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特許7467055嚢状内部デバイス位置決め及び配備システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】嚢状内部デバイス位置決め及び配備システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
A61B17/00 500
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019172576
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2020049216
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】16/140,836
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】カーク・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】レイシー・ゴロチョウ
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0242979(US,A1)
【文献】特表2006-509578(JP,A)
【文献】特開2015-196092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み部を解放するためのシステムであって、
近位端である第1の端部及び遠位端である第2の端部を含む編組埋め込み部と、
遠位端と、前記遠位端に近接して上部にノッチを含む外側表面と、を含む送達管と、
前記編組埋め込み部の前記第1の端部に取り外し可能に取り付けられた遠位端を含む内側細長部材と、
前記編組埋め込み部の前記第2の端部付近の前記編組埋め込み部に機械的に接続され、折り畳まれた構成から展開された構成へと移動可能である拡張構成要素であって、前記折り畳まれた構成の拡張構成要素に対して、前記送達管に対する前記内側細長部材の遠位移動により、前記編組埋め込み部が反転して拡張することにより閉塞性袋が形成され、前記折り畳まれた構成が前記ノッチと係合し、前記展開された構成が前記ノッチを係合解除し、それによって前記送達管を解放する、拡張構成要素と、を含み、
前記ノッチは、前記送達管の前記外側表面上に円周方向の凹部を含み、
前記送達管が解放された前記編組埋め込み部の前記閉塞性袋が動脈瘤嚢に埋め込まれるように構成され、前記折り畳まれた構成における前記拡張構成要素が前記送達管から解放されて前記展開された構成における前記拡張構成要素となって前記展開された構成における前記拡張構成要素が動脈瘤頸部に完全に埋め込まれるように構成される、システム。
【請求項2】
前記編組埋め込み部が、
前記送達管の前記遠位端から延在して、外側に折り畳まれて、前記送達管の前記遠位端の遠位に位置決めされた折り畳み部と、
前記折り畳み部から近位に延在し、前記ノッチ内の前記拡張構成要素の取り付け区分に取り付けられている前記編組埋め込み部の前記第2の端部を含む、外側折り畳み区分と、
前記折り畳み部から近位に延在し、前記内側細長部材の前記遠位端に取り付けられている、前記編組埋め込み部の前記第1の端部を含む、前記外側折り畳み区分によって包囲される、内側折り畳み区分と、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記拡張構成要素の前記展開された構成が、
前記編組埋め込み部に取り付けられ、前記閉塞性袋の開口部付近の第1の領域を第1の円周に開く、取り付け区分と、
前記取り付け区分に取り付けられ、前記閉塞性袋内の第2の領域を前記第1の円周よりも大きい第2の円周に開く、延在部と、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ノッチと係合している前記折り畳まれた構成における前記拡張構成要素が、複数の実質的に真っ直ぐな区分と前記複数の実質的に真っ直ぐな区分を接合してジグザグ構造を形成する複数のコネクタをみ、前記複数のコネクタは、前記ノッチ内で前記ノッチに沿って実質的に均一な円周を有する実質的に管状の前記ジグザグ構造を形成するように前記複数の実質的に真っ直ぐな区分を接合している、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記送達管が、内部を通る内腔を更に含み、前記編組埋め込み部の前記内側折り畳み区分が、前記内腔内に位置決めされている、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記内側細長部材を押圧することが、遠位に前記編組埋め込み部を遠位方向に押圧して、前記編組埋め込み部の少なくとも一部分を埋め込む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
動脈瘤を治療するためのデバイスであって、
遠位端と、内部と、外部と、前記遠位端に近接する前記外部上に位置決めされたノッチと、を含む管状送達部材と、
遠位端及び近位端を含む、前記管状送達部材の前記内部内に位置決めされた内側細長部材と、
送達構成から埋め込まれた構成に移動可能な編組管状埋め込み部であって、前記送達構成が、
前記管状送達部材の前記内部内で近位に延在し、前記内側細長部材の前記遠位端に取り外し可能に取り付けられた第1の端部と、
