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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1347 20060101AFI20240408BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20240408BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240408BHJP
   G09F 9/35 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
G02F1/1347
G02F1/1345
G09F9/00 342
G09F9/35
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020007665
(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2021113951
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兵頭 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】岡 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】松島 寿治
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-072243(JP,A)
【文献】特開2001-042353(JP,A)
【文献】特開2002-202526(JP,A)
【文献】特開2010-097118(JP,A)
【文献】特開2006-301561(JP,A)
【文献】特開2004-062018(JP,A)
【文献】特開平10-260423(JP,A)
【文献】特開昭57-128321(JP,A)
【文献】国際公開第2008/114396(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1347
G02F 1/1345
G09F 9/00
G09F 9/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子部が形成される第1端子領域を有する第1基板と、前記第1端子領域に形成される第1保護膜と、前記第1基板に対向し、前記第1基板とは異なる厚さの第2基板と、を備える第1表示パネルと、
第2端子部が形成される第2端子領域を有する第3基板と、前記第2端子領域に形成される第2保護膜と、前記第3基板に対向し、前記第3基板とは異なる厚さの第4基板と、を備える第2表示パネルと、
前記第1表示パネルと前記第2表示パネルとを接着する接着層と、
を具備し、
前記第1端子領域および前記第2端子領域は、平面視において重畳せず、
前記第1基板の厚さは前記第1保護膜よりも薄く、
前記第3基板の厚さは前記第2保護膜よりも薄く、
前記接着層は、前記第1表示パネルの前記第1基板と、前記第2表示パネルの前記第3基板とを接着し、
前記第1端子領域および前記第2端子領域は互いに反対方向に延在している、表示装置。
【請求項2】
前記第1基板の厚さは前記第2基板よりも薄く、
前記第3基板の厚さは前記第4基板よりも薄い、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1表示パネルの前記第1基板と、前記第2表示パネルの前記第3基板とはシート状の基板である、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1表示パネルは、
前記第1基板と前記第2基板との間に狭持される第1液晶層と、前記第1液晶層を封止する第1シールと、をさらに備え、
前記第2表示パネルは、
前記第3基板と前記第4基板との間に挟持され、平面視において前記第1液晶層と重畳する第2液晶層と、前記第2液晶層を封止する第2シールと、をさらに備え、
前記第1シールおよび前記第2シールは、平面視において少なくとも一部が重畳しない、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置のコントラストを向上させるために、画像表示用の表示パネルに加えて、調光用の表示パネルを用いる技術が開発されている。しかしながら、この技術においては、2枚の表示パネル間の距離が離れるほど、視差の影響が顕著となり、モアレ(干渉縞)が発生してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-18043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本開示は、2枚の表示パネルを備える表示装置におけるモアレの発生を抑制し、表示品位を向上させ得る表示装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
第1端子部が形成される第1端子領域を有する第1基板と、前記第1基板に対向し、前記第1基板とは異なる厚さの第2基板と、を備える第1表示パネルと、第2端子部が形成される第2端子領域を有する第3基板と、前記第3基板に対向し、前記第3基板とは異なる厚さの第4基板と、を備える第2表示パネルと、前記第1表示パネルと前記第2表示パネルとを接着する接着層と、を具備し、前記第1端子領域および前記第2端子領域は、平面視において重畳しない、表示装置が提供される。
【0006】
本実施形態によれば、
第1端子部が形成される第1端子領域を有する第1基板と、前記第1基板に対向し、前記第1基板とは異なる厚さの第2基板と、を備える第1表示パネルと、第2端子部が形成される第2端子領域を有する第3基板と、前記第3基板に対向し、前記第3基板とは異なる厚さの第4基板と、を備える第2表示パネルと、前記第1表示パネルの前記第1基板と、前記第2表示パネルの前記第3基板とを接着する接着層と、を具備する、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は2枚の表示パネルを備える表示装置の一構成例を示す分解斜視図である。
