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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/24 20060101AFI20240408BHJP
   F16L 11/12 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A47L9/24 Z
F16L11/12 K
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020199283
(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公開番号】P2022087376
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 雅瑛
(72)【発明者】
【氏名】小森 啓礼
(72)【発明者】
【氏名】山谷 遼
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-314538(JP,A)
【文献】特開2000-301573(JP,A)
【文献】特開2013-075376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/24
F16L 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機に接続可能な延長管であって、
前記延長管はパイプと、カバーとを備えるとともに、内部に導電部を有し、
前記パイプは開口部を有し、
前記カバーは、上部に配置されるカバー表面部と、前記カバー表面部の下部に配置される逆T字リブと、を有し、前記逆T字リブの上下に延びる縦リブが前記カバー表面部の下面に接続されるとともに前記逆T字リブの左右に延びる横リブによって前記開口部を塞ぎ、
記導電部を形成する2本のリード線の一方と他方が前記リブを挟んで左右両側に前記カバー表面部と前記縦リブと前記横リブとによって囲まれる空間に分かれて配置され
記カバーは前記開口部を覆うとともに前記導電部も覆うことを特徴とする延長管。
【請求項2】
請求項1に記載された延長管において、
前記カバーは、前記パイプの上面に埋没する形で組み込まれていることを特徴とする延長管。
【請求項3】
請求項1または2に記載された延長管において、
前記開口部は前記パイプの略中央に位置していることを特徴とする延長管。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載された延長管において、
前記カバーは弾性部品であることを特徴とする延長管。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載された延長管を有する電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の延長管および電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機では、軽量化を図る技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、延長管の材料にカーボンを適用することで、軽量で強固なものにする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/087936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の延長管のパイプは、均一な肉厚であり、さらなる軽量化を図るために肉厚を薄くすると、強度が低下するという課題がある。また、パイプの材料が樹脂である場合、肉厚が薄過ぎると成形時の樹脂が流れにくくなるため、成形不良を引き起こす恐れもある。
【0005】
この対策として、パイプの外壁に複数点ゲートを設けて、部品全体へ樹脂を流れやすくし、成形性改善を図ろうとすると、成形時の樹脂圧によりパイプ内部の金型が変形し、偏肉やショートが発生する可能性がある。
【0006】
