(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】野菜の調製装置
(51)【国際特許分類】
A23N 15/08 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
A23N15/08 B
(21)【出願番号】P 2020131839
(22)【出願日】2020-08-03
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大門 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】谷口 優太
(72)【発明者】
【氏名】奥村 剛浩
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-050853(JP,A)
【文献】特開平07-031444(JP,A)
【文献】特開平05-292930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 15/08
A23N 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結球部と外葉と根とを有する結球野菜を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送されてきた野菜の根を切断する根切断部と、
前記根切断部により切断された根を移送する根移送部と、
前記根が切断された結球野菜の外葉を切断する外葉切断部を含む外葉切断装置と、
前記外葉切断装置により切断された外葉が滑り落ちる排出シュートと、
を備え
、
前記搬送部は、前記結球野菜の外葉を挟持して前記結球野菜を前記外葉切断装置に向けて水平面内における第1方向に搬送し、
前記根移送部は、前記根切断部により切断された根を前記搬送部による搬送方向とは異なる方向であって且つ水平面内において前記第1方向に対して傾斜する第2方向に移送し、
前記第2方向は、平面視にて、前記排出シュートが延びる方向に対して傾斜する方向であって且つ前記根移送部の移送方向の下流側に向かうにつれて前記排出シュートに近づく方向である野菜の調製装置。
【請求項2】
前記排出シュートの排出方向は、平面視にて、前記排出方向の下流側に向かうにつれて前記根移送部に近づいている請求項1に記載の野菜の調製装置。
【請求項3】
前記根移送部は、前記第2方向の下流側に向かうにつれて、平面視にて、前記搬送部から離れて前記排出シュートに近づいている請求項1又は2に記載の野菜の調製装置。
【請求項4】
前記根移送部は、前記根切断部により切断された根を挟持して移送する請求項1
~3のいずれか1項に記載の野菜の調製装置。
【請求項5】
前記搬送部は、前記野菜の葉を挟持して搬送し、
前記根切断部は、前記搬送部の下方において、前記搬送部にて葉が挟持された野菜の根を切断し、
前記根移送部は、前記根切断部の下方において、前記根切断部で切断された根を挟持して移送する請求項1~
4のいずれか1項に記載の野菜の調製装置。
【請求項6】
前記根移送部は、無端状の第1ベルトと、前記第1ベルトとの間で前記根を挟持する無端状の第2ベルトとを有し、
前記第1ベルト及び前記第2ベルトは、ベルトの幅方向が上下方向を向いて配置されている請求項1~5のいずれか1項に記載の野菜の調製装置。
【請求項7】
前記根切断部は、前記搬送部の下方に配置され且つ上下方向を向く中心軸回りに回転する根切断刃を有し、
前記根移送部の移送方向の上流側の部位は、前記根切断刃の下方において前記根を挟持する請求項
4又は6に記載の野菜の調製装置。
【請求項8】
前記第1ベルトの内面と前記第2ベルトの内面とは、当接又は近接して互いに平行に配置されて前記根を挟持する挟持面を構成し、
前記挟持面は、前記根移送部の移送方向の上流側端部が、前記搬送部の搬送方向において前記根切断刃の外周と重なる位置もしくは当該位置よりも前記搬送方向の上流側に位置している
請求項6を引用する請求項7に記載の野菜の調製装置。
【請求項9】
前記根移送部の移送方向の下流側端部は、前記搬送部の搬送方向において、前記上流側端部よりも前記外葉切断装置側に配置されている請求項8に記載の野菜の調製装置。
【請求項10】
前記根切断部と前記根移送部とは同一の駆動源により駆動される請求項1~9のいずれか1項に記載の野菜の調製装置。
【請求項11】
前記根切断部と前記根移送部と前記外葉切断部は同一の駆動源により駆動される請求項9に記載の野菜の調製装置。
【請求項12】
前記根切断部により切断される前に前記根を揃える根揃え部を備え、
前記根切断部と前記根移送部と前記外葉切断部と前記根揃え部は同一の駆動源により駆動される請求項9に記載の野菜の調製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば玉ねぎ等の結球野菜の調製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜の調製装置として、特許文献1に開示された装置が知られている。
特許文献1に開示された装置は、玉ねぎを搬送する搬送装置と、この搬送装置で搬送される玉ねぎの根を切断する根切断装置と、を備えている。根切断装置は、上下方向の軸回りに回転する円盤状の刃物を有しており、玉ねぎの根元部分を円盤状の刃物上を通過させることにより根を切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した根切断装置では、切断された根が周囲の部材に絡みつくなどして排出されずに堆積する場合があり、堆積した根によって装置の動作が妨げられて停止する等の不具合が発生する恐れがある。
本発明は、上記したような実情に鑑みて、野菜の根を切断し、切断された野菜の根を円滑に排出することができる野菜の調製装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る野菜の調製装置は、結球部と外葉と根とを有する結球野菜を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送されてきた野菜の根を切断する根切断部と、前記根切断部により切断された根を移送する根移送部と、前記根が切断された結球野菜の外葉を切断する外葉切断部を含む外葉切断装置と、前記外葉切断装置により切断された外葉が滑り落ちる排出シュートと、を備え、前記搬送部は、前記結球野菜の外葉を挟持して前記結球野菜を前記外葉切断装置に向けて水平面内における第1方向に搬送し、前記根移送部は、前記根切断部により切断された根を前記搬送部による搬送方向とは異なる方向であって且つ水平面内において前記第1方向に対して傾斜する第2方向に移送し、前記第2方向は、平面視にて、前記排出シュートが延びる方向に対して傾斜する方向であって且つ前記根移送部の移送方向の下流側に向かうにつれて前記排出シュートに近づく方向である。
好ましくは、前記排出シュートの排出方向は、平面視にて、前記排出方向の下流側に向かうにつれて前記根移送部に近づいている。
好ましくは、前記根移送部は、前記第2方向の下流側に向かうにつれて、平面視にて、前記搬送部から離れて前記排出シュートに近づいている。
好ましくは、前記根移送部は、前記根切断部により切断された根を挟持して移送する。
【0006】
好ましくは、前記搬送部は、前記野菜の葉を挟持して搬送し、前記根切断部は、前記搬送部の下方において、前記搬送部にて葉が挟持された野菜の根を切断し、前記根移送部は、前記根切断部の下方において、前記根切断部で切断された根を挟持して移送する。
【0007】
好ましくは、前記根移送部は、無端状の第1ベルトと、前記第1ベルトとの間で前記根を挟持する無端状の第2ベルトとを有し、前記第1ベルト及び前記第2ベルトは、ベルトの幅方向が上下方向を向いて配置されている。
好ましくは、前記根切断部は、前記搬送部の下方に配置され且つ上下方向を向く中心軸回りに回転する根切断刃を有し、前記根移送部の移送方向の上流側の部位は、前記根切断刃の下方において前記根を挟持する。
【0008】
好ましくは、前記第1ベルトの内面と前記第2ベルトの内面とは、当接又は近接して互いに平行に配置されて前記根を挟持する挟持面を構成し、前記挟持面は、前記根移送部の移送方向の上流側端部が、前記搬送部の搬送方向において前記根切断刃の外周と重なる位置もしくは当該位置よりも前記搬送方向の上流側に位置している。
好ましくは、前記根移送部の移送方向の下流側端部は、前記搬送部の搬送方向において、前記上流側端部よりも前記外葉切断装置側に配置されている。
【0009】
好ましくは、前記根切断部と前記根移送部とは同一の駆動源により駆動される。
好ましくは、前記根切断部と前記根移送部と前記外葉切断部は同一の駆動源により駆動される。
好ましくは、前記根切断部により切断される前に前記根を揃える根揃え部を備え、前記根切断部と前記根移送部と前記外葉切断部と前記根揃え部は同一の駆動源により駆動される。
【発明の効果】
【0010】
上記した野菜の調製装置によれば、搬送部により搬送されてきた野菜の根を根切断部によって切断し、根切断部により切断された根を根移送部にて移送することにより、切断された野菜の根を円滑に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】野菜(結球野菜)の調製装置の一実施形態を示す平面図である。
【
図2】野菜(結球野菜)の調製装置の一実施形態を後方から見た図である。
【
図3】野菜(結球野菜)の調製装置の一実施形態を示す斜視図である。
【
図4】第1搬送装置及び第2搬送装置の斜視図である。
【
図7】第1搬送装置の収容部の揺動機構を示す斜視図である。
【
図8】第1搬送装置の収容部の揺動機構を示す側面図である。
【
図9】第1搬送部の搬送方向の下流側(終端側)を後方から見た図である。
【
図10】第1搬送部の駆動機構等を示す側面図である。
【
図11】第1搬送部の終端部付近を示す斜視図である。
【
図12】第1搬送装置の姿勢変更機構の動作(突出部が起立状態から倒伏状態に移行する様子)を示した側面図である。
【
図13】第1搬送装置の排出部等を左上方から見た示す斜視図である。
【
図14】第1搬送部の拡張機構の作用を示す側面図である。
【
図15】第1搬送装置の排出部等を右前方から見た示す斜視図である。
【
図17】第1搬送装置の排出部等と第2搬送装置の側面図である。
【
図18】第1搬送装置の排出部等と第2搬送装置の平面図である。
【
図19】第1搬送装置の排出部の他の実施形態を示す平面図である。
【
図22】第2搬送装置の第1ローラ及び第2ローラを中心軸の方向から見た図である。
【
図23】第1ローラ及び第2ローラを搬送方向の上流側から見た側面図である。
【
図24】第1搬送装置の排出部から排出された結球野菜が第2搬送部にて搬送される様子を示す平面図である。
【
図28】第3搬送部における野菜(結球野菜)の動きを示す斜視図である。
【
図29】第4搬送部における野菜(結球野菜)の動きを搬送方向と直交する方向(後方)から)見た図である。
【
図30】第3搬送部の下流側及び第4搬送部の上流側を搬送方向と直交する方向(後方)から見た図である。
【
図31】第3搬送部の下流側及び第4搬送部の上流側を示す斜視図である。
【
図32】第3搬送部の下流側及び第4搬送部の上流側を示す平面図である。
【
図34】支持部材を第4搬送部の搬送方向の上流側から見た図である。
【
図35】第3搬送部の下流側から第4搬送部の上流側への野菜(結球野菜)の流れを示す図である。
【
図36】下段ベルト及び下段プーリを示す平面図である。
【
図37】第1切断装置(根切断装置)、根移送部、第2切断装置(外葉切断装置)等を示す斜視図である。
【
図38】第4搬送部、第1切断装置、根移送部、第2切断装置、傾斜面、排出シュート等を示す斜視図である。
【
図39】第4搬送部、第1切断装置、根移送部、第2切断装置、傾斜面、排出シュート等を示す平面図である。
【
図40】第1切断装置、根移送部、第2切断装置、傾斜面、排出シュート等を搬送方向と直交する方向(後方)から見た図である。
【
図41】第1切断装置における野菜(結球野菜)の動きを搬送方向と直交する方向(後方)から見た図である。
【
図42】第1切断装置、根移送部等を搬送方向の下流側の前方から見た斜視図である。
【
図43】第1切断装置等を搬送方向の下流側の後方から見た斜視図である。
【
図44】第1切断装置、根移送部等の平面図である。
【
図45】根揃え部を搬送方向の下流側から見た図である。
【
図47】第1切断装置、根移送部、第2切断装置等を搬送方向の下流側の前方から見た斜視図である。
【
図49】第1切断装置、根移送部、第2切断装置等の平面図である。
【
図50】第1切断装置、根移送部、第2切断装置、傾斜面、排出シュート等を搬送方向の下流側の前方から見た斜視図である。
【
図51】野菜(結球野菜)の一例として玉ねぎを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~
図3は、野菜の調製装置1の全体構成を示す図である。
以下、説明の便宜上、
図1の矢印X1方向を前方、矢印X2方向を後方、矢印X方向を前後方向という。
図1、
図2の矢印Y1方向を左方、矢印Y2方向を右方、矢印Y方向を装置幅方向という。また、本明細書において、装置幅方向の一方側を左側、装置幅方向の他方側を右側として説明するが、装置幅方向の一方側が右側、装置幅方向の他方側が左側であってもよい。
【0013】
本発明に係る調製装置1により調製される野菜VGは、主として結球野菜である。結球野菜は、例えば、葉の根元が地下や地際で膨れて球状になる鱗茎菜である。具体的には、例えば、玉ねぎ、ラッキョウ、にんにく、ゆり根等である。以下、本発明の処理対象である野菜VGが結球野菜VGであるとして説明するが、処理対象の野菜は結球野菜には限定されない。
【0014】
図51に示すように、結球野菜(鱗茎菜)VGは、結球部(鱗茎)VG1と、結球部VG1の上部から上方に延びる外葉VG2と、結球部VG1の下部から下方に延びる根VG3と、を有している。
図51は、結球野菜VGの代表例として玉ねぎを示している。本発明において処理対象となる結球野菜VGは、外葉VG2の長さが根VG3の長さよりも長い状態で収穫又は前処理がされたものが好ましい。
【0015】
先ず、
図1~
図3に基づいて、調製装置1の全体構成について説明する。
図1~
図3に示すように、調製装置1は、搬送装置2、第1切断装置4、第2切断装置5を備えている。
搬送装置2は、調製前の結球野菜VGを受け入れて搬送する装置である。第1切断装置4は、結球野菜VGの根VG3を切断する装置である。第2切断装置5は、結球野菜VGの外葉VG2を切断する装置である。
【0016】
搬送装置2は、第1搬送装置2A、第2搬送装置2B、第3搬送装置2C、第4搬送装置2D、第5搬送装置2Eを含む。第1搬送装置2Aは、第1フレーム6Aにより設置面(床面)上に支持されている。第2搬送装置2B、第3搬送装置2C、第4搬送装置2D、第5搬送装置2Eは、第2フレーム6Bにより設置面上に支持されている。第1フレーム6A及び第2フレーム6Bは、複数本の直線状のフレーム材(例えば、鋼材等)を立体的に組み合わせて構成されている。第1フレーム6Aと第2フレーム6Bとは接続されておらず、第1フレーム6Aと第2フレーム6Bとの位置関係(相対位置)を調整することが可能である。これにより、第1搬送装置2Aと第2搬送装置2Bとの位置関係を調整することができる。但し、第1フレーム6Aと第2フレーム6Bとは接続されていてもよい。
【0017】
図面において、第1搬送装置2Aによる搬送方向を矢印A1、第2搬送装置2Bによる搬送方向を矢印A2、第3搬送装置2Cによる搬送方向を矢印A3、第4搬送装置2Dによる搬送方向を矢印A4、第5搬送装置2Eによる搬送方向を矢印A5で示している。
図1、
図2に示すように、本実施形態の場合、第1搬送装置2Aによる搬送方向A1は、他の搬送装置2B~2Eによる搬送方向A2~A5に対して直角方向である。しかし、他の実施形態として、第1搬送装置2Aによる搬送方向A1を、他の搬送装置2B~2Eによる搬送方向A2~A5と同じ方向としてもよい。この場合、第1搬送装置2Aは、第2搬送装置2Bの搬送方向A2の上流側に配置される。
【0018】
先ず、第1搬送装置2Aについて説明する。
図3~
図6に示すように、第1搬送装置2Aは、側壁7、後壁8、前壁9、載置部10、収容部11、搬送部3A(以下、「第1搬送部3A」という)を有している。
側壁7は、一方側壁7Lと他方側壁7Rとを含む。一方側壁7Lは、第1搬送部3Aの幅方向(装置幅方向Yと同じ)の一方側(左側)に配置されている。他方側壁7Rは、第1搬送部3Aの幅方向の他方側(右側)に配置されている。
図4、
図5に示すように、一方側壁7Lは、本体壁7Laと延長壁7Lbとを含む。他方側壁7Rは、本体壁7Raと延長壁7Rbとを含む。本体壁7Laと本体壁7Raは、互いに平行に配置されており、後下方から前上方に向けて延びている。延長壁7Lbは、本体壁7Laの前端部から前方に延長されている。延長壁7Rbは、本体壁7Raの前端部から前方に延長されている。延長壁7Lbと延長壁7Rbは、前方に向かうにつれて(本体壁7La,7Raから離れるにつれて)、互いの距離が次第に狭くなっている(接近している)。
【0019】
後壁8は、第1搬送装置2Aの後端部に配置されている。後壁8は、一方側壁7L(本体壁7La)の後端部と他方側壁7R(本体壁7Ra)の後端部とに亘って設けられている。前壁9は、第1搬送装置2Aの前端部に配置されている。前壁9は、一方側壁7L(延長壁7Lb)の前端部と他方側壁7R(延長壁7Rb)の前端部とに亘って設けられている。
【0020】