図2図2図1に示す表示装置の構成を概略的に示す断面図である。
図3図3図1に示す表示装置において発生し得るモアレについて説明するための模式図である。
図4図4は2枚の表示パネルを構成する一部基板を薄くした場合の表示装置の一構成例を示す断面図である。
図5図5は実施形態に係る表示装置の一構成例を示す断面図である。
図6図6は同実施形態に係る表示装置の一構成例を示す断面図である。
図7図7図5および図6の表示装置を示す平面図である。
図8図8は同実施形態に係る表示装置の別の構成例を示す断面図である。
図9図9は同実施形態に係る表示装置の別の構成例を示す断面図である。
図10図10図8および図9の表示装置を示す平面図である。
図11図11は同実施形態に係るさらに別の構成例を示す断面図である。
図12図12は同実施形態に係るさらに別の構成例を示す断面図である。
図13図13図11および図12の表示装置を示す平面図である。
図14図14は同実施形態に係るさらに別の構成例を示す断面図である。
図15図15は同実施形態に係るさらに別の構成例を示す断面図である。
図16図16図14および図15の表示装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
図1は、2枚の表示パネルを備える表示装置DSPの構成を概略的に示す分解斜視図である。図1は、第1方向Xと、第1方向Xに垂直な第2方向Yと、第1方向Xおよび第2方向Yに垂直な第3方向Zとによって規定される3次元空間を示している。なお、第1方向Xおよび第2方向Yは互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。また、本実施形態においては、第3方向Zを上と定義し、第3方向Zと反対側の方向を下と定義する。「第1部材の上の第2部材」および「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接していてもよいし、第1部材から離れて位置していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向Xおよび第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを「平面視」と言う。
【0010】
図1に示すように、表示装置DSPは、液晶表示パネルPNL1と、調光パネルPNL2と、バックライトユニットBLと、を備える。図1に示すように、液晶表示パネルPNL1とバックライトユニットBLとの間に調光パネルPNL2が配置されることにより、液晶表示パネルPNL1に表示される画像のコントラストを向上させることができる。
【0011】
液晶表示パネルPNL1は、一例では矩形状である。図示した例では、液晶表示パネルPNL1の短辺EXは第1方向Xと平行であり、液晶表示パネルPNL1の長辺EYは第2方向Yと平行である。第3方向Zは、液晶表示パネルPNL1の厚さ方向に相当する。液晶表示パネルPNL1の主面は、第1方向Xと第2方向Yとにより規定されるX-Y平面に平行である。液晶表示パネルPNL1は、表示領域DAと、表示領域DAの外側に位置する非表示領域NDAとを有している。非表示領域NDAは、ドライバICやフレキシブルプリント回路基板が実装される端子領域MTを有している。図1では、端子領域MTは斜線により示されている。
【0012】
表示領域DAは、画像を表示する領域であり、例えばマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。図1において拡大して示すように、各画素PXは、走査線Gおよび信号線Sによって区画される領域に配置されており、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC、等を備えている。
【0013】
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gや信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並ぶ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界により液晶層LCが駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極および画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0014】
端子領域MTは、液晶表示パネルPNL1の短辺EXに沿って延在している。端子領域MTには端子部が形成され、液晶表示パネルPNL1は、当該端子部を介して、例えばフレキシブルプリント回路基板等の外部装置と電気的に接続される。
【0015】
図1では詳細な構成の図示を省略しているが、調光パネルPNL2は、液晶表示パネルPNL1と基本的に同じ構成を有している。なお、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とで一部相違する構成については、後述する図2において説明する。
【0016】
バックライトユニットBLは、調光パネルPNL2の下側に配置され、このバックライトユニットBLからの光を画素PX毎に制御することにより画像が表示される。
【0017】
図2は、図1に示す表示装置DSPの構成を概略的に示す断面図である。
上記したように、表示装置DSPは、液晶表示パネルPNL1と、調光パネルPNL2と、バックライトユニットBLと、を備えている。
【0018】
まず、液晶表示パネルPNL1の構成について説明する。
図2に示すように、液晶表示パネルPNL1は、第1基板SUB11と、第2基板SUB21と、液晶層LC1と、第1偏光板PL11と、第2偏光板PL21と、を備えている。
【0019】
液晶層LC1は、第1基板SUB11と第2基板SUB21との間で挟持され、ここでは図示しないシールによって封止されている。第1偏光板PL11の偏光軸と、第2偏光板PL21の偏光軸とは、例えばクロスニコルの関係、つまり、90度になっている。
