シャフト33、第3シャフト34を有する。第1シャフト32、第2シャフト33、第3シャフト34の材質は、例えば、金属または合成樹脂である。第1シャフト32、第2シャフト33、及び第3シャフト34は、何れも中空のパイプ構造である。第1シャフト32の第1端部は、接続部29に接続され、第1シャフト32の第2端部は、連結要素35を介して第2シャフト33の第1端部に接続されている。第2シャフト33の第2端部は、連結要素36を介して第3シャフト34に接続されている。第1シャフト32、第2シャフト33、第3シャフト34は、中心線B2を中心として設けられている。作業者は、連結要素35,36を操作することにより、操作棒20を中心線B2に沿った方向に伸縮させることができ、かつ、操作棒20の長さを固定することができる。
【0018】
水供給源14は、例えば、水道の蛇口、水タンクである。水供給源14の水を洗浄ブラシ11へ供給する水供給管38,39及びハブ40が設けられている。水供給管39は、水供給源14及びハブ40へ接続される。ハブ40は、複数の接続ポートを有する。水供給管38は、管継手37及び接続ポート41の何れかへ接続される。水供給管38,39の材質は、例えば、合成樹脂である。ハブは、複数の接続ポート41をそれぞれ開閉するレバーを有する。水供給管38と管継手37とが、公知の接続機構により接続及び取り外しできる。また、水供給管39と管継手37とが、公知の接続機構により接続及び取り外しできる。接続機構は、カプラ、ソケット等を含む。
【0019】
洗浄液タンク12は、内部に洗浄液が溜められている。洗浄液は、薬液を含む。洗浄液は、水系、準水系、炭化水素系、アルコール系等を条件に応じて用いることができる。条件は、洗浄される対象物C1の材質、対象物C1の汚れ程度、対象物C1の周囲の環境、等を含む。洗浄液タンク12の底部に供給口45が設けられている。ポンプ13は、電動モータにより駆動され、ポンプ13は、吸い込み口43及び吐出口42を有する。吸い込み口43は、洗浄液供給管44を介して供給口45へ接続される。吐出口42は、洗浄液供給管47へ接続される。洗浄液供給管44,47の材質は、例えば、合成樹脂である。洗浄液供給管47は、管継手37へ接続及び取り外しすることができる。洗浄液タンク12及びポンプ13が一体化されてユニット46を構成していてもよい。
【0020】
液体供給管21,22、水供給管38、洗浄液供給管47及び管継手37は、ボス部19及び操作棒20から独立して設けられる。液体供給管21,22、水供給管38、洗浄液供給管47及び管継手37は、ボス部19及び操作棒20とは、物理的に別の部材である。液体供給管21,22、水供給管38、洗浄液供給管47及び管継手37は、ボス部19及び操作棒20の外に設けられる。
【0021】
(洗浄工程)
洗浄装置10により対象物C1を洗浄する工程例は、次の通りである。対象物C1を洗浄する洗浄方法では、
図5に示す第1工程S1及び第2工程S2が行われる。第2工程S2は、第1工程S1に次いで行われる。第1工程S1では、洗浄液タンク12内の洗浄液が、対象物C1の表面へ吹き付けられる。作業者は、第1工程S1を行う前に、洗浄液供給管47を管継手37へ接続する。また、水供給管38は、管継手37から取り外されている。ポンプ13が駆動されると、ポンプ13は、洗浄液タンク12内の洗浄液を吸い込み口43から吸い込む。また、ポンプ13は、洗浄液を吐出口42から洗浄液供給管47へ吐出する。洗浄液供給管47を流れる洗浄液は、液体噴射孔17,18から噴射される。
【0022】
作業者は、操作棒20を手で握り、
