(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】フローティングコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/91 20110101AFI20240408BHJP
H01R 13/631 20060101ALI20240408BHJP
H01R 13/6471 20110101ALI20240408BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R13/631
H01R13/6471
(21)【出願番号】P 2020093203
(22)【出願日】2020-05-28
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】小幡 雄介
(72)【発明者】
【氏名】徳永 隆
(72)【発明者】
【氏名】堀 樹一
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-115488(JP,A)
【文献】特開2018-113163(JP,A)
【文献】特開2018-073744(JP,A)
【文献】特開2018-142553(JP,A)
【文献】特開2010-205604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 13/56-13/72
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に搭載されて使用されるとともに、相手側コネクタと上下方向に沿って嵌合抜去可能なフローティングコネクタであって、
前記相手側コネクタは、相手側接触部を有しており、
前記フローティングコネクタは、可動ハウジングと、複数のコンタクトと、少なくとも1つのグランド部材とを備えており、
前記可動ハウジングは、第1保持部と、第2保持部とを有しており、
前記コンタクトの夫々は、被固定部と、第1被保持部と、連結部と、延部と、接触部とを有しており、
前記被固定部は、前記フローティングコネクタが前記基板上に搭載される際に前記基板に固定され、
前記第1被保持部は、前記第1保持部に保持されており、
前記連結部は、前記被固定部と前記第1被保持部とを互いに連結しており、
前記連結部は、弾性変形可能であり、
前記可動ハウジングは、前記弾性変形により、前記上下方向と直交する平面における所定範囲内において移動可能となっており、
前記延部は、前記上下方向において、前記第1被保持部から上方に延びており、
前記接触部は、前記フローティングコネクタが前記相手側コネクタと嵌合する際に前記相手側接触部と接触し、
前記接触部は、前記延部に支持されており、
前記コンタクトには、複数のグランドコンタクトと、信号コンタクトとが含まれており、
前記グランド部材は、複数のグランド接触部と、複数の支持部と、グランド連結部と、第2被保持部とを有しており、
前記グランド接触部は、前記グランドコンタクトと夫々対応しており、
前記グランド接触部の夫々は、前記可動ハウジングの前記所定範囲内における移動の際であっても、対応する前記グランドコンタクトに接触しており、
前記支持部は、前記グランド接触部を夫々支持しており、
前記グランド連結部は、前記支持部を互いに連結しており、
前記第2被保持部は、前記第2保持部に保持されて
おり、
前記支持部の夫々は、前記グランド連結部から湾曲して前記上下方向と直交する幅方向外側に延びた後、更に湾曲して前記上下方向における上方に延びており、
前記支持部は、それぞれが独立して弾性変形可能となっている
フローティングコネクタ。
【請求項2】
基板上に搭載されて使用されるとともに、相手側コネクタと上下方向に沿って嵌合抜去可能なフローティングコネクタであって、
前記相手側コネクタは、相手側接触部を有しており、
前記フローティングコネクタは、可動ハウジングと、固定ハウジングと、複数のコンタクトと、少なくとも1つのグランド部材とを備えており、
前記可動ハウジングは、第1保持部を有しており、
前記固定ハウジングは、第2保持部と、第3保持部とを有しており、
前記コンタクトの夫々は、被固定部と、第1被保持部と、第3被保持部と、変形部と、延部と、接触部とを有しており、
前記被固定部は、前記フローティングコネクタが前記基板上に搭載される際に前記基板に固定され、
前記第1被保持部は、前記第1保持部に保持されており、
前記第3被保持部は、前記第3保持部に保持されており、
前記変形部は、前記第1被保持部と前記第3被保持部とを互いに連結しており、
前記変形部は、弾性変形可能であり、
前記可動ハウジングは、前記弾性変形により、前記上下方向と直交する平面における所定範囲内において移動可能となっており、
前記延部は、前記上下方向において、前記第1被保持部から上方に延びており、
前記接触部は、前記フローティングコネクタが前記相手側コネクタと嵌合する際に前記相手側接触部と接触し、
前記接触部は、前記延部に支持されており、
前記コンタクトには、複数のグランドコンタクトと、信号コンタクトとが含まれており、
前記グランド部材は、複数のグランド接触部と、複数の支持部と、グランド連結部と、第2被保持部とを有しており、
前記グランド接触部は、前記グランドコンタクトと夫々対応しており、
前記グランド接触部の夫々は、前記可動ハウジングの前記所定範囲内における移動の際であっても、対応する前記グランドコンタクトに接触しており、
前記支持部は、前記グランド接触部を夫々支持しており、
前記グランド連結部は、前記支持部を互いに連結しており、
前記第2被保持部は、前記第2保持部に保持されている
フローティングコネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のフローティングコネクタであって、
前記連結部は、第1部位を有しており、
前記第1部位は、前記上下方向において、前記第1被保持部から下方に延びており、
前記グランド接触部は、前記第1被保持部又は前記第1部位に接触している
フローティングコネクタ。
【請求項4】
基板上に搭載されて使用されるとともに、相手側コネクタと上下方向に沿って嵌合抜去可能なフローティングコネクタであって、
前記相手側コネクタは、相手側接触部を有しており、
前記フローティングコネクタは、可動ハウジングと、複数のコンタクトと、少なくとも1つのグランド部材とを備えており、
前記可動ハウジングは、第1保持部と、第2保持部とを有しており、
前記コンタクトの夫々は、被固定部と、第1被保持部と、連結部と、延部と、接触部とを有しており、
前記被固定部は、前記フローティングコネクタが前記基板上に搭載される際に前記基板に固定され、
前記第1被保持部は、前記第1保持部に保持されており、
前記連結部は、前記被固定部と前記第1被保持部とを互いに連結しており、
前記連結部は、弾性変形可能であり、
前記可動ハウジングは、前記弾性変形により、前記上下方向と直交する平面における所定範囲内において移動可能となっており、
前記延部は、前記上下方向において、前記第1被保持部から上方に延びており、
前記接触部は、前記フローティングコネクタが前記相手側コネクタと嵌合する際に前記相手側接触部と接触し、
前記接触部は、前記延部に支持されており、
前記コンタクトには、複数のグランドコンタクトと、信号コンタクトとが含まれており、
前記グランド部材は、複数のグランド接触部と、複数の支持部と、グランド連結部と、第2被保持部とを有しており、
前記グランド接触部は、前記グランドコンタクトと夫々対応しており、
前記グランド接触部の夫々は、前記可動ハウジングの前記所定範囲内における移動の際であっても、対応する前記グランドコンタクトに接触しており、
前記支持部は、前記グランド接触部を夫々支持しており、
前記グランド連結部は、前記支持部を互いに連結しており、
前記第2被保持部は、前記第2保持部に保持されており、
前記連結部は、第1部位と、第2部位とを少なくとも有しており、
前記第1部位は、前記上下方向において、前記第1被保持部から下方に延びており、
前記第2部位は、前記第1部位の下端から前記上下方向と直交する幅方向に延びており、
前記グランド接触部は、前記第2部位に接触している
フローティングコネクタ。
【請求項5】
請求項2記載のフローティングコネクタであって、
前記変形部は、第1部位と、第2部位とを少なくとも有しており、
前記第1部位は、前記上下方向において、前記第1被保持部から下方に延びており、
前記第2部位は、前記第1部位の下端から前記上下方向と直交する幅方向に延びており、
前記グランド接触部は、前記第2部位に接触している
フローティングコネクタ。
【請求項6】
請求項1
又は請求項3記載のフローティングコネクタであって、
前記第2被保持部は、前記上下方向と直交するピッチ方向において、前記支持部の間に設けられており、
前記第2保持部は、前記第2被保持部に対応して設けられている
