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特許7467384車両遠隔管理システム、車両遠隔管理方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】車両遠隔管理システム、車両遠隔管理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240408BHJP
   H04Q 1/20 20060101ALI20240408BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240408BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240408BHJP
   G16Y 20/00 20200101ALI20240408BHJP
【FI】
G08G1/09 V
H04Q1/20 101
H04M11/00 301
G16Y10/40
G16Y20/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021056497
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022153794
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】樫原 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】大岸 智彦
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-020632(JP,A)
【文献】国際公開第2018/155159(WO,A1)
【文献】特開2020-165832(JP,A)
【文献】特開2020-039120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
G16Y 10/40
20/00
H04M 11/00
H04Q 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔運転と自動運転とが可能である車両が送信する映像に基づいて前記車両を管理する車両遠隔管理システムであって、
車両が遠隔運転システムと遠隔監視システムとのいずれかに送信する映像の伝送方式を設定する手段と、
前記設定する手段が設定した前記伝送方式で前記車両に前記映像を送信させる制御信号を作成する手段と
を備え、
前記設定する手段は、複数の伝送方式のうち、前記車両が自動運転であるか遠隔運転であるかによって、異なる伝送方式を設定する、車両遠隔管理システム。
【請求項2】
前記設定する手段は、自動運転である車両の伝送方式よりも、遠隔運転である車両の伝送方式を低遅延のものに設定する、請求項1に記載の車両遠隔管理システム。
【請求項3】
前記設定する手段は、前記車両が自動運転から遠隔運転に切り替えられる場合に、前記伝送方式を設定する、請求項1又は請求項2に記載の車両遠隔管理システム。
【請求項4】
前記設定する手段は、通信リソースに基づいて前記伝送方式を設定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両遠隔管理システム。
【請求項5】
前記設定する手段は、複数の伝送方式のうち、前記車両が遠隔運転である場合に前記遠隔運転システムにピアツーピア接続を行う、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両遠隔管理システム。
【請求項6】
遠隔運転と自動運転とが可能である車両が送信する映像に基づいて前記車両を管理する車両遠隔管理システムが実行する車両遠隔管理方法であって、
車両が遠隔運転システムと遠隔監視システムとのいずれかに送信する映像の伝送方式を設定するステップと、
前記設定するステップで設定した前記伝送方式で前記車両に前記映像を送信させる制御信号を作成するステップと
を有し、
前記設定するステップでは、複数の伝送方式のうち、前記車両が自動運転であるか遠隔運転であるかによって、異なる伝送方式に設定する、車両遠隔管理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
車両が遠隔運転システムと遠隔監視システムとのいずれかに送信する映像の伝送方式を設定するステップと、
前記設定するステップで設定した前記伝送方式で前記車両に前記映像を送信させる制御信号を作成するステップと
を実行させ、
前記設定するステップでは、複数の伝送方式のうち、前記車両が自動運転であるか遠隔運転であるかによって、異なる伝送方式に設定する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両遠隔管理システム、車両遠隔管理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体の遠隔制御を行うシステムに関して、安全性を確保した上で、短い移動時間を実現する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。この技術は、移動体と、ネットワークを介して移動体と通信するサーバ装置とを有する。移動体は、第1通信部と、カメラと、カメラが撮影した画像からキーフレームと差分フレームとからなる画像データを生成するエンコード部と、画像データを送信する送信部と、第1通信部を介してサーバ装置から受信した制御信号に従って移動体の移動を制御する移動制御部とを有する。サーバ装置は、ネットワークを介して移動体と通信する第2通信部と、移動体から送信された画像データのうち、キーフレームの少なくとも一部を所定の時間内に受信しない場合、第2通信部を介して移動体に緊急制御信号を送信する緊急制御信号送信部とを有する。
この技術によれば、遠隔運転時にネットワーク品質の揺らぎにより映像に乱れが生じる場合に、安全のため、制御速度の調整を自動で行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-3403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠隔運転の操作性向上のためには、操作した結果を正確にタイミングよく確認するために、車両に搭載されたカメラが取得した映像の遅延を短くするとともに、映像の品質を向上させる必要がある。
仮に遠隔運転を行う車両に搭載されたカメラが取得した映像がピアツーピア(P2P: Peer to Peer)で送信される場合には、遅延を低減できる。しかし、P2Pのネットワーク構成は、映像の送信先が一つの地点に限定されるため、遠隔運転を行わない車両、つまり自動運転を行う車両を多地点から監視を行う用途には不向きである。
【0005】
