(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240408BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240408BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2020155619
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 栄太
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-166680(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154746(WO,A1)
【文献】特開2019-213712(JP,A)
【文献】特開2012-242953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
コンテンツ抽選の実行の要求を受け付けたか否かを判定する受付判定処理部、
前記実行の要求を受け付けた場合に、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量から前記コンテンツ抽選の実行に必要な必要数量を減じた余り数量が前記必要数量未満であるか否かを判定する数量判定処理部、
前記余り数量が前記必要数量未満であると判定された場合に、前記余り数量を消費するか否かの選択を前記プレイヤに要求する第1選択要求処理部、
前記余り数量を消費することが選択された場合に、前記余り数量の全部又は端数を消費して前記コンテンツ抽選の抽選条件を変更する抽選条件変更処理部、
前記必要数量の前記仮想通貨を消費して、前記抽選条件を変更した前記コンテンツ抽選を実行するコンテンツ抽選実行処理部、
として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置を、
前記余り数量を消費することが選択された場合に、前記余り数量の数字が所定の判定条件を満たすか否かを判定する条件判定処理部、
としてさらに機能させ、
前記抽選条件変更処理部は、
前記余り数量の数字が前記所定の判定条件を満たすと判定された場合に、当該所定の判定条件に基づいて前記コンテンツ抽選の抽選条件を変更する、
としてさらに機能させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記条件判定処理部は、
前記所定の判定条件として、前記余り数量の全体の数字又は端数が特定の日付又は特定のイベントに対応した第1の数であるか否かを判定し、
前記抽選条件変更処理部は、
前記余り数量の全体の数字又は端数が前記第1の数であると判定された場合に、前記特定の日付又は前記特定のイベントに関連したコンテンツが他のコンテンツよりも当選し易くなるように、又は、前記特定の日付又は前記特定のイベントに関連したコンテンツが抽選対象に加わるように、前記抽選条件を変更する、
請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記条件判定処理部は、
前記所定の判定条件として、前記余り数量の全体の数字又は端数が所定の性質を有する第2の数であるか否かを判定し、
前記抽選条件変更処理部は、
前記余り数量の全体の数字又は端数が前記第2の数であると判定された場合に、前記第2の数に対応した特定のコンテンツが他のコンテンツよりも当選し易くなるように、又は、前記第2の数に対応した特定のコンテンツが抽選対象に加わるように、前記抽選条件を変更する、
請求項2又は3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記条件判定処理部は、
前記所定の判定条件として、前記余り数量の全体の数字又は端数が特定の第3の数であるか否かを判定し、
前記抽選条件変更処理部は、
前記余り数量の全体の数字又は端数が前記第3の数であると判定された場合に、前記第3の数に対応した特定のコンテンツが他のコンテンツよりも当選し易くなるように、又は、前記第3の数に対応した特定のコンテンツが抽選対象に加わるように、前記抽選条件を変更する、
請求項2乃至4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置を、
前記余り数量の数字が複数の前記判定条件を満たすと判定された場合に、当該複数の判定条件の中から1つの前記判定条件を選択することを前記プレイヤに要求する第2選択要求処理部、
としてさらに機能させ、
前記抽選条件変更処理部は、
選択された前記判定条件に基づいて前記抽選条件を変更する、
請求項2乃至5のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
コンテンツ抽選の実行の要求を受け付けたか否かを判定するステップと、
前記実行の要求を受け付けた場合に、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量から前記コンテンツ抽選の実行に必要な必要数量を減じた余り数量が前記必要数量未満であるか否かを判定するステップと、
前記余り数量が前記必要数量未満であると判定された場合に、前記余り数量を消費するか否かの選択を前記プレイヤに要求するステップと、
前記余り数量を消費することが選択された場合に、前記余り数量の全部又は端数を消費して前記コンテンツ抽選の抽選条件を変更するステップと、
前記必要数量の前記仮想通貨を消費して、前記抽選条件を変更した前記コンテンツ抽選を実行するステップと、
を有する、ゲーム処理方法。
【請求項8】
コンテンツ抽選の実行の要求を受け付けたか否かを判定する受付判定処理部と、
前記実行の要求を受け付けた場合に、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量から前記コンテンツ抽選の実行に必要な必要数量を減じた余り数量が前記必要数量未満であるか否かを判定する数量判定処理部と、
前記余り数量が前記必要数量未満であると判定された場合に、前記余り数量を消費するか否かの選択を前記プレイヤに要求する第1選択要求処理部と、
前記余り数量を消費することが選択された場合に、前記余り数量の全部又は端数を消費して前記コンテンツ抽選の抽選条件を変更する抽選条件変更処理部と、
前記必要数量の前記仮想通貨を消費して、前記抽選条件を変更した前記コンテンツ抽選を実行するコンテンツ抽選実行処理部と、
