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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】自動分析装置及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
G01N35/10 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020170689
(22)【出願日】2020-10-08
(65)【公開番号】P2022062577
(43)【公開日】2022-04-20
【審査請求日】2023-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118876
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 順生
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】藤原 貴文
(72)【発明者】
【氏名】吉村 高志
(72)【発明者】
【氏名】金原 健
(72)【発明者】
【氏名】川島 笙平
(72)【発明者】
【氏名】蔵野 智昭
(72)【発明者】
【氏名】大森 隆弘
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-020844(JP,A)
【文献】特開2008-058163(JP,A)
【文献】特開2002-048755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0105359(US,A1)
【文献】特開2013-213771(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0180931(US,A1)
【文献】特表2007-526479(JP,A)
【文献】特表2003-520121(JP,A)
【文献】特開2014-055807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0241028(US,A1)
【文献】特表2006-504532(JP,A)
【文献】特開2011-021993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00 - 1/44 、35/00 -37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体により所定の部材の洗浄を行う洗浄プールと、
前記液体を排出する排出口と、
前記洗浄プールと前記排出口とを接続する廃液管と、
前記廃液管に配置された弁と、
前記洗浄プールに前記廃液管を経由して洗浄液を導入するための導入機構と、を有する自動分析装置。
【請求項2】
前記導入機構は、
前記洗浄液を投入する投入口と、
前記投入口及び前記廃液管を接続する接続管と、を有する、請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記導入機構は、
前記洗浄液を投入する投入口と、
前記投入口及び前記弁を接続する接続管と、を有する、請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記導入機構は、
前記洗浄液を収容するタンクと、
前記タンク及び前記弁を接続する接続管と、を有する、請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記導入機構は、
前記洗浄液を収容した外部容器及び前記弁を接続可能な接続管を有する、請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記接続管には、前記洗浄液を前記弁へ送出するポンプが配置される、請求項3~5のいずれか一項に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記洗浄プールには、液面検知器が設けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載の自動分析装置。
【請求項8】
液体により所定の部材の洗浄を行う洗浄プールと、
前記液体を排出する排出口と、
前記洗浄プールと前記排出口とを接続する廃液管と、
前記廃液管に配置された弁と、
前記洗浄プールに前記廃液管を経由して洗浄液を導入するための導入機構と、を有する自動分析装置における洗浄プール及び廃液管の洗浄方法であって、
前記弁を作動させて、前記洗浄プールと前記排出口との間の流路を遮断する遮断工程と、
前記洗浄プールに前記廃液管を経由して前記洗浄液を導入する導入工程と、
