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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】医用情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240408BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019153123
(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公開番号】P2020038642
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2018160725
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】狩野 佑介
(72)【発明者】
【氏名】杉山 真哉
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 和樹
(72)【発明者】
【氏名】朴 龍勲
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 杏莉
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-153920(JP,A)
【文献】特開平07-105286(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121552(WO,A1)
【文献】特開2014-161678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者の診療情報から、診療における判断の指標となるイベントが発生した患者を識別する患者識別情報、及び当該イベントに関連付けられた時間を表す時間情報を取得する取得部と、
複数の前記患者識別情報、及び複数の前記時間情報に基づいて、前記イベントに関するアイコンを、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングしたマッピングデータを生成するマッピング部と、
前記マッピングデータをディスプレイに表示する表示制御部と
を備え、
前記取得部は、前記患者識別情報、及び前記時間情報を、前記イベントの種類を表す複数のイベント種別に亘って取得し、
前記マッピング部は、前記複数のイベント種別に亘る前記患者識別情報、及び前記時間情報に基づいて、前記マッピングデータを生成し、
前記表示制御部は、前記マッピングデータに含まれる患者毎の前記複数のイベント種別の出現パターンに従って、ディスプレイに表示される前記マッピングデータの表示態様を変更する、医用情報表示装置。
【請求項2】
前記マッピング部は、前記患者を特定する前記アイコンを、共通の時間軸にマッピングした前記マッピングデータを生成する、
請求項1に記載の医用情報表示装置。
【請求項3】
前記マッピング部は、前記イベントを特定する前記アイコンを、前記患者を識別可能に共通の時間軸にマッピングした前記マッピングデータを生成する、
請求項1に記載の医用情報表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記患者毎のイベントに関連するイベント関連情報を前記マッピングデータと共に表示する
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の医用情報表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記イベント関連情報を要約して表示する、
請求項4に記載の医用情報表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、所定の表示指示に従って、前記患者の診療情報の詳細を表示する、 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の医用情報表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、ユーザが閲覧した前記イベントと、前記ユーザが閲覧していない前記イベントとを判別可能に表示する、
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の医用情報表示装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記時間軸の範囲の変更に同期させて、表示する前記イベント関連情報の内容を変更する、
請求項4または請求項5に記載の医用情報表示装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記イベントの種類を表すイベント種別に応じて、前記患者の診療情報の詳細の表示内容を変更する、
請求項6に記載の医用情報表示装置。
【請求項10】
前記イベントは、診療ワークフローにおけるイベントを表す、
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の医用情報表示装置。
【請求項11】
前記イベントは、診療に関する経験則に基づいて前記患者の診療情報から検出されるイベントを表す、
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の医用情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用情報表示装置に関する
【背景技術】
【0002】
近年、患者の診療情報を統合的に観察することが可能な診療情報統合ビューアを実装している医用情報表示装置がある。このような医用情報表示装置では、医師等のユーザは、医用情報表示装置のディスプレイに表示されている患者の診療情報を統合的に観察し、患者の診断及び治療等を行うことが可能である。患者の診療情報には、例えば、医用画像を表す医用画像データ、及び電子カルテデータ等の様々な種類の情報が含まれている。具体的には、診療情報には、例えば、画像検査、検体検査、及び細菌検査等の検査結果、バイタルサイン、薬剤投与に関する情報、読影レポート、並びに、カルテ記載内容等の項目がある。患者の診療情報は、日々所定のデータベースに蓄積される。
【0003】
このような統合ビューアが実装されている医用情報表示装置では、ユーザは、例えば、ディスプレイに表示される画面において、診療情報の各項目を、任意に選択し、所定の領域に配置して表示することができる。
【0004】
ところで、個々の医師が行う診療業務を効率化するには、優先して診療すべき患者の診療情報に迅速にアクセスできることが重要となる。ここで、従来技術では、例えば、患者に対する診療の進捗状況を表す情報が患者毎に表示されている。このとき、ユーザは、この進捗状況を表す情報を各患者について確認しながら、例えば患者間における患者の診療情報の確認の優先度を決定していた。このため、優先して診療すべき患者の診療情報にアクセスするまでに多くの時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-130984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、優先して診療すべき患者の診療情報にアクセスするまでの時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る医用情報表示装置は、取得部と、マッピング部と、表示制御部とを備える。取得部は、複数の患者の診療情報から、診療における判断の指標となるイベントが発生した患者を識別する患者識別情報、及び当該イベントに関連付けられた時間を表す時間情報を取得する。マッピング部は、複数の患者識別情報、及び複数の時間情報に基づいて、イベントに関するアイコンを、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングしたマッピングデータを生成する。表示制御部は、マッピングデータをディスプレイに表示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る医用情報表示装置が含まれる医療情報システムを表すブロック図である。
図2図2は、図1に示される医用情報表示装置の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る医用情報表示装置の処理回路の動作の例を表すフローチャートである。
図4図4は、図2に示されるディスプレイに表示される心不全兆候イベントに関する診療画面の例を示す図である。
図5図5は、図2に示されるディスプレイに表示される手術予定イベントに関する診療画面の例を示す図である。
図6図6は、図2に示されるディスプレイに表示される画像検査イベントに関する診療画面の例を示す図である。
図7図7は、変形例1に係るマッピングデータの表示例を示す図である。
図8図8は、変形例1に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。
図9図9は、変形例1に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。
図10図10は、変形例2に係るマッピングデータの表示例を示す図である。
図11図11は、変形例2に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。
図12図12は、変形例2に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。
図13図13は、変形例2に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。
図14図14は、変形例3に係るマッピングデータの表示例を示す図である。
図15図15は、変形例3に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。
図16図16は、変形例3に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。
図17図17は、変形例4に係るマッピングデータの表示例を示す図である。
図18図18は、変形例4に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。
図19図19は、変形例4に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。
図20図20は、他の実施形態に係る診療画面の例を表す図である。
図21図21は、他の実施形態に係る患者の診療情報の詳細を表す患者詳細画面の例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る医用情報表示装置1が利用される環境の例を表すブロック図である。図1に示される医用情報表示装置1は、例えば、医療情報を統合的に観察することが可能な装置である。医用情報表示装置1には、例えば統合ビューアが実装されている。統合ビューアは医療情報を統合的にユーザに提示するアプリケーションである。統合ビューアは、Webアプリケーション、ファットクライアントアプリケーション、又は、シンクライアントアプリケーション等、いずれの実装形態を採用しても良い。医用情報表示装置1は、病院情報システム(HIS:Hospital Information Systems)2、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiology Information Systems)3、医用画像診断装置4、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)5、及びデータウェアハウス(DWH:Data WareHouse)6と、例えばLAN(Local Area Network)等の病院内ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0011】
図1において、HIS2は、例えば、電子カルテに関する情報を管理する電子カルテシステムを含む。電子カルテに関する情報には、例えば、患者情報及び診療情報が含まれる。患者情報は、患者固有の情報であり、例えば、患者ID、患者氏名、性別、及び年齢等を含む。
【0012】
