(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】情報提供装置、作業者端末及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20240408BHJP
【FI】
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2021112689
(22)【出願日】2021-07-07
【審査請求日】2021-07-07
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】延原 広大
(72)【発明者】
【氏名】大島 光洋
(72)【発明者】
【氏名】水上 渉
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】松田 直也
【審判官】松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-60730(JP,A)
【文献】特開2014-140521(JP,A)
【文献】特開2020-135401(JP,A)
【文献】特開2014-140521(JP,A)
【文献】国際公開第2020/003715(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の生体情報と、利用者の非生体情報と、を取得する情報取得部と、
前記生体情報と前記非生体情報とを含む提供情報を、前記利用者に対して作業を行う作業者の端末装置である作業者端末に対し提供する情報提供部と、
を備え、
前記非生体情報は、前記作業者によって登録されたメモを示すメモ情報を含み、
前記情報提供部は、提供情報の提供先となる前記作業者の属性種別に基づいて、
利用者の生体情報及び非生体情報のうち前記提供情報に含まれる項目を決定し、
前記情報提供部は、前記生体情報と前記非生体情報とを時刻に基づいて対応付けることで提供情報を生成し、
前記提供情報は、一日の時間の流れを表す時間軸であって同一の前記時間軸上において、生体情報を示す画像と
メモ情報以外の非生体情報を示す画像と
前記メモ情報を示す画像とを配置し
、さらに前記メモ情報の内容を配置した画面を示す情報を含む、情報提供装置。
【請求項2】
利用者の生体情報と、利用者の非生体情報と、
前記非生体情報のうち前記利用者に対して作業を行う作業者によって登録されたメモ情報と、が時間に基づいて対応づけられた情報を含む提供情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された前記生体情報と前記非生体情報と前記提供情報とに基づいて、一日の時間の流れを表す時間軸であって同一の前記時間軸上において、生体情報を示す画像と
メモ情報以外の非生体情報を示す画像と
前記メモ情報を示す画像とを配置し
、さらに前記メモ情報の内容を配置した画面を
示す情報を生成し、前記画面を画像表示装置に表示させる通知部と、
を備える作業者端末。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【請求項4】
請求項2に記載の作業者端末としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の身体状況に関する情報を取得するための技術又は提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会全体の高齢化などに伴い、医療や介護の効率化や医療従事者や介護従事者の負担軽減が社会的な課題となってきている。このような課題に対し、例えば医療従事者と介護従事者との間でそれぞれが把握した情報を共有することで効率化を図る技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、少子高齢化が加速する現代において、さらなる効率化が求められている。
上記事情に鑑み、本発明は、医療や介護の実施に関わる者における作業の効率を向上させることが可能となる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、利用者の生体情報と、利用者の非生体情報と、を取得する情報取得部と、前記生体情報と前記非生体情報とを含む提供情報を、前記利用者に対して作業を行う作業者の端末装置である作業者端末に対し提供する情報提供部と、を備え、前記情報提供部は、提供情報の提供先となる前記作業者の属性種別に基づいて、前記提供情報に含まれる項目を決定する情報提供装置である。
【0006】
本発明の一態様は、上記の情報提供装置であって、前記情報提供部は、前記生体情報と前記非生体情報とを時刻に基づいて対応付けることで提供情報を生成する。
【0007】
本発明の一態様は、上記の情報提供装置であって、前記提供情報は、同一の時間軸上において、生体情報を示す画像と非生体情報を示す画像とを配置した画面を示す情報を含む。
【0008】
本発明の一態様は、利用者の生体情報と、利用者の非生体情報と、を含む提供情報を取得する情報取得部と、同一の時間軸上において、生体情報を示す画像と非生体情報を示す画像とを配置した画面を画像表示装置に表示させる通知部と、を備える作業者端末である。
【0009】
本発明の一態様は、上記の情報提供装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【0010】
本発明の一態様は、上記の作業者端末としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、医療や介護の実施に関わる者における作業の効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】情報提供装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図3】利用者端末30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図4】作業者端末40の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図5】作業者による非生体情報の入力を受け付ける画面(以下「非生体情報入力画面」という。)の具体例を示す図である。
