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特許7467452エアロゾル送達デバイスのための電力制御
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】エアロゾル送達デバイスのための電力制御
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20240408BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240408BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/51
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021527163
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2019059369
(87)【国際公開番号】W WO2020104874
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】62/769,296
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/911,727
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/669,031
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノバック・ザ・サード,チャールズ・ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ドーアティ,ショーン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ギャロウェイ,マイケル・ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ファーガソン,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,オースティン
(72)【発明者】
【氏名】ラム,ウィルソン・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー・ジュニア,レイモンド・チャールズ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/090662(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/047092(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/138688(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのハウジングと、少なくとも1つのハウジング内に、
出力電圧を提供するように構成された電源と、
エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するために電力を供給することが可能なエアロゾル生成構成要素と、
少なくとも1つのハウジングを通る空気流路内の大気圧の測定値を生成するように構成された第1のセンサと、
エアロゾル送達デバイスの運動を感知または定量化するように構成された第2のセンサと、
電源とエアロゾル生成構成要素とに結合され、電源とエアロゾル生成構成要素との間にあるスイッチと、
第1のセンサ、第2のセンサおよびスイッチと連絡する処理回路であって、少なくとも、
センサからの大気圧の測定値と基準大気圧との差を決定し、差が少なくとも閾値差であるときのみ、
エアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するために、スイッチにエアロゾル生成構成要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるための信号を出力するように構成され、スイッチは、差と電力目標との間の所定の関係に従って可変である電力目標に、エアロゾル生成構成要素に提供される電力を調整するために、出力電圧を切り替え可能に接続および切断するようにされ
エアロゾル送達デバイスの運動に関する、第2のセンサからの信号を受信し、
エアロゾル送達デバイスの動作が第2のセンサによって検出されないとき、信号を出力して、第1のセンサを休止モードで動作させる、当該処理回路と
を備えるエアロゾル送達デバイス。
【請求項2】
信号が存在せず、エアロゾル生成構成要素への出力電圧が切断されるエアロゾル生成期間外では、第1のセンサは、第1のセンサが曝される周囲大気圧の測定値を生成するように構成され、処理回路は、周囲大気圧の測定値に基づいて基準大気圧を設定するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項3】
基準大気圧を設定するように構成された処理回路は、周囲大気圧の測定値の平均を決定し、基準大気圧を平均に設定するようにさらに構成された処理回路を含む、請求項2に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項4】
閾値差は、ユーザによるエアロゾル送達デバイスを使用する吹かし行為によって引き起こされる、基準大気圧からの最小偏差を反映するように設定される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項5】
差を決定し信号を出力するように構成された処理回路は、
最新の測定値と基準大気圧との差を決定し、差が少なくとも閾値差であるかを決定し、
大気圧の測定値の少なくともいくつかから大気圧の変化率を決定し、変化率に基づいて、差が吹かし行為によって引き起こされたかどうかを決定し、
差が少なくとも閾値差であり、吹かし行為によって引き起こされたときのみ、信号を出力する
ように構成された処理回路を含む、請求項4に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項6】
信号を出力するように構成された処理回路は、吹かし行為と同一の広がりを有するエアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するための信号を出力するように構成された処理回路を含む、請求項4に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項7】
所定の関係は、ステップ関数、線形関数、非線形関数、またはそれらの組合せによって記述される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項8】
所定の関係は、ステップ関数と線形関数との組合せによって記述される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項9】
エアロゾル前駆体組成物は、液体、固体または半固体である、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項10】
信号を出力するように構成された処理回路は、パルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成された処理回路を含み、PWM信号のデューティサイクルが調整可能であり、それにより、エアロゾル生成構成要素に提供される電力が調整される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項11】
エアロゾル生成期間中に周期的なレートで、処理回路は、
エアロゾル生成構成要素に提供される瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウを決定し、測定値のサンプルウィンドウの各測定値は、エアロゾル生成構成要素での電圧と、エアロゾル生成構成要素を通る電流との積として決定され、
瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウに基づいて、エアロゾル生成構成要素に提供される移動平均電力を計算し、
移動平均電力を電力目標と比較し、
移動平均電力が電力目標をそれぞれ上回る、または下回る各時点に、スイッチに出力電圧をそれぞれ切断および接続させるための信号を出力する
ようにさらに構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項12】
エアロゾル送達デバイスのための制御本体であって、
出力電圧を提供するように構成された電源と、
エアロゾル生成構成要素、またはエアロゾル生成構成要素を制御本体に接続するように構成された端子であって、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するために電力を供給することが可能である、エアロゾル生成構成要素または端子と、
少なくとも1つのハウジングを通る空気流路内の大気圧の測定値を生成するように構成された第1のセンサと、
エアロゾル送達デバイスの運動を感知または定量化するように構成された第2のセンサと、
電源とエアロゾル生成構成要素とに結合され、電源とエアロゾル生成構成要素との間にあるスイッチと、
第1のセンサ、第2のセンサおよびスイッチと連絡する処理回路であって、少なくとも、
センサからの大気圧の測定値と基準大気圧との差を決定し、差が少なくとも閾値差であるときのみ、
エアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するために、スイッチにエアロゾル生成構成要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるための信号を出力するように構成され、スイッチは、差と電力目標との間の所定の関係に従って可変である電力目標に、エアロゾル生成構成要素に提供される電力を調整するために、出力電圧を切り替え可能に接続および切断するようにされ
エアロゾル送達デバイスの運動に関する、第2のセンサからの信号を受信し、
エアロゾル送達デバイスの動作が第2のセンサによって検出されないとき、信号を出力して、第1のセンサを休止モードで動作させる、当該処理回路と
を備える制御本体。
【請求項13】
信号が存在せず、エアロゾル生成構成要素への出力電圧が切断されるエアロゾル生成期間外では、第1のセンサは、第1のセンサが曝される周囲大気圧の測定値を生成するように構成され、処理回路は、周囲大気圧の測定値に基づいて基準大気圧を設定するように構成される、請求項12に記載の制御本体。
【請求項14】
基準大気圧を設定するように構成された処理回路は、周囲大気圧の測定値の平均を決定し、基準大気圧を平均に設定するようにさらに構成された処理回路を含む、請求項13に記載の制御本体。
【請求項15】
閾値差は、ユーザによるエアロゾル送達デバイスを使用する吹かし行為によって引き起こされる、基準大気圧からの最小偏差を反映するように設定される、請求項12に記載の制御本体。
【請求項16】
差を決定し信号を出力するように構成された処理回路は、
最新の測定値と基準大気圧との差を決定し、差が少なくとも閾値差であるかを決定し、
大気圧の測定値の少なくともいくつかから大気圧の変化率を決定し、変化率に基づいて、差が吹かし行為によって引き起こされたかどうかを決定し、
差が少なくとも閾値差であり、吹かし行為によって引き起こされたときのみ、信号を出力する
ように構成された処理回路を含む、請求項15に記載の制御本体。
【請求項17】
信号を出力するように構成された処理回路は、吹かし行為と同一の広がりを有するエアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するための信号を出力するように構成された処理回路を含む、請求項15に記載の制御本体。
【請求項18】
所定の関係は、ステップ関数、線形関数、非線形関数、またはそれらの組合せによって記述される、請求項12に記載の制御本体。
【請求項19】
所定の関係は、ステップ関数と線形関数との組合せによって記述される、請求項12に記載の制御本体。
【請求項20】
エアロゾル前駆体組成物は液体、固体または半固体である、請求項12に記載の制御本体。