前記管状送達部材の前記遠位端から遠位に延在し、前記ノッチの少なくとも一部分の上に近位に折り畳まれる第2の端部と、を備える、編組管状埋め込み部と、
前記ノッチ内に位置決めされ、前記第2の端部に近接する前記編組管状埋め込み部に取り付けられた拡張構成要素であって、前記折り畳まれた構成の拡張構成要素に対して、前記管状送達部材に対する前記内側細長部材の遠位移動により、前記編組埋め込み部が反転して拡張することにより閉塞性袋が形成され、前記拡張構成要素が折り畳まれた構成から展開された構成に移動可能であり、前記折り畳まれた構成が、前記ノッチと係合し、前記展開された構成が前記ノッチを係合解除する、拡張構成要素と、を含み、
前記ノッチは、前記管状送達部材の前記外部上に円周方向の凹部を含み、
前記ノッチが係合解除された前記編組埋め込み部の前記閉塞性袋が動脈瘤嚢に埋め込まれるように構成され、前記折り畳まれた構成における前記拡張構成要素が前記管状送達部材から解放されて前記展開された構成における前記拡張構成要素となって前記展開された構成における前記拡張構成要素が動脈瘤頸部に完全に埋め込まれるように構成される、デバイス。
【請求項8】
前記拡張構成要素が、前記折り畳まれた構成にあるとき、前記円周方向の凹部内に位置決めされている、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記編組管状埋め込み部の前記埋め込まれた構成が、前記閉塞性袋を含み、前記拡張構成要素が、前記閉塞性袋内に位置決めされている、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記拡張構成要素の前記折り畳まれた構成は、前記編組管状埋め込み部が、前記送達構成から前記埋め込まれた構成に移動する際に通過する口部を含み、前記開口部は、前記ノッチ内に嵌合するようにサイズ決定されている、請求項7に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して医療器具に関し、より具体的には、動脈瘤治療用デバイスのための送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
頭蓋動脈瘤は、重要な脳組織に近接していることに起因して、複雑であり、治療するのが困難であり得る。これまでの解決策としては、血管内治療が挙げられ、これにより、動脈血圧及び血流から動脈瘤嚢の内部容積が除去される、又は排除される。血管内又は他の外科的アプローチに対する現行の代替物は、動脈瘤の嚢を塞栓材料で満たすか、又は動脈瘤の入口若しくは頸部を治療するかのいずれかである閉塞デバイスを含むことができる。両方のアプローチは、動脈瘤への血流の抑制を試みる。動脈瘤嚢を充填するとき、塞栓物質は、血液を凝固させ、動脈瘤内に血栓塊を形成する。動脈瘤頸部を治療するとき、動脈瘤の入口への血流が阻害され、動脈瘤内で静脈の鬱血を誘発し、動脈瘤内の血栓塊の自然な形成を促進する。
【0003】
現在の閉塞デバイスは、典型的には、複数の塞栓コイルを利用して、嚢を充填するか、又は入口を治療するかのいずれかである。いずれの治療においても、動脈瘤頸部を閉塞するか、動脈瘤嚢を充填するかのいずれかに十分な塞栓コイル充填密度を得ることは困難であり、時間がかかる。更に、動脈瘤形態(例えば、幅広の頸部、分岐部など)は、コイル塊を支持し、所望の充填密度を得るためにステント又はバルーンなどの補助デバイスを必要とし得る。
【0004】
塞栓コイルを有する動脈瘤の入口を治療することによって形成される自然に形成された血栓塊は、動脈壁からの可能な膨張を低減させ、頸部平面に沿った元の親血管形状への再統合を可能にすることによって、塞栓コイルを充填した動脈瘤塊と比較して治癒を改善することができる。しかしながら、動脈瘤の頸部に送達される塞栓コイルは、隣接する血管内の血流を妨げる悪影響を潜在的に有し得、同時に、入口が十分に充填されていない場合、血流は動脈瘤内に残り得る。したがって、塞栓コイルを適切に埋め込むことは困難であり、一度埋め込まれると、コイルは容易に後退又は再位置決めすることができない。
【0005】
更に、多数のコイルで治療された動脈瘤は、多くの場合不良なコイル状態、動脈瘤の頸部を横切る被覆の欠如、血流若しくは更には動脈瘤のサイズにより、再解析又は圧密化するので、塞栓コイルが必ずしも効果的に治療するわけではない。
【0006】
例示的な代替的閉塞デバイスは、米国特許第8,998,947号に記載されている。しかしながら、このアプローチは、塞栓コイルの使用に依存するか、又はコイルアプローチを模倣し、したがって、安全な充填密度を達成し、一度埋め込まれると再位置決めすることができないような塞栓コイルアプローチの多くの制限に悩まされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、親血管と連通する穿通枝血管への流れを遮断することなく、動脈瘤の頸部又は親血管内の他の動静脈の奇形部を、容易かつ正確かつ安全に閉塞するデバイスを得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の必要性に対処することができる、本発明の様々な例示的なデバイス及びシステムについて本明細書に開示する。デバイスは、概して、送達管の遠位端付近の送達管の外側表面上のノッチ内に位置決めすることができる拡張リングによって、送達管に取り外し可能に取り付けられ得る編組埋め込み部を含むことができる。埋め込み部は、送達管の内腔内に位置決めすることができ、送達管及び埋め込み部デバイスアセンブリがマイクロカテーテルを通って治療部位に供給される際に、送達管に取り付けられたままである。一度治療部位において、編組埋め込み部が、内側細長部材又はプッシャを遠位に押圧すると、それによって編組埋め込み部を送達管の遠位端から押圧し埋め込まれ得る。内側細長部材は、編組埋め込み部の端部に取り外し可能に取り付けることができ、そのため編組埋め込み部は、適切に位置決めされるまで後退及び再位置決めされ、次いで解放され得る。一度編組埋め込み部が埋め込まれると、拡張リングは、送達管のノッチと係合された折り畳まれた構成から、送達管を解放する展開された構成に移動することができる。一度解放されると、送達管は、患者から引き抜かれ、埋め込まれた編組埋め込み部を残すことができる。
