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特許7467103アプリケーション作成画面の表示制御方法、プログラムおよび情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】アプリケーション作成画面の表示制御方法、プログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/34 20180101AFI20240408BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20240408BHJP
   G06F 3/0486 20130101ALI20240408BHJP
【FI】
G06F8/34
G06F3/04817
G06F3/0486
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019230588
(22)【出願日】2019-12-20
(62)【分割の表示】P 2019208973の分割
【原出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2021082237
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和1年7月25日 ウェブサイトのアドレス:https://www.canon-elec.co.jp/solution/mobile/handyterminal/#about
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】中野 和浩
【審査官】北川 純次
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/033803(WO,A1)
【文献】特開2007-133815(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0136870(US,A1)
【文献】特開2005-190280(JP,A)
【文献】国際公開第2015/174120(WO,A1)
【文献】特開2013-064864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/30 ー 8/38
G06F 3/048 - 3/0486
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデバイスで動作するアプリケーションを作成することを補助するアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記アプリケーション作成画面内の作成領域においてユーザーによるドラッグ操作に基づき前記デバイスに表示されることになる第1のアイコンを配置するステップと、
前記デバイスにおいて前記第1のアイコンから遷移する第2のアイコンをユーザーによるドラッグ操作に基づき前記作成領域に配置するステップと、
操作部であって、前記操作部に対する特定のユーザー操作が前記デバイスにおける前記第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移するための条件として設定される当該操作部に対応する操作領域を、前記作成領域に前記第1のアイコンとともに配置するステップと、
前記操作領域から前記第2のアイコンに対するドラッグ操作に応じて、前記第1のアイコンと前記第2のアイコンとを結ぶ遷移表示線を前記作成領域に配置するステップと
前記デバイスにおいて前記第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移する際に実行される処理を指定する処理アイコンをユーザーによるドラッグ操作に基づき配置するステップと、
前記処理アイコンを前記遷移表示線の途中に表示するステップと
を有することを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項2】
前記処理アイコンは前記操作領域に対して配置可能であることを特徴とする請求項1に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項3】
複数の前記処理アイコンが前記遷移表示線に対して配置されている状態で、ドラッグ操作によって前記処理アイコンの表示位置を変更することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項4】
請求項2に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記遷移表示線の始点は、前記作成領域における前記操作領域に含まれる操作オブジェクトであることを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記遷移表示線の始点は、前記作成領域における前記操作オブジェクトの中心座標であり、
前記遷移表示線の終点は、前記作成領域における前記第2のアイコンの中心座標であることを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記遷移表示線のうち、前記操作領域と重なっている部分は表示されず、前記第2のアイコンと重なっている部分も表示されないことを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれか一項に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記遷移表示線の色と前記操作オブジェクトの色とは同色であることを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記操作領域は、前記デバイスに表示される前記第1のアイコンに隣接して表示される一方、前記デバイスの表示画面には表示されず、前記操作部は前記デバイスが有するハードキーであり、
前記デバイスに設けられた操作部の色と、前記操作オブジェクトの色とが同一または類似した色であることを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記作成領域においてユーザーによるドラッグ操作に基づき前記デバイスに表示されることになる第3のアイコンを配置するステップと、
前記遷移表示線の途中に、前記第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移するか、または、前記第3のアイコンへ遷移するかの条件分岐を示す分岐アイコンを配置するステップと、
前記分岐アイコンと前記第3のアイコンとを結ぶ第2の遷移表示線を表示するステップとを有することを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記処理アイコンは、ファイル操作を実行することを指示するファイル操作アイコンであることを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記処理アイコンは、通知を表示することを指示する通知アイコンであることを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項12】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記処理アイコンは、データ転送を実行することを指示するデータ転送アイコンであることを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか一項に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法を情報処理装置に実行させるプログラム。
