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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】電動工具のホイールカバー
(51)【国際特許分類】
   B24B 55/05 20060101AFI20240408BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240408BHJP
   B24B 23/02 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B24B55/05
B25F5/00 Z
B24B23/02
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019096120
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020023043
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2018145086
(32)【優先日】2018-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大谷 亮介
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-052063(JP,A)
【文献】特開2017-052061(JP,A)
【文献】中国実用新案第204076022(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0358774(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101835560(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102294641(CN,A)
【文献】中国実用新案第202219457(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0157550(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106514468(CN,A)
【文献】中国実用新案第206982460(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 55/05
B25F 5/00
B24B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具の出力軸に装着された円板状の先端工具を覆うホイールカバーであって、
電動工具本体に取り付けられ、前記先端工具の前記電動工具本体側の面である第1面の少なくとも一部を覆うように構成された第1カバーと、
前記第1カバーに着脱可能に装着され、前記先端工具の前記電動工具本体とは反対側の面である第2面の少なくとも一部を覆うように構成された第2カバーと、
前記第2カバーが前記第1カバーに装着されている状態で、前記第1カバーに対し前記第2カバーががたつくのを抑制するがたつき抑制部と、
を備え、
前記第1カバー及び前記第2カバーは、それぞれ、前記先端工具の前記第1面若しくは前記第2面に対し対向配置されて、前記先端工具の板面を保護する板面保護部と、前記先端工具の前記出力軸周りの外周端縁に対し対向配置されて、前記先端工具の外周を保護する外周保護部と、を備え、
前記第2カバーは、前記第1カバーに対し、前記外周保護部同士が重なるように装着され、
前記がたつき抑制部は、前記第1カバー及び前記第2カバーの前記外周保護部同士が離れる方向に付勢することにより、前記出力軸と交差する方向である前記先端工具の径方向に前記第2カバーががたつくのを抑制する第1弾性部材を備えている、電動工具のホイールカバー。
【請求項2】
前記第1弾性部材は、前記第1カバー又は前記第2カバーの前記外周保護部に、前記径方向に可動可能に設けられた第1弾性片にて構成されている、請求項1に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項3】
前記第1弾性片は、前記第1カバー又は前記第2カバーの前記外周保護部に、切り欠きを介して一体形成されている、請求項2に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項4】
前記第1弾性片は、前記第1カバー及び前記第2カバーとは別体に構成され、前記第1カバー又は前記第2カバーの前記外周保護部に固定されている、請求項2に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項5】
前記第1弾性部材は、前記第1カバーの前記外周保護部と前記第2カバーの前記外周保護部との間に、変形可能に設けられている、請求項1に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項6】
前記第1弾性部材は、弾性を有するゴム、スポンジ、又はエラストマにて構成されている、請求項5に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項7】
前記第1弾性部材は、前記第1カバー若しくは前記第2カバーの前記外周保護部の周方向に沿って、複数設けられている、請求項1~請求項6の何れか1項に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項8】
電動工具の出力軸に装着された円板状の先端工具を覆うホイールカバーであって、
電動工具本体に取り付けられ、前記先端工具の前記電動工具本体側の面である第1面の少なくとも一部を覆うように構成された第1カバーと、
前記第1カバーに着脱可能に装着され、前記先端工具の前記電動工具本体とは反対側の面である第2面の少なくとも一部を覆うように構成された第2カバーと、
前記第2カバーが前記第1カバーに装着されている状態で、前記第1カバーに対し前記第2カバーががたつくのを抑制するがたつき抑制部と、
を備え、
前記第1カバー及び前記第2カバーは、それぞれ、前記先端工具の前記第1面若しくは前記第2面に対し対向配置されて、前記先端工具の板面を保護する板面保護部と、前記先端工具の前記出力軸周りの外周端縁に対し対向配置されて、前記先端工具の外周を保護する外周保護部と、を備え、
前記第2カバーは、更に、前記外周保護部の前記板面保護部とは反対側に、前記板面保護部との間で前記第1カバーの前記外周保護部を挟むように設けられた湾曲部を備え、
前記第2カバーは、前記第1カバーに対し、前記外周保護部同士が重なり、且つ、前記板面保護部と前記湾曲部との間で前記第1カバーの前記外周保護部を挟むように装着可能であり、
前記がたつき抑制部は、前記第2カバーの前記湾曲部が前記第1カバーの前記板面保護部から離れる方向に付勢することにより、前記出力軸に平行な軸方向に前記第2カバーががたつくのを抑制する第2弾性部材を備えている、電動工具のホイールカバー。
【請求項9】
前記第2カバーは、更に、前記外周保護部の前記板面保護部とは反対側に、前記板面保護部との間で前記第1カバーの前記外周保護部を挟むように設けられた湾曲部を備え、
前記第2カバーは、前記第1カバーに対し、前記外周保護部同士が重なり、且つ、前記板面保護部と前記湾曲部との間で前記第1カバーの前記外周保護部を挟むように装着可能であり、
前記がたつき抑制部は、前記第2カバーの前記湾曲部が前記第1カバーの前記板面保護部から離れる方向に付勢することにより、前記出力軸に平行な軸方向に前記第2カバーががたつくのを抑制する第2弾性部材を備えている、請求項1~請求項7の何れか1項に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項10】
前記第2弾性部材は、前記第2カバーの前記湾曲部に、前記軸方向に可動可能に設けられた第2弾性片にて構成されている、請求項8又は請求項9に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項11】
前記第2弾性片は、前記第2カバーの前記湾曲部に切り欠きを介して一体形成されている、請求項10に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項12】
前記第2弾性部材は、前記第2カバーの前記湾曲部と前記第1カバーとの間に、変形可能に設けられている、請求項8又は請求項9に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項13】
前記第2弾性部材は、弾性を有するゴム、スポンジ、又はエラストマにて構成されている、請求項12に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項14】
前記第2弾性部材は、前記第2カバーの前記湾曲部に、前記外周保護部の周方向に沿って、複数設けられている、請求項8~請求項13の何れか1項に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項15】
電動工具の出力軸に装着された円板状の先端工具を覆うホイールカバーであって、
電動工具本体に取り付けられ、前記先端工具の前記電動工具本体側の面である第1面の少なくとも一部を覆うように構成された第1カバーと、
前記第1カバーに着脱可能に装着され、前記先端工具の前記電動工具本体とは反対側の面である第2面の少なくとも一部を覆うように構成された第2カバーと、
前記第2カバーが前記第1カバーに装着されている状態で、前記第1カバーに対し前記第2カバーががたつくのを抑制するがたつき抑制部と、
を備え、
前記第1カバー及び前記第2カバーは、それぞれ、前記先端工具の前記第1面若しくは前記第2面に対し対向配置されて、前記先端工具の板面を保護する板面保護部と、前記先端工具の前記出力軸周りの外周端縁に対し対向配置されて、前記先端工具の外周を保護する外周保護部と、を備え、
前記第2カバーは、前記第1カバーに対し、前記外周保護部同士が重なるように装着され、
前記がたつき抑制部は、前記第1カバー及び前記第2カバーの前記外周保護部同士が密着する方向に付勢することにより、前記出力軸と交差する方向である前記先端工具の径方向に前記第2カバーががたつくのを抑制する第3弾性部材を備えている、電動工具のホイールカバー。