載置部10は、調製前の結球野菜を収容したコンテナ13を載置する部分である。
図6に示すように、載置部10は、一方側壁7Lと他方側壁7Rとの間であって、後壁8の前方に設けられている。
図6~
図8に示すように、載置部10は、載置面10aと移行面10bを有している。載置面10aは、コンテナ13が載置される水平面である。移行面10bは、載置面10aの前部において装置幅方向に延びている。移行面10bは、第1移行面10b1と第2移行面10b2とを含む。第1移行面10b1は、載置面10aの前端部から前方に向かうにつれて上向きに移行する傾斜面である。第2移行面10b2は、第1移行面10b1の前端部から前方に向かうにつれて下向きに移行する傾斜面である。
【0021】
収容部11は、調製前の結球野菜を受け入れて収容する部分である。収容部11は、載置部10の前下方に設けられている。収容部11は、コンテナ13に収容された結球野菜を受け入れて収容する。
図5、
図6に示すように、収容部11は、第1支持板111、第2支持板112、第3支持板113を有している。第1支持板111、第2支持板112、第3支持板113は一体的に形成されている。
【0022】
第1支持板111は、表側に第1支持面111aを有している。第2支持板112は、表側に第2支持面112aを有している。第3支持板113は、表側に第3支持面113aを有している。これにより、収容部11は、表側(平面視で見える側)に結球野菜を支持する第1支持面111a、第2支持面112a、第3支持面113aを有している。
第1支持面111aは、結球野菜を下方から支持する面であって、前方に向かうにつれて下方に移行する傾斜面である。第2支持面112aは、第1搬送部3Aの幅方向(装置幅方向Yと同じ)の一方側(左側)に配置されている。第3支持面113aは、第1搬送部3Aの幅方向の他方側(右側)に配置されている。第2支持面112a及び第3支持面113aは、第1支持面111a上に結球野菜を集めるための面であって、第1支持面111aに向けて結球野菜を転がす又は滑らせることができる傾斜面に形成されている。第2支持面112aは、第1搬送部3Aの幅方向の他方側(右側)に向かうにつれて下方に移行する傾斜面である。第3支持面113aは、第1搬送部3Aの幅方向の他方側(左側)に向かうにつれて下方に移行する傾斜面である。
【0023】
第1支持面111aの形状は、前下方に向かうにつれて次第に幅(装置幅方向Yの長さ)が狭くなる台形状である。言い換えれば、第1支持面111aの形状は、上辺の幅に比べて下辺の幅が小さい台形状である。第2支持面112aの形状は、右下方に向かうにつれて次第に幅(前後方向Xの長さ)が狭くなる三角形状である。第3支持面113aの形状は、左下方に向かうにつれて次第に幅(前後方向Xの長さ)が狭くなる三角形状である。
【0024】
収容部11は、第1支持面111aと第2支持面112aとの境界部、第1支持面111aと第3支持面113aとの境界部において、それぞれV字状に屈曲している。
図7、
図8に示すように、第1支持板111の裏面から第2支持板112の裏面に亘って補強部材14が固定されている。補強部材14は、第1支持板111の裏面と第2支持板112の裏面との境界で屈曲している。また、図示しないが、第1支持板111の裏面から第3支持板113の裏面に亘って同様の補強部材が固定されている。収容部11は、これらの補強部材によって裏面側から補強されている。
【0025】
図6に示すように、第1支持面111aは、開口部111bを有している。開口部111bは、第1搬送部3Aの幅方向に間隔をあけて形成された2つの開口部から構成されている。開口部111bは、第1支持面111aの下辺を上辺に向けて矩形状に切り欠いて形成されている。開口部111bは、後述する移動体15の移動に伴って突出部21が通過する部分である。2つの開口部111bの間には、下向きに延びる垂下板111cが配置されている。突出部21が開口部111bを通過するとき、移動体15は第1支持面111aの下方(垂下板111cの下方)を通過する。
【0026】
図7、
図8に示すように、第1搬送装置2Aは、揺動機構12を有している。
揺動機構12は、第1支持面111aを上方又は下方に揺動させる機構である。揺動機構12を駆動することにより、第1支持面111a、第2支持面112a、第3支持面113aは一体的に上方又は下方に揺動する。揺動機構12は、第1支持板111の後下方に配置されている。
【0027】
揺動機構12は、回転軸12a、偏心カム12b、回転体12c、軸体12d、保持体12eを有している。回転軸12aは、第1搬送部3Aの幅方向と平行な軸回りに回転する軸である。偏心カム12bは、回転軸12aに対して偏心して取り付けられており、回転軸12aと共に回転する。本実施形態の場合、回転体12cはベアリングから構成されている。回転体12cは、偏心カム12bと当接する円周面を有している。軸体12dは、第1支持板111の揺動中心となる軸体である。軸体12dは、回転軸12aと平行に配置されている。軸体12dは、第1支持板111の裏面側に突設された一対の突設体12hに挿通されている。軸体12dの両端部は、側壁7(7L,7R)に固定されている。
【0028】
保持体12eは、第1支持板111の第1支持面111aと反対側(裏面側)に配置されている。保持体12eは、保持軸12fと、一対の保持片12gとを有している。保持軸12fは、回転軸12aと平行に配置されている。保持軸12fは、回転体12cを回転可能に保持している。回転体12cがベアリングである場合、ベアリングの内輪が保持軸12fに固定され、ベアリングの外輪が保持軸12fに対して(内輪に対して)回転可能であって偏心カム12bと当接する。第1支持板111の裏面側には第1支持板111の裏面に当接する当接板12nが配置されている。第1支持板111と当接板12nとは、固定(接続)されていてもよいし、固定されずに当接していてもよい。当接板12n及び第1支持板111は、一体的に動作する。一対の保持片12gは、当接板12nの裏面側に突設されている。保持軸12fの両端部は、保持片12gに保持されている。
【0029】
回転軸12aの一端側及び他端側は、第1フレーム6Aに立設された立設部材6A1に回転可能に支持されている。回転軸12aの一端部(右端部)には、スプロケット12iが取り付けられている。スプロケット12iは、第1フレーム6Aに回転可能に支持されたスプロケット12kとチェーン12jを介して連結されている。スプロケット12kは、連結軸24により後述する駆動機構19の第2スプロケット19cと連結されている。チェーン12jの外周側には、テンションを調整するためのスプロケット12mが噛み合っている。
【0030】
後述する駆動機構19の駆動によって第2スプロケット19cが回転すると、連結軸24と共にスプロケット12kが回転する。スプロケット12kの回転は、チェーン12jを介してスプロケット12iに伝達され、スプロケット12iと共に回転軸12aが回転し、偏心カム12bが回転する。
上述したように、偏心カム12bは回転体12cに対して偏心して取り付けられている。そのため、
図8の仮想線に示すように、回転軸12aの回転に伴って偏心カム12bが回転すると、偏心カム12bの外周面の位置(高さ)が変化する。これに伴って、偏心カム12bに当接する円周面を有する回転体12cの位置(高さ)が変化する。これにより、当接板12n及び第1支持板111は、回転体12cを保持する保持体12eと共に、軸体12dを中心(支点)として上方又は下方に揺動する。さらに、第1支持板111と一体に形成された第2支持板112及び第3支持板113が上方又は下方に揺動する。これにより、第1支持面111a、第2支持面112a、第3支持面113aが上方又は下方に揺動する。
【0031】
このように、揺動機構12によって第1支持面111aを上方及び下方に揺動させることによって、収容部11に収容されて第1支持面111a上に載った多数の結球野菜をほぐすことができる。また、揺動機構12によって第2支持面112a及び第3支持面113aを上方及び下方に揺動させることによって、第2支持面112a及び第3支持面113a上に載った結球野菜を傾斜に沿って第1支持面111a上へと移動させることができる。これにより、第1搬送部3Aによって結球野菜を適量ずつ(本実施形態の場合、1個ずつ)円滑に搬送することが可能となる。
【0032】
第1搬送部3Aは、収容部11に収容された結球野菜を第1支持面111aから離れる上方に向けて(下方から上方に向けて)1個ずつ搬送する。結球野菜は、第1搬送部3Aによって、上方に向かうにつれて前方に移行するように搬送される。
図5、
図9~
図11等に示すように、第1搬送部3Aは、移動体15、第1板16、第2板17を有している。
【0033】
図10に示すように、移動体15は、無端状の索体から構成されている。索体は、本実施形態の場合、チェーンである。移動体15は、2つの索体(第1索体15Lと第2索体15R)を含む。第1索体15Lと第2索体15Rとは、互いに平行に、装置幅方向に間隔をあけて配置されている。移動体15を構成する索体は、側面視ループ状(長円状)の経路に沿って移動する。
【0034】
図5に示すように、第1板16は、移動体15の装置幅方向の一方側(左側)に配置されて搬送方向A1に延びている。第2板17は、移動体15の装置幅方向の他方側(右側)に配置されて搬送方向A1に延びている。第1板16及び第2支持板112の下部は、収容部11を構成する第1支持板111、第2支持板112、第3支持板113の下方に進入して(もぐりこんで)延びている。
【0035】
別の言い方をすれば、第1板16は、第1搬送部3Aの幅方向の一方側(左側)に配置され、第2支持面112aの下方から上方に亘って搬送方向A1に延びている。第2板17は、第1搬送部3Aの幅方向の一方側(左側)に配置され、第3支持面113aの下方から上方に亘って搬送方向A1に延びている。尚、
図9、
図11では、第1板16及び第2板17の図示を省略している。
【0036】
第1支持板111、第2支持板112、第3支持板113は、揺動機構12の駆動によって上方又は下方に揺動したとき、第1板16及び第2板17に対して離反又は当接する。具体的には、第1支持板111、第2支持板112、第3支持板113は、上方に揺動したときに第1板16及び第2板17に対して離反し、下方に揺動したときに第1板16及び第2板17に当接する。このとき、第1支持板111の下端部は、第1板16及び第2板17の表面に当接する。第2支持板112の下端部は、第1板16の表面に当接する。第3支持板113の下端部は、第2板17の表面に当接する。
【0037】
図4、
図5に示すように、第1板16には第1シート18Lが取り付けられており、第2板17には第2シート18Rが取り付けられている。第1シート18Lは、第1板16の表面と第2支持板112の表面(第2支持面112a)とに跨って載せられている。第2シート18Rは、第2板17の表面と第3支持板113の表面(第3支持面113a)とに跨って載せられている。第1シート18L及び第2シート18Rは、ゴム板等の可撓性(柔軟性)を有するシートである。第1シート18L及び第2シート18Rは、第1支持板111、第2支持板112、第3支持板113が上方に揺動したときに、揺動に追従して変形することによって、第1支持板111、第2支持板112、第3支持板113と第1板16及び第2板17との間に生じる隙間を埋める。これにより、当該隙間に結球野菜が挟まったり、当該隙間から結球野菜が落下したりすることを防ぐことができる。尚、
図6では、第1シート18L及び第2シート18Rを省略している。
【0038】
図7~
図11に示すように、第1搬送部3Aは、駆動機構19、取付体20、突出部21、支持部材22を有している。
駆動機構19は、移動体15を移動させるための機構である。駆動機構19は、モータ19a、第1スプロケット19b、第2スプロケット19c、第3スプロケット19d、第4スプロケット19e、第5スプロケット19f、第6スプロケット19iを有している。
【0039】
第1スプロケット19b及び第2スプロケット19cには、移動体15を構成する索体が巻き掛けられている。第1スプロケット19bは、第2スプロケット19cの前上方に配置されている。第1スプロケット19b及び第2スプロケット19cは、それぞれ装置幅方向Yに間隔をあけて配置された一対のスプロケットから構成されている。第1スプロケット19bの一方及び第2スプロケット19cの一方には、第1索体15Lが巻き掛けられている。第1スプロケット19bの他方及び第2スプロケット19cの他方には、第2索体15Rが巻き掛けられている。
【0040】
第3スプロケット19dは、モータ19aの回転軸に取り付けられている。第4スプロケット19eは、第1スプロケット19bと同じ第1軸19gに取り付けられている。第3スプロケット19dと第4スプロケット19eにはチェーン19hが巻き掛けられている。
第5スプロケット19fは、第1スプロケット19bと第2スプロケット19cとの間に配置され、移動体15を構成する索体に対して上方に向けてテンションを付与している。第6スプロケット19iは、チェーン19hに対してテンションを付与している。
【0041】
上記駆動機構19によれば、モータ19aが駆動すると、第3スプロケット19dが回転し、第3スプロケット19dの回転はチェーン19hを介して第4スプロケット19eに伝達され、第4スプロケット19eが回転する。第4スプロケット19eの回転は第1軸19gを介して第1スプロケット19bに伝達され、第1スプロケット19bが回転する。第1スプロケット19bの回転は、移動体15を構成する索体を介して第2スプロケット19cに伝達される。これにより、第1スプロケット19b、第2スプロケット19c、移動体15が、側面視ループ状(長円状)の経路に沿って移動(回転)する。
【0042】
図10の矢印R1に示すように、移動体15が移動(回転)することにより、移動体15の上部(ループの上部分)は上方に向かうにつれて前方に移行する方向(斜め上方)に向けて移動する。この移動体15の上部(ループの上部分)の移動方向A1が、第1搬送装置2Aの搬送部3Aによる搬送方向A1となる。つまり、移動体15は、第1搬送部3Aの搬送方向A1に沿って移動する。
【0043】
図9~
図11に示すように、取付体20は、移動体15に取り付けられており、移動体15と共に移動する。取付体20は、第1索体15Lと第2索体15Rとを連絡している。取付体20は、第1索体15L及び第2索体15Rの長さ方向(第1搬送部3Aの搬送方向A1)に沿って複数並んで設けられている。複数の取付体20は、搬送方向A1に所定間隔をあけて配置されている。複数の取付体20の配置のピッチ(間隔)は、等しく設定されていることが好ましいが、一部が異なっていてもよい。取付体20の配置のピッチは、結球野菜VGの結球部VG1の外径よりも大きく設定される。
【0044】
図11等に示すように、取付体20は、基板20aと取付部20bとを有している。基板20aの表面には、突出部21の基端部が固定されている。これにより、突出部21は取付体20に突設されている。基板20aの裏面は、後述する支持部材22の表面(規定面22d)に対向して当接する。取付部20bは、第1取付部20b1と第2取付部20b2とを含む。第1取付部20b1は、基板20aの左端部から直角に屈曲して延びている。第2取付部20b2は、基板20aの右端部から直角に屈曲して延びている。第1取付部20b1と第2取付部20b2とは平行に配置されている。第1取付部20b1は、2つの索体の一方(第1索体15L)に取り付けられる。第2取付部20b2は、2つの索体の他方(第2索体15R)に取り付けられる。
【0045】
上述したように、突出部21は、取付体20に突設されており、取付体20を介して移動体15に取り付けられている。これにより、突出部21は、取付体20及び移動体15と共に移動する。突出部21は、移動体15から離れる方向に突出することにより結球野菜(具体的には、結球野菜VGの結球部VG1)を支持可能となっている。
突出部21は、円柱状又は円筒状の棒体から構成されている。但し、突出部21の形状はこれに限定されない。突出部21は、装置幅方向に間隔をあけて配置された2つの突出部を含む。2つの突出部は、装置幅方向の一方側(第1索体15L側)に配置された一方突出部21Lと、装置幅方向の他方側(第2索体15R側)に配置された他方突出部21Rとから構成されている。一方突出部21Lと他方突出部21Rとの間隔は、結球野菜VGの結球部VG1の外径よりも小さく設定される。
【0046】
図9、
図11に示すように、支持部材22は、第1索体15Lと第2索体15Rとの間に配置されている。また、支持部材22は、取付体20の第1取付部20b1と第2取付部20b2との間に配置されている。支持部材22は、第1搬送部3Aの搬送方向A1に沿って延設されており、第1搬送部3Aの搬送方向A1の始端部から終端部に亘って延びている。搬送方向A1の始端部とは第1搬送部3Aにおいて結球野菜の搬送が開始される部分であり、搬送方向A1の終端部とは第1搬送部3Aにおいて結球野菜の搬送が終了する(第1搬送部3Aから結球野菜が排出される)部分である。
【0047】
具体的には、始端部は、移動体15の側面視ループ状の移動経路の上部(ループの上側)において、移動経路が円弧状経路(第2スプロケット19cに巻き掛けられた部分)から直線状経路に変化する変化点の近傍にある。終端部は、移動体15の移動経路の上部(ループの上側)において、直線状経路から円弧状経路(第1スプロケット19bに巻き掛けられた部分)に変化する変化点の近傍にある。
【0048】
図9、
図11、