図3のように、毛束15の先端を対象物C1の表面へ接触させ、洗浄ブラシ11を対象物C1に沿って移動、例えば、往復移動させる。すると、液体噴射孔17,18から噴射される洗浄液が、対象物C1の表面へ吹き付けられ、かつ、毛束15が対象物C1の表面を擦ることで、洗浄液が対象物C1の表面に満遍なく塗布される。作業者は、対象物C1へ洗浄液を塗布する作業が完了すると、ポンプ13を停止させる。作業者は、対象物C1へ洗浄液を塗布する作業が完了した後、所定時間、例えば10分程度が経過した後、第2工程S2を行う。対象物C1へ洗浄液を塗布する作業が完了した後、所定時間が経過している間に、対象物C1の表面の汚れが浮き上がる。
【0023】
作業者は、第2工程S2を行う前に、洗浄液供給管47を管継手37から取り外し、水供給管38を管継手37へ接続する。また、ポンプ13は、洗浄液を吐出口42から洗浄液供給管47へ吐出する。第2工程S2では、水供給源14の水が水供給管39、ハブ40、水供給管38を通って液体供給管21,22へ供給される。さらに、水は、液体噴射孔17,18から噴射される。
【0024】
作業者は、操作棒20を手で握り、
図3のように、毛束15の先端を対象物C1の表面へ接触させ、洗浄ブラシ11を対象物C1に沿って移動、例えば、往復移動させる。すると、液体噴射孔17,18から噴射される水が、対象物C1の表面へ吹き付けられ、かつ、毛束15が対象物C1の表面を擦ることで、対象物C1の表面の汚れ、例えば、付着物、異物が掻き落とされる。このように、作業者が洗浄ブラシ11を使用して第1工程S1及び第2工程S2を行うことにより、対象物C1の表面を洗浄することができる。
【0025】
なお、対象物C1が、例えば、建築物の外壁であり、対象物C1の表面が略垂直方向に沿って延ばされている場合、垂直方向で上から下へ向けて洗浄ブラシ11を段階的に移動させる。また、日当たりがよい条件の対象物C1に対して、第1工程S1及び第2工程S2を行う場合、日が当たらない時間帯に第1工程S1を完了させると、洗浄液が揮発する前に第2工程S2を行うことで、汚れ除去機能を確保することができる。
【0026】
(実施形態の効果)
液体供給管21,22、水供給管38、洗浄液供給管47及び管継手37は、ボス部19及び操作棒20から独立して設けられる。液体供給管21,22、水供給管38、洗浄液供給管47及び管継手37は、ボス部19及び操作棒20とは、物理的に別の部材である。液体供給管21,22、水供給管38、洗浄液供給管47及び管継手37は、ボス部19及び操作棒20の外に設けられる。
【0027】
このため、操作棒20が支持軸30を支点として作動された場合に、ボス部19または接続部29から洗浄液または水が漏れることを防止できる。また、所定角度θ1が相対的に小さくなった場合でも、
図3に示される角度θ2が、相対的に狭くなることはない。角度θ2は、支持軸30に対して垂直な平面内で、中心線B3と中心線B4との間に形成される角度である。中心線B3は、液体供給管21,22の中心を意味する。中心線B4は、水供給管38または洗浄液供給管47の中心を意味する。このため、洗浄液の供給経路の有効断面積が相対的に狭くなること、または、水の供給経路の有効断面積が相対的に狭くなること、を防止できる。したがって、洗浄液の流通抵抗が増加すること、または、水の流通抵抗が増加すること、を防止できる。
【0028】
さらに、水供給源14が水道であると、洗浄ブラシ11に供給される水圧は約4.0Mpaである。これに対して、比較例である高圧洗浄機の水圧は、約6.0Mpa~12.0Mpaである。したがって、本実施例の洗浄ブラシ11を使用すると、対象物C1の材質が軟質材であっても、対象物C1の表面の変形、傷等を抑制できる。
【0029】
さらに、
図2(B)に示すように、第1領域A1における毛束15の配置密度は、第2領域A2における毛束15の配置密度より低い。したがって、液体噴射孔17,18から噴射される水または洗浄液が、対象物C1の表面に到達し易くなる。また、
図4のように、操作棒20の中心線B2を隔てて第1構成部21Aと第1構成部22Aとが配置されている。そして、