フローティングコネクタ。
【請求項7】
請求項1
、請求項3及び請求項6
のいずれかに記載のフローティングコネクタであって、
前記フローティングコネクタは、複数の前記グランド部材を備えており、
前記複数のグランドコンタクトは、複数のグループに分けられており、
前記複数のグループは、前記複数のグランド部材と夫々対応しており、
前記グランド部材の夫々の前記グランド接触部は、対応する前記グループの前記グランドコンタクトと接触している
フローティングコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のグランドコンタクトと信号コンタクトとを含む複数のコンタクトを有するフローティングコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
図36及び
図37に示されるように、特許文献1には、複数のコンタクト910と、接地バス930とを有するコネクタ900が開示されている。複数のコンタクト910は、複数の接地コンタクト(グランドコンタクト)912と、複数の信号コンタクト916とを含んでいる。複数のグランドコンタクト912は、接地バス930により電気的に一体化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の接地バス930をフローティングコネクタに適用した場合、接地バスで一体化された複数のグランドコンタクトと信号コンタクトとを別々に用意したうえで、グランドコンタクトと信号コンタクトとを夫々配置する必要があるため、コンタクトを適切に配置することが困難である。
【0005】
また、特許文献1の接地バス930をフローティングコネクタに適用した場合、フローティング中に信号コンタクトとグランドコンタクトとにかかる応力が異なるため、信号コンタクトの変形量とグランドコンタクトの変位量との間に差が生じて信号コンタクトとグランドコンタクトとが短絡する虞がある。
【0006】
これらのことから、特許文献1の接地バス930は、フローティングコネクタには適していない。
【0007】
そこで、本発明は、フローティングに適した、複数のグランドコンタクトを電気的に一体化可能な構造を有するフローティングコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のコネクタとして、
基板上に搭載されて使用されるとともに、相手側コネクタと上下方向に沿って嵌合抜去可能なフローティングコネクタであって、
前記相手側コネクタは、相手側接触部を有しており、
前記フローティングコネクタは、可動ハウジングと、複数のコンタクトと、少なくとも1つのグランド部材とを備えており、
前記可動ハウジングは、第1保持部と、第2保持部とを有しており、
前記コンタクトの夫々は、被固定部と、第1被保持部と、連結部と、延部と、接触部とを有しており、
前記被固定部は、前記フローティングコネクタが前記基板上に搭載される際に前記基板に固定され、
前記第1被保持部は、前記第1保持部に保持されており、
前記連結部は、前記被固定部と前記第1被保持部とを互いに連結しており、
前記連結部は、弾性変形可能であり、
前記可動ハウジングは、前記弾性変形により、前記上下方向と直交する平面における所定範囲内において移動可能となっており、
前記延部は、前記上下方向において、前記第1被保持部から上方に延びており、
前記接触部は、前記フローティングコネクタが前記相手側コネクタと嵌合する際に前記相手側接触部と接触し、
前記接触部は、前記延部に支持されており、
前記コンタクトには、複数のグランドコンタクトと、信号コンタクトとが含まれており、
前記グランド部材は、複数のグランド接触部と、複数の支持部と、グランド連結部と、第2被保持部とを有しており、
前記グランド接触部は、前記グランドコンタクトと夫々対応しており、
前記グランド接触部の夫々は、前記可動ハウジングの前記所定範囲内における移動の際であっても、対応する前記グランドコンタクトに接触しており、
前記支持部は、前記グランド接触部を夫々支持しており、
前記グランド連結部は、前記支持部を互いに連結しており、
前記第2被保持部は、前記第2保持部に保持されている
フローティングコネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は、第2のコネクタとして、
基板上に搭載されて使用されるとともに、相手側コネクタと上下方向に沿って嵌合抜去可能なフローティングコネクタであって、
前記相手側コネクタは、相手側接触部を有しており、
前記フローティングコネクタは、可動ハウジングと、固定ハウジングと、複数のコンタクトと、少なくとも1つのグランド部材とを備えており、
前記可動ハウジングは、第1保持部を有しており、
前記固定ハウジングは、第2保持部と、第3保持部とを有しており、
前記コンタクトの夫々は、被固定部と、第1被保持部と、第3被保持部と、変形部と、延部と、接触部とを有しており、
前記被固定部は、前記フローティングコネクタが前記基板上に搭載される際に前記基板に固定され、
前記第1被保持部は、前記第1保持部に保持されており、
前記第3被保持部は、前記第3保持部に保持されており、
前記変形部は、前記第1被保持部と前記第3被保持部とを互いに連結しており、
前記変形部は、弾性変形可能であり、
前記可動ハウジングは、前記弾性変形により、前記上下方向と直交する平面における所定範囲内において移動可能となっており、
前記延部は、前記上下方向において、前記第1被保持部から上方に延びており、
前記接触部は、前記フローティングコネクタが前記相手側コネクタと嵌合する際に前記相手側接触部と接触し、
前記接触部は、前記延部に支持されており、
前記コンタクトには、複数のグランドコンタクトと、信号コンタクトとが含まれており、
前記グランド部材は、複数のグランド接触部と、複数の支持部と、グランド連結部と、第2被保持部とを有しており、
前記グランド接触部は、前記グランドコンタクトと夫々対応しており、
前記グランド接触部の夫々は、前記可動ハウジングの前記所定範囲内における移動の際であっても、対応する前記グランドコンタクトに接触しており、
前記支持部は、前記グランド接触部を夫々支持しており、
前記グランド連結部は、前記支持部を互いに連結しており、
前記第2被保持部は、前記第2保持部に保持されている
フローティングコネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記連結部は、第1部位を有しており、
前記第1部位は、前記上下方向において、前記第1被保持部から下方に延びており、
前記グランド接触部は、前記第1被保持部又は前記第1部位に接触している
フローティングコネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記連結部は、第1部位と、第2部位とを少なくとも有しており、
前記第1部位は、前記上下方向において、前記第1被保持部から下方に延びており、
前記第2部位は、前記第1部位の下端から前記上下方向と直交する幅方向に延びており、
前記グランド接触部は、前記第2部位に接触している
フローティングコネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第2のコネクタであって、
前記変形部は、第1部位と、第2部位とを少なくとも有しており、
前記第1部位は、前記上下方向において、前記第1被保持部から下方に延びており、
前記第2部位は、前記第1部位の下端から前記上下方向と直交する幅方向に延びており、
前記グランド接触部は、前記第2部位に接触している
フローティングコネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第1から第5までのいずれかのコネクタであって、
前記第2被保持部は、前記上下方向と直交するピッチ方向において、前記支持部の間に設けられており、
前記第2保持部は、前記第2被保持部に対応して設けられている
フローティングコネクタを提供する。
【0014】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第1から第6までのいずれかのコネクタであって、
前記フローティングコネクタは、複数の前記グランド部材を備えており、
前記複数のグランドコンタクトは、複数のグループに分けられており、
前記複数のグループは、前記複数のグランド部材と夫々対応しており、
前記グランド部材の夫々の前記グランド接触部は、対応する前記グループの前記グランドコンタクトと接触している
