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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及び物品棚
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/137 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020039621
(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公開番号】P2021138524
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】張 玉龍
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-169163(JP,A)
【文献】特許第6598182(JP,B1)
【文献】特開2020-017253(JP,A)
【文献】特開平03-105460(JP,A)
【文献】特開2014-152018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端側から奥行方向に延びる第1の領域に前記奥行方向に同一物品を並べてそれぞれ載置する複数段の棚板を備える物品棚の前記第1の端側を撮影する1以上のカメラから撮影データを取得する第1の取得部と、
前記複数段の棚板のそれぞれにおける前記第1の領域のうち、前記複数段の棚板毎に異なる前記カメラの撮影範囲である第2の領域から外れた第3の領域にそれぞれ配置されている複数の重量センサから測定データを取得する第2の取得部と、
前記第1の取得部で取得された前記撮影データ及び前記第2の取得部で取得された前記測定データに基づいて、前記物品棚の前記第2及び第3の領域のそれぞれの物品の数を検出する検出部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記物品の単位重量を記憶した第1の記憶部と、
前記棚板に前記物品が載置されていない状態で前記第2の取得部で取得された前記測定データを初期測定データとして記憶する第2の記憶部と、
をさら備え、
前記検出部は、前記第1の記憶部に記憶された前記物品単位重量及び前記第2の記憶部に記憶された前記初期測定データに基づいて、前記第3の領域における前記物品の数を検出する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出部が検出した前記物品の数が閾値個数よりも少ないとき、前記物品棚への前記物品の補充が必要であることを報知する報知部をさらに備える、請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
第1の端側から奥行方向に延びる第1の領域に前記奥行方向に同一物品を並べてそれぞれ載置する複数段の棚板と、
前記複数段の棚板のそれぞれに設置されている複数の重量センサと、
を備え、
前記複数段の重量センサのそれぞれは、前記第1の領域のうち、前記複数段の棚板の前記第1の端側を撮影する1以上のカメラの撮影範囲である第2の領域から外れた第3の領域に設置され、
前記奥行方向に沿った前記第3の領域の大きさは、前記複数の棚板毎に異なる、
物品棚。
【請求項5】
前記1以上のカメラは、前記物品棚よりも高い位置に設置され、
前記奥行方向に沿った前記第3の領域の大きさは、前記物品棚の下段の棚板ほど上段の棚板よりも大きい、請求項4記載の物品棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及び物品棚に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗において、店舗内の商品棚に陳列されている各種商品について、数量情報を把握することは重要である。商品の在庫状況については、仕入れ個数と販売個数との比較により容易に把握できる。これに対して、店舗内の商品棚に陳列されている商品の個数については、単純に陳列個数と販売個数とからだけでは把握することが難しい。これは、商品棚に陳列されている商品の個数は時々刻々と変化するとともに、顧客が商品棚から商品を取ってから当該商品の決済処理が済むまでの時間差もあるからである。そのため、在庫が有るにもかかわらず商品棚に商品欠損が発生し、商品の販売機会を逃すおそれもある。
【0003】
そこで従来、商品棚をカメラにより撮影し、商品の数量変化を確認することが行われている。この場合、カメラの設置位置は、商品棚に対峙した顧客によって撮影範囲が遮られることがないよう、天井などの高さがある場所に制限される。一方、商品棚は、通常は、棚板が複数段設けられる構成となっている。このようなカメラの位置と商品棚の棚板の多段配置から、カメラによる撮影範囲は、上段の棚板に遮られることで、下段の棚板の奥のエリアまで届かない。商品棚の下段の棚ほど、つまり位置が低い棚板ほど、その奥側に陳列された商品をカメラを用いて確認することができない。一般に、商品棚に陳列された商品は、顧客に手前側から取られていくため、奥側に商品が残る傾向にある。また、賞味期限など何らかの期限が有る商品については、逆に、奥側の商品から顧客に取られることもある。よって、カメラを用いた商品の数量変化把握は、困難である。