また、映像の品質を向上させる場合には、ネットワーク帯域を増大させることが必要とされる。このため、有限のモバイルネットワークのリソースを用いて、複数台の車両の監視を同時に行う上では制約が大きい。
従来技術では、通信品質が低下した結果として映像の乱れが扱われている。しかし、通信品質の改善を見込んだネットワークの構成の変更や、他の車両の通信を考慮したリソース管理は検討されていない。
本発明の目的は、遠隔運転と自動運転とのいずれかに基づいて、車両から映像を送信できる車両遠隔管理システム、車両遠隔管理方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、遠隔運転と自動運転とが可能である車両が送信する映像に基づいて前記車両を管理する車両遠隔管理システムであって、車両が遠隔運転システムと遠隔監視システムとのいずれかに送信する映像の伝送方式を設定する手段と、前記設定する手段が設定した前記伝送方式で前記車両に前記映像を送信させる制御信号を作成する手段とを備え、前記設定する手段は、複数の伝送方式のうち、前記車両が自動運転であるか遠隔運転であるかによって、異なる伝送方式を設定する、車両遠隔管理システムである。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の車両遠隔管理システムにおいて、前記設定する手段は、自動運転である車両の伝送方式よりも、遠隔運転である車両の伝送方式を低遅延のものに設定する。
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は上記(2)に記載の車両遠隔管理システムにおいて、前記設定する手段は、前記車両が自動運転から遠隔運転に切り替えられる場合に、前記伝送方式を設定する。
(4)本発明の一態様は、上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載の車両遠隔管理システムにおいて、前記設定する手段は、通信リソースに基づいて前記伝送方式を設定する。
(5)本発明の一態様は、上記(1)から上記(4)のいずれか一項に記載の車両遠隔管理システムにおいて、前記設定する手段は、複数の伝送方式のうち、前記車両が遠隔運転である場合に前記遠隔運転システムにピアツーピア接続を行う。
【0007】
(6)本発明の一態様は、遠隔運転と自動運転とが可能である車両が送信する映像に基づいて前記車両を管理する車両遠隔管理システムが実行する車両遠隔管理方法であって、車両が遠隔運転システムと遠隔監視システムとのいずれかに送信する映像の伝送方式を設定するステップと、前記設定するステップで設定した前記伝送方式で前記車両に前記映像を送信させる制御信号を作成するステップとを有し、前記設定するステップでは、複数の伝送方式のうち、前記車両が自動運転であるか遠隔運転であるかによって、異なる伝送方式に設定する、車両遠隔管理方法である。
【0008】
(7)本発明の一態様は、コンピュータに、車両が遠隔運転システムと遠隔監視システムとのいずれかに送信する映像の伝送方式を設定するステップと、前記設定するステップで設定した前記伝送方式で前記車両に前記映像を送信させる制御信号を作成するステップとを実行させ、前記設定するステップでは、複数の伝送方式のうち、前記車両が自動運転であるか遠隔運転であるかによって、異なる伝送方式に設定する、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遠隔運転と自動運転とのいずれかに基づいて、車両から映像を送信できる車両遠隔管理システム、車両遠隔管理方法及びコンピュータプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る車両遠隔管理システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る車両と運用管理サーバと映像変換サーバと遠隔運転システムと遠隔監視システムとの構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係る車両遠隔管理システムの動作の例1を示すフローチャートである。
図4】本実施形態に係る車両遠隔管理システムの動作の例2を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本実施形態の車両遠隔管理システム、車両遠隔管理方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0012】
(第1の実施形態)
(車両遠隔管理システム)
図1は、本発明の一実施形態に係る車両遠隔管理システムの構成例を示す図である。図1に示される車両遠隔管理システム1は、車両10-1から車両10-n(nは、n>0の整数)と、運用管理サーバ100と、映像変換サーバ200と、遠隔運転システム300と、遠隔監視システム400とを備える。
運用管理サーバ100と車両10-1から車両10-nと遠隔運転システム300と、車両10-1から車両10-nと映像変換サーバ200と、映像変換サーバ200と遠隔監視システム400とは、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWの一例は、モバイルネットワークである。ネットワークNWに、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などが含まれてもよい。
【0013】
車両10-1から車両10-nの各々は、緊急時に遠隔操作による制御(遠隔運転)に対応できる自動運転車両である。緊急時の一例は、自動運転ができない場合、警告が発せられた場合、路面に何があるが何であるかを判断できない場合などである。つまり、車両10-1から車両10-nの各々は、遠隔運転と自動運転との両方が可能である。遠隔運転では、車両10-1から車両10-nの各々は遠隔運転システム300で遠隔操作をすることで走行することが可能である。自動運転では、車両10-1から車両10-nの各々は運転手が運転操作を行わなくても自動で走行することが可能である。
車両10-1から車両10-nの各々は、カメラを搭載している。車両遠隔管理システムでは、遠隔運転に加え、自動運転の場合でもカメラが撮像した撮像画像の監視が行われてもよい。
【0014】
運用管理サーバ100は、車両10-1から車両10-nの各々について、遠隔運転と自動運転とを管理する。運用管理サーバ100は、車両10-1から車両10-nの各々について、遠隔運転システム300と遠隔監視システム400とのいずれかに送信する撮像画像の伝送方式を設定する。具体的には、運用管理サーバ100は、車両10-1から車両10-nの各々に、遠隔運転システム300に送信する撮像画像の伝送方式を第1伝送方式に設定し、遠隔監視システム400に送信する撮像画像の伝送方式を第2伝送方式に設定する。
