IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 北京小米移動軟件有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-表示パネル及び端末機器 図1
  • 特許-表示パネル及び端末機器 図2
  • 特許-表示パネル及び端末機器 図3
  • 特許-表示パネル及び端末機器 図4
  • 特許-表示パネル及び端末機器 図5
  • 特許-表示パネル及び端末機器 図6
  • 特許-表示パネル及び端末機器 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】表示パネル及び端末機器
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/02 20060101AFI20240408BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240408BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240408BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20240408BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240408BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20240408BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20240408BHJP
【FI】
H05B33/02
G09F9/00 324
G09F9/00 366G
G09F9/30 349C
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
H05B33/12 B
H05B33/14 A
H05B33/22 Z
H10K59/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020502558
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2019120793
(87)【国際公開番号】W WO2021047061
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2020-01-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】201910857124.4
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】陳 朝喜
【合議体】
【審判長】神谷 健一
【審判官】井口 猶二
【審判官】清水 康司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109860266(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107103307(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域(101)を有する表示パネル(100)であって、
前記表示領域(101)は、感光領域(102)を含み、
前記感光領域(102)内には、複数の画素ユニット(110)がアレイ状に配置され、
前記感光領域(102)内における隣接する画素ユニット(110)の間には、光透過孔(103)が設置され、
前記光透過孔(103)の内壁には、遮光膜層(130)が設置され、
前記遮光膜層(130)は、前記表示パネル(100)により生成される光線が前記表示パネル(100)の光出射面に対して反対となる側に位置する感光素子(200)と干渉することを防止し、
前記光透過孔(103)は、前記表示パネル(100)における非透明膜層を貫通し、
前記表示パネル(100)は、OLED表示パネルであり、
前記OLED表示パネルは、
積層されている画素定義層(141)と、カソード層(142)と、電子伝送層(143)と、有機発光層(144)と、正孔伝送層(145)と、アノード層(146)と、保護層(147)と、を含み、
前記光透過孔(103)は、前記画素定義層(141)及び前記正孔伝送層(145)を貫通する
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記表示パネル(100)の内側面には、遮光層(120)が設置され、
前記遮光層(120)には、前記光透過孔(103)に一対一に対応する貫通孔(121)が設置され、
