(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】原子炉機器の解体方法及びその解体装置
(51)【国際特許分類】
G21F 9/30 20060101AFI20240408BHJP
G21F 9/00 20060101ALI20240408BHJP
G21C 19/02 20060101ALI20240408BHJP
G21C 19/26 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
G21F9/30 535A
G21F9/00 Z
G21F9/30 535F
G21C19/02 020
G21C19/02 040
G21C19/26 100
G21F9/30 531K
(21)【出願番号】P 2020104807
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 建城
(72)【発明者】
【氏名】高倉 恵太
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 恵美子
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-235792(JP,A)
【文献】特開2002-257987(JP,A)
【文献】特開2007-085855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/00-9/36
G21C 19/00-19/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料を貯蔵する第1プールと圧力容器が開口する原子炉ウェルとの両方を跨ぐ既設レール上を移動する第1架台に設置された解体作業用機器と、
前記第1プールとは反対側で前記原子炉ウェルに隣接する第2プールを跨ぐように追設され、前記第1架
台が移動する追設レールと、を利用する原子炉機器の解体方法であって、
前記第1架台は、前記圧力容器から使用済み核燃料を取り出して前記第1プールに移送したりこの第1プールに仮置きされた未使用の核燃料を取り出して前記圧力容器に移送したりする既設の燃料交換設備であり、
前記解体作業用機器は、前記第1架台で前記核燃料の上部を把持し吊り上げ/吊り下げするホイストに追設されており、
前記圧力容器から分離した原子炉機器
は、前記原子炉ウェル及び前記第2プールの上側を移動するように既設された天井クレーンの先端に設けられた把持部
に把持
され、前記第2プールに移送
される、
ことを特徴とする原子炉機器の解体方法。
【請求項2】
核燃料を貯蔵する第1プールと圧力容器が開口する原子炉ウェルとの両方を跨ぐ既設レール上を移動する第1架台に設置された解体作業用機器と、
前記第1プールとは反対側で前記原子炉ウェルに隣接する第2プールを跨ぐように追設され、前記第1架台及び第2架
台が移動する追設レールと、を利用する原子炉機器の解体方法であって、
前記第1架台は、前記圧力容器から使用済み核燃料を取り出して前記第1プールに移送したりこの第1プールに仮置きされた未使用の核燃料を取り出して前記圧力容器に移送したりする既設の燃料交換設備であり、
前記解体作業用機器は、前記第1架台で前記核燃料の上部を把持し吊り上げ/吊り下げするホイストに追設されており、
前記圧力容器から分離した原子炉機器
は、前記第2架台に設けられた把持部
に把持
され、前記第2プールに移送
される、
ことを特徴とする原子炉機器の解体方法。
【請求項3】
請求項2に記載の原子炉機器の解体方法において、
前記第2架台を前記追設レールから支持する両輪の間隔は、レール幅に応じて調節可能であることを利用する原子炉機器の解体方法。
【請求項4】
請求項1から
請求項3のいずれか1項に記載の原子炉機器の解体方法において、
前記解体作業用機器は、解体作業を監視するためのカメラ、線量測定器及び切断機のうち少なくとも一つを利用する原子炉機器の解体方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の原子炉機器の解体方法において、
前記解体作業用機器は切断機であって、
前記第2プールに移送された前記原子炉機器を前記切断機でさらに小さく切断する原子炉機器の解体方法。
【請求項6】
核燃料を貯蔵する第1プールと圧力容器が開口する原子炉ウェルとの両方を跨ぐ既設レール上を移動する第1架台に設置された解体作業用機器と、
前記第1プールとは反対側で前記原子炉ウェルに隣接する第2プールを跨ぐように追設され、前記第1架
台が移動する追設レールと、を備える原子炉機器の解体装置であって、
前記第1架台は、前記圧力容器から使用済み核燃料を取り出して前記第1プールに移送したりこの第1プールに仮置きされた未使用の核燃料を取り出して前記圧力容器に移送したりする既設の燃料交換設備であり、
前記解体作業用機器は、前記第1架台で前記核燃料の上部を把持し吊り上げ/吊り下げするホイストに追設されており、
前記圧力容器から分離した原子炉機器
は、前記原子炉ウェル及び前記第2プールの上側を移動するように既設された天井クレーンの先端に設けられた把持部
に把持
され、前記第2プールに移送
される、
ことを特徴とする原子炉機器の解体装置。
【請求項7】
