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特許7467418自動車の閉鎖エレメントのためのスピンドル駆動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】自動車の閉鎖エレメントのためのスピンドル駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/48 20150101AFI20240408BHJP
   E05F 1/14 20060101ALI20240408BHJP
   E05F 15/603 20150101ALI20240408BHJP
   B60J 5/10 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
E05F15/48
E05F1/14 A
E05F15/603
B60J5/10 Z
B60J5/10 K
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021510819
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2019072540
(87)【国際公開番号】W WO2020043603
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】102018121033.7
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508072408
【氏名又は名称】ブローゼ ファールツォイクタイレ エスエー ウント コンパニ コマンディートゲゼルシャフト バンベルク
【氏名又は名称原語表記】BROSE FAHRZEUGTEILE SE & CO.KG,BAMBERG
【住所又は居所原語表記】Berliner Ring 1, 96052 Bamberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シュナイダーバンガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヴィルト
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト クリューガー
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0024092(US,A1)
【文献】特表2016-532036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/48
E05F 1/14
E05F 15/603
B60J 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(4)の閉鎖エレメント(3)のためのスピンドル駆動装置であって、前記スピンドル駆動装置(1)の動力伝達系(14)には、駆動ユニット(5)と、駆動技術的に前記駆動ユニット(5)の後方に接続された、スピンドル(11a)および前記スピンドルに噛み合うスピンドルナット(11b)を有したスピンドル・スピンドルナット伝動装置(11)であって、前記スピンドル・スピンドルナット伝動装置は、軸方向(X)で延在する幾何学的なスピンドル軸線(A)を有していて、前記スピンドル駆動装置(1)の走入位置と走出位置との間で、スピンドルナット側の駆動接続部(12b)に対して相対的な、スピンドル側の駆動接続部(12a)の直線的な駆動運動を発生させるためのスピンドル・スピンドルナット伝動装置(11)と、が設けられており、前記動力伝達系(14)には、前記駆動接続部(12a,12b)を介して前記スピンドル駆動装置(1)に作用する予め規定された軸方向の臨界荷重、特に前記走出位置の方向の引っ張り負荷が生じた際に、前記動力伝達系(14)を分断する目標破断個所(17)が設けられている、スピンドル駆動装置において、
前記動力伝達系(14)は、前記目標破断個所(17)により、前記駆動ユニット(5)と、前記スピンドル・スピンドルナット伝動装置(11)との間で分断されることを特徴とする、スピンドル駆動装置。
【請求項2】
前記スピンドル駆動装置(1)は、前記スピンドル側の駆動接続部(12a)に軸方向不動に連結された駆動管(10a)と、前記スピンドルナット側の駆動接続部(12b)に軸方向不動に連結された被駆動管(10b)とを備えたケーシング(10)を有しており、前記駆動管(10a)と前記被駆動管(10b)とはテレスコピック式に互いに協働しており、好適には、前記駆動管(10a)は、前記被駆動管(10b)内にテレスコピック式にガイドされている内管である、または前記被駆動管(10b)は、前記駆動管(10a)内にテレスコピック式にガイドされている内管である、請求項1記載のスピンドル駆動装置。
【請求項3】
