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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】小麦ふすま加工品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20240408BHJP
   A23L 7/104 20160101ALI20240408BHJP
   A21D 2/36 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A23L7/10 Z
A23L7/104
A21D2/36
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020046051
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021145572
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 由雄
(72)【発明者】
【氏名】大楠 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 克広
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103749959(CN,A)
【文献】特許第6554714(JP,B1)
【文献】特開2016-054649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A21D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理した小麦ふすま100質量部に対し、乳酸菌懸濁液70~90質量部を加えて乳酸発酵を行なう、乳酸発酵工程、及び
乳酸発酵後の小麦ふすまを品温90℃~120℃の条件で焙煎し、水分含量が2~10%の焙煎品を得る、焙煎工程
を含む、小麦ふすま加工物の製造方法。
【請求項2】
前記熱処理が熱風、マイクロウェーブ、加熱水蒸気、又は加圧加熱水蒸気による熱処理である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
乳酸発酵工程は、小麦ふすま、乳酸菌、及び水以外の原料を実質的に添加しない条件下で行なわれる、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
焙煎工程後の小麦ふすま乳酸発酵物を粒度2mm以下に粉砕する粉砕工程をさらに含む、請求項1~3記載の方法。
【請求項5】
前記熱処理した小麦ふすまは、粒度を調整していない小麦ふすまである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
小麦ふすまが赤小麦のふすまである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法により、小麦ふすま加工物を製造する工程、及び製造した小麦ふすま加工物を添加して小麦加工食品を製造する工程を含む、小麦加工食品の製造方法
【請求項8】
前記小麦加工食品がベーカリー食品である、請求項記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦ふすま加工品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小麦ふすまは、食物繊維、ミネラル、ビタミンを豊富に含むことから、健康維持のために利用すべく、食品に添加する試みが数多くなされてきた。しかし、小麦ふすまには特有の臭気(ふすま臭)があり、食感もざらざらしており、食味が悪い。そのため、小麦ふすまを食品素材として活用するためには、食味の改善が大きな課題となっている。
【0003】
小麦ふすまを食品素材として活用するための加工方法として、種々の手法が開発されている。例えば、特許文献1には、小麦ふすまに糖を添加して乳酸発酵を行なうことにより、不快な穀物臭を除去し風味と食感を改善できたことが記載されている。特許文献2には、小麦ふすま全体の85%以上が粒径250μm~1500μmに入るように粒度を調整して焙煎した後、ブドウ糖や酵母エキスを添加して乳酸発酵させることにより、食味が改善できたことが記載されている。特許文献3には、脱脂小麦ふすま100質量部に対し82質量部又は122質量部の水を添加して加熱処理することにより、小麦ふすまの吸水性を低減してふすま臭や舌上に感じる残留感も低減し、食べやすい風味に改質できたことが記載されている。
【0004】