【請求項14】
所定のデバイスで動作するアプリケーションを作成することを補助するアプリケーション作成画面を表示する情報処理装置であって、
前記アプリケーション作成画面内の作成領域において、ユーザーによるドラッグ操作に基づき、前記デバイスに表示されることになる第1のアイコンを配置する手段と、
前記デバイスにおいて前記第1のアイコンから遷移する第2のアイコンを、ユーザーによるドラッグ操作に基づき、前記作成領域に配置する手段と、
前記デバイスに設けられた操作部であって、前記操作部に対する特定のユーザー操作が前記デバイスにおける前記第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移するための条件として設定される当該操作部に対応する操作領域を、前記作成領域に前記第1のアイコンとともに配置する手段と、
前記操作領域から前記第2のアイコンに対するドラッグ操作に応じて、前記第1のアイコンと前記第2のアイコンとを結ぶ遷移表示線を前記作成領域に配置する手段と
前記デバイスにおいて前記第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移する際に実行される処理を指定する処理アイコンをユーザーによるドラッグ操作に基づき配置する手段と、
前記処理アイコンを前記遷移表示線の途中に表示する手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスで実行されるアプリケーションを作成するツールにおけるアプリケーション作成画面の表示制御方法、プログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイス(例:バーコード読み取り用のハンディターミナル)で動作する所望のアプリケーションを作成しようとした場合、ユーザーは、予め決められたXML(eXtensible Markup Language)やHTML(HyperText Markup Language)などの言語でアプリケーションを記述しなければならない。記述作業には言語について高度の習熟が必要である。そのため、ユーザー自身がアプリケーションの作成することは困難であった。ユーザーは、アプリケーションを他の業者に外注して作成してもらうことになるが、多数のデバイスを使用するユーザーであれば外注費が問題とならない。しかし、少数のデバイスを使用するユーザーにとっては外注費が問題となり、デバイスの購入意欲を削いでいた。一方で、特許文献1によれば、画像などの編集ツールとして、表示した画像に対して所望の処理を施すことができるツールが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-62797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーにとってデバイス用のアプリケーションを簡単に作成することができれば、外注費を削減でき、デバイスの購入意欲が増す。また、プログラミング言語に習熟したユーザーであっても、プログラムの開発作業が容易になることは好ましい。とりわけ、デバイスで動作するアプリケーションの画面遷移を含めた動作をユーザーが視覚的に認識しながら、容易にアプリケーションの作成を行えることができれば、ユーザーにとって便利である。そこで、本発明は、デバイスで動作するアプリケーションの画面遷移を含めた動作をユーザーが視覚的に認識しながら、容易にアプリケーションの作成を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を鑑み、本発明に係るアプリケーション作成画面の表示制御方法は、
所定のデバイスで動作するアプリケーションを作成することを補助するアプリケーション作成画面の表示制御方法であって、
前記アプリケーション作成画面内の作成領域においてユーザーによるドラッグ操作に基づき前記デバイスに表示されることになる第1のアイコンを配置するステップと、
前記デバイスにおいて前記第1のアイコンから遷移する第2のアイコンをユーザーによるドラッグ操作に基づき前記作成領域に配置するステップと、
操作部であって、前記操作部に対する特定のユーザー操作が前記デバイスにおける前記第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移するための条件として設定される当該操作部に対応する操作領域を、前記作成領域に前記第1のアイコンとともに配置するステップと、
前記操作領域から前記第2のアイコンに対するドラッグ操作に応じて、前記第1のアイコンと前記第2のアイコンとを結ぶ遷移表示線を前記作成領域に配置するステップと
前記デバイスにおいて前記第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移する際に実行される処理を指定する処理アイコンをユーザーによるドラッグ操作に基づき配置するステップと、
前記処理アイコンを前記遷移表示線の途中に表示するステップと
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザーは、アプリケーションの画面遷移を容易に把握しながらアプリケーションの作成を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態にかかるシステムを示す図。
図2】情報処理装置を説明する図。
図3】アプリケーション作成画面を説明する図。
図4】デバイスにおけるページの表示例を説明する図。
図5】ページを説明する図。
図6】ページ追加メニューを説明する図。
図7】詳細設定を説明する図。
図8】遷移表示線を説明する図。
図9】レイアウトメニューを説明する図。
図10】ラベルとテキストボックスの配置を説明する図。
図11】チェックメニューを説明する図。
図12】条件分岐を説明する図。
図13】データメニューを説明する図。
図14】ファイル操作を説明する図。
図15】オプション選択部を説明する図。
図16】通知設定を説明する図。
図17】自己回帰型の遷移を説明する図。
図18】データ転送の設定を説明する図。
図19】遷移表示線の色と操作オブジェクトの色との関係を説明する図。
図20】プロジェクトデータの作成処理を示すフローチャート。
図21】XMLファイルへの変換処理を説明するフローチャート。
図22】デバイスを説明する部。
図23】デバイスの表面を説明する図。
図24】デバイスの背面を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態が詳しく説明される。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一または同様の構成には同一の参照番号が付され、重複した説明は省略される。
【0009】
