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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20240408BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20240408BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R12/71
H01R13/639 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020171688
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2022063421
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】田中 幸貴
(72)【発明者】
【氏名】須田 雄貴
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-129459(JP,A)
【文献】特開2007-134237(JP,A)
【文献】特表平10-507299(JP,A)
【文献】特開2016-012567(JP,A)
【文献】特開2007-299683(JP,A)
【文献】特開2010-218925(JP,A)
【文献】米国特許第10601181(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2020/0266584(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110729594(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 13/40-13/533
H01R 13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に沿って相手側コネクタと嵌合するコネクタであって、
前記コネクタは、前記上下方向において基板上に実装されるものであり、
前記相手側コネクタは、複数の相手側接触部と二つの突出ブロックとを備えており、
前記突出ブロックは、前記上下方向に沿って突出しており、
前記突出ブロックは、前記上下方向と直交するピッチ方向において互いに離れて位置しており、
前記突出ブロックの夫々には、相手側ロック部が設けられており、
前記コネクタは、複数の端子と、ハウジングと、二つのガイド部材と、二つのロック部とを備えており、
前記端子は、前記相手側接触部と夫々対応しており、
前記端子の夫々は、前記コネクタと前記相手側コネクタとが嵌合した嵌合状態において対応する前記相手側接触部と接触する接触部を有しており、
前記ハウジングは、前記端子を保持しており、
前記端子は、前記ピッチ方向に並んでおり、
前記ハウジングは、前記ピッチ方向において両端に端面を有しており、
前記端面は、前記突出ブロックと夫々対応しており、
前記ロック部は、前記相手側ロック部と共に嵌合状態をロックするものであり、
前記ガイド部材は、互いに別体であり、
前記ガイド部材の夫々は、側部と、前記側部を支持する二つの支持部とを有しており、
前記ガイド部材は、前記端面に夫々対応しており、それによって、前記側部及び前記支持部は前記端面の一方に対応しており、
前記側部は、前記ピッチ方向において対応する前記端面から離れて位置しており、
前記側部と、前記支持部と、対応する前記端面とは、受容部を構成しており、
前記受容部は、前記コネクタと前記相手側コネクタとが嵌合する際に、前記受容部を構成する前記端面に対応する前記突出ブロックをガイドして受容する
コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって、
前記ロック部は、前記ガイド部材と夫々対応しており、
前記ロック部は、対応する前記ガイド部材の前記側部に設けられている
コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコネクタであって、
前記コネクタが前記基板上に実装されたとき、前記側部と前記支持部とは、前記基板から離れて位置している
コネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタであって、
前記ガイド部材の夫々は、前記基板に固定される少なくとも一つの脚部を更に有しており、
前記少なくとも一つの脚部は、前記支持部の少なくとも一方から下方へ延びており、
前記少なくとも一つの脚部は、前記ピッチ方向において、前記ハウジングの前記端面より少なくとも部分的に内側に位置しており、