を有する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された端末機器によりプレイされるいわゆるオンラインゲームにおいて、ゲーム上で使用できるキャラクタやアイテム等のコンテンツが、偶然性を利用してコンテンツの種類が決まる方法によってユーザに提供される、いわゆる「ガチャ」と呼ばれる抽選ゲームが知られている。
【0003】
このような抽選ゲームの一例として、例えば特許文献1には、ゲーム内でプレイヤが所有するアイテムの数量が、ガチャの実行に必要な数量未満となった場合に、アイテムの購入をプレイヤに促す画面を表示し、プレイヤがアイテムを購入した場合に報酬を付与するゲームシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アイテムを購入すると新たな費用が発生するため、上記従来技術においてアイテムの購入をプレイヤに促す画面を表示した際に、プレイヤの継続意欲が損なわれ、アイテムの購入に至らない場合が考えられる。このような場合には、プレイヤが所有するアイテムに消費されない余りが生じてしまうという課題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、プレイヤが所有する仮想通貨の消費を促進することができるゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、情報処理装置を、コンテンツ抽選の実行の要求を受け付けたか否かを判定する受付判定処理部、前記実行の要求を受け付けた場合に、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量から前記コンテンツ抽選の実行に必要な必要数量を減じた余り数量が前記必要数量未満であるか否かを判定する数量判定処理部、前記余り数量が前記必要数量未満であると判定された場合に、前記余り数量を消費するか否かの選択を前記プレイヤに要求する第1選択要求処理部、前記余り数量を消費することが選択された場合に、前記余り数量の全部又は端数を消費して前記コンテンツ抽選の抽選条件を変更する抽選条件変更処理部、前記必要数量の前記仮想通貨を消費して、前記抽選条件を変更した前記コンテンツ抽選を実行するコンテンツ抽選実行処理部、として機能させるためのゲームプログラム。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、コンテンツ抽選の実行の要求を受け付けたか否かを判定するステップと、前記実行の要求を受け付けた場合に、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量から前記コンテンツ抽選の実行に必要な必要数量を減じた余り数量が前記必要数量未満であるか否かを判定するステップと、前記余り数量が前記必要数量未満であると判定された場合に、前記余り数量を消費するか否かの選択を前記プレイヤに要求するステップと、前記余り数量を消費することが選択された場合に、前記余り数量の全部又は端数を消費して前記コンテンツ抽選の抽選条件を変更するステップと、前記必要数量の前記仮想通貨を消費して、前記抽選条件を変更した前記コンテンツ抽選を実行するステップと、を有する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、コンテンツ抽選の実行の要求を受け付けたか否かを判定する受付判定処理部と、前記実行の要求を受け付けた場合に、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量から前記コンテンツ抽選の実行に必要な必要数量を減じた余り数量が前記必要数量未満であるか否かを判定する数量判定処理部と、前記余り数量が前記必要数量未満であると判定された場合に、前記余り数量を消費するか否かの選択を前記プレイヤに要求する第1選択要求処理部と、前記余り数量を消費することが選択された場合に、前記余り数量の全部又は端数を消費して前記コンテンツ抽選の抽選条件を変更する抽選条件変更処理部と、前記必要数量の前記仮想通貨を消費して、前記抽選条件を変更した前記コンテンツ抽選を実行するコンテンツ抽選実行処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム等によれば、プレイヤが所有する仮想通貨の消費を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
【
図2】サーバ装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【
図3】所有数量データベースの内容の一例を表す図である。
【
図5】ガチャの変更確認画面の一例を表す図である。
【
図11】ガチャの変更結果画面の一例を表す図である。
【
図12】サーバ装置のCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
【
図13】余り数量が複数の判定条件を満たす場合の変形例における、サーバ装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【
図14】余り数量が複数の判定条件を満たす場合の変形例における、ガチャの変更画面の一例を表す図である。
【
図15】サーバ装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、
図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。
図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のプレイヤによって操作される複数の端末装置3(
図1では1つのみ図示)と、サーバ装置5を有する。各端末装置3とサーバ装置5は、例えばLANやインターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNWは無線又は有線のいずれでもよい。また、
図1ではサーバ装置5が単一のコンピュータで構成されているが、複数のコンピュータで構成されてもよい。
【0014】
端末装置3は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯型ゲーム機等である。但し、これらに限定されるものではなく、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、据え置き型のゲーム機等としてもよい。端末装置3は、各種の表示及びプレイヤによる各種の入力操作が行われるタッチパネル7を有する。プレイヤは、指やペン等によりタッチパネル7に接触することで所望の操作入力を行う。
