(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】米搬送装置及び米処理設備
(51)【国際特許分類】
B65G 53/04 20060101AFI20240408BHJP
A47J 27/14 20060101ALI20240408BHJP
B02B 1/06 20060101ALI20240408BHJP
B02B 7/02 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B65G53/04 Z
A47J27/14 G
B02B1/06 D
B02B7/02 109
(21)【出願番号】P 2020024700
(22)【出願日】2020-02-17
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松本 好央
(72)【発明者】
【氏名】北秋 広徳
(72)【発明者】
【氏名】浜吉 紘敏
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 修一
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-127340(JP,A)
【文献】実公昭51-027586(JP,Y2)
【文献】実公昭56-042268(JP,Y2)
【文献】実公昭48-016558(JP,Y1)
【文献】特開平03-158321(JP,A)
【文献】特開2003-219961(JP,A)
【文献】特開2009-213966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/04
A47J 27/14
B02B 1/06
B02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を貯蔵する貯米庫と、前記貯米庫から供給される米を洗浄する洗米装置とを含む米処理機に対して米を搬送する米搬送装置であって、
米を収容する収容部と、
空気を送り出す送風機と、
前記送風機から送り出された空気を前記貯米庫に向けて導く空気流通管と、
一端側が前記収容部に接続され、他端側が前記空気流通管内に突出して開口する米取り出し管と、
を備え
、
前記空気流通管は、当該空気流通管を流れる空気の一部を排出する空気抜き孔を有し、
前記空気抜き孔は、前記米取り出し管の中心軸よりも前記空気流通管の上流側に設けられている米搬送装置。
【請求項2】
前記空気流通管は、前記収容部の下方に配置され、
前記米取り出し管は、前記収容部から下向きに延びており、
前記米取り出し管の下端部は、前記空気流通管の上流側から下流側に向けて高くなるように傾斜している請求項1に記載の米搬送装置。
【請求項3】
前記空気抜き孔は、前記米取り出し管の下端部よりも上方に設けられている請求項
1に記載の米搬送装置。
【請求項4】
前記収容部が内部に設けられた筐体と、
前記筐体を移動可能に支持する車輪と、
を備えている請求項1~
3のいずれか1項に記載の米搬送装置。
【請求項5】
前記筐体の外面には、前記空気流通管の方向を定めて保持する筒状の管保持部が設けられている請求項
4に記載の米搬送装置。
【請求項6】
前記筐体は、
当該筐体の移動時に把持する取っ手と、
前記送風機を操作する操作部と、
を有し、
前記管保持部、前記取っ手、前記操作部は、前記筐体の外面の同じ側に配置されている請求項
5に記載の米搬送装置。
【請求項7】
米を貯蔵する貯米庫と、前記貯米庫から供給される米を洗浄する洗米装置とを含む米処理機と、
米を貯蔵する貯米庫と、前記貯米庫から供給される米を洗浄する洗米装置とを含む米処理機に対して米を搬送する米搬送装置であって、米を収容する収容部と、空気を送り出す送風機と、前記送風機から送り出された空気を前記貯米庫に向けて導く空気流通管と、一端側が前記収容部に接続され、他端側が前記空気流通管内に突出して開口する米取り出し管とを備えている米搬送装置と、
前記貯米庫の上部に設けられ且つ前記空気流通管を通って導かれる空気及び米を受け入れる受け入れ容器と、
を備え、
前記受け入れ容器は、
当該受け入れ容器に受け入れられた米を前記貯米庫に向けて落下させる開口部と、
前記空気流通管の下流側の端部が接続される接続口と、
前記空気流通管を通って導かれる空気を外部に逃がす空気逃がし部と、
を有
し、
前記受け入れ容器は、前記接続口から前記受け入れ容器に導かれた米を衝突させて前記開口部に落下させる当て板を有している米処理設備。
【請求項8】
前記空気逃がし部は、斜め下向きに開口したルーバを有している請求項
7に記載の米処理設備。
【請求項9】
前記空気流通管は、
前記送風機側に配置された上流管と、
前記貯米庫側に配置された下流管と、
前記上流管と前記下流管とを着脱可能に接続する接続部と、
を有している請求項
7又は8に記載の米処理設備。
【請求項10】
前記上流管は、前記米搬送装置に接続され、
前記下流管は、前記受け入れ容器に接続されている請求項
9に記載の米処理設備。
【請求項11】
前記米処理機は、前記貯米庫を支持する支持フレームを有し、
前記支持フレームには、前記下流管を保持する保持部が設けられている請求項
9又は10に記載の米処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米搬送装置及びこの米搬送装置を備えた米処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された米搬送装置が知られている。
この米搬送装置は、米を貯留する貯留ホッパと、貯留ホッパから米を繰り出すロータリバルブと、ロータリバルブを駆動するロータリバルブモータと、ロータリバルブで繰り出された米を空気と共に搬送するブロワとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の米搬送装置は、貯留ホッパから米を取り出すためのロータリバルブやロータリバルブモータ等の機器を必要とするため、部品点数が増加して装置が大型化、重量化してしまうという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、小型化及び軽量化が可能であって米の搬送を円滑に行うことができる米搬送装置及びこの米搬送装置を備えた米処理設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
米搬送装置は、米を貯蔵する貯米庫と、前記貯米庫から供給される米を洗浄する洗米装置とを含む米処理機に対して米を搬送する米搬送装置であって、米を収容する収容部と、空気を送り出す送風機と、前記送風機から送り出された空気を前記貯米庫に向けて導く空気流通管と、一端側が前記収容部に接続され、他端側が前記空気流通管内に突出して開口する米取り出し管と、を備え、前記空気流通管は、当該空気流通管を流れる空気の一部を排出する空気抜き孔を有し、前記空気抜き孔は、前記米取り出し管の中心軸よりも前記空気流通管の上流側に設けられている。
【0006】
好ましくは、前記空気流通管は、前記収容部の下方に配置され、前記米取り出し管は、前記収容部から下向きに延びており、前記米取り出し管の下端部は、前記空気流通管の上流側から下流側に向けて高くなるように傾斜している。
【0007】
好ましくは、前記空気抜き孔は、前記米取り出し管の下端部よりも上方に設けられて いる。
好ましくは、米搬送装置は、前記収容部が内部に設けられた筐体と、前記筐体を移動可能に支持する車輪と、を備えている。
【0008】
好ましくは、前記筐体の外面には、前記空気流通管の方向を定めて保持する筒状の管保持部が設けられている。
好ましくは、前記筐体は、当該筐体の移動時に把持する取っ手と、前記送風機を操作する操作部と、を有し、前記管保持部、前記取っ手、前記操作部は、前記筐体の外面の同じ側に配置されている。
【0009】