特許文献1記載の方法では、乳酸発酵工程において前培養(前発酵)と本培養(本発酵)が行われており、乳酸発酵工程全体に長時間を要する。乳酸発酵時に添加する水も多く、前発酵では小麦ふすま100gに対し水1000g、本発酵では小麦ふすま1500gに対し水6000gと前発酵液750gを添加して乳酸発酵が行われている。そのため、乳酸発酵物の乾燥にも長時間を要し、そのためのエネルギー消費も必然的に多くなる。また、乳酸発酵工程では、乳酸菌のための炭素源としてブドウ糖が添加されている。特許文献2記載の方法でも、乳酸発酵工程において、焙煎小麦ふすま5gに対し100gの水を添加して前培養を行なった後に本培養が行われており、また、乳酸菌のための炭素源等の栄養素としてブドウ糖や酵母エキスも添加されている。特許文献2記載の方法において、乳酸発酵工程の前に行なわれる小麦ふすまの焙煎は、実施例では1時間かけて行われており、乳酸発酵前の焙煎時間も長い。特許文献3記載の方法は、小麦ふすまの欠点がある程度改善されるものの、風味の向上という点では効果が十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-191881号公報
【文献】特許第6427365号公報
【文献】特開2017-112990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2の方法では、小麦ふすまを乳酸発酵させることにより、ふすま臭や食感のざらつき等の問題がある程度は解消するが、乳酸発酵物の水分が多い、前培養が必要である等、製造のための時間やエネルギー消費が多い。食品素材として利用できる小麦ふすま加工物を商業規模で製造するためには、より効率的な製造方法を開発することが望まれる。本発明は、従来法よりも低コストで効率的な製造工程により、小麦ふすまのふすま臭や食感のざらつき等を軽減して風味・食感を改善できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、小麦ふすまの乳酸発酵時に添加する水分量を抑制し、固体培養の状態で乳酸発酵を行なうことにより、発酵前の小麦ふすまの粒度の調整や前培養などの手間をかけることなく、また乳酸菌のための栄養素を別途添加することもなく、風味・食感が改善された小麦ふすま加工物を製造できることを見出し、本願発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、熱処理した小麦ふすま100質量部に対し、乳酸菌懸濁液70~90質量部を加えて乳酸発酵を行なう、乳酸発酵工程、及び乳酸発酵後の小麦ふすまを品温90℃~120℃の条件で焙煎し、水分含量が2~10%の焙煎品を得る、焙煎工程を含む、小麦ふすま加工物の製造方法を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の方法により、小麦ふすま加工物を製造する工程、及び製造した小麦ふすま加工物を添加して小麦加工食品を製造する工程を含む、小麦加工食品の製造方法を提供する。

【発明の効果】
【0009】
本発明により、風味・食感が改善された小麦ふすま加工物を従来法よりも低コストで効率的な製造工程により製造する技術が提供される。本発明の方法により得られる小麦ふすま加工品は、ふすま臭、エグミ、食感のざらつきが軽減され、風味が向上しているので、食品素材として好ましく用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の小麦ふすま加工物の製造方法は、熱処理した小麦ふすま100質量部に対し、乳酸菌懸濁液70~90質量部を加えて乳酸発酵を行なう、乳酸発酵工程と、乳酸発酵後の小麦ふすまを焙煎する焙煎工程を含む。
【0011】
小麦ふすまは、小麦粉の製粉工程で除去される小麦の表皮の部分であり、小麦粉製造時に副産物として発生する。本発明においては、特許文献2に記載の方法のように、小麦ふすまの粒度を調整する必要はない。小麦ふすまが由来する小麦の種類は特に限定されず、小麦粉の原料として使用される種々の小麦が包含される。具体的には、硬質小麦、準硬質小麦、中間質小麦、軟質小麦のいずれでもよく、また、赤小麦でも白小麦でもよい。
【0012】
小麦ふすまの熱処理方法は、小麦ふすまを粉末状態で加熱する方法であれば特に限定されない。具体的には、加熱した空気等の加熱ガスで小麦ふすまを処理する、熱風による熱処理;マイクロウェーブによる熱処理;加熱した水蒸気で小麦ふすまを処理する、加熱水蒸気による熱処理;加圧下で加熱水蒸気による処理を行なう、加圧加熱水蒸気による熱処理などが挙げられる。熱処理の温度及び時間は、小麦ふすま中の菌数を低減できる温度及び時間であればよい。具体的には、80℃~180℃程度、例えば100℃~180℃程度、又は110℃~160℃程度の温度で、3分間~15分間程度、例えば3分間~10分間程度熱処理を行えばよい。マイクロウェーブ処理の場合は、上記の品温を上記の時間維持できるようにワット数と照射時間を調整して処理を行えばよい。
【0013】