核燃料を貯蔵する第1プールと圧力容器が開口する原子炉ウェルとの両方を跨ぐ既設レール上を移動する第1架台に設置された解体作業用機器と、
前記第1プールとは反対側で前記原子炉ウェルに隣接する第2プールを跨ぐように追設され、前記第1架台及び第2架台が移動する追設レールと、を備える原子炉機器の解体装置であって、
前記第1架台は、前記圧力容器から使用済み核燃料を取り出して前記第1プールに移送したりこの第1プールに仮置きされた未使用の核燃料を取り出して前記圧力容器に移送したりする既設の燃料交換設備であり、
前記解体作業用機器は、前記第1架台で前記核燃料の上部を把持し吊り上げ/吊り下げするホイストに追設されており、
前記圧力容器から分離した原子炉機器は、前記第2架台に設けられた把持部に把持され、前記第2プールに移送される、
ことを特徴とする原子炉機器の解体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、原子力発電所の廃止措置における原子炉機器の解体技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の廃止措置とは、運転を終了した原子力発電所を解体・撤去し、廃棄物の処理処分と跡地を有効利用するための作業を行うことをいう。原子炉の炉心部の近くに設置された機器は、高レベルに放射能汚染されている。このため炉心部の機器の解体作業は、作業員の被ばく低減を図るため、遠隔・水中で実施されることが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
炉心部の機器の解体作業は、既設の燃料交換設備を利用することが考えられる。作業員が燃料交換設備のプラットホーム(架台)を利用することで、原子炉ウェル等の作業エリアに直接アクセスすることができ、また解体作業に対し優れた遠隔操作性を実現できる。しかし、既設の燃料交換設備は、そのような解体作業を念頭において設計されたものではないために、解体作業の実行内容が制限される。
【0005】
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、既設の燃料交換設備の可動域を拡張し作業エリアに対し広範なアクセスを実現し、作業の効率化を実現する原子炉機器の解体技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る原子炉機器の解体方法において、核燃料を貯蔵する第1プールと圧力容器が開口する原子炉ウェルとの両方を跨ぐ既設レール上を移動する第1架台に設置された解体作業用機器と、前記第1プールとは反対側で前記原子炉ウェルに隣接する第2プールを跨ぐように追設され前記第1架台が移動する追設レールと、を利用するものであって、前記第1架台は、前記圧力容器から使用済み核燃料を取り出して前記第1プールに移送したりこの第1プールに仮置きされた未使用の核燃料を取り出して前記圧力容器に移送したりする既設の燃料交換設備であり、前記解体作業用機器は、前記第1架台で前記核燃料の上部を把持し吊り上げ/吊り下げするホイストに追設されており、前記圧力容器から分離した原子炉機器は、前記原子炉ウェル及び前記第2プールの上側を移動するように既設された天井クレーンの先端に設けられた把持部に把持され、前記第2プールに移送される、、ことを特徴とする。もしくは、原子炉機器の解体方法において、核燃料を貯蔵する第1プールと圧力容器が開口する原子炉ウェルとの両方を跨ぐ既設レール上を移動する第1架台に設置された解体作業用機器と、前記第1プールとは反対側で前記原子炉ウェルに隣接する第2プールを跨ぐように追設され、前記第1架台及び第2架台が移動する追設レールと、を利用する原子炉機器の解体方法であって、前記第1架台は、前記圧力容器から使用済み核燃料を取り出して前記第1プールに移送したりこの第1プールに仮置きされた未使用の核燃料を取り出して前記圧力容器に移送したりする既設の燃料交換設備であり、前記解体作業用機器は、前記第1架台で前記核燃料の上部を把持し吊り上げ/吊り下げするホイストに追設されており、前記圧力容器から分離した原子炉機器は、前記第2架台に設けられた把持部に把持され、前記第2プールに移送される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態により、既設の燃料交換設備の可動域を拡張し作業エリアに対し広範なアクセスを実現し、作業の効率化を実現する原子炉機器の解体技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)本発明の第1実施形態に係る原子炉機器の解体装置を示す正面図、(B)同 平面図。
【
図2】(A)第1実施形態に係る原子炉機器の解体方法の動作を説明する正面図、(B)同 平面図。
【
図3】(A)本発明の第2実施形態に係る原子炉機器の解体装置を示す正面図、(B)同 平面図。
【
図4】(A)第2実施形態に係る原子炉機器の解体方法の動作を説明する正面図、(B)同 平面図。
【
図5】(A)本発明の第3実施形態に係る原子炉機器の解体装置を示す平面図、(B)同 部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1(A)は本発明の第1実施形態に係る原子炉機器の解体装置10A(以下、単に「解体装置10A」という)を示す正面図である。