【0004】
このようなことは、店舗での商品の数量変化把握に限らず、倉庫などでの物品の数量変化把握についても、同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-152018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、物品棚が有する多段の棚板に載置されている各種物品の数量情報を把握できる情報処理装置及び物品棚を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、情報処理装置は、第1の取得部と、第2の取得部と、検出部とを備える。第1の取得部は、第1の端側から奥行方向に延びる第1の領域に奥行方向に同一物品を並べてそれぞれ載置する複数段の棚板を備える物品棚の前記第1の端側を撮影する1以上のカメラから撮影データを取得する。第2の取得部は、複数段の棚板のそれぞれにおける第1の領域のうち、複数段の棚板毎に異なるカメラの撮影範囲である第2の領域から外れた第3の領域にそれぞれ配置されている複数の重量センサから測定データを取得する。検出部は、第1の取得部で取得された撮影データ及び第2の取得部で取得された測定データに基づいて、物品棚の第2及び第3の領域のそれぞれの物品の数を検出する。
【0008】
また、一実施形態において、物品棚は、複数段の棚板と複数の重量センサとを備える。複数段の棚板は、第1の端側から奥行方向に延びる第1の領域に奥行方向に同一物品を並べてそれぞれ載置する。複数の重量センサは、複数段の棚板のそれぞれに設置されている。複数段の重量センサのそれぞれは、第1の領域のうち、複数段の棚板の第1の端側を撮影する1以上のカメラの撮影範囲である第2の領域から外れた第3の領域に設置される。奥行方向に沿った第3の領域の大きさは、複数の棚板毎に異なる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理装置の一実施形態のハードウェア構成を示すブロック図。
図2】各種商品が陳列される商品棚を正面側から見た模式図。
図3】カメラの撮影範囲と重量センサの配置領域との関係を示す模式図。
図4】底板または棚板の概略構成を示す模式図。
図5】情報処理装置におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図6】変形例における商品棚を正面側から見た模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、物品棚が有する多段の棚板に載置されている各種物品の数量情報を把握することができる情報処理装置及び物品棚の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態では、商品棚に陳列された各種商品の数量情報を把握可能にした店舗を対象とする。
【0011】
図1は、上記店舗に設けられる情報処理装置10の一実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インタフェース14、インタフェース15、カメラコントローラ16、報知装置17、システム伝送路18、1以上の重量センサ20及び1以上のカメラ30を備えている。重量センサ20は、インタフェース15と接続している。カメラ30は、カメラコントローラ16と接続している。プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インタフェース14、インタフェース15、カメラコントローラ16及び報知装置17は、それぞれシステム伝送路18と接続している。システム伝送路18は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。情報処理装置10では、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13がシステム伝送路18で接続されて、情報処理装置10を制御するための情報処理を行うコンピュータが構成される。
【0012】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステムまたはアプリケーションプログラムに従って、情報処理装置10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0013】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムまたはアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。プロセッサは、メインメモリ12の揮発性のメモリ領域を、データが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0014】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いる。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ11での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス13は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0015】
