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  • 特許-収納装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/08 20060101AFI20240408BHJP
   A47B 77/04 20060101ALI20240408BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A47B77/08 B
A47B77/04 A
F24F7/06 101A
F24F7/06 101B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019193158
(22)【出願日】2019-10-24
(65)【公開番号】P2021065434
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】北中 浩次
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-090550(JP,U)
【文献】特開昭60-210213(JP,A)
【文献】特開2007-125072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00-77/18
F24F 11/00-11/89
F24F 7/04- 7/06
A47B 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器を収納する収納装置において、台所室内に固定される箱状の収納部本体と、この収納部本体の底部と共に昇降する昇降部とを有し、この底部の上面に炊飯器を載置する載置部を設けると共に、載置された炊飯器のプラグが接続されるコンセントを昇降部に設け、かつ、上記収納部本体内の空気を収納部本体の外部に排気する排気口を設け、上記収納部本体は外部からの信号によって稼働する排気ファンを備えたレンジフードの近傍に設けられ、収納部本体の上記排気口をレンジフード内に連通するダクトを有し、上記昇降部に載置された炊飯器が少なくとも炊飯状態の場合に上記排気ファンを稼働させる排気稼働手段を設けたことを特徴とする収納装置。
【請求項2】
上記排気稼働手段として、上記昇降部に載置された炊飯器が炊飯状態であることを上記コンセントからプラグに供給される電力量から検知すると、上記排気ファンを稼働させる信号を送信する送信部で構成したことを特徴とする請求項に記載の収納装置。
【請求項3】
上記昇降部を下降端まで下降させた状態で上記載置部と排気口との間の通路を択一的に連通する2系統の分割通路を設け、両分割通路の一方に消臭フィルタを設けたことを特徴とする請求項または請求項に記載の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所室内において炊飯器を収納する収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
炊飯器は炊飯時には多量の水蒸気を発生させる。この水蒸気は炊飯器の上部から外部に放出するが、放出後に冷却されて液体である湯気になる(例えば、特許文献1参照)。炊飯器を例えば木製のラック内に載置していると、この湯気が載置部分の天井面に作用して天井面を濡らすことになり、ラックの劣化を早めることになる。
【0003】
このように、炊飯器を収納する場合には炊飯器と収納部分の天井面との距離が短いと天井面に多量の結露が生じるという不具合が生じるので、炊飯器と天井面との間を広く確保できる場所として、例えばシンク横などに設置される場合が多い。
【0004】
なお、炊飯器から湯気を発生させない炊飯器も少数ではあるが存在するものの、そのような炊飯器では発生した水蒸気をドレインとしてタンク内に溜める構造を採用しており、炊飯毎のそのタンク内の水を排水し、かつタンクを洗浄しなければならず、手間がかかるため実際にはあまり普及しておらず、大半の炊飯器からは多量の湯気が発生する状態である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-37602号公報(段落[0015]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、炊飯時に炊飯器から放出される多量の湯気がラックに作用することを嫌って、炊飯器をラックでは無くシンク横などに設置すると、シンク横の調理用に使用できるスペースが炊飯器によって塞がれるという不具合が生じる一方、シンクからの水が炊飯器に掛かるという不具合も生じる。
【0007】
また、シンク横に炊飯器を設置したのでは、炊飯器が常に目視され見栄えが悪いほか、台所全体のデザイン性を損なってしまう。