図12に示すように、支持部材22は、上板22a、一方側板22b、他方側板22cを有している。上板22aは、取付体20の基板20aの裏面側に配置されている。一方側板22bは、上板22aの装置幅方向の一方側(左側)から下方に向けて屈曲している。他方側板22cは、上板22aの装置幅方向の他方側(右側)から下方に向けて屈曲している。一方側板22bと他方側板22cとは互いに平行に延びている。
【0049】
支持部材22は、突出部21の姿勢を規定する規定面22dを有している。規定面22dは、支持部材22の上板22aの表面から構成されており、第1索体15Lと第2索体15Rとの間に配置されている。規定面22dは、取付体20の基板20aの裏面に当接することにより、突出部21が起立状態となるように取付体20を支持する。言い換えれば、規定面22dは、取付体20の基板20aの裏面に当接することにより、突出部21を起立状態の姿勢に規定する。突出部21は、起立状態において、取付体20から突出して規定面22dから離れる方向に延びる。
【0050】
図4、
図5、
図11、
図12、
図14に示すように、規定面22dは、第1規定面22d1と第2規定面22d2とを含む。第1規定面22d1は、第1搬送部3Aの搬送方向A1の上流側(始端側)に配置されている。詳しくは、第1規定面22d1は、第1搬送部3Aの搬送方向A1の始端部から中途部までの範囲に配置されている。第2規定面22d2は、第1搬送部3Aの搬送方向A1の下流側(終端側)に配置されている。詳しくは、第2規定面22d2は、第1搬送部3Aの搬送方向A1の中途部から終端部までの範囲に配置されている。そのため、第1規定面22d1と第2規定面22d2との境界部22eは、第1搬送部3Aの搬送方向A1の中途部に位置している。
【0051】
第2規定面22d2は、第1規定面22d1に対して傾斜して設けられている。第1規定面22d1に対する第2規定面22d2の傾斜角度は鈍角である。第1規定面22d1に対する第2規定面22d2の傾斜角度は、例えば140°~160°の範囲(好ましくは、約150°)に設定される。第1規定面22d1及び第2規定面22d2は、前方に向かうにつれて上方に移行するように水平面に対して傾斜している。第1規定面22d1の水平面に対する傾斜角度は、第2規定面22d2の水平面に対する傾斜角度よりも大きい。例えば、第1規定面22d1の水平面に対する傾斜角度は40°~50°であり、第2規定面22d2の水平面に対する傾斜角度は15°~20°である。
【0052】
図5、
図11~
図15に示すように、支持部材22は、上板22aの前端部から前下方に延設された延設板22gを有している。延設板22gの上面(延設面)は、第2規定面22d2の前端部から屈曲して前下方に延びている。
図12に示すように、突出部21は、取付体20が延設板22gを越えて前方に移動したとき(延設板22gで支持されなくなったとき)に倒伏状態となる。この突出部21の動きについては、後ほど改めて説明する。
【0053】
図4、
図5に示すように、第1板16及び第2板17は、規定面22dに沿って搬送方向A1に延びている。第1板16及び第2板17は、搬送方向A1の中途部において規定面22dと同様に屈曲している。第1板16は屈曲部16cを有し、第2板17は屈曲部17cを有している。第1板16の屈曲部16c及び第2板17の屈曲部17cは、搬送方向A1における第1規定面22d1と第2規定面22d2との境界部22eに対応する位置の若干後方に位置している。
【0054】
以下、第1板16の屈曲部16cよりも前方部位を「第1板前部16a」、屈曲部16cよりも後方部位を「第1板後部16b」という。また、第2板17の屈曲部17cよりも前方部位を「第2板前部17a」、屈曲部17cよりも後方部位を「第2板後部17b」という。第1板後部16b及び第2板後部17bは、第1規定面22d1の傾斜に沿って延びている。第1板前部16a及び第2板前部17aは、第2規定面22d2の傾斜に沿って延びている。
【0055】
図4、
図5、
図13に示すように、第1板16は、第1板前部16aの前端から屈曲して前下方に向けて延びる第1前延部16dを有している。第2板17は、第2板前部17aの前端から屈曲して前下方に向けて延びる第2前延部17dを有している。第1前延部16dと第2前延部17dとの間には、延設板22gが配置されている。第1前延部16d及び第2前延部17dは、延設板22gに沿って延びている。
【0056】
図14に示すように、移動体15(索体15L,15R)の上部(ループの上側)は、規定面22dに沿って延びており、第1規定面22d1と第2規定面22d2との境界部22eに対応する位置で屈曲している。この索体15L,15Rの屈曲部には、第5スプロケット19fが配置されている。移動体15は、境界部22eに対応する位置において、水平面に対する角度が小さくなるように変化している。これにより、搬送方向A1は、境界部22eに対応する位置において、矢印A11方向から矢印A12方向に(搬送方向A1の水平面に対する角度が小さくなるように)変化している。
【0057】
図14に示すように、規定面(第1規定面22d1、第2規定面22d2)及び複数の取付体20は、搬送方向A1の中途部において搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔を拡げる拡張機構を構成している。以下、拡張機構について説明する。
支持部材22は、第1搬送部3Aの搬送方向A1の始端部から終端部に至るまで突出部21が起立状態となるように取付体20を支持する。突出部21は起立状態において、規定面22dに対して直角方向に立ち上がった状態となる。第2規定面22d2は第1規定面22d1に対して傾斜して設けられているため、取付体20が第1規定面22d1に支持されている状態から第2規定面22d2に支持されている状態に移行するときに、突出部21の突出方向が変化する。これにより、取付体20が第2規定面22d2に支持されている状態における搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔L2は、取付体20が第1規定面22d1に支持されている状態における搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔L1に比べて大きくなる。言い換えれば、搬送方向A1の中途部において、搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔が搬送方向A1に拡がる。
【0058】
図14に示すように、搬送方向A1の中途部において、搬送方向A1に隣り合う突出部21の先端部同士の間隔が拡がることにより、搬送方向A1に隣り合う突出部21の間に複数の結球野菜VGが挟まって(詰まって)搬送されてきたとしても、上側にある結球野菜VGと突出部21との間に隙間GPが生じる。そのため、結球野菜VGが隣り合う突出部21の間に挟まった(詰まった)状態が解消し、突出部21に直接的に支持されていない上側の不要な結球野菜VGを突出部21から落下させることができる。これにより、結球野菜VGを適量ずつ(例えば1個ずつ)確実に且つ円滑に搬送することが可能となる。
【0059】
また、取付体20及び支持部材22は、搬送方向A1の始端部から終端部に至るまで突出部21を起立状態とし、終端部にて突出部21を倒伏状態とする姿勢変更機構を構成している。以下、姿勢変更機構について説明する。
取付体20は、移動体15に対して回動可能に取り付けられている。
図11、
図12に示すように、取付体20の取付部20bは、移動体15に固定された固定具15aに対して枢軸15bを介して取り付けられている。取付部20bは、枢軸15bを支点として突出部21と共に回動可能となっている。これにより、突出部21は、移動体15に対して起立状態と倒伏状態とに姿勢変更可能に取り付けられている。
図12に示すように、突出部21は、取付体20が枢軸15bを支点として回動することによって、起立状態から倒伏状態へと姿勢を変更する。
図12において、符号21aは起立状態にある突出部21、符号21cは倒伏状態にある突出部、符号21bは起立状態から倒伏状態への移行を開始している突出部を示している。
【0060】
支持部材22は、取付体20の回動を規制することによって突出部21が起立状態となるように取付体20を支持するとともに、当該支持を解除することによって突出部21が倒伏状態となるように取付体20の回動を許容する。支持部材22は、第1搬送部3Aの搬送方向A1の始端部から終端部に至るまで取付体20を支持し(回動を規制し)、終端部において取付体20の支持を解除する(回動を許容する)。
【0061】
図12に示すように、移動体15の移動経路は、搬送方向A1の終端部を過ぎると前方に向かうにつれて次第に下降する経路となっている。これにより、突出部21は、搬送方向A1の終端部を過ぎて支持部材22による支持が解除されると、前傾姿勢となって前傾の角度を増しながら前下方に移動する。
そのため、突出部21は、取付体20が支持部材22に支持されている区間(搬送方向A1の始端部から終端部に亘る区間)では起立状態(
図12の突出部21a参照)となるが、取付体20が支持部材22に支持されない区間(搬送方向A1の終端部を過ぎた区間)では、重力の作用によって前下方(搬送方向A1前方)に倒れて倒伏状態(
図12の突出部21c参照)となる。
【0062】
突出部21は、起立状態から倒伏状態に移行するときに先端部の位置が下がる。これにより、結球野菜VGの外葉VG2や根VG3が突出部21に絡まった場合には、突出部21を外葉VG2や根VG3から下方に抜く(逃がす)ことができる。
このように、突出部21が第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部にて倒れて倒伏状態となることによって、結球野菜VGの外葉VG2や根VG3が突出部21に絡まった場合でも、突出部21を外葉VG2から円滑に離脱させることができる。そのため、結球野菜VGを傷付けることなく次工程の設備(第2搬送装置2B)に向けて確実に排出することができる。
【0063】
図4、
図5、
図13、
図15~
図18等に示すように、第1搬送装置2Aは、第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部から結球野菜を排出する排出部25を備えている。排出部25は、第2搬送装置2Bに向けて下向きに傾斜しており、第2搬送装置2Bの搬送部である第2搬送部3Bの搬送方向A2の上流側に結球野菜を排出する。従って、排出部25は、第2搬送部3Bに結球野菜を供給する供給部でもある。
【0064】
図13、
図15~
図18に示すように、排出部25は、傾斜板25a、第1側板25b、第2側板25c、通路(第1通路25d、第2通路25e)、第1起立壁25f、第2起立壁25gを有している。
傾斜板25aは、第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部から離れるにつれて(前方に向かうにつれて)下方に移行するように傾斜して延びている。傾斜板25aの表面(上面)25iは、傾斜面である。当該傾斜面は、傾斜に沿って結球野菜VGの結球部VG1を転動させる転動面25iを構成している。
図13、
図15に示すように、傾斜板25aは、当該傾斜板25aから下方に延びる下延部25hを介して前壁9に取り付けられている。傾斜板25aの傾斜面(転動面)25iは、支持部材22の前方に、支持部材22と間隔をあけて配置されている。これにより、傾斜板25aの傾斜面(転動面)と支持部材22との間には隙間G1が形成されている。隙間G1は、取付体20が移動体15と共に移動して第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部を越え、支持部材22による取付体20の支持が解除されたとき(突出部21が倒伏状態となったとき)に、取付体20が通過する(突出部21の倒伏を許容する)ための隙間である。言い換えれば、取付体20は、突出部21が起立状態から倒伏状態に移行するときに隙間G1を通過する。
【0065】
隙間G1は、通路(第1通路25d、第2通路25e)と連通している。隙間G1、第1通路25d、第2通路25eは、平面視において略U字状に繋がっている。
傾斜板25aは、後部傾斜板25a1と前部傾斜板25a2とから構成されている。
後部傾斜板25a1は、支持部材22の前方(延設板22gの前方)であって、第1前延部16dと第2前延部17dとの間に配置されている。後部傾斜板25a1は、支持部材22の前方に、支持部材22と間隔をあけて配置されている。これにより、後部傾斜板25a1の傾斜面(後部転動面)25i1は、支持部材22の前方に、支持部材22と間隔をあけて配置されている。
【0066】
前部傾斜板25a2は、後部傾斜板25a1の前方に配置されている。前部傾斜板25a2の傾斜面(前部転動面)25i2は、後部傾斜板25a1の傾斜面(後部転動面)25i1の前方に、当該傾斜面(後部転動面)25i1と近接して配置されている。後部転動面25i1の傾きと前部転動面25i2の傾きとは同じであってもよいし、前部転動面25i2の傾きが後部転動面25i1の傾きよりも大きくてもよい。尚、後部傾斜板25a1と前部傾斜板25a2とを接続して一体化してもよい。
【0067】
第1側板25bは、傾斜板25aの幅方向(装置幅方向)の一方側(左側)において、傾斜板25aの傾斜に沿って延びている。第2側板25cは、傾斜板25aの幅方向(装置幅方向)の他方側(右側)において、傾斜板25aの傾斜に沿って延びている。第1側板25bは、後部第1側板25b1と前部第1側板25b2とから構成されている。第2側板25cは、後部第2側板25c1と前部第2側板25c2とから構成されている。後部第1側板25b1は、第1前延部16dに取り付けられている。後部第2側板25c1は、第2前延部17dに取り付けられている。前部第1側板25b2は、当該前部第1側板25b2から下方に延びる下延部23Lを介して前壁9の左部に取り付けられている。前部第2側板25c2は、当該前部第2側板25c2から下方に延びる下延部23Rを介して前壁9の右部に取り付けられている。これにより、前部第1側板25b2は第1板16から延設され、前部第2側板25c2は第2板17から延設されている。尚、前部第1側板25b2と後部第1側板25b1とを一体化し、前部第2側板25c2と後部第2側板25c1を一体化してもよい。
【0068】
通路(第1通路25d、第2通路25e)は、傾斜面25iの側方(装置幅方向の一方側と他方側)に設けられている。通路(第1通路25d、第2通路25e)は、突出部21が起立状態から倒伏状態に移行するときに通過する。
第1通路25dは、傾斜板25aと第1側板25bとの間に形成された空間(スリット)である。第1通路25dは、後部第1通路25d1と前部第1通路25d2とから構成されている。後部第1通路25d1は、後部傾斜板25a1と後部第1側板25b1との間に形成されている。前部第1通路25d2は、前部傾斜板25a2と前部第1側板25b2との間に形成されている。第1通路25dは、取付体20が隙間G1を通過して突出部21が倒伏状態となるときに一方突出部21Lが通過する。
【0069】
第2通路25eは、傾斜板25aと第2側板25cとの間に形成された空間(スリット)である。第2通路25eは、後部第2通路25e1と前部第2通路25e2とから構成されている。後部第2通路25e1は、後部傾斜板25a1と後部第2側板25c1との間に形成されている。前部第2通路25e2は、前部傾斜板25a2と前部第2側板25c2との間に形成されている。第2通路25eは、取付体20が隙間G1を通過して突出部21が倒伏状態となるときに他方突出部21Rが通過する。
【0070】
第1搬送部3Aによって搬送されてきた結球野菜VGは、搬送方向A1の終端部を越えて支持部材22による取付体20の支持が解除される(突出部21が倒伏状態となる)と、排出部25から排出される。具体的には、
図16、
図24に示すように、結球野菜VGは、突出部21から離れて傾斜板25aの傾斜に沿って転動面25iを転動しながら前下方へと移動する。このとき、結球野菜VGの外葉VG2又は根VG3は、第1通路25d又は第2通路25eを通過(侵入)可能である。そのため、結球部VG1の転動が外葉VG2又は根VG3によって妨げられることがなく、結球野菜VGを円滑に移動(転動)させて次工程の設備(第2搬送装置2B)へと移行させることができる。
【0071】
第1起立壁25fは、第1側板25bの装置幅方向の他方側(左側)から起立し且つ傾斜板25aの傾斜に沿って延びている。第1起立壁25fは、前部第1起立壁25f2と後部第1起立壁25f1とから構成されている。前部第1起立壁25f2は、前部第1側板25b2の装置幅方向の他方側(左側)から起立している。後部第1起立壁25f1は、後部第1側板25b1の装置幅方向の他方側(左側)から起立している。本実施形態の場合、前部第1起立壁25f2と後部第1起立壁25f1とは、異なる部材から形成されて離れているが、1つの部材によって連続して形成されていてもよい。
【0072】
第2起立壁25gは、第2側板25cの装置幅方向の一方側(右側)から起立し且つ傾斜板25aの傾斜に沿って延びている。第2起立壁25gは、前部第2起立壁25g2と後部第2起立壁25g1とから構成されている。前部第2起立壁25g2は、前部第2側板25c2の装置幅方向の一方側(右側)から起立している。後部第2起立壁25g1は、後部第2側板25c1の装置幅方向の一方側(右側)から起立している。本実施形態の場合、前部第2起立壁25g2と後部第2起立壁25g1とは、異なる部材から形成されて離れているが、1つの部材によって連続して形成されていてもよい。
【0073】
