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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】人力駆動車用のコンポーネント
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/42 20200101AFI20240408BHJP
   B62J 45/41 20200101ALI20240408BHJP
   B62M 6/50 20100101ALI20240408BHJP
   G01B 7/16 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B62J45/42
B62J45/41
B62M6/50
G01B7/16 R
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020076936
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2021172208
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】藤村 慎也
(72)【発明者】
【氏名】高山 仁志
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-144614(JP,A)
【文献】特開2019-128183(JP,A)
【文献】特開平11-148946(JP,A)
【文献】特開昭58-044303(JP,A)
【文献】特開2019-095338(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0233091(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0203385(US,A1)
【文献】特開2017-116281(JP,A)
【文献】特開2018-138915(JP,A)
【文献】特開2020-001685(JP,A)
【文献】特表2017-533442(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0346318(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 45/40-45/42
B62M 6/50
G01B 7/16- 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
コンポーネント本体と、
前記コンポーネント本体に設けられる単一の基材と、
前記基材に形成され、前記基材の一部とともにひずみゲージを構成する抵抗体と、
前記基材に形成され、前記抵抗体に電気的に接続される電気配線と、
前記基材に形成または直接実装され、前記電気配線に電気的に接続される信号処理部と、
前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、
前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電力入力部と、を備え、
前記基材に形成または実装される、温度センサをさらに含み、
前記抵抗体は、第1抵抗体と、第2抵抗体と、を含み、
前記温度センサは、少なくとも一部が前記第1抵抗体と、前記第2抵抗体との間の領域に配置される、コンポーネント。
【請求項2】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
コンポーネント本体と、
前記コンポーネント本体に設けられる単一の基材と、
前記基材に形成され、前記基材の一部とともにひずみゲージを構成する抵抗体と、
前記基材に形成され、前記抵抗体に電気的に接続される電気配線と、
前記基材に形成または直接実装され、前記電気配線に電気的に接続される信号処理部と、
前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、
前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電力入力部と、を備え、
前記基材に形成または実装される、温度センサをさらに含み、
前記基材の厚み方向から見て、前記温度センサの少なくとも一部は、前記抵抗体の少なくとも一部に重なるように配置される、コンポーネント。
【請求項3】
前記抵抗体は、第1抵抗体と、第2抵抗体と、を含み、
前記温度センサは、少なくとも一部が前記第1抵抗体と、前記第2抵抗体との間の領域に配置される、請求項2に記載のコンポーネント。
【請求項4】
前記信号処理部は、アンプ、および、ADコンバータの少なくとも1つを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項5】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
コンポーネント本体と、
前記コンポーネント本体に設けられる単一の基材と、
前記基材に形成され、前記基材の少なくとも一部とともにひずみゲージを構成する抵抗体と、
前記基材に形成または実装される温度センサと、
前記抵抗体に電気的に接続される信号処理部と、
前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、
前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電力入力部と、を備え、
前記抵抗体は、
前記基材の第1部分とともに第1ひずみゲージを構成する第1抵抗体と、
前記基材の第2部分とともに第2ひずみゲージを構成する第2抵抗体と、含み、
前記温度センサの少なくとも一部は、前記基材のうち、前記第1部分と前記第2部分とを接続する接続部において、前記第1抵抗体と前記第2抵抗体との間の領域に配置される、コンポーネント。
【請求項6】
前記基材の厚み方向から見て、前記温度センサの少なくとも一部は、前記抵抗体の少なくとも一部に重なるように配置される、請求項1または5に記載のコンポーネント。
【請求項7】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
コンポーネント本体と、
前記コンポーネント本体に設けられる単一の基材と、
前記基材に形成され、前記基材の一部とともにひずみゲージを構成する抵抗体と、
前記基材に形成または実装され、前記基材の厚み方向から見て、少なくとも一部が前記抵抗体に重なるように配置される温度センサと、
前記抵抗体に電気的に接続される信号処理部と、
前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、
前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電力入力部と、を備える、コンポーネント。
【請求項8】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
コンポーネント本体と、
前記コンポーネント本体に設けられるひずみゲージと、
電気回路基板と、
前記ひずみゲージおよび前記電気回路基板を電気的に接続するフレキシブルプリント配線基板と、
前記フレキシブルプリント配線基板と、前記ひずみゲージおよび前記フレキシブルプリント配線基板が接続される第1接続部と、前記フレキシブルプリント配線基板および前記電気回路基板が接続される第2接続部と、の少なくともいずれか1つに設けられる温度センサと、
前記ひずみゲージに電気的に接続される信号処理部と、
前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、
前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電力入力部と、を備える、コンポーネント。
【請求項9】
前記温度センサは、前記フレキシブルプリント配線基板に設けられ、
前記ひずみゲージは、抵抗体と、前記抵抗体に対して電気的に絶縁される第1熱伝導体と、を含み、
前記フレキシブルプリント配線基板は、前記第1熱伝導体に接続される第2熱伝導体を含み、
前記温度センサは、前記第2熱伝導体に接触または近接して配置される、請求項8に記載のコンポーネント。
【請求項10】
アンプおよびADコンバータの少なくとも1つをさらに含み、
前記アンプおよび前記ADコンバータの前記少なくとも1つは、前記フレキシブルプリント配線基板と、前記第1接続部と、前記第2接続部と、の少なくとも1つに設けられ、前記ひずみゲージに電気的に接続される、請求項8または9に記載のコンポーネント。
【請求項11】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
コンポーネント本体と、
前記コンポーネント本体に設けられるひずみゲージと、
電気回路基板と、
前記ひずみゲージおよび前記電気回路基板を電気的に接続するフレキシブルプリント配線基板と、
前記ひずみゲージに電気的に接続され、前記フレキシブルプリント配線基板と、前記ひずみゲージおよび前記フレキシブルプリント配線基板が接続される第1接続部と、前記フレキシブルプリント配線基板および前記電気回路基板が接続される第2接続部と、の少なくとも1つに設けられるアンプおよびADコンバータの少なくとも1つと、
前記電気回路基板に設けられ、前記アンプおよび前記ADコンバータの前記少なくとも1つに電気的に接続される信号処理部と、
前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、
前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給され、前記アンプおよび前記ADコンバータの前記少なくとも1つと、前記信号処理部と、のそれぞれに電気的に接続される電力入力部と、を備える、コンポーネント。
【請求項12】
前記電気配線の単位長さあたりの電気抵抗値は、前記抵抗体の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低い、請求項1からのいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項13】
前記抵抗体の組成と、前記電気配線の組成とは異なる、請求項12に記載のコンポーネント。
【請求項14】
前記電気配線は、第1配線部分と、前記第1配線部分を被覆する第2配線部分を含み、
前記抵抗体と前記電気配線の前記第1配線部分とは一体成形され、
前記第2配線部分の電気抵抗率は、前記抵抗体の電気抵抗率および前記第1配線部分の電気抵抗率よりも低い、請求項12に記載のコンポーネント。
【請求項15】
前記抵抗体は、CuNi、Ni、および、NiCrの1つを含み、
前記電気配線の少なくとも一部は、Cuを含む、請求項13または14に記載のコンポーネント。
【請求項16】
前記基材は、厚み方向に離間して配置される第1配置面および第2配置面を含み、
前記抵抗体は、前記第1配置面に設けられ、
前記電気配線の少なくとも一部は、前記第2配置面に設けられる、請求項1から3、14、および15のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項17】
前記基材には前記第1配置面と前記第2配置面との間を接続する接続孔が形成され、
前記電気配線の一部は、前記接続孔に設けられる、請求項16に記載のコンポーネント。
【請求項18】
前記基材は、絶縁性および屈曲性を有する樹脂フィルムを含む、請求項1から7および14から17のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項19】
前記信号出力部は、前記信号処理部からの信号に対応する情報を無線送信する無線送信装置を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項20】
前記コンポーネント本体および前記信号処理部の少なくとも1つに設けられる演算処理装置を含み、
前記演算処理装置は、前記コンポーネント本体に与えられる力に関する情報を演算するように構成される、請求項1から19のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項21】
前記コンポーネント本体に設けられ、前記演算処理装置にリセット信号を入力する操作部をさらに含む、請求項20に記載のコンポーネント。
【請求項22】
前記コンポーネント本体の少なくとも一部の回転状態を検出する回転状態検出部をさらに含む、請求項1から21のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項23】
前記コンポーネント本体に設けられ、発光装置および発音装置の少なくとも1つを有する報知装置をさらに含む、請求項1から22のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項24】
前記コンポーネント本体に設けられ、少なくとも前記ひずみゲージおよび前記信号処理部が配置される密閉空間を形成するカバー部材をさらに含む、請求項1から23のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項25】