【0020】
図2に示すように、第1基板SUB11は、第1透明基板11と、配向膜AL11とを備えている。第1基板SUB11は、上記した構成の他に、例えば、図1に示した走査線Gや信号線S、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、等を備えているが、図2ではこれらの図示を省略している。
【0021】
第1透明基板11は、主面(下面)11Aと、主面11Aの反対側の主面(上面)11Bとを有している。第1透明基板11の主面11B側には、図示しない走査線Gや信号線S、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、等が設けられている。第1透明基板11の主面11B側には、液晶層LC1と接する配向膜AL11がさらに設けられている。第1透明基板11の主面11A側には、第1偏光板PL11が接着されている。
【0022】
図2に示すように、第2基板SUB21は、第2透明基板21と、遮光膜BM1と、カラーフィルタCFと、オーバーコート膜OCと、配向膜AL21と、を備えている。
【0023】
第2透明基板21は、主面(下面)21Aと、主面21Aの反対側の主面(上面)21Bとを有している。第2透明基板21の主面21Aは、第1透明基板11の主面11Bと対向している。遮光膜BM1は、第2透明基板21の主面21A側に設けられ、走査線Gや信号線Sと同様に、各画素PXを区画している。カラーフィルタCFはその一部が遮光膜BM1に重なっている。カラーフィルタCFは、赤色カラーフィルタCFR、緑色カラーフィルタCFG、青色カラーフィルタCFB、等を含む。オーバーコート膜OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート膜OCによれば、カラーフィルタCFを構成する顔料が液晶層LC1に浸み出すことを抑制することができる。配向膜AL21は、オーバーコート膜OCを覆い、液晶層LC1に接している。第2透明基板21の主面21B側には、第2偏光板PL21が接着されている。
【0024】
第1透明基板11および第2透明基板21は、例えばガラス基材やプラスチック基板等の絶縁基板である。遮光膜BM1は、黒色顔料等が分散された黒色樹脂によって形成されることが好ましい。配向膜AL11およびAL21は、X-Y平面にほぼ平行な配向規制力を有する水平配向膜である。配向規制力は、ラビング処理により付与されてもよいし、光配向処理により付与されてもよい。
【0025】
次に、調光パネルPNL2の構成について説明する。
図2に示すように、調光パネルPNL2は、液晶表示パネル1と同様に、第1基板SUB12と、第2基板SUB22と、液晶層LC2と、第1偏光板PL12と、第2偏光板PL22と、を備えている。
【0026】
液晶層LC2は、第1基板SUB12と第2基板SUB22との間で挟持され、ここでは図示しないシールによって封止されている。第1偏光板PL12の偏光軸と、第2偏光板PL22の偏光軸とは、例えばクロスニコルの関係、つまり、90度になっている。また、液晶表示パネルPNL1の第1偏光板PL11の偏光軸と、調光パネルPNL2の第2偏光板PL22の偏光軸とは、同じ向きになっている。
【0027】
図2に示すように、第1基板SUB12は、第1透明基板12と、配向膜AL12とを備えている。第1基板SUB12は、上記した構成の他に、液晶表示パネルPNL1と同様に、走査線Gや信号線S、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、等を備えているが、図2ではこれらの図示を省略している。
【0028】
第1透明基板12は、主面(下面)12Aと、主面12Aの反対側の主面(上面)12Bとを有している。第1透明基板12の主面12B側には、図示しない走査線Gや信号線S、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、等が設けられている。第1透明基板12の主面12B側には、液晶層LC2と接する配向膜AL12がさらに設けられている。第1透明基板12の主面12A側には、第1偏光板PL12が接着されている。
【0029】
図2に示すように、第2基板SUB22は、第2透明基板22と、遮光膜BM2と、配向膜AL22と、を備えている。調光パネルPNL2は、液晶表示パネルPNL1とは異なり、明るさを制御することが目的であり、カラー画像を形成する必要がないため、調光パネルPNL2の第2基板SUB22には、カラーフィルタCFが設けられていない。また、調光パネルPNL2は、オーバーコート膜OCが設けられていない点でも液晶表示パネルPNL1と相違している。これは、上記したようにカラーフィルタCFが設けられていないこと、また詳細については後述するが、遮光膜BM2が黒色樹脂ではなく不透明な金属材料によって形成されていることに伴い、顔料(樹脂)が液晶層LC2に浸み出すことを抑制する必要がないためである。
【0030】
第2透明基板22は、主面(下面)22Aと、主面22Aの反対側の主面(上面)22Bとを有している。第2透明基板22の主面22Aは、第1透明基板12の主面12Bと対向している。遮光膜BM2は、第2透明基板22の主面22A側に設けられ、走査線Gや信号線Sと同様に、各画素PXを区画している。なお、遮光膜BM2は、液晶表示パネルPNL1の遮光膜BM1とは異なり、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、銀(Ag)等の不透明な金属材料により形成されることが好ましい。配向膜AL22は、遮光膜BM2を覆い、液晶層LC2に接している。第2透明基板22の主面22B側には、第2偏光板PL22が接着されている。
【0031】
第1透明基板12および第2透明基板22は、例えばガラス基材やプラスチック基板等の絶縁基板である。配向膜AL12およびAL22は、X-Y平面にほぼ平行な配向規制力を有する水平配向膜である。配向規制力は、ラビング処理により付与されてもよいし、光配向処理により付与されてもよい。