【請求項16】
前記第2カバーは、前記第1カバーに対し、前記外周保護部同士が重なるように装着され、
前記がたつき抑制部は、前記第1カバー及び前記第2カバーの前記外周保護部同士が密着する方向に付勢することにより、前記出力軸と交差する方向である前記先端工具の径方向に前記第2カバーががたつくのを抑制する第3弾性部材を備えている、請求項1~請求項14の何れか1項に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項17】
前記第2カバーは、
前記外周保護部にて前記第1カバーの前記外周保護部を覆うように構成され、
前記第2カバーの前記外周保護部の外周方向一端側で、前記第1カバーの前記外周保護部の外周方向一端側に係合可能に屈曲された屈曲部と、
前記第2カバーの前記外周保護部の外周方向他端側に、前記外周保護部の外周方向に変位可能に設けられ、前記第2カバーを第1カバーに装着した際に前記第1カバーの外周保護部の外周方向他端側に手動で係合可能な係合部材と、
を備え、前記第3弾性部材は、前記第2カバーの前記外周保護部の外周方向他端側に、前記係合部材を、前記外周方向他端側から前記外周保護部側に付勢するよう設けられている、請求項15又は請求項16に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項18】
前記第2カバーにおいて、前記係合部材には、前記第3弾性部材の付勢力に抗して、前記係合部材を前記外周保護部の外周方向他端側に変位させるための操作部が備えられている、請求項17に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項19】
前記第2カバーにおいて、前記外周保護部の前記外周方向他端側の外周面には、前記外周保護部の外周方向と直交するよう支持軸が設けられており、
前記係合部材は、前記支持軸に、前記第1カバーの前記外周保護部の外周方向他端と係合可能な係合位置と、該係合位置から待避した待避位置との間で揺動可能に軸支されている、請求項18に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項20】
前記第2カバーにおいて、前記外周保護部の前記外周方向他端側の外周面には、前記係合部材が、前記第3弾性部材の付勢力に抗して前記外周保護部の外周方向他端側に変位し、且つ、前記待避位置にあるとき、前記係合部材に係合して、前記係合部材の位置を保持する保持部が設けられている、請求項19に記載の電動工具のホイールカバー。
【請求項21】
電動工具の出力軸に装着された円板状の先端工具を覆うホイールカバーであって、
電動工具本体に取り付けられ、前記先端工具の前記電動工具本体側の面である第1面の少なくとも一部を覆うように構成された第1カバーと、
前記第1カバーに着脱可能に装着され、前記先端工具の前記電動工具本体とは反対側の面である第2面の少なくとも一部を覆うように構成された第2カバーと、
を備え、
前記第1カバー及び前記第2カバーは、それぞれ、前記先端工具の前記第1面若しくは前記第2面に対し対向配置されて、前記先端工具の板面を保護する板面保護部と、前記先端工具の前記出力軸周りの外周端縁に対し対向配置されて、前記先端工具の外周を保護する外周保護部と、
を備え、
前記第2カバーは、前記第1カバーに対し、前記外周保護部が前記第1カバーの前記外周保護部を覆い、前記外周保護部同士が重なるように装着可能に構成され、
前記第2カバーは、
前記第2カバーの前記外周保護部の外周方向一端側で、前記第1カバーの前記外周保護部の外周方向一端側に係合可能に屈曲された屈曲部と、
前記第2カバーの前記外周保護部の外周方向他端側に、前記外周保護部の外周方向に変位可能に設けられ、前記第2カバーを第1カバーに装着した際に前記第1カバーの外周保護部の外周方向他端側に手動で係合可能な係合部材と、
前記第2カバーの前記外周保護部の外周方向他端側に設けられ、前記係合部材を、前記外周方向他端側から前記外周保護部側に付勢する付勢部材と、
を備えている、電動工具のホイールカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、円板状の先端工具を回転させて研削、研磨、切断等の加工を行う電動工具において、先端工具を覆うのに利用されるホイールカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のホイールカバーは、電動工具の先端工具を回転させて被加工材を加工する際に、火花や粉塵が飛散するのを抑制するのに用いられる。そして、飛散抑制効果を高めるために、先端工具を覆う領域を増やすと、加工作業時に、ホイールカバーが被加工材に干渉して、電動工具による被加工材の加工能力が低下することがある。
【0003】
このため、ホイールカバーは、被加工材の加工作業時にホイールカバーが被加工材に干渉することのないよう、先端工具の種類(換言すれば、加工作業)に応じて、先端工具を覆う領域を変更できるようにする必要がある。
【0004】
つまり、例えば、被加工材を研削・研磨を行う場合には、先端工具の面で被加工材を加工することになるので、ホイールカバーは、先端工具の外周の略半分を電動工具本体側から覆うように構成すればよい。
【0005】
これに対し、被加工材を切断する際には、先端工具の外周部分に設けられた刃で被加工材を切断することになるので、ホイールカバーは、先端工具の外周の略半分を電動工具本体側と電動工具本体とは反対側との両面で覆うように構成すればよい。
【0006】
そして、このように、加工作業に応じて先端工具を覆う領域を変更できるようにするには、加工作業毎に専用のホイールカバーを用意すればよい。しかし、加工作業毎に専用のホイールカバーを用意すると、加工作業に応じて、電動工具に取り付けられるホイールカバーを交換する必要があるため、その交換作業が面倒になる。
【0007】
そこで、ホイールカバーを、電動工具本体に取り付けられて先端工具の外周の略半分を電動工具本体側から覆う第1カバーと、第1カバーに着脱可能に装着されて先端工具を第1カバーとは反対側から覆う第2カバーと、で構成することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0008】
この提案のホイールカバーによれば、第1カバーを電動工具本体に装着しておき、被加工材の切断作業を行うときにだけ、第2カバーを第1カバーに装着して、先端工具の両面を覆うようにすればよい。従って、電動工具本体に対するホイールカバーの交換作業が不要となり、電動工具の使い勝手を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】US2006/0068690
【文献】DE102008022294
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記提案のホイールカバーにおいて、第2カバーは、第1カバーの外周部分を覆うように装着され、第1カバーの外周方向の両端縁若しくは第1カバーの先端工具との対向面に設けられた係合部に第2カバーを係合させることで、第1カバーに固定される。従って、第2カバーは、製造時の寸法のばらつきがあっても、第1カバーへ装着できるように、第1カバーに比べて大きくする必要がある。
【0011】
しかし、このようにすると、第1カバーに対し第2カバーを装着できるものの、第2カバーを装着して電動工具を使用する際に、振動等によって第2カバーが第1カバーに対しがたつき、使用感が低下するという問題がある。また、このように第2カバーががたつくと、第1カバーと第2カバーとの係合部分が摩耗し、ホイールカバーが劣化し易くなる、という問題も生じる。
【0012】
本開示の一側面では、電動工具本体に装着される第1カバーと第1カバーに着脱自在に装着される第2カバーとを備えたホイールカバーにおいて、電動工具の使用時に第2カバーががたつくのを抑制できるようにすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一局面のホイールカバーは、電動工具の出力軸に装着された先端工具を覆うためのものであり、電動工具本体に取り付けられる第1カバーと、第1カバーに着脱可能に装着される第2カバーが備えられている。
【0014】
第1カバーは、先端工具の電動工具本体側の面である第1面の少なくとも一部を覆うように構成されており、第2カバーは、第1カバーに着脱可能に装着されることにより、先端工具の電動工具本体とは反対側の面である第2面の少なくとも一部を覆うように構成されている。
【0015】
そして、第2カバーを第1カバーに装着した状態で電動工具を使用すると、第1カバーに対し第2カバーががたつくことがあるので、本開示のホイールカバーには、第2カバーのがたつきを抑制する、がたつき抑制部が設けられている。
【0016】
このため、本開示のホイールカバーによれば、電動工具の使用時に第2カバーががたつくことで、使用者に不快感を与え、電動工具の使用感を低下させてしまうのを抑制できる。また、第2カバーのがたつきにより、第1カバーと第2カバーとの係合部分が摩耗して、ホイールカバーが劣化するのを抑制できる。
【0017】
ここで、がたつき抑制部は、電動工具の出力軸と交差する方向である先端工具の径方向に、第2カバーががたつくのを抑制するよう構成されていてもよく、電動工具の出力軸に平行な軸方向に、第2カバーががたつくのを抑制するよう構成されていてもよい。また、先端工具の径方向及び軸方向の両方向に、第2カバーががたつくのを抑制するよう構成されていてもよい。
【0018】
ところで、第1カバー及び第2カバーが、それぞれ、板面保護部と外周保護部を備えている場合、第2カバーは、外周保護部同士が重なるように配置することで、第1カバーにしっかりと装着できるようになる。
【0019】
なお、第1カバー及び第2カバーの板面保護部は、先端工具の第1面若しくは第2面に対し対向配置されて、先端工具の板面を保護する部分であり、外周保護部は、先端工具の出力軸周りの外周端縁に対し対向配置されて、先端工具の外周を保護する部分である。
【0020】
そして、この場合、がたつき抑制部として、第1カバー及び第2カバーの外周保護部同士が離れる方向に付勢する第1弾性部材を設けるようにすれば、第1弾性部材にて、第2カバーの径方向へのがたつきを抑制することができる。
