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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】頭皮冷却装置、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/10 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
A61F7/10 330A
A61F7/10 330R
A61F7/10 300H
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2021525334
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 US2019060721
(87)【国際公開番号】W WO2020097601
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】62/758,080
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/679,722
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521200565
【氏名又は名称】ディグニターナ アーベー
【氏名又は名称原語表記】DIGNITANA AB
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クローニン、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】マッキニー、ジム
(72)【発明者】
【氏名】ノレンスタム、リカード
(72)【発明者】
【氏名】ラング、ロバート ジェイ.
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-529155(JP,A)
【文献】特表2017-530327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭皮カバー用の装置であって、
第1端および第2端を有する連結部分と、
第1の前方中央部分端にて前記連結部分に対し結合された前方中央部分と、
第1の後方中央部分端にて前記連結部分に対し結合された後方中央部分と、
前記連結部分に対し結合された第1の組の前方径方向部分であって、前記前方中央部分からの距離が次第に遠くなる2つ以上の前方径方向部分を含む、第1の組の前方径方向部分と、
前記連結部分に対し結合された第2の組の前方径方向部分であって、前記前方中央部分からの距離が次第に遠くなる2つ以上の前方径方向部分を含む、第2の組の前方径方向部分と、
前記連結部分に対し結合された第1の組の後方径方向部分であって、前記後方中央部分からの距離が次第に遠くなる2つ以上の後方径方向部分を含む、第1の組の後方径方向部分と、
前記連結部分に対し結合された第2の組の後方径方向部分であって、前記後方中央部分からの距離が次第に遠くなる2つ以上の後方径方向部分を含む、第2の組の後方径方向部分と、を備え
下部の間隙角と上部の間隙角とのうちの一方または両方は、前記前方径方向部分および前記後方径方向部分について、それらの個々の部分の適切な分割および相互作用を可能にするように、計算され装置。
【請求項2】
前記連結部分は、熱伝導性材料から製造される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記前方中央部分または前記後方中央部分は、熱伝導性材料から製造される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記径方向部分は、熱伝導性材料から製造される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記頭皮カバーを通じた冷却流体の循環のための第1の組の管状部材をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
複数の前記部分は各々、前記第1の組の管状部材の一部を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の組の管状部材は、冷却デバイスに対し流体接続されている、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の組の管状部材の前記一部は、前記連結部分から前記複数の部分のうちの1つの長さに沿って、前記連結部分に戻るように延びる、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記前方径方向部分の各々は、前記連結部分に対し垂直に、かつ、前記前方中央部分に対しほぼ平行に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記後方径方向部分の各々は、前記連結部分に対し垂直に、かつ、前記後方中央部分に対しほぼ平行に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
頭皮カバー用のシステムであって、
請求項1~10のいずれか一項に記載の装置から形成される内側頭皮カバーと、
中間頭皮カバーと、
外側頭皮カバーと、を備えるシステム。
【請求項12】
前記内側頭皮カバーは、熱伝導性材料から構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記中間頭皮カバーは、熱的に中立な材料から構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記外側頭皮カバーは、熱抵抗性材料から構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記内側頭皮カバーは、冷却デバイスに対し流体結合されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記外側頭皮カバーは、第1の固定機構および第2の固定機構をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記外側頭皮カバーは、前記第1の固定機構および前記第2の固定機構により患者の頭皮に対し固定される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記外側頭皮カバーは、前記内側頭皮カバーを患者の頭皮に対し押し付けるように、動的に調節される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記内側頭皮カバーは、患者の頭皮と接触させるための1組の部分からさらになる、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記1組の部分は各々、冷却デバイスに対し流体的に結合されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