図1(B)はこの解体装置10Aの平面図である。なお
図1(A)は、
図1(B)のa-a断面を示し、
図1(B)は、
図1(A)のb-b断面を示している。
【0010】
このように解体装置10Aは、核燃料を貯蔵する第1プール11と圧力容器16が開口する原子炉ウェル15との両方を跨ぐ既設レール17上を移動する第1架台21に設置された解体作業用機器(切断機25等)と、第1プール11とは反対側で原子炉ウェル15に隣接する第2プール12を跨ぐように追設され第1架台21が移動する追設レール18と、を備えている。
【0011】
さらに解体装置10Aは、少なくとも原子炉ウェル15及び第2プール12の上側を移動するように既設されている天井クレーン26の先端に設けられ、切断機25で分離された原子炉機器28を把持する把持部27を備えている。
【0012】
第1プール11は、核燃料の貯蔵プールであり、原子力発電所の運用時は、使用済みの核燃料から放出される崩壊熱を除去したり、未使用の核燃料を仮置きしたりする役割を果たしていた。第1架台21は、既設の燃料交換設備であり、原子力発電所の運用時は、圧力容器16から使用済み核燃料を取り出して第1プール11に移送したり、この第1プール11に仮置きされた未使用の核燃料を取り出して圧力容器16に移送したりする役割を果たしていた。第2プール12は、機器貯蔵プールであり、原子力発電所の運用時は、核燃料の交換時に圧力容器16内の蒸気乾燥器(図示略)等の内部構造物を仮置きする役割を果たしていた。
【0013】
原子力発電所の運用時において第1架台21には、核燃料の上部を把持し吊り上げ/吊り下げするホイストが設けられていた。廃止措置の決定後の原子力発電所の解体時において第1架台21には、解体作業のために、解体作業用機器の追設等の改造が想定される。ここで解体作業用機器とは、切断機25、機器の把持を行う把持部、及び水中作業の監視装置等である。また原子力発電所の運用時の核燃料交換時において、吊り上げ荷重の大きい既設の天井クレーン26は、圧力容器16に取り付けられた上部蓋や蒸気乾燥器等の内部構造物を、原子炉ウェル15まで吊り上げ、第2プール12に移送し仮置していた。
【0014】
このような原子力発電所の運用時の仕様に照らし、第1架台21を移動させる既設レール17は、第1プール11と原子炉ウェル15の範囲がカバーされ、第2プール12の範囲までカバーされていない場合、追設レール18が追設されることで、作業エリア全域へのアクセスを可能にする。
【0015】
そして、原子力発電所の解体時において天井クレーン26は、先端に設けられた把持部27で原子炉機器28を把持し、切断機25で分離した後に原子炉ウェル15まで吊り上げ、第2プール12に移送する。そして、第1架台21は、既設レール17から追設レール18に移動して、第2プール12において原子炉機器28を切断機25でさらに小さく切断する。なお図示を省略しているが第1架台21には、解体作業を撮影するカメラ(図示略)又は線量測定器(図示略)を備えることができる。また解体作業で分離された原子炉機器28は、第1架台21に設置された把持部(図示略)で把持され、第2プール12に移送される場合もある。
【0016】
図2(A)は第1実施形態に係る原子炉機器の解体方法の動作を説明する正面図である。
図2(B)はこの解体方法の動作を説明する平面図である。なお
図2(A)は、
図2(B)のa-a断面を示し、
図2(B)は、
図2(A)のb-b断面を示している。
図1及び
図2を参照して第1実施形態に係る原子炉機器の解体方法の動作を説明する。
【0017】
図1に示すように、第1架台21に設置された切断機25で原子炉機器28を切断する。このとき原子炉機器28は、天井クレーン26の先端に設けられた把持部27で把持されており、切断機25で分離された後、圧力容器16の外まで吊り上げられる。このようにして、原子炉ウェル15の上部から、原子炉機器28を設置位置から取り外す一次切断が行われる。
【0018】
次に
図2に示すように天井クレーン26が移動することによって、切断された原子炉機器28を、原子炉ウェル15から第2プール12に移動させる。さらに、第1架台21を追設レール18に移動させ、第2プール12において原子炉機器28を切断機25によりさらに切断(二次切断)する。二次切断された原子炉機器28は、天井クレーン26、或いは第1架台21に設置した把持部により、この第2プール12で容器(図示略)に収納され外部に搬出される。このように原子炉機器28の解体は、水が張られた原子炉ウェル15と第2プール12において、水中で作業が実施されて被ばくの低減が図られる。
【0019】
(第2実施形態)
次に
図3及び
図4を参照して本発明における第2実施形態について説明する。
図3(A)は本発明の第2実施形態に係る原子炉機器の解体装置10B(以下、単に「解体装置10B」という)を示す正面図である。
図3(B)はこの解体装置10Bの平面図である。なお
図3(A)は、
図3(B)のa-a断面を示し、
図3(B)は、
図3(A)のb-b断面を示している。また、
図3及び
図4において
図1又は
図2と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0020】