運用管理サーバ100は、設定した伝送方式で車両10-1から車両10-nの各々に撮像画像を送信させる制御信号を作成する。運用管理サーバ100は、作成した制御信号を送信する。車両10-1から車両10-nの各々は、運用管理サーバ100が送信した制御信号を受信する。車両10-1から車両10-nのうち遠隔運転を行う車両は、受信した制御信号に基づいて、遠隔運転システム300に送信する撮像画像の伝送方式を第1伝送方式に設定する。車両10-1から車両10-nのうち自動転を行う車両は、受信した制御信号に基づいて、遠隔監視システム400に送信する撮像画像の伝送方式を第2伝送方式に設定する。
【0015】
車両10-1から車両10-nのうち遠隔運転が行われている車両は、カメラが撮像した撮像画像を第1伝送方式で遠隔運転システム300へ送信する。車両10-1から車両10-nのうち自動運転が行われている車両は、カメラが撮像した撮像画像を含む映像信号を第2伝送方式で映像変換サーバ200を経由して遠隔監視システム400へ送信する。映像変換サーバ200は、車両から送信された映像信号を受信し、受信した映像信号を多地点に再分配することができるトランスコーダを具備している。映像変換サーバ200は、車両10-1から車両10-nのうち自動運転が行われている車両が送信した映像信号を受信し、受信した映像信号を一又は複数の遠隔監視システムへ送信する。本実施形態では、一例として、自動運転が行われている車両から、一の遠隔監視システム400へ映像信号が送信される場合について説明を続ける。
【0016】
運用管理サーバ100は、オペレータOPの操作を受け付ける。運用管理サーバ100は、受け付けたオペレータOPの操作に基づいて、車両10-1から車両10-nのうちいずれかの車両を遠隔運転に切り替える場合に、遠隔運転を開始する車両へ遠隔操作を開始することを通知するための遠隔操作開始情報を作成する。運用管理サーバ100は、作成した遠隔操作開始情報を送信する。遠隔運転を開始する車両は、運用管理サーバ100が送信した遠隔操作開始情報を受信する。遠隔運転を開始する車両は、受信した遠隔操作開始情報に基づいて、遠隔操作に切り替える。
さらに、運用管理サーバ100は、車両10-1から車両10-nのうちいずれかの車両を遠隔運転に切り替える場合に、遠隔運転を開始する車両へ、映像信号の送信先を切り替えることを要求するための映像送信先切替指示を作成する。運用管理サーバ100は、作成した映像送信先切替指示を送信する。遠隔運転を開始する車両は、運用管理サーバ100が送信した映像送信先切替指示を受信する。遠隔運転を開始する車両は、受信した映像送信先切替指示に基づいて、映像信号の送信先を遠隔運転システム300へ切り替える。
【0017】
運用管理サーバ100は、車両10-1から車両10-nのうちいずれかの車両を遠隔運転に切り替える場合に、遠隔運転システム300へ、遠隔操作を開始することを通知するための遠隔操作開始情報を送信する。遠隔運転システム300は、運用管理サーバ100が送信した遠隔操作開始情報を受信する。遠隔運転システム300は、受信した遠隔操作開始情報に基づいて、遠隔運転を開始する車両を遠隔操作に切り替える。
遠隔運転システム300は、遠隔運転を行う車両の運転手の操作に基づいて、制御信号を作成する。遠隔運転システム300は、作成した制御信号を、遠隔運転を行う車両へ送信する。
遠隔運転を行う車両は、遠隔運転システム300が送信した制御信号を受信する。遠隔運転を行う車両は、受信した制御信号に基づいて動作する。
遠隔運転を行う車両は、カメラが撮像することで取得した撮像画像を含む、映像信号を作成する。遠隔運転開始車両は、作成した映像信号を第1伝送方式で遠隔運転システム300へ送信する。
遠隔運転システム300は、遠隔運転を行う車両が送信した映像信号を受信する。遠隔運転システム300は、受信した映像信号に含まれる撮像画像を処理することによって表示する。
【0018】
また、運用管理サーバ100は、車両10-1から車両10-nのうちいずれかの車両を自動運転に切り替える場合に、自動運転を開始する車両へ自動運転を開始することを通知するための自動運転開始情報を作成する。運用管理サーバ100は、作成した自動運転開始情報を送信する。自動運転を開始する車両は、運用管理サーバ100が送信した自動運転開始情報を受信する。自動運転を開始する車両は、受信した自動運転開始情報に基づいて、自動運転に切り替える。
さらに、運用管理サーバ100は、車両10-1から車両10-nのうちいずれかの車両を自動運転に切り替える場合に、自動運転を開始する車両へ、映像信号の送信先を切り替えることを要求するための映像送信先切替指示を作成する。運用管理サーバ100は、作成した映像送信先切替指示を送信する。自動運転を開始する車両は、運用管理サーバ100が送信した映像送信先切替指示を受信する。自動運転を開始する車両は、受信した映像送信先切替指示に基づいて、映像信号の送信先を映像変換サーバ200へ切り替える。
【0019】
運用管理サーバ100は、車両10-1から車両10-nのうちいずれかの車両を自動運転に切り替える場合に、遠隔監視システム400へ、自動運転を開始することを通知するための自動運転開始情報を送信する。遠隔監視システム400は、運用管理サーバ100が送信した自動運転開始情報を受信する。遠隔監視システム400は、受信した自動運転開始情報に基づいて、自動運転を開始する車両を自動運転に切り替える。
自動運転を行う車両は、カメラが撮像することで取得した撮像画像を含む、映像信号を作成する。自動運転開始車両は、作成した映像信号を第2伝送方式で遠隔監視システム400へ送信する。
遠隔監視システム400は、自動運転を行う車両が送信した映像信号を受信する。遠隔監視システム400は、受信した映像信号に含まれる撮像画像を処理することによって表示する。
【0020】
車両10-1から車両10-nのうち、任意の車両を車両10と記載する。以下、車両遠隔管理システム1に含まれる車両10と運用管理サーバ100と映像変換サーバ200と遠隔運転システム300と遠隔監視システム400とについて順次説明する。
図2は、本実施形態に係る車両と運用管理サーバと映像変換サーバと遠隔運転システムと遠隔監視システムとの構成例を示す図である。
(車両10)
車両10は、車載機10aを搭載する。車載機10aは、通信部12と、作成部13と、処理部16と、カメラ18と、記憶部20とを備える。
通信部12は、受信機12-1と送信機12-2とを備える。受信機12-1と送信機12-2との各々は、通信モジュールによって実現される。受信機12-1と送信機12-2との各々は、ネットワークNWを介して外部の通信装置と通信する。受信機12-1と送信機12-2との各々は、例えば無線LAN、又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信する。また、受信機12-1と送信機12-2との各々は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。