米処理設備は、米を貯蔵する貯米庫と、前記貯米庫から供給される米を洗浄する洗米装置とを含む米処理機と、米を貯蔵する貯米庫と、前記貯米庫から供給される米を洗浄する洗米装置とを含む米処理機に対して米を搬送する米搬送装置であって、米を収容する収容部と、空気を送り出す送風機と、前記送風機から送り出された空気を前記貯米庫に向けて導く空気流通管と、一端側が前記収容部に接続され、他端側が前記空気流通管内に突出して開口する米取り出し管とを備えている米搬送装置と、前記貯米庫の上部に設けられ且つ前記空気流通管を通って導かれる空気及び米を受け入れる受け入れ容器と、を備え、前記受け入れ容器は、当該受け入れ容器に受け入れられた米を前記貯米庫に向けて落下させる開口部と、前記空気流通管の下流側の端部が接続される接続口と、前記空気流通管を通って導かれる空気を外部に逃がす空気逃がし部と、を有し、前記受け入れ容器は、前記接続口から前記受け入れ容器に導かれた米を衝突させて前記開口部に落下させる当て板を有している。
【0010】
好ましくは、前記空気逃がし部は、斜め下向きに開口したルーバを有している。
好ましくは、前記空気流通管は、記送風機側に配置された上流管と、前記貯米庫側に配置された下流管と、記上流管と前記下流管とを着脱可能に接続する接続部と、を有している。
【0011】
好ましくは、前記上流管は、前記米搬送装置に接続され、前記下流管は、前記受け入れ容器に接続されている。
好ましくは、前記米処理機は、前記貯米庫を支持する支持フレームを有し、前記支持フレームには、前記下流管を保持する保持部が設けられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る米搬送装置及び米処理設備によれば、小型化及び軽量化が可能であって米の搬送を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】米搬送装置の上蓋を外した状態の平面図である。
【
図5】米搬送装置の上蓋を外した状態の斜視図である。
【
図7】収容部の下部、米取り出し管、空気流通管(第2管)等を示す断面図である。
【
図9】収容部の下部、米取り出し管、空気流通管(第2管)等を示す正面斜視図である。
【
図10】収容部の下部、米取り出し管、空気流通管(第2管)等を示す背面斜視図である。
【
図11】米取り出し管及び空気流通管の空気の流れ等を示す断面図である。
【
図12】収容部の下部、米取り出し管、空気流通管(第2管)等を示す正面図である。
【
図16】排水ジャケット及び排水ボックスの詳細図である。
【
図18B】メニューセット画面M2の一例を示す図である。
【
図19】貯米庫及び受け入れ容器を示す断面図である。
【
図20】蓋体に受け入れ容器を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図21】受け入れ容器を下方から見た斜視図である。
【
図23】蓋体に受け入れ容器を取り付けた状態を下方から見た斜視図である。
【
図24】構成体(受け入れ容器、下流管、蓋体)を示す斜視図である。
【
図25】受け入れ容器及び蓋体の一部を示す断面図である。
【
図27】構成体を貯米庫に装着する様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~
図5は、米搬送装置100を示している。以下、説明の便宜上、
図1の矢印A1方向を前方、矢印A2方向を後方、矢印B1方向を右方、矢印B2方向を左方という。また、矢印A方向を前後方向、矢印B方向を装置幅方向という。
図1、
図4に示すように、米搬送装置100は、米を収容する収容部101と、収容部101に収容された米を取り出して搬送する搬送機構102とを備えている。
【0015】
図3~
図5に示すように、収容部101は、上部に米を投入可能な投入口103を有し、下部に米を取り出し可能な取り出し口104を有している。投入口103は、上蓋105によって塞がれている。上蓋105の上部には、持ち手105aが設けられている。
図3、
図5に示すように、上蓋105を外すことにより投入口103が開放される。これにより、投入口103から収容部101に米を供給することができる。
【0016】
図4に示すように、収容部101は、上部空間106と下部空間107とを有している。上部空間106は、四角筒状に形成されている。下部空間107は、四角錐状に形成されている。上部空間106の下部と下部空間107の上部とは連通している。
図3~
図5に示すように、下部空間107は、案内面108と底面109とを有している。案内面108は、収容部101に収容された米を底面109に向けて案内する(滑り落とす)傾斜面である。案内面108の下端部は、底面109と接続されている。底面109には取り出し口104が形成されている。
【0017】
図3に示すように、案内面108は、第1面108a、第2面108b、第3面108c、第4面108dを含む。第1面108aは、案内面108の右部に配置されている。第2面108bは、案内面108の左部に配置されている。第3面108cは、案内面108の後部に配置されている。第4面108dは、案内面108の前部に配置されている。第1面108aと第2面108bとの間の距離は、下方に向かうにつれて次第に接近している。第3面108cと第4面108dとの間の距離は、下方に向かうにつれて次第に接近している。
【0018】
米搬送装置100は、筐体110を備えている。収容部101は、筐体110の内部に設けられている。筐体110は、直方体状に形成されている。筐体110は、前後方向Aの長さが装置幅方向Bの長さよりも短い。筐体110は、複数の外面111を有している。外面111は、右面111a、左面111b、前面111c、後面111d、下面111eを含む。
【0019】
下面111eには車輪112を備えたキャスタが設けられている。これにより、筐体110は、車輪112によって移動可能に支持されている。右面111aには、取っ手114が設けられている。取っ手114は、筐体110の移動時に把持される部分である。作業者が取っ手114を把持して筐体110を押す(又は引く)ことにより、車輪112が床面上で回転(転動)し、筐体110を円滑に移動させることができる。
【0020】
取っ手114は、筐体110の上部に設けられている。
図3、
図5等に示すように、取っ手114は、第1部位114a、第2部位114b、第3部位114cを有している。第1部位114aは、筐体110の外面111(右面111a)との間に間隔をあけて配置されている。第1部位114aは、前後方向に延びている。第2部位114bは、筐体110の外面111(右面111a)から第1部位114aの前端部まで延びている。第3部位114cは、筐体110の外面111(右面111a)から第1部位114aの後端部まで延びている。
【0021】
図1、
図2に示すように、筐体110には、点検口115が設けられている。点検口115は、筐体110の前面111cの下部に設けられている。点検口115は、カバー116により覆われる。カバー116の下縁は、ヒンジ136を介して前面111cと接続されている。
図1の矢印Eに示すように、カバー116は、ヒンジ136を支点として回動することができる。カバー116を上方に回動することにより、点検口115を閉鎖することができる。カバー116を下方に回動することにより、点検口115を開放することができる。
図1、
図2は、点検口115を開放した状態を示している。点検口115を開放することにより、後述する空気流通管119や米取り出し管120等を点検することができる。
【0022】
図5に示すように、筐体110には、筐体110の内部(収容部101よりも下方の空間)と筐体110の外部とを連通させる通気部117が設けられている。通気部117は、筐体110の後面111dに設けられている。通気部117は、斜め下向きに開口したルーバから構成されている。
図4、
図6等に示すように、搬送機構102は、送風機(ブロワ)118、空気流通管119、米取り出し管120を有している。
【0023】
送風機118は、筐体110の内部に配置されている。送風機118は、筐体110内において収容部101の下方に配置されている。送風機118は、空気を吸い込む吸引部118aと、空気を送り出す送出部118bとを有している。吸引部118aは、筐体110の通気部117を介して外気を吸引する。送出部118bには、空気流通管119の一端部が接続されている。送出部118bは、空気流通管119の内部に空気を送り出すことにより、空気流通管119の内部に空気を流通させる。
【0024】