フローティングコネクタを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のフローティングコネクタは、フローティングコネクタは、可動ハウジングと、複数のコンタクトと、少なくとも1つのグランド部材とを備えている。また、コンタクトには、複数のグランドコンタクトと、信号コンタクトとが含まれている。更に、グランド部材のグランド接触部の夫々は、可動ハウジングの所定範囲内における移動の際であっても、対応するグランドコンタクトに接触している。即ち、本発明のフローティングコネクタにおいては、コンタクトとは別体のグランド部材を採用しており、グランド部材は、複数のグランドコンタクトに共通なものとなっている。これにより、本発明のフローティングコネクタにおいては、コンタクトを適切に配置することが容易となっており、また、フローティング中の信号コンタクトの変形量とグランドコンタクトの変位量との間に差が生じない。即ち、本発明のフローティングコネクタは、フローティングに適した、複数のグランドコンタクトを電気的に一体化可能な構造を有している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施の形態によるコネクタ組立体を示す斜視図である。図において、フローティングコネクタと相手側コネクタとは未嵌合状態にある。また、基板を点線で示している。
【
図2】
図1のコネクタ組立体を示す斜視図である。図において、フローティングコネクタと相手側コネクタとは嵌合状態にある。また、基板を点線で示している。
【
図3】
図2のコネクタ組立体を示す正面図である。図において、基板を点線で示している。
【
図4】
図3のコネクタ組立体をA-A線に沿って示す断面図である。図において、基板を点線で示している。
【
図5】
図4のコネクタ組立体を示す斜視断面図である。図において、可動ハウジング、信号コンタクト及びグランド部材の一部を拡大して示している。
【
図6】
図3のコネクタ組立体をB-B線に沿って示す断面図である。図において、基板を点線で示している。
【
図7】
図6のコネクタ組立体を示す斜視断面図である。図において、可動ハウジング、グランドコンタクト及びグランド部材の一部を拡大して示している。
【
図8】
図3のコネクタ組立体に含まれるフローティングコネクタを示す正面図である。
【
図9】
図8のフローティングコネクタをC-C線に沿って示す断面図である。図において、可動ハウジング、信号コンタクト及びグランド部材の一部を拡大して示している。
【
図10】
図8のフローティングコネクタをD-D線に沿って示す断面図である。図において、可動ハウジング、グランドコンタクト及びグランド部材の一部を拡大して示している。
【
図11】
図8のフローティングコネクタを示す分解斜視図である。
【
図12】
図11のフローティングコネクタに含まれるコンタクト及びグランド部材を示す上面図である。
【
図13】
図12のコンタクト及びグランド部材の第1変形例を示す上面図である。
【
図14】
図12のコンタクト及びグランド部材の第2変形例を示す上面図である。
【
図15】
図12のコンタクト及びグランド部材のうち後方に位置するコンタクト及びグランド部材の一部を示す斜視図である。
【
図16】
図15のコンタクト及びグランド部材を示す側面図である。
【
図17】
図15のコンタクト及びグランド部材を示す正面図である。
【
図18】
図17のコンタクト及びグランド部材をE-E線に沿って示す断面図である。
【
図19】
図17のコンタクト及びグランド部材をF-F線に沿って示す断面図である。
【
図20】
図15に含まれるグランド部材を示す前方斜視図である。
【
図25】
図8のフローティングコネクタにおける可動ハウジングへのグランド部材の取付方法を説明するための正面図である。
【
図26】
図25のフローティングコネクタをG-G線に沿って示す断面図である。
【
図27】
図25のフローティングコネクタをH-H線に沿って示す断面図である。
【
図28】
図8のフローティングコネクタにおける可動ハウジングへのグランド部材の取付方法を説明するための別の正面図である。
【
図29】
図28のフローティングコネクタをI-I線に沿って示す断面図である。
【
図30】
図28のフローティングコネクタをJ-J線に沿って示す断面図である。
【
図31】
図10のフローティングコネクタの第1変形例を示す断面図である。
【
図32】
図31のフローティングコネクタを示す斜視断面図である。
【
図33】
図10のフローティングコネクタの第2変形例を示す断面図である。
【
図34】本発明の第2の実施の形態によるコネクタ組立体に含まれるフローティングコネクタを示す断面図である。
【
図35】
図34のフローティングコネクタを示す斜視断面図である
。
【
図36】特許文献1のコネクタを示す前方斜視図である。
【
図37】
図36のコネクタに含まれるコンタクトの一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
図1に示されるように、本発明の第1の実施の形態によるコネクタ組立体10は、相手側コネクタ600と、フローティングコネクタ100とを備えている。
【0018】
図4及び
図6に示されるように、本実施の形態の相手側コネクタ600は、相手側ハウジング602と、複数の相手側コンタクト605とを有している。
【0019】
図4及び
図6を参照して、本実施の形態の相手側ハウジング602は、絶縁体からなる。相手側ハウジング602は、相手側コンタクト605を保持している。相手側ハウジング602は、突出部6022と、相手側包囲部6024と、可動ハウジング受容部603とを有している。
【0020】
図4及び
図6に示されるように、本実施の形態の突出部6022は、上下方向において下方に突出している。突出部6022は、上下方向と直交する平面において、相手側包囲部6024に包囲されている。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。ここで、上方を+Z方向とし、下方を-Z方向とする。また本実施の形態において、上下方向と直交する平面はXY平面である。
【0021】
図4及び
図6に示されるように、本実施の相手側包囲部6024は、上下方向と直交する平面において、突出部6022を包囲している。相手側包囲部6024は、上下方向と直交する平面において、可動ハウジング受容部603を包囲している。
【0022】
図4及び
図6に示されるように、本実施の形態の可動ハウジング受容部603は、上下方向において下方に開口している。可動ハウジング受容部603は、上下方向に延びる空間である。
【0023】
図5及び
図7に示されるように、本実施の形態の相手側コンタクト605は、上下方向と直交する幅方向に2列に並べられている。本実施の形態において、幅方向はX方向である。また、前方を+X方向とし、後方を-X方向とする。各列の相手側コンタクト605は、上下方向及び幅方向の双方と直交するピッチ方向に並べられている。本実施の形態において、ピッチ方向はY方向である。
図4及び
図6を参照して、相手側コンタクト605の夫々は、金属製であり、ばねコンタクトである。相手側コンタクト605の一部は、可動ハウジング受容部603内において、突出部6022から、幅方向外側に露出している。相手側コンタクト605は、相手側接触部610と、相手側延部620と、相手側被固定部630とを有している。即ち、相手側コネクタ600は、相手側接触部610を有している。
【0024】
図4及び
図6に示されるように、本実施の形態の相手側接触部610は、幅方向外側に向いている。相手側接触部610は、可動ハウジング受容部603内において、突出部6022から幅方向外側に露出している。
【0025】
図4及び
図6に示されるように、本実施の形態の相手側延部620は、上下方向に延びている。相手側延部620は、相手側接触部610を支持している。
【0026】
図4及び
図6に示されるように、本実施の形態の相手側被固定部630は、相手側延部620から幅方向外側に延びている。相手側被固定部630は、相手側コンタクト605の上下方向における上端を規定している。相手側被固定部630は、相手側コンタクト605の幅方向における外端を規定している。
【0027】
図1及び
図2に示されるように、本実施の形態のフローティングコネクタ100は、基板700上に搭載されて使用されるものである。また、本実施の形態のフローティングコネクタ100は、相手側コネクタ600と上下方向に沿って嵌合抜去可能なものである。
【0028】
図11に示されるように、本実施の形態のフローティングコネクタ100は、可動ハウジング200と、固定ハウジング220と、複数のコンタクト250と、複数のグランド部材500とを備えている。なお、本発明はこれに限定されず、フローティングコネクタ100は、可動ハウジング200と、複数のコンタクト250と、少なくとも1つのグランド部材500とを備えていればよい。即ち、フローティングコネクタ100は、固定ハウジング220を備えていなくてもよい。
【0029】
図11を参照して、本実施の形態の可動ハウジング200は、絶縁体からなる。
図9及び
図10に示されるように、可動ハウジング200は、包囲部206と、収容部208と、底部201とを有している。