受信機12-1は、運用管理サーバ100が送信した遠隔操作開始情報を受信する。受信機12-1は、運用管理サーバ100が送信した映像送信先切替指示を受信する。受信機12-1は、遠隔運転システム300が送信した制御信号を受信する。受信機12-1は、運用管理サーバ100が送信した自動運転開始情報を受信する。
送信機12-2は、第1伝送方式で作成部13が出力した映像信号を遠隔運転システム300へ送信する。送信機12-2は、第2伝送方式で作成部13が出力した映像信号を映像変換サーバ200へ送信する。
【0021】
カメラ18は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ18は、車両10の任意の箇所に取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ18は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ18は、例えば、周期的に繰り返し車両10の周辺を撮像する。カメラ18の一例は、ステレオカメラである。
【0022】
処理部16は、受信機12-1が受信した遠隔操作開始情報を取得する。処理部16は、取得した遠隔操作開始情報に基づいて、車両10に遠隔操作を指示することによって車両10を遠隔運転に切り替える。
処理部16は、受信機12-1が受信した映像送信先切替指示を取得し、取得した映像送信先切替指示に基づいて、作成部13に映像の送信先を設定する。ここでは、一例として、遠隔運転システム300に映像の送信先が設定される場合について説明を続ける。処理部16は、映像送信先切替指示に含まれる映像パラメータを設定し、送信機12-2と遠隔運転システム300との間で、第1伝送方式で伝送するために接続する処理を行う。第2伝送方式と比較して、第1伝送方式は低遅延である。
このように構成することによって、自動運転を行う車両が送信する映像信号よりも、遠隔運転を行う車両が送信する映像信号を低遅延とすることができる。第1伝送方式の一例は、P2Pである。以下、第1伝送方式の一例として、P2Pを適用した場合について説明を続ける。ここで、P2Pを適用した場合、遠隔運転を行う車両は、映像信号の送信先として、遠隔運転システム300を直接指定することで、中継サーバなどの他のサーバを介することなく、遠隔運転システム300へ映像を伝送する。
作成部13は、カメラ18が取得した撮像画像を取得する。作成部13は、取得した撮像画像を含む、遠隔運転システム300を宛先とする映像信号を作成する。作成部13は、作成した映像信号を送信機12-2へ出力する。
処理部16は、受信機12-1が受信した制御信号を取得し、取得した制御信号を車両10に出力する。車両10は、処理部16が出力した制御信号を取得し、取得した制御信号に基づいて動作する。
【0023】
処理部16は、受信機12-1が受信した自動運転開始情報を取得する。処理部16は、取得した自動運転開始情報に基づいて、車両10に自動運転を指示することによって車両10を自動運転に切り替える。
処理部16は、受信機12-1が受信した映像送信先切替指示を取得し、取得した映像送信先切替指示に基づいて、作成部13に映像の送信先を設定する。ここでは、一例として、映像変換サーバ200を経由して遠隔監視システム400に映像の送信先が設定される場合について説明を続ける。処理部16は、映像送信先切替指示に含まれる映像パラメータを設定し、送信機12-2と遠隔監視システム400との間で、第2伝送方式で伝送するために接続する処理を行う。
作成部13は、カメラ18が取得した撮像画像を取得する。作成部13は、取得した撮像画像を含む、映像変換サーバ200を宛先とする撮像画像情報を作成する。作成部13は、作成した撮像画像情報を送信機12-2へ出力する。
【0024】
記憶部20は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。
作成部13、及び処理部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部20に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0025】
(運用管理サーバ100)
運用管理サーバ100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。運用管理サーバ100は、例えば通信部102と、作成部103と、操作部105と、処理部106と、記憶部110とを備える。
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信する。また、通信部102は、例えば無線LAN、又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。
通信部102は、作成部103が出力した遠隔操作開始情報などの制御信号を車載機10aへ送信する。通信部102は、作成部103が出力した遠隔操作開始情報などの制御信号を遠隔運転システム300へ送信する。通信部102は、作成部103が出力した映像送信先切替指示などの制御信号を車載機10aへ送信する。通信部102は、作成部103が出力した自動運転開始情報などの制御信号を車載機10aへ送信する。通信部102は、作成部103が出力した自動運転開始情報などの制御信号を遠隔監視システム400へ送信する。
【0026】
操作部105は、オペレータOPの操作を受け付ける入力デバイスであり、タッチパネル等のポインティングデバイス、ボタン、ダイヤル、タッチセンサ、タッチパッド等を含む。操作部105は、遠隔運転と自動運転との間で切り替える操作を検出した場合に、遠隔運転又は自動運転に切り替える情報と、遠隔運転又は自動運転に切り替える車両の識別情報とを含む遠隔運転情報を作成し、作成した遠隔運転情報を処理部106に出力する。
記憶部110は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部110は、一又は複数の車両の識別情報と、一又は複数の車両の各々について、その車両に搭載された車載機のアドレスとを関連付けたアドレス情報を記憶する。
処理部106は、操作部105が出力した遠隔運転情報を取得する。処理部106は、遠隔運転情報に含まれる遠隔運転又は自動運転に切り替える情報と、遠隔運転又は自動運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。処理部106は、取得した遠隔運転又は自動運転に切り替える情報と、遠隔運転又は自動運転に切り替える車両の識別情報とを作成部103へ出力する。
【0027】
作成部103は、処理部106が出力した遠隔運転又は自動運転に切り替える情報と、遠隔運転又は自動運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。作成部103は、記憶部110に記憶されたアドレス情報から、取得した車両の識別情報に関連付けられている車載機のアドレスを取得する。