【0009】
埋め込み部を解放するための例示的なシステムは、編組埋め込み部、送達管、内側細長部材、及び拡張リングを含むことができる。編組埋め込み部は、内側細長部材の遠位端に取り外し可能に取り付けられた第1の端部と、拡張リングに機械的に接続された第2の端部と、を有することができる。送達管は、送達管の遠位端付近の外側表面上に位置決めされたノッチを有する遠位端を有することができる。拡張リングは、ノッチと係合される折り畳まれた構成から、ノッチから係合解除され、送達管から解放される展開された構成に移動可能であり得る。
【0010】
編組埋め込み部は、送達管の遠位端の遠位に位置決めされた折り畳み部と、折り畳み部から近位に延在する外側折り畳み区分と、外側折り畳み区分が内側折り畳み区分を包囲するように、折り畳み部から近位に延在する内側折り畳み区分と、を含むことができる。外側折り畳み区分は、拡張リングに取り付けられた編組埋め込み部の第2の端部を含むことができ、内側折り畳み区分は、内側細長部材に取り付けられた第1の端部を含むことができる。
【0011】
送達管は、内部を通る内腔を有することができ、編組埋め込み部の内側折り畳み区分は、内腔内に位置決めすることができる。
【0012】
拡張リングは、外側折り畳み区分の一部分に機械的に接続することができ、そのため外側折り畳み区分は、ノッチの少なくとも一部分及び拡張リングの少なくとも一部分を覆う。
【0013】
展開された構成では、拡張リングは、取り付けられた区分及び延在部分を含むことができる。取り付けられた区分は、編組埋め込み部に取り付けることができ、閉塞性袋の第1の領域を第1の円周に開くことができ、延在部分は、取り付け区分に取り付けることができ、閉塞性袋の第2の領域を第1の円周よりも大きい第2の円周に開くことができる。
【0014】
拡張リングは、拡張リングが折り畳まれた構成から展開された構成に移動する際に、半径方向に延在する葉形状要素を有することができる。
【0015】
拡張リングは、折り畳まれた構成にあるとき、実質的に管状のジグザグ構造を形成するように接合された区分を有することができる。
【0016】
内側細長部材は、編組埋め込み部の少なくとも一部分を埋め込むために遠位に押圧され得る。
【0017】
動脈瘤を治療するための例示的なデバイスは、管状送達部材と、内側細長部材と、編組管状埋め込み部と、拡張構成要素と、を含み得る。編組管状埋め込み部は、送達構成から埋め込まれた構成に移動可能であり得る。送達構成において、編組管状埋め込み部は、内側細長部材の遠位端に取り外し可能に取り付けられた管状送達部材の内部内で近位に延在する第1の端部と、管状送達部材の遠位端から遠位に延在し、管状送達部材の遠位端付近の管状送達部材の外部上に位置決めされたノッチの少なくとも一部分にわたって近位に折り畳まれる第2の端部と、を有することができる。拡張構成要素は、管状送達部材上のノッチ内に位置決めされ、編組管状埋め込み部の第2の端部付近の編組管状埋め込み部に取り付けることができる。拡張構成要素は、ノッチを係合する折り畳まれた構成からノッチを係合解除する展開された構成に移動可能であり得る。
【0018】
管状送達部材の外部のノッチは、円周方向の凹部であり得る。拡張構成要素は、折り畳まれた構成にあるときに、円周方向の凹部内に位置決めすることができる。
【0019】
埋め込まれた構成にあるとき、編組管状埋め込み部は閉塞性袋を有することができ、拡張構成要素は、閉塞性袋内に位置決めすることができる。拡張構成要素は、拡張構成要素が展開された構成にあるとき、閉塞性袋を並置する延在部材を有することができる。折り畳まれた構成にあるとき、拡張構成要素は、編組管状埋め込み部が送達構成から埋め込まれた構成に移動する際に通過する開口部を有することができる。
【0020】
動脈瘤を治療するための例示的な方法は、編組埋め込み部、送達管、及び拡張構成要素を有する編組埋め込み部送達システムを提供する工程と、編組埋め込み部を拡張構成要素に取り付ける工程と、拡張構成要素を送達管上のノッチと係合させる工程と、編組埋め込み部を動脈瘤に埋め込む工程と、拡張構成要素を拡張させて、拡張構成要素をノッチから係合解除する工程と、拡張構成要素を送達管から解放し、このことで送達管から編組埋め込み部を解放する工程と、を含むことができる。
【0021】
本方法は、動脈瘤の頸部の少なくとも一部分を閉塞するように拡張構成要素を拡張する工程を更に含み得る。
【0022】
動脈瘤内に編組埋め込み部を埋め込む工程は、閉塞性袋を形成する工程を含むことができ、拡張構成要素を拡張する工程は、動脈瘤の頸部にわたって閉塞性袋を延在させる工程を含むことができる。
【0023】