前記弁を作動させて、前記洗浄プール及び前記廃液管から前記洗浄液を排出する排出工程と、を有する、洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、自動分析装置及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や尿などの検体試料の定性・定量分析を行う自動分析装置であって、分注プローブを洗浄するための洗浄プールを備えた自動分析装置が知られている。このような自動分析装置では、洗浄プール内に洗剤が長時間放置されると、洗剤中の水分が蒸発し、洗浄プールの内壁に結晶が析出することがある。この結晶が分注ノズルを洗浄する際に吸引されると分注ノズルの詰まりの原因となることから、定期的に洗浄プールを洗浄する技術が知られている。
【0003】
このような自動分析装置においては、洗浄プールから排出される液体が通る廃液管についても定期的に洗浄することが求められている。従来技術では、例えば、ユーザがシリンジを用いて、洗浄プールを介して廃液管に洗浄液を注入することにより、廃液管の洗浄が行われている。このような洗浄方法では、複数の洗浄プールに接続された各々の廃液管に対してユーザが洗浄液を注入する必要がある。したがって、廃液管の洗浄に手間がかかり、ユーザにとって負担となっている。また、廃液管が洗浄液で完全に満たされない場合もあり、十分な洗浄効果が得られない虞もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2014/175018号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、自動分析装置の廃液管の洗浄を簡単に行うことである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る自動分析装置は、洗浄プールと、排出口と、廃液管と、弁と、導入機構と、を有する。洗浄プールは、液体により所定の部材の洗浄を行う。排出口は、液体を排出する。廃液管は、洗浄プールと排出口とを接続する。弁は、廃液管に配置される。導入機構は、洗浄プールに廃液管を経由して洗浄液を導入する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る洗浄機構を備えた自動分析装置の一例を示す図。
図2図2は、第1実施形態に係る洗浄機構を示す図。
図3図3は、第1実施形態において洗浄プール及び廃液管に洗浄液を導入した状態で洗浄機構を示す図。
図4図4は、第1実施形態における洗浄プール及び廃液管の洗浄の手順を示すフローチャート。
図5図5は、自動分析装置の表示部における表示画面の一例を示す図。
図6図6は、表示部における表示画面の一例を示す図。
図7図7は、第2実施形態に係る洗浄機構を備えた自動分析装置の一例を示す図。
図8図8は、第2実施形態に係る洗浄機構を示す図。
図9図9は、第2実施形態において洗浄プール及び廃液管に洗浄液を導入した状態で洗浄機構を示す図。
図10図10は、第2実施形態における洗浄プール及び廃液管の洗浄の手順を示すフローチャート。
図11図11は、第3実施形態に係る洗浄機構を備えた自動分析装置の一例を示す図。
図12図12は、第3実施形態に係る洗浄機構を示す図。
図13図13は、第3実施形態において洗浄プール及び廃液管に洗浄液を導入した状態で洗浄機構を示す図。
図14図14は、第3実施形態における洗浄プール及び廃液管の洗浄の手順を示すフローチャート。
図15図15は、表示部における表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0009】
第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る洗浄機構50を備えた自動分析装置10の一例を示す図である。自動分析装置10は、制御部12と、表示部14と、入力部16と、分析部20と、を有している。
【0010】
分析部20は、ブランク測定によるブランクデータの生成や、各検査項目の標準試料と各検査項目の分析に用いる試薬との混合液を測定する標準測定による標準データの生成、被検試料と試薬との混合液を測定する被検測定による被検データの生成等を行う。分析部20は、サンプルディスク21と、試薬庫22と、試薬庫23と、反応ディスク24と、第1試薬分注機構25と、第2試薬分注機構26と、試料分注機構27と、第1撹拌機構28と、第2撹拌機構29と、を備える。
【0011】
サンプルディスク21は、複数の試料容器31を保持しており、この試料容器31には、標準試料、血清等の被検試料等が収容される。試薬庫22には、複数の試薬容器32を回動可能に保持する試薬ラック35を備えており、この試薬ラック35は、試薬容器32に収容された第1試薬を保冷しつつ保持する。すなわち、試薬容器32は、標準試料、被検試料等の各試料に含まれる検査項目の成分と反応する、例えば、1試薬系及び2試薬系の第1試薬を収容する。
【0012】
試薬庫23には、複数の試薬容器33を回動可能に保持する試薬ラック36を備えており、この試薬ラック36は、試薬容器33に収容された第2試薬を保冷しつつ保持する。すなわち、試薬容器33は、第1試薬と対をなす第2試薬を収容する。
