(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】情報処理システムと情報処理装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240408BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240408BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240408BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240408BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 331
B41J29/38
B41J29/42 F
G03G21/00 386
H04N1/00 002A
H04N1/00 002C
H04N1/00 L
(21)【出願番号】P 2019101781
(22)【出願日】2019-05-30
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】海野 浩一
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-130407(JP,A)
【文献】特開2018-007229(JP,A)
【文献】特開2005-157458(JP,A)
【文献】特開2016-224690(JP,A)
【文献】特開2018-121188(JP,A)
【文献】特開2009-225316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
H04N 1/00
H04N 1/04-1/207
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34;15/00;15/36;21/00;21/02;21/14;21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段を有する画像形成装置と前記画像形成装置と通信することのできる情報処理装置で構成される情報処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置を操作するユーザに行ってほしい作業を設定する第1の設定手段と、
前記第1の設定手段により設定された前記作業の後に
前記画像形成装置に設定する前記画像形成装置
の設定項目と設定値を設定する第2の設定手段と、
前記第1の設定手段により設定された前記作業
に基づく画像を前記表示手段に表示させるための情報
と前記第2の設定手段により設定された前記
設定項目に前記設定値を設定させるための他の情報
を前記画像形成装置に送信する送信手段と、を有し、
前記画像形成装置は、
前記送信手段により送信された前記情報
と前記他の情報と
を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記情報に従って、前記第1の設定手段により設定された作業を示す前記画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザによる前記作業が完了したことに従って、
前記他の情報に基づき前記
設定項目に前記設定値を設定する制御手段と、を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
ユーザに行ってほしい
前記作業を示す前記画像は、
前記画像形成装置のうちユーザによる
前記作業を行ってほしい箇所を示すオブジェクトと前記箇所に対して行ってほしい前記作業を示す文字列で構成されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
ユーザに行ってほしい
前記作業をオペレータが設定する第1の画面と、前記
設定項目の設定値をオペレータが設定する第2の画面を表示することのできる他の表示手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置の識別情報を取得する取得手段をさらに有し、
前記他の表示手段は、前記取得手段により取得された前記識別情報で特定される前記画像形成装置のハードウェア構成に基づく前記第2の画面を表示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置の前記他の表示手段は、前記画像形成装置の前記表示手段に表示されるユーザに行ってほしい
前記作業を示す前記画像のプレビュー画像を表示することを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記作業は、前記画像形成装置により画像が形成される用紙が収納される収納手段に用紙を収納する作業であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記送信手段は、前記情報と前記他の情報をオペレータにより設定された順番で送信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記第1の設定手段に基づきユーザに行ってほしい
前記作業を示す前記画像を生成する生成手段をさらに有し、
前記送信手段は、前記生成手段により生成された前記画像を送信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記他の情報は、前記作業が実行される前に前記画像形成装置に送信されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記設定項目を設定させるための画面を表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
受信した情報に基づき画面を表示する表示手段を有する画像形成装置と通信することのできる情報処理装置であって、
前記画像形成装置を操作するユーザに行ってほしい作業を設定する第1の設定手段と、
前記第1の設定手段により設定された前記作業の後に
前記画像形成装置に設定する前記画像形成装置の
設定項目と設定値を設定する第2の設定手段と、
前記第1の設定手段による設定に基づく前記画面を前記表示手段に表示させるための情報
と前記第2の設定手段により設定された前記
設定項目に設定値を設定させるための他の情報
を前記画像形成装置に送信する送信手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
ユーザに行ってほしい作業を示す前記画面は、ユーザによる作業を行ってほしい箇所を示すオブジェクトと、ユーザに行ってほしい作業を示す文字列とを含むことを特徴とする請求項1
1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記画像形成装置の識別情報を取得する取得手段と、をさらに有し、
前記送信手段は、前記取得手段により取得された前記識別情報に基づくIPアドレスを宛先として前記他の情報と前記情報を送信することを特徴とする請求項1
1または1
2に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第1の設定手段は、前記取得手段により取得された前記識別情報で識別される前記画像形成装置のハードウェア構成を表示する画面からユーザに作業を行ってほしい箇所を設定することを特徴とする請求項1
3に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記第1の設定手段による設定に基づき前記画像形成装置の前記表示手段に表示される画像データを生成する生成手段をさらに有し、