提供される編組埋め込み部送達システムは、内側細長部材を更に含むことができ、この方法は、編組埋め込み部を内側細長部材に取り付ける工程を更に含み得る。編組埋め込み部を埋め込む工程は、内側細長部材を遠位に押圧する工程と、それによって編組埋め込み部の一部分を動脈瘤内に押圧する工程と、編組埋め込み部を内側細長部材から取り外す工程と、を更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の上述の態様及び更なる態様は、添付図面と共に以下の説明を参照することによって更に詳しく説明され、添付図面において、種々の図の同様の数字は同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
図1】本発明による埋め込みデバイス又はシステムの断面図である。
図2A】本発明による送達構成にある編組埋め込み部を図示する図である。
図2B】本発明による折り畳まれた構成における拡張リングを図示する図である。
図2C】本発明による送達管の遠位端を図示する図である。
図3】本発明による埋め込みシステムの遠位端を図示する図である。
図4】本発明によるマイクロカテーテル内の埋め込みシステムの断面図である。
図5A】本発明による埋め込みシステムの使用方法を示す図である。
図5B】本発明による埋め込みシステムの使用方法を示す図である。
図5C】本発明による埋め込みシステムの使用方法を示す図である。
図5D】本発明による埋め込みシステムの使用方法を示す図である。
図5E】本発明による埋め込みシステムの使用方法を示す図である。
図5F】本発明による埋め込みシステムの使用方法を示す図である。
図5G】本発明による埋め込みシステムの使用方法を示す図である。
図6】本発明による展開された構成における拡張リングを有する埋め込まれた構成内の編組埋め込み部を図示する図である。
図7A】部分的に埋め込まれた編組埋め込み部を有する動脈瘤を一部切り取った図である。
図7B】完全に埋め込まれた編組埋め込み部を有する動脈瘤を一部切り取った図である。
図8A】本発明による埋め込まれた構成における編組埋め込み部と、展開された構成における拡張リングと、を図示する図である。
図8B】本発明による埋め込まれた構成における編組埋め込み部と、展開された構成における拡張リングと、を図示する図である。
図8C】本発明による埋め込まれた構成における編組埋め込み部と、展開された構成における拡張リングと、を図示する図である。
図9A】本発明による埋め込まれた構成における編組埋め込み部と、展開された構成における拡張リングと、を図示する図である。
図9B】本発明による埋め込まれた構成における編組埋め込み部と、展開された構成における拡張リングと、を図示する図である。
図10A】本発明による折り畳まれた構成における拡張リングを図示する図である。
図10B】本発明による折り畳まれた構成における拡張リングを図示する図である。
図11】本発明による方法工程を概説するフロー図である。
図12】本発明による方法工程を概説するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
塞栓コイルを利用する以前のアプローチは、動脈瘤の入口を治療すること、及び/又は塞栓編組埋め込み部で動脈瘤を充填することによって改善され得る。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/903,860号を参照されたい。編組埋め込み部で動脈瘤を治療することは、例えば、より高い充填密度を達成する能力、埋め込み処置中に埋め込み部を後退させ再位置決めする能力、ステント又はバルーンなどの補助デバイスなしの埋め込みを行う能力、再分析又は圧縮のリスクの低減、及び動脈瘤頸部にわたる被覆の改善などの、塞栓コイルを利用する治療に勝る潜在的な利点を有することができる。
【0026】
編組埋め込み部送達システムでは、埋め込み部が治療部位に来るまで埋め込み部と送達デバイスとの間の取り付けを維持し、次いで、埋め込み部を取り外し、送達デバイス及びシステムの一部分を引き抜くことができるように埋め込み部を取り外すことが有利であり得る。動脈瘤に埋め込まれるとき、例えば、送達システムはまた、動脈瘤の頸部を少なくとも部分的に閉塞するように機能することができる。本開示は、少なくともそのような目的のために利用することができる様々な例示的なシステム、デバイス、及び方法を記載する。
【0027】
動脈瘤への嚢状内部デバイス(例えば、編組埋め込み部)の位置決め及び展開するためのシステムは、外側中空編組プッシャ、内側編組プッシャ、編組埋め込み部、及びマイクロカテーテルを含むことができる。外側プッシャ(送達管)は、内側プッシャ(内側細長部材)にわたって同軸状に取り付けられる。編組埋め込み部(編組嚢状内部構成要素)の第1の(近位)端部は、外側プッシャの遠位端に取り付けることができる一方で、編組埋め込み部の第2の(遠位)端部は、内側プッシャの遠位端に取り付けることができる。編組埋め込み部の第1の端部は、編組に取り付けられた自己拡張リングを有することができる。自己拡張リングは、ニチノール又は他の同様の自己拡張材料で作製することができる。自己拡張リングは、外側プッシャの遠位端に位置するノッチ内の定位置に圧着されて、編組埋め込み部を外側プッシャに取り付けることができ、編組埋め込み部の第1の近位端は、内側プッシャの遠位端のノッチ内に嵌合することができる。内側プッシャは、既知の設計の解放機構を含むことができる。例えば、各々は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,377,932号、及び同第8,062,325号を参照されたい。
【0028】