診療情報は、診療の過程で、患者の身体状況、病状、及び治療等について、医療従事者が知り得た情報である。診療情報は、例えば、画像情報、検査履歴情報、心電図情報、バイタルサイン情報、薬歴情報、レポート情報、カルテ記載情報、及び看護記録情報等を含む。画像情報は、例えば、患者を撮影等することにより取得された医用画像の所在を表す情報である。画像情報には、例えば、検査が実施された結果、医用画像診断装置4により生成される後述の医用画像ファイルの所在を表す情報が含まれる。検査履歴情報は、例えば、患者に対して検体検査、及び細菌検査等が行われた結果取得される検査結果の履歴を表す情報である。心電図情報は、例えば、患者から計測された心電図波形に関する情報である。バイタルサイン情報は、例えば、患者の生命に関わる基本的な情報である。バイタルサイン情報には、例えば、脈拍数、呼吸数、酸素濃度、体温、血圧、及び意識レベル等が含まれる。薬歴情報は、例えば、患者に投与された薬剤の量の履歴を示す情報である。レポート情報は、例えば、診療科の診療医からの検査依頼に対して、放射線科の読影医がX線画像、CT画像、MRI画像、及び超音波画像等の医用画像を読影し、患者の状態及び疾患についてまとめた情報である。レポート情報には、例えば、読影医がPACS5に記憶された医用画像ファイルを参照して作成された読影レポートを表す読影レポート情報が含まれる。なお、一般的にレポート情報はPACS5に記憶されているため、電子カルテシステムは、PACS5からレポート情報を読み出すことによって、当該レポート情報を表示することができる。
【0013】
カルテ記載情報は、例えば、診療医等により電子カルテに入力された情報である。カルテ記載情報には、例えば、入院時の診療記録、患者の病歴、及び薬の処方履歴等が含まれる。
【0014】
看護記録情報は、例えば、看護師等により電子カルテに入力された情報である。看護記録情報には、入院時の看護記録等が含まれる。
【0015】
また、電子カルテに関する情報には、例えば、検査実施情報が含まれる。検査実施情報は、検査オーダ情報に従い検査を実施した医用画像診断装置4により生成される。検査実施情報は、医用画像診断装置4において実施された検査を表す情報である。検査実施情報には、オーダ番号、検査UID(Unique ID)、患者ID、モダリティ種別、撮影部位、及び撮影条件等が含まれる。検査UIDは、検査を一意に特定可能な識別子である。モダリティ種別は、撮影に用いたモダリティを表す。モダリティ種別には、例えば、「X線コンピュータ断層撮影装置」、「X線診断装置」、「磁気共鳴イメージング装置」、及び「超音波診断装置」等が含まれる。撮影部位は、検査オーダ情報に含まれる検査部位に対応する。撮影部位には、例えば、腹部、脳、及び胸部等が含まれる。撮影条件には、体位、撮影方向、及び造影剤の使用の有無等が含まれる。
【0016】
また、HIS2は、例えば、予約情報及びオーダ情報等を管理するオーダシステムを含む。なお、HIS2は、電子カルテシステムがオーダリングシステムを含む構成であってもよい。
【0017】
予約情報は、例えば、診察予約、及び検査予約等に関する情報を含む。診察予約に関する情報は、例えば、診察日、診察時刻、受付番号、依頼医師、及び依頼科等を含む。検査予約に関する情報は、例えば、検査日、検査時刻、及び受付番号等を含む。オーダ情報は、例えば、診療医等が依頼するオーダについての情報であり、例えば、画像検査、検体検査、生理検査、処方箋、及び投薬等についてのオーダ情報がある。オーダ情報が画像検査を依頼する検査オーダ情報である場合、検査オーダ情報には、例えば検査を識別可能なオーダ番号、患者ID、検査種別、検査部位、及び依頼元情報等が含まれる。オーダ番号は、検査オーダ情報が入力される際に発行される番号であり、例えば1つの病院内で検査オーダ情報を一意に特定するための識別子である。検査種別には、X線検査、CT(Computed Tomography)検査、MR(Magnetic Resonance)検査、及びRI(Radio Isotope)検査等が含まれる。検査部位には、例えば腹部、脳、及び胸部等が含まれる。依頼元情報には、診療科名、及び担当医名等が含まれる。検査予約に関する情報は、オーダ情報と連携している。
【0018】
RIS3は、放射線検査業務に係る検査予約情報を管理するシステムである。RIS3は、例えばHIS2に含まれるオーダシステムにおいて診療医から入力される検査オーダ情報に各種設定情報を付加して集積し、集積した情報を検査予約情報として管理する。なお、RIS3は、過去の検査の際に医用画像診断装置4において設定された各種設定情報を記録した照射録を用いて、検査オーダ情報に対して各種設定情報を付加してもよい。RIS3は、検査予約情報に従い検査オーダを医用画像診断装置4へ送信する。また、RIS3は、検査が実施された結果、医用画像診断装置4により生成される検査実施情報を、HIS2に含まれる電子カルテシステムに送信する。
【0019】
医用画像診断装置4は、患者を撮影等することにより検査を実施する装置である。医用画像診断装置4は、例えばX線コンピュータ断層撮影装置、X線診断装置、磁気共鳴イメージング装置、核医学診断装置、及び超音波診断装置等を含む。医用画像診断装置4は、例えばRIS3から送信される検査予約情報に基づいて検査を実施する。医用画像診断装置4は、検査実施情報を生成し、RIS3に送信する。
【0020】
また、医用画像診断装置4は、検査の実施により医用画像データを生成する。医用画像データは、例えばX線CT画像データ、X線画像データ、MRI画像データ、核医学画像データ、及び超音波画像データ等である。医用画像診断装置4は、生成した医用画像データを例えばDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠した形式に変換することにより、医用画像ファイルを生成する。医用画像ファイルは、例えば、DICOM規格に準拠した形式のファイルである。医用画像診断装置4は、生成した医用画像ファイルをPACS5に送信する。
【0021】
PACS5は、種々の医用画像ファイルを管理するシステムである。PACS5は、例えば、医用画像診断装置4から送信された医用画像ファイルを記憶する。なお、PACS5は、医用画像ファイルに付帯されたレポート情報、又は複数の医用画像ファイルに関する検査に対するレポート情報を記憶してもよい。
【0022】
DWH6は、例えば、医療・介護等関係機関で発生した情報、いわゆる診療ビッグデータを一括して蓄積するデータベースシステムである。DWH6は、例えば、一般的なサーバ装置により実現される。DWH6は、例えば、図1で示されるように、処理回路61、メモリ62、及び通信インターフェース63を有する。処理回路61、メモリ62、及び通信インターフェース63は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
処理回路61は、DWH6の中枢として機能するプロセッサである。処理回路61は、メモリ62等に記憶されているプログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する、例えば、収集機能611、及び登録機能612を実現する。
【0024】
収集機能611は、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5から、所望の情報を収集する機能である。具体的には、収集機能611において処理回路61は、例えば、予め設定された情報を、予め設定された周期で、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5から収集する。なお、処理回路61は、予め記憶されている機械学習モデルを利用し、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5から所望の情報を収集するようにしてもよい。これにより、例えば、HIS2から電子カルテに関する情報等が収集され、RIS3から検査予約情報等が収集され、医用画像診断装置4、又は医用画像管理システム5から医用画像ファイルが収集される。
【0025】
なお、処理回路61は、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5から種々の情報を収集した後、収集した情報から所望の情報を取得するようにしてもよい。
【0026】
登録機能612は、収集機能611により収集した情報をメモリ62に記憶させる機能である。具体的には、登録機能612において処理回路61は、例えば、予め設定された規則に則り、HIS2から収集した診療情報をメモリ62に記憶させる。予め設定された規則とは、例えば、患者毎の外来受診、手術、画像検査、検体検査、細菌検査、心電図計測、バイタルサイン計測、薬剤投与、レポート作成、及びカルテ記載等の診療イベントに関連付けられたイベント日時等を利用した順序等である。イベント日時は、例えば、診療イベントが発生した日時、又は、診療イベントが予定された日時等である。イベント日時には、例えば、画像検査の実施日時、検体検査等の実施日時、心電図波形の計測日時、バイタルサインの計測日時、薬剤の投与日時、レポートの作成日時、カルテの記載日時等が含まれる。これにより、収集された診療情報は、例えば、イベント日時順に、ログ情報621としてメモリ62に記憶される。
【0027】
メモリ62は、種々の情報を記憶するHDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、及び集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、メモリ62は、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。メモリ62は、例えば、収集機能611、及び登録機能612を実現するための制御プログラム等を記憶している。なお、当該プログラムは、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されてメモリ62にインストールされてもよい。メモリ62は、例えば、ログ情報621を記憶している。
【0028】
通信インターフェース63は、病院内ネットワークを介して接続された医用情報表示装置1、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5との間でデータ通信を行う。医用情報表示装置1、HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、及びPACS5との通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、HL7(Health Level 7)、DICOM、又はその両方等が挙げられる。
【0029】
次に、本実施形態に係る医用情報表示装置1の詳細について図2を参照しながら説明する。図2は、図1に示される医用情報表示装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示される医用情報表示装置1は、処理回路11、入力インターフェース12、ディスプレイ13、メモリ14、及び通信インターフェース15を有する。処理回路11、入力インターフェース12、ディスプレイ13、メモリ14、及び通信インターフェース15は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0031】
処理回路11は、医用情報表示装置1の中枢として機能するプロセッサである。医用情報表示装置1は、例えばメモリ14等に記憶されている制御プログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する機能を実現する。
【0032】
入力インターフェース12は、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパネル等により実現される。入力インターフェース12は、例えば、操作者からの表示指示を受け付ける。入力インターフェース12は、操作者からの表示指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理回路へ出力する。表示指示とは、例えば、画面に表示されているボタンを指定すること、及びプルダウンメニューから文字列を指定することなどである。
【0033】
ディスプレイ13は、ユーザが各種業務を遂行するため種々の情報を表示する。ディスプレイ13として、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、及び当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
【0034】
メモリ14は、種々の情報を記憶するHDD(Hard disk drive)、SSD(Solid state drive)、及び集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、メモリ14は、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。
【0035】
メモリ14は、診療における判断の指標となるイベントに関するイベント情報を取得するための取得条件を記憶している。イベント情報は、例えば、患者の診療に関する任意の記録を表す情報である。イベント情報は、診療情報の各項目のうちの少なくとも一つを含む。なお、イベント情報は、例えば、診療情報に含まれる所定の文字列、又は数値等が解析された結果、ユーザに通知(警告)すべきであると判定された事実を含む。また、イベントには、診療業務に関して予め規定された診療ワークフローにおけるイベント、及び診療に関する経験則に基づいて患者の診療情報から検出されるイベントが含まれる。
【0036】