【0021】
第1弾性部材は、第1カバー又は第2カバーの外周保護部に、先端工具の径方向に可動可能に設けられた第1弾性片にて構成されていてもよい。
また、この場合、第1弾性片は、第1カバー又は第2カバーの外周保護部に切り欠きを介して一体形成されていてもよく、あるいは、第1カバー及び第2カバーとは別体に構成され、第1カバー又は第2カバーの外周保護部に固定されていてよい。
【0022】
また、第1弾性部材は、第1カバーの外周保護部と第2カバーの外周保護部との間に、変形可能に設けられていてもよい。この場合、第1弾性部材は、弾性を有する部材、例えば、ゴム、スポンジ、又はエラストマ、を用いて構成することができる。
【0023】
また、第1弾性部材は、第1カバー及び第2カバーの外周保護部の周方向の1箇所に設けられていてもよいが、周方向に沿って複数設けるようにすれば、第2カバーの径方向へのがたつきをより良好に抑制することができる。
【0024】
一方、第1カバー及び第2カバーがそれぞれ板面保護部と外周保護部を備えている場合、第2カバーは、更に、外周保護部の板面保護部とは反対側に、板面保護部との間で第1カバーの外周保護部を挟むように設けられた湾曲部を備えてもよい。このようにすれば、第2カバーは、第1カバーに対し、外周保護部同士が重なり、且つ、板面保護部と湾曲部との間で第1カバーの外周保護部を挟むように装着することができる。
【0025】
そして、この場合、がたつき抑制部として、第2カバーの湾曲部が第1カバーの板面保護部から離れる方向(換言すれば軸方向)に付勢する第2弾性部材を設けるようにすれば、第2弾性部材にて、第2カバーの軸方向へのがたつきを抑制することができる。
【0026】
第2弾性部材は、第2カバーの湾曲部に、軸方向に可動可能に設けられた第2弾性片にて構成されていてもよい。この場合、第2弾性片は、第2カバーの湾曲部に切り欠きを介して一体形成されていてもよい。
【0027】
また、第2弾性部材は、第2カバーの湾曲部と第1カバーとの間に、変形可能に設けられていてもよい。この場合、第2弾性部材は、弾性を有する部材、例えば、ゴム、スポンジ、又はエラストマ、を用いて構成することができる。
【0028】
また、第2弾性部材は、第2カバーの湾曲部に、外周保護部の周方向の1箇所に設けられていてもよく、外周保護部の周方向に沿って複数設けられていてもよい。
次に、第1カバー及び第2カバーが、それぞれ、板面保護部と外周保護部を備え、第2カバーが、第1カバーに対し、外周保護部同士が重なるように装着される場合、がたつき抑制部は、外周保護部同士が密着する方向に付勢する第3弾性部材を備えていてもよい。
【0029】
つまり、このように、がたつき抑制部として第3弾性部材を設けるようにしても、第3弾性部材にて、第2カバーの径方向へのがたつきを抑制することができる。なお、第3弾性部材は、上述した第1弾性部材及び第2弾性部材の一方若しくは両方と組み合わせて利用するようにすれば、より良好にがたつきを抑制することが可能となる。
【0030】
ところで、第2カバーが、外周保護部にて第1カバーの外周保護部を覆うように構成されている場合には、第2カバーの外周保護部の外周方向一端側及び他端側に屈曲部及び係合部材をそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0031】
なお、屈曲部は、第1カバーの外周保護部の外周方向一端側と係合可能に屈曲されており、係合部材は、第2カバーの外周保護部に、外周方向に変位可能に設けられることにより、第1カバーの外周保護部の外周方向他端側に手動で係合できるように構成される。
【0032】
この結果、第2カバーは、これら屈曲部と係合部材を、それぞれ、第1カバーの外周保護部の外周方向両端に係合させることで、外周保護部にて第1カバーの外周保護部を覆うように、第1カバーに装着することができる。
【0033】
そして、この場合、第3弾性部材は、第2カバーの外周保護部の外周方向他端側に、係合部材を第2カバーの外周方向他端側から外周保護部側に付勢するように設けるようにするとよい。
【0034】
つまり、このようにすれば、第3弾性部材の付勢力にて、第2カバーの外周保護部を第1カバーの外周保護部に密着させて、第2カバーが第1カバーに対しがたつくのを抑制できる。
【0035】
また、この場合、係合部材は、第2カバーの第1カバーへの装着と、外周保護部同士の密着との両方に利用されることから、これら各機能をそれぞれ実現するために、異なる部材を設ける必要がなく、ホイールカバーの部品点数を少なくすることができる。
【0036】
次に、係合部材には、第3弾性部材の付勢力に抗して、係合部材を外周保護部の外周方向他端側に変位させるための操作部が備えられていてもよい。
このようにすれば、使用者は、操作部を操作することにより、係合部材を、外周保護部の外周方向他端側に変位させて、第1カバーの外周保護部の外周方向他端側と係合を解除し、第2カバーを第1カバーから取り外すことができるようになる。つまり、第2カバーの第1カバーからの取り外し作業を簡単に行うことができる。
【0037】
また次に、第2カバーにおいて、外周保護部の外周方向他端側の外周面には、外周保護部の外周方向と直交するよう支持軸が設けられ、係合部材は、その支持軸に対し、揺動可能に軸支されていてもよい。
【0038】
つまり、このように係合部材を支持軸に軸支させれば、係合部材は、第1カバーの外周保護部の外周方向他端と係合可能な係合位置と、その係合位置から待避した待避位置との間で揺動できるようになる。
【0039】
従って、使用者は、操作部を操作することにより、係合部材を、外周保護部の外周方向他端側に変位させることができるだけでなく、係合部材を支持軸周りに揺動させて、係合位置から待避位置へ変位させることができる。
【0040】
この結果、第2カバーの第1カバーへの装着時或いは第1カバーからの取り外し時に、係合部材が、第1カバーの外周保護部に当たって、装着作業或いは取り外し作業の邪魔になるのを抑制できる。
【0041】
またこの場合、第2カバーにおいて、外周保護部の外周方向他端側の外周面には、係合部材の位置を保持する保持部が設けられていてもよい。そして、保持部は、係合部材が、第3弾性部材の付勢力に抗して外周保護部の外周方向他端側に変位し、且つ、待避位置にあるとき、係合部材に係合して、係合部材の位置を保持するように構成する。
【0042】
このようにすれば、第2カバーの第1カバーへの装着時或いは第1カバーからの取り外し時に、係合部材が第1カバーの外周保護部に当たることがないよう、保持部によって係合部材を保持させることができる。
【0043】
よって、使用者は、第1カバーに対する第2カバーの装着作業及び取り外し作業を行う際に、操作部を操作して係合部材を位置決めする必要がなく、装着作業及び取り外し作業をより簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】第1実施形態のグラインダの外観を表す斜視図である。
図2】第1実施形態のホイールカバーの構成を表す斜視図である。
図3】第2カバーを図2とは逆方向から見た状態を表す斜視図である。
図4】第2カバーの構成を表し、図4Aは第2カバーをギヤハウジング側から見た平面図、図4Bは第2カバーを図4Aの下方から見た側面図、図4C図4Bに示すIVC-IVC線断面図、図4D図4Aに示すIVD-IVD線断面図である。
図5】第1実施形態のホイールカバーの構成を表し、図5Aはホイールカバーをギヤハウジング側から見た平面図、図5Bはホイールカバーを図5Aの下方から見た側面図、図5C図5Bに示すVC-VC線断面図、図5D図5Aに示すVD-VD線断面図である。
図6】第2実施形態のホイールカバーの構成を表す斜視図である。
図7】第2カバーを図6とは逆方向から見た状態を表す斜視図である。
図8】第1カバーに第2カバーが装着された状態のホイールカバーを表し、図8Aは係合部材が閉位置にある状態を表す斜視図、図8Bは係合部材が開位置にある状態を表す斜視図である。
図9】第2実施形態のホイールカバーの構成を表し、図9Aはホイールカバーをギヤハウジング側から見た平面図、図9Bはホイールカバーを図9Aの下方から見た側面図、図9C図9Bに示すIXC-IXC線断面図、図9D図9Aに示すIXD-IXD線断面図である。
図10】第3実施形態のホイールカバーの構成を表す斜視図である。
図11】第2カバーを図10とは逆方向から見た状態を表す斜視図である。
図12】第2カバーの第1カバーへの取り付け手順を表し、図12Aは係合部材が開位置にある状態を表す斜視図、図12Bは係合部材が第1カバーに係合された状態を表す斜視図、図12Cは係合部材が閉位置にある状態を表す斜視図である。
図13】第3実施形態のホイールカバーの構成を表し、図13Aはホイールカバーをギヤハウジング側から見た平面図、図13Bはホイールカバーを図13Aの下方から見た側面図、図13C図13Bに示すXIIIC-XIIIC線断面図、図13D図13Aに示すXIIID-XIIID線断面図である。
図14】第4実施形態のホイールカバーの構成を表す斜視図である。
図15】第2カバーを図14と同方向から見た状態を表す斜視図である。
図16】第4実施形態のホイールカバーの構成を表し、図16Aはホイールカバーをギヤハウジング側から見た平面図、図16Bはホイールカバーを図16Aの下方から見た側面図、図16C図16Bに示すXVIC-XVIC線断面図、図16D図16Aに示すXVID-XVID線断面図である。
図17】第5実施形態のホイールカバーの構成を表す斜視図である。
図18】第1カバーに第2カバーが装着された状態のホイールカバーを表し、図18Aは第2カバー固定前の状態を表す斜視図、図18Bは第2カバー固定後の状態を表す斜視図である。
図19】第5実施形態のホイールカバーを図18Bとは逆方向から見た状態を表す斜視図である。
図20】第5実施形態のホイールカバーの構成を表し、図20Aはホイールカバーをギヤハウジング側から見た平面図、図20Bはホイールカバーを図20Aの下方から見た側面図、図20C図20Bに示すXXC-XXC線断面図、図20D図20Aに示すXXD-XXD線断面図である。
図21】第6実施形態のホイールカバーの構成を表す斜視図である。
図22】第1カバーに第2カバーが装着された状態のホイールカバーを表す斜視図である。
図23】第6実施形態のホイールカバーを図22とは逆方向から見た状態を表す斜視図である。