排出部25が第1起立壁25f及び第2起立壁25gを有することによって、結球野菜VGが転動面25iを転動している途中に、排出部25の側方(左方又は右方)から落下することを防止できる。
第1起立壁25fと第2起立壁25gとの間隔は、第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部に対して相対的に近い側と遠い側とで異なる。具体的には、前部第1起立壁25f2と前部第2起立壁25g2との間隔は、後部第1起立壁25f1と後部第2起立壁25g1との間隔よりも広い。これにより、結球野菜VGが転動面25i上を転動する途中に落下することをより確実に防止することができる。
【0074】
排出部25は、第1起立壁25fと連続して形成された第1延設壁25jと、第2起立壁25gと連続して形成された第2延設壁25kと、を有している。第1延設壁25jは、後部第1起立壁25f1の後端部から屈曲して装置幅方向の一方(左方)に向けて延びている。第2延設壁25kは、後部第2起立壁25g1の後端部から屈曲して装置幅方向の他方(右方)に向けて延びている。
【0075】
図19は、排出部25の他の実施形態を示している。以下、他の実施形態について、上述した実施形態と異なる点について説明する。
他の実施形態の排出部25は、傾斜板25aが1つの部材から構成されている。つまり、上記実施形態における後部傾斜板25a1と前部傾斜板25a2とが一体化された構成である。第1側板25b及び第2側板25cは設けられていない。第1起立壁25fは、第1固定板26Lを介して第1前延部16dに固定されている。第2起立壁25gは、第2固定板26Rを介して第2前延部17dに固定されている。第1起立壁25f及び第2起立壁25gは、それぞれ1つの部材から構成されている。つまり、上記実施形態における前部第1起立壁25f2と後部第1起立壁25f1とが1つの部材によって連続して形成され、前部第2起立壁25g2と後部第2起立壁25g1とが1つの部材によって連続して形成された構成である。
【0076】
第1起立壁25f及び第2起立壁25gは、傾斜板25aよりも第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部から離れる方向(前下方)に長く延びている。これにより、結球野菜VGが傾斜板25aの転動面25i上を転動し終わるまで、第1起立壁25f及び第2起立壁25gによって結球野菜VGを側方からガイドすることが可能となり、結球野菜VGを確実に次工程の設備(第2搬送装置2B)に向けて排出することができる。
【0077】
第1起立壁25fは、第2起立壁25gよりも第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部から離れる方向(前下方)に長く延びている。第1起立壁25fは、第2起立壁25gよりも第2搬送部3Bの搬送方向A2の上流側(始端側)に配置される。そのため、排出部25から第2搬送部3Bに排出された結球野菜は、第1起立壁25fによって搬送方向A2の上流側へと向かう動きが阻止され、下流側(終端側)に向けて円滑に搬送される。
【0078】
第1起立壁25fと第2起立壁25gとの間隔は、第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部に対して相対的に近い側と遠い側とで異なる。具体的には、第1起立壁25fと第2起立壁25gとの間隔は、搬送方向A1の終端部に対して相対的に近い側で広く遠い側で狭い。より具体的には、前部第1起立壁25f2と前部第2起立壁25g2との間隔は、搬送方向A1の終端部から離れるにつれて次第に狭くなっている。これにより、第1搬送部3Aの搬送方向A1の終端部から結球野菜VGを確実に受け入れることができる。後部第1起立壁25f1と後部第2起立壁25g1とは互いに平行に配置されており、互いの間隔は一定である。後部第1起立壁25f1と後部第2起立壁25g1との間隔は、前部第1起立壁25f2と前部第2起立壁25g2との間隔よりも狭い。
【0079】
第2板17の第2前延部17dには、後方から前方に向かうにつれて第1板16に接近する方向に次第に拡張した拡張部17eが形成されている。拡張部17eが形成されていることにより、結球野菜VGが支持部材22から転動面25iへと移行するときに、結球野菜VGは支持部材22、転動面25i、拡張部17eの3点で支持される。これにより、結球野菜VGを支持部材22から転動面25iへと円滑に且つ確実に移行させることができる。尚、第1板16の第1前延部16dに、後方から前方に向かうにつれて第2板17に接近する方向に次第に拡張した拡張部を形成してもよい。
【0080】
第1通路25dは、第1前延部16dと傾斜板25aとの間に形成されている。第2通路25eは、第2前延部17dと傾斜板25aとの間に形成されている。第1通路25dの幅と第2通路25eの幅とは異なっている。具体的には、第1通路25dの幅は、第2通路25eの幅よりも広い。
次に、第2搬送装置2Bについて説明する。
【0081】
図1に示すように、第2搬送装置2Bは第1搬送装置2Aの搬送方向A1の下流側に配置されている。
図1、
図4、
図17、
図18等に示すように、第2搬送装置2Bは、第1搬送装置2Aの排出部25とオーバーラップして配置されている。第2搬送装置2Bは、第1搬送装置2Aの排出部25から排出された結球野菜を受け入れて搬送する第2搬送部3Bを有している。
【0082】
図17、
図18、
図20~
図23に示すように、第2搬送部3Bは、並列に配置された2つのローラ30A,30Bを有している。2つのローラ30A,30Bのうち、一方のローラ(以下、「第1ローラ30A」という)は後側(第1搬送装置2A側)に配置され、他方のローラ(以下、「第2ローラ30B」という)は前側(第1搬送装置2Aと反対側)に配置されている。尚、ローラは本実施形態の場合は2つであるが、3つ以上あってもよく、例えば4つのローラを並列配置してもよい。
【0083】
2つのローラ30A,30Bは、前壁板31と後壁板32との間に配置されている。前壁板31は第2搬送装置2Bの前部に配置されており、後壁板32は第2搬送装置2Bの後部に配置されている。前壁板31及び後壁板32は、第2フレーム6Bに取り付けられている。
第1ローラ30Aの回転軸(以下、「第1回転軸33A」という)と、第2ローラ30Bの回転軸(以下、「第2回転軸33B」という)とは、互いに平行に配置されている。
図18、
図20において、第1回転軸33Aの中心軸を一点鎖線CLAで示し、第2回転軸33Bの中心軸を一点鎖線CLBで示している。第1ローラ30Aの長さ(第1回転軸33A方向の長さ)と第2ローラ30Bの長さ(第2回転軸33B方向の長さ)は等しい。
【0084】
図20に示すように、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bは、第2搬送部3Bの搬送方向A2の上流側(始端側)から下流側(終端側)に向けて次第に低くなるように傾斜している。第1ローラ30Aの傾き(第1ローラ30Aの中心軸CLAの水平線に対する傾斜角度)と、第2ローラ30Bの傾き(第2ローラ30Bの中心軸CLBの水平線に対する傾斜角度)とは等しい。第1ローラ30Aの傾き及び第2ローラ30Bの傾きは、例えば5°~10°の範囲(一例として5°)に設定される。
【0085】
図21に示すように、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bの回転軸方向の一方側(左側)には、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bを回転させる駆動機構35が設けられている。駆動機構35は、モータ35a、駆動スプロケット35b、従動スプロケット35c、チェーン35d、伝達軸35e、第1ベベルギア35f、第2ベベルギア35g、第3ベベルギア35h、第4ベベルギア35iを有している。
【0086】
駆動スプロケット35bは、モータ35aの回転軸に取り付けられている。駆動スプロケット35bと従動スプロケット35cにはチェーン35dが掛け渡されている。伝達軸35eには、従動スプロケット35c、第1ベベルギア35f、第2ベベルギア35gが取り付けられている。第1回転軸33Aには、第3ベベルギア35hが取り付けられている。第2回転軸33Bには、第4ベベルギア35iが取り付けられている。第3ベベルギア35hは、第1ベベルギア35fと噛み合っている。第4ベベルギア35iは、第2ベベルギア35gと噛み合っている。
【0087】
モータ35aが駆動すると、モータ35aの回転軸と共に駆動スプロケット35bが回転する。駆動スプロケット35bの回転は、チェーン35dを介して従動スプロケット35cに伝達され、従動スプロケット35cが回転する。従動スプロケット35cが回転すると、伝達軸35eと共に第1ベベルギア35fと第2ベベルギア35gが回転する。第1ベベルギア35fの回転によって第3ベベルギア35hが回転し、第1回転軸33Aが回転する。第2ベベルギア35gの回転によって第4ベベルギア35iが回転し、第2回転軸33Bが回転する。第1ベベルギア35fと第2ベベルギア35gとは互いに逆向きに取り付けられ、第1ベベルギア35fは第3ベベルギア35hの前側に噛み合い、第2ベベルギア35gは第4ベベルギア35iの後側に噛み合っている。
【0088】
上記駆動機構35の駆動によって、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとは互いに内向き(対向する側が下向き)に回転する。これにより、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとの間に結球野菜VGの外葉VG2を引き込んで挟持することができる(
図22参照)。第2搬送部3Bは、2つのローラの間(第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとの間)に結球野菜VGの外葉VG2を挟持して、回転軸(第1回転軸33A、第2回転軸33B)の方向(搬送方向A2)に結球野菜VGを搬送する。
【0089】
図23等に示すように、第1ローラ30Aは、第1ローラ本体30A1と、突条部30A3と、第1ブラシ部30A2とを有している。第1ローラ本体30A1は、第1回転軸33Aを備えた円筒状又は円柱状の部材である。
突条部30A3は、第1ローラ本体30A1の表面から突出しており、第1ローラ本体30A1の表面に沿って螺旋状に設けられている。突条部30A3の螺旋の方向は、第1ローラ30Aの表面(上面)側において、搬送方向A2の下流側に向かうにつれて第1ローラ30Aの内側(第2ローラ30B側)から外側(第2ローラ30B側と反対側)に移行する方向である。突条部30A3は、ゴムや軟質合成樹脂等からなる弾性素材から構成されている。突条部30A3は、例えば、弾性素材からなる紐状部材(ゴム紐、ゴムチューブ等)を第1ローラ本体30A1の表面に螺旋状に巻回することにより構成されている。
【0090】
第1ブラシ部30A2は、第1ローラ本体30A1の表面からブラシ状に突出している。第1ブラシ部30A2は、多数本の毛を束ねた毛束を螺旋状に並べて配置することにより構成されている。第1ブラシ部30A2を構成する複数の毛束は、第1ローラ本体30A1の表面に螺旋状に並んで形成された多数の孔にそれぞれ植え付けられ、第1ローラ本体30A1の表面から突出している。第1ブラシ部30A2と突条部30A3とは、第1ローラ30Aの中心軸CLAの方向(搬送方向A2)に沿って交互に現れる。言い換えれば、第1ブラシ部30A2は、搬送方向A2に間隔をあけて隣り合う突条部30A3の間に設けられている。
【0091】
図18に示すように、第1ローラ30Aの長さ方向(搬送方向A2)において、第1ブラシ部30A2が設けられている領域の幅W1は、突条部30A3の幅W2よりも大きい。
図21に示すように、突条部30A3の高さ(第1ローラ本体30A1の表面からの高さ)は、第1ブラシ部30A2の高さよりも高い。
図23に示すように、第2ローラ30Bは、第2ローラ本体30B1と第2ブラシ部30B2とを有している。第2ローラ本体30B1は、第2回転軸33Bを備えた円筒状又は円柱状の部材である。第2ブラシ部30B2は、第2ローラ本体30B1の表面からブラシ状に突出している。第2ブラシ部30B2は、多数本の毛を束ねた毛束を螺旋状に並べて配置することにより構成されている。第2ブラシ部30B2を構成する複数の毛束は、第2ローラ本体30B1の表面に螺旋状に並んで形成された多数の孔にそれぞれ植え付けられ、第2ローラ本体30B1の表面から突出している。
【0092】
第2ブラシ部30B2の第2ローラ本体30B1の表面からの突出量LBは、第1ブラシ部30A2の第1ローラ本体30A1の表面からの突出量LAよりも大きい。これにより、第2ブラシ部30B2を構成する毛束は、第1ブラシ部30A2を構成する毛束よりも変形(屈曲)し易くなっている。
第1ローラ30A及び第2ローラ30Bが互いに内向きに回転すると、結球野菜VGは突条部30A3の螺旋によって第1ローラ30Aの上に載った状態で搬送方向A2に搬送される。第2搬送部3Bによる搬送速度(搬送方向A2の移動速度)は、第1搬送部3Aによる搬送速度(搬送方向A1の移動速度)よりも速い。これにより、第1搬送部3Aから搬送されてきた結球野菜が第2搬送部3Bの上流側に滞留することが防止できる。
【0093】
本実施形態の場合、第1ローラ30Aが突条部30A3を有し、第2ローラ30Bは突条部を有していないが、第2ローラ30Bが第1ローラ30Aと同様の突条部を有する構成としてもよい。この場合、第2ローラ30Bの突条部は、第2ブラシ部30B2の毛束の螺旋状配置と同じ方向に延びる螺旋状に設けられる。
2つのローラ(第1ローラ30A、第2ローラ30B)は、一方のローラ(第1ローラ30A)の上表面の高さH1が他方のローラ(第2ローラ30B)の上表面の高さH2よりも低くなる高低差(H2-H1)を有して配置されている。この高低差は、2つのローラの上表面の高さを搬送方向A2の同位置において比較した高さの差である。ローラの上表面の高さは、搬送方向A2の特定位置におけるローラの最高位置の設置面からの高さである。具体的には、第1ローラ30Aの上表面の高さは搬送方向A2の特定位置における突条部30A3の上端の設置面からの高さであり、第2ローラ30Bの上表面の高さは搬送方向A2の同じ特定位置における第2ブラシ部30B2の上端の設置面からの高さである。高低差(H2-H1)は、搬送方向A2の全長に亘って形成されている。
【0094】
本実施形態の場合、
図23、
図22(a)に示すように、高低差(H2-H1)は、第1ローラ30Aの外径を第2ローラ30Bの外径よりも小さくし、第1回転軸33Aを第2回転軸33Bよりも下方に配置することにより形成されている。
但し、高低差(H2-H1)を形成するための構成はこれに限定されない。例えば、
図22(b)に示すように、高低差(H2-H1)は、第1ローラ30Aの外径と第2ローラ30Bの外径とを等しくし、第1回転軸33Aを第2回転軸33Bよりも下方に配置することにより形成してもよい。また、
図22(c)に示すように、高低差(H2-H1)は、第1ローラ30Aの外径を第2ローラ30Bの外径よりも小さくし、第1回転軸33Aを第2回転軸33Bと同じ高さに配置することにより形成してもよい。
【0095】
図17、
図18、
図21、
図23に示すように、第1ローラ30Aの上部にはガイド板37が設けられている。ガイド板37は、第1ローラ30Aの長さ方向(搬送方向A2)に沿って延びている。ガイド板37は、搬送方向A2の上流側から下流側に向かうにつれて次第に下がるように傾斜している。
ガイド板37は、第1部位37aと第2部位37bとを有している。第1部位37aと第2部位37bは、前後方向に並んで一体的に形成されている。第1部位37aは、前後方向において、後壁板32と第1ローラ30Aとの間に配置されている。第1ローラ30Aの長さ方向(搬送方向A2)から見たとき、第1部位37aは、前側(第1ローラ30A側)と後側(第1ローラ30A側と反対側)とが同じ高さである。第2部位37bは、前側から後側に向かうにつれて(第1ローラ30Aに近づくにつれて)次第に低くなるように傾斜している。
【0096】
図18に示すように、ガイド板37の左部(搬送方向A2の始端側)には、第1搬送装置2Aの排出部(供給部)25が配置されている。排出部(供給部)25は、傾斜板25a、第1側板25b、第2側板25cは、ガイド板37の上方まで延びている。尚、傾斜板25a、第1側板25b、第2側板25cのうち、第1側板25bと第2側板25cのみがガイド板37の上方まで延びている構成としてもよい。この場合、傾斜板25aは少なくとも後壁板32よりも前方まで延びている必要がある。
【0097】
図24に示すように、排出部(供給部)25は、第1ローラ30Aの上方に結球野菜VGを供給する。本実施形態の場合、排出部(供給部)25は、第1ローラ30Aに対して第1回転軸33Aと直角方向から第1ローラ30Aの上方に結球野菜VGを供給する。排出部(供給部)25から排出された結球野菜VGは、ガイド板37上を通って第1ローラ30Aの上方に供給される。
【0098】
図17、
図18、
図21、
図23に示すように、第2搬送部3Bの上方には案内部材38が配置されている。具体的には、案内部材38は、第2ローラ30Bの上方に配置されている。案内部材38は、搬送方向A2(第2ローラ30Bの長さ方向)に延設されており、搬送方向A2の上流側から下流側に向かうにつれて次第に下がるように配置されている。案内部材38は、搬送方向A2の始端部から中途部までの範囲に亘って延設されている。具体的には、案内部材38は、第2ローラ30Bの始端部(左端部)の上方から長さ方向中途部の上方までの範囲に亘って延設されている。搬送方向A2において、案内部材38の長さは、第2ローラ30Bの長さよりも短く、第2ローラ30Bの長さの半分よりも長い。案内部材38の終端部(右端部)は、第2ローラ30Bの長さ方向中途部よりも右方に位置している。