本発明は、これらの課題を解決し、成形不良を防ぎつつ軽量化を図った延長管を備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、掃除機に接続可能な延長管であって、前記延長管はパイプと、カバーとを備えるとともに、内部に導電部を有し、前記パイプは開口部を有し、前記カバーは、上部に配置されるカバー表面部と、前記カバー表面部の下部に配置される逆T字リブと、を有し、前記逆T字リブの上下に延びる縦リブが前記カバー表面部の下面に接続されるとともに前記逆T字リブの左右に延びる横リブによって前記開口部を塞ぎ、前記導電部を形成する2本のリード線の一方と他方が前記リブを挟んで左右両側に前記カバー表面部と前記縦リブと前記横リブとによって囲まれる空間に分かれて配置され、前記カバーは前記開口部を覆うとともに前記導電部も覆うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、軽量化を図った延長管を備えた電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の電気掃除機を支持台に収納した状態の斜視図。
図2】実施形態の電気掃除機のハンディ状態の斜視図。
図3】実施形態の電気掃除機のハンディ状態の前面図の図2のIII方向矢視図。
図4】電気掃除機のハンディ状態の分解斜視図。
図5】電気掃除機のハンディ状態を分解した側面図。
図6】電気掃除機のハンディ状態の側面図の図2のI方向矢視図。
図7】実施形態の電気掃除機の上面図。
図8図7のII-II断面図。
図9】実施形態の延長管の斜視図。
図10】実施形態のパイプカバーの分解斜視図。
図11】実施形態のパイプの下面図。
図12】実施形態のパイプの上面図。
図13】パイプ中央付近を成形する金型構造の側面断面の概略図。
図14】開口部における延長管の断面図。
図15】電気掃除機を右側から視た側面図。
図16】電気掃除機に付属品の延長管、標準吸口が接続された状態の正面図。
図17】電気掃除機及び支持台の側面図。
図18】スティック状態の電気掃除機で床面を掃除するときの使用形態の側面図。
図19】スティック状態の電気掃除機で高い場所を掃除するときの使用形態図の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1に、実施形態の電気掃除機100を支持台70に収納した状態の斜視図を示す。図1以下の図面では、掃除機本体1からみた前後左右上下の方向を適宜示している。
【0012】
電気掃除機100は、ハンディ状態(図2参照)、スティック状態図(図1参照)などの各種の使用形態に変えて掃除を行うことができる。電気掃除機100が収納される支持台70は、ベース部71とスタンド部72とを備えている。
【0013】
図1に示すように、電気掃除機100は、支持台70に延長管300(付属品)と標準吸口400(付属品)を接続したスティック状態で収納される。
【0014】
電気掃除機100は、何れも図示しない小型吸口(付属品)、ほうき型吸口(付属品)、延長ホース(付属品)などを接続して用いることができる。なお、標準吸口400は、モータによってブラシが回転するパワーブラシ式のものである。
【0015】
図2に、実施形態の電気掃除機100のハンディ状態の斜視図を示す。
【0016】
図3に、実施形態の電気掃除機100のハンディ状態の前面図の図2のIII方向矢視図を示す。なお、図3では、ハンディ清掃部材90を本体部10から外した状態を示している。
【0017】
図4に、電気掃除機100のハンディ状態の分解斜視図を示す。
【0018】
電気掃除機100は、掃除機本体1、ダストケース2(集塵装置)、蓄電池3、ハンディ清掃部材90を備えて構成されている。
【0019】
掃除機本体1は、本体部10、モータケース11、ハンドル部12を備えている。
【0020】
図4に示すように、本体部10は、延長管300や標準吸口400(図1参照)などが接続される吸引口である第1接続口10aが形成されている。第1接続口10aは、吸込管10bの入口を形成している。
【0021】
第1接続口10aは、略円形の開口を前方に有して形成されている。第1接続口10aは、本体部10、モータケース11、ハンドル部12などと同様の樹脂で成形されている。モータケース11の上板11cは、後方にいくにしたがって下降する傾斜を有している。
【0022】
第1接続口10aには、付属品(アタッチメント)である延長管300(図1参照)、標準吸口400、小型吸口(図示せず)、ほうき型吸口(図示せず)などが接続できる構成である。第1接続口10aには、回路基板50(図8参照)と電気的に接続されている端子(図示せず)が内蔵されている。図1に示す標準吸口400などのモータ駆動する付属品が接続された場合は、電気的に接続されたモータ(図示せず)によってブラシが回転する。