空気流通管119は、送風機118から送り出された空気を米処理機1の貯米庫12(
図13等参照)に向けて導く。空気流通管119は、上流側(送風機118側)に位置する上流管119Aと、下流側(貯米庫12側)に位置する下流管119B(
図13等参照)とを有している。上流管119Aと下流管119Bとは着脱可能に接続される。
図4に示すように、上流管119Aは、一端側が筐体110の内部に配置され、他端側が筐体110の外部に配置されている。上流管119Aの一端側は、収容部101の下方に配置されている。
図4、
図6に示すように、上流管119Aは、第1管121、第2管122、第3管123を含む。本実施形態の場合、第1管121及び第3管123は、蛇腹管等の屈曲性を有するホースから構成されている。第2管122は、屈曲性をもたない定形のパイプから構成されている。
【0025】
第1管121及び第2管122は、収容部101の下方に配置されている。第1管121の一端部は、送風機118の送出部118bに接続されている。第1管121の他端部は、第1接続管124を介して第2管122の一端部と接続されている。第2管122の他端部は、第2接続管125を介して第3管123の一端部と接続されている。
図4に示すように、第3管123は、一端側が筐体110の内部に配置され、他端側が筐体110の外部に配置されている。つまり、第3管123は、筐体110の内部から外部に亘って延びている。第3管123の一端側は、収容部101の下方に配置されている。第3管123の中途部は、筐体110の右面111aを貫通している。第3管123の他端側は、筐体110の右面111aに沿って上方に延びている。第3管123の他端部には、第1接続部123aが設けられている。第1接続部123aは、下流管119Bの一端部に設けられた第2接続部123b(
図13参照)に対して着脱可能に接続される。下流管119Bについては、後ほど説明する。
【0026】
図1~
図5に示すように、筐体110の外面(右面111a)には、空気流通管119(上流管119A)の方向を定めて保持する管保持部126が設けられている。上流管119Aの第3管123は、管保持部126に保持されることにより、上方を向いた状態で保持されている。
図4に示すように、管保持部126は、上下方向に延びる筒状部126aと、筒状部126aの内部に設けられた傾斜板126bとを有している。筒状部126aは、筐体110の外面(右面111a)との間で上流管119Aの外周を包囲する。傾斜板126bは、筒状部126aの内部の下部に配置されている。傾斜板126bは、右面111aから離れるにつれて上方に向かうように傾斜している。傾斜板126bは、筐体110の外部に突出した第3管123を上方に向けて円滑に屈曲させる。
【0027】
図1、
図2、
図4等に示される米取り出し管120は、収容部101に収容された米を空気流通管119内に取り出すための管である。米取り出し管120は、空気流通管119の第2管122に対して直角方向に延びている。米取り出し管120の断面積は、空気流通管119(第2管122)の断面積よりも小さい。本実施形態の場合、米取り出し管120及び空気流通管119(第2管122)は円形管(断面が円形の管)であって、米取り出し管120の内径は、空気流通管119(第2管122)の内径よりも小さい。
【0028】
図7、
図12等に示すように、米取り出し管120は、収容部101から下向きに延びている。米取り出し管120の一端側(上端側)は、収容部101に接続されている。具体的には、米取り出し管120の一端側(上端側)は、接続板127を介して収容部101に接続されている。接続板127には接続口127aが形成されており、当該接続口127aに米取り出し管120の上端部が接続されている。接続口127aは、収容部101の取り出し口104と連通している。接続板127は、カバー部材128を介して収容部101に接続されている。
【0029】
図9に示すように、接続板127の前部には、係止突起127bが設けられている。
図10に示すように、接続板127の後部には、係止爪127cが設けられている。これら係止突起127b及び係止爪127cは、接続板127をカバー部材128に対して接続するために用いられる。
図7~
図10に示すように、カバー部材128は、接続板127の上方に配置されている。カバー部材128は、下板128a、右板128b、左板128c、前板128d、後板128eを有している。下板128aは、収容部101の下端と接続板127との間に配置されている。下板128aには、接続口127a及び取り出し口104と重なる位置に貫通孔128fが形成されている。右板128bは、下板128aの右縁から上方に延びている。左板128cは、下板128aの左縁から上方に延びている。前板128dは、下板128aの前縁から上方に延びている。後板128eは、下板128aの後縁から下方に延びている。右板128b、左板128c、前板128dの上部は、案内面108の裏面(下面)に接続されている。
【0030】
図9に示すように、カバー部材128の前板128dには、係止部材129が取り付けられている。係止部材129は、係止環129aと揺動片129bを有している。揺動片129bを支軸130を支点として揺動することにより、係止環129aを上下方向に移動させることができる。係止環129aを接続板127に設けられた係止突起127bに引っ掛けて揺動片129bを上方に揺動させることにより、係止部材129を係止突起127bに係止することができる。また、揺動片129bを下方に揺動させることにより、係止環129aを係止突起127bから外して係止突起127bに対する係止部材129の係止を解除することができる。
【0031】
図10に示すように、カバー部材128の後板128eには、係止孔128gが形成されている。係止孔128gには、接続板127に設けられた係止爪127cを挿入することができる。係止孔128gに係止爪127cを挿入し、係止部材129を係止突起127bに係止することによって、接続板127をカバー部材128に取り付けることができる。また、係止突起127bに対する係止部材129の係止を解除し、係止爪127cを係止孔128gから抜くことによって、接続板127をカバー部材128から取り外すことができる。
【0032】
このように、接続板127をカバー部材128に対して取り付け又は取り外すことによって、米取り出し管120を収容部101に対して着脱することができる。つまり、米取り出し管120は、収容部101に対して着脱可能である。米取り出し管120の着脱は、点検口115を開放して係止部材129にアクセスすることによって容易に行うことができる。
【0033】
図7、
図11に示すように、米取り出し管120の他端側(下端側)は、空気流通管119内に突出して開口している。具体的には、米取り出し管120の下端部(下端面)120aは、第2管122内に突出して開口している。また、米取り出し管120の下端部120aは、空気流通管119の上流側(左側)から下流側(右側)の全体に亘って、空気流通管119(第2管122)の中心軸CL1よりも下方に位置している。
【0034】
米取り出し管120の下端部120aは、空気流通管119の上流側(左側)から下流側(右側)に向けて高くなるように傾斜している。言い換えれば、米取り出し管120の下端部120aと空気流通管119(第2管122)の内周面下部との上下方向の距離Dは、空気流通管119の上流側(左側)から下流側(右側)に向けて長くなっている。距離Dは、米取り出し管120の左端部120bにおいて最も短く(距離D1参照)、米取り出し管120の右端部120cにおいて最も長い(距離D2参照)。米取り出し管120の下端部120aは、鉛直下方向に対して空気流通管119の下流側に傾斜して(斜め下右方を向いて)開口している。
【0035】
上記したように、米取り出し管120の下端部120aが傾斜していることにより、米取り出し管120の下端部120aの開口面積は、米取り出し管120の中心軸CL2に直交する断面の面積に比べて大きくなっている。そのため、米取り出し管120から空気流通管119への米の取り出し(吸い出し)が円滑に行われる。また、米取り出し管120の下端部120aが傾斜しているため、空気流通管119内の空気の流路断面積が上流側から下流側に向けて広くなり、上流側から下流側に米が流れやすくなる。