【
図6】作業者に対して提供情報を通知するための画面(以下「提供情報画面」という。)の具体例を示す図である。
【
図7】情報提供システム100の処理のうち生体情報を蓄積する際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図8】情報提供システム100の処理のうち非生体情報を蓄積する際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図9】情報提供システム100の処理のうち提供情報が出力される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。情報提供システム100は、利用者の身体の状況に関する情報を提供するためのシステムである。情報提供システム100は、情報取得装置10、情報提供装置20、利用者端末30及び作業者端末40を含む。情報提供装置20、利用者端末30及び作業者端末40は、ネットワーク90を介して通信可能に接続される。
【0014】
情報取得装置10は、ネットワーク90を介して情報提供装置20と通信する。情報取得装置10は、例えば自装置に備えられた通信装置を用いて直接ネットワーク90に接続されてもよいし、利用者端末30との間で通信し、利用者端末30を経由することでネットワーク90に接続されてもよい。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0015】
情報取得装置10は、利用者の生体情報を取得し、ネットワーク90を介して情報提供装置20に送信する。利用者とは、情報取得装置10によって生体情報が取得される者である。利用者は、作業者によって作業が行われる対象となる者である。作業者によって行われる作業とは、例えば利用者に対する医療行為であってもよいし、利用者に対する介護行為であってもよいし、利用者を見守る行為や監視する行為であってもよいし、利用者の相談に乗る行為であってもよいし、利用者に対して何かしらのアドバイスを与える行為であってもよいし、利用者に対して何かしらのカウンセリングを行う行為であってもよいし、利用者に対する他の行為であってもよい。
【0016】
作業者は、利用者に対して所定の作業を行う者である。例えば医療従事者であってもよいし、介護従事者であってもよいし、利用者の親族の者であってもよいし、利用者の様子を確認する業務を担う者(例えば、利用者が生活する施設の者)であってもよいし、利用者の保護者や後見人などの関係を有する者であってもよい。
【0017】
情報提供装置20は、情報取得装置10から受信された生体情報を記録する。情報取得装置10から送信される生体情報は、利用者の生体情報である。作業者端末40は、作業者によって入力された非生体情報を情報提供装置20に送信する。非生体情報は、利用者に関する情報であって、生体情報ではない情報である。情報提供装置20は、作業者端末40から受信された非生体情報を記録する。
【0018】
情報提供装置20は、記録されている生体情報や非生体情報に基づいて、提供先の装置に応じた内容の提供情報を生成する。提供情報とは、作業者に対して提供される情報である。情報提供装置20は、生成された提供情報を提供先の装置に送信する。提供情報の送信先となる宛先は、例えば作業者端末40や、利用者の生体情報及び非生体情報を解析する解析装置等の情報処理装置である。利用者端末30は、利用者によって使用される端末装置である。作業者端末40は、作業者によって使用される端末装置である。以下、情報提供システム100の詳細について説明する。
【0019】
情報取得装置10は、1又は複数のセンサーと通信装置とを用いて構成される。情報取得装置10のセンサーは、利用者の生体情報を取得する。取得される生体情報の具体例として、利用者の睡眠に関する情報(以下「睡眠情報」という。)がある。睡眠情報は、利用者の睡眠に関する情報であればどのような情報であってもよい。例えば、利用者が就床してから起床するまでの期間(以下「就床期間」という。)におけるユーザーの生体情報が睡眠情報として用いられてもよい。
【0020】
より具体的には、ユーザーの就床から起床までの睡眠時間の総和、就床から起床までの間の覚醒(以下「中途覚醒」という。)の回数、中途覚醒の総時間、睡眠時の心拍の時系列情報、睡眠時の呼吸回数の時系列情報、睡眠時の血圧の時系列情報、睡眠時の体動に関する情報、などが睡眠情報の具体例としてありえる。睡眠情報に限らず、利用者が活動している期間に取得された生体情報(呼吸数、心拍、脳波、体動など)が取得されてもよい。情報取得装置10は、取得された生体情報を、ネットワーク90を介して情報提供装置20に送信する。
【0021】
図2は、情報提供装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。情報提供装置20は、例えばパーソナルコンピューター、サーバー装置などの情報機器を用いて構成される。情報提供装置20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。
【0022】
通信部21は、通信機器である。通信部21は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部21は、制御部23の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部21は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0023】