【0023】
図4に示す本体部10には、ダストケース2が着脱自在に取り付けられるとともに、第1接続口10aから吸い込まれた塵挨を含む空気をダストケース2に送り込む導入管14(図7参照)を備えている。図5に、電気掃除機100のハンディ状態を分解した側面図を示す。図6に、電気掃除機100のハンディ状態の側面図の図2のI方向矢視図を示す。
【0024】
モータケース11には、電動送風機40(図8参照)と回路基板50が内包されている。
【0025】
モータケース11の前面には、ダストケース2で集塵された後の清浄な空気が吸い込まれる円形の吸込口11a(図4参照)が形成されている。
【0026】
<ハンドル部12>
図2に示すハンドル部12は、本体部10の後側に設けられ、略L字状に形成された把持部12aを有している。把持部12aは、前後方向に後ろ側ほど漸次高くなるように直線状に延びる第1把持部12a1と、略上下方向に直線状に延びる第2把持部12a2と、を有している。第1把持部12a1は、第2把持部12a2よりも前側に位置している。第1把持部12a1は、前後方向に後ろ側ほど漸次高くなるように延びている。第2把持部12a2は、第1把持部12a1の後端から後方に向けて斜め下方に向けて延びている。
【0027】
第1把持部12a1と第2把持部12a2とは、略棒状かつ連続して形成されている。第1把持部12a1と第2把持部12a2とを、それぞれ直線状に構成することで、使用者が持ち手の位置を認識し易い。
【0028】
また、第1把持部12a1と第2把持部12a2とが直角に近い角度で折れ曲がるように接続されているので、第1把持部12a1を把持しているときに第2把持部12a2の方に手がずれ難く、逆に第2把持部12a2を把持しているときに第1把持部12a1の方に手がずれ難くなる。
【0029】
そのため、隙間12c(図2参照)に手を入れやすくなっている。
【0030】
図2に示すように、ハンドル部12の第1把持部12a1の上面には、操作ボタン12bが設けられている。操作ボタン12bは、例えば、「強」、「標準」、「切」の3つのボタンで構成されている。
【0031】
<本体部10>
本体部10の前端上部と後方上部には、延長管300などの付属品を取り外す際に操作される一つの第1解除ボタン18aが設けられている。第1解除ボタン18aを押下操作することで、本体部10と付属品とのロックが解除されて、本体部10から付属品の取り外しが可能となる。第1解除ボタン18aが一つで構成されるので、電気掃除機100の小型軽量化を図れる。
【0032】
図4に示すように、本体部10の前端には、ハンディ清掃部材90を取り付けることができる。ハンディ清掃部材90は、略円筒形の筒体91を有している。筒体91は、先端側に軟質の毛91a1を束にして植毛したブラシ部91aを有している。筒体91は、硬質な材料で形成され、本体部10に接続可能な接続部91bを有している。筒体91は、ブラシ部91aと接続部91bとが一体に形成されている。接続部91bを硬質のもので形成することで、ハンディ清掃部材90を本体部10に脱落することなく安定した状態で取り付けることができる。ハンディ清掃部材90は、ブラシ部91aを有するので、ブラシ部91aでゴミを掻き出しながら、電気掃除機100で吸引できるので、掃除が効率的に行える。そのため、電気掃除機100の使い勝手が向上する。
【0033】
筒体91の先端に植毛された環状の短毛91a1を備えたブラシ部91aを有するので、ハンディ清掃部材90の先端を床面に密着させることが可能になり、吸引力を向上できる。
【0034】
図4に示す本体部10の第1接続口10aの外側面には、縦方向に細長い嵌合溝10e、10c(図5参照)が形成されている。嵌合溝10eは、左右両側に1条ずつと、嵌合溝10cが下部に形成されている。接続部91bの基端には、嵌合溝10e、嵌合溝10cと凹凸嵌合して係止される突起部(図示せず)が形成されている。本体部10の第1接続口10aの外側面に縦方向に細長い嵌合溝10e、10cが形成されるので、本体部10の第1接続口10aにハンディ清掃部材90に取り付け易く、使い勝手が向上する。
【0035】
<蓄電池3>
図6に示す蓄電池3は、リチウムイオン、ニッケル水素などの二次電池で構成され、吸引力を発生させる電動送風機40などに電力を供給する。図4に示すように、蓄電池3は、合成樹脂製の略半円筒状のケース3aを有している。ケース3aを前後方向にスライドさせることで本体部10に対して着脱できる。
