(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】負極および前記負極を含む二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/13 20100101AFI20240408BHJP
H01M 4/36 20060101ALI20240408BHJP
H01M 4/48 20100101ALI20240408BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20240408BHJP
H01M 4/587 20100101ALI20240408BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M4/36 D
H01M4/48
H01M4/62 Z
H01M4/36 A
H01M4/587
H01M4/36 E
(21)【出願番号】P 2023504434
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 KR2021011601
(87)【国際公開番号】W WO2022045852
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0109527
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ス・ミン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ジュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ヨン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ヒュン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ミン・ジュン
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-017421(JP,A)
【文献】特開2013-041826(JP,A)
【文献】特開2017-084759(JP,A)
【文献】特表2021-517352(JP,A)
【文献】国際公開第2019/194662(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/007013(WO,A1)
【文献】特開2012-033317(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110797520(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00-4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極活物質および導電材を含む負極活物質層を含み、
前記負極活物質は、第1活物質および第2活物質を含み、
前記第1活物質は、SiO
x粒子(0<x<2)を含み、
前記第2活物質は、SiO
y粒子(0<y<2)を含み、
前記SiO
x粒子のD
50は0.1μm~0.6μmであり、
前記SiO
y粒子のD
50は3μm~8μmであり、
前記SiO
x粒子と前記SiO
y粒子の重量比は1:2~1:100であり、
前記導電材は、シングルウォールカーボンナノチューブを含む、負極。
【請求項2】
前記SiO
x粒子と前記SiO
y粒子の重量比は1:10~1:20である、請求項1に記載の負極。
【請求項3】
前記SiO
x粒子のD
50と前記SiO
y粒子のD
50の比は1:5~1:40である、請求項1または2に記載の負極。
【請求項4】
前記SiO
x粒子の比表面積は1m
2/g~10m
2/gであり、
前記SiO
y粒子の比表面積は4m
2/g~20m
2/gである、請求項1から3のいずれか一項に記載の負極。
【請求項5】
前記第1活物質は、前記SiO
x粒子の表面、内部、または表面および内部に位置する金属をさらに含み、
前記金属は、Li、Mg、Ca、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の負極。
【請求項6】
前記金属は、前記第1活物質に0.1重量%~30重量%含まれる、請求項5に記載の負極。
【請求項7】
前記第2活物質は、前記SiO
y粒子の表面、内部、または表面および内部に位置する金属をさらに含み、
前記金属は、Li、Mg、Ca、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の負極。
【請求項8】
前記金属は、前記第2活物質に0.1重量%~30重量%含まれる、請求項7に記載の負極。
【請求項9】
前記シングルウォールカーボンナノチューブの平均長さは2μm~100μmである、請求項1から8のいずれか一項に記載の負極。
【請求項10】
前記シングルウォールカーボンナノチューブの平均長さは3μm~20μmである、請求項1から9のいずれか一項に記載の負極。
【請求項11】
前記シングルウォールカーボンナノチューブの比表面積は500m
2/g~1500m
2/gである、請求項1から10のいずれか一項に記載の負極。
【請求項12】
前記シングルウォールカーボンナノチューブは、前記負極活物質層内に0.001重量%~0.5重量%含まれる、請求項1から11のいずれか一項に記載の負極。
【請求項13】
前記負極活物質は、炭素系活物質をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の負極。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の負極を含む、二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年8月28日付けの韓国特許出願第10-2020-0109527号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、異種のシリコン系粒子とカーボンナノチューブを含む負極およびこれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