【0032】
液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とは、例えば透明な接着層OCAによって接着されている。なお、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とで共通する構成(例えば遮光膜BM1および遮光膜BM2等)は、平面視において重畳するように位置調整がなされ、接着層OCAにより接着されている。
【0033】
バックライトユニットBLは、調光パネルPNL2の下側に配置されている。バックライトユニットBLとしては、種々の形態のバックライトユニットが利用可能であり、例えば光源として発光ダイオード(LED)を利用したものや、冷陰極管(CCFL)を利用したもの、等が利用可能である。なお、図2では図示を省略しているが、液晶表示パネルPNL1の第2偏光板PL21の上には、カバー部材等がさらに配置されていてもよい。
【0034】
図3は、図1に示す表示装置DSPにおいて発生し得るモアレ(干渉縞)について説明するための模式図である。
図3に示すように、液晶表示パネルPNL1の遮光膜BM1と、調光パネルPNL2の遮光膜BM2とは平面視において重畳するように位置調整がなされているため、図3の眼が真下方向を見た場合、液晶表示パネルPNL1の遮光膜BM1のみが視野に入ってくる。一方で、斜め方向を見た場合、液晶表示パネルPNL1の遮光膜BM1と、調光パネルPNL2の遮光膜BM2とは、第3方向Zに距離Z1(以下、パネル間距離と称する)だけ離れて位置しているため、図3に示すように、液晶表示パネルPNL1の遮光膜BM1だけでなく、調光パネルPNL2の遮光膜BM2もまた視野に入ってくる。これを視差効果と言う。
【0035】
図3では、視差効果が明暗に対して与える影響を分かり易くするために、調光パネルPNL2の遮光膜BM2が、液晶表示パネルPNL1の遮光膜BM1の位置においてどのように見えるかを一点鎖線で示し、BM2’の符号を付している。また、図3では、液晶表示パネルPNL1の遮光膜BM1に対する視線を実線で示し、調光パネルPNL2の遮光膜BM2に対する視線を点線で示している。
【0036】
図3において、視野B(Bright)と描いた部分は、遮光膜(遮光膜BM1および遮光膜BM2’の集合)が疎であり、明るい部分である。一方で、視野D(Dark)と描いた部分は、遮光膜(遮光膜BM1および遮光膜BM2’の集合)が密であり、暗い部分である。つまり、図3によれば、視角によって、明るい部分と暗い部分とが繰り返し存在しており、モアレが発生してしまっている。
【0037】
図3に示すモアレの発生は表示品位を損ねるものである。このため、上記したパネル間距離をできるだけ小さくすることにより、モアレの発生を抑制することが検討されている。パネル間距離を小さくするためには、液晶表示パネルPNL1や調光パネルPNL2を構成する一部基板を研磨して薄くする、あるいは、一部基板をシート化して薄くする、等の方法が検討されている。
【0038】
しかしながら、その一方で、液晶表示パネルPNL1や調光パネルPNL2の一部基板を薄くすると、次のような不都合が生じ得る。以下では、まず図4を参照して、この不都合について説明する。
【0039】
図4は、液晶表示パネルPNL1および調光パネルPNL2を構成する一部基板を薄くした場合の表示装置DSPの概略構成例を示す断面図である。なお、図4では、液晶表示パネルPNL1に関し、第1透明基板11、第2透明基板21、液晶層LC1、シールSE1、第1偏光板PL11および第2偏光板PL21以外の構成の図示は省略している。同様に、図4では、調光パネルPNL2に関し、第1透明基板12、第2透明基板22、液晶層LC2、シールSE2、第1偏光板PL12および第2偏光板PL22以外の構成の図示は省略している。さらに、図4では、表示装置DSPを構成するバックライトユニットBLの図示を省略している。
【0040】
図4では、パネル間距離を小さくするために、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第2透明基板22とを研磨し、これら基板11および22が、液晶表示パネルPNL1の第2透明基板21や調光パネルPNL2の第1透明基板12よりも薄くなっている場合を例示している。具体的には、液晶表示パネルPNL1の第2透明基板21および調光パネルPNL2の第1透明基板12の厚さは0.5mmであるのに対し、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11および調光パネルPNL2の第2透明基板22の厚さが0.15mmである場合を例示している。なお、第1偏光板PL11およびPL12、第2偏光板PL21およびPL22の厚さは、例えば0.07mmであり、接着層OCAの厚さは例えば0.03mmである。
【0041】
図4に示す構成によれば、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第2透明基板22とを薄くした分だけ、パネル間距離を小さくすることができるので、モアレの発生を抑制することが可能である。
【0042】
しかしながら、その一方で、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第2透明基板22とを薄くしたことにより、図4に示すように、調光パネルPNL2の端子領域MT2に実装される、ドライバIC2やフレキシブルプリント回路基板FPC2、端子領域MT2に形成されている端子部、等を覆う保護膜PF2が、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と接触してしまう可能性がある。なお、図4では、保護膜PF2の厚さが0.3mmである場合を想定している。
【0043】
保護膜PF2が液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と接触してしまうと、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とを貼り合わせることができず、表示装置DSPを構成することができないという不都合が生じてしまう。