記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部22は、制御部23によって使用されるデータを記憶する。例えば、記憶部22は、生体情報記憶部221、非生体情報記憶部222、通知ルール記憶部223、利用者情報記憶部224及び作業者情報記憶部225として機能してもよい。
【0024】
生体情報記憶部221は、各情報取得装置10から受信された生体情報を記憶する。生体情報記憶部221は、例えば情報取得装置10毎に予め与えられる識別情報と、その情報取得装置10から受信された生体情報とを対応付けて記憶してもよい。生体情報記憶部221は、例えば利用者毎に予め与えられる識別情報と、その利用者が使用している情報取得装置10から受信された生体情報とを対応付けて記憶してもよい。この場合、利用者の識別情報と、その利用者が使用する情報取得装置10の識別情報とが予め記憶部22に登録されていてもよい。
【0025】
非生体情報記憶部222は、各作業者端末40から受信された非生体情報を記憶する。非生体情報記憶部222は、例えば利用者毎に予め与えられる識別情報と、その利用者に関して得られた非生体情報と、その非生体情報が得られた日時と、を対応付けて記憶してもよい。非生体情報記憶部222は、例えば利用者毎に予め与えられる識別情報と、その利用者に関して得られた非生体情報と、その非生体情報が得られた日時と、その非生体情報の送信元である作業者端末40の識別情報と、を対応付けて記憶してもよい。
【0026】
通知ルール記憶部223は、作業者の属性種別と、その属性の作業者に対して提供される提供情報の内容と、を示す情報を記憶する。作業者の属性種別とは、作業者の職業の種別や、作業者が行う作業の内容に応じた分類種別や、作業者に与えられた権限に応じた分類種別を示す。属性種別の具体例として、医師、看護師、介護士、ヘルパー、薬剤師、親族などがある。例えば、どのような属性種別の作業者に対して、どのような提供情報が提供されるかは、情報提供システム100の管理者や監督者などによって予め定められていることが望ましい。各作業者の作業において必要となる最小限の情報のみが各属性種別の作業者に対して提供されるように定義されてもよい。
【0027】
利用者情報記憶部224は、情報提供システム100における各利用者に関する情報を記憶する。利用者情報記憶部224は、例えば各利用者の属性情報(氏名、住所、年齢、性別、生活習慣など)、各利用者が使用する情報取得装置10の識別情報(例えば装置IDやアドレスなど)、各利用者が使用する利用者端末30の識別情報(例えば装置IDやアドレスなど)を含んでもよい。
【0028】
利用者情報記憶部224は、さらに、各利用者について、関与している作業者の一部又は全部に関する情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報記憶部224は、担当医師(例えばかかりつけの医師や、通院中の担当の医師など)に関する情報、担当薬局(例えばかかりつけの薬局や、通院中の病院が院内処方であればその病院など)に関する情報を記憶しても良い。利用者情報記憶部224は、さらに、服薬に関する情報(現在処方されている薬剤や、服薬の履歴など)を記憶してもよい。これらの情報は、利用者や作業者によって登録されてもよいし、病院などの施設に設けられている情報システムと連携することによって所定のタイミングで情報が登録され更新されてもよい。
【0029】
作業者情報記憶部225は、情報提供システム100を利用する作業者に関する情報を記憶する。作業者情報記憶部225は、例えば各作業者の属性情報(氏名、住所、年齢、性別、属性種別など)、各作業者が使用する作業者端末40の識別情報(例えば装置IDやアドレスなど)を含んでもよい。作業者情報記憶部225は、さらに、各作業者について、関与している利用者の一部又は全部に関する情報を記憶してもよい。これらの情報は、利用者や作業者によって登録されてもよいし、病院などの施設に設けられている情報システムと連携することによって所定のタイミングで情報が登録され更新されてもよい。
【0030】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部23は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報取得部231及び情報提供部232として機能する。なお、制御部23の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0031】
情報取得部231は、通信部21を介して、情報取得装置10から生体情報を受信する。情報取得部231は、受信された生体情報を、その生体情報が得られた日時を示す情報と、送信元の情報取得装置10やその利用者と対応付けて生体情報記憶部221に登録する。情報取得部231は、通信部21を介して、作業者端末40から非生体情報を受信する。情報取得部231は、受信された非生体情報を、その非生体情報が得られた日時を示す情報と、送信元の作業者端末40と、その非生体情報に関連する利用者と対応付けて非生体情報記憶部222に登録する。
【0032】
情報提供部232は、通知ルールにしたがって、宛先となる作業者端末40等の情報処理装置に応じた提供情報を生成する。例えば、作業者端末40から特定の利用者に関する情報を要求された場合には、情報提供部232は、要求されている特定の利用者の生体情報及び非生体情報のうち、その作業者端末40の使用者である作業者の属性種別に基づいて提供情報に含める項目を決定する。情報提供部232は、決定された項目の情報を含む提供情報を生成する。提供情報において、同一の利用者に関する生体情報と非生体情報とが日時に基づいて対応付けられてもよい。情報提供部232は、生成された提供情報を、要求元である作業者端末40に送信する。情報提供部232は、要求されてから提供情報を送信するのではなく、予め定められたタイミングで提供情報を生成し作業者端末40等の情報処理装置に送信してもよい。情報提供部232は、利用者端末30に対して提供情報を送信してもよい。この場合、情報提供部232は、利用者端末30に対して提供される情報として予め定められた項目を、予め定められたフォーマットの提供情報として利用者端末30に送信してもよい。