化石燃料の使用の急激な増加に伴い、代替エネルギーやクリーンエネルギーの使用に対するニーズが増加しており、その一環として最も活発に研究されている分野が、電気化学反応を用いた発電、蓄電分野である。
【0004】
現在、このような電気化学的エネルギーを用いる電気化学素子の代表的な例として二次電池が挙げられ、その使用領域が次第に拡大している傾向にある。最近、ポータブルコンピュータ、携帯電話、カメラなどのポータブル機器に関する技術開発と需要が増加するに伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加しており、そのような二次電池のうち、高いエネルギー密度、すなわち、高容量のリチウム二次電池に関する多くの研究が行われており、また商用化し、広く使用されている。
【0005】
一般的に、二次電池は、正極、負極、電解質、およびセパレータから構成される。負極は、正極から放出されたリチウムイオンを挿入し脱離させる負極活物質を含み、前記負極活物質としては、放電容量が大きいシリコン系粒子が使用されることができる。ただし、シリコン系粒子は、初期効率が低く、充放電過程で体積が過剰に変化する。したがって、電池の寿命が短縮する問題が発生する。特に、充放電サイクルが繰り返されるほど、シリコン系粒子にクラック(crack)が発生して寿命が低下することで機械的安定性が劣化する。
【0006】
従来、このような問題を解決するために、シリコン系粒子の表面に炭素コーティング層を形成する技術が用いられてきた。しかし、前記炭素コーティング層が形成されても初期効率と電池の寿命の低下があまり改善されず、電池抵抗の減少効果が大きくなかった。またはシリコン系粒子が負極から脱離しないように、バインダーや増粘剤の物性を調節する方法も用いられているが、その効果が大きくない。
【0007】
したがって、シリコン系活物質粒子を使用し、且つ寿命特性が改善することができる負極が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする一課題は、電池の寿命特性を改善することができる負極を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする他の課題は、前記負極を含む二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によると、負極活物質および導電材を含む負極活物質層を含み、前記負極活物質は、第1活物質および第2活物質を含み、前記第1活物質は、SiOx粒子(0<x<2)を含み、前記第2活物質は、SiOy粒子(0<y<2)を含み、前記SiOx粒子のD50は0.1μm~0.6μmであり、前記SiOy粒子のD50は3μm~8μmであり、前記SiOx粒子と前記SiOy粒子の重量比は1:2~1:100であり、前記導電材は、シングルウォールカーボンナノチューブを含む負極が提供される。
【0011】
本発明の他の実施形態によると、前記負極を含む二次電池が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態によると、負極が、特定の大きさを有する異種のシリコン系粒子(SiOx粒子、SiOy粒子)を適切な含量で含むことにより、前記シリコン系粒子間の接触面積が増加し、負極内の電子の移動が容易になることができ、電池の寿命特性を改善することができる。また、シングルウォールカーボンナノチューブが、前記シリコン系粒子を互いに電気的、物理的に連結しており、電池の寿命特性をより改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に関する理解を容易にするために、本発明をより詳細に説明する。
【0014】
本明細書および特許請求の範囲にて使用されている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0015】
本明細書で使用されている用語は、単に例示的な実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定することを意図しない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味を有していない限り、複数の表現を含む。
【0016】
本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、ステップ、構成要素またはこれらの組み合わせが存在することを特定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、構成要素、またはこれらの組み合わせなどの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解すべきである。
【0017】
本明細書において、D50は、粒子の粒径分布曲線において、体積累積量の50%に該当する粒径と定義し得る。前記D50は、例えば、レーザ回折法(laser diffraction method)を用いて測定することができる。前記レーザ回折法は、一般的に、サブミクロン(submicron)領域から数mm程度の粒径の測定が可能であり、高再現性および高分解性の結果を得ることができる。
【0018】
本明細書において、比表面積は、BET測定装置(BEL-SORP-MAX、Nippon Bell)を用いて、200℃で8時間ガスを除去(degassing)し、77KでN2吸着/脱着(absorption/desorption)を行って測定した。
【0019】