前記送信手段は、前記生成手段により生成された前記画像データを前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項1
1乃至1
4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
ユーザにより行ってほしい前記作業は、前記画像形成装置の用紙を収納する箇所に用紙を収納する作業であることを特徴とする請求項1
1乃至1
5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
画像を表示する表示手段を有する画像形成装置を前記画像形成装置と通信することのできる情報処理装置で構成される情報処理システムの制御方法において、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置を操作するユーザに行ってほしい作業を設定する第1の設定工程と、
前記第1の設定工程において設定された前記作業の後に
前記画像形成装置に設定する前記画像形成装置
の設定項目の設定値を
設定する第2の設定工程と、
前記第1の設定工程において設定された前記作業
に基づく画像を前記表示手段に表示させるための情報
と前記第2の設定工程において設定された前記
設定項目の設定値を前記画像形成装置に
設定させるための他の情報
を前記画像形成装置に送信する送信工程と、を有し、
前記画像形成装置は、
前記送信工程において送信された前記情報
と、前記他の情報と
を受信する受信工程と、
前記受信工程において受信された前記情報に従って、前記第1の設定工程において設定された作業を示す前記画像を前記表示手段に表示させる表示制御工程と、
ユーザによる前記作業が完了したことに従って、前記他の情報に基づ
き前記
設定項目に前記設定値を設定する制御工程と、を有することを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項18】
受信した情報に基づき画面を表示する表示手段を有する画像形成装置と通信することのできる情報処理装置の制御方法であって、
前記画像形成装置を操作するユーザに行ってほしい作業を設定する第1の設定工程と、
前記第1の設定工程において設定された前記作業の後に
前記画像形成装置に設定する前記画像形成装置
の設定項目と設定値を
設定する第2の設定工程と、
前記第1の設定工程において設定された前記情報に基づく前記画面を前記表示手段に表示させるための情報
と前記第2の設定工程において設定された前記
設定項目に設定値を設定させるための他の情報
を前記画像形成装置に送信する送信工程と、を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムと情報処理装置およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)の使い方や設定方法がわからない場合、ユーザはコールセンタに問い合わせの電話をする。ユーザは、コールセンタのオペレータに行いたいことを伝え、オペレータからの指示に従って操作を行う。
【0003】
ユーザの行いたいことが複雑な場合や、ユーザが設定しなくてはならない設定項目が複数ある場合、すべての操作をオペレータがユーザに電話で指示して行うと時間がかかってしまう。そこで、特許文献1は、ユーザの操作するMFPとオペレータの操作する情報処理装置をネットワークで接続し、オペレータが情報処理装置を操作することで遠隔でMFPを操作できるシステムを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コールセンタに電話をしたユーザが行いたいことには、オペレータが遠隔地から行うことのできるMFPの設定と、オペレータが遠隔地から行うことができずユーザが自身で行わなくてはならない手作業とが混在する場合がある。
【0006】
たとえば、特許文献1に記載の方法を用いて、ユーザが新しい用紙をカセットに収納し当該用紙を使って画質の調整を行う場合には以下のオペレータによる設定とユーザによる手作業が必要となる。まず、オペレータは給紙カセットに対して収納される用紙サイズを設定する。その後、オペレータはユーザに用紙サイズの設定をした給紙カセットに用紙を収納するように電話で指示をする。そして、ユーザが給紙カセットに用紙を収納したのち、オペレータは当該給紙カセットに収納される用紙の種別の設定を行い、画質調整用の画像の印刷に必要な設定と印刷開始指示を行う。
【0007】
このように、画像形成装置の設定とユーザによる手作業が混在する場合、オペレータはユーザによる手作業の完了を待って、手作業の後に行う処理の内容を設定したり、処理の開始を指示することとなる。そのため、オペレータが必要な設定を完了するまでにかかる時間が長くなってしまう。
【0008】
本実施例に記載の情報処理システムは、ユーザによる手作業の後に必要となる設定をするための指示を、ユーザによる手作業の完了を待たずにオペレータが設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施例に記載の情報処理システムは、画像を表示する表示手段を有する画像形成装置と前記画像形成装置と通信することのできる情報処理装置で構成される情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記画像形成装置を操作するユーザに行ってほしい作業を設定する第1の設定手段と、前記第1の設定手段により設定された前記作業の後に前記画像形成装置に設定する前記画像形成装置の設定項目と設定値を設定する第2の設定手段と、前記第1の設定手段により設定された前記作業に基づく画像を前記表示手段に表示させるための情報と、前記第2の設定手段により設定された前記設定項目に前記設定値を設定させるための他の情報を前記画像形成装置に送信する送信手段と、を有し、前記画像形成装置は、前記送信手段により送信された前記情報と前記他の情報とを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記情報に従って、前記第1の設定手段により設定された作業を示す前記画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザによる前記作業が完了したことに従って、前記他の情報に基づき前記設定項目に前記設定値を設定する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本実施例に記載の情報処理システムは、ユーザによる手作業の後に必要となる設定をするための指示を、ユーザによる手作業の完了を待たずにオペレータが設定できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態における情報処理システムの一例を示す図である。
【
図2】実施形態におけるMFP105のスキャナとプリンタの構成を示す図である。
【
図3】実施形態におけるMFP105の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態におけるメンテナンス端末102の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態におけるMFP105を操作して用紙情報を設定する際の画面の一例を示す図である。
【
図6】実施形態におけるMFP105の用紙の自動検知サイズを設定する時の設定画面の一例を示す図である。
【
図7】実施形態におけるMFP105の用紙の設定画面の一例を示す図である。
【
図8】実施形態におけるMFP105とメンテナンス端末102間の処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】実施形態において、MFP105の操作部のディスプレイに表示される作業画面の一例を示す図である。