【0036】
また、米取り出し管120の下端部120aが空気流通管119内に突出していることにより、突出した部分において空気流通管119内における空気の流路断面積が狭くなり、空気の圧力が増加して流速が速くなる。そのため、米取り出し管120の下端部120aから空気流通管119内に取り出された米は、空気の流れに乗って円滑に移動し、管内に詰まることがない。
【0037】
図6、
図8に示すように、前後方向において、米取り出し管120の中心は、空気流通管119の第2管122の中心と一致している。
図8に示すように、米取り出し管120の下端部120aと空気流通管119の内面下部との間には、空気が流通可能な空間SP1が形成されている。米取り出し管120の前端部と空気流通管119の内面前部との間には、空気が流通可能な空間SP2が形成されている。米取り出し管120の後端部と空気流通管119の内面後部との間には、空気が流通可能な空間SP3が形成されている。空間SP1と空間SP2と空間SP3とは互いに連通している。空間SP2の空気の流路断面積と空間SP3の空気の流路断面積とは等しい。
【0038】
図11、
図12等に示すように、第2管122は、空気流通管119を流れる空気の一部を排出する空気抜き孔131を有している。
図11に示すように、空気抜き孔131は、米取り出し管120の下端部120aよりも上方に設けられている。空気抜き孔131は、空気流通管119(第2管122)の中心軸CL1と重なる高さ位置に設けられている。空気抜き孔131は、米取り出し管120の中心軸CL2よりも上流側(左側)に設けられている。空気抜き孔131は、空気流通管119内の空気の流れ方向(装置幅方向)において、米取り出し管120と重なる位置に設けられている。言い換えれば、空気抜き孔131は、米取り出し管120の左端部120bよりも右方であって且つ右端部120cよりも左方に設けられている。
【0039】
本実施形態の場合、空気抜き孔131の形状は円形であるが、円形以外の形状(例えば、楕円形、三角形、四角形等)であってもよい。また、本実施形態の場合、空気抜き孔131の数は1つであるが、空気抜き孔131の数は2つ以上であってもよい。空気抜き孔131の大きさ(直径)は、米粒が通過しない又は通過しにくい大きさに設定される。また、空気抜き孔131は、上述した位置に設けることが好ましいが、空気流通管119の別の位置に設けてもよい。
【0040】
送風機118の駆動によって送出部118bから空気流通管119内に空気が送り出されると、当該空気が第2管122内を流れるときに、エジェクター効果によって米取り出し管120に第2管122内に向かう空気の流れ(吸引力)F1が生じる(
図11参照)。この吸引力によって、収容部101に収容された米が米取り出し管120を通って空気流通管119(第2管122)内に吸い出される。第2管122内に吸い出された米は、空気流通管119内の空気の流れF2に乗って下流側へと送られて第3管123を通って筐体110の外部に出る。
【0041】
図1、
図3、
図5に示すように、筐体110の外面(右面111a)には、送風機118を操作する操作部132が設けられている。操作部132は、送風機118を駆動する駆動ボタン133と、送風機118を停止する停止ボタン134と、送風機118の駆動時間を設定するタイマー135とを有している。操作部132は、上を向いて(上方から操作可能なように)配置されている。但し、操作部132に設けられる操作具の配置、数、種類は、適宜変更することができる。
【0042】
管保持部126、取っ手114、操作部132は、筐体110の外面111の同じ側(右面111a側)に配置されている。
図3に示すように、平面視において、管保持部126と操作部132は、取っ手114の内側に収まっている。第3管123は、取っ手114と右面111aとにより囲まれる空間を通って上方に延びている。これにより、
図1、
図5に示すように、管保持部126から突出した第3管123を取っ手114の内側に収めることができる。そのため、米搬送装置100の外形をコンパクトに構成することができる。
【0043】
図13、
図14は、上述した米搬送装置100を備えた米処理設備200を示している。
米処理設備200は、米搬送装置100と、米処理機1と、受け入れ容器201とを備えている。
以下、米処理機1について説明する。
【0044】
図15は、米処理機1を示している。
図15に示す米処理機1は、米の貯蔵(貯米)、米の洗浄(洗米)、米の炊き(炊飯)を行うことができる装置である。米処理機1は、米を貯蔵する貯米庫12と、米を洗浄する洗米装置13と、洗米装置13で洗浄された米を炊く炊飯機14と、これら炊飯機14、貯米庫12、洗米装置13を支持する支持フレーム15と、給排水装置16とを備えている。
【0045】
貯米庫12は、略箱型に形成されたケース12aと、このケース12a内に設けられた漏斗状の貯米タンク12bとを有している。ケース12aの上部は、米を供給するための供給口12cとして開放されている。ケース12aの上部には、蓋体10が開閉自在(又は着脱自在)に設けられている。蓋体10を開く(又は取り外す)ことによって、ケース12aの上部の供給口12cを開放し、貯米タンク12b内に米を供給することができる。また、後述するように、蓋体10に受け入れ口10e(
図23参照)を設けることによって、蓋体10を閉じた状態(又は取り付けた状態)であっても、米搬送装置100から貯米タンク12b内に米を供給することができる。ケース12aの前面には、各種設定を行う表示装置50が設けられている。
【0046】
貯米タンク12bの下部には、計量器19が設けられている。計量器19は、例えば、回転自在に支持された筒体を有している。筒体には貯米タンク12bからの米が導入される導入部が形成されていて、筒体を所定回数回転することで貯米タンク12b内の米を計量して洗米装置13へ送る構成となっている。
洗米装置13は、米を洗浄する装置であって、米を洗浄する洗米槽22を備えている。洗米槽22は、米が投入される洗米タンク22aと、この洗米タンク22a内の米を攪拌する攪拌部材22bとを備えている。洗米タンク22aは、貯米庫12(ケース12a)の下部側に設けられたフック部材21を操作することによって着脱可能となっている。装着状態において、計量器19の筒体を回転させると、貯米庫12内に設けられた計量器19により計量された米が、洗米タンク22aの上部から洗米タンク22a内に投入される。洗米タンク22aの下端には、開口部22cが形成されている。
【0047】
給排水装置16は、洗米槽22への給排水を行う装置であって、洗米槽22の下部に設けられた排水ジャケット23と、排水ジャケット23に連通する排水ボックス24とを含んでいる。
排水ジャケット23は、洗米槽22の下部、即ち、開口部22cを覆うように洗米タンク22aの下部に着脱自在に設けられて、洗米タンク22aからの排水等を受けるものとなっている。即ち、この排水ジャケット23は、洗米タンク22aの下部に設けられたフック部材39において当該排水ジャケット23への係止を解除することにより洗米タンク22aから取り外しができるようになっている。
【0048】
攪拌部材22bは、洗米タンク22a内に設けられていて、垂直軸心回りに回転する部材である。攪拌部材22bは、回転することによって、洗米タンク22a内の米を洗浄(洗米)する。
図16に示すように、排水ジャケット23は、筒状に形成された外周壁23aと、外周壁23aの下部から径内方向に突出する底壁23bとを備えている。底壁23bには、洗米タンク22aの開口部22cからの米等を炊飯機14へと通す排米口27が設けられている。この排米口27に円錐状の排米弁28が挿入されている。この排米弁28は、垂直方向に延びる上下軸29の下端に昇降自在に設けられ、上下軸29の昇降により排米口27を開閉するようになっている。排米口27が開放状態(排米弁開位置)であるか、排米口27が閉鎖状態(排米弁閉位置)であるかは、センサにより検知することが可能である。
【0049】
また、底壁23bには、側壁部分に複数の孔が形成された筒状の漏斗部材(じょうご部材)31が載置されている。排水ジャケット23の外周壁23aの一方には、排水ジャケット23内の液体を排水ボックス24側に流すための排水口32が形成されている。