本発明の一実施形態による負極は、負極活物質および導電材を含む負極活物質層を含み、前記負極活物質は、第1活物質および第2活物質を含み、前記第1活物質はSiOx粒子(0<x<2)を含み、前記第2活物質はSiOy粒子(0<y<2)を含み、前記SiOx粒子のD50は0.1μm~0.6μmであり、前記SiOy粒子のD50は3μm~8μmであり、前記SiOx粒子と前記SiOy粒子の重量比は1:2~1:100であり、前記導電材はシングルウォールカーボンナノチューブを含むことができる。
【0020】
前記負極は、負極活物質層を含むことができる。
【0021】
前記負極活物質層は、集電体上に配置されることもでき、これとは異なり、前記負極活物質層自体でも負極になることもできる。
【0022】
前記集電体は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであればよく、特に制限されるものではない。例えば、前記集電体としては、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したものなどが使用されることができる。具体的には、銅、ニッケルのような炭素をよく吸着する遷移金属を集電体として使用することができる。前記集電体の厚さは6μm~20μmであることができるが、前記集電体の厚さがこれに制限されるものではない。
【0023】
前記負極活物質層は、前記集電体の一面または両面上に配置されることができる。
【0024】
前記負極活物質層は、負極活物質および導電材を含むことができる。
【0025】
前記負極活物質は、第1活物質および第2活物質を含むことができる。
【0026】
前記第1活物質は、SiOx粒子(0<x<2)を含むことができ、具体的にはSiOx粒子(0<x<2)からなることができる。前記第2活物質は、SiOy粒子(0<y<2)を含むことができ、具体的にはSiOy粒子(0<y<2)からなることができる。前記xとyは、それぞれ前記SiOx粒子(0<x<2)とSiOy粒子(0<y<2)内に含まれたSiに対するOの個数の比に該当する。前記SiOx粒子(0<x<2)と前記SiOy粒子(0<y<2)の使用により電池の容量を改善することができる。
【0027】
前記SiOx粒子(0<x<2)のD50は、0.1μm~0.6μmであることができ、具体的には0.2μm~0.4μmであることができる。前記SiOx粒子(0<x<2)のD50が0.1μm未満の場合、比表面積が過剰に大きくなって、電解液との副反応が激しくなり電池の寿命特性が低下する。逆に、前記SiOx粒子(0<x<2)のD50が0.6μm超の場合、前記SiOy粒子(0<y<2)とともに混合される時に、粒子間の接触面積の増加効果を期待することができないため、電池の寿命特性が低下する。
【0028】
前記SiOy粒子(0<y<2)のD50は、3μm~8μmであることができ、具体的には5.2μm~7μmであることができる。前記SiOy粒子(0<y<2)のD50が3μm未満の場合、前記SiOx粒子(0<x<2)とともに混合される時に、粒子間の接触面積の増加効果を期待することができないため、電池の寿命特性が低下する。逆に、前記SiOy粒子(0<y<2)のD50が8μm超の場合、電池の充電および放電時に体積変化量が過剰に大きいため、電池の寿命特性が低下する。
【0029】
前記SiOx粒子のD50と前記SiOy粒子のD50の比は、1:5~1:40であることができ、具体的には1:7~1:37であることができ、より具体的には1:15~1:35であることができる。前記範囲を満たす場合、前記SiOx粒子と前記SiOy粒子の接触面積が最も好ましい水準を満たすことができ、電池の寿命特性をより効果的に改善することができる。
【0030】
前記SiOx粒子と前記SiOy粒子の重量比は、1:2~1:100であることができ、具体的には1:10~1:50であることができ、より具体的には1:10~1:20であることができる。前記SiOx粒子と前記SiOy粒子の重量比が1:2~1:100から逸脱する場合、前記SiOx粒子と前記SiOy粒子の接触面積が十分ではなくて電池の寿命特性が低下する。
【0031】
前記SiOx粒子の比表面積は、1m2/g~10m2/gであることができ、具体的には2m2/g~7m2/gであることができる。前記SiOy粒子の比表面積は4m2/g~20m2/gであることができ、具体的には9m2/g~18m2/gであることができる。前記範囲を満たす時に、前記SiOx粒子と前記SiOy粒子の接触面積が最も好ましい水準を満たすことができ、電池の寿命特性をより効果的に改善することができる。
【0032】
前記導電材は、シングルウォールカーボンナノチューブを含むことができ、具体的には、前記導電材は、シングルウォールカーボンナノチューブからなることができる。
【0033】
前記シングルウォールカーボンナノチューブの平均直径は、1nm~30nmであることができ、具体的には5nm~12nmであることができる。前記範囲を満たす時に、前記シングルウォールカーボンナノチューブの柔軟性が高く、前記SiOx粒子と前記SiOy粒子との導電性ネットワークをより効果的に形成することができ、電池の寿命特性をより改善することができる。前記平均直径は、前記負極内の100個のシングルウォールカーボンナノチューブの直径をSEMにより測定した後、これらの平均を出して求めることができる。
【0034】
前記シングルウォールカーボンナノチューブの平均長さは、2μm~100μmであることができ、具体的には3μm~20μmまたは3μm~12μmであることができる。前記範囲を満たす時に、前記SiOx粒子と前記SiOy粒子の体積が変化しても、前記SiOx粒子と前記SiOy粒子を連結する導電性ネットワークを容易に維持することができ、電池の寿命特性を改善することができる。前記平均長さは、前記負極内の100個のシングルウォールカーボンナノチューブの長さをSEMにより測定した後、これらの平均を出して求めることができる。
【0035】