以下、本発明の第1の実施形態について、図を用いて詳細に説明する。図1には、本実施形態におけるアプリケーション作成ツールがインストールされる情報処理装置500と、作成されたアプリケーションをインストールして実行するデバイス400(例:情報読取装置など)によって構成される情報処理システムの一例を示している。このように、情報処理装置500は、情報処理装置500上で動作するアプリケーション作成ツールによって作成されたアプリケーションをXMLなどの形式で出力し、サーバS経由もしくは直接的にデバイス400に送信する。デバイス400はアプリケーションのXMLファイルを実行することにより、アプリケーションを動作させる。
【0010】
<アプリケーション作成ツールを動作させる情報処理装置の説明>
図2に示すように、情報処理装置500がアプリケーション作成ツール506を実行することによってユーザーはアプリケーション作成ツール506の補助を受けながらアプリケーションの作成が可能となる。
【0011】
CPU(中央演算処理装置)501は、記憶装置505に記憶されたアプリケーション作成ツール506を実行する。記憶装置505は、RAM、ROM、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどを含んでもよい。記憶装置505はアプリケーション作成ツール506、アプリケーションのプロジェクトデータ507、アプリケーションのXMLファイル508を記憶する。プロジェクトデータ507は、アプリケーションの作成を管理するためのデータである。XMLファイル508は、アプリケーションそのものであり、デバイス400に転送され、デバイス400において実行される。
【0012】
入力装置502は、キーボードやマウス、タッチパネルなど、ユーザー操作を受け付ける装置である。表示装置503は、液晶表示装置などである。通信装置504は、有線LAN(Local Area Network)通信、無線LAN通信、近距離無線通信を実行して、サーバSやデバイス400と通信する通信回路を有している。
【0013】
<アプリケーション作成画面>
図3には、本実施形態におけるアプリケーション作成ツール506のアプリケーションの作成画面1の一例を示している。なお、上述したように、本実施形態におけるアプリケーション作成ツール506は、情報処理装置500にインストールされて使用される。ただし、クラウドサーバにネットワーク接続された情報処理装置500において、WEBブラウザなどを介してクラウドサーバ上で動作するアプリケーション作成ツールを表示、制御可能なように構成してもよい。いずれの場合においても、アプリケーション作成ツールのアプリケーション作成画面は、情報処理装置500の表示装置503に表示される。
【0014】
図3は、CPU501がアプリケーション作成ツール506にしたがって表示装置503に表示する、アプリケーションの作成途中の作成画面1を示している。CPU501は、入力装置502から入力されるユーザー操作にしたがって様々な画面オブジェクトを作成画面1に配置していく。CPU501は配置された画面オブジェクトの位置や、遷移条件などの制御情報をプロジェクトデータ507に格納する。CPU501は、プロジェクトデータ507が完成し、ユーザーによるXMLファイル508への変換指示が入力されると、プロジェクトデータ507をXMLファイル508へ変換する。
【0015】
図3に示された作成画面1には、ユーザー操作に基づき、ページ10、11、12、13が配置されている。ページ10、11、12、13は、図4に示されるように、デバイス400の表示装置に表示される表示画面である。ページ10、11、12、13は、アイコンやページアイコン、ページオブジェクトと呼ばれてもよい。
【0016】
図3において、遷移表示線20は、デバイス400の表示装置に表示されるページが、ページ11からページ12に遷移することを視覚的にユーザーに理解させるための線オブジェクトである。
【0017】
分岐アイコン30は、ページ10の遷移先がページ12とページ13とに分岐することが設定されると共に、それを視覚的にユーザーに理解させるためのオブジェクトである。デバイス400においてページ10が表示されているときに第一条件が満たされると、ページ12へ遷移し、第二条件が満たされると、ページ13へ遷移する。第一条件、第二条件は分岐アイコン30に関連付けて設定が記憶される。
【0018】
分岐表示線31aは、分岐アイコン30とページ13とを結ぶ線オブジェクトである。ファイル操作アイコン40は、ページ11からページ12へ遷移する際に、ファイル操作を実行することを指示すると共に、それをユーザーに理解させるためのアイコンである。
【0019】
作成画面1の画面下部には、点線で囲われた領域にコマンド選択部100が表示されている。作成画面1の画面右部には、点線で囲われた領域にオプション選択部200が表示されている。
【0020】
図5は、ページ10の詳細を示している。ページ10は、後述するラベルLB、テキストボックスTBなどが配置される配置領域19を有している。また、操作領域21は、デバイス400に設けられたLキー、F1キー、F2キーおよびRキーに対応して設けられた四つの操作オブジェクトを有している。デバイス400にハードキーとして設けられたLキー、F1キー、F2キーおよびRキーの色と、四つの操作オブジェクトの色とはそれぞれ対応している。たとえば、Lキーと、Lキーに対応した操作オブジェクトは同一または類似の色であってもよい。操作領域21における各オブジェクトの配置と、デバイス400における各キーの配置とが、相似していてもよい。つまり、デバイス400における複数のハードキーの形状と配置をそのまま摸した画像が、操作領域21に表示されてもよい。
【0021】
なお、デバイスの機種ごとにハードキーの数、色、配置は異なることもある。CPU501は、デバイスの機種を示す識別情報の指定をオプション選択部200やそれ以外の部分から選択可能にされたメニューより受け付けることで、識別情報に対応するハードキーの数、色、配置を有した操作領域21を表示してもよい。
【0022】
さて、図3において表示されている各パーツの意味についてさらに詳細に説明する。まず、ページ10では、その上部に、アプリケーションが動作するデバイス上の表示画面で実際に表示される表示画面部である配置領域19が表示され、その下部に、デバイス400が有する操作部に対応する操作領域21が表示されている。この操作領域21に表示される操作部は、デバイス400やその周辺機器に設けられたタクトキーなどのハードキーに対応するものであり、また、表示画面に表示されるソフトキーであってもよい。
【0023】
ページ11においては、その最上部にページ番号PG、その下部にページタイトルPT、その下部にテキスト入力部TBとそれに対応するラベルLBが表示されていることを示している。CPU501は、ユーザーによりページが作成画面1に配置された時点でページ番号を自動付与する。つまり、ページ番号は通し番号であってもよい。ページタイトルPTとラベルLB、テキスト入力部TBはコマンド選択部100内に用意されたコマンドを利用して、後述する方法でページ11に対して割り当てられる。
【0024】
作成画面1においては、ページ11からページ12に向かって遷移表示線20が延びている。この遷移表示線20は、ページ11内に配置されたRボタン11aからページ12の中心まで延びるように、ページ11の端部を始点、ページ12の端部を終点として描画されており、ページ11に設けられたRボタン11aからページ12に遷移することが視覚的に理解可能なように、矢印などの図形が付与されている。このRボタン11aを含む操作領域21はデバイス400に設けられた有色のハードキーに対応する表示をデバイス400の表示画面に表示する表示画面部と共にその下部に表示したものである。遷移表示線20は、そのRボタン11aの色と同じ色の線で描画されていてもよい。これによって、ユーザーは、デバイス400のどのボタンを押すとどの画面に遷移するかを直観的に把握することができる。