図24】第6実施形態のホイールカバーの構成を表し、図24Aはホイールカバーをギヤハウジング側から見た平面図、図24Bはホイールカバーを図24Aの下方から見た側面図、図24C図24Bに示すXXIVC-XXIVC線断面図、図24D図24Aに示すXXIVD-XXIVD線断面図、図24E図24Aに示すXXIVE-XXIVE線断面図である。
図25】第1変形例の第2カバーの構成を表し、図25Aは第2カバーを図4Cに対応してギヤハウジング側から見た断面図、図25B図25Aに示すXXVB-XXVB線断面図である。
図26】第1変形例の第2カバーの構成を表し、図26Aは第2カバーを第1カバーに装着される内側から見た状態を表す斜視図、図26Bは第2カバーを図26Aとは逆の外側から見た状態を表す斜視図である。
図27】第2変形例の第2カバーにおいて、第1弾性片としての板ばねが取り外された状態を表す斜視図である。
図28】第2変形例の第2カバーを図4Cに対応してギヤハウジング側から見た断面図である。
図29】第2変形例の第2カバーにおいて、第1弾性片としての板ばねが取り付けられた状態を表し、図29Aは第2カバーを第1カバーに装着される内側から見た状態を表す斜視図、図29Bは第2カバーを図29Aとは逆の外側から見た状態を表す斜視図である。
図30】第3変形例の第2カバーの構成を表し、図30Aは第2カバーを図4Cに対応してギヤハウジング側から見た断面図、図30B図30Aに示すXXXB-XXXB線断面図である。
図31】第3変形例の第2カバーを第1カバーに装着される内側から見た状態を表す斜視図である。
図32】第4変形例の第2カバーの構成を表し、図32Aは第2カバーを図4Cに対応してギヤハウジング側から見た断面図、図32B図32Aに示すXXXIIB-XXXIIB線断面図である。
図33】第4変形例の第2カバーを第1カバーに装着される内側から見た状態を表す斜視図である。
図34】第7実施形態のホイールカバーの構成を表す斜視図である。
図35】第1カバーに第2カバーが装着された状態のホイールカバーを表し、図35Aは係合部材が第1カバーの外周保護部に係合された状態を表す斜視図、図35Bは係合部材の操作部が押下されて変位した状態を表す斜視図、図35Cは係合部材が待避位置に変位した状態を表す斜視図である。
図36】ホイールカバーを係合部材の外側から見た側面図であり、図36A図35Aに示すホイールカバーの側面図、図36B図35Bに示すホイールカバーの側面図、図36C図35Cに示すホイールカバーの側面図である。
図37図35に示したホイールカバーの断面図であり、図37A図36Aに示すXXXVIIA-XXXVIIA線断面図、図37B図36Bに示すXXXVIIB-XXXVIIB線断面図、図37C図36Cに示すXXXVIIC-XXXVIIC線断面図である。
図38図35に示したホイールカバーの断面図であり、図38A図36Aに示すXXXVIIIA-XXXVIIIA線断面図、図38B図36Bに示すXXXVIIIB-XXXVIIIB線断面図、図38C図36Cに示すXXXVIIIC-XXXVIIIC線断面図である。
図39】第1カバーに第2カバーが装着された状態のホイールカバーを、図34図35とは逆方向から見た状態を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態のグラインダ1は、ディスク(円板)状の先端工具6を回転させて被加工材を加工(研削、研磨、切断等)するのに用いられる、手持ち式の電動工具(所謂ディスクグラインダ)である。
【0046】
グラインダ1は、グラインダ本体のハウジングとして、モータハウジング2及びギヤハウジング4を備える。
モータハウジング2は、モータが収納され、使用者が把持可能な略円筒形状のハウジングであり、モータの回転軸は、モータハウジング2の前方に配置されるギヤハウジング4に向かって突出されている。
【0047】
なお、モータハウジング2のギヤハウジング4とは反対側である後方には、リヤカバーが設けられ、その内部にモータの駆動回路等が収納されている。
また、ギヤハウジング4は、モータハウジング2の前方の開口を閉塞するように設けられており、その内部には、モータの回転軸に連結されて、モータの回転をモータの回転軸と直交する出力軸5に伝達する、ギヤ機構が収納されている。
【0048】
出力軸5は、ギヤハウジング4から図1における下方に突出されており、その突出部分には、ロックナットを介して、先端工具6が固定される。なお、出力軸5への先端工具6の取り付け構造については、特許文献1,2等に記載されており、モータハウジング2やギヤハウジング4の内部構成についても公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0049】
このように構成されたグラインダ1においては、リヤカバー内の駆動回路を介してモータが駆動され、モータの回転が、ギヤハウジング4内のギヤ機構を介して出力軸5に伝達される。
【0050】
このため、ロックナットを介して先端工具6を出力軸5に固定しておけば、モータの回転により先端工具6が回転して、研削、研磨、切断等の作業を行うことができる。なお、グラインダ1において用いられる先端工具6としては、研削砥石、切断砥石、ワイヤブラシ、等を挙げることができる。
【0051】
次に、ギヤハウジング4において、出力軸5が突出される部分は、出力軸5の中心軸と同軸で出力軸5を囲むように円筒形状になっており、この円筒部分の外周にホイールカバー8が装着されている。
【0052】
ホイールカバー8は、被加工材の加工時(換言すれば、研削、研磨、切断等の作業時)に発生する火花や粉塵が作業者側に飛散するのを抑制するためのものである。
本実施形態のホイールカバー8は、ギヤハウジング4の出力軸5周りの円筒部分に固定されて、先端工具6をギヤハウジング4側から覆う第1カバー10と、第1カバー10に対し着脱可能に装着される第2カバー30とを備える。
【0053】
図2に示すように、第1カバー10は、先端工具6のギヤハウジング4側の板面(第1面)に対向配置されて、この板面の一部(詳しくは略半分)を覆う半円形状の板面保護部12を備える。
【0054】
また、板面保護部12の外周端縁には、板面保護部12の板面と略直交するように屈曲されて、先端工具6の外周端縁に対向配置される外周保護部11が設けられている。そして、外周保護部11の板面保護部12とは反対側には、先端工具6の径方向内側に湾曲した湾曲部13が設けられている。
【0055】
なお、第1カバー10を構成する板面保護部12、外周保護部11及び湾曲部13は、金属板にて一体形成されている。
また、板面保護部12には、ギヤハウジング4において出力軸5を囲む円筒部分に装着するための円環部16が設けられている。
【0056】
この円環部16は、円環の一部が開口しており、その開口両側は、円環の外側に屈曲されることにより、ギヤハウジング4の円筒部分を径方向内側に締め付けるための締付部17として構成されている。
【0057】
そして、その締付部17には孔が穿設されており、その孔に有頭のボルトを通しナットを螺合することで、第1カバー10は、ギヤハウジング4(換言すればグラインダ本体)に対し、しっかりと固定できるようになる。
【0058】
一方、第2カバー30は、第1カバー10と略同形状であり、板面保護部32、外周保護部31及び湾曲部33を備える。なお、本実施形態では、第2カバーは合成樹脂製であり、板面保護部32、外周保護部31及び湾曲部33は合成樹脂にて一体形成されている。
【0059】
また、第2カバー30は、第1カバー10の外側から被せることができるように、第1カバー10よりも大きくなっている。
このため、第2カバー30は、板面保護部32が第1カバー10の板面保護部12と重なるように、第1カバー10に被せることができるし、板面保護部32が第1カバー10の板面保護部12と対向するように、第1カバー10に被せることができる。
【0060】
そして、第2カバー30の板面保護部32には、板面保護部32が第1カバー10の板面保護部12と重なるように第2カバー30を第1カバー10に被せたときに、円環部16に干渉することのないよう、円環部16を囲む凹部36が設けられている。
【0061】
また、板面保護部32が第1カバー10の板面保護部12と対向するように、第2カバー30を第1カバー10に被せたときには、図1に示すように、板面保護部32が、先端工具6のギヤハウジング4とは反対側の板面(第2面)に対向配置される。
【0062】
従って、このように第2カバー30を配置することで、先端工具6の板面の略半分の領域を第1面及び第2面の両側から覆うことができる。
そして、この状態では、先端工具6の両面がホイールカバー8にて覆われ、先端工具6の半円領域がホイールカバー8から突出されることから、その突出された部分で被加工材の切断作業を行うことができるようになる。
【0063】
また、第2カバー30を第1カバー10から外すか、板面保護部12、32同士が重なるように第2カバー30を第1カバー10に装着すれば、先端工具6のギヤハウジング4とは反対側の板面全域を開放させることができる。
【0064】
従って、この状態では、先端工具6のギヤハウジング4とは反対側の板面を使って、被加工材を研削、研磨する作業を行うことができる。
次に、第2カバー30の外周保護部31において、外周方向一端側には、第2カバー30を第1カバー10に被せた際に、第1カバー10の外周保護部11の外周方向一端側に係合できるように屈曲された屈曲部38が設けられている。なお、本実施形態では、屈曲部38は、外周保護部31から板面保護部32側及び湾曲部33側にも延設されている。
【0065】
また、第2カバー30の外周保護部31において、外周方向他端側には、第2カバー30を第1カバー10に被せた際に、第1カバー10の外周保護部11の外周方向一端側に手動で係合させるための係合部材40が設けられている。
【0066】
図3図5に示すように、係合部材40は、第2カバー30の外周保護部31から板面保護部32及び湾曲部33とは逆方向(つまり外方向)に立設された一対の突出片39に、支持軸47を介して、揺動可能に固定された可動板42を備える。
【0067】
可動板42は、外周保護部31の外周の曲面形状に対応して所定角度で屈曲されており、その屈曲部分内側に設けられた支持片46に支持軸47を挿通することで、外周保護部31の外周面に対し接離可能に設けられている。
【0068】