取得条件は、例えば、所定のルールに基づく。所定のルールは、例えば、病院内で発生する診療イベントにより規定されるルールを含む。所定のルールは、例えば、公的ガイドラインにおいて規定されたルールを含む。また、所定のルールは、例えば、医療施設、又は医師個人により設定されたルールを含む。また、取得条件は、例えば、イベントの種類を表すイベント種別を含む。
【0037】
また、取得条件は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)技術等に基づいて規定された取得条件であってもよい。
【0038】
通信インターフェース15は、病院内ネットワークを介して接続されたHIS2、RIS3、医用画像診断装置4、PACS5、及びDWH6との間でデータ通信を行う。HIS2、RIS3、医用画像診断装置4、PACS5、及びDWH6との通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、HL7、DICOM、又はその両方等が挙げられる。
【0039】
本実施形態に係る処理回路11は、取得機能111、マッピング機能113、表示制御機能115、及びシステム制御機能117を有する。
【0040】
取得機能111は、複数の患者の診療情報から、診療における判断の指標となるイベントが発生した患者を識別する患者識別情報、及び当該イベントに関連付けられた時間を表す時間情報を取得する機能である。時間情報は、例えば、年、月、日付、又は日時等で表される。取得機能111の実行により処理回路11は、例えば、入力インターフェース12を介した入力に基づいて、メモリ14に記憶された取得条件を読み出し、読み出した取得条件に基づいて、DWH6のメモリ62に記憶されているログ情報621から、患者毎のイベントに関する複数のイベント情報を取得する。取得された複数のイベント情報のそれぞれに含まれる各レコードは、項目として、例えば、イベント種別、患者ID(患者識別情報)、当該イベント情報が表すイベントに関連付けられたイベント日時(時間情報)、及び当該イベントに関連するイベント関連情報等を有する。尚、患者識別情報には、患者氏名が含まれてもよい。
【0041】
マッピング機能113は、イベント情報をマッピングする機能である。マッピング機能113の実行により処理回路11は、取得機能111により取得された複数の患者識別情報、及び複数の時間情報に基づいて、イベントに関する一つ以上のアイコンを、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングしたマッピングデータを生成する。イベントに関するアイコンには、例えば、当該イベントに該当する患者を特定するための患者IDまたは患者氏名が表示されてもよい。また、イベントに関するアイコンには、当該イベントを特定するためのイベント名が表示されてもよい。尚、マッピングデータにマッピングされる記号は、アイコンに限らず、形状によってイベントを特定可能なシンボルなどでもよい。
【0042】
表示制御機能115は、マッピングデータをディスプレイに表示する機能である。表示制御機能115の実行により処理回路11は、例えば、マッピング機能113により生成されたマッピングデータを、ディスプレイ13に表示する。このとき、処理回路11は、患者毎のイベントに関連するイベント関連情報をマッピングデータと共に表示してもよい。
【0043】
システム制御機能117は、医用情報表示装置1の入出力、及び通信等の基本動作を制御する機能である。システム制御機能117が実行されると、処理回路11は、入力インターフェース12を介して各種要求を受け付ける。処理回路11は、受け付けた各種要求に応じて、各種機能を実行する。
【0044】
取得機能111、マッピング機能113、表示制御機能115、及びシステム制御機能117は、制御プログラムとして組み込まれていてもよいし、処理回路11自体に各機能を実行可能な専用のハードウェア回路が組み込まれていてもよい。
【0045】
次に、本実施形態に係る医用情報表示装置1の各種動作について、図を参照して説明する。
【0046】
図3は、本実施形態に係る医用情報表示装置1の処理回路11の動作の例を表すフローチャートである。以下の説明では、処理回路11は、入力インターフェース12を介して、イベント種別の指定を受け付けるものとする。このとき、処理回路11は、例えば、イベント種別の候補を表す文字列を、プルダウン方式でディスプレイ13に表示して、イベント種別の指定を受け付けるものとする。そして、処理回路11は、イベント種別「心不全兆候イベント」の指定を受け付けるものとする。また、この心不全兆候イベントを表すイベント情報(心不全兆候イベント情報)を取得するための取得条件には、例えば、「患者から取得される生体情報に関する要素」が含まれているものとする。患者から取得される生体情報に関する要素には、例えば、尿量に関する条件「1日当りに採取される尿量が400ml以下」が含まれているものとする。また、この取得条件には、時間的な要素(例えば、期間等)、及び患者の属性を表す要素(例えば、担当医師、診療科、及び病棟等)が含まれているものとする。時間的な要素は、例えば、「イベント日時が2017年4月10日から2017年4月27日までの期間」である。また、患者の属性を表す要素は、例えば、医師Aが担当する患者である。このとき、医師Aが担当する患者には、患者ID「00000001」、「00000002」、「00000003」、「00000004」、及び「00000005」である患者が該当するものとする。
【0047】
また、患者ID「00000001」である患者について、「1日当りに採取される尿量が400ml以下」の取得条件を満たす日時が「2017年4月24日」、「2017年4月25日」、及び「2017年4月26日」であり、それぞれの日時において採取された尿量が「400ml」、「300ml」、及び「400ml」であるものとする。また、患者ID「00000002」である患者について、「1日当りに採取される尿量が400ml以下」の取得条件を満たす日時が「2017年4月15日」であり、当該日時において採取された尿量が「400ml」であるものとする。また、患者ID「00000003」である患者について、「1日当りに採取される尿量が400ml以下」の取得条件を満たす日時が「2017年4月10日」であり、当該日時において採取された尿量が「400ml」であるものとする。また、患者ID「00000004」である患者について、「1日当りに採取される尿量が400ml以下」の取得条件を満たす日時が「2017年4月14日」であり、当該日時において採取された尿量が「400ml」であるものとする。また、患者ID「00000005」である患者について、「1日当りに採取される尿量が400ml以下」の取得条件を満たす日時が「2017年4月18日」であり、当該日時において採取された尿量が「400ml」であるものとする。
【0048】
なお、心不全兆候イベントに係る取得条件に含まれる患者から取得される生体情報に関する要素には、尿量に関する条件「1日当りに採取される尿量が400ml以下」に加えて、例えば体重の増減に関する条件「2日で3kg以上の体重増加」、又は、血中成分に関する条件「BNP(Brain Natriuretic peptide)が200pg/ml以上」が含まれていてもよい。また、心不全兆候イベントに係る取得条件には、看護記録の記載内容等に関する条件が含まれていてもよい。
【0049】
また、イベント種別は、「心不全兆候イベント」に限られない。イベント種別としては、例えば、「腎機能悪化イベント」が挙げられる。このとき、腎機能悪化イベントに係る取得条件に含まれる患者から取得される生体情報に関する要素には、例えば、血中成分に関する条件「血清クレアチニンが48時間以内に0.3mg/dl以上の増加」が含まれる。
【0050】
処理回路11は、取得条件の指定を受け付けると、指定された取得条件をメモリ14から読み出す(ステップSA1)。処理回路11は、例えば、心不全兆候イベントを取得するための取得条件をメモリ14から読み出す。
【0051】
処理回路11は、読み出した取得条件に基づいて、複数のイベント情報を取得する(ステップSA2)。処理回路11は、例えば、読み出した心不全兆候イベントを取得するための取得条件に基づいて、DWH6のメモリ62に記憶されているログ情報621に含まれる1日の尿量の記録を表す情報から、患者毎に心不全兆候イベント情報を取得する。換言すると、処理回路11は、心不全兆候イベントが発生した患者を識別する患者識別情報、及び心不全兆候イベントに関連付けられた時間を表す時間情報を取得する。
【0052】
具体的には、処理回路11は、患者ID「00000001」である患者において、日時「2017年4月24日」、日時「2017年4月25日」、及び日時「2017年4月26日」に採取された尿量がそれぞれ「400ml」、「300ml」、及び「400ml」であるため、心不全兆候イベントが発生したと判定し、ログ情報621から必要な情報を取得する。また、処理回路11は、患者ID「00000002」である患者において、日時「2017年4月15日」に採取された尿量が「400ml」であるため、心不全兆候イベントが発生したと判定し、ログ情報621から必要な情報を取得する。また、処理回路11は、患者ID「00000003」である患者において、日時「2017年4月10日」に採取された尿量が「400ml」であるため、心不全兆候イベントが発生したと判定し、ログ情報621から必要な情報を取得する。また、処理回路11は、患者ID「00000004」である患者において、日時「2017年4月14日」に採取された尿量が「400ml」であるため、心不全兆候イベントが発生したと判定し、ログ情報621から必要な情報を取得する。また、処理回路11は、患者ID「00000005」である患者において、日時「2017年4月18日」に採取された尿量が「400ml」であるため、心不全兆候イベントが発生したと判定し、ログ情報621から必要な情報を取得する。
【0053】
このとき、取得された心不全兆候イベント情報は、イベント種別「心不全兆候イベント」、患者ID「00000001」、イベント日時「2017年4月24日」、及び心不全兆候イベントに関連するイベント関連情報(心不全兆候イベント関連情報)等を有するレコードを含む。心不全兆候イベント関連情報は、例えば、患者ID「00000001」である患者について取得された所定期間における1日毎の尿量の推移を表す情報である。また、心不全兆候イベント情報は、イベント種別「心不全兆候イベント」、患者ID「00000001」、イベント日時「2017年4月25日」、及び心不全兆候イベント関連情報を有するレコードを含む。また、心不全兆候イベント情報は、イベント種別「心不全兆候イベント」、患者ID「00000001」、イベント日時「2017年4月26日」、及び心不全兆候イベント関連情報を有するレコードを含む。なお、患者ID「00000001」である3レコードが有する心不全兆候イベント関連情報の内容は同一である。
【0054】
また、心不全兆候イベント情報は、イベント種別「心不全兆候イベント」、患者ID「00000002」、イベント日時「2017年4月15日」、及び心不全兆候イベント関連情報を有するレコードを含む。心不全兆候イベント関連情報は、例えば、患者ID「00000002」である患者について取得された所定期間における1日毎の尿量の推移を表す情報である。また、心不全兆候イベント情報は、イベント種別「心不全兆候イベント」、患者ID「00000003」、イベント日時「2017年4月10日」、及び心不全兆候イベント関連情報を有するレコードを含む。心不全兆候イベント関連情報は、例えば、患者ID「00000003」である患者について取得された所定期間における1日毎の尿量の推移を表す情報を有するレコードを含む。
【0055】
また、心不全兆候イベント情報は、イベント種別「心不全兆候イベント」、患者ID「00000004」、イベント日時「2017年4月14日」、及び心不全兆候イベント関連情報を有するレコードを含む。心不全兆候イベント関連情報は、例えば、患者ID「00000004」である患者について取得された所定期間における1日毎の尿量の推移を表す情報である。また、心不全兆候イベント情報は、イベント種別「心不全兆候イベント」、患者ID「00000005」、イベント日時「2017年4月18日」、及び心不全兆候イベント関連情報を有するレコードを含む。心不全兆候イベント関連情報は、例えば、患者ID「00000005」である患者について取得された所定期間における1日毎の尿量の推移を表す情報である。
【0056】
処理回路11は、取得した複数の患者に亘る複数のイベント情報をマッピングする(ステップSA3)。具体的には、処理回路11は、例えば、取得された複数の患者識別情報、及び複数の時間情報に基づいて、心不全兆候イベントに関する一つ以上のアイコンを、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングしたマッピングデータを生成する。
【0057】
処理回路11は、患者毎のイベントに関するイベント関連情報をマッピングデータと共に表示する(ステップSA4)。図4は、図2に示されるディスプレイ13に表示される心不全兆候イベントに関する診療画面の例を示す図である。図4に示される診療画面には、マッピングデータを有するマッピング領域R41と、少なくとも1つのイベント関連情報を有するイベント関連情報領域R42とが含まれる。