前記シングルウォールカーボンナノチューブの比表面積は、500m2/g~1500m2/gであることができ、具体的には600m2/g~1000m2/gであることができる。前記範囲を満たす時に、前記シングルウォールカーボンナノチューブが高い柔軟性を有し、且つ電解液との副反応を最小化することができ、電池の寿命特性をより改善することができる。
【0036】
前記シングルウォールカーボンナノチューブは、前記負極活物質層内に0.001重量%~0.5重量%含まれることができ、具体的には0.02重量%~0.1重量%含まれることができる。前記範囲を満たす場合、前記SiOx粒子と前記SiOy粒子を連結する導電性ネットワークが効果的に形成されることができ、電解液副反応を最小化することができる。
【0037】
前記負極活物質層は、バインダーをさらに含むことができる。
【0038】
前記バインダーは、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidenefluoride)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸、エチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ポリアクリル酸(poly acrylic acid)およびこれらの水素をLi、NaまたはCaなどで置換した物質からなる群から選択される少なくともいずれか一つを含むことができ、また、これらの様々な共重合体を含むことができる。
【0039】
本発明の他の実施形態による二次電池は、上述の実施形態の負極を含むことができる。具体的には、前記二次電池は、上述の実施形態の負極と、正極と、前記正極と負極との間に介在されたセパレータと、電解質とを含むことができ、前記負極は、上述の負極と同一である。前記負極については上述したため、具体的な説明は省略する。
【0040】
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に形成され、前記正極活物質を含む正極活物質層とを含むことができる。
【0041】
前記正極において、正極集電体は、電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素またはアルミニウムやステンレス鋼の表面に炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したものなどが使用されることができる。また、前記正極集電体は、通常、3~500μmの厚さを有することができ、前記集電体の表面上に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めることもできる。例えば、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態で使用されることができる。
【0042】
前記正極活物質は、通常使用される正極活物質であることができる。具体的には、前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物であるか1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;LiFe3O4などのリチウム鉄酸化物;化学式Li1+c1Mn2-c1O4(0≦c1≦0.33)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li2CuO2);LiV3O8、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-c2Mc2O2(ここで、Mは、Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BおよびGaからなる群から選択される少なくともいずれか一つであり、0.01≦c2≦0.3を満たす)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-c3Mc3O2(ここで、Mは、Co、Ni、Fe、Cr、ZnおよびTaからなる群から選択される少なくともいずれか一つであり、0.01≦c3≦0.1を満たす)またはLi2Mn3MO8(ここで、Mは、Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から選択される少なくともいずれか一つである)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn2O4などが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。前記正極は、Li-金属(metal)であり得る。
【0043】
前記正極活物質層は、上述の正極活物質とともに、正極導電材および正極バインダーを含むことができる。
【0044】
ここで、前記正極導電材は、電極に導電性を付与するために使用されるものであり、構成される電池において、化学変化を引き起こさず、電子伝導性を有するものであれば、特に制限なく使用可能である。具体的な例としては、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;またはポリフェニレン誘導体などの伝導性高分子などが挙げられ、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が使用されることができる。
【0045】
また、前記正極バインダーは、正極活物質粒子同士の付着および正極活物質と正極集電体との接着力を向上させる役割を果たす。具体的な例としては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化-EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、またはこれらの様々な共重合体などが挙げられ、これらのうち1種単独または2種以上の混合物が使用されることができる。
【0046】