【0025】
なお、本実施形態においては、ページ11にはRボタン11a以外にも、F2ボタン11b、F1ボタン11c、Lボタン11dが設けられている。これらのボタンは、デバイス400に設けられたハードキーに対応しており、ハードキーと同じ色で表示された有色のボタンとして色つきで表示されている。
【0026】
本実施形態においては、Rボタン11aは黄色、F2ボタン11bは緑色、F1ボタン11cは青色、Lボタン11dは赤色に設定されている。これは、アプリケーションが動作するデバイスとして予めアプリケーション作成ツール上で設定されたデバイス400が有するハードキーを参照して表示されている。すなわち、CPU501は、アプリケーション作成ツール506のオプション設定機能においてデバイス400の種類や機種名の入力を受け付け、入力されたデバイス400の種類や機種名に対応する操作オブジェクトを操作領域21に配置する。したがって、操作オブジェクトの数や色は、デバイス400の種類や機種名に依存して異なってもよい。アプリケーション作成ツール506は、デバイス400の種類や機種名と対応付けて、操作オブジェクトの数や色の情報を有している。なお、デバイス400の種類や機種名と対応付けた操作オブジェクトに関する情報は、外部装置から取得しても良い。
【0027】
CPU501は、対応付けられるハードキーの色と同じ色で遷移表示線20を表示する。図3の例であれば、黄色のRボタン11aからページ12に向かって延びる遷移表示線20は黄色に表示される。
【0028】
その遷移表示線20の途中には、分岐アイコン30が表示されており、設定された分岐条件に従って、遷移先が異なることを示している。図3では、ページ11のテキスト入力部TBに対し、ユーザーによってテキストが入力されていればページ12に遷移し、テキストが入力されていなければページ13に遷移するように設定されており、分岐アイコン30によって、何かしらの分岐条件が設定されていることを示している。なお、ユーザーが分岐アイコン30を選択すると、CPU501は、条件分岐の内容をポップアップ表示し、内容の変更を受け付けてもよい。これにより、ユーザーは、分岐条件を確認および変更できる。
【0029】
また、遷移表示線20における分岐アイコン30の先には、ファイル操作アイコン40が表示されている。このファイル操作アイコン40は、この時点で所定のファイルを操作するように設定されていることを示している。たとえば、所定のファイルパスと書き込むデータの設定などを指定することで、指定されたファイルに対して所定のデータを書き込んだりすることを指定できる。書き込むデータとしては、たとえばデバイス400のバーコードリーダーで読み取った結果などを設定可能である。
【0030】
ファイル操作アイコン40によりデータ転送を実行することが設定されてもよい。たとえば、F1キーが押されると、デバイス400が、画像またはコードをスキャンしてそのまま所定のパスにスキャン結果を転送し、同じ画面に戻ったり、別の画面に遷移したりすることが設定されてもよい。
【0031】
また、作成画面1の下部にはコマンド選択部100が表示されている。図3に示すものはその一例である。丸で囲まれたアイコンにカーソル(マウスポインタ)を合わせたり(例:マウスオーバーなど)、指定したりすると、CPU501は、それぞれのアイコンに含まれるメニューを表示する。ユーザーがそれをさらに選択することによってコマンドが選択される。また、作成画面1の右部にはオプション選択部200が表示されている。図3に示すものは一例であり、デバイス本体に内蔵されたLEDの制御指示やバーコードリーダーの動作設定、デバイスの本体設定機能が割り当てられており、それらを選択することによってオプション動作を指定することができる。具体的には、以降の説明の中で説明する。
【0032】
<新規ページ配置>
図3のコマンド選択部100における左端の「page」にカーソルを合わせると、図6に示すように、CPU501は、「page」アイコン110に含まれるメニュー111を「page」アイコン110を取り囲むように表示してもよい。ここでは、メニュー111は、「L」で示される「レイアウトページ機能」のみを有している。なお、図6においては、メニュー111において、「レイアウトページ機能」を示すレイアウトページアイコンにカーソルを合わせて選択した状態である。この時、CPU501は、「page」アイコン110に表示する文字である「page」を、選択されたコマンドの説明文、つまり「レイアウトページ」に切り替えてもよい。
【0033】
この「レイアウトページ機能」を示すレイアウトページアイコン「L」を選択して、上部の作成領域300にドラッグし、ドロップしたことを検知すると、CPU501は、新規ページとしてページ10を配置して表示する。なお、新規ページが配置される位置は、ドロップした場所であってもよいし、図6が示すように、自動的に画面左上などを基準にして整列されるようにしてもよい。なお、図3はこの操作を作成領域300に対して複数回行った状態を示しており、ページ10に加えて、ページ11、ページ12、ページ13が配置されている。
【0034】
<ページ同士のつなぎ方>
次に、ページ同士のつなぎ方について説明する。図7には、作成領域300に配置されたページ11のRボタン11aを選択した状態を示している。Rボタン11aがユーザーにより選択されると、CPU501は、動作パラメータ11bを表示する。動作パラメータ11bは、デバイス400でページ11を表示している状態においてRボタン11aが押下された際に、デバイス400が実行すべき内容を定義している。
【0035】
図8は、この状態でRボタン11aからページ12に向けてドラッグアンドドロップした状態を示している。図8において、CPU501は、Rボタン11aの中心座標からページ12の中心座標に向けて遷移表示線20を表示する。このように、ページ11の下部に表示された操作領域21におけるいずれかの操作オブジェクト(ボタン)等から、任意のページに対するドラッグアンドドロップを検知すると、CPU501は、そのボタンに対応するハードキー等を押下(指示)された場合に遷移すべきページが指定されたものと認識し、この遷移条件をプロジェクトデータに格納する。つまり、ユーザーは、ドラッグアンドドロップによりページの遷移を指定することができる。なお、遷移表示線20の始点と終点は上述の通りRボタン11aの中心座標とページ12の中心座標である。ただし、遷移表示線20のうち、実際に描画されているのはページ11の端部(縁)からページ12の端部の部分のみであってもよい。あるいは、Rボタン11aの中心座標とページ12の中心座標まで遷移表示線20が描画された上に、Rボタン11aとページ12が重畳されて表示されてもよい。いずれも見た目は同じである。
【0036】