また、可動板42において、支持軸47を挟んで外周保護部31の外周方向一端側は、外周保護部31に向けて略直角に屈曲されている。この屈曲部分は、可動板42が外周保護部31に当接されているときに、外周保護部31の内側へ突出されて、第1カバー10の外周保護部11の外周方向一端側に係合される、係合片44として機能する。
【0069】
また、可動板42において、支持軸47を挟んで係合片44とは反対側は、可動板42と外周保護部31との間に設けられたコイルばね49により、外周保護部31の外方向に付勢されている。
【0070】
このため、係合部材40の係合片44は、通常時には、コイルばね49により可動板42が付勢されることにより、図4図5に示すように、外周保護部31の内側に突出されて、第1カバー10の外周保護部11と係合できるようになる。
【0071】
また、係合部材40の係合片44は、使用者が、コイルばね49の付勢力に抗して、係合片44とは反対側の操作部48を外周保護部31側に押し込むと、外周保護部31の外側に変位し、第1カバー10の外周保護部11との係合を解除できるようになる。
【0072】
従って、第2カバー30を第1カバー10に装着する際には、屈曲部38を第1カバー10の外周保護部11に係合させて、第2カバー30を第1カバー10に被せ、係合部材40を操作して、係合片44を第1カバー10の外周保護部11に係合させればよい。
【0073】
また、このように第2カバー30が第1カバー10に装着された状態で、使用者が、係合部材40を操作して、第1カバーの外周保護部11に対する係合片44の係合を解除すれば、第2カバー30を第1カバー10から簡単に取り外すことができる。
【0074】
ところで、上記のように第2カバー30を第1カバー10に装着した状態で、被加工材の切断作業等を行う場合、第1カバー10に対し第2カバー30ががたつくことがある。
そこで、本実施形態のホイールカバー8には、このがたつきを抑えるためのがたつき抑制部として、第2カバー30の外周保護部31及び湾曲部33を、第1カバー10から離す方向に付勢する、板ばね状の弾性片34及び35が設けられている。
【0075】
ここで、弾性片34は、第2カバー30の外周保護部31の一カ所に、切り欠きを介して、外周保護部31の外周方向に沿うよう一体的に設けられており、その先端部分は外周保護部31の内側に屈曲されている。
【0076】
この結果、第2カバー30を第1カバー10に装着した際には、図5Cに示すように、弾性片34の先端部分が、第1カバー10の外周保護部11に当接されることになる。
従って、弾性片34は、本開示の第1弾性片或いは第1弾性部材として機能し、第2カバー30は、弾性片34の弾性により、グラインダ1の出力軸5と交差する方向である先端工具6の径方向にがたつくのが抑制されることになる。
【0077】
一方、弾性片35は、第2カバー30の湾曲部33の二カ所に、切り欠きを介して、外周保護部の外周方向に沿うよう、一体的に設けられている。なお、2つの弾性片35は、外周保護部11の外周方向に沿って、間隔をあけて設けられている。そして、各弾性片35の先端部分は、対向する板面保護部32に向けて屈曲されている。
【0078】
この結果、第2カバー30を第1カバー10に装着した際には、図5Dに示すように、弾性片35の先端部分が、第1カバー10の板面保護部12に当接されることになる。
従って、弾性片35は、本開示の第2弾性片或いは第2弾性部材として機能し、第2カバー30は、弾性片35の弾性により、グラインダ1の出力軸5と平行な軸方向にがたつくのが抑制されることになる。
【0079】
よって、本実施形態のホイールカバー8によれば、グラインダ1の使用時に第2カバー30ががたつくことで、使用者に不快感を与え、グラインダ1の使用感を低下させてしまうのを抑制できる。また、第2カバー30のがたつきにより、第1カバー10と第2カバー30との係合部分が摩耗して、ホイールカバー8が劣化するのを抑制できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のホイールカバー8Aについて説明する。
【0080】
本実施形態のホイールカバー8Aは、基本構成は、第1実施形態のホイールカバー8と同じであり、第1実施形態とは、第2カバー30A及び係合部材40Aの構成が異なる。そこで、以下の説明では、この相違点について説明し、第2カバー30A及び係合部材40Aにおいて第1実施形態と対応する箇所には、添え字Aを付与した同一符号を図面に記載し、一部説明を省略する。
【0081】
本実施形態のホイールカバー8Aにおいて、第2カバー30A及び係合部材40Aは、第1カバー10と同様、金属板にて構成されている。
図6図9に示すように、第2カバー30Aにおいて、外周保護部31Aの外周方向一端側には、屈曲部38Aが設けられており、外周方向他端側には、係合部材40Aが設けられている。
【0082】
図6図7に示すように、係合部材40Aは、第1実施形態と同様、第2カバー30Aの外周保護部31Aから突出された一対の突出片39Aに、支持軸47Aを介して揺動可能に固定される可動板42Aを備える。
【0083】
可動板42Aには、第2カバー30Aの一対の突出片39Aを外側から挟むように略直角に屈曲された一対の支持片46Aが設けられている。
そして、可動板42Aは、この一対の支持片46Aで第2カバー30Aの2つの突出片39Aを挟んだ状態で、これら各部に支持軸47Aを挿通することで、外周保護部31Aの外周面に対し接離可能に設けられている。
【0084】
また、可動板42Aは、外周保護部31Aの外周の曲面形状に対応して所定角度で屈曲されており、一対の支持片46Aは、その屈曲部分から外周保護部31Aの外周方向一端側に設けられている。
【0085】
そして、可動板42Aにおいて、支持軸47Aを挟んで外周保護部31Aの外周方向一端側は、係合片44Aとして、外周保護部31Aに向けて略直角に屈曲されている。また、第2カバー30Aの2つの突出片39Aの間には、支持軸47Aが挿通されたトーションばね49Aが設けられている。
【0086】
トーションばね49Aは、可動板42Aの支持軸47Aよりも係合片44A側が外周保護部31に当接するように、支持軸47Aを挟んで係合片44Aとは反対側を、外周保護部31Aから離れる方向に付勢するように設けられている。
【0087】
このため、可動板42Aにおいて、支持軸47Aを挟んで係合片44Aとは反対側は、使用者が、トーションばね49Aの付勢力に抗して外周保護部31A側に押し込むための操作部48Aとして利用できる。
【0088】
従って、図8Aに示すように、第2カバー30Aを第1カバー10に装着した際、トーションばね49Aの付勢力により、係合片44Aを外周保護部31Aの内側に突出させて、第1カバー10の外周保護部11と係合させることができる。
【0089】
また、図8Bに示すように、使用者が、トーションばね49Aの付勢力に抗して、操作部48Aを外周保護部31A側に押し込むことにより、係合片44Aが外周保護部31Aの外側に変位し、第1カバー10の外周保護部11との係合を解除できる。
【0090】
このため、本実施形態の第2カバー30Aにおいても、第1実施形態と同様、係合部材40を利用して、第1カバー10に装着することもできるし、第1カバー10から簡単に取り外すことができる。
【0091】
次に、本実施形態のホイールカバー8Aには、第2カバー30Aを第1カバー10に装着した際のがたつきを抑えるために、第2カバー30Aの外周保護部31Aを第1カバー10から離す方向に付勢する、板ばね状の弾性片34Aが設けられている。
【0092】
弾性片34Aは、第2カバー30Aの外周保護部31Aの周方向の略中央の一カ所に、切り欠きを介して、外周保護部31Aの外周方向に沿うよう、プレス成形等で一体的に設けられており、その先端部分は、外周保護部31Aの内側に屈曲されている。
【0093】
この結果、第2カバー30Aを第1カバー10に装着した際には、図9C図9Dに示すように、弾性片34Aの先端部分が、第1カバー10の外周保護部11に当接されることになる。
【0094】
従って、弾性片34Aは、本開示の第1弾性片或いは第1弾性部材として機能し、第2カバー30Aは、弾性片34Aの弾性により、先端工具6の径方向にがたつくのが抑制されることになる。
【0095】
よって、本実施形態のホイールカバー8Aにおいても、グラインダ1の使用時に第2カバー30Aがたつくことで、使用者に不快感を与え、グラインダ1の使用感を低下させてしまうのを抑制できる。また、第2カバー30Aのがたつきにより、第1カバー10と第2カバー30Aとの係合部分が摩耗して、ホイールカバー8Aが劣化するのを抑制できる。
【0096】
なお、本実施形態の第2カバー30Aには、グラインダ1の出力軸と平行な軸方向へのがたつきを抑制する第2弾性片(第2弾性部材)は設けられていない。しかし、本実施形態の第2カバー30Aは金属製であるため、屈曲部38A、係合片44A、及び、弾性片34Aが第1カバー10にしっかりと当接されるようにすることで、当接部分に生じる摩擦によって、軸方向へのがたつきを抑制することはできる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のホイールカバー8Bについて説明する。
【0097】
本実施形態のホイールカバー8Bは、基本構成は、第1実施形態のホイールカバー8と同じであり、第1実施形態とは、第2カバー30B及び係合部材40Bの構成が異なる。そこで、以下の説明では、この相違点について説明し、第2カバー30B及び係合部材40Bにおいて第1実施形態と対応する箇所には、添え字Bを付与した同一符号を図面に記載し、一部説明を省略する。
【0098】
本実施形態のホイールカバー8Bにおいて、第2カバー30B及び係合部材40Bは、第1実施形態のホイールカバー8Aと同様、金属板にて構成されている。
図10図13に示すように、第2カバー30Bにおいて、外周保護部31Bの外周方向一端側には、屈曲部38Bが設けられており、外周方向他端側には、係合部材40Bが設けられている。
【0099】
図10図11に示すように、係合部材40Bは、板状の連結部材50を介して、第2カバー30Bの外周保護部31Bに取り付けられている。連結部材50は、第2カバー30Bの外周保護部31Bに対し、係合部材40Bを、図12Aに示す開位置と図12Cに示す閉位置との間で変位可能に取り付けるためのものであり、係合部材40Bを開閉させるヒンジを構成している。