【0058】
マッピング領域R41には、各患者を表すアイコンI41a、I41b、I41c、I42、I43、I44、及びI45が含まれる。図4に示されるように、マッピング領域R41に含まれる各アイコンは、例えば、患者毎に異なる色が付されて表示されている。尚、各アイコンは、患者氏名が付されて表示されてもよい。
【0059】
アイコンI41aは、患者ID「00000001」である患者について、イベント日時「2017年4月24日」に、心不全兆候イベントが発生した事実を表す。アイコンI41bは、患者ID「00000001」である患者について、イベント日時「2017年4月25日」に、心不全兆候イベントが発生した事実を表す。アイコンI41cは、患者ID「00000001」である患者について、イベント日時「2017年4月26日」に、心不全兆候イベントが発生した事実を表す。アイコンI42は、患者ID「00000002」である患者について、イベント日時「2017年4月15日」に、心不全兆候イベントが発生した事実を表す。アイコンI43は、患者ID「00000003」である患者について、イベント日時「2017年4月10日」に、心不全兆候イベントが発生した事実を表す。アイコンI44は、患者ID「00000004」である患者について、イベント日時「2017年4月14日」に、心不全兆候イベントが発生した事実を表す。
【0060】
なお、マッピング領域R41には、直線状の指示子L1が表示されている。指示子L1は、マッピング領域R41に含まれる時間軸において、任意の日時を示す。指示子L1を表示する位置は、クリック操作、又はカーソル移動等の入力インターフェース12を介したユーザの指示により任意に変更可能である。このことは、以降のマッピング領域に表示される指示子についても同様である。
【0061】
イベント関連情報領域R42は、各患者についてイベント情報に関連するイベント関連情報を表す領域R421、R422、R423、R424、及びR425を含む。イベント関連情報領域R42の右端にはスクロールバーSC1が設けられている。スクロールバーに対するユーザの指示(スクロール操作)により、イベント関連情報領域R42において表示範囲の変更が可能である。図4に示されるイベント関連情報領域R42では、領域R423、及びR425の一部がディスプレイ13に表示されていない。
【0062】
領域R421では、患者ID「00000001」である患者について、心不全兆候イベント関連情報が表示されている。領域R421では、例えば、患者ID「00000001」である患者について、氏名が「心臓 太郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R421では、患者ID「00000001」である患者について、2017年4月10日から2017年4月27日までの期間において採取された尿量の推移がグラフ形式で表示されている。また、領域R421は、ボタンB41を含む。ユーザが入力インターフェース12を介してボタンB41を指定すると、処理回路11は、患者「00000001」である患者の診療情報の詳細を表示する。よって、ユーザは、ボタンB41を指定することにより、患者ID「00000001」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。尚、ユーザがマッピング領域にマッピングされたアイコンを指定した際に、処理回路11は、アイコンに対応付けられた患者の診療情報の詳細画面を表示してもよい。このことは、以降においても同様である。
【0063】
そして、領域R421は、患者ID「00000001」である患者について、心不全兆候イベントが発生した時点を強調するマークM41a、M41b、及びM41cを含む。マークM41aは、日時「2017年4月24日」に心不全兆候イベントが発生したことを表しており、アイコンI41aに対応している。マークM41bは、日時「2017年4月25日」に心不全兆候イベントが発生したことを表しており、アイコンI41bに対応している。マークM41cは、日時「2017年4月26日」に心不全兆候イベントが発生したことを表しており、アイコンI41cに対応している。
【0064】
なお、領域R421は、患者ID「00000001」である患者について、複数のイベントを要約して表示させているがこれに限らない。例えば、イベント関連情報領域R42は、マークM41a、マークM41b、及びマークM41cをそれぞれ含む3つの領域を含んでもよい。
【0065】
領域R422では、患者ID「00000002」である患者について、心不全兆候イベント関連情報が表示されている。領域R422では、例えば、患者ID「00000002」である患者について、氏名が「心臓 花子」であり、性別が「女」である旨が表示されている。また、領域R422では、患者ID「00000002」である患者について、2017年4月10日から2017年4月27日までの期間において採取された尿量の推移がグラフ形式で表示されている。また、領域R422は、ボタンB42を含む。ユーザは、ボタンB42を指定することにより、患者ID「00000002」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0066】
そして、領域R422は、患者ID「00000002」である患者について、心不全兆候イベントが発生した時点を強調するマークM42を含む。マークM42は、日時「2017年4月15日」に心不全兆候イベントが発生したことを表しており、アイコンI42に対応している。
【0067】
領域R424には、患者ID「00000004」である患者について、心不全兆候イベント関連情報が表示されている。領域R424では、例えば、患者ID「00000004」である患者について、氏名が「心臓 一郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R424では、患者ID「00000004」である患者について、2017年4月10日から2017年4月27日までの期間において採取された尿量の推移がグラフ形式で表示されている。また、領域R424は、ボタンB44を含む。ユーザは、ボタンB44を指定することにより、患者ID「00000004」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0068】
そして、領域R424は、患者ID「00000004」である患者について、心不全兆候イベントが発生した時点を強調するマークM44を含む。マークM44は、日時「2017年4月14日」に心不全兆候イベントが発生したことを表しており、アイコンI44に対応している。
【0069】
領域R423では、患者ID「00000003」である患者について、心不全兆候イベント関連情報が表示されている。領域R423では、例えば、患者ID「00000003」である患者について、氏名が「心臓 二郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R423では、患者ID「00000003」である患者について、2017年4月10日から2017年4月27日までの期間において採取された尿量の推移がグラフ形式で表示されている。また、領域R423は、ボタンB43を含む。ユーザは、ボタンB43を指定することにより、患者ID「00000003」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0070】
そして、領域R423は、患者ID「00000003」である患者について、心不全兆候イベントが発生した時点を強調するマークM43を含む。マークM43は、日時「2017年4月10日」に心不全兆候イベントが発生したことを表しており、アイコンI43に対応している。
【0071】
領域R425では、患者ID「00000005」である患者について、心不全兆候イベント関連情報が表示されている。領域R425では、例えば、患者ID「00000005」である患者について、氏名が「心臓 三郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R425では、患者ID「00000005」である患者について、2017年4月10日から2017年4月27日までの期間において採取された尿量の推移がグラフ形式で表示されている。また、領域R425は、ボタンB45を含む。ユーザは、ボタンB45を指定することにより、患者ID「00000005」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0072】
そして、領域R425は、患者ID「00000005」である患者について、心不全兆候イベントが発生した時点を強調するマークM45を含む。マークM45は、日時「2017年4月18日」に心不全兆候イベントが発生したことを表しており、アイコンI45に対応している。
【0073】
以上説明した図4に示される診療画面によれば、例えば、マッピング領域R41に表示されたマッピングデータを視認したユーザは、どの患者でイベントが集中しているか、及び、当該イベントが集中しているのがいつなのかが一目で分かる。具体的には、図4において、例えば、マッピング領域R41を視認したユーザは、患者ID「00000001」である患者について、イベント日時「2017年4月24日」、「2017年4月25日」、及び「2017年4月26日」の3日間連続して心不全兆候イベントが発生したことを一目で認識できる。
【0074】
そして、マッピング領域R41を視認したユーザは、例えば、患者ID「00000001」である患者を優先的に診療する必要があると判断して当該患者に関する診療情報の詳細にアクセスすることが可能となる。このとき、ユーザは、優先して診療すべき患者以外の患者に関する診療情報の詳細を確認する必要がなく、患者に関する診療情報の詳細を確認するための不要な画面遷移を減らすことができる。すなわち、優先して診療すべき患者に関する診療情報の詳細にアクセスするまでに要する試行錯誤の時間を短縮することができる。
【0075】
第1の実施形態によれば、医用情報表示装置1が備える処理回路11は、所定の取得条件に基づいて、イベント情報を患者毎に取得する。処理回路11は、取得されたイベント情報に基づいて、当該イベント情報が表すイベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータを生成する。具体的には、処理回路11は、複数の患者識別情報、及び複数の時間情報に基づいて、イベントに関する一つ以上のアイコンを、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングしたマッピングデータを生成する。
【0076】
これにより、マッピングデータの表示を視認したユーザは、例えば、どの患者でイベントが集中しているか、及び、当該イベントが集中しているのがいつなのかが一目で分かる。また、ユーザは、例えば、優先して診療すべき患者以外の患者に関する診療情報の詳細を確認する必要がなく、優先して診療すべき患者に関する診療情報の詳細にアクセスするまでに要する試行錯誤の時間を短縮することができる。
【0077】
また、処理回路11は、イベントに関連するイベント関連情報をマッピングデータと共に表示する。これにより、イベント関連情報を目視したユーザは、患者の診療情報の詳細を確認しなくてもイベントの内容を認識することが可能となる。
【0078】
なお、医用情報表示装置1が備える処理回路11が表示するイベントのマッピングデータは、心不全兆候イベントのような患者の病状を報知するものに限られない。処理回路11が表示するイベントのマッピングデータは、例えば、診療ワークフローにおけるイベントに関するものであってもよい。診療ワークフローにおけるイベントは、例えば、手術予定を表す手術予定イベント、検査結果を表す検査結果イベント、及び外来受診の予定を表す外来受診イベント等を含む。以下、処理回路11が、手術予定イベント、及び検査結果イベントに含まれる画像検査の結果を表す画像検査イベントを表示する場合の表示態様についてそれぞれ説明する。
【0079】
まず、処理回路11が、手術予定イベントについて、ディスプレイ13にマッピングデータを表示する場合の表示態様について説明する。このとき、処理回路11は、図3に示されるフローチャートに示される処理を実施する。以下の説明では、処理回路11は、入力インターフェース12を介して、イベント種別「手術予定イベント」の指定を受け付けるものとする。また、この手術予定イベントを表すイベント情報(手術予定イベント情報)を取得するための取得条件には、例えば、「手術予定として記録された診療情報」が含まれているものとする。また、この取得条件には、時間的な要素(例えば、期間等)、及び患者の属性を表す要素(例えば、担当医師、診療科、及び病棟等)が含まれている。時間的な要素は、例えば、「イベント日時が2017年4月10日から2017年4月27日までの期間」である。また、患者の属性を表す要素は、例えば、医師Aが担当する患者である。このとき、医師Aが担当する患者には、患者ID「00000001」、「00000002」、「00000003」、「00000004」、及び「00000005」である患者が該当するものとする。