例えば、補助記憶デバイス13は、商品データベース(図1では、商品DBと記す。)131を記憶する。商品データベース131は、各商品の商品コードと関連付けて、商品情報、位置情報、最大陳列数情報、補充判断数情報、在庫数情報、発注判断数情報、発注先情報、等を記憶する。商品情報は、外観特徴量データや単位重量データ等の商品自体に関する情報である。かくして、商品データベース131は、商品の単位重量を記憶した第1の記憶部として機能する。位置情報は、当該商品の陳列位置を示す情報である。最大陳列数情報は、当該商品の陳列可能な最大数を示す情報であり、商品を陳列するスペースと商品のサイズとにより一意に定まる。補充判断数情報は、商品を陳列する商品棚に当該商品を補充するか否かを判断するための閾値であり、その個数は任意に決めて良い。在庫数情報は、各商品のバックヤード分も含めた在庫数を示す情報である。発注判断数情報は、当該商品を発注するか否かを判断するための閾値であり、その個数は任意に決めて良い。発注先情報は、当該商品の発注先、発注方法及び発注数などの情報である。商品コードは、各商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意の識別コードである。各商品の陳列場所には、予め固有の場所コードが設定されている。商品の陳列位置を示す位置情報は、この場所コードを利用することができる。ここでは、一つの商品データベース131に商品情報と位置情報をはじめとする各種情報とを記憶するものとしているが、商品情報を除いた各種情報のうちの1以上は、商品データベース131とは別のデータベースに記憶しても良い。
【0016】
さらに、補助記憶デバイス13は、重量センサテーブル(図1では、重量STと記す。)132を記憶する。重量センサテーブル132は、各重量センサ20の識別コードと関連付けて、当該重量センサ20の設置位置を示す位置情報と、初期測定データとして商品が陳列されていない状態で測定した無負荷重量データと、を記憶する。かくして、重量センサテーブル132は、初期測定データを記憶する第2の記憶部として機能する。この重量センサテーブル132における位置情報も、商品の陳列場所を示す場所コードを利用して良い。なお、重量センサテーブル132は、補助記憶デバイス13ではなく、メインメモリ12に記憶しても良い。
【0017】
通信インタフェース14は、通信手段であるネットワークを介して接続された他の機器とデータ通信を行うための回路である。通信手段は、例えばLAN(Local Area Network)である。LANは、有線LANであっても良いし、無線LANであっても良い。商品データベース131は、補助記憶デバイス13に設ける代わりに、通信インタフェース14により通信可能な他の機器に設けても良い。
【0018】
インタフェース15は、重量センサ20からの信号を入力する。重量センサ20は、後述するように、商品を陳列するための複数段の棚板に設けられ、棚板に陳列されている商品の重量を検出する。
【0019】
カメラコントローラ16は、カメラ30を制御する。そしてカメラコントローラ16は、カメラ30で撮影された画像を取り込む。カメラ30は、後述するように、商品棚の正面上方に設置され、商品棚の棚板に陳列されている商品を撮影する。カメラ30は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラである。
【0020】
報知装置17は、情報処理装置10のユーザである店員などに各種の情報を提供する。報知装置17は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置、スピーカ、ランプ、等であって良い。
【0021】
かかる構成の情報処理装置10においては、プロセッサ11は、重量センサ20の測定データと重量センサテーブル132に記憶されている情報とに基づいて、商品の個数を検出する。具体的には、プロセッサ11は、重量センサ20の測定データである重量データに変化が有ったとき、重量データから重量センサテーブル132に記憶された無負荷重量データを減算する。そして、プロセッサ11は、その減算結果を商品データベース131に記憶された単位重量データで除算することにより、商品の個数を取得する。また、重量センサ20の測定データの変化前後の変位量を単位重量データで除算することで、変化した個数を取得することができる。よって、重量データ変化前の商品の個数を記憶しておき、この変化した個数で記憶している個数を更新することによっても、変化後の商品の個数を取得することができる。
【0022】
また、プロセッサ11は、カメラ30の撮影データに基づいて、商品の個数を検出する。具体的には、プロセッサ11は、カメラ30で撮影された画像に変化が有ったとき、商品データベース131より、その変化位置に対応する位置情報を持つ商品を特定する。そして、プロセッサ11は、商品データベース131より、カメラ30で撮影された画像中から、該当商品の商品画像の特徴量を持つ商品を抽出する。この抽出した商品の数を計数することで、プロセッサ11は、商品の個数を取得することができる。