【請求項21】
信号を出力するように構成された処理回路は、パルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成された処理回路を含み、PWM信号のデューティサイクルが調整可能であり、それにより、エアロゾル生成構成要素に提供される電力が調整される、請求項12に記載の制御本体。
【請求項22】
加熱期間中に周期的なレートで、処理回路は、
エアロゾル生成構成要素に提供される瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウを決定し、測定値のサンプルウィンドウの各測定値は、エアロゾル生成構成要素での電圧と、エアロゾル生成構成要素を通る電流との積として決定され、
瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウに基づいて、エアロゾル生成構成要素に提供される移動平均電力を計算し、
移動平均電力を電力目標と比較し、
移動平均電力が電力目標をそれぞれ上回る、または下回る各時点に、スイッチに出力電圧をそれぞれ切断および接続させるための信号を出力する
ようにさらに構成される、請求項12に記載の制御本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年10月30日に出願された、名称:Power Control for an Aerosol Delivery Deviceの米国特許出願第16/669,031号;2019年10月7日に出願された、名称:Power Control for an Aerosol Delivery Deviceの米国仮特許出願第62/911,727号;および2018年11月19日に出願された、名称:Management System for Control Functions in a Vaporization Systemの米国仮特許出願第62/769,296号に対する優先権およびその利益を主張し、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、エアロゾルを生成する喫煙物品などのエアロゾル送達デバイスに関する。喫煙物品は、エアロゾル前駆体を加熱する、またはそれ以外の方法で分配する、またはそうでなければエアロゾル前駆体からエアロゾルを生成するように構成されてよく、エアロゾル前駆体は、タバコから製造され得る、またはタバコから抽出され得る材料を組み込んでよい、あるいはそれ以外の方法でタバコを組み込んでもよく、前駆体は、人間が消費するための吸入可能な物質を形成することが可能である。
【背景技術】
【0003】
使用のためにタバコを燃焼させることによる喫煙製品の改良品または代替品として、長年にわたって多くの喫煙物品が提案されてきた。いくつかの例示的な代替品には、固体燃料または液体燃料が燃焼されてタバコに熱を伝達するか、またはそのような熱源を提供するために化学反応が使用されるデバイスを含む。追加の例示的な代替品は、参照により本明細書に組み込まれるWorm等の米国特許第9,078,473号明細書に説明されているように、タバコおよび/または他のエアロゾル発生基質材料を加熱するために電気エネルギーを使用する。
【0004】
喫煙物品に対する改良品または代替品のポイントは典型的には、かなりの量の不完全燃焼生成物および熱分解生成物を送達することなく、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連する感覚を提供することである。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性物質を気化させる、または加熱する、あるいはタバコをかなりの度合いまで燃焼させることなく紙巻きタバコ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を提供しようと試みる多数の喫煙製品、香味発生剤および薬用吸入器が提案されてきた。例えば、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書;Griffith Jr.等に対する米国特許出願公開第2013/0255702号明細書;およびSears等に対する米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に説明されている背景技術に記載される様々な代替の喫煙物品、エアロゾル送達デバイスおよび発熱源を参照されたく、これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。また、例えば、Bless等に対する米国特許出願公開第2015/0220232号明細書において商標名および商業的供給源によって参照される様々なタイプの喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、および電動発熱源も参照されたく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。商標名および商用提供者によって参照される追加のタイプの喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、および電動発熱源は、DePiano等に対する米国特許出願公開第2015/0245659号明細書に列挙されており、この特許もまた参照により本明細書に組み込まれる。説明されており、いくつかの例では市販されている他の代表的な紙巻きタバコまたは喫煙物品は、Gerth等に対する米国特許第4,735,217号明細書;Brooks等に対する米国特許第4,922,901号明細書、4,947,874号明細書、および4,947,875号明細書;Counts等に対する米国特許第5,060,671号明細書;Morgan等に対する米国特許第5,249,586号明細書;Counts等に対する米国特許第5,388,594号明細書;Higgins等に対する米国特許第5,666,977号明細書;Adams等に対する米国特許第6,053,176号明細書;Whiteに対する米国特許第6,164,287号明細書;Vogesに対する米国特許第6,196,218号明細書;Felter等に対する米国特許第6,810,883号明細書;Nicholsに対する米国特許第6,854,461号明細書;Honに対する米国特許第7,832,410号明細書;Kobayashiに対する米国特許第7,513,253号明細書;Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書;Hamanoに対する米国特許第7,896,006号明細書;Shayanに対する米国特許第6,772,756号明細書;Honに対する米国特許公開第2009/0095311号明細書;Honに対する米国特許公開第2006/0196518号明細書、第2009/0126745号明細書、および第2009/0188490号明細書;Thorens等に対する米国特許公開第2009/0272379号明細書;Monsees等に対する米国特許公開第2009/0260641号明細書および第2009/0260642号明細書;Oglesby等に対する米国特許公開第2008/0149118号明細書および第2010/0024834号明細書;Wangに対する米国特許公開第2010/0307518号明細書;およびHonに対するWO2010/091593号に記載されるものを含み、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
従来のタイプのシガレット、葉巻またはパイプの多くの属性に似た代表的な製品は、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R);InnoVapor LLCによるALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM 4(TM);White Cloud CigaretteによるCIRRUS(TM)およびFLING(TM);Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM);EPUFFER(R)International Inc.によるCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM);Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R);Egar Australia製EGAR(TM);JoyetechによるeGo-C(TM)およびeGo-T(TM);Elusion UK LtdによるELUSION(TM);Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R);FIN Branding Group,LLCによるFIN(TM);Green Smoke Inc.によるSMOKE(R);Greenarette LLCによるGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)によるHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM);Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(TM);Crown7からのHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM);LOGIC TechnologyによるLOGIC(TM)およびCUBAN(TM);Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R);Nicotek,LLCによるMETRO(R);Sottera,Inc.によるNJOY(R)およびONEJOY(TM);SS Choice LLCによるNO.7(TM);PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM);Ruyan America社によるRAPP E-MYSTICK(TM);Red Dragon Products;LLCによるRED DRAGON(TM);Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R);Smoker Friendly International、LLCによるSF(R);The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるGREEN SMART SMOKER(R);Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R);Smoking Everywhere Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(R);VMR Products LLCによるV2CIGS(TM);VaporNine LLCによるVAPOR NINE(TM);VAPOR 4 LIFE,Inc.によるVAPOR4LIFE(R);E-CigaretteDirect、LLCによるVEPPO(TM);R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R);Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品;CN Creative Ltdによるthe VYPE製品;Philip Morris InternationaによるIQOS(TM);British American TobaccoによるGLO(TM);Nu Mark LLCによるMARK TEN製品;およびJuul Labs,Incによる JUUL製品として市販されている。さらに他の電動式エアロゾル送達デバイス、および特に、いわゆる電子タバコとして特徴付けられているそういったデバイスも、COOLER VISIONS(TM);DIRECT E-CIG(TM);DRAGONFLY(TM);EMIST(TM);EVERSMOKE(TM);GAMUCCI(R);HYBRID FLAME(TM);KNIGHT STICKS(TM);ROYAL BLUES(TM);SMOKETIP(R);およびSOUTH BEACH SMOKE(TM)などの商標名の下で市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第9,078,473号明細書