請求項1~10のいずれか一項に記載の頭皮カバー用の装置の形態にある頭皮カバー用の製造の方法であって、
患者の頭皮をスキャンしスキャンデータセットを生成する、スキャン工程と、
前記スキャンデータセットをインポートする工程と、
前記スキャンデータセットからパラメトリックモデルを作成する作成工程と、
前記パラメトリックモデルを補間する補間工程と、
前記パラメトリックモデルをリマッピングする工程と、
リマッピングされた前記パラメトリックモデルから設計ファイルを生成する生成工程と、
前記設計ファイルを出力する工程と、を備える方法。
【請求項22】
前記スキャン工程は、3次元スキャナによって完了する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記作成工程は、前記患者の耳の幾何中心点を計算する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記作成工程は、前記患者の額の生え際の方位角を計算する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記作成工程は、前記患者の首筋の生え際の方位角を計算する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記補間工程は、頭部半径を計算する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記補間工程は、頭部表面を計算する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記生成工程は、前記頭皮カバーの部分の幅を計算する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記生成工程は、前記頭皮カバーの部分について径方向角度を計算する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記生成工程は、前記頭皮カバー用の部分の数を計算する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生物学的冷却に関する。より詳細には、限定としてではなく、本開示は、頭皮の冷却のための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学療法または他の癌治療中、患者の髪は、様々な治療および癌細胞と闘うのに利用される化学物質により、典型的には抜け落ちる。しかしながら、これらの治療中に頭皮を冷却すると、抜け毛の量が減少することが発見されている。減少した温度によって、頭皮領域への血流が減少し、より少ない化学療法しか有毛細胞に達しなくなる。
【0003】
ディグニターナABは、癌患者用の抜け毛治療の開発における先導者であり、特許文献1、特許文献2、および特許文献3を含む頭部冷却デバイス、頭皮冷却装置の特許文献4、ならびに患者の体の局所領域の温度を制御するための方法およびデバイスの特許文献5および特許文献6を包含する多くの特許出願をしてきた。これらの特許および出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
現在のシステムでは、利用されるすべてのシリコンキャップ、熱キャップ、および外側キャップに1つの大きさでフィットすることが求められており、不確かなフィッティングおよび/または感染もしくは他のウイルスの可能性を生じ得る。先行技術の不利な点を克服する頭皮の冷却のための装置、システムおよび方法を有することが有利である。本開示は、そうしたシステムおよび方法を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第9,421,125号明細書
【文献】米国特許第9,101,463号明細書
【文献】国際出願PCT/EP2008/051890
【文献】米国特許第6,156,059号明細書
【文献】米国特許出願第12/086,060号明細書
【文献】国際出願PCT/SE2006/001383
【発明の概要】
【0006】
本開示は、人間の頭皮の冷却に関する。したがって、1つの態様では、本開示は、第1端および第2端を有する連結部分を備え得る頭皮カバー用の装置に関する。前方中央部分は、第1端にて連結部分に対し垂直に結合されている。後方中央部分は、第1端にて連結部分に対し垂直に結合されている。第1の組の前方径方向部分は連結部分に対し結合され、第2の組の前方径方向部分は連結部分に対し結合され、第1の組の後方径方向部分は連結部分に対し結合され、第2の組の後方径方向部分は連結部分に対し結合されている。
【0007】
別の態様では、本開示は、内側頭皮カバーと、中間頭皮カバーと、外側頭皮カバーとを備える頭皮カバー用のシステムに関する。内側頭皮カバーは、熱伝導性材料から構成されることが可能である。中間頭皮カバーは、熱的に中立な材料から構成されることが可能である。外側頭皮カバーは、熱抵抗性材料から構成されることが可能である。内側頭皮キャップは、流体チャネルを介して冷却デバイスに対し結合されてよく、冷却デバイスは、患者の頭皮と接触させるための内側頭皮キャップの1組の部分に対し流体結合されている。外側頭皮カバーは、その外側頭皮カバーが第1の固定機構および第2の固定機構により患者の頭皮に対し動的に調節されるとともに固定されることを可能にする、第1の固定機構および第2の固定機構を備えてよい。
【0008】