前記目標破断個所(17)による前記動力伝達系(14)の分断により、前記駆動ユニット(5)と、前記スピンドル側の駆動接続部(12a)と、前記駆動管(10a)とを有している第1の構成部分ユニット(18)、ならびに前記スピンドル・スピンドルナット伝動装置(11)と、前記スピンドルナット側の駆動接続部(12b)と、前記被駆動管(10b)とを有している第2の構成部分ユニット(19)が形成され、前記第1の構成部分ユニットと前記第2の構成部分ユニットとは互いに相対的に軸方向(X)で可動であって、好適には、前記第1の構成部分ユニット(18)は、前記第2の構成部分ユニット(19)に対して相対的に、前記ケーシング(10)の、テレスコピック式に互いに協働するケーシング部分(10a,10b)を介して軸方向でガイドされており、好適には、前記スピンドル駆動装置(1)の走出位置で、前記第1の構成部分ユニット(18)は、前記第2の構成部分ユニット(19)に対して相対的に、前記ケーシング(10)の、テレスコピック式に互いに協働する前記ケーシング部分(10a,10b)を介して、少なくとも40mmの、好適には少なくとも60mmの、特に好適には少なくとも80mmの軸方向長さ(L)にわたって、軸方向でガイドされている、請求項2記載のスピンドル駆動装置。
【請求項4】
前記スピンドル駆動装置(1)は、ばね装置(20)を有していて、前記ばね装置は、前記スピンドル側の駆動接続部(12a)と前記スピンドルナット側の駆動接続部(12b)とに、互いに前記スピンドル駆動装置(1)の走出位置に向かって予荷重をかけており、好適には、前記ばね装置(20)はばねエレメント(21)を、特に圧縮ばねを有しており、さらに好適には、前記ばねエレメント(21)は、前記第2の構成部分ユニット(19)の構成部分である、請求項記載のスピンドル駆動装置。
【請求項5】
前記目標破断個所(17)は、軸方向の負荷に関して、特に引っ張り負荷に関して、前記スピンドル駆動装置(1)の前記動力伝達系(14)の、前記軸方向の臨界荷重を受けるその他全ての構成要素および接続個所よりも、少なくとも5%だけ、好適には少なくとも10%だけ、特に好適には少なくとも15%だけ、脆弱であるように設計されており、好適には、前記軸方向の臨界荷重は、5000N~15000Nであり、好適には5000N~10000Nであり、特に好適には6000N~9000Nである、請求項1から4までのいずれか1項記載のスピンドル駆動装置。
【請求項6】
前記目標破断個所(17)は、前記スピンドル駆動装置(1)の第1の構成部分と第2の構成部分とが形状接続的にかつ/または摩擦接続的にかつ/または材料接続的に互いに接続されている、特に互いに圧着されている、特に半径方向の接続個所(23)によって形成されており、前記動力伝達系(14)の分断を引き起こす前記臨界荷重に達すると、前記接続個所(23)における接続が解除される、請求項1から5までのいずれか1項記載のスピンドル駆動装置。
【請求項7】
前記第1の構成部分は、前記スピンドル(11a)を、軸方向であって、前記駆動ユニット(5)とは反対の方向で、前記駆動ユニット(5)に対して相対的に位置固定するように形成されている、特にリング状のまたはスリーブ状の固定エレメント(24)であって、好適には、前記固定エレメント(24)は、スピンドル軸受(27)を、特にボールベアリングを収容するための軸受スリーブ(26)を、軸方向で、前記駆動ユニット(5)とは反対の方向で位置固定するクリンプリング(25)である、または前記固定エレメント(24)は、前記スピンドル軸受(27)を収容するための、特にボールベアリングを収容するための軸受スリーブ(26)によって形成されている、請求項6記載のスピンドル駆動装置。
【請求項8】
前記第2の構成部分は、前記駆動ユニット(5)に軸方向不動に連結されている管状のケーシング部分(10a)であって、好適には、前記管状のケーシング部分(10a)は、少なくとも1つの駆動ユニット構成要素(6,7,8)を、特に前記駆動ユニット(5)の、駆動モータ(6)および/または中間伝動装置(7)および/または付加的構成要素(8)を収容しており、特に軸方向で位置固定している、請求項6または7記載のスピンドル駆動装置。
【請求項9】
前記管状のケーシング部分(9)は、前記駆動管(10a)に、特に前記ケーシング(10)の外管に軸方向不動に、特に相対回動不能に連結されている、または前記管状のケーシング部分(10a)は、前記ケーシング(10)の前記駆動管(10a)を、特に内管を形成している、請求項2を引用する請求項8記載のスピンドル駆動装置。
【請求項10】
前記第1の構成部分は、前記第2の構成部分の半径方向内側に配置されている、かつ/または前記接続個所(23)において半径方向内側から前記第2の構成部分に当接している、請求項6から9までのいずれか1項記載のスピンドル駆動装置。
【請求項11】