前記表示パネル(100)の前記内側面及び光出射面は、前記表示パネル(100)の反対となる2つの面である
ことを特徴とする請求項に記載の表示パネル。
【請求項3】
隣接する前記画素ユニット(110)の間に、帯状領域(111)を有し、
複数の光透過孔(103)が前記帯状領域(111)の長手方向に沿って離隔して配置されている
ことを特徴とする請求項に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記光透過孔(103)は、円形の孔であり、
前記光透過孔(103)の直径は、前記帯状領域(111)の最小幅の1/3~2/3である
ことを特徴とする請求項に記載の表示パネル。
【請求項5】
隣接する前記光透過孔(103)の間の距離は、前記光透過孔(103)の直径の50%~100%である
ことを特徴とする請求項に記載の表示パネル。
【請求項6】
端末機器であって、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の表示パネル(100)と、
前記表示パネル(100)の第1側に位置する前記感光素子(200)と、を含み、
前記第1側は、前記表示パネル(100)の光出射面に対して反対となる側であり、
前記光出射面における前記感光素子(200)の正投影は、前記感光領域(102)内に位置する
ことを特徴とする端末機器。
【請求項7】
前記感光素子(200)により生成された電気信号に対して、フィルタリング処理を行うように構成される処理ユニット(300)をさらに含む
ことを特徴とする請求項に記載の端末機器。
【請求項8】
前記処理ユニット(300)は、
前記感光素子(200)により生成された電気信号及びプリセット信号に対して差分処理を行うように構成され、
前記プリセット信号は、前記感光素子(200)が前記表示パネルにより生成される光線のみを受信する時の電気信号である
ことを特徴とする請求項に記載の端末機器。
【請求項9】
前記感光素子(200)は、カメラモジュール、光学センサー及び光学指紋モジュールのうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の端末機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器分野に関し、特に、表示パネル及び端末機器に関する。
【背景技術】
【0002】
全画面は、端末機器技術の発展に伴い、端末機器の発展の大きな勢いとなっている。
【0003】
現在、最も人気のある機種は、「前髪スクリーン」、「水滴スクリーン」などのような擬似全画面設計を使用する場合が多いので、端末機器の画面占有率を改善する余地が依然としてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、全画面設計を実現可能な表示パネル及び端末機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、表示領域を有する表示パネルを提供し、前記表示領域は、感光領域を含み、前記感光領域には、複数の画素ユニットがアレイ状に配置され、前記感光領域内における隣接する前記画素ユニットの間には、光透過孔が設置される。
【0006】
本発明の実施例において、表示領域内に感光領域を設置し、感光領域内における隣接する画素ユニットの間に光透過孔を設置することにより、端末機器の感光素子、例えばカメラモジュール、指紋モジュールなどを表示パネルの下方に設置することができ、そして、感光素子が表示パネルにおける複数の光透過孔により光信号の伝送を実現することができる。また、光透過孔のサイズがとても小さいので、各光透過孔は、ピンホールイメージング(pinhole imaging)の原理に基づいて外部からの広い範囲の光線を通過させることにより、その機能を実現することができる。また、感光素子が表示パネルの下方に設置できるので、端末機器の正面に位置する感光素子を取り外すことができ、全画面設計を実現し、機器の外観を最適化することができる。
【0007】
本発明の実施例の一つの実施形態において、前記光透過孔は、前記表示パネルにおける非透明膜層を貫通する。
【0008】
上記実施形態において、不透明な膜層のみに光透過孔を設置することにより、光透過孔を設置する工数を軽減するするとともに、表示パネル全体の強度を確保することができる。
【0009】
本発明の実施例の一つの実施形態において、前記表示パネルは、OLED表示パネルである。
【0010】
本発明の実施例の一つの実施形態において、前記OLED表示パネルは、積層されている画素定義層、カソード層、電子伝送層、有機発光層、正孔伝送層、アノード層及び保護層を含み、前記光透過孔は、前記画素定義層及び前記正孔伝送層を貫通する。