乳酸菌発酵工程では、熱処理した小麦ふすま100質量部に対し、乳酸菌懸濁液70~90質量部、例えば70~80質量部、又は72~78質量部を加えて混合し、乳酸発酵を行なう。乳酸菌懸濁液は、水に乳酸菌を懸濁して調製すればよい。熱処理した小麦ふすま100質量部に対して使用する乳酸菌懸濁液には、乳酸菌が1×106~1×109 cfu/ml程度、例えば5×106~1×108 cfu/ml程度の濃度で含まれていればよい。言い換えると、乳酸発酵工程では、熱処理した小麦ふすま100質量部に対し、70~90質量部、例えば70~80質量部の水と、この水中の濃度が1×105~1×109 cfu/ml程度、例えば5×106~1×108 cfu/ml程度となる量の乳酸菌とを添加混合して乳酸発酵を行えばよい。熱処理小麦ふすま100質量部に対し70~90質量部の水(乳酸菌懸濁液)を添加すると、水分が少ないため、固体発酵(固体培養)の状態で乳酸発酵が行われることになる。特許文献1、2に記載される小麦ふすま乳酸発酵物の製造方法では、本培養(本発酵)に先立ち、小麦ふすまに対し10倍~20倍の量の水を添加して前培養(前発酵)が行われている。前発酵は発酵液の水分が非常に多く、液体培養(液体発酵)に該当する。本発明の方法では、このような前発酵の工程は不要であり、液体発酵を経ることなく乳酸発酵が行われる。
【0014】
使用する乳酸菌の種類は特に限定されず、従来より食品分野で利用されている1種又は2種以上の乳酸菌株を用いることができる。本発明で使用できる乳酸菌の具体例を挙げると、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・ブレビス(L. brevis)、ラクトバチルス・ロイテリ(L. reuteri)、ラクトバチルス・アシドフィルス(L. acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(L. casei)、ラクトバチルス・ラムノサス(L. rhamnosus)、ラクトバチルス・プランタラム(L. plantarum)、ラクトバチルス・ファーメンタム(L. fermentum)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L. paracasei)、ラクトバチルス・ブルガリクス(L. delbr bulgaricus)、ラクトバチルス・デルブルエッキー(L. delbrueckii)、ラクトバチルス・ブフネリ(L. buchneri)等のラクトバチルス属乳酸菌;ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)等のラクトコッカス属乳酸菌;ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)等のストレプトコッカス属乳酸菌等が挙げられるが、これらに限定されない。種々の乳酸菌が食品原料等として、凍結乾燥品等の形態で販売されており、そのような市販品を好ましく用いることができる。
【0015】
本発明においては、乳酸発酵において、乳酸菌の栄養素となる原料(例えば、ブドウ糖等の炭素源、酵母エキス等)を別途添加する必要はない。すなわち、本発明において、乳酸発酵工程は、小麦ふすま、乳酸菌、及び水以外の原料を実質的に添加しない条件下で行なわれる。
【0016】
乳酸発酵工程の発酵温度は、使用する乳酸菌の種類に応じて適宜選択することができるが、通常は25℃~40℃程度、例えば28℃~35℃程度である。発酵時間は10~30時間程度、例えば15~25時間程度でよい。発酵中の発酵物のpHはpH3.8~5.5程度、例えばpH4.0~5.0程度の範囲を維持できればよい。
【0017】
乳酸発酵工程の後に行なわれる焙煎工程では、乳酸発酵後の小麦ふすまを焙煎する。品温90℃~120℃、例えば100℃~110℃の条件で、水分含量が2~10%程度になるまで焙煎を行なうことが好ましい。本発明の方法では乳酸発酵が固体発酵により行われ、乳酸発酵物の水分含量が抑えられているため、焙煎に長時間を要さず、エネルギー消費を抑えることができる。具体的な焙煎時間は、焙煎工程に供する乳酸発酵物の量に応じて異なり得るが、上記品温となる条件で焙煎した場合、数十分程度、例えば20分~60程度焙煎を行えば、水分含量が2~10%程度の焙煎品を得ることができる。焙煎には、パドルドライヤー(奈良機械製作所)、流動層乾燥機(奈良機械製作所、大川原製作所)などを好ましく用いることができる。
【0018】
焙煎後の小麦ふすま乳酸発酵物は、そのまま小麦ふすま加工品として提供することもできるが、焙煎工程後に乳酸発酵物を粒度2mm以下に粉砕する粉砕工程を実施してもよい。商業規模での製造においては、焙煎後の乳酸発酵物の粉砕には、マキノ式粉砕機DD型(牧野産業株式会社)、ターボミル(フロント・ターボ株式会社)、ジェットミル(株式会社セイシン企業)などを好ましく用いることができる。
【0019】