【0015】
タッチパネル7の検出方式は、特に限定されるものではないが、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式等、種々の検出手法を採用することが可能である。なお、端末装置3は、タッチパネル7以外に、ボタンやスイッチ、レバー、ジョイスティック等の入力部を備えてもよい。また、スピーカー等の音声出力部を備えてもよい。
【0016】
サーバ装置5(情報処理装置の一例)は、いわゆるサーバコンピュータである。サーバ装置5は、ゲームサービスを受ける各プレイヤの端末装置3からのネットワークNWを介したアクセスを受け付けて、各プレイヤのゲーム情報を記録装置に蓄積して管理し、各プレイヤにネットワークNWを介したオンラインゲームサービスを提供する。
【0017】
サーバ装置5によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲームプログラム(アプリケーションソフトウェアともいう)がサーバ装置5に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのプレイヤの操作入力に応じてサーバ装置5でゲームを実行し、その実行結果を各プレイヤの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各プレイヤの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームをプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ装置5が提供してもよい。また、サーバ装置5でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式等で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲームをサーバ装置5が提供してもよい。あるいは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの動作環境を基に作成されるアプリケーションソフトウェアによって実行される、いわゆるソーシャルゲームをサーバ装置5が提供してもよい。なお、端末装置3にゲームプログラムの一部をインストールし、サーバ装置5だけでなく端末装置3においても部分的にゲーム処理が実行されるようにしてもよい。
【0018】
<2.サーバの機能的構成>
次に、
図2及び
図3~
図11を用いて、サーバ装置5の機能的構成の一例について説明する。
【0019】
なお、以下では、例えばゲーム上で使用できるキャラクタやアイテム等のコンテンツが、偶然性を利用してコンテンツの種類が決定される方法によってプレイヤに提供される抽選ゲームのことを「ガチャ」という。
【0020】
図2に示すように、サーバ装置5は、コンテンツデータベース9と、所有数量データベース13と、コンテンツ抽選実行処理部15と、受付判定処理部17と、数量判定処理部19と、第1選択要求処理部21と、抽選条件変更処理部23と、条件判定処理部25とを有する。
【0021】
コンテンツデータベース9には、サーバ装置5で実行されるガチャで提供されるコンテンツのラインナップや当選確率等の情報が格納されている。「コンテンツ」とは、各種のゲーム上で使用可能なゲームキャラクタ(キャラクタカード等を含む)やアイテム(例えば武器、防具、装具、仮想通貨、各種効能を備えた物品、道具等)等である。なお、コンテンツは、例えば「ノーマル」、「レア」、「スーパーレア」等の名称で呼称される、ゲーム内での価値(例えば稀少度、能力、効能値等)に応じた種別に分類されていてもよい。また、ガチャは、それ自体が単独のゲームとして実行されてもよいし、例えばロールプレイングゲームやシミュレーションゲーム、アクションゲーム等、その他の種類のゲーム上にて実行されてもよい。
【0022】
所有数量データベース13には、各プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量等の情報が記録されている。「仮想通貨」とは、ゲーム内で使用可能な仮想的な通貨であり、有償で発行されるものと無償で発行されるものが含まれる。有償で発行されるもの(課金対象)は、ユーザが料金を支払って購入することにより取得される。無償で発行されるものは、例えばミッションをクリアする等の所定のゲーム内行動を実行することにより取得される。また、キャンペーンやイベント等により無償で配布されるもの等も含まれる。プレイヤは、所有する仮想通貨をガチャごとに定められた必要数量だけ使用(消費)することにより、ガチャを実行できる。
【0023】
図3に、所有数量データベース13の内容の一例を示す。
図3に示すように、所有数量データベース13には、プレイヤを識別するためのID、名前、仮想通貨(例えば「ジュエル」)の所有数量等の情報が、プレイヤごとに記録されている。仮想通貨の所有数量は、プレイヤが消費する度に更新される。
【0024】
図2に戻り、コンテンツ抽選実行処理部15は、必要数量の仮想通貨を消費してガチャ(コンテンツ抽選の一例)を実行する。この際、後述する抽選条件変更処理部23によりガチャの抽選条件が変更されている場合には、当該抽選条件が変更されたガチャを実行する。また、抽選条件が変更されていない場合には、例えばコンテンツデータベース9に記録された抽選条件の初期設定内容に基づいてガチャを実行する。なお、ガチャは、単発で実行されるガチャでもよいし、複数回(例えば10回等)連続して実行される連続ガチャでもよい。
【0025】
受付判定処理部17は、いずれかのプレイヤよりガチャの実行の要求を受け付けたか否かを判定する。
【0026】
図4に、ガチャの開始画面の一例を示す。
図4に示す例では、ガチャとしてキャラクタカードの抽選を行うカードガチャが実行される。
図4に示すように、カードガチャの開始画面には、目玉コンテンツ表示部27と、ラインナップ表示ボタン29と、カードガチャを実行するか否かを確認するための確認メッセージ31と、カードガチャの実行を要求するための「はい」ボタン33と、カードガチャの実行を要求しない「いいえ」ボタン35が表示されている。
【0027】
目玉コンテンツ表示部27には、今回のガチャで提供されるコンテンツのうち目玉となるコンテンツが表示される。