【0044】
このため、パネル間距離を小さくしてモアレの発生を抑制しつつも、調光パネルPNL2の端子領域MT2上に配置される構成が液晶表示パネルPNL1の構成と接触(干渉)し得ない表示装置DSPの開発が望まれている。
【0045】
図5は、本実施形態に係る表示装置DSPの概略構成例を示す断面図である。なお、図5では、図4と同様に、液晶表示パネルPNL1に関し、第1透明基板11、第2透明基板21、液晶層LC1、シールSE1、第1偏光板PL11および第2偏光板PL21以外の構成の図示は省略している。同様に、図5では、調光パネルPNL2に関し、第1透明基板12、第2透明基板22、液晶層LC2、シールSE2、第1偏光板PL12および第2偏光板PL22以外の構成の図示は省略している。さらに、図5では、表示装置DSPを構成するバックライトユニットBLの図示を省略している。
【0046】
図5に示すように、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11の寸法と、調光パネルPNL2の第2透明基板22の寸法とを合わせることで、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とが、平面視において重畳しないように配置されている。つまり、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11は、第2方向Yの長さとして、調光パネルPNL2の第1透明基板12の第2方向Yの長さよりも短い長さを有し、調光パネルPNL2の第2透明基板22の第2方向Yの長さと同一または同程度の長さを有している。
【0047】
なお、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とが、平面視において重畳しないように配置されている一方で、液晶表示パネルPNL1の液晶層LC1と、調光パネルPNL2の液晶層LC2とは、平面視において重畳させる必要があるため、調光パネルPNL2の端子領域MT2側のシールSE2の第2方向Yの長さは、他方のシールSE2の第2方向Yの長さや、液晶表示パネルPNL1のシールSE1の第2方向Yの長さよりも長くなっている。つまり、液晶表示パネルPNL1のシールSE1と、調光パネルPNL2のシールSE2とは、平面視において少なくとも一部が重畳していない。
【0048】
図5に示す構成によれば、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは、平面視において重畳しないように配置されるため、調光パネルPNL2の端子領域MT2上に配置される保護膜PF2が液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11に接触してしまうことを抑制することが可能である。また、図4に示した場合と同様に、図5に示す構成においても、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第2透明基板22とを研磨により薄くしていることから、パネル間距離は小さくなっており、モアレの発生を抑制することも可能である。
【0049】
なお、図6に示すように、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第2透明基板22とを研磨ではなくシート化して薄くした場合(例えば0.01mmにした場合)であっても同様に、調光パネルPNL2の端子領域MT2上に配置される保護膜PF2が液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11に接触してしまうことを抑制することが可能であり、図5の構成と同様な効果を得ることが可能である。
【0050】
なお、図6の構成の場合、シート化された液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11および調光パネルPNL2の第2透明基板22の厚み次第では、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1上に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC1が保護膜PF2と接触する可能性がある。しかしながら、フレキシブルプリント回路基板FPC1は可撓性に優れていることから、保護膜PF2に接触したとしても、折れ曲がって保護膜PF2の上に単に覆いかぶさるだけであり、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とを貼り合わせることが可能である。
【0051】
図7は、図5および図6に示す構成の表示装置DSPを示す平面図である。
図5および図6に示した構成の場合、図7に示すように、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは同一方向に延在する。このため、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC2とは、表示領域DAとは反対の同一方向に延出している。液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは平面視において重畳していないが、端子領域MT1およびMT2に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC1およびFPC2は、その一部が平面視において重畳する。
【0052】
以上説明した本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、モアレの発生を抑制するために(つまり、パネル間距離を小さくするために)、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第2透明基板22とを研磨してあるいはシート化して薄くしたとしても、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは、平面視において重畳しないように配置されているので、調光パネルPNL2の端子領域MT2上に設けられる保護膜PF2が液晶表示パネルPNL1に接触(干渉)してしまい、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とを貼り合わせることができないといった事態の発生を抑制することが可能である。
