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特許7466976バッテリーパックおよびこれを含むデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】バッテリーパックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/284 20210101AFI20240408BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20240408BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240408BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240408BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240408BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240408BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240408BHJP
【FI】
H01M50/284
H01M10/42 P
H01M50/204 401D
H01M50/204 401H
H01M50/271 S
H01M50/289
H01M50/505
H01M50/569
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022540561
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 KR2021013821
(87)【国際公開番号】W WO2022080761
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0131091
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョンモク・シン
(72)【発明者】
【氏名】ジウン・キム
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-510956(JP,A)
【文献】特表2020-501302(JP,A)
【文献】特開2010-142083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01P 1/00- 1/08
H01P 3/00- 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に2列に配置される複数の第1バッテリーモジュール及び複数の第2バッテリーモジュール;
前記複数の第1バッテリーモジュール及び前記複数の第2バッテリーモジュールを収容し、前記複数の第1バッテリーモジュールの間および前記複数の第2バッテリーモジュールの間を区画する複数のクロスビームを含むバッテリーケース;
前記複数の第1バッテリーモジュールと前記複数の第2バッテリーモジュールとの間で前記複数の第1バッテリーモジュールの側面に位置し、前記第1方向に配列される複数の第1スレーブBMS;
記複数の第1バッテリーモジュールと前記複数の第2バッテリーモジュールとの間で前記複数の第2バッテリーモジュールの側面に位置し、前記第1方向に配列される複数の第2スレーブBMS;および
前記第1スレーブBMS及び前記第2スレーブBMSと通信して前記第1スレーブBMS及び前記第2スレーブBMSを制御するマスターBMSを含み、
前記第1スレーブBMS、前記第2スレーブBMS及び前記マスターBMSにはアンテナが形成され、
前記複数の第1バッテリーモジュールの上側部で前記第1方向に沿って延長形成された第1ウェーブ経路ガイド;および
前記複数の第2バッテリーモジュールの上側部で前記第1方向に沿って延長形成された第2ウェーブ経路ガイドをさらに含み、
前記複数の第1スレーブBMSと前記複数の第2スレーブBMSは、それぞれ前記第1ウェーブ経路ガイドと前記第2ウェーブ経路ガイドとの間で前記第1方向に配列される、バッテリーパック。
【請求項2】
前記マスターBMSは、前記第1ウェーブ経路ガイドと前記第2ウェーブ経路ガイドとの間で前記複数の第1バッテリーモジュール及び前記複数の第2バッテリーモジュールと分離して形成される請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記第1ウェーブ経路ガイド及び前記第2ウェーブ経路ガイドは、前記複数の第1バッテリーモジュール及び前記複数の第2バッテリーモジュールを通過して前記マスターBMSが配置された位置まで前記第1方向に延長形成され、
前記マスターBMSは、前記複数の第1バッテリーモジュール及び前記複数の第2バッテリーモジュールと前記第1方向に離隔した位置に配置される、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記マスターBMSは、前記複数の第1バッテリーモジュール及び前記複数の第2バッテリーモジュールと対称に配置される、請求項またはに記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記第1ウェーブ経路ガイドは、前記バッテリーパックの上部カバーと前記複数の第1バッテリーモジュールとの間に形成され、