セパレータとしては、負極と正極を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供するものとして、通常、二次電池においてセパレータとして使用されるものであれば、特に制限なく使用可能であり、特に、電解質のイオン移動に対して低抵抗であるとともに電解液含湿能力に優れたものが好ましい。具体的には、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体およびエチレン/メタクリレート共重合体などのポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムまたはこれらの2層以上の積層構造体が使用されることができる。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が使用されることもできる。また、耐熱性または機械的強度の確保のために、セラミック成分または高分子物質が含まれたコーティングされたセパレータが使用されることもでき、選択的に、単層または多層構造として使用されることができる。
【0047】
前記電解質としては、リチウム二次電池の製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル状高分子電解質、固体無機電解質、溶融型無機電解質などが挙げられ、これらに限定されるものではない。
【0048】
具体的には、前記電解質は、非水系有機溶媒と金属塩を含むことができる。
【0049】
前記非水系有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒が使用されることができる。
【0050】
特に、前記カーボネート系有機溶媒のうち環状カーボネートであるエチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートは、高粘度の有機溶媒として誘電率が高いことからリチウム塩をよく解離させるため好ましく使用されることができ、このような環状カーボネートにジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートのような低粘度、低誘電率の直鎖状カーボネートを適当な割合で混合して使用すると、高い電気伝導率を有する電解質を製造することができ、より好ましく使用されることができる。
【0051】
前記金属塩は、リチウム塩を使用することができ、前記リチウム塩は、前記非水電解液に溶解されやすい物質であり、例えば、前記リチウム塩のアニオンとしては、F-、Cl-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、PF6
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-および(CF3CF2SO2)2N-からなる群から選択される1種を使用することができる。
【0052】
前記電解質には、前記電解質の構成成分の他にも、電池の寿命特性の向上、電池の容量減少の抑制、電池の放電容量の向上などのために、例えば、ジフルオロエチレンカーボネートなどのハロアルキレンカーボネート系化合物、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n-グライム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N-置換オキサゾリジノン、N,N-置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2-メトキシエタノールまたは三塩化アルミニウムなどの添加剤が1種以上さらに含まれることもできる。
【0053】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記第1活物質は、前記SiOx粒子上に配置された炭素コーティング層を含む以外は、上述の一実施形態の負極と同一であることができる。
【0054】
前記炭素コーティング層は、炭素系物質を含むことができる。前記炭素系物質は、非晶質炭素および結晶質炭素のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0055】
前記結晶質炭素は、前記負極活物質の導電性をより向上させることができる。前記結晶質炭素は、フルオレン、カーボンナノチューブおよびグラフェンからなる群から選択される少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0056】
前記非晶質炭素は、前記炭素コーティング層の強度を適切に維持させ、前記コアの膨張を抑制させることができる。前記非晶質炭素は、タール、ピッチおよびその他の有機物からなる群から選択される少なくともいずれか一つの炭化物、または炭化水素を化学気相蒸着法のソースとして用いて形成された炭素系物質であることができる。
【0057】
前記その他の有機物の炭化物は、スクロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、ラクトース、マンノース、リボース、アルドヘキソースまたはケトヘキソースの炭化物およびこれらの組み合わせから選択される有機物の炭化物であることができる。
【0058】
前記炭化水素は、置換または非置換の脂肪族または脂環式炭化水素、置換または非置換の芳香族炭化水素であることができる。前記置換または非置換の脂肪族または脂環式炭化水素の脂肪族または脂環式炭化水素は、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、ブタン、ブテン、ペンタン、イソブタンまたはヘキサンなどであることができる。前記置換または非置換の芳香族炭化水素の芳香族炭化水素は、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセンまたはフェナントレンなどが挙げられる。
【0059】