排水ボックス24は、箱型に形成されたもので、例えば、排水ボックス24の右面側は着脱自在な蓋37となっており、この蓋37を取り外すことにより、排水ボックス24内の洗浄(掃除)が行えるようになっている。排水ボックス24には、排水ジャケット23の排水口32と対向する側に入水口33が形成されている。そして、入水口33にパイプ(配管)34の一端が接続されて、排水ジャケット23の排水口32にパイプ34の他端が接続されることにより、排水ボックス24と排水ジャケット23とが連通している。
【0050】
排水ボックス24には、排水ジャケット23から排水ボックス24へと至る連通路(例えば、パイプ34内)を開閉するための開閉部材35が設けられている。例えば、開閉部材35は、開閉部40と、開閉部40が取り付けられ且つ揺動自在なリンク部材36とを有している。開閉部40及びリンク部材36は、排水ボックス24内に設けられている。リンク部材36の基端側に取付けられた連動部材41を下方に下げると、リンク部材36の揺動によって、開閉部40が入水口33から離れて開放状態になり、連動部材41を上方に上げると、リンク部材36の揺動によって、開閉部40が入水口33に近接して閉鎖状態にすることができる。
【0051】
なお、リンク部材36は、スプリングなどの付勢部材42により後側に付勢されている(連動部材41は上方に向けて付勢されている)ため、連動部材41を下へ向けて移動させないときは、開閉部40は入水口33を開放した状態である。また、排水ボックス24には、排水口43が形成されていて、当該排水口43には、排水を外部へと導く排水ホース(図示省略)が着脱自在に接続されている。また、排水ボックス24の上部と洗米タンク22aとの間には、オーバフロー管38が接続されていて、洗米タンク22aからオーバフローした排水等がオーバフロー管38を介して排水ボックス24内へ流入する。
【0052】
図15に示すように、給排水装置16は、洗米タンク22aの上部側に設けられた給水ノズル25aと、水道水蛇口等の給水源を給水ノズル25aに供給するための給水路(配管)25bと、給水路25bに設けられた第1開閉弁(電磁開閉バルブ)25cと、給水路25bに設けられた流量センサ25dと、手動により給水路25bを開閉する第2開閉弁(蛇口)25eと、第2開閉弁25eを介して給水ノズル25a側に装着されたストレーナ(給水コシ網)25fとを有している。なお、排水ボックス24、排水ジャケット23も給排水装置16の一部である。
【0053】
炊飯機14は、米を炊く(炊飯する)炊飯釜17と、炊飯釜17を加熱するガスコンロ、IHヒータ等の加熱部18とを有している。炊飯釜17は、上端開口状の内釜17aと、この内釜17aが上方から挿脱自在に挿入されて収納される外釜17bと、内釜17aの上端開口を開閉自在に閉塞する蓋体17cとを含んでいる。加熱部18は、内釜17aの下方に配置されていて内釜17aを加熱することによって炊飯することができる。また、蓋体17cの上面は開口していて、蓋体17cの上部には揺動自在なシャッタ17dが設けられている。シャッタ17dによって、蓋体17cの開口を閉鎖又は開放することができる。
【0054】
図17に示すように、米処理機1は、表示装置50を備えている。表示装置50は、表示部50Aと、操作部51Bとを有している。表示部50Aは、様々な情報を表示する部分であって、例えば、液晶パネルから構成されている。操作部51Bは、様々な操作を行う部分であって、スイッチ等から構成されている。操作部51Bは、設定スイッチ51と、スタートスイッチ52と、予約スイッチ54と、取消スイッチ55と、上スイッチ56、下スイッチ57、左スイッチ58、右スイッチ59とを含んでいる。
【0055】
図18Aに示すように、表示部50Aは、米処理機1の起動時等には、炊飯の状態を示す初期画面M1を表示する。また、
図18Bに示すように、表示部50Aは、設定スイッチ51が操作された場合にメニューセット画面M2を表示する。
図18Aに示すように、初期画面M1は、様々な工程を表示する。例えば、初期画面M1では、米を計量器19により計量中である計量工程S1、米を洗米装置13内で洗米中である洗米工程S2、洗米装置13内で洗米後に米のザル上げを行うザル上げ工程S3、所定の水を計算して洗米装置13内に水加減水を給水する水加減工程S4、洗米装置13内の米及び水加減水を炊飯機14に投入する排米工程S5、炊飯機14内でお米を浸している浸し工程S6、炊飯機14にて炊飯を行っている炊飯工程S7、お米を炊飯機14内で蒸らすむらし工程S8、米の炊きあがりを示す炊きあがり工程S9を表示する。初期画面M1においては、各工程(計量工程S1、洗米工程S2、ザル上げ工程S3、水加減工程S4、排米工程S5、浸し工程S6、炊飯工程S7、むらし工程S8、炊きあがり工程S9)を示す文字等を他の工程を示す文字と反転したり、或いは、工程を示す文字の色を他の文字と変えたり、各工程を示す文字又は図形を他の工程と異ならせることによって、現在の工程が視認できるようになっている。
【0056】
図18Bに示すように、メニューセット画面M2は、各工程(計量工程S1、洗米工程S2、ザル上げ工程S3、水加減工程S4、浸し工程S6、炊飯工程S7、むらし工程S8)の処理時での設定を行う画面である。
メニューセット画面M2には、複数の設定項目61が表示される。複数の設定項目61は、炊飯量の設定を示す炊飯項目61a、水加減水量の設定を示す水加減項目61b、洗米の仕方の設定を示す洗い方項目61c、炊き方(炊飯方法)及び炊飯回数の設定を示すモード項目61d、浸し時間の設定を示す浸し項目60e、むらし時間の設定を示すむらし項目61fを含んでいる。
【0057】
また、メニューセット画面M2には、複数の設定項目61に対応する設定情報が表示される。複数の設定情報には、炊飯項目61aに対応した炊飯量62a、水加減項目61bに対応した水加減水量62b、洗い方項目61cに対応した洗い方の度合62c、モード項目61dに対応した炊き方(白米、酢飯)、及び炊飯回数(1回、2回)を示す設定値62d、浸し項目61eに対応した浸し時間62e、むらし項目61fに対応したむらし時間62fが含まれている。
【0058】
メニューセット画面M2には、カーソル63等が表示されて、カーソル63の位置を上スイッチ56、下スイッチ57、左スイッチ58、右スイッチ59のいずれかで移動させることにより、各種設定を行うことができる。説明の便宜上、上スイッチ56、下スイッチ57、左スイッチ58、右スイッチ59のことを単に変更スイッチということがある。
例えば、炊飯項目61aにカーソル63を合わせた後、変更スイッチの操作を行うと、炊飯量を増減させることができる。水加減項目61bにカーソル63を合わせた後、変更スイッチの操作を行うと、水加減水量62bを増減することができる。なお、
図18Bの水加減項目61bには、水加減水量62bに対応する値をレベルゲージ64で示し、レベルゲージ64の中心に示された基準値Q1よりも一方側が少ないことを示す「少」が示され、水加減水が予め定められた基準値Q1よりも他方側が多いことを示す「多」が示され、レベルゲージ64に対して指し示したカーソル63の位置によって水加減水量62bが設定できるようになっている。例えば、レベルゲージ64に対してカーソル63を多い側に位置させると、水加減水量を8段階(H1~H8)で基準値Q1から増量することができ、レベルゲージ64に対してカーソル63を少ないに位置させると、水加減水量を8段階(L1~L8)で減量させることができる。なお、上述した実施形態では、水加減水量62bを段階的に増減させているが、炊飯量62aと同様に、水加減水量62bを数値で入力できるようにしてもよい。
【0059】
洗い方項目61cにカーソル63を合わせた後、変更スイッチを操作すると、洗い方(念入りに洗うか軽く洗うか)を設定することができる。モード項目61dにカーソル63を合わせた後、変更スイッチを操作すると、炊き方(白米、酢飯)及び炊飯回数(1回、2回)を変更することができる。浸し項目61eにカーソル63を合わせた後、変更スイッチを操作すると、浸し時間を増減することができる。
【0060】