前記ピッチ方向において前記ハウジングの前記端面の夫々の外側であり、かつ前記上下方向において前記側部と前記支持部との下側には、前記受容部と通じる下部空間が形成されており、
前記下部空間には、前記脚部を除き、前記ガイド部材は位置していない
コネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載のコネクタであって、
前記ロック部は、前記上下方向において所定範囲に亘っており、
前記端子の前記接触部は、前記上下方向において前記所定範囲内に位置している
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に実装されるコネクタに関し、特に、相手側コネクタをガイドするガイド部材を備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板に実装されるコネクタであって、ガイド部材を有するコネクタの一例を開示している。図17から理解されるように、特許文献1のコネクタ90は、上下方向において、基板(図示せず)上に搭載され、相手側コネクタ95と嵌合及び分離可能である。
【0003】
図17に示されるように、相手側コネクタ95は、端子板951と隣接壁953とを有している。端子板951と隣接壁953は、上下方向において、夫々下方へ突出している。端子板951には複数の相手側コンタクト(図示せず)が設けられている。隣接壁953は、上下方向と直交する方向において、端子板951から離れて、端子板951の近くに位置している。
【0004】
図17に示されるように、コネクタ90は、絶縁本体(ハウジング)92と、金属ハウジング(ガイド部材)94とを有している。絶縁本体92は、相手側コネクタ95の端子板951を収容する収容空間921を規定している。収容空間921は上方へ開いている。絶縁本体92は、複数のコンタクト923を保持している。コンタクト923は、収容空間921内に部分的に露出している。金属ハウジング94は、上下方向と直交する面内において、絶縁本体92の周囲を囲っている。金属ハウジング94は、絶縁本体92の一側面とともに相手側コネクタ95の隣接壁953を受容する隣接溝941を規定している。金属ハウジング94には、コネクタ90を基板(図示せず)に搭載する際に基板に固定される複数の脚部943が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第10601181号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のコネクタ90において、金属ハウジング94は、特定の形状およびサイズを有する絶縁本体(ハウジング)92専用に設計されている。そのため、金属ハウジング94は、絶縁本体92とは形状やサイズの異なるハウジングと組み合わせることができない。例えば、金属ハウジング94は、絶縁本体92が備えるコンタクト923の数とは異なる数のコンタクトを備えるハウジングと組み合わせることができない。換言すると、特許文献1のコネクタ90の構造は、複数種類のコネクタにおける部品の共通化の妨げとなる。
【0007】
そこで、本発明は、部品の共通化に適した構造を持つコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のコネクタとして、上下方向に沿って相手側コネクタと嵌合するコネクタであって、
前記コネクタは、前記上下方向において基板上に実装されるものであり、
前記相手側コネクタは、複数の相手側接触部と二つの突出ブロックとを備えており、
前記突出ブロックは、前記上下方向に沿って突出しており、
前記突出ブロックは、前記上下方向と直交するピッチ方向において互いに離れて位置しており、
前記突出ブロックの夫々には、相手側ロック部が設けられており、
前記コネクタは、複数の端子と、ハウジングと、二つのガイド部材と、二つのロック部とを備えており、
前記端子は、前記相手側接触部と夫々対応しており、
前記端子の夫々は、前記コネクタと前記相手側コネクタとが嵌合した嵌合状態において対応する前記相手側接触部と接触する接触部を有しており、
前記ハウジングは、前記端子を保持しており、
前記端子は、前記ピッチ方向に並んでおり、
前記ハウジングは、前記ピッチ方向において両端に端面を有しており、
前記端面は、前記突出ブロックと夫々対応しており、
前記ロック部は、前記相手側ロック部と共に嵌合状態をロックするものであり、
前記ガイド部材は、互いに別体であり、
前記ガイド部材の夫々は、側部と、前記側部を支持する二つの支持部とを有しており、
前記ガイド部材は、前記端面に夫々対応しており、それによって、前記側部及び前記支持部は前記端面の一方に対応しており、
前記側部は、前記ピッチ方向において対応する前記端面から離れて位置しており、