【0030】
図9から
図11までに示されるように、本実施の形態の包囲部206は、上下方向に延びる略角筒形状を有している。
【0031】
図9から
図11までに示されるように、本実施の形態の収容部208は、上下方向に
おいて上方に開口している。収容部208は、上下方向と直交する平面において包囲部206に包囲されている。
図4及び
図6に示されるように、収容部208は、フローティングコネクタ100と相手側コネクタ600とが嵌合した際に、相手側コネクタ600の突出部6022を収容する。
【0032】
図9及び
図10に示されるように、本実施の形態の底部201は、上下方向において収容部208の下方に位置している。底部201は、可動ハウジング200の上下方向における下端を規定している。底部201は、複数の第1保持部202と、複数の挿入孔203とを有している。
【0033】
図9及び
図10から理解されるように、本実施の形態の第1保持部202の夫々は、上下方向に延びる2つの溝である。第1保持部202は、コンタクト250に夫々対応している。第1保持部202の溝の夫々は、ピッチ方向内側に向いた内壁を有している。
【0034】
図9及び
図10に示されるように、本実施の形態の挿入孔203の夫々は、底部201を上下方向に貫通する孔である。挿入孔203は、互いに同じ形状を有している。挿入孔203は、上下方向において収容部208の下方に位置している。挿入孔203は、2つの壁面2032と、斜面2034と、平面2036と、第2保持部204とを有している。即ち、可動ハウジング200は、第1保持部202と、第2保持部204とを有している。
【0035】
図9及び
図10を参照して、本実施の形態の壁面2032は、挿入孔203のピッチ方向両側に夫々位置している。壁面2032の夫々は、ピッチ方向と直交する平面である。
【0036】
図9に示されるように、本実施の形態の斜面2034は、上下方向及び幅方向の双方と交差する平面である。より詳しくは、斜面2034は、上方及び幅方向外側に延びている。
【0037】
図9を参照して、本実施の形態の平面2036は、幅方向と直交している。平面2036は、上下方向において斜面2034と第2保持部204との間に位置している。より詳しくは、上下方向において、平面2036は、斜面2034の上方に位置しており、第2保持部204の下方に位置している。平面2036は、ピッチ方向において2つの壁面2032を互いに連結している。
【0038】
図9を参照して、本実施の形態の第2保持部204は、幅方向内側に凹んでいる。第2保持部204は、ピッチ方向において2つの壁面2032の間に位置している。第2保持部204は、2つの側壁2042と、底面2044と、内面2046とを有している。
【0039】
図5及び
図9を参照して、本実施の形態の側壁2042は、第2保持部204のピッチ方向両側に夫々位置している。側壁2042の夫々は、ピッチ方向と直交する平面である。側壁2042は、壁面2032と夫々対応している。側壁2042の夫々は、対応する壁面2032と面一になっている。即ち、側壁2042の夫々は、ピッチ方向において対応する壁面2032と同じ位置に位置している。
【0040】
図5及び
図9に示されるように、本実施の形態の底面2044は、上下方向において上方を向いた面である。底面2044は、上下方向において第2保持部204の下端を規定している。
【0041】
図9に示されるように、本実施の形態の内面2046は、幅方向外側に向いた面である。内面2046は、幅方向において第2保持部204の内端を規定している。
【0042】
図11を参照して、本実施の形態の固定ハウジング220は、絶縁体からなり、上下方向と直交する略平板形状を有している。固定ハウジング220は、複数の第3保持部226を有している。
【0043】
図9及び
図10を参照して、本実施の形態の第3保持部226は、コンタクト250と夫々対応している。第3保持部226の夫々は、固定ハウジング220を上下方向に貫通する孔である。第3保持部226の夫々は、固定ハウジング220の幅方向外端近傍に位置している。第3保持部226の夫々は、ピッチ方向内側に向いた2つの内壁を有している。
【0044】
図9及び
図10に示されるように、本実施の形態のコンタクト250の夫々は、金属製である。コンタクト250は、互いに同じ形状を有している。
図12に示されるように、コンタクト250は、幅方向に2列に配列されている。各列のコンタクト250は、ピッチ方向に並べられている。コンタクト250は、複数のグループG1,G2,G3,G4,G5,G6に分けられている。ここで、各グループG1,G2,G3,G4,G5,G6に含まれるコンタクト250の数は、10である。
【0045】
図12に示されるように、コンタクト250には、複数のグランドコンタクト300と、複数の信号コンタクト400とが含まれている。なお、本発明はこれに限定されず、コンタクト250に含まれる信号コンタクト400の数は、一つであってもよい。即ち、コンタクト250には、複数のグランドコンタクト300と、信号コンタクト400とが含まれていればよい。
【0046】
図12に示されるように、本実施の形態の複数のグランドコンタクト300は、複数のグループG1,G2,G3,G4,G5,G6に分けられている。ここで、各グループG1,G2,G3,G4,G5,G6に含まれるグランドコンタクト300の数は4つである。
【0047】
図19に示されるように、グランドコンタクト300の夫々は、ばねコンタクトである。グランドコンタクト300の夫々は、被固定部310と、第1被保持部320と、第3被保持部330と、連結部340と、延部360と、接触部370とを有している。
【0048】
図6に示されるように、本実施の形態の被固定部310は、フローティングコネクタ100が基板700上に搭載される際に基板700に半田付け等により固定されるものである。被固定部310は、第3被保持部330から幅方向外側に延びている。被固定部310は、グランドコンタクト300の幅方向外端を規定している。
【0049】
図10に示されるように、本実施の形態の第1被保持部320は、上下方向において上方に延びている。第1被保持部320は、第1保持部202に保持されている。より詳しくは、第1被保持部320は、第1保持部202に圧入されている。
図15に示されるように、第1被保持部320は、ピッチ方向外側に突出する複数の突起322を有している。
図10及び
図15を参照して、突起322は、第1保持部202の溝の内壁に食い込んでいる。第1被保持部320は、可動ハウジング200がフローティング中であっても、変形せず、また、グランド部材500に対して相対移動しない。
【0050】
図10に示されるように、本実施の形態の第3被保持部330は、被固定部310から上下方向において上方に延びている。第3被保持部330は、第3保持部226に保持されている。より詳しくは、第3被保持部330は、第3保持部226に圧入されている。
図15に示されるように、第3被保持部330は、ピッチ方向外側に突出する複数の突起332を有している。
図10及び
図15を参照して、突起332は、第3保持部226の内壁に食い込んでいる。
【0051】
図10に示されるように、本実施の形態の連結部340は、被固定部310と第1被保持部320とを互いに連結している。連結部340は、弾性変形可能である。可動ハウジング200は、連結部340の弾性変形により、上下方向と直交する平面における所定範囲PA内において移動可能となっている。連結部340は、第1部位342と、第2部位346と、接続部348とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、連結部340は、第1部位342と、第2部位346とを少なくとも有していればよい。
【0052】
図10に示されるように、本実施の形態の第1部位342は、上下方向において、第1被保持部320から下方に延びている。第1部位342は、第1被保持部320の近傍に位置していることから、可動ハウジング200がフローティング中であっても、殆ど変形せず、また、グランド部材500に対して殆ど相対移動しない。
【0053】
図10に示されるように、本実施の形態の第2部位346は、第1部位342の下端343から上下方向と直交する幅方向に延びている。より詳しくは、第2部位346は、第1部位342の下端343から幅方向外側に延びている。第2部位346は、第1被保持部320の近くに位置していることから、可動ハウジング200がフローティング中であっても変形しにくくなっている。
【0054】
図10に示されるように、本実施の形態の接続部348は、第2部位346と被固定部310とを接続している。接続部348の上端は、第1被保持部320の上方に位置している。
【0055】