前記コンポーネント本体は、クランクアセンブリ、クランクアーム、クランク軸、ペダル、フレーム、ハンドル、ステム、フロントフォーク、シートポスト、サドル、ホイール、ハブ、キャリア、および、人力駆動車に推進力を付与するように構成されるドライブユニットの少なくとも1つを含む、請求項1から24のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用のコンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、ひずみゲージを含む人力駆動車用のコンポーネントを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-144614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、ひずみゲージを含み、人力駆動車に好適に用いられる人力駆動車用のコンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、コンポーネント本体と、前記コンポーネント本体に設けられる単一の基材と、前記基材に形成され、前記基材の一部とともにひずみゲージを構成する抵抗体と、前記基材に形成され、前記抵抗体に電気的に接続される電気配線と、前記基材に形成または直接実装され、前記電気配線に電気的に接続される信号処理部と、前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電力入力部と、を備える。
第1側面のコンポーネントによれば、単一の基材に、抵抗体と、電気配線と、信号処理部と、が設けられるため、部品点数を削減できる。このため、第1側面のコンポーネントは、人力駆動車に好適に用いられる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面のコンポーネントにおいて、前記信号処理部は、アンプ、および、ADコンバータの少なくとも1つを含む。
第2側面のコンポーネントによれば、単一の基材に、抵抗体と、アンプおよびADコンバータの少なくとも1つと、が設けられるため、アンプおよびADコンバータの少なくとも1つを抵抗体の近くに配置できる。このため、抵抗体から出力される信号に含まれるノイズの影響を低減できる。
【0007】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面のコンポーネントにおいて、前記基材に形成または実装される、温度センサをさらに含む。
第3側面のコンポーネントによれば、単一の基材に、抵抗体と、温度センサと、が設けられるため、温度センサを抵抗体の近くに配置できる。このため、温度センサによって抵抗体の周囲の温度を精度よく検出できる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面のコンポーネントにおいて、前記抵抗体は、第1抵抗体と、第2抵抗体と、を含み、前記温度センサは、少なくとも一部が前記第1抵抗体と、前記第2抵抗体との間の領域に配置される。
第4側面のコンポーネントによれば、温度センサを第1抵抗体と第2抵抗体との間の領域に配置できるため、温度センサによって第1抵抗体の周囲の温度および第2抵抗体の周囲の温度を精度よく検出できる。
【0009】
本開示の第5側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、コンポーネント本体と、前記コンポーネント本体に設けられる単一の基材と、前記基材に形成され、前記基材の少なくとも一部とともにひずみゲージを構成する抵抗体と、前記基材に形成または実装される温度センサと、前記抵抗体に電気的に接続される信号処理部と、前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電力入力部と、を備え、前記抵抗体は、前記基材の第1部分とともに第1ひずみゲージを構成する第1抵抗体と、前記基材の第2部分とともに第2ひずみゲージを構成する第2抵抗体と、含み、前記温度センサの少なくとも一部は、前記基材のうち、前記第1部分と前記第2部分とを接続する接続部において、前記第1抵抗体と前記第2抵抗体との間の領域に配置される。
第5側面のコンポーネントによれば、温度センサの少なくとも一部は、基材のうち、第1部分と第2部分とを接続する接続部において、第1抵抗体と第2抵抗体との間の領域に配置されるため、第5側面のコンポーネントは、温度センサによって第1抵抗体の周囲の温度および第2抵抗体の周囲の温度を精度よく検出できるので、人力駆動車に好適に用いられる。
【0010】
本開示の第3から第5側面のいずれか1つに従う第6側面のコンポーネントにおいて、前記基材の厚み方向から見て、前記温度センサの少なくとも一部は、前記抵抗体の少なくとも一部に重なるように配置される。
第6側面のコンポーネントによれば、基材の厚み方向から見て、温度センサの少なくとも一部は、抵抗体の少なくとも一部に重なるように配置されるため、温度センサを抵抗体の近くに配置できる。このため、温度センサによって抵抗体の周囲の温度を精度よく検出できる。第6側面のコンポーネントによれば、基材のサイズを小型化しやすい。
【0011】
本開示の第7側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、コンポーネント本体と、前記コンポーネント本体に設けられる単一の基材と、前記基材に形成され、前記基材の一部とともにひずみゲージを構成する抵抗体と、前記基材に形成または実装され、前記基材の厚み方向から見て、少なくとも一部が前記抵抗体に重なるように配置される温度センサと、前記抵抗体に電気的に接続される信号処理部と、前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電力入力部と、を備える。
第7側面のコンポーネントによれば、基材の厚み方向から見て、温度センサの少なくとも一部は、抵抗体の少なくとも一部に重なるように配置されるため、温度センサを抵抗体の近くに配置できる。このため、温度センサによって抵抗体の周囲の温度を精度よく検出でき人力駆動車に好適に用いられる。第7側面のコンポーネントによれば、基材のサイズを小型化しやすい。
【0012】
本開示の第8側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、コンポーネント本体と、前記コンポーネント本体に設けられるひずみゲージと、電気回路基板と、前記ひずみゲージおよび前記電気回路基板を電気的に接続するフレキシブルプリント配線基板と、前記フレキシブルプリント配線基板と、前記ひずみゲージおよび前記フレキシブルプリント配線基板が接続される第1接続部と、前記フレキシブルプリント配線基板および前記電気回路基板が接続される第2接続部と、の少なくともいずれか1つに設けられる温度センサと、前記ひずみゲージに電気的に接続される信号処理部と、前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電力入力部と、を備える。
第8側面のコンポーネントによれば、温度センサが、フレキシブルプリント配線基板と、第1接続部と、第2接続部と、の少なくともいずれか1つに設けられるため、温度センサを電気回路基板に配置するよりも、抵抗体の近くに配置できる。第8側面のコンポーネントは、温度センサによって抵抗体の周囲の温度を検出しやすいので、人力駆動車に好適に用いられる。
【0013】
本開示の第8側面に従う第9側面のコンポーネントにおいて、前記温度センサは、前記フレキシブルプリント配線基板に設けられ、前記ひずみゲージは、抵抗体と、前記抵抗体に対して電気的に絶縁される第1熱伝導体と、を含み、前記フレキシブルプリント配線基板は、前記第1熱伝導体に接続される第2熱伝導体を含み、前記温度センサは、前記第2熱伝導体に接触または近接して配置される。
第9側面のコンポーネントによれば、ひずみゲージの温度が第1熱伝導体および第2熱伝導体を介して伝導するので、温度センサがフレキシブルプリント配線基板に配置されていても、温度センサによって抵抗体の周囲の温度を精度よく検出できる。
【0014】
本開示の第8または第9側面に従う第10側面のコンポーネントにおいて、アンプおよびADコンバータの少なくとも1つをさらに含み、前記アンプおよび前記ADコンバータの前記少なくとも1つは、前記フレキシブルプリント配線基板と、前記第1接続部と、前記第2接続部と、の少なくとも1つに設けられ、前記ひずみゲージに電気的に接続される。
第10側面のコンポーネントによれば、アンプおよびADコンバータの少なくとも1つがフレキシブルプリント配線基板と、前第1接続部と、第2接続部と、の少なくともいずれか1つに設けられるため、アンプおよびADコンバータの少なくとも1つを抵抗体の近くに配置できる。このため、抵抗体から出力される信号に含まれるノイズの影響を低減できる。
【0015】
本開示の第11側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、コンポーネント本体と、前記コンポーネント本体に設けられるひずみゲージと、電気回路基板と、前記ひずみゲージおよび前記電気回路基板を電気的に接続するフレキシブルプリント配線基板と、前記ひずみゲージに電気的に接続され、前記フレキシブルプリント配線基板と、前記ひずみゲージおよび前記フレキシブルプリント配線基板が接続される第1接続部と、前記フレキシブルプリント配線基板および前記電気回路基板が接続される第2接続部と、の少なくとも1つに設けられるアンプおよびADコンバータの少なくとも1つと、前記電気回路基板に設けられ、前記アンプおよび前記ADコンバータの前記少なくとも1つに電気的に接続される信号処理部と、前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給され、前記アンプおよび前記ADコンバータの前記少なくとも1つと、前記信号処理部と、のそれぞれに電気的に接続される電力入力部と、を備える。
第11側面のコンポーネントによれば、アンプおよびADコンバータの少なくとも1つがフレキシブルプリント配線基板と、前第1接続部と、第2接続部と、の少なくともいずれか1つに設けられるため、アンプおよびADコンバータの少なくとも1つを抵抗体の近くに配置できる。第11側面のコンポーネントは、抵抗体から出力される信号に含まれるノイズの影響を低減できるので、人力駆動車に好適に用いられる。
【0016】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第12側面のコンポーネントにおいて、前記電気配線の単位長さあたりの電気抵抗値は、前記抵抗体の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低い。
第12側面のコンポーネントによれば、電気配線の単位長さあたりの電気抵抗値が抵抗体の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低いため、電気配線におけるひずみゲージから出力される信号の損失を抑制できる。
【0017】
本開示の第13側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、コンポーネント本体と、前記コンポーネント本体に設けられる単一の基材と、前記基材に形成され、前記基材の一部とともにひずみゲージを構成する抵抗体と、前記基材に形成され、前記抵抗体に電気的に接続される電気配線と、前記基材に実装され、前記電気配線に電気的に接続される信号処理部と、前記信号処理部からの信号を出力する信号出力部と、前記信号処理部に電気的に接続され、前記人力駆動車および前記コンポーネント本体の少なくとも1つに設けられる電源からの電力が供給される電源から電力が供給される電力入力部と、を備え、前記電気配線の単位長さあたりの電気抵抗値は、前記抵抗体の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低い。
第13側面のコンポーネントによれば、電気配線の単位長さあたりの電気抵抗値が抵抗体の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低いため、電気配線におけるひずみゲージからの出力される信号の損失を抑制できる。このため、第13側面のコンポーネントは、人力駆動車に好適に用いられる。
【0018】
本開示の第12または第13側面に従う第14側面のコンポーネントにおいて、前記抵抗体の組成と、前記電気配線の組成とは異なる。
第14側面のコンポーネントによれば、抵抗体の組成と、電気配線の組成とを異ならせることによって、電気配線の単位長さあたりの電気抵抗値を抵抗体の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低くできる。第14側面のコンポーネントによれば、抵抗体と、電気配線とを、それぞれ適切な材料と用いて構成できる。
【0019】
本開示の第13側面に従う第15側面のコンポーネントにおいて、前記電気配線は、第1配線部分と、前記第1配線部分を被覆する第2配線部分を含み、前記抵抗体と前記電気配線の前記第1配線部分とは一体成形され、前記第2配線部分の電気抵抗率は、前記抵抗体の電気抵抗率および前記第1配線部分の電気抵抗率よりも低い。
第15側面のコンポーネントによれば、第2配線部分の電気抵抗率を抵抗体の電気抵抗率および第1配線部分の電気抵抗率よりも低くすることによって、電気配線の単位長さあたりの電気抵抗値を抵抗体の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低くできる。