【0013】
反応ディスク24は、複数の固定具を着脱可能に円周上に保持する。この固定具は、複数の反応容器を所定の間隔を開けて円弧状に保持する。すなわち、反応ディスク24は、複数の固定具を複数の反応容器の固定具として搭載し、複数の反応容器を移動可能に保持する。
【0014】
第1試薬分注機構25は、プローブと、アームと、洗浄プールと、を備える。プローブは、試薬ラック35に保持された試薬容器32内の第1試薬を吸引して、試料が吐出された反応容器内に吐出する分注を行う。アームは、プローブを回動及び上下移動可能に保持する。洗浄プールは、プローブから1つの試薬の分注が終了するごとに、このプローブの洗浄を行う。
【0015】
第2試薬分注機構26は、プローブと、アームと、洗浄プールと、を備える。プローブは、試薬ラック36に保持された試薬容器33内の第2試薬を吸引して、第1試薬が吐出された反応容器内に吐出する分注を行う。アームは、プローブを回動及び上下移動可能に保持する。洗浄プールは、プローブから1つの試薬の分注が終了するごとに、このプローブの洗浄を行う。
【0016】
試料分注機構27は、プローブと、アームと、洗浄プールと、を備える。プローブは、サンプルディスク21に保持された試料容器31に収容された試料を吸引して、反応容器内へ吐出する分注を行う。アームは、プローブを回動及び上下移動可能に保持する。洗浄プールは、プローブから1つの試料の分注が終了するごとに、このプローブの洗浄を行う。
【0017】
第1撹拌機構28は、撹拌子と、アームと、洗浄プールと、を備える。撹拌子は、反応容器に分注された試料と第1試薬との混合液を撹拌する。アームは、撹拌子を回動及び上下移動可能に保持する。洗浄プールは、混合液の撹拌終了ごとに、撹拌子の洗浄を行う。
【0018】
第2撹拌機構29は、撹拌子と、アームと、洗浄プールと、を備える。撹拌子は、反応容器に分注された試料と第1試薬と第2試薬との混合液を撹拌する。アームは、撹拌子を回動及び上下移動可能に保持する。洗浄プールは、混合液の撹拌終了ごとに、撹拌子の洗浄を行う。
【0019】
また、自動分析装置10は、さらに、反応容器洗浄機構38と、測定部39と、を備える。反応容器洗浄機構38は、被検測定の終了した反応容器の洗浄処理を行う。具体的には、反応容器洗浄機構38は、反応容器の洗浄を行い、次の被検測定のためのブランク測定用のブランク水を分注し、その後、乾燥を行う。
【0020】
測定部39は、水、混合液等の溶液を収容する反応容器に照射した光のうち、反応容器を透過した光を測定する。反応容器洗浄機構38は、測定部39で混合液の測定を終了した反応容器の内部を洗浄し、乾燥する洗浄処理を行う。また、反応容器洗浄機構38は、ブランク測定のために、洗浄を行った反応容器に純水等の液体であるブランク液を吐出する。
【0021】
また、測定部39は、ブランク液が分注された反応容器を透過した光を検出するブランク測定により、ブランクデータを生成する。また、測定部39は、標準試料及び試薬が分注された反応容器内の混合液を透過した光を検出する標準測定により、標準データを生成する。さらに、被検試料及び試薬が分注された反応容器内の混合液を透過した光を検出する被検測定により、被検データを生成する。
【0022】
制御部12は、分析部20の各種構成ユニットを制御する。例えば、制御部12は、検査を行うために、反応容器洗浄機構38で洗浄処理が行われた反応容器に、被検試料ごとに入力された検査項目を順次割り当てる。そして、検査項目を割り当てた反応容器に、その検査項目の分析パラメータとして設定される試料の分注量と試薬の分注量とを合計した合計量のブランク液を、反応容器洗浄機構38に吐出させる。続いて、ブランク液を吐出させた反応容器のブランク測定を測定部39に行わせて、ブランクデータを生成させる。
【0023】
また、本実施形態では、制御部12は、後述の洗浄機構50を構成する各装置も制御する。具体的には、制御部12は、洗浄機構50の弁52、ポンプ66及び液面検知器72と接続される。
【0024】
自動分析装置10は、さらに、表示部14及び入力部16を有する。表示部14は、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶パネル等のモニタを備え、検量データ、分析データ等を表示出力する。また、表示部は、分析パラメータ設定画面、検査項目設定画面、後述の洗浄プール42及び廃液管46の洗浄工程における各種情報等を表示する。
【0025】
入力部16は、使用者が指示、情報等を入力するための装置であり、例えば、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネル等の入力デバイスを備える。そして、各検査項目の分析パラメータとしての試料の分注量、第1試薬の分注量、第1試薬及び第2試薬の分注量等を設定するための入力を可能にする。また、検査が行われる各被検試料の情報、この情報ごとに検査対象となる検査項目等を設定するための入力等を行う。さらに、入力部16は、後述の洗浄プール42及び廃液管46の洗浄工程における各種指示の入力等も行うことができるように構成される。