図2(A)のように、第1構成部21Aと第1構成部22Aとが、管継手37から逆向きに突出されている。このため、水または洗浄液が、第1構成部21A及び第1構成部22A内を通る場合の反力が相殺される。したがって、操作棒20を手で握る作業者の負担を軽減でき、かつ、操作棒20及び植毛部16が、
図4において左右方向に振動することを抑制できる。また、洗浄液の噴射位置、水の噴射位置が変動することを抑制できる。
【0030】
(その他の説明)
本実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。洗浄装置10は、洗浄装置の一例である。洗浄ブラシ11は、洗浄ブラシの一例である。毛束15は、毛束の一例である。植毛部16は、植毛部の一例である。液体噴射孔17,18は、液体噴射孔の一例である。操作棒20は、操作棒の一例である。ボス部19は、ボス部の一例である。接続部29は、接続部の一例である。液体供給管21,22は、液体供給管の一例である。水供給管38及び洗浄液供給管47は、補助供給管の一例である。水供給管38は、水供給管の一例である。洗浄液供給管47は、洗浄液供給管の一例である。管継手37は、接続管の一例である。支持軸30は、支持軸の一例である。第1領域A1は、第1領域の一例である。第2領域A2は、第2領域の一例である。水供給源14は、水供給源の一例である。洗浄液タンク12は、洗浄液タンクの一例である。洗浄液タンク12及び水供給源14は、液体供給源の一例である。液体供給管21は、第1供給管の一例である。液体供給管22は、第2供給管の一例である。水及び洗浄液は、液体の一例である。
【0031】
本実施形態は、図面を用いて開示されたものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、なお、
図2(B)に示す第1領域及び第2領域の形状は、円形、三角形、四角形、楕円形、等のうちの何れであってもよい。また、洗浄ブラシで洗浄される対象物は、建築物の外壁、建築物の屋根、屋根の瓦、建築物の窓ガラス、等の何れであってもよい。また、第2工程で噴射する液体は、水に代えて温湯であってもよい。本実施形態には、洗浄ブラシから対象物に向けて洗浄液を噴射する第1工程と、第1工程の次に行われ、かつ、洗浄ブラシから対象物に向けて水を噴射する第2工程と、を行う洗浄方法が記載されている。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本開示は、洗浄液を対象物へ吹き付ける工程と、ブラシで対象物を擦る工程とを、並行して行なうことのできる洗浄方法及び洗浄ブラシ及び洗浄装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
10…洗浄装置、11…洗浄ブラシ、12…洗浄液タンク、14…水供給源、15…毛束、16…植毛部、17,18…液体噴射孔、19…ボス部、20…操作棒、21,22…液体供給管、29…接続部、30…支持軸、37…管継手、38…水供給管、47…洗浄液供給管、A1…第1領域、A2…第2領域
【要約】
【課題】操作棒と植毛部との接続部から液体漏れが生じることを抑制できる洗浄方法を提供する。
【解決手段】対象物へ接触される毛束15と、毛束15が取り付けられる植毛部16と、植毛部16に設けられて液体が通る液体噴射孔18と、植毛部16に接続されて作業者が手で握る操作棒20と、を有する洗浄ブラシ11を使用して対象物を洗浄する洗浄方法であって、洗浄ブラシ11は、植毛部16に設けられたボス部19と、操作棒20をボス部19に対し作動可能に接続する接続部29と、植毛部16に固定され、かつ、液体噴射孔18に接続された液体供給管22と、液体供給管22に設けられ、かつ、液体供給管22へ供給される液体が流れる水供給管38または洗浄液供給管47が取り付け及び取り外しされる管継手37と、を有する、洗浄方法である。
【選択図】
図3