【0033】
図3は、利用者端末30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。利用者端末30は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、携帯ゲーム機、据え置き型ゲーム機、専用機器などの情報機器を用いて構成される。利用者端末30は、第1通信部311、第2通信部312、入力部32、出力部33、音声入力部341、音声出力部342、撮像部35、記憶部36及び制御部37を備える。
【0034】
第1通信部311は、通信装置を用いて構成される。第1通信部311は、情報取得装置10との間で通信する。第1通信部311が行う通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。第1通信部311は、例えばBluetooth(登録商標)のプロトコルにしたがって所定の周波数で通信してもよい。
【0035】
第2通信部312は、通信装置を用いて構成される。第2通信部312は、ネットワーク90を介して他の通信装置や情報処理装置と通信する。第2通信部312は、例えば情報提供装置20との間でデータを送受信する。
【0036】
入力部32は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部32は、利用者の指示を利用者端末30に入力する際に利用者によって操作される。入力部32は、入力装置を利用者端末30に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部32は、入力装置において利用者の入力に応じ生成された入力信号を利用者端末30に入力する。
【0037】
出力部33は、利用者端末30に接続された不図示の出力装置を介し、利用者端末30の利用者に対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、画像や文字をシートに印刷(印字)する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、インクジェットプリンタやレーザープリンタ等を用いて構成できる。出力部33は、利用者端末30に設けられた通信装置を介して他の情報処理装置に対し提供情報を送信してもよい。なお、入力部32と出力部33とが一体的にタッチパネルとして構成されてもよい。
【0038】
音声入力部341は、マイクを用いて構成される。音声入力部341は、マイクそのものとして構成されてもよいし、外部機器としてマイクを利用者端末30に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。マイクは、利用者端末30の周囲の所定の空間の音声を取得する。マイクは、例えば利用者の発話の音声を取得するように設けられることが望ましい。音声入力部341は、マイクによって取得された音声のデータを制御部37に出力する。
【0039】
音声出力部342は、スピーカーやヘッドホンやイヤホン等の音声出力装置を用いて構成される。音声出力部342は、音声出力装置そのものとして構成されてもよいし、外部機器として音声出力装置を利用者端末30に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。音声出力装置は、利用者端末30の周囲等の所定の空間に音声を出力する。音声出力装置によって音声出力される所定の空間は、利用者が音声を聞き取ることが可能な空間であることが望ましい。音声出力部342は、制御部37によって出力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0040】
撮像部35は、カメラを用いて構成される。撮像部35は、カメラそのものとして構成されてもよいし、外部機器としてカメラを利用者端末30に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。カメラは所定の空間を撮像する。カメラによる撮像は、可視光を受光することで画像形成する処理として実現されてもよいし、レーダーを用いて画像形成する処理として実現されてもよいし、他の実装方法で実現されてもよい。撮像部35は、静止画像を撮像するように構成されてもよいし、動画像を撮像するように構成されてもよい。撮像部35は、カメラによって撮像された画像のデータを制御部37に出力する。
【0041】
記憶部36は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部36は、制御部37によって使用されるデータを記憶する。例えば、記憶部36は、利用者情報記憶部361及び通知情報記憶部362として機能してもよい。
【0042】
利用者情報記憶部361は、自装置(利用者端末30)の利用者に関する情報を記憶する。利用者情報記憶部361は、例えば利用者の属性情報(氏名、住所、年齢、性別、生活習慣など)、利用者が使用する情報取得装置10の識別情報(例えば装置IDやアドレスなど)、自装置(利用者端末30)の識別情報(例えば装置IDやアドレスなど)、利用者に対して作業を行う作業者を示す情報、利用者に対して作業を行う作業者が使用する作業者端末40の識別情報(例えば装置IDやアドレスなど)を含んでもよい。
通知情報記憶部362は、情報提供装置20から受信された提供情報を記憶する。
【0043】
制御部37は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部37は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報取得部371、通知部372及びコミュニケーション制御部373として機能する。なお、制御部37の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0044】