さらに別の態様では、本開示は、頭皮カバー用の製造の方法であって、患者の頭皮をスキャンし、スキャンデータセットを生成するスキャン工程と、前記スキャンデータセットをインポートする工程と、前記スキャンデータセットからパラメトリックモデルを作成する作成工程と、前記パラメトリックモデルを補間する補間工程と、前記パラメトリックモデルをリマッピングする工程と、リマッピングされた前記パラメトリックモデルから設計ファイルを生成する生成工程と、前記設計ファイルを出力する工程と、を備える方法に関する。スキャン工程は、3次元スキャナを利用して完了されてよい。前記作成工程は、前記患者の耳の幾何中心点を計算する工程と、前記患者の額の生え際の方位角を計算する工程と、前記患者の首筋の生え際の方位角を計算する工程とを含むことも可能である。補間は、頭部半径を計算する工程と、頭部表面を計算する工程とを含むことが可能である。生成された設計ファイルは、前記頭皮カバーの部分の幅についての計算結果、前記頭皮カバーの部分について径方向角度、および前記頭皮カバー用の部分の数を計算する工程を含むことが可能である。
【0009】
さらに別の態様では、本開示は、頭皮カバーシステムについての使用の方法であって、内側頭皮カバーを患者の頭皮の上に配置する工程と、内側頭皮カバーを中間頭皮カバーにより覆う工程と、外側頭皮カバーを中間頭皮カバーおよび内側頭皮カバーと接触させる工程と、外側頭皮カバーに対し結合された2つ以上の固定機構を利用して外側頭皮カバーを患者の頭皮に対し固定する工程と、を備える方法に関する。内側頭皮は、内側頭皮カバーにおけるチャネルを介して冷却デバイスに対し流体結合されてよい。内側頭皮カバーの締付によって、外側頭皮カバーの第1面および第2面を有する接続ストラップのフックアンドループストラップにより中間頭皮カバーを締めることも可能である。その締付によって、バックルを通じて、接続ストラップの第1端または接続ストラップの第2端にて完了することも可能である。外側頭皮カバーは、2つ以上の固定機構の各々に対し結合された固定ケーブルを締めるように、2つ以上の固定機構を有してよく、または2つの固定機構を解放する。
【0010】
本開示の特徴と考えられる新規の特徴は、添付の特許請求の範囲において説明される。しかしながら、本開示自身は、使用の好ましいモード、さらなる目的およびその利点とともに、添付の図面と併せて読まれるとき、例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】冷却システムとともに利用されることが可能である頭皮キャップを着けた患者の図。
図2】冷却システムとともに利用されることが可能である熱キャップを着けた患者の図。
図3A】冷却システムとともに利用するための患者に対する固定キャップの適用の図。
図3B】冷却システムとともに利用するための固定キャップの適用の図。
図4A】固定キャップの斜視図からの図。
図4B】固定キャップの側面図からの図。
図5A】パラメトリック処理についてスキャンされた頭部の斜視図。
図5B】パラメトリック処理についてスキャンされた頭部の側面図。
図6】パラメトリック処理について、スキャンされた頭部の側面図。
図7】パラメトリック処理について、スキャンされた頭部の側面図。
図8】パラメトリック処理について、スキャンされた頭部の図。
図9A】パラメトリック処理からの設計ファイル出力の図。
図9B】患者の頭部に配置された、パラメトリック処理からの設計ファイル出力の図。
図9C】パラメトリック処理から生成された頭皮キャップの図。
図10】パラメトリック処理からの代替の設計出力の図。
図11】冷却システムの図。
図12】頭皮カバー用の製造の方法の図。
図13】頭皮カバーシステムについての使用の方法の図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、冷却システムとともに利用される頭皮キャップ104を着けた患者102の図である。頭皮キャップ104は、熱伝導性があるものの切込みもトリミング線もない単一部品である、シリコンまたは他の材料であることが可能である。頭皮キャップ104は、患者の頭皮に順応しない材料の性質に起因して、完全なフィッティングを可能としない。患者の頭皮の形は、頭皮キャップ104が、すべてのモデルにフィッティングする1つの大きさに基づいて構成されるとき、問題を提示し得る。効果的な冷却を提供するように、頭皮キャップ104は患者の頭皮との最大の接触を維持する必要があり、各患者102が特有の頭皮プロファイルを有するため、汎用のまたは固定の組の頭皮キャップ104の型を扱うことは不可能である。従来の設計を用いると、頭皮と頭皮キャップ104との間の温度差は、摂氏18度を超えることがある。
【0013】
図2は、1つ以上の実施形態における冷却システムとともに利用される熱キャップ206(または中間カバー)を着けた患者202の図である。熱キャップ206は、綿、セラミック、繊維ガラス、アルミ化物、シリコーン、シリカ、アラミド、バーミキュライト、Zブロック、アクリル、PTFE繊維または含浸繊維などの熱抵抗性または熱反射材料から構成されることが可能である。1つ以上の実施形態では、熱キャップ206は、綿または他の繊維から作製される。患者202は、空間への冷却損失の量を防止するまたは減少させるように、熱キャップ206を使用することが可能である。例えば、熱キャップ206は、冷却システムおよび頭皮キャップ(図示せず)の冷却効果を増加させるように利用されてよい。
【0014】
図3Aは、冷却システムとともに利用するための熱キャップ(図示せず)および/または頭皮キャップ(図示せず)の上に固定キャップ308(または外側頭皮カバー)を適用する患者302の図である。固定キャップ308は、熱キャップ(図示せず)および/または頭皮キャップ(図示せず)に対する圧力を増加させるための1つ以上の固定機構310を備えることが可能である。1つ以上の固定機構310は、1つ以上の固定機構によって締められるまたは解かれることが可能である固定ライン311を利用することが可能である。いくつかの実施形態では、1つ以上の固定機構310は、圧入されるまたはクリック止め(クリックイン)され、固定ライン311を締めるように回転させられることが可能であり、1つ以上の固定機構310は、固定ライン311を緩めるように、引き出されるまたはクリック止めを解除(クリックアウト)されることが可能である。いくつかの実施形態では、1つ以上の固定機構310は、引き出されるまたはクリックアウトされ、固定ライン311を締めるように回転させられることが可能であり、1つ以上の固定機構310は、固定ライン311を緩めるように、圧入されるまたはクリックインされることが可能である。1つ以上の実施例では、固定キャップ308は、患者の頭皮および/または生え際について冷却の量を増加させるべく、頭皮キャップが頭皮に近いようにおよび/または可能な限り多くの接触を維持するように、熱キャップ(図示せず)また頭皮キャップ(図示せず)に対し圧力または固定圧力をかける。