【0100】
つまり、図10に示すように、連結部材50には、支持軸47Bを介して、外周保護部31Bに突設された一対の突出片39Bに固定するためのヒンジ部51と、支持軸54を介して係合部材40Bを固定するためのヒンジ部52とが設けられている。
【0101】
そして、連結部材50は、外周保護部31Bに設けられた一対の突出片39Bの間にヒンジ部51を配置することで、第2カバー30Bの外周保護部31Bに取り付けられている。なお、この取り付けは、支持軸47Bを、外周保護部31Bの一方の突出片39Bの孔からヒンジ部51の孔を通って他方の突出片39Bの孔へ挿通することにより行われる。
【0102】
従って、連結部材50は、支持軸47Bを中心として回動可能に、外周保護部31Bに取り付けられることになる。
また、連結部材50のもう一方のヒンジ部52は、支持軸47Bに対し支持軸54が平行になるように、連結部材50に設けられている。そして、係合部材40Bには、このヒンジ部52を両側から挟むように一対の支持片46Bが設けられている。
【0103】
この一対の支持片46Bは、係合部材40Bの本体部分である可動板42Bを屈曲させることにより構成されている。
そして、係合部材40Bは、一対の支持片46Bの間に連結部材50のヒンジ部52を配置し、支持軸54を、一方の支持片46Bの孔からヒンジ部52の孔を通って他方の支持片46Bの孔に至るように挿通することで、連結部材50に取り付けられている。
【0104】
従って、係合部材40Bの可動板42Bは、支持軸54を中心として回動可能に、連結部材50(延いては第2カバー30Bの外周保護部31B)に取り付けられることになる。
【0105】
また、係合部材40Bの可動板42Bにおいて、外周保護部31の外周方向外側には、第1カバー10の外周保護部11の外周方向外側の端縁部分に係合可能に屈曲された係合片44Bが設けられている。
【0106】
また、係合部材40Bにおいて、可動板42Bの係合片44Bとは反対側は、外周保護部31Bの外周の曲面形状に対応して所定角度で屈曲されることにより、操作部48Bとして機能するように構成されている。
【0107】
このため、使用者は、図12A~12Cに示す手順で、第2カバー30Bを第1カバー10に簡単に装着することができる。
つまり、まず図12Aに示すように、第2カバー30Bを第1カバー10に被せ、第2カバー30Bの屈曲部38Bを第1カバー10の外周保護部11に係合させる。そして、図12Bに示すように、係合片44Bを第1カバー10の外周保護部11に係合させ、操作部48Bを第2カバー30側に押し込む。
【0108】
この結果、図12Cに示すように、屈曲部38B及び係合片44Bが、第1カバー10の外周保護部11の両端縁に係合されて、第2カバー30Bは第1カバー10にしっかりと装着されることになる。
【0109】
また、第2カバー30Bを第1カバー10から取り外す際には、使用者は、係合部材40Bの操作部48Bを外方向に引っ張り、第1カバーの外周保護部11に対する係合片44Bの係合を解除すればよい。
【0110】
従って、本実施形態の第2カバー30Bにおいても、第1実施形態と同様、係合部材40Bを利用して、第1カバー10に装着することもできるし、第1カバー10から簡単に取り外すことができる。
【0111】
次に、本実施形態のホイールカバー8Bには、第2実施形態のホイールカバー8Aと同様、がたつき抑制部として、第2カバー30Bの外周保護部31Bに、第1カバー10から離す方向に付勢する、板ばね状の弾性片34Bが設けられている。
【0112】
弾性片34Bは、第2カバー30Bの外周保護部31Bの周方向の略中央の一カ所に、切り欠きを介して、外周保護部31Bの外周方向に沿うよう、プレス成形等で一体的に設けられており、その先端部分は、外周保護部31Bの内側に屈曲されている。
【0113】
このため、第2カバー30Bを第1カバー10に装着した際には、図13C図13Dに示すように、弾性片34Bの先端部分が、第1カバー10の外周保護部11に当接されることになる。
【0114】
従って、弾性片34Bは、上記各実施形態の弾性片34,34Aと同様、本開示の第1弾性片或いは第1弾性部材として機能し、第2カバー30Bは、弾性片34Bの弾性により、先端工具6の径方向にがたつくのが抑制されることになる。
【0115】
よって、本実施形態のホイールカバー8Bにおいても、グラインダ1の使用時に第2カバー30Bがたつくことで、使用者に不快感を与え、グラインダ1の使用感を低下させてしまうのを抑制できる。また、第2カバー30Bのがたつきにより、第1カバー10と第2カバー30Bとの係合部分が摩耗して、ホイールカバー8Bが劣化するのを抑制できる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のホイールカバー8Cについて説明する。
【0116】
本実施形態のホイールカバー8Cは、基本構成は、第1実施形態のホイールカバー8と同じであり、第1実施形態とは、第2カバー30Cの構成が異なる。そこで、以下の説明では、この相違点について説明し、第2カバー30Cにおいて第1実施形態と対応する箇所には、添え字Cを付与した同一符号を図面に記載し、一部説明を省略する。
【0117】
本実施形態の第2カバー30Cは、第1実施形態の第2カバー30と同様、合成樹脂製である。
図14図16に示すように、本実施形態では、第2カバー30Cの外周方向両端部分を、切り欠き61を介して外周保護部31Cから切り離すことで、第2カバー30Cの外周方向両端部分が、外側に弾性変形可能な板ばね状の弾性片62として構成されている。
【0118】
そして、各弾性片62の外周保護部31Cとは反対側の先端部分は、第1カバー10の外周方向両端縁に係合可能な係合片63として、外周保護部31Cの内側に屈曲されている。
【0119】
また、各係合片63は、第2カバー30Cを第1カバー10に装着した際、第1カバー10の外周保護部11だけでなく、外周保護部11から板面保護部12及び湾曲部13に至る角部に係合可能となるよう、幅広に構成されている。
【0120】
従って、本実施形態のホイールカバー8Cにおいては、第2カバー30Cを第1カバー10に装着する際には、各係合片63が第1カバー10の外周方向両端縁と係合するよう、第2カバー30を第1カバー10に被せてスライドさせるだけでよい。
【0121】
このため、本実施形態のホイールカバー8Cにおいては、上記各実施形態のように係合部材40,40A,40Bを利用することなく、第2カバー30Cを第1カバー10に簡単に装着することができる。
【0122】
また、第2カバー30Cを第1カバー10から取り外す際には、弾性片62の付勢力に抗して第2カバー30Cの係合片63を第2カバー30Cの外側に変位させればよく、その取り外し作業も簡単に行うことができる。
【0123】
次に、第2カバー30Cの湾曲部33Cには、第1実施形態と同様、板ばね状の2つの弾性片35Cが、外周保護部31Cの外周方向に沿うように、切り欠きを介して一体的に設けられている。各弾性片35Cは、それぞれ、湾曲部33Cの外周方向中央から外周方向先端方向に向けて形成され、外周方向先端側が変位するように構成されている。
【0124】
また、図15図16に示すように、第2カバー30の外周保護部31Cには、板ばね状の2つの弾性片34Cが、外周保護部31Cの外周方向に沿うように、切り欠きを介して一体的に設けられている。
【0125】
この2つの弾性片34Cは、上記各弾性片35Cと同様、それぞれ、外周保護部31Cの外周方向中央から外周方向先端方向に向けて形成され、外周方向先端側が変位するように構成されている。そして、その先端部分は、外周保護部31Cの内側に屈曲されている。
【0126】
この2つの弾性片34Cは、第2カバー30Cが第1カバー10に装着された際に、先端部分が第1カバー10の外周保護部11に当接されて、第2カバー30Cが先端工具6の径方向にがたつくのを抑制する、第1弾性片或いは第1弾性部材として機能する。
【0127】
また、2つの弾性片35Cは、第2カバー30Cが第1カバー10に装着された際に、第1カバー10の板面保護部12に当接されて、第2カバー30Cがグラインダ1の出力軸5の軸方向にがたつくのを抑制する、第2弾性片或いは第2弾性部材として機能する。
【0128】
よって、本実施形態のホイールカバー8Cによれば、第1実施形態のホイールカバー8と同様、グラインダ1の使用時に第2カバー30Cががたつくことで、使用者に不快感を与え、グラインダ1の使用感を低下させてしまうのを抑制できる。また、第2カバー30Cのがたつきにより、第1カバー10と第2カバー30Cとの係合部分が摩耗して、ホイールカバー8Cが劣化するのを抑制できる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態のホイールカバー8Dについて説明する。
【0129】
本実施形態のホイールカバー8Dは、第1実施形態と同様に構成された第1カバー10と、第1カバー10の外周保護部11に溶接等によって一体的に組み付けられる板体70と、板体70を介して第1カバー10に装着可能な第2カバー30Dと、を備える。
【0130】
なお、第2カバー30Dは、基本構成は第1実施形態と同じであるため、以下の説明では、第2カバー30Dにおいて第1実施形態と対応する箇所には、添え字Dを付与した同一符号を図面に記載し、一部説明を省略する。
【0131】
図17に示すように、第1カバー10の外周保護部11の外周面には、外周面に沿った長尺形状の板体70が組み付けられている。板体70は、金属板をプレス成形することにより構成されており、第1カバー10の外周方向に嵌合孔を形成する複数の嵌合枠72が間隔を空けて突設されている。
【0132】
一方、第2カバー30Dの外周保護部31Dには、図18図19に示すように、第2カバー30Dを第1カバー10に被せて、外周保護部31D,13同士を重ねたときに、板体70の複数の嵌合枠72がそれぞれ挿入される複数の挿入孔78が設けられている。
【0133】
この挿入孔78は、図18Aに示すように、嵌合枠72が挿入された状態で、第1カバー10に対し第2カバー30Dを、図18Bに示す矢印方向に、外周保護部31Dの外周方向に所定長さだけ相対移動できるように、嵌合枠72よりも大きくなっている。
【0134】