【0020】
本開示の第14または第15側面に従う第16側面のコンポーネントにおいて、前記抵抗体は、CuNi、Ni、および、NiCrの1つを含み、前記電気配線の少なくとも一部は、Cuを含む。
第16側面のコンポーネントによれば、抵抗体がCuNi、Ni、および、NiCrの1つを含み、電気配線の少なくとも一部がCuを含むことによって、電気配線の単位長さあたりの電気抵抗値を抵抗体の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低くできる。
【0021】
本開示の第1から第3および第13から第16側面のいずれか1つに従う第17側面のコンポーネントにおいて、前記基材は、厚み方向に離間して配置される第1配置面および第2配置面を含み、前記抵抗体は、前記第1配置面に設けられ、前記電気配線の少なくとも一部は、前記第2配置面に設けられる。
第17側面のコンポーネントによれば、抵抗体と電気配線の少なくとも一部とを異なる材料によって形成する場合、抵抗体と、電気配線の少なくとも一部と、をそれぞれ異なる製造プロセスによって作成しやすい。
【0022】
本開示の第17側面に従う第18側面のコンポーネントにおいて、前記基材には前記第1配置面と前記第2配置面との間を接続する接続孔が形成され、前記電気配線の一部は、前記接続孔に設けられる。
第18側面のコンポーネントによれば、電気配線を抵抗体に電気的に接続しやすい。
【0023】
本開示の第1から第7および第13から第18側面のいずれか1つに従う第19側面のコンポーネントにおいて、前記基材は、絶縁性および屈曲性を有する樹脂フィルムを含む。
第19側面のコンポーネントによれば、基材をコンポーネントの形状に沿わせやすい。
【0024】
本開示の第1から第19側面のいずれか1つに従う第20側面のコンポーネントにおいて、前記信号出力部は、前記信号処理部からの信号に対応する情報を無線送信する無線送信装置を含む。
第20側面のコンポーネントによれば、無線送信装置によって信号処理部からの信号に対する情報を外部装置に送信できる。
【0025】
本開示の第1から第20側面のいずれか1つに従う第21側面のコンポーネントにおいて、前記コンポーネント本体および前記信号処理部の少なくとも1つに設けられる演算処理装置を含み、前記演算処理装置は、前記コンポーネント本体に与えられる力に関する情報を演算するように構成される。
第21側面のコンポーネントによれば、演算処理装置によってコンポーネント本体に与えられる力に関する情報を演算できる。
【0026】
本開示の第21側面に従う第22側面のコンポーネントにおいて、前記コンポーネント本体に設けられ、前記演算処理装置にリセット信号を入力する操作部をさらに含む。
第22側面のコンポーネントによれば、操作部の操作によって演算処理装置にリセット信号を入力できる。
【0027】
本開示の第1から第22側面のいずれか1つに従う第23側面のコンポーネントにおいて、前記コンポーネント本体の少なくとも一部の回転状態を検出する回転状態検出部をさらに含む。
第23側面のコンポーネントによれば、回転状態検出部によってコンポーネント本体の少なくとも一部の回転状態を検出できる。
【0028】
本開示の第1から第23側面のいずれか1つに従う第24側面のコンポーネントにおいて、前記コンポーネント本体に設けられ、発光装置および発音装置の少なくとも1つを有する報知装置をさらに含む。
第24側面のコンポーネントによれば、発光装置および発音装置の少なくとも1つを有する報知装置によって、ユーザに情報を報知できる。
【0029】
本開示の第1から第24側面のいずれか1つに従う第25側面のコンポーネントにおいて、前記コンポーネント本体に設けられ、少なくとも前記ひずみゲージおよび前記信号処理部が配置される密閉空間を形成するカバー部材をさらに含む。
第25側面のコンポーネントによれば、ひずみゲージおよび信号処理部に異物が付着することを、カバー部材によって抑制できる。
【0030】
本開示の第1から第25側面のいずれか1つに従う第26側面のコンポーネントにおいて、前記コンポーネント本体は、クランクアッセンブリ、クランクアーム、クランク軸、ペダル、フレーム、ハンドル、ステム、フロントフォーク、シートポスト、サドル、ホイール、ハブ、キャリア、および、人力駆動車に推進力を付与するように構成されるドライブユニットの少なくとも1つを含む。
第26側面のコンポーネントによれば、クランクアッセンブリ、クランクアーム、クランク軸、ペダル、フレーム、ハンドル、ステム、フロントフォーク、シートポスト、サドル、ホイール、ハブ、キャリア、および、ドライブユニットの少なくとも1つを含むコンポーネント本体を備えるコンポーネントが人力駆動車に好適に用いられる。
【発明の効果】
【0031】
本開示の人力駆動車用のコンポーネントは、ひずみゲージを含み、人力駆動車に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施形態の人力駆動車用のコンポーネントを含む人力駆動車の側面図。
図2】実施形態の人力駆動車用のコンポーネントの一例の斜視図。
図3図2の人力駆動車用コンポーネントの断面図。
図4図2の人力駆動車用のコンポーネントおよび外部装置の電気的な構成を示すブロック図。
図5】モジュールの第1例を示すブロック図。
図6】モジュールの第2例を示すブロック図。
図7】モジュールの第3例を示すブロック図。
図8】モジュールの第4例を示すブロック図。
図9図4のひずみゲージの構成の一例を示す模式図。
図10図4のひずみゲージと温度センサとの第1例の位置関係を示す断面図。
図11図4のひずみゲージと温度センサとの第2例の位置関係を示す断面図。
図12図4のひずみゲージと温度センサとの第3例の位置関係を示す断面図。
図13図4のひずみゲージと温度センサとの第4例の位置関係を示す断面図。
図14図4のひずみゲージと温度センサとの第5例の位置関係を示す断面図。
図15図14のひずみゲージと温度センサとの第5例の位置関係を示す平面図。
図16図4のひずみゲージとアンプとの第1例の位置関係を示す断面図。
図17図4のひずみゲージとアンプとの第2例の位置関係を示す断面図。
図18図4のひずみゲージの抵抗体およびゲージ配線の第1例の構成を示す模式図。
図19図4のひずみゲージの抵抗体およびゲージ配線の第2例の構成を示す模式図。
図20図19の抵抗体およびゲージ配線の製造方法の第1工程を示す模式図。
図21図19の抵抗体およびゲージ配線の製造方法の第2工程を示す模式図。
図22図19の抵抗体およびゲージ配線の製造方法の第3工程を示す模式図。
図23図4のひずみゲージとゲージ配線との接続方法の一例を示す断面図。
図24図4のひずみゲージのゲージ端子と配線端子との関係を示す平面図。
図25】変形例の人力駆動車用のコンポーネントを含む人力駆動車の側面図。
図26】変形例の人力駆動車用のコンポーネントの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<実施形態>
図1から図24を参照して、実施形態の人力駆動車用のコンポーネント20について説明する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、自転車として説明し、自転車の一例をロードバイクとして説明する。本実施形態の人力駆動車10は、クランクアッセンブリ22X、ペダル28、フレーム30、ハンドル32、ステム34、フロントフォーク36、シートポスト38、サドル40、ホイール42、および、ハブ44を含む。クランクアッセンブリ22Xは、少なくとも1つのクランクアーム24およびクランク軸26を含む。本実施形態では、クランクアッセンブリ22Xは、1対のクランクアーム24、およびクランク軸26を含む。
【0034】
人力駆動車用のコンポーネント20は、人力駆動車10に設けられる。コンポーネント20は、コンポーネント本体22を含む。本実施形態では、コンポーネント本体22は、クランクアッセンブリ22Xを含む。
【0035】
クランクアーム24およびクランク軸26には、人力駆動力が入力される。ホイール42は、後ホイール42Aと、前ホイール42Bと、を含む。クランク軸26は、フレーム30に対して回転可能である。クランク軸26の軸方向の端部には、それぞれ一対のクランクアーム24が設けられる。各クランクアーム24には、一対のペダル28がそれぞれ連結される。後ホイール42Aは、クランク軸26が回転することによって駆動される。後ホイール42Aは、フレーム30に支持される。クランク軸26と後ホイール42Aとは、駆動機構12によって連結される。駆動機構12は、クランク軸26に連結される第1回転体14を含む。クランク軸26と第1回転体14とは、一体回転するように連結される。第1回転体14は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構12は、第2回転体16と、連結部材18とをさらに含む。連結部材18は、第1回転体14の回転力を第2回転体16に伝達する。連結部材18は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0036】
第2回転体16は、後ホイール42Aに連結される。第2回転体16は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転体16と後ホイール42Aとの間には、好ましくは、第1ワンウェイクラッチが設けられている。第1ワンウェイクラッチは、第2回転体16が前転した場合に、後ホイール42Aを前転させ、第2回転体16が後転した場合に、第2回転体16と後ホイール42Aとの相対回転を許容するように構成される。本実施形態では、第1回転体14および第2回転体16は、それぞれスプロケットを含み、連結部材18は、チェーンを含む。第1回転体14がスプロケットを含む場合、第1回転体14は、1または複数のスプロケットを含む。第2回転体16がスプロケットを含む場合、第2回転体16は、1または複数のスプロケットを含む。人力駆動車10は、変速機をさらに含んでいてもよい。変速機は、フロントディレーラ、リアディレーラ、および内装変速機の少なくとも1つを含む。本実施形態では、第1回転体14は、例えば、2枚のスプロケットを含む。本実施形態では、第2回転体16は、例えば、12枚のスプロケットを含む。本実施形態では、人力駆動車10は、フロントディレーラおよびリアディレーラを含む。人力駆動車10が内装変速機を含む場合、内装変速機は、後ホイール42Aのハブ、および、クランク軸26と第1回転体14との間の動力伝達経路の少なくとも1つに設けられる。
【0037】
人力駆動車10の車体は、フレーム30、ハンドル32、ステム34、フロントフォーク36、および、シートポスト38を含む。本実施形態のフレーム30は、ダイヤモンド形フレームであるが、フレーム30の形状については、例えば、スタガード形、または、パラレル形などの他の形状であってもよい。フレーム30の形状については、特に限定されず、適宜変更できる。フレーム30には、フロントフォーク36を介して前ホイール42Bが取り付けられている。フロントフォーク36には、ハンドル32がステム34を介して連結されている。本実施形態のハンドル32は、ドロップハンドルバーであるが、フラットハンドルバーなど、他の形状のハンドルバーであってもよい。ハンドル32の形状については、特に限定されず、適宜変更できる。ステム34の形状については、特に限定されず、適宜変更できる。本実施形態では、ハンドル32とステム34と別部材であるが、ハンドル32とステム34とは一体のワンピース構造であってもよい。フロントフォーク36の形状については、特に限定されず、適宜変更できる。フロントフォーク36は、例えば、サスペンション機能を有していてもよく、前ホイール42Bの回転軸の両端部を保持するように構成されてもよく、前ホイール42Bの回転軸の一端部のみを保持するように構成されてもよい。シートポスト38の形状については、特に限定されず、適宜変更できる。シートポスト38は、油圧、空気圧および電動アクチュエータの少なくとも1つによって、サドルの高さ調節が可能なアジャスタブルシートポストであってもよい。本実施形態では、後ホイール42Aが駆動機構12によってクランク軸26に連結されるが、後ホイール42Aおよび前ホイール42Bの少なくとも1つが、駆動機構12によってクランク軸26に連結されてもよい。
【0038】
ハブ44は、ホイール42の回転中心部に設けられる。ハブ44は、後ホイール42Aの回転中心部に設けられる後ハブ44X、および、前ホイール42Bの回転中心部に設けられる前ハブ44Yを含む。後ハブ44Xは、第1ワンウェイクラッチを含んでいてもよい。後ハブ44Xは、内装変速機を含んでいてもよい。
【0039】
コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、ひずみゲージ52と、信号処理部54と、信号出力部56と、電力入力部58と、を備える。信号処理部54は、ひずみゲージ52に電気的に接続される。信号出力部56は、信号処理部54からの信号を出力する。電力入力部58は、信号処理部54に電気的に接続され、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給される。
【0040】