図1は、編組埋め込み部300と、送達管500と、内側細長部材400と、を有する埋め込みデバイス100の断面図を図示する。編組埋め込み部300は、編組埋め込み部300の遠位端314付近に外側折り畳み区分302を有することができる。外側折り畳み区分302は、拡張リング200に取り付けることができ、拡張リング200は、送達管500の遠位端514付近の送達管500の外側表面508上のノッチ510内に位置決めすることができる。編組埋め込み部は、送達管500の遠位端514の遠位に位置決めされた折り畳み部303を有することができ、そのため、外側折り畳み区分302は、送達管500にわたって折り畳み部303から近位に延在し、内側折り畳み区分304は、送達管500内の折り畳み部303から近位に延在する。内側折り畳み区分304は、編組埋め込み部300の近位端312まで延在することができ、内側細長部材400の遠位端414は、編組埋め込み部300の近位端312に取り外し可能に取り付けることができる。送達管500及び内側細長部材400は、各々、治療中にデバイス100を操作するためにユーザーによってアクセス可能であり得る、近位端512、412を有することができる。
【0029】
図2A図2Cは、編組埋め込み部300と、拡張リング200と、図1に図示されるデバイス100などの埋め込みデバイスの少なくとも一部を形成するために組み立てることができる送達管500と、を図示する。図2Aは、折り畳み部303によって内側折り畳み区分304から分離された外側折り畳み区分302を有する送達構成における編組埋め込み部300を図示する。内側折り畳み部304は、図2Cに図示される送達管500などの送達管504の内腔504内に嵌合するようにサイズ決定することができる。内側折り畳み部304は、内側細長部材(図示せず)に取り付けることができる第1の端部312まで延在することができる。外側折り畳み区分302は、編組埋め込み部の第2の端部314に位置決めすることができ、図2Bに図示される拡張リング200などの拡張リング200にわたって嵌合するようにサイズ決定することができる。外側折り畳み区分302はまた、図2Cに図示される送達管などの送達管500の遠位端514にわたって嵌合するようにサイズ決定することができる。
【0030】
図2Bは、折り畳まれた構成における拡張リング200を図示する。折り畳まれた構成では、拡張リング200は、図2Cに図示される送達管500などの送達管500の外側表面508上のノッチ510内に嵌合するようにサイズ決定することができる。拡張リング200は、取り付け区分220によって取り付けられる延在部分210を含んで、送達管ノッチ510内に嵌合するようにサイズ決定された開口部240を有するリングを形成することができる。各延在部分210は、図2Bに示されるような花弁状又は楕円形状を有することができ、この形状は、延在部分210の基部における第1の幅216、及び第1の幅216よりも広い延在部分の中央付近の第2の幅218によって特徴付けることができる。
【0031】
図2Cは、送達管500の遠位端514付近の送達管500の一部分を図示する。図2A及び図2Bを参照して考察されたように、送達管500は、その外側表面508上のその遠位端514付近にノッチ510を有することができ、送達管500は、内部を通る内腔504を有することができる。
【0032】
図3は、埋め込みデバイスを形成するために共に組み立てられた、図2A図2Cに図示されるような編組埋め込み部300、拡張リング200、及び送達管500を図示する。示されるように、編組埋め込み部300の外側折り畳み区分302は、拡張リング200にわたって折り畳まれ、かつ拡張リング200に取り付けられてもよく、拡張リング200は、送達管500の外側表面508上のノッチ510内に嵌合するようにサイズ決定することができる。編組埋め込み部300の内側折り畳み区分304は、送達管の内腔504内に延在することができる。このように構成され、図示されたデバイスは、治療部位への送達のためにマイクロカテーテル内に挿入することができる。
【0033】
図4は、治療部位への送達のためにマイクロカテーテル600内に位置決めされたデバイス100を含む、埋め込みシステムの断面図を図示する。マイクロカテーテルは、患者への挿入及び治療部位へのナビゲーションに好適な任意のカテーテルであり得る。一度所定の位置に置かれると、埋め込みデバイス100は、カテーテル600を通って治療部位に供給することができる。カテーテル600は、治療部位に位置決めすることができる遠位端614と、治療処置中にユーザーにアクセス可能であり得る近位端612と、を有することができる。
【0034】
図5A図5Gは、動脈瘤の治療のための埋め込みシステムの使用方法を示す断面図である。図5Aは、編組埋め込み部の埋め込みを開始するように構成された埋め込みシステムを図示する。示されるように、デバイスは、マイクロカテーテル600の遠位端614とほぼ整列させることができる。編組埋め込み部300は、送達管ノッチ510内の拡張リング200に取り付けることができ、編組解放部400で内側細長部材400に取り付けられるように送達管500内に延在することができる。
【0035】
図5Bは、部分的に埋め込まれた編組埋め込み部300を示す。示されるように、内側細長部材400は、遠位に押圧されて、編組埋め込み部300を送達管500及びマイクロカテーテル600から押圧することができる。編組埋め込み部300が送達管500を出ると、埋め込み部300は、反転して、閉塞性袋308を形成し始めることができる。
【0036】
図5Cに示されるように、内側細長部材400を、引き続き遠位に押圧することができ、編組埋め込み部300のうちのより多くを送達管500から押圧することができる。編組埋め込み部300が送達管500を更に出る際、埋め込み部300は、反転し続けてもよく、閉塞性袋308は拡張することができる。