本発明の方法により得られる小麦ふすま加工品は、ふすま臭、エグミ、食感のざらつきが軽減されるので、食品素材として好ましく使用することができる。小麦ふすま加工品をそのまま食品素材などとして提供することもできるし、あるいは、コムギ加工食品の原材料の1つとして本発明の小麦ふすま加工品を添加し、コムギ加工食品を製造することができる。コムギ加工食品の具体例として、パン類・ケーキ類・ピザ類を含むベーカリー食品、うどんや焼きそば等の麺類(生麺又は調理済み麺類)、饅頭類、パイ生地・パン生地・クッキー生地等の冷凍食品を挙げることができる。ベーカリー食品の具体例として、食パン、フランスパン、ロールパン、菓子パンなどのパン類;イーストドーナツなどの揚げパン類;蒸パン類;ピザパイ等のピザ類;スポンジケーキなどのケーキ類;クッキー、ビスケットなどの焼き菓子類などが挙げられるが、これらに限定されない。
【実施例
【0020】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0021】
(参考例1:発酵条件(加水量)の検討)
140℃で5分間熱処理(パドルドライ)した赤小麦の小麦ふすまを400g量り取り、ビニール袋(商品名:ジップロック)に入れた。この小麦ふすま400gに対し、乳酸菌スターター(商品名:サンエイラクトMMF-LS151、Lactobacillus sakeiの濃縮凍結品、菌数約1.5 x 109 cfu、サンエイ糖化株式会社製)を水に懸濁して200g、250g、300g、400g、又は600gとした乳酸菌スターター懸濁液を投入して良く混合した後、30℃の恒温槽に入れて20時間静置した。この乳酸発酵ふすまを、6取り天板(底面530×380mm)に引いたわら半紙の上に均一に広げ、150℃に熱したデッキオーブン(オシキリ社製)で水分が十分に蒸発するまで焙煎した。
【0022】
各種条件で製造した乳酸発酵・焙煎ふすまを用いてパンを作成し、食味を調べたところ、200g、250gの乳酸菌スターター懸濁液を混合した場合は、発酵物のpHの低下が十分進まず、風味、酸味が劣った。熱処理した小麦ふすま400gに400g、600gの乳酸菌スターター懸濁液を混合した場合は、焙煎時間がかかり効率が悪く、焙煎後の褐変が強く品質が低下した。乳酸発酵の程度、焙煎時間のバランスは、熱処理した小麦ふすま100質量部に対して、乳酸菌スターター懸濁液70-80質量部混合する場合が良好であった。
【0023】
(実施例1)
140℃で5分間熱処理(パドルドライ)した小麦ふすまを400g量り取り、ビニール袋(商品名:ジップロック)に入れた。この小麦ふすまに、乳酸菌スターター(商品名:サンエイラクトMMF-LS151)を水に懸濁した懸濁液300g(濃度:5x106cfu/ml)を投入して良く混合した後、30℃の恒温槽に入れて20時間静置した。この乳酸発酵ふすまを、6取り天板(底面530×380mm)に引いたわら半紙の上に均一に広げ、150℃に熱したデッキオーブン(オシキリ社製)で焙煎した。15分間入れたのちに天板を取り出し、均一に混合した後に再度150℃に熱したオーブンに15分間入れた。天板を取り出したのちに、重量が400gに減少するまで、5-10分間焙煎した。焙煎したこの乳酸発酵ふすまを、放冷し乳酸発酵・焙煎ふすまを得た。
この乳酸発酵・焙煎ふすまを、気流粉砕機(西村機械製作所)の回転数7000rpmで微粉砕した。こうして乳酸発酵・焙煎ふすまのサンプル(微粉砕物、含水量5%)を得た。
【0024】
(実施例2)
実施例1で調製した焙煎、放冷後の乳酸発酵・焙煎ふすまを粗く衝撃粉砕し、それを篩によって1-2mmの粒度にそろえたサンプル(粗破砕物、含水量5%)を得た。
【0025】
(比較例1)
生の小麦ふすまを気流粉砕機(西村機械製作所)で回転数7000rpmにて微粉砕し、サンプルを得た。
【0026】
(比較例2)
140℃で5分間熱処理(パドルドライ)した小麦ふすまを気流粉砕機(西村機械製作所)で回転数7000rpmにて微粉砕し、サンプルを得た。
【0027】
(比較例3)
140℃で5分間熱処理(パドルドライ)した小麦ふすま400gに水を300g混合して、実施例1と同様にデッキオーブンで焙煎し、気流粉砕機(西村機械製作所)で回転数7000rpmにて微粉砕し、サンプルを得た。
【0028】
(試験例1)
表1に示すように、実施例1、2、比較例1~3のサンプルのいずれか100gを配合して、表2に従って、フランスパンを焼成した。それぞれ調製したパンに関し、パンの外観、食味、香味、エグミ、ふすま臭、食感について官能試験を行った。評価基準は、下記表3に記載の通りに4段階による相対評価とした。その結果を表4に示した。実施例のサンプルAは、食味・風味、ふすま臭、エグミ、食感、項目で、比較例よりも良い評価となった。さらに、酸味が比較例より好ましい特徴となり、粒度で感じる酸味の程度を調整することができた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】