(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 41/50 20230101AFI20240408BHJP
G11C 5/02 20060101ALI20240408BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240408BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240408BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20240408BHJP
H10B 43/10 20230101ALI20240408BHJP
H10B 43/40 20230101ALI20240408BHJP
H10B 41/10 20230101ALI20240408BHJP
H10B 41/40 20230101ALI20240408BHJP
【FI】
H10B41/50
G11C5/02 100
H01L27/04 D
H10B43/50
H10B43/10
H10B43/40
H10B41/10
H10B41/40
(21)【出願番号】P 2020137608
(22)【出願日】2020-08-17
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【氏名又は名称】津田 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100121843
【氏名又は名称】村井 賢郎
(72)【発明者】
【氏名】平 隆志
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-185613(JP,A)
【文献】特開2004-342889(JP,A)
【文献】特開2013-201293(JP,A)
【文献】特開2012-204643(JP,A)
【文献】特開平03-232270(JP,A)
【文献】特開2015-138802(JP,A)
【文献】特開平11-353870(JP,A)
【文献】特開2011-108352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/50
G11C 5/02
H01L 27/04
H10B 43/50
H10B 43/10
H10B 43/40
H10B 41/10
H10B 41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体記憶装置であって、
複数のメモリセルアレイを含むメモリセル部と、
前記メモリセル部に対する書込み動作、読出し動作、及び消去動作を含む電圧転送制御を実行する周辺回路と、
前記周辺回路と前記メモリセル部とに接続され、少なくとも一部が、前記メモリセル部の前記メモリセルアレイの周辺に形成された周辺領域の内、前記メモリセル部と前記周辺回路とが対向していない非対向領域に形成された信号線と、を備え
、
前記信号線は、前記メモリセルアレイに接続されたワード線を制御するロウデコーダと平面視において重なる領域を通過し、
前記ロウデコーダは、配線密度が高い第1領域と、前記第1領域よりも配線密度が低い第2領域とを含み、
前記信号線は、前記第2領域と重なる領域を通過する半導体記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体記憶装置であって、
前記信号線は、前記非対向領域の端部で前記メモリセルアレイの外周に沿って屈曲するコーナー部を備えており、前記コーナー部に演算回路が設けられている半導体記憶装置。
【請求項3】
半導体記憶装置であって、
複数のメモリセルアレイを含むメモリセル部と、
前記メモリセル部に対する書込み動作、読出し動作、及び消去動作を含む電圧転送制御を実行する周辺回路と、
前記周辺回路と前記メモリセル部とに接続され、少なくとも一部が、前記メモリセル部の前記メモリセルアレイの周辺に形成された周辺領域の内、前記メモリセル部と前記周辺回路とが対向していない非対向領域に形成された信号線と、を備え、
前記信号線は、前記非対向領域の端部で前記メモリセルアレイの外周に沿って屈曲するコーナー部を備えており、前記コーナー部に演算回路が設けられている半導体記憶装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の半導体記憶装置であって、
前記信号線は、前記メモリセルアレイに接続されたワード線を制御するロウデコーダと平面視において重なる領域を通過する半導体記憶装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の半導体記憶装置であって、