作成部103は、遠隔運転に切り替える情報を取得した場合に、遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを含む、取得した車載機のアドレスを宛先とする遠隔操作開始情報を作成する。作成部103は、作成した遠隔操作開始情報を通信部102へ出力する。
作成部103は、遠隔運転に切り替える情報を取得した場合に、遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを含む、遠隔運転システム300を宛先とする遠隔操作開始情報を作成する。作成部103は、作成した遠隔操作開始情報を通信部102へ出力する。
作成部103は、遠隔運転に切り替える情報を取得した場合に、映像の送信先を遠隔運転システム300に切り替える情報と映像パラメータとを含む、取得した車載機のアドレスを宛先とする映像送信先切替指示を作成する。作成部103は、作成した映像送信先切替指示を通信部102へ出力する。
【0028】
作成部103は、自動運転に切り替える情報を取得した場合に、自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを含む、取得した車載機のアドレスを宛先とする自動運転開始情報を作成する。作成部103は、作成した自動運転開始情報を通信部102へ出力する。
作成部103は、自動運転に切り替える情報を取得した場合に、自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを含む、遠隔監視システム400を宛先とする自動運転開始情報を作成する。作成部103は、作成した自動運転開始情報を通信部102へ出力する。
作成部103は、自動運転に切り替える情報を取得した場合に、映像の送信先を遠隔監視システム400に切り替える情報と映像パラメータとを含む、取得した車載機のアドレスを宛先とする映像送信先切替指示を作成する。作成部103は、作成した映像送信先切替指示を通信部102へ出力する。
作成部103、及び処理部106は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0029】
(映像変換サーバ200)
映像変換サーバ200は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。映像変換サーバ200は、例えば通信部202と、作成部203と、記憶部210とを備える。
通信部202は、通信モジュールによって実現される。通信部202は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部202は、例えば有線LANなどの通信方式で通信する。また、通信部202は、例えば無線LAN、又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。
通信部202は、車載機10aが送信した映像信号を受信する。通信部202は、作成部203が出力した映像信号を遠隔監視システム400へ送信する。
【0030】
作成部203は、通信部202が受信した映像信号を取得する。作成部203は、取得した映像信号に含まれる撮像画像を取得する。作成部203は取得した撮像画像を含む、遠隔監視システム400を宛先とする映像信号を作成する。作成部203は、作成した映像信号を通信部202へ出力する。
記憶部210は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
作成部203は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部210に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0031】
(遠隔運転システム300)
遠隔運転システム300は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。遠隔運転システム300は、例えば通信部302と、作成部303と、操作部305と、処理部306と、表示部309と、記憶部310とを備える。
通信部302は、受信機302-1と送信機302-2とを備える。受信機302-1と送信機302-2との各々は、通信モジュールによって実現される。受信機302-1と送信機302-2との各々は、ネットワークNWを介して外部の通信装置と通信する。受信機302-1と送信機302-2との各々は、例えば有線LANなどの通信方式で通信する。また、受信機302-1と送信機302-2との各々は、例えば無線LAN、又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。
【0032】
受信機302-1は、運用管理サーバ100が送信した遠隔操作開始情報を受信する。受信機302-1は、車載機10aが第1伝送方式で送信した映像信号を受信する。
送信機302-2は、作成部303が出力した制御信号を、車載機10aへ送信する。
記憶部310は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部310は、一又は複数の車両の識別情報と、一又は複数の車両の各々についてその車両に搭載された車載機のアドレスとを関連付けたアドレス情報を記憶する。
表示部309は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成され、撮像画像などを表示する。
【0033】
処理部306は、受信機302-1が受信した遠隔操作開始情報を取得する。処理部306は、取得した遠隔操作開始情報に含まれる遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。処理部306は、取得した遠隔運転に切り替える情報と遠隔運転に切り替える車両の識別情報とに基づいて、送信機302-2と車載機10aとの間で、映像パラメータを設定し、第1伝送方式で伝送するために接続する処理を行う。
処理部306は、取得した遠隔運転に切り替える情報と遠隔運転に切り替える車両の識別情報とに基づいて、車両識別情報に該当する車両を遠隔運転に切り替え、その車両の遠隔操作を開始する。処理部306は、遠隔運転に切り替える車両の識別情報を作成部303に出力する。
作成部303は、処理部306が出力した遠隔運転に切り替える車両の識別情報を取得する。作成部303は、記憶部310に記憶されたアドレス情報から、取得した車両の識別情報に関連付けられている車載機のアドレスを特定する情報を取得する。
【0034】
操作部305は、遠隔運転を行う運転手の操作を受け付ける入力デバイスである。操作部305は、運転手の操作を検出した場合にその操作に該当する操作情報を作成し、作成した操作情報を作成部303に出力する。作成部303は、操作部305が出力した操作情報を取得し、取得した操作情報を含む、車載機のアドレスを宛先とする制御信号を作成する。作成部303は、作成した制御信号を送信機302-2に出力する。