好ましくは、コンポーネント20は、コンポーネント本体22に設けられ、密閉空間22Aを形成するカバー部材50をさらに含む。密閉空間22Aは、カバー部材50と、コンポーネント本体22とに囲まれる空間である。密閉空間22Aには、少なくともひずみゲージ52および信号処理部54が配置される。好ましくは、ひずみゲージ52と、信号処理部54の少なくとも一部と、電力入力部58とは、密閉空間22Aに配置される。信号出力部56は、密閉空間22Aの外部に配置されてもよく、密閉空間22Aに配置されてもよい。カバー部材50は、例えば、コンポーネント本体22に接着される。カバー部材50は、コンポーネント本体22に着脱可能に取り付けられてもよい。カバー部材50は、例えば樹脂によって形成される。
【0041】
本実施形態では、電源63は、コンポーネント本体22に設けられる。図2から図4に示すクランクアッセンブリ22Xでは、電源63がクランク軸26の内部に配置される。クランク軸26は、円筒形状を有する。電源63は、クランク軸26に囲まれる空間に配置される。電源63は、例えば、クランク軸26ではなく、クランクアーム24に設けられてもよい。例えば、クランクアーム24が中空形状を有する場合、電源63は、クランクアーム24に囲まれる空間に配置されてもよい。電源63の配置場所については、特に限定されない。例えば、クランクアーム24にケース25を設けて、電源63をケース25内に配置してもよい。ケース25は、例えば、クランクアーム24の外表面に設けられる。ケース25は、例えば、クランクアーム24の回転方向において相互に隣接するスパイダー24Aの間に設けられる。ケース25は、例えば、ボルトによってクランクアーム24に固定される。電源63は、密閉空間22Aに配置されてもよい。
【0042】
電源63は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、例えば、充電池を含む。バッテリ素子は、充電池ではなく、コイン電池などの放電のみを行う電池を含んでいてもよい。電源63は、電力入力部58を介してひずみゲージ52および信号処理部54に電力を供給するように構成される。電源63は、好ましくは、コンポーネント本体22に着脱可能に設けられる。電力入力部58は、電気端子、電気ケーブル、および、電気コネクタの少なくとも1つを含む。電源63は、例えば、電力入力部58および電気ケーブル63aを介して、信号処理部54に電力を供給する。電気ケーブル63aは、フレキシブル配線基板に置き替えられてもよい。
【0043】
好ましくは、コンポーネント20は、アンプ54AおよびAD(アナログ/デジタル)コンバータ54Bの少なくとも1つをさらに含む。好ましくは、信号処理部54は、アンプ54A、および、ADコンバータ54Bの少なくとも1つを含む。好ましくは、コンポーネント20は、アンプ54AおよびADコンバータ54Bの両方を含む。アンプ54Aは、ひずみゲージ52と電気的に接続され、ひずみゲージ52から出力される信号を増幅するように構成される。ADコンバータ54Bは、ひずみゲージ52と電気的に接続され、ひずみゲージ52から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するように構成される。好ましくは、ひずみゲージ52の出力される信号がアンプ54Aによって増幅された後、ADコンバータ54Bに入力される。好ましくは、ADコンバータ54Bによって生成されるデジタル信号は、演算処理装置62に出力される。
【0044】
信号出力部56は、好ましくは、電気端子56A、電気ケーブル、および、電気コネクタの少なくとも1つを含む。好ましくは、信号出力部56は、信号処理部54からの信号に対応する情報を無線送信する無線送信装置60を含む。無線送信装置60は、好ましくは、外部装置100と無線通信するように構成される。無線送信装置60は、例えば、電気端子56Aと、電気ケーブルを介して電気的に接続される。後述する単一の基材70に無線送信装置60を設ける場合は、無線送信装置60は、電気端子56Aおよび電気ケーブルを介さないで、単一の基材70に形成される電気配線に直接接続されてもよい。無線送信装置60は、例えば、Bluetooth(登録商標)、ANT+(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、および、赤外線通信の少なくとも1つの通信方式を用いて通信するように構成される。無線送信装置60は、独自の通信方式によって情報を送信してもよい。無線送信装置60は、本実施形態ではケース25内に配置される。ケース25は、例えば、樹脂によって形成される。無線送信装置60は、密閉空間22Aに配置されてもよい。
【0045】
外部装置100は、好ましくは、ディスプレイを含む。外部装置100は、例えば、人力駆動車10の操作装置、サイクルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、および、パーソナルコンピュータの少なくとも1つを含む。信号出力部56は、電気ケーブルによって外部装置100と接続され、外部装置100と通信するように構成されていてもよい。信号出力部56が電気ケーブルによって外部装置100と接続される場合、信号出力部56は、例えば、コネクタを含む。外部装置100は、無線送信装置60から送信される情報を表示するように構成される。
【0046】
好ましくは、コンポーネント20は、コンポーネント本体22および信号処理部54の少なくとも1つに設けられる演算処理装置62を含む。好ましくは、演算処理装置62は、コンポーネント本体22に与えられる力に関する情報を演算するように構成される。演算処理装置62は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。演算処理装置62は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。演算処理装置62は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、演算処理装置62は、記憶部をさらに含む。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部には、演算処理装置62の処理結果が記憶されていてもよい。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random access memory)を含む。信号出力部56は、記憶部に記憶されている演算処理装置62の処理結果を、出力するように構成されていてもよい。
【0047】
演算処理装置62は、例えば、ひずみゲージ52の出力に応じて、コンポーネント本体22に与えられる力を演算する。本実施形態では、演算処理装置62は、ひずみゲージ52の出力に応じて、クランクアーム24に入力される人力駆動力を演算する。好ましくは、ひずみゲージ52から出力される信号は、アンプ54Aによって増幅され、ADコンバータ54Bによってデジタル信号に変換された後、演算処理装置62に入力される。演算処理装置62によって演算される人力駆動力は、例えば、外部装置100、コンポーネント本体22、および、コンポーネント本体22とは異なる人力駆動車用のコンポーネントの少なくとも1つにおいて各種制御に用いられる。例えば、外部装置100がディスプレイを含む場合、人力駆動力に関する情報がディスプレイに表示される。演算処理装置62によって演算される人力駆動力は、例えば、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるドライブユニットの出力の制御に用いられてもよく、人力駆動車用の変速機の制御に用いられてもよい。
【0048】
本実施形態では、一対のクランクアーム24のそれぞれに、ひずみゲージ52と、信号処理部54と、信号出力部56と、電力入力部58と、が設けられる。一対のクランクアーム24は、第1クランクアーム24Xと、第2クランクアーム24Yとを含む。第1クランクアーム24Xは、第2クランクアーム24Yよりも第1回転体14に近接する位置に配置される。以後、第1クランクアーム24Xに含まれる、ひずみゲージ52、信号処理部54、信号出力部56、および、電力入力部58を、第1ひずみゲージ52a、第1信号処理部54a、第1信号出力部56a、および、第1電力入力部58aと記載する場合がある。以後、第2クランクアーム24Yに含まれる、ひずみゲージ52、信号処理部54、信号出力部56、および、電力入力部58を、それぞれ、第2ひずみゲージ52b、第2信号処理部54b、第2信号出力部56b、および、第2電力入力部58bと記載する場合がある。第1信号処理部54aに含まれるアンプ54A、ADコンバータ54B、演算処理装置62を、それぞれ、第1アンプ54Aa、第1ADコンバータ54Ba、第1演算処理装置62aと記載する場合がある。第2信号処理部54bに含まれるアンプ54A、ADコンバータ54B、演算処理装置62を、それぞれ、第2アンプ54Ab、第2ADコンバータ54Bb、第2演算処理装置62bと記載する場合がある。第2演算処理装置62bは、ひずみゲージ52の出力に応じて、クランクアーム24に入力される人力駆動力を演算しないで、第2ADコンバータ54Bbから出力される信号を、第1演算処理装置62aに送信するように構成されてもよい。この場合、第1演算処理装置62aが、第1ひずみゲージ52aの出力に応じて、第1クランクアーム24Xに入力される人力駆動力を演算し、かつ、第2ひずみゲージ52bの出力に応じて、第2クランクアーム24Yに入力される人力駆動力を演算してもよい。第2信号処理部54bから第2演算処理装置62bが省略され、第2ADコンバータ54Bbが第2信号出力部56bに電気的に接続されてもよい。第2演算処理装置62bが省略される場合、第2ADコンバータ54Bbが第2信号出力部56bに電気的に接続される。
【0049】
無線送信装置60は、第1クランクアーム24Xおよび第2クランクアーム24Yのそれぞれに設けられてもよい。この場合、第1クランクアーム24Xに設けられる無線送信装置60は、第1信号処理部54aからの信号に対応する情報を無線送信し、第2クランクアーム24Yに設けられる無線送信装置60は、第2信号処理部54bからの信号に対応する情報を無線送信するように構成される。第1信号処理部54aからの信号に対応する情報は、例えば、第1クランクアーム24X与えられる力の情報、第1クランクアーム24X与えられるパワーに関する情報、クランク軸26の回転中心に関して、第1クランクアーム24Xの径方向に作用する力の情報、第1クランクアーム24Xの回転方向に作用する力の情報、および、第1クランクアーム24Xの長手方向の軸線に関して捻れる方向に作用する力の情報、の少なくとも1つを含む。第2信号処理部54bからの信号に対応する情報は、例えば、第2クランクアーム24Y与えられる力の情報、第2クランクアーム24Y与えられるパワーに関する情報、クランク軸26の回転中心に関して、第2クランクアーム24Yの径方向に作用する力の情報、第2クランクアーム24Yの回転方向に作用する力の情報、および、第2クランクアーム24Yの長手方向の軸線に関して捻れる方向に作用する力の情報、の少なくとも1つを含む。
【0050】
第1演算処理装置62aが、第2信号処理部54bからの情報を受け取る場合、第1演算処理装置62aは、第1演算処理装置62aによって演算される情報と、第2信号処理部54bから送信される情報と、を合わせた合成情報を第1信号出力部56aから出力するように構成されてもよい。合成情報は、例えば、第1クランクアーム24Xと第2クランクアーム24Yとに与えられるパワーに関する情報を含む。第1演算処理装置62aは、第1演算処理装置62aによって演算される情報と、第2演算処理装置62bから送信される情報と、を個別に第1信号出力部56aから出力するように構成されてもよい。
【0051】
本実施形態では、第1信号処理部54aと第2信号処理部54bとには共通の電源63から電力が供給される。電源63は、第1電力入力部58aおよび第2電力入力部58bのそれぞれに電気ケーブル63aを介して電気的に接続される。電源63は、第1クランクアーム24Xおよび第2クランクアーム24Yのそれぞれに設けられてもよい。
【0052】
好ましくは、コンポーネント20は、コンポーネント本体22に設けられ、演算処理装置62にリセット信号を入力する操作部64をさらに含む。操作部64は、例えば、スイッチを含む。操作部64は、ユーザが操作可能な位置に配置される。操作部64は、本実施形態ではケース25に配置されるが、カバー部材50に配置されてもよい。演算処理装置62は、操作部64に第1操作が行われる場合、例えば、記憶部に記憶される情報の一部を削除するまたは初期値にする。記憶部に記憶される情報は、例えば、ひずみゲージ52の出力に応じて演算処理装置62が演算した値であってもよく、演算処理装置62がひずみゲージ52の出力を用いて演算する場合に用いられる補正値であってもよく、無線送信装置60に関する情報であってもよい。
【0053】