【0037】
図5Dに示されるように、編組埋め込み部300が送達管から完全に出るまで、内側細長部材400を押圧することができる。示されるように、閉塞性袋308は、完全に拡張され得、閉塞性袋308を形成するために反転しない編組埋め込み部300の部分は、塞栓充填剤編組310を形成する閉塞性袋308内に押圧することができる。示されるように、塞栓充填剤編組310は、編組解放機構404によって内側細長部材400に取り付けられたままであり得る。塞栓充填剤編組310は、内側細長部材400に取り付けられながら、編組埋め込み部300は、内側細長部材400を近位に引くことによって、部分的に又は完全に後退させることができる。一度後退すると、埋め込みシステムは、再位置決めすることができ、内側細長部材400は、遠位に押圧されて、編組埋め込み部300を再埋め込みすることができる。
【0038】
図5Eに示されるように、編組埋め込み部300は、編組解放機構404を取り外すことによって、内側細長部材400から解放することができる。
【0039】
図5Fに示されるように、送達管500を、マイクロカテーテル600から遠位に押圧することができ、又はマイクロカテーテル600は、近位に引くことができ、拡張リング200は、図5A図5Eに示されるような送達構成から拡張された構成に拡張し始めることができる。拡張リング200が拡張する際、拡張リング200は、送達管500内のノッチ510の係合を解除し始めることができる。拡張リング200は、送達管内のノッチ510内に嵌合するように圧着される送達構成における変形形状、及び拡張リング200が拡張又は展開された構成において拡張する所定の形状を有するメモリ形状材料で作製することができる。送達管500がマイクロカテーテル600を出るとき、拡張リング200は、体液と接触することができるが、体液の温度は、拡張リング200を所定の形状に拡張させることができる。
【0040】
図5Gに示されるように、拡張リング200は、送達管500内のノッチ510から拡張及び係合解除し続けることができる。一度展開された構成で拡張リング200が完全に拡張すると、送達管を引き抜くことができる。
【0041】
図6は、展開された構成にある拡張リングを有する埋め込まれた構成における編組埋め込み部を図示する。送達管500及びマイクロカテーテル600は、パテントから引き抜くことができる。
【0042】
図7Aは、部分的に埋め込まれた編組埋め込み部300を有する動脈瘤10のを一部切り取ったものを図示する。送達カテーテル600を、血管20を通して動脈瘤の頸部16に送達することができ、編組埋め込み部300は、頸部16を通って動脈瘤10内に押圧されて、動脈瘤10の壁に延在する閉塞性袋308を形成することができる。部分的に埋め込まれた編組埋め込み部300を、後退させ、再位置決めすることができる。
【0043】
図7Bは、完全に埋め込まれた編組埋め込み部300を有する動脈瘤10を一部切り取ったものを図示する。閉塞性袋308は、動脈瘤10の壁14に延在し、塞栓編組310は、閉塞性袋308を充填することができる。閉塞性袋308及び塞栓編組310は、共に動脈瘤嚢12を充填することができる。拡張リング200は、動脈瘤頸部16の付近に存在することができ、閉塞性袋308を並置するために延在する延在部分210を有することができる。拡張リング200は、延在部分210と接続する取り付け区分220を有することができ、取り付け区分220は、拡張リング200及び閉塞性袋308の開口部240を画定するリング又は他の形状を形成することができる。
【0044】
図8A図8Cは、埋め込まれた構成における編組埋め込み部300、及び展開された構成における拡張リング200を示す。図8A図8Cに示されるように、拡張リング200は、取り付け区分220によって接続された葉又は花弁形状の延在部分210を有することができる。拡張リング200は、図2Bに示されるように折り畳まれた構成を有することができ、図8A図8Cに示されるように展開された構成に拡張することができる。図8Aは、塞栓充填剤編組310及び拡張リング200を有する閉塞性袋308の側面図を図示する。図8B及び図8Cは、図8Aに示されるような閉塞性袋308の断面図を示す。図8Bを参照すると、拡張リングは、区分コネクタ232と共に接続された複数の独立したセクションで構築することができる。示されるように、各延在部分210は、各延在部分210の2つの半分を接続するように位置決めされたコネクタ232を有することができる。閉塞性袋308は、取り付け区分220で拡張リングに接続することができ、拡張リング200が展開された構成に開く際、延在部分は、閉塞性袋308に対して自由に摺動することができる。図8Cに示されるように、取り付け区分220は、閉塞性袋308内の開口部付近に閉塞性袋308の第1の円周324を画定することができ、延在部分210は、閉塞性袋をより大きい第2の円周326に開くことができる。
【0045】
図9A及び図9Bは、埋め込まれた構成における編組埋め込み部300、及び展開された構成における拡張リング300を示す。図9Aは側面図であり、図9Bは、図9Aに示す断面図である。図9A及び図9Bに示されるように、拡張リング200は、4つの角部を形成するためにコネクタ232によって接続された4つの区分230を有することができる。
【0046】