以上のように、表示装置50においては、店舗のスタッフ(店長、社員、アルバイト)等が操作を行うことによって、設定情報(炊飯量62a、水加減水量62b、洗い方の度合62c、炊き方(白米、酢飯)及び炊飯回数(1回、2回)、浸し時間62e、むらし時間62f)を設定することができる。
上述した実施形態では、米処理機1は、計量、洗米、炊飯を行う装置であったが、洗米を行う装置であってもよい。例えば、米処理機1は、貯米庫12、洗米装置13、給排水装置16、炊飯機14のうち、少なくとも炊飯機14を有しない米処理機であってもよいし、貯米庫12及び炊飯機14を有しない米処理機であってもよい。言い換えれば、米処理機1は、少なくとも洗米装置13を有するものであればよい。
【0061】
次に、受け入れ容器201について説明する。
図13、
図14、
図19等に示すように、受け入れ容器201は、貯米庫12の上部に設けられる。
受け入れ容器201は、空気流通管119を通って導かれる空気及び米を受け入れ、受け入れた米を貯米庫12に供給する。
【0062】
図20~
図22に示すように、受け入れ容器201は、上板201aと側壁201bとを有している。側壁201bは、右壁201c、左壁201d、前壁201e、後壁201fを含む。受け入れ容器201の下部は開放されている。
図13、
図20等に示すように、受け入れ容器201は、貯米庫12の蓋体10の上面10aに取り付けられる。受け入れ容器201は、蓋体10の上面10aに対して固定されていてもよいが、着脱可能であることが好ましい。
【0063】
図20、
図23に示すように、蓋体10は、天板10b、右側板10c、左側板10dを有している。右側板10cは、天板10bの右縁から下方に延びている。左側板10dは、天板10bの左縁から下方に延びている。天板10bの表面は、蓋体10の上面10aを構成している。
図23、
図25に示すように、天板10bには、受け入れ容器201から米を受け入れる受け入れ口10eが形成されている。受け入れ容器201の下部は、蓋体10に設けられた受け入れ口10eと連通している。
【0064】
図19に示すように、受け入れ口10eは、ケース12aの上部に設けられた供給口12cの上方に位置し、供給口12cと連通している。
図23、
図26に示すように、天板10bには、天窓10fが設けられている。天窓10fは、開閉可能なカバー板202によって塞がれている。カバー板202をヒンジ203を支点として上方に回動させることにより、天窓10fを開けて供給口12cからケース12aの内部を視認して米の量を確認することができる。
【0065】
図21に示すように、受け入れ容器201は、空気流通管119(下流管119B)の下流側の端部が接続される接続口201gを有している。接続口201gは、右壁201cに設けられている。接続口201gには、管接続体(エルボ)204の一端部が接続されている。
図24等に示すように、管接続体204の他端部には、空気流通管119の下流管119Bの他端部が接続される。つまり、接続口201gには、管接続体204を介して空気流通管119の下流管119Bが接続される。
【0066】
図14に示すように、下流管119Bの一端部に設けられた第2接続部123bは、上流管119Aの他端部に設けられた第1接続部123aと接続される。これにより、上流管119Aと下流管119Bとが接続されるため、上流管119Aを通って搬送されてきた空気及び米は下流管119Bへと導かれ、下流管119Bから接続口201gを通って受け入れ容器201の内部に導かれる。つまり、空気流通管119を通って導かれる空気及び米は、接続口201gを通って受け入れ容器201の内部に導かれる。
【0067】
図21、
図25に示すように、受け入れ容器201は、内部に第1空間205と第2空間206とを有している。第1空間205は、接続口201gを通って受け入れ容器201の内部に導かれた空気及び米を受け入れる空間である。第2空間206は、第1空間205から空気を受け入れる空間である。第1空間205は、受け入れ容器201の内部における空気の流れの上流側に位置し、接続口201gと連通している。第2空間206は、受け入れ容器201の内部における空気の流れの下流側に位置し、受け入れ容器201の内部空間の下部において第1空間205と連通している。
【0068】
図21、
図23、
図25等に示すように、受け入れ容器201は、内部に区画部材208を有している。区画部材208は、受け入れ容器201の内部を第1空間205と第2空間206とに区画する部材である。区画部材208の上端部は、上板201aの下面に接続されている。区画部材208の下端部は、側壁201bの下端部よりも上方に位置している。これにより、区画部材208の下方には、第1空間205と第2空間206とを連通させる連通路207(
図25参照)が形成されている。
【0069】
図21~
図23に示すように、区画部材208は、第1板208aと第2板208bとを有している。第1板208aは、右壁201c及び接続口201gと対向する位置に配置されている。第2板208bは、後壁201fと対向する位置に配置されている。第1板208aの後端部は、後壁201fの内面(前面)と接続されている。第1板208aの前端部は、第2板208bの左端部と接続されている。第2板208bは、第1板208aの前端部から右方に延びている。第2板208bの右端部は、右壁201cの内面(左面)と接続されている。第1板208aは、下方に向かうにつれて接続口201gから離れる(左方に移行する)ように傾斜している。
【0070】
第1空間205は、上板201a、右壁201c、後壁201f、第1板208a、第2板208bにより囲まれる空間であって、下部が開放されている。第1空間205の開放された下部は、受け入れ容器201に受け入れられた米を貯米庫12に向けて落下させる開口部209を構成している。
図19、
図25の矢印Gに示すように、接続口201gから受け入れ容器201の内部空間に導かれた米は、第1板208aに衝突して下方の開口部209に向けて落下する。つまり、第1板208aは、接続口201gから受け入れ容器201に導かれた米を衝突させて開口部209に落下させる当て板である。以下、第1板208aを当て板208aともいう。
【0071】
第2空間206は、上板201a、右壁201c、左壁201d、前壁201e、後壁201f、第1板208a、第2板208bにより囲まれる空間であって、下部が開放されている。第2空間206の下部は、連通路207を介して第1空間205と連通している。連通路207は、接続口201gから第1空間205へと導入された空気を第2空間206へと導くために設けられている。
図25の矢印Hに示すように、接続口201gから第1空間205に導かれた空気は、連通路207を通って第2空間206へと導かれる。連通路207は接続口201g及び当て板208aよりも下方に形成されているため、米が連通路207を通過して第1空間205から第2空間206に侵入することは殆どない。
【0072】
図20、
図21、
図25等に示すように、受け入れ容器201は、空気逃がし部210を有している。空気逃がし部210は、空気流通管119を通って受け入れ容器201の内部に導かれた空気を外部に逃がす。これにより、空気は、空気流通管119内を上流側(送風機118側)から下流側(貯米庫12側)に向けて円滑に流れる。空気逃がし部210は、第2空間206と連通しており、第2空間206に導かれた空気を外部に逃がすことができる。
【0073】
図22に示すように、空気逃がし部210は、側壁201bに形成された排気口211と、当該排気口211に面するように装着された通気板212とを有している。排気口211は、第1排気口211Aと第2排気口211Bとを含む。第1排気口211Aは、左壁201dに形成されている。第2排気口211Bは、前壁201eに形成されている。通気板212は、第1通気板212Aと第2通気板212Bとを含む。第1通気板212Aは、第1排気口211Aを覆うように装着されている。第2通気板212Bは、第2排気口211Bを覆うように装着されている。
【0074】
通気板212(第1通気板212A、第2通気板212B)は、斜め下向きに開口したルーバ213を有している。