【0008】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、炊飯時の湯気を気にすること無く、かつ、炊飯器に直接手を触れて使用する時以外はほぼ目に触れることの無い収納装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明による収納装置は、炊飯器を収納する収納装置において、台所室内に固定される箱状の収納部本体と、この収納部本体の底部と共に昇降する昇降部とを有し、この底部の上面に炊飯器を載置する載置部を設けると共に、載置された炊飯器のプラグが接続されるコンセントを昇降部に設け、かつ、上記収納部本体内の空気を収納部本体の外部に排気する排気口を設け、上記収納部本体は外部からの信号によって稼働する排気ファンを備えたレンジフードの近傍に設けられ、収納部本体の上記排気口をレンジフード内に連通するダクトを有し、上記昇降部に載置された炊飯器が少なくとも炊飯状態の場合に上記排気ファンを稼働させる排気稼働手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
載置部に載置された炊飯器は昇降部と共に上昇して収納部本体内に収納されるので、外部に露出しない。また、収納部本体内で炊飯を行う際に生じる湯気などは、収納部本体内の空気と共に排気口から外部に排出されるので、湿気が収納部本体内にこもらない。
【0011】
上記昇降部に載置された炊飯器が少なくとも炊飯状態の場合に、排気稼働手段を設けて、収納部本体内の湿気を排気ファンによって室外に排出する必要がある
【0012】
また、排気口から台所室内に湿気を排出しても、空気と混合されて湿気が希釈されているので特に問題は無いが、梅雨時など室内の湿度が高い場合には、湿気を室内に放出することは避けることが望ましい。そこで、上記収納部本体は外部からの信号によって稼働する排気ファンを備えたレンジフードの近傍に設けられ、収納部本体の上記排気口をレンジフード内に連通するダクトを有し、炊飯器が少なくとも炊飯状態の場合にレンジフードより室外へ湿気を排気するようにした。
【0013】
ところで、この排気稼働手段は手動操作によるスイッチで構成してもよいが、上記排気稼働手段として、上記昇降部に載置された炊飯器が炊飯状態であることを上記コンセントからプラグに供給される電力量から検知すると、上記排気ファンを稼働させる信号を送信する送信部で構成してもよい。
【0014】
また、近年レンジフードの下で喫煙をして喫煙時の煙を室内に充満させず排気ファンによって室外に排出することが行われている。ただし、煙草の煙をそのまま室外に排出すると近隣の別家庭から臭いなどの苦情が生じる場合がある。そこで、排気ファンへの通路途中に消臭フィルタを設けることが考えられるが、一般的に消臭フィルタは水分に弱く、湯気などで濡れると脱臭機能が損なわれる。そこで、上記昇降部を下降端まで下降させた状態で上記載置部と排気口との間の通路を択一的に連通する2系統の分割通路を設け、両分割通路の一方に消臭フィルタを設けて、炊飯時には消臭フィルタが設けられている側の分割通路に湯気が流れないようにすることが望まれる。
【発明の効果】
【0015】
以上の説明から明らかなように、本発明は、炊飯器を収納部本体内に収納するので外部に露出せず、炊飯器が調理等の邪魔にならず、かつ、台所のデザイン性を行わない。また、炊飯時に生じる湯気は収納部本体の排気口から排出されるので、収納部本体内に結露等が生じず、収納部本体の寿命が損なわれることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の収納装置の設置状況を示す台所の図面
図2】収納装置の内部構造を示す図
図3】炊飯状態を検知する手段の一例を示す図
図4】レンジフードに近接して設けた収納装置の内部構造を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照して、1は本発明による収納装置である。本収納装置1は台所KT内の比較的高所、具体的には天井の近くに固定されるものである。台所KTのいずれかの位置に設けられるタイプAを比較例として示し、レンジフードRFに近接して設けられるタイプBを本発明の実施の形態として以下に示す。なお、STはこんろであり、SIは流し台(シンク)である。また、タイプAの場合、正面上部に排気口11が設けられており、タイプAおよびタイプB共に正面下部に操作パネル12が設けられている。
【0018】