【0099】
案内部材38は、前板部38a、上板部38b、後板部38cを有している。前板部38aは、第2ローラ30Bの前方において第2フレーム6Bに固定されており、第2フレーム6Bから上方に延びている。上板部38bは、前板部38aの上端から後方(第1ローラ30A側)に延びている。後板部38cは、上板部38bの後端から後下方に延びている。後板部38cの表面は、斜め上後方を向く傾斜面38dとなっている。傾斜面38dは、下方に延びるにつれて前方から後方に移行している。言い換えれば、傾斜面38dは、上方に延びるにつれて第1ローラ30A(一方のローラ)側から第2ローラ30B(他方のローラ)側に移行している。傾斜面38dの下端部は、第1ローラ30Aの第1回転軸33Aと第2ローラ30Bの第2回転軸33Bとの間であって、且つ第1ローラ30Aの上表面の高さH1及び第2ローラ30Bの上表面の高さH2よりも低い位置まで延びている。
【0100】
図23に示すように、排出部(供給部)25から第1ローラ30Aの上方に排出(供給)された結球野菜VGは、案内部材38に当たって第2ローラ30B側(前方)への移動が阻止されるため、主として第1ローラ30Aの上に載った状態となる。このとき、結球野菜VGは、案内部材38の傾斜面38dに当たることで第2ローラ30B側へと傾く動き(転動)が許容される。そのため、結球野菜VGが案内部材38に当たったときの衝撃が緩和され、結球野菜VGが跳ね返ったり傷付いたりすることを防止できる。また、傾斜面38dの下端部が上述の低い位置まで延びていることによって、結球野菜VGが傾斜面38dの下端部に当たって傷付くことを防止できる。
【0101】
主として第1ローラ30Aの上に載った結球野菜VGは、
図24に示すように、結球野菜VGは、第1ローラ30A上で自転を繰り返しながら案内部材38に沿って搬送方向A2の下流側へと搬送される。ここで、第1ローラ30Aの上表面の高さが第2ローラ30Bの上表面の高さよりも低くなる段差を有して配置されているため、結球野菜VGは不安定な姿勢となって自転し易くなる。
【0102】
結球野菜VGは、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bの回転によって搬送方向A2と直交する方向回りの自転(矢印P1参照)を行うと共に、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bが下向きに傾斜していることによって搬送方向A2回りの自転(矢印P2参照)も行う。結球野菜VGは、このような複数方向の自転を行うことにより、外葉VG2が下を向く下向き姿勢となる機会が多く生じる。
【0103】
結球野菜VGは、外葉VG2が下向きとなったときに、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとの間に外葉VG2が引き込まれる。
図22に示すように、第1ローラ30Aと第2ローラ30Bとの間に外葉VG2が引き込まれた結球野菜VGは、外葉VG2が下向きの下向き姿勢となる。
このように、結球野菜VGは、第2搬送部3Bで搬送される途中に外葉VG2が下向きとなる下向き姿勢となる。そして、下向き姿勢となった結球野菜VGは、下向き姿勢の状態で第2搬送部3Bから第3搬送部3Cへと移行する。第3搬送装置2Cは、第3搬送部3Cを有している。
【0104】
次に、第3搬送部3Cについて説明する。
図1、
図2に示すように、第3搬送部3Cは、第2搬送部3Bの搬送方向A2の下流側に配置されている。第3搬送部3Cは、第2搬送部3Bにより搬送されてきた結球野菜VGを更に下流側(右方)に向けて搬送する。
図25に示すように、第3搬送部3Cは、結球野菜VGの外葉VG2を挟んで搬送する挟持ベルト70を備えている。挟持ベルト70は、第1挟持ベルト71と第2挟持ベルト72とを含む。第1挟持ベルト71及び第2挟持ベルト72は、ゴム等の弾性体から構成されている。
【0105】
図25に示すように、第1挟持ベルト71は、第2搬送部3Bの下流側の端部に近接して配置されており、第1ローラ30A及び第2ローラ30Bよりも下方に位置している。第2挟持ベルト72は、第1挟持ベルト71の下流側に配置されており、第1挟持ベルト71の下方に位置している。第3搬送部3Cの搬送方向A3において、第1挟持ベルト71の一部と第2挟持ベルト72の一部はオーバーラップしている。
【0106】
第1挟持ベルト71は、一方側ベルト71Lと他方側ベルト71Rとを含む。一方側ベルト71Lは、第3搬送部3Cの搬送方向A3に直交する方向(以下、「第3直交方向」という)の一方側に配置されている。他方側ベルト71Rは、第3直交方向の他方側に配置されている。一方側ベルト71L及び他方側ベルト71Rは、無端状であって、それぞれ複数のプーリに巻き掛けられている。
【0107】
一方側ベルト71Lは、第3プーリ73、第4プーリ74、第5プーリ75に巻き掛けられている。第3プーリ73と第4プーリ74とは、第3直交方向に並んで配置されている。第4プーリ74と第5プーリ75とは、第3搬送部3Cの搬送方向A3に並んで配置されている。第4プーリ74は、当該第4プーリ74と同じ回転軸79aに取り付けられた第9プーリ79(後述する)の回転に伴って回転する。第4プーリ74の回転に伴って、第3プーリ73、第5プーリ75、一方側ベルト71Lが回転する。
【0108】
他方側ベルト71Rは、第6プーリ76、第7プーリ77、第8プーリ78に巻き掛けられている。第6プーリ76と第7プーリ77とは、第3直交方向に並んで配置されている。第7プーリ77と第8プーリ78とは、第3搬送部3Cの搬送方向A3に並んで配置されている。第7プーリ77は、当該第7プーリ77と同じ回転軸82aに取り付けられた第12プーリ82(後述する)の回転に伴って回転する。第7プーリ77の回転に伴って、第6プーリ76、第8プーリ78、他方側ベルト71Rが回転する。
【0109】
図25に示すように、第4プーリ74と第7プーリ77、第5プーリ75と第8プーリ78は、それぞれ互いに近接している。これにより、一方側ベルト71Lと他方側ベルト71Rとは、互いに当接している。一方側ベルト71Lと他方側ベルト71Rとは、互いに当接する側において左方から右方に向けて(第2搬送部3Bから離れる方向である第3搬送方向A3に向けて)移動する。
【0110】
図25、
図28に示すように、第1挟持ベルト71は、一方側ベルト71Lと他方側ベルト71Rとの間に結球野菜VGの外葉VG2を挟持し、外葉VG2を挟持した状態で移動することにより、結球野菜VGを下流側から上流側に向けて(搬送方向A3に向けて)搬送する。第1挟持ベルト71による結球野菜VGの搬送では、第2搬送部3Bから移行してきたときの姿勢が維持される。つまり、第1挟持ベルト71により搬送される結球野菜VGの姿勢は、外葉VG2が下向きの下向き姿勢である。
【0111】
第2挟持ベルト72は、第1挟持ベルト71により搬送されてきた結球野菜VGを更に下流側へと搬送する。第2挟持ベルト72は、1本のベルトから構成されている。
図27に示すように、第2挟持ベルト72は、1本のベルトが720°(2回転)ねじられて、ねじられたベルトの両端部72d,72dが互いに接合された無端状のベルトである。第2挟持ベルト72は、平面視にて8の字状に複数のプーリに掛け渡されている。
【0112】
図25、
図28に示すように、複数のプーリは、第9プーリ79、第10プーリ80、第11プーリ81、第12プーリ82、第13プーリ83、第14プーリ84を含む。
第9プーリ79、第10プーリ80、第11プーリ81は、第3直交方向の一方側(後側)に配置されている。第9プーリ79は、第4プーリ74の下方に配置されており、第4プーリ74と同じ回転軸79aに取り付けられている。これにより、第4プーリ74と第9プーリ79とは、回転軸79a回りに同じ方向に回転する。第10プーリ80は、第9プーリ79の右方に配置されている。第9プーリ79と第10プーリ80とは、第3搬送部3Cの搬送方向A3に並んで配置されている。第11プーリ81は、第3搬送部3Cの搬送方向A3において、第9プーリ79と第10プーリ80との間であって且つ第9プーリ79及び第10プーリ80よりも後方に配置されている。
【0113】
第12プーリ82、第13プーリ83、第14プーリ84は、第3直交方向の他方側(前側)に配置されている。第12プーリ82は、第7プーリ77の下方に配置されており、第7プーリ77と同じ回転軸82aに取り付けられている。これにより、第7プーリ77と第12プーリ82とは、回転軸82a回りに同じ方向に回転する。第13プーリ83は、第12プーリ82の右方に配置されている。第12プーリ82と第13プーリ83とは、第3搬送部3Cの搬送方向A3に並んで配置されている。第14プーリ84は、第3搬送部3Cの搬送方向A3において、第12プーリ82と第13プーリ83との間であって且つ第12プーリ82及び第13プーリ83よりも前方に配置されている。尚、第11プーリ81及び第14プーリ84は省略してもよい。
【0114】
第3搬送部3Cは、第2挟持ベルト72を上流側から下流側(左方から右方)に向けて移動させる移動装置85を備えている。移動装置85は、第2挟持ベルト72が掛け渡された複数のプーリ(第9プーリ79、第10プーリ80、第11プーリ81、第12プーリ82、第13プーリ83、第14プーリ84)と、これら複数のプーリを回転させる回転装置(図示略)とを有している。
【0115】
図25、
図28に示すように、第9プーリ79と第12プーリ82、第10プーリ80と第13プーリ83とは、それぞれ互いに近接している。これにより、第2挟持ベルト72は、第3搬送部3Cの搬送方向A3において、第9プーリ79と第12プーリ82に挟まれた位置から、第10プーリ80と第13プーリ83に挟まれた位置までの区間Z1において、互いに当接している。以下、区間Z1を「当接区間Z1」という。第2挟持ベルト72は、当接区間Z1において、左方から右方に向けて(第2搬送部3Bから離れる方向に向けて)移動する。
【0116】
第2挟持ベルト72は、断面が凸形のベルトであって、表面が平坦で且つ裏面に突出部が形成されている。第2挟持ベルト72は、平坦な表面側で結球野菜VGの外葉VG2を挟持する。第2挟持ベルト72の裏面に形成された突出部は、複数のプーリ(第9プーリ79、第10プーリ80、第11プーリ81、第12プーリ82、第13プーリ83、第14プーリ84)にそれぞれ形成された溝に嵌まっている。
【0117】
図25、
図28、
図29に示すように、第2挟持ベルト72は、下向き挟持部72aと、上向き挟持部72bと、反転挟持部72cと、を有している。下向き挟持部72a、反転挟持部72c、上向き挟持部72bは、この順番で、第3搬送部3Cの搬送方向A3の上流側から下流側にかけて設けられている。
図25に示すように、下向き挟持部72a、上向き挟持部72b、反転挟持部72cは、当接区間Z1に設けられている。具体的には、下向き挟持部72aは、当接区間Z1の上流部に設けられている。上向き挟持部72bは、当接区間Z1の下流部に設けられている。反転挟持部72cは、当接区間Z1の中流部に設けられている。反転挟持部72cでは、第2挟持ベルト72が搬送方向A3に延びる軸回りにねじられており、上流側から下流側に向かう過程で第2挟持ベルト72は上下方向が反転する。
【0118】
下向き挟持部72aは、外葉VG2を下向きで挟持する。上向き挟持部72bは、外葉VG2を上向きで挟持する。
図28、
図29に示すように、反転挟持部72cは、下向き挟持部72aの下流側且つ上向き挟持部72bの上流側において、結球野菜VGを外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転させる。
図25に示すように、第3搬送部3Cは、第2挟持ベルト72を押さえる押さえローラ88を有している。
図26に示すように、押さえローラ88は、取付板66により第2フレーム6Bの上部に取り付けられている。押さえローラ88は、第3直交方向の軸回りに回転可能である。押さえローラ88の外周面は、反転挟持部72cにおいて第2挟持ベルト72に当接している。押さえローラ88は、反転挟持部72cにおいて、上方又は下方(図示例では上方)から第2挟持ベルト72を押さえている。押さえローラ88は、第2挟持ベルト72の移動に伴って回転(自転)する。これにより、反転挟持部72cにおける第2挟持ベルト72のねじりの状態(向き)が、押さえローラ88からの押圧力により適切に維持される。
【0119】
図28、
図29に示すように、第1挟持ベルト71により搬送されてきた結球野菜VGは、外葉VG2が下向きの姿勢で第2挟持ベルト72の当接区間Z1に移行し、当該当接区間Z1において外葉VG2が挟持された状態で搬送される。第2挟持ベルト72の当接区間Z1に移行した結球野菜VGは、先ず当接区間Z1の上流側にある下向き挟持部72aで外葉VG2が挟持される。結球野菜VGは、下向き挟持部72aでは、結球野菜VGは外葉VG2が下向きの姿勢で搬送される。続いて、結球野菜VGは、第2挟持ベルト72の移動(回転)に伴って下向き挟持部72aから反転挟持部72cに移行する。結球野菜VGは、反転挟持部72cにおいて外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転される。続いて、結球野菜VGは、第2挟持ベルト72の移動(回転)に伴って反転挟持部72cから上向き挟持部72bに移行する。結球野菜VGは、上向き挟持部72bでは、結球野菜VGは外葉VG2が上向きの姿勢で搬送される。このように、結球野菜VGは、第2挟持ベルト72により挟持された状態で移動し、移動に伴って外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転する。
【0120】
図25、
図28等に示すように、第3搬送部3Cは、支持板89を備えている。支持板89は、第2挟持ベルト72の移動に伴って反転する結球野菜VGの結球部VG1を下方から支持する。支持板89は、第2挟持ベルト72の下方に配置されている。
図25に示すように、支持板89は、第2挟持ベルト72の移動の方向(第3搬送部3Cの搬送方向A3)と直交する方向において、外葉VG2の挟持位置(外葉VG2が挟持されている部分)からずれた位置に配置されている。支持板89のズレの方向は、反転挟持部72cにおいて結球野菜VGがねじられる方向に設定される。本実施形態の場合、反転挟持部72cにおいて結球野菜VGは後方にねじられるため、支持板89は外葉VG2の挟持位置の後方にずれた位置に配置されている。反転挟持部72cにおいて結球野菜VGが前方にねじられる場合、支持板89は外葉VG2の挟持位置の前方にずれた位置に配置される。また、支持板89を外葉VG2の挟持位置を挟んで前方から後方に亘る広い幅のものとしてもよい、具体的には、
図25、
図28に示した支持板89を外葉VG2の挟持位置を越えて前方まで延びる幅(前後方向の長さ)としてもよい。
【0121】
支持板89は、起立部891と、水平部892と、移行部893と、を有している。起立部891と水平部892と移行部893とは、1枚の板を折り曲げて形成されている。
図26に示すように、起立部891は、第2挟持ベルト72の下方に設けられた基板90にボルト等により固定されており、基板90から上方に向けて起立している。起立部891は、第1起立部891aと第2起立部891bとを含む。第1起立部891aは、第7プーリ77及び第12プーリ82の下方に配置されている。第2起立部891bは、第12プーリ82と第14プーリ84との間に配置されている。第1起立部891aの高さは、第2起立部891bの高さよりも高い。
図28に示すように、水平部892は、第1起立部891aの上端部から水平に右方に向けて延びている。移行部893は、水平部892の右端部から第2起立部891bの上端部まで延びている。移行部893は、左方(上流側)から右方(下流側)に向かうにつれて下向きに移行している。
【0122】
図25に示すように、支持板89は、第2挟持ベルト72の移動の方向(第3搬送部3Cの搬送方向A3)において、下向き挟持部72a及び反転挟持部72cとオーバーラップする領域に設けられている。支持板89は、第2挟持ベルト72の移動の方向(第3搬送部3Cの搬送方向A3)において、少なくとも、下向き挟持部72aの一部及び反転挟持部72cの一部とオーバーラップする領域に設けられていればよいが、下向き挟持部72aの全部及び反転挟持部72cの全部とオーバーラップする領域に設けられていてもよい。
【0123】
図28、
図29に示すように、支持板89は、第2挟持ベルト72の移動に伴って反転する結球野菜VGの結球部VG1を下方から支持する。結球野菜VGは、反転挟持部72cにおいて外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転される過程で、結球部VG1が第2挟持ベルト72の後方に突出する横向き又は斜め向き姿勢となる。支持板89は、横向き又は斜め向き姿勢となった結球野菜VGの結球部VG1に対して下方から当接し、結球部VG1の重量を受けることができる。そのため、結球野菜VGが横向き又は斜め向き姿勢となったときに、結球部VG1の重量によって外葉VG2が折れ曲がったり破断したりすることが防がれる。
【0124】
上述したように、結球野菜VGは、第3搬送部3Cにより搬送される過程で、外葉VG2が下向きの姿勢から上向きの姿勢に反転される。そして、外葉VG2が上向きの姿勢となった結球野菜VGは、搬送方向A3の下流端(上向き挟持部72bの下流端)において外葉VG2の挟持が解除されて第4搬送部3Dに移行する。第4搬送装置2Dは、第4搬送部3Dを有している。