前記ロウデコーダは、配線密度が高い第1領域と、前記第1領域よりも配線密度が低い第2領域とを含み、
前記信号線は、前記第2領域と重なる領域を通過する半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置では、複数のメモリセルからなるメモリセルアレイと、メモリセルアレイを制御するための周辺素子とが所定の距離をおいて配置されている。メモリセルアレイと周辺素子との間の領域では、複数のブロックデコーダを含むロウデコーダやページバッファが配置され、ロウデコーダに繋がるワード線が通り、ページバッファに繋がるビット線が通っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体記憶装置が多機能化し、ロウデコーダやページバッファの数が増えるとワード線やビット線の数も増え、チップサイズが大きくなる。
【0005】
本開示は、多機能化してもチップサイズの増大を抑制することが可能な半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、半導体記憶装置であって、複数のメモリセルアレイを含むメモリセル部と、メモリセル部に対する書込み動作、読出し動作、及び消去動作を含む電圧転送制御を実行する周辺回路と、周辺回路とメモリセル部とに接続され、少なくとも一部がメモリセル部のメモリセルアレイの周辺に形成された周辺領域の内、メモリセル部と周辺回路とが対向していない非対向領域に形成された信号線と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、多機能化してもチップサイズの増大を抑制することが可能な半導体記憶装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るNAND型フラッシュメモリのブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示されるメモリセルアレイに含まれるプレーンの構成を説明するための図である。
【
図3】
図3は、
図2に示されるメモリセルアレイの1つのプレーンについて説明するための図である。
【
図4】
図4は、
図3に示される配線領域について説明するための図である。
【
図5】
図5は、
図3に示される配線領域について説明するための図である。
【
図6】
図6は、配線領域に論理回路を設ける例について説明するための図である。
【
図7】
図7は、配線領域を多重化する例について説明するための図である。
【
図8】
図8は、
図7に示される配線領域に論理回路を設ける例について説明するための図である。
【
図9】
図9は、ロウデコーダと重なるように配線する例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアのいずれかまたは両者を組み合わせたものとして実現することができる。各機能ブロックが以下の例のように区別されていることは必須ではない。例えば、一部の機能が例示の機能ブロックとは別の機能ブロックによって実行されてもよい。さらに、例示の機能ブロックがさらに細かい機能サブブロックに分割されていてもよい。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0010】
本実施形態に係る半導体記憶装置であるNAND型フラッシュメモリについて、
図1を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係るNAND型フラッシュメモリ2のブロック図である。
【0011】
NAND型フラッシュメモリ2は、メモリセル部3、入出力回路21、ロジック制御回路22、ステータスレジスタ23A、アドレスレジスタ23B、コマンドレジスタ23C、シーケンサ24、電圧生成回路25、ロウデコーダ5、カラムデコーダ27、センスアンプユニット28、及びデータレジスタ29を備える。
【0012】
メモリセル部3は、複数のプレーンを備える。
図1では、一例として、4個のプレーン30,31,32,33を示している。複数のプレーンの各々は、複数のメモリセルトランジスタを備える。メモリセル部3には、メモリセルトランジスタに電圧を印加するために、複数のビット線、複数のワード線、及びソース線などが配設される。プレーンの具体的な構成については後述する。
【0013】
入出力回路21及びロジック制御回路22は、NANDバス(不図示)を介して、メモリコントローラ(不図示)に接続される。入出力回路21は、メモリコントローラとの間でNANDバスを介して、信号DQ(例えばDQ0~DQ7)を送受信する。
【0014】