情報取得部371は、第2通信部312を介して、情報提供装置20から提供情報を受信する。情報取得部371は、受信された提供情報を、受信された日時等の情報と対応付けて通知情報記憶部362に登録する。
【0045】
通知部372は、情報取得部371によって取得された提供情報を、出力部33を介して利用者に通知する。通知部372は、例えば提供情報に含まれる文字や画像を表示装置に表示することによって提供情報を出力してもよい。
【0046】
コミュニケーション制御部373は、他の装置との間で通信することによって、利用者に対し、他の装置のユーザー(例えば作業者端末40を使用する作業者)との間のコミュニケーションを提供する。例えば、コミュニケーション制御部373は、音声入力部341及び音声出力部342を用いた音声によるコミュニケーションを提供してもよい。例えば、コミュニケーション制御部373は、入力部32及び出力部33を用いた画面によるコミュニケーションを提供してもよい。画面によるコミュニケーションの具体例として、文字を用いたチャットがある。例えば、コミュニケーション制御部373は、入力部32、出力部33、音声入力部341及び音声出力部342を用いた映像と音声によるコミュニケーションを提供してもよい。
【0047】
図4は、作業者端末40の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。作業者端末40は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、携帯ゲーム機、据え置き型ゲーム機、専用機器などの情報機器を用いて構成される。作業者端末40は、通信部41、入力部42、出力部43、音声入力部441、音声出力部442、撮像部45、記憶部46及び制御部47を備える。
【0048】
通信部41は、通信装置を用いて構成される。通信部41は、ネットワーク90を介して他の通信装置や情報処理装置と通信する。通信部41は、例えば情報提供装置20との間でデータを送受信する。
【0049】
入力部42は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部42は、作業者の指示を作業者端末40に入力する際に作業者によって操作される。入力部42は、入力装置を作業者端末40に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部42は、入力装置において作業者の入力に応じ生成された入力信号を作業者端末40に入力する。
【0050】
出力部43は、作業者端末40に接続された不図示の出力装置を介し、作業者端末40の作業者に対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRTや液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、画像や文字をシートに印刷(印字)する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、インクジェットプリンタやレーザープリンタ等を用いて構成できる。出力部43は、作業者端末40に設けられた通信装置を介して他の情報処理装置に対し提供情報を送信してもよい。なお、入力部42と出力部43とが一体的にタッチパネルとして構成されてもよい。
【0051】
音声入力部441は、マイクを用いて構成される。音声入力部441は、マイクそのものとして構成されてもよいし、外部機器としてマイクを作業者端末40に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。マイクは、作業者端末40の周囲の所定の空間の音声を取得する。マイクは、例えば作業者の発話の音声を取得するように設けられることが望ましい。音声入力部441は、マイクによって取得された音声のデータを制御部47に出力する。
【0052】
音声出力部442は、スピーカーやヘッドホンやイヤホン等の音声出力装置を用いて構成される。音声出力部442は、音声出力装置そのものとして構成されてもよいし、外部機器として音声出力装置を作業者端末40に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。音声出力装置は、作業者端末40の周囲の所定の空間等に音声を出力する。音声出力装置によって音声出力される所定の空間は、作業者が音声を聞き取ることが可能な空間であることが望ましい。音声出力部442は、制御部47によって出力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0053】
撮像部45は、カメラを用いて構成される。撮像部45は、カメラそのものとして構成されてもよいし、外部機器としてカメラを作業者端末40に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。カメラは所定の空間を撮像する。カメラによる撮像は、可視光を受光することで画像形成する処理として実現されてもよいし、レーダーを用いて画像形成する処理として実現されてもよいし、他の実装方法で実現されてもよい。撮像部45は、静止画像を撮像するように構成されてもよいし、動画像を撮像するように構成されてもよい。撮像部45は、カメラによって撮像された画像のデータを制御部47に出力する。
【0054】
記憶部46は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部46は、制御部47によって使用されるデータを記憶する。例えば、記憶部46は、作業者情報記憶部461、利用者情報記憶部462、通知情報記憶部463、出力情報記憶部464及びタグ情報記憶部465として機能してもよい。