【
図10】実施形態におけるメンテナンス端末102でメンテナンスデータを作成する時のフローチャートである。
【
図11】実施形態におけるメンテナンス端末102のシリアル番号入力画面とメンテナンスデータ作成画面の一例を示す図である。
【
図12】実施形態におけるメンテナンス端末102に記憶された機種情報データのテーブルの一例を示す図である。
【
図13】実施形態におけるユーザ設定のデータ構造の一例を示す図である。
【
図14】実施形態におけるメンテナンス端末102のデータ設定画面の一例を示す図である。
【
図15】実施形態におけるMFP105のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図16】実施形態におけるメンテナンス端末102の作業情報設定画面の一例を示す図である。
【
図17】実施形態におけるメンテナンス端末102のメンテナンスデータの構造の一例を示す図である。
【
図18】実施形態におけるメンテナンス端末102の画像データの生成処理に用いられるテーブルの一例を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態におけるメンテナンス端末102からMFP105に送信されるデータの構造の一例を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態におけるMFP105でメンテナンスデータを受信した時の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施例1>
以下、図面を用いて本発明の実施例1について説明する。
【0013】
図1は、ネットワークを介した複合機のメンテナンスサービスを提供可能な情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0014】
MFP(Multi Function Peripheral)105、106は、ユーザ環境104の中に設置され、ユーザによって操作される画像形成装置である。MFP105、106はネットワーク103に接続されており、他のMFPやコールセンタ101のメンテナンス端末102と通信することができる。
【0015】
メンテナンス端末102は、コールセンタ101の中に設置されるPC等の情報処理装置である。メンテナンス端末102は、コールセンタ101のオペレータによって操作される。本実施例において、ユーザ環境のMFP105、106は、コールセンタ101のメンテナンス端末102により保守運用されており、メンテナンス端末102から受信したデータにより設定項目の設定がされる。
【0016】
図2は、MFP105のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、ここではMFP105を例に説明するが、ハードウェアの構成はMFP106についても同様である。また、本実施例においてMFPではなくSFP(Single Function Peripheral)を用いるとしてもよい。
【0017】
MFP105は、スキャナ319とプリンタ300により構成される。
【0018】
スキャナ319は、原稿トレイ302上の原稿303を一枚ずつ搬送する。原稿303は流し読み原稿ガラス312へと搬送され、露光部313により露光される。露光部313が露光した光を原稿303が反射した結果がCCDセンサ部316に入力され、電気信号へと変換される。
【0019】
プリンタ300はカセット331、332に収納されている用紙を搬送し、用紙上に画像を形成する。プリンタ300は画像データに基づいてレーザユニット322を制御し、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)それぞれの感光体323、324、325、326に像を形成する。それぞれのトナーで形成された画像を用紙に転写、定着させ、用紙を機外に排出する。
【0020】
用紙長ガイド339はカセット331に収納される用紙の用紙長に合わせて設定されるガイドである。用紙長スイッチは用紙長ガイド339の位置を検知して用紙長サイズを検知するために用いられる。用紙幅ガイド340はカセット331に収納される用紙の幅に合わせて設定されるガイドである。用紙幅スイッチ342は用紙幅ガイド340の位置を検知して用紙幅を検知するために用いられる。
【0021】
次に、
図3はMFP105のハードウェアブロック図である。なお、MFP106についてもMFP105と同様の構成であるとする。
【0022】
CPU401を含む制御部400は、MFP105全体の動作を制御する。CPU401は、ROM402に記憶された制御プログラムを読みだして読取装置や送信制御などの各種制御を行う。DRAM404は、CPU401の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。
【0023】
HDD416はI/O制御部412を介して制御部400と接続される不揮発性のメモリである。HDD416はCPU401の制御によりDRAM404に一時的に保存された画像データの記憶をする。操作部I/F414は、操作部415と制御部400を接続する。
【0024】
操作部415は、タッチパネル機能を有するLCDパネルやテンキー、各種ボタンが備えられている。ユーザは操作部415を操作し、各種設定を入力する。
【0025】
プリンタI/F409は、プリンタ300と制御部400を接続する。プリンタ300内のCPU411はプリンタI/F300とシリアル通信コントローラ413を含むI/O制御部412を介してHDD416やCPU401と通信する。
【0026】
プリンタ410で印刷すべき画像データはプリンタI/F409を介して制御部400から転送され、プリンタ410において記録媒体上に印刷される。
【0027】
スキャナI/F407は、スキャナ319と制御部400を接続する。スキャナ406は、原稿上の画像を読み取って画像データ(画像ファイル)を生成し、スキャナI/F407を介して制御部400に当該画像データを入力する。
【0028】
MFP105は、スキャナ319で生成された画像データ(画像ファイル)をファイル送信またはメール送信することができる。NetworkI/F405は、制御部400をネットワーク103に接続する。
【0029】
Graphic Processor405はDRAM404に一時保存された画像データに対して、RGB→CMYK変換などの色空間変換、変倍処理、さらにDRAM404に保存された複数の画像データを結合するレイアウト処理などを行う。
【0030】
図4は、メンテナンス端末102の構成を示すハードウェアブロック図である。
【0031】
メンテナンス端末102はコンピュータ200と画像を表示するDisplay208、コンピュータへの入力を行うためのInput Device209で構成される。Input Device209はたとえばキーボードやマウスなどのデバイスである。本実施例では、コンピュータ200、Display208、Input Device209を合わせて情報処理装置とする。情報処理装置は、コンピュータ200、Display208、Input Device209が一体化した装置であってもよい。
【0032】
コンピュータ200は、CPU201、ROM202、DRAM203、大容量記憶領域HDD204、Graphic Processor205、入出力回路I/O206、Network I/F207で構成される。
【0033】
CPU201は、ROM202に記憶された基本制御プログラムに従ってHDD204に保存されている汎用制御プログラムをDRAM203に転送し、転送された汎用制御プログラムに従って動作を行う。