【0015】
図3Bは、冷却システムとともに利用するための熱キャップ(図示せず)および/または頭皮キャップ(図示せず)の上に固定キャップ308(または外側カバー)を固定する患者302の図である。1つ以上の型では、固定キャップ308は、複数の固定機構310を備えることが可能である。固定機構310は、熱キャップ(図示せず)および/または頭皮キャップ(図示せず)に対し締めることまたは緩めることを含み得る、患者302による固定機構の係合または解放を提供することが可能である。1つ以上の固定機構310は、1つ以上の固定機構によって締められるまたは解放されることが可能である固定ライン311を利用することが可能である。いくつかの実施形態では、1つ以上の固定機構310は、圧入されるまたはクリックインされ、固定ライン311を締めるように回転させられ得るノブを有することが可能であり、1つ以上の固定機構310は、固定ライン311を緩めるように、引き出されるまたはクリックアウトされ得るノブを有することが可能である。他の実施形態では、1つ以上の固定機構310は、引き出されるまたはクリックアウトされ、固定ライン311を締めるように回転させられ得るノブを有することが可能であり、1つ以上の固定機構310は、固定ライン311を緩めるように、圧入されるまたはクリックインされ得るノブを有することが可能である。いくつかの実施形態では、固定キャップ308は、顎ストラップ301または接続ストラップを有することが可能である。顎ストラップ301は、バックル303、または限定ではなくボタン、クリップ、ストラップ、もしくはフックアンドループ固定機構などの他の固定機構を有してよい。
【0016】
図4Aは、固定キャップ408の斜視図からの図である。図4Bは、固定キャップ408の側面図からの図である。図4Aおよび図4Bに関して、固定するおよび/または固定キャップ408の下部の他のキャップに対し圧力をかける際に使用するため、患者402は固定キャップ408を頭部に配置することが可能である。1つ以上の型では、固定キャップ408は、2つ以上の固定機構410を備えることが可能である。2つ以上の固定機構410は、患者の頭部の左側403Aと右側403Bとに配置されることが可能である。固定機構410は、固定パッド412上に配置されてよい。固定パッド412は、固定機構が係合されるまたは解放されるように、固定機構410の移動を提供することが可能である。その移動は、患者402の頭部プロファイルまたは大きさの違いを考慮し、固定キャップ408および/または固定機構410が固定および快適なフィッティングを提供することを可能にする。1つ以上の実施例における固定機構410は、BOA(登録商標)ブランドのラチェット機構であることが可能である。
【0017】
固定機構410は、固定ループ416A,416B,416C,416Dおよび/または416E(集合的に416)が通過する固定ライン414を各々有することが可能である。固定ループ416は、糸、限定ではなくフックアンドループなどのファスナ、糊、接着剤、もしくは他の同様のもの、または固定キャップ408に対する取付および/または結合の似た方法などにより結合されることが可能である。固定キャップ408に対する固定機構410の大きさおよび/または位置に基づいて、追加のまたは少数の固定ループ416が存在してよい。固定キャップ408の1つ以上の型では、固定キャップ408の固定可能性を増加させるように、ストラップ固定体418および/または顎ストラップ420が利用されてもよい。ストラップ固定418および/または顎ストラップ420は、固定キャップ408の患者の顎または顔の下および/または周りにおける調節可能性を可能としてよい。
【0018】
図5Aは、パラメトリック処理500Aに用いられるスキャンされた頭部522の斜視図である。パラメトリック処理500Aの1つ以上の型では、1つ以上の軸が提供される。軸524A,524B、および/または524Cは、スキャンされた患者の頭部の寸法についての基準を提供する。スキャンは、3Dスキャナ、患者の画像、X線、CATスキャン、MIRイメージング、またはイメージングおよび/または測定の他の方法を利用して行われることが可能である。
【0019】
図5Bは、パラメトリック処理500Bについてスキャンされた頭部522の側面図である。パラメトリック処理500Bの1つ以上の型では、1つ以上の軸が提供される。軸524D、および/または524Eは、スキャンされた患者の頭部の寸法について基準を提供する。パラメトリックモデルは、スキャンされた頭部522から発展してよい。パラメトリックモデルの発展中、ユーザは、様々な詳細が理解されるまたは解析されることを可能にするように、スキャンされた頭部522の視野角を回転または変更させてよい。図5Aおよび図5Bに関して、個人向けの頭皮キャップ(図示せず)の作成を可能とする処理プログラムとともに利用するための画像、画像の組、またはイメージング出力を変換するように、ある処理が利用されることが可能である。例えば、データは、限定ではなく、3Dまたは3次元スキャナなどの特定プログラムまたはシステム用の、カンマ区切り値(CSV)、もしくはエクセルフォーマットXSLもしくはXSLX、または他のデータフォーマットなどの1つのフォーマットであってよい。スキャンから提供されたデータが使用不可能なフォーマットである場合、データを使用可能なフォーマットに変換するまたは変形することが可能であるプログラムを利用する必要がある。任意のコンピュータ、プロセッサ、またはコンピュータデバイスは、パラメトリックモデルを生成する、作成する、処理する、および/または発展させるように利用されてよい。
【0020】