【0011】
上記実施形態において、通常、カソード層、電子伝送層、有機発光層が全面に設置されることではなく、サブ画素領域のみに設置される一方、アノード層及び保護層が全面に設置されるが、これらが透明膜層であるので、光透過孔が画素定義層及び正孔伝送層のみを貫通すればよい。
【0012】
本発明の実施例の一つの実施形態において、前記表示パネルの内側面には、遮光層が設置され、前記遮光層には、前記光透過孔に一対一に対応する貫通孔が設置され、前記表示パネルの前記内側面及び光出射面は、前記表示パネルの反対になる2つの面である。
【0013】
上記実施形態において、表示パネルの内側面に遮光層を設置することにより、表示パネルにより生成された光線を遮蔽することができるので、表示パネルにより生成された光線が感光素子に作用して感光素子の正常な作動に影響を与えることを回避することができる。それとともに、遮光層が光透過孔を遮蔽しないので、外界からの光信号が依然として光透過孔を通過できるようになり、感光素子の正常な作動を確保することができる。
【0014】
本発明の実施例の一つの実施形態において、前記光透過孔の側壁には、遮光膜層が設置されている。
【0015】
上記実施形態において、光透過孔の側壁に遮光膜層を塗布することにより、表示パネルにより生成された光線が感光素子に干渉することをさらに回避することができる。
【0016】
本発明の実施例の一つの実施形態において、隣接する前記画素ユニットの間に帯状領域を有し、複数の光透過孔が前記帯状領域の長手方向に沿って離隔して配置される。
【0017】
上記実施形態において、隣接する画素ユニットの間における帯状領域内に複数の光透過孔を配置することにより、感光領域内における透光面積を確保することができるので、感光素子がこのような光透過孔により正常な作動を実現することを確保することができる。それとともに、複数の光透過孔が設置され、2つの光透過孔の間の距離がとても小さいので、感光素子が死角なしで外部環境の各部位からの光線を取得することができる。このようにして、カメラモジュールを使用する場合、外部の完全な画像を取得することもできる。
【0018】
本発明の実施例の一つの実施形態において、前記光透過孔は、円形の孔であり、前記光透過孔の直径は、前記帯状領域の最小幅の1/3~2/3である。
【0019】
上記実施形態において、光透過孔の直径を帯状領域の最小幅の1/3~2/3に限定することにより、光透過孔のサイズが大き過ぎて画素ユニットの正常な配置に影響を与えることを回避する一方、光透過孔の面積が感光素子の正常な動作を実現できることを確保することができる。
【0020】
本発明の実施例の一つの実施形態において、隣接する前記光透過孔の間の距離は、前記光透過孔の直径の50%~100%である。
【0021】
上記実施形態において、光透過孔を離隔して設置するとともに、光透過孔の間の距離を光透過孔の直径の50%~100%に限定することにより、光透過孔が一体につながって大き過ぎになり、人の目に見えることを回避する一方、光透過孔の間の距離が大き過ぎになり光透過孔の数に影響を与えることを回避し、透光面積を確保できる。また、ピンホールイメージングの原理によって死角なしで外部環境の各部位からの光線を取得することができる。
【0022】
他の態様によれば、端末機器を提供し、前記端末機器は、
表示領域を有する上記のいずれかに記載の表示パネルと、
前記表示パネルの第1側に位置する感光素子と、を含み、
前記第1側は、前記表示パネルの光出射面と反対になる側であり、前記光出射面における前記感光素子の正投影は、前記感光領域内に位置する。
【0023】
本発明の実施例の一つの実施形態において、前記端末機器は、前記感光素子により生成される電気信号に対してフィルタリング処理を行うように構成される処理ユニットをさらに含む。
【0024】
上記実施形態において、処理ユニットにより感光素子の電気信号に対してフィルタリング処理を行うことで、感光素子の電気信号のノイズが少なくなり、その精度が高くなる。
【0025】
本発明の実施例の一つの実施形態において、前記処理ユニットは、前記感光素子により生成される電気信号およびプリセット信号に対して差分処理を行うように構成され、前記プリセット信号は、前記感光素子が前記表示パネルからの光線のみを受信する時の電気信号である。
【0026】
上記実施形態において、処理ユニットは、差分処理により信号フィルタリングを行うことができる。処理ユニットは、先ず、表示パネルにより生成された光線のみを受信する時の電気信号を取得し、プリセット信号として記憶する。処理を行う時、電気信号からプリセット信号を引くことにより、信号フィルタリングを実現することができる。
【0027】