図10に示されるように、本実施の形態の延部360は、上下方向において、第1被保持部320から上方に延びている。延部360は、弾性変形可能となっている。延部360は、収容部208内に位置している。延部360は、上下方向において底部201の上方
に位置している。
【0056】
図6に示されるように、本実施の形態の接触部370は、フローティングコネクタ100が相手側コネクタ600と嵌合する際に相手側接触部610と接触するものである。より詳しくは、フローティングコネクタ100が相手側コネクタ600と嵌合する際、接触部370は、相手側接触部610と2点接触する。接触部370は、収容部208内に位置している。接触部370は、延部360に支持されている。上述のように延部360が弾性変形可能であることにより、接触部370は幅方向に移動可能となっている。
【0057】
図9を参照して、本実施の形態の信号コンタクト400の夫々は、高速信号伝送用である。
図9及び
図10を参照して、信号コンタクト400は、グランドコンタクト300と同じ形状を有している。
【0058】
図12に示されるように、本実施の形態の複数の信号コンタクト400は、複数のグループG1,G2,G3,G4,G5,G6に分けられている。各グループG1,G2,G3,G4,G5,G6に含まれる信号コンタクト400の数は、6である。ここで、上述のように、各グループG1,G2,G3,G4,G5,G6に含まれるグランドコンタクト300の数は4であることから、各グループG1,G2,G3,G4,G5,G6は、4つのグランドコンタクト300と、6つの信号コンタクト400とを含んでいる。なお、本発明はこれに限定されず、各グループがピッチ方向に配列された複数のグランドコンタクト300及び1つ以上の信号コンタクト400を含む限り、1つ以上のグループに分けられていればよい。例えば、
図13に示されるコンタクト250及びグランド部材500の第1変形例のように、コンタクト250をグループG1,G2,G3,G4の4つのグループに分けてもよいし、
図14に示されるコンタクト250及びグランド部材500の第2変形例のように、グループG1,G2,G3の3つのグループに分けてもよい。
【0059】
図12を参照して、各グループG1,G2,G3,G4,G5,G6のコンタクト250は、グランドコンタクト300をG、信号コンタクト400をSと表記した場合、GSSGSSGSSGとする差動信号配列を構成している。
【0060】
図18に示されるように、信号コンタクト400の夫々は、ばねコンタクトである。信号コンタクト400の夫々は、被固定部410と、第1被保持部420と、第3被保持部430と、連結部440と、延部460と、接触部470とを有している。
【0061】
図4に示されるように、本実施の形態の被固定部410は、フローティングコネクタ100が基板700上に搭載される際に基板700に半田付け等により固定されるものである。被固定部410は、第3被保持部430から幅方向外側に延びている。被固定部410は、信号コンタクト400の幅方向外端を規定している。
【0062】
図9に示されるように、本実施の形態の第1被保持部420は、上下方向において上方に延びている。第1被保持部420は、第1保持部202に保持されている。より詳しくは、第1被保持部420は、第1保持部202に圧入されている。
図15に示されるように、第1被保持部420は、ピッチ方向外側に突出する複数の突起422を有している。
図9及び
図15を参照して、突起422は、第1保持部202の溝の内壁に食い込んでいる。第1被保持部420は、可動ハウジング200がフローティング中であっても、変形せず、また、グランド部材500に対して相対移動しない。
【0063】
図9に示されるように、本実施の形態の第3被保持部430は、被固定部410から上下方向において上方に延びている。第3被保持部430は、第3保持部226に保持されている。より詳しくは、第3被保持部430は、第3保持部226に圧入されている。
図15に示されるように、第3被保持部430は、ピッチ方向外側に突出する複数の突起432を有している。
図9及び
図15を参照して、突起432は、第3保持部226の内壁に食い込んでいる。
【0064】
図9に示されるように、本実施の形態の連結部440は、被固定部410と第1被保持部420とを互いに連結している。連結部440は、弾性変形可能である。可動ハウジング200は、連結部440の弾性変形により、上下方向と直交する平面における所定範囲PA内において移動可能となっている。連結部440は、第1部位442と、第2部位446と、接続部448とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、連結部440は、第1部位442と、第2部位446とを少なくとも有していればよい。
【0065】
図9に示されるように、本実施の形態の第1部位442は、上下方向において、第1被保持部420から下方に延びている。第1部位442は、第1被保持部420の近傍に位置していることから、可動ハウジング200がフローティング中であっても、殆ど変形せず、また、グランド部材500に対して殆ど相対移動しない。
【0066】
図9に示されるように、本実施の形態の第2部位446は、第1部位442の下端443から上下方向と直交する幅方向に延びている。より詳しくは、第2部位446は、第1部位442の下端443から幅方向外側に延びている。第2部位446は、第1被保持部420の近くに位置していることから、可動ハウジング200がフローティング中であっても変形しにくくなっている。
【0067】
図9に示されるように、本実施の形態の接続部448は、第2部位446と被固定部410とを接続している。接続部448の上端は、第1被保持部420の上方に位置している。
【0068】
図9に示されるように、本実施の形態の延部460は、上下方向において、第1被保持部420から上方に延びている。延部460は、弾性変形可能となっている。延部460は、収容部208内に位置している。延部460は、上下方向において底部201の上方
に位置している。
【0069】
図4に示されるように、本実施の形態の接触部470は、フローティングコネクタ100が相手側コネクタ600と嵌合する際に相手側接触部610と接触するものである。より詳しくは、フローティングコネクタ100が相手側コネクタ600と嵌合する際、接触部470は、相手側接触部610と2点接触する。接触部470は、収容部208内に位置している。接触部470は、延部460に支持されている。上述のように延部460が弾性変形可能であることにより、接触部470は幅方向に移動可能となっている。
【0070】
図9に示されるように、本実施の形態のグランド部材500は、可動ハウジング200に取り付けられている。グランド部材500の可動ハウジング200への取付方法については後述する。なお、本実施の形態において、グランド部材500は、固定ハウジング220には取り付けられていない。即ち、グランド部材500は、可動ハウジング200のみに取り付けられている。
【0071】
図11及び
図20から理解されるように、グランド部材500は、グランドコンタクト300の何れとも別体となっている。
【0072】
図12に示されるように、本実施の形態において、グランド部材500の数は、グランドコンタクト300のグループG1,G2,G3,G4,G5,G6の数と同じ、6つである。グランドコンタクト300のグループG1,G2,G3,G4,G5,G6は、グランド部材500と夫々対応している。即ち、コンタクト250のグループG1,G2,G3,G4,G5,G6は、グランド部材500と夫々対応している。なお、本発明はこれに限定されず、
図13の第1変形例のように、グランドコンタクト300の4つのグループG1,G2,G3,G4に対して4つのグランド部材500を夫々対応させてもよいし、
図14の第2変形例のように、グランドコンタクト300の3つのグループG1,G2,G3に対して3つのグランド部材500を夫々対応させてもよい。グランドコンタクト300のグループの数は、グランド部材500の数と同数となっていればよい。
【0073】
なお、上述のように、本実施の形態のグランド部材500は、グランドコンタクト300の何れとも別体となっている。これにより、グランドコンタクト300のグループ分けを変更した場合、グランド部材500とグランドコンタクト300とが一体物で構成されている場合においては、変更されたグループ分けに応じて上記一体物を全体として変更する必要があるが、本実施の形態においてはグランド部材500のみの変更で対応可能となっている。
【0074】
図21に示されるように、本実施の形態のグランド部材500は、複数のグランド接触部510と、複数の支持部520と、複数のガイド部525と、グランド連結部530と、複数の延長部535と、複数の突出平板部538と、複数の第2被保持部540とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、第2被保持部540の数は、一つであってもよい。