図6は、パラメトリック処理600について、スキャンされた頭部622の側面図である。1つ以上の型では、パラメトリック処理600は、スキャンされた頭部622の生え際を確立することを含むことが可能であり、個人向けの頭皮キャップ(図示せず)の首筋ライン628Aおよび眉ライン628B(集合的に628)を含むことが可能である。考慮すべき追加の要因のいくつかは、頭皮キャップ(図示せず)が患者の耳626に対しぴったり合っておよび/または患者の耳626の後ろに置かれることを可能にするように、耳の切抜き630を生成することである。首筋ライン628Aおよび眉ライン628Bは、耳の切抜き630に加えて、コンピュータデバイス、プロセッサ、またはプログラムによって計算されおよび/または生成されてよい。いくつかの実施例では、首筋ライン628A、眉ライン628B、または耳の切抜き630のうちの1つまたは複数は、手動により選択され、またコンピュータデバイス、プロセッサ、またはプログラムによって計算されおよび/または生成された残りであってよい。1つ以上の実施形態では、首筋ライン628A、眉ライン628B、および耳の切抜き630は、スキャンまたはパラメトリック処理工程中に提供されたデータに基づいて、コンピュータデバイス、プロセッサ、またはプログラムによって自動的に決定されおよび/または計算される。グラフィカルユーザインタフェース(GUI)が、コンピュータデバイス、プロセッサ、またはプログラムによって行われる決定および/または計算を示すように利用されてよい。コンピュータデバイス、プロセッサ、またはプログラムに、または稀な頭皮もしくは頭部プロファイルから提供されたデータに伴う問題に起因して、決定および/または計算が正しくない場合には、GUI、および/またはコンピュータデバイス、プロセッサ、もしくはプログラムは、医師またはユーザが、首筋ライン628A、眉ライン628B、および/または耳の切抜き630のうちの1つまたは複数を選択し、ラインを手動により調節するまたは再設定することを可能にする。ラインが調節されおよび/または再設定されると、すべての残りのラインがコンピュータデバイス、プロセッサ、またはプログラムによって再び決定されおよび/または計算されてよい。
【0021】
図7は、パラメトリック処理700について、スキャンされた頭部722の側面図である。生え際728および耳726の周りおよび/または耳726の後ろにおける耳の切抜き730の生成後、極グリッド732が生成されることが可能である。極グリッド732は、経線734A,734B,734C(集合的に734)および緯線736A,736B,736C(集合的に736)を可能にする。経線734および緯線736は、極座標へのパラメトリック処理からの変換とスキャンされた頭部722の任意の変化および/または差の組込みとを可能にする。極座標は、人間の頭部の湾曲に従うパラメトリックモデルも可能にする。1つ以上の型では、パラメトリック処理700は、幾何中心点735から固定の角度における経線734を設定するパラメトリックモデルを生成し、緯線は互いから固定の距離733にて幾何中心点735から開始するように設定される。幾何中心点735は、1つ以上の実施例において、耳726の中心であることが可能である。一方、他の実施例では、幾何中心点735は、耳726からずれていることが可能である。いくつかの型では、経線734および/または緯線736は、有限要素法解析および/または有限要素法メッシュを含んでよくまたはそれらから生成されてよい。他の型では、寸法解析が、スキャンされた頭部722についてのパラメトリックモデルを生成するように利用されることが可能である。
【0022】
図8は、パラメトリック処理800について、スキャンされた頭部822の図である。パラメトリックモデルが生成された後、覆い839がパラメトリックモデルから生成されることが可能である。覆い839は、眉ライン838A、首筋ライン838B、および/または患者またはスキャンされた頭部822の耳826から反対の耳(図示せず)までの連結ライン840を設定することが可能である。補間されたパラメトリックモデルまたは修正されたパラメトリックモデルは、固定値ラインまたは連結ライン840に対する角度変数841を用いてリマッピングされ、等間隔の組のラインまたは部分を生じることが可能である。ラインまたは部分の間隔は、提供された値未満の違いにより離間したラインを有するように計算されることが可能である。違いの値は、1つ以上の型では眉ライン838Aよりも首筋ライン838Bに近く設定されることが可能である連結ライン840を設定するようにも利用されてよい。1つ以上の実施例では、覆いは、前方径方向部分842A,842B,842Cおよび/または842D(集合的に842)、および/または後方径方向部分844A,844B,844Cおよび/または844D(集合的に844)を含むことも可能である。覆い839は、パラメトリックモデルの補間のリマッピングであることも可能である。覆い839は、次いで、設計ファイルを生成するように利用されることが可能である。設計ファイルは、コンピュータデバイス、プロセッサ、またはプログラムによって自動的に生成されることが可能であり、または、医師または他のユーザによってなされるいくつかの選択により半自動的に生成されてよい。いくつかの実施例では、覆い839は、x軸の位置および/またはx軸周りの対称性に基づいて計算されおよび/または生成されてよい。
【0023】
図9は、パラメトリック処理900Aからの設計ファイル出力951の図である。設計ファイル出力951は、1つ以上の型では、連結部分950、前方中央部分952A、後方中央部分952B、第1の組の前方径方向部分958A,958B,958Cおよび/または958D(集合的に958)、第2の組の前方径方向部分960A,960B,960Cおよび/または960D(集合的に960)、第1の組の後方径方向部分956A,956Bおよび/または956C(集合的に956)、第2の組の前方径方向部分962A,962Bおよび/または962C(集合的に962)を含んでよい。設計ファイル出力951は、補間されたまたは修正されたパラメトリックモデルから生成されてよい。下部の間隙角949および/または上部の間隙角947は、個々の部分の適切な分割および相互作用を可能にするように、前方径方向部分および後方径方向部分について計算されてよい。
【0024】