遷移表示線20には、Rボタン11aからページ12に向く複数の矢印が所定間隔で表示されてもよい。これは、画面遷移の方向が分かりやすく効果をもたらす。特に、図3が示すように分岐アイコン30やファイル操作アイコン40が遷移表示線20上に表示される場合、遷移方向の視認性が向上する。また、本実施形態においては、遷移表示線20を配置する例として、上述した動作パラメータ11bが表示された状態でRボタン11aからページ12に向けてドラッグアンドドロップすると説明したが、動作パラメータ11bが非表示の状態で同操作をした場合でも遷移表示線20を配置可能にして良い。
【0037】
<各ページの表示レイアウト選択方法>
次に、各ページの表示レイアウトを選択する方法について説明する。図9に示すように、コマンド選択部100に含まれる「layout」アイコン120にカーソルを合わせると、CPU501は、「layout」アイコン120に含まれる「L:ラベル」121、「T:テキストボックス」122、「C:キャプション」123を含むメニューを表示する。この中から所望の機能を選択して、設定したいページにドロップすることによって表示レイアウトを選択することができる。なお、Lは、ラベルLBを配置するためのコマンドである。TはテキストボックスTBを配置するためのコマンドである。CはページタイトルPTを配置するためのコマンドである。ラベルLBとページタイトルPTとには任意のテキストを設定可能である。
【0038】
図10には、図9に示す「L:ラベル」を示すラベルアイコン121と「T:テキストボックス」を示すテキストボックスアイコン122をページ11にドロップした状態を示している。CPU501はこのユーザー操作に応じてラベルLBとテキストボックスTBをページ11に追加して表示している。これによって、たとえば、ページ11のRボタン11aを押下した際に、テキストボックス内の入力状態に対応して分岐条件を設定し、その結果に応じた画面遷移を設定することなどが可能となる。なお、CPU501は、ページ11におけるラベルLBの位置とテキスト内容(文字列)、および、テキストボックスTBの位置についてプロジェクトデータ507に格納する。
【0039】
<チェック(分岐)機能の設定の仕方>
次に、チェック(分岐)機能の設定の仕方について説明する。図11が示すように、コマンド選択部100に含まれる「check」130にカーソルを合わせると、CPU501は、「check」メニューを表示する。「check」メニューは、「I:入力有無チェック」131、「D:データ検索」132、「T:テキストサイズチェック」133を含む。「I:入力有無チェック」131は、テキストボックスTBにテキストが入力されているか否かを判定するコマンドである。「D:データ検索」132は、テキストボックスTBに入力されたテキストを別のテキストボックスTBに対して検索して取得する存在するかチェックするコマンドである。あるいは、「D:データ検索」132は、指定されたファイルに所定のデータが存在するかどうかをチェックしてもよい。「T:テキストサイズチェック」133は、テキストボックスTBに入力されたテキストのサイズ(文字数)が規定サイズ以内かどうかをチェックするコマンドである。この中から所望の機能を選択して、設定したい箇所(テキストボックスTB)にドロップすることによってチェック機能を設定することができる。たとえば、CPU501は、選択されたチェック機能をテキストTBに関連付けてプロジェクトデータ507に格納する。チェック機能のドロップ位置は、チェック機能のトリガーとなる操作オブジェクトであってもよい。
【0040】
一例として、条件分岐を設定する例について説明すると、図11において、「D:データ検索」を示すデータ検索アイコン132が選択されてページ11のRボタン11aに対してドロップされたと仮定する。CPU501は、このユーザー操作を検知すると、図12が示すように、Rボタン11aから延びる遷移表示線20上に分岐アイコン30を配置する。
【0041】
この分岐アイコン30がクリックされて選択されると、CPU501は、条件分岐するための条件設定についてのユーザー入力を受け付ける。この場合、「D:データ検索」が指定されているため、所定のファイル内に所定のデータが存在することが条件として設定されている。つまり、デバイス400においてRボタン11aが押下された際に分岐アイコン30に設定された条件を満たす場合に、デバイス400はページ12に遷移することが設定されている。条件を満たさない場合には、ページ11から遷移しない状態となっている。
【0042】
図3が示すように、分岐アイコン30の条件を満たさない場合の遷移先をページ11以外に設定することもできる。図12の状態で新規ページ13を追加し、分岐アイコン30からページ13に向けてドラッグアンドドロップすることによって、図3に示す分岐表示線31aが表示される。このように設定すると、分岐アイコン30における条件を満たさない場合には、ページ13に遷移することを設定できる。CPU501は、分岐アイコン30における条件を満たさない場合には、ページ13に遷移することをプロジェクトデータ507に格納する。
【0043】
なお、チェック機能を設定する際に所望の機能を示すアイコンをドロップする場所は、上述したRボタン11aなどに限らず、遷移表示線20に対してドロップすることで登録できるようにしてもよい。分岐表示線31aなどに対しても登録できるようにすることができ、分岐アイコン30で条件を満たさない場合などに、別の条件判断をさせてその結果で遷移する画面が変わるように設定することも容易に行える。
【0044】
<ファイル操作の設定の仕方>
次に、ファイル操作の設定の仕方について説明する。コマンド選択部100に含まれる「data」140にカーソルが合わせられると、図13が示すように、CPU501は、「data」メニューに含まれる「S:データ保存」コマンドに対応したデータ保存アイコン141を表示する。この「S:データ保存」を設定したい箇所にデータ保存アイコン141をドロップすることによって、ドロップされた位置でデータ保存を実行することをデバイス400に設定することができる。この「データ保存」メニューはファイル操作の一例であり、それ以外のファイル操作を設定可能に構成されてもよい。
【0045】
図13において、Rボタン11aに対してデータ保存アイコン141がドロップされたことを検知すると、図14が示すように、CPU501は、Rボタン11aから延びる遷移表示線20に対してファイル操作アイコン40を配置する。
【0046】
このファイル操作アイコン40がクリックされ選択されると、CPU501は、ファイル操作の内容設定についてのユーザー入力を受け付ける。この場合、「S:データ保存」が指定されているため、所定のファイルパスに所定のデータを保存することが設定されてもよい。所定のファイルパスは、たとえば、デバイス400の記憶装置におけるファイルパスであってもよいし、ネットワークドライブのファイルパスであってもよいし、ファイルの送信アドレスであってもよい。
【0047】
なお、ファイル操作機能を設定する際に所望の機能を示すアイコンをドロップする場所は、上述したRボタン11aなどに限らず、遷移表示線20上であってもよい。
【0048】
<オプション機能の設定の仕方>
次に、オプション機能の設定の仕方について説明する。上述したように、作成画面1の画面右部には、オプション選択部200が表示されている。この中には、「本体設定」、「外部プリンタ印字」、「LED制御」、「バーコード読み取り設定」などのメニューが含まれている。「本体設定」とはデバイス400の動作設定を意味する。「外部プリンタ印字」とは、デバイス400に接続された外部プリンタにおける印刷設定(例:印刷レイアウトの設定など)を意味する。「LED制御」はデバイス400に設けられた発光ダイオードの点灯制御の設定を意味する。「バーコード読み取り設定」は、デバイス400に設けられたバーコードリーダーの読み取り設定(例:1次元、2次元など)を意味する。