図4では、例えば「スーパーレア」の種別である3つのキャラクタカード「SR-2」、「SR-5」、「SR-12」が目玉コンテンツとして表示されている。
【0028】
プレイヤによりラインナップ表示ボタン29が操作された場合には、カードガチャにより提供される全てのキャラクタカードのラインナップと、各キャラクタカードの当選確率が個別に表示される。これらの情報は、コンテンツデータベース9に記録されている。
【0029】
確認メッセージ31には、プレイヤに対してカードガチャを実行するか否かを確認するメッセージと、カードガチャの実行の対価として必要な仮想通貨の数量(例えば300ジュエル)が表示されている。
【0030】
プレイヤにより「はい」ボタン33が操作された場合には、受付判定処理部17によりガチャの実行の要求を受け付けたと判定され、後述のガチャの変更確認画面(
図5参照)に遷移する。プレイヤにより「いいえ」ボタン35が操作された場合には、カードガチャの実行がキャンセルされる。
【0031】
図2に戻り、数量判定処理部19は、上記受付判定処理部17により実行の要求を受け付けたと判定した場合に、所有数量データベース13を参照し、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量からガチャの実行に必要な必要数量を減じた余り数量を算出し、算出した余り数量が必要数量未満であるか否かを判定する。「余り数量」は、ガチャが実行される前に予想的に算出される残り数量であり、ガチャ実行前のプレイヤの仮想通貨の所有数量から必要数量を減じて算出される、ガチャを実行した場合のプレイヤの仮想通貨の所有数量である。「必要数量」は、ガチャの実行の対価として必要な仮想通貨の数量である。例えば、
図4に示す例では必要数量が300ジュエルであるため、ガチャを実行した場合の余り数量が299ジュエル以下となるか否かが判定される。
【0032】
第1選択要求処理部21は、上記数量判定処理部19により余り数量がガチャの必要数量未満であると判定された場合に、余り数量を消費するか否かの選択をプレイヤに要求する。
【0033】
図5に、上記第1選択要求処理部21による要求画面の一例を示す。
図5に示すガチャの変更確認画面には、プレイヤに対してガチャの変更を実行するか否かを確認するための確認メッセージ39と、ガチャの変更を要求するための「はい」ボタン41と、ガチャの変更を要求しない「いいえ」ボタン43が表示されている。
【0034】
図5に示す例では、確認メッセージ39に、数量判定処理部19による判定結果、すなわちプレイヤがガチャを実行した場合に仮想通貨の所有数量が必要数量未満となり余りが生じることが表示されると共に、その余りを消費するか否かを確認するメッセージが表示されている。
【0035】
図5に示すガチャの変更確認画面において、プレイヤにより「はい」ボタン41が操作された場合には、後述するガチャの変更画面(
図6~
図10)に遷移する。一方、プレイヤにより「いいえ」ボタン43が操作された場合には、ガチャの変更がキャンセルされる。
【0036】
図2に戻り、抽選条件変更処理部23は、上記第1選択要求処理部21による要求に応じて、プレイヤにより余り数量を消費することが選択された場合に、余り数量の全部又は端数を消費してガチャの抽選条件を変更する。
【0037】
余り数量の全部又は端数のいずれを消費するかは、基本的には、余り数量が1桁の数である場合には余り数量の全部、余り数量が2桁以上の数である場合には余り数量の端数(下1桁の数。但し下数桁としてもよい)とする。これにより、消費される数量の大小を例えば1桁の範囲(1~9)に抑えることができ、プレイヤ間に不公平が生じるのを抑制できる。但し、後述する判定条件によっては、余り数量が2桁以上の数である場合でも余り数量の全部を消費する場合もある。つまり、抽選条件変更処理部23は、条件判定処理部25により余り数量の全体の数字が判定された場合には、余り数量の全部を消費し、条件判定処理部25により余り数量の端数が判定された場合には、余り数量の端数を消費する。
【0038】
条件判定処理部25は、プレイヤにより余り数量を消費することが選択された場合に、余り数量の数字が所定の判定条件を満たすか否かを判定する。「余り数量の数字」は、余り数量の全体の数字又は端数を含む。
【0039】
抽選条件変更処理部23は、上記条件判定処理部25により、余り数量の数字が所定の判定条件を満たすと判定された場合に、当該所定の判定条件に基づいてガチャの抽選条件を変更する。言い換えると、抽選条件変更処理部23は、コンテンツデータベース9に記録されたガチャの抽選条件の初期設定内容を上記所定の判定条件に応じて変化させる。
【0040】
具体的には、条件判定処理部25は、「所定の判定条件」として、余り数量の全体の数字又は端数が特定の日付又は特定のイベントに対応した第1の数であるか否かを判定する。「第1の数」は、例えば2月14日のバレンタインデーに対応した数である「214」や、例えば12月25日のクリスマスに対応した数である「1225」や、例えば100万ダウンロード記念のイベントに対応した数である「100」等である。その他、ガチャを実行した当日の日付に対応した数等でもよい。
【0041】
抽選条件変更処理部23は、条件判定処理部25により、余り数量の全体の数字又は端数が第1の数であると判定された場合に、特定の日付又は特定のイベントに関連したコンテンツが他のコンテンツよりも当選し易くなるように、又は、特定の日付又は特定のイベントに関連したコンテンツが抽選対象に加わるように、ガチャの抽選条件を変更する。「特定の日付又はイベントに関連したコンテンツ」とは、例えばバレンタインイベント専用のキャラクタ(キャラクタカードを含む。以下同様)や、クリスマスイベント専用のキャラクタ等である。また、「コンテンツが抽選対象に加わる」には、例えば上記のキャラクタがガチャの初期設定のラインナップに加わることに加えて、ガチャのラインナップを上記のキャラクタのみで構成することも含まれる。
【0042】
また、条件判定処理部25は、「所定の判定条件」として、余り数量の全体の数字又は端数が所定の性質を有する第2の数であるか否かを判定する。「所定の性質を有する第2の数」は、例えば偶数、奇数、素数等である。なお、条件判定処理部25は、余り数量が1桁の数である場合には余り数量の全体の数字、余り数量が2桁以上の数である場合には余り数量の端数(下1桁の数。但し下数桁としてもよい)で判定する。
【0043】