図25の矢印Jに示すように、受け入れ容器201の第2空間206に導かれた空気は、空気逃がし部210のルーバ213の開口を通って受け入れ容器201の外部に排出される。受け入れ容器201に導かれた米は、大部分が第1空間205において当て板208aに衝突して開口部209に落下するが、一部が連通路207を通って第2空間206へと導かれる場合がある。この場合、第2空間206へと導かれた米の一部が空気逃がし部210から空気と共に外部に排出される可能性がある。しかし、空気逃がし部210を構成するルーバ213が斜め下向きに開口しているため、ルーバ213の開口から出た米は、斜め下向きに落下し(
図25の矢印J参照)、周囲に広く飛散することがない。
【0075】
図26に示すように、受け入れ容器201は、空気逃がし部210が設けられた側壁(左壁201d、前壁201e)と蓋体10の上面10aの外縁との距離d1が、空気逃がし部210が設けられていない側壁(右壁201c、後壁201f)と蓋体10の上面10aの外縁との距離d2に比べて長い(d1>d2)。これにより、蓋体10の上面10aの左部及び前部には、受け入れ容器201が載っていない領域R1が広く形成されている。そのため、空気逃がし部210を構成するルーバ213の開口から出た米は、領域R1に落下して上面10aに留まることができ、床面(米処理機1の設置面)へと落下することが抑制される。
【0076】
図13、
図14、
図27等に示すように、米処理設備200は、下流管119Bを保持する保持部214を備えている。保持部214は、下流管119Bの向きを定めて保持することができる。保持部214は、第1保持部215と第2保持部216とを含む。第1保持部215は、下流管119Bの一端側を保持する。第2保持部216は、下流管119Bの他端側を保持する。
【0077】
第1保持部215は、米処理機1の支持フレーム15に設けられている。第1保持部215は、支持フレーム15の貯米庫12よりも下方であって洗米装置13の側方(右方)に設けられている。
図13に仮想線で示すように、第1保持部215は、上流管119Aとの接続が解除された下流管119Bを載せて保持することができる。第1保持部215は、固定板215a、受け板215b、側板215c、前板215dを有している。固定板215aは、支持フレーム15に固定されている。受け板215bは、固定板215aから側方(右方)に延びており、下流管119Bを載せることができる。側板215cは、受け板215bの側端(右端)から上方に延びており、下流管119Bを側方から保持する。前板215dは、受け板215bの前端から上方に延びている。前板215dの上縁は、下流管119Bの外周面に沿うことができるように円弧状に形成されている。
【0078】
図24等に示すように、第2保持部216は、米処理機1の蓋体10に設けられている。第2保持部216は、蓋体10の右側板10cに取り付けられている。第2保持部216は、固定部216a、下延部216b、右延部216c、上延部216d、左延部216eを有している。固定部216aは、右側板10cの前部に固定されている。下延部216bは、固定部216aから下方に延びている。右延部216cは、下延部216bから右方に延びている。上延部216dは、右延部216cから上方に延びている。左延部216eは、上延部216dから左方に延びている。
図20に示すように、下延部216b、右延部216c、上延部216d、左延部216eは、角筒部216fを構成しており、当該角筒部216fにより下流管119Bの周囲を囲んで保持することができる。角筒部216fは、前方に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。これにより、
図13、
図14に示すように、第2保持部216は、下流管119Bの向きを斜め前下向きに定めて保持することができる。
【0079】
図24は、受け入れ容器201及び下流管119Bを蓋体10に組み合わせた構成体217を示している。
図27に示すように、構成体217は、蓋体10を外した状態の米処理機1に対して取り付けることができる。また、
図14に示すように、上流管119Aと下流管119Bとを接続することによって、構成体217と米搬送装置100とが組み合わされた搬送ユニット220を構成することができる。この搬送ユニット220を米処理機1に対して取り付けることによって、米搬送装置100と米処理機1と受け入れ容器201とを備えた米処理設備200を構成することができる。
【0080】
図13、
図14に示すように、米搬送装置100は、米処理機1の前方に配置することができる。具体的には、米搬送装置100は、米処理機1の炊飯機14の前方に配置することができる。米搬送装置100は前後方向Aの長さが装置幅方向Bの長さよりも短いため、米処理機1の前方に配置しても、米搬送装置100が米処理機1の前方に大きく突出することがない。また、米搬送装置100を米処理機1の前方に配置することによって、米搬送装置100において上方に延びる上流管119Aと、第2保持部216によって斜め前下向きに方向が定められた下流管119Bとの接続が容易となるとともに、空気流通管119の全体の長さを短くすることができる。また、米搬送装置100の取っ手114、管保持部126、操作部132が同じ側(右側)を向いて配置されるため、作業者は、取っ手114を把持して米搬送装置100を米処理機1の前方に配置した後、殆ど移動せずに下流管119Bと上流管119Aとの接続及び操作部132の操作を行うことができ、作業性が良好となる。
【0081】
米搬送装置100から米処理機1に対して米を搬送する場合、
図13、
図14に示すように、米搬送装置100を米処理機1の前方に配置して、搬送ユニット220を米処理機1に取り付け、空気流通管119の上流管119Aと下流管119Bとを接続する。次いで、米搬送装置100の操作部132を操作して送風機118を駆動させる。具体的には、タイマー135を操作して送風機118の駆動時間を設定するとともに、駆動ボタン133を押して送風機118を駆動させる。タイマー135により設定される送風機118の駆動時間は、米搬送装置100から搬送される米によって貯米庫12に米を満たすことができる時間に設定される。米を満たすことができる時間は、貯米庫12(ケース12a)の容量と、米搬送装置100から単位時間当たりに搬送できる米の量(体積)とに基づいて予め計算することができる。
【0082】
送風機118が駆動されると、上流管119Aに空気が送られ、当該空気は第1管121から第2管122を通って第3管123へと流れる。空気が第2管122内を流れるとき、米取り出し管120に第2管122内に向かう空気の流れ(吸引力)F1が生じ(
図11参照)、収容部101に収容された米が米取り出し管120を通って空気流通管119(第2管122)内に吸い出される。第2管122内に吸い出された米は、空気と共に第3管123内を流れて筐体110の外部に出た後、下流管119Bへと導かれる。
【0083】
下流管119Bに導かれた米は、空気と共に接続口201gから受け入れ容器201の第1空間205に入り、当て板(第1板)208aに衝突して下方の開口部209に向けて落下する(
図19、
図25参照)。開口部209に落下した米は、蓋体10に設けられた受け入れ口10eを通って供給口12cからケース12aに入る。これにより、米搬送装置100の収容部101から米処理機1の貯米庫12へと米が搬送される。
【0084】
貯米庫12が米で満たされると(タイマー135の設定時間が終了すると)、送風機118の駆動が停止し、搬送が終了する。尚、貯米庫12を確実に米で満たすために、送風機118の駆動時間を上記計算により算出した時間よりも長めに設定してもよい。この場合、貯米庫12を満たした米は、受け入れ容器201の第1空間205に侵入するまで盛り上がり、接続口201gを塞ぐ可能性がある。接続口201gが塞がれると、空気逃がし部210から空気を逃がすことができなくなるが、空気流通管119に空気抜き孔131が設けられているため、空気抜き孔131から空気を逃がすことができる。そのため、空気流通管119の内圧が過剰に高くなって、空気流通管119が外れたり破損したりすることを防止できる。
【0085】