【0080】
処理回路11は、取得条件の指定を受け付けると、指定された取得条件をメモリ14から読み出す(ステップSA1)。処理回路11は、例えば、手術予定イベントを取得するための取得条件をメモリ14から読み出す。
【0081】
処理回路11は、読み出した取得条件に基づいて、複数のイベント情報を取得する(ステップSA2)。処理回路11は、例えば、読み出した手術予定イベントを取得するための取得条件に基づいて、DWH6のメモリ62に記憶されているログ情報621に含まれる手術予定として記録された診療情報から、患者毎に手術予定イベント情報を取得する。換言すると、処理回路11は、手術予定イベントが発生した患者を識別する患者識別情報、及び手術予定イベントに関連付けられた時間を表す時間情報を取得する。
【0082】
このとき、取得された手術予定イベント情報は、イベント種別「手術予定イベント」、患者ID「00000001」、イベント日時「2017年4月14日」、及び手術予定イベントに関連するイベント関連情報(手術予定イベント関連情報)等を有するレコードを含む。手術予定イベント関連情報は、例えば病名「心室中隔欠損症」、年齢(月齢)「3ヶ月」、入院日「2017/4/1」、手術予定日「2017/4/14」、術式「BTシャント術」、及び術者「テスト医師」等である。また、手術予定イベント情報は、イベント種別「手術予定イベント」、患者ID「00000002」、イベント日時「2017年4月14日」、及び手術予定イベント関連情報等を有するレコードを含む。手術予定イベント関連情報は、例えば病名「ファロー四微症」、年齢(月齢)「3歳」、入院日「2017/4/8」、手術予定日「2017/4/14」、術式「BTシャント術」、及び術者「テスト医師」等である。また、手術予定イベント情報は、イベント種別「手術予定イベント」、患者ID「00000003」、イベント日時「2017年4月21日」、及び手術予定イベント関連情報等を有するレコードを含む。手術予定イベント関連情報は、例えば病名「心室中隔欠損症」、年齢(月齢)「4歳」、入院日「2017/4/5」、手術予定日「2017/4/21」、術式「BTシャント術」、及び術者「テスト医師」等である。また、手術予定イベント情報は、イベント種別「手術予定イベント」、患者ID「00000004」、イベント日時「2017年4月21日」、及び手術予定イベント関連情報等を有するレコードを含む。手術予定イベント関連情報は、例えば病名「左心低形成症候群」、年齢(月齢)「5歳」、入院日「2017/4/4」、手術予定日「2017/4/21」、術式「フォンタン手術」、及び術者「テスト医師」等である。また、手術予定イベント情報は、イベント種別「手術予定イベント」、患者ID「00000005」、イベント日時「2017年4月26日」、及び手術予定イベント関連情報等を有するレコードを含む。手術予定イベント関連情報は、例えば、病名「心室中隔欠損症」、年齢(月齢)「2歳」、入院日「2017/4/6」、手術予定日「2017/4/26」、術式「BTシャント術」、及び術者「テスト医師」等である。
【0083】
処理回路11は、取得した複数の患者に亘る複数のイベント情報をマッピングする(ステップSA3)。具体的には、処理回路11は、例えば、取得された複数の患者識別情報、及び複数の時間情報に基づいて、手術予定イベントに関する一つ以上のアイコンを、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングしたマッピングデータを生成する。
【0084】
処理回路11は、患者毎のイベントに関するイベント関連情報をマッピングデータと共に表示する(ステップSA4)。図5は、図2に示されるディスプレイ13に表示される手術予定イベントに関する診療画面の例を示す図である。図5に示される診療画面には、マッピングデータを有するマッピング領域R51と、少なくとも1つのイベント関連情報を有するイベント関連情報領域R52とが含まれる。
【0085】
マッピング領域R51は、各患者を表すアイコンI51、I52、I53、I54、及びI55が含まれる。また、図5に示されるように、マッピング領域R51に含まれる各アイコンは、例えば、患者毎に異なる色が付されて表示されている。尚、各アイコンは、患者氏名が付されて表示されてもよい。
【0086】
アイコンI51は、患者ID「00000001」である患者について、イベント日時「2017年4月14日」に、手術が予定されている事実を表す。アイコンI52は、患者ID「00000002」である患者について、イベント日時「2017年4月14日」に、手術が予定されている事実を表す。アイコンI53は、患者ID「00000003」である患者について、イベント日時「2017年4月21日」に、手術が予定されている事実を表す。アイコンI54は、患者ID「00000004」である患者について、イベント日時「2017年4月21日」に、手術が予定されている事実を表す。アイコンI55は、患者ID「00000005」である患者について、イベント日時「2017年4月26日」に、手術が予定されている事実を表す。
【0087】
イベント関連情報領域R52は、各患者についてイベント情報に関連するイベント関連情報を表す領域R521、R522、R523、R524、及びR525を含む。イベント関連情報領域R52の右端にはスクロールバーSC2が設けられている。スクロールバーSC2に対するユーザの指示により、イベント関連情報領域R52において表示範囲の変更が可能である。図5に示されるイベント関連情報領域R52では、領域R523、及びR525の一部がディスプレイ13に表示されていない。
【0088】
領域R521では、患者ID「00000001」である患者について、手術予定イベント関連情報が表示されている。領域R521では、例えば、患者ID「00000001」である患者について、氏名が「心臓 太郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R521では、患者ID「00000001」である患者について、病名「心室中隔欠損症」、年齢(月齢)「3ヶ月」、入院日「2017/4/1」、手術予定日「2017/4/14」、術式「BTシャント術」、及び術者「テスト医師」が表示されている。また、領域R521は、ボタンB51を含む。ユーザが入力インターフェース12を介してボタンB51を指定すると、処理回路11は、患者ID「00000001」である患者の診療情報の詳細を表示する。よって、ユーザは、ボタンB51を指定することにより、患者ID「00000001」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0089】
領域R522では、患者ID「00000002」である患者について、手術予定イベント関連情報が表示されている。領域R522では、例えば、患者ID「00000002」である患者について、氏名が「心臓 花子」であり、性別が「女」である旨が表示されている。また、領域R522では、病名「ファロー四微症」、年齢(月齢)「3歳」、入院日「2017/4/8」、手術予定日「2017/4/14」、術式「BTシャント術」、及び術者「テスト医師」が表示されている。また、領域R522は、ボタンB52を含む。ユーザは、ボタンB52を指定することにより、患者ID「00000002」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0090】
領域R524では、患者ID「00000004」である患者について、手術予定イベント関連情報が表示されている。領域R524では、例えば、患者ID「00000004」である患者について、氏名が「心臓 一郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R524では、患者ID「00000004」である患者について、病名「左心低形成症候群」、年齢(月齢)「5歳」、入院日「2017/4/4」、手術予定日「2017/4/21」、術式「フォンタン手術」、及び術者「テスト医師」が表示されている。また、領域R524は、ボタンB54を含む。ユーザは、ボタンB54を指定することにより、患者ID「00000004」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0091】
領域R523では、患者ID「00000003」である患者について、手術予定イベント関連情報が表示されている。領域R523では、例えば、患者ID「00000003」である患者について、氏名が「心臓 二郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R523では、患者ID「00000003」である患者について、病名「心室中隔欠損症」が表示されている。なお、領域R523では、一部のイベント関連情報が表示されていない。また、領域R523は、ボタンB53を含む。ユーザは、ボタンB53を指定することにより、患者ID「00000003」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0092】
領域R525では、患者ID「00000005」である患者について、手術予定イベント関連情報が表示されている。領域R525では、例えば、患者ID「00000005」である患者について、氏名が「心臓 三郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R525では、患者ID「00000005」である患者について、病名「心室中隔欠損症」が表示されている。なお、領域R525では、一部のイベント関連情報が表示されていない。また、領域R525は、ボタンB55を含む。ユーザは、ボタンB55を指定することにより、患者ID「00000005」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0093】
次に、処理回路11が、画像検査イベントについて、ディスプレイ13にマッピングデータを表示する場合の表示態様について説明する。このとき、処理回路11は、図3に示されるフローチャートに示される処理を実施する。以下の説明では、処理回路11は、入力インターフェース12を介して、イベント種別「画像検査イベント」の指定を受け付けるものとする。また、この画像検査イベントを表すイベント情報(画像検査イベント情報)を取得するための取得条件には、例えば、「画像検査の結果を表す診療情報」が含まれているものとする。また、この取得条件には、時間的な要素(例えば、期間等)、及び患者の属性を表す要素(例えば、担当医師、診療科、及び病棟等)が含まれている。時間的な要素は、例えば、「イベント日時が2017年4月10日から2017年4月27日までの期間」である。また、患者の属性を表す要素は、例えば、医師Aが担当する患者である。このとき、医師Aが担当する患者には、患者ID「00000001」、「00000002」、「00000003」、「00000004」、及び「00000005」である患者が該当するものとする。
【0094】
処理回路11は、取得条件の指定を受け付けると、指定された取得条件をメモリ14から読み出す(ステップSA1)。処理回路11は、例えば、画像検査イベントを取得するための取得条件をメモリ14から読み出す。
【0095】
処理回路11は、読み出した取得条件に基づいて、複数のイベント情報を取得する(ステップSA2)。処理回路11は、例えば、読み出した画像検査イベントを取得するための取得条件に基づいて、DWH6のメモリ62に記憶されているログ情報621に含まれる画像検査の結果を表す診療情報から、患者毎に画像検査イベントを表すイベント情報を取得する。換言すると、処理回路11は、画像検査イベントが発生した患者を識別する患者識別情報、及び画像検査イベントに関連付けられた時間を表す時間情報を取得する。
【0096】
このとき、取得された画像検査イベント情報は、イベント種別「画像検査イベント」、患者ID「00000001」、イベント日時「2017年4月23日」、及び画像検査イベントに関連するイベント関連情報(画像検査イベント関連情報)等を有するレコードを含む。画像検査イベント関連情報は、例えば患者ID「00000001」である患者について取得された医用画像データ等である。また、画像検査イベント情報は、イベント種別「画像検査イベント」、患者ID「00000001」、イベント日時「2017年4月22日」、及び画像検査イベント関連情報を有するレコードを含む。画像検査イベント関連情報は、例えば患者ID「00000002」である患者について取得された医用画像データ等である。また、画像検査イベント情報は、イベント種別「画像検査イベント」、患者ID「00000003」、イベント日時「2017年4月18日」、及び画像検査イベント関連情報を有するレコードを含む。画像検査イベント関連情報は、例えば患者ID「00000003」である患者について取得された医用画像データ等である。また、画像検査イベント情報は、イベント種別「画像検査イベント」、患者ID「00000004」、イベント日時「2017年4月19日」、及び画像検査イベント関連情報等を有するレコードを含む。画像検査イベント関連情報は、例えば患者ID「00000004」である患者について取得された医用画像データである。また、画像検査イベント情報は、イベント種別「画像検査イベント」、患者ID「00000005」、イベント日時「2017年4月13日」、及び画像検査イベント関連情報等を有するレコードを含む。画像検査イベント関連情報は、例えば患者ID「00000005」である患者について取得された医用画像データである。