好ましくは、コンポーネント20は、コンポーネント本体22の少なくとも一部の回転状態を検出する回転状態検出部66をさらに含む。本実施形態では、回転状態検出部66は、クランク軸26の回転速度に応じた情報を検出できる。回転状態検出部66は、例えば、磁気センサを含んで構成される。磁気センサは、例えば、フレーム30に設けられる磁石Mの磁力を検出する。磁気センサは、例えば、磁性体リードを含むリードスイッチを含む。コンポーネント本体22が回転することによって磁気センサと磁石Mとの距離が変化するため、磁気センサは、コンポーネント本体22の回転速度に応じて信号を出力する。回転状態検出部66は、好ましくは、演算処理装置62と電気的に接続される。回転状態検出部66から出力される信号は、好ましくは、演算処理装置62に入力される。回転状態検出部66は、信号処理部54に含まれていてもよい。本実施形態では、回転状態検出部66は、第1クランクアーム24Xにのみ設けられる。回転状態検出部66は、第1クランクアーム24Xおよび第2クランクアーム24Yの両方に設けられてもよく、第2クランクアーム24Yのみに設けられてもよく、クランク軸26に設けられてもよい。
【0054】
好ましくは、コンポーネント20は、コンポーネント本体22に設けられる報知装置68をさらに含む。報知装置68は、発光装置68Aおよび発音装置の少なくとも1つを有する。発光装置68Aは、例えば、LED(light emitting diode)を含む。発光装置68Aは、コンポーネント本体22のうちのユーザが視認可能な位置に設けられる。例えば、報知装置68は、本実施形態ではケース25に配置されるが、カバー部材50に配置されてもよい。発音装置は、例えば、スピーカを含む。例えば、演算処理装置62は、演算処理装置62によって処理される情報に応じて、報知装置68から報知するように報知装置68を制御してもよい。例えば、演算処理装置62は、電源63のバッテリレベルに関する情報に応じて、報知装置68から報知するように報知装置68を制御してもよい。報知装置68は、第1クランクアーム24Xおよび第2クランクアーム24Yのそれぞれに設けられてもよい。好ましくは、無線送信装置60、報知装置68、および、操作部64には、電源63の電力が供給される。
【0055】
図9に示されるように、ひずみゲージ52は、基材70と、基材70に設けられる抵抗体72と、を含む。好ましくは、抵抗体72は、複数の抵抗体72を含む。好ましくは、複数の抵抗体72の少なくとも一部は、電気的に接続される。好ましくは、複数の抵抗体72のうちの一部と、複数の抵抗体72のうちの他の一部とは、互いに異なる方向のひずみを検出するように配置される。クランクアーム24にひずみゲージ52を設ける場合、クランク軸26の回転中心に関して、クランクアーム24の径方向に作用する力、クランクアーム24の回転方向に作用する力、および、クランクアーム24の長手方向の軸線に関して捻れる方向に作用する力、の少なくともいずれか1つ応じた信号をひずみゲージ52が出力するように、ひずみゲージ52がクランクアーム24に配置される。図9では、12個のひずみゲージ52を構成するように、12個の抵抗体72が基材70に設けられる。抵抗体72の数および配置については、測定対象に応じて適宜変更可能であるため、特に限定されない。
【0056】
好ましくは、ひずみゲージ52は、基材70に設けられ、抵抗体72に電気的に接続されるゲージ配線74を含む。好ましくは、抵抗体72は、第1抵抗体72Aと第2抵抗体72Bとを含む。ゲージ配線74は、第1抵抗体72Aと第2抵抗体72Bとを電気的に接続する。抵抗体72が3つ以上の抵抗体72を含む場合、第1抵抗体72Aは、3つ以上の抵抗体72のうちの任意の1つであり、第2抵抗体72Bは、3つ以上の抵抗体72のうちの第1抵抗体72Aとは異なる任意の1つである。好ましくは、複数の抵抗体72の少なくとも一部は、ブリッジ回路を形成する。ブリッジ回路は、ハーフブリッジ回路であってもよく、フルブリッジ回路であってもよい。基材70は、絶縁性および屈曲性を有する樹脂フィルムを含む。好ましくは、樹脂フィルムは、ポリイミドフィルムである。
【0057】
好ましくは、ひずみゲージ52は、基材70に設けられ、かつ、抵抗体72に電気的に接続されるゲージ端子76をさらに含む。ゲージ配線74は、抵抗体72とゲージ端子76とを電気的に接続する。ゲージ端子76は、例えば、パッドである。
【0058】
コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられる単一の基材70と、基材70に形成され、基材70の一部とともにひずみゲージ52を構成する抵抗体72と、電気配線75と、信号処理部54と、信号出力部56と、電力入力部58と、を備える。電気配線75は、基材70に形成され、抵抗体72に電気的に接続される。信号処理部54は、基材70に形成または直接実装され、電気配線75に電気的に接続されてもよい。信号処理部54が、基材70に形成または直接実装される場合、ゲージ端子76は省略されてもよい。好ましくは、コンポーネント20は、基材70に形成または実装される、温度センサ80をさらに含む。
【0059】
図5から図8に示されるように、ひずみゲージ52と、信号処理部54の少なくとも一部と、電力入力部58と、は、単一のモジュール59に含まれていてもよい。好ましくは、信号出力部56の少なくとも一部は、モジュール59に含まれる。信号出力部56が無線送信装置60を含む場合、無線送信装置60は、モジュール59に含まれてもよく、モジュール59に含まれていなくてもよい。無線送信装置60は、基材70に直接実装されていてもよい。無線送信装置60は、信号処理回路を含み、アンテナをさらに含んでいてもよい。
【0060】
図5に示すモジュール59Aでは、基材70にひずみゲージ52が形成され、かつ、アンプ54Aが直接実装される。モジュール59Aでは、基材70に、電力入力部58が形成または実装され、かつ、信号出力部56が形成または実装される。ADコンバータ54Bは、基材70には実装されない。ADコンバータ54Bは、例えば、基材70に電気的に接続されるフレキシブルプリント配線基板に設けられてもよく、基材70にフレキシブルプリント配線基板を介して電気的に接続される電気回路基板に設けられてもよい。演算処理装置62は、基材70には実装されない。演算処理装置62は、基材70に電気的に接続されるフレキシブルプリント配線基板に設けられてもよく、基材70にフレキシブルプリント配線基板を介して電気的に接続される電気回路基板に設けられてもよい。
【0061】
図6に示すモジュール59Bでは、基材70にひずみゲージ52が形成され、かつ、アンプ54AとADコンバータ54Bとが直接実装される。モジュール59Bでは、基材70に、電力入力部58が形成または実装され、かつ、信号出力部56が形成または実装される。演算処理装置62は、基材70には実装されない。演算処理装置62は、基材70に電気的に接続されるフレキシブルプリント配線基板に設けられてもよく、基材70にフレキシブルプリント配線基板を介して電気的に接続される電子回路基板に設けられてもよい。
【0062】
図7に示すモジュール59Cでは、基材70にひずみゲージ52が形成され、かつ、アンプ54A、ADコンバータ54Bおよび演算処理装置62が基材70に直接実装される。モジュール59では、基材70に、電力入力部58が形成または実装され、かつ、信号出力部56が形成または実装される。モジュール59Cにおいて、信号出力部56が無線送信装置60を含んでいてもよい。
【0063】
図8に示されるように、ひずみゲージ52と、電力入力部58と、温度センサ80が、単一のモジュール59に含まれていてもよい。図8に示すモジュール59Dでは、基材70にひずみゲージ52が形成され、かつ、基材70に温度センサ80が形成または実装される。モジュール59Dでは、基材70に、電力入力部58が形成または実装される。モジュール59A、59B、59Cにおいて、温度センサ80を基材70に形成または実装してもよい。モジュール59Aにおいて、アンプ54AをADコンバータ54Bに変更してもよい。図5から図8に示す構成は、モジュール59の一例に対応する。
【0064】
基材70の少なくとも一部は、コンポーネント本体22に接着材によって接着される。基材70のうち、少なくともひずみゲージ52を構成する部分は、コンポーネント本体22に接着材によって接着される。本実施形態では、基材70のうち、少なくともひずみゲージ52を構成する部分は、例えば、クランクアーム24のうち、人力駆動車10の左右方向の中心面に対向する面に接着される。基材70のうち、少なくともひずみゲージ52を構成する部分は、例えば、クランクアーム24のうち回転方向の上流側および下流側の少なくとも一方の面に接着されてもよい。クランクアーム24が中空の場合、基材70のうち、少なくともひずみゲージ52を構成する部分は、例えば、クランクアーム24の内周面に接着されてもよい。
【0065】
密閉空間22Aは、一対のクランクアーム24のそれぞれの外表面と、カバー部材50とによって形成される。カバー部材50は、クランクアーム24に設けられるモジュール59を覆うように配置される。好ましくは、モジュール59の少なくとも一部は、密閉空間22Aに配置される。好ましくは、モジュール59の全てが密閉空間22Aに配置される。密閉空間22Aは、例えば、クランクアーム24に囲まれる空間につながっていて、完全に密閉されていなくてもよい。
【0066】
第1クランクアーム24Xに設けられるモジュール59と、第2クランクアーム24Yに設けられるモジュール59とは、異なる構成としてもよい。第1クランクアーム24Xにはモジュール59Bが設けられ、第2クランクアーム24Yには、モジュール59Cが設けられてもよい。
【0067】
温度センサ80は、熱電対、サーミスタ、測温抵抗体、および、リニア抵抗体の少なくとも1つを含む。好ましくは、演算処理装置62は、温度センサ80の出力に応じて、ひずみゲージ52から出力される信号、および、ひずみゲージ52から出力される信号に関する情報の少なくとも1つを補正する。好ましくは、温度センサ80から出力される信号は、ADコンバータによってデジタル信号に変換されて演算処理装置62に入力される。
【0068】
好ましくは、温度センサ80は、コンポーネント20において、以下に説明する第1配置例A1、第2配置例A2、第3配置例A3、および、第4配置例A4のうちの1つの位置に配置される。温度センサ80は、複数の温度センサ80を含んでいてもよい。温度センサ80が複数の温度センサ80を含む場合、各温度センサ80は、コンポーネント20において第1配置例A1から第4配置例A4のうちの異なる位置に配置されてもよい。
【0069】
図9に示されるように、第1配置例A1においては、抵抗体72は、第1抵抗体72Aと、第2抵抗体72Bと、を含み、温度センサ80は、少なくとも一部が第1抵抗体72Aと、第2抵抗体72Bとの間の領域R1に配置される。
【0070】
図10および図11に示されるように、第2配置例A2においては、基材70の厚み方向から見て、温度センサ80の少なくとも一部は、抵抗体72の少なくとも一部に重なるように配置される。
【0071】
図10に示す第2配置例A2では、基材70は、第1層71Aを含む。第1層71Aは、厚み方向において離間して配置される第1配置面71Aaおよび第2配置面71Abを有する。第1配置面71Aaに抵抗体72が配置され、第2配置面71Abに温度センサ80が配置される。図10に示す第2配置例A2において、好ましくは、基材70は、第2層71Bおよび第3層71Cを含む。第2層71Bは、接着層82Aを介して抵抗体72を覆うように第1層71Aの第1配置面71Aaに配置される。第3層71Cは、接着層82Bを介して温度センサ80を覆うように第1層71Aの第2配置面71Abに配置される。好ましくは、第1層71A、第2層71B、および、第3層71Cは、絶縁性および屈曲性を有する樹脂フィルムを含む。好ましくは、樹脂フィルムは、ポリイミドフィルムである。接着層82Aおよび接着層82Bは、例えば、エポキシ樹脂を含む。接着層82Aおよび接着層82Bを含んで基材70としてもよい。図10に示す第2配置例A2では、第2層71Bがコンポーネント本体22に接着されてもよく、第3層71Cがコンポーネント本体22に接着されてもよい。
【0072】
図11に示す第2配置例A2では、基材70は、第1層71Dおよび第2層71Eを含む。第1層71Dは、第1層71Dの厚み方向において離間して配置される第1配置面71Daおよび第2配置面71Dbを有する。第1配置面71Daに抵抗体72が配置され、抵抗体72を覆うように第1層71Dの第1配置面71Daに接着層82Cを介して第2層71Eが配置される。第2層71Eの厚み方向において離間して配置される第1配置面71Eaおよび第2配置面71Ebを有する。第2層71Eの第2配置面71Ebは、第1層71Dの第1配置面71Daに対向する。第2層71Eの第1配置面71Eaに温度センサ80が配置される。図11に示す第2配置例A2において、好ましくは、基材70は、第3層71Fを含む。第3層71Fは、接着層82Dを介して温度センサ80を覆うように第2層71Eの第1配置面71Eaに配置される。図11に示す第2配置例A2では、好ましくは、第1層71Dがコンポーネント本体22に接着される。図11に示す第2配置例A2において、温度センサ80が第1層71Dに配置され、抵抗体72が第2層71Eに配置されてもよい。好ましくは、第1層71D、第2層71E、および、第3層71Fは、絶縁性および屈曲性を有する樹脂フィルムを含む。好ましくは、樹脂フィルムは、ポリイミドフィルムである。接着層82Cおよび接着層82Dは、例えば、エポキシ樹脂を含む。接着層82Cおよび接着層82Dを含んで基材70としてもよい。
【0073】