前記各駆動接続部(12a,12b)は、前記スピンドル駆動装置(1)と前記自動車(4)とのボール・ボールソケットカップリングのために、それぞれ1つのボールソケットまたはボールを提供している、請求項1から10までのいずれか1項記載のスピンドル駆動装置。
【請求項12】
閉鎖エレメント(3)と、請求項1から11までのいずれか1項記載の、前記閉鎖エレメント(3)に配設された少なくとも1つのスピンドル駆動装置(1)とを備えた、自動車(4)の閉鎖エレメント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の自動車の閉鎖エレメント用のスピンドル駆動装置ならびに請求項12に記載の形式の閉鎖エレメントを備えた自動車の閉鎖エレメント装置に関する。
【0002】
上述したスピンドル駆動装置は、自動車の各種の閉鎖エレメントのモータによる調節の範疇で使用される。このような閉鎖エレメントは、例えば、自動車のテールゲート、リヤカバー、ボンネット、トランクルーム底面であり得るが、さらに自動車のドア、特にスライドドアであってもよい。「閉鎖エレメント」という概念はこの場合、広く理解することができる。
【0003】
本発明の起点である公知のスピンドル駆動装置(独国実用新案第202010009334号明細書)は、車両のテールゲートをモータによって調節するために機能する。このスピンドル駆動装置は、電気的な駆動ユニットと、駆動技術的にこの電気的な駆動ユニットの後方に接続されたスピンドル・スピンドルナット伝動装置とを有しており、このスピンドル・スピンドルナット伝動装置によって、スピンドル駆動装置のスピンドルナット側の駆動接続部に対して相対的に、スピンドル側の駆動接続部の直線的な駆動運動を行わせて、閉鎖エレメントを開閉する。閉鎖エレメントの開放位置では、スピンドル駆動装置は相応に走出位置に位置し、これに対して閉鎖エレメントの閉鎖位置ではスピンドル駆動装置は走入位置に位置している。
【0004】
スピンドル駆動装置は、スピンドルナット側の駆動接続部に軸方向不動に連結された被駆動管と、この被駆動管内にテレスコピック式にガイドされていて、スピンドル側の駆動接続部に軸方向不動に連結された駆動管とを有している。ボールソケットとして形成されている、スピンドルナット側の駆動接続部は、この場合、被駆動管に軸方向不動に連結されたガイドスリーブ内に軸方向不動かつ回動可能に支持されているガイドピンを有している。スピンドルナット側の駆動接続部はこの場合、そのガイドピン内に目標破断個所を有しており、この目標破断個所は、駆動接続部を介してスピンドル駆動装置に作用する軸方向の臨界荷重が、この場合、引っ張り負荷が生じた際に意図的に破断されて、スピンドル駆動装置をそれ以上の損傷が生じる前に保護する。軸方向の臨界荷重は例えば、テールゲートの電気的な閉鎖運動に抗して使用者によりパニック動作が行われた場合に、または使用者が、機械的なストッパを越えてテールゲートをさらに上方に動かした場合に、達せられる。
【0005】
公知のスピンドル駆動装置では特に好適には、スピンドル駆動装置が、自動車のテールゲートまたは車体から裂断された後でも、スピンドル駆動装置のケーシングおよびケーシングによって取り囲まれた構成要素は損傷されずに残っているという事実がある。したがって、スピンドル側の駆動接続部とスピンドルナット側の駆動接続部とに互いに走出位置に向かって予荷重を加える、スピンドル駆動装置のばね装置の圧縮ばねの、使用者に怪我をさせる危険となり得る突然の弛緩および解放の危険はない。しかしながら、スピンドル駆動装置の裂断後は、それ以上、保持機能は存在しない。さらに、目標破断個所を、駆動接続部の領域に設けることは、アクティブ/パッシブシステムでは、アクティブ側、すなわち駆動ユニットを備えたスピンドル駆動装置が、パッシブ側、すなわち駆動されないガスばねのばね力も吸収しなければならず、このことは、アクティブ側の駆動接続部に対する引っ張り負荷を増大させることとなるので、特に必要とされる、駆動接続部の高いロバスト性には妨げとなる。すなわち、アクティブ側における目標破断個所は、安全性も損なうおそれがある。
【0006】
本発明の根底にある課題は、公知のスピンドル駆動装置を改良して、保持機能に関する安全性を向上させることである。
【0007】
軸方向の臨界荷重に達した際に、そこで力の伝達を遮断するために、駆動接続部から間隔を置いてスピンドル駆動装置の内側に位置する目標破断個所を、動力伝達系に設けるという基本的な考えが本質である。これにより駆動接続部は、損傷されずに残り、自動車への接続も維持される。同時に、目標破断個所は、本提案によれば、軸方向の臨界荷重に到達した際に、一方では、直線的な駆動運動を行わせる駆動装置構成要素において、すなわち、特に電気的な駆動ユニットの構成要素において、他方では、後方に接続されたスピンドル・スピンドルナット伝動装置の構成要素において、損傷を生じさせない、いずれにせよ大きな損傷は生じさせない個所に配置されている。すなわち、臨界荷重事例の際に動力伝達系が分断されても、一方では駆動ユニットは、他方ではスピンドル・スピンドルナット伝動装置は、少なくともほぼ無傷に温存される。