連結部分950は、互いから遠い第1端954Aと第2端954Bとを備える。1つ以上の型では、第1端954Aは片側が連結部分に対し結合されており、その片側と反対の半径は、適切な径方向角度を提供し耳の切抜きを可能とするように処理工程のうちの1つの間に設定されることが可能である。第1端954Aは、第1の組の前方径方向部分958の第1の前方径方向部分958A、および/または第1の組の後方径方向部分956の第1の後方径方向部分956Aに対し結合されることも可能である。同様に、第2端954Bは片側が連結部分に対し結合されており、その片側と反対の半径は、適切な径方向角度を提供し耳の切抜きを可能とするように処理工程のうちの1つの間に設定されることが可能である。第2端954Bは、第2の組の前方径方向部分960の第1の前方径方向部分960A、および/または第2の組の後方径方向部分962の第1の後方径方向部分962Aに対し結合されることも可能である。
【0025】
第1の組の前方径方向部分958、第2の組の前方径方向部分960、および前方中央部分952Aは、糸、限定ではなくフックアンドループなどのファスナ、糊、接着剤、または他の同様のもの、または取付および/または結合の似た方法により連結部分950に対し結合されることが可能である。同様に、第1の組の後方径方向部分956、第2の組の後方径方向部分962、および広報中央部分952Bは、糸、限定ではなくフックアンドループなどのファスナ、糊、接着剤、または他の同様のもの、または取付および/または結合の似た方法により連結部分950に対し結合されることが可能である。
【0026】
図9Bは、患者922の頭部に配置された、パラメトリック処理900Aからの設計ファイル出力951の図である。設計ファイル出力951は、プリンタ、スタンパ、3Dプリンタ、繊維、縫い物、熱もしくは周波数溶接、および/または頭皮キャップを製造もしくは作成するための他の方法もしくは処理にエクスポートされることも可能である。連結部分950は、前方径方向部分960A,960B,960Cおよび/または960D(集合的に960)と、その組の後方径方向部分962A,962Bおよび/または962C(集合的に962)とを結合することも可能である。連結部分950の一端954Bは、第1の前方径方向部分960Dおよび第1の後方径方向部分962Aが、患者922の耳926の周りの切抜きを適切に可能にすることを可能にする。径方向部分960/962は、特有のおよび/または個人用のフィッティングを各患者922に提供するように、ともに、または連結部分と嵌合することが可能である。1つ以上の型では、各径方向部分960/962、中央部分952、および連結部分950は、自身を通過する冷却チャネルを有してよい。冷却チャネルは、各部分が自身の入出力を有する各個々の部分用であってよく、一方、他の実施形態では、チャネルの一部が各部分専用である1つの単一チャネルが存在してよい。1つ以上の実施例では、流体は、後方右側の入口から頭皮キャップの後方右側におけるチャネルを通じて流れ、次いで頭皮キャップの右側におけるチャネルを通じて、次いで頭皮キャップの頂部におけるチャネルを通じて、次いで頭皮キャップの左側におけるチャネルを通じて、次いで頭皮キャップの後方の左手側における出口にて出る前に頭皮キャップの左後方におけるチャネルを通じて、流れる。
【0027】
図9Cは、パラメトリック処理から生成された頭皮キャップ905の図である。頭皮キャップ905は、冷却チャネル入力951Aおよび冷却チャネル出力951Bとして示される1つ以上の冷却チャネル(集合的に951)を有することが可能である。冷却チャネル951は、冷却流体953が頭皮キャップを通じて流れるおよび/または汲み上げられることを可能にする。後方径方向部分956A,956Bおよび/または956C(集合的に956)、前方径方向部分958A,958Bおよび/または958C(集合的に958)、前方中央部分952A、および後方中央部分952Bは各々、以前の部分と交差するおよび/またはその部分と結合するか、または冷却チャネル入力および/または出力951に対し流体結合されることが可能である、自身の個々の冷却チャネルを有することが可能である。部分952,956および/または958は各々、各個々の部分が頭皮に対する接近を増加させることを可能にする切断または分離チャネル955によって個々に分離されてよい。切断または分離チャネル955は、頭皮キャップ905に沿った点または部分であることが可能である。ここで、その部分は分離されており、限定ではなく図9Aの上部間隙角947によって示されるものなどの分離を含む。中央連結チャネル950は、前方および後方部分が患者の頭皮および/または頭部に対し分離して位置整合されることおよび順応することを可能にする。頭皮キャップ905は、頭皮と頭皮キャップ905との間の温度差が摂氏16度未満であることを可能にする。理想的には、0度の温度差が最良の結果である。頭皮キャップ905を通じて汲み上げられた流体は、一般に、摂氏0~5度の温度範囲を有する。1つ以上の実施形態における流体の圧力は、約20kPa(0.20バール)以下であり、流量は1.5リットル毎分以下であることが可能である。
【0028】
図10は、パラメトリック処理1000からの代替の設計出力1070の図である。設計出力1070は、前方中央部分1072Aおよび後方中央部分1072Bを含むことが可能である。中央部分1072は、1つ以上の実施例では、残りの部分の角度が適切なフィッティングを提供することを可能にするように、尖った形状または矢じり形状である。第1の前方花弁1074は、2つの派生部1076Aおよび1076Bを有することが可能である。同様に、第2の前方花弁1090は、第1の派生部1092Aおよび第2の派生部1092Bを有することが可能である。後方部分花弁1080および1084は各々、2つの派生部1082A,1082Bおよび1086A,1086Bを有する。側方花弁1078および1088は各々、設計出力1070が患者の耳の周りに順応するように、切欠き1079/1089を有する。
【0029】