【0034】
DRAM203はCPU201のワークエリアとして使用され、I/O206からの情報やNetwork I/F207への送受信データの一時保存、Graphic Processor205のワークエリア等として用いられる。また、HDD204は画像データやメンテナンス用プログラムを記憶する領域として使用される。
【0035】
メンテナンス端末102はNetwork I/F207を介してネットワーク103と接続され、MFP105、106に接続される。
【0036】
ここで、
図5、
図6、
図7を用いて、本実施例において、ユーザがMFP105を操作して、新しく使用する用紙の情報をMFP105に登録するのに必要な操作を説明する。
【0037】
MFP105において新しい用紙を使うためには、MFP105の定着器や感光体ドラム、搬送ローラ、現像ユニット等を用紙の種類にあった設定で動作させるために用紙のサイズや種別を設定することが必要である。従来、ユーザは以下の手順で用紙のサイズ情報と用紙の種類の設定を行っていた。
【0038】
ユーザが操作部415に設けられた不図示の設定キーを押下すると、操作部415のLCDパネルに複数の設定項目が表示された選択画面が表示される。当該選択画面においてユーザが「環境設定」を選択すると操作部415のLCDパネルに
図5に示す設定メニュー画面701が表示される。
【0039】
ユーザは設定メニュー画面701において、「用紙カセットの自動検知サイズ」704を選択し、カセット331、カセット332のうち新しい用紙を収納するカセットの用紙サイズの検知についての設定を行う。
【0040】
ユーザが「用紙カセットの自動検知サイズ」704を選択すると、操作部415のディスプレイに
図6に示す検知サイズ設定画面801が表示される。ユーザは検知サイズ設定画面801において、使用するカセットに対する検知サイズの設定を行う。項目802はカセット331に対応する設定項目であり、ユーザはカセット332に収納された用紙の用紙サイズをA/Bサイズで検知するか、インチサイズで検知するかを選択することができる。項目803はカセット332に対応する設定項目であり、ユーザはカセット332に収納された用紙の用紙サイズをA/Bサイズで検知するか、インチサイズで検知するかを選択することができる。
【0041】
ユーザは用紙を収納するカセットのサイズ情報を設定したのち、「OK」ボタン804を選択する。
【0042】
ユーザは「OK」ボタン804を選択したのち、ユーザは自動検知サイズの設定を行ったカセットを開き、印刷に使用する用紙を収納し、カセットを閉じる。ユーザがカセットを閉じたことに従って、MFP105は用紙長スイッチ、用紙幅スイッチの出力に従って用紙サイズを検知し、検知した用紙サイズと当該カセットと対応づけてDRAM404に記憶する。これにより、カセットに収納された用紙の用紙サイズの設定が完了する。
【0043】
ユーザは次に「用紙の設定」703を設定し、カセットに収納する用紙の種類を設定する。ユーザが「用紙の設定」703を選択すると、操作部415のLCDパネルに
図7(a)に示す用紙設定画面901が表示される。用紙設定画面901は、当該カセットで使用することのできる用紙の種類が一覧で表示される画面であり、ユーザは表示された用紙の種類から当該カセットに収納した用紙の種類を選択するための画面である。
【0044】
用紙設定画面901において、ボタン902はカセット331に収納される用紙の種類を表示するためのボタンである。ボタン902が選択されると、領域905に現在カセット331に対して設定されている用紙のサイズと用紙の種類が表示される。ボタン903はカセット332に収納される用紙の種類を表示するためのボタンである。「設定」ボタン904は選択中のカセットに収納される用紙の種類を設定するためのボタンである。ユーザが「設定」ボタン903を選択すると。
図7(b)に示す用紙選択画面907がLCDパネルに表示される。「OK」ボタン906は用紙設定画面901における用紙の設定を終了するためのボタンである。ユーザが「OK」ボタン906を選択すると、操作部415のLCDパネルに設定メニュー画面701が表示される。
【0045】
用紙選択画面907は、選択中のカセットに収納される用紙の種類を選択する画面である。領域908には、あらかじめ用紙情報が登録されている用紙の種類から使用する用紙の種類を選択するためのボタンが複数表示される。ユーザは領域908に表示されるボタンから当該カセットに収納する用紙に対応するボタンを選択し、「OK」ボタン912を選択する。ユーザが「OK」ボタン912を選択すると、カセットと用紙の種別を示す情報が対応づけてDRAM404に記憶される。そして、操作部415のLCDパネルに用紙設定画面901が表示される。
【0046】
ユーザが領域908からボタンを選択した後に「詳細設定へ」ボタン910を選択すると、領域908から選択したボタンの設定を変更するための不図示の画面が表示される。ユーザは領域908に表示されるそれぞれのボタンについて、不図示の画面を介して用紙の名称や坪量を設定することができる。ユーザが上記の操作を行うことで、新しい用紙を印刷に使用することができるようになる。なお、ここでは用紙を収納するカセットの設定とカセットに収納される用紙の設定までを説明したが、用紙の設定完了後に新しく使用する用紙を使って印刷の画質を確認したり調整したりする場合にはさらにユーザによる操作が必要となる。
【0047】
上記のように新しい用紙を使用するときに必要な設定は複数あり、ユーザの手間が大きい。これらの操作すべてをオペレータが電話で伝え、ユーザがオペレータと電話をしながらMFPを操作して設定を行うのはユーザへの負荷が大きくなる。そこで、本実施例においては、オペレータがメンテナンス端末102を操作してメンテナンスデータを生成し、MFP105が当該メンテナンスデータに基づき設定、および必要な作業を示す画面の表示を行うことでユーザの手間を軽減する。
【0048】
ここで、
図8を用いて本実施例におけるユーザ、MFP105、メンテナンス端末102、オペレータの行う処理のおおまかな流れを説明する。
【0049】
まず、ユーザはコールセンタ101のオペレータに電話をし、これから行いたい設定やメンテナンスの内容をオペレータに伝える(S3000)。本実施例では、ユーザがオペレータに電話をすることで本処理が開始されるとするが、電話でなくてもメンテナンスサービス用のアプリケーションを利用してオペレータとメッセージのやり取りをするようなものであってもよい。また、ユーザがMFP105でメンテナンス用のアプリケーションを起動させると、設定したい項目を選択する画面が表示され、ユーザが項目を選択すると当該情報がコールセンタ101のオペレータに通知されるとしてもよい。
【0050】
オペレータはユーザから、MFP105に関する情報およびMFP105を使ってユーザが行いたい設定、メンテナンスの内容を確認する。たとえば、オペレータはユーザが新しい用紙を使って印刷をしたいのか、トナーの交換をしたいのか、ジャムを解消したいのかなどユーザの行いたい設定やメンテナンスの内容をユーザから聞く。
【0051】
オペレータはメンテナンス端末102を操作し、MFP105にユーザが行いたい設定やメンテナンスを行うために必要な設定情報を生成する(S3001)。たとえば、ユーザが新しい用紙を使用したいのであれば、オペレータは用紙サイズの自動検知に関する設定を行う設定情報と、ユーザに用紙をカセットに収納するよう促す作業情報と、用紙の種類を設定する設定情報をメンテナンス端末102で生成する。
【0052】
オペレータはメンテナンス端末102を操作し、生成した設定情報と作業情報をMFP105に送信する(S3002)。
【0053】