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【文献】米国特許第4,735,217号明細書
【文献】米国特許第4,922,901号明細書
【文献】米国特許第4,947,874号明細書
【文献】米国特許第4,947,875号明細書
【文献】米国特許第5,060,671号明細書
【文献】米国特許第5,249,586号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第5,666,977号明細書
【文献】米国特許第6,053,176号明細書
【文献】米国特許第6,164,287号明細書
【文献】米国特許第6,196,218号明細書
【文献】米国特許第6,810,883号明細書
【文献】米国特許第6,854,461号明細書
【文献】米国特許第7,832,410号明細書
【文献】米国特許第7,513,253号明細書
【文献】米国特許第7,896,006号明細書
【文献】米国特許第6,772,756号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【文献】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、デバイスの有用性を拡張し得るような改良された電子機器をエアロゾル送達デバイスに提供することがおそらく望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、エアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達デバイスに関し、それらのエアロゾル送達デバイスは、いくつかの実装において、電子タバコ、非燃焼加熱式タバコ(またはデバイス)、あるいは非加熱非燃焼デバイスと呼ばれてもよい。本開示は、限定することなく、以下の例示的な実装の例を含む。
【0009】
いくつかの例示的な実装は:少なくとも1つのハウジングと;少なくとも1つのハウジング内に、出力電圧を提供するように構成された電源と;エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するために電力を供給することが可能なエアロゾル生成構成要素と;少なくとも1つのハウジングを通る空気流路内の大気圧の測定値を生成するように構成されたセンサと;電源とエアロゾル生成構成要素とに結合され、電源とエアロゾル生成構成要素との間にあるスイッチと;センサおよびスイッチに結合された処理回路であって、少なくとも:センサからの大気圧の測定値と基準大気圧との差を決定し;差が少なくとも1つの閾値差であるときのみ、エアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するために、スイッチにエアロゾル生成構成要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるための信号を出力するように構成され、スイッチは、差と電力目標との間の所定の関係に従って可変である電力目標に、エアロゾル生成構成要素に提供される電力を調整するために、出力電圧を切り替え可能に接続および切断するようにされる、処理回路とを備えるエアロゾル送達デバイスを提供する。
【0010】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、信号が存在せず、エアロゾル生成構成要素への出力電圧が切断されるエアロゾル生成期間外では、センサは、センサが曝される周囲大気圧の測定値を生成するように構成され、処理回路は、周囲大気圧の測定値に基づいて基準大気圧を設定するように構成される。
【0011】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、基準大気圧を設定するように構成された処理回路は、周囲大気圧の測定値の平均を決定し、基準大気圧を平均に設定するようにさらに構成された処理回路を含む。
【0012】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、閾値差は、ユーザによるエアロゾル送達デバイスを使用する吹かし行為によって引き起こされる、基準大気圧からの最小偏差を反映するように設定される。
【0013】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、差を決定し信号を出力するように構成された処理回路は:最新の測定値と基準大気圧との差を決定し、差が少なくとも閾値差であるかを決定し;測定大気圧の少なくともいくつかから大気圧の変化率を決定し、変化率に基づいて、差が吹かし行為によって引き起こされたかどうかを決定し;差が少なくとも閾値差であり、吹かし行為によって引き起こされたときのみ、信号を出力するように構成された処理回路を含む。
【0014】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、信号を出力するように構成された処理回路は、吹かし行為と同一の広がりを有するエアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するための信号を出力するように構成された処理回路を含む。
【0015】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、所定の関係は、ステップ関数、線形関数、非線形関数、またはそれらの組合せによって記述される。
【0016】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、所定の関係は、ステップ関数と線形関数との組合せによって記述される。
【0017】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、エアロゾル前駆体組成物は、液体、固体または半固体である。
【0018】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、信号を出力するように構成された処理回路は、パルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成された処理回路を含み、PWM信号のデューティサイクルが調整可能であり、それにより、エアロゾル生成構成要素に提供される電力が調整される。
【0019】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、エアロゾル送達デバイスのいくつかの例示的な実装では、エアロゾル生成期間中に周期的なレートで、処理回路は:エアロゾル生成構成要素に提供される瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウを決定し、測定値のサンプルウィンドウの各測定値は、エアロゾル生成構成要素での電圧と、エアロゾル生成構成要素を通る電流との積として決定され;瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウに基づいて、エアロゾル生成構成要素に提供される移動平均電力を計算し;移動平均電力を電力目標と比較し;移動平均電力が電力目標をそれぞれ上回る、または下回る各時点に、スイッチに出力電圧をそれぞれ切断および接続させるための信号を出力するようにさらに構成される。
【0020】
いくつかの例示的な実装は、エアロゾル送達デバイスのための制御本体を提供し、制御本体は:出力電圧を提供するように構成された電源と;エアロゾル生成構成要素、またはエアロゾル生成構成要素を制御本体に接続するように構成された端子であって、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するために電力を供給することが可能である、エアロゾル生成構成要素または端子と;少なくとも1つのハウジングを通る空気流路内の大気圧の測定値を生成するように構成されたセンサと;電源とエアロゾル生成構成要素とに結合され、電源とエアロゾル生成構成要素との間にあるスイッチと;センサおよびスイッチに結合され、少なくとも:センサからの大気圧の測定値と基準大気圧との差を決定し、差が少なくとも1つの閾値差であるときのみ、エアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するために、スイッチにエアロゾル生成構成要素への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるための信号を出力するように構成される処理回路であって、スイッチは、差と電力目標との間の所定の関係に従って可変である電力目標に、エアロゾル生成構成要素に提供される電力を調整するために、出力電圧を切り替え可能に接続および切断するようにされる、処理回路とを備える。
【0021】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、信号が存在せず、エアロゾル生成構成要素への出力電圧が切断されるエアロゾル生成期間外では、センサは、センサが曝される周囲大気圧の測定値を生成するように構成され、処理回路は、周囲大気圧の測定値に基づいて基準大気圧を設定するように構成される。
【0022】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、基準大気圧を設定するように構成された処理回路は、周囲大気圧の測定値の平均を決定し、基準大気圧を平均に設定するようにさらに構成された処理回路を含む。
【0023】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、閾値差は、ユーザによるエアロゾル送達デバイスの使用の吹かし行為によって引き起こされる、基準大気圧からの最小偏差を反映するように設定される。
【0024】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、差を決定して信号を出力するように構成された処理回路は:最新の測定値と基準大気圧との差を決定し、差が少なくとも閾値差であるかを決定し;測定大気圧の少なくともいくつかから大気圧の変化率を決定し、変化率に基づいて、差が吹かし行為によって引き起こされたかどうかを決定し;差が少なくとも閾値差であり、吹かし行為によって引き起こされたときのみ、信号を出力するように構成された処理回路を含む。
【0025】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、信号を出力するように構成された処理回路は、吹かし行為と同一の広がりを有するエアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するための信号を出力するように構成された処理回路を含む。
【0026】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、所定の関係は、ステップ関数、線形関数、非線形関数、またはそれらの組合せによって記述される。
【0027】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、所定の関係は、ステップ関数と線形関数との組合せによって記述される。
【0028】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、エアロゾル前駆体組成物は、液体、固体または半固体である。
【0029】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、信号を出力するように構成された処理回路は、パルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成された処理回路を含み、PWM信号のデューティサイクルが調整可能であり、それにより、エアロゾル生成構成要素に提供される電力が調整される。
【0030】