前記第2ウェーブ経路ガイドは、前記バッテリーパックの前記上部カバーと前記複数の第2バッテリーモジュールとの間に形成される、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記バッテリーケースの上面部を覆うバッテリーパックの上部カバーをさらに含み、
前記バッテリーパックの前記上部カバーには少なくとも一つのホールが形成される、請求項1~の何れか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記バッテリーケースは、外郭部を形成する外側壁をさらに含み、
前記外側壁の上端と前記バッテリーパックの前記上部カバーが結合し、
前記バッテリーパックの前記上部カバーは前記複数の第1バッテリーモジュール及び前記複数の第2バッテリーモジュールと離隔して形成される、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記複数の第1バッテリーモジュールの各バッテリーモジュールのうち、隣接した二つのバッテリーモジュールの間にまたがるように配列された複数の第1バスバー;および
前記複数の第2バッテリーモジュールの各バッテリーモジュールのうち、隣接した二つのバッテリーモジュールの間にまたがるように配列された複数の第2バスバーを含む、請求項1~の何れか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記クロスビームは、前記複数の第1バスバー及び前記複数の第2バスバーの下側で前記複数の第1バスバー及び前記複数の第2バスバーとそれぞれ離隔して形成される、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記複数の第1スレーブBMSと前記複数の第2スレーブBMSとは互いに離隔して形成される、請求項1~の何れか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載のバッテリーパックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願(ら)との相互引用)
本出願は、2020年10月12日付韓国特許出願第10-2020-0131091号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーパックおよびこれを含むデバイスに関し、より詳しくは無線伝送性能が確保されたバッテリーパックおよびこれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に充放電が可能な二次電池が無線移動機器の電源であるバッテリーとして広く使用されている。このようなバッテリーは、化石燃料を使用する従来のガソリンまたはディーゼル車両の大気汚染を解決するための方案として提示されている電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などの動力源としても脚光を浴びている。このようなバッテリーが充電と放電を交互に行う場合、バッテリーの充放電を効率的に制御してバッテリーが適正な動作状態および性能を維持するように管理する必要性がある。
【0004】
このために、バッテリーの状態および性能を管理するバッテリー管理システム(Battery Management System:BMS)がバッテリーパックに備えられる。BMSは、バッテリーの電流、電圧、温度などを測定し、これをメモリに記録してバッテリーを管理する。
【0005】
一方、最近、二次電池のエネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量の二次電池構造に対する必要性が高まり、多数の二次電池が直列/並列に連結されたバッテリーモジュールを集合させたマルチモジュール構造のバッテリーパックに対する需要が増加している。
【0006】
このようなマルチモジュール構造のバッテリーパックは、回路およびPCBの構成などにより多様な形態のパック構造で実現され得るが、二次電池の状態を制御するに容易な複数個のスレーブBMSと、複数個のスレーブBMSを統合制御するマスターBMSとから構成されるマルチBMS構造が主に利用されている。
【0007】
従来のマスターBMSとスレーブBMS間の通信は、有線連結されたWired BMS方式を使用したが、費用節減、デザイン自由度の確保、重量減少などの改善のために、最近、無線BMS方式(WBMS、Wireless Battery Management System)が脚光を浴びている。無線BMS方式を通じて、既存の有線連結時に使用されたワイヤーハーネスが不要となり、それに伴う費用減少および重量減少をもたらすことができ、重量減少によりバッテリーパックが装着された電気自動車の燃費改善効果ももたらすことができる。また既存の有線連結時に使用されたコネクタを除去することができるため、これを通じた費用減少および不良率減少が可能になり得る。
【0008】
無線BMS方式で最も核心になる部分の一つはアンテナの性能であり、アンテナの性能はアンテナが動作する環境により変わり得る。特に、電気自動車に装着されるバッテリーパックの場合、サイズが大きく、周辺が金属材料から構成されているため、反射によるマルチパス現象が発生して通信が劣化する虞がある。したがって、無線BMS方式において無線通信性能の劣化を最小化することができるバッテリーパック構造の設計が必ず要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、無線伝送性能が確保され得るパック構造を含むバッテリーパックおよびこれを含むデバイスを提供することにある。