【0053】
また、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とが平面視において重畳していないので、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とを貼り合わせた後に、各端子領域MT1およびMT2に、ドライバIC1および2やフレキシブルプリント回路基板FPC1およびFPC2を実装することが可能である。
【0054】
液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1が延在する第1透明基板11をシート化した場合、当該第1透明基板11においては、ドライバIC1やフレキシブルプリント回路基板FPC1を実装するための実装部としての強度が不足してしまい、破損し易い可能性がある。しかしながら、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、図6に示すように、シート化された第1透明基板11の下には、調光パネルPNL2の第1透明基板12が配置されているため、上記した実装部としての強度を十分な強度にすることが可能である。
【0055】
また、本実施形態に係る表示装置DSPにおいては、液晶表示パネルPNL1の第1偏光板PL11の寸法を、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11の寸法に合わせているので、当該第1偏光板PL11は、端子領域MT1の下側まで延出することになる。これによれば、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とを貼り合わせた際に、端子領域MT1の下側に隙間ができないため、安定した構造を実現することが可能である。
【0056】
以下では、本実施形態に係る表示装置DSPの別の構成例について順に説明する。
図8は、本実施形態に係る表示装置DSPの別の概略構成例を示す断面図である。なお、以下に示す各断面図では、既に説明した図5および図6と同様に、液晶表示パネルPNL1に関し、第1透明基板11、第2透明基板21、液晶層LC1、シールSE1、第1偏光板PL11および第2偏光板PL21以外の構成の図示は省略している。同様に、調光パネルPNL2に関し、第1透明基板12、第2透明基板22、液晶層LC2、シールSE2、第1偏光板PL12および第2偏光板PL22以外の構成の図示は省略している。さらに、表示装置DSPを構成するバックライトユニットBLの図示を省略している。
【0057】
図8に示す構成の表示装置DSPにおいては、図5に示した構成の表示装置DSPと同様に、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11の寸法と、調光パネルPNL2の第2透明基板22の寸法とを合わせることで、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とが、平面視において重畳しないように配置されている。その一方で、図8に示す構成の表示装置DSPは、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とが、液晶層LC1およびLC2が配置されている表示領域DAを挟んで互いに反対方向に延在している点で、図5に示した構成と相違している。
【0058】
また、図8に示す構成の表示装置DSPにおいては、図5に示した構成の表示装置DSPと同様に、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とが、平面視において重畳しないように配置されている一方で、液晶表示パネルPNL1の液晶層LC1と、調光パネルPNL2の液晶層LC2とは、平面視において重畳させる必要があるため、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは反対側のシールSE2の第2方向Yの長さは、他方のシールSE2の第2方向Yの長さや、液晶表示パネルPNL1のシールSE1の第2方向Yの長さよりも長くなっている。つまり、本構成においても、液晶表示パネルPNL1のシールSE1と、調光パネルPNL2のシールSE2とは、平面視において少なくとも一部が重畳していない。
【0059】
なお、図8では、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第2透明基板22とが研磨により薄くされた場合を想定しているが、これに限定されず、図9に示すように、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第2透明基板22とはシート化して薄くされてもよい。
【0060】
図10は、図8および図9に示す構成の表示装置DSPを示す平面図である。
図8および図9に示した構成の場合、図10に示すように、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは、表示領域DAを挟んで互いに反対方向に延在する。このため、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC2とも、表示領域DAを挟んで互いに反対方向に延出している。
【0061】
つまり、本構成の場合、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは平面視において重畳していない、かつ、端子領域MT1およびMT2に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC1およびFPC2もまた平面視において重畳していない。