さらに、テレスコピック式のケーシングの場合、臨界荷重事例の際に、すなわち走出位置にあるスピンドル駆動装置のもとでも、動力伝達系の分断にもかかわらず、引き続き駆動管が被駆動管に対して軸方向でガイドされていて、したがってケーシングが引き続き駆動装置構成要素をテレスコピック式の接続を介してスピンドル駆動装置の内部に保持するように、目標破断個所が配置されている。すなわち、スピンドル駆動装置は、臨界荷重事例が生じた際に、互いに分離された2つの部分に破壊されず、少なくとも直接的には破壊されず、保持機能と、閉鎖エレメント、例えばテールゲートの手動操作とを引き続き保証する1つのユニットを引き続き形成している。目標破断個所を備えた駆動接続部に対して、駆動接続部のロバスト性も著しく高められ、このことは、アクティブ・パッシブシステムに関して有利である。
【0008】
具体的には、動力伝達系は、目標破断個所を介して、駆動ユニットと、スピンドル・スピンドルナット伝動装置との間で分断されることが提案される。すなわち、目標破断個所は、駆動ユニットとスピンドル・スピンドルナット伝動装置との間の力の伝達を、特にトルクの伝達を、臨界荷重事例の際に遮断するように配置されている。この場合、駆動接続部は無傷で残っていて、スピンドル駆動装置は、自動車、特に閉鎖エレメントまたは車体から裂断されず、これによりまだ限定的にその機能を維持している。
【0009】
「目標破断個所」という概念は、本提案の意味では極めて一般的に、1つの構成部分の内側の意図的な脆弱個所また2つの構成部分の相互の接続部の意図的な脆弱個所を意味する。臨界荷重事例の際にこのような個所で生じる切り離し、すなわち2つの部分への分離は、この場合、必ずしも、材料の破壊により生じるものではなく、形状接続および/または摩擦接続および/または材料接続の解消により生じるものであってもよい。特に、目標破断個所とは、軸方向の負荷、特に引っ張り負荷に関して、同様の荷重を受けるその他全ての構成要素および接続個所よりも脆弱に設計されている、2つの構成部分の相互の圧着部(エンボス接続部)であるとも理解される。したがって、「目標破断個所」という概念はこの場合、広く理解することができる。
【0010】
請求項2の構成によると、スピンドル駆動装置は、テレスコピック式に互いに協働する駆動管と被駆動管とを備えたケーシングを有している。この場合、好適には、駆動管または被駆動管は、それぞれ他方の管状のケーシング部分内にガイドされている内管を形成する。両管状のケーシング部分が軸方向でオーバーラップしていることにより、臨界荷重事例の際に、駆動ユニットとスピンドル・スピンドルナット伝動装置との間で動力伝達系が分断された場合に、各駆動装置構成要素がケーシング内に保持されることが保証される。すなわち好適には、臨界荷重事例の際の動力伝達系の分断により、所定の範囲で、すなわち管状の両ケーシング部分の間でオーバーラップが存在している範囲で、軸方向で互いに相対的に引き続き可動である第1の構成部分ユニットと第2の構成部分ユニットとが形成される(請求項3)。
【0011】
請求項4記載の構成によれば、スピンドル駆動装置は、ばね装置を有していて、このばね装置は通常の作動時には、スピンドル側の駆動接続部とスピンドルナット側の駆動接続部とに、したがってスピンドルとスピンドルナットとにも、互いにスピンドル駆動装置の走出位置に向かって予荷重をかける。好適には、ばね装置は、ばねエレメントを、特に圧縮ばねを、例えばスピンドル駆動装置内で予荷重をかけられている圧縮コイルばねを有している。好適には、ばねエレメントは、臨界荷重事例の際に動力伝達系が分断された状態では、第2の構成部分ユニットの構成部分である。特に好適には、ばねエレメントが予荷重をかけられて当接する、ばね装置のばね支持部および/またはばねガイド管も、第2の構成部分ユニットの構成部分である。これにより、臨界荷重事例の際に第1の構成部分ユニットが第2の構成部分ユニットから離れた場合でも、ばねエレメントは、第2の構成部分ユニットの内側に保持することができ、突然解放されることはない。
【0012】
目標破断個所の特に好適な構成は、請求項5から10までに記載されている。好適には、目標破断個所は、2つの構成部分の間の、特に半径方向の接続個所によって形成されていて、これら2つの構成部分のうちの第1の構成部分は、特にリング状またはスリーブ状の固定エレメント、特にクリンプリングであってよく(請求項7)、2つの構成部分のうちの第2の構成部分は、管状のケーシング部分であってよく(請求項8)、管状のケーシング部分は、ケーシングを形成する管のうちの一方(駆動管または被駆動管)であってよく、かつ/または駆動ユニット構成要素を収容するための駆動装置カートリッジであってよい。
【0013】
請求項11によると、各駆動接続部は、スピンドル駆動装置と車体または調節エレメントとのボール・ボールソケットカップリングのために、ボールソケットまたはボールを提供している。各駆動接続部のボールソケットまたはボール、特に駆動接続部をケーシングに接続するためのボールソケットのガイドピンまたはボールは、この場合、特に、目標破断個所なしに形成されている。
【0014】
さらに、上述した課題は、請求項12による自動車の閉鎖エレメント装置によって解決される。このさらなる教示は、独立した意味をもつ。本提案による閉鎖エレメント装置では、本提案によるスピンドル駆動装置の関連で上述したものと同じ利点が得られる。したがって、本提案によるスピンドル駆動装置についての全ての説明を参照することができる。
【0015】
以下に、単なる実施例を示した図面につき本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】図示したフラップ装置のための本提案によるスピンドル駆動装置を備えた自動車のリヤ領域を示す図である。
図2図1によるスピンドル駆動装置の実施例を、規定された走入状態で示す詳細図である。
図3図2によるスピンドル駆動装置を、規定された走出状態で示す詳細図である。
図4図2によるスピンドル駆動装置を、臨界荷重事例の発生後の状態で示す詳細図である。
図5図1によるスピンドル駆動装置の別の実施例を、規定された走入状態で示す詳細図である。
【0017】
本提案によるスピンドル駆動装置1は、閉鎖エレメント装置2に、図1では例えばテールゲート装置に配設されていて、閉鎖エレメント装置は、閉鎖エレメント3を、この場合テールゲートを備えている。閉鎖エレメント装置2は、自動車4に設けられている。
【0018】
閉鎖エレメント3は、冒頭で述べたように、自動車4の他の閉鎖エレメント、特にリヤカバーであってもよいが、スライドドアであってもよい。全ての構成は、その他の閉鎖エレメントにも相応に該当する。
【0019】
図1には、閉鎖エレメント3の開閉のために、自動車4の閉鎖エレメント装置2のスピンドル駆動装置1が、駆動ユニット5を有していることが示されている。駆動ユニット5は、特に図2図5に示されているように、軸方向Xで相前後して配置されていて互いにトルクを伝達するように接続された複数の構成要素6,7,8を含む。これらの駆動ユニット構成要素6,7,8は、駆動ユニット5の駆動ユニットケーシング9内に軸方向不動に支持されている。この場合、駆動ユニットケーシング9は、駆動ユニット構成要素6,7,8のみを収容するために働く、スピンドル駆動装置1のケーシング10のケーシング部分10a,10bに軸方向不動に、特に相対回動不能に連結されている別個の構成部分であるか、または駆動ユニットケーシング9は、スピンドル駆動装置1のケーシング10のケーシング部分10a,10bによって形成されていて、したがって他の部分では各ケーシング部分10a,10bと特に一体に形成されている。
【0020】
駆動技術的に駆動ユニット5の後方には、スピンドル・スピンドルナット伝動装置11が接続されており、このスピンドル・スピンドルナット伝動装置は、軸方向Xに延在する幾何学的なスピンドル軸線Aを有していて、スピンドル駆動装置1の走入位置と走出位置との間で、スピンドル駆動装置1のスピンドルナット側の駆動接続部12bに対して相対的な、スピンドル側の駆動接続部12aの直線的な駆動運動を発生させる。この場合、走入位置の方向での駆動運動は、特に閉鎖エレメント3の閉鎖に相当し、走出位置の方向での駆動運動は、特に閉鎖エレメント3の開放に相当する。
【0021】
スピンドル駆動装置1のスピンドル・スピンドルナット伝動装置11は、構成要素11a,11bとして、通常は、回転するスピンドル11aと、このスピンドルに噛み合っているスピンドルナット11bとを有している。スピンドル・スピンドルナット伝動装置11は、特に非セルフロック式に形成されているが、セルフロック式であってもよい。スピンドル11aは、この場合、好適には爪カップリングの形態の連結装置13を介して、駆動ユニット5に軸方向不動に連結されている。
【0022】
駆動ユニット5とスピンドル・スピンドルナット伝動装置11とは、スピンドル側の駆動接続部12aからスピンドルナット側の駆動接続部12bへと延在する、スピンドル駆動装置1の動力伝達系14内に配置されている。スピンドル側の駆動接続部12aは、この場合、好適には軸方向不動に、特に相対回動不能に、駆動ユニットケーシング9および/またはスピンドル駆動装置1のケーシング10の対応するケーシング部分10aに接続されていて、特に圧着されている。
【0023】
駆動ユニット5を介して、スピンドル側の駆動接続部12aに、この場合軸方向不動に、連結されているスピンドル11aは、スピンドルガイド管15内で軸方向可動にガイドされている。スピンドルガイド管15は、スピンドルナット11bに、この場合、軸方向不動かつ相対回動不能に結合されており、スピンドルナット側の駆動接続部12bに、この場合も軸方向不動かつ相対回動不能に連結されている。さらに、ばねガイド管16が、半径方向で、スピンドル11aとスピンドルガイド管15とを取り囲んで配置されていて、スピンドルナット側の駆動接続部12bに、この場合相対回動不能かつ軸方向不動に連結されている。スピンドルナット11bは、この場合、駆動接続部12a,12bに対して回動不能に保持されているので、スピンドル11aの回転運動は、スピンドルナット11bを介して、スピンドルナット11bに相対回動不能に連結されたスピンドルガイド管15の並進運動へと変換される。したがって、両駆動接続部12a,12bは軸方向Xで、すなわちスピンドル軸線Aに沿って、互いに相対的に調節され得る。
【0024】
スピンドル駆動装置1はさらに、この場合、好適には、駆動管10aと、この駆動管に対してテレスコピック式にガイドされた被駆動管10bとを含む、2つの部分から成るケーシング10を有しており、駆動管10aはスピンドル側の駆動接続部12aに、被駆動管10bはスピンドルナット側の駆動接続部12bに、それぞれ軸方向不動に、かつ特に相対回動不能に連結されている。この場合、図2図4による実施例では、被駆動管10bは外管を形成しており、駆動管10aは、この被駆動管内で、内管としてテレスコピック式にガイドされている。これに対して、図5の実施例では、駆動管10aが外管であり、この駆動管内で、被駆動管が内管としてテレスコピック式にガイドされている。
【0025】
図2図4の実施例では駆動管10aによって形成される駆動ユニットケーシング9は、図5の実施例では駆動管10aに軸方向不動にかつ特に相対回動不能に連結された別個の構成部分である駆動ユニットケーシング9は、この場合、好適には、駆動モータ6と、駆動技術的にこの駆動モータの後方(出力側)に接続されていて、この駆動モータにトルク伝達式に連結された中間伝動装置7と、同じく駆動技術的にこの中間伝動装置7の後方(出力側)に接続されていて、この中間伝動装置7にトルク伝達式に連結された付加的構成要素8とを収容するために用いられる。付加的構成要素8は、この場合、好適には、所定のトルクが超過されると駆動ユニット5の内側で動力伝達系14を連結解除する過負荷クラッチである、かつ/または駆動ユニット5の内側で動力伝達系14を制動するブレーキである。基本的には、駆動ユニット5は、上記構成要素のうちの1つまたは2つだけを、または複数の構成要素も有していてよい。
【0026】
本発明によるスピンドル駆動装置1ではさらに、動力伝達系14に目標破断個所17が設けられており、すなわち極めて一般的に意図的な脆弱個所が設けられており、この目標破断個所は、駆動接続部12a,12bを介してスピンドル駆動装置1に作用する軸方向の予め規定された臨界荷重が生じると、動力伝達系14を分断する。これは以下では、臨界荷重事例とも記載する。軸方向の臨界荷重とは、軸方向に作用する負荷、特に引っ張り負荷を意味する。特に、臨界荷重事例は、スピンドル駆動装置1の走出位置の方向に作用する引っ張り負荷が予め規定された引っ張り力に達した際に生じる。臨界荷重事例は、動力伝達系14に作用する別の力および/またはモーメントの付加的な作用によっても引き起こされる場合があるが、この場合、軸方向の負荷、特に引っ張り負荷が、この臨界荷重事例の発生におけるかなりの割合を占めている。
【0027】
このような目標破断個所17の設置には、例えば、テールゲートの電気的な閉鎖運動に抗した使用者によるパニック的な介入、または機械的な停止位置を越えて使用者によりテールゲートに加えられる手動の開放作用といった臨界荷重事例の際に、動力伝達系14は分断されるが、スピンドル駆動装置1のその他の部分は少なくともほぼ無傷のまま保護されるという利点がある。
【0028】
ここで重要であるのは、動力伝達系14が、臨界荷重事例の際に、目標破断個所17において、駆動ユニット5と、スピンドル・スピンドルナット伝動装置11との間で分断されることである。すなわち本発明によれば、目標破断個所17は、力の伝達を、特にトルクの伝達を、臨界荷重事例の際に、駆動ユニット5とスピンドル・スピンドルナット伝動装置11との間で、すなわち大部分は軸方向の荷重の作用によって、遮断するように配置されている。
【0029】
駆動ユニット5と、スピンドル・スピンドルナット伝動装置11、特にスピンドル11aとの間で、動力伝達系14に、目標破断個所17を、好適には唯1つの目標破断個所17を設けることには、一方では駆動運動を行わせる駆動ユニット5の構成要素、特に構成要素6,7,8が、他方ではスピンドル・スピンドルナット伝動装置11の構成要素11a,11bが、ケーシング10内に留まり、少なくとも臨界荷重事例の発生直後には解放されず、スピンドル駆動装置1も、自動車4から、特に閉鎖エレメント側でまたは車体側で、切り離されない、という利点がある。このようにして、スピンドル駆動装置1は、臨界荷重事例の発生後も、少なくともある程度はまだ保持機能を保証することができ、この場合、テールゲートである閉鎖エレメント3の手動の操作も、少なくとも閉鎖位置の方向では可能である。さらなる利点は、駆動接続部12a,12bは、この場合、目標破断個所を有していないので、駆動接続部12a,12bのロバスト性は損なわれないということであり、このことは、説明したように、アクティブ/パッシブシステムにおいて特に好適である。
【0030】
既に上述したように、スピンドル駆動装置1のケーシング10は、この場合、好適には、テレスコピック式に互いに協働する駆動管10aと被駆動管10bとを有している。これにより、駆動管10aは、被駆動管10bに対して、ある程度までは、軸方向でずらすことができる。すなわち、テレスコピック式にガイドされた両ケーシング部分10a,10bの軸方向のオーバーラップは、スピンドル駆動装置1の走入位置および走出位置の両方で生じている。以下では、軸方向長さLとも記載される、スピンドル駆動装置1の走出位置における軸方向のオーバーラップのサイズは重要である。すなわちスピンドル駆動装置1が走出位置で極めて僅かなオーバーラップしか有していない場合に、被駆動管10bに対して駆動管10aが軸方向で僅かに変位すると、スピンドル駆動装置1は、最悪の場合、もはや互いに結合されていない2つの部分に分解されてしまうことになる。軸方向長さLを越えてしまうまでは、駆動管10aと被駆動管10bとは互いにオーバーラップしており、これによりスピンドル駆動装置1はまだ組み合わされた状態にあり、まだ限定的には機能する。したがって、テレスコピック式に互いに協働するケーシング部分10a,10bが軸方向で互いに内外に位置してガイドされている上記の軸方向長さLができるだけ大きいならば、特に好適である。
【0031】
したがって、この場合、好適には、目標破断個所17による動力伝達系14の分断により、構成部分として少なくとも駆動ユニット5と、スピンドル側の駆動接続部12aと、駆動管10aとを有している、特に互いに軸方向不動の構成部分から成る第1の構成部分ユニット18と、構成部分として少なくともスピンドル・スピンドルナット伝動装置11と、スピンドルナット側の駆動接続部12bと、被駆動管10bとを有している、特に互いに軸方向不動の構成部分から成る第2の構成部分ユニット19とが生じる。臨界荷重事例の際に目標破断個所17において動力伝達系14が分断されると、第1の構成部分ユニット18と第2の構成部分ユニット19とは互いに相対的に軸方向Xで動くことができ、すなわち、オーバーラップによって規定された上述の範囲内では動くことができる。好適には、第1の構成部分ユニット18は、第2の構成部分ユニット19に対して相対的に、ケーシング10の、テレスコピック式に互いに協働するケーシング部分10a,10bを介して軸方向でガイドされており、すなわちこの場合、好適には少なくとも40mmの、好適には少なくとも60mmの、特に好適には少なくとも80mmの軸方向長さLにわたってガイドされている。
【0032】
この場合、好適には、スピンドル駆動装置1はさらに、ばね装置20を有していて、このばね装置は通常の作動時には、スピンドル側の駆動接続部12aとスピンドルナット側の駆動接続部12bとに、したがってスピンドル11aとスピンドルナット11bとに、互いにスピンドル駆動装置1の走出位置に向かって予荷重を与えている。ばね装置20はこのために、この場合、好適には圧縮ばねとして、特に圧縮コイルばねとして形成されているばねエレメント21を有している。この場合、ばねエレメント21は、臨界荷重事例の際に、すなわち動力伝達系14が目標破断個所17を介して分断された場合に、スピンドル・スピンドルナット伝動装置11とスピンドルナット側の駆動接続部12bと被駆動管10bとを有する第2の構成部分ユニット19の構成部分となる。動力伝達系14が分断された状態では、ばねエレメント21は特に、第2の構成部分ユニット19のその他の構成部分に対して軸方向不動である。「軸方向不動」とは、ばねエレメント21に関しては、すなわち、動力伝達系14が分断された後に、スピンドル・スピンドルナット伝動装置11がまだ走出位置に相当する終端位置に位置しておらず、場合によってはばねエレメントがまだ予荷重の方向に伸張することはできるが、ばねエレメント21は全体として、第2の構成部分ユニット19から離れない、したがって突然、解放され得ないことを意味する。特に好適には、第2の構成部分ユニット19は、ばねエレメント21が軸方向で支持されているばね支持部22aおよび22bも有している。ばねガイド管16も、特に第2の構成部分ユニット19の構成部分である。ばね支持部22a,22bおよび/またはばねガイド管16も、特に、第2の構成部分ユニット19のその他の構成部分に対して軸方向不動に配置されている。
【0033】
本発明によるスピンドル駆動装置1で設けられている目標破断個所17は、この場合、スピンドル駆動装置1の第1の構成部分と第2の構成部分とが形状接続的にかつ/または摩擦接続的にかつ/または材料接続的に互いに接続されている、特に互いに圧着されている接続個所23、特に半径方向の接続個所23によって形成されている。動力伝達系14の分断を引き起こす臨界荷重に達すると、すなわち臨界荷重事例の際には、接続個所23における接続が解除され、これにより動力伝達系14は分断される。特に、臨界荷重事例の際には、形状接続的なかつ/または摩擦接続的なかつ/または材料接続的な接続、特に圧着は解除される。
【0034】
目標破断個所17による動力伝達系14の分断をできるだけ再現可能に保証することができるように、好適には、目標破断個所17は、上述の負荷に関して、特に引っ張り負荷に関して、スピンドル駆動装置1の動力伝達系14の、このような負荷、特に引っ張り負荷を受けるその他全ての構成要素および接続個所よりも、少なくとも5%だけ、好適には少なくとも10%だけ、特に好適には少なくとも15%だけ、脆弱であるように設計されている。これは、必然的に、臨界荷重が生じた場合に、例えば過剰な引っ張り力が作用した場合に、専ら目標破断個所17が「破断し」、すなわちスピンドル駆動装置1が2つの部分へと分離されることを意味している。特に専ら、上述した接続個所23の接続が解除される。この場合、好適には、目標破断個所17による動力伝達系14の分断が生じる際に達する軸方向の臨界荷重は、5000N~15000Nであり、好適には5000N~10000Nであり、特に好適には6000N~9000Nである。
【0035】
接続個所23の第1の構成部分は、好適には、スピンドル11aを、軸方向で、駆動ユニット5とは反対の方向で、駆動ユニット5に対して相対的に位置固定するように形成されている、特にリング状のまたはスリーブ状の固定エレメント24である。固定エレメント24は、特にクリンプリング25であり、すなわち、他の構成部分によって圧着可能なリング状のエレメントである。クリンプリング25は、スピンドル軸受27を、この場合好適にはボールベアリングを収容するための軸受スリーブ26を、軸方向で、駆動ユニット5とは反対の方向で位置固定するために機能する。このようなクリンプリング25として形成された固定エレメント24は、図2図4による実施例に設けられている。これに対して、図5の実施例では、固定エレメント24は、スピンドル軸受27を収容するために機能する、この場合、好適にはボールベアリングを収容するために機能する軸受スリーブ26によって形成されている。この例では、付加的なクリンプリングは必ずしも設けられていない。
【0036】
通常の作動時には、第1の構成部分と、特に固定エレメント24と接続されている、接続個所23の第2の構成部分は、この場合、好適には、ケーシング10のケーシング部分10a,10bのうちの一方であって、特に好適には、駆動ユニット5に、特にスピンドル側の駆動接続部12aに軸方向不動に連結されている、駆動管10aを形成する管状のケーシング部分である。したがって、管状のケーシング部分もしくは駆動管10aは、この場合、好適には、少なくとも1つの駆動ユニット構成要素6,7,8も、特に駆動モータ6および/または中間伝動装置7および/または付加的構成要素8も収容しており、特に、各駆動ユニット構成要素6,7,8を軸方向で位置固定するために機能する。
【0037】
第1の構成部分、この場合、好適には、特にクリンプリング25または軸受スリーブ26を形成する固定エレメント24は、この場合、好適には、第2の構成部分、この場合駆動管10aの半径方向内側に配置されている。この場合、第1の構成部分は、この場合、好適には、接続個所23で、半径方向内側から第2の構成部分に当接していて、特にこの第2の構成部分に圧着されている。
【0038】
駆動接続部12a,12bの構成に関しては、多数の態様が考えられる。この場合、好適には、両駆動接続部12a,12bが、車体側のまたは閉鎖エレメント側の対応部材と、特にボールと、スピンドル駆動装置1との、ボール・ボールソケットカップリングのために、それぞれ1つのボールソケットを提供する。この場合、基本的には、逆の場合も考えられ、逆の場合は、各駆動接続部12a,12bがボールを提供し、これらボールが、車体側または閉鎖エレメント側に相応に設けられた、対応部材としてのボールソケットと協働する。この場合、好適には、駆動接続部12a,12b自体は目標破断個所を有していない。スピンドル駆動装置1の特に唯1つの目標破断個所17は、この場合、好適には、上記に詳説した目標破断個所17である。
【0039】
さらなる教示によれば、自動車4の閉鎖エレメント装置2であって、自動車4の車体に調節可能に連結された閉鎖エレメント3と、上述した形式の少なくとも1つのスピンドル駆動装置1とを有している閉鎖エレメント装置2が請求されている。好適には、閉鎖エレメント3の各側に配置されている上述した形式の2つのスピンドル駆動装置1が設けられている。しかしながら基本的には、本発明によるスピンドル駆動装置1を、唯1つのスピンドル駆動装置として設けることも考えられ、この場合、閉鎖エレメント3の他方の側はパッシブ側として、すなわち特に駆動されないガスばねを備えて形成されていてよい。
図1
図2
図3
図4
図5