【0010】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を実現するための本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、第1方向に2列に配置される複数の第1バッテリーモジュールと複数の第2バッテリーモジュール;前記複数の第1、2バッテリーモジュールを収容し、前記複数の第1バッテリーモジュールの間および前記複数の第2バッテリーモジュールの間を区画する複数のクロスビームを含むバッテリーケース;前記複数の第2バッテリーモジュールと向き合う前記複数の第1バッテリーモジュールの一側に位置し、前記第1方向に配列される複数の第1スレーブBMS;および前記複数の第1バッテリーモジュールと向き合う前記複数の第2バッテリーモジュールの一側に位置し、前記第1方向に配列される複数の第2スレーブBMSを含む。
【0012】
前記バッテリーパックは、前記複数の第1バッテリーモジュールの上側部で前記第1方向に沿って延長形成された第1ウェーブ経路ガイド;および前記複数の第2バッテリーモジュールの上側部で前記第1方向に沿って延長形成された第2ウェーブ経路ガイドをさらに含むことができる。
【0013】
前記複数の第1スレーブBMSと前記複数の第2バッテリーモジュールは、それぞれ前記第1ウェーブ経路ガイドと前記第2ウェーブ経路ガイドとの間で前記第1方向に配列され得る。
【0014】
前記第1ウェーブ経路ガイドと前記第2ウェーブ経路ガイドとの間で前記複数の第1、2バッテリーモジュールと分離して形成されるマスターBMSをさらに含むことができる。
【0015】
前記第1、2ウェーブ経路ガイドは、前記複数の第1、2バッテリーモジュールを通過して前記マスターBMSが配置された位置まで前記第1方向に延長形成され、前記マスターBMSは、前記複数の第1、2バッテリーモジュールと前記第1方向に離隔した位置に配置され得る。
【0016】
前記マスターBMSは、前記複数の第1、2バッテリーモジュールと対称に配置され得る。
【0017】
前記第1、2スレーブBMSにはアンテナが形成され得る。
【0018】
前記第1ウェーブ経路ガイドは、前記バッテリーパックの上部カバーと前記複数の第1バッテリーモジュールとの間に形成され、前記第2ウェーブ経路ガイドは、前記バッテリーパックの前記上部カバーと前記複数の第2バッテリーモジュールとの間に形成され得る。
【0019】
前記バッテリーケースの上面部を覆うバッテリーパックの上部カバーをさらに含み、前記バッテリーパックの前記上部カバーには少なくとも一つのホールが形成され得る。
【0020】
前記バッテリーケースは、外郭部を形成する外側壁をさらに含み、前記外側壁の上端と前記バッテリーパックの前記上部カバーが結合し、前記バッテリーパックの前記上部カバーは前記複数の第1、2バッテリーモジュールと離隔して形成され得る。
【0021】
前記複数の第1バッテリーモジュールの各バッテリーモジュールのうち、隣接した二つのバッテリーモジュールの間にまたがるように配列された複数の第1バスバー;および前記複数の第2バッテリーモジュールの各バッテリーモジュールのうち、隣接した二つのバッテリーモジュールの間にまたがるように配列された複数の第2バスバーを含むことができる。
【0022】
前記クロスビームは、前記複数の第1、2バスバーの下側で前記複数の第1、2バスバーとそれぞれ離隔して形成され得る。
【0023】
前記複数の第1スレーブBMSと前記複数の第2スレーブBMSとは互いに離隔して形成され得る。
【0024】
本発明の他の一実施形態によるデバイスは、前記バッテリーパックを含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によるバッテリーパックおよびこれを含むデバイスは、新規な構造のWBMSが装着されたバッテリーパック構造を提供して、バッテリーの無線通信性能を確保することができる。
【0026】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示す斜視図である。
図2図1のバッテリーパックを上側から眺めた上面図である。
図3図1のA部分であり、本発明の一実施形態によるバッテリーパック上部カバーにホールが形成された様子を示す図面である。
図4図2のB-B部分であり、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの中間部分を示す断面図である。
図5図2のD部分であり、本発明の一実施形態によるスレーブBMS間の間隔を示す図面である。
図6図4のC部分であり、本発明の一実施形態によるバッテリーケースの外側壁の高さを示す図面である。
図7図4のC部分であり、本発明の一実施形態によるバッテリーケースのクロスビームの高さを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下で説明される実施形態は、発明の理解のために例示として示したものであって、本発明はここで説明される実施形態とは異なるように多様に変形して実施され得ることが理解されるべきである。ただし、本発明を説明するに当たり、関連した公知の機能あるいは構成要素に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明および具体的な図示を省略する。また、添付した図面は、発明の理解のために実際の縮尺のとおり図示されたものでなく、一部の構成要素の寸法が誇張して図示され得る。
【0029】