図11は、冷却システム1100の図である。冷却システム1100は、頭皮キャップ1105と、熱キャップ1106と、固定キャップ1108と、冷却チャネル1195/1196と、入力1197および/または出力1198を有し得る冷却デバイス1193とを備えることが可能である。冷却デバイス1193は、制御信号を生成するようにおよび/または冷却システム1100の効果を評価または解析するように構成されたコンピュータデバイスに対し結合されてよい。1つ以上の型では、患者または提供者(図示せず)は、キャップ1105,1106および/または1108の各々を頭部へと配置することが可能であり、冷却チャネル1165/1166が頭皮キャップから冷却デバイス1193に対し結合されることを可能にする。冷却流体は、患者の頭皮および/または生え際(図示せず)に冷却効果を提供するように、冷却チャネル1195/1196および/または頭皮キャップ1105の至る所にあるチャネルを横断することが可能である。冷却流体は、水、および温度差を転移させることができる他の流体1194を含むことが可能である。冷却流体は、流体を摂氏0度を超えるように維持しまたは凍らせながら、流体の温度を冷却するように動作する冷却デバイスから通過してよい。冷却デバイスは、1つ以上の流体ポンプによって汲み上げられることが可能である、アルコールベースの流体により動作することが可能である。流体ポンプは、冷却デバイスのポンプまたは冷却機構の動作変更のトリガを行うことが可能である、温度センサなどのセンサに対し結合されてもよい。1つ以上の実施形態における冷却デバイスは、C3ディグニキャップであってよい。
【0030】
本開示は、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または等価のディスクリートもしくは集積論理回路のうちのいずれかを備えることが可能であるコンピュータデバイスを含んでもよい。いくつかの実施例では、システムは、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、1つもしくは複数のマイクロコントローラ、1つもしくは複数のDSP、1つもしくは複数のASIC、または1つもしくは複数のFPGAの任意の組合せなどの、複数のコンポーネントを備えてよい。回路、プロセッサ、コントローラのうちの複数は、組み合わせてまたはタンデムもしくはマルチスレッドにより用いられることが可能である。
【0031】
本開示のコンポーネントは、本明細書におけるモジュールに起因する機能を生成することができるアナログおよび/またはデジタル回路を実装する、任意のディスクリートおよび/または集積電子回路コンポーネントを含んでよい。例えば、コンポーネントは、アナログ回路、例えば、増幅回路、フィルタ回路、および/または他の信号整形回路を含んでよい。コンポーネントは、デジタル回路、例えば、組合せまたは順序論理回路、メモリデバイスなどを含んでもよい。さらに、モジュールは、実行時にモジュールに本明細書におけるモジュールに起因する様々な機能を行わせるコンピュータ可読命令を含み得るメモリを含んでよい。
【0032】
メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、読出専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、または任意の他のデジタル媒体などの、任意の揮発性、不揮発性、磁気または電気媒体を含んでよい。これに加えて、(ポータブルまたは内蔵された)ハードドライブディスク、フラッシュドライブ、コンパクトディスク、DVD、zipドライブ、フロッピーディスク(登録商標)、光学媒体、磁気媒体、またはコンピュータデバイスの内部論理によって実行される、任意の他の数の可能なドライブもしくはディスクなどの、マシン命令を含む有形な非一時的コンピュータ可読媒体が存在してもよい。有形な非一時的コンピュータ可読媒体は、メモリまたはストレージ媒体の形態とも考えられることが理解される。
【0033】
図12は、頭皮カバー用の製造の方法の図である(1200)。頭皮キャップまたはカバー(図示せず)は、患者の頭皮をスキャンしスキャンデータセットを生成する(1201)ために、限定ではなく3Dスキャン、X線、CATスキャン、MIR、または他のイメージングシステムもしくはデバイスなどのシステムまたはデバイスの使用を含むスキャン手順から用意されることが可能である。スキャンから取得されたデータは、プログラム(またはコンピュータ関連媒体から実行されるプログラム)、プロセッサ、またはコンピュータデバイスによって、スキャンデータセットとして利用されることが可能である。1つ以上の型では、スキャンデータセットは、コンピュータデバイス、プロセッサ、またはプログラムによってインポートされることが可能である(1202)。インポート工程は、第1のファイルフォーマットから第2のファイルフォーマットへのスキャンデータセットの変換を含むことも可能である。いくつかの実施例では、スキャンデータセットのレンダリングが、インポート行程中に行われてよい。レンダリングは、レンダリングされたデータにコンテキストまたは寸法の基準を提供するように、1つ以上の軸を含んでよい。
【0034】
スキャンデータセットからパラメトリックモデルを作成する工程(1203)は、1つ以上の型では、各個々の患者についての尺度、患者の頭部における幾何中心点、患者の首筋に沿った最小方位角、患者の額における最大方位角、および患者の耳の周りの角度における半径を決定することを含む。いくつかの実施例では、尺度のうちの1つは手動により選択され、残りの必要な尺度が計算されることを可能にし、一方、他の実施例では、すべての尺度がコンピュータデバイス、プロセッサまたはプログラムによって計算されることが可能である。パラメトリックモデルは、次いで、決定されたまたは計算された尺度およびスキャンデータセットから作成されることが可能である。
【0035】
パラメトリックモデルは、次いで、補間されることが可能である(1204)。パラメトリックモデルを補間する工程は、患者の頭部の径方向の寸法を補間すること、患者の頭部の1つ以上の表面点を補間すること、患者の頭部の法線ベクトルを補間すること、患者の頭部における点の特定の組について十字線の距離を補間すること、患者の頭部における指定された組から首筋から前方に一定の角度に沿った距離を補間すること、患者の首筋と額との間の途中の方位角を補間することを含むことも可能である。これらの補間および計算は、パラメトリックモデルの一部または修正されたパラメトリックモデルとして記憶されることが可能である。
【0036】