前記炭素コーティング層の厚さは、1nm~1000nmであることができ、具体的には50nm~800nmであることができ、より具体的には100nm~500nmであることができる。前記範囲を満たす場合、電池の寿命特性および出力特性をより改善することができる。これに限定されるものではないが、前記炭素コーティング層の厚さは、SEMまたはTEMで測定されることができる。
【0060】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記第2活物質は、前記SiOy粒子上に配置された炭素コーティング層を含む以外は、上述の一実施形態の負極と同一であることができる。前記炭素コーティング層は、上述の実施形態の炭素コーティング層と同一であることができる。
【0061】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記第1活物質は、前記SiOx粒子上に配置された炭素コーティング層を含み、前記第2活物質は、前記SiOy粒子上に配置された炭素コーティング層を含む以外は、上述の一実施形態の負極と同一であることができる。前記炭素コーティング層は、上述の実施形態の炭素コーティング層と同一であることができる。
【0062】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記第1活物質は、前記SiOx粒子の表面、内部、または表面および内部に位置または分布する金属をさらに含むことができる。具体的には、前記第1活物質は、前記SiOx粒子の内部にドープされた金属をさらに含むことができる。
【0063】
前記金属は、前記SiOx粒子の表面および/または内部に分布し、SiOx粒子の体積の膨張/収縮を適切な水準に制御することができ、第1活物質の損傷を防止する役割を果たすことができる。また、前記金属は、SiOx粒子の非可逆相(例えば、SiO2)の割合を下げて第1活物質の効率を増加させるという観点から、第1活物質に含まれることができる。
【0064】
前記金属は、Li、Mg、Ca、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。前記金属は、SiOx粒子の体積膨張の制御、損傷の防止、初期効率の向上効果などが優れた水準で実現できるという観点から、具体的には、LiおよびMgからなる群から選択される少なくとも1種、より具体的にはMgを含むことができる。
【0065】
前記金属は、前記第1活物質に0.1重量%~30重量%、具体的には2重量%~6重量%含まれることができる。前記範囲にある時に、第1活物質の初期効率の改善効果が優れた水準で実現できる。
【0066】
前記第1活物質が金属を含む場合、前記第1活物質は、SiOa(0<a<2)で表される化合物を気化させて第1蒸気を発生させるステップと、Li、Mg、Ca、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属を気化させて第2蒸気を発生させるステップと、前記第1蒸気および前記第2蒸気を混合して気相反応させるステップと、前記気相反応の後、冷却して粉末を取得するステップと、前記粉末のD50を0.1μm~0.6μmに調節するステップとを含む方法により製造されることができるが、これに制限されない。前記粉末のD50の調節は、例えば、気流式粉砕方法を用いることができるが、これに制限されない。
【0067】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記第2活物質は、前記SiOy粒子の表面、内部、または表面および内部に位置または分布する金属をさらに含むことができる。具体的には、前記第2活物質は、前記SiOy粒子の内部にドープされた金属をさらに含むことができる。
【0068】
前記金属は、前記SiOy粒子の表面および/または内部に分布し、SiOy粒子の体積の膨張/収縮を適切な水準に制御することができ、第2活物質の損傷を防止する役割を果たすことができる。また、前記金属は、SiOy粒子の非可逆相(例えば、SiO2)の割合を下げて第2活物質の効率を増加させるという観点から、第2活物質に含まれることができる。
【0069】
前記金属は、Li、Mg、Ca、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。前記金属は、SiOy粒子の体積膨張の制御、損傷の防止、初期効率の向上効果などが優れた水準で実現できるという観点から、具体的には、LiおよびMgからなる群から選択される少なくとも1種、より具体的には、Mgを含むことができる。
【0070】
前記金属は、前記第2活物質に0.1重量%~30重量%、具体的には2重量%~15重量%含まれることができる。前記範囲にある時に、第2活物質の初期効率の改善効果が優れた水準で実現できる。
【0071】
前記第2活物質が金属を含む場合、前記第2活物質は、SiOb(0<b<2)で表される化合物を気化させて第1蒸気を発生させるステップと、Li、Mg、Ca、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属を気化させて第2蒸気を発生させるステップと、前記第1蒸気および前記第2蒸気を混合して気相反応させるステップと、前記気相反応の後、冷却して粉末を取得するステップと、前記粉末のD50を0.3μm~8μmに調節するステップとを含む方法により製造されることができるが、これに制限されない。
【0072】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記負極活物質は、炭素系活物質をさらに含む以外は、上述の一実施形態の負極と同一であることができる。
【0073】
前記炭素系活物質は、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化炭素繊維および黒鉛化メソカーボンマイクロビーズからなる群から選択される1種以上であることができる。
【0074】