【0026】
自動分析装置10は、分析部20における各種構成ユニットを駆動する駆動部を有してもよい。駆動部は、例えば、サンプルディスク21と、試薬ラック35と、試薬ラック36と、を個別に回動駆動して、試料容器31と、試薬容器32と、試薬容器33と、をそれぞれ移動する。また、駆動部は、反応ディスク24を回転駆動して、反応容器を移動する。さらに、駆動部は、上述したそれぞれのアームを個別に上下及び回動駆動し、上述したそれぞれプローブをそれぞれ移動する。
【0027】
また、自動分析装置10は、測定部39で生成されたブランクデータに基づいて、その反応容器が検査項目用として使用可能であるか否かを判定するデータ処理部を有してもよい。この場合、ブランクデータは、複数回収集されるので、この収集された複数のブランクデータに基づいて、反応容器が検査に使用可能な状態であるか否かを判定する。
【0028】
データ処理部で反応容器が使用可能であると判定された場合、制御部12は、その反応容器に割り当てた検査項目用の試料と試薬を分注させる。一方、データ処理部で反応容器が使用不可能であると判定された場合、制御部12は、その反応容器に割り当てた検査項目用の試料と試薬の分注を中止させる。この場合、さらに、データ処理部により使用不可能であると判定された反応容器の次に洗浄される反応容器に、中止になった検査項目を割り当てる。
【0029】
データ処理部は、演算部と、データ記憶部と、を備えてもよい。演算部は、分析部20の測定部39で生成された標準データや被検データを処理して、各検査項目の検量データ、分析データ等を生成する。データ記憶部は、収集した標準データ、被検データ等を格納して保持するとともに、演算部で生成された検量データ、分析データ等を保存する。
【0030】
図2及び図3を参照して、本実施形態の洗浄機構50について説明する。図2は、洗浄機構50を示す図であり、図3は、洗浄プール42及び廃液管46に洗浄液Lを導入した状態で洗浄機構50を示す図である。
【0031】
自動分析装置10は、複数の洗浄プール42を有している。洗浄プール42は、例えば上部が開放された容器であり、内部に貯留された水、洗浄液等の液体に上方から所定の部材を浸漬し、当該部材の洗浄を行うために用いられる。洗浄プール42は、例えば、第1試薬分注機構25の洗浄プール、第2試薬分注機構26の洗浄プール、試料分注機構27の洗浄プール、第1撹拌機構28の洗浄プール及び第2撹拌機構29の洗浄プールのいずれかとすることができる。
【0032】
各洗浄プール42には、廃液管46が接続されている。とりわけ、図示された例では、廃液管46は、洗浄プール42の底部に接続されている。廃液管46における洗浄プール42と反対側の端部には、排出口44が形成されている。したがって、廃液管46は、洗浄プール42と排出口44とを接続する。洗浄プール42の内部に貯留され所定の部材の洗浄に用いられた後の液体は、廃液管46を通って、自動分析装置10内に設けられた図示しない廃液タンク又は自動分析装置10の外部へ排出される。
【0033】
本実施形態では、各洗浄プール42に接続された複数の廃液管46が互いに接続されて、1つの排出口44に通じるように構成されている。図2及び図3では、8つの洗浄プール42が設けられている例について説明するが、洗浄プール42の数はこれに限られない。図示された例では、各洗浄プール42に接続された8本の廃液管46が2本ずつ互いに接続されて4本の廃液管46となり、さらにこれらの4本の廃液管46が互いに接続されて1本の廃液管46となっている。
【0034】
洗浄機構50は、洗浄プール42及び廃液管46の内部を洗浄するために用いられる機構である。洗浄機構50は、廃液管46に配置された弁52と、洗浄プール42に廃液管46を経由して洗浄液Lを導入するための導入機構54と、を有する。
【0035】
弁52は、廃液管46の中間部分に配置されている。とりわけ、弁52は、複数の廃液管46が互いに接続されて1本になる部分と排出口44との間に配置されている。この場合、1つの弁52を開閉することにより、この弁52と通じている全ての洗浄プール42及び廃液管46と排出口44との間の流路を開通及び遮断することができる。弁52としては、例えば電磁弁を用いることができる。弁52が電磁弁である場合、弁52の開閉は、制御部12により制御され得る。また、本実施形態では、弁52は二方弁である。
【0036】
導入機構54は、洗浄プール42に、廃液管46を経由して、洗浄プール42の内部及び廃液管46の内部を洗浄することが可能な洗浄液Lを導入するための機構である。とりわけ、導入機構54は、洗浄プール42とは異なる箇所から廃液管46内へ洗浄液Lを導入する。本実施形態では、導入機構54は、洗浄液Lを投入するための投入口56と、投入口56及び廃液管46を接続する接続管58と、を有している。接続管58は、廃液管46における洗浄プール42と弁52との間の部分に接続されている。すなわち、接続管58は、投入口56と、廃液管46における洗浄プール42と弁52との間の部分と、を接続する。