【0055】
作業者情報記憶部461は、自装置(作業者端末40)を使用する作業者に関する情報を記憶する。作業者情報記憶部461は、例えば作業者の属性情報(氏名、住所、年齢、性別、属性種別など)を記憶してもよい。作業者情報記憶部461は、さらに、作業者に対応した利用者を示す情報、作業者に対応した利用者が使用する情報取得装置10又は利用者端末30の識別情報(例えば装置IDやアドレスなど)を含んでもよい。これらの情報は、利用者や作業者によって登録されてもよいし、病院などの施設に設けられている情報システムと連携することによって所定のタイミングで情報が登録され更新されてもよい。
【0056】
利用者情報記憶部462は、自装置(作業者端末40)を使用する作業者に対応した利用者を示す情報を記憶する。これらの情報は、利用者や作業者によって登録されてもよいし、病院などの施設に設けられている情報システムと連携することによって所定のタイミングで情報が登録され更新されてもよい。
【0057】
通知情報記憶部463は、情報提供装置20から受信された提供情報を記憶する。
出力情報記憶部464は、作業者が作業者端末40を操作する際に出力部43において出力される情報を記憶する。例えば、出力情報記憶部464は、出力部43に相当する画像表示装置において表示される画面に関する情報を記憶してもよい。
【0058】
タグ情報記憶部465は、作業者が作業者端末40を操作して入力可能なタグ情報を記憶する。例えば、非生体情報として高い頻度で入力される文字列がタグ情報として定義されてもよい。タグ情報には、タグ情報であることを示す文字列(例えば“#”)が付与されてもよい。このようなタグ情報の具体例として、“便”、“尿”、“入浴”、“服薬”等の文字列がある。タグ情報は、利用者毎に個別に定義されてもよい。タグ情報は、実際のタグ情報と、そのタグ情報を入力する際に使用されるボタンに表示される文字列と、を対応付けて定義されてもよい。例えば、“#服薬○○”(○○は薬剤の名称)というタグ情報に対応付けて、“服薬1”という文字列が対応付けて定義され、“#服薬△△”(△△は○○とは異なる薬剤の名称)というタグ情報に対応付けて、“服薬2”という文字列が対応付けて定義されてもよい。服薬に関するタグ情報には、薬の分量を示す情報(例えば“1錠”、“1袋”など)がさらに付加されてもよい。このようなタグ情報と表示の文字列との対応関係は、利用者毎に個別に定義されてもよい。
【0059】
制御部47は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部47は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報取得部471、登録制御部472、通知部473及びコミュニケーション制御部474として機能する。なお、制御部47の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0060】
情報取得部471は、作業者の操作に応じて、通信部41を介して、情報提供装置20に対し提供情報を要求する。情報取得部471は、通信部41を介して、情報提供装置20から提供情報を受信する。情報取得部471は、受信された提供情報を、受信された日時等の情報と対応付けて通知情報記憶部463に登録する。
【0061】
登録制御部472は、作業者の操作に応じて、利用者に関する非生体情報の入力を受け付ける。登録制御部472は、入力された非生体情報を含む登録情報を生成し、通信部41を介して、情報提供装置20に対し送信する。登録情報には、非生体情報と、その非生体情報に関する利用者を示す識別情報と、非生体情報が取得された(入力された)日時を示す情報と、が含まれる。登録情報には、さらにその非生体情報を入力した作業者を示す識別情報や、自装置(作業者端末40)を示す識別情報が含まれてもよい。
【0062】
登録制御部472は、作業者による非生体情報の入力を受け付ける画面を出力部43に表示させてもよい。この場合、登録制御部472は、例えば出力情報記憶部464に記憶されている情報に基づいて画面を生成してもよい。このとき、登録制御部472は、タグ情報記憶部465に記憶されているタグ情報に基づいて入力に使用される画像(例えばボタンの画像)を生成してもよい。
【0063】
図5は、作業者による非生体情報の入力を受け付ける画面(以下「非生体情報入力画面」という。)の具体例を示す図である。
図5に示される非生体情報入力画面は、作業者端末40の出力部43に表示される。非生体情報入力画面は、1又は複数のタグ情報入力ボタン81と、メモ登録ボタン82と、利用者表示領域83と、を有する。
【0064】
タグ情報入力ボタン81は、そのボタンが操作(例えば、タップ、クリックなど)されたことに応じて、そのボタンに表示されている文字や画像に関連するタグ情報が入力される。例えば、“便”と表示されたタグ情報入力ボタン81aが操作されると、登録制御部472は、その操作がなされた日時と、タグ情報記憶部465にタグ情報入力ボタン81aと対応付けて記憶されているタグ情報“#便”と、利用者表示領域83に表示されている利用者識別情報と、を対応付けて登録情報を生成する。この場合、タグ情報“#便”が非生体情報である。タグ情報“#便”は、その日時に利用者が排便を行ったことを示す非生体情報である。
【0065】
“尿”と表示されたタグ情報入力ボタン81bが操作されると、登録制御部472は、その操作がなされた日時と、タグ情報記憶部465にタグ情報入力ボタン81bと対応付けて記憶されているタグ情報“#尿”と、利用者表示領域83に表示されている利用者識別情報と、を対応付けて登録情報を生成する。この場合、タグ情報“#尿”が非生体情報である。タグ情報“#尿”は、その日時に利用者が排尿を行ったことを示す非生体情報である。
【0066】