【0097】
処理回路11は、取得した複数の患者に亘る複数のイベント情報をマッピングする(ステップSA3)。具体的には、処理回路11は、例えば、取得された複数の患者識別情報、及び複数の時間情報に基づいて、画像検査イベントに関する一つ以上のアイコンを、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングしたマッピングデータを生成する。
【0098】
処理回路11は、患者毎のイベントに関するイベント関連情報をマッピングデータと共に表示する(ステップSA4)。図6は、図2に示されるディスプレイに表示される画像検査イベントに関する診療画面の例を示す図である。図6に示される診療画面には、マッピングデータを有するマッピング領域R61と、少なくとも1つのイベント関連情報を有するイベント関連情報領域R62とが含まれる。
【0099】
マッピング領域R61は、各患者を表すアイコンI61、I62、I63、I64、及びI65が含まれる。また、図6に示されるように、マッピング領域R61に含まれる各アイコンは、例えば、患者毎に異なる色が付されて表示されている。尚、各アイコンは、患者氏名が付されて表示されてもよい。
【0100】
アイコンI61は、患者ID「00000001」である患者について、イベント日時「2017年4月23日」に、画像検査、すなわち医用画像の取得が行われた事実を表す。アイコンI62は、患者ID「00000002」である患者について、イベント日時「2017年4月22日」に、画像検査が行われた事実を表す。アイコンI63は、患者ID「00000003」である患者について、イベント日時「2017年4月18日」に、画像検査が行われた事実を表す。アイコンI64は、患者ID「00000004」である患者について、イベント日時「2017年4月19日」に、画像検査が行われた事実を表す。アイコンI65は、患者ID「00000005」である患者について、イベント日時「2017年4月13日」に、画像検査が行われた事実を表す。
【0101】
イベント関連情報領域R62は、各患者についてイベント情報に関連するイベント関連情報を表す領域R621、R622、R623、R624、及びR625を含む。イベント関連情報領域R62の右端にはスクロールバーSC3が設けられている。スクロールバーSC3に対するユーザの指示により、イベント関連情報領域R62において表示範囲の変更が可能である。図6に示されるイベント関連情報領域R62では、領域R623、及びR625の一部がディスプレイ13に表示されていない。
【0102】
領域R621では、患者ID「00000001」である患者について、画像検査イベント関連情報が表示されている。領域R621では、例えば、患者ID「00000001」である患者について、氏名が「心臓 太郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R621では、患者ID「00000001」である患者について、イベント日時「2017年4月23日」において取得された医用画像データに基づく医用画像が表示されている。また、領域R621は、ボタンB61を含む。ユーザが入力インターフェース12を介してボタンB61を指定すると、処理回路11は、患者ID「00000001」である患者の診療情報の詳細を表示する。よって、ユーザは、ボタンB61を指定することにより、患者ID「00000001」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0103】
領域R622では、患者ID「00000002」である患者について、画像検査イベント関連情報が表示されている。領域R622では、例えば、患者ID「00000002」である患者について、氏名が「心臓 花子」であり、性別が「女」である旨が表示されている。また、領域R622では、患者ID「00000002」である患者について、イベント日時「2017年4月22日」において取得された医用画像データに基づく医用画像が表示されている。また、領域R622は、ボタンB62を含む。ユーザは、ボタンB62を指定することにより、患者ID「00000002」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0104】
領域R624では、患者ID「00000004」である患者について、画像検査イベント関連情報が表示されている。領域R624では、例えば、患者ID「00000004」である患者について、氏名が「心臓 一郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R624では、患者ID「00000004」である患者について、イベント日時「2017年4月19日」において取得された医用画像データに基づく医用画像が表示されている。また、領域R624は、ボタンB64を含む。ユーザは、ボタンB64を指定することにより、患者ID「00000004」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0105】
領域R623では、患者ID「00000003」である患者について、画像検査イベント関連情報が表示されている。領域R623では、例えば、患者ID「00000003」である患者について、氏名が「心臓 二郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R623では、患者ID「00000003」である患者について、イベント日時「2017年4月18日」において取得された医用画像データに基づく医用画像が表示されている。なお、領域R623では、医用画像の一部は表示されていない。また、領域R623は、ボタンB63を含む。ユーザは、ボタンB63を指定することにより、患者ID「00000003」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0106】
領域R625では、患者ID「00000005」である患者について、画像検査イベント関連情報が表示されている。領域R625では、例えば、患者ID「00000005」である患者について、氏名が「心臓 三郎」であり、性別が「男」である旨が表示されている。また、領域R625では、患者ID「00000005」である患者について、イベント日時「2017年4月13日」において取得された医用画像データに基づく医用画像が表示されている。なお、領域R625では、医用画像の一部は表示されていない。また、領域R625は、ボタンB65を含む。ユーザは、ボタンB65を指定することにより、患者ID「00000005」である患者の診療情報の詳細にアクセスすることができる。
【0107】
(変形例1)
上記実施形態では、処理回路11は、1種類のイベントについて、要約画面データを生成していたがこれに限定されない。処理回路11は、複数の患者、かつ、複数種類のイベントに亘るイベント情報を要約し、要約画面データを生成するようにしてもよい。変形例1では、処理回路11は、入力インターフェース12を介して、複数種類のイベントについて、取得条件の指定を受け付けるものとする。このとき、処理回路11は、例えば、取得条件の候補を表す文字列を選択可能な複数の領域を、プルダウン方式でディスプレイ13に表示して、複数種類のイベントについて取得条件の指定を受け付けるものとする。
【0108】
図7は、変形例1に係るマッピングデータの表示例を示す図である。図7の説明では、処理回路11は、例えば、イベント種別「心不全兆候イベント」、「腎機能悪化イベント」、及び「薬剤評価イベント」の指定を受け付けているものとする。図7に示されるマッピングデータは、例えば、図2に示されるディスプレイ13に表示される。
【0109】
図7では、患者毎に、イベント種別を表す文字列を含むアイコンが時系列にマッピングされている。具体的には、図7に示されるマッピング領域R71では、縦軸を患者ID、横軸を時間(日付)として、各イベント種別を表すアイコンI71、I72a、I72b、I73、及びI74が時系列にマッピングされている。図7に示されるイベントの表示期間は、2017年4月10日から2017年4月27日までの期間である。
【0110】
より具体的には、患者ID「00000001」、及び日付「2017年4月26日」を表す位置に、薬剤評価イベントを表す「薬剤評価」を含むアイコンI71がマッピングされている。また、患者ID「00000002」、及び日付「2017年4月15日」を表す位置に、心不全兆候イベントを表す「心不全兆候」を含むアイコンI72aがマッピングされている。また、患者ID「00000002」、及び日付「2017年4月24日」を表す位置に、心不全兆候イベントを表す「心不全兆候」を含むアイコンI72bがマッピングされている。また、患者ID「00000003」、及び日付「2017年4月17日」を表す位置に、腎機能悪化イベントを表す「腎機能悪化」を含むアイコンI73がマッピングされている。また、患者ID「00000004」、及び日付「2017年4月17日」を表す位置に、心不全兆候イベントを表す「心不全兆候」を含むアイコンI74がマッピングされている。
【0111】
また、図7に示される各患者IDの横に表示されている数字「1」、「2」、「1」、及び「1」は、各患者IDについて、マッピング領域R71に表示されているイベントの数をそれぞれ表す。なお、各患者IDの横に表示されている数字は、例えば、取得されたイベント情報が表示期間外に存在する場合、各患者IDについて、マッピング領域R71に表示されていないイベントの数、又は、表示されているイベントの数に表示されていないイベントの数を加算した数を表していてもよい。
【0112】
また、図7に示されるように、マッピング領域R71に含まれる各アイコンは、例えば、イベント種別毎に異なる色が付されて表示されている。
【0113】
以上説明した図7の表示態様によれば、図7に示されるマッピングデータを視認したユーザは、例えば、複数種類のイベントが患者毎に時系列に表示されるため、視認性を低下させることなく、より多くの情報を得ることが可能となる。
【0114】
図8は、変形例1に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。図8の説明では、処理回路11は、例えば、イベント種別「心不全兆候イベント」、「腎機能悪化イベント」、「薬剤評価イベント」、及び「画像検査イベント」の指定を受け付けているものとする。図8に示されるマッピングデータは、例えば、図2に示されるディスプレイ13に表示される。
【0115】
図8では、イベント種別毎に、患者を表す患者IDを含むアイコンが時系列にマッピングされている。具体的には、図8に示されるマッピング領域R81では、縦軸を、各イベント種別を表す文字列、横軸を時間(日付)として、各患者を特定する患者IDを表すアイコンI81、I82a、I82b、I83、及びI84が時系列にマッピングされている。また、図8に示されるイベントの表示期間は、2017年4月10日から2017年4月27日までの期間である。尚、各アイコンは、患者氏名が付されて表示されてもよい。
【0116】
より具体的には、薬剤評価イベントを表す文字列「薬剤評価」、及び日付「2017年4月26日」を表す位置に、患者ID「00000001」を含むアイコンI81がマッピングされている。心不全兆候イベントを表す文字列「心不全兆候」、及び日付「2017年4月15日」を表す位置に、患者ID「00000002」を含むアイコンI82aがマッピングされている。心不全兆候イベントを表す文字列「心不全兆候」、及び日付「2017年4月24日」を表す位置に、患者ID「00000002」を含むアイコンI82bがマッピングされている。腎機能悪化イベントを表す文字列「腎機能悪化」、及び日付「2017年4月17日」を表す位置に、患者ID「00000003」を含むアイコンI83がマッピングされている。心不全兆候イベントを表す文字列「心不全兆候」、及び日付「2017年4月21日」を表す位置に、患者ID「00000004」を含むアイコンI84がマッピングされている。
【0117】
また、図8に示される各イベント種別を表す文字列の横に表示されている数字「3」、「1」、「1」、及び「0」は、各イベント種別について、マッピング領域R81に表示されている患者の延べ人数をそれぞれ表す。なお、各イベント種別を表す文字列の横に表示されている数字は、例えば、取得されたイベント情報が表示期間外に存在する場合、各イベント種別について、マッピング領域R81に表示されていない患者の延べ人数、又は、表示されている患者の延べ人数に表示されていない患者の延べ人数を加算した数を表していてもよい。
