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特許7466978電池モジュールおよびそれを含む電池パック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびそれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/593 20210101AFI20240408BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240408BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240408BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240408BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20240408BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/211
H01M50/507
H01M50/588
H01M50/591
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022547135
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 KR2021009283
(87)【国際公開番号】W WO2022019594
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0090330
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョンフン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ユル・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨンホ・オ
(72)【発明者】
【氏名】ハン・キ・ユン
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/068704(WO,A1)
【文献】特開2018-129142(JP,A)
【文献】特表2020-518988(JP,A)
【文献】特表2020-509545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されている電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;
前記電池セル積層体の前後面をカバーするバスバーフレーム;および
前記バスバーフレームに取り付けられた複数のバスバーを含み、
前記複数のバスバーは、各バスバーの延在方向に直交する方向に配列され、
前記複数のバスバーの配列される方向において、前記複数のバスバーのうち少なくとも隣り合う2つのバスバーの間には、第1隔壁および第2隔壁が形成される、
電池モジュール。
【請求項2】
前記第1隔壁および前記第2隔壁の間には、第1空間部が形成される、
請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
複数の電池セルが積層されている電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;
前記電池セル積層体の前後面をカバーするバスバーフレーム;および
前記バスバーフレームに取り付けられた複数のバスバーを含み、
前記複数のバスバーの間には、第1隔壁および第2隔壁が形成され、
前記バスバーの下端とエンドプレートの下面部との間には、第2空間部が形成される、
電池モジュール。
【請求項4】
前記第2空間部の前方には、絶縁カバーが位置し、前記第2空間部の後方には、前記バスバーフレームの下側部が位置する、
請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記第1隔壁および前記第2隔壁は、前記複数のバスバーのうち互いに対向する二つのバスバーの側面をそれぞれカバーする、
請求項1~4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
複数の電池セルが積層されている電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;
前記電池セル積層体の前後面をカバーするバスバーフレーム;および
前記バスバーフレームに取り付けられた複数のバスバーを含み、
前記複数のバスバーの間には、第1隔壁および第2隔壁が形成され、
前記バスバーフレームは、前記複数のバスバーの下端と接触するように水平方向に延長形成された水平隔壁を含む、
電池モジュール。
【請求項7】
前記水平隔壁で前方および上側に突出形成された突起部をさらに含み、
前記突起部は、前記複数のバスバーの下端部を固定させる、
請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記突起部は、前記複数のバスバーの下端部の両側端にそれぞれ形成される、
請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
複数の電池セルが積層されている電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;
前記電池セル積層体の前後面をカバーするバスバーフレーム;および
前記バスバーフレームに取り付けられた複数のバスバーを含み、
前記複数のバスバーの間には、第1隔壁および第2隔壁が形成され、
前記複数のバスバーは、両端に一つずつ形成された端子バスバーおよび二つの端子バスバーの間に形成された複数のセンシングバスバーを含み、
前記センシングバスバー間の間隔は、前記端子バスバーと最も近い前記センシングバスバーの間の間隔よりさらに広い、
電池モジュール。
【請求項10】
前記端子バスバーと隣接する第1隔壁の高さは、前記端子バスバーと最も近い前記センシングバスバーと隣接する第2隔壁の高さよりさらに高い、