【0062】
以上説明した図8図10に示す構成の場合であっても、既に説明した図5図7に示す構成の場合と同様な各種効果を得ることが可能である。
【0063】
図11は、本実施形態に係る表示装置DSPのさらに別の概略構成例を示す断面図である。
図11に示す構成の表示装置DSPは、調光パネルPNL2が反転して液晶表示パネルPNL1に接着されている点で、図5に示した構成と相違している。具体的には、図5に示した構成の表示装置DSPにおいては、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11の主面11Aと、調光パネルPNL2の第2透明基板22の主面22Bとが対向するように、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とが接着されているが、図11に示す構成の表示装置DSPにおいては、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11の主面11Aと、調光パネルPNL2の第1透明基板12の主面12Aとが対向するように、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とが接着されている。また、図11に示す構成の表示装置DSPにおいては、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とが、液晶層LC1およびLC2が配置されている表示領域DAを挟んで互いに反対方向に延在している。
【0064】
また、図11に示す構成の表示装置DSPにおいては、図5に示した構成の表示装置DSPと同様に、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とが、平面視において重畳しないように配置されている一方で、液晶表示パネルPNL1の液晶層LC1と、調光パネルPNL2の液晶層LC2とは、平面視において重畳させる必要があるため、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは反対側のシールSE2の第2方向Yの長さは、他方のシールSE2の第2方向Yの長さよりも長くなっている。また、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1とは反対側のシールSE1の第2方向Yの長さは、他方のシールSE1の第2方向Yの長さよりも長くなっている。つまり、本構成においても、液晶表示パネルPNL1のシールSE1と、調光パネルPNL2のシールSE2とは、平面視において少なくとも一部が重畳していない。
【0065】
なお、図11に示す構成の表示装置DSPにおいては、パネル間距離を小さくするために、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第1透明基板12とが研磨により薄くなっている。
【0066】
図11では、上記したように、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第1透明基板12とが研磨により薄くされた場合を想定しているが、これに限定されず、図12に示すように、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第1透明基板12とはシート化して薄くされてもよい。
【0067】
図13は、図11および図12に示す構成の表示装置DSPを示す平面図である。
図11および図12に示した構成の場合、図13に示すように、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは、表示領域DAを挟んで互いに反対方向に延在する。このため、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC2とも、表示領域DAを挟んで互いに反対方向に延出している。
【0068】
つまり、本構成の場合、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは平面視において重畳していない、かつ、端子領域MT1およびMT2に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC1およびFPC2もまた平面視において重畳していない。
【0069】
さらに、本構成の場合、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1上に実装されるドライバIC1やフレキシブルプリント回路基板FPC1の表面、これらを覆う保護膜PF1は平面視において観察することができるが、調光パネルPNL2の端子領域MT2上に実装されるドライバIC2やフレキシブルプリント回路基板FPC2の表面、これらを覆う保護膜PF2は平面視において観察することができず、フレキシブルプリント回路基板FPC2の裏面のみが平面視において観察可能である。
【0070】
以上説明した図11図13に示す構成の場合であっても、既に説明した図5図7に示す構成の場合と同様な各種効果を得ることが可能である。
【0071】
図14は、本実施形態に係る表示装置DSPのさらに別の概略構成例を示す断面図である。
図14に示す構成の表示装置DSPは、調光パネルPNL2が反転して液晶表示パネルPNL1に接着されている点で、図5に示した構成と相違している。具体的には、図5に示した構成の表示装置DSPにおいては、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11の主面11Aと、調光パネルPNL2の第2透明基板22の主面22Bとが対向するように、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とが接着されているが、図14に示す構成の表示装置DSPにおいては、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11の主面11Aと、調光パネルPNL2の第1透明基板12の主面12Aとが対向するように、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とが接着されている。また、図14に示す構成の表示装置DSPにおいては、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とが、同一方向に延在し、平面視において重畳している。