本明細書で使用される第1、第2用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、構成要素は用語により限定されてはならない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0030】
また、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、権利範囲を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で「含む」、「なる」または「構成される」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0031】
以下、図1乃至図4を参照して本発明の一実施形態によるBMSが備えられたバッテリーパックについて説明する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示す斜視図である。図2図1のバッテリーパックを上側から眺めた上面図である。図3図1のA部分であり、本発明の一実施形態によるバッテリーパック上部カバーにホールが形成された様子を示す図面である。図4図2のB-B部分であり、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの中間部分を示す断面図である。
【0033】
図1乃至図4を参照すれば、本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、第1方向に2列に配置される複数の第1バッテリーモジュール200と複数の第2バッテリーモジュール300、複数の第1、2バッテリーモジュール200、300を収容し、複数の第1バッテリーモジュール200の間および複数の第2バッテリーモジュール300の間を区画する複数のクロスビーム110を含むバッテリーケース100を含む。複数の第1バッテリーモジュール200と複数の第2バッテリーモジュール300は互いに向き合って配置され得る。
【0034】
また複数の第1バッテリーモジュール200の上側部で第1方向に沿って延長形成された第1ウェーブ経路ガイド400、複数の第2バッテリーモジュール300の上側部で第1方向に沿って延長形成された第2ウェーブ経路ガイド500を含む。
【0035】
また複数の第2バッテリーモジュール300と向き合う複数の第1バッテリーモジュール200の一側に位置し、第1ウェーブ経路ガイド400と第2ウェーブ経路ガイド500との間で第1方向に配列される複数の第1スレーブBMS600、および複数の第1バッテリーモジュール200と向き合う複数の第2バッテリーモジュール300の一側に位置し、第1ウェーブ経路ガイド400と第2ウェーブ経路ガイド500との間で第1方向に配列される複数の第2スレーブBMS700を含む。
【0036】
図1を参照すれば、バッテリーケース100は、複数の第1、2バッテリーモジュール200、300を収容する。バッテリーケース100の複数のモジュール領域は、第1、2バッテリーモジュール200、300それぞれの大きさと対応する大きさで形成され得る。複数の第1、2バッテリーモジュール200、300は、複数のモジュール領域にそれぞれ位置付けられ得る。
【0037】
本実施形態によれば、複数の第1バッテリーモジュール200は第1方向に沿って配列され、複数の第2バッテリーモジュール300は複数の第1バッテリーモジュール200の側面で第1方向に沿って配列されて2列のバッテリーモジュール配列構造を形成することができる。この時、複数の第1バッテリーモジュール200を構成する各バッテリーモジュールは、複数の第2バッテリーモジュール300を構成する各バッテリーモジュールと向き合うように互いに離隔して配置され得る。
【0038】
図2および図4を参照すれば、それぞれのモジュール領域の間にはクロスビーム110が形成されて各モジュール領域に配置されるバッテリーモジュールの間を区画することができる。クロスビーム110は、バッテリーケース100の外郭を形成する外側壁120と共に外部で作用する物理力から複数の第1、2バッテリーモジュール200、300を保護することができる。
【0039】
熱伝導性樹脂層は、バッテリーケース100の底面に形成され得る。熱伝導性樹脂層は、複数のモジュール領域のそれぞれに配置された複数の第1、2バッテリーモジュール200、300から発生した熱をバッテリーパックの外部に伝達することができる。
【0040】
本実施形態によれば、第1スレーブBMS600は、複数の第1バッテリーモジュール200のそれぞれに配置され得る。より詳しくは、複数の第2バッテリーモジュール300と向き合う部分に第1スレーブBMS600が配置され得る。第1スレーブBMS600は、バッテリーケース100の中間部分に配置され得る。つまり、第1スレーブBMS600は、複数の第1、2バッテリーモジュール200、300の間で第1方向に沿って複数の第1バッテリーモジュール200の一側部に配置されることによってバッテリーケース100の中間部分を横切って配置され得る。
【0041】
第2スレーブBMS700は、複数の第2バッテリーモジュール300のそれぞれに配置され得る。より詳しくは、複数の第1バッテリーモジュール200と向き合う部分に第2スレーブBMS700が配置され得る。第2スレーブBMS700は、バッテリーケース100の中間部分に配置され得る。つまり、第2スレーブBMS700は、複数の第1、2バッテリーモジュール200、300の間で第1方向に沿って複数の第2バッテリーモジュール300の一側部に配置されることによってバッテリーケース100の中間部分を横切って配置され得る。