請求項9に記載の電池モジュール。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の電池モジュールを含む、電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2020年7月21日付韓国特許出願第10-2020-0090330号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池モジュールおよびそれを含む電池パックに関し、より詳細にはバスバー間のショート防止構造が設けられた電池モジュールおよびそれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池はモバイル機器および電気自動車などの多様な製品群でエネルギ源として多くの関心を集めている。このような二次電池は化石燃料を使用する既存製品の使用に代える有力なエネルギ資源であって、エネルギ使用による副産物が発生しないため環境に優しいエネルギ源として脚光を浴びている。
【0004】
最近二次電池のエネルギ貯蔵源としての活用をはじめとして大容量二次電池構造に対する必要性が高まるにつれ、多数の二次電池が直列/並列に連結された電池モジュールを集合させたマルチモジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0005】
なお、複数の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、少なくとも一つの電池セルからなる電池モジュールを構成し、このような少なくとも一つの電池モジュールを用いてその他構成要素を追加して電池パックを構成することが一般的な方法である。
【0006】
このような電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体、前記電池セル積層体を収容するモジュールフレームおよび前記電池セル積層体の前後面をカバーするバスバーフレームを含む。
【0007】
図1は従来の電池モジュール構造を示す図である。
【0008】
図1を参照すると、従来の電池モジュールは、電池セル積層体を収容するモジュールフレーム20、電池セル積層体の前後面をカバーするバスバーフレーム30、バスバーフレームの外側面に取り付けられた複数のバスバー40およびバスバーフレーム30で突出形成されて複数のバスバー40を区画する隔壁50を含む。
【0009】
この時、複数のバスバーのうち隣接するバスバー40の間には一つの隔壁50のみが形成されており、バスバー40間の間隔も非常に狭く形成される。また、モジュールフレーム底部21とバスバー40との間の間隔も非常に狭く形成される。
【0010】
電池モジュール内部では水分発生および電池セルからの電解液液漏れ現象が起き得、このような液体がバスバーを腐食させてバスバー間の沈殿物が連結されてバスバー間のショート(short)現象が発生し得る。ショート現象が発生する場合、電池モジュールの発火可能性が高くなって安全性に問題が生じ得、結果的にバスバー間のショート現象を事前に防止できるバスバーおよびバスバーフレーム構造が必須として求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、バスバー間のショート現象を防止できる構造を有する電池モジュールおよびそれを含む電池パックを提供することにある。
【0012】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を実現するための本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体;前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;前記電池セル積層体の前後面をカバーするバスバーフレーム;および前記バスバーフレームに取り付けられた複数のバスバーを含み、前記複数のバスバーの間には、第1隔壁および第2隔壁が形成される。
【0014】
前記第1隔壁および前記第2隔壁の間には、第1空間部が形成され得る。
【0015】
前記バスバーの下端とエンドプレートの下面部との間には、第2空間部が形成され得る。
【0016】
前記第2空間部の前方には、絶縁カバーが位置し、前記第2空間部の後方には、前記バスバーフレーム下側部が位置し得る。
【0017】
前記第1隔壁および前記第2隔壁は、前記複数のバスバーのうち互いに対向する二つのバスバーの側面をそれぞれカバーし得る。
【0018】
前記バスバーフレームは、前記複数のバスバーの下端と接触するように水平方向に延長形成された水平隔壁を含み得る。
【0019】
前記水平隔壁で前方および上側に突出形成された突起部をさらに含み、前記突起部は、前記複数のバスバーの下端部を固定させ得る。
【0020】
前記突起部は、前記複数のバスバーの下端部の両側端にそれぞれ形成され得る。
【0021】
前記複数のバスバーは、両端に一つずつ形成された端子バスバーおよび二つの端子バスバーの間に形成された複数のセンシングバスバーを含み、前記センシングバスバー間の間隔は、前記端子バスバーと最も近い前記センシングバスバーの間の間隔よりさらに広くてもよい。
【0022】
前記端子バスバーと隣接する第1隔壁の高さは、前記端子バスバーと最も近い前記センシングバスバーと隣接する第2隔壁の高さよりさらに高くてもよい。
【0023】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、前記電池モジュールを含み得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施形態による電池モジュールおよびそれを含む電池パックは、バスバー間の間隔確保構造、バスバー間の二重隔壁構造およびバスバーとモジュールフレーム底部との間の空間確保構造によりバスバー間のショート現象を防止して電池モジュールの安定性を確保できる。
【0025】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来の電池モジュール構造を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による電池モジュールのバスバーフレームおよびバスバーが取り付けられた様子を示す正面図である。