【0072】
なお、図14に示す構成の表示装置DSPにおいては、パネル間距離を小さくするために、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第1透明基板12とが研磨により薄くなっている。
【0073】
図14では、上記したように、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第1透明基板12とが研磨により薄くされた場合を想定しているが、これに限定されず、図15に示すように、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第1透明基板12とはシート化して薄くされてもよい。
【0074】
図16は、図14および図15に示す構成の表示装置DSPを示す平面図である。
図14および図15に示した構成の場合、図16に示すように、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは同一方向に延在する。このため、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC2とは、表示領域DAとは反対の同一方向に延出している。
【0075】
つまり、本構成の場合、液晶表示パネルPNL1の端子領域MT1と、調光パネルPNL2の端子領域MT2とは平面視において重畳している、かつ、端子領域MT1およびMT2に実装されるフレキシブルプリント回路基板FPC1およびFPC2は平面視において重畳している。
【0076】
以上説明した図14図16に示す構成の場合、既に説明した図5図7に示す構成による各種効果のうち、実装部の強度を担保することができるという効果以外の各種効果を得ることが可能である。特に、図15に示す構成の場合、実装部としての強度が不足してしまう可能性が高く、破損しやすい可能性がある。その一方で、本構成においては全てのシールSE1およびSE2の第2方向Yの長さを一致させることが可能であり、全てのシールSE1およびSE2が平面視において重畳しているため、その他の構成に比べて、表示領域DAの面積を大きくすることが可能である。
【0077】
以上説明した実施形態によれば、表示装置DSPは、端子部が形成される端子領域MT1を有する第1透明基板11と、第1透明基板11に対向し、第1透明基板11とは異なる厚さの第2透明基板21と、を備える液晶表示パネルPNL1と、端子部が形成される端子領域MT2を有する第1透明基板12と、第1透明基板12に対向し、第1透明基板12とは異なる厚さの第2透明基板22と、を備える調光パネルPNL2と、液晶表示パネルPNL1と調光パネルPNL2とを接着する接着層OCAと、を具備し、端子領域MT1および端子領域MT2は、平面視において重畳しない。
【0078】
これによれば、モアレの発生を抑制するために、パネル間距離を小さくしたとしても、端子領域MT2上に配置される保護膜PF2が液晶表示パネルPNL1に接触することを抑制することが可能であり、表示品位の高いデュアルセル構造の表示装置を提供することが可能である。
【0079】
また、以上説明した実施形態によれば、表示装置DSPは、端子部が形成される端子領域MT1を有する第1透明基板11と、第1透明基板11に対向し、第1透明基板11とは異なる厚さの第2透明基板21と、を備える液晶表示パネルPNL1と、端子部が形成される端子領域MT2を有する第1透明基板12と、第1透明基板12に対向し、第1透明基板12とは異なる厚さの第2透明基板22と、を備える調光パネルPNL2と、液晶表示パネルPNL1の第1透明基板11と、調光パネルPNL2の第1透明基板12とを接着する接着層OCAと、を具備する。
【0080】
これによれば、モアレの発生を抑制するために、パネル間距離を小さくしたとしても、端子領域MT1上に配置される各種構成と、端子領域MT2上に配置される各種構成とは互いに反対方向に厚みを有するため、端子領域MT2上に配置される保護膜PF2が液晶表示パネルPNL1に接触することを抑制することが可能であり、表示品位の高いデュアルセル構造の表示装置を提供することが可能である。
【0081】
なお、本実施形態では、調光パネルPNL2の第2基板SUB22には遮光膜BM2が設けられているとしたが、調光パネルPNL2の第2基板SUB22に設けられる遮光膜BM2は省略されてもよい。但し、遮光膜BM2が省略された場合であっても、調光パネルPNL2の第1基板SUB12に設けられる走査線Gや信号線Sの上に設けられる図示しない金属層等に起因して、モアレが発生する可能性はあるため、本実施形態において説明した各種構成は有効に機能する。なお、遮光膜BM2が省略された場合、遮光膜BM2に起因したモアレの発生を抑制することが可能である、遮光膜BM2に要するコストを削減することができる、透過率の向上を図ることが可能である、等の各種効果を得ることができる。
【0082】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0083】
また、上述の各実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0084】
DSP…表示装置、PNL1…液晶表示パネル、PNL2…調光パネル、11,12…第1透明基板、21,22…第2透明基板、LC1,LC2…液晶層、SE1,SE2…シール、PL11,PL12…第1偏光板、PL21,PL22…第2偏光板、OCA…接着層、MT1,MT2…端子領域、1,2…ドライバIC、FPC1,FPC2…フレキシブルプリント回路基板、PF1,PF2…保護膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16