【0023】
ここで、情報処理装置10が適用された商品棚の一例について、図2乃至図4を用いて説明する。図2は、各種商品が陳列される商品棚40を正面側から見た模式図であり、図3は、カメラ30の撮影範囲と重量センサ20の配置領域との関係を示す模式図であり、図4は、商品棚40の棚板41の概略構成を示す模式図である。
【0024】
商品棚40は、複数段の棚板41を備える。なお、最下段の板は底板と称される場合もあるが、本実施形態は、商品を陳列する板を棚板41と総称する。図2及び図3では、最下段の棚板41と天板42との間を2つの棚板41で仕切った3段構成の商品棚40を例示している。本実施形態では、商品棚40に対して商品を出し入れする側を手前側または第1の端側と称する。商品棚40は、この手前側を除く3面に背面板43と側板44を有し、棚板41は、背面板43から手前側へ延伸する。各棚板41は、複数、図2の例では8つの区画に分けられており、1つの区画に1種類の商品が陳列される運用となっている。すなわち、各区画は、手前側から奥行方向に延びる第1の領域51(図4参照)に、奥行方向に同一商品を並べて載置する。なお、商品棚40は、背面板43を有しなくても良い。
【0025】
カメラ30は、図2の例では、各商品棚40に対応して1台ずつ設けられる。カメラ30は、商品棚40の手前側上方の、例えば天井60に取り付ける。これより、カメラ30は、商品棚40の手前側を撮影することで、各棚板41に陳列されている商品を撮影する。この場合、カメラ30は、商品棚40に対して上方に位置している。そのため、図4に一点鎖線で示すように、各棚板41に対するカメラ30の撮影範囲は、天板42または上段の棚板41によって、棚板41の奥行方向が制限される。よって、カメラ30は、棚板41の第1の領域51全てを撮影することはできず、第1の領域51のうちの制限された撮影範囲である第2の領域52を撮影することになる。
【0026】
この第2の領域52は、複数段の棚板41毎に異なる。すなわち、奥行方向に沿った第2の領域52の大きさは、商品棚40の下段の棚板41ほど上段の棚板41よりも小さい。逆に言えば、第1の領域51のうちの第2の領域52から外れた第3の領域53の奥行方向に沿った大きさは、商品棚40の下段の棚板41ほど上段の棚板41よりも大きい。
【0027】
カメラ30は、棚板41の奥行方向に沿った第1の領域51のうち、第2の領域52に陳列された商品については撮影することができる。しかしながら、カメラ30は、第3の領域53に陳列された商品を撮影することができない。そこで、この第3の領域53に重量センサ20を設置する。重量センサ20は、図4に示すように、棚板41の第3の領域53に設置される。そして、その重量センサ20の上面をカバーするように、化粧板45が搭載される。従って、商品が陳列されていない状況でも、重量センサ20は化粧板45の重量を測定している。この化粧板45の重量を示す重量データが、初期測定データとして重量センサテーブル132に記憶される。
【0028】
また、棚板41の第2の領域52には、重量センサ20と化粧板45の厚みに対応する厚さを有する化粧板46が載置され、重量センサ20及び化粧板45による段差を無くすようにしている。
【0029】
以上は、棚板41の奥行方向に関する説明である。次に、棚板41の奥行方向と直交する方向である横方向について説明する。
【0030】
図2に示すように、各棚板41には、それぞれ1種類の商品が陳列される区画が、奥行方向と直交する方向である横方向に、複数並んでいる。カメラ30は、商品棚40に対して前方且つ上方に位置している。カメラ30の撮影範囲は、上方から下方に行くにつれて徐々に広がっていく。そのため、商品棚40の上方の棚板41における撮影範囲と、下方の棚板41における撮影範囲とは異なる。カメラ30の天井60への取り付け角度を調整することにより、図2に一点鎖線で示すように、各棚板41の全ての区画を、カメラ30の撮影範囲内に納めることができる。従って、複数段の棚板41において、同じ棚板41の横方向に並ぶ区画は、同じ第2の領域を持つ。このように、1つの棚板41は、各区画の第2及び第3の領域が同じであるので、同じ重量センサ20及び化粧板45、46を有することとなる。
【0031】
図5は、情報処理装置10におけるプロセッサ11の要部制御手順を示す流れ図である。以下、この図を用いて、情報処理装置10の動作について説明する。なお、以下に説明する動作の手順及びその内容は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順及び内容は限定されるものではない。
【0032】
まず、プロセッサ11は、各重量センサ20の測定データより、各商品棚の各区画の初期測定データとして無負荷重量データを取得して、重量センサテーブル132に記憶する(ACT1)。
【0033】