【0125】
図2に示すように、第4搬送部3Dは、第3搬送部3Cよりも下方に配置されている。以下、第3搬送部3Cを「上段搬送部3C」、第4搬送部3Dを「下段搬送部3D」ということがある。
第4搬送部(下段搬送部)3Dは、結球野菜VGの外葉VG2を挟持して搬送する。より詳しくは、第4搬送部(下段搬送部)3Dは、第3搬送部(上段搬送部)3Cによる挟持が解除された結球野菜VGの外葉VG2を挟持して、更に下流側(右方)へと搬送する。
【0126】
図30、
図36に示すように、第4搬送部3Dは、当該第4搬送部3Dの搬送方向A4において、第3搬送部3Cとオーバーラップする重複部91と、第3搬送部3Cとオーバーラップしない非重複部92と、を有している。非重複部92は、重複部91よりも搬送方向A4の下流側(右方)に配置されている。第4搬送部3Dの搬送方向A4は、第3搬送部3Cの搬送方向A3と同じく左方から右方へと向かう方向である。
【0127】
図36に示すように、第4搬送部3Dは、無端状のベルト93(以下、「下段ベルト93」という)と、下段ベルト93が掛け渡された複数のプーリ100(以下、「下段プーリ100」という)と、を有している。
下段ベルト93は、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとを含む。下段ベルト93Lと下段ベルト93Rは、いずれもゴムベルト等の弾性ベルトである。下段ベルト93Lは、第4搬送部3Dの搬送方向A4に直交する方向(以下、「第4直交方向」という)の一方側(後側)に配置されている。下段ベルト93Rは、第4直交方向の他方側(前側)に配置されている。
【0128】
下段ベルト93は、下段プーリ100の回転により水平面内において回転する。下段ベルト93Lの他方側(後側)と下段ベルト93Rの一方側(前側)とは、互いに当接している。言い換えれば、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rは、装置内方側において互いに当接している。下段ベルト93L及び下段ベルト93Rは、互いに当接する側(内側)において左方から右方に向けて移動する。
【0129】
複数の下段プーリ100は、第1下段プーリ101、第2下段プーリ102、第3下段プーリ103、第4下段プーリ104、第5下段プーリ105、第6下段プーリ106、第7下段プーリ107、第8下段プーリ108、第9下段プーリ109を含む。
第1下段プーリ101~第9下段プーリ109は、第4直交方向の一方側(後側)と他方側(前側)にそれぞれ配置されている。図面及び以下の説明において、第4直交方向の一方側(後側)に配置された下段プーリを「第1下段プーリ101L」等と記し、第4直交方向の他方側(前側)に配置された下段プーリを「第1下段プーリ101R」等と記す。
【0130】
図1に示すように、第4搬送装置2Dの後上部には第1板94Lが取り付けられており、第4搬送装置2Dの前上部には第2板94Rが取り付けられている。第1下段プーリ101L~第9下段プーリ109Lの中心軸は、第1板94Lに回転可能に支持されている。第1下段プーリ101R~第9下段プーリ109Rの中心軸は、第2板94Rに回転可能に支持されている。第1板94Lと第2板94Rとの間には、隙間G2が形成されている。隙間G2は、第4搬送装置2Dの搬送方向A4に延びている。隙間G2は、結球野菜VGの外葉VG2が通ることができる幅に形成されている。
【0131】
下段ベルト93Lは、第1下段プーリ101L~第9下段プーリ109Lに巻き掛けられている。第7下段プーリ107L~第9下段プーリ109Lは、下段ベルト93Lのテンション調整用であって、第4直交方向に移動可能である。下段ベルト93Rは、第1下段プーリ101R~第9下段プーリ109Rに巻き掛けられている。第8下段プーリ108R及び第9下段プーリ109Rは、下段ベルト93Rのテンション調整用であって、第4直交方向に移動可能である。
【0132】
搬送方向A4の最も下流側に位置する下段プーリ(第6下段プーリ106L、第7下段プーリ107R)は、
図37~
図39に示す第1モータ95から動力伝達機構96を介して伝達される回転駆動力により回転する。第6下段プーリ106Lの回転に伴って、第1下段プーリ101L~第5下段プーリ105L、第7下段プーリ107L、第8下段プーリ108L、下段ベルト93Lが回転する。第7下段プーリ107Rの回転に伴って、第1下段プーリ101R~第6下段プーリ106R、第8下段プーリ108R、第9下段プーリ109R、下段ベルト93Rが回転する。
【0133】
図36に示すように、下段ベルト93Lは、第4直交方向の一方側(後側)から外葉VG2に当接する。下段ベルト93Rは、第4直交方向の他方側(前側)から外葉VG2に当接する。これにより、結球野菜VGの外葉VG2が、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間に挟持される。以下、下段ベルト93Lを「第1挟持体93L」、下段ベルト93Rを「第2挟持体93R」ということがある。
【0134】
下段ベルト93Lが巻き掛けられた複数のプーリのうち、第2下段プーリ102L~第7下段プーリ107Lは、下段ベルト(第1挟持体)93Lを、外葉VG2側(下段ベルト93R側)に向けて押圧する押圧部材(以下、「第1押圧部材116L」という)である。第1押圧部材116Lは、下段ベルト93Lと共に回転(自転)する。
下段ベルト93Rが巻き掛けられた複数のプーリのうち、第2下段プーリ102R~第7下段プーリ107Rは、下段ベルト(第2挟持体)93Rを、外葉VG2側(下段ベルト93L側)に向けて押圧する押圧部材(以下、「第2押圧部材116R」という)である。第2押圧部材116Rは、下段ベルト93Rと共に回転(自転)する。
【0135】
図36に示すように、第1押圧部材116Lと第2押圧部材116Rとは、第4搬送装置2Dの搬送方向A4に沿って交互に配置されている。具体的には、第4搬送装置2Dの搬送方向A4に沿って、第7下段プーリ107L、第2下段プーリ102R、第2下段プーリ102L、第3下段プーリ103R、第3下段プーリ103L、第4下段プーリ104R、第4下段プーリ104L、第5下段プーリ105R、第5下段プーリ105L、第6下段プーリ106R、第6下段プーリ106L、第7下段プーリ107Rの順に配置されている。
【0136】
第1押圧部材116Lと第2押圧部材116Rとを第4搬送装置2Dの搬送方向A4に沿って交互に配置することにより、下段ベルト(第1挟持体)93Lと下段ベルト(第2挟持体)93Rとが波状に湾曲して弾性変形する。そのため、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間に外葉VG2を確実に挟持することができる。
図30、
図36に示すように、複数の下段プーリ100のうち、搬送方向A4の最も上流側にある第1下段プーリ101L,101Rは、重複部91に配置されている。言い換えれば、複数の下段プーリ100は、重複部91に配置された第1下段プーリ101L,101Rを含む。
【0137】
上述したように、第3搬送部3Cに設けられた第2挟持ベルト72は、複数のプーリ(第9プーリ79、第10プーリ80、第11プーリ81、第12プーリ82、第13プーリ83、第14プーリ84)に掛け渡されている。以下、第2挟持ベルト72を「上段ベルト72」、第2挟持ベルト(上段ベルト)72が掛け渡された複数のプーリを「上段プーリ」という場合がある。また、複数の上段プーリのうち、最も下流側に配置された上段プーリ(第10プーリ80、第13プーリ83)を「第1上段プーリ80,83」という。
【0138】
図30、
図31に示すように、第1上段プーリ80は、第1下段プーリ101Lの上方に配置されている。第1上段プーリ83は、第1下段プーリ101Rの上方に配置されている。第1上段プーリ80は、第1下段プーリ101Lと同一の回転軸80aに支持されている。第1上段プーリ83は、第1下段プーリ101Rと同一の回転軸83aに支持されている。回転軸80aと回転軸83aとは、互いに平行に配置されており、それぞれ上下方向に延びている。回転軸80aの上部に第1上段プーリ80が取り付けられ、回転軸80aの下部に第1下段プーリ101Lが取り付けられている。また、回転軸83aの上部に第1上段プーリ83が取り付けられ、回転軸83aの下部に第1下段プーリ101Rが取り付けられている。これにより、第1上段プーリ(第10プーリ)80と第1下段プーリ101Lとは、回転軸80aの回転に伴って一体的に同じ角速度で回転する。また、第1上段プーリ(第13プーリ)83と第1下段プーリ101Rとは、回転軸83aの回転に伴って一体的に同じ速度(角速度)で回転する。
【0139】
図30、
図31、
図35等に示すように、搬送装置2は、第4搬送部(下段搬送部)3Dにて搬送される結球野菜VGの結球部VG1の底部を支持する支持部材117を備えている。支持部材117は、第4搬送部3Dの下方に配置されている。
図30に示すように、支持部材117は、第4搬送部3Dの搬送方向A4において、重複部91の下方から非重複部92の下方にわたって設けられている。
【0140】
図33、
図34に示すように、支持部材117は、第1支持部材117Lと第2支持部材117Rとを含む。第1支持部材117Lは、第4直交方向の一方側(後側)に配置されている。第2支持部材117Rは、第4直交方向の他方側(前側)に配置されている。第1支持部材117Lと第2支持部材117Rとの間には、結球野菜VGの根VG3が挿入可能な挿入部118が形成されている。挿入部118は、第4搬送部3Dの搬送方向A4に沿って延びている。
【0141】
図33、
図34に示すように、第1支持部材117Lは、第1支持ベルト119Lを有している。第1支持ベルト119Lは、無端状であって、第4搬送部3Dの搬送方向A4に移動可能な第1支持面120Lを有している。第2支持部材117Rは、第2支持ベルト119Rを有している。第2支持ベルト119Rは、無端状であって、第4搬送部3Dの搬送方向A4に移動可能な第2支持面120Rを有している。第1支持ベルト119Lと第2支持ベルト119Rとは、互いに平行に間隔をあけて配置されている。第1支持ベルト119Lと第2支持ベルト119Rとの間に挿入部118が形成されている。
【0142】
図32、
図35に示すように、第3搬送部(上段搬送部)3Cにより搬送されてきた結球野菜VGは、第3搬送部3Cの搬送方向A3の下流端(第1上段プーリ80,83の位置)に達すると、第2挟持ベルト72による外葉VG2の挟持が解除される。そのため、結球野菜VGは自重により下降するが、第3搬送部3Cとオーバーラップする第4搬送部3Dの重複部91(
図30、
図36参照)により支持される。具体的には、
図34、
図35に示すように、結球野菜VGは、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間に外葉VG2が挟持されると共に、結球部VG1が第4搬送部3Dの下方に配置された支持部材117により支持される。
【0143】
支持部材117により支持された結球部VG1は、第1支持面120Lと第2支持面120Rにより下方から支持されると共に、第1支持ベルト119Lと第2支持ベルト119Rとの間に形成された挿入部118に根VG3が挿入される。そのため、結球野菜VGの姿勢(上向き姿勢)が安定する。また、結球部VG1が大きい場合には、結球部VG1が第1支持面120Lと第2支持面120Rにより後斜め下方と前斜め下方から支持されることによっても、結球野菜VGの姿勢(上向き姿勢)が安定する。
【0144】
支持部材117により支持された結球部VG1は、姿勢(上向き姿勢)が安定することにより、結球部VG1の大きさに関わらず、結球部VG1の根VG3の基端部(根元)の高さが略一定となる。結球野菜VGは、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間に外葉VG2が挟持され、第1支持面120Lと第2支持面120Rに結球部VG1が支持された状態で、下段ベルト93Lと下段ベルト93Rの移動(回転)に伴って搬送方向A4の下流側(右方)に搬送される。
【0145】
図37に示すように、第4搬送部3Dの搬送方向A4において、支持部材117の下流側(右方)には、第1切断装置4と第2切断装置5が配置されている。第1切断装置4と第2切断装置5は、搬送方向A4に並んで配置されている。第1切断装置4及び第2切断装置5は、第4搬送部3Dの下方に配置されている。
図38、
図40、
図41に示すように、第1切断装置(根切断装置)4は、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rの下方に配置されている。第1切断装置4は、下段ベルト93L,93Rにより外葉VG2を挟持されて吊り下げられた結球野菜VGの根VG3を切断する。
【0146】
図42~
図44に示すように、第1切断装置4は、根揃え部140、根引き込み部170、根切断部180を有している。根揃え部140、根引き込み部170、根切断部180は、第4搬送部3Dの下方に配置されている。
先ず、根揃え部140について説明する。
根揃え部140は、第4搬送部3Dの搬送方向A4において、支持部材117の下流側であって且つ根引き込み部170の上流側に配置されている。根揃え部140は、第4搬送部3Dにより搬送されている結球野菜VGの根VG3を揃える。
【0147】
図42~
図45に示すように、根揃え部140は、第1回転体141Lと、第2回転体141Rと、第1弾性板142Lと、第2弾性板142Rと、回転駆動機構143(以下、「第1回転駆動機構143」という)と、を備えている。
第1回転体141Lは、第4直交方向の一方側(後側)に配置されている。第2回転体141Rは、第4直交方向の他方側(前側)に配置されている。第1回転体141Lと第2回転体141Rは、同径且つ同長さの円筒状である。第1回転体141Lと第2回転体141Rとは、互いに平行に間隔をあけて配置されており、第4搬送部3Dの搬送方向A4に延びている。
【0148】
第1弾性板142L及び第2弾性板142Rは、ゴムやスポンジ等の弾性体から構成されており、撓み変形が可能な板(弾性板)から構成されている。本実施形態の場合、第1弾性板142L及び第2弾性板142Rの数は、それぞれ2つであるが、それぞれ1つ又は3つ以上であってもよい。
図45等に示すように、第1弾性板142Lは、第1弾性板142L1と第1弾性板142L2とを含む。第1弾性板142L1と第1弾性板142L2とは、同じ大きさで同じ形状である。第1弾性板142L1と第1弾性板142L2とは、第1回転体141Lの軸心に対して点対称となるように配置されている。第1弾性板142L1は、第1回転体141Lの外周面から離れる一方向(
図45では上方向)に延びている。第1弾性板142L2は、第1回転体141Lの外周面から離れる一方向と反対側の他方向(
図45では下方向)に延びている。つまり、第1弾性板142L1と第1弾性板142L2とは互いに反対方向に延びている。第1弾性板142L1と第1弾性板142L2とは、第4直交方向B4においてずれた位置に配置されている。
【0149】
第2弾性板142Rは、第2弾性板142R1と第2弾性板142R2とを含む。第2弾性板142R1と第2弾性板142R2とは、同じ大きさで同じ形状である。第2弾性板142R1と第2弾性板142R2とは、第2回転体141Rの軸心に対して点対称となるように配置されている。第2弾性板142R1は、第2回転体141Rの外周面から離れる一方向(
図45では上方向)に延びている。第2弾性板142R2は、第2回転体141Rの外周面から離れる一方向と反対側の他方向(
図45では下方向)に延びている。つまり、第2弾性板142R1と第2弾性板142R2とは互いに反対方向に延びている。第2弾性板142R1と第2弾性板142R2とは、第4直交方向B4においてずれた位置に配置されている。
【0150】
図45に示すように、第1弾性板142Lと第2弾性板142Rとは、第1回転体141Lと第2回転体141Rとの間の第4直交方向B4における中心線CL2を挟んで対称に配置されている。第1弾性板142Lと第2弾性板142Rとの間の距離(第4直交方向B4における距離)は、上方に延びている状態の距離D1が下方に延びている状態の距離D2よりも小さい。
【0151】
図45に示すように、第1弾性板142Lの第1回転体141Lの外周面からの突出量L5と、第2弾性板142Rの第2回転体141Rの外周面からの突出量L6とは等しい。突出量L5は、第1回転体141Lの外径よりも大きい。突出量L6は、第2回転体141Rの外径よりも大きい。
図42、
図43、
図45等に示すように、第1弾性板142Lは、矩形状であって、一辺側が第1回転体141Lの外周面に固定されている。第2弾性板142Rは、矩形状であって、一辺側が第2回転体141Rの外周面に固定されている。
【0152】
図42~
図44に示すように、第1弾性板142Lの一辺側と対向する他辺側には、一辺側に向けて切り込まれた複数のスリット142Laが設けられている。複数のスリット142Laは、互いに間隔をあけて第4搬送部3Dの搬送方向A4に並んで設けられている。第2弾性板142Rの一辺側と対向する他辺側には、一辺側に向けて切り込まれた複数のスリット142Raが設けられている。複数のスリット142Raは、互いに間隔をあけて第4搬送部3Dの搬送方向A4に並んで設けられている。
【0153】