前記側部と、前記支持部と、対応する前記端面とは、受容部を構成しており、
前記受容部は、前記コネクタと前記相手側コネクタとが嵌合する際に、前記受容部を構成する前記端面に対応する前記突出ブロックをガイドして受容する
コネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記ロック部は、前記ガイド部材と夫々対応しており、
前記ロック部は、対応する前記ガイド部材の前記側部に設けられている
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
前記コネクタが前記基板上に実装されたとき、前記側部と前記支持部とは、前記基板から離れて位置している
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第3のコネクタであって、
前記ガイド部材の夫々は、前記基板に固定される少なくとも一つの脚部を更に有しており、
前記少なくとも一つの脚部は、前記支持部の少なくとも一方から下方へ延びており、
前記少なくとも一つの脚部は、前記ピッチ方向において、前記ハウジングの前記端面より少なくとも部分的に内側に位置しており、
前記ピッチ方向において前記ハウジングの前記端面の夫々の外側であり、かつ前記上下方向において前記側部と前記支持部との下側には、前記受容部と通じる下部空間が形成されており、
前記下部空間には、前記脚部を除き、前記ガイド部材は位置していない
コネクタを提供する。
【0012】
さらに、本発明は、第5のコネクタとして、第1から第4のコネクタのいずれかであって、
前記ロック部は、前記上下方向において所定範囲に亘っており、
前記端子の前記接触部は、前記上下方向において前記所定範囲内に位置している
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコネクタは、ハウジングと二つのガイド部材とを備えている。ガイド部材は、互いに別体であり、ハウジングの両端の端面に夫々対応している。ガイド部材の夫々は、側部と二つの支持部とを有している。側部と二つの支持部は、対応する端面と共に受容部を構成する。受容部は、相手側コネクタの突出ブロックをガイドし受容する。ガイド部材はハウジングの両端の端面に対応して配置されるので、ハウジングの形状及びサイズの制限を受けることなく、ハウジングに取り付けることができる。換言すると、ガイド部材は、様々な形状およびサイズのハウジングに取り付け可能である。このように、本発明は、部品の共通化に適した構造を持つコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施の形態によるコネクタを含むコネクタ組立体を示す斜視図である。コネクタと相手側コネクタとは、互いに分離している。
図2図1のコネクタ組立体を示す別の斜視図である。コネクタと相手側コネクタとは、互いに嵌合している。
図3図1のコネクタ組立体を示す正面図である。
図4図2のコネクタ組立体を示す正面図である。
図5図1のコネクタ組立体に含まれる相手側コネクタを示す下面斜視図である。
図6図5の相手側コネクタを示す下面図である。
図7図1のコネクタ組立体に含まれるコネクタを示す上面図である。
図8図7のコネクタを示す側面図である。
図9図7のコネクタを示す分解斜視図である。
図10図9のコネクタに含まれるガイド部材の一つを示す正面図である。
図11図10のガイド部材を示す上面図である。
図12図10のガイド部材を示す側面図である。
図13】本発明の第2の実施の形態によるコネクタを示す斜視図である。
図14図13のコネクタを示す正面図である。
図15図13のコネクタを示す側面図である。
図16図13のコネクタを示す分解斜視図である。
図17】特許文献1に記載されたコネクタ組立体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
図1から図4までの図から理解されるように、本発明の第1の実施の形態によるコネクタ10は、上下方向に沿って相手側コネクタ50と嵌合及び分離可能なコネクタである。本実施の形態において、コネクタ10は、レセプタクルコネクタであり、相手側コネクタ50は、プラグコネクタである。コネクタ10は、使用時に上下方向において基板80の一面上に実装される。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。+Z方向が上方であり、-Z方向が下方である。
【0016】
図1図5及び図6に示されるように、本実施の形態において、相手側コネクタ50は、フレキシブルフラットケーブル70の一端に接続されたアングルタイプのコネクタである。ただし、本発明はこれに限られない。相手側コネクタ50は、ストレートタイプのコネクタであってもよい。また、相手側コネクタ50は、多芯ケーブルに接続されてもよいし、相手側基板に実装されていてもよい。