処理部306は、受信機302-1が受信した映像信号を取得し、取得した映像信号に含まれる撮像画像を処理し、表示部309に表示させる。
作成部303、及び処理部306は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部310に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0035】
(遠隔監視システム400)
遠隔監視システム400は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。遠隔監視システム400は、例えば通信部402と、処理部406と、表示部409と、記憶部410とを備える。
通信部402は、受信機402-1と送信機402-2とを備える。受信機402-1と送信機402-2との各々は、通信モジュールによって実現される。受信機402-1と送信機402-2との各々は、ネットワークNWを介して外部の通信装置と通信する。受信機402-1と送信機402-2との各々は、例えば有線LANなどの通信方式で通信する。また、受信機402-1と送信機402-2との各々は、例えば無線LAN、又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。
受信機402-1は、運用管理サーバ100が送信した自動運転開始情報を受信する。受信機402-1は、車載機10aが第2伝送方式で映像変換サーバ200を経由して送信した映像信号を受信する。
記憶部410は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
表示部309は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成され、撮像画像などを表示する。
【0036】
処理部406は、受信機402-1が受信した自動運転開始情報を取得する。処理部406は、取得した自動運転開始情報に含まれる自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。処理部406は、取得した自動運転に切り替える情報と自動運転に切り替える車両の識別情報とに基づいて、送信機402-2と車載機10aとの間で、映像パラメータを設定し、第2伝送方式で伝送するために接続する処理を行う。
処理部406は、取得した自動運転に切り替える情報と自動運転に切り替える車両の識別情報とに基づいて、車両識別情報に該当する車両を自動運転に切り替え、その車両の自動運転を開始する。
処理部406は、受信機402-1が受信した映像信号を取得し、取得した映像信号に含まれる撮像画像を処理し、表示部409に表示させる。
処理部406は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部310に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0037】
(車両遠隔管理システム1の動作)
図3は、本実施形態に係る車両遠隔管理システムの動作の例1を示すフローチャートである。図3を参照して、車両10が遠隔操作に切り替えられる場合の動作について説明する。
(ステップS1-1)
運用管理サーバ100において、操作部105は、遠隔運転に切り替える操作を検出し、遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを含む遠隔運転情報を作成し、作成した遠隔運転情報を処理部106に出力する。
(ステップS2-1)
運用管理サーバ100において、処理部106は、操作部105が出力した遠隔運転情報を取得する。処理部106は、遠隔運転情報に含まれる遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。処理部106は、取得した遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを作成部103へ出力する。
作成部103は、処理部106が出力した遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。作成部103は、記憶部110に記憶されたアドレス情報から、取得した車両の識別情報に関連付けられている車載機のアドレスを特定する情報を取得する。作成部103は、遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを含む、取得した車載機のアドレスを宛先とする遠隔操作開始情報を作成する。
【0038】
(ステップS3-1)
運用管理サーバ100において、作成部103は、作成した遠隔操作開始情報を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部103が出力した遠隔操作開始情報を車載機10aへ送信する。
(ステップS4-1)
車載機10aにおいて、受信機12-1は、運用管理サーバ100が送信した遠隔操作開始情報を受信する。処理部16は、受信機12-1が受信した遠隔操作開始情報を取得する。処理部16は、取得した遠隔操作開始情報に基づいて、車両10に遠隔操作を指示する。車両10は、処理部16による遠隔操作の指示に基づいて遠隔操作機能を起動することによって遠隔運転に切り替える。
(ステップS5-1)
運用管理サーバ100において、作成部103は、取得した遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを含む、遠隔運転システム300を宛先とする遠隔操作開始情報を作成する。
【0039】
(ステップS6-1)
運用管理サーバ100において、作成部103は、作成した遠隔操作開始情報を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部103が出力した遠隔操作開始情報を遠隔運転システム300へ送信する。
(ステップS7-1)
遠隔運転システム300において、受信機302-1は、運用管理サーバ100が送信した遠隔操作開始情報を受信する。処理部306は、受信機302-1が受信した遠隔操作開始情報を取得する。処理部306は、取得した遠隔操作開始情報に含まれる遠隔運転に切り替える情報と、遠隔運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。処理部306は、取得した遠隔運転に切り替える情報と遠隔運転に切り替える車両の識別情報とに基づいて、車両識別情報に該当する車両を遠隔運転に切り替え、その車両の遠隔操作を開始する。
(ステップS8-1)
運用管理サーバ100において、作成部103は、映像の送信先を遠隔運転システム300に切り替える情報と映像パラメータとを含む、取得した車載機のアドレスを宛先とする映像送信先切替指示を作成する。
(ステップS9-1)