MFP105は受信したデータを解析し、メンテナンス端末102が生成した設定情報に基づいて設定を行う(S3003)。そして、MFP105はメンテナンス端末102から受信したデータの作業情報に基づき、ユーザに必要な作業を示した画面を操作部415のLCDパネルに表示する(S3004)。たとえば、MFP105はメンテナンス端末102から受け取った作業情報に基づき
図9に示すようなユーザに行ってほしい作業を示す作業画面を操作部415のLCDパネルに表示させる。ユーザは操作部415のLCDパネルに表示された画面を確認して、作業を行う(S3005)。
図9はユーザの行う作業を示した作業画面である。「OK」ボタン3101はユーザが作業の完了をMFP105に通知するためのボタンである。「キャンセル」ボタン3102は、メンテナンス端末102から受け取った情報を使った設定処理を中断するためのボタンである。
【0054】
ユーザが「OK」ボタン3101を選択して、操作部415を操作して作業が完了したことをMFP105に通知する(S3006)。これにより、MFP105はユーザによる作業が完了したことを検出する。MFP105は、ユーザが必要な作業を完了したのち、残りの設定情報に従って必要な設定を行う(S3007)。たとえば、上記の
図5~
図7で示した例では、新しい用紙をカセットに収納したのちに用紙の種別を設定したり、当該用紙を使った画質や印刷の調整を行う。この場合、S3007においてMFP105はメンテナンス端末102から受信したデータを使って用紙の種別画質の調整作業を行う。
【0055】
最後に、MFP105はメンテナンス端末102から受信したデータに基づく設定が完了したことをユーザに通知する(S3008)。たとえば、メンテナス端末102から受信したデータによる設定処理が完了したことを示す画面を操作部415のLCDパネルに表示する。
【0056】
このように、本実施例においてユーザは行いたい設定をオペレータに伝え、メンテナンス端末102から受信した作業情報に基づく作業を行うだけで、所望の設定やエラーの解除を行うことができるようになる。
【0057】
以下、
図8に示すシーケンスを実行するために必要な処理を説明する。
図10のフローチャートを用いて、メンテナンス端末102が設定情報および作業情報を生成し、MFP105に送信するのにかかる処理を説明する。
【0058】
図10に示す処理は、オペレータが本実施例に記載のInput Device209を用いてメンテナンスアプリケーションの起動を指示したことに従って開始される。
図10に示す処理は、メンテナンス端末102のCPU201がHDD204に保存されているメンテナンス用プログラムをDRAM203に展開して実行することで実現される。
【0059】
CPU201は
図11(a)のメンテナンスデータ作成画面1501を生成し、Graphic Processor205を介してメンテナンスデータ作成画面1501をDisplay208に表示させる(S1001)。メンテナンスデータ作成画面1501は、入力領域1502を有し、オペレータにMFP105を識別する識別情報であるシリアル番号の入力を促す画面である。オペレータはユーザからMFP105のシリアル番号を聞き、入力領域1502にシリアル番号を入力する。メンテナンス端末102は、MFP105のデバイス種別や製品仕様に関する情報を取得するためにメンテナンスデータ作成画面1501を介してMFP105のシリアル番号を取得する。メンテナンスデータ作成画面1501において「終了」ボタン1503は、オペレータがメンテナンスデータの作成終了を指示するボタンである。
【0060】
CPU201は、メンテナンスデータ作成画面1501を介してシリアル番号を受け付けたか否かを判定する(S1002)。オペレータが入力領域1502にシリアル番号を入力し「次」ボタン1504を選択したことに従って、CPU201はS1003へと処理を進める。オペレータが「次」ボタン1504を選択するまで、CPU201はS1002に記載の処理を繰り返し行う。なお、オペレータが「終了」ボタン1503を選択した場合、CPU201は
図10に示す処理を終了する。
【0061】
CPU201は入力領域1502に入力されたシリアル番号をDRAM203に保存する(S1003)。S1003において、CPU201はHDD204に格納された
図12に示すテーブルから入力領域1502に入力されたシリアル番号に対応するデバイス種別とIPアドレスを取得しDRAM203に記憶する。ここで取得されたIPアドレスはメンテナンスデータの送信に用いられる。
図12はHDD204に記憶されるテーブルの一例を示す模式図である。シリアル番号1801は、メンテナンス端末102が通信可能なMFPのシリアル番号を示している。デバイス種別1802はそれぞれのシリアル番号のMFPのデバイスの型番を示している。IPアドレス1803はそれぞれのシリアル番号のMFPに対応するIPアドレスを示している。
図12に記載のテーブルはHDD204以外の箇所に記憶されていてもよい。たとえば、メンテナンス端末102が通信可能なサーバに記憶されており、S1003においてCPU201がサーバからデバイス種別、IPアドレスの情報を取得しDRAM203に記憶するとしてもよい。
【0062】
CPU201は、
図11(b)に示す手順入力画面1505をDisplay208に表示させる(S1004)。シリアル番号領域1506には、メンテナンスデータ作成画面1501の入力領域1502に入力されたシリアル番号が表示される。デバイス領域1507には、S1003で読み出されたMFP105のデバイス種別が表示される。「データ設定」ボタン1508は、オペレータがMFP105に送信する設定情報を生成するためのボタンである。「作業設定」ボタン1509はオペレータがMFP105に送信する作業情報を生成するためのボタンである。オペレータは「データ設定」ボタン1508または「作業設定」ボタン1509のいずれかを選択する。オペレータがいずれかのボタンを選択すると、選択されたボタンの色が判定し、選択状態であることがわかるように表示される。なお、「データ設定」ボタン1508と「作業設定」ボタン1509は択一的に選択されるものであり、両方を同時に選択することはできない。「データ設定」ボタン1508、「作業設定」ボタン1509のいずれかが選択された状態でオペレータが「OK」ボタン1511を選択すると、それぞれのMFP105に送信するデータの作成を行う画面が表示される。なお、「データ設定」ボタン1508、「作業設定」ボタン1509のいずれも設定がなされていない状態で「OK」ボタン1511が選択されても、メンテナンス端末102のDisplay208の表示は変わらない。「送信」ボタン1510はこれまでにオペレータが作成した設定情報と作業情報をMFP105に送信する処理を開始するボタンである。
【0063】
なお、
図11(b)では不図示であるが、手順入力画面1505において、MFP105に設定されている仕向け情報やカセットやペーパーサイドデッキ、フィニッシャなどMFP105に接続されているオプションパーツの情報の表示、入力を行うとしてもよい。
【0064】
CPU201は、「送信」ボタン1510が選択されたか否かを判定する(S1005)。「送信」ボタン1510が選択された場合、CPU201はS1013以降で後述する処理を実行する。「送信」ボタン1510が選択されていない場合、CPU201は「OK」ボタン1511が選択されたか否かを判定する(S1006)。「OK」ボタン1511が選択されていない場合、CPU201はS1005に処理を戻す。
【0065】