図10A及び図10Bは、折り畳まれた構成における拡張リング200を図示する。拡張リング200は、折り畳まれた構成で図10A及び図10Bに示されるように成形することができ、かつ展開された構成に拡張することができる。図10Aは、送達管のノッチ510内の拡張リング200を図示し、図10Bは、送達管がない図10Aの拡張リングを図示する。示されるように、区分230は、実質的に真っ直ぐであり得、屈曲部234又はコネクタ(図示せず)は、区分230を接合してジグザグ構造を形成することができる。拡張リングは、編組埋め込み部300に取り付けるための取り付けタブ236を含むことができる。
【0047】
認識及び理解されるように、拡張リングは、ジグザグ形状を形成するために、任意の数の区分、屈曲部、及びコネクタを有することができる。折り畳まれた構成では、ジグザグ形状は、その長さに沿って実質的に均一な円周を有する管状形状を有することができる。拡張又は展開された構成では、拡張リングは、折り畳まれた円周よりも大きい実質的に均一な円周を有する管状形状、又は閉塞性袋開口部付近の第1の円周と、第1の円周よりも大きい閉塞性袋内の領域に第2の円周と、を有するテーパ形状を有することができる。
【0048】
本明細書に開示される拡張リングは、例えば、拡張構成において形状記憶位置を有する、ニッケル-チタン合金、又は形状記憶ポリマーなどの形状記憶材料から好ましくは形成される。拡張リングは、拡張リングが、拡張した形状記憶位置の所望の形状で形成するように、適切に加熱処理することができる。各拡張リングは、ニッケル-チタン合金、又は形状記憶ポリマーなどの形状記憶材料から形成された管又はシートをレーザによって切断することによって形成することができる。
【0049】
図11及び図12は、動脈瘤を治療するためのデバイス又はシステムの使用のための例示的な方法工程を概説するフロー図である。方法工程は、本明細書に記載される例示的手段のいずれかによって、又は当業者に既知である任意の手段によって実施することができる。
【0050】
図11において概説される方法700を参照すると、工程710では、編組埋め込み部、送達管、及び拡張構成要素を有する編組埋め込み部送達システムを提供することができる。工程720では、編組埋め込み部は、拡張構成要素に取り付けることができる。工程730では、拡張構成要素は、送達管上のノッチと係合され得る。工程740では、編組埋め込み部は、動脈瘤内に埋め込むことができる。工程750では、拡張構成要素を、拡張させて、拡張構成要素をノッチから係合解除することができる。工程760において、拡張構成要素は、送達管から解放され、それによって編組埋め込み部を送達管から解放することができる。
【0051】
図12において概説される方法800を参照すると、工程810では、編組埋め込み部、送達管、内側細長部材、及び拡張構成要素を有する編組埋め込み部送達システムを、提供することができる。工程820では、編組埋め込み部は、拡張構成要素に取り付けることができる。工程825では、編組埋め込み部は、内側細長部材に取り付けることができる。工程830では、拡張構成要素は、送達管上のノッチと係合することができる。工程840では、編組埋め込み部は、内側細長部材を遠位に押圧することによって、編組埋め込み部の一部を動脈瘤内に押圧し、動脈瘤内に閉塞性袋を形成すること、次いで編組埋め込み部を内側細長部材から取り外すことによって動脈瘤内に埋め込むことができる。工程850では、拡張構成要素を拡張させて、拡張構成要素をノッチから係合解除することができる。工程860では、拡張構成要素は、送達管を解放することができ、それによって編組埋め込み部を送達管から解放することができる。工程870では、拡張構成要素は、拡張して動脈瘤の頸部の少なくとも一部分を閉塞し、動脈瘤の頸部にわたって閉塞性袋を延在させることができる。
【0052】
本明細書に含まれる記述は、本発明の実施形態の例であり、本発明の範囲を制限するものではない。本明細書に記載されるように、本発明は、編組埋め込み部で動脈瘤を治療するために使用することができるシステム、デバイス、又は方法の多くの変形形態及び修正形態を企図する。変形形態は、例えば、各構成要素又は要素(例えば、放射線不透過性材料、メモリ形状金属など)のための多数の材料のいずれかを利用する、編組埋め込み部を治療部位で位置決めするため、編組埋め込み部を抽出するため、又は編組埋め込み部の一部分を送達管の内部から排出させるための構成要素を含む、付加的な構成要素を利用する、本明細書に記載される機能を実行するために付加的な構成要素を利用する、又は本明細書に記載されていない機能を実行するために付加的な構成要素を利用する、本明細書に記載される要素及び構成要素の代替的な幾何学的形状を含み得るが、これらに限定されない。これらの修正形態は、本発明の関連技術分野の当業者に明らかであろうし、かつ、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
【0053】
〔実施の態様〕
(1) 埋め込み部を解放するためのシステムであって、
第1の端部及び第2の端部を含む編組埋め込み部と、
遠位端と、前記遠位端に近接して上部にノッチを含む外側表面と、を含む送達管と、
前記編組埋め込み部の前記第1の端部に取り外し可能に取り付けられた遠位端を含む内側細長部材と、
前記編組埋め込み部の前記第2の端部付近の前記編組埋め込み部に機械的に接続され、折り畳まれた構成から展開された構成へと移動可能である拡張リングであって、前記折り畳まれた構成が前記ノッチと係合し、前記展開された構成が前記ノッチを係合解除し、それによって前記送達管を解放する、拡張リングと、を含む、システム。
(2) 前記編組埋め込み部が、
前記送達管の前記遠位端の遠位に位置決めされた折り畳み部と、
前記折り畳み部から近位に延在し、前記編組埋め込み部の前記第2の端部を含む、外側折り畳み区分と、