抽選条件変更処理部23は、条件判定処理部25により、余り数量の全体の数字又は端数が第2の数であると判定された場合に、第2の数に対応した特定のコンテンツが他のコンテンツよりも当選し易くなるように、又は、第2の数に対応した特定のコンテンツが抽選対象に加わるように、ガチャの抽選条件を変更する。「第2の数に対応した特定のコンテンツ」とは、例えば、第2の数が偶数の場合には男性キャラクタ、奇数の場合には女性キャラクタ、素数の場合には素数専用のキャラクタ等である。
【0044】
また、条件判定処理部25は、「所定の判定条件」として、余り数量の全体の数字又は端数が特定の第3の数であるか否かを判定する。「特定の第3の数」は、例えばラッキーセブンに対応する「7」や、7を端数に有する「77」、「777」等である。その他、ガチャを実行した当日の日付に関連した数等でもよい。なお、条件判定処理部25は、余り数量が1桁の数である場合には余り数量の全体の数字、余り数量が2桁以上の数である場合には余り数量の端数(下1桁の数。但し下数桁としてもよい)で判定する。
【0045】
抽選条件変更処理部23は、条件判定処理部25により、余り数量の全体の数字又は端数が第3の数であると判定された場合に、第3の数に対応した特定のコンテンツが他のコンテンツよりも当選し易くなるように、又は、第3の数に対応した特定のコンテンツが抽選対象に加わるように、ガチャの抽選条件を設定する。「第3の数に対応した特定のコンテンツ」とは、例えば第3の数が「7」、「77」、「777」等の場合にはラッキーセブン専用のキャラクタ等である。
【0046】
なお、仮に、条件判定処理部25によりいずれの判定条件も満たさないと判定された場合には、抽選条件変更処理部23は、ガチャの抽選条件を例えばコンテンツデータベース9に記録された初期設定内容に維持してもよい。
【0047】
図6~
図10に、ガチャの変更画面の具体例を示す。これらのガチャの変更画面は、前述の
図5に示すガチャの変更確認画面において、プレイヤにより「はい」ボタン41が操作された場合に表示される。
【0048】
図6に示す例は、余る仮想通貨が例えば34ジュエルの場合である。
図6に示すように、条件判定処理部25及び抽選条件変更処理部23により、余り数量の下1桁の端数「4」が偶数であるため男性キャラクタが当選し易くなるように抽選条件が変更されることが、メッセージ表示部45に表示されている。プレイヤは、ラインナップ表示ボタン47を操作することにより、変更後の各キャラクタカードの当選確率等を確認することができる。
【0049】
また、ガチャの変更画面には、第1選択要求処理部21により、プレイヤに対して端数の4ジュエルを使ってガチャを変更するか否かを確認するための確認メッセージ49と、「はい」ボタン51と、「いいえ」ボタン53が表示されている。プレイヤにより「はい」ボタン51が操作された場合には、抽選条件変更処理部23により4ジュエルが消費されてガチャが変更される。一方、プレイヤにより「いいえ」ボタン53が操作された場合には、ガチャの変更がキャンセルされる。
【0050】
なお、常に余り数量の全体の数字で判定する場合には、例えば2ジュエルの場合と298ジュエルの場合は、消費量が大きく異なるにもかかわらず、共に偶数であるため男性キャラクタが当選し易くなるという効果は同じとなり、プレイヤ間に不公平が生じる。そこで、本実施形態のように余り数量が2桁以上の数である場合には余り数量の端数で判定することで、消費される数量の大小を例えば1桁の範囲(1~9)に抑えることができ、プレイヤ間に不公平が生じるのを抑制できる。
【0051】
図7に示す例は、余る仮想通貨が例えば115ジュエルの場合である。
図7に示すように、条件判定処理部25及び抽選条件変更処理部23により、余り数量の下1桁の端数「5」が奇数であるため女性キャラクタが当選し易くなるように抽選条件が変更されることが、メッセージ表示部45に表示されている。プレイヤは、ラインナップ表示ボタン47を操作することにより、変更後の各キャラクタカードの当選確率等を確認することができる。
【0052】
また、ガチャの変更画面には、プレイヤに対して端数の5ジュエルを使ってガチャを変更するか否かを確認するための確認メッセージ49が表示されている。プレイヤにより「はい」ボタン51が操作された場合には、5ジュエルが消費されてガチャが変更される。
【0053】
図8に示す例は、余る仮想通貨が例えば7ジュエルの場合である。
図8に示すように、条件判定処理部25及び抽選条件変更処理部23により、余り数量が「7」であるためラッキーセブン専用キャラクタがガチャのラインナップに加わることが、メッセージ表示部45に表示されている。プレイヤは、ラインナップ表示ボタン47を操作することにより、変更後のラインナップ等を確認することができる。
【0054】
また、ガチャの変更画面には、プレイヤに対して余りの7ジュエルを使ってガチャを変更するか否かを確認するための確認メッセージ49が表示されている。プレイヤにより「はい」ボタン51が操作された場合には、7ジュエルが消費されてガチャが変更される。
【0055】
図9に示す例は、余った仮想通貨が例えば214ジュエルの場合である。
図9に示すように、条件判定処理部25及び抽選条件変更処理部23により、余り数量が「214」であるためバレンタイン専用キャラクタがガチャのラインナップに加わることが、メッセージ表示部45に表示されている。プレイヤは、ラインナップ表示ボタン47を操作することにより、変更後のラインナップ等を確認することができる。
【0056】
また、ガチャの変更画面には、プレイヤに対して余りの214ジュエルを使ってガチャを変更するか否かを確認するための確認メッセージ49が表示されている。プレイヤにより「はい」ボタン51が操作された場合には、214ジュエルが消費されてガチャが変更される。
【0057】
図10に示す例は、余った仮想通貨が例えば111ジュエルの場合である。
図10に示すように、条件判定処理部25及び抽選条件変更処理部23により、余り数量の下2桁の端数「11」が素数であるため、ガチャのラインナップが当該ガチャでしか提供されない専用キャラクタのみで構成されることが、メッセージ表示部45に表示されている。プレイヤは、ラインナップ表示ボタン47を操作することにより、変更後のラインナップ等を確認することができる。
【0058】
また、ガチャの変更画面には、プレイヤに対して端数の11ジュエルを使ってガチャを変更するか否かを確認するための確認メッセージ49が表示されている。プレイヤにより「はい」ボタン51が操作された場合には、11ジュエルが消費されてガチャが変更される。