「OK」ボタン1511が選択された場合、CPU201は「データ設定」ボタン1508が選択されているか否かを判定する(S1007)。「データ設定」ボタン1508が選択されていない場合とは、「作業設定」ボタン1509が選択されている場合であり、CPU201はS1011以降で後述する処理を実行する。「データ設定」ボタン1508が選択されている場合、CPU201はHDD204から
図13に示すメンテナンスデータの送信先となるデバイス種別に対応する設定項目のツリー構造データを取得する。そして、CPU201は当該ツリー構造データを基に生成される
図14に示すデータ設定画面1601をDisplay208に表示させる(S1008)。
【0066】
図13は、S1003でDRAM203に記憶されたデバイス種別のMFP105に対応する設定項目のツリー構造データの一例を示す図である。本実施例において、
図13に示すツリー構造は、MFP105の操作部に表示される設定画面のツリー構造と同様のものである。第1の階層1215はユーザがMFP105の装置全体の設定を行うための不図示の設定キーを押下したときに表示される項目を示している。第2階層1216は、ユーザが第1階層1215で選択した項目において設定することのできる項目を示している。第3階層1217はユーザが第2階層で選択した項目に対して、設定することのできる項目を示している。第4階層はユーザが第3階層で選択した項目に対して設定することのできる項目を示している。各設定項目の下に記載されている数字は、CPU201がいずれのデータが設定されたかを識別するための情報である。
【0067】
図14は
図13に示すツリー構造に基づき生成されたデータ設定画面1601である。データ設定画面1601が最初に表示されたときには
図13の第1階層1215に対応する「環境設定」ボタン1602、「調整/メンテナンス設定」ボタン1616、「ファンクション設定」ボタン1617、「宛先設定」ボタン1618が表示される。オペレータが「環境設定」ボタン1602を選択すると、
図13の第2階層1216に対応する1603~1606のボタンが表示される。さらに、オペレータが1603~1609から設定する項目に対応するボタンを選択すると、当該ボタンに対応する第3階層1217の項目のボタン1607~1611が表示される。オペレータが第3階層の項目から設定する項目を選択すると、選択された項目に対応する第4階層1218に対応する項目のボタンが表示される。
図14において、太枠で囲まれている項目がオペレータにより選択された項目である。入力領域1613は上記のボタンで選択した項目の設定値をオペレータが入力する領域である。
図14に示すデータ設定画面1601はオペレータが設定値を文字列で入力するものであるが、項目によってボタンで設定した項目において設定できる設定値をボタンで表示し、オペレータが一つの設定値を選択するようにしてもよい。「OK」ボタン1615は、オペレータがデータ設定を完了するためのボタンである。オペレータが「OK」ボタンを選択すると手順入力画面1505がDisplay208に表示され、オペレータは次の設定情報または作業情報の生成を行うことができる。「キャンセル」ボタン1614は、データ設定画面1601で設定された設定を破棄して手順入力画面1505に戻るためのボタンである。「キャンセル」1614が選択された場合には、データ設定画面1601での設定に対応する設定情報を生成することなく手順入力画面1505が表示される。
図14ではユーザが「環境設定」1602を選択した場合を例に説明した。ユーザが1616~1618までのほかの項目を選択した場合にはそれぞれの選択項目に対応する設定または処理を設定することができる。たとえば、オペレータが「調整/メンテナンス設定」1616を選択した場合には、データ設定画面1601を介して画質や印刷位置の調整に関する設定および画質や印刷位置の調整処理の実行指示を設定することができる。
【0068】
データ設定画面1601を表示したCPU201はオペレータから設定内容の入力を受け付ける(S1009)。CPU201はオペレータが「OK」ボタン1615を選択したことに従って処理をS1010に進める。CPU201は、データ設定画面1601を介して設定された内容をDRAM203に記憶し、処理をS1004に戻す(S1010)。S1008~S1010に記載の処理を行うことでMFP105の設定項目を1つ設定するための設定情報が生成される。オペレータはメンテナンス端末102を操作し、MFP105に設定したい項目数分の設定情報を生成する。なお、ここでは、
図14に示すデータ設定画面1601において「キャンセル」ボタン1614が選択された場合の処理を省略した。S1009ののち、「キャンセル」1614が選択された場合、CPU201はデータ設定画面1601で設定された値を破棄し、S1004に処理を戻す。
【0069】
次に、S1007において「作業設定」ボタン1509が選択されていた場合を説明する。CPU201は、DRAM203に記憶されたMFP105のデバイス種別に対応するMFP105のハードウェア構成情報をHDD204から取得する。ハードウェア構成情報とは、
図15に示すMFP105のハードウェア構成をツリー構造で表した情報である。ハードウェア構成を示すツリー構造において、第1階層1323は作業対象となるデバイスが記憶されている。第2階層1324には、それぞれのデバイスについてユーザに作業をしてもらいたい箇所を示す情報が記憶されている。そして、第3階層1325にはそれぞれの箇所に対してユーザに行ってほしい作業を示すメッセージの情報が記憶されている。たとえば、オペレータが作業対象のデバイスとしてスキャナを選択し、作業箇所として圧板を選択した場合、ユーザに行ってほしい作業として圧板への原稿セット、または圧板からの原稿除去を作業として指示することができる。なお、
図15において各項目に付与されている数字はCPU201がそれぞれの項目を識別するための情報である。
【0070】
そして、CPU201は取得したハードウェア構成情報に基づき、
図16に示す作業設定画面1701をDisplay208に表示させる(S1011)。作業設定画面1701が表示された段階では「プリンタ」ボタン1702、「スキャン」ボタン1703のみが表示されている。オペレータが「プリンタ」ボタン1702を選択すると、
図15に示すツリー構造に従って「プリンタ」の一つ下の階層にある「カセット1」ボタン~「廃トナー」ボタンが表示される。オペレータが「カセット3」ボタン1705を選択すると、
図15において「カセット3」の一つ下の階層にあたる作業内容を示すメッセージを設定するためのボタン1711、1712、1713が表示される。ボタン1711は、カセットに用紙を収納することを示すメッセージを表示するためのボタンである。ボタン1712は、廃トナー回収容器の交換手順を表示するためのボタンである。ボタン1713は、トナーカートリッジの交換手順を表示するためのボタンである。
図16の作業設定画面1701においてプレビュー領域1716はオペレータの設定によってMFP105の操作部415のLCDパネルに表示される画像のプレビュー画像が表示される領域である。MFP105の操作部415のLCDパネルには、プレビュー領域1716に示されるようにユーザにより作業をしてほしい箇所を示すオブジェクトと、当該箇所に対してしてほしい作業を示すテキストが表示される。オペレータはプレビュー領域に表示される画像を見ることでMFP105のLCDパネルに表示される画面を確認することができる。
図16では、オペレータが「プリンタ」ボタン1702、「カセット3」ボタン1705、「用紙セット」ボタン1711を選択した場合にMFP105に表示される画面が表示されている。
【0071】
CPU201はオペレータからの作業情報の設定を受け付ける(S1012)。「OK」ボタン1715が選択されると、CPU201は作業設定画面1701を介して設定された情報を作業情報としてDRAM203に記憶する(S1013)。そして、CPU201は処理をS1004に戻す。