【0037】
本実施形態では、投入口56の上端は、洗浄プール42の上端よりも上方に位置している。この場合、投入口56に投入された洗浄液Lが投入口56の上端からあふれ出ることを抑制することができる。なお、これに限られず、投入口56の上端は、洗浄プール42の上端と同じ高さに位置してもよいし、洗浄プール42の上端よりも低い高さに位置してもよい。
【0038】
洗浄プール42には、液面検知器72が設けられている。液面検知器72は、洗浄プール42内に貯留された液体の液面を検知する装置である。液面検知器72は、例えばプローブを有し、このプローブに接触した液体の液面の位置を検出することができる検知器を用いることができる。液面検知器72による液面の位置に関する情報は、制御部12へ送られる。なお、液面検知器72は、液面を検知するための専用の検知器であってもよい。また、液面検知機能を有した試薬プローブやサンプルプローブ等を液面検知器72として利用してもよい。すなわち、液面検知機能を有した試薬プローブやサンプルプローブ等が液面検知器72を兼ねてもよい。
【0039】
図4図6を参照して、本実施形態の洗浄方法について説明する。図4は、本実施形態における洗浄プール42及び廃液管46の洗浄の手順を示すフローチャートであり、図5及び図6は、それぞれ表示部14における表示画面の一例を示す図である。
【0040】
まず、表示部14に、図5に示された画面を表示し、入力部16へのユーザからの入力を待つ。本実施形態では、入力部16が、表示部14の表示画面に重ねて配置されたタッチパネルである例を示している。図5に示された画面において、ユーザが「開始」をタッチすると、入力部16から制御部12へ洗浄プール42及び廃液管46の洗浄を開始する旨の信号が送られる。また、表示部14は、図6に示された画面を表示し、ユーザに対して、投入口56へ洗浄液Lを投入するよう指示する。
【0041】
遮断工程S1
弁52が開通し、洗浄プール42内及び廃液管46内の液体が排出されている状態において、弁52を閉鎖し、洗浄プール42と排出口44との間の流路を遮断する遮断工程S1を行う。弁52が電磁弁である場合、弁52は、制御部12からの信号を受けて閉鎖される。
【0042】
導入(洗浄液投入)工程S2
ユーザが投入口56に洗浄液Lを投入し、洗浄液Lを、廃液管46を経由して洗浄プール42に導入する導入工程S2を行う。投入口56に投入された洗浄液Lは、接続管58を介して洗浄プール42及び廃液管46内へ導入される(図3参照)。本実施形態では、洗浄液Lの液面が洗浄プール42内の所定の高さまで達するように洗浄液Lを投入する。これにより、廃液管46の内部とともに洗浄プール42の内部も洗浄することができる。このとき、洗浄液Lの液面が所定の高さまで達するような洗浄液Lの量を予め計測しておくことが好ましい。これにより、洗浄プール42に液面検知器72が備えられていない場合であっても、ユーザが適切な量の洗浄液Lの全量を投入口56に投入するだけで、洗浄プール42の上端から洗浄液Lが溢れ出ることなく、洗浄プール42及び廃液管46を洗浄液Lで満たすことができる。
【0043】
液面検知工程S3
洗浄プール42に液面検知器72が備えられている場合には、洗浄プール42内の液面の位置を検知する液面検知工程S3を行う。洗浄液Lの液面の所定の位置は、洗浄液Lが洗浄プール42の上端から溢れ出ることがない高さに設定され得る。また、投入口56が洗浄プール42よりも低い高さに位置する場合には、洗浄液Lの液面の所定の位置は、洗浄液Lが投入口56から溢れ出ることがない高さに設定されることが好ましい。液面検知器72において、洗浄液Lの液面が所定の位置に到達したことを検知した場合には、液面検知器72から制御部12へ検知信号が送られる。液面検知器72において洗浄液Lの液面が所定の位置に到達したことを検知した後も投入口56に洗浄液Lが投入され続けると、洗浄液Lが洗浄プール42の上端から溢れ出ることがある。そのため、制御部12は、液面検知器72から検知信号を受け取ると、弁52を開ける弁開通工程S3aを行う。これにより、洗浄プール42及び廃液管46内の洗浄液Lが弁52を介して排出口44から排出され、洗浄液Lの液面が下がる。
【0044】
弁閉鎖確認工程S4
液面検知器72において洗浄液Lの液面が所定の位置に到達したことを検知しない間、及び、液面検知器72において洗浄液Lの液面が所定の位置に到達したことを検知した後に再び洗浄液Lの液面が所定の位置に到達したことを検知しなくなった場合には、弁52が閉じているかを確認する弁閉鎖確認工程S4を行う。弁閉鎖確認工程S4は、制御部12において弁52から受け取る信号を確認することにより行われる。弁閉鎖確認工程S4において、弁52が閉じていない(弁52が開いている)と判断された場合には、弁52を閉じる弁閉鎖工程S4aを行う。また、弁閉鎖確認工程S4において、弁52が閉じていると判断された場合には、弁閉鎖工程S4aは行わない。