そして、各挿入孔78には、第1カバー10に対し第2カバー30を外周保護部31の外周方向に相対移動させたときに、嵌合枠72にて形成される嵌合孔に挿入される嵌合片76が設けられている。
【0135】
この嵌合片76は、第1カバー10側の嵌合枠72と共に、第2カバー30Dを第1カバー10に装着する装着部として機能し、各挿入孔78に同一方向に突出されている。
このため、本実施形態のホイールカバー8Dにおいて、第2カバー30Dを第1カバー10に固定する際には、図18Aに示すように、第2カバー30Dを第1カバー10に被せて、第1カバー10の嵌合枠72を第2カバー30の挿入孔78にそれぞれ挿入する。
【0136】
そして、図18Bに示すように、第2カバー30の挿入孔78に設けられた嵌合片76が第1カバー10の嵌合枠72にて形成される嵌合孔に入るように、第1カバー10に対し第2カバー30Dを矢印方向に相対移動させる。
【0137】
この結果、第2カバー30Dは、嵌合片76が嵌合枠72内に嵌合されることにより、図19に示すように、第1カバー10にしっかりと固定されることになる。また、この装着時には、第1カバー10に対し第2カバー30Dを相対移動させるだけでよいので、極めて簡単に、所謂ワンタッチで装着できることになる。
【0138】
また、第1カバー10に一体的に組み付けられる板体70において、嵌合枠72と嵌合枠72との間には、それぞれ、切り欠きを介して、第1カバー10の外周保護部11の外周方向に沿って弾性片74が一体的に設けられている。
【0139】
この弾性片74は、外周保護部11の外周方向に沿って細長い長尺形状であり、その中央部分が外側に屈曲されている。従って、弾性片74は、第2カバー30Dが第1カバー10に装着された際に、図20C図20Dに示すように、第2カバー30Dの外周保護部31Dの内周面に当接される。
【0140】
このため、弾性片74は、第2カバー30Dが第1カバー10に装着されているとき、第2カバー30Dが先端工具6の径方向にがたつくのを抑制する第1弾性片或いは第1弾性部材として機能する。
【0141】
よって、本実施形態のホイールカバー8Dにおいても、グラインダ1の使用時に第2カバー30Dががたつくことで、使用者に不快感を与え、グラインダ1の使用感を低下させてしまうのを抑制できる。また、第2カバー30Dのがたつきにより、第1カバー10と第2カバー30Dとの係合部分が摩耗して、ホイールカバー8Dが劣化するのを抑制できる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態のホイールカバー8Eについて説明する。
【0142】
本実施形態のホイールカバー8Eは、第1実施形態と同様に構成された第1カバー10と、第1カバー10の外周保護部11に溶接等によって一体的に組み付けられる板体80と、板体80を介して第1カバー10に装着可能な第2カバー30Eと、を備える。
【0143】
なお、第2カバー30Eは、基本構成は第1実施形態と同じであるため、以下の説明では、第2カバー30Eにおいて第1実施形態と対応する箇所には、添え字Eを付与した同一符号を図面に記載し、一部説明を省略する。
【0144】
図21に示すように、第1カバー10の外周保護部11の外周面には、外周面に沿った長尺形状の板体80が組み付けられている。板体80は、金属板をプレス成形することにより構成されており、第1カバー10の外周方向に直交する方向に嵌合孔を形成する複数の嵌合枠82が間隔を空けて突設されている。
【0145】
一方、第2カバー30Eの外周保護部31Eには、湾曲部33が設けられておらず、外周保護部31Eの板面保護部32Eとは反対側は、真っ直ぐに伸びている。
そして、外周保護部31Eの板面保護部32Eとは反対側の開口端縁には、切り欠きを介して、第1カバー10の嵌合枠82にて形成される嵌合孔に嵌合可能な、複数の嵌合片86が設けられている。
【0146】
従って、ホイールカバー8Eは、図22図23に示すように、第2カバー30Eを出力軸5の軸方向に移動させて、第2カバー30Eの各嵌合片86を第1カバー10の各嵌合枠82に嵌合させることで、第2カバー30Eを第1カバー10に装着できる。
【0147】
よって、本実施形態のホイールカバー8Eにおいても、第5実施形態のホイールカバー8Dと同様、第1カバー10に対し第2カバー30Eを、極めて簡単に、所謂ワンタッチで装着できることになる。
【0148】
また、第1カバー10に一体的に組み付けられる板体80において、嵌合枠82と嵌合枠82との間には、それぞれ、切り欠きを介して、第1カバー10の外周保護部11の板面保護部12側が開放された弾性片84が一体的に設けられている。
【0149】
この弾性片84は、外周保護部11の湾曲部13側から板面保護部12側の開放端に至る中央部分が、外側に屈曲されている。従って、弾性片84は、第2カバー30Eが第1カバー10に装着されると、図24に示すように、第2カバー30Eの外周保護部31Eの内周面に当接される。
【0150】
このため、弾性片84は、第2カバー30Eが第1カバー10に装着されているとき、第2カバー30Eが先端工具6の径方向にがたつくのを抑制する第1弾性片或いは第1弾性部材として機能する。
【0151】
よって、本実施形態のホイールカバー8Eにおいても、グラインダ1の使用時に第2カバー30Eががたつくことで、使用者に不快感を与え、グラインダ1の使用感を低下させてしまうのを抑制できる。また、第2カバー30Eのがたつきにより、第1カバー10と第2カバー30Dとの係合部分が摩耗して、ホイールカバー8Eが劣化するのを抑制できる。
【0152】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示のホイールカバーは上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
[第1変形例]
例えば、第1実施形態では、第1弾性片或いは第1弾性部材としての弾性片34は、第2カバー30の外周保護部31に一体形成されるものとして説明した。
【0153】
これに対し、図25に示すように、弾性片34Fを、金属板にて、第2カバー30Fとは別体で構成し、インサート成形によって、第2カバー30Fと0一体化するようにしてもよい。
【0154】
このようにしても、図26に示すように、第1実施形態と同様、外周保護部31Fに弾性片34Fを有する第2カバー30Fを構成することができる。従って、第2カバー30Fを第1カバー10に装着することで、第2カバー30Fが先端工具6の径方向へがたつくのを抑制できる。
【0155】
なお、図25図26に示す第1変形例の第2カバー30Fには、第1実施形態と同じ係合部材40が設けられているが、第2実施形態~第4実施形態のように、係合部材40を変更してもよい。本変形例の第2カバー30Fには、湾曲部33Fに第2弾性片或いは第2弾性部材としての弾性片35は設けられていないが、第1、第4実施形態と同様、弾性片35を設けるようにしてもよい。
[第2変形例]
また、図27図28に示すように、弾性片34Gを、第2カバー30Gとは別体で構成した場合、第2カバー30Gに対し、圧入、用着、接着、或いは、爪による引っ掛け、等によって、弾性片34Gを第2カバー30Gに固定するようにしてもよい。
【0156】
このようにしても、図29に示すように、外周保護部31Gに弾性片34Gを有する第2カバー30Gを構成することができ、第2カバー30Gを第1カバー10に装着することで、第2カバー30Gが先端工具6の径方向へがたつくのを抑制できる。
【0157】
なお、本変形例の弾性片34Gは、第1変形例と同様、金属板にて構成してもよく、合成樹脂にて構成してもよい。また、第2カバー30Gについても、金属板にて構成してもよく、合成樹脂にて構成してもよい。
【0158】
また、本変形例の第2カバー30Gには、第1実施形態と同じ係合部材40が設けられているが、第2実施形態~第4実施形態のように、係合部材40を変更してもよい。また、第2カバー30Gの湾曲部33Gには、第1、第4実施形態と同様、弾性片35を設けるようにしてもよい。
[第3変形例]
次に、上記各実施形態においては、第2カバー30のがたつきを抑制するがたつき抑制部として、第2カバー30若しくは第1カバー10に設けられた1又は複数の弾性片35,34,74,84を利用するものとして説明した。
【0159】
しかし、本開示のがたつき抑制部は、第2カバー30が第1カバー10に装着されているときに、第2カバー30が先端工具6の径方向若しくは出力軸5の軸方向にがたつくのを抑制できればよく、必ずしも、板ばね状の弾性片を利用する必要はない。
【0160】
つまり、図30及び図31に示すように、第2カバー30Hの外周保護部31Hの内周面の周方向中央と、屈曲部38H側端部とに、がたつき抑制部として、弾性を有するゴム、スポンジ、又はエラストマにて構成される弾性部材91、93を貼り付けてもよい。
【0161】
このようにすれば、この弾性部材91、93の弾性にて、第2カバー30Hが先端工具6の径方向にがたつくのを抑制できる。
また、この場合、第2カバー30Hの湾曲部33Hの内周面の周方向中央にも、弾性を有するゴム、スポンジ、又はエラストマにて構成される弾性部材92を貼り付けるようにすれば、第2カバー30Hが出力軸5の軸方向にがたつくのを抑制できる。
【0162】
なお、図30図31における弾性部材91~93の数や貼り付け位置は、適宜変更してもよい。また、これら弾性部材91~93は、第1カバー10の外周面に設けるようにしてもよい。
[第4変形例]
上記第3変形例では、第2カバー30Hの外周保護部31H及び湾曲部33Hの内周面に複数の弾性部材91~93を設けることで、第2カバー30Hが先端工具6の径方向及び出力軸5の軸方向にがたつくのを抑制するものとして説明した。
【0163】
しかし、図32及び図33に示すように、第2カバー30Iの外周保護部31Iから湾曲部33Iにかけて、弾性を有するゴム、スポンジ、又はエラストマにて構成される一つの弾性部材95を貼り付けるようにしてもよい。
【0164】
この場合、図32Aに示すように、第2カバー30Iの外周保護部31Iの周方向中央と屈曲部38I側端部との間の中間位置に弾性部材95を設けることで、第2カバー30Hが先端工具6の径方向及び出力軸5の軸方向にがたつくのを、より良好に抑制できる。
[第7実施形態]