その後、プロセッサ11は、各カメラ30の撮影データを取得し、メインメモリ12に一時保存する(ACT2)。メインメモリ12は、各カメラ30の撮影データを少なくとも2フレーム分記憶することができる。かくして、プロセッサ11は、カメラから撮影データを取得する第1の取得部として機能する。
【0034】
次に、プロセッサ11は、前回撮影した撮影データにおける各商品棚40の画像と、今回撮影した撮影データにおける各商品棚40の画像とを比較する。プロセッサ11は、両画像間に差異が有るか否かにより、商品棚40に変化が有ったか否か、つまり商品棚40から商品が取り出された、あるいは、返却または補充されたか否か判断することができる。プロセッサ11は、複数のカメラ30のうちの何れかにおいて、変化が有ったか否か判断する(ACT3)。ここで、変化が有った場合(ACT3のYES)、プロセッサ11は、ACT7の処理へ進む。
【0035】
変化が無い場合(ACT3のNO)、プロセッサ11は、各重量センサ20の測定データを取得し、メインメモリ12に一時保存する(ACT4)。メインメモリ12は、各重量センサ20の測定データを少なくとも測定2回分記憶することができる。かくして、プロセッサ11は、重量センサから測定データを取得する第2の取得部として機能する。
【0036】
次に、プロセッサ11は、前回の測定データである重量データと、今回の測定データである重量データとを比較する。プロセッサ11は、両重量データ間に差異が有るか否かにより、商品棚40に変化が有ったか否か、つまり商品棚40から商品が取り出された、あるいは、返却または補充されたか否か判断することができる。プロセッサ11は、複数の重量センサ20のうちの何れかにおいて、変化が有ったか否か判断する(ACT5)。ここで、変化が有った場合(ACT5のYES)、プロセッサ11は、ACT7の処理へ進む。
【0037】
変化が無い場合(ACT5のNO)、プロセッサ11は、報知装置17によって商品補充を報知済みであるか否か判断する(ACT6)。ここで、報知済みであれば(ACT6のYES)、プロセッサ11は、ACT12の処理へ進む。これに対して、報知済みでなければ(ACT6のNO)、プロセッサ11は、上記ACT2の処理へ戻る。
【0038】
複数のカメラ30の画像または複数の重量センサ20の重量データの何れかにおいて変化が有った場合(ACT3またはACT5のYES)、プロセッサ11は、複数の商品棚40のうち、何れの棚板41の何れの区画で変化が有ったのかを特定する(ACT7)。例えば、変化が有ったのがカメラ30の画像であれば、プロセッサ11は、そのカメラ30の位置により商品棚40を特定し、画像中の変化位置より棚板41の区画を特定する。また、変化が有ったのが重量センサ20の重量データであれば、プロセッサ11は、その重量センサ20の位置により商品棚40、棚板41及び区画を特定する。
【0039】
次に、プロセッサ11は、商品データベース131を参照して、その区画に陳列されている商品を特定する(ACT8)。
【0040】
その後、プロセッサ11は、その特定した区画に陳列されているその特定した商品について、商品数を検出する(ACT9)。具体的には、プロセッサ11は、例えば、上記ACT2で取得した重量データから重量センサテーブル132に記憶された無負荷重量データを減算し、その減算結果を商品データベース131に記憶された単位重量データで除算することにより、商品の個数を取得する。また、プロセッサ11は、例えば、商品データベース131より、カメラ30で撮影された画像中から、該当商品の商品画像の特徴量を持つ商品を抽出し、この抽出した商品の数を計数することで、商品の個数を取得する。プロセッサ11は、こうして取得した商品の個数を合算することで、棚板41の該当区画に陳列されている商品の個数を求める。かくして、プロセッサ11は、商品の数を検出する検出部として機能する。
【0041】
次に、プロセッサ11は、検出した商品の陳列個数より、商品棚40へ当該商品の補充が必要か否か判断する(ACT10)。プロセッサ11は、検出した個数が、商品データベース131に記憶された当該商品の補充判断数情報で示される閾値よりも少なくなったか否かにより、これを判断することができる。補充が必要ではない場合には(ACT10のNO)、プロセッサ11は、さらに、報知装置17によって商品補充を報知済みであるか否か判断する(ACT11)。ここで、報知済みでなければ(ACT11のNO)、プロセッサ11は、上記ACT2の処理へ戻る。
【0042】
一方、商品の補充が必要な場合には(ACT10のYES)、プロセッサ11は、報知装置17によって商品補充を報知する(ACT12)。かくして、プロセッサ11は、商品の数が閾値個数よりも少ないとき、商品棚40への商品の補充が必要であることを報知する報知部として機能する。
【0043】
その後、プロセッサ11は、当該商品の発注が必要であるか否か判断する(ACT13)。プロセッサ11は、商品データベース131に記憶されている当該商品の在庫数情報及び発注判断数情報に基づいて、これを判断する。商品が商品棚40から取り出されてから、当該商品の決済が済んで在庫数情報に反映されるまでには、タイムラグがある。しかしながら、発注については、商品補充ほど短期間で行う必要がないので、このタイムラグは無視しても良い。発注が必要でない場合には(ACT13のNO)、プロセッサ11は、上記ACT2の処理へ戻る。