任意の前述の例示的な実装形態の、または任意の前述の例示的な実装の任意の組合せの、制御本体のいくつかの例示的な実装では、加熱期間中に周期的なレートで、処理回路は:エアロゾル生成構成要素に提供される瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウを決定し、測定値のサンプルウィンドウの各測定値は、エアロゾル生成構成要素での電圧と、エアロゾル生成構成要素を通る電流との積として決定され;瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウに基づいて、エアロゾル生成構成要素に提供される移動平均電力を計算し;移動平均電力を電力目標と比較し;移動平均電力が電力目標をそれぞれ上回る、または下回る各時点に、スイッチに出力電圧をそれぞれ切断および接続させるための信号を出力するようにさらに構成される。
【0031】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明される添付の図面と共に、以下の詳細な説明を読むことから明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書で説明される特定の例示的な実装において明示的に組み合わされるかどうか、そうでなければ列挙されるかどうかにかかわらず、本開示に記載される2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、その開示のコンテキストが明らかにそうでないことを指示しない限り、その態様および例示的な実装のいずれにおいても、本開示の任意の分離できる特徴または要素が組合せ可能であると見なされるように全体的に読まれることが意図されている。
【0032】
したがって、この簡単な概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するためにいくつかの例示的な実装を要約する目的のためだけに提供されていることが理解されよう。したがって、上記の例示的な実装は単なる例であり、決して本開示の範囲または精神を狭めるように解釈されるべきではないことが理解されよう。他の例示的な実装、態様、および利点は、いくつかの説明された例示的な実装の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0033】
上述の一般的な用語において本開示の態様をこのように説明してきたが、次に添付の図面を参照され、これらは必ずしも一定の縮尺で描かれている訳ではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示の例示的な実装による、互いに結合されたカートリッジと、制御本体とを含むエアロゾル送達デバイスの斜視図である。
図2】例示的な実装による、カートリッジと、制御本体が互いに切り離されている、図1のエアロゾル送達デバイスの部分切欠き図である。
図3】本開示の別の例示的な実装による、互いに結合された制御本体と、エアロゾル源部材とを備えるエアロゾル送達デバイスの斜視図である。
図4】本開示の別の例示的な実装による、互いから切り離された制御本体と、エアロゾル源部材とを備えるエアロゾル送達デバイスの斜視図である。
図5】例示的な実装による、図3および図4のエアロゾル送達デバイスの正面図である。
図6】例示的な実装による図3および図4のエアロゾル送達デバイスの断面図である。
図7】例示的な実装による、制御本体に結合されたカートリッジを含むエアロゾル送達デバイスの側面図である。
図8】例示的な実装による、制御本体に結合されたカートリッジを含むエアロゾル送達デバイスの部分切欠き図である。
図9】本開示の様々な例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスの回路図である。
図10】本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスの構成要素の回路図である。
図11】本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスのための電力制御方法のフローチャートを示す図である。
図12A】本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスの予熱のための機能的関係を示す図である。
図12B】本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスの予熱のための機能的関係を示す図である。
図13】本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスのための電力制御の別の方法のフローチャートを示す図である。
図14A】本開示の例示的な実装による、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスのための電力制御の機能的関係を示す図である。
図14B】本開示の例示的な実装による、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスのための電力制御の機能的関係を示す図である。
図14C】本開示の例示的な実装による、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスのための電力制御の機能的関係を示す図である。
図14D】本開示の例示的な実装による、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスのための電力制御の機能的関係を示す図である。
図14E】本開示の例示的な実装による、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスのための電力制御の機能的関係を示す図である。
図14F】本開示の例示的な実装による、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイスのための電力制御の機能的関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示は、その例示的な実装を参照して、以下でより十分に説明される。これらの例示的な実装は、本開示が徹底的で完全になり、そして本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように説明される。実際、本開示は多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実装に限定されるものと解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実装は、この開示が適用可能な法的要件を満たすために提供されている。明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」などは、コンテキストが明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、幾何学的関係などが参照されることがあるが、そうでないことを明記しない限り、これらの全てではないにしても、これらのいずれか1つ以上は絶対的であるか、または技術的な公差などのために生じ得る許容可能な変動に対処するための近似的である場合がある。
【0036】
以下に説明されるように、本開示は、エアロゾル送達デバイスに関する。エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物(吸入可能物質媒体と呼ばれることもある)からエアロゾル(吸入可能物質)を生成するように構成されてよい。エアロゾル前駆体組成物は、固体タバコ材料、半固体タバコ材料、または液体エアロゾル前駆体組成物のうちの1つ以上を含んでよい。いくつかの実装において、エアロゾル送達デバイスは、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば、液体エアロゾル前駆体組成物)を加熱し、そこからエアロゾルを生成するように構成されてもよい。そのようなエアロゾル送達デバイスは、いわゆる電子タバコを含み得る。他の実装では、エアロゾル送達デバイスは、非燃焼加熱式デバイスを含んでもよい。さらに他の実装では、エアロゾル送達デバイスは、非加熱非燃焼デバイスを含んでもよい。
【0037】
液体エアロゾル前駆体組成物は、蒸気前駆体組成物または「e-リキッド」とも呼ばれ、電子タバコおよび非加熱非燃焼デバイスに特に有用である。液体エアロゾル前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香味料を含む様々な成分を含み得る。いくつかの例では、エアロゾル前駆体組成物はグリセリンおよびニコチンを含む。
【0038】
様々な実装と組み合わせて使用され得るいくつかの液体エアロゾル前駆体成分は、レブリン酸、コハク酸、乳酸、ピルビン酸、安息香酸、フマル酸、それらの組合せなどの1つ以上の酸を含み得る。ニコチンを含む液体エアロゾル前駆体に酸(複数可)を含めることにより、塩形態のニコチンを含むプロトン化液体エアロゾル前駆体組成物を提供することができる。代表的なタイプの液体エアロゾル前駆体組成物および配合物は、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書;Chong等に対する米国特許第9,254,002号明細書;およびZheng等に対する米国特許出願公開第2013/0008457号明細書;Lipowicz等に対する米国特許出願公開第2015/0020823号明細書、ならびにKollerに対する米国特許出願公開第2015/0020830号明細書;およびBowen等に対する国際特許出願公開WO第2014/182736号;およびCollett等に対する米国特許第8,881,737号明細書に記載され、そこで特徴付けられており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。用いられ得る他のエアロゾル前駆体は、上記で特定されたいくつかの代表的な製品のいずれかに組み込まれているエアロゾル前駆体を含む。また、Johnson Creek Enterprises LLC.から入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。さらに別の例のエアロゾル前駆体組成物は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPORおよびJIMMY THE JUICE MANのブランド名の下に販売されている。発泡性材料の実装は、エアロゾル前駆体と共に使用することができ、例として、Hunt等に対する米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に説明されており、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、発泡性材料の使用は、例えばNiazi等に対する米国特許第4,639,368号明細書;Wehling等に対する米国特許第5,178,878号明細書;Wehling等に対する米国特許第5,223,264号明細書;Pather等に対する米国特許第6,974,590号明細書;Bergquist等に対する米国特許第7,381,667号明細書;Crawford等に対する米国特許第8,424,541号明細書;Strickland等に対する米国特許第8,627,828号明細書;およびSun等に対する米国特許第9,307,787号明細書;ならびにBrinkley等に対する米国特許出願公開第2010/0018539号明細書;およびJohnson等に対する国際公開第97/06786号に記載されており、これらの特許の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