図4】本発明の一実施形態による電池モジュールのバスバーフレームおよびバスバーが取り付けられた様子を示す斜視図である。
図5図3のA-A部分を示す断面図である。
図6図4のB部分を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下で説明される実施形態は発明の理解を深めるために例示的に示すものであり、本発明はここで説明される実施形態とは異に多様に変形して実施できることが理解されなければならない。ただし、本発明を説明するにあたり関連する公知機能あるいは構成要素に係る具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合はその詳細な説明および具体的な図示を省略する。また、添付する図面は発明の理解を深めるために実際の縮尺のとおり図示されたものでなく一部構成要素の寸法を誇張して示す場合もある。
【0028】
本出願で使用される第1、第2の用語は多様な構成要素を説明するために使用できるが、構成要素は用語によって限定されるべきではない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0029】
また、本出願で使用される用語は単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、権利範囲を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なる意味を示さない限り、複数の表現を含む。本出願で「含む」、「からなる」または「構成される」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものが存在することを指定するためであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
【0030】
以下、図2ないし図4を参照して本発明の一実施形態による電池モジュールについて説明する。
【0031】
図2は本発明の一実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。図3は本発明の一実施形態による電池モジュールのバスバーフレームおよびバスバーが取り付けられた様子を示す正面図である。図4は本発明の一実施形態による電池モジュールのバスバーフレームおよびバスバーが取り付けられた様子を示す斜視図である。
【0032】
図2ないし図4を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体100、電池セル積層体100を収容するモジュールフレーム200、電池セル積層体100の前後面をカバーするバスバーフレーム300およびバスバーフレーム300に取り付けられた複数のバスバー400を含む。
【0033】
電池セルは二次電池として、パウチ型二次電池で構成される。このような電池セルは複数で構成され、複数の電池セルは相互電気的に連結されるように相互積層されて電池セル積層体100を形成する。このような複数の電池セルはそれぞれ電極組立体、電池ケースおよび電極組立体から突出した電極リードを含む。
【0034】
モジュールフレーム200は電池セル積層体100を収容する。モジュールフレーム200は本実施形態のように上下左右面で形成されることもでき、U字型フレームおよび上部プレートが結合された形態で形成されることもできる。モジュールフレーム200は電池セル積層体100の上下左右の四面をカバーする。モジュールフレーム200によりモジュールフレーム200の内部に収容された電池セル積層体100を物理的に保護する。
【0035】
バスバーフレーム300は電池セル積層体100の前後面をカバーするように形成され、電池セル積層体100の前後面で複数の電池セルから突出形成された電極リードと連結される。より詳細には、バスバーフレームに取り付けられた複数のバスバー400にバスバーフレーム300を貫通して延長した電極リードが結合されることによって電池セルとバスバー400が電気的に連結される。バスバーフレーム300の上側にはコネクタが形成される。コネクタは電池セルからセンシングされた情報を電池パック上に形成されたBMS(Battery Management System)に伝送する。
【0036】
エンドプレート900は電池セル積層体100を基準としてバスバーフレーム300の外側にそれぞれ形成され、電池セル積層体100およびバスバーフレーム300をカバーするように形成される。エンドプレート900は外部の衝撃からバスバーフレーム300、電池セル積層体100およびこれと連結された複数の電装品を保護し、同時に電池セル積層体100と外部電源との電気的連結を案内する。
【0037】
エンドプレート900とバスバーフレーム300との間には絶縁カバー800が挿入される。絶縁カバー800はバスバーフレーム300と外部との電気的連結を遮断して電池モジュールの絶縁性能を確保する。
【0038】
本実施形態によれば、複数のバスバー400の間には第1隔壁510および第2隔壁520が形成され、第1隔壁および第2隔壁の間には第1空間部600が形成される。第1隔壁510および第2隔壁520は、複数のバスバー400のうち互いに対向する二つのバスバーの側面をそれぞれカバーする。
【0039】
従来には複数のバスバー間をそれぞれ区分する一つの隔壁だけが存在し、バスバーとバスバーとの間の間隔も非常に狭くて沈殿物形成時バスバー間のショート現象が発生する恐れが高かった。
【0040】
しかし、本発明の一実施形態によれば、バスバー400間に第1空間部600が形成され、第1空間部600は一定の幅S1,S2を有するように形成される。これによりバスバー400間の間隔を確保でき、電解液および水分によるバスバーの腐食および沈殿物の連結によるバスバー間のショート発生を最小化できる。
【0041】
また、複数のバスバー間には第1隔壁510および第2隔壁520が形成されてバスバー間の二重隔壁構造を形成することによって、沈殿物によるバスバー間の連結可能性を未然に防止してバスバー間の電気的連結によるショート発生を最小化できる。また、第1空間部600は第1隔壁510および第2隔壁520の間に形成され、第1隔壁510および第2隔壁520を越えなかった電解液または水分がバスバーと接する前に先に第1空間部600に流入し得る。これにより第1空間部600を介して電解液または水分の貯蔵容量を確保すると同時にバスバー400と電解液または水分との接触が遮断されてバスバー400の腐食現象を基本的に遮断できる。