【0036】
<ダストケース2>
図5に示すように、ダストケース2は、サイクロン方式のものであり、導入管14(図5図7参照)から吸込んだ塵埃を含む空気を、塵埃と空気とに分離し、塵埃を集める機能を有する。図7に、実施形態の電気掃除機100の上面図を示す。
ダストケース2は、モータケース11の前方に軸方向を前後方向にして配置され、略円柱形状の収容部2aを有している。ダストケース2の上面(側面)には、導入管14と繋がる略矩形状の流入口2b(図4参照)が形成されている。流入口2bに流入した塵挨を含む空気は、旋回流となり、塵埃に遠心力が働き、ダストケース2内で塵挨と空気とに分離された後、塵埃が分離された空気がダストケース2の後部(図8の矢印M)から排出される。
【0037】
図4に示すように、ダストケース2の前面には、ダストケース2内に溜まった塵埃を廃棄する際に開閉する蓋2cがヒンジ部2dを介して回動自在に支持されている。また、蓋2cの上部には、蓋2cのロックを解除するための蓋ロック機構2eが設けられている。
【0038】
図2に示すように、電気掃除機100は、ダストケース2が本体部10の下方かつモータケース11の前方に取り付けられる。この場合、ダストケース2を掃除機本体1に装着すると、蓋ロック機構2eが掃除機本体1側に隠れる。これは、蓋ロック機構2eを反対側(外側)に設けた場合、掃除中に蓋ロック機構2eが解除されるおそれがある。しかし、蓋ロック機構2eが掃除機本体1側に隠れるようにすることで、誤動作を防止することができる。
【0039】
また、ダストケース2には、お手入れブラシ2s(図4参照)が着脱自在に設けられている。お手入れブラシ2sは、ダストケース2が掃除機本体1に装着されたときに外部から見え難い位置に配置されている。
【0040】
図7に示すように、本体部10に形成された導入管14は、始めに右斜め後方に延びてその後下方に延びて、ダストケース2の流入口2b(図4参照)と接続されている。導入管14により、図5に示すダストケース2の収容部2a内において旋回流を発生させることができる。収容部2a内の旋回流によって、遠心力による塵埃の分離を効果的に行うことができる。
【0041】
図8に、図7のII-II断面図を示す。
【0042】
本体部10のモータケース11には、電動送風機40が収容されている。モータケース11内には、電動送風機40の上方に、掃除機本体1を制御する回路基板50が収容されている。
【0043】
電動送風機40と回路基板50とは、上下方向に重なるように配置されている。このため、掃除機本体1の前後方向の寸法を短くできる。また、電動送風機40は、モータケース11がハンドル部12側と重畳して形成されることで、本体部10の前後方向(全長)の寸法を短くできる。
【0044】
また、電動送風機40及び回路基板50は、ハンドル部12の第1把持部12a1の下方に位置している。これにより、使用者が第1把持部12a1を握って操作する場合、電気掃除機100の重心が第1把持部12a1の下方近傍になる。このため、電気掃除機100の先を上向きで使用する場合、電気掃除機100を安定して保持できる。
【0045】
また、第1把持部12a1および第2把持部12a2とモータケース11の上面板11cとの間には、手を挿入するための隙間12cが形成されている。
【0046】
モータケース11の上面板11cは、後方が下がる傾斜を有して形成されている。
【0047】
回路基板50は、モータケース11の上面板11cに沿ってまたは平行に近い傾斜をもって配置されている。これにより、手を挿入するための隙間12cを狭くすることなく、モータケース11の内部の空間を広く活用できる。そのため、モータケース11の上下寸法を短くでき、掃除機本体1の小型化を図れる。
【0048】
蓄電池3は、ハンドル部12の第2把持部12a2の下方に配置されている。蓄電池3は、例えば、エネルギ効率の高いリチウムイオン電池で構成することができる。
【0049】
ダストケース2内には、収容部2aの軸方向の後端にフィルタ5が収容されている。フィルタ5は、プリーツ状に折って構成されたものであり、フィルタ面積を大きくできるとともに、フィルタ5による圧力損失を低減することができる。フィルタ5は、例えば高密度のHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)で構成されている。
【0050】
<延長管300>