【0045】
入力受付工程S5
表示部14は、図6に示された画面を表示したまま、投入口56への洗浄液Lの投入が完了した旨の入力を受付ける入力受付工程S5を行う。投入口56への洗浄液Lの投入の完了後、ユーザは図6に示された画面において「完了」をタッチする。これにより、投入口56への洗浄液Lの投入が完了した旨の信号が、入力部16から制御部12へ送られる。制御部12は、投入口56への洗浄液Lの投入が完了した旨の信号を受け取ってからの経過時間をカウントする。
【0046】
経過時間計測工程S6
制御部12は、経過時間が予め設定された所定時間以上であるかを判断する経過時間計測工程S6を行う。経過時間が予め設定された所定時間よりも短いと判断された場合には、経過時間計測工程S6を繰り返し行う。経過時間計測工程S6は、一定時間ごと(例えば1秒ごと)に繰り返される。経過時間が予め設定された所定時間以上であると判断された場合には、排出工程S7を行う。なお、上述の所定時間は、洗浄液Lにより洗浄プール42及び廃液管46内の洗浄が十分に行われる時間に設定される。また、所定時間は、制御部12に記憶されている既定の時間であってもよいし、図5又は図6に示された画面において、ユーザが入力した時間であってもよい。
【0047】
排出工程S7
弁52を開通し、洗浄プール42及び廃液管46から洗浄液Lを排出する排出工程S7を行う。これにより、洗浄プール42及び廃液管46内を洗浄した後の洗浄液Lが排出口44を介して廃液管46から排出される。
【0048】
すすぎ液導入工程S8
次に、洗浄プール42及び廃液管46に残留した洗浄液Lを洗い流すために、すすぎ液導入工程S8を行う。すすぎ液としては、例えば水が用いられる。すすぎ液導入工程S8は、例えば洗浄プール42から洗浄プール42及び廃液管46にすすぎ液を導入することにより行われる。本実施形態では、洗浄プール42及び廃液管46内にすすぎ液を流したまま、洗浄プール42及び廃液管46のすすぎを行う。
【0049】
経過時間計測工程S9
制御部12は、経過時間が予め設定された所定時間以上であるかを判断する経過時間計測工程S9を行う。経過時間計測工程S9は、上述の経過時間計測工程S6と同様に行われ得る。
【0050】
すすぎ液導入停止工程S10
経過時間が予め設定された所定時間以上であると判断された場合には、すすぎ液の導入を停止する、すすぎ液導入停止工程S10を行う。これにより洗浄プール42及び廃液管46の洗浄が完了する。
【0051】
なお、洗浄プール42及び廃液管46のすすぎを行う際には、弁52を閉鎖して洗浄プール42及び廃液管46内にすすぎ液を溜め、所定時間経過後に弁52を開通して、洗浄プール42及び廃液管46からすすぎ液を排出する溜め洗いを行うようにしてもよい。また、溜め洗いを複数回繰り返すようにしてもよい。
【0052】
上述した実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を適宜参照しながら、他の実施形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
【0053】
第2実施形態
図7は、第2実施形態に係る洗浄機構50を備えた自動分析装置10の一例を示す図であり、図8は、洗浄機構50を示す図であり、図9は、洗浄プール42及び廃液管46に洗浄液Lを導入した状態で洗浄機構50を示す図である。
【0054】
洗浄機構50は、廃液管46に配置された弁52と、洗浄プール42に廃液管46を経由して洗浄液Lを導入するための導入機構54と、を有する。本実施形態では、導入機構54は、タンク62と接続管64とを有している。タンク62は、洗浄液Lを収容する容器であり、自動分析装置10に設置されている。タンク62は、洗浄プール42及び廃液管46の洗浄を複数回行うことができる量の洗浄液Lを収容できる容量を有していることが好ましい。接続管64は、タンク62と弁52とを接続している。本実施形態では、弁52は三方弁であり、洗浄プール42と排出口44との間の流路が連通するとともに洗浄プール42と接続管64との間の流路が遮断される状態と、洗浄プール42と接続管64との間の流路が連通するとともに洗浄プール42と排出口44との間の流路が遮断される状態と、を切替えられるようになっている。また。本実施形態では、導入機構54は、接続管64に配置されたポンプ66をさらに有している。ポンプ66は、制御部12により制御されて、タンク62に収容された洗浄液Lを弁52へ向けて送出する。
【0055】
次に、本実施形態の洗浄方法について説明する。図10は、本実施形態における洗浄プール42及び廃液管46の洗浄の手順を示すフローチャートである。
【0056】
まず、表示部14に、図5に示された画面を表示し、入力部16へのユーザからの入力を待つ。図5に示された画面において、ユーザが「開始」をタッチすると、入力部16から制御部12へ洗浄プール42及び廃液管46の洗浄を開始する旨の信号が送られる。
【0057】