【0075】
図12に示されるように、本実施の形態のグランド接触部510は、グランドコンタクト300と夫々対応している。グランド部材500の夫々のグランド接触部510は、対応するグループG1,G2,G3,G4,G5,G6のグランドコンタクト300と接触している。
図10を参照して、グランド接触部510の夫々は、可動ハウジング200の所定範囲PA内における移動の際であっても、対応するグランドコンタクト300に接触している。グランド接触部510は、支持部520の上端に位置している。グランド接触部510は、ピッチ方向において対応するグランドコンタクト300と同じ位置に位置している。グランド接触部510は、第1被保持部320に接触している。なお、本発明はこれに限定されず、グランド接触部510は、第1被保持部320又は第1部位342に接触していればよい。上述のように、第1被保持部320及び第1部位342は、グランド部材500に対して殆ど相対移動せず、且つ、変形しないか或いは殆ど変形しないことから、グランド接触部510を第1被保持部320又は第1部位342に接触するように構成することにより、可動ハウジング200のフローティング中でも、グランド接触部510をグランドコンタクト300に対して安定して接触させることができる。
【0076】
図20及び
図21に示されるように、本実施の形態の支持部520の夫々は、グランド連結部530から湾曲して幅方向外側に延びた後、更に湾曲して上方に延びている。複数の支持部520は、それぞれが独立して弾性変形可能となっている。支持部520は、グランド接触部510を支持している。より詳しくは、支持部520は、グランド接触部510と夫々対応している。支持部520の夫々は、対応するグランド接触部510を支持している。支持部520は、グランド部材500の下端を規定している。
【0077】
上述のように、1つのグランド部材500の複数のグランド接触部510は、それぞれが独立して弾性変形可能な支持部520に支持されている。これにより、可動ハウジング200が所定範囲PA内において移動しても、全てのグランド接触部510は、対応するグランドコンタクト300に対して安定して常に接触することができる。
【0078】
図21に示されるように、本実施の形態のガイド部525は、支持部520と夫々対応している。
図24に示されるように、ガイド部525の夫々は、対応する支持部520の上端から上方かつ幅方向内側に延びている。
【0079】
図20に示されるように、本実施の形態のグランド連結部530は、幅方向と交差する平板形状を有している。グランド連結部530は、ピッチ方向に長手を有している。グランド連結部530は、支持部520を互いに連結している。
【0080】
図21に示されるように、本実施の形態の延長部535の夫々は、グランド連結部530から上方に延びている。2つの延長部535は、ピッチ方向において支持部520の間に位置している。
図9に示されるように、延長部535は、挿入孔203内に位置している。延長部535は、挿入孔203の平面2036の幅方向外側に位置している。延長部535は、挿入孔203の平面2036と幅方向において接触している。延長部535は、ピッチ方向において信号コンタクト400と同じ位置に位置している。
図21を参照して、延長部535は、2つの側面5352を有している。
【0081】
図21に示されるように、本実施の形態の側面5352は、ピッチ方向と交差する平面である。側面5352は、延長部535のピッチ方向における両外端を夫々規定している。
図9及び
図21を参照して、側面5352は、ピッチ方向において壁面2032と対向している。より詳しくは、延長部535の+Y側の側面5352は、挿入孔203の+Y側の壁面2032とピッチ方向において対向しており、延長部535の-Y側の側面5352は、挿入孔203の-Y側の壁面2032とピッチ方向において対向している。
【0082】
図20に示されるように、本実施の形態の突出平板部538は、幅方向と交差する平板形状を有している。突出平板部538は、グランド連結部530から上方に延びている。
図20及び
図22から理解されるように、突出平板部538は、ピッチ方向においてグランド接触部510と同じ位置に位置している。突出平板部538は、ピッチ方向において支持部520と同じ位置に位置している。
図10に示されるように、突出平板部538は、挿入孔203の平面2036と幅方向において接触している。
【0083】
図20及び
図21に示されるように、本実施の形態の第2被保持部540は、延長部535と夫々対応している。第2被保持部540の夫々は、対応する延長部535から上方に延びた後、湾曲して下方に延びている。第2被保持部540は、上下方向と直交するピッチ方向において、支持部520の間に設けられている。より詳しくは、上記2つの延長部535に対応する第2被保持部540は、ピッチ方向において支持部520の間に位置している。
図9を参照して、第2被保持部540は、ピッチ方向において信号コンタクト400と同じ位置に位置している。第2被保持部540は、挿入孔203内に位置している。第2被保持部540は、第2保持部204に保持されている。より詳しくは、第2被保持部540は、第2保持部204と夫々対応しており、第2被保持部540の夫々は、対応する第2保持部204に保持されている。即ち、第2保持部204は、第2被保持部540に対応して設けられている。第2被保持部540は、第2保持部204に嵌め込まれている。なお、本発明はこれに限定されず、第2被保持部540は、第2保持部204に圧入されていてもよい。
【0084】
図20及び
図21に示されるように、第2被保持部540は、2つの側面542と、下面544とを有している。
【0085】
図20及び
図21に示されるように、本実施の形態の側面542は、ピッチ方向と交差する平面である。側面542は、第2被保持部540のピッチ方向における両外端を夫々規定している。
図5及び
図24を参照して、側面542は、ピッチ方向において第2保持部204の側壁2042と対向している。より詳しくは、第2被保持部540の+Y側の側面542は、対応する第2保持部204の+Y側の側壁2042とピッチ方向において対向しており、第2被保持部540の-Y側の側面542は、対応する第2保持部204の-Y側の側壁2042とピッチ方向において対向している。
【0086】
図24に示されるように、本実施の形態の下面544は、上下方向において下方に向いた面である。下面544は、グランド部材500の幅方向外端に位置している。
図9に示されるように、下面544は、上下方向において第2保持部204の底面2044と対向している。より詳しくは、第2被保持部540の下面544は、上下方向において、対応する第2保持部204の底面2044と対向している。
【0087】
上述のように、第2被保持部540の側面542は、ピッチ方向において第2保持部204の側壁2042と対向している。即ち、グランド部材500のピッチ方向への移動が第2被保持部540の側面542により規制されており、グランド接触部510がピッチ方向に位置ずれすることなくグランドコンタクト300に確実に接触するようになっている。
【0088】
(グランド部材の取付方法)
グランド部材500の可動ハウジング200への取付方法を以下に詳述する。
【0089】
まず、
図25、
図26及び
図27を参照して、予めコンタクト250を取り付けた可動ハウジング200の下方に、グランド部材500を配置する。このとき、グランド部材500の第2被保持部540は、可動ハウジング200の挿入孔203の直下に位置しており、グランド部材500のガイド部525は、可動ハウジング200の別の挿入孔203の直下に位置している。
【0090】
その後、グランド部材500を可動ハウジング200に対して上方に相対移動すると、グランド部材500のガイド部525はグランドコンタクト300の連結部340の下端343(
図16参照)に接触する。
【0091】
この状態において、グランド部材500に上方への力を加えると、グランド部材500は、第2被保持部540が挿入孔203に挿入されると共に支持部520も上記別の挿入孔203に挿入されて、
図29及び
図30に示される状態となる。
【0092】
このとき、グランド部材500のグランド接触部510は、グランドコンタクト300の第1被保持部320と接触しており、グランド部材500の支持部520は、幅方向内側に弾性変形しており、グランド部材500の第2被保持部540は、可動ハウジング200の挿入孔203の斜面2034と接している。またこのとき、挿入孔203の壁面2032は、ピッチ方向において第2被保持部540の側面542の外側に位置している。
【0093】
その後、グランド部材500に上方への力を更に加え続けると、グランド部材500の第2被保持部540は、挿入孔203の平面2036に乗り上げた後、第2保持部204に収容され、