運用管理サーバ100において、作成部103は、作成した映像送信先切替指示を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部103が出力した映像送信先切替指示を取得し、取得した映像送信先切替指示を車載機10aに送信する。
【0040】
(ステップS10-1)
車載機10aにおいて、受信機12-1は、運用管理サーバ100が送信した映像送信先切替指示を受信する。処理部16は、受信機12-1が受信した映像送信先切替指示を取得し、取得した映像送信先切替指示に基づいて、作成部13に映像の送信先を設定する。ここで、作成部13が、遠隔監視システム400を宛先とする映像信号を作成していた場合には、処理部16は、遠隔監視システム400を宛先とする映像信号の作成を停止させる。処理部16は、送信機12-2と遠隔運転システム300との間で、映像パラメータを設定し、第1伝送方式で伝送するために接続する処理を行う。
(ステップS11-1)
車載機10aにおいて、作成部13は、カメラ18が取得した撮像画像を取得する。作成部13は、取得した撮像画像を含む、遠隔運転システム300を宛先とする映像信号を作成する。
(ステップS12-1)
車載機10aにおいて、作成部13は、作成した映像信号を送信機12-2へ出力する。送信機12-2は、作成部13が出力した映像信号を取得し、取得した映像信号を第1伝送方式で遠隔運転システム300へ送信する。
【0041】
(ステップS13-1)
遠隔運転システム300において、受信機302-1は、車載機10aが第1伝送方式で送信した映像信号を受信する。処理部306は、受信機302-1が受信した映像信号を取得し、取得した映像信号に含まれる撮像画像を処理し、表示部309に表示させる。
(ステップS14-1)
遠隔運転システム300において、操作部305は、運転手の操作を検出した場合に操作情報を作成し、作成した操作情報を作成部303に出力する。作成部303は、操作部305が出力した操作情報を取得し、取得した操作情報を含む、車載機のアドレスを宛先とする制御信号を作成する。
(ステップS15-1)
遠隔運転システム300において、作成部303は、作成した制御信号を送信機302-2に出力する。送信機302-2は、作成部303が出力した制御信号を取得し、取得した制御信号を車載機10aへ送信する。
【0042】
(ステップS16-1)
車載機10aにおいて、受信機12-1は、遠隔運転システム300が送信した制御信号を受信する。処理部16は、受信機12-1が受信した制御信号を取得し、取得した制御信号を車両10に出力する。車両10は、処理部16が出力した制御信号を取得し、取得した制御信号に基づいて動作する。
図3に示したフローチャートにおいて、ステップS2-1からS4-1と、ステップS5-1からS7-1と、ステップS8-1からS10-1とは任意の順序で実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。
【0043】
図4は、本実施形態に係る車両遠隔管理システムの動作の例2を示すフローチャートである。図4を参照して、車両10が自動運転に切り替えられる場合の動作について説明する。
(ステップS1-2)
運用管理サーバ100において、操作部105は、自動運転に切り替える操作を検出し、自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを含む遠隔運転情報を作成し、作成した遠隔運転情報を処理部106に出力する。
(ステップS2-2)
運用管理サーバ100において、処理部106は、操作部105が出力した遠隔運転情報を取得する。処理部106は、遠隔運転情報に含まれる自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。処理部106は、取得した自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを作成部103へ出力する。
作成部103は、処理部106が出力した自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。作成部103は、記憶部110に記憶されたアドレス情報から、取得した車両の識別情報に関連付けられている車載機のアドレスを特定する情報を取得する。作成部103は、自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを含む、取得した車載機のアドレスを宛先とする自動運転開始情報を作成する。
【0044】
(ステップS3-2)
運用管理サーバ100において、作成部103は、作成した自動運転開始情報を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部103が出力した自動運転開始情報を車載機10aへ送信する。
(ステップS4-2)
車載機10aにおいて、受信機12-1は、運用管理サーバ100が送信した自動運転開始情報を受信する。処理部16は、受信機12-1が受信した自動運転開始情報を取得する。処理部16は、取得した自動運転開始情報に基づいて、車両10に自動運転を指示することによって車両10を自動運転に切り替える。
(ステップS5-2)
運用管理サーバ100において、作成部103は、取得した自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを含む、遠隔監視システム400を宛先とする自動運転開始情報を作成する。
【0045】
(ステップS6-2)
運用管理サーバ100において、作成部103は、作成した自動運転開始情報を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部103が出力した自動運転開始情報を遠隔監視システム400へ送信する。
(ステップS7-2)
遠隔監視システム400において、受信機402-1は、運用管理サーバ100が送信した自動運転開始情報を受信する。処理部406は、受信機402-1が受信した自動運転開始情報を取得する。処理部406は、取得した自動運転開始情報に含まれる自動運転に切り替える情報と、自動運転に切り替える車両の識別情報とを取得する。処理部406は、取得した自動運転に切り替える情報と自動運転に切り替える車両の識別情報とに基づいて、車両識別情報に該当する車両を自動運転に切り替え、その車両の自動運転を開始する。
【0046】
(ステップS8-2)
運用管理サーバ100において、作成部103は、映像の送信先を遠隔監視システム400に切り替える情報と映像パラメータとを含む、取得した車載機のアドレスを宛先とする映像送信先切替指示を作成する。
(ステップS9-2)
運用管理サーバ100において、作成部103は、作成した映像送信先切替指示を通信部102へ出力する。通信部102は、作成部103が出力した映像送信先切替指示を取得し、取得した映像送信先切替指示を車載機10aに送信する。
(ステップS10-2)