【0017】
図3及び図5に示されるように、相手側コネクタ50は、ハウジング本体52と、舌状部54と、二つの突出ブロック56と、二つのロックバネ58とを備えている。
【0018】
図1図3及び図6から理解されるように、ハウジング本体52は、絶縁樹脂からなり、ピッチ方向に長い略直方体の形状を有している。ハウジング本体52は、そのピッチ方向における両端に、ロックバネ保持部521を有している。本実施の形態において、ピッチ方向はX方向である。
【0019】
図3及び図5に示されるように、舌状部54は、ピッチ方向に延びており、かつハウジング本体52の下面523から下方へ突出している。図6に示されるように、舌状部54の前面541及び後面543には、それぞれピッチ方向に沿って配列された複数の相手側接触部545が形成されている。詳しくは、相手側接触部545は、絶縁基板上に形成された導体パッドである。ただし、本発明はこれに限られない。相手側コネクタ50は、舌状部54に代えて複数の金属端子を備えていてもよい。いずれにせよ、相手側コネクタ50は、複数の相手側接触部545を備えている。
【0020】
図3図5及び図6に示されるように、突出ブロック56は、ピッチ方向において互いに離れて位置している。突出ブロック56は、ハウジング本体52のロックバネ保持部521に夫々対応している。突出ブロック56の夫々は、対応するロックバネ保持部521から上下方向に沿って突出している。本実施の形態において、突出ブロック56は、対応するロックバネ保持部521から下方へ突出している。突出ブロック56の夫々と対応するロックバネ保持部521とは、ピッチ方向外側及び上方へ開いたロックバネ収容部561を規定している。
【0021】
図1及び図5に示されるように、ロックバネ58は、ロックバネ収容部561に部分的に夫々収容される。本実施の形態において、ロックバネ58の夫々は金属板からなり、一対の爪581、支持部583及び操作部585を有している。支持部583は、爪581を支持しており、少なくとも部分的に弾性変形可能である。爪581の夫々は、ピッチ方向において外側へ突出している。操作部585は、支持部583の一端に設けられている。操作部585を操作することにより、支持部583を弾性変形させることができる。支持部583の弾性変形により、爪581は、少なくともピッチ方向において移動可能である。初期状態において、爪581の先端はロックバネ収容部561の外側に位置している。ロックバネ58の夫々の爪581は、相手側ロック部60として機能する。このように、突出ブロック56の夫々には、相手側ロック部60が設けられている。
【0022】
図1図7及び図8を参照すると、コネクタ10は、複数の端子12と、ハウジング14と、二つのガイド部材16と、二つのロック部18とを備えている。
【0023】
図7に示されるように、複数の端子12は、ピッチ方向に並んでいる。本実施の形態において、端子12は、ピッチ方向に沿って二列に並べられている。ただし、本発明はこれに限られない。端子12は、相手側接触部545と夫々対応しており、端子12の配列は、相手側接触部545の配列に依存する。例えば、端子12は、相手側接触部545の配列に応じて、ピッチ方向に一列に並べられていてもよい。
【0024】
図1及び図7に示されるように、端子12の夫々は、コネクタ10と相手側コネクタ50とが嵌合した嵌合状態において、相手側接触部545(図3又は図5参照)と接触する接触部121を有している。本実施の形態において、端子12の夫々は、金属製のバネコンタクトである。ただし、本発明はこれに限られない。相手側接触部545が金属製のバネコンタクトである場合は、端子12は絶縁基板上に形成された導体パッドであってもよい。
【0025】
図7から理解されるように、ハウジング14は、端子12を保持している。ハウジング14は、ピッチ方向に長い略直方体の形状を有し、上方に開いた収容空間141を規定している。端子12の夫々は、部分的に収容空間141に露出している。詳しくは、少なくとも接触部121は、収容空間141内に露出している。
【0026】
図7及び図9に示されるように、ハウジング14は、ピッチ方向において両端に端面143を有している。ハウジング14の端面143は、相手側コネクタ50の突出ブロック56(図3参照)と夫々対応している。本実施の形態において、端面143の夫々は、ピッチ方向において外側へ向かう面である。
【0027】
図9に示されるように、ハウジング14には、ガイド部材16を取り付けるための複数のスリット145とそれらに続く複数の孔(図示せず)が形成されている。本実施の形態において、スリット145は上方へ開くとともに、ピッチ方向において外側へ開いている。ただし、本発明はこれに限られない。スリット145は、ガイド部材16の形状に応じて上方へのみ開いていてもよいし、ピッチ方向外側へのみ開いていてもよい。