図9及び
図10の状態となる。このようにして、グランド部材500は可動ハウジング200に取付られる。
【0094】
なお、本実施の形態の可動ハウジング200は、面一となる壁面2032及び側壁2042を有することにより、グランド部材500の第2被保持部540を挿入孔203に挿入した際に、グランド接触部510を対応するグランドコンタクト300に対してピッチ方向に位置ずれすることなく正確に配置することができる。
【0095】
また、上述のように、本実施の形態の挿入孔203は互いに同一形状を有している。これにより、何れの挿入孔203にグランド部材500の第2被保持部540を挿入しても挿入孔203の第2保持部204にグランド部材500の第2被保持部540を保持させることが可能となっている。
【0096】
上述のように、本実施の形態のフローティングコネクタ100は、コンタクト250を保持する固定ハウジング220を備えていたが、この固定ハウジング220に代えて、コンタクト250を保持しないロケータであってコンタクト250をピッチ方向に整列させるロケータを備えていてもよい。このようなロケータをフローティングコネクタ100が備えることにより、コンタクト250を基板700に半田付け等により固定する際にコンタクト250をピッチ方向に位置決めすることができるようになっている。また、コンタクト250を保持する第3保持部226を有する固定ハウジング220と比較して、コンタクト250を保持しないロケータは要求される強度が大きくないため、固定ハウジング220と比較してロケータは小型化が可能となっており、ロケータを備えたフローティングコネクタ100全体の小型化も図ることができる。
【0097】
ここまで、本発明の第1の実施の形態について説明したが、本実施の形態は以下のように変形されてもよい。
【0098】
(第1変形例)
図31及び
図32に示されるように、第1変形例によるフローティングコネクタ100Aは、可動ハウジング200と、固定ハウジング220Aと、複数のコンタクト250Aと、複数のグランド部材500とを備えている。ここで、固定ハウジング220A及びコンタクト250A以外の構成については上述の実施の形態と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0099】
図31及び
図32を参照して、本変形例の固定ハウジング220Aは、絶縁体からなり、上下方向に延びる略角筒形状を有している。固定ハウジング220Aは、上下方向において可動ハウジング200の下方に位置している。より詳しくは、固定ハウジング220Aの上端は、可動ハウジング200の下端の下方に位置している。固定ハウジング220Aは、複数の第3保持部226Aを有している。
【0100】
図31を参照して、
本変形例の第3保持部226Aは、コンタクト250Aと夫々対応している。第3保持部226Aの夫々は、固定ハウジング220Aを貫通する孔である。第3保持部226Aの夫々は、固定ハウジング220Aの幅方向外端付近に位置している。第3保持部226Aは、ピッチ方向内側に向いた2つの内壁を有している。
【0101】
図31及び
図32を参照して、本変形例のコンタクト250Aの夫々は、金属製である。コンタクト250Aは、互いに同じ形状を有している。コンタクト250Aには、複数のグランドコンタクト300Aと、複数の信号コンタクト400Aとが含まれている。なお、本発明はこれに限定されず、コンタクト250Aに含まれる信号コンタクト400Aの数は、一つであってもよい。即ち、コンタクト250Aには、複数のグランドコンタクト300Aと、信号コンタクト400Aとが含まれていればよい。
【0102】
図31に示されるように、グランドコンタクト300Aの夫々は、被固定部310と、第1被保持部320と、第3被保持部330と、連結部340Aと、延部360と、接触部370とを有している。ここで、本変形例の連結部340A以外の構成要素については、第1の実施の形態のグランドコンタクト300と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0103】
図31に示されるように、
本変形例の連結部340Aは、被固定部310と第1被保持部320とを互いに連結している。連結部340Aは、弾性変形可能である。可動ハウジング200は、連結部340Aの弾性変形により、上下方向と直交する平面における所定範囲(図示せず)内において移動可能となっている。
【0104】
図31に示されるように、連結部340Aは、第1部位342と、第2部位346と、接続部348Aとを有している。
【0105】
図31に示されるように、
本変形例の第1部位342は、上下方向において、第1被保持部320から下方に延びている。第1部位342の下端343は、固定ハウジング220Aの上端よりも下方に位置している。第1部位342の下端343は、上下方向において可動ハウジング200の下方に位置している。
【0106】
図31に示されるように、
本変形例の第2部位346は、第1部位342の下端343から上下方向と直交する幅方向に延びている。より詳しくは、第2部位346は、第1部位342の下端343から幅方向外側に延びている。第2部位346は、上下方向において可動ハウジング200の下方に位置している。
【0107】
図31に示されるように、
本変形例の接続部348Aは、第2部位346と被固定部310とを接続している。接続部348Aは、上下方向における下方に延びている。より詳しくは、接続部348Aは、第2部位346から下方に延びたあと、湾曲して幅方向外側に延び、更に湾曲して下方に延びている。接続部348Aは、上下方向において第1被保持部320の下方に位置している。
【0108】
図32を参照して、
本変形例の信号コンタクト400Aは、グランドコンタクト300Aと同じ形状を有している。信号コンタクト400Aの夫々は、被固定部410と、第1被保持部(図示せず)と、第3被保持部(図示せず)と、連結部(図示せず)と、延部(図示せず)と、接触部470とを有している。ここで、信号コンタクト400Aの被固定部410と、第1被保持部(図示せず)と、第3被保持部(図示せず)と、連結部(図示せず)と、延部(図示せず)と、接触部470とは、グランドコンタクト300Aの被固定部310と、第1被保持部320と、第3被保持部330と、連結部340Aと、延部360と、接触部370と、夫々同じ形状を有しているため、詳細な説明は省略する。
【0109】
(第2変形例)
図33に示されるように、第2変形例によるフローティングコネクタ100Bは、可動ハウジング200Bと、固定ハウジング220と、複数のコンタクト250と、複数のグランド部材500Bとを備えている。ここで、可動ハウジング200B及びグランド部材500B以外の構成については第1の実施の形態と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0110】
図33を参照して、本変形例の可動ハウジング200Bは、絶縁体からなる。可動ハウジング200Bは、包囲部206Bと、収容部208と、底部201とを有している。ここで、包囲部206B以外の構成については第1の実施の形態と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0111】
図33を参照して、
本変形例の形態の包囲部206Bは、上下方向に延びる略角筒形状を有している。包囲部206Bは、第2保持部204Bを有している。第2保持部204Bは、包囲部206Bの下端に位置している。
【0112】
図33を参照して、
本変形例の第2保持部204Bは、上下方向に延びる2つの溝である。第2保持部204Bの溝の夫々は、ピッチ方向内側に向いた内壁を有している。
【0113】
図33を参照して、本変形例のグランド部材500Bは、複数のグランド接触部510Bと、複数の支持部520Bと、グランド連結部(図示せず)と、複数の第2被保持部540Bとを有している。
【0114】
図33に示されるように、本変形例のグランド接触部510Bは、上下方向において下方に向いている。グランド接触部510Bは、グランドコンタクト300の第2部位346に接触している。より詳しくは、グランド接触部510Bは、第2部位346に対して上側から接触している。これにより、可動ハウジング200Bのフローティング中でも、グランドコンタクト300のほぼ変形しない箇所にグランド接触部510Bを接触させることができる。
【0115】
図33に示されるように、本変形例の支持部520Bは、下方に延びている。支持部520Bは、上部522Bと、下部524Bとを有している。上部522Bは、下方に延びつつ幅方向内側に延びている。下部524Bは、上部522Bから湾曲して下方且つ幅方向外側に延びている。グランド接触部510Bは、下部524Bの幅方向外端付近に位置している。