本発明の実施例の一つの実施形態において、前記感光素子は、カメラモジュール、光学センサー及び光学指紋モジュールのうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
なお、前記一般的な記載及び後述の詳細な記載は、単なる例示的で解釈的な記載であり、本発明はこれに対し限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下の図面は、明細書に組み入れて本明細書の一部分を構成し、本発明に該当する実施例を例示するとともに、明細書とともに本発明の原理を解釈する。
図1】本発明の実施例に提供される表示パネルの構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施例に提供される表示パネルの一部の拡大図である。
図3】本発明の実施例に提供される表示パネルの構成を示す模式図である。
図4】本発明の実施例に提供される表示パネルの階層を示す模式図である。
図5】本発明の実施例に提供される端末機器の構成を示す模式図である。
図6】本発明の実施例に提供される端末機器の動作を示す模式図である。
図7】本発明の実施例に提供される端末機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、例示的な実施例を詳しく説明し、その一例を図面に示す。図面について説明するとき、別の説明がない場合、異なる図面での同じ数は同一な又は類似する要素を示す。以下、例示的な実施例で説明する実施方式は、本発明と一致するすべての実施方式を代表するものではない。逆に、それらは、添付の特許請求の範囲に記載されているように、本発明の一部の側面に一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0031】
図1は、本発明の実施例に提供される表示パネルの構成を示す模式図である。
【0032】
図1を参照すると、表示パネル100は、感光領域102を含む表示領域101を有する。感光領域102内には、複数の画素ユニット110がアレイ状に配置されている。感光領域102内における隣接する画素ユニット110の間には、光透過孔103が設置されている。
【0033】
ここで、光透過孔103は、サイズがミクロンレベルである光学的マイクロ孔であり、光の透過を確保するとともに、この光透過孔が人の目に見えないので、表示パネルの外観に影響を与えない。
【0034】
本発明の実施例において、表示領域内に感光領域を設置し、感光領域内における隣接する画素ユニットの間に光透過孔を設置することにより、端末機器の感光素子、例えばカメラモジュール、指紋モジュールなどを表示パネルの下方に設置することができ、感光素子が表示パネルにおける複数の光透過孔により光信号の伝送を実現することができる。光透過孔のサイズが小さいので、各光透過孔は、ピンホールイメージングの原理に基づいて外部からの広い範囲の光線を通過させることにより、その機能を実現することができる。また、感光素子が表示パネルの下方に設置されるので、端末機器の正面に位置する感光素子を取り外すことができ、全画面設計を実現し、機器の外観を最適化することができる。
【0035】
本発明の実施例において、上記表示パネル100は、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)表示パネルであることができる。OLED表示パネルが高解像度を有するので、光透過孔の分布がより均一になることで、感光素子の正常な動作を確保することができる。勿論、他の実施形態において、表示パネル100は、他の表示パネル、例えばマイクロ発光ダイオード(Micro LED)表示パネル、量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light Emitting Diodes、QLED)表示パネルなどであってもよい。
【0036】
図1に示すように、表示領域100全体には、画素ユニット110が配置されている。各画素ユニット110は、複数のサブ画素ユニットを含むことができる。画素ユニット110は、図1に示すように、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つのサブ画素ユニットを含む。
【0037】
図2は、本発明の実施例に提供される表示パネルの一部の拡大図である。
【0038】
図2を参照すると、隣接する画素ユニット110の間に帯状領域111を有する。複数の光透過孔103は、帯状領域111の長手方向に沿って離隔して配置されている。