【0059】
なお、上記では下2桁の端数で判定する場合を説明したが、下1桁の端数で判定してもよい。また、下2桁の場合には、例えば2ジュエルの場合と97ジュエルの場合は、消費量が大きく異なるにもかかわらず、共に素数であるため効果は同じとなり、プレイヤ間に不公平が生じる。そこで、判定条件である素数の範囲を一定の範囲(例えば2~19)に限定してもよい。これにより、消費される数量の大小を抑えることができ、プレイヤ間に不公平が生じるのを抑制できる。
【0060】
図11に、ガチャの変更結果画面の一例を示す。
図11に示すように、ガチャの変更結果画面には、ガチャの変更が完了したことを知らせるためのガチャ変更完了表示部11等が表示されている。プレイヤによりラインナップ表示ボタン29が操作されると、変更されたガチャの抽選条件、すなわち提供されるコンテンツのラインナップと各コンテンツの当選確率等が個別に表示される。プレイヤにより「はい」ボタン33が操作されると、抽選条件を変更したガチャがコンテンツ抽選実行処理部15により実行される。
【0061】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU501(後述の
図15参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。さらに、以上説明した各処理部は、全部がサーバ装置5側に実装される場合に限定されるものではなく、その一部又は全部が端末装置3側に実装されてもよい。全部が端末装置3側に実装される場合には、端末装置3が情報処理装置の一例に相当する。
【0062】
<3.サーバが実行する処理手順>
次に、
図12を用いて、サーバ装置5のCPU501によって実行される処理手順の一例について説明する。
【0063】
ステップS10では、サーバ装置5は、受付判定処理部17により、いずれかの端末装置3からガチャの実行操作を受け付けたか否かを判定する。ガチャの実行操作を受け付けるまで本ステップS10を繰り返し(ステップS10:NO)、ガチャの実行操作を受け付けた場合には(ステップS10:YES)、ステップS20に移る。
【0064】
ステップS20では、サーバ装置5は、数量判定処理部19により、所有数量データベース13を参照し、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量からガチャの実行に必要な必要数量を減じた余り数量を算出する。
【0065】
ステップS30では、サーバ装置5は、数量判定処理部19により、上記ステップS20で算出した余り数量が必要数量未満であるか否かを判定する。余り数量が必要数量未満である場合には(ステップS30:YES)、ステップS40に移る。一方、余り数量が必要数量以上である場合には(ステップS30:NO)、後述するステップS80に移る。
【0066】
ステップS40では、サーバ装置5は、第1選択要求処理部21により、端末装置3のタッチパネル7に確認メッセージ39等を表示して、余り数量を消費するか否かの選択をプレイヤに要求する。
【0067】
ステップS50では、サーバ装置5は、プレイヤにより余り数量を消費することが選択されたか否か、例えば「はい」ボタン41が操作されたか否かを判定する。消費することが選択された場合には(ステップS50:YES)、ステップS60に移る。一方、消費することが選択されなかった場合には(ステップS50:NO)、後述するステップS80に移る。
【0068】
ステップS60では、サーバ装置5は、条件判定処理部25により、余り数量の数字が所定の判定条件を満たすか否かを判定する。
【0069】
ステップS70では、サーバ装置5は、抽選条件変更処理部23により、上記ステップS60において満たすと判定された所定の判定条件に基づいて余り数量の全部又は端数を消費してガチャの抽選条件を変更する。
【0070】
一方、ステップS80では、サーバ装置5はガチャの抽選条件を例えばコンテンツデータベース9に記録された初期設定内容に維持する。
【0071】
ステップS90では、サーバ装置5は、コンテンツ抽選実行処理部15により、ガチャを実行する。この際、上記ステップS70においてガチャの抽選条件が変更されている場合には、当該抽選条件が変更されたガチャを実行する。また、上記ステップS80において抽選条件が初期設定内容に維持されている場合には、当該抽選条件の初期設定内容に基づいてガチャを実行する。
【0072】
ステップS100では、サーバ装置5は、コンテンツ抽選実行処理部15により、プレイヤの仮想通貨の所有数量からガチャの実行に必要な必要数量を減算(消費)する。以上により、本フローチャートを終了する。
【0073】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0074】
<4.実施形態の効果>
本実施形態のゲームプログラムは、サーバ装置5を、ガチャの実行の要求を受け付けたか否かを判定する受付判定処理部17、実行の要求を受け付けた場合に、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量からガチャの実行に必要な必要数量を減じた余り数量が必要数量未満であるか否かを判定する数量判定処理部19、余り数量が必要数量未満であると判定された場合に、余り数量を消費するか否かの選択をプレイヤに要求する第1選択要求処理部21、余り数量を消費することが選択された場合に、余り数量の全部又は端数を消費してガチャの抽選条件を変更する抽選条件変更処理部23、必要数量の仮想通貨を消費して、抽選条件を変更したガチャを実行するコンテンツ抽選実行処理部15、として機能させる。
【0075】
本実施形態では、プレイヤからガチャの実行の要求を受け付けると、ガチャの実行前に、プレイヤが所有する仮想通貨の所有数量からガチャの実行に必要な必要数量を減じた余り数量が算出され、当該余り数量が必要数量未満であるか否かが判定される。余り数量が必要数量未満である場合には、プレイヤがガチャの実行後に再度ガチャを実行しようとする場合に、新たに仮想通貨を取得する必要がある。新たな仮想通貨の取得は、購入により新たに費用が発生したり、ゲーム内で所定のミッションをクリアする等の労力を伴うものであるため、プレイヤの継続意欲が損なわれ、仮想通貨の取得に至らない場合も考えられる。このような場合には、ガチャを実行した後にプレイヤが所有する仮想通貨に消費されない余りが生じてしまう。
【0076】