スリット142Laは、第1弾性板142Lの一方の面から他方の面に向けて切り込まれているが、他方の面までは達していない。スリット142Raは、第2弾性板142Rの一方の面から他方の面に向けて切り込まれているが、他方の面までは達していない。スリット142Laとスリット142Raは、第1弾性板142L及び第2弾性板142Rが下方に延びている状態において対向し、第1弾性板142L及び第2弾性板142Rが上方に延びている状態においては互いに反対側を向く。
【0154】
尚、スリット142Laは、第1弾性板142Lの一方の面から他方の面に達するように設けてもよい。スリット142Raは、第2弾性板142Rの一方の面から他方の面に達するように設けてもよい。
スリット142La,142Raは、第1弾性板142L及び第2弾性板142Rが、結球部VG1の外面に沿って曲面状に変形することを可能とする。
【0155】
図46に示すように、第1弾性板142Lは、第1回転体141Lの回転に伴って第1回転体141Lの軸心回りに回転する。第2弾性板142Rは、第2回転体141Rの回転に伴って第2回転体141Rの軸心回りに回転する。
図46に示すように、第1回転体141Lと第2回転体141Rとが中心軸回りに互いに内向きに回転すると、第1弾性板142Lと第2弾性板142Rも中心軸回りに互いに内向きに回転する。第1弾性板142Lと第2弾性板142Rとは、互いに内向きに回転することにより、結球野菜VGの表面に対して湾曲しながら接触する。
【0156】
詳しくは、第1弾性板142L及び第2弾性板142Rは、互いに内向きに回転することにより、結球野菜VGの結球部VG1に対して互いに反対側から接触する。続いて、第1弾性板142L及び第2弾性板142Rは、撓んで湾曲しながら結球部VG1の表面の曲面に沿って下方に移動し、根VG3を互いに反対側から押さえる。これにより、結球野菜VGの根VG3の拡がりを抑えて揃えることができる。このとき、結球野菜VGの外葉VG2は、波状に湾曲した下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間にしっかりと挟持されている。そのため、結球野菜VGの落下を防ぎながら、根VG3を揃えることができる。
【0157】
図42、
図47等に示すように、第1回転駆動機構143は、第2モータ(駆動源)145、第1伝動機構146を有している。
第2モータ145の回転駆動力は、第1伝動機構146を介して第1回転体141Lと第2回転体141Rに伝達される。これにより、第1回転体141Lと第2回転体141Rとは、中心軸回りに互いに内向きに回転する(
図46参照)。
【0158】
第1伝動機構146は、第1伝動部147と第2伝動部148とを有している。第1伝動部147は、第2モータ145の回転動力を第2伝動部148へと伝える。第2伝動部148は、第1伝動部147に伝えられた回転動力を第1回転体141L及び第2回転体141Rへと伝える。
図42、
図47に示すように、第1伝動部147は、駆動スプロケット149、第1従動スプロケット150、チェーン151を含む。
図42~
図44に示すように、第2伝動部148は、第1従動軸152、第5ベベルギア153、第6ベベルギア154、第7ベベルギア155、第8ベベルギア156を含む。
【0159】
駆動スプロケット149は、第2モータ145の出力軸に取り付けられている。第1従動スプロケット150、第5ベベルギア153、第6ベベルギア154は、第1従動軸152に取り付けられている。第7ベベルギア155は、第1回転体141Lの一端側(搬送方向A4の上流側)に取り付けられている。第8ベベルギア156は、第2回転体141Rの一端側(搬送方向A4の上流側)に取り付けられている。第5ベベルギア153は、第7ベベルギア155と噛み合っている。第6ベベルギア154は、第8ベベルギア156と噛み合っている。
【0160】
第2モータ145の出力軸が回転すると、その回転駆動力は駆動スプロケット149からチェーン151を介して第1従動スプロケット150に伝達され、第1従動軸152が軸回りに回転する。第1従動軸152が回転すると、第5ベベルギア153と第6ベベルギア154が回転する。第5ベベルギア153と第6ベベルギア154が回転すると、第7ベベルギア155と第8ベベルギア156が回転し、第1回転体141Lと第2回転体141Rが回転し、第1弾性板142Lと第2弾性板142Rが回転する。
【0161】
次に、根引き込み部170について説明する。
根引き込み部170は、第4搬送部3Dにより搬送されている結球野菜VGの根VG3を下方に向けて引き込む。
図41~
図44に示すように、根引き込み部170は、第1引き込みローラ171Lと、第2引き込みローラ171Rと、回転駆動機構172(以下、「第2回転駆動機構172」という)と、を有している。第1引き込みローラ171Lは、第4直交方向B4の一方側(後側)に配置されている。第2引き込みローラ171Rは、第4直交方向B4の他方側(前側)に配置されている。第1引き込みローラ171L及び第2引き込みローラ171Rは、同径且つ同長さの円筒状に形成されている。
【0162】
図44に示すように、第1引き込みローラ171Lは、第1回転体141Lの搬送方向A4の下流側に配置されており、第1回転体141Lと共に回転する。第2引き込みローラ171Rは、第2回転体141Rの搬送方向A4の下流側に配置されており、第2回転体141Rと共に回転する。第1引き込みローラ171Lは、第4搬送部3Dの搬送方向A4に延びる軸回りに回転する。第2引き込みローラ171Rは、第4搬送部3Dの搬送方向A4に延びる軸回りに回転する。第1引き込みローラ171Lの外周面と第2引き込みローラ171Rの外周面は、当接又は近接している。
【0163】
第2回転駆動機構172は、上述した第1回転駆動機構143と同じである。つまり、第1回転駆動機構143と第2回転駆動機構172とは、共通の機構により構成されている。
第2モータ145の回転駆動力は、第1伝動機構146を介して第1回転体141Lと第2回転体141Rに伝達される。これにより、第1回転体141Lと第2回転体141Rとは、中心軸回りに互いに内向き(対向する側が下向き)に回転する。これに伴って、第1引き込みローラ171Lと第2引き込みローラ171Rとは、中心軸回りに互いに内向き(対向する側が下向き)に回転する。
【0164】
図48に示すように、第1引き込みローラ171Lと第2引き込みローラ171Rとが中心軸回りに互いに内向きに回転することにより、結球野菜VGの根VG3が第1引き込みローラ171Lと第2引き込みローラ171Rとの間に引き込まれる。このとき、
図36に示すように、結球野菜VGの外葉VG2は、波状に湾曲した下段ベルト93Lと下段ベルト93Rとの間にしっかりと挟持されているため、結球野菜VGの根VG3は下方に向けて直線状に延びた状態となる。これにより、結球野菜VGの根VG3が下方に向けて拡がっていた場合でも、根VG3を直線状に延ばすことができる。
【0165】
根引き込み部170により根VG3が延ばされた結球野菜VGは、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rによって外葉VG2を挟持されて吊り下げられた状態で、更に下流側(右方)へと搬送されて根切断部180へと送られる。
根切断部180は、第4搬送部3Dにより搬送されてきた結球野菜VGの根VG3を切断する。根切断部180は、第4搬送部3Dの下方において、第4搬送部3Dにて外葉VG2が挟持された野菜VGの根VG3を切断する。
【0166】
図41~
図44等に示すように、根切断部180は、根切断刃181と、根切断刃181を回転させる回転駆動機構190(以下、「第4回転駆動機構190」という)を備えている。この第4回転駆動機構190の構成については後述する。
根切断刃181は、第4搬送部3Dにより搬送されてきた結球野菜VGの根VG3を切断する。根切断刃181は、外周に多数の切れ刃が形成された円盤状の切断刃であって、上下方向を向いた中心軸181a回りに回転する。根切断刃181の中心軸181aの方向と、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rの移動方向(搬送方向A4)とは直交している。言い換えれば、根切断刃181は、水平面内に配置されている。根切断刃181は、第4搬送部3Dの下方に配置されている。
【0167】
図44に示すように、根切断刃181の中心(回転中心)は、第4直交方向B4において、第1引き込みローラ171Lと第2引き込みローラ171Rとの中間位置よりも第1引き込みローラ171L側にずれた位置に配置されている。
図40~
図42、
図44に示すように、根切断刃181の下方には、根移送部230が配置されている。根移送部230は、第4搬送部3Dにより搬送されている結球野菜VGの根VG3を挟持して、根切断刃181側へと移動させる。これにより、結球野菜VGの根VG3が根切断刃181によって切断される。
【0168】
また、根移送部230は、根切断部180の下方において、根切断部180で切断された根VG3を挟持して移送する。根移送部230は、根切断部180により切断された根VG3を挟持して搬送部(第4搬送部3D)による搬送方向A4とは異なる方向に移送する。つまり、第4搬送部3Dによる結球野菜VGの搬送方向A4と根移送部230による根VG3の移送方向とは異なっている。
【0169】
第4搬送部3Dは、結球野菜VGを水平面内における第1方向(搬送方向A4)に搬送する。
図1、
図39、
図44に示すように、根移送部230は、根VG3を水平面内において第1方向(搬送方向A4)に対して傾斜する第2方向Bに移送する。第1方向(搬送方向A4)に対する第2方向Bの傾斜角度は、鋭角であることが好ましく、例えば20°~45°の範囲に設定される。
【0170】
図44、
図47、
図49、
図50等に示すように、根移送部230は、無端状の第1ベルト231と、第1ベルト231との間で根VG3を挟持する無端状の第2ベルト232とを有している。
第1ベルト231は、第1始端側プーリ233(
図44参照)と第1終端側プーリ234(
図49参照)に巻き掛けられている。第2ベルト232は、第2始端側プーリ235(
図44参照)と第2終端側プーリ236(
図49参照)に巻き掛けられている。第1始端側プーリ233と第2始端側プーリ235とは互いに反対方向(互いに内向き)に回転し、第1終端側プーリ234と第2終端側プーリ236とは互いに反対方向(互いに内向き)に回転する。
【0171】
図44に示すように、第1始端側プーリ233は、搬送方向A4において、第1引き込みローラ171Lの下流側に配置されている。第2始端側プーリ235は、搬送方向A4において、第2引き込みローラ171Rの下流側に配置されている。
図38、
図47に示すように、第1ベルト231の上側には上板238Aが配置され、第1ベルト231の下側には下板238Bが配置されている。第2ベルト232の上側には上板239Aが配置され、第2ベルト232の下側には下板239Bが配置されている。上板238Aには、テンション調整部238Cが設けられている。上板239Aには、テンション調整部239Cが設けられている。テンション調整部238Cは、第1始端側プーリ233と第1終端側プーリ234との間の距離を変化させることにより、第1ベルト231のテンションを調整することができる。テンション調整部239Cは、第2始端側プーリ235と第2終端側プーリ236との間の距離を変化させることにより、第2ベルト232のテンションを調整することができる。
【0172】
第1ベルト231及び第2ベルト232は、ベルトの幅方向が上下方向を向いて配置されている。
図44、
図49に示すように、第1ベルト231の内面(第2ベルト232側の面)と、第2ベルト232の内面(第1ベルト231側の面)とは、当接又は近接して互いに平行に配置されており、根VG3を挟持する挟持面237を構成している。
根VG3は、根引き込み部170を通過した後、根移送部230へと移行して挟持面237に挟持される。そのため、根VG3は、根引き込み部170により延ばされた状態で、根移送部230の挟持面237によって確実に挟持される。
【0173】
第1ベルト231は、第1始端側プーリ233と第1終端側プーリ234の回転に伴って回転する。第2ベルト232は、第2始端側プーリ235と第2終端側プーリ236の回転に伴って回転する。第1ベルト231及び第2ベルト232の回転により、挟持面237は根切断部180から離れる方向に移動する。これにより、根切断部180により切断された根VG3を、第1ベルト231と第2ベルト232との間に構成される挟持面237に挟持して根切断部180から離れる方向に移送することができる。
【0174】
図40、
図44に示すように、根移送部230の移送方向(第2方向B)の上流側の部位は、根切断刃181の下方において根VG3を挟持する。
図49に示すように、根移送部230の移送方向(第2方向B)の下流側端部230bは、第4搬送部3Dの搬送方向A4において、上流側端部230aよりも第2切断装置(外葉切断装置)5側(搬送方向A4の下流側)に配置されている。
【0175】
図44に示すように、挟持面237の移送方向(第2方向B)の上流側端部237aは、搬送方向A4において、根切断刃181の外周と重なる位置もしくは当該位置よりも搬送方向A4の上流側に位置している。これにより、根VG3は、第1ベルト231と第2ベルト232との間に構成される挟持面237に挟持された状態で根切断刃181に向けて移動するため、根切断刃181の回転により確実に切断することができる。
【0176】
ここで、根移送部230による根VG3の移送速度は、第4搬送部3Dの搬送速度よりも速い。これにより、結球野菜VGは、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rにより挟持されて移動する外葉VG2の移動速度に比べて、根移送部230による根VG3の移動速度が速くなる。
これによって、
図41に示すように、結球野菜VGは、外葉VG2の挟持された部分を支点として振り子のように左方に揺動する。この揺動によって、結球野菜VGの根VG3は下向きに凸の円弧状の軌跡C1を描いて左方に移動する。そのため、根VG3は、円弧状の軌跡C1を描いて根切断刃181に向けて移動して切断される。結球野菜VGは根元部分が曲面状であるため、根VG3が円弧状の軌跡を描いて根切断刃181に向けて移動することにより、切り残しの発生量を極力少なくして根VG3を切断することができる。
【0177】
但し、根移送部230による根VG3の移送速度は、第4搬送部3Dの搬送速度と同じであってもよい。
根切断刃181により切断された根VG3は、そのまま挟持面237に挟持されて第2方向Bに移送され、根移送部230の下流側端部230bから排出される。
図42、
図47に示すように、根移送部230は、第1始端側プーリ233と第2始端側プーリ235を回転させる回転駆動機構184(以下、「第3回転駆動機構184」という)を備えている。第3回転駆動機構184は、第2モータ145と第2伝動機構220とから構成されている。第2伝動機構220は、第2モータ145の回転駆動力を、根移送部230(第1始端側プーリ233と第2始端側プーリ235)に伝達する。
【0178】
第2伝動機構220は、第3伝動部221と第4伝動部222とを有している。第3伝動部221は、第2モータ145の回転動力を第4伝動部222へと伝える。第4伝動部222は、第3伝動部221に伝えられた回転動力を第1始端側プーリ233及び第2始端側プーリ235へと伝える。
図47に示すように、第3伝動部221は、駆動スプロケット149、第2従動スプロケット157、チェーン151を含む。
図42、
図43に示すように、第4伝動部222は、第2従動軸223、第1プーリ軸224、第2プーリ軸225、第9ベベルギア226、第10ベベルギア227、第11ベベルギア228、第12ベベルギア229を含む。
【0179】
駆動スプロケット149は、第2モータ145の出力軸に取り付けられている。第2従動スプロケット157、第9ベベルギア226、第10ベベルギア227は、第2従動軸223に取り付けられている。第1プーリ軸224には、第1始端側プーリ233が取り付けられている。第2プーリ軸225には、第2始端側プーリ235が取り付けられている。
【0180】
第11ベベルギア228は、第1プーリ軸224に取り付けられている。第12ベベルギア229は、第2プーリ軸225に取り付けられている。第9ベベルギア226は、第12ベベルギア229と噛み合っている。第10ベベルギア227は、第11ベベルギア228と噛み合っている。
第2モータ145の出力軸が回転すると、その回転駆動力は駆動スプロケット149からチェーン151を介して第2従動スプロケット157に伝達され、第2従動軸223が軸回りに回転する。第2従動軸223が回転すると、第9ベベルギア226と第10ベベルギア227が回転する。第9ベベルギア226と第10ベベルギア227が回転すると、第11ベベルギア228と第12ベベルギア229が回転する。第11ベベルギア228と第12ベベルギア229が回転すると、第1プーリ軸224と第2プーリ軸225が回転し、第1始端側プーリ233と第2始端側プーリ235が回転する。これにより、第1終端側プーリ234と第2終端側プーリ236が回転し、第1ベルト231と第2ベルト232が回転する。
【0181】
次に、上述した根切断刃181を回転させる第4回転駆動機構190の構成について説明する。
図47に示すように、第4回転駆動機構190は、第2モータ145と第3伝動機構191とから構成されている。第3伝動機構191は、第2モータ145の回転駆動力を根切断部180(根切断刃181)に伝達する。