【0028】
図9から理解されるように、二つのガイド部材16は、互いに別体である。本実施の形態において、ガイド部材16は、互いに対称の形状を有している。ただし、本発明はこれに限られない。ガイド部材16は、相手側コネクタ50の突出ブロック56に対応していれば、互いに同一の形状を有していてもよいし、互いに異なる形状を有していてもよい。
【0029】
図9から図12に示されるように、本実施の形態において、ガイド部材16の夫々は、金属板からなり、側部161と、側部161を支持する二つの支持部163,165とを有している。側部161は、ピッチ方向と直交する平板である。支持部163,165の夫々は、前後方向における側部161の縁からピッチ方向内側へ延びている平板である。本実施の形態において、前後方向はY方向である。-Y方向が前方であり、+Y方向が後方である。
【0030】
図10から図12に示されるように、支持部163,165は、ピッチ方向において互いに異なる長さを有している。また、支持部163,165の夫々には、下方へ延びる脚部167が設けられている。ただし、本発明はこれに限られない。支持部163,165は、ピッチ方向において互いに等しい長さを有していてもよい。また、支持部163,165の夫々には、脚部167は設けなくてもよい。しかしながら、少なくとも一つの脚部167を支持部163,165の一方又は両方に設けることで、その脚部167を用いてガイド部材16を直接基板80に固定することができる。
【0031】
図7及び図9から理解されるように、ガイド部材16は、ハウジング14の端面143に夫々対応しており、それによって、夫々のガイド部材16の側部161と支持部163,165とは、ハウジング14の端面143の一方に対応している。ガイド部材16は、ハウジング14のピッチ方向における両端部に取り付けられる。詳しくは、ハウジング14のスリット145に支持部163,165が部分的に圧入される。図3及び図8から理解されるように、このとき、支持部163に設けられた脚部167は、ハウジング14に形成された孔(図示せず)に挿入され、ハウジング14の下面147から部分的に下方へ突出する。
【0032】
図7に示されるように、ガイド部材16がハウジング14に取り付けられた状態において、ガイド部材16は、ピッチ方向においてハウジング14の両端から外側へ張り出している。換言すると、夫々のガイド部材16の側部161は、ピッチ方向において対応する端面143から離れて位置している。そして、側部161と、支持部163,165と、対応する端面143とは、受容部169を構成する。受容部169は、コネクタ10と相手側コネクタ50とが嵌合する際に、その受容部169を構成する端面143に対応する突出ブロック56をガイドして受容する。
【0033】
図1に示されるように、本実施の形態においてロック部18は、ガイド部材16に夫々対応している。換言すると、ロック部18はガイド部材16に夫々設けられている。図12に示されるように、ロック部18は、ガイド部材16の側部161に設けられた二つの長孔181である。ただし、本発明はこれに限られない。ロック部18は、ガイド部材16に設けられた一つの孔であってもよい。または、ロック部18は、ハウジング14に設けられた一つ又は複数の孔又は凹部であってもよい。あるいは、ロック部18が少なくとも一つの突起又は爪であり、相手側ロック部60が突起又は爪と係り合う少なくとも一つの孔又は凹部であってもよい。
【0034】
図12から理解されるように、ロック部18である長孔181の夫々は、上下方向において上端183と下端185とを有している。換言すると、ロック部18は、上端183と下端185とで規定される所定範囲に亘っている。本実施の形態において、端子12の接触部121(図1参照)は、上下方向において所定範囲内に位置している。このように、上下方向において、ロック部18により規定される所定範囲内に端子12の接触部121を位置させることにより、コネクタ10の低背化を実現することができる。詳しくは、上下方向において、ロック部18の位置を可能な限り低くし、所定範囲内に接触部121を位置させることで、コネクタ10の低背化を実現できる。
【0035】
図2及び図4から理解されるように、コネクタ10と相手側コネクタ50とが嵌合した嵌合状態において、ロック部18は、相手側ロック部60と共に嵌合状態をロックする。本実施の形態において、コネクタ10と相手側コネクタ50とが嵌合すると、相手側ロック部60がロック部18に少なくとも部分的に受容される。そして、相手側ロック部60とロック部18とが互いに係り合い、嵌合状態をロックする。ロックバネ58の操作部585を操作して、支持部583を弾性変形させればロックを解除することができる。