上記実施形態において、隣接する画素ユニットの間の帯状領域内に複数の光透過孔を配置することにより、感光領域内における透光面積を確保することができるので、感光素子がこのような光透過孔により正常な動作を実現することを確保することができる。それとともに、複数の光透過孔が設置され、2つの光透過孔の間の距離が非常に小さいので、感光素子が死角なしで外部環境の各部位からの光線を取得することができる。このようにして、カメラモジュールを使用する場合、外部の完全な画像を取得することもできる。
【0039】
図2に示すように、R、G、Bの3つのサブ画素ユニットの形状は、矩形(図1、2において、図示せず)であってもよく、サブ画素ユニットの間にも距離があってもよい。この時、画素ユニットも矩形であり、画素ユニットの間の帯状領域111が矩形領域である。この時、帯状領域111の長手方向は、列方向Aである。
【0040】
他の実施形態において、サブ画素ユニット及び画素ユニットの形状は、他の形状であってもよい。この時、画素ユニットの間における帯状領域111は、他の規則的或いは不規則な形状の領域であってもよい。
【0041】
本発明の実施例において、同一の画素ユニットにおける各サブ画素ユニットは、行方向に沿って配列されている。他の実施形態において、同一の画素ユニットにおける各サブ画素ユニットは、列方向又は不規則な方式に沿って配列されてもよい。
【0042】
図2を参照すると、光透過孔103は、設計及び製造を容易にするための円形の孔であってもよい。光透過孔103の直径は、帯状領域111の最小幅dの1/3~2/3であってもよい。
【0043】
上記実施形態において、光透過孔の直径を帯状領域の最小幅の1/3~2/3に限定することにより、光透過孔のサイズが大き過ぎて画素ユニットの正常な配置に影響を与えることを回避する一方、光透過孔の面積が感光素子の正常な動作を実現できることを確保することができる。
【0044】
例示的に、上記光透過孔103の直径は、帯状領域111の最小幅dの1/2であってもよい。
【0045】
他の実施形態において、光透過孔103は、他の形状、例えば矩形であってもよいが、本発明では、これに対して限定しない。
【0046】
再び図2を参照すると、隣接する光透過孔103の間の距離sは、光透過孔103の直径の50%~100%であってもよい。
【0047】
上記実施形態において、光透過孔を離隔して設置するとともに、光透過孔の間の距離を光透過孔の直径の50%~100%に限定することにより、光透過孔が一体につながって大き過ぎになり、人の目に見えることを回避する一方、光透過孔の間の距離が大き過ぎになり、光透過孔の数に影響を与えることを回避し、透光面積を確保できる。また、ピンホールイメージングの原理によって死角なしで外部環境の各部位からの光線を取得することができる。
【0048】
例示的に、隣接する光透過孔103の間の距離sは、光透過孔103の直径の50%であってもよい。
【0049】
図3は、本発明の実施例に提供される表示パネルの構成を示す模式図である。
【0050】
図3を参照すると、表示パネル100の内側面には、遮光層120が設置されている。遮光層120には、光透過孔103に一対一に対応する貫通孔121が設置されている。表示パネル100の内側面及び光出射面は、表示パネル100の反対となる2つの面である。
【0051】
上記実施形態において、表示パネルの内側面に遮光層を設置することにより、表示パネルにより生成された光線を遮蔽することができるので、表示パネルにより生成された光線が感光素子に作用して感光素子の正常な作動に影響を与えることを回避することができる。それとともに、遮光層が光透過孔を遮蔽しないので、外界からの光信号が依然として光透過孔を通過できるようになり、感光素子の正常な作動を確保することができる。
【0052】
ここでの対応とは、光出射面における光透過孔103の投影が、光出射面における貫通孔121の投影と重なることを指す。これにより、光透過孔を通過する光が遮蔽されないことを確保することができる。
【0053】
例示的に、遮光層120は、金属層又は他の遮光インク(例えば、ブラックインク)により製作されることができる。例えば、金属層を使用する場合、この金属層の上に表示パネルの膜層を直接に製作すればよい。例えば、遮光インクを使用する場合、表示パネルを製造してから遮光インクを表示パネルの上に塗布することができる。
【0054】
再び図3を参照すると、光透過孔103の側壁には、遮光膜層130が設置されている。
【0055】
上記実施形態において、光透過孔の側壁に遮光膜層を設置することにより、表示パネルにより生成された光線が感光素子に干渉することをさらに回避することができる。
【0056】
例示的に、遮光膜層130は、遮光インク膜層であってもよい。具体的に、塗装、印刷、蒸着又は他の方式により光透過孔103の側壁に製作されることができる。
【0057】
図4は、本発明の実施例に提供される表示パネルの階層を示す模式図である。