図9に実施形態の延長管300の斜視図を示す。延長管300はパイプ301、パイプカバー302、第2解除ボタン303で構成されている。
図10にパイプカバー302を下側から見たときの分解斜視図を示す。図10に示すように、パイプカバー302の内部には導電部304が格納されている。
【0051】
パイプ301は標準吸口400や小型吸口などが接続される第2接続口301aと、第1接続口10aに接続される継手部301bと、それ以外の筒状部301cで形成されている。
【0052】
導電部304は、雌型端子304aと雄型端子304bがリード線で形成された導電体304cを介して電気的に接続されて構成されており、パイプカバー302の内側で保持される。
【0053】
なお、実施形態では導電体304cをリード線にて形成しているが、導電体304bは銅線や鋼線、フラットケーブルなどで形成してもよい。
【0054】
また、実施形態では導電部304をパイプカバー302の内部にて固定しているが、導電部304をパイプ301にて固定してもよい。
【0055】
延長管300が掃除機本体100に接続され、かつ継手部301bに標準吸口400などのモータ駆動する付属品が接続された場合には、導電部304を介して本体部10内の回路基板50と付属品内のモータが電気的に接続されてブラシが回転する。
【0056】
延長管300の前方には標準吸口400などの付属品を取り外す際に操作される一つの第2解除ボタン303が設けられている。本体部10に設けられている第1解除ボタン18aと同様に、第2解除ボタン303を押下操作することで、延長管300と付属品とのロックが解除されて、延長管300から付属品の取り外しが可能となる。
【0057】
<パイプ301>
実施形態では、パイプ301の材料にガラス繊維配合ポリプロピレンを採用している。これは、強化繊維であるガラス繊維を含ませることで肉厚を薄くしつつも強度を確保するためである。
【0058】
ただし、本材料のような、強化繊維を含む材料によって形成されるものに限定されるものではなく、強化繊維を含まない合成樹脂で形成されていてもよい。
【0059】
実施形態では、パイプ301の筒状部301cに凹凸を形成している。これは、トポロジー手法を用いた軽量化のために筒状部の肉厚を薄くすることに加え、強度確保に必要な部分のみ肉厚を厚くしているためである。
【0060】
なお、実施形態では、筒状部301cの外壁に凸部を設けているが、凸部を設ける位置は内壁、あるいは外壁と内壁の両方でもよい。また、実施形態では、上記凹凸の形成理由を軽量化および強度確保のためとしているが、デザインとして外壁に模様を追加する、延長管を握りやすくして利便性を向上させるなどといった別の用途でもよい。
【0061】
図11にパイプ301の下面図を示す。実施形態でのパイプ301は成形用に樹脂を流し込むゲート位置としてパイプ301の外壁下面に前方ゲート301d、中央ゲート301e、後方ゲート301fの3箇所設けている。これは、従来の延長管にはない上記の凹凸形成により部品形状が複雑化し、成形時の樹脂の流動性が悪くなることから、従前の後端面部にゲートを設けて前方向に樹脂を流す手法では成型が困難であった。そこで、外壁下面に前方ゲート301d、中央ゲート301e、後方ゲート301fという3点のゲートを設けることで樹脂の流動性の改善し、軽量化された所望の凹凸を有した延長管を成型することができる。
【0062】
ただし、ゲートの位置は外壁下面に限定されるものではなく、側面や上面などでもよい。また、ゲートの数についても、3点ではなく2点以下や4点以上でもよい。
【0063】
図12にパイプ301の上面図を示す。パイプ301の上面中央付近に開口部301gを設けており、これは中央ゲート301eとはちょうど反対に位置する。
【0064】
ただし、開口部の位置はパイプの上面中央付近に限定するものでなく、側面や下面などでもよく、かつその位置がゲート位置の反対に位置していなくてもよい。また、開口部の数も2つ以上設けてよい。
【0065】
図13にパイプ301中央付近を成形する金型構造の側面断面の概略図を示す。ここで、図13(A)は中央ゲート301eの反対側に開口部301gが無い場合、図13(B)は開口部301gがある場合をそれぞれ示している。
【0066】
図13に示すように、パイプ301の外壁上部を形成する上部金型331、内壁を形成する内部金型332、外壁下部を形成する下部金型333で構成される。図13内の白塗り範囲は樹脂が流れる範囲であり、下部金型333を樹脂が通過する形で中央ゲート301eが設けられている。