前記折り畳み部から近位に延在し、前記編組埋め込み部の前記第1の端部を含む、前記外側折り畳み区分によって包囲される、内側折り畳み区分と、を含む、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記拡張リングが、前記外側折り畳み区分の一部分に機械的に接続され、前記外側折り畳み区分が、前記ノッチの少なくとも一部分及び前記拡張リングの少なくとも一部分を被覆している、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記拡張リングの前記展開された構成が、
前記編組埋め込み部に取り付けられ、前記閉塞性袋の第1の領域を第1の円周に開く、取り付け区分と、
前記取り付け区分に取り付けられ、前記閉塞性袋の第2の領域を前記第1の円周よりも大きい第2の円周に開く、延在部と、を含む、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記拡張リングは、前記拡張リングが前記折り畳まれた構成から前記展開された構成に移動する際に半径方向に延在する複数の葉形状要素を含む、実施態様1に記載のシステム。
【0054】
(6) 前記折り畳まれた構成における前記拡張リングが、実質的に管状のジグザグ構造を形成するように接合された複数の区分を含む、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記送達管が、内部を通る内腔を更に含み、前記編組埋め込み部の前記内側折り畳み区分が、前記内腔内に位置決めされている、実施態様2に記載のシステム。
(8) 前記内側細長部材を押圧することが、遠位に前記編組埋め込み部を遠位方向に押圧して、前記編組埋め込み部の少なくとも一部分を埋め込む、実施態様1に記載のシステム。
(9) 動脈瘤を治療するためのデバイスであって、
遠位端と、内部と、外部と、前記遠位端に近接する前記外部上に位置決めされたノッチと、を含む管状送達部材と、
遠位端及び近位端を含む、前記管状送達部材の前記内部内に位置決めされた内側細長部材と、
送達構成から埋め込まれた構成に移動可能な編組管状埋め込み部であって、前記送達構成が、
前記管状送達部材の前記内部内で近位に延在し、前記内側細長部材の前記遠位端に取り外し可能に取り付けられた第1の端部と、
前記管状送達部材の前記遠位端から遠位に延在し、前記ノッチの少なくとも一部分の上に近位に折り畳まれる第2の端部と、を備える、編組管状埋め込み部と、
前記ノッチ内に位置決めされ、前記第2の端部に近接する前記編組管状埋め込み部に取り付けられた拡張構成要素であって、前記拡張構成要素が折り畳まれた構成から展開された構成に移動可能であり、前記折り畳まれた構成が、前記ノッチと係合し、前記展開された構成が前記ノッチを係合解除する、拡張構成要素と、を含む、デバイス。
(10) 前記ノッチが、前記管状送達部材の前記外部上に円周方向の凹部を含む、実施態様9に記載のデバイス。
【0055】
(11) 前記拡張構成要素が、前記折り畳まれた構成にあるとき、前記円周方向の凹部内に位置決めされている、実施態様10に記載のデバイス。
(12) 前記編組管状埋め込み部の前記埋め込まれた構成が、閉塞性袋を含み、前記拡張構成要素が、前記閉塞性袋内に位置決めされている、実施態様9に記載のデバイス。
(13) 前記拡張構成要素が、前記展開された構成において前記閉塞性袋を並置する複数の延在部材を含む、実施態様12に記載のデバイス。
(14) 前記拡張構成要素の前記折り畳まれた構成は、前記編組管状埋め込み部が、前記送達構成から前記埋め込まれた構成に移動する際に通過する開口部を含む、実施態様9に記載のデバイス。
(15) 動脈瘤を治療するための方法であって、
編組埋め込み部送達システムを準備することであって、前記埋め込み部送達システムが、編組埋め込み部と、ノッチを含む送達管と、拡張構成要素と、を含む、準備することと、
前記編組埋め込み部を前記拡張構成要素に取り付けることと、
前記拡張構成要素を前記ノッチと係合させることと、
前記編組埋め込み部を前記動脈瘤内に埋め込むことと、
前記拡張構成要素を前記ノッチから係合解除するために、前記拡張構成要素を拡張することと、
前記送達管から前記拡張構成要素を解放し、前記送達管から前記編組埋め込み部を解放することと、を含む、方法。
【0056】
(16) 前記拡張構成要素を拡張させて、前記動脈瘤の前記頸部の少なくとも一部を閉塞する工程を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記編組埋め込み部を前記動脈瘤内に埋め込む前記工程が、閉塞性袋を形成する工程を含み、
前記拡張構成要素を拡張させる前記工程が、前記動脈瘤の前記頸部にわたって前記閉塞性袋を延在させる工程を含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記編組埋め込み部送達システムが、内側細長部材を更に含み、前記方法が、前記編組埋め込み部を前記内側細長部材に取り付ける工程を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記編組埋め込み部を前記動脈瘤内に埋め込む前記工程が、
前記内側細長部材を遠位に押圧することによって、前記編組埋め込み部の一部分を前記動脈瘤内に押圧する工程と、
前記編組埋め込み部を前記内側細長部材から取り外す工程と、を更に含む、実施態様18に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12