【0058】
表示パネル100は、図4に示すように、積層されている画素定義層141と、カソード層142と、電子伝送層143と、有機発光層144と、正孔伝送層145と、アノード層146と、保護層147とを含む。
【0059】
ここで、画素定義層141は、複数の凹溝を定義するためのものである。各凹溝は、サブ画素ユニットに対応する。カソード層142、電子伝送層143、有機発光層144は、いずれも凹溝に形成されている。即ち、これらの層は、いずれも複数の部分を含み、各部分がそれぞれサブ画素ユニットに対応する。例えば、凹溝には、各サブ画素ユニットのカソード、電子伝送層及び有機発光層が形成されているが、正孔伝送層145、アノード層146及び保護層147は、全面に設計され、サブ画素ユニットにより区画される必要がない。
【0060】
ここで、電子伝送層143、有機発光層144、正孔伝送層145は、いずれも有機材料を利用して印刷又は蒸着することにより形成されることができる。カソード層142は、金属カソードであってもよく、アノード層146は、酸化インジウム錫(ITO)アノードであってもよい。保護層147は、ガラス板であってもよい。
【0061】
ここで、カソード層142は、金属カソードである。金属カソードは、遮光性を有するが、サブ画素ユニットの間の領域にカソードが存在しないので、表示パネルにより生成される光が依然として透過される。従って、上記の遮光層120を設置することで、遮光する必要がある。
【0062】
上記の構成を有する表示パネルにおいて、光透過孔103が画素ユニットの間に設置されているので、実際では、光透過孔103は、画素定義層141、正孔伝送層145、アノード層146及び保護層147のみを貫通すればよい。この中で、保護層147がガラス基板であり、アノード層146がITO層であり、両方とも透光性を有する。これにより、光透過孔103は、画素定義層141及び正孔伝送層145のみを貫通すればよい。
【0063】
つまり、本発明の実施例において、光透過孔103は、表示パネルにおける非透明膜層を貫通する。
【0064】
上記実施形態において、不透明な膜層のみに光透過孔を設置することにより、光透過孔を設置する工数を軽減するとともに、表示パネル全体の強度を確保することができる。
【0065】
例示的に、上記遮光層120は、表示パネル100の画素定義層141の底面(光出射面に対して反対となるの面)に設置される。
【0066】
図4は、パッシブマトリクス駆動(PM)OLED表示パネルの構造を示す模式図である。
【0067】
OLED表示パネルがアクティブマトリクス駆動(AM)OLED表示パネルである場合、上記表示パネルは、薄膜トランジスタアレイをさらに含む。前記画素定義層141は、薄膜トランジスタアレイの上に設置される。前記光透過孔は、上記薄膜トランジスタアレイにおける非透明膜層を同時に貫通する。遮光層120は、表示パネル100の薄膜トランジスタアレイの底面(光出射面に対して反対となる面)に設置される。
【0068】
他の実施例において、光透過孔103は、表示パネルにおける全ての膜層を貫通することもできる。
【0069】
本発明の実施例において、光透過孔103は、レーザードリル又はパターニングプロセス(例えば、エッチングプロセス)により製作されることができる。
【0070】
説明必要なことは、カソード層または薄膜トランジスタアレイにおける電極層には、電極に加えて、配線がさらに含まれている。通常、このような配線は、画素ユニットの間を通過するので、正常な表示機能に対する光透過孔の影響を回避するために、前記光透過孔および配線をずらして設置する必要がある。
【0071】
本発明の実施例において、表示パネルに、1つ又は複数の感光領域を設置することができる。1つの感光領域は、1つ又は複数の感光素子に対応することができる。各感光素子200は、複数(例えば、数百個)の画素ユニットに対応する。
【0072】
図5は、本発明の実施例に提供される端末機器の構成を示す模式図である。
【0073】
図5を参照すると、端末機器は、図1乃至図4のいずれかに示されている表示パネル100を含む。端末機器は、表示パネル100の第1側に位置する感光素子200をさらに含む。第1側は、表示パネルの光出射面に対して反対となる側である。光出射面における感光素子200の正投影は、前記感光領域102に位置する。
【0074】
図6は、本発明の実施例に提供される端末機器の動作を示す模式図である。
【0075】
図6を参照すると、光透過孔103のサイズがとても小さいので、各光透過孔は、ピンホールイメージングの原理に基づいて外部からの広い範囲の光線を通過させることができる。また、2つの光透過孔の間の距離がとても小さいので、感光素子が死角なしで外部環境の各部位からの光線を取得することができる。このようにして、カメラモジュールを使用する場合、外部の完全な画像を取得することもできる。