【0067】
図13(A)に示すように、パイプ301に開口部301gが無いと内部金型332を支持するものが何も無く、樹脂圧によって内部金型332が変形し、上面側の肉厚は薄く、下面側の肉厚が厚くなり、偏肉やショートを引き起こす恐れがある。
【0068】
これに対し、図13(B)に示すように、開口部301gがあると、上部金型331が開口部301gを通して内部金型332を直接支持することができるため、樹脂圧による内部金型332の変形を抑制して、上記成形不良を防止できる。
【0069】
<パイプカバー302>
パイプカバー302はパイプ301外部に備える導電部304を覆う機能があり、前部カバー302a、中央カバー302b、後部カバー302cの3部品で構成されている。
【0070】
なお、実施形態ではパイプカバー302を前部カバー302a、中央カバー302b、後部カバー302cの3部品で構成しているが、これらのカバー部品は2つ以下、もしくは4つ以上の構成でもよい。
【0071】
図14に開口部301gにおける延長管300の横断面図を示す。図14に示すように、上部にある中央カバー302bが備えた逆T字リブ302b1によって開口部301gを塞ぎ、気密漏れを防ぐ機構としている。
【0072】
なお、実施形態では、上部にある中央カバー302bとた逆T字リブ302b1の間に導電部304を挟み込みんで覆いつつ、逆T字リブ302b1で開口部301gを塞ぐ機構としているが、開口部301gを塞ぐことのみを用途とする別部品を用いてもよい。
【0073】
また、開口部301gを塞ぐ部材については実施形態のような樹脂製部品に限定されず、スポンジのような弾性部材やシールなどでもよい。
【0074】
実施形態では、図14に示すように、中央カバー302bの幅を小さくしつつ、パイプ300の上面に埋没させる形で組み込んでおり、カバー表面部302b2とパイプ300の外壁の間で生じる段差を小さく抑える構造としている。これにより延長管300の横断面を略円形状に近づけることができ、延長管300の小型化につながる。
【0075】
<電気掃除機100の使用>
図1に示す第1解除ボタン18aを押下することで、前記の延長管300、標準吸口400などの付属品の掃除機本体1への接続を解除することができる。
【0076】
図15に、電気掃除機100を右側から視た側面図を示す。
【0077】
図15に示すように、電気掃除機100の下側を下として、水平な床面Yの上に載置したときは、電動送風機40や蓄電池3のような重い部品が電気掃除機100の後方下部に存在することもあり、電気掃除機100は脚部19a,3nで水平な床面Y上に支持される。このとき、脚部19aが電気掃除機100の最下端に位置し、また、脚部19aは電気掃除機100の長手方向の中間位置に存在するため、水平な床面Yの上に載置した電気掃除機100は、図15に示すように、前方が斜め上側を向く。
【0078】
よって、吸引口となる第1接続口10aの先端部も斜め上側を向き、ハンディ清掃部材90の先端90sも斜め上側を向く。そのため、電気掃除機100は水平な床面Y上に支持された状態において、第1接続口10aやハンディ清掃部材90の内部に残っている塵埃が外部にこぼれ落ちにくい。
【0079】
図15に示すように蓄電池3への充電は掃除機本体1の右側部に設けられた端子tに図示しないACアダプタを接続することによって行うことができる。
【0080】
図16に、電気掃除機100に付属品の延長管300、標準吸口400が接続された状態の正面図を示す。
【0081】
電気掃除機100は、掃除機本体1にハンディ清掃部材90が接続された状態で、延長管300を接続できるように構成されている。このように、掃除機本体1にハンディ清掃部材90を接続したままでも、延長管300を接続する第1接続口10a(図4参照)の位置は変わらない。よって、掃除機本体1と延長管300と標準吸口400とを接続した全長を短く抑えることができる。これにより、標準吸口400の位置が手元により近くなるので、電気掃除機100の取り回しが良好になり、使い勝手を向上できる。
【0082】
電気掃除機100は、図16に示すスティック状態から、標準吸口400が接続された延長管300を取り外して、図2に示すハンディ状態にしたとしても、掃除機本体1にはハンディ清掃部材90が取り付けられたままである。よって、吸引力が高められた状態で掃除を行うことができる。
【0083】