エアロゾル前駆体組成物は、追加的または代替的に、これらに限定されないが、植物成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、タイム、ユーカリ、ショウガ、大麻、人参、マカおよびチサン)、刺激剤(例えば、カフェインおよびガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン)および/または医薬、栄養補助食品および医薬成分(例えば、B6、B12およびCなどのビタミンならびにテトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)などのカンビノイドを含む他の活性成分を含んでもよい。成分の特定の割合および選択は、所望される風味、テキスチャ、および他の特性に応じて変動するであろう。有効成分の例は、病気の診断、治癒、緩和、治療、または予防において薬理学的活性または他の直接的な効果をもたらす成分、または人間または他の動物の体の構造または機能に影響を与える(例えば、中枢神経系に刺激作用を提供する、活力を与える効果、解熱または鎮痛作用、またはその他の体に対する有用な効果を有する)成分など、体内の1つ以上の生物学的機能に影響することが知られている何らかの成分を含むであろう。
【0040】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的なタイプの基材、リザーバまたは他の構成要素は、Newtonに対する米国特許第8,528,569号明細書;Chapman等に対する米国特許出願公開第2014/0261487号明細書;Davis等に対する米国特許出願公開第2015/0059780号明細書;およびBless等に対する米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に説明されており、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。さらに、様々な吸い上げ(wicking)材料、ならびに特定のタイプの電子タバコ内のそれらの吸い上げ材料の構成および動作が、Sears等に対する米国特許第8,910,640号明細書に記載されており、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
他の実装では、エアロゾル送達デバイスは、固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、押し出し成形されたタバコロッド)または半固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンを充填させたタバコペースト)を加熱するように構成された非燃焼加熱式デバイスを備える場合もある。エアロゾル前駆体組成物は、タバコを含むビーズ、タバコ刻み、タバコ片、再構成タバコ材料、もしくはそれらの組合せ、および/または微粉砕タバコ、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または任意選択の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意選択の香味料、および実質的に固体もしくは成形可能な(例えば、押し出し成形可能な)基材を形成するエアロゾル形成材料と混合された他のタバコ形態の混合物を含んでよい。固体および半固体のエアロゾル前駆体組成物および製剤の代表的なタイプは、Thomas等に対する米国特許第8,424,538号明細書;Sebastian等に対する米国特許第8,464,726号明細書;Conner等に対する米国特許出願公開第2015/0083150号明細書;Ademe等に対する米国特許出願公開第2015/0157052号明細書;およびNordskog等に対する米国特許出願公開第2017/0000188号明細書に開示されており、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。固体および半固体エアロゾル前駆体の組成および配置のさらに代表的なタイプは、British American TobaccoによるGLO(TM)製品のNEOSTIKS(TM)消費可能エアロゾル源部材およびPhilip Morris International,Inc.によるIQOS(TM)製品のHEETS(TM)消費可能エアロゾル源部材に見出されるものを含む。
【0042】
様々な実装において、吸入可能な物質は、具体的には、タバコ成分またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接単離され得るか、または合成的に調製され得るタバコの中に自然の状態で見出される材料)であり得る。例えば、エアロゾル前駆体組成物は、不活性基材と組み合わされたタバコ抽出物またはそのごく一部分を含み得る。エアロゾル前駆体組成物は、未燃焼タバコ、またはその燃焼温度より低い温度に加熱されると吸入可能な物質を放出する未燃焼タバコを含む組成物をさらに含み得る。いくつかの実装において、エアロゾル前駆体組成物は、タバコ凝縮物またはそのごく一部分(すなわち、タバコの燃焼によって生成され、風味、およびおそらくニコチンを後に残す煙の凝縮成分)を含み得る。
【0043】
本開示において有用なタバコ材料は変化する可能性があり、例えば、黄色種タバコ、バーレー種タバコ、オリエンタルタバコまたはメリーランドタバコ、ダークタバコ、黒煙タバコ(dark-fired tobacco)およびルスティカタバコ、ならびに他の希少または特殊タバコ、またはそれらのブレンドが含まれてよい。タバコ材料はまた、いわゆる「ブレンド」形態および加工された形態を含めることもでき、例えば加工タバコ茎(例えば、カットロールまたはカットパフ茎)、容積拡大タバコ(好ましくはカットフィラーの形態の、例えばドライアイス拡大タバコ(DIET)などの膨化タバコ)、再構成タバコ(例えば、製紙タイプまたはキャストシートタイプのプロセスを使用して製造された再構成タバコ)などである。様々な代表的なタバコタイプ、加工タバコタイプ、およびタバコブレンドのタイプは、Lawson等に対する米国特許第4,836,224号明細書、Perfetti等に対する米国特許第4,924,888号明細書、Brown等に対する米国特許第5,056,537号明細書、Brinkley等に対する米国特許第5,159,942号明細書、Gentryに対する米国特許第5,220,930号明細書、Blakley等に対する米国特許第5,360,023号明細書、Shafer等に対する米国特許第6,701,936号明細書、Li等に対する米国特許第7,011,096号明細書、Li等に対する米国特許第7,017,585号明細書、およびLawson等に対する米国特許第7,025,066号明細書;Perfetti等に対する米国特許出願公開第2004/0255965号明細書;およびBeremanに対する国際特許出願公開WO第02/37990号;およびBombick等のFund.Appl.Toxicol.、39、p.11-17(1997)に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。本開示によるものを含む、喫煙デバイスにおいて有用であり得るさらなる例示的なタバコ組成物は、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書に開示されており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
さらに、エアロゾル前駆体組成物は、中に組み込まれたまたは他の方法で上に堆積された吸入可能な物質またはその前駆体を有する、不活性基材を含み得る。例えば、熱の印加時に、吸入可能な物質が、正圧または負圧の印加を通して発明の物品から引き出されることができるような形態で放出されるように、吸入可能な物質を含む液体が、不活性基材の上にコーティングされる、または不活性物質に吸収される、または吸着されてもよい。いくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、カットフィラー形態の風味豊かな香りのよりタバコのブレンドを含み得る。別の態様では、エアロゾル前駆体組成物は、Pryor等に対する米国特許第4,807,809号明細書;Pryor等に対する米国特許第4,889,143号明細書;およびRakerに対する米国特許第5,025,814号明細書に説明されているような再構成されたタバコ材料を含んでもよく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。適切なエアロゾル前駆体組成物に関するさらなる情報については、2018年3月9日に出願されたSur等に対する米国特許出願第15/916,834号明細書を参照されたく、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
エアロゾル前駆体組成物のタイプにかかわらず、エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成構成要素を含んでよい。例えば、電子タバコまたは非燃焼加熱式デバイスの場合、エアロゾル生成構成要素は加熱要素であり得る、または加熱要素を含んでもよい。非加熱非燃焼デバイスの場合、いくつかの例では、エアロゾル生成構成要素は、振動可能な圧電または圧磁メッシュであり得る、またはそれを含んでもよい。
【0046】
適切な加熱要素の一例は、誘導ヒータである。そのようなヒータはしばしば誘導送信機と、誘導受信機とを備える。誘導送信機は、交流電流がそれを通して導かれたときに発振磁場(例えば、時間と共に周期的に変化する磁場)を作り出すように構成されたコイルを含んでよい。誘導受信機は、誘導送信機内に少なくとも部分的に配置される、または受け入れられてよく、導電性材料(強磁性材料またはアルミニウムコーティングされた材料)を含んでもよい。誘導送信機に交流電流を流すことにより、誘導を介して渦電流が誘導受信機内に発生され得る。誘導受信機を規定する材料の抵抗を流れる渦電流が、ジュール加熱によって(つまり、ジュール効果によって)誘導受信機を加熱してよい。誘導受信機は、アトマイザを規定してもよく、無線で加熱されて、誘導受信機に近接して位置決めされたエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成してよい。誘導ヒータ付きエアロゾル送達デバイスの様々な実装は、Davis等に対する米国特許出願公開第2017/0127722号明細書;Sur等に対する米国特許出願公開第2017/0202266明細書;2016年11月15日に出願されたSur等に対する米国特許出願第15/352,153号明細書;2017年10月31日に出願されたSebastian等に対する米国特許出願第15/799,365号明細書;およびSurに対する米国特許出願第15/836,086号明細書に説明されており、これらの特許は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
本明細書でより具体的に説明されるものを含む他の実装では、加熱要素は、電気抵抗ヒータの場合のような導電性ヒータである。これらのヒータは、電流がそれを通して導かれると熱を生成するように構成されてよい。様々な実装において、導電性ヒータは、箔、発泡体、ディスク、渦巻き、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボンまたはシリンダの形態などの様々な形態で提供され得る。そのようなヒータはしばしば金属材料を含み、そこを通るように電流を流すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成されている。そのような抵抗性ヒータは、エアロゾル前駆体組成物に近接して位置決めされ、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを生成することができる。本開示と共に使用可能であり得る様々な導電性基材は、Griffith等に対する上記の米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に説明されている。
【0048】
本明細書に説明される例示的な実装は、加熱要素以外のエアロゾル生成構成要素(例えば、アトマイザ)を利用するデバイスに、例えば非加熱非燃焼デバイスの場合は、必要な変更を加えて適用されることができることが理解されよう。例えば、振動可能な圧電メッシュまたは圧磁メッシュを含む実装では、メッシュを駆動する電力は、メッシュを選択的に駆動して振動させ、メッシュを通してエアロゾル前駆体組成物の成分の吐出を引き起こすように構成された処理回路によって制御されてよい。すなわち、処理回路は、振動可能な圧電/圧磁メッシュを選択的に駆動するために電源からの電力を制御するように構成されてよい。
【0049】