“入浴”と表示されたタグ情報入力ボタン81cが操作されると、登録制御部472は、その操作がなされた日時と、タグ情報記憶部465にタグ情報入力ボタン81cと対応付けて記憶されているタグ情報“#入浴”と、利用者表示領域83に表示されている利用者識別情報と、を対応付けて登録情報を生成する。この場合、タグ情報“#入浴”が非生体情報である。タグ情報“#入浴”は、その日時に利用者が入浴を行ったことを示す非生体情報である。
【0067】
“服薬1”と表示されたタグ情報入力ボタン81dが操作されると、登録制御部472は、その操作がなされた日時と、タグ情報記憶部465にタグ情報入力ボタン81dと対応付けて記憶されているタグ情報“#服薬MA1”と、利用者表示領域83に表示されている利用者識別情報と、を対応付けて登録情報を生成する。この場合、タグ情報“#服薬MA1”が非生体情報である。タグ情報“#服薬MA1”は、その日時に利用者がMA1という薬剤を服薬したことを示す非生体情報である。“#服薬MA1”と“服薬1”とは、タグ情報記憶部465に対応付けて記憶されている。タグ情報入力ボタン81eの“服薬2”と表示されたボタンと、タグ情報入力ボタン81fの“服薬3”と表示されたボタンも同様であり、それぞれに対応付けられた非生体情報の入力に使用される。タグ情報入力ボタン81eの“服薬2”と表示されたボタンと、タグ情報入力ボタン81fの“服薬3”と表示されたボタンと、にはそれぞれ異なる服薬方法が定義されている。例えば、薬の種類や組合せが異なるように各ボタンが定義されてもよいし、同じ薬であっても分量が異なるように各ボタンが定義されてもよい。
【0068】
メモ登録ボタン82は、メモ情報を入力する際に使用されるボタンである。メモ登録ボタン82が操作されることに応じて、作業者端末40がメモ情報の入力を受け付ける状態に遷移する。例えば、メモ登録ボタン82が操作されると、登録制御部472は、音声入力部441を介して入力される音声について音声認識を実行し、認識された文字列をメモ情報として受け付けてもよい。例えば、メモ登録ボタン82が操作されると、登録制御部472は、キーボードやタッチパネルの操作による文字列の入力操作を受け付け、入力された文字列をメモ情報として受け付けてもよい。登録制御部472は、その操作がなされた日時と、入力された文字列(メモ情報)と、利用者表示領域83に表示されている利用者識別情報と、を対応付けて登録情報を生成する。この場合、入力された文字列(文字情報)が非生体情報である。
【0069】
メモ情報として、例えば利用者における服薬の状況を示す情報、利用者の感情の遷移(感情の起伏)に関する情報、利用者の人間関係(交友関係、他者との交流、もめごとなど)に関する情報、軽度な体調変化(便秘、頭痛、腹痛、関節の痛みなど)に関する情報、が記録されてもよい。また、メモ情報として、作業者が利用者への応対の中で取得した、利用者の主観的情報(主訴)や作業者の所感が記録されてもよい。
【0070】
図4の説明に戻る。通知部473は、情報取得部471によって取得された提供情報を、出力部43を介して作業者に通知する。通知部473は、例えば提供情報に含まれる文字や画像を出力部43の表示装置に表示することによって提供情報を出力してもよい。
【0071】
図6は、作業者に対して提供情報を通知するための画面(以下「提供情報画面」という。)の具体例を示す図である。
図6に示される提供情報画面は、作業者端末40の出力部43に表示される。提供情報画面は、1日又は複数日における利用者の生体情報及び非生体情報を示す画像を表示する。
図6の例では、縦軸が日付を表し、横軸が時刻を表す。各日時において取得された生体情報に関する画像と、各日時において取得された非生体情報に関する画像とが表示される。
図6の例では、生体情報として、睡眠情報に関する画像が表示されている。睡眠情報の画像には、睡眠の種別等に基づいて複数の種類の画像が定義されてもよい。例えば、睡眠状態であることを示す画像(睡眠)と、覚醒状態であって寝床の上に位置している状態を示す画像(覚醒)と、寝床から離れている状態を示す画像(離床)と、が定義されてもよい。
【0072】
提供情報画面には、他の生体情報が表示されてもよい。
図6の例では、非生体情報として、メモ情報が登録されたタイミングを示す登録メモの画像と、登録されたメモ情報の内容を示す登録メモ内容と、排便が行われたタイミングを示す画像と、排尿が行われたタイミングを示す画像と、入浴が行われたタイミングを示す画像と、が表示されている。
【0073】
例えば、
図6の最上段にある11月1日の提供情報を例にとって説明する。14時頃(実際には13時50分)の位置に登録メモの画像、16時頃の位置に排尿の画像、17時頃の位置に入浴の画像、20時頃から翌日の2時前頃まで睡眠の画像、2時前後において覚醒の画像、2時過ぎから7時頃まで睡眠の画像、8時前の位置に排尿の画像、8時過ぎの位置に排便の画像、がそれぞれ表示されている。
図6に示される画面の内容は、各画像が位置しているタイミングで、作業者によって利用者の非生体情報が記録されたことを示している。
【0074】
図6の11月1日の提供情報は、登録メモの内容として、“13:50 昼食を残し、少し体調が悪そうです。”という文字列を含んでいる。この文字列に対し、この文字列をメモ情報として登録した主体(作業者)を示す識別情報である“(ヘルパー)”という文字列も対応付けて表示されている。
【0075】
以上説明したような提供情報画面は、提供情報において画面のフォーマットや画像及び文字列の表示位置などが定義されてもよい。また、提供情報は各項目の値のみを含んでおり、その値に基づいて通知部473が、提供情報画面のフォーマットや画像及び文字列の表示位置を決定してもよい。すなわち、提供情報画面の表示内容は、情報提供装置20において決定されてもよいし、作業者端末40において決定されてもよい。
【0076】