【0049】
その中の一例として、「LED制御」機能について説明する。図15が示すように、オプション選択部200から「LED制御」機能を示すLED制御メニュー210がマウスオーバー等により選択されると、CPU501は、さらに追加アイコン211を表示する。追加アイコン211がクリックされると、CPU501は、LEDアイコン212を追加して表示する。
【0050】
図15の例においては、Rボタン11aに対してLEDアイコン212がドロップされたことを検知すると、CPU501は、図16が示すように、Rボタン11aから延びる遷移表示線20に対して通知アイコン51を配置する。この通知アイコン51には、デバイス400に設けられたLEDを点灯させて、ユーザーに各種の通知を行う動作が設定されている。
【0051】
LEDアイコン212がドロップされた直後にはデフォルト設定が採用されているが、通知アイコン51がクリックされて選択されると、CPU501は、デフォルト設定の変更を受け付ける。これにより、デバイス400に設けられたLEDを点灯させる点灯条件の変更が可能になっている。LEDアイコン212をクリックすることで、どのようにLEDを動作させるかの詳細な設定を行うためのポップアップが表示されてもよい。
【0052】
なお、LEDアイコン212をRボタン11aにドロップすることで、遷移表示線20における先頭側(Rボタン11a側)に通知アイコン51が配置されているが、これは一例に過ぎない。通知アイコン51を遷移表示線20の別の場所、たとえばファイル操作アイコン40の後ろ側にドロップし直すことで、LEDが動作するタイミングを変更することができる。また、通知設定機能を設定する際に所望の機能を示すアイコンがドロップされる場所は、上述したRボタン11aなどに限らず、遷移表示線20であってもよい。これにより、所望のタイミングで通知が実行されるようになる。
【0053】
以上のように、Rボタン11aに対して各アイコンをドロップすることでいろいろな動作を設定できることについて説明したが、追加で、他のボタンに対する動作を設定することができる。その際に、上述したように画面遷移を示す遷移表示線を各ボタンと同色の線で示すことにより、プログラムに基づく動作を視覚的に容易にユーザーに認識させることができる。なお、「線」と表現しているが、必ずしも遷移表示線は線でなくともよく、円などの他の形状を連続させたような図形の集合でもよく、ページ11からページ12に遷移することが視認可能なように表示するものがすべて含まれる。
【0054】
図17が示すように、Rボタン11aを自分自身に対してドラッグアンドドロップすることで、遷移表示線27が配置されてもよい。この例では、デバイス400に設けられた、Rボタン11aに対応するハードキーが押されても、ページ(画面)の遷移が発生しないことを意味している。この遷移表示線27に対し、上述したファイル操作アイコン40やオプション設定に関するアイコンをドロップして所望の機能を追加すれば、デバイス400に対し、画面の遷移はせずに所望の機能のみを実行させることを設定できる。
【0055】
図18が示すように、Lボタン10dをデータ転送アイコン52にドラッグアンドドロップすることで、CPU501は、Lボタン11dからデータ転送アイコン52に向けて遷移表示線22を配置してもよい。なお、このデータ転送アイコン52は事前にオプション選択部200から選択されて作成画面1に追加されている。この遷移表示線22およびデータ転送アイコン52は、デバイス400に設けられた、Lボタン11dに対応するハードキーが押下されると、デバイス400がデータ転送を実行することを意味する。なお、図18では、データ転送が成功すると成功通知(例:LEDの点灯など)を実行するための通知アイコン51も配置されている。このケースでは、データ転送が成功すると、ページ10に遷移することが遷移表示線23によって示されている。
【0056】
図19が示すように、Lボタン10dをデータ転送アイコン52にドラッグアンドドロップすることで、Lボタン10dからデータ転送アイコン52に向かって遷移表示線22が配置される。Lボタン10dの色と遷移表示線22の色はともに同一色(例:赤)であることが好ましい。F1ボタン10cをページ13にドラッグアンドドロップすることで、F1ボタン10cからページ13に向かって遷移表示線24が配置される。F1ボタン10cの色と遷移表示線24の色はともに同一色(例:青)であることが好ましい。F2ボタン10bをページ12にドラッグアンドドロップすることで、F2ボタン10bからページ12に向かって遷移表示線25が配置される。F2ボタン10bの色と遷移表示線25の色はともに同一色(例:緑)であることが好ましい。Rボタン10aをページ11にドラッグアンドドロップすることで、Rボタン10aからページ11に向かって遷移表示線26が配置される。Rボタン10aの色と遷移表示線26の色はともに同一色(例:黄)であることが好ましい。これらの色はデバイス400に設けられたハードキーの色と同一または類似していてもよい。
【0057】
なお、本実施形態においては、Lボタン10dにはデータ転送を意味する「送信」の文字が表示されており、Lボタン10dの上に「L」という文字が表示されている。F1ボタン10cには棚卸を意味する「棚卸」の文字が表示されており、F1ボタン10cの上に「F1」という文字が表示されている。F2ボタン10bには返却を意味する「返却」の文字が表示されており、F2ボタン10bの上に「F2」という文字が表示されている。Rボタン10aには貸出を意味する「貸出」の文字が表示されており、Rボタン10aの上に「R」という文字が表示されている。また、ラベルLBによって、各ボタンの意味がより大きな文字によって表示されてもよい。なお、これらの文字は、各ボタンを選択することで表示されるダイアログにおいて編集可能になっている。このような本実施形態における表示は一例であり、これらに限られない。
【0058】
<アプリケーション作成ツールのフローチャート>
●プロジェクトデータの作成
図20はCPU501がアプリケーション作成ツール506にしたがって実行するプロジェクトデータの作成処理を示している。各処理の順番は矛盾がない限り、かつ、技術的な矛盾が生じない限り、自由に入れ替え可能である。アプリケーション作成ツール506が起動すると、コマンド選択部100やオプション選択部200、作成領域300を含む作成画面1を表示装置503に表示する。
【0059】
S1でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示がページの追加指示であるかどうかを判定する。「page」アイコン110がクリックまたはマウスオーバーされ、メニュー111における「レイアウトページ機能」が選択されると、CPU501はページの追加指示が入力されたと判定し、S2に進む。「レイアウトページ機能」が選択されていなければ、CPU501はS3に進む。
【0060】
S2でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示にしたがってページを追加する。ここでは、複数のページが追加されてもよい。CPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示にしたがって、作成領域300におけるページの位置を移動させてもよい。