いくつかの実装において、エアロゾル送達デバイスは、いわゆる電子タバコまたは非加熱非燃焼デバイスの場合には、制御本体と、カートリッジとを含んでよい、または非燃焼加熱式デバイスの場合には、制御本体と、エアロゾル源部材とを含んでよい。電子タバコまたは非燃焼加熱式デバイスのいずれかの場合、制御本体は再利用可能であってもよいが、カートリッジ/エアロゾル源部材は、限られた回数の使用のために構成される場合もあり、および/または使い捨てに構成される場合もある。様々な機構がカートリッジ/エアロゾル源部材を制御本体に接続することが、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、滑り嵌め、磁気係合などをもたらすことになり得る。
【0050】
制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材は、別々のそれぞれのハウジングまたは外側本体を含んでよく、これらはいくつかの異なる材料のうちのいずれかから形成されてよい。ハウジングは、任意の適切な構造的に堅固な材料から形成され得る。いくつかの例では、ハウジングは、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属または合金で形成されてもよい。他の適切な材料は、様々なプラスチック(例えばポリカーボネート)、プラスチックを覆う金属メッキ、セラミックなどを含む。
【0051】
カートリッジ/エアロゾル源部材は、エアロゾル前駆体組成物を含んでよい。エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成するために、エアロゾル生成構成要素(例えば、加熱要素、圧電/圧磁メッシュ)は、エアロゾル前駆体組成物と接触して、またはそれと近接して、例えば制御本体およびカートリッジにわたって、あるいはエアロゾル源部材が位置決めされ得る制御本体内に位置決めされてよい。制御本体は、再充電可能または交換可能であり得る電源を含んでもよく、それにより、制御本体は、多数のカートリッジ/エアロゾル源部材と共に再利用されてよい。
【0052】
制御本体はまた、デバイスを手動で制御するための押しボタン、タッチセンシティブ面などの、エアロゾル送達デバイスをアクティブ化するための手段を含んでよい。追加として、または代替として、制御本体は、ユーザがカートリッジ/エアロゾル源部材で吸い込み、それによりエアロゾル送達デバイスをアクティブ化するときを検出するための流量センサを含んでもよい。
【0053】
様々な実装において、本開示によるエアロゾル送達デバイスは、これらに限定されないが、実質的に棒状または実質的に管形状または実質的に円筒形状であると規定され得る全体形状を含め、様々な全体形状を有する場合がある。添付の図に示され、添付の図を参照して説明される実装において、エアロゾル送達デバイスは、実質的に円形断面を有するが;しかしながら、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形など)も本開示によって包含される。物品の物理的形状を説明するそのような文言は、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材を含む、その個々の構成要素にも適用されてよい。他の実装では、制御本体は、小さな箱形状など、別の手持ち式の形状を採る場合もある。
【0054】
より具体的な実装では、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材の一方または両方は、使い捨てである、または再利用可能であると呼ばれてもよい。例えば、制御本体は、交換可能なバッテリまたは再充電可能なバッテリ、SSB、薄膜SSB、再充電可能なスーパーキャパシタ、リチウムイオンまたはハイブリッドリチウムイオンスーパーキャパシタなどの電源を有し得る。電源の一例は、ドイツのTadiran Batteries GmbHによって製造されたTKI-1550再充電可能なリチウムイオンバッテリである。別の実装では、有用な電源は、日本の三洋電機株式会社によって製造されたN50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池であり得る。他の実装では、例えば各々1.2ボルトを提供する複数のそのようなバッテリが直列に接続されてもよい。いくつかの実装では、電源は出力電圧を提供するように構成される。電源は、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを生成する電力を供給することが可能なエアロゾル生成構成要素に電力を供給することができる。
【0055】
いくつかの例では、それで、電源は、任意のタイプの再充電技術に接続され、それにより、再充電技術と組み合わされてもよい。適切な充電器の例は、電源に定電流またはパルス直流(DC)電力を単に供給する充電器、制御回路を追加する高速充電器、3段充電器、誘導で電力供給される充電器、スマート充電器、運動で電力供給される充電器、パルス充電器、ソーラー充電器、USBベースの充電器などを含む。いくつかの例では、充電器は、電源アダプタおよび任意の適切な充電回路を含む。他の例では、充電器は電源アダプタを含み、制御本体には充電回路を装備する。これらの他の例では、充電器は時には単に電源アダプタと呼ばれる場合もある。
【0056】
制御本体は、適切な充電器に接続するために、およびいくつかの例では、通信のために他の周辺機器に接続するために、いくつかの異なる端子、電気コネクタなどのいずれかを含んでよい。より具体的な適切な例は、円筒形コネクタ、シガレットライターコネクタ、およびUSB 1.x(例えば、タイプA、タイプB)、USB 2.0、ならびにそのアップデート版および追加(例えば、Mini A、Mini B、Mini AB、Micro A、Micro B、Micro AB)およびUSB 3.x(例えば、Type A、Type B、Micro B、Micro AB、Type C)、Appleのライトニングコネクタ(Lightning connector)などのプロプライエタリコネクタなどの直流(DC)コネクタを含む。制御本体は、充電器または他の周辺機器と直接接続してよい、またはその2つは、これもまた妥当なコネクタを有する適切なケーブルを介して接続する場合もある。この2つがケーブルで接続されている例では、制御本体と充電器または他の周辺機器は、同じまたは異なるタイプのコネクタを有してもよく、ケーブルは、一方のタイプのコネクタまたは両方のタイプのコネクタを有する。
【0057】
誘導で電力供給される充電を伴う例では、エアロゾル送達デバイスは、誘導ワイヤレス充電技術を装備してよく、誘導送信機を含み、誘導ワイヤレス充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)からのQiワイヤレス充電規格に従うワイヤレス充電を含む)を使用するワイヤレス充電器、充電パッドなどと接続するために誘導受信機を含んでよい。あるいは、電源は、ワイヤレス無線周波数(RF)ベースの充電器から再充電されてもよい。誘導ワイヤレス充電システムの例は、Sur等に対する米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に説明されており、この特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、電子タバコの場合のいくつかの例示的な実装では、カートリッジは、Chang等に対する米国特許第8,910,639号明細書に開示されるように1回だけ使用のカートリッジを含む場合もあり、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
電源を再充電技術に接続するために1つ以上の接続が用いられてよく、いくつかは、充電ケース、クレードル、ドック、スリーブなどを伴ってもよい。より具体的には、例えば、制御本体は、電力供給源に接続するためのUSBコネクタを含むクレードルと係合するように構成されてよい。あるいは別の例では、制御本体は、電力供給源に接続するためのUSBコネクタを含むスリーブ内に嵌合し、それに係合するように構成されてもよい。これらの、および同様の例では、USBコネクタが電源と直接接続してもよい、またはUSBコネクタが適切な電源アダプタを介して電源に接続してもよい。
【0059】
電源の例は、Peckerar等に対する米国特許第9,484,155号明細書;および2015年10月21日に出願されたSur等に対する米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に説明されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。適切な電源の他の例は、Hawes等に対する米国特許出願公開第2014/0283855号明細書、Fernando等に対する米国特許出願公開第2014/0014125号明細書、Nichols等に対する米国特許出願公開第2013/0243410号明細書、Fernando等に対する米国特許出願公開第2010/0313901号明細書、およびFernando等に対する米国特許第9,439,454号明細書に提供されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。流量センサに関して、代表的な電流調節構成要素、およびエアロゾル送達デバイス用の様々なマイクロコントローラ、センサ、およびスイッチを含む他の電流制御構成要素は、Gerth等に対する米国特許第4,735,217号明細書;全てがBrooks等に対する米国特許第4,922,901号明細書、第4,947,874号明細書および第4,947,875号明細書;McCafferty等に対する米国特許第5,372,148号明細書;Fleischhauer等に対する米国特許第6,040,560号明細書;Nguyen等に対する米国特許第7,040,314号明細書;Panに対する米国特許第8,205,622号明細書;Collet等に対する米国特許出願公開第8,881,737号明細書;Ampolini等に対する米国特許第9,423,152号明細書;Fernando等に対する米国特許第9,439,454号明細書;およびHenry等に対する米国特許出願第2015/0257445号明細書に説明されており、これらの特許の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
入力デバイスは、エアロゾル送達デバイスと共に含まれていてもよい(および流量センサを置き換えたり補足されたりする場合もある)。入力は、ユーザがデバイスの機能を制御できるようにするため、および/またはユーザへの情報の出力のために含まれてよい。任意の構成要素または構成要素の組合せが、デバイスの機能を制御するための入力として利用されてよい。適切な入力デバイスは、押しボタン、タッチスイッチ、または他のタッチセンシティブ面を含む。例えば、Worm等に対する米国特許公開第2015/0245658号明細書に説明されているように、1つ以上の押しボタンが使用されてもよく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。同様に、2015年3月10日に出願されたSears等に対する米国特許出願第14/643,626号明細書に説明されるようにタッチスクリーンが使用されてもよく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
さらなる例として、エアロゾル送達デバイスの特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合された構成要素が入力デバイスとして使用されてもよい。Henry等に対する米国特許公開第2016/0158782号明細書を参照されたく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに別の例として、静電容量センサがエアロゾル送達デバイスに実装されて、静電容量センサが実装されているデバイスの表面に触れることなどによって、ユーザが入力を提供できるようにする場合もある。別の例では、デバイスに関連する運動を検出することができるセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、光電近接センサなど)がエアロゾル送達デバイスに実装されて、ユーザが入力を提供することを可能にしてもよい。適切なセンサの例は、Sur等に対する米国特許出願公開第2018/0132528号明細書;およびHenry等に対する米国特許出願公開第2016/0158782号明細書に説明されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