【0076】
図7は、本発明の実施例に提供される端末機器のブロック図である。
【0077】
図7を参照すると、端末機器は、前記感光素子200により生成された電気信号に対してフィルタリング処理を行うように構成される処理ユニット300をさらに含む。
【0078】
上記実施形態において、処理ユニット300により感光素子の電気信号に対してフィルタリング処理を行うことで、感光素子200の電気信号のノイズが少なくなり、その精度を向上させることができる。
【0079】
例示的に、処理ユニット300は、前記感光素子200により生成される電気信号およびプリセット信号に対して差分処理を行うように構成され、前記プリセット信号は、前記感光素子200が前記表示パネルからの光線のみを受信する時の電気信号である。
【0080】
上記実施形態において、処理ユニットは、差分処理により信号フィルタリングを行うことができる。処理ユニットは、先ず、表示パネルにより生成された光線のみを受信する時の電気信号として取得し記憶し、処理を行う時、電気信号からプリセット信号を引くことにより、信号フィルタリングを実現することができる。その後、フィルタリングされた信号に対して後の処理を行う。
【0081】
ここで、プリセット信号は、外界の光なしの環境、例えば夜間や暗い密閉空間において取得された後、処理ユニットに利用されるように端末機器に記憶することができる。
【0082】
本発明の実施例において、感光素子200は、カメラモジュール、光学センサー及び光学指紋モジュールのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0083】
ここで、カメラモジュールは、1つ又は複数のカメラを含むことができる。光学センサーは、赤外線センサー、レーザセンサーなどのセンサーであってもよく、機能に応じて、環境光検出センサー、距離センサーなどであってもよい。赤外線センサーを一例とする場合、赤外線センサーの発射部から発射された光は、光透過孔を介して出射され、外部の物体により反射された後、受信部により受信されて電気信号を生成する。
【0084】
本発明の実施例において、感光素子200の光電変換により生成された電気信号は、収集回路に収集された後、処理ユニットにより処理されるように、上記処理ユニットに送信されることができる。
【0085】
収集回路は、コンデンサ、アナログ・ディジタル変換器及び積分回路を含むことができる。感光素子200により生成された光電流信号は、コンデンサを充電して電圧信号を形成する。アナログ・ディジタル変換器は、電圧信号に対して信号収集を行うことによって、ディジタル信号を取得し、積分回路により処理されるように、それを積分回路に出力することができる。収集された信号が小さい場合、又は環境光の光線条件が暗い場合、又は環境光の光線条件が明るい場合などのいろいろな場合において、処理ユニットは、バス制御により配置を行い、積分回路の積分時間やオペアンプの利得などのパラメータを増加させることで、信号のサイズに対する調整を実現することができる。
【0086】
前記処理ユニットは、収集回路の出力を制御するための論理制御回路をさらに備える。論理制御回路は、アドレス線により収集回路と処理ユニットとの間のスイッチングトランジスタがオンになるように制御する。処理ユニットは、スイッチングトランジスタがオンになる場合、バスラインによりアナログ・ディジタル変換器から出力されたディジタル信号を取得し、ディジタル信号に対して処理及び記憶を行うことができる。
【0087】
再び図5を参照すると、上記端末機器は、ハウジング400をさらに含む。前記感光素子200は、ハウジング400に設置されてもよい。また、ハウジング400における感光素子200の位置は、前記感光領域に対向するように設置されてもよい。
【0088】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された発明に対する実施を介して、本発明の他の実施形態を容易に取得することができる。本発明は、本発明に対する任意の変形、用途、又は適応的な変化を含み、このような変形、用途、又は適応的な変化は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開表していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0089】
理解すべきことは、本発明は、上記の内容及び図面に示された構造に限定されず、その範囲を逸脱しない限り、各種の変更及び変更を行うことができる。本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7