そこで本実施形態では、算出された余り数量が必要数量未満である場合に、余り数量を消費するか否かの選択をプレイヤに要求する。プレイヤは余り数量を消費することを選択することにより、余り数量の全部又は端数を消費してガチャの抽選条件を変更することができる。そして、変更された抽選条件に基づいてガチャを実行できる。これにより、プレイヤが所有する仮想通貨に消費されない余りが生じることを抑制でき、仮想通貨の消費を促進することができる。また、プレイヤに対し、比較的少量の仮想通貨を消費するだけでガチャをより価値の高いものに変更できることによるお得感を感じさせることができると共に、プレイヤの射幸心を刺激できるので、ガチャを継続する意欲を高めることができる。
【0077】
また、常に余り数量の全部を消費して抽選条件を変更する場合には、余り数量の大小によりプレイヤ間に不公平が生じる可能性がある。そこで本実施形態では、余り数量の端数を消費できるようにすることで、消費される数量を例えば1桁の範囲(1~9)に抑えることができ、プレイヤ間に不公平が生じるのを抑制できる。
【0078】
さらに、新たなガチャを設けるのではなく、既存のガチャの内容を変動させるので、開発に要するコストや期間の増大を抑制できる。
【0079】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ装置5を、余り数量を消費することが選択された場合に、余り数量の数字が所定の判定条件を満たすか否かを判定する条件判定処理部25、としてさらに機能させ、抽選条件変更処理部23は、余り数量の数字が所定の判定条件を満たすと判定された場合に、当該所定の判定条件に基づいてガチャの抽選条件を変更する。
【0080】
これにより、プレイヤの仮想通貨の余り数量の数字に応じてガチャの抽選条件を変化させることができる。したがって、プレイヤに対し、ガチャで所望の特典を得るために、例えば仮想通貨を購入したりゲーム内で所定のミッションをクリアする等により余り数量を調整しようという意欲を沸かせることができ、プレイヤのガチャへの意欲を向上できる。
【0081】
また、本実施形態では特に、条件判定処理部25は、所定の判定条件として、余り数量の全体の数字又は端数が特定の日付又は特定のイベントに対応した第1の数であるか否かを判定し、抽選条件変更処理部23は、余り数量の全体の数字又は端数が第1の数であると判定された場合に、特定の日付又は特定のイベントに関連したコンテンツが他のコンテンツよりも当選し易くなるように、又は、特定の日付又は特定のイベントに関連したコンテンツが抽選対象に加わるように、抽選条件を変更する。
【0082】
これにより、ガチャの抽選条件を様々な日付やイベントと絡めることができ、応用範囲を広げることができる。また、ランダム性のある突発的な日付やイベントと絡めることも可能となる。したがって、ゲームの興趣性を向上できる。また、プレイヤに対し、ガチャで所望のコンテンツを得るために余り数量又は端数を第1の数に調整しようという意欲を沸かせることができ、プレイヤのガチャへの意欲を向上できる。
【0083】
また、本実施形態では特に、条件判定処理部25は、所定の判定条件として、余り数量の全体の数字又は端数が所定の性質を有する第2の数であるか否かを判定し、抽選条件変更処理部23は、余り数量の全体の数字又は端数が第2の数であると判定された場合に、第2の数に対応した特定のコンテンツが他のコンテンツよりも当選し易くなるように、又は、第2の数に対応した特定のコンテンツが抽選対象に加わるように、抽選条件を変更する。
【0084】
これにより、プレイヤに対し、ガチャで所望のコンテンツを得るために余り数量又は端数を第2の数に調整しようという意欲を沸かせることができ、プレイヤのガチャへの意欲を向上できる。
【0085】
また、本実施形態では特に、条件判定処理部25は、所定の判定条件として、余り数量の全体の数字又は端数が特定の第3の数であるか否かを判定し、抽選条件変更処理部23は、余り数量の全体の数字又は端数が第3の数であると判定された場合に、第3の数に対応した特定のコンテンツが他のコンテンツよりも当選し易くなるように、又は、第3の数に対応した特定のコンテンツが抽選対象に加わるように、抽選条件を変更する。
【0086】
これにより、プレイヤに対し、ガチャで所望のコンテンツを得るために余り数量又は端数を第3の数に調整しようという意欲を沸かせることができ、プレイヤのガチャへの意欲を向上できる。
【0087】
<5.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例について説明する。
【0088】
(5-1.余り数量が複数の判定条件を満たす場合)
余り数量の数字と判定条件の内容によっては、余り数量又はその端数が複数の判定条件を充足する場合も考えられる。このような場合に、プレイヤがどの抽選条件を適用するかを選択できるようにしてもよい。
【0089】
図13に、本変形例におけるサーバ装置5の機能的構成の一例を示す。
図13に示すように、サーバ装置5は、前述の実施形態の機能的構成に加えて、第2選択要求処理部55をさらに有する。第2選択要求処理部55は、条件判定処理部25により、余り数量の数字が複数の判定条件を満たすと判定された場合に、当該複数の判定条件の中から1つの判定条件を選択することをプレイヤに要求する。抽選条件変更処理部23は、プレイヤにより選択された判定条件に基づいてガチャの抽選条件を変更する。
【0090】
図14に、本変形例におけるガチャの変更画面の一例を示す。このガチャの変更画面は、前述の
図5に示すガチャの変更確認画面において、プレイヤにより「はい」ボタン41が操作された場合に表示される。
【0091】
図14に示す例は、余る仮想通貨が例えば7ジュエルの場合である。余り数量「7」は、例えばラッキーセブンに対応する数字「7」、奇数、及び素数に該当する。そこで
図14に示す例では、余り数量が満たす複数の判定条件による効果(ガチャの抽選条件の変更内容)がそれぞれメッセージ表示部57,59,61に表示される。各メッセージ表示部57,59,61には、ラインナップ表示ボタン47と、ガチャの抽選条件を選択するための選択ボタン63がそれぞれ表示されている。
【0092】
プレイヤは、ラインナップ表示ボタン47を操作することにより、各抽選条件において変更されたラインナップや当選確率等を確認することができる。プレイヤは、いずれかの選択ボタン63を操作した上で、「はい」ボタン51を操作することで、7ジュエルを消費して選択した抽選条件でガチャを変更することができる。