ロジック制御回路22は、メモリコントローラ3からNANDバスを介して、外部制御信号(例えば、チップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、書き込みイネーブル信号WEn、読み出しイネーブル信号REn、及びライトプロテクト信号WPnを受信する。信号名に付記された“n”は、アクティブ・ローを示す。また、ロジック制御回路22は、NANDバスを介して、メモリコントローラ3にレディー/ビジー信号RBnを送信する。
【0015】
信号CEnは、NAND型フラッシュメモリ2の選択を可能にし、当該NAND型フラッシュメモリ2を選択する際にアサートされる。信号CLEは、信号DQとして送信されるコマンドをコマンドレジスタにラッチすることを可能にする。信号ALEは、信号DQとして送信されるアドレスをアドレスレジスタにラッチすることを可能にする。信号WEnは、書き込みを可能にする。信号REnは、読み出しを可能にする。信号WPnは、書き込み及び消去を禁止する際にアサートされる。信号RBnは、NAND型フラッシュメモリ2がレディー状態(外部からの命令を受け付けることが可能である状態)であるか、ビジー状態(外部からの命令を受け付けることができない状態)であるかを示す。メモリコントローラ3は、NAND型フラッシュメモリ2から信号RBnを受けることで、NAND型フラッシュメモリ2の状態を知ることができる。
【0016】
ステータスレジスタ23Aは、NAND型フラッシュメモリ2の動作に必要なデータを一時的に保持する。アドレスレジスタ23Bは、アドレスを一時的に保持する。コマンドレジスタ23Cは、コマンドを一時的に保持する。ステータスレジスタ23A、アドレスレジスタ23B、及びコマンドレジスタ23Cは、例えばSRAMから構成される。
【0017】
シーケンサ24は、コマンドレジスタ23Cからコマンドを受け、このコマンドに基づくシーケンスに従ってNAND型フラッシュメモリ2を統括的に制御する。
【0018】
電圧生成回路25は、NAND型フラッシュメモリ2の外部から電源電圧を受け、この電源電圧を用いて、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を生成する。電圧生成回路25は、生成した電圧を、メモリセル部3、ロウデコーダ5、及びセンスアンプユニット28などに供給する。
【0019】
ロウデコーダ5は、アドレスレジスタ23Bからロウアドレスを受け、このロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ5は、デコードされたロウアドレスに基づいて、ワード線などの選択動作を行う。そして、ロウデコーダ5は、メモリセル部3に、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を転送する。
【0020】
カラムデコーダ27は、アドレスレジスタ23Bからカラムアドレスを受け、このカラムアドレスをデコードする。カラムデコーダ27は、デコードされたカラムアドレスに基づいて、ビット線の選択動作を行う。
【0021】
センスアンプユニット28は、読み出し動作時には、メモリセルトランジスタからビット線に読み出されたデータを検知及び増幅する。また、センスアンプユニット28は、書き込み動作時には、書き込みデータをビット線に転送する。
【0022】
データレジスタ29は、読み出し動作時には、センスアンプユニット28から転送されたデータを一時的に保持し、これをシリアルに入出力回路21へ転送する。また、データレジスタ29は、書き込み動作時には、入出力回路21からシリアルに転送されたデータを一時的に保持し、これをセンスアンプユニット28へパラレルに転送する。データレジスタ29は、SRAMなどで構成される。
【0023】
NAND型フラッシュメモリ2には、電源電圧VCCおよび接地電圧VSSが、対応する端子を介して、印加される。本実施形態の説明においては、入出力回路21、ロジック制御回路22、ステータスレジスタ23A、アドレスレジスタ23B、コマンドレジスタ23C、シーケンサ24、及び電圧生成回路25を、周辺回路6とも称する。また、カラムデコーダ27、センスアンプユニット28、及びデータレジスタ29を、ページバッファ4とも称する。周辺回路6からは一部の構成要素が省略されてもよく、図示しない他の構成要素が組み込まれてもよい。ページバッファ4からは一部の構成要素が省略されてもよく、図示しない他の構成要素が組み込まれてもよい。
【0024】
続いて、
図2を参照しながら、プレーン30,31,32,33について説明する。プレーン30,31,32,33それぞれは、複数のブロック(
図2において明示せず)を備えている。複数のブロックそれぞれは、複数のメモリセル(
図2において明示でず)を備えている。
図2においては、プレーン33からプレーン32,31,30と並ぶ方向であって
図2の紙面に沿う方向をx軸として設定している。x軸に直交し、後述するロウデコーダ50Aからロウデコーダ50Bに向かう方向であって
図2の紙面に沿う方向をy軸として設定している。x軸及びy軸に直交し、
図2の紙面を手前側に向かって貫く方向をz軸として設定している。
図3以降においても、同様に設定したx軸、y軸、z軸を適宜用いながら説明する。
【0025】
ロウデコーダ5、ページバッファ4は、プレーンごとに設けられている。プレーン30には、ロウデコーダ50A,50B及びページバッファ40が設けられている。プレーン31には、ロウデコーダ51A,51B及びページバッファ41が設けられている。プレーン32には、ロウデコーダ52A,52B及びページバッファ42が設けられている。プレーン33には、ロウデコーダ53A,53B及びページバッファ43が設けられている。
【0026】
周辺回路6に含まれる制御部61から、ロウデコーダ50A,50B,51A,51B,52A,52B,53A,53B、ページバッファ40,41,42,43に信号が出力されている。制御部61は、例えばシーケンサ24を含むものである。
【0027】
制御部61とロウデコーダ53A及びページバッファ43とは、信号線71によって繋がれている。制御部61とロウデコーダ52A及びページバッファ42とは、信号線72によって繋がれている。
【0028】
制御部61とロウデコーダ51A及びページバッファ41とは、信号線74によって繋がれている。制御部61とロウデコーダ50A及びページバッファ40とは、信号線73によって繋がれている。信号線73,74は、ロウデコーダ50Aと重なるように配線されている。
【0029】
制御部61とロウデコーダ50Bとは、信号線75によって繋がれている。制御部61とロウデコーダ51Bとは、信号線76によって繋がれている。制御部61とロウデコーダ52Bとは、信号線77によって繋がれている。制御部61とロウデコーダ53Bとは、信号線78によって繋がれている。
【0030】
制御部61から延びる信号線75,76,77,78の少なくとも一部は、メモリセル部3の一部であるプレーン30が周辺回路6に対向しない非対向領域を通っている。尚、信号線71,72,73,74,75,76,77,78は、単一の信号線には限られず、複数の信号線の束であってもよい。
【0031】
図3を参照しながら、プレーン30周辺の配線についてさらに説明する。
図3は、プレーン30近傍を説明するための図である。プレーン30は、メモリセルアレイ301と、中間領域302と、ガードリング303と、を備えている。メモリセルアレイ301には複数のメモリセル(
図3において明示せず)が設けられている。
【0032】
メモリセルアレイ301には、メモリセルに対応するようにワード線WLとビット線BLとが格子状に設けられている。ワード線WLは、交互に接続配線501A,501Bに繋がっている。接続配線501Aは、ロウデコーダ50Aに繋がっている。接続配線501Bは、ロウデコーダ50Bに繋がっている。ビット線BLは、ページバッファ40に繋がっている。
【0033】
プレーン30、ロウデコーダ50A,50Bを囲むように、チップエッジ9が設けられている。メモリセルアレイ301とチップエッジ9との間に、配線領域81,82,83が設けられている。より具体的には、メモリセルアレイ301とガードリング303との間の中間領域302に対応するように配線領域81,82,83が設けられている。
【0034】
図4は、
図3のIV部分において、x軸とz軸とを含む断面であってy軸負方向から正方向に見た断面を示す図である。配線領域81には、信号線75,76,77,78が配線されている。配線領域81は、基板SB側から見てビット線BL側に設けられている。ビット線BLは、その端部が中間領域302に入らないように設けられている。配線領域81は、ビット線BLの端部からC_Nwell領域にかけて設けられている。例えば、配線領域81とビット線BLとは同層に設けられている。そのため配線領域81とビット線BLとは重ならないので、配線領域81内の信号線75,76,77,78はビット線BLからのノイズの影響を受けにくい。
【0035】
図5は、
図3のV部分において、y軸とz軸とを含む断面であってx軸正方向から負方向に見た断面を示す図である。配線領域82には、信号線75,76,77,78が配線されている。配線領域82は、ロウデコーダ50Bの一部と重なるように設けられている。
【0036】
配線領域82とロウデコーダ50Bとが重なる領域について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、ロウデコーダ50B内部の配線状況を説明するための図である。
【0037】
図9に示されるように、ロウデコーダ50Bは、プレーン30及び制御部61と繋がっている。ロウデコーダ50Bには複数のブロックデコーダが含まれていて、それぞれがプレーン30に含まれるブロックと1対1で繋がっている。従って、ロウデコーダ50B内の配線は、プレーン30から遠ざかるに従って減少する。
【0038】
ロウデコーダ50Bは、配線密度が高い第1領域50Baと、第1領域50Baよりも配線密度が低い第2領域50Bbとを含んでいる。第1領域50Baでは、第1領域50Baに含まれる複数のブロックデコーダに繋がる配線と、第1領域50Baは通過し第2に領域50Bbに含まれる複数のブロックデコーダに繋がる配線との双方の配線が含まれている。一方、第2領域50Bbでは、第2に領域50Bbに含まれる複数のブロックデコーダに繋がる配線のみが含まれる。従って、第1領域50Baの全容積に対する配線の密度である配線密度は、第2領域50Bbの全容積に対する配線の密度である配線密度よりも高くなっている。第2領域50Bbにおいては、基板SBに近い方の最下層メタルのみでロウデコーダ50Bとワード線WLとの接続をとり、基板から遠い方のメタル層を削除し、配線領域82を確保している。信号線75,76,77,78が通過する配線領域82は、第2領域50Bbと重なるように設けられている。
【0039】
図6に示されるように、配線領域81と配線領域82とを繋ぐコーナー部である配線領域83に、演算回路の一種としてのバッファ791を設けることができる。
【0040】
図7は、
図3のIV部分を多層化した場合を示す図であり、x軸とz軸とを含む断面であってy軸負方向から正方向に見た断面を示す図である。
図7に示されるように、多層化した配線領域81Aを設けることができる。メモリセルアレイ301とガードリング303との間にある中間領域302では、ビット線BLが配置されておらず、その他の配線を極力基板SB側に設けることで、配線領域81Aを確保することができる。配線領域81Aには、例えば、信号線75a,76a,77a,78aという上層の配線と、信号線75b,76b,77b,78bという下層の配線を含めることができる。
【0041】
多層化した配線領域81Aでは、
図8に示されるように、演算回路の一種としての論理回路792を設けることができる。論理回路792は、バッファ791よりも複雑な回路となるが、配線領域81Aの体積が配線領域81の体積よりも大きくなるので、その内部に納めることができる。
【0042】
上記説明したように、半導体記憶装置としてのNAND型フラッシュメモリ2は、複数のメモリセルからなるメモリセルアレイ301を含むメモリセル部3(プレーン30,31,32,33)と、メモリセル部3に対する書込み動作、読出し動作、及び消去動作を含む電圧転送制御を実行する周辺回路6と、周辺回路6とメモリセル部3とを繋ぎ、少なくとも一部がメモリセル部3のメモリセルアレイ301を除いた周辺領域の内、メモリセル部と周辺回路6とが対向していない非対向領域である配線領域81を通っている信号線75,76,77,78と、を備える。非対向領域に信号線を通すことで、チップサイズを大きくすることなく、ビット線BLへの干渉といった信号制約も回避することができる。
【0043】
信号線75,76,77,78は、メモリセルアレイ301に繋がるワード線WLを制御するロウデコーダ50Bと平面視において重なる領域を通過する。平面視とは、より具体的には、例えば
図2において、プレーン30,31,32,33が並ぶxy平面を見通す方向から見た場合の平面視である。また別の観点からは、例えば
図3において、ロウデコーダ50A,50B及びページバッファ40が並ぶxy平面を見通す方向から見た場合の平面視である。また別の観点からは、例えば
図3において、ロウデコーダ50A,50Bとメモリセルアレイ301が並ぶxy平面を見通す方向から見た場合の平面視である。
【0044】
ロウデコーダ50Bは、配線密度が高い第1領域50Baと、第1領域50Baよりも配線密度が低い第2領域50Bbとを含み、信号線75,76,77,78は、第2領域50Bbと重なる領域を通過する。
【0045】
信号線75,76,77,78は、非対向領域である配線領域81の端部でメモリセルアレイ301の外周に沿って屈曲するコーナー部を備えており、コーナー部に演算回路としてのバッファ791や論理回路792が設けられている。
【0046】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0047】
2:NAND型フラッシュメモリ
3:メモリセル部
5:ロウデコーダ
6:周辺回路
71,72,73,74,75,76,77,78:信号線
301:メモリセルアレイ
81,82,83:配線領域