【0072】
オペレータはS1004~S1011を繰り返し設定し、MFP105に設定したい設定情報と、その設定の途中でユーザに行ってほしい作業を示す作業情報を生成する。ここでは、作業設定画面1701においてオペレータが「キャンセル」ボタン1714を選択した場合の処理を省略した。S1012の後オペレータが「キャンセル」ボタン1714を選択した場合、CPU201は作業設定画面1701で設定された内容を破棄し、S1004に処理を戻す。
【0073】
メンテナンス端末102のCPU201はS1001~S1011の処理を行うことで
図17に示すデータ構造のメンテナンスデータを生成する。
【0074】
識別タグ(シリアル番号)1101は文字列1102がMFP105のシリアル番号であることを示すデータである。文字列1102はS1003で保存されたMFP105のシリアル番号を示すデータである。終端タグ1103は識別タグ1101で示されるデータの終端を示している。移行のデータに対しても終端タグはひとつのデータの塊の終端を示すタグである。
【0075】
識別タグ(設定情報)1104は以下の1105~1107で示されるデータがS1010で生成された設定情報であることを示す。設定位置情報1105は
図13の第1階層1215~第4階層1218のそれぞれについていずれの項目が設定されているかを示すデータである。属性1106は入力領域1613に入力されるデータ1109の属性を示すデータある。属性とは、たとえば、文字列や数値を示すデータである。データ1109はデータ設定画面1601の入力領域1613に入力された設定値を示すデータである。
【0076】
識別タグ(作業情報)1108は以下の1109、1110で示されるデータがS1013で生成される作業情報であることを示すデータである。作業箇所情報1109は
図15の第1階層1323、第2階層1324のそれぞれでいずれの項目が設定されているかを示すデータである。詳細オペレーション1110は
図15の第3階層のいずれの項目が設定されているかを示すデータである。
【0077】
図17に示すデータは、オペレータが設定情報、作業情報の設定を行った順番で並べられている。このようにすることで、オペレータはMFP105を使って設定、作業を行うとときと同じ手順でデータの設定を行うことができる。
図17では、オペレータが設定した順番で設定情報と作業情報を並べている。それぞれの設定情報と作業情報にオペレータにより設定された順番を示す情報を付加してもよい。順番を示す情報を付加することでオペレータによる設定順をより明確にすることができる。
【0078】
S1005において「送信」ボタン1510が選択された場合、CPU201はオペレータにより設定された作業情報に基づき、MFP105の操作部415のLCDパネルに表示される画像データを生成する(S1014)。S1005において、CPU201は
図17に示すメンテナンスデータから作業情報を示す識別タグを有するデータを特定する。CPU201は特定した作業情報について、MFP105の操作部に表示する画像データを生成する。
【0079】
図18を用いて画像データの生成処理を説明する。テーブル1900はHDD204に記憶されているテーブルである。デバイス種別1901はメンテナンスデータの送信先とすることのできるMFPのデバイス種別である。CPU201はメンテナンスデータの送信先となるMFP105のデバイス種別に対応付けられた画像ファイルから使用する画像ファイルを選択する。作業箇所情報1902は
図15の第1階層1323、第2階層1324、第3階層1325に対応する情報であり、それぞれの項目を識別するための情報で構成されている。たとえば1905は、オペレータが作業設定画面1701で「プリンタ(2000)」、「カセット3(2004)」、「用紙セット(0001)」を選択した場合の作業箇所情報である。画像ファイル1903はそれぞれの作業箇所情報に対応する画像ファイルの名称を示している。たとえば、1905に対応する画像ファイルは1906であり、その内容は
図18(b)に示す画像である。なお、作業の通知に用いられる画像は静止画であっても動画であってもよい。また、複数の静止画で構成されるファイルであってもよい。複数の静止画で構成される場合、ユーザはMFP105の操作部415を操作して画像を切り替えて表示する。このようにすることで、ユーザは作業手順をより詳細に知ることができる。
【0080】
CPU201は、S1002で入力されたシリアル番号に対応するMFP105に対してメンテナンスデータを送信する(S1015)。S1015において、CPU201はS1003で記憶したIPアドレスを宛先としてメンテナンスデータを送信する。
【0081】
ここで、
図19を用いてMFP105に送信されるメンテナンスデータのデータ構造を説明する。データサイズ1409はメンテナンスデータ全体のデータサイズである。シリアル番号1410はMFP105のシリアル番号を示すデータである。データ数1411は以下の設定情報、作業情報、作業画像のデータ数を示すデータである。設定情報1412,1414、1416、1417はそれぞれ
図10のS1010で生成された設定情報であり、
図17の1104~1107で示す構造のデータである。作業情報番号(1)1413、作業情報番号(2)1415はそれぞれ作業情報があることを示すデータであり、
図17の1108~1110で示す構造の作業情報を変換した画像の表示指示である。作業画像(1)1418は作業情報番号(1)1413に対応する画像データであり、
図10のS1014で生成された作業情報に対応する画像データである。作業画像(2)1419は作業情報番号(2)1415に対応する画像データでありS1014で生成された画像データである。CPU201は、オペレータが設定した順番で設定情報、および作業情報番号をMFP105に送信する。
図19では作業情報番号をインデックスとし、当該作業情報番号に対応する作業画像がすべての設定情報の後ろに付加された。
図19において、作業情報番号が記載されている位置に作業画像を付加し、メンテナンス端末102が設定情報と作業画像を順番に並べたメンテナンスデータをMFP105に送信するとしてもよい。
【0082】
CPU201は
図19に示すメンテナンスデータをMFP105に送信して
図10に示すフローチャートを終了する。
【0083】
なお、本実施例では、オペレータが設定情報と作業情報番号をオペレータが設定した順番で並べて、MFP105に送信した。手順入力画面1505に「編集」ボタンが表示され、オペレータが「編集」ボタンを選択すると、それまでにオペレータが設定した設定情報と作業情報の順番をオペレータが変更できる画面が表示されるとしてもよい。このようにすることで、オペレータが設定情報と作業情報を意図した順番と異なる順番で設定してしまっても、「編集」ボタンを選択して順番を変えることができるようになる。
【0084】
図20は、メンテナンス端末102からメンテナンスデータを受信したMFP105が実行する処理を示すフローチャートである。CPU401がHDD416に記憶されたプログラムを実行することで当該フローチャートに記載の処理を実現する。
図20に記載の処理は、MFP105の起動後開始される。
【0085】
CPU401は、Network I/F405がメンテナンスデータを受信したか否かを判定する(S2001)。CPU401は受信したデータを解析し、その中に設定情報や作業情報を示す識別タグがあるか否かに基づき、受信したデータがメンテナンスデータであるか否かを判定する。
【0086】