信号処理部54の少なくとも一部が基材70に形成または実装されない場合、または、演算処理装置62が基材70に実装されない場合、コンポーネント20は、電気回路基板84と、ひずみゲージ52および電気回路基板84を電気的に接続するフレキシブルプリント配線基板86と、を備えていてもよい。図12および図13に示す第3配置例A3においては、ひずみゲージ52の基材70と、フレキシブルプリント配線基板86および電気回路基板84と、が別体に形成される。フレキシブルプリント配線基板86の基材70は、好ましくは、絶縁性および屈曲性を有する樹脂フィルムを含む。好ましくは、樹脂フィルムは、ポリイミドフィルムである。電気回路基板84は、一般的なプリント配線基板を含む。電気回路基板84には、電子部品84Aが設けられる。電子部品84Aは、例えば、信号処理部54の少なくとも一部、演算処理装置62、電力入力部58、および、信号出力部56の少なくとも1つを含む。フレキシブルプリント配線基板86には、電子部品86Aが設けられてもよい。電子部品86Aは、例えば、信号処理部54の少なくとも一部を含んでいてもよい。フレキシブルプリント配線基板86には、電気配線78Aが形成される。電気配線78Aは、例えば、信号の電送方向における両端部のみがフレキシブルプリント配線基板86の外部に露出するよう形成される。
【0074】
例えば、図15に示すように、コンポーネント20は、ファスナ部材79をさらに含んでいてもよい。ファスナ部材79は、ゲージ端子76と電気配線78Aとが密着するように、ひずみゲージ52とフレキシブルプリント配線基板86とを連結する。ファスナ部材79は、例えば、ねじ、ボルト、および、クランプの少なくとも1つを含む。ファスナ部材79は、例えば、予め定める方向においてゲージ端子76の両側に配置される。ファスナ部材79は、例えば、板状の部材とコンポーネント本体22との間に、ゲージ端子76と電気配線78Aの一部とが挟まれた状態において、板状の部材をコンポーネント本体22に固定するように構成されていてもよい。
【0075】
温度センサ80は、フレキシブルプリント配線基板86と、ひずみゲージ52およびフレキシブルプリント配線基板86が接続される第1接続部88Aと、フレキシブルプリント配線基板86および電気回路基板84が接続される第2接続部88Bと、の少なくともいずれか1つに設けられてもよい。第1接続部88Aと、第2接続部88Bとは、例えば、はんだ、または、ACF(Anisotropic Conductive Film)接続構造を含む。
【0076】
図12に示す第3配置例A3では、温度センサ80は、第1接続部88Aに設けられる。第1接続部88Aは、例えば、はんだを含んで構成される。第1接続部88Aは、ひずみゲージ52の抵抗体72と、フレキシブルプリント配線基板86に設けられる電気配線78Aとを電気的に接続する。第1接続部88Aは、ゲージ端子76と、電気配線78Aとの間に配置される。図12に示す第3配置例A3では、温度センサ80は、電気回路基板84よりも抵抗体72に近い位置に設けられる。温度センサ80は、第1接続部88Aにおいて、ひずみゲージ52の基材70に実装されてもよく、フレキシブルプリント配線基板86に実装されていてもよい。温度センサ80は、第1接続部88Aにおいて、ゲージ端子76と、電気配線78Aとに、はんだを介して、それぞれ接続されていてもよい。
【0077】
図13に示す第3配置例A3では、温度センサ80は、第2接続部88Bに設けられる。第2接続部88Bは、例えば、はんだを含んで構成される。第2接続部88Bは、電気回路基板84に設けられる電子部品84Aと、フレキシブルプリント配線基板86に設けられる電気配線78Aと、を電気的に接続する。第2接続部88Bは、電気回路基板84に設けられる電気配線78Aの端子と、電気配線78Aとの間に配置される。図13の配置例A3では、温度センサ80は、フレキシブルプリント配線基板86よりも抵抗体72に近い位置に設けられる。温度センサ80は、第2接続部88Bにおいて、電気回路基板84に実装されてもよく、フレキシブルプリント配線基板86に実装されていてもよい。温度センサ80は、第2接続部88Bにおいて、電気回路基板84に設けられる電気配線の端子と、電気配線78Aとに、はんだを介して、それぞれ接続されていてもよい。
【0078】
図14および図15に示す第4配置例A4においては、温度センサ80は、フレキシブルプリント配線基板86に設けられる。温度センサ80は、フレキシブルプリント配線基板86に設けられ、ひずみゲージ52は、抵抗体72と、抵抗体72に対して電気的に絶縁される第1熱伝導体90Aと、を含み、フレキシブルプリント配線基板86は、第1熱伝導体90Aに接続される第2熱伝導体90Bを含み、温度センサ80は、第2熱伝導体90Bに接触または近接して配置されてもよい。好ましくは、第1熱伝導体90Aおよび第2熱伝導体90Bの熱伝導率は、基材70の熱伝導率よりも高い。例えば、第1熱伝導体90Aおよび第2熱伝導体90Bは、金属材料によって形成される。第1熱伝導体90Aおよび第2熱伝導体90Bは、例えば、Cuを含む。第1熱伝導体90Aおよび第2熱伝導体90Bは、はんだ、または、ACF(Anisotropic Conductive Film)接続によって間接的に接続されていてもよい。第1熱伝導体90Aおよび第2熱伝導体90Bが間接的に接続される場合、演算処理装置62は、第1熱伝導体90Aおよび第2熱伝導体90Bを接続する部材に応じて、検出される温度を補正するようにしてもよい。温度センサ80は、例えば、基材70の厚み方向から見て、第2熱伝導体90Bに重なるように配置されていてもよい。温度センサ80は、第2熱伝導体90Bと一体に形成されていてもよい。温度センサ80から出力される信号は、例えば、電気配線78Aを介して伝送される。
【0079】
アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、フレキシブルプリント配線基板86と、第1接続部88Aと、第2接続部88Bと、の少なくとも1つに設けられ、ひずみゲージ52に電気的に接続されてもよい。図16に示す第5配置例B1および図17に示す第6配置例B2においては、コンポーネント20は、電気回路基板84と、ひずみゲージ52および電気回路基板84を電気的に接続するフレキシブルプリント配線基板86と、を備える。図16に示す第5配置例B1においては、ひずみゲージ52の基材70と、フレキシブルプリント配線基板86および電気回路基板84と、が別体に形成される。図17に示す第6配置例B2においては、電気回路基板84の基材70と、フレキシブルプリント配線基板86および電気回路基板84と、が別体に形成される。
【0080】
アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、フレキシブルプリント配線基板86と、ひずみゲージ52およびフレキシブルプリント配線基板86が接続される第1接続部88Aと、フレキシブルプリント配線基板86および電気回路基板84が接続される第2接続部88Bと、の少なくともいずれか1つに設けられてもよい。アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、フレキシブルプリント配線基板86に配置されてもよい。アンプ54AおよびADコンバータ54Bのうち、アンプ54Aのみが、フレキシブルプリント配線基板86に配置されてもよい。アンプ54AおよびADコンバータ54Bのうち、ADコンバータ54Bのみが、フレキシブルプリント配線基板86に配置されてもよい。アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、コンポーネント20において第5配置例B1および第6配置例B2のうちの1つの位置に配置されてもよい。アンプ54AおよびADコンバータ54Bは、それぞれコンポーネント20において第5配置例B1および第6配置例B2のうちの異なる位置に配置されてもよい。
【0081】
図16に示す第5配置例B1では、アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、第1接続部88Aに設けられる。アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、第1接続部88Aにおいて、ひずみゲージ52の基材70に実装されてもよく、フレキシブルプリント配線基板86に実装されていてもよい。アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、第1接続部88Aにおいて、ゲージ端子76と、電気配線78Aとに、はんだを介して、それぞれ接続されていてもよい。図17に示す第6配置例B2では、アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、第2接続部88Bに設けられる。アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、第2接続部88Bにおいて、電気回路基板84に実装されてもよく、フレキシブルプリント配線基板86に実装されていてもよい。アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つは、第2接続部88Bにおいて、電気回路基板84に設けられる電気配線の端子と、電気配線78Aとに、はんだを介して、それぞれ接続されていてもよい。
【0082】
好ましくは、抵抗体72は、0.01マイクロメートル以上かつ1マイクロメートル以下の厚さの金属層によって形成される。好ましくは、金属層の厚さは、0.05マイクロメートル以上かつ0.5マイクロメートル以下である。好ましくは、金属層の厚さは、0.1マイクロメートル以上かつ0.3マイクロメートル以下である。抵抗体72の線幅および抵抗体72の線間隔は、ひずみゲージ52のサイズによって選択される。抵抗体72の線幅は、例えば、1マイクロメートル以上かつ200マイクロメートル以下である。抵抗体72の線間隔は、例えば、1マイクロメートル以上かつ200マイクロメートル以下である。
【0083】
好ましくは、ゲージ配線74の単位長さあたりの電気抵抗値は、抵抗体72の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低い。電気配線75の単位長さあたりの電気抵抗値は、抵抗体72の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低い。本実施形態における電気配線75は、ゲージ配線74と等しい。このため、以下の説明において、ゲージ配線74を電気配線75と読み替えてもよく、電気配線75をゲージ配線74と読み替えてもよい。
【0084】
以下に説明する第1例の構成および第2例の構成の少なくとも1つによって、ゲージ配線74および電気配線75の単位長さあたりの電気抵抗値を、抵抗体72の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低くできる。抵抗体72の厚さと、ゲージ配線74の厚さとは、等しくてもよく、異なっていてもよい。
【0085】
図18に第1例の構成を示す。第1例の構成では、抵抗体72の組成と、ゲージ配線74の組成とは異なる。抵抗体72の組成と、電気配線75の組成とは異なる。好ましくは、抵抗体72は、CuNi、Ni、および、NiCrの1つを含み、ゲージ配線74の少なくとも一部は、Cuを含む。好ましくは、抵抗体72は、CuNi、Ni、および、NiCrの1つを含み、電気配線75の少なくとも一部は、Cuを含む。
【0086】
図19に第2例の構成を示す。第2例の構成では、ゲージ配線74は、第1部分74Aおよび第1部分74Aを被覆する第2部分74Bを含み、抵抗体72とゲージ配線74の第1部分74Aとは一体成形され、第2部分74Bの電気抵抗率は、抵抗体72の電気抵抗率および第1部分74Aの電気抵抗率よりも低い。電気配線75は、第1配線部分75Aと、第1配線部分75Aを被覆する第2配線部分75Bを含み、抵抗体72と電気配線75の第1配線部分75Aとは一体成形され、第2配線部分75Bの電気抵抗率は、抵抗体72の電気抵抗率および第1配線部分75Aの電気抵抗率よりも低い。好ましくは、抵抗体72、第1部分74A、および、第1配線部分75Aは、CuNi、Ni、および、NiCrの1つを含み、第2部分74Bおよび第2配線部分75Bは、Cuを含んでいてもよい。
【0087】
図18および図20から図22を参照して、図18に示す抵抗体72およびゲージ配線74の製造方法について説明する。図20に示す第1工程では、基材70の第1配置面70A上においてゲージ配線74を形成する。ゲージ配線74は、例えばスパッタリングによって形成される。
【0088】
図21に示す第2工程では、基材70の第1配置面70A上において、ゲージ配線74を覆うレジストを形成し、レジストのうち抵抗体72を形成する領域に、例えば露光、現像、およびエッチングによって開口を形成する。レジストは、例えばフォトレジストによって形成される。
【0089】
図22に示す第3工程では、第2工程において形成される開口に抵抗体72を形成するための金属膜を形成する。金属膜は、例えばスパッタリングによって形成される。第4工程では、第3工程において形成される金属膜にレジストを形成して、例えば露光、現像、およびエッチングによって、抵抗体72を形成する。第4工程が終了すると、レジストを除去する第5工程によって、抵抗体72とゲージ配線74とが接続される。第1工程から第5工程は、RTR(ロールtoロール)方式において実行されてもよい。
【0090】