車載機10aにおいて、受信機12-1は、運用管理サーバ100が送信した映像送信先切替指示を受信する。処理部16は、受信機12-1が受信した映像送信先切替指示を取得し、取得した映像送信先切替指示に基づいて、作成部13に映像の送信先を設定する。
ここで、作成部13が、遠隔運転システム300を宛先とする映像信号を作成していた場合には、処理部16は、遠隔運転システム300を宛先とする映像信号の作成を停止させる。処理部16は、映像パラメータを設定し、送信機12-2と遠隔監視システム400との間で、映像パラメータを設定し、第2伝送方式で伝送するために接続する処理を行う。
【0047】
(ステップS11-2)
車載機10aにおいて、作成部13は、カメラ18が取得した撮像画像を取得する。作成部13は、取得した撮像画像を含む、映像変換サーバ200を宛先とする映像信号を作成する。
(ステップS12-2)
車載機10aにおいて、作成部13は、作成した映像信号を送信機12-2へ出力する。送信機12-2は、作成部13が出力した映像信号を取得し、取得した映像信号を第2伝送方式で映像変換サーバ200へ送信する。
(ステップS13-2)
映像変換サーバ200において、通信部202は、車載機10aが送信した映像信号を受信する。作成部203は、通信部202が受信した映像信号を取得する。作成部203は、取得した映像信号に含まれる撮像画像を取得する。作成部203は取得した撮像画像を含む、遠隔監視システム400を宛先とする映像信号を作成する。作成部203は、作成した映像信号を通信部202へ出力する。通信部202は、作成部203が出力した映像信号を遠隔監視システム400へ送信する。
【0048】
(ステップS14-2)
遠隔監視システム400において、受信機402-1は、車載機10aが第2伝送方式で送信した映像信号を、映像変換サーバ200を経由して受信する。処理部406は、受信機402-1が受信した映像信号を取得し、取得した映像信号に含まれる撮像画像を処理し、表示部409に表示させる。
図4に示したフローチャートにおいて、ステップS2-2からS4-2と、ステップS5-2からS7-2と、ステップS8-2からS10-2とは任意の順序で実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。
【0049】
前述した実施形態では、車両遠隔管理システム1は、車両10が遠隔運転に切り替えられる場合に、第1伝送方式に設定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、処理部106は、車両10と遠隔運転システム300との間の無線リソースを監視し、監視結果に基づいて、伝送方式を設定してもよい。
例えば、処理部106は、車両10と遠隔運転システム300との間の無線リソースが閾値以下である場合には第1伝送方式に設定し、閾値を超える場合には第2伝送方式に設定する。このように構成することによって、車両10と遠隔運転システム300との間の無線リソースが閾値以下である場合に第1伝送方式に設定できるため、車両に搭載されたカメラが取得した映像の遅延を短くするとともに、映像の品質を向上させることができる。このため、遠隔運転の操作性を向上できる。
【0050】
本実施形態に係る車両遠隔管理システム1によれば、車両遠隔管理システム1は、遠隔運転と自動運転とが可能である車両が送信する映像に基づいて車両を管理する。車両遠隔管理システム1は、車両10が遠隔運転システム300と遠隔監視システム400とのいずれかに送信する映像の伝送方式を設定する処理部106と、処理部106が設定した伝送方式で車両10に映像を送信させる映像送信先切替指示としての制御信号を作成する作成部103とを備える。処理部106は、複数の伝送方式のうち、車両10が自動運転であるか遠隔運転であるかによって、異なる伝送方式を設定する。
このように構成することによって、遠隔運転を行う車両に搭載されたカメラが取得した映像を送信する伝送方式と自動運転を行う車両に搭載されたカメラが取得した映像を送信する伝送方式とを異ならせることができる。このため、遠隔運転と自動運転とのいずれかに基づいて、車両10から映像を送信できる。
遠隔運転と自動運転との拡大によって交通の安全性を改善して、すべての人々が、安全で、手頃な価格の、使いやすく持続可能な輸送システムを利用できるようになることが想定されることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「住み続けられるまちづくりを」に貢献することが可能となる。
【0051】
また、車両遠隔管理システム1において、処理部106は、自動運転である車両の伝送方式よりも、遠隔運転である車両の伝送方式を低遅延のものに設定する。このように構成することによって、自動運転を行う車両が送信する映像信号よりも、遠隔運転を行う車両が送信する映像信号を低遅延とすることができる。このため、自動運転を行う車両10の操作性を向上できる。
また、車両遠隔管理システム1において、処理部106は、車両10が自動運転から遠隔運転に切り替えられる場合に、伝送方式を設定する。このように構成することによって、遠隔運転と自動運転とのいずれかに基づいて、車両から映像を送信できる。
また、車両遠隔管理システム1において、処理部106は、通信リソースに基づいて伝送方式を設定する。このように構成することによって、通信リソースを増減させる場合に伝送方式を設定できる。このため、遠隔運転を行う場合などに映像の品質を向上させることができる。
また、車両遠隔管理システム1において、処理部106は、複数の伝送方式のうち、車両10が遠隔運転である場合に遠隔運転システムにピアツーピア接続を行う。このように構成することによって、遠隔運転を行うときに、遠隔運転に特化した映像品質とネットワーク構成に切り替えることができる。遠隔運転が行われる場合に、車両に搭載されたカメラが取得した映像の遅延を短くするとともに、映像の品質を向上させることができる。このため、遠隔運転が行われる車両の操作性を向上できるとともに、モバイルネットワークを用いた自動運転が行われる車両の監視のリソースを低減することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…車両遠隔管理システム、10-1、10-2、・・・、10-n…車両、10a…車載機、12…通信部、12-1…受信機、12-2…送信機、13…作成部、16…処理部、18…カメラ、20…記憶部、100…運用管理サーバ、102…通信部、103…作成部、105…操作部、106…処理部、110…記憶部、200…映像変換サーバ、202…通信部、203…作成部、210…記憶部、300…遠隔運転システム、302…通信部、302-1…受信機、302-2…送信機、303…作成部、305…操作部、306…処理部、309…表示部、310…記憶部、400…遠隔監視システム、402…通信部、402-1…受信機、402-2…送信機、406…処理部、409…表示部、410…記憶部
図1
図2
図3
図4