【0044】
発注が必要な場合には(ACT13のYES)、プロセッサ11は、商品データベース131に記憶されている当該商品の発注先情報に基づいて、通信インタフェース14により、発注先へ商品の自動発注依頼を行う(ACT14)。その後、プロセッサ11は、上記ACT2の処理へ戻る。
【0045】
なお、報知に応じて商品補充が行われた場合には、上記ACT10において補充が必要でないと判断され(ACT10のNO)、上記ACT11において報知済みであると判断される(ACT11のYES)。よって、このような場合には、プロセッサ11は、報知装置17による報知を終了する(ACT15)。その後、プロセッサ11は、上記ACT2の処理へ戻る。
【0046】
以上の説明から明らかなように、情報処理装置10のプロセッサ11は、第1の領域51に奥行方向に同一商品を並べてそれぞれ載置する複数段の棚板41を備える商品棚40の第1の端側を撮影する1台のカメラ30から撮影データを取得する。また、プロセッサ11は、複数段の棚板41のそれぞれにおける第1の領域51のうち、複数段の棚板41毎に異なるカメラ30の撮影範囲である第2の領域52から外れた第3の領域53にそれぞれ配置されている複数の重量センサ20から測定データを取得する。そしてプロセッサ11は、取得された撮影データ及び取得された測定データに基づいて、商品棚40の第2及び第3の領域52,53のそれぞれの商品の数を検出する。プロセッサ11は、複数の商品棚40について、同様にして、商品の数を検出する。
【0047】
このように、情報処理装置10のプロセッサ11は、商品棚40が有する多段の棚板41に載置されている各種商品の数量情報を把握することができる。
【0048】
また、プロセッサ11は、検出した商品の数が閾値個数よりも少ないとき、商品棚40への商品の補充が必要であることを報知装置17により報知する。
【0049】
このように、商品補充が必要なときには、それを店員等に報知することで、商品の補充が速やかに実施させることが期待される。よって、商品棚40に商品欠損が発生して、商品の販売機会を逃すおそれを少なくすることができる。
【0050】
さらに、プロセッサ11は、商品の在庫数が少なくなって発注が必要となると、通信インタフェース14により発注先へ自動発注依頼を送信することができる。
【0051】
以上、商品棚40が有する多段の棚板41に載置されている各種商品の数量情報を把握することができる情報処理装置10及び商品棚40の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0052】
図6は、変形例における商品棚を正面側から見た模式図である。このように、各商品棚40に対して複数のカメラ30を対応させても良い。特に、商品棚40の棚板41の横方向のサイズが長い場合には、このような構成を採用することで、何れのカメラ30の撮影範囲にも入らない区画を無くすことができる。
【0053】
また、特に図示はしないが、これとは逆に、1台のカメラ30で複数の商品棚40を撮影するようにしても良い。
【0054】
なお、一実施形態では、1種類の商品が1区画に陳列されるものとしたが、1種類の商品が複数区画を利用して陳列されても良い。この場合は、プロセッサ11は、各区画の商品個数を合算することで、各商品の総数を検出することができる。
【0055】
また、上記ACT2及び3の処理と上記ACT4及び5の処理とは、順番が逆でも良い。あるいは、上記ACT2の処理と上記ACT4の処理を実施後、上記ACT3の処理と上記ACT5の処理を実施するようにしても良い。この場合も、上記ACT4の処理を先に実施してから上記ACT2の処理を実施するようにしても良いし、上記ACT5の処理を先に実施してから上記ACT3の処理を実施するようにしても良い。
【0056】
また、商品棚40の棚板41は、3段に限らない。商品棚40における棚板41の段数を変更可能とするために、重量センサ20及び化粧板45、46として様々なサイズのものを用意しておき、棚板41に交換載置するようにしても良い。
【0057】
また、一実施形態は、商品棚40に陳列された商品の数を把握する例を説明したが、商品以外の物品であっても良い。すなわち、情報処理装置10は、物品棚に収容された物品の個数を把握するものであっても良い。
【0058】
この他、各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
10…情報処理装置、 11…プロセッサ、 12…メインメモリ、 13…補助記憶デバイス、 14…通信インタフェース、 15…インタフェース、 16…カメラコントローラ、 17…報知装置、 18…システム伝送路、 20…重量センサ、 30…カメラ、 40…商品棚、 41…棚板、 42…天板、 43…背面板、 44…側板、 45,46…化粧板、 51…第1の領域、 52…第2の領域、 53…第3の領域、 60…天井、 131…商品データベース(商品DB)、 132…重量センサテーブル(重量ST)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6