【0042】
バスバー400は、バスバーフレーム300の両側端に一つずつ位置した端子バスバー420および端子バスバー420の間に位置したセンシングバスバー410を含む。端子バスバー420は電池パック内部の電池モジュールを直列または並列に連結して電池モジュールの間の電流パスを形成する。センシングバスバー410は電池モジュール内部の電池セルを直列または並列に連結して電池セルの間の電流パスを形成する。
【0043】
センシングバスバー410の間には追加隔壁が形成される。第1隔壁510および第2隔壁520以外に追加隔壁が形成されることによって、沈殿物によるセンシングバスバー410間の連結がより難しくなる。
【0044】
以下、図3ないし図5を参照して、本発明の一実施形態による第2空間部について説明する。
【0045】
図5図3のA-A部分を示す断面図である。
【0046】
図3ないし図5を参照すると、本実施形態による電池モジュールは、バスバー400の下端とエンドプレート900の下面部900aとの間には第2空間部700が形成される。より詳細には、図5に示すように、第2空間部700の前方には絶縁カバー800が位置し、後方には一定の高さ有するバスバーフレーム300の下側部310が位置し得る。
【0047】
より詳細には、第2空間部700の前方および下方には絶縁カバー800が形成されており、第2空間部700の上方には水平隔壁320が、後方にはバスバーフレーム下側部310が形成される。したがって、第2空間部700はバスバーフレーム300と絶縁カバー800により囲まれた空間で定義される。
【0048】
従来には水平方向に配列されたバスバーとエンドプレート下面部またはモジュールフレームの底部との間の空間が殆どなく、電池セルから漏出した電解液または水分がすぐに満ちてきてバスバーが電解液または水分によって浸水し、浸水によるバスバーの腐食現象が発生し、腐食による沈殿物がバスバーを連結することによってバスバー間の電気的連結によるショート現象が容易に発生した。
【0049】
しかし、本発明の一実施形態によれば、バスバー400の下端とエンドプレート900の下面部900aとの間に十分な容積を有する第2空間部700が形成されることによって、電池モジュール内部で発生した電解液または水分が第2空間部700に保存され、第2空間部700が電解液または水分を収容できる容積を有するように形成されることによって電解液または水分が第2空間部700の上側に位置したバスバー400と接触する可能性を最小化できる。これによりバスバーが電解液または水分によって腐食する可能性を最小化でき、腐食現象により発生する沈殿物がバスバーを連結してショート現象が発生する可能性も最小化させることができる。
【0050】
図3を参照すると、バスバーフレーム300は、複数のバスバー400の下端と接触するように水平方向に延長形成された水平隔壁320を含む。水平隔壁320は第2空間部700とバスバー400との間に突出形成され、第2空間部700に保存された電解液または水分がバスバー400と接触する可能性を最小化させることができる。
【0051】
本実施形態によれば、水平隔壁320で前方および上側に突出形成された突起部321をさらに含み、突起部321は複数のバスバー400の下端部を固定させる。突起部321は、複数のバスバー400の下端部の両側端にそれぞれ形成される。突起部321は第2空間部700とバスバー400との間で水平隔壁320よりさらに突出するように形成されることによって、バスバーの下側に収容される電解液または水分がバスバー400と接触する可能性をより低下させることができる。
【0052】
以下、図3図4および図6を参照して、本発明の一実施形態による隔壁の高さの差異について説明する。
【0053】
図6図4のB部分を拡大した図である。
【0054】
図4を参照すると、センシングバスバー410間の間隔S1は、端子バスバー420および端子バスバー420と最も近いセンシングバスバー410の間の間隔S2より広く形成される。また、図6を参照すると、センシングバスバー410と端子バスバー420との間に形成された二つの隔壁510’,520’で、第1隔壁510’は第2隔壁520’より高く形成される。
【0055】
センシングバスバー410の間の間隔S1より、センシングバスバー410と端子バスバー420との間の間隔S2がさらに狭いことの代わりに、端子バスバー420と隣接する部分に位置した第1隔壁510’が第2隔壁520’より間隔Gだけさらに高く形成されることによって、沈殿物によるバスバー400の間の連結を防いでバスバー間のショート現象を防止できる。
【0056】
前述した電池モジュールは電池パックに含まれ得る。電池パックは、本実施形態による電池モジュールを一つ以上集めて電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)と冷却装置などを追加してパッキングした構造であり得る。
【0057】
前記電池パックは多様なデバイスに適用できる。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず電池モジュールを使用できる多様なデバイスに適用することが可能であり、これもまた本発明の権利範囲に属する。
【0058】
以上では本発明の好ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることは勿論であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別に理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0059】
200 モジュールフレーム
210 モジュールフレーム下面部
300 バスバーフレーム
310 バスバーフレーム下側部
320 水平隔壁
321 突起部
400 複数のバスバー
410 センシングバスバー
420 端子バスバー
510 第1隔壁
520 第2隔壁
600 第1空間部
700 第2空間部
800 絶縁カバー
900 エンドプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6