コミュニケーション制御部474は、他の装置との間で通信することによって、作業者に対し、他の装置のユーザー(例えば利用者端末30を使用する利用者)との間のコミュニケーションを提供する。例えば、コミュニケーション制御部474は、音声入力部441及び音声出力部442を用いた音声によるコミュニケーションを提供してもよい。例えば、コミュニケーション制御部474は、入力部42及び出力部43を用いた画面によるコミュニケーションを提供してもよい。画面によるコミュニケーションの具体例として、文字を用いたチャットがある。例えば、コミュニケーション制御部474は、入力部42、出力部43、音声入力部441及び音声出力部442を用いた映像と音声によるコミュニケーションを提供してもよい。
【0077】
図7は、情報提供システム100の処理のうち生体情報を蓄積する際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、情報取得装置10が生体情報を取得する(ステップS101)。情報取得装置10は、取得された生体情報を蓄積し、送信タイミングまで繰り返し生体情報を取得する(ステップS102-NO)。送信タイミングが到来すると(ステップS102-YES)、情報取得装置10は、それまでに取得(蓄積)された生体情報を情報提供装置20に送信する(ステップS103)。情報提供装置20は、生体情報を受信すると、受信された生体情報を記録する(ステップS104)。
【0078】
図8は、情報提供システム100の処理のうち非生体情報を蓄積する際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、作業者端末40が、作業者から非生体情報を入力する操作を受け付ける(ステップS201)。作業者端末40は、入力された情報に基づいて非生体情報を生成する(ステップS202)。作業者端末40は、非生体情報を情報提供装置20に送信する(ステップS203)。情報提供装置20は、非生体情報を受信すると、受信された非生体情報を記録する(ステップS204)。
【0079】
図9は、情報提供システム100の処理のうち提供情報が出力される際の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。まず、作業者端末40が、作業者から提供情報を要求する操作を受け付ける(ステップS301)。作業者端末40は、操作に応じて要求情報を生成する(ステップS302)。作業者端末40は、要求情報を情報提供装置20に送信する(ステップS303)。
【0080】
情報提供装置20は、要求情報を受信すると、受信された要求情報に含まれる作業者に関する識別情報に基づいて、要求元である作業者の属性種別を判定する(ステップS304)。情報提供装置20は、要求情報において示されている利用者に関する生体情報及び非生体情報のうち、判定された属性種別に応じた項目の情報を取得し、提供情報を生成する(ステップS305)。情報提供装置20は、生成された提供情報を、要求元である作業者端末40に送信する(ステップS306)。作業者端末40は、提供情報を受信すると、受信された提供情報を出力する(ステップS307)。
【0081】
このように構成された情報提供システム100によれば、医療や介護の実施に関わる者における作業の効率を向上させることが可能となる。具体的には以下の通りである。
【0082】
情報提供システム100では、生体情報と非生体情報とが記録される。生体情報と非生体情報とが他の装置に提供される際には、その日時に基づいて対応付けて提供される。そのため、提供情報を受けた作業者等は、生体情報及び非生体情報の対応関係に基づいて利用者の状況を効率よく把握することが可能となる。例えば、非生体情報を活用することで利用者に対してより適切なケアを行うことが可能となる。また、生体情報と非生体情報とを対応付けて分析することで、利用者に提供したケアと、利用者の生体情報との関係性を分析することが可能となる。
【0083】
情報提供システム100では、非生体情報として特に重要なものについて、タグ情報が定義されている。これらの非生体情報がタグ情報として記録されることによって、その後に非生体情報を用いて分析を行う際に、分析粒度を調節することが可能となり、効率的な分析を行うことが可能となる。また、タグ情報として記録することで、ルーチン的な生活情報や頻度が高く発生しうる情報(例えば利用者の生理現象に関する情報など)については、文章での入力を省略することができる。そのため、入力作業の効率化を図ることが可能となる。例えば、
図5に示される非生体情報入力画面では、タグ情報を入力するためのタグ情報入力ボタン81が表示されている。このようなボタンが表示されることによって、タグ情報の入力の省力化が可能となる。なお、これらのボタン81は、必ずしもタグ情報の入力に限定される必要は無い。ルーチン的な生活情報や頻度が高く発生しうる情報(例えば利用者の生理現象に関する情報など)について入力を行うためのユーザーインターフェースとしてこれらのボタン81が用いられてもよい。
【0084】
情報提供システム100では、非生体情報として特に重要なものについて、発生したタイミングが提供情報画面に表示される。また、提供情報画面には、生体情報に基づいた画像(例えば睡眠に関する画像)も表示される。例えば、
図6の例では、生体情報と非生体情報とが発生日時に対応付けて同じ画面上(同じ時間軸上)に表示される。そのため、作業者は利用者の状況についてより容易に把握することが可能となる。さらに、情報提供システム100における作業者端末40によって作業者間で情報共有した後、共有された情報に基づいて利用者の状況の悪化(例えば認知機能低下)の早期発見、改善指導、効果検証などを実施することができる。さらに、これらの情報の共有によって、予防改善作業の効率化を図ることができる。
【0085】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0086】
100…情報提供システム, 10…情報取得装置, 20…情報提供装置, 30…利用者端末, 40…作業者端末, 80…画面, 81a~81f…タグ情報入力ボタン, 82…メモ登録ボタン, 83…利用者表示領域, 90…ネットワーク