図23に示すように、基材70は、厚み方向に離間して配置される第1配置面70Aおよび第2配置面70Bを含み、抵抗体72は、第1配置面70Aに設けられ、ゲージ配線74の少なくとも一部は、第2配置面70Bに設けられてもよい。基材70は、厚み方向に離間して配置される第1配置面70Aおよび第2配置面を含み、抵抗体72は、第1配置面70Aに設けられ、電気配線75の少なくとも一部は、第2配置面70Bに設けられてもよい。第1配置面70Aには、抵抗体72を覆う保護絶縁層73が形成されてもよい。保護絶縁層73は、電気絶縁性を有する。基材70は、保護絶縁層73を含んでいてもよい。好ましくは、基材70には第1配置面70Aと第2配置面70Bとの間を接続する第1接続孔70Cが形成され、ゲージ配線74の一部は、第1接続孔70Cに設けられる。好ましくは、基材70には第1配置面70Aと第2配置面70Bとの間を接続する接続孔70Dが形成され、電気配線75の一部は、接続孔70Dに設けられる。第1接続孔70Cに配置されるゲージ配線74の一部は、ゲージ配線74の他の部分と、同一の材料によって形成されてもよく、異なる材料によって形成されていてもよい。接続孔70Dに配置される電気配線75の一部は、電気配線75の他の部分と、同一の材料によって形成されてもよく、異なる材料によって形成されていてもよい。
【0091】
好ましくは、ゲージ端子76とゲージ配線74とは一体成形される。好ましくは、コンポーネント20は、基材70と一体成形される基板78Bと、基板78Bに設けられる電気配線78Aと、を含むフレキシブルプリント配線基板78をさらに含み、ゲージ端子76と、電気配線78Aの少なくとも一部と、が一体成形される。
【0092】
コンポーネント20は、電気配線78Aを有するフレキシブルプリント配線基板86を含んでいてもよい。ひずみゲージ52とフレキシブルプリント配線基板86とが別体に形成される場合、ゲージ端子76と、電気配線78Aとは、直接または導電性粒子を介して電気的に接続されてもよい。ゲージ端子76と、電気配線78Aとが、直接または導電性粒子を介して電気的に接続される場合、好ましくは、図24に示すコンポーネント20は、ひずみゲージ52と、フレキシブルプリント配線基板86と、を接着する接着層92をさらに含み、接着層92は、導電性粒子を含む。電気配線78Aは、ゲージ端子76に対向する配線端子78Cを含み、ゲージ端子76および配線端子78Cの一方は、櫛形電極94によって形成される。ゲージ端子76と、配線端子78Cとは、例えば、ACFによって接続される。
【0093】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のコンポーネントが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のコンポーネントは、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0094】
本実施形態では、コンポーネント本体22がクランクアッセンブリ22Xを含む例について説明しているが、コンポーネント本体22は、クランクアーム24、クランク軸26、ペダル28、フレーム30、ハンドル32、ステム34、フロントフォーク36、シートポスト38、サドル40、ホイール42、ハブ44、キャリア46、および、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるドライブユニット48の少なくとも1つを含んでいてもよい。コンポーネント本体22は、例えば第1クランクアーム24Xのみ含んでいてもよく、第2クランクアーム24Yのみ含んでいてもよい。ひずみゲージ52の構成は、コンポーネント本体22の種類および形状などに応じて適宜変更できる。ひずみゲージ52を、ペダル28に取付ける場合、例えば、ひずみゲージ52は、ペダル軸の外周部に取り付けられる。
【0095】
図25は、人力駆動車10が、電動アシスト自転車である場合を示す。図25に示す人力駆動車10の基本的な構造は、図1に示す人力駆動車10の構造と同様であるので、異なる部分について説明する。図25に示す人力駆動車10は、ドライブユニット48、キャリア46およびリアサスペンション47を含む。フレーム30は、メインフレーム31Aとスイングアーム31Bとを含む。スイングアーム31Bは、メインフレーム31Aにピボットするように連結される。メインフレーム31Aは、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、および、ヘッドチューブを含む。スイングアーム31Bとメインフレーム31Aとには、リアサスペンション47が連結される。後ホイール42Aは、スイングアーム31Bに支持される。クランク軸26と第1回転体14とは、一体回転するように連結されてもよく、第2ワンウェイクラッチを介して連結されていてもよい。第2ワンウェイクラッチは、クランク軸26が前転した場合に、第1回転体14を前転させ、クランク軸26が後転した場合に、クランク軸26と第1回転体14との相対回転を許容するように構成される。キャリア46は、例えば、フレーム30に取り付けられる。キャリア46は、後ホイール42Aの車軸に取り付けられてもよい。キャリア46は、人力駆動車10の走行に従動するホイールを有していてもよい。
ドライブユニット48は、モータ48Aを含む。モータ48Aは、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ48Aは、1または複数の電気モータを含む。モータ48Aは、ペダル28から後ホイール42Aまでの人力駆動力の動力伝達経路、および、前ホイール42Bの少なくとも1つに回転を伝達するように構成される。ペダル28から後ホイール42Aまでの人力駆動力の動力伝達経路には、後ホイール42Aも含まれる。本実施形態では、モータ48Aは、人力駆動車10のフレーム30に設けられ、第1回転体14に回転を伝達するように構成される。モータ48Aは、ハウジング48Bに設けられる。ハウジング48Bは、フレーム30に設けられる。ハウジング48Bは、例えばフレーム30に着脱可能に取り付けられる。モータ48Aおよびモータ48Aが設けられるハウジング48Bを含んで、ドライブユニット48が構成される。モータ48Aとクランク軸26との間の動力伝達経路には、好ましくは、クランク軸26を人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合にクランク軸26の回転力がモータ48Aに伝達されないように第3ワンウェイクラッチが設けられる。後ホイール42Aおよび前ホイール42Bの少なくとも1つにモータ48Aを設ける場合、モータ48Aは、ハブモータによって構成されてもよい。
コンポーネント本体22がドライブユニット48を含む場合、基材70は、例えば、クランク軸26と第1回転体14との間の動力伝達経路において人力駆動力を伝達する伝達部材に設けられる。伝達部材は、例えば、実質的に円筒形状に形成され、クランク軸26と同軸に配置される。クランク軸26の軸方向において伝達部材の一端部は、クランク軸26に相対回転不能に連結される。クランク軸26の軸方向において伝達部材の他端部は、第2ワンウェイクラッチまたは第1回転体14に連結される。この場合、信号出力部56は、無線送信装置60を含み、ドライブユニット48に設けられるモータの制御装置に情報を送信する。信号処理部54は、モータの制御装置に含まれていてもよく、モータの制御装置とフレキシブルプリント配線基板および電気ケーブルの少なくとも1つを介して、電気的に接続されていてもよい。
図25に示す人力駆動車10において、電源63は、人力駆動車10に設けられる。電源63は、例えば、信号処理部54と電気ケーブルを介して接続される。電源63は、例えば、フレーム30に設けられる。電源63は、例えば、フレーム30のダウンチューブに少なくとも一部が内蔵されていてもよい。電源63は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によってモータ48Aの制御装置と通信可能である。コンポーネント本体22が、フレーム30、ハンドル32、ステム34、フロントフォーク36、シートポスト38、サドル40、ホイール42、ハブ44、キャリア46、および、ドライブユニット48の少なくとも1つの少なくとも1つを含む場合、電力入力部58には、フレーム30に設けられる電源63から電力が供給されてもよい。コンポーネント本体22がクランクアーム24、クランク軸26、および、ペダル28の少なくとも1つを含む場合、演算処理装置62は、ひずみゲージ52の出力に応じてクランクアーム24、クランク軸26、および、ペダル28の少なくとも1つに入力される人力駆動力を演算してもよい。コンポーネント本体22がフレーム30、ハンドル32、ステム34、フロントフォーク36、ホイール42、ハブ44、および、ドライブユニット48の少なくとも1つを含む場合、演算処理装置62は、ひずみゲージ52の出力に応じてフレーム30、ハンドル32、ステム34、フロントフォーク36、ホイール42、ハブ44、および、ドライブユニット48の少なくとも1つに入力される人力駆動力を演算してもよい。人力駆動車10がドライブユニット48を含み、かつ、ひずみゲージ52が人力駆動力の伝達経路においてドライブユニット48の推進力が合流する部分または合流する部分よりも下流の部材に設けられる場合、演算処理装置62は、人力駆動力およびドライブユニット48の推進力の合力を演算してもよい。コンポーネント本体22がハンドル32、ステム34、および、フロントフォーク36の少なくとも1つを含む場合、演算処理装置62は、ひずみゲージ52の出力に応じてハンドル32、ステム34、および、フロントフォーク36の少なくとも1つに作用する操舵力を演算してもよい。コンポーネント本体22がハンドル32、ステム34、フロントフォーク36、シートポスト38、サドル40、ホイール42、および、キャリア46の少なくとも1つを含む場合、演算処理装置62は、ハンドル32、ステム34、フロントフォーク36、シートポスト38、サドル40、ホイール42、および、キャリア46のうちコンポーネント本体22に含まれる少なくとも1つにかかる荷重を演算してもよい。要するに、ひずみゲージ52は、ひずみゲージ52が設けられる部分に作用する力に応じた信号を出力し、演算処理装置62は、ひずみゲージ52が設けられる部分に作用する力を演算するように構成される。電源63は、例えば、ドライブユニット48のモータ48Aに電力を供給するように構成されていてもよい。変速機が電動変速機を含む場合、例えば、ドライブユニット48の電動変速機に電力を供給するように構成されていてもよい。シートポスト38が電動シートポストを含む場合、電源63は、例えば、電動シートポストに電力を供給するように構成されていてもよい。フロントフォーク36およびリアサスペンション47の少なくとも1つが電動サスペンションを含む場合、例えば、電源63は、電動サスペンションに電力を供給するように構成されていてもよい。
コンポーネント本体22が、クランクアーム24、クランク軸26、ペダル28、および、ドライブユニット48の少なくとも1つを含む場合、回転状態検出部66は、例えば、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成されてもよい。磁気センサは、例えば、フレーム30、クランクアーム24、または、クランク軸26に設けられる磁石Mの磁力を検出するように構成される。コンポーネント本体22が、クランクアーム24、クランク軸26、または、ペダル28の場合、コンポーネント本体22が回転することによって磁気センサと磁石Mとの距離が変化するため、磁気センサは、コンポーネント本体22の回転速度に応じた信号を出力する。コンポーネント本体22がフレーム30を含む場合、磁気センサは、クランクアーム24、クランク軸26、および、ペダル28の少なくとも1つに設けられる磁石Mの磁力を検出することによって、クランクアーム24、クランク軸26、および、ペダル28とフレーム30との相対的な回転状態を検出できる。
回転状態検出部66は、コンポーネント本体22に対して回転する部材の回転状態であればいずれの部材の回転状態を検出するようにしてもよい。コンポーネント本体22に対して回転する部材は、例えば、クランクアーム24、クランク軸26、ペダル28、フレーム30、ハンドル32、ステム34、フロントフォーク36、シートポスト38、サドル40、ホイール42、ハブ44、キャリア46、および、ドライブユニット48のうちのコンポーネント本体22には含まれない部材である。コンポーネント本体22が回転する部材と回転しない部材とを含む場合、回転状態検出部66は、回転する部材と回転しない部材との相対回転の回転状態を検出するようにしてもよい。例えば、コンポーネント20がドライブユニット48を含む場合、回転状態検出部66は、クランク軸26と、ハウジング48Bとの相対回転の回転状態を検出するように構成されてもよく、モータ48Aとハウジング48Bとの相対回転の回転状態を検出するように構成されていてもよい。
【0096】