流路切替え工程S11
弁52を作動させて、洗浄プール42と接続管64との間の流路が連通するとともに洗浄プール42と排出口44との間の流路が遮断されるように、流路を切替える流路切替え工程S11を行う。なお、流路切替え工程S11は、洗浄プール42と排出口44との間の流路を遮断する「遮断工程」とも呼べる。
【0058】
導入工程S12
タンク62に収容された洗浄液Lを、廃液管46を経由して洗浄プール42に導入する導入工程S12を行う。導入工程S12では、制御部12からの信号を受けてポンプ66が作動する。これにより、タンク62に収容された洗浄液Lが、洗浄プール42及び廃液管46内へ向けて送出される(図9参照)。本実施形態では、洗浄液Lの液面が洗浄プール42内の所定の高さまで達するように洗浄液Lを導入する。これにより、廃液管46の内部とともに洗浄プール42の内部も洗浄することができる。
【0059】
液面検知工程S13
洗浄プール42内の液面の位置を検知する液面検知工程S13を行う。洗浄液Lの液面の所定の位置は、洗浄液Lが洗浄プール42の上端から溢れ出ることがない高さに設定され得る。液面検知器72において、洗浄液Lの液面が所定の位置に到達したことを検知した場合には、液面検知器72から制御部12へ検知信号が送られる。
導入停止工程S14
制御部12は、液面検知器72から検知信号を受け取ると、ポンプ66の作動を停止する導入停止工程S14を行う。
【0060】
経過時間計測工程S15~すすぎ液導入停止工程S19
ポンプ66の作動の停止後、経過時間計測工程S15、排出工程S16、すすぎ液導入工程S17、経過時間計測工程S18及びすすぎ液導入停止工程S19を順に行う。これらの工程は、第1実施形態における経過時間計測工程S6、排出工程S7、すすぎ液導入工程S8、経過時間計測工程S9及びすすぎ液導入停止工程S10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0061】
なお、導入工程S12において、タンク62内に収容された洗浄液Lの残量が少なくなった場合には、ユーザに対して報知するようにしてもよい。報知は、例えば、タンク62内の洗浄液Lの残量が少なくなった旨を表示部14に表示することにより行うことができる。タンク62内の洗浄液Lの残量は、液面検知器や重量計により測定することが可能である。例えば、タンク62内の洗浄液Lの残量が、洗浄プール42及び廃液管46の洗浄を1回行うことができる洗浄液Lの量よりも少なくなった場合に、報知を行うようにしてもよい。
【0062】
第3実施形態
図11は、第3実施形態に係る洗浄機構50を備えた自動分析装置10の一例を示す図であり、図12は、洗浄機構50を示す図であり、図13は、洗浄プール42及び廃液管46に洗浄液Lを導入した状態で洗浄機構50を示す図である。
【0063】
洗浄機構50は、廃液管46に配置された弁52と、洗浄プール42に廃液管46を経由して洗浄液Lを導入するための導入機構54と、を有する。本実施形態では、導入機構54は、洗浄液Lを収容した外部容器C及び弁52を接続可能な接続管68を有している。本実施形態では、弁52は三方弁であり、洗浄プール42と排出口44との間が連通するとともに洗浄プール42と接続管68との間が遮断される状態と、洗浄プール42と接続管68との間が連通するとともに洗浄プール42と排出口44との間が遮断される状態と、を切替えられるようになっている。
【0064】
外部容器Cは、洗浄液Lを収容する容器である。外部容器Cは移動可能であり、洗浄プール42及び廃液管46の洗浄を行う際に接続管68に接続され、洗浄プール42及び廃液管46の洗浄の終了後に接続管68から取り外されることが意図されている。外部容器Cは、洗浄プール42及び廃液管46の洗浄を1回行うことができる量の洗浄液Lを収容できる容量を有していてもよいし、洗浄プール42及び廃液管46の洗浄を複数回行うことができる量の洗浄液Lを収容できる容量を有していてもよい。外部容器Cが、1回分の洗浄液Lを収容している場合、洗浄プール42に液面検知器72が備えられていない場合であっても、外部容器C内の洗浄液Lの全量を洗浄プール42及び廃液管46内へ導入するだけで、洗浄プール42の上端から洗浄液Lが溢れ出ることなく、洗浄プール42及び廃液管46を洗浄液Lで満たすことができる。
【0065】
次に、本実施形態の洗浄方法について説明する。図14は、本実施形態における洗浄プール42及び廃液管46の洗浄の手順を示すフローチャートであり、図15は、表示部14における表示画面の一例を示す図である。
【0066】
まず、表示部14に、図5に示された画面を表示し、入力部16へのユーザからの入力を待つ。図5に示された画面において、ユーザが「開始」をタッチすると、入力部16から制御部12へ洗浄プール42及び廃液管46の洗浄を開始する旨の信号が送られる。また、表示部14は、図15に示された画面を表示し、ユーザに対して、洗浄液Lが収容された外部容器Cを接続管68に取付けるよう指示する。
【0067】