図2は上記タイプAの内部構造を示す図である。この収納装置1は下方に開口する箱状の収納部本体2を備えており、この収納部本体2に対してレール23を介して連結され上下方向に昇降自在な筒状の筒体3と、その筒体3に対してレール31を介して連結されて底部40と共に上下方向に昇降自在な昇降部4とから構成されている。なお、この昇降部4は左右一対のアーム41を介してレール31に連結されている。また、収納部本体2内に設けられている昇降用のモータ21によって巻き上げられるワイヤ21aはアーム41に連結されている。従って、モータ21が稼働するとワイヤ21aおよびアーム41を介して昇降部4が引き上げられるように構成されている。そして、上述のように箱状の収納部本体2は下方に開口しており、昇降部4と共に底部40が引き上げられると、この底部40は、図1に示すように、収納部本体2の開口を閉鎖して収納部本体2の底部として機能する。なお、底部40の上面には載置部4aが設けられており、この載置部4aに炊飯器RCが載置される。
【0019】
図3に示すように、昇降部4の載置部4aの後部にはいわゆるコンセント42が設けられており、このコンセント42からプラグPを介して電力が上記炊飯器RCに供給される。なお、本実施の形態では、炊飯器RCに供給される電力、具体的に電流値をモニタし、予め設定された電流値を超えると無線信号を発信する検流器5をコンセント42とプラグPとの間に介在させた。この検流器5は炊飯器RCに流れる電流値から炊飯器RCが炊飯状態であることを検知し、上記信号を発信する。ところで、本実施の形態では、信号を無線方式で発信しているが、ハーネスなどを介して有線方式で発信するように構成してもよい。
【0020】
上記収納部本体2内には図示しない受信部が設けられており、検流器5が発する信号を受信すると、上記モータ21を稼働させて昇降部4を引き上げ、炊飯器RCを収納部本体2内に収納して外部から炊飯器RCが目視されないようにする。また、同時に排気ファン22を稼働させて収納部本体2内の空気を上記排気口11から台所KT内へと排気する。従って、炊飯器RCが炊飯時に発生させる湯気などの湿気は収納部本体2内の空気によって希釈された状態で排気口11から排気される。なお、炊飯が終了した後、炊飯器RC内の米飯を食する場合には、上記操作パネル12に設けた下降スイッチなどを操作して昇降部4を図示の状態まで下降させればよい。
【0021】
次にタイプBについて図4を参照して説明する。このタイプBは上記タイプAと比較して、排気口11が設けられておらず、その代わり排気ダクト13が隣接するレンジフードRFに連結されており、収納部本体2内の空間をレンジフードRF内に連通させている。また、上記排気ファン22を備えておらず、上記検流器5が信号を発すると、レンジフードRF内の図示しない排気ファンが稼働するように構成されている。従って、上記タイプAでは炊飯器RCから発せられる湯気などの湿気は台所KT内に放出されていたが、タイプBではレンジフードRF内の排気ファンによって室外へと排気される。
【0022】
また、このタイプBでは筒体3に左右に並設される2個の分割通路32,33が設けられている。そして、一方の分割通路32に消臭フィルタ35を設けると共に、両分割通路32,33の下部開口部分を択一的に閉鎖する揺動扉34を設けた。
【0023】
この揺動扉34は通常は消臭フィルタ35が設けられている側の分割通路32を閉鎖しており、炊飯器RCから発せられる湯気は他方の分割通路33を通って室外へと排気される。
【0024】
タイプBにはタバコ用の排煙機能が設けられている。この排煙機能は炊飯器RCが炊飯状態の時には作動しないようにインターロックがかかっており、炊飯状態でない場合に、上記操作パネル12に設けた排煙スイッチを操作することによって排煙機能が作動する。
【0025】
排煙機能が作動すると、モータ21を逆転させて昇降部4を下降端まで下降させると共に、揺動扉34を作動させて分割通路32側を開く。さらにレンジフードRF内の排気ファンを作動させる。これにより、筒体3の下方の空気は分割通路32内の消臭フィルタ35を通ってレンジフードRFから室外へと排気される。この状態で筒体3の下方近傍で喫煙すれば煙草の煙は消臭フィルタ35を通って脱臭された後、室外へと排気される。
【0026】
この喫煙機能が作動している状態で、炊飯器RCのタイマなどによって炊飯が開始されると、直ちに喫煙機能が中断して、揺動扉34によって分割通路32側を閉塞し、さらに昇降部4と共に炊飯器RCを収納部本体2内に収納する。
【0027】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0028】
1 収納装置
2 収納部本体
3 筒体
4 昇降部
4a 載置部
5 検流器
11 排気口
12 操作パネル
13 排気ダクト
21 モータ
22 排気ファン
23 レール
31 レール
32 分割通路
33 分割通路
34 揺動扉
35 消臭フィルタ
KT 台所
RC 炊飯器
RF レンジフード
図1
図2
図3
図4