【0061】
S3でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示が操作ボタン(操作オブジェクト)のドラッグアンドドロップであるかどうかを判定する。たとえば、あるページの操作領域21におけるいずれかの操作オブジェクト(ボタン)等が他のページなどにドラッグアンドドロップされると、CPU501は、S4に進む。図17に示されたように、同一のページ内でのドラックアンドドロップも可能である。操作ボタン(操作オブジェクト)のドラッグアンドドロップでなければ、CPU501は、S5に進む。
【0062】
S4でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示にしたがってあるページの操作オブジェクトから他のページまで延在する遷移表示線20を配置する。
【0063】
S5でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示がコマンド選択部100におけるいずれかのコマンドのドラッグアンドドロップであるかどうかを判定する。コマンドは、たとえば、「layout」アイコン120におけるコマンドである「L:ラベル」121や「T:テキストボックス」122、「C:キャプション」123であってもよい。あるいは、「check」130におけるコマンドである「I:入力有無チェック」131、「D:データ検索」132、「T:テキストサイズチェック」133であってもよい。「data」140におけるコマンドであるデータ保存アイコン141であってもよい。あるいは、オプション選択部200におけるいずれかのコマンドであってもよい。ユーザー指示がコマンド選択部100におけるいずれかのコマンドのドラッグアンドドロップであれば、CPU501はS6に進む。オプション選択部200におけるいずれかのコマンドの場合も同様である。コマンドのドラッグアンドドロップでなければ、CPU501はS7に進む。
【0064】
S6でCPU501はユーザーにより選択されたコマンドのアイコンを、コマンドがドロップされた位置に配置する。たとえば、分岐アイコン30やファイル操作アイコン40、通知アイコン51などが遷移表示線20上に配置されてもよい。
【0065】
S7でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示が詳細設定の指示であるかどうかを判定する。詳細設定とは、ラベルに対する文字の設定や、分岐条件の設定、通知設定の詳細な条件などである。詳細設定の指示であれば、CPU501はS8に進む。詳細設定の指示でなければ、CPU501はS9に進む。
【0066】
S8でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示にしたがって詳細設定を受け付ける。
【0067】
S9でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示がプロジェクトデータ507の保存であるかどうかを判定する。プロジェクトデータ507の保存でなければ、CPU501は、S1に戻る。プロジェクトデータ507の保存であれば、CPU501は、作成領域300に配置された各ページの設定内容と、各操作ボタンの遷移内容とを含むプロジェクトデータ507を作成し、記憶装置505に保存する。なお、プロジェクトデータ507の保存は任意のタイミングで実行されてもよい。ページの設定内容は、ページ内でのラベルの位置、ラベルの文字、ラベルの色、テキストボックスの位置とサイズ、条件分岐の条件、各操作オブジェクトに対する遷移先のページなどを含む。いずれにしても、各ページをXML形式で記述するために必要な情報のすべてがプロジェクトデータ507に格納される。
【0068】
●XMLファイルへの変換
図21はCPU501がアプリケーション作成ツール506にしたがって実行するプロジェクトデータ507からXMLファイル508への変換処理を示している。
【0069】
S11でCPU501はプロジェクトデータ507をXMLファイル508に変換する。
【0070】
S12でCPU501はXMLファイル508がデバイス400において正常に実行可能かどうかをテストする。たとえば、CPU501はデバイス400において正常に実行できないような不適切なページ遷移やコマンドの実行などの有無を検知する。また、すべてのページやオプション間での遷移が正しく実行可能であるかどうかが検証される。
【0071】
S13でCPU501はテスト結果に基づきXMLファイル508が実行可能かどうかを判定する。XMLファイル508が実行可能であれば、CPU501はS14に進む。S14でCPU501は、XMLファイル508をあらかじめ指定されたフォルダに保存するとともに、デバイス400に対してXMLファイル508を転送してもよい。XMLファイル508が実行可能でなければ、CPU501はS15に進む。S15でCPU501はエラーをユーザーに通知する。CPU501は、どのページにエラーが存在するか、または、どのコマンドの設定にエラーが存在するか、を示す通知を表示装置503に表示してもよい。
【0072】
<その他>
上述された実施形態では、アプリケーション作成ツールにおいては各ページに対してその下方に操作領域が表示されていた。しかし、これは一例に過ぎない。デバイス400が有するハードキーに対して各ボタンが割り当てられた場合、デバイス400の表示画面上では操作領域が表示されないように設定されたXMLファイル508が生成されてもよい。
【0073】
このように、視覚的なアイコンなどを利用して一連の画面遷移をユーザーが設定可能である。そのため、ユーザーは従来のようなテキスト入力によるプログラミングを必要とせずにデバイスで動作するアプリケーションを設定可能となる。これは、ユーザーのプログラムの作成に関する利便性を向上させることができる。
【0074】
また、作成領域300にすべてのページやアイコンが配置されているが、レイヤー機能が採用されてもよい。レイヤー機能を採用することで、ユーザーはレイヤーごとにページやアイコンを配置することが可能となる。CPU501は、ユーザーにより指定されたレイヤーをアクティブにし、アクティブになっているレイヤーにページやアイコンを配置する。例えば、レイヤーに名称や属性を設定可能とし、指定されたそれぞれの名称や属性に含まれるページやアイコンのみをアクティブとし、表示するようにしても良い。この場合、CPU501は、アクティブになっていないレイヤーに配置されたオブジェクトも表示するものの、ユーザーによるそのオブジェクトの配置を禁止してもよい。
【0075】
<アプリケーションを動作させるデバイスの説明>
図22図23および図24を用いて、アプリケーション作成ツールで作成されたアプリケーションが動作するデバイス400について説明する。デバイス400は、一例として、1次元または2次元コード等のコードを読み取る情報読取装置であるとして説明する。デバイス400は、たとえば、バーコードリーダーや、携帯電話(スマートフォン)、タブレット端末、ハンディターミナル等であり、コードを読み取り可能な情報端末が対象となる。
【0076】