流路切替え工程S21
第2実施形態の流路切替え工程S11と同様に流路切替え(遮断)工程S21を行う。
【0068】
外部容器取付け工程S22
次に、洗浄液Lが収容された外部容器Cを接続管68に取付ける外部容器取付け工程S22を行う。外部容器取付け工程S22は、例えば、ユーザが接続管68を外部容器C内に挿入し、接続管68における弁52と反対側の先端が洗浄液L内に浸漬されるようにして行われる。外部容器Cの取付けが完了したら、ユーザは、図15に示された画面において「完了」をタッチする。このとき、これにより、外部容器Cの取付けが完了した旨の信号が、入力部16から制御部12へ送られる。
【0069】
導入工程S23
外部容器Cに収容された洗浄液Lを洗浄プール42及び廃液管46内へ導入する導入工程S23を行う。導入工程S23では、制御部12からの信号を受けてポンプ66が作動する。これにより、外部容器Cに収容された洗浄液Lが、洗浄プール42及び廃液管46内へ向けて送出される(図13参照)。本実施形態では、洗浄液Lの液面が洗浄プール42内の所定の高さまで達するように洗浄液Lを導入する。これにより、廃液管46の内部とともに洗浄プール42の内部も洗浄することができる。
【0070】
液面検知工程S24~すすぎ液導入停止工程S30
導入工程S23の後、液面検知工程S24、導入停止工程S25、経過時間計測工程S26、排出工程S27、すすぎ液導入工程S28、経過時間計測工程S29及びすすぎ液導入停止工程S30を順に行う。これらの工程は、第2実施形態における液面検知工程S13、導入停止工程S14、経過時間計測工程S15、排出工程S16、すすぎ液導入工程S17、経過時間計測工程S18及びすすぎ液導入停止工程S19と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0071】
なお、液面検知工程S24において、所定時間内に洗浄液Lの液面が検知されない場合には、ユーザに対して報知するようにしてもよい。報知は、例えば、タイムオーバーである旨を表示部14に表示することにより行うことができる。所定時間内に洗浄液Lの液面が検知されない場合は、外部容器Cに収容された洗浄液Lが不足していることが考えられる。
【0072】
また、外部容器Cが1回分の洗浄液Lを収容している場合、液面検知器72の設置を省略してもよい。また、液面検知工程S24及び導入停止工程S25を省略し、導入工程S23が完了した時点で、経過時間計測工程S26における経過時間のカウントを開始するようにしてもよい。
【0073】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、自動分析装置10が、廃液管46に配置された弁52を有していることにより、洗浄プール42と排出口44との間を開通させた状態と遮断させた状態とを切替えることができる。これにより、弁52を作動させて洗浄プール42と排出口44との間の流路を遮断し、洗浄プール42及び廃液管46内に洗浄液Lを所定時間保持させることができる。すなわち、洗浄液Lを用いて洗浄プール42及び廃液管46内の溜め洗いを行うことが可能になる。また、弁52を作動させて洗浄プール42と排出口44との間の流路を開通するだけで、洗浄プール42及び廃液管46内の洗浄液Lを、排出口44を介して排出することができる。すなわち、従来技術のように、複数の洗浄プール及び各洗浄プールに接続された廃液管に対してユーザが洗浄液を注入する必要がなくなり、洗浄プール42及び廃液管46の洗浄を簡単に行うことができる。
【0074】
なお、第1実施形態において、弁52を第2実施形態及び第3実施形態と同様の三方弁とし、接続管58を弁52に接続するようにしてもよい。すなわち、導入機構54は、洗浄液Lを投入する投入口56と、投入口56及び弁52を接続する接続管58と、を有するようにしてもよい。この場合、接続管58に、洗浄液Lを弁52へ送出するポンプ66を設けるようにしてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態及び変形例同士の組み合わせを行うことができる。これらの実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0076】
10 自動分析装置
12 制御部
14 表示部
16 入力部
20 分析部
21 サンプルディスク
22 試薬庫
23 試薬庫
24 反応ディスク
25 第1試薬分注機構
26 第2試薬分注機構
27 試料分注機構
28 第1撹拌機構
29 第2撹拌機構
31 試料容器
32 試薬容器
33 試薬容器
38 反応容器洗浄機構
39 測定部
42 洗浄プール
44 排出口
46 廃液管
50 洗浄機構
52 弁
54 導入機構
56 投入口
58 接続管
62 タンク
64 接続管
66 ポンプ
68 接続管
72 液面検知器
C 外部容器
L 洗浄液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15