【0042】
マスターBMSとスレーブBMSの配置位置による無線伝送特性をみると、スレーブBMSがバッテリーケースの外郭部分に位置するよりは、本実施形態のようにスレーブBMSがバッテリーケースの中央部分、つまり、図2に示されているようにバッテリーモジュールの間の空間に位置することが無線伝送性能の面でより有利になり得る。
【0043】
本実施形態によるバッテリーパックは、複数の第1バッテリーモジュール200の上側部で第1方向に沿って延長形成された第1ウェーブ経路ガイド400、および複数の第2バッテリーモジュール300の上側部で第1方向に沿って延長形成された第2ウェーブ経路ガイド500を含む。この時、本実施形態による第1スレーブBMS600と第2スレーブBMS700は、第1、2ウェーブ経路ガイド400、500の間に形成された空間に位置することができる。また第1ウェーブ経路ガイド400は、バッテリーパック上部カバー130と複数の第1バッテリーモジュール200との間に形成され、第2ウェーブ経路ガイド500は、バッテリーパック上部カバー130と複数の第2バッテリーモジュール300との間に形成され得る。
【0044】
本実施形態によるバッテリーパックは、主に電気自動車の内部に装着されるところ、装着されるバッテリーパックの周辺が金属材料からなっており、金属材料により反射された電波のマルチパス現象により通信性能が劣化する虞がある。そこで、本実施形態によれば、複数の第1、2スレーブBMS600、700が設置された複数の第1、2バッテリーモジュール200、300の間の空間を覆うように第1、2ウェーブ経路ガイド400、500が形成され得る。したがって、第1、2ウェーブ経路ガイド400、500の間に形成された複数の第1、2バッテリーモジュール200、300の間の空間に無線伝送信号分布を密集させて無線伝送性能を向上させることができる。またマスターBMS800と第1、2スレーブBMS600、700間の通信で発生し得る劣化を最小化させることができる。
【0045】
実験例によれば、本実施形態による第1、2スレーブBMS600、700の中央配置構造および第1、2ウェーブ経路ガイド400、500の配置構造が形成されたバッテリーパックにおいて、従来のスレーブBMSが外郭に配置され、ウェーブ経路ガイドが未設置されたバッテリーパック構造と比べて、S-パラメータのうち、無線伝送係数S21が-53.78dBから-35.21dBに18dBほど向上して安定した通信連結構造を構築可能であることを確認することができる。
【0046】
本実施形態によれば、第1ウェーブ経路ガイド400と第2ウェーブ経路ガイド500との間で複数の第1、2バッテリーモジュールと分離して形成されるマスターBMS800をさらに含むことができる。マスターBMS800は、上位システムと通信を行うことができる。マスターBMS800は、複数個の第1、2スレーブBMS600、700との通信を主管することができる。
【0047】
第1、2ウェーブ経路ガイド400は、複数の第1、2バッテリーモジュール200、300を通過するようにマスターBMS800が配置された位置まで第1方向に延長形成され、マスターBMS800は、複数の第1、2バッテリーモジュール200、300と第1方向に離隔した位置に配置され得る。この時、マスターBMS800は、複数の第1、2バッテリーモジュール200、300と対称に配置され得る。
【0048】
したがって、マスターBMS800は、複数の第1、2スレーブBMS600、700と対称的に離れた位置に配置されてスレーブBMSとの通信を均衡的に行うことができる。またマスターBMS800が第1、2スレーブBMS600、700と共に第1、2ウェーブ経路ガイド400、500の間の空間に配置されることによってマスターBMS800と第1、2スレーブBMS600、700間の通信劣化を最小化し、無線通信性能を確保することができる。
【0049】
本実施形態によれば、第1、2スレーブBMS600、700にはアンテナが形成され得る。アンテナは、チップアンテナを含むことができる。実験例によれば、本実施形態による第1、2スレーブBMS600、700にチップアンテナを使用する場合、パターンアンテナを使用する場合と比べて10dB以上に優れた無線性能を確保することができる。
【0050】
図1を参照すれば、本実施形態によるバッテリーパックは、バッテリーケース100の上面部を覆うバッテリーパック上部カバー130をさらに含む。この時、バッテリーパック上部カバー130には少なくとも一つのホール130aが形成され得る。
【0051】
バッテリーパック上部カバー130に形成されたホール130aを通じてバッテリーパックの放熱機能を行うことができる。ただし、バッテリーパックの外部と内部を連結するホール130aによりBMS間の通信時にノイズが発生することがあり、ホール130aの大きさが大きくなる場合、ノイズも増加することができる。したがって、放熱性能とノイズ性能を同時に適切に満足させることができるホール130aの個数および大きさが適用され得る。実験例によれば、マスターBMSまたはスレーブBMSのアンテナの真上にホールが位置したり、ホール付近に携帯電話のホットスポットが位置したりするなど、ワースト(Worst)ケースの場合、無線伝送特性およびノイズ対応性能を考慮した結果、ホールの直径を45mm以下に設計する場合、無線伝送性能を確保することができ、20mm以下に設計する場合、ノイズ対応性能を確保することができる。ただし、ホールが複数個あるとしても、同一のノイズ対応性能を有することができるところ、放熱とノイズ性能を考慮して小さい直径のホールを複数個配置する構造が有利になり得る。図1には一つのホール130aだけが示されているが、前記実験例により複数個のホールがバッテリーパック上部カバー130に配置され得る。