図26に示すように、コンポーネント本体22は、ハブ44を含むコンポーネント本体22Yであってもよい。ハブ44は、第1連結部材44Aと、ハブシェル44Bと、第1ワンウェイクラッチ44Cと、ハブ軸44Dと、第2連結部材44Eと、を含む。第1連結部材44Aと、ハブシェル44Bと、第1ワンウェイクラッチ44Cと、第2連結部材44Eとは、ハブ軸44Dの軸心まわりに、ハブ軸44Dに、1または複数のベアリングを介して回転可能に設けられる。第1連結部材44Aは、外周部に第2回転体16が連結される。第1連結部材44Aは円筒形状を有し、第1連結部材44Aの内周面とハブ軸44Dとの間に第1ワンウェイクラッチ44Cが配置される。第1ワンウェイクラッチ44Cとハブ軸44Dとの間に、第2連結部材44Eの一部が配置される。第1ワンウェイクラッチ44Cは、ラチェット式のクラッチであってもよく、ローラクラッチであってもよい。第2連結部材44Eは、円筒形状を有し、第2連結部材44Eの外周部と、第1連結部材44Aの内周部との間に第1ワンウェイクラッチ44Cが配置される。第2連結部材44Eは、ハブシェル44Bに回転不能に連結される。ひずみゲージ52は、第1連結部材44Aからハブシェル44Bまでの間の、動力伝達経路に設けられる。例えば、ハブシェル44Bと一体回転する部材に設けられる。ひずみゲージ52は、例えば、第2連結部材44Eに設けられる。ひずみゲージ52は、第2連結部材44Eのうち、ハブシェル44Bに連結される部分と、第1ワンウェイクラッチ44Cに連結される部分との間に設けられる。第2連結部材44Eの外周部に接着して設けられる。モジュール59は、ハブシェル44Bの内周部に設けられる。電源63は、バッテリを含んでいてもよく、ダイナモ63Aを含んでいてもよい。ダイナモ63Aは、例えば、ハブシェル44Bと一体回転するように、ハブシェル44Bまたは第2連結部材44Eに設けられるステータと、ハブ軸44Dに固定して設けられる磁石と、を含む。
【0097】
・演算処理装置62は、基材70に設けられていなくてもよい。演算処理装置62は、外部装置100に設けられていてもよい。
【0098】
・コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられる単一の基材70と、基材70に形成され、基材70の一部とともにひずみゲージ52を構成する抵抗体72と、基材70に形成され、抵抗体72に電気的に接続される電気配線75と、基材70に形成または直接実装され、電気配線75に電気的に接続される信号処理部54と、信号処理部54からの信号を出力する信号出力部56と、信号処理部54に電気的に接続され、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給される電力入力部58と、を備えていれば、他の構成を省略できる。この場合、例えば、抵抗体72は、1マイクロメートルよりも厚い金属層によって形成されていてもよい。信号処理部54は、温度センサ80、アンプ54A、ADコンバータ54B、および、演算処理装置62の少なくとも1つに代えて、または、加えて、通信装置を含んでいてもよい。通信装置は、外部装置100と電気ケーブルによって接続される有線通信部を含んでいてもよく、無線送信装置60を含んでいてもよい。
【0099】
・コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられる単一の基材70と、基材70に形成され、基材70の少なくとも一部とともにひずみゲージ52を構成する抵抗体72と、基材70に形成または実装される温度センサ80と、抵抗体72に電気的に接続される信号処理部54と、信号処理部54からの信号を出力する信号出力部56と、信号処理部54に電気的に接続され、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給される電力入力部58と、を備え、抵抗体72は、基材70の第1部分70Xとともに第1ひずみゲージ52を構成する第1抵抗体72Aと、基材70の第2部分70Yとともに第2ひずみゲージ52を構成する第2抵抗体72Bと、含み、温度センサ80の少なくとも一部は、基材70のうち、第1部分70Xと第2部分70Yとを接続する接続部において、第1抵抗体72Aと第2抵抗体72Bとの間の領域R1に配置されるように構成されていていれば、ていれば、他の構成を省略できる。この場合、例えば、領域R1は、ひずみゲージ52が複数のひずみゲージ52を含む場合、相互に隣接する2つのひずみゲージの抵抗体72の間の領域であってもよく、相互に隣接しないひずみゲージの抵抗体72の間の領域であってもよい。したがって、図9の二点鎖線によって示される位置に温度センサ80を配置してもよい。
【0100】
・コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられる単一の基材70と、基材70に形成され、基材70の一部とともにひずみゲージ52を構成する抵抗体72と、基材70に形成または実装され、基材70の厚み方向から見て、少なくとも一部が抵抗体72に重なるように配置される温度センサ80と、抵抗体72に電気的に接続される信号処理部54と、信号処理部54からの信号を出力する信号出力部56と、信号処理部54に電気的に接続され、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給される電力入力部58と、を備えていれば、他の構成を省略できる。この場合、例えば、抵抗体72は、1マイクロメートルよりも厚い金属層によって形成されていてもよい。
【0101】
・コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられるひずみゲージ52と、電気回路基板84と、ひずみゲージ52および電気回路基板84を電気的に接続するフレキシブルプリント配線基板86と、フレキシブルプリント配線基板86と、ひずみゲージ52およびフレキシブルプリント配線基板86が接続される第1接続部88Aと、フレキシブルプリント配線基板86および電気回路基板84が接続される第2接続部88Bと、の少なくともいずれか1つに設けられる温度センサ80と、ひずみゲージ52に電気的に接続される信号処理部54と、信号処理部54からの信号を出力する信号出力部56と、信号処理部54に電気的に接続され、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給される電力入力部58と、を備えていれば、他の構成を省略できる。この場合、例えば、抵抗体72は、1マイクロメートルよりも厚い金属層によって形成されていてもよい。温度センサ80は、モジュール59に含まれていなくてもよい。
【0102】
・コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられるひずみゲージ52と、電気回路基板84と、ひずみゲージ52および電気回路基板84を電気的に接続するフレキシブルプリント配線基板86と、ひずみゲージ52に電気的に接続され、フレキシブルプリント配線基板86と、ひずみゲージ52およびフレキシブルプリント配線基板86が接続される第1接続部88Aと、フレキシブルプリント配線基板86および電気回路基板84が接続される第2接続部88Bと、の少なくとも1つに設けられるアンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つと、電気回路基板84に設けられ、アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つに電気的に接続される信号処理部54と、信号処理部54からの信号を出力する信号出力部56と、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給され、アンプ54AおよびADコンバータ54Bの少なくとも1つと、信号処理部54と、のそれぞれに電気的に接続される電力入力部58と、を備えていれば、他の構成を省略できる。この場合、例えば、抵抗体72は、1マイクロメートルよりも厚い金属層によって形成されていてもよい。
【0103】
・コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられる単一の基材70と、基材70に形成され、基材70の一部とともにひずみゲージ52を構成する抵抗体72と、基材70に形成され、抵抗体72に電気的に接続される電気配線75と、基材70に実装され、電気配線75に電気的に接続される信号処理部54と、信号処理部54からの信号を出力する信号出力部56と、信号処理部54に電気的に接続され、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給される電力入力部58と、を備え、電気配線75の単位長さあたりの電気抵抗値は、抵抗体72の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低ければ、他の構成を省略できる。この場合、例えば、抵抗体72は、1マイクロメートルよりも厚い金属層によって形成されていてもよい。
【0104】
・コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられるひずみゲージ52と、ひずみゲージ52に電気的に接続される信号処理部54と、信号処理部54からの信号を出力する信号出力部56と、信号処理部54に電気的に接続され、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給される電力入力部58と、を備え、ひずみゲージ52は、基材70と、基材70に設けられる抵抗体72と、を含み、抵抗体72は、0.01マイクロメートル以上かつ1マイクロメートル以下の厚さの金属層によって形成されていれば、他の構成を省略できる。この場合、例えば、信号処理部54は、基材70に実装または形成されていなくてもよく、温度センサ80は、基材70に実装または形成されていなくてもよい。
【0105】
・コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられひずみゲージ52と、ひずみゲージ52に電気的に接続される信号処理部54と、信号処理部54からの信号を出力する信号出力部56と、信号処理部54に電気的に接続され、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給される電力入力部58と、を備え、ひずみゲージ52は、基材70と、基材70に設けられる抵抗体72と、基材70に設けられ、抵抗体72に電気的に接続されるゲージ配線74を含み、ゲージ配線74の単位長さあたりの電気抵抗値は、抵抗体72の単位長さあたりの電気抵抗値よりも低ければ、他の構成を省略できる。この場合、例えば、抵抗体72は、1マイクロメートルよりも厚い金属層によって形成されていてもよい。例えば、信号処理部54は、基材70に実装または形成されていなくてもよく、温度センサ80は、基材70に実装または形成されていなくてもよい。
【0106】
・コンポーネント20は、コンポーネント本体22と、コンポーネント本体22に設けられるひずみゲージ52と、電気配線75を有するフレキシブルプリント配線基板86と、フレキシブルプリント配線基板86の電気配線75を介して、ひずみゲージ52に電気的に接続される信号処理部54と、信号処理部54からの信号を出力する信号出力部56と、信号処理部54に電気的に接続され、人力駆動車10およびコンポーネント本体22の少なくとも1つに設けられる電源63からの電力が供給される電力入力部58と、を含み、ひずみゲージ52は、基材70と、基材70に設けられる抵抗体72と、基材70に設けられ、かつ、抵抗体72に電気的に接続されるゲージ端子76を含み、ゲージ端子76と、電気配線75とが、直接または導電性粒子を介して電気的に接続されていれば、他の構成を省略できる。この場合、例えば、抵抗体72は、1マイクロメートルよりも厚い金属層によって形成されていてもよい。例えば、信号処理部54は、基材70に実装または形成されていなくてもよく、温度センサ80は、基材70に実装または形成されていなくてもよい。
【0107】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他・の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0108】
10…人力駆動車、20…コンポーネント、22,22Y…コンポーネント本体、22X…クランクアッセンブリ、22A…密閉空間、24…クランクアーム、26…クランク軸、28…ペダル、30…フレーム、32…ハンドル、34…ステム、36…フロントフォーク、38…シートポスト、40…サドル、42…ホイール、44…ハブ、46…キャリア、48…ドライブユニット、50…カバー部材、52,52a、52b…ひずみゲージ、54…信号処理部、54A…アンプ、54B…ADコンバータ、56…信号出力部、58…電力入力部、60…無線送信装置、62…演算処理装置、63…電源、64…操作部、66…回転状態検出部、68…報知装置、68A…発光装置、70…基材、70A…第1配置面、70B…第2配置面、70C…第1接続孔、70X…第1部分、70Y…第2部分、72…抵抗体、72A…第1抵抗体、72B…第2抵抗体、74…ゲージ配線、74A…第1部分、74B…第2部分、75…電気配線、75A…第1配線部分、75B…第2配線部分、76…ゲージ端子、78…フレキシブルプリント配線基板、78A…電気配線、78B…基板、78C…配線端子、79…ファスナ部材、80…温度センサ、84…電気回路基板、86…フレキシブルプリント配線基板、88A…第1接続部、88B…第2接続部、90A…第1熱伝導体、90B…第2熱伝導体、92…接着層、94…櫛形電極。
図1
図2
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