上記した米搬送装置100及び米処理設備200によれば、以下の効果を奏する。
米搬送装置100は、米を貯蔵する貯米庫12と、貯米庫12から供給される米を洗浄する洗米装置13とを含む米処理機1に対して米を搬送する米搬送装置であって、米を収容する収容部101と、空気を送り出す送風機118と、送風機118から送り出された空気を貯米庫12に向けて導く空気流通管119と、一端側が収容部101に接続され、他端側が空気流通管119内に突出して開口する米取り出し管120と、を備えている。
【0086】
この構成によれば、小型化及び軽量化が可能であって米の搬送を円滑に行うことができる米搬送装置100を提供することができる。より詳しくは、送風機118から空気流通管119内に空気を送り出すことによって、収容部101に収容された米を米取り出し管120から空気流通管119内に取り出し(吸い出し)て、空気と共に貯米庫12に向けて導くことができる。そのため、米を取り出すためのロータリバルブやロータリバルブモータ等の機器を必要とせず、米搬送装置100を小型化、軽量化することが可能であるとともに、米を円滑に搬送することができる。
【0087】
また、空気流通管119は収容部101の下方に配置され、米取り出し管120は収容部101から下向きに延びており、米取り出し管120の下端部120aは、空気流通管119の上流側から下流側に向けて高くなるように傾斜している。
この構成によれば、米取り出し管120が突出した部分において、空気流通管119内の空気の流路断面積が上流側から下流側に向けて広くなるため、空気流通管119の下流側に米が詰まりにくくなり、空気流通管119の上流側から下流側に向けて米を円滑に搬送することができる。また、米取り出し管120の下端部120aを傾斜させることによって当該下端部120aの開口面積を広く確保することができるため、米取り出し管120から空気流通管119への米の取り出しが円滑に行われる。
【0088】
また、空気流通管119は、当該空気流通管119を流れる空気の一部を排出する空気抜き孔131を有している。
この構成によれば、空気流通管119の下流端が米で塞がれるなどして空気の流通が阻害された場合であっても、空気抜き孔131から空気を抜くことが可能であるため、空気流通管119が内圧の上昇によって外れたり破損したりすることを防ぐことができる。
【0089】
また、空気抜き孔131は、米取り出し管120の下端部120aよりも上方に設けられている。
この構成によれば、米取り出し管120の下端部120aから空気流通管119内に取り出された米が、空気抜き孔131から排出されたり空気抜き孔131に詰まったりすることを効果的に防ぐことができる。
【0090】
また、空気抜き孔131は、米取り出し管120の中心軸CL2よりも上流側に設けられている。
この構成によれば、米取り出し管120の下端部120aから空気流通管119内に取り出された米が、空気抜き孔131から排出されたり空気抜き孔131に詰まったりすることを効果的に防ぐことができる。
【0091】
また、米搬送装置100は、収容部101が内部に設けられた筐体110と、筐体110を移動可能に支持する車輪112と、を備えている。
この構成によれば、米搬送装置100を米処理機1が設置されている場所等に容易に移動させて設置することができる。
また、筐体110の外面111には、空気流通管119の方向を定めて保持する筒状の管保持部126が設けられている。
【0092】
この構成によれば、筐体110の外側において空気流通管119の方向が定められて保持されるため、空気流通管119を貯米庫12に向けて方向付けることができる。また、空気流通管119が不規則な方向に延びることがないため、空気流通管119が作業者や米搬送装置100の移動の妨げになることが防がれる。
また、筐体110は、当該筐体110の移動時に把持する取っ手114と、送風機118を操作する操作部132と、を有し、管保持部126、取っ手114、操作部132は、筐体110の外面111の同じ側に配置されている。
【0093】
この構成によれば、作業者は、取っ手114を把持して米搬送装置100を所要場所に移動させた後、身体を大きく移動させることなく、空気流通管119を接続する作業と操作部132の操作を行うことができるため、作業性に優れている。
また、米処理設備200は、米を貯蔵する貯米庫12と、貯米庫12から供給される米を洗浄する洗米装置13とを含む米処理機1と、上記米搬送装置100と、貯米庫12の上部に設けられ且つ空気流通管119を通って導かれる空気及び米を受け入れる受け入れ容器201と、を備え、受け入れ容器201は、当該受け入れ容器201に受け入れられた米を貯米庫12に向けて落下させる開口部209と、空気流通管119の下流側の端部が接続される接続口201gと、空気流通管119を通って導かれる空気を外部に逃がす空気逃がし部210と、を有している。
【0094】
この構成によれば、ロータリバルブやロータリバルブモータ等の機器を必要としない米搬送装置100から空気流通管119を介して空気と共に米を受け入れ容器201に搬送し、開口部209から米処理機1の貯米庫12へと米を落下させることができる。また、空気流通管119を通って導かれる空気を空気逃がし部210から外部に逃がすことができるため、空気流通管119の上流側(送風機118側)から下流側(貯米庫12側)に向けて空気を円滑に流通させることができる。
【0095】
また、空気逃がし部210は、斜め下向きに開口したルーバ213を有している。
この構成によれば、空気逃がし部210から米が排出された場合であっても、米が広範囲に飛散することを防止できる。
また、受け入れ容器201は、接続口201gから受け入れ容器201に導かれた米を衝突させて開口部209に落下させる当て板208aを有している。
【0096】
この構成によれば、受け入れ容器201に導かれた米を開口部209に向けて確実に落下させることが可能となる。
また、空気流通管119は、送風機118側に配置された上流管119Aと、貯米庫12側に配置された下流管119Bと、上流管119Aと下流管119Bとを着脱可能に接続する接続部(第1接続部123a、第2接続部123b)と、を有している。
【0097】
この構成によれば、上流管119Aと下流管119Bとを接続することによって、空気流通管119を通して送風機118側から貯米庫12側へと米を搬送することが可能となる。また、上流管119Aと下流管119Bとの接続を解除することによって、米搬送装置100をコンパクト化することができ、米搬送装置100の移動や保管を容易に行うことが可能となる。
【0098】
また、上流管119Aは米搬送装置100に接続され、下流管119Bは受け入れ容器201に接続されている。
この構成によれば、上流管119Aと下流管119Bとを接続することによって、空気流通管119を通して米搬送装置100から受け入れ容器201へと米を搬送することが可能となる。また、上流管119Aと下流管119Bとの接続を解除することによって、受け入れ容器201を含む構成体217を米搬送装置100から分離してコンパクト化することができる。
【0099】
また、米処理機1は貯米庫12を支持する支持フレーム15を有し、支持フレーム15には下流管119Bを保持する保持部(第1保持部215)が設けられている。
この構成によれば、保持部(第1保持部215)によって下流管119Bの向きを定めることができるため、下流管119Bと上流管119Aとの接続を容易化することが可能となる。
【0100】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
1 米処理機
12 貯米庫
13 洗米装置
15 支持フレーム
100 米搬送装置
101 収容部
110 筐体
111 筐体の外面
112 車輪
114 取っ手
118 送風機
119 空気流通管
119A 上流管
119B 下流管
120 米取り出し管
120a 下端部
123a 接続部(第1接続部)
123b 接続部(第2接続部)
126 管保持部
131 空気抜き孔
132 操作部
201 受け入れ容器
201g 接続口
208a 当て板
209 開口部
210 空気逃がし部
213 ルーバ
215 保持部(第1保持部)
CL2 米取り出し管の中心軸