【0093】
本変形例によれば、プレイヤはガチャで所望の特典が得られるように抽選条件を選択することができるので、面白みが増し、プレイヤのガチャへの意欲をさらに向上できる。
【0094】
(5-2.その他)
上記実施形態では、ガチャの抽選条件を変更する際に、余り数量が2桁以上の数である場合には端数を消費することで、プレイヤ間に不公平が生じるのを抑制するようにしたが、これに限られない。例えば、ガチャの抽選条件を変更する際に、余り数量の全部を消費する場合には、消費した数量に応じてガチャの抽選条件を変更してもよい。
【0095】
例えば、余り数量が「7」、「17」、「107」であるような場合に、ラッキーセブン専用キャラクタをガチャのラインナップに加えると共に、数字が大きいほどラッキーセブン専用キャラクタの当選確率を上昇させてもよい。また、例えば余り数量が偶数や奇数である場合に、数字が大きいほど男性キャラクタ又は女性キャラクタの当選確率の上昇度合いを高めてもよい。また、例えば余り数量が素数である場合に、数字が大きいほどラインナップの専用キャラクタの数を増やしてもよい。
【0096】
また、プレイヤが余り数量を特定の数字(例えばバレンタインデーに対応する214等)にぴったりと一致するように調整するのは難しい場合がある。このため、例えば余り数量を特定の数字に調整可能な有償又は無償のアイテムを用意してもよい。プレイヤは、例えば当該アイテムを購入したり、所定のゲーム内行動の実行によって取得することで、余り数量を特定の数字に調整することができる。
【0097】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0098】
<6.サーバのハードウェア構成>
次に、
図15を用いて、上記で説明したCPU501が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現するサーバ装置5のハードウェア構成の一例について説明する。なお、端末装置3が同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0099】
図15に示すように、サーバ装置5は、例えば、CPU501と、ROM503と、RAM505と、GPU506と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路507と、入力装置513と、出力装置515と、記録装置517と、ドライブ519と、接続ポート521と、通信装置523を有する。これらの構成は、バス509や入出力インターフェース511等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0100】
ゲームプログラムは、例えば、ROM503やRAM505、ハードディスク等の記録装置517等に記録しておくことができる。
【0101】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体525に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体525は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体525に記録されたゲームプログラムは、ドライブ519により読み出されて、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0102】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置523がこのプログラムを受信する。そして、通信装置523が受信したプログラムは、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0103】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器527に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート521を介し転送され、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0104】
そして、CPU501が、上記記録装置517に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述のコンテンツ抽選実行処理部15、受付判定処理部17、数量判定処理部19、第1選択要求処理部21、抽選条件変更処理部23、条件判定処理部25等による処理が実現される。この際、CPU501は、例えば、上記記録装置517からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM505に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU501は、例えば、プログラムを通信装置523やドライブ519、接続ポート521を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置517に記録せずに直接実行してもよい。
【0105】
また、CPU501は、各端末装置3のタッチパネル7からネットワークNWを介して入力される信号に加えて、必要に応じて、例えばマウス、キーボード、マイク等の入力装置513から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0106】
GPU506は、CPU501からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0107】
そして、CPU501及びGPU506は、上記の処理を実行した結果を、ネットワークNWを介して各端末装置3のタッチパネル7に出力すると共に、必要に応じて、例えばスピーカーやヘッドフォン等の音声出力部(図示せず)を含む、出力装置515から出力する。さらにCPU501及びGPU506は、必要に応じてこの処理結果を通信装置523や接続ポート521を介し送信してもよく、上記記録装置517や記録媒体525に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0108】
3 端末装置(情報処理装置)
5 サーバ装置(情報処理装置)
15 コンテンツ抽選実行処理部
17 受付判定処理部
19 数量判定処理部
21 第1選択要求処理部
23 抽選条件変更処理部
25 条件判定処理部