受信したデータがメンテナンスデータでない場合、受信したデータに対応する処理を実行し、処理をS2001に戻す。受信したデータがメンテナンスデータである場合、CPU401は、メンテナンスデータをDRAM404に展開する(S2002)。そして、CPU401はDRAM404に展開されたメンテナンスデータを上から順に解析する。
【0087】
CPU401は、識別タグが設定情報を示すタグであるか否かを判定する(S2003)。識別タグが設定情報を示すタグである場合、CPU401は当該識別タグに続く設定位置情報1105、属性1106、データ1107に従って設定項目を特定し、設定値をDRAM404に記憶する(S2004)。たとえば、S2003で検出された設定情報を示す識別タグに続く設定位置情報1105が0001/0001/0002/0001、属性1106が文字列、データ1107が“A/Bサイズ”であるとする。CPU401は、ユーザが操作部を操作して環境設定を設定する画面から、“用紙設定”、“自動検知サイズ”、“カセット3検知サイズ”を選択した画面での設定を“A/Bサイズ”に設定し、設定値をDRAM404に記憶する。CPU401は、カセット3の用紙ガイドの位置を取得し、取得した情報に対応するA/Bサイズの用紙サイズを選択し、カセット3に対応するサイズとしてDRAM404に記憶する。
【0088】
S2004において、識別タグが設定情報でない場合、CPU401は識別タグが作業情報を示すタグであると判定し、当該作業情報タグに対応する作業画像を操作部415のディスプレイに表示する(S2005)。これにより、操作部415のLCDパネルに
図9に記載の画面が表示される。このように、CPU401は操作部415のLCDパネルの表示制御を行う。
【0089】
CPU401は「キャンセル」ボタン3102が選択されたか否かを判定する(S2006)。「キャンセル」ボタン3102が選択された場合、CPU401は本フローチャートに記載の処理を終了する。すなわち、当該作業画像以降の設定情報、作業情報に基づく処理を行わずに処理を終了する。
【0090】
「キャンセル」ボタンが選択されていない場合、CPU401は「OK」ボタン3101が選択されたか否かを判定する(S2007)。「OK」ボタン3101が選択されていない場合、CPU401はS20076に処理を戻す。「OK」ボタン3101が選択されている場合、CPU401は受信したすべてのメンテナンスデータに対応する処理が完了したか否かを判定する(S2008)。たとえば、CPU401は
図19で示すメンテナンスデータのデータ数1411で設定されたデータ数分のデータの受信が完了している場合、すべてのメンテナンスデータに対応する処理が完了したと判定する。メンテナンスデータの受信が完了したか否かを判定する方法は上記の方法と異なる方法であってもよい。たとえば、
図10のS1005で「送信」ボタンが選択されたことに従って、メンテナンス端末102のCPU201がメンテナスデータにメンテナンスデータの最後を示す情報を付加して、MFP105にメンテンナンスデータを送信する。MFP105のCPU401は受信したデータを解析し、解析したデータがメンテナンスデータの最後を示す情報であった場合にメンテナンスデータに対する処理が完了したと判定する。
【0091】
全てのメンテナンスデータに対応する処理が完了した場合、CPU401は
図20に記載の処理を終了する。CPU401は
図20に記載の処理を終了後、新しいメンテナンスデータを受信するために、再度、
図20に記載の処理を開始する。全てのメンテナンスデータに対応する処理が完了していない場合、CPU401はS2003に処理を戻す。
【0092】
MFP105は、メンテナンス端末102から受信したデータを上から順に解釈し、順番に設定、および作業画面の表示を行う。このようにすることで、オペレータが設定情報、作業情報の設定を行った順で、作業、設定を行うことができる。そのため、設定と作業の順番が決まっている処理についてはその順番を守って設定、作業を行うことができる。
【0093】
このように、メンテナンス端末102で設定情報と作業情報を含むメンテナンスデータ作成し、MFP105が当該メンテナンスデータに従って設定を行うことでサービスマンがMFP105を直接操作しなくても設定を行うことができる。さらに、オペレータがユーザによる作業の完了を待たずに、設定に必要なデータ作成を完了することができる。
【0094】
また、メンテナンスデータに含まれる作業情報に従ってユーザに行ってほしい作業をMFP105の操作部に表示することで、ユーザが行わなくてはならない作業をわかりやすくユーザに知らせることができる。
【0095】
<その他の実施形態>
なお、本実施例においては、メンテナンス端末102においてメンテナンスデータ全体を完成させたのち、メンテナンス端末102が完成したメンテナンスデータを一括でMFP105に送信するとした。それぞれの設定情報と作業情報番号および作業画像を順番に送信するとしてもよい。たとえば、オペレータは手順入力画面1505において「送信」ボタン1510を選択すると、メンテナンス端末102は最初の設定情報をMFP105に送信する。MFP105が受信した設定情報に基づき設定を行ったのち、メンテナンス端末102に設定完了を示す通知を送信する。メンテナンス端末102は設定完了の通知を受信したことに従って、次の設定情報または作業情報番号と作業画像の組をMFP105に送信する。メンテナンス端末102が作業情報番号と作業画像をMFP105に送信した場合、ユーザが
図9に示す遠隔設定画面の「OK」ボタン3101を選択したことに従ってMFP105がメンテナンス端末102に作業完了を示す通知を出力する。メンテナンス端末102は作業完了を示す通知を受信して、MFP105に次の設定情報または作業情報番号と作業画像の組を送信する。メンテナンス端末102はこれをオペレータが作成したすべての作業情報と設定情報の送信を完了するまで繰り返し行うようにしてもよい。なお、上記のようにメンテナンスデータを一括で送信しない場合、メンテナンス端末102は作業情報番号と作業画像の組を送信するのではなく、作業画像のみを送信するとしてもよい。
【0096】
なお、本実施例では、オペレータが手順入力画面1505において、データ設定を行うか、作業設定を行うかを選択して、設定情報および作業情報の生成を行うとして説明した。メンテナンス端末102が選択された設定情報に基づき、データ設定に続けて作業設定をオペレータに行わせるとしてもよい。たとえば、オペレータがデータ設定画面1601で
図14に示すように「用紙の設定」1603を選択して設定情報を生成した場合に、用紙の設定がなされたカセットに用紙を入れる作業が考えられる。このとき、オペレータが「用紙の設定」1603を選択して、「OK」ボタン1615を選択したのちに、手順有力画面1505を表示することなく、作業設定画面1701を表示するとしてもよい。
【0097】
本実施例において、メンテナンス端末102はオペレータによって設定された作業情報に対応する表示用の画像データを生成し、生成した画像データをMFP105に送信した。
【0098】
メンテナンス端末102がオペレータによって設定された作業情報をそのままMFP105に送信し、MFP105が受信した作業情報から表示用の画像データを生成するとしてもよい。
【0099】
また、本実施例ではユーザが新しい用紙を用紙カセットに収納し、当該用紙の設定を行う場合を例に説明した。これ以外にも、本情報処理システムを用いて印刷画像の色や画質の調整を行ったり、トナーやインクを格納するカートリッジや廃トナーの回収容器など消耗部品の交換を行うとしてもよい。
【0100】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのコンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。