前記負極活物質内で前記第1活物質粒子と前記第2活物質粒子の全含量と前記炭素系活物質の含量は、1:99~70:30の重量比を有することができ、具体的には5:95~30:70の重量比を有することができる。前記範囲を満たす時に、電池の充・放電特性がより改善され、炭素系活物質の優れた電気伝導度により、電池の寿命特性をより改善することができる。
【0075】
本発明のさらに他の実施形態によると、前記二次電池を単位セルとして含む電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供する。前記電池モジュールおよび電池パックは、高容量、高い律速特性およびサイクル特性を有する前記二次電池を含むことから、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグ-インハイブリッド電気自動車および電力貯蔵用システムからなる群から選択される中大型デバイスの電源に用いられることができる。
【0076】
以下、本発明の理解を容易にするために好ましい実施例を提示するが、前記実施例は、本記載を例示するものであって、本記載の範疇および技術思想の範囲内で様々な変更および修正が可能であることは当業者にとって明白であり、このような変形および修正が添付の特許請求の範囲に属することは言うまでもない。
【0077】
実施例
実施例1:電池の製造
(1)負極の形成
D50が0.2μmである第1SiO(第1活物質)とD50が7μmである第2SiO(第2活物質)の混合物(重量比1:19)を負極活物質として使用した。バインダーとしてカルボキシメチルセルロース(Carboxylmethyl cellulose、CMC)およびスチレンブタジエンゴム(Styrene butadiene rubber、SBR)を使用した。導電材として、平均直径が5nmであり、平均長さが8μmであるシングルウォールカーボンナノチューブを使用した。
【0078】
前記シングルウォールカーボンナノチューブが溶媒であるCMCに分散されたカーボンナノチューブ分散液を準備した。溶媒である水に、前記負極活物質、前記バインダー、前記カーボンナノチューブ分散液を投入した後、混合して負極スラリーを製造した。
【0079】
前記負極スラリーを厚さが20μmである負極集電体である銅(Cu)金属薄膜に塗布、乾燥した。この際、循環される空気の温度は60℃であった。次いで、圧延(roll press)し130℃の真空オーブンで12時間乾燥した後、1.4875cm2の円形に打ち抜いて負極を製造した。
【0080】
前記負極内で、前記第1SiOおよび第2SiOの全含量は95.4重量%であった。
【0081】
(2)電池の製造
製造された負極を1.7671cm2の円形に切断したリチウム(Li)金属薄膜を正極とした。前記正極と負極との間に多孔性ポリエチレンのセパレータを介在し、メチルエチルカーボネート(EMC)とエチレンカーボネート(EC)の混合体積比が7:3である混合溶液に0.5重量%で溶解されたビニレンカーボネートを溶解させ、1Mの濃度のLiPF6が溶解された電解液を注入し、リチウムコインハーフセル(coin half-cell)を製造した。
【0082】
実施例2~8および比較例1~11:電池の製造
下記表1および表2のように条件を修正した以外は、実施例1と同じ方法で電池を製造した。
【0083】
実施例9:電池の製造
実施例1で使用された第1SiOおよび第2SiOの代わりに、下記の第1活物質および第2活物質を使用した以外は、実施例1と同じ方法で実施例9の負極および電池を製造した。
【0084】
第1活物質として、Mgが表面および/または内部に分布またはドープされたSiO(平均粒径(D50):0.2μm)を準備した。第1活物質にはMgが6重量%含まれた。
【0085】
また、第2活物質として、Mgが表面および/または内部に分布またはドープされたSiO(平均粒径(D50):7μm)を準備した。第2活物質にはMgが6重量%含まれた。
【0086】
【0087】
【0088】
実験例
実験例1:寿命特性(容量維持率)の評価
実施例および比較例の電池に対して充・放電を行って、寿命特性(容量維持率)を評価し、これを下記表3に示した。
【0089】
一方、1回目のサイクルと2回目のサイクルは、0.1Cで充・放電し、3回目のサイクルから100回目のサイクルまでは、0.5Cで充・放電を行った。
【0090】
充電条件:CC(定電流)/CV(定電圧)、5mV/0.005C current cut-off
放電条件:CC(定電流)条件、1.5V cut-off
【0091】
容量維持率は、それぞれ、以下のような計算によって導き出された。
【0092】
容量維持率(%)=(100回目のサイクルの放電容量/1回目のサイクルの放電容量)×100
【0093】
実験例2:初期効率の評価
実施例および比較例の電池に対して、以下の条件で、1サイクルの充・放電を行って、初期効率を評価し、その結果を下記表3に示した。
【0094】
充電条件:0.1C、CC(定電流)/CV(定電圧)、5mV/0.005C current cut-off
放電条件:0.1C、CC(定電流)条件、1.5V cut-off
【0095】
初期効率は、それぞれ、以下のような計算によって導き出された。
【0096】
初期効率(%)=(1回目のサイクルの放電容量/1回目のサイクルの充電容量)×100
【0097】
【表3】
*SWCNT:シングルウォールカーボンナノチューブ
*MWCNT:マルチウォールカーボンナノチューブ
【0098】
前記D50は、レーザ回折法により測定し、比表面積は、BET測定法にしたがった。前記平均直径と平均長さは、負極に対してSEM観察を行って得られた100個のカーボンナノチューブの数値に対する平均値を意味する。
【0099】
前記表3によると、実施例の電池は、比較例の電池に比べて優れた水準の寿命性能を示すことを確認することができる。
【0100】
一方、実施例9の場合、第1SiOおよび第2SiOの表面および/または内部に金属が位置するものであり、寿命性能および初期効率が同時に向上することを確認することができる。