【0052】
図5図2のD部分であり、本発明の一実施形態によるスレーブBMS間の間隔を示す図面である。
【0053】
本実施形態によれば、図5に示されているように複数の第1スレーブBMS600と複数の第2スレーブBMS700は間隔G1を有するように互いに離隔して形成され得る。より詳しくは、複数の第1バッテリーモジュール200に配置された複数の第1スレーブBMS600と、複数の第2バッテリーモジュール300に配置された複数の第2スレーブBMS700とは、互いに離隔して形成され得る。
【0054】
本実施形態によれば、第1スレーブBMS600と第2スレーブBMS700間の離隔距離は50mmに形成され得る。従来は2列に配列された二つのバッテリーモジュールの間の距離が30mmと多少狭く配置されたが、本実施形態のように二つのバッテリーモジュールの間の距離を50mmに増加させることによって無線伝送空間が増加し、それによる無線伝送性能が向上することができる。
【0055】
図6図4のC部分であり、本発明の一実施形態によるバッテリーケースの外側壁の高さを示す図面である。
【0056】
図6を参照すれば、本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、バッテリーケース100の外側壁120の上端とバッテリーパック上部カバー130が結合し、バッテリーパック上部カバー130は複数の第1、2バッテリーモジュール200、300と離隔して形成され得る。
【0057】
本実施形態によれば、外側壁120の高さH2は138mmに形成され得る。従来は外側壁の高さが128mmに形成されたが、本実施形態によれば、外側壁120の高さH2を従来の外側壁の高さよりも高くすることによって無線伝送性能を向上させることができる。言い換えると、外側壁120の高さH2が高くなるほど無線伝送性能が向上することができる。
【0058】
図6では複数の第1スレーブBMS600と第1ウェーブ経路ガイド400が形成された部分だけを示しているが、反対側に形成された複数の第2スレーブBMS700および第2ウェーブ経路ガイド500が形成された部分も図6に配置された構成と同一に対称的に配置されている。
【0059】
図7図4のC部分であり、本発明の一実施形態によるバッテリーケースのクロスビームの高さを示す図面である。
【0060】
図3および図7を参照すれば、本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、複数の第1バッテリーモジュール200の各バッテリーモジュールのうち、隣接した二つのバッテリーモジュールの間にまたがるように配列された複数の第1バスバー910、および複数の第2バッテリーモジュール300の各バッテリーモジュールのうち、隣接した二つのバッテリーモジュールの間にまたがるように配列された複数の第2バスバー920を含むことができる。この時、クロスビーム110は、複数の第1、2バスバー910、920の下側で複数の第1、2バスバー910、920とそれぞれ離隔して形成され得る
【0061】
本実施形態によれば、クロスビーム110の高さは70mmに形成され得る。従来のクロスビーム110の高さは90mm程度に形成されたが、本実施形態によれば、クロスビーム110の高さH3を従来のクロスビーム110の高さよりも低くすることによって無線伝送性能を向上させることができる。言い換えると、クロスビーム110の高さH3が低くなるほど無線伝送性能が向上することができる。
【0062】
図7では複数の第1スレーブBMS600と第1ウェーブ経路ガイド400が形成された部分だけを示しているが、反対側に形成された複数の第2スレーブBMS700および第2ウェーブ経路ガイド500が形成された部分も図6に配置された構成と同一に対称的に配置されている。
【0063】
前記バッテリーパックは、多様なデバイスに適用され得る。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、バッテリーモジュールを使用することができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0064】
以上では本発明の好ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は前述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱せずに当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能であることはもちろん、このような変形実施は本発明の技術的な思想や展望から個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0065】
100:バッテリーケース
110:クロスビーム
120:外側壁
130:バッテリーパック上部カバー
130a:ホール
200:第1バッテリーモジュール
300:第2バッテリーモジュール
400:第1ウェーブ経路ガイド
500:第2ウェーブ経路ガイド
600:第1スレーブBMS
700:第2スレーブBMS
800:マスターBMS
910:第1バスバー
920:第2バスバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7