【0036】
図3及び図4から理解されるように、コネクタ10が基板80上に実装されたとき、ガイド部材16の夫々の側部161と支持部163,165とは、基板80から離れて位置している。詳しくは、側部161と支持部163,165とは、上下方向において、基板80から離れて上方に位置している。これにより、ピッチ方向において、ハウジング14の端面143の夫々の外側であり、かつ上下方向において側部161と支持部163,165との下側には、受容部169(図7参照)と通じる下部空間20が形成される。このとき、脚部167は、ピッチ方向において、ハウジング14の端面143より少なくとも部分的に内側に位置している。したがって、下部空間20には、脚部167を除き、ガイド部材16は位置していない。本実施の形態において、脚部167の全体が、ピッチ方向においてハウジング14の端面143よりも内側に位置している。したがって、下部空間20には、ガイド部材16は位置していない。
【0037】
本実施の形態によれば、二つのガイド部材16は、互いに別体なので、様々な形状およびサイズを持つハウジング14に対して使用することができる。換言すると、ガイド部材16は、複数種類のコネクタに共通の部品として利用することができる。
【0038】
また、本実施の形態によれば、ガイド部材16の下方に位置する下部空間20にはガイド部材16が位置していない。それゆえ、コネクタ10が搭載される基板80の搭載面であって、下部空間20に面する領域には、導体パターンを形成することができる。これにより、基板80の搭載面の有効利用を実現することができる。特に、基板80上に複数のコネクタ10を実装する場合には、コネクタ10を前後方向に沿って配列し、複数の下部空間20が前後方向に並ぶようにすることで、基板80の搭載面に連続した領域を形成するができ、より有効に基板80の搭載面の利用を図ることができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
図13から図16を参照すると、本発明の第2の実施の形態によるコネクタ10Aは、第1の実施の形態によるコネクタ10と略同一の構成を有している。ただし、コネクタ10Aの脚部167Aは、コネクタ10の脚部167に比べて、ピッチ方向におけるサイズが大きい。これに合わせて、ハウジング14Aのスリット145Aは、上下方向において下方へ部分的に開いている。
【0040】
本実施の形態においても、ガイド部材16Aは、互いに別体なので、複数種類のコネクタに共通の部品として利用することができる。
【0041】
また、ガイド部材16Aの下方に位置する下部空間20には、脚部167Aを除いて、ガイド部材16Aが位置していない。したがって、コネクタ10Aが搭載される基板80の搭載面であって、下部空間20に面する領域には、導体パターンを形成することができる。これにより、本実施の形態によるコネクタ10Aにおいても、基板80の搭載面の有効利用を実現ができる。また、脚部167Aの存在を考慮したとしても、本実施の形態において、脚部167Aは、ピッチ方向において部分的に端面143よりも内側に位置している。したがって、コネクタ10Aは、基板80の搭載面を比較的有効に利用することを可能にする。
【0042】
以上、本発明について、いくつかの実施の形態を掲げて説明してきたが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形、変更が可能である。例えば、ハウジング14又は14Aは、ハウジング本体と、ハウジング本体の表面を部分的に覆う金属シェル又は補強用金属部で構成されていてもよい。その場合、ロック部18は、金属シェル又は補強用金属部に設けられていてもよい。また、ガイド部材16は、金属シェル又は補強用金属部に取り付けられるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10,10A コネクタ
12 端子
121 接触部
14,14A ハウジング
141 収容空間
143 端面
145,145A スリット
147 下面
16 ガイド部材
161 側部
163,165 支持部
167,167A 脚部
169 受容部
18 ロック部
181 長孔
183 上端
185 下端
20 下部空間
50 相手側コネクタ
52 ハウジング本体
521 ロックバネ保持部
523 下面
54 舌状部
541 前面
543 後面
545 相手側接触部
56 突出ブロック
561 ロックバネ収容部
58 ロックバネ
581 爪
583 支持部
585 操作部
60 相手側ロック部
70 フレキシブルフラットケーブル
80 基板
図1
図2
図3
図4
図5
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