このように解体装置10Bは、第1プール11と原子炉ウェル15との両方を跨ぐ既設レール17上を移動する第1架台21に設置された解体作業用機器(切断機25等)と、第2プール12を跨ぐように追設され第1架台21及び第2架台22が移動する追設レール18と、を備えている。
【0021】
さらに解体装置10Bにおいて第2架台22は、既設レール17及び追設レール18の両方を移動し、切断機25で分離された原子炉機器28を把持する把持部27を備えている。なお図示を省略しているが第1架台21及び第2架台22のいずれか一方には、解体作業を撮影するカメラ(図示略)又は線量測定器(図示略)を備えることができる。
【0022】
なお、第2実施形態において、第2架台22は、第2プール12を跨ぐように追設され追設レール18を移動するものとした。しかし、この第2架台22は、既設レール17が第2プール12を跨ぐように予め既設されている場合であっても採用することができるし、また第2プール12を跨ぐような追設レール18が追設されていなくても採用することができる。
【0023】
図4(A)は第2実施形態に係る原子炉機器の解体方法の動作を説明する正面図である。
図4(B)はこの解体方法の動作を説明する平面図である。なお
図4(A)は、
図4(B)のa-a断面を示し、
図4(B)は、
図4(A)のb-b断面を示している。
図3及び
図4を参照して第2実施形態に係る原子炉機器の解体方法の動作を説明する。
【0024】
図3に示すように、第1架台21に設置された切断機25で原子炉機器を切断する。このとき原子炉機器28は、第2架台22に設けられた把持部27で把持されており、切断機25で分離された後、圧力容器16の外まで吊り上げられる。このようにして、原子炉ウェル15の上部から、原子炉機器28を設置位置から取り外す一次切断が行われる。
【0025】
次に
図4に示すように第2架台22を追設レール18に移動させることによって、切断された原子炉機器28を、原子炉ウェル15から第2プール12に移動させる。さらに、第1架台21を追設レール18に移動させ、第2プール12において原子炉機器28を切断機25によりさらに切断(二次切断)する。
【0026】
二次切断された原子炉機器28は、第2架台22により、この第2プール12で容器(図示略)に収納され外部に搬出される。このように第2架台22を用いることで、効率的に原子炉機器28を二次切断し容器に収納することができる。さらに第1架台21及び第2架台22の作業を並行してすすめることができ、解体工期の短縮に貢献できる。また原子炉機器28の解体は、水が張られた原子炉ウェル15と第2プール12において、水中で作業が実施されて被ばくの低減が図られる。また第2架台22の追設により搬送手段が増強され、天井クレーン26による作業の逼迫を防止することができる。
【0027】
(第3実施形態)
次に
図5を参照して本発明における第3実施形態について説明する。
図5(A)は本発明の第3実施形態に係る原子炉機器の解体装置10C(以下、単に「解体装置10C」という)を示す平面図である。
図5(B)は解体装置10Cの部分断面図である。なお
図5(B)は、
図5(A)のb-b断面を示している。なお、
図3において
図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0028】
このように解体装置10Cは、第1プール11と原子炉ウェル15との両方を跨ぐ既設レール17上を移動する第1架台21に設置された切断機25と、第2プール12を跨ぐように追設され第2架台22が移動する追設レール18と、を備えている。
【0029】
第3実施形態の解体装置10Cにおける追設レール18のレール幅は、既設レール17のレール幅と異なっている。オペレーションフロア面の設備レイアウトによっては、既設レール17と同じレール幅で、追設レール18を設置することができない場合がある。この場合は、既設レール17に一部重複するように追設レール18を設置して、原子炉ウェル15上部へ第2架台22が移動できるようにする。またこのように既設レール17と追設レール18とを一部重複して施設することで、第1架台21と第2架台22とを相互に行き違いさせることもできる。
【0030】
上述したように、諸般の事象により追設レール18は、さまざまなレール幅をとる。また、既設レール17のレール幅も、プラント毎に一定ではない。そこで
図5(B)に示すように、第2架台22を追設レール18から支持する両輪29(29a,29b)の間隔は、レール幅に応じて調節可能に構成されている。
【0031】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の原子炉機器の解体装置によれば、追設レールを設けることで、既設レールのみで移動していた燃料交換設備の可動域を拡張し、作業エリアに対し広範なアクセスを実現し、作業の効率化を図ることが可能となる。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0033】
10(10A,10B,10C)…原子炉機器の解体装置、11…第1プール、12…第2プール、15…原子炉ウェル、16…圧力容器、17…既設レール、18…追設レール、21…第1架台、22…第2架台、25…切断機、26…天井クレーン、27…把持部、28…原子炉機器、29(29a,29b)…両輪。