図22に示すように、CPU(中央演算処理装置)401は、記憶装置405に記憶されているコード読取プログラム411とアプリケーションプログラム(XMLファイル508)を実行する。記憶装置405は、RAMに加え、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュROM等不揮発性の記憶媒体を有していてもよい。
【0077】
入力装置402は、操作領域21に配置された操作オブジェクトに対応したハードキーなどを含む。図23が示すように、入力装置402は、Rキー480a、F2キー480b、F1キー480c、Lキー480dなどを含む。
【0078】
表示装置403は液晶表示装置などである。CPU401がXMLファイル508を実行することで、表示装置403に各種のページを表示する。また、入力装置402におけるいずれかのキーが押されると、CPU501は、そのキーに関連付けられている遷移先であるページを表示装置403に表示する。
【0079】
通知装置409は、LEDなどの発光素子や音を出力するスピーカなどである。CPU501は、通知アイコン51にしたがった点灯条件が満たされると、通知装置409の一例である図23に示すLEDを点灯させる。
【0080】
通信装置404は、デバイス400がサーバSや情報処理装置500と通信するための通信回路を含む。通信装置404は、たとえば、WLAN(Wireless Local Area Network)コントローラ、近距離無線通信回路、公衆回線と接続するモデム、5GもしくはIoTのための無線通信回路などを有している。
【0081】
スキャナ装置410は、不図示のLED等によるマーカー光照射手段および照明手段を備え、CCD等の撮像素子を用いて光学的にコードを読み取る。図24に示すように、スキャナ装置410の読み取り窓は、デバイス400の背面側に設けられていてもよい。
【0082】
<まとめ>
[観点1]
上述された実施形態によれば、所定のデバイス400で動作するアプリケーションをユーザーが作成することを補助するアプリケーション作成画面(例:作成画面1)の表示制御方法で提供される。CPU501は、アプリケーション作成画面内の作成領域300に、ユーザー操作に基づきデバイス400に表示されることになる配置領域19を含む第1のアイコン(例:ページ11など)を配置する。CPU501は、デバイス400において第1のアイコンから遷移する第2のアイコン(例:ページ12など)を、ユーザー操作に基づき作成領域300に配置する。CPU501は、デバイス400の操作部に対応する操作オブジェクトを含む操作領域を第1のアイコンと共に表示する。ここで、操作部に対する特定のユーザー操作は、第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移するための条件として設定される。CPU501は、操作オブジェクトから第2のアイコンに対するドラッグ操作(例:ドラッグアンドドロップ)に応じて、第1のアイコンと第2のアイコンとを結ぶ線(例:遷移表示線20)を表示する。これにより、デバイス400で動作するアプリケーションの画面遷移を含めた動作をユーザーが視覚的に認識しながら、容易にアプリケーションの作成を行えるようになる。
【0083】
[観点2、3]
線(例:遷移表示線20)は、第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移することをユーザーが認識可能な態様で表示されてもよい。たとえば、線は、第1のアイコンから第2のアイコンへ向かう矢印を含んでもよい。これにより、遷移元のアイコンと遷移先のアイコンとの関係がユーザーにとって視覚的に理解しやすくなろう。
【0084】
[観点4~6]
線の始点は、作成領域300における操作オブジェクトであってもよい。線の始点は、作成領域300における操作オブジェクトの中心座標であってもよい。線の終点は、作成領域における第2のアイコンの中心座標であってもよい。線のうち、操作オブジェクトと重なっている部分は表示されず、第2のアイコンと重なっている部分も表示されなくてもよい。これにより、遷移のトリガーとなる操作オブジェクトがユーザーにとって視覚的に理解しやすくなる。また、遷移先のアイコンもユーザーにとって視覚的に理解しやすくなる。さらに、線がアイコンや操作オブジェクトと重ならないようになるため、アイコンや操作オブジェクトをユーザーにとって見やすくすることができる。
【0085】
[観点7]
線の色と操作部の色とは同色であってもよい。これにより、遷移のトリガーとなる操作オブジェクトと、遷移先と遷移元との関係とがユーザーにとって視覚的に理解しやすくなる。
【0086】
[観点8]
デバイスに設けられた操作ボタンの色と、操作部の色とが同一または類似した色であってもよい。これにより、ユーザーはGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)におけるオブジェクトと、デバイス400における実際の操作ボタンとの関係を視覚的に理解しやすくなる。
【0087】
[観点9]
CPU501は、作成領域300において、ユーザー操作に基づきデバイスに表示されることになる第3のアイコン(例:ページ13)を配置してもよい。CPU501は、線の途中に、第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移するか、または、第3のアイコンへ遷移するかの条件分岐を示す分岐アイコン(例:分岐アイコン30)を配置してもよい。この場合、CPU501は、分岐アイコンと第3のアイコンとを結ぶ第2の線(例:分岐表示線31a)を表示してもよい。これにより、どの遷移タイミングで条件分岐が発生するかを、ユーザーは視覚的に理解しやすくなる。
【0088】
[観点10]
CPU501は、ユーザー操作に基づき、線の途中に、デバイスにおいて第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移する際にファイル操作を実行することを指示するファイル操作アイコン(例:ファイル操作アイコン40)を配置してもよい。これにより、どの遷移タイミングでファイル操作が発生するかを、ユーザーは視覚的に理解しやすくなる。
【0089】
[観点11]
CPU501は、ユーザー操作に基づき、線の途中に、デバイスにおいて第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移する際に通知を表示することを指示する通知アイコン(例:通知アイコン51)を配置してもよい。これにより、どの遷移タイミングで通知が発生するかを、ユーザーは視覚的に理解しやすくなる。
【0090】
[観点12]
CPU501は、ユーザー操作に基づき、線の途中に、デバイスにおいて第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移する際にデータ転送を実行することを指示するデータ転送アイコン(例:データ転送アイコン52)を配置してもよい。これにより、どの遷移タイミングでデータ転送が発生するかを、ユーザーは視覚的に理解しやすくなる。
【0091】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0092】
10:ページ、20:遷移表示線、30:分岐表示アイコン、40:ファイル操作アイコン、100:コマンド選択部、200:オプション選択部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24