次に、上記第1実施形態~第6実施形態及び第1変形例~第4変形例では、本願発明の第1弾性部材若しくは第2弾性部材として機能する、弾性片34,35,74,84若しくは弾性部材91~93,95にて、がたつきを抑制するようにした。
【0165】
しかし、第2カバー30のがたつきを抑制するには、必ずしも、第1カバー10及び第2カバー30の外周保護部11、31同士が離れる方向に付勢したり、第2カバー30の湾曲部33が第1カバー10の板面保護部12から離れる方向に付勢する必要はない。
【0166】
つまり、第2カバー30に、第1カバー10及び第2カバー30の外周保護部11、31同士が密着する方向に付勢する第3弾性部材を設けるようにしても、第2カバー30のがたつきを抑制することができる。
【0167】
そこで、本実施形態では、第2カバー30に第3弾性部材を設けて、第2カバー30のがたつきを抑制するようにした、ホイールカバーについて説明する。
本実施形態のホイールカバー8Jは、基本構成は、第1実施形態のホイールカバー8と同じであり、第1実施形態とは、第2カバー30J及び係合部材40Jの構成が異なる。そこで、以下の説明では、この相違点について説明し、第2カバー30J及び係合部材40Jにおいて第1実施形態と対応する箇所には、添え字Jを付与した同一符号を図面に記載し、一部説明を省略する。
【0168】
本実施形態のホイールカバー8Jにおいて、第2カバー30J及び係合部材40Jは、第1カバー10と同様、金属板にて構成されている。
図34図39に示すように、第2カバー30Jにおいて、外周保護部31Jの外周方向一端側には、屈曲部38Jが設けられており、外周方向他端側には、係合部材40Jが設けられている。
【0169】
図34に示すように、係合部材40Jは、第1実施形態と同様、第2カバー30Jの外周保護部31Jから突出された一対の突出片39Jに、支持軸47Jを介して揺動可能に固定される可動板42Jを備える。
【0170】
可動板42Jには、第2カバー30Jの一対の突出片39Jを外側から挟むように略直角に屈曲された一対の支持片46Jが設けられている。そして、可動板42Jは、この一対の支持片46Jにて第2カバー30Jの2つの突出片39Jを挟んだ状態で、これら各部に支持軸47Jを挿通することで、外周保護部31Jの外周面に対し接離可能に設けられている。
【0171】
なお、一対の突出片39Jは、第2カバー30Jの外周保護部31Jから、板面保護部32J及び湾曲部33Jとは逆方向に立設されているため、支持軸47Jは、中心軸が外周保護部31Jの外周方向と直交するように配置される。
【0172】
従って、可動板42Jは、支持軸47Jを中心に揺動することで、支持軸47Jを挟んで一端側が、板面保護部32Jの外周方向他端に接近又は離間されることになる。そして、その可動板42Jの一端側は、第1カバー10の外周保護部11の外周方向他端側に係合可能な係合片44Jとして、第2カバー30Jの外周保護部31Jに向けて略直角に屈曲されている。
【0173】
この結果、係合部材40Jは、支持軸47Jを中心に揺動させることで、係合片44Jが第1カバー10の外周保護部11の外周方向他端に係合する係合位置と、係合片44Jが係合位置から待避した待避位置との間で変位させることができる。
【0174】
また、係合部材40Jにおいて、一対の支持片46Jには、支持軸47Jを挿通するための挿通孔45Jとして、外周保護部31Aの外周方向に長い長孔が形成されている。このため、係合部材40Jは、第2カバー30Jに取り付けられた状態で、外周保護部31Jの外周方向に変位可能である。
【0175】
また、係合部材40Jにおいて、可動板42Jの係合片44Jとは反対側は、操作部48Jとして、第2カバー30Jの外周保護部31Jに向けて屈曲されている。そして、係合部材40Jと第2カバー30Jの外周保護部31Jとの間には、操作部48Jを、外周保護部31Jの外周方向他端側から外周保護部31Jに向けて付勢するための付勢部材49Jが設けられている。
【0176】
この付勢部材49Jは、本開示の第3弾性部材に相当するものであり、本実施形態ではコイルばねにて構成されている。そして、付勢部材49は、図37に示すように、第2カバー30Jの外周保護部31Jの外周面に突設された支持突起37Jと、操作部48Jとの間に設けられている。
【0177】
従って、係合部材40Jは、使用者が操作部48Jを操作していない通常時には、図35A図36A図37A図38Aに示すように、付勢部材49Jの付勢力にて、係合片44Jが第1カバー10の外周保護部11の外周方向端部に係合されることになる。
【0178】
そして、この状態では、第2カバー30Jは、外周保護部31Jの一端側に設けられた屈曲部38Jと係合部材40Jとによって、第1カバー10に装着され、しかも、付勢部材49の付勢力により、外周保護部11、31J同士が密着されることになる。
【0179】
よって、本実施形態のホイールカバー8Jによれば、第3弾性部材としての付勢部材49により、第2カバー30Jを第1カバー10に装着した際に生じるがたつきを抑制することができるようになる。
【0180】
なお、図38に示すように、第2カバー30Jの外周保護部31Jの外周面には、係合片44Jが第1カバー10に係合される通常時に、係合部材40が支持軸47Jを中心に揺動するのを阻止する突起101が設けられている。
【0181】
この突起101は、操作部48Jが外周保護部31J側に変位した際に、係合部材40の支持片46Jが当接される位置に配置されている。従って、第2カバー30Jが第1カバー10に装着された状態で、係合部材40Jの係合片44Jが第1カバー10から外れるのを抑制できる。
【0182】
また、この状態で、使用者が付勢部材49Jの付勢力に抗して、操作部48Jを押下すれば、図35B図36B図37B図38Bに示すように、係合部材40Jが外周保護部11、31Jの外周方向他端側に変位する。
【0183】
この結果、係合片44Jと第1カバー10との係合が外れ、第2カバー30Jを第1カバー10から取り外すことができるようになる。そして、この状態では、操作部48Jも変位することから、係合部材40Jは、支持片46Jが突起101に当接することなく、支持軸47Jを中心に揺動できるようになる。
【0184】
従って、図35C図36C図37C図38Cに示すように、使用者が操作部48Jを押下した状態で、操作部48Jを、支持軸47Jを中心に揺動させれば、係合片44Jを、第1カバー10と係合可能な係合位置から待避位置へと変位させることができる。
【0185】
そして、この状態では、第2カバー30Jを第1カバー10から取り外す際に、係合片44Jが第1カバー10に当たることがないので、取り外し作業を容易に行うことができる。
【0186】
また、図38Cに示すように、係合部材40Jの係合片44Jが待避位置へ変位した状態では、係合片付勢部材49Jの付勢力にて、支持片46Jが突起101の係合片44J側の側壁に当接されて、係合部材40Jがその状態に保持される。
【0187】
つまり、突起101の係合片44J側の側壁は、係合部材40Jの係合片44Jが待避位置にあるとき、係合部材40Jの支持片Jに係合して、係合片44Jを待避位置に保持する保持部102として機能する。
【0188】
従って、使用者は、操作部48Jを押下した状態で、操作部48Jを、支持軸47Jを中心に揺動させて、支持片46Jを保持部102に係合させることで、係合部材40Jを待避位置に保持させることができる。
【0189】
よって、使用者は、第2カバー30Jの第1カバー10からの取り外し作業に加えて、第2カバー30Jの第1カバー10への装着作業をも容易に行うことができるようになり、これらの作業性を向上できる。
【0190】
また、第2カバー30Jを第1カバー10に装着した状態で、操作部48Jが外周保護部31Jから離れるように係合部材40Jを揺動させれば、支持片46Jと保持部102との係合が解除される。そして、この状態では、付勢部材49Jの付勢力により、第2カバー30Jが第1カバー10にしっかりと装着されることになる。
【0191】
上記のように、本実施形態のホイールカバー8Jによれば、第2カバー30Jに設けられた屈曲部38Jと係合部材40Jとを利用して、第2カバー30Jを第1カバー10に装着し、第2カバー30Jのがたつきを抑制することができる。
【0192】
このため、ホイールカバー8Jは、第2カバー30Jに屈曲部38Jと係合部材40Jを設けるだけでも、本開示の所期の目的を達成することはできる。
これに対し、本実施形態のホイールカバー8Jには、図39に示すように、第1実施形態のホイールカバー8と同様、第2カバー30Jの外周保護部31J及び湾曲部33Jに、それぞれ、板ばね状の弾性片34J及び35Jが設けられている。
【0193】
従って、本実施形態のホイールカバー8Jによれば、これらの弾性片34J及び35Jと、係合部材40Jに設けられた第3弾性部材としての付勢部材49Jとにより、第2カバー30Jのがたつきをより確実に抑制することができる。
【0194】
なお、第2カバー30Jの外周保護部31Jにおいて、弾性片34Jは、係合部材40Jが設けられる外周方向他端側とは反対側に設けられている。これは、第2カバー30Jの外周保護部31Jの外周方向両側で、第2カバー30Jのがたつきを抑制できるようにするためである。
【0195】
以上、本開示の第1実施形態~第7実施形態及び第1変形例~第4変形例について説明したが、本開示のホイールカバーは、上記実施形態及び変形例における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。また、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【符号の説明】
【0196】
1…グラインダ、4…ギヤハウジング、5…出力軸、6…先端工具、8,8A~8E…ホイールカバー、11…外周保護部、12…板面保護部、13…湾曲部、30,30A~30I…第2カバー、31,31A~31J…外周保護部、32,32A~32J…板面保護部、33,33C,33F~33J…湾曲部、34,34A~34C,34F,34G,34J…弾性片、35,35C,35J…弾性片、38J…屈曲部、40J…係合部材、49J…付勢部材、48J…操作部、47J…支持軸、102…保持部、70,80…板体、74,84…弾性片、91~93,95…弾性部材。
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