電気掃除機100について、延長管300及び標準吸口400を接続した使用方法以外に、例えば、第1接続口10aに標準吸口400を直接接続して、ハンディ状態の電気掃除機100として使用できる。
【0084】
このように、電気掃除機100では、掃除機本体1にハンディ清掃部材90を取り付けたままで、様々な付属品(アタッチメント)を着脱することができる。そのため、電気掃除機100は、掃除の使用形態を迅速に切り替えて掃除を行える。また、ハンディ清掃部材90は、掃除機本体1に取り付けたままにできるので、ハンディ清掃部材90を取り付けたハンディ状態の電気掃除機100において、塵埃を掻き出しながら掃除を行うことができる。また、ハンディ清掃部材90を取り外す必要がないので、無くすこともない。
【0085】
図17に、電気掃除機100及び支持台70の側面図を示す。
【0086】
電気掃除機100は、掃除機本体1に、延長管300と標準吸口400を接続したままの状態で支持台70に支持される。具体的には、パイプ301の先端部に、先端を下側とした略L字形のフック301hが設けられている。電気掃除機100を支持台70で支持するのに際して、フック301hを支持台70のスタンド部72に設けられた係止部72aに係止させる。また、標準吸口400を載置面71a上の係止部71a1に係止させる。これにより、掃除機本体1側を上側にするとともに、標準吸口400側を下側として、電気掃除機100の全体を支持台70に支持させることができる。
【0087】
このように、電気掃除機100をスティック状態のままで支持台70に設置できるので、次に掃除をする際に、電気掃除機100を直ちにスティック状態のまま使用できる。
【0088】
図1に示すように、ベース部71の載置面71aは、延長管300よりも前方に延びて形成されている。これにより、延長管300に標準吸口400を接続した状態、つまり掃除機本体1に延長管300と標準吸口400を接続した状態(スティック状態)で、標準吸口400を載置面71aで支持できる。よって、電気掃除機100を支持台70に安定して支持させることができる。
【0089】
図18に、スティック状態の電気掃除機100で床面Yを掃除するときの使用形態の側面図を示す。図18は、電気掃除機100に、ハンディ清掃部材90を装着したまま、延長管300及び標準吸口400を接続してスティック状態にして、電気掃除機100を使用者よりも前方に突き出して床面Yを掃除する場合である。
【0090】
この場合、使用者は、ハンドル部12の第2把持部12a2を把持しながら、電気掃除機100を前後に移動させながら掃除を行うことができる。また、図示していないが、電気掃除機100を使用者の左右の脇に位置した状態で床面Yを掃除する場合には、使用者は、ハンドル部12の第1把持部12a1を把持しながら、電気掃除機100を前後に移動させることができる。このように、使用者が床面Yを掃除する場合には、ハンドル部12の位置を持ち替えて掃除できる。
【0091】
図19に、スティック状態の電気掃除機100で高い場所を掃除するときの使用形態図の側面図を示す。
【0092】
本電気掃除機100では、図19に示すように、重量物である電動送風機40(図8参照)や蓄電池3がハンドル部12に近い位置(使用者の手元に近い位置)にあるので、電気掃除機100の重心が、使用者の手元に近くなる。
【0093】
これにより、電気掃除機100をスティック状態にして、電気掃除機100を床面Yより高い場所、例えば階段Kを掃除する場合であっても掃除し易くなり、使い勝手を向上できる。
【0094】
なお、図19では、階段Kを掃除する場合を例に挙げて説明したが、電気掃除機100を持ち上げてエアコンの室内機のパネルなどを掃除する場合にも有効である。
【0095】
また、電気掃除機100をスティック状態で使用している場合において、階段Kの角(隅)に残った塵埃を取り除くときに、電気掃除機100から延長管300及び標準吸口400を取り外してハンディ状態にする。この場合、電気掃除機100にはハンディ清掃部材90が装着されたままであるので、そのまま直ちに階段Kの角(隅)に残った塵埃を取り除く掃除を行うことができ、塵埃の吸い残しを抑制できる。
【0096】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0097】
100 電気掃除機
300 延長管
301 パイプ
301g 開口部
302 パイプカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図17
図18
図19