【0118】
また、図8に示されるように、マッピング領域R81に含まれる各アイコンは、例えば、イベント種別毎に異なる色が付されて表示されている。
【0119】
以上説明した図8の表示態様によれば、図8に示されるマッピングデータを視認したユーザは、例えば、担当する複数の患者がイベント種別毎に時系列に表示されるため、視認性を低下させることなく、より多くの情報を得ることが可能となる。
【0120】
上記図8の説明では、1つの時間軸を含む領域にまとめて表示していたが、これに限定されない。以下、各イベント種別に係るイベントに対して、1つの時間軸を含む領域をそれぞれ割り当ててマッピングデータが表示される場合について説明する。
【0121】
図9は、変形例1に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。図9の説明では、処理回路11は、例えば、文字列「心不全兆候イベント」、「腎機能悪化イベント」、「薬剤評価イベント」、及び「画像検査イベント」の指定を受け付けているものとする。
【0122】
図9では、マッピング領域R91は、イベント種別毎に1つの時間軸を含む領域R911、R912、R913、及びR914を含む。領域R911には、心不全兆候イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータが表示されている。領域R912には、腎機能悪化イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータが表示されている。領域R913には、薬剤評価イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータが表示されている。領域R914には、画像検査イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータが表示されている。
【0123】
以上説明した図9の表示態様によれば、例えば、1つのイベント種別当りの表示面積が広いため、図8に示されるマッピングデータと比して視認性が向上する。
【0124】
(変形例2)
上記実施形態において、処理回路11は、例えば、図4に示されるマッピングデータに含まれる各イベントを、ユーザの閲覧履歴を考慮して表示するようにしてもよい。例えば、処理回路11は、ユーザが閲覧したイベントと、ユーザが閲覧していないイベントとを判別可能に表示するようにする。ここで、「ユーザがイベントを閲覧する」とは、例えば、マッピングデータに含まれる1つのイベントに紐付く患者の診療情報の詳細にユーザがアクセスし、当該詳細を表す診療画面を開くことを表す。
【0125】
図10は、変形例2に係るマッピングデータの表示例を示す図である。図10に示されるマッピング領域R101は、複数の患者に亘る心不全兆候イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータを表す。
【0126】
マッピング領域R101には、各患者を表すアイコンI101、I102、I103、I104、及びI105が含まれる。このとき、図10に示されるアイコンI101、I102、I103、I104、及びI105のうち、例えば、アイコンI102、及びI104、及びI105が表す各イベントに紐付く患者の診療情報の詳細については既にユーザにより閲覧されている。これに対し、処理回路11は、アイコンI102、及びI104、及びI105の表示態様を変更して表示している。具体的には、処理回路11は、アイコンI102、及びI104、及びI105について、アイコンを囲う枠線、及び、アイコンに含まれる患者IDを実線から点線に変更して表示する。
【0127】
以上説明した図10の表示態様によれば、図10に示されるマッピングデータに含まれるアイコンを目視したユーザは、目視したアイコンが表すイベントがユーザにより閲覧されたか否かを容易に把握することが可能となる。
【0128】
上記図10の説明では、ユーザにより閲覧されたイベントを表すアイコンの表示態様を変更していたがこれに限定されない。例えば、処理回路11は、マッピングデータに表れている表示期間のうち、ユーザが閲覧した期間と、ユーザが閲覧していない期間とを判別可能に表示するようにしてもよい。「ユーザが閲覧した期間」とは、例えば、ユーザが閲覧したイベントを含む期間である。また、「ユーザが閲覧した期間」は、表示されているマッピングデータに対して、入力インターフェース12を介して、ユーザが閲覧したと思われる期間を直接指定させることにより規定されてもよい。
【0129】
図11は、変形例2に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。図11に示されるマッピング領域R111は、複数の患者に亘る心不全兆候イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータを表す。
【0130】
マッピング領域R111には、各患者を表すアイコンI111、I112、I113、I114、及びI115が含まれる。このとき、図11に示される領域R115が表す「2017年4月10日から2017年4月27日までの期間」のうち、領域R116が表す「2017年4月10日から2017年4月20日までの期間」が既にユーザにより閲覧されている。これに対し、処理回路11は、領域R116の表示態様を変更して表示している。具体的には、処理回路11は、領域R116に対して、例えば網掛け画像を重畳表示する。このとき、領域R116に含まれるアイコンI123、I124、及びI125に対しても網掛け画像が重畳表示される。
【0131】
図11に示されるマッピング領域R111に含まれる通知領域R117は、例えば、一度閲覧した患者の診療情報の詳細が更新された場合、当該領域が指定されることで更新された旨を通知する機能を有する。図11に示される通知領域R117は、明度の低い色により指定前の状態を表している。
【0132】
次に、図11に示される通知領域R117が指定された場合について説明する。図12は、変形例2に係る表示されるマッピングデータの他の表示例を示す図である。図12に示されるマッピング領域R121は、図11に示される通知領域R117が指定された後のマッピングデータを表す。このとき、図12に示される通知領域R127は、例えば明度の高い色により指定後の状態を表している。
【0133】
マッピング領域R121には、各患者を表すアイコンI121、I122、I123、I124、及びI125が含まれる。このとき、図12に示されるアイコンI121、I122、I123、I124、及びI125のうち、アイコンI125が表すイベントに対応する患者の診療情報の詳細が更新されている。これに対し、処理回路11は、アイコンI125が占める領域の部分のみ網掛け画像の重畳を解除する。これにより、アイコンI125が表すイベントについて患者の診療情報の詳細が更新された旨を通知することが可能となる。なお、処理回路11は、ユーザにより閲覧された期間において、新規に発生したイベントを新たに表示するようにしてもよい。
【0134】
また、処理回路11は、マッピングデータが表示された際に、当該マッピングデータに含まれるイベントのうち、例えば、対応する患者の診療情報の詳細が閲覧されなかった回数が所定の閾値を超えた場合に当該イベントを表すアイコンを強調表示するようにしてもよい。図13は、変形例2に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。図13に示されるマッピング領域R131は、複数の患者に亘る心不全兆候イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータを表す。
【0135】
マッピング領域R131には、各患者を表すアイコンI131、I132、I133、I134、及びI135が含まれる。このとき、図13に示されるアイコンI131、I132、I133、I134、及びI135のうち、例えば、アイコンI133、及びI135が表す各イベントに紐付く患者の診療情報の詳細については所定の閾値を超える回数閲覧されていない。これに対し、処理回路11は、アイコンI133、及びI135に含まれる患者IDを太字にする、又は、点滅させる等して強調表示している。これにより、例えば、ユーザに対して見過ごした回数の多いイベントを通知することが可能となる。
【0136】
(変形例3)
上記実施形態において、処理回路11は、表示態様を工夫することにより、さらに視認性を向上させることが可能である。例えば、処理回路11は、ヒストグラム、又は、折れ線グラフの形式で、イベント情報を要約して表示する。以下、イベント情報がヒストグラムの形式で要約され表示される場合について説明する。図14は、変形例3に係るマッピングデータの表示例を示す図である。図14に示されるマッピング領域R141は、複数の患者に亘る心不全兆候イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータを表す。
図14に示されるマッピング領域R141では、日付毎にイベントの数が認識可能な態様で表示されている。
【0137】
具体的には、図14に示されるマッピング領域R141では、縦軸をイベントの数、横軸を時間(日付)として、各患者を表すアイコンI141、I142、I143、I144、I145、及びI146が時系列にマッピングされている。図14に示されるイベントの表示期間は、2017年4月10日から2017年4月27日までの期間である。なお、図14において、マッピング領域R141に含まれる各アイコンは、患者毎に異なる色が付され、患者を識別可能に表示されている。マッピング領域R141の左側に示される数字は、各日付に対応する領域において積み上げられたアイコンの数、すなわちイベントの数と対応している。
【0138】
以上説明した図14の表示態様によれば、マッピングデータを視認したユーザは、例えば、各日付のイベントの発生頻度を容易に把握することが可能となる。
【0139】
また、処理回路11は、マッピングデータに含まれる時間軸に対して、イベント関連情報を直接マッピングして表示するようにしてもよい。図15は、変形例3に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。図15に示されるマッピング領域R150は、複数の患者に亘る心不全兆候イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータを表す。マッピング領域R150は、時間軸を表す時間軸表示領域R151、並びに、各患者についてイベント情報に関連するイベント関連情報を表す領域R152、R153、R154、及びR155を含む。図15に示されるように、領域R152、R153、R154、及びR155は、時間軸表示領域R151に直接マッピングされている。具体的には、時間軸表示領域R151と、領域R152、R153、R154、及びR155とは、線分でそれぞれ接続されている。
【0140】
以上説明した図15の表示態様によれば、イベントの発生タイミングと、イベント関連情報とが視覚的に結びついた状態で表示されるため、視認性が向上する。
【0141】
また、処理回路11は、マッピングデータに含まれるイベントの優先順位をさらに表示するようにしてもよい。図16は、変形例3に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。図16に示されるマッピング領域R161は、複数の患者に亘る心不全兆候イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータを表す。
【0142】
マッピング領域R161には、各患者を表すアイコンI161、I162、I163、I164、及びI165が含まれる。図16に示されるように、マッピング領域R161に含まれる各アイコンは、例えば、患者毎に異なる色が付されて表示されている。尚、各アイコンは、患者氏名が付されて表示されてもよい。
【0143】
そして、マッピング領域R161には、イベントの待ち行列を表す領域R162、及び処理の優先度を表すマークM161が含まれている。領域R162は、患者を表すアイコンが積み上げられたイベントキューを表している。マークM161は、縦方向において、マークが太くなるほど優先度が高いことを表している。すなわち、領域R162に示されるイベントキューの上方に位置するアイコンに対応する患者ほど、優先して診療情報の詳細を確認する必要があることを表している。
【0144】
以上説明した図16の表示態様によれば、マッピングデータを視認したユーザは、例えば、患者間における患者の診療情報の確認の優先度を容易に把握することが可能となる。
【0145】
(変形例4)
上記実施形態において、処理回路11は、同一患者に関するイベントの出現パターンに応じて、表示するマッピングデータの表示態様を変更するようにしてもよい。以下の説明では、ディスプレイ13に表示されるマッピングデータには、要約方法がプルダウン方式で選択可能な領域が含まれるものとする。
【0146】