上記で示されたように、エアロゾル送達デバイスは、少なくとも1つの制御構成要素などの様々な電子機器を含み得る。適切な制御構成要素は、いくつかの電子構成要素を含んでよく、いくつかの例では、プリント回路板(PCB)などの回路基板で形成され得る。いくつかの例では、電子構成要素は、1つ以上の例示的な実装による、データ処理、アプリケーション実行、または他の処理、制御、もしくは管理サービスを行うように構成された処理回路を含む。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサコア、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、それらのいくつかの組合せなどの1つ以上の集積回路を含む様々な他のコンピューティングデバイスもしくは処理デバイスなどの様々な形態で具現化されたプロセッサを含んでもよい。いくつかの例では、処理回路は、プロセッサに結合または一体化されたメモリを含むことができ、メモリは、データ、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令、それらのいくつかの組合せなどを記憶することができる。
【0063】
いくつかの例では、制御構成要素は、処理回路に結合または一体化され得る1つ以上の入力/出力周辺機器を含み得る。より詳細には、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティングデバイス、または他の適切に有効化されたデバイスとの無線通信を可能にするための通信インターフェースを含み得る。適切な通信インターフェースの例は、Marion等に対する米国特許出願公開第2016/0261020号明細書に開示されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。適切な通信インターフェースの別の例は、Texas Instruments製のCC3200シングルチップワイヤレスマイクロコントローラユニット(MCU)である。それに従ってエアロゾル送達デバイスが無線で通信するように構成され得る適切なやり方の例は、Ampolini等に対する米国特許出願公開第2016/0007651号明細書;およびHenry,Jr等に対する米国特許出願公開第2016/0219933号明細書に開示されており、これらの特許の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
さらに別の構成要素が本開示のエアロゾル送達デバイスに利用されることもできる。適切な構成要素の一例は、エアロゾル送達デバイスを使用して照明され得る発光ダイオード(LED)、量子ドットベースのLEDなどのようなインディケータである。適切なLED構成要素の例、ならびにその構成および使用は、Sprinkel等に対する米国特許第5,154,192号明細書;Newtonに対する米国特許第8,499,766号明細書;Scatterdayに対する米国特許第8,539,959号明細書;およびSears等に対する米国特許第9,451,791号明細書に説明されており、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
動作の他のインデックスも本開示によって包含される。例えば、動作の視覚的インディケータは、喫煙体験の進行を示すための光の色の変化または光の強度の変化も含む。振動モータなどの動作の触感(触覚)インディケータ、およびスピーカなどの動作の音(音声)インディケータも同様に本開示に含まれる。さらに、そのような動作のインディケータの組合せも、単一の喫煙物品で使用されるのに適している。別の態様によれば、エアロゾル送達デバイスは、例えば電源の残りの電力量、喫煙体験の進行、エアロゾル生成構成要素をアクティブ化することに対応するインディケーション、および/または、それらの類似物など、喫煙物品の動作に対応する情報を提供するように構成された、例えばディスプレイなど、1つ以上のインディケータまたはインデックスを含んでもよい。
【0066】
さらに他の構成要素も企図される。例えば、Sprinkel等に対する米国特許第5,154,192号明細書は喫煙物品のインディケータを開示しており;Sprinkel、Jr.に対する米国特許第5,261,424号明細書は、吸い込みをすることに関連するユーザの唇の活動を検出し、次いで加熱デバイスの加熱をトリガするためにデバイスのマウスエンドに関連することができる圧電センサを開示しており;McCafferty等に対する米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギーの流れを制御するための吹かしセンサを開示しており;Harris等に対する米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過率の不均一性を検出する識別子と、構成要素がレセプタクルに挿入されたときに検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙デバイス内のレセプタクルを開示しており;Fleischhauer等に対する米国特許第6,040,560号明細書は、多数の差異的フェーズを備えた規定された実行可能な電力サイクルを説明しており;Watkins等に対する米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック構成要素を開示しており;Counts等に対する米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙デバイスを通しての吸い込み抵抗を変えるための手段を開示しており;Blake等に対する米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙デバイスで使用するための特定のバッテリ構成を開示しており;Griffen等に対する米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙デバイスと共に使用するための様々な充電システムを開示しており;Fernando等に対する米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、デバイスのコンピュータ制御を可能にするための喫煙デバイス用のコンピュータインターフェーシング手段を開示しており;Fernando等に対する米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙デバイス用の識別システムを開示しており;Flickによる国際公開第2010/003480号は、エアロゾル発生システム内の吹かしを示す流体流れ感知システムを開示しており;前述の開示の全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
電子エアロゾル送達物品に関連し、本明細書で使用され得る材料または構成要素を開示するさらなる構成要素の例は、Gerth等に対する米国特許第4,735,217号明細書;Morgan等に対する米国特許第5,249,586号明細書;Higgins等に対する米国特許第5,666,977号明細書;Adams等に対する米国特許第6,053,176号明細書;Whiteに対する米国特許第6,164,287号明細書;Vogesに対する米国特許第6,196,218号明細書;Felter等に対する米国特許第6,810,883号明細書;Nicholsに対する米国特許第6,854,461号明細書;Honに対する米国特許第7,832,410号明細書;Kobayashiに対する米国特許第7,513,253号明細書;Hamanoに対する米国特許第7,896,006号明細書;Shayanに対する米国特許第6,772,756号明細書;Honに対する米国特許第8,156,944号明細書および同第8,375,957号明細書;Thorens等に対する米国特許第8,794,231号明細書;Oglesby等に対する米国特許第8,851,083号明細書;Monsees等に対する米国特許第8,915,254号明細書および同第8,925,555号明細書;DePiano等に対する米国特許第9,220,302号明細書;Honに対する米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および同第2009/0188490号明細書;Oglesby等に対する米国特許出願公開第2010/0024834号明細書;Wangに対する米国特許出願公開第2010/0307518号明細書;Honに対する国際公開第2010/091593号;およびFooに対する国際公開第2013/089551号を含み、これらの特許のそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、Worm等に対する米国特許出願公開第2017/0099877号明細書は、エアロゾル送達デバイスに含まれ得るカプセル、およびエアロゾル送達デバイスのフォブ形状構成を開示しており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。前述の文献によって開示されている様々な材料が多様な実装において本デバイスに組み込まれていることができ、前述の開示の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
本開示のエアロゾル送達デバイスに組み込まれ得るさらに他の特徴、制御または構成要素は、Harris等に対する米国特許第5,967,148号明細書;Watkins等に対する米国特許第5,934,289号明細書;Counts等に対する米国特許第5,954,979号明細書;Fleischhauer等に対する米国特許第6,040,560号明細書;Honに対する米国特許第8,365,742号明細書;Fernando等に対する米国特許第8,402,976号明細書;Kataseに対する米国特許出願公開第2005/0016550号明細書;Fernando等に対する米国特許第8,689,804号明細書;Tucker等に対する米国特許出願公開第2013/0192623号明細書;Leven等に対する米国特許第9,427,022号明細書;Kim等に対する米国特許出願公開第2013/0180553号明細書;Sebastian等に対する米国特許出願公開第2014/0000638号明細書;Novak等に対する米国特許出願公開第2014/0261495号明細書;およびDePiano等に対する米国特許第9,220,302号明細書に説明されており、これらの特許の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
図1および図2は、電子タバコの場合の、制御本体と、カートリッジとを含むエアロゾル送達デバイスの実装を図示する。これに関して、図1および図2は、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイス100を示す。示されるように、エアロゾル送達デバイスは、制御本体102およびカートリッジ104を含み得る。制御本体およびカートリッジは、機能的な関係で、恒久的にまたは取り外し可能に整列されることができる。これに関して、図1は、結合された構成のエアロゾル送達デバイスの斜視図を示し、一方、図2は、切り離された構成のエアロゾル送達デバイスの部分切欠き側面図を示している。エアロゾル送達デバイスは、制御本体とカートリッジが組み立てられた構成にあるとき、いくつかの例示的な実装では、例えば実質的に棒状、実質的に管形状または実質的に円筒形状であり得る。
【0070】