【0182】
図43、
図47に示すように、第3伝動機構191は、第2伝動機構220の一部(駆動スプロケット149、第2従動スプロケット157、チェーン151、第2従動軸223、第1プーリ軸224、第10ベベルギア227、第11ベベルギア228)と、一方スプロケット192、他方スプロケット193、第2チェーン194を含む。
図43に示すように、一方スプロケット192は、第1プーリ軸224に取り付けられている。他方スプロケット193は、根切断刃181の中心軸181aに取り付けられている。第2チェーン194は、一方スプロケット192と他方スプロケット193とに巻き掛けられている。
【0183】
第2モータ145の出力軸が回転すると、その回転駆動力は駆動スプロケット149からチェーン151を介して第2従動スプロケット157に伝達され、第2従動軸223が軸回りに回転する。第2従動軸223が回転すると、第10ベベルギア227が回転する。第10ベベルギア227が回転すると、第11ベベルギア228が回転し、第1プーリ軸224が回転する。第1プーリ軸224が回転すると、その回転駆動力は一方スプロケット192から第2チェーン194を介して他方スプロケット193に伝達され、中心軸181aが回転する。これにより、根切断刃181が中心軸181a回りに回転する。
【0184】
根切断刃181の回転により根VG3が切断された結球野菜VGは、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rにより外葉VG2が挟持されて吊り下げられた状態で更に右方(搬送方向A4の下流側)に搬送され、第2切断装置(外葉切断装置)5へと送られる。つまり、第4搬送部3Dは、結球野菜VGの外葉VG2を挟持して第2切断装置(外葉切断装置)5に向けて搬送する。
【0185】
図38~
図40に示すように、第2切断装置5は、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rの下方に配置されている。第2切断装置5は、下段ベルト93L及び下段ベルト93Rにより吊り下げられて搬送されてきた結球野菜VGの外葉VG2を切断する。
図38、
図40、
図50に示すように、第2切断装置5は、外葉案内部200と外葉切断部210とを有している。
【0186】
図49、
図50等に示すように、外葉案内部200は、第1案内部材201及び第2案内部材202を有している。第1案内部材201は、ブラケット(図示略)を介して第1板94L(
図1参照)に取り付けられている。第2案内部材202は、ブラケット(図示略)を介して第2板94R(
図1参照)に取り付けられている。
第1案内部材201と第2案内部材202は、第4直交方向B4に並んで配置されている。具体的には、第1案内部材201は、第4直交方向の一方側(後側)に配置されている。第2案内部材202は、第4直交方向の他方側(前側)に配置されている。
【0187】
第1案内部材201は、第1案内部位201aと第1導入部位201bとを有している。第1案内部位201aは、右方(搬送方向A4の下流側)に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。第1導入部位201bは、第1案内部位201aの左端(搬送方向A4の上流側の端)から屈曲して後方に延びている。
第2案内部材202は、第2案内部位202aと第2導入部位202bとを有している。第2案内部位202aは、左方(搬送方向A4の下流側)に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。第2導入部位202bは、第2案内部位202aの左端から屈曲して前方に延びている。
【0188】
図47、
図49、
図50に示すように、外葉切断部210は、外葉切断刃211と、外葉切断刃211を回転させる回転駆動機構240(以下、「第5回転駆動機構240」という)を備えている。外葉切断刃211は、外周に沿って多数の切れ刃が形成された円盤状の切断刃であって、上下方向を向いた中心軸211a回りに回転する。
図47、
図49に示すように、第5回転駆動機構240は、第2モータ145と第4伝動機構241とから構成されている。第4伝動機構241は、第2モータ145の回転駆動力を外葉切断刃211に伝達する。
【0189】
図47に示すように、第4伝動機構241は、第5伝動部242と第6伝動部243とを有している。第5伝動部242は、第2モータ145の回転動力を第6伝動部243へと伝える。第6伝動部243は、第5伝動部242に伝えられた回転動力を外葉切断刃211の中心軸211aへと伝える。
図47等に示すように、第5伝動部242は、駆動スプロケット149、第3従動スプロケット244、チェーン151を含む。第6伝動部243は、第3従動軸245、第13ベベルギア246、第14ベベルギア247、起立軸248、第1上スプロケット249、第2上スプロケット250、第3チェーン251を含む。
【0190】
駆動スプロケット149は、第2モータ145の出力軸に取り付けられている。第3従動スプロケット244、第13ベベルギア246は、第3従動軸245に取り付けられている。第14ベベルギア247は、起立軸248の下部に取り付けられている。第13ベベルギア246と第14ベベルギア247とは噛み合っている。第1上スプロケット249は、起立軸248の上部に取り付けられている。第2上スプロケット250は、外葉切断刃211の中心軸211aに取り付けられている。第3チェーン251は、第1上スプロケット249と第2上スプロケット250とに掛け渡されている。
【0191】
第2モータ145の出力軸が回転すると、その回転駆動力は駆動スプロケット149からチェーン151を介して第3従動スプロケット244に伝達され、第3従動軸245が軸回りに回転する。第3従動軸245が回転すると、第13ベベルギア246が回転し、第14ベベルギア247が回転する。第14ベベルギア247が回転すると、起立軸248が回転し、第1上スプロケット249が回転する。第1上スプロケット249の回転動力は、第3チェーン251を介して第2上スプロケット250に伝達され、第2上スプロケット250が回転する。これにより、外葉切断刃211が中心軸211a回りに回転する。
【0192】
根切断部180と根移送部230とは、同一の駆動源(第2モータ145)により駆動される。また、根切断部180と根移送部230と外葉切断部210は、同一の駆動源(第2モータ145)により駆動される。また、根切断部180と根移送部230と外葉切断部210と根揃え部140は、同一の駆動源(第2モータ145)により駆動される。これにより、同一の駆動源(第2モータ145)からの動力によって、根揃え部140によって揃えられた根VG3を根切断部180によって切断し、切断された根VG3を根移送部230によって移送し、さらに外葉切断部210によって外葉VG2を切断することができる。従って、根切断部180、根移送部230、外葉切断部210、根揃え部140をそれぞれ駆動する駆動源を個別に設ける必要がない。そのため、調製装置1に用いられる駆動源(モータ等)の数を削減することができ、調製装置1を小型化・軽量化することが可能となる。
【0193】
外葉切断刃211は、第1案内部位201a及び第2案内部位202aの搬送方向A4の下流側の端部の上方に配置されている。
以下、第2切断装置5の作用(動作)について説明する。
下段ベルト93L,93Rにより外葉VG2を挟持されて搬送されてきた結球野菜VGは、外葉VG2が第1案内部位201aと第2案内部位202aとの間に左方(搬送方向A4の上流側)から導入された後、第1案内部位201aと第2案内部位202aとの間に挟まれながら右方(第4搬送方向A4)に移動する。ここで、第1案内部位201aと第2案内部位202aとは右方に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。そのため、第1案内部位201aと第2案内部位202aが外葉VG2を挟む位置は、結球野菜VGの移動に伴って次第に下方へと移行する。
【0194】
第1案内部位201aと第2案内部位202aとの間に挟まれながら右方に移動した結球野菜VGの外葉VG2は、基端部付近(結球部VG1に近い部分)において外葉切断刃211により切断される。外葉VG2の基端部付近が切断された結球野菜VGは、第4搬送部3Dにより挟持されない状態となるため、落下する。一方、切断後の外葉VG2は、第4搬送部3Dにより挟持されて更に下流側へと搬送される。
【0195】
図37、
図39、
図40に示すように、第2切断装置5の下流側(搬送方向A4の下流側)には、排出シュート260が配置されている。排出シュート260は、第4搬送部3Dの下段ベルト93の下方に配置されている。より詳しくは、排出シュート260は、下段ベルト93の搬送方向A4の下流側の端部の下方に配置されている。排出シュート260は、搬送方向A4と直角方向に延びるように配置されており、後方に向かうにつれて下方に移行している。切断後の外葉VG2は、下段ベルト93の下流側の端部から落下し、排出シュート260を滑り落ちて回収される。
【0196】
図38、
図40、
図50に示すように、第1案内部材201、第2案内部材202、外葉切断刃211の下方には、傾斜面270が配置されている。傾斜面270は、搬送方向A4の下流側に向かうにつれて低くなるように傾斜している。傾斜面270は、第1案内部材201及び第2案内部材202の下方に配置された第1傾斜面271と、外葉切断刃211の下方に配置された第2傾斜面272とを含む。第2傾斜面272の傾斜角度は、第1傾斜面271の傾斜角度よりも大きい。
【0197】
図40に示すように、外葉VG2の基端部付近が切断されて落下した結球野菜VGは、傾斜面270に沿って搬送方向A4の下流側に移動し、第5搬送部3Eへと到達する。
図1、
図2に示すように、第5搬送装置2Eの第5搬送部3Eは、第4搬送部3Dの搬送方向A4の下流側に配置されている。第5搬送部3Eは、第2フレーム6Bに支持されている。第5搬送部3Eの搬送方向A5は、第4搬送部3Dの搬送方向A4と同じである。
【0198】
第5搬送部3Eは、スロープであって、搬送方向A5の上流側から下流側に向かうにつれて低くなるように傾斜している。第5搬送部3Eは、搬送方向A5の上流側が傾斜面270の下流側に近接している。外葉切断刃211によって外葉VG2が切断されて落下した結球野菜VGは、傾斜面270に沿って移動して第5搬送部3Eの上流側に供給され、上流側から下流側に向けて転がって移動して回収される。回収された結球野菜VGは、外葉VG2及び根VG3が適当な位置で切断された結球野菜VGとなる。
<効果>
上記実施形態の野菜の調製装置1によれば、以下の効果を奏する。
【0199】
野菜の調製装置1は、野菜VGを搬送する搬送部(第4搬送部)3Dと、搬送部3Dにより搬送されてきた野菜VGの根VG3を切断する根切断部180と、根切断部180により切断された根VG3を移送する根移送部230と、を備えている。
この構成によれば、根切断部180により切断された根VG3を根移送部230によって移送することが可能である。そのため、切断された根VG3が搬送部3Dに絡まる等して堆積することを防止して、根VG3を円滑に外部に排出することができる。また、根切断部180の近傍に切断された根VG3が残って切断を妨げることがないため、切断精度を向上させることができる。また、切断された根VG3が野菜VGの搬送中の詰まりの原因になることが防がれ、切断精度及び搬送精度を向上させることができる。また、切断された根VG3を除去するための清掃回数を削減できる。
【0200】
また、根移送部230は、根切断部180により切断された根を挟持して移送する。
この構成によれば、根切断部180により切断された根VG3を落下させることなく根移送部230により確実に移送して円滑に排出することができる。
また、根移送部230は、根切断部180により切断された根を搬送部3Dによる搬送方向A4とは異なる方向(第2方向B)に移送する。
【0201】
この構成によれば、切断された根VG3が搬送部3Dに絡まる等して堆積することを効果的に防止することができ、根VG3を円滑に排出することができる。
また、搬送部3Dは、野菜VGの葉(外葉)VG2を挟持して搬送し、根切断部180は、搬送部3Dの下方において、搬送部3Dにて葉VG2が挟持された野菜VGの根VG3を切断し、根移送部230は、根切断部180の下方において、根切断部180で切断された根VG3を挟持して移送する。
【0202】
この構成によれば、根移送部230が根切断部180の下方において切断された根VG3を挟持して移送するため、切断された根VG3をその場に落下させることなく、根移送部230によって確実に挟持して移送して排出することができる。
また、搬送部3Dは、野菜VGを水平面内における第1方向(搬送方向A4)に搬送し、根移送部230は、根VG3を水平面内において第1方向(搬送方向A4)に対して傾斜する第2方向Bに移送する。
【0203】
この構成によれば、搬送部3Dによる野菜VGの搬送方向A4と根移送部230による根VG3の移送方向(第2方向B)とが、同じ水平面内にあるため、根VG3が切断された野菜VGの回収と切断された根VG3の回収とを近い位置(高さ)で行うことができ、野菜VG及び根VG3の回収が容易となる。
また、根移送部230は、無端状の第1ベルト231と、第1ベルト231との間で根VG3を挟持する無端状の第2ベルト232とを有し、第1ベルト231及び第2ベルト232は、ベルトの幅方向が上下方向を向いて配置されている。
【0204】
この構成によれば、上下方向に延びる根VG3を第1ベルト231と第2ベルト232との間に確実に挟持して移送することができる。
また、根切断部180は、搬送部3Dの下方に配置され且つ上下方向を向く中心軸回りに回転する根切断刃181を有し、根移送部230の移送方向の上流側の部位は、根切断刃181の下方において根VG3を挟持する。
【0205】
この構成によれば、根切断刃181によって切断される根VG3を根移送部230の移送方向の上流側の部位にて挟持して下流側へと移送することができるため、切断された根VG3を落下させることなく、根移送部230によって確実に移送して排出することができる。
また、第1ベルト231の内面と第2ベルト232の内面とは、当接又は近接して互いに平行に配置されて根VG3を挟持する挟持面237を構成し、挟持面237は、根移送部230の移送方向(第2方向B)の上流側端部237aが、搬送部(第4搬送部)3Dの搬送方向A4において根切断刃181の外周と重なる位置もしくは当該位置よりも搬送方向A4の上流側に位置している。
【0206】
この構成によれば、挟持面237により挟持された状態の根VG3を根切断刃181によって切断することができるため、根VG3を所望の位置で確実に切断することができる。
また、野菜VGは、結球部VG1と外葉VG2と根VG3とを有する結球野菜VGであって、根VG3が切断された結球野菜VGの外葉VG2を切断する外葉切断部210を含む外葉切断装置5を備え、搬送部3Dは、結球野菜VGの外葉VG2を挟持して外葉切断装置5に向けて搬送し、根移送部230の移送方向の下流側端部230bは、搬送部3Dの搬送方向A4において、上流側端部230aよりも外葉切断装置5側に配置されている。
【0207】
この構成によれば、外葉切断装置5に向けて搬送された外葉VG2の回収と、根移送部230によって移送された根VG3の回収とを近い位置で行うことができ、回収された外葉VG2及び根VG3の処理が容易となる。
また、根切断部180と根移送部230とは同一の駆動源(第2モータ145)により駆動される。
【0208】
この構成によれば、同一の駆動源(第2モータ145)からの動力によって、根切断部180によって根VG3を切断し、切断された根VG3を根移送部230によって移送することができる。そのため、調製装置1に用いられる駆動源の数を削減することができ、調製装置1を小型化・軽量化することが可能となる。
また、根切断部180と根移送部230と外葉切断部210は同一の駆動源(第2モータ145)により駆動される。
【0209】
この構成によれば、同一の駆動源(第2モータ145)からの動力によって、根切断部180によって根VG3を切断し、切断された根VG3を根移送部230によって移送し、さらに外葉切断部210によって外葉VG2を切断することができる。そのため、調製装置1に用いられる駆動源の数を削減することができ、調製装置1を小型化・軽量化することが可能となる。
【0210】
また、調製装置1は、根切断部180により切断される前に根VG3を揃える根揃え部140を備え、根切断部180と根移送部230と外葉切断部210と根揃え部140は同一の駆動源により駆動される。
この構成によれば、同一の駆動源(第2モータ145)からの動力によって、根揃え部140によって揃えられた根VG3を根切断部180によって切断し、切断された根VG3を根移送部230によって移送し、さらに外葉切断部210によって外葉VG2を切断することができる。そのため、調製装置1に用いられる駆動源の数を削減することができ、調製装置1を小型化・軽量化することが可能となる。
【0211】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0212】
1 野菜の調製装置
3D 搬送部(第4搬送部)
5 外葉切断装置
140 根揃え部
145 駆動源(第2モータ)
180 根切断部
181 根切断刃
210 外葉切断部
230 根移送部
230a 根移送部の上流側端部
231 第1ベルト
232 第2ベルト
237 挟持面
237a 挟持面の上流側端部
VG 野菜(結球野菜)
VG2 葉(外葉)
VG3 根