まず、処理回路11が特定期間に発生したイベント群を含む期間を表示する場合について説明する。図17は、変形例4に係るマッピングデータの表示例を示す図である。図17に示されるマッピング領域R171は、複数の患者に亘る心不全兆候イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータを表す。図17では、マッピングデータに関するマッピング方法として「期間」が選択されている。
【0147】
図17では、マッピング領域R171は、各患者を表すアイコンI171、I173、及びI174を含む。アイコンI171は、患者ID「00000001」である患者について、例えば「2017年4月21日から2017年4月23日までの期間」に亘って、複数の心不全兆候イベントが発生した事実を帯形状で表している。アイコンI173は、患者ID「00000003」である患者について、例えば「2017年4月10日から2017年4月16日までの期間」に亘って、複数の心不全兆候イベントが発生した事実を帯形状で表している。アイコンI174は、患者ID「00000004」である患者について、例えば「2017年4月15日から2017年4月19日までの期間」に亘って、複数の心不全兆候イベントが発生した事実を帯形状で表している。
【0148】
次に、処理回路11が特定期間に発生したイベント群を含む期間を表示する場合において、イベントの発生頻度を考慮してマッピングデータの表示態様を変更する場合について説明する。図18は、変形例4に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。図18に示されるマッピング領域R181は、複数の患者に亘る心不全兆候イベントが、患者毎に識別可能に、共通の時間軸にマッピングされたマッピングデータを表す。図18では、マッピングデータに関するマッピング方法として「分布」が選択されている。
【0149】
図18では、マッピング領域R181は、各患者を表すアイコンI181、I183、及びI184を含む。アイコンI181は、患者ID「00000001」である患者について、例えば「2017年12月から2018年2月までの期間」に亘って、複数の心不全兆候イベントが発生した事実を帯形状で表している。また、アイコンI181は、心不全兆候イベントの発生頻度に応じ、当該イベントの分布を濃淡表示している。アイコンI183は、患者ID「00000003」である患者について、例えば「2017年1月から2017年7月までの期間」に亘って、複数の心不全兆候イベントが発生した事実を帯形状で表している。また、アイコンI183は、心不全兆候イベントの発生頻度に応じ、当該イベントの分布を濃淡表示している。アイコンI184は、患者ID「00000004」である患者について、例えば「2017年6月から2017年10月までの期間」に亘って、複数の心不全兆候イベントが発生した事実を帯形状で表している。また、アイコンI184は、心不全兆候イベントの発生頻度に応じ、当該イベントの分布を濃淡表示している。
【0150】
なお、処理回路11は、イベントが発生した特定期間の最後、又は最新のイベントのみを表示するようにしてもよい。また、処理回路11は、イベントが発生した特定期間の最もイベントが集中する箇所のみを表示するようにしてもよい。
【0151】
最後に、処理回路11が、複数のイベント種別に亘り発生したイベントの組み合わせに基づいて、当該発生したイベントを患者毎にまとめて表示する場合について説明する。このとき、処理回路11は、イベントの出現パターンをクラスタリング等の手法を用いて分類することで、適切な粒度でイベントをまとめること、及び、まとめたイベントの類似性を表すことが可能である。図19は、変形例4に係るマッピングデータの他の表示例を示す図である。図19によれば、処理回路11は、イベントの発生順を考慮し、複数のイベント種別に亘り発生したイベントを患者毎にまとめて表示している。
【0152】
図19では、マッピング領域R191は、各患者を表すアイコンI191、I192、I193、及びI194を含む。図19に示されるマッピング領域R191に含まれる各アイコンは、例えば、患者毎に異なる色が付されて表示されている。アイコンI191は、例えば、患者ID「00000001」である患者について、イベント種別「SpO2減少イベント」、及び「低酸素血症兆候イベント」の順で、イベントが所定の期間に亘り発生した事実を帯形状で表している。アイコンI192は、例えば、患者ID「00000002」である患者について、イベント種別「尿量減少イベント」、「呼吸数増加イベント」及び「心不全兆候イベント」の順で、イベントが所定の期間に亘り発生した事実を帯形状で表している。アイコンI193は、例えば、患者ID「00000003」である患者について、イベント種別「BNP増加イベント」、「呼吸数増加イベント」及び「心不全兆候イベント」の順で、イベントが所定の期間に亘り発生した事実を帯形状で表している。アイコンI194は、例えば、患者ID「00000004」である患者について、イベント種別「SpO2減少イベント」、及び「低酸素血症兆候イベント」の順で、イベントが所定の期間に亘り発生した事実を帯形状で表している。
【0153】
なお、図19に示されるマッピングデータは、類似するイベント種別の組み合わせを同一行(同じ高さ)に表示している。
【0154】
[他の実施形態]
上記実施形態において、処理回路11は、例えば、図4に示されるマッピング領域R41が表すマッピングデータに含まれる時間軸の変更に同期させて、イベント関連情報領域R42に表示されるイベント関連情報に関する表示内容を変更するようにしてもよい。以下、図4に示されるマッピング領域R41が表すマッピングデータに含まれる時間軸が表す期間が、「2017年4月10日から2017年4月27日までの期間」から「2017年4月5日から2017年4月22日までの期間」に変更された場合について説明する。
【0155】
図20は、他の実施形態に係る診療画面の例を表す図である。図20は、図4に示されるマッピング領域R41が表すマッピングデータに含まれる時間軸の範囲が変更された後の診療画面を表している。図20によれば、図4に示されるマッピング領域R41において表示されていた時間軸が表す「2017年4月23日から2017年4月27日までの期間」が、時間軸の範囲の変更後に非表示となっている。このとき、アイコンI41a、I41b、及びI41cについても、時間軸の範囲の変更後に非表示となる。さらに、図20によれば、図4に示されるイベント関連情報領域R42に含まれていた患者ID「00000001」を表すアイコンI41a、I41b、及びI41cに対応する領域R421についても、時間軸の範囲の変更後に非表示となる。このように、処理回路11は、時間軸の範囲の変更に同期させて、イベント関連情報領域R42に表示するイベント関連情報の内容を変更することができる。なお、マッピング領域R41が表すマッピングデータに含まれる時間軸の変更に連動させて、イベント関連情報領域R42に含まれる各イベント関連情報が表す時間軸を変更するようにしてもよい。また、処理回路11は、イベント関連情報領域R42に表示するイベント関連情報の内容を、患者に応じて最適化するようにしてもよい。
【0156】
また、上記実施形態では、処理回路11は、例えば、図4に示されるイベント関連情報領域R42において、1人の患者について取得された情報を1つのグラフ領域内に表示していたがこれに限定されない。処理回路11は、例えば、複数の患者について取得された情報を1つのグラフ領域内に表示するようにしてもよい。
【0157】
また、上記実施形態において、処理回路11は、例えば、図4に示される各「View」ボタンが指定された場合、患者の診療情報の詳細を表示する。以下、図4に示されるイベント関連情報領域R42に含まれる領域R422に含まれるボタンB42が指定された場合について説明する。処理回路11は、図4に示されるボタンB42が指定されると、患者ID「00000002」である患者について、患者の診療情報の詳細を表示する。図21は、他の実施形態に係る患者の診療情報の詳細を表す患者詳細画面の例を表す図である。図21に示される患者詳細画面は、患者ID「00000002」である患者は、患者氏名「心臓 花子」、誕生日「2013年1月1日」、性別「女」である旨を表している。
【0158】
図21に示される患者詳細画面は、タイムライン領域R211と、画像検査の画像を表示する画像情報領域R212a、バイタルサイン情報を表示するバイタルサイン情報領域R212bおよび診療記録の情報を表示する診療記録情報領域R212cに分割された診療情報領域とを含む。
【0159】
タイムライン領域R211は、複数の診療情報などにそれぞれ対応する複数のアイコンを「2017年4月15日」の「04:00」から「21:00」までの期間に亘って時系列に表示している。タイムライン領域R211には、操作者によって指定された日時(指定日時「2017年4月15日12:00」)の位置を示す指示子L211が含まれる。
【0160】
画像情報領域R212aは、特定患者についての検査画像のサムネイルを時系列の順番(例えば、画面の上に位置する画像ほど日時が新しい画像となる順番)となるように、ある期間に亘って表示する情報表示領域R212dを含む。情報表示領域R212dには、指定日時に対応する位置を示す指示子L212aが含まれる。以降では、「検査画像のサムネイル」を単に「サムネイル」と称する。尚、情報表示領域R212dにおける指定日時に対応する位置は、例えば、指定日時に最も近い日時に対応付けられたサムネイルの上部または下部に相当する。また、この位置は、サムネイル上であってもよい。
【0161】
バイタルサイン情報領域R212bは、特定患者についてのバイタルサイン情報を「2017年4月11日から2017年4月21日まで」の期間に亘って表示している。バイタルサイン情報領域R212bには、指定日時に対応する位置を示す指示子L212bが含まれる。
【0162】
診療記録情報領域R212cは、特定患者についての医師および看護師のコメントを例えば時系列の順番(例えば、画面の上に位置するコメントほど日時が新しいコメントとなる順番)となるように、ある期間に亘って表示している。診療記録情報領域R212cには、指定日時に対応する位置を示す指示子L212cが含まれる。尚、診療記録情報領域における指定日時に対応する位置は、例えば、指定日時に最も近い日時に対応付けられたコメントの上部または下部に相当する。また、この位置は、コメント上であってもよい。
【0163】
概括すると、図21に示される診療画面において、はじめに指示子L211が設定されたことを契機として、指示子L212a、指示子L212b、及び指示子L212cが自動的に設定(或いは、表示)される。
【0164】
図21において、処理回路11は、例えば、発生するイベントのイベント種別に応じ、図21に示される患者詳細画面の表示内容を変更する。例えば、処理回路11は、発生するイベントの内容に応じ、図21に示される患者詳細画面の初期レイアウトを変更する。また、処理回路11は、発生するイベントの内容に応じ、図21に示される診療情報領域に表示する表示内容を変更する。なお、処理回路11は、図21において、図4に示されるボタンB42が指定された直後に表示されるタイムライン領域R211、画像情報領域R212a、バイタルサイン情報領域R212b、及び診療記録情報領域R212cに含まれる時間軸の中央値が、イベント日時となるように表示するようにしてもよい。
【0165】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1、及び2における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0166】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、優先して診療すべき患者の診療情報にアクセスするまでの時間を短縮することができる。
【0167】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0168】
1…医用情報表示装置
2…病院情報システム
3…放射線部門情報管理システム
4…医用画像診断装置
5…医用画像管理システム
6…データウェアハウス
11、61…処理回路
12…入力インターフェース
13…ディスプレイ
14、62…メモリ
15、63…通信インターフェース
111…取得機能
113…マッピング機能
115…表示制御機能
117…システム制御機能
611…収集機能
612…登録機能
621…ログ情報
R41、R51、R61、R71、R81、R91、R101、R111、R121、R131、R141、R150、R161、R171、R181、R191…マッピング領域
R42、R52、R62…イベント関連情報領域
R211…タイムライン領域
R212a…画像情報領域
R212b…バイタルサイン情報領域
R212c…診療記録情報領域
R212d…情報表示領域
図1
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図3
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