制御本体102およびカートリッジ104は、圧入(または締まり嵌め)接続、ねじ接続、磁気接続などの様々な接続によって互いに係合するように構成されることができる。したがって、制御本体は、カートリッジ上の第2の係合要素(例えば、コネクタ)と係合するように適合された第1の係合要素(例えば、結合器)を含み得る。第1の係合要素および第2の係合要素は、可逆的であり得る。一例として、第1の係合要素または第2の係合要素のいずれかが雄ねじであってもよく、他方が雌ねじであってもよい。さらなる例として、第1の係合要素または第2の係合要素のいずれかが磁石であってもよく、他方が金属または対をなす磁石であってもよい。特定の実装では、係合要素は、制御本体およびカートリッジの既存の構成要素によって直接規定されてもよい。例えば、制御本体のハウジングは、その端部に空洞を規定してもよく、空洞はカートリッジの少なくとも一部(例えば、貯蔵タンクまたはカートリッジの他のシェル形成要素)を受け入れるように構成される。特に、カートリッジのマウスピースが制御本体の空洞の外側に露出したままで、カートリッジの貯蔵タンクは、制御本体の空洞内に少なくとも部分的に受け入れられてよい。カートリッジは、締まり嵌め(例えば、カートリッジの外面と制御本体の空洞を形成している壁の内面との間に締まり係合(interference engagement)を作り出す戻り止めおよび/または他の特徴部の使用を通じて)、磁気係合(例えば、制御本体の空洞内に位置決めされ、カートリッジ上に位置決めされた磁石および/または磁性金属の使用を通じて)、または他の適切な技術などによって、制御本体ハウジングによって形成される空洞の中に保持されてよい。
【0071】
図2に示される切欠き図に見られるように、制御本体102およびカートリッジ104はそれぞれ、いくつかのそれぞれの構成要素を含む。図2に示される構成要素は、制御本体およびカートリッジ内に存在し得る構成要素の代表的なものであり、本開示によって包含される構成要素の範囲を限定することは意図されていない。示されるように、例えば、制御本体は、制御構成要素208(例えば、処理回路など)、流量センサ210、電源212(例えば、バッテリ、スーパーキャパシタ)、およびインディケータ214(例えば、LED、量子ドットベースのLED)を含むことができるハウジング206(制御本体シェルと呼ばれることもある)で形成することができ、そのような構成要素は、可変的に整列されることができる。電源は再充電可能であってもよく、制御構成要素は、スイッチと、流量センサおよびスイッチに結合された処理回路とを含んでもよい。処理回路は、流量センサからの大気圧の測定値と基準大気圧との差を決定するように構成されてよい。いくつかの実装態様では、流量センサは絶対圧力センサである。
【0072】
カートリッジ104は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ218を囲み、加熱要素220(エアロゾル生成構成要素)を含むハウジング216(カートリッジシェルと呼ばれることもある)で形成されることができる。様々な構成において、このような構造はタンクと呼ばれる場合もあり;したがって、「カートリッジ」、「タンク」などの用語は、エアロゾル前駆体組成物用のリザーバを囲み、またいくつかの実装では、加熱要素または他のエアロゾル生成構成要素を含むシェルまたは他のハウジングを指すために互いに交換可能に使用されてよい。
【0073】
示されるように、いくつかの例では、リザーバ218は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を加熱要素220へと吸い上げる(wick)、またはそれ以外の方法で輸送するように適合された液体輸送要素222と流体連通してよい。いくつかの例では、リザーバと加熱要素との間に弁が位置決めされる場合もあり、リザーバから加熱要素に渡される、または送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されてもよい。
【0074】
電流が印加されると熱を発生するように構成された様々な例示的な材料が、加熱要素220を形成するために用いられてよい。これらの例における加熱要素は、ワイヤコイル、マイクロヒータ等などの抵抗性加熱要素であり得る。加熱要素が形成されることができる材料の例は、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、ニッケル、ステンレス鋼、インジウムスズ酸化物、タングステン、二ケイ化モリブデン(MoSi)、ケイ化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二ケイ化モリブデン(Mo(Si、Al))、チタン、プラチナ、銀、パラジウム、銀とパラジウムの合金、グラファイトおよびグラファイト系の材料(例えば、炭素系発泡体および糸)、導電性インク、ホウ素ドープシリカおよびセラミック(例えば正または負の温度係数のセラミック)を含む。加熱要素は、抵抗性加熱要素、または誘導を通して熱を発生するように構成された加熱要素であってもよい。加熱要素は、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミナ、窒化ケイ素、またはそれらの複合材料などの熱伝導性セラミックでコーティングされてもよい。本開示によるエアロゾル送達デバイスに有用な加熱要素の例示的な実装が以下でさらに説明されており、本明細書に説明されるようなデバイスに組み込まれていることができる。
【0075】
カートリッジ104から、形成されたエアロゾルの排出を可能にするために、開口部224がハウジング216に(例えばマウスエンドに)存在してよい。
【0076】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ構成要素(例えば、EEPROM、フラッシュメモリ)、センサなどを含み得る1つ以上の電子構成要素226を含んでよい。電子構成要素は、有線または無線手段によって制御構成要素208および/または外部のデバイスと通信するように適合されてよい。電子構成要素は、カートリッジまたはそのベース228内のどこにでも位置決めされてよい。
【0077】
制御構成要素208および流量センサ210は別々に示されているが、制御構成要素および流量センサを含む様々な電子構成要素は、電子構成要素を支持し、これらを電気接続する回路基板(例えばPCB)上で組み合わされる場合もあることが理解される。さらに、回路基板は、制御本体の中心軸に対して長手方向に平行であり得るという点において、図1の図に対して水平に位置決めされてよい。いくつかの例では、空気流センサは、それが取り付けられることができるそれ自体の回路基板または他のベース要素を備えてもよい。いくつかの例では、フレキシブル回路基板が利用されてよい。フレキシブル回路基板は、実質的に管状の形状を含む様々な形状に構成されてよい。いくつかの例では、フレキシブル回路基板は、ヒータ基材と組み合わされる、その上に層にされる、あるいはその一部または全部を形成する場合がある。
【0078】
制御本体102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を容易にするように適合された構成要素を含み得る。図2に示されるように、制御本体は、内部に空洞232を有する結合器230を含むことができる。カートリッジのベース228は、結合器と係合するように適合させることができ、空洞内に嵌合するように適合された突起234を含むことができる。そのような係合は、制御本体とカートリッジとの間の安定した接続を容易にし、制御本体内の電源212および制御構成要素208とカートリッジ内の加熱要素220との間の電気接続を確立することができる。さらに、ハウジング206は、空気取り入れ口236を含むことができ、これはハウジングにある切欠きであってよく、この場合、それは結合器に接続しており、結合器の周囲およびハウジング内への周辺空気の通過を可能にし、その後、空気は結合器の空洞232を通り、突起234を通ってカートリッジの中へと進む。
【0079】
本開示に従って有用な結合器およびベースは、Novak等に対する米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に説明されており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。例えば、図2に見られるような結合器230は、ベース228の内周240と嵌め合うように構成された外周238を規定してよい。一例では、ベースの内周は、結合器の外周の半径と実質的に等しい、またはそれよりわずかに大きい半径を規定し得る。さらに、結合器は、ベースの内周に規定された1つ以上の凹部244と係合するように構成された1つ以上の突出242を外周に規定してもよい。しかしながら、ベースを結合器に結合するために、構造、形状および構成要素の他の様々な例が用いられる場合がある。いくつかの例では、カートリッジ104のベースと制御本体102の結合器との間の接続は実質的に恒久的であり得るが、他の例では、例えば制御本体は、使い捨ておよび/または詰め替え可能であり得る1つ以上の追加のカートリッジによって再利用可能であるように、それらの間の接続が解放可能であり得る。
【0080】
図2に示されるリザーバ218は、目下説明されているように、容器である場合、または繊維状リザーバである場合もある。例えば、この例では、リザーバは、ハウジング216の内部を取り巻くチューブ形状に実質的に形成された不織繊維の1つ以上の層を含むことができる。エアロゾル前駆体組成物がリザーバ内に保持されることができる。例えば、液体成分は、リザーバによって吸着式(sorptively)に保持されることができる。リザーバは、液体輸送要素222と流体接続していることができる。液体輸送要素は、リザーバに貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を毛管作用を介して、またはマイクロポンプを介して、この例では金属ワイヤコイルの形態である加熱要素220に輸送することができる。したがって加熱要素は液体輸送要素と共に加熱構成にある。
【0081】
いくつかの例では、マイクロ流体チップがリザーバ218に埋め込まれる場合もあり、リザーバから送達されるエアロゾル前駆体組成物の量および/または質量は、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)技術に基づくものなどのマイクロポンプによって制御されてよい。本開示によるエアロゾル送達デバイスに有用なリザーバおよび輸送要素の例示的な実装が本明細書でさらに説明されており、そのようなリザーバおよび/または輸送要素は、本明細書に説明されるようなデバイスに組み込まれることができる。詳細には、本明細書でさらに説明されるような加熱部材と輸送要素の特定の組合せは、本明細書に説明されるようなものなどのデバイスに組み込まれてもよい。
【0082】
使用時に、ユーザがエアロゾル送達デバイス100で吸い込むと、流量センサ210によって空気流が検出され、加熱要素220がアクティブ化されてエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させる。エアロゾル送達デバイスのマウスエンドで吸い込むことは、周辺空気を空気取り入れ口236に進入させ、結合器230の空洞232およびベース228の突起234の中央開口部の中を通過させる。カートリッジ104の中で、吸い込まれた空気は形成された蒸気と結合してエアロゾルを形成する。エアロゾルは加熱要素から取り払われる、吸引される、またはそれ以外の方法で吸い出され、エアロゾル送達デバイスのマウスエンドにある開口部224から外へ出される。
【0083】
電子タバコの場合の、制御本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達デバイスの実装に関するさらなる詳細については、上記のSurに対する米国特許出願第15/836,086号明細書;およびSur等に対する米国特許出願第15/916,834号明細書;ならびに2018年3月9日に出願されたSurに対する米国特許出願第15/916,696号明細書を参照されたく、この特許も、参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
図3から図6は、非燃焼加熱式デバイスの場合の、制御本体と、エアロゾル源部材とを含むエアロゾル送達デバイスの実装を示す。より具体的には、図3は、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイス300