(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】振れ補正機能付き光学ユニット
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20240408BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240408BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240408BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20240408BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240408BHJP
【FI】
G03B5/00 J
H04N23/50
H04N23/57
H04N23/68
G03B30/00
(21)【出願番号】P 2020145292
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】武井 宏光
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-200270(JP,A)
【文献】特開2018-189815(JP,A)
【文献】特開2018-77392(JP,A)
【文献】特開2017-215550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
H04N 23/50
H04N 23/57
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュールを備える可動体と、
前記可動体を前記カメラモジュールの光軸を中心に回転可能に支持する回転支持機構、および、前記可動体を前記光軸を中心に回転させるローリング補正用磁気駆動機構と、
前記回転支持機構を前記光軸と交差する第1軸回りに回転可能に支持するとともに前記光軸と交差し且つ前記第1軸と交差する第2軸回りに回転可能に支持するジンバル機構、および、前記回転支持機構を前記第1軸回りおよび前記第2軸回りに回転させる振れ補正用磁気駆動機構と、
前記回転支持機構および前記ジンバル機構を介して前記可動体を支持する固定体と、を有し、
前記固定体は、
前記可動体、前記回転支持機構、および前記ジンバル機構を前記光軸方向の反被写体側から覆うカバーと、
前記カバーに固定される矩形枠部、および、前記矩形枠部の前記第2軸方向の対角位置から前記光軸方向の被写体側へ立ち上がる一対の縦枠部を備えた枠状部材と、
前記枠状部材の外周側を囲んでおり前記ローリング補正用磁気駆動機構のコイルおよび前記振れ補正用磁気駆動機構のコイルが固定されるケースと、を備え、
前記カバー、前記枠状部材、および前記ケースは、非磁性の金属からなり、
前記ジンバル機構は、前記可動体を囲む可動枠と、前記可動体の前記第1軸方向の両側で前記回転支持機構と前記可動枠とを接続する一対の第1接続機構と、前記可動体の前記第2軸方向の両側で前記縦枠部と前記可動枠とを接続する一対の第2接続機構と、を備えることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項2】
前記カバーおよび前記ケースは、前記矩形枠部および前記縦枠部よりも板厚が薄い板金部材であることを特徴とする請求項1に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項3】
前記可動体の揺動範囲を規制するストッパー機構を備え、
前記ストッパー機構は、前記ケースの前記第1軸方向の対角位置、および、前記ケースの前記第2軸方向の対角位置から内周側へ突出するケース突起を備え、
前記ケース突起と、前記可動枠とが干渉することにより、前記可動体の揺動範囲が規制されることを特徴とする請求項1または2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項4】
前記可動枠は、前記第1軸方向の対角部分および前記第2軸方向の対角部分の内周縁を反被写体側へ切り欠いた溝部を備え、
前記ケース突起は、前記溝部に配置されることを特徴とする請求項3に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項5】
前記一対の縦枠部は、前記可動枠と前記第2軸上で点接触する第2軸側支点部を備え、
第2軸側支点部は、前記縦枠部に設けられた第2軸側筒部に保持される第2軸側シャフトの先端に設けられた凸曲面であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項6】
前記可動体は、前記カメラモジュールの外周側を囲むホルダを備え、
前記ホルダは磁性金属からなり、
前記ローリング補正用磁気駆動機構の磁石および前記振れ補正用磁気駆動機構の磁石は、前記ホルダの外周面に固定されることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項7】
前記ホルダは、前記光軸方向の反被写体側へ突出する軸部を備え、
前記回転支持機構は、前記ホルダを前記光軸を中心に回転可能に支持する金属製の回転支持部材を備え、
前記回転支持部材は、ベアリングを介して前記軸部を回転可能に支持する筒部と、前記筒部から外周側へ拡がる環状部と、前記環状部から前記第1軸方向の両側へ延びて前記可動体の前記第1軸方向の両側で前記光軸方向の被写体側へ屈曲した延設部と、を備え、
前記第1接続機構は、前記延設部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項8】
前記延設部は、前記可動枠と前記第1軸上で点接触する第1軸側支点部を備え、
第1軸側支点部は、前記延設部に設けられた第1軸側筒部に保持される第1軸側シャフトの先端に設けられた凸曲面であることを特徴とする請求項7に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュールを揺動させて振れ補正を行う振れ補正機能付き光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末や移動体に搭載される光学ユニットの中には、携帯端末や移動体の移動時の撮影画像の乱れを抑制するために、カメラモジュールが搭載される可動体を、光軸回り、光軸と直交する第1軸回り、および光軸と第1軸とに直交する第2軸回りに回転させるものがある。特許文献1には、この種の振れ補正機能付き光学ユニットが記載される。
【0003】
特許文献1の振れ補正機能付き光学ユニットは、カメラモジュール(撮像モジュール)を搭載した可動体を回転可能に支持する回転支持機構と、回転支持機構と固定体とを接続するジンバル機構を備える。可動体は、回転支持機構を介して、ジンバル機構によって揺動可能に支持される。
【0004】
特許文献1の振れ補正機能付き光学ユニットは、可動体が樹脂製の回転台座を備えており、回転台座は、ジンバル機構が接続される支持体に回転可能に支持される。支持体は、複数の樹脂部材を組み立てて構成される。ジンバル機構を介して支持体に接続される固定体は、可動体および支持体の外周側を囲む筒状の金属部材と、筒状の金属部材の内周側に配置される樹脂部材を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の振れ補正機能付き光学ユニットは、ジンバル機構の揺動支点部を備える固定体側の部品と支持体側の部品がそれぞれ、接点ばねを保持する枠状の樹脂部材である。また、カメラモジュールを保持する回転台座も樹脂部品である。従って、各部品の薄肉化および小型化には限界があり、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化および光軸方向の薄型化に限界がある。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、可動体を光軸回りおよび光軸と交差する軸回りに回転させる振れ補正機能付き光学ユニットの小型化および光軸方向の薄型化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、カメラモジュールを備える可動体と、前記可動体を前記カメラモジュールの光軸を中心に回転可能に支持する回転支持機構、および、前記可動体を前記光軸を中心に回転させるローリング補正用磁気駆動機構と、前記回転支持機構を前記光軸と交差する第1軸回りに回転可能に支持するとともに前記光軸と交差し且つ前記第1軸と交差する第2軸回りに回転可能に支持するジンバル機構、および、前記回転支持機構を前記第1軸回りおよび前記第2軸回りに回転させる振れ補正用磁気駆動機構と、前記回転支持機構および前記ジンバル機構を介して前記可動体を支持する固定体と、を有し、前記固定体は、前記可動体、前記回転支持機構、および前記ジンバル機構を前記光軸方向の反被写体側から覆うカバーと、前記カバー
に固定される矩形枠部、および、前記矩形枠部の前記第2軸方向の対角位置から前記光軸方向の被写体側へ立ち上がる一対の縦枠部を備えた枠状部材と、前記枠状部材の外周側を囲んでおり前記ローリング補正用磁気駆動機構のコイルおよび前記振れ補正用磁気駆動機構のコイルが固定されるケースと、を備え、前記カバー、前記枠状部材、および前記ケースは、非磁性の金属からなり、前記ジンバル機構は、前記可動体を囲む可動枠と、前記可動体の前記第1軸方向の両側で前記回転支持機構と前記可動枠とを接続する一対の第1接続機構と、前記可動体の前記第2軸方向の両側で前記縦枠部と前記可動枠とを接続する一対の第2接続機構と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、固定体は、可動体、回転支持機構、およびジンバル機構を収容するカバーおよびケースと、ジンバル機構の可動枠と接続される枠状部材とを備えており、これらの部材は全て金属製である。従って、樹脂部材に金属製の接点ばねを固定した構造を採用する場合と比較して固定体を小型化できる。また、カバーおよびケースと、枠状部材とが別部品であるため、枠状部材にジンバル機構を支持する強度が確保されていればよく、カバーおよびケースは必要な強度が低いので、薄肉化を図ることができる。従って、固定体の軽量化および小型化を図ることができ、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化および軽量化を図ることができる。
【0010】
本発明において、前記カバーおよび前記ケースは、前記矩形枠部および前記縦枠部よりも板厚が薄い板金部材である。このようにすると、枠状部材はジンバル機構を支持する強度を確保できる板厚にする一方、カバーは可動体、回転支持機構、およびジンバル機構を覆うことができればよく、ケースはコイルを保持できれば良いので、板厚を薄くでき、軽量化および小型化を図ることができる。従って、固定体の軽量化および小型化を図ることができ、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化および軽量化を図ることができる。
【0011】
本発明において、前記可動体の揺動範囲を規制するストッパー機構を備え、前記ストッパー機構は、前記ケースの前記第1軸方向の対角位置、および、前記ケースの前記第2軸方向の対角位置から内周側へ突出するケース突起を備え、前記ケース突起と、前記可動枠とが干渉することにより、前記可動体の揺動範囲が規制されることが好ましい。このように、可動枠とケースとの間にストッパー機構を構成することにより、ストッパー機構を構成するためのギャップの確保が容易である。また、ストッパー機構の小型化を図ることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。
【0012】
本発明において、前記可動枠は、前記第1軸方向の対角部分および前記第2軸方向の対角部分の内周縁を反被写体側へ切り欠いた溝部を備え、前記ケース突起は、前記溝部に配置されることが好ましい。このようにすると、可動枠の外周側にストッパー機構を構成するためのギャップを確保する必要がないので、ケースを小型化できる。また、ストッパー機構を可動枠の光軸方向の高さの範囲内に配置できるので、ケースの光軸方向の高さを小さくすることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。
【0013】
本発明において、前記一対の縦枠部は、前記可動枠と前記第2軸上で点接触する第2軸側支点部を備え、第2軸側支点部は、前記縦枠部に設けられた第2軸側筒部に保持される第2軸側シャフトの先端に設けられた凸曲面である。このようにすると、ジンバル機構の第2軸側の支点部の構成を簡素化でき、組立が容易である。また、支点部を小型化できるので、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。
【0014】
本発明において、前記可動体は、前記カメラモジュールの外周側を囲むホルダを備え、前記ホルダは磁性金属からなり、前記ローリング補正用磁気駆動機構の磁石および前記振れ補正用磁気駆動機構の磁石は、前記ホルダの外周面に固定されることが好ましい。この
ようにすると、可動体を光軸回り、第1軸回り、第2軸回りに回転させる磁気駆動機構の磁石を全てホルダに集約して配置できるので、振れ補正機能付き光学ユニットの構造を簡素化できる。また、ホルダにカメラモジュールを組み付ける前に、ホルダと固定体との間に支持機構および磁気駆動機構を全て組み立てておくことができる。
【0015】
本発明において、前記ホルダは、前記光軸方向の反被写体側へ突出する軸部を備え、前記回転支持機構は、前記ホルダを前記光軸を中心に回転可能に支持する金属製の回転支持部材を備え、前記回転支持部材は、ベアリングを介して前記軸部を回転可能に支持する筒部と、前記筒部から外周側へ拡がる環状部と、前記環状部から前記第1軸方向の両側へ延びて前記可動体の前記第1軸方向の両側で前記光軸方向の被写体側へ屈曲した延設部と、を備え、前記第1接続機構は、前記延設部に設けられていることが好ましい。このようにすると、固定体を構成するカバーと枠状部材の内側にジンバル機構の可動枠を落とし込んで枠状部材と可動枠とを接続し、さらにホルダと回転支持部材とを組み立てて可動枠の内側に落とし込むことにより、回転支持部材と可動枠とを接続できる。従って、カバーに対して全ての部品を同じ方向から(被写体側から)組み付けて振れ補正機能付き光学ユニットを組み立てることができる。よって、振れ補正機能付き光学ユニットの光軸方向の高さを小さくしやすく、組立が容易である。
【0016】
本発明において、前記延設部は、前記可動枠と前記第1軸上で点接触する第1軸側支点部を備え、第1軸側支点部は、前記延設部に設けられた第1軸側筒部に保持される第1軸側シャフトの先端に設けられた凸曲面である。このようにすると、ジンバル機構の第1軸側の支点部の構成を簡素化できるので、組立が容易である。また、支点部を小型化できるので、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、固定体は、可動体、回転支持機構、およびジンバル機構を収容するカバーおよびケースと、ジンバル機構の可動枠と接続される枠状部材とを備えており、これらの部材は全て金属製である。従って、樹脂部材に金属製の接点ばねを固定した構造を採用する場合と比較して固定体を小型化できる。また、カバーおよびケースと、枠状部材とが別部品であるため、枠状部材にジンバル機構を支持する強度が確保されていればよく、カバーおよびケースは必要な強度が低いので、薄肉化を図ることができる。従って、固定体の軽量化および小型化を図ることができ、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化および軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明を適用した補正機能付き光学ユニットの斜視図である。
【
図2】
図1の振れ補正機能付き光学ユニットを光軸方向の一方側から見た分解斜視図である。
【
図3】
図1の振れ補正機能付き光学ユニットを光軸方向の他方側から見た分解斜視図である。
【
図4】振れ補正機能付き光学ユニットをXZ平面で切断した断面図である。
【
図5】振れ補正機能付き光学ユニットをXY平面で切断した断面図である。
【
図6】振れ補正機能付き光学ユニットを第1軸およびZ軸を含む平面で切断した断面図である。
【
図7】振れ補正機能付き光学ユニットを第2軸およびZ軸を含む平面で切断した断面図である。
【
図9】振れ補正機能付き光学ユニットの主要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した振れ補正機能付き光学ユニットの実施形態を説明する。
【0020】
(全体構成)
図1は、本発明を適用した振れ補正機能付き光学ユニット1の斜視図である。
図2は、
図1の振れ補正機能付き光学ユニット1を光軸方向の一方側(+Z方向)から見た分解斜視図である。
図3は、
図1の振れ補正機能付き光学ユニット1を光軸方向の他方側(-Z方向)から見た分解斜視図である。
図4は、振れ補正機能付き光学ユニット1をXZ平面で切断した断面図である。
図5は、振れ補正機能付き光学ユニット1をXY平面で切断した断面図である。
図6は、振れ補正機能付き光学ユニット1を第1軸R1およびZ軸を含む平面で切断した断面図である。
図7は、振れ補正機能付き光学ユニット1を第2軸R2およびZ軸を含む平面で切断した断面図である。
図8は、ジンバルバネ70の斜視図である。
図9は、振れ補正機能付き光学ユニット1の主要部を示す平面図である。
【0021】
振れ補正機能付き光学ユニット1は、レンズ2および撮像素子3を備えたカメラモジュール4を有する。振れ補正機能付き光学ユニット1は、例えば、カメラ付き携帯電話機、ドライブレコーダー等の光学機器や、ヘルメット、自転車、ラジコンヘリコプター等の移動体に搭載されるアクションカメラやウエアラブルカメラ等の光学機器に用いられる。このような光学機器では、撮影時に光学機器の振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生する。振れ補正機能付き光学ユニット1は、撮影画像が傾くことを回避するため、ジャイロスコープ等の検出手段によって検出された加速度や角速度、振れ量等に基づき、カメラモジュール4の傾きを補正する。
【0022】
振れ補正機能付き光学ユニット1は、光軸L回り、光軸Lと直交する第1軸R1回り、並びに、光軸Lおよび第1軸R1と直交する第2軸R2回りにカメラモジュール4を回転させて振れ補正を行う。従って、振れ補正機能付き光学ユニット1は、ローリング補正、ピッチング補正、および、ヨーイング補正を行う。
【0023】
以下の説明では、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、Z軸とする。Z軸は、レンズ2の光軸Lと一致する。X軸は、光軸Lと直交して、第1軸R1と第2軸R2との交点を通過する。また、X軸は、第1軸R1および第2軸R2と45°の角度で交差する。Y軸は、光軸LおよびX軸と直交して、第1軸R1および第2軸R2の交点を通過する。また、Y軸は、第1軸R1および第2軸R2と45°の角度で交差する。従って、X軸およびY軸を含む平面をXY平面とした場合に、第1軸R1および第2軸R2は、XY平面上に位置する。第1軸R1および第2軸R2は、Z軸回りで、X軸およびY軸に対して45度傾斜する。
【0024】
また、以下の説明では、X軸、Y軸、Z軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向とする。X軸方向の一方側を-X方向、他方側を+X方向とする。また、Y軸方向の一方側を-Y方向、他方側を+Y方向とし、Z軸方向の一方側を-Z方向、他方側を+Z方向とする。-Z方向は、カメラモジュール4の反被写体側であり、光軸方向の他方側である。+Z方向は、カメラモジュール4の被写体側であり、光軸方向の一方側である。また、第1軸R1に沿った方向を第1軸R1方向、第2軸R2に沿った方向を第2軸R2方向とする。
【0025】
図1、
図2に示すように、振れ補正機能付き光学ユニット1は、カメラモジュール4を備える可動体5と、可動体5を光軸L回りに回転可能に支持する回転支持機構6を備える。従って、可動体5は、光軸L回りのロール方向ROLLに回転可能である。また、振れ補正機能付き光学ユニット1は、回転支持機構6を、第1軸R1回りに回転可能に支持するとともに、第2軸R2回りに回転可能に支持するジンバル機構7と、ジンバル機構7お
よび回転支持機構6を介して可動体5を支持する固定体8を有する。
【0026】
従って、可動体5は、ジンバル機構7を介して、第1軸R1回りに揺動可能に支持されるとともに、第2軸R2回りに揺動可能に支持される。ここで、可動体5は、第1軸R1回りの回転および第2軸R2回りの回転を合成することにより、X軸回りのヨー方向YAW、およびY軸回りのピッチ方向PITCHに回転可能である。従って、ジンバル機構7は、回転支持機構6を介して可動体5をX軸回りおよびY軸回りに揺動可能に支持する揺動支持機構である。
【0027】
振れ補正機能付き光学ユニット1は、可動体5に接続されるフレキシブルプリント基板14を備える。
図4、
図5に示すように、フレキシブルプリント基板14は、可動体5から+X方向に引き出されている。フレキシブルプリント基板14は、固定体8の外部に引き出され、不図示のコネクタを介して、振れ補正機能付き光学ユニット1が搭載される光学機器の基板などに接続される。
【0028】
また、振れ補正機能付き光学ユニット1は、
図5に示すように、可動体5を第1軸R1回りおよび第2軸R2回りに回転させる振れ補正用磁気駆動機構10を有する。振れ補正用磁気駆動機構10は、可動体5に対してX軸回りの駆動力を発生させる第1振れ補正用磁気駆動機構11と、可動体5に対してY軸回りの駆動力を発生させる第2振れ補正用磁気駆動機構12を備える。
図2、
図3、
図5に示すように、第1振れ補正用磁気駆動機構11は、可動体5の-Y方向に配置される第1マグネット111および第1コイル112を備える。第2振れ補正用磁気駆動機構12は、可動体5の-X方向に配置される第2マグネット121および第2コイル122を備える。
【0029】
さらに、振れ補正機能付き光学ユニット1は、
図2、
図3、
図5に示すように、可動体5を光軸L回りに回転させるローリング補正用磁気駆動機構13を有する。ローリング補正用磁気駆動機構13は、可動体5の+Y方向に配置されるローリング補正用マグネット131およびローリング補正用コイル132を備える。振れ補正機能付き光学ユニット1は、振れ補正用磁気駆動機構10およびローリング補正用磁気駆動機構13への給電用のフレキシブルプリント基板15を備える。フレキシブルプリント基板15は、固定体8に取り付けられている。
【0030】
(可動体)
図2~
図5に示すように、可動体5は、カメラモジュール4と、カメラモジュール4を囲む金属製のホルダ16を備える。カメラモジュール4は、Z軸方向から見て8角形のカメラモジュール本体4aと、カメラモジュール本体4aから+Z方向へ突出する円筒形の鏡筒部4bを備える。鏡筒部4bには、レンズ2(
図4参照)が保持される。ホルダ16は、カメラモジュール4を-Z方向から支持するホルダ底部161と、ホルダ底部161の外周縁から+Z方向へ立ち上がるホルダ枠部162を備える。ホルダ枠部162は、+X方向に開口する切欠き部160を備える。フレキシブルプリント基板14は、カメラモジュール4の内部に配置される撮像素子3に接続され、切欠き部160を通って可動体5の+X方向へ引き出されている。
【0031】
ホルダ16は磁性材料からなる。
図3、
図5に示すように、ホルダ枠部162の-Y方向の側面には、第1マグネット111が固定される。ホルダ枠部162の-X方向の側面には、第2マグネット121が固定される。第1マグネット111および第2マグネット121は、Z軸方向に分極着磁されている。また、ホルダ枠部162の+Y方向の側面には、ローリング補正用マグネット131が固定される。ローリング補正用マグネット131は、周方向に分極着磁されている。
【0032】
(固定体)
図1~
図5に示すように、固定体8は、可動体5およびフレキシブルプリント基板14を-Z方向から覆うカバーボトム20と、カバーボトム20に+Z方向から固定され可動体5の対角方向を囲むフレームケース30と、フレームケース30および可動体5の外周側を囲むストッパーケース40を備える。カバーボトム20、フレームケース30、およびストッパーケース40は金属製であり、非磁性材料からなる。カバーボトム20は、例えば板厚0.15mmの板金部材であり、プレス加工により製造される。フレームケース30は、カバーボトム20よりも板厚が厚い(例えば板厚0.30mm)板金部材であり、プレス加工により製造される。ストッパーケース40は、カバーボトム20と板厚が等しく、プレス絞り加工により製造される。
図1、
図4に示すように、可動体5およびジンバル機構7の一部は、ストッパーケース40から+Z方向に突出する。
【0033】
また、固定体8は、可動体5から+X方向へ引き出されるフレキシブルプリント基板14の外周側を囲むFPCカバー50を備える。FPCカバー50は樹脂製であり、カバーボトム20に+Z方向から固定される。カバーボトム20は、+X方向の縁から+Z方向へ立ち上がる2か所の第1弾性係合部21を備えており、第1弾性係合部21は、FPCカバー50の+X方向の側面に設けられた第1係止部22に係止される。FPCカバー50は、+X方向の側面の-Z方向の端部を切り欠いた切欠き部51を備える。フレキシブルプリント基板14は、切欠き部51とカバーボトム20との隙間から固定体8の外部へ引き出されている。
【0034】
FPCカバー50の-X方向の端部は、後述するフレームケース30の矩形枠部31に嵌まる引っ掛け部52を備える(
図3、
図5参照)。矩形枠部31に引っ掛け部52が+Z方向から嵌まることにより、フレームケース30にFPCカバー50の-X方向の端部が係止される。また、FPCカバー50の-X方向の端部における-Y方向の側面および+Y方向の側面には、それぞれ、係止部53が形成されている。ストッパーケース40の+X方向の端部は、係止部53に係合する係合孔49を備える。また、ストッパーケース40の-X方向の側面は、カバーボトム20の-X方向の縁から+Z方向へ立ち上がる2か所の第3弾性係合部26に係合する係合孔27を備える(
図3参照)。
【0035】
図5に示すように、フレキシブルプリント基板15は、ストッパーケース40の内面に沿って周方向に引き回されている。
図2、
図3、
図5に示すように、フレキシブルプリント基板15は、ストッパーケース40の-Y方向の側面に沿ってX軸方向に延びる第1コイル固定部151、ストッパーケース40の-X方向の側面に沿ってY軸方向に延びる第2コイル固定部152、ストッパーケース40の+Y方向の側面に沿ってX軸方向に延びる第3コイル固定部153を備える。第1コイル固定部151、第2コイル固定部152、および第3コイル固定部153は、ストッパーケース40の内周面に固定される。
【0036】
第1コイル固定部151には、第1振れ補正用磁気駆動機構11の第1コイル112が固定され、第2コイル固定部152には、第2振れ補正用磁気駆動機構12の第2コイル122が固定される。また、第3コイル固定部153には、ローリング補正用コイル132が固定される。第1コイル112、第2コイル122、およびローリング補正用コイル132は、フレキシブルプリント基板15に電気的に接続されている。また、第1コイル112、第2コイル122、およびローリング補正用コイル132は、フレキシブルプリント基板15を介してストッパーケース40に固定される。
【0037】
図2、
図3、
図5に示すように、ストッパーケース40は、可動体5の外周側を囲む胴部40Aを備える。胴部40Aは、可動体5の-Y方向においてX軸方向に延びる第1ケース壁41と、可動体5の-X方向においてY軸方向に延びる第2ケース壁42と、可動体5の+Y方向においてX軸方向に延びる第3ケース壁43を備える。また、ストッパー
ケース40は、胴部40Aの光軸方向の一方側(+Z方向)の端部から内周側へ張り出す端板部44を備える。端板部44は、第1軸R1方向の対角位置から内周側へ突出する第1ケース突起45Aと、第2軸R2方向の対角位置から内周側へ突出する第2ケース突起45Bを備える。また、端板部44は、第1軸R1上の2か所、および、第2軸R2上の2か所に、それぞれ、フレームケース30との位置決め用のケース位置決め孔440が設けられている。
【0038】
ストッパーケース40は、フレキシブルプリント基板15の-Z方向の縁を係止するフック46(
図2、
図3、
図4参照)と、フレキシブルプリント基板15の+Z方向の縁を係止する凹溝47(
図3参照)を備える。フック46は、第1ケース壁41、第2ケース壁42、および第3ケース壁43の周方向の中央にそれぞれ1箇所ずつ形成されている。凹溝47は、端板部44の-Y方向の縁、-X方向の縁、および+Y方向の縁にそれぞれ2か所ずつ形成されている。第1コイル固定部151、第2コイル固定部152、および第3コイル固定部153は、それぞれ、-Z方向の縁がフック46に係止され、+Z方向の縁が凹溝47に係止されて位置決めされるとともに、接着剤によりストッパーケース40に固定されている。
【0039】
第1ケース壁41、第2ケース壁42、および第3ケース壁43は、それぞれ、周方向の中央においてZ軸方向に延びる磁性部材配置溝48を備える。磁性部材配置溝48は内周側へ凹んでいる。
図5に示すように、第1ケース壁41に設けられた磁性部材配置溝48には、第1磁性部材113が配置される。第1磁性部材113は、可動体5をX軸回りの振れ補正における原点位置に位置決めするための磁気バネを構成する。また、第2ケース壁42に設けられた磁性部材配置溝48には、第2磁性部材123が配置される。第2磁性部材123は、可動体5をY軸回りの振れ補正における原点位置に位置決めするための磁気バネを構成する。
【0040】
フック46は、磁性部材配置溝48の底部を内周側に切り起こして光軸方向に曲げた切り曲げ部である。そのため、磁性部材配置溝48の底部は、フック46を切り起こした箇所が開口部46aになっている。開口部46aは、フレキシブルプリント基板15をストッパーケース40に位置決めした後、固定用の接着剤をフレキシブルプリント基板15とストッパーケース40との間に流し込むための接着剤塗布孔として使用される。
【0041】
図2、
図3に示すように、フレームケース30は、カバーボトム20に+Z方向から当接する矩形枠部31と、矩形枠部31の第1軸R1方向の対角位置から+Z方向へ立ち上がる一対の第1縦枠部32と、矩形枠部31の第2軸R2方向の対角位置から+Z方向へ立ち上がる一対の第2縦枠部33を備える。第1縦枠部32および第2縦枠部33は、カバーボトム20の第1軸R1方向の対角位置、および第2軸R2方向の対角位置に設けられた4箇所の第2弾性係合部23を係止する第2係止部24を備える。第2弾性係合部23を第2係止部24に係止することにより、カバーボトム20にフレームケース30が固定される。
【0042】
図2、
図3に示すように、一対の第1縦枠部32は、それぞれ、+Z方向へ延びる板部34と、板部34の幅方向の両側の縁から突出する2本の突部35を備える。また、一対の第2縦枠部33は、それぞれ、+Z方向へ延びる板部36と、板部36の幅方向の両側の縁のZ軸方向の略中央から突出する一対の腕部37と、各腕部37の+Z方向および-Z方向において板部36の幅方向の両側の縁から突出する4本の突部38を備える。突部35、38は、ストッパーケース40の内面に固定されるフレキシブルプリント基板15に沿ってY軸方向もしくはX軸方向に延びている。
【0043】
図1、
図6に示すように、一対の第1縦枠部32は、それぞれ、板部34の+Z方向の
先端がストッパーケース40のケース位置決め孔440に挿入される。また、
図1、
図7に示すように、一対の第2縦枠部33は、それぞれ、板部36の+Z方向の先端がストッパーケース40のケース位置決め孔440に挿入される。本形態では、板部34、36の先端は、溶接によりストッパーケース40に固定される。
【0044】
一対の第2縦枠部33は、板部36から第2軸R2方向で対向する方向へ突出する第2軸側筒部39を備える。一対の腕部37は、第2軸側筒部39の周方向の両側に配置される。第2軸側筒部39には、円柱形状の第2軸側シャフト720が保持される。第2軸側シャフト720は、第2軸側筒部39から径方向内側へ突出する先端部が半球面を備えている。第2軸側シャフト720は、後述するように、ジンバル機構7の第2接続機構72を構成する。
【0045】
(回転支持機構)
図4、
図6、
図7に示すように、回転支持機構6は、ホルダ底部161の中央から-Z方向へ突出する軸部61と、軸部61の外周側を囲むベアリング62と、ベアリング62を介して軸部61に接続されるプレートホルダ63と、プレートホルダ63に固定される環状の吸着マグネット64を備える。吸着マグネット64は、単極着磁でもよいし、周方向に交互にS極とN極を配置した多極着磁であってもよい。軸部61は、バーリング加工によりホルダ16に形成される。ベアリング62は、軸部61の外周面に設けられた段部610に固定される内輪621と、内輪621の外周側を囲む外輪622と、内輪621と外輪622の間を転動する球体623と、球体623を転動可能に保持する環状のリテーナ624を備える。
【0046】
プレートホルダ63は、内周面に外輪622が固定されるプレートホルダ筒部65と、プレートホルダ筒部65の+Z方向の端部から外周側へ延びるプレートホルダ環状部66と、プレートホルダ環状部66から第1軸R1方向の両側に突出して+Z方向に屈曲した一対のプレートホルダ延設部67を備える。吸着マグネット64はプレートホルダ環状部66に固定され、磁性部材であるホルダ底部161を吸引している。プレートホルダ環状部66とホルダ底部161との間には一定のギャップが設けられており、吸着マグネット64とホルダ底部161とは一定のギャップを保つ。
【0047】
図6に示すように、一対のプレートホルダ延設部67の先端部は、それぞれ、可動体5の外周側をZ軸方向に延びている。各プレートホルダ延設部67の先端部は、第1軸R1上を内周側へ凹む第1軸側凹曲面68を備える。第1軸側凹曲面68は、後述するように、ジンバル機構7の第1接続機構71を構成する。
【0048】
(弾性支持部材)
図2に示すように、カバーボトム20は、光軸Lを中心とする円形穴25を備える。円形穴25を挟んで第1軸R1方向に対向する2か所には、円筒形の弾性支持部材9が配置される。弾性支持部材9は、ゴム硬度が10以下の低硬度ゴムからなる。例えば、弾性支持部材9は、ゴム硬度が1ないし3のシリコン系のゴムからなる。本形態では、可動体5の底部に配置される回転支持機構6のプレートホルダ63を介して、可動体5および回転支持機構6の荷重を弾性支持部材9で受ける構造になっている(
図6参照)。
【0049】
プレートホルダ63は、ベアリング62を介して可動体5を光軸回りに回転可能に支持する回転支持部材である。カバーボトム20は、回転支持機構6を-Z方向から覆っており、プレートホルダ63と光軸方向に対向する。弾性支持部材9は、プレートホルダ63とカバーボトム20との間に配置される。弾性支持部材9は、可動体5および回転支持機構6の荷重が加わることにより、プレートホルダ63とカバーボトム20との間で圧縮される。本形態では、カメラモジュール4の光軸LとZ軸とが一致する状態では、弾性支持
部材9は、プレートホルダ63とカバーボトム20との間で10%程度の圧縮率でZ軸方向に圧縮されている。
【0050】
固定体8に対して可動体5が揺動する際、プレートホルダ63は、可動体5と共にカバーボトム20に対して傾く。このとき、可動体5が傾いた側に位置する弾性支持部材9は圧縮される。圧縮された弾性支持部材9の弾性復帰力により、可動体5は、固定体8に対する傾きが減少する方向に付勢される。一方、可動体5が傾いた側とは反対側に位置する弾性支持部材9は、プレートホルダ63がカバーボトム20から離れるため、圧縮前の形状に復帰する。本形態では、弾性支持部材9は、カバーボトム20に固定されるが、プレートホルダ63には固定されていない。従って、プレートホルダ63とカバーボトム20との距離が弾性支持部材9の圧縮前の寸法よりも大きくなるまで可動体5が傾くと、プレートホルダ63は弾性支持部材9から離れる。
【0051】
弾性支持部材9は、光軸方向から見て、可動体5の重心を中心として周方向に均等配置される。本形態では、弾性支持部材9は、光軸Lを挟んで第1軸R1上で対称な2か所に配置される。可動体5の重心は光軸L上に位置しているので、弾性支持部材9は、可動体の重心を基準として、第1軸R1上で対称な2か所に配置される。プレートホルダ63は、プレートホルダ環状部66から第1軸R1方向の両側へ延びるプレートホルダ延設部67を備えており、弾性支持部材9は、光軸方向から見てプレートホルダ延設部67に重なる。
【0052】
振れ補正機能付き光学ユニット1は、可動体5を振れ補正の原点位置へ復帰させる姿勢復帰機構を備える。振れ補正の原点位置では、可動体5は、カメラモジュール4の光軸LとZ軸(あらかじめ設定した軸線)とが一致する基準姿勢になる。本形態では、姿勢復帰機構として、第1磁性部材113と第1マグネット111、および、第2磁性部材123と第2マグネット121により構成される2組の磁気バネと、弾性支持部材9とを備える。磁気バネは、第1磁性部材113と第1マグネット111との間に作用する磁気吸引力、および、第2磁性部材123と第2マグネット121との間に作用する磁気吸引力によって、可動体5を振れ補正の原点位置に向けて付勢する。また、可動体5が傾くと、傾いた側に位置する弾性支持部材9が圧縮されるため、弾性支持部材9は、圧縮状態から復帰する弾性復帰力によって、可動体5を振れ補正の原点位置に向けて付勢する。従って、振れ補正用磁気駆動機構10の第1コイル112および第2コイル122への通電を切った状態では、磁気バネおよび弾性支持部材9により、可動体5が原点位置に保持される。
【0053】
このように、本形態では、姿勢復帰機構として、磁気バネに加えて、可動体5および回転支持機構6の荷重を受ける弾性支持部材9を備えているので、可動体5を振れ補正の原点位置に復帰させる際の位置精度を高めることができる。また、低硬度ゴムは防振性材料であるため、落下等による衝撃が加わった際に耐衝撃性を高めることができる。
【0054】
(ジンバル機構)
図2~
図5に示すように、ジンバル機構7は、ジンバルバネ70と、第1接続機構71と、第2接続機構72を備える。第1接続機構71は、ジンバルバネ70とプレートホルダ63とを第1軸R1回りに回転可能に接続する。第2接続機構72は、ジンバルバネ70とフレームケース30とを第2軸R2回りに回転可能に接続する。ジンバル機構7が構成されると、可動体5は、ジンバル機構7および回転支持機構6を介して固定体8に支持される。これにより、可動体5は、光軸L、第1軸R1、および第2軸R2が交差する交点を中心に揺動可能となる。
【0055】
ジンバルバネ70は、金属製の板バネからなる。
図2、
図3、
図8、
図9に示すように、ジンバルバネ70は、ホルダ16の外周側を囲むジンバルバネ枠部73と、ジンバルバ
ネ枠部73の第1軸R1方向の対角位置から-Z方向に延びる一対の第1ジンバルバネ延設部74と、ジンバルバネ枠部73の第2軸R2方向の対角位置から-Z方向に延びる一対の第2ジンバルバネ延設部75を備える。
【0056】
図8に示すように、ジンバルバネ枠部73は、第1軸R1方向の対角部分、および、第2軸R2方向の対角部分がそれぞれ-Z方向に傾斜する方向に屈曲したテーパ部731を備える。各テーパ部731は、周方向の中央部を外周側へ切り欠いた溝部732を備える。各溝部732には、ストッパーケース40に設けられた第1ケース突起45A、もしくは第2ケース突起45Bが配置される(
図9参照)。
【0057】
ジンバルバネ70の溝部732とストッパーケース40の第1ケース突起45Aおよび第2ケース突起45Bは、可動体5の揺動範囲を規制するストッパー機構を構成している。すなわち、第1ケース突起45Aが溝部732の-Z方向の縁に当たることにより、可動体5の第2軸R2周りの揺動範囲が規制され、第2ケース突起45Bが溝部732の-Z方向の縁に当たることにより、可動体5の第1軸R1周りの揺動範囲が規制される。
【0058】
ジンバルバネ枠部73は、可動体5から+X方向へ延びるフレキシブルプリント基板14との干渉を避けるジンバルバネ逃がし部76を備える。
図1、
図8に示すように、ジンバルバネ逃がし部76は、Y軸方向に離間した2か所のテーパ部731から+X方向へ屈曲して延びる一対の突出部761、突出部761の+X方向の先端から-Z方向へ屈曲してZ軸方向へ延びる一対の屈曲部762、一対の屈曲部762の-Z方向の先端に接続されY軸方向に直線状に延びる直線部763を備える。
図1に示すように、可動体5の底部から引き出されるフレキシブルプリント基板14は、一対の屈曲部762の間を通過する。
【0059】
図5、
図6に示すように、一対の第1ジンバルバネ延設部74の先端部は、第1軸R1上を外周側へ突出する第1軸側筒部77を備える。第1軸側筒部77には、円柱形状の第1軸側シャフト710が保持される。第1軸側シャフト710は、第1軸側筒部77から径方向内側へ突出する先端部が半球面を備える。第1接続機構71は、第1軸側シャフト710の先端部に設けられた半球面が、プレートホルダ延設部67の先端に設けられた第1軸側凹曲面68に点接触することにより構成される。これにより、回転支持機構6は、ジンバル機構7により、第1軸R1回りに回転可能に支持される。
【0060】
図5、
図8に示すように、一対の第1ジンバルバネ延設部74の先端部は、第1軸側筒部77の周方向の両側において内周側へ突出する一対の腕部78を備える。第1接続機構71が構成されると、一対の腕部78の間にプレートホルダ延設部67が配置される。また、一対のプレートホルダ延設部67は、内周側へ撓んでおり、第1軸側シャフト710に内周側から弾性接触する。
【0061】
図5、
図7に示すように、一対の第2ジンバルバネ延設部75の先端部は、第2軸R2上を内周側へ凹む第2軸側凹曲面79を備える。第2接続機構72は、フレームケース30の第2軸側筒部39に保持される第2軸側シャフト720の先端に設けられた半球面が第2ジンバルバネ延設部75の先端部に設けられた第2軸側凹曲面79に点接触することにより構成される。これにより、ジンバル機構7は、固定体8により、第2軸R2回りに回転可能に支持される。
【0062】
図5に示すように、第2接続機構72が構成されると、一対の第2ジンバルバネ延設部75の先端部は、フレームケース30の第2縦枠部33に設けられた一対の腕部37の間に配置される。一対の腕部37は、第2ジンバルバネ延設部75が第2縦枠部33から+Z方向に抜けることを規制する抜け防止部である。また、一対の第2ジンバルバネ延設部
75は、内周側へ撓んでおり、第2軸側シャフト720に内周側から弾性接触する。
【0063】
(振れ補正用磁気駆動機構およびローリング補正用磁気駆動機構)
ジンバル機構7によって可動体5と固定体8とが接続されると、可動体5の-Y方向の側面に固定された第1マグネット111とストッパーケース40に固定された第1コイル112とが第1振れ補正用磁気駆動機構11を構成する。従って、第1コイル112への給電により、可動体5は、X軸回りに回転する。また、可動体5の-X方向の側面に固定された第2マグネット121とストッパーケース40に固定された第2コイル122とが第2振れ補正用磁気駆動機構12を構成する。従って、第2コイル122への給電により、可動体5はY軸回りに回転する。振れ補正用磁気駆動機構10は、第1振れ補正用磁気駆動機構11による可動体5のX軸回りの回転と、第2振れ補正用磁気駆動機構12による可動体5のY軸回りの回転と、を合成して、可動体5を第1軸R1回り、および第2軸R2回りに回転させる。
【0064】
さらに、ジンバル機構7が構成されると、可動体5の+Y方向の側面に固定されたローリング補正用マグネット131とストッパーケース40に固定されたローリング補正用コイル132とがローリング補正用磁気駆動機構13を構成する。従って、ローリング補正用コイル132への給電により、可動体5は、光軸L回りに回転する。
【0065】
(組立方法)
振れ補正機能付き光学ユニット1の組立は、以下(1)~(9)の手順で行うことができる。
(1)カバーボトム20に弾性支持部材9を固定する
(2)カバーボトム20にフレームケース30を+Z方向から組み付ける。続いてFPCカバー50をカバーボトム20およびフレームケース30に+Z方向から組み付ける。
(3)ホルダ16の外周面にマグネット(第1マグネット111、第2マグネット121、ローリング補正用マグネット131)を位置決めして固定し、ホルダ16の底部に回転支持機構6を組み付ける。
(4)前工程(3)で組み立てたホルダ16、回転支持機構6、およびマグネットを+Z方向から弾性支持部材9に載せる。
(5)ジンバルバネ70を回転支持機構6およびフレームケース30に接続する
(6)フレキシブルプリント基板15にコイル(第1コイル112、第2コイル122、ローリング補正用コイル132)を固定し、各コイルから引き出したコイル線をフレキシブルプリント基板15のランド154に電気的に接続する。
(7)ストッパーケース40の内面にフレキシブルプリント基板15を位置決めして固定する
(8)コイルおよびフレキシブルプリント基板15が固定されたストッパーケース40を+Z方向からジンバルバネ70およびフレームケース30に被せて、カバーボトム20およびFPCカバー50に係止する。
(9)フレキシブルプリント基板14が接続されたカメラモジュール4を+Z方向からホルダ16に組み付け、フレキシブルプリント基板14をFPCカバー50に収容する。
【0066】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態の振れ補正機能付き光学ユニット1は、カメラモジュール4を備える可動体5と、可動体5をカメラモジュール4の光軸Lを中心に回転可能に支持する回転支持機構6、および、可動体5を光軸Lを中心に回転させるローリング補正用磁気駆動機構13と、回転支持機構6を光軸Lと交差する第1軸R1回りに回転可能に支持するとともに光軸Lと交差し且つ第1軸R1と交差する第2軸R2回りに回転可能に支持するジンバル機構7、および、回転支持機構6を第1軸R1回りおよび第2軸R2回りに回転させる振れ補正用磁気駆動機構10と、回転支持機構6およびジンバル機構7を介して可動
体5を支持する固定体8と、を有する。固定体8は、可動体5、回転支持機構6、およびジンバル機構7を光軸方向の反被写体側(-Z方向)から覆うカバーボトム20(カバー)と、カバーボトム20に固定される矩形枠部31、および、矩形枠部31の第2軸R2方向の対角位置から光軸方向の被写体側(+Z方向)へ立ち上がる一対の第2縦枠部33を備えたフレームケース30(枠状部材)と、フレームケース30の外周側を囲んでおりローリング補正用コイル132および振れ補正用磁気駆動機構10のコイル(第1コイル112、第2コイル122)が固定されるストッパーケース40(ケース)と、を備える。カバーボトム20、フレームケース30、およびストッパーケース40は、非磁性の金属からなる。ジンバル機構7は、可動体5を囲むジンバルバネ70(可動枠)と、可動体5の第1軸R1方向の両側で回転支持機構6とジンバルバネ70とを接続する一対の第1接続機構71と、可動体5の第2軸R2方向の両側で第2縦枠部33とジンバルバネ70とを接続する一対の第2接続機構72と、を備える。
【0067】
本形態では、固定体8を構成する部品が全て非磁性の金属部材であるため、樹脂部材に接点ばねを保持させる従来の構造を採用した場合と比較して、固定体8を構成する部材を薄肉化でき、固定体8を小型化できる。また、ジンバル機構7を支持するフレームケース30(枠状部材)と、可動体5を収容する筐体(カバーボトム20およびストッパーケース40)とが別部材であるため、フレームケース30にジンバル機構7を支持する強度が確保されていればよく、カバーボトム20およびストッパーケース40は必要な強度が低いので、薄肉化を図ることができる。従って、固定体8の軽量化および小型化を図ることができ、振れ補正機能付き光学ユニット1の小型化および軽量化を図ることができる。
【0068】
本形態では、カバーボトム20およびストッパーケース40は、フレームケース30を構成する矩形枠部31および第2縦枠部33よりも板厚が薄い板金部材である。ストッパーケース40はローリング補正用コイル132および振れ補正用磁気駆動機構10のコイル(第1コイル112、第2コイル122)を保持できればよく、カバーボトム20はストッパーケース40との間に可動体5、回転支持機構6、およびジンバル機構7を収容できればよいので、板厚を薄くでき、軽量化および小型化を図ることができる。従って、固定体8の軽量化および小型化を図ることができ、振れ補正機能付き光学ユニット1を小型化および軽量化できる。
【0069】
本形態の振れ補正機能付き光学ユニット1は、可動体5の揺動範囲を規制するストッパー機構として、ストッパーケース40の第1軸R1方向の対角位置から内周側へ突出する第1ケース突起45A、および、ストッパーケース40の第2軸R2方向の対角位置から内周側へ突出する第2ケース突起45Bを備えている。第1ケース突起45Aおよび第2ケース突起45Bは、ジンバルバネ70(可動枠)と干渉することによって可動体5の揺動範囲を規制する。このような構成では、ストッパー機構を構成するためのギャップの確保が容易である。また、ストッパー機構の小型化を図ることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニット1の小型化を図ることができる。
【0070】
本形態では、ジンバルバネ70(可動枠)は、可動体5を囲む矩形のジンバルバネ枠部73を備え、ジンバルバネ枠部73は、第1軸R1方向の対角部分および第2軸R2方向の対角部分の内周縁を反被写体側(-Z方向)へ切り欠いた溝部732を備えており、第1ケース突起45Aおよび第2ケース突起45Bは、溝部732に配置される。このような構成では、ジンバルバネ70の外周側にストッパー機構を構成するためのギャップを確保する必要がないので、ストッパーケース40を小型化できる。また、ストッパー機構をジンバルバネ70の光軸方向の高さの範囲内に配置できるので、ストッパーケース40はコイルを保持できる高さがあればよく、ストッパーケース40の光軸方向の高さを小さくすることができる。従って、振れ補正機能付き光学ユニット1の小型化を図ることができる。
【0071】
本形態では、フレームケース30に設けられた一対の第2縦枠部33は、ジンバルバネ70と第2軸R2上で点接触する第2軸側支点部を備える。第2軸側支点部は、第2縦枠部33に設けられた第2軸側筒部39に保持される第2軸側シャフト720の先端に設けられた凸曲面である。本形態では、フレームケース30が板金部材であるため、プレス加工によって第2縦枠部33に第2軸側筒部39を形成し、凸曲面を備える部品(第2軸側シャフト720)を取り付けることによって第2軸側支点を形成できる。従って、第2軸側支点部の構成を簡素化でき、組立が容易である。また、第2軸側支点部を小型化できるので、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。
【0072】
本形態では、可動体5は、カメラモジュール4を保持するホルダ16を備える。ホルダ16は磁性金属からなり、ローリング補正用マグネット131および振れ補正用磁気駆動機構10の磁石(第1マグネット111、第2マグネット121))は、ホルダ16の外周面に固定される。従って、可動体5を光軸回り、第1軸R1回り、第2軸R2回りに回転させる磁気駆動機構の磁石を全てホルダ16に集約して配置できるので、振れ補正機能付き光学ユニット1の構造を簡素化できる。また、ホルダ16にカメラモジュール4を組み付ける前に、ホルダ16と固定体8との間に支持機構(回転支持機構6、ジンバル機構7)および磁気駆動機構(振れ補正用磁気駆動機構10およびローリング補正用磁気駆動機構13)を全て組み立てておくことができる。
【0073】
本形態では、ホルダ16は、光軸方向の反被写体側(-Z方向)へ突出する軸部61を備える。回転支持機構6は、可動体5を光軸Lを中心に回転可能に支持する金属製のプレートホルダ63(回転支持部材)を備えており、プレートホルダ63(回転支持部材)は、ベアリング62を介して軸部61を回転可能に支持するプレートホルダ筒部65(筒部)と、プレートホルダ筒部65から外周側へ拡がるプレートホルダ環状部66(環状部)と、プレートホルダ環状部66から第1軸R1方向の両側へ延びて可動体5の第1軸R1方向の両側で光軸方向の被写体側へ屈曲したプレートホルダ延設部67(延設部)と、を備えており、プレートホルダ延設部67に第1接続機構71が設けられている。このような構造では、振れ補正機能付き光学ユニット1を組み立てる際、1方向から組み立てることができる。すなわち、カバーボトム20に弾性支持部材9およびフレームケース30を固定し、フレームケース30の内側にジンバルバネ70を配置してフレームケース30と接続し、さらにホルダ16とプレートホルダ63とを組み立ててジンバルバネ70の内側に落とし込んでプレートホルダ63とジンバルバネ70とを接続する。これにより、ホルダ16は、光軸回り、第1軸R1回り、および第2軸R2回りに回転可能に支持される。また、コイルを固定したストッパーケース40をフレームケース30の外周側に取り付けることによってホルダ16に固定された磁石の外周側にコイルを配置する。これにより、ホルダ16を光軸回り、第1軸R1回り、および第2軸R2回りに回転させる磁気駆動機構が構成される。そして、ホルダ16の内側にカメラモジュール4を落とし込むことにより、振れ補正機能付き光学ユニット1を完成させる。このように、1方向からの組立が可能な構成にすることで、組立を容易にすることができる。また、光軸方向の高さを小さくしやすい。
【0074】
本形態では、プレートホルダ延設部67は、ジンバルバネ70と第1軸R1上で点接触する第1軸側支点部を備えており、第1軸側支点部は、プレートホルダ延設部67に設けられた第1軸側筒部77に保持される第1軸側シャフト710の先端に設けられた凸曲面ある。本形態では、プレートホルダ63(回転支持部材)が板金部材でありため、プレス加工によって第1縦枠部32に第1軸側筒部77を形成し、凸曲面を備える部品(第1軸側シャフト710)を取り付けることによって第1軸側支点を形成できる。従って、第1軸側支点部の構成を簡素化でき、組立が容易である。また、第1軸側支点部を小型化できるので、振れ補正機能付き光学ユニットの小型化を図ることができる。
【0075】
なお、本形態では、ジンバルバネ70が点接触する支点部を構成する凸曲面は半球面であるが、半球面とは異なる形状の凸曲面であってもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…振れ補正機能付き光学ユニット、2…レンズ、3…撮像素子、4…カメラモジュール、4a…カメラモジュール本体、4b…鏡筒部、5…可動体、6…回転支持機構、7…ジンバル機構、8…固定体、9…弾性支持部材、10…振れ補正用磁気駆動機構、11…第1振れ補正用磁気駆動機構、12…第2振れ補正用磁気駆動機構、13…ローリング補正用磁気駆動機構、14、15…フレキシブルプリント基板、16…ホルダ、20…カバーボトム、21…第1弾性係合部、22…第1係止部、23…第2弾性係合部、24…第2係止部、25…円形穴、26…第3弾性係合部、27…係合孔、30…フレームケース、31…矩形枠部、32…第1縦枠部、33…第2縦枠部、34…板部、35…突部、36…板部、37…腕部、38…突部、39…第2軸側筒部、40…ストッパーケース、40A…胴部、41…第1ケース壁、42…第2ケース壁、43…第3ケース壁、44…端板部、45A…第1ケース突起、45B…第2ケース突起、46…フック、46a…開口部、47…凹溝、48…磁性部材配置溝、49…係合孔、50…FPCカバー、51…切欠き部、52…引っ掛け部、53…係止部、61…軸部、62…ベアリング、63…プレートホルダ、64…吸着マグネット、65…プレートホルダ筒部、66…プレートホルダ環状部、67…プレートホルダ延設部、68…第1軸側凹曲面、70…ジンバルバネ、71…第1接続機構、72…第2接続機構、73…ジンバルバネ枠部、74…第1ジンバルバネ延設部、75…第2ジンバルバネ延設部、76…ジンバルバネ逃がし部、77…第1軸側筒部、78…腕部、79…第2軸側凹曲面、111…第1マグネット、112…第1コイル、113…第1磁性部材、121…第2マグネット、122…第2コイル、123…第2磁性部材、131…ローリング補正用マグネット、132…ローリング補正用コイル、151…第1コイル固定部、152…第2コイル固定部、153…第3コイル固定部、154…ランド、160…切欠き部、161…ホルダ底部、162…ホルダ枠部、440…ケース位置決め孔、610…段部、621…内輪、622…外輪、623…球体、624…リテーナ、710…第1軸側シャフト、720…第2軸側シャフト、731…テーパ部、732…溝部、761…突出部、762…屈曲部、763…直線部、L…光軸、R1…第1軸、R2…第2軸