【0116】
図33に示されるように、本変形例の第2被保持部540Bは、グランド部材500Bの上端を規定している。第2被保持部540Bは、第2保持部204Bに保持されている。より詳しくは、第2被保持部540Bは、第2保持部204Bに圧入されている。複数の第2被保持部540Bは、図示しないグランド連結部により互いに連結されている。
【0117】
(第2の実施の形態)
図34及び
図35を参照して、本発明の第2の実施の形態によるコネクタ組立体(図示せず)は、相手側コネクタ(図示せず)と、フローティングコネクタ100Cとを備えている。ここで、本実施の形態の相手側コネクタは、上述した第1の実施の形態による相手側コネクタ600(
図1参照)と同様な構成を備えているため、詳細な説明を省略する。
【0118】
図34及び
図35に示されるように、本実施の形態のフローティングコネクタ100Cは、上述した第1の実施の形態によるフローティングコネクタ100(
図1参照)と同様な構成を備えている。そのため、
図34及び
図35に示される構成要素のうち、第1の実施の形態と同様の構成要素に対しては同一の参照符号を付すこととする。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0119】
図34及び
図35に示されるように、本実施の形態のフローティングコネクタ100Cは、可動ハウジング200と、固定ハウジング220Cと、複数のコンタクト250Cと、複数のグランド部材500Cとを備えている。なお、本発明はこれに限定されず、グランド部材500Cの数は1つであってもよい。即ち、フローティングコネクタ100Cは、可動ハウジング200と、固定ハウジング220Cと、複数のコンタクト250Cと、少なくとも1つのグランド部材500Cとを備えていればよい。ここで
、本実施の形態の可動ハウジング200については第1の実施の形態の可動ハウジング200と同じ構造であるので、詳細な説明は省略する。
【0120】
図34に示されるように、本実施の形態の固定ハウジング220Cは、第2保持部224と、第3保持部226とを有している。
【0121】
図34に示されるように、本実施の形態のコンタクト250Cの夫々は、金属製である。コンタクト250Cには、複数のグランドコンタクト300Cと、複数の信号コンタクト400とが含まれている。なお、本発明はこれに限定されず、コンタクト250Cに含まれる信号コンタクト400の数は、一つであってもよい。即ち、コンタクト250Cには、複数のグランドコンタクト300Cと、信号コンタクト400とが含まれていればよい。
【0122】
図34に示されるように、本実施の形態のグランドコンタクト300Cの夫々は、被固定部310と、第1被保持部320と、第3被保持部330と、変形部350と、延部360と、接触部370とを有している。ここで、本実施の形態のグランドコンタクト300Cのうち変形部350以外の構成要素は、第1の実施の形態のグランドコンタクト300と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0123】
図34に示されるように、本実施の形態の変形部350は、第1被保持部320と第3被保持部330とを互いに連結している。変形部350は、弾性変形可能である。可動ハウジング200は、変形部350の弾性変形により、上下方向と直交する平面における所定範囲PA内において移動可能となっている。
【0124】
図34に示されるように、変形部350は、第1部位352と、第2部位356と、接続部358とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、変形部350は、第1部位352と、第2部位356とを少なくとも有していればよい。
【0125】
図34に示されるように、本実施の形態の第1部位352は、上下方向において、第1被保持部320から下方に延びている。第1部位352は、第1被保持部320の近傍に位置していることから、可動ハウジング200がフローティング中であっても、殆ど変形せず、また、グランド部材500Cに対して殆ど相対移動しない。
【0126】
図34に示されるように、本実施の形態の第2部位356は、第1部位352の下端353から上下方向と直交する幅方向に延びている。より詳しくは、第2部位356は、第1部位352の下端353から幅方向外側に延びている。第2部位356は、第1被保持部320の近くに位置していることから、可動ハウジング200がフローティング中であっても変形しにくくなっている。
【0127】
図34に示されるように、本実施の形態の接続部358は、第2部位356と第3被保持部330とを連結している。接続部358の上端は、第1被保持部320の上方に位置している。
【0128】
図34に示されるように、本実施の形態のグランド部材500Cは、固定ハウジング220Cに取り付けられている。なお、本実施の形態において、グランド部材500Cは、可動ハウジング200には取り付けられていない。即ち、グランド部材500Cは、固定ハウジング220Cのみに取り付けられている。
【0129】
図34及び
図35を参照して、グランド部材500Cは、複数のグランド接触部510Cと、複数の支持部520Cと、グランド連結部530Cと、第2被保持部540Cとを有している。
【0130】
図34を参照して、本実施の形態のグランド接触部510Cは、グランドコンタクト300Cと夫々対応している。グランド接触部510Cの夫々は、可動ハウジング200の所定範囲PA内における移動の際であっても、対応するグランドコンタクト300Cに接触している。グランド接触部510Cは、第2部位356に接触している。
【0131】
図34及び
図35を参照して、本実施の形態の支持部520Cは、グランド接触部510Cを夫々支持している。支持部520Cは、グランド連結部530Cから上方かつ幅方向内側に延びている。
【0132】
図34及び
図35を参照して、本実施の形態のグランド連結部530Cは、支持部520Cを互いに連結している。
【0133】
図34に示されるように、本実施の形態の第2被保持部540Cは、第2保持部224に保持されている。
【0134】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。また、以上の実施の形態及び変形例を複数組み合わせてもよい。
【0135】
本実施の形態のグランドコンタクト300及び信号コンタクト400は、ばねコンタクトであり、延部360,460は弾性変形可能となっていたが、本発明はこれに限定されず、ブレードコンタクトやピンコンタクトのようなものであってもよい。しかしながら、本実施の形態のグランドコンタクト300及び信号コンタクト400によれば、フローティングコネクタ100が相手側コネクタ600と嵌合する際に相手側接触部610と2点接触するため、接触安定性の観点からより好ましい。
【符号の説明】
【0136】
10 コネクタ組立体
100,100A,100B,100C フローティングコネクタ
200,200B 可動ハウジング
201 底部
202 第1保持部
203 挿入孔
2032 壁面
2034 斜面
2036 平面
204,204B 第2保持部
2042 側壁
2044 底面
2046 内面
206,206B 包囲部
208 収容部
220,220A,220C 固定ハウジング
224 第2保持部
226,226A 第3保持部
250,250A,250C コンタクト
300,300A,300C グランドコンタクト
310 被固定部
320 第1被保持部
322 突起
330 第3被保持部
332 突起
340,340A 連結部
342 第1部位
343 下端
346 第2部位
348,348A 接続部
350 変形部
352 第1部位
353 下端
356 第2部位
358 接続部
360 延部
370 接触部
400,400A 信号コンタクト
410 被固定部
420 第1被保持部
422 突起
430 第3被保持部
432 突起
440 連結部
442 第1部位
443 下端
446 第2部位
448 接続部
460 延部
470 接触部
500,500B,500C グランド部材
510,510B,510C グランド接触部
520,520B,520C 支持部
522B 上部
524B 下部
525 ガイド部
530,530B,530C グランド連結部
535 延長部
5352 側面
538 突出平板部
540,540B,540C 第2被保持部
542 側面
544 下面
600 相手側コネクタ
602 相手側ハウジング
6022 突出部
6024 相手側包囲部
603 可動ハウジング受容部
605 相手側コンタクト
610 相手側接触部
620 相手側延部
630 相手側被固定部
700 基板
G1 グループ
G2 グループ
G3 グループ
G4 グループ
G5 グループ
G6 グループ
PA 所定範囲