パラメトリックまたは修正されたパラメトリックモデルのリマッピング(1205)は、パラメトリックモデルまたは修正されたパラメトリックモデルが前方部分、後方部分および連結部分へと分割されることを可能にする。リマッピングは、パラメトリックまたは修正されたパラメトリックモデルの一部が固定角度、および/または固定ラインもしくは距離を生成するように利用され得るように、角度が計算されるおよび/または生成されることを可能にする。固定角度および/または固定ラインもしくは距離は、次いで、患者のスキャンされた頭部の特定の部分を固定部分へと分割するように利用されることが可能である。その部分は、患者のスキャンされた頭部の寸法に基づいて、任意の数の形状および/または大きさを有することが可能である。形状および/または大きさは、リマッピングされたパラメトリックモデルがある設計仕様内であることを可能にし、違いを減少させるようにリマッピング行程中に予めプログラムされまたは指定され得る、比率、最小および/または最大寸法に基づくことが可能である。
【0037】
リマッピングされたパラメトリックファイルは、次いで、設計ファイルを生成するように利用されることが可能である(1206)。設計ファイルは、前方および後方の部分の数を減少させるように生成されることが可能である。部分の数は、個々の部分の違いの値および/または方位角に基づくことが可能である。1つ以上の型では、前方および後方部分を結合する連結部分は、眉ラインよりも首筋ラインに近い位置にて生成されることが可能である。他の型では、連結部分位置は、スキャンされた患者の頭部のx軸の上下の対称性に基づいて生成されてよい。その部分は、設計ファイルに利用される個々の部分の数および/または角度にあることが可能である前方および/または後方の間隙を含んでもよい。
【0038】
設計ファイルは、前方または後方のフラグ、個々の部分のフラグ、個々の部分の角度フラグ、および/または位置フラグを利用する機能から作成される多面体の区画された表面を含んでもよい。1つ以上の型では、フラグは、1組の値を含むことも可能である。設計ファイルは、次いで、データとして出力されるまたは製造システムもしくはデバイスに直接送られることが可能である。設計データファイルは、限定ではなくJPG、PNG、TIFF、STL、CAD、CSV、XLSX、または他の同様のデータフォーマットを含む、任意の数のデータフォーマットにより出力することが可能である(1207)。
【0039】
図13は、頭皮カバーシステム1300についての使用の方法の図である。患者は、内側頭皮カバーを自身の頭皮の上に配置してよい(1301)。内側頭皮カバーは、冷却デバイスまたはシステムに対し冷却チャネルを通じて流体結合されてもよい。内側頭皮カバーデバイスは、次いで、中間頭皮カバーにより覆われてよい(1302)。中間頭皮カバーは、患者の頭皮に沿って冷却効果を維持することを補助する熱抵抗性材料を含むことも可能である。外側頭皮カバーは、中間頭皮カバーおよび内側頭皮カバーと接触させることが可能である(1303)。外側頭皮カバーは1つ以上の固定機構を有することが可能である。患者の頭皮に対する外側頭皮カバーの固定は、外側頭皮カバーに対し結合された2つ以上の固定機構を利用することによって行われることが可能である(1304)。患者は、より良いフィッティングおよび/または冷却効果を冷却デバイスおよび/またはシステムに提供するように、自身の髪を濡らしてよい。
【0040】
本開示は好ましい実施形態を参照して特に示され記載されたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく形態および詳細における様々な変更がなされ得ることが、当業者によって理解される。発明者は、当業者がそうした変形形態を適宜行うことを予期し、また発明者は、本発明が本明細書において詳細に記載された通り以外に実施されることを意図する。したがって、本開示は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された発明の主題のすべての修正および均等物を含む。さらに、すべての可能な変形形態における上記の要素の任意の組合せは、本明細書において特に示されない限り、または文脈によって明確に反しない限り、本開示によって包含される。
【0041】
本明細書に開示される原則に従う様々な実施形態が上に記載されたが、それらの実施形態は例として提示されているに過ぎず、限定ではない。したがって、本開示の幅および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるものではなく、任意の請求項および本開示から生じるその均等物に従ってしか定められない。さらに、上記の利点および特徴は、記載された実施形態において提供されるが、任意のまたはすべての上記の利点を伴う処理および構造に対するそうした発行された請求項の用途を限定するものではない。
【0042】
これに加えて、本明細書における項の見出しは、37C.F.R.1.77における提案との一貫性のために、または構成の手がかりを提供するように提供される。これらの見出しは、本開示から生じ得る任意の請求項において説明される本発明を限定または特徴付けるものではない。特に、例として、見出しは「技術分野」を参照するが、特許請求の範囲は、この見出しの下においていわゆる分野を記載するように選ばれた言葉によって限定されない。さらに、背景情報としての技術の記載は、ある技術が本開示における任意の実施形態に対する先行技術であるという認定として構成されるものではない。「簡単な概要」は発行された請求項において説明される実施形態の特徴として考えられるものでもない。さらに、単数形における「発明」に対する本開示における任意の参照は、本開示における新規性の単一の点しか存在しないことを主張するように用いられるものではない。複数の実施形態が本開示から生じた複数の請求項の限定に従って説明されてよく、そうした特許請求の範囲は、したがって、実施形態、および特許請求の範囲により保護されるその均等物を定める。すべての例において、そうした特許請求の範囲は、本開示に則してそれ自身の長所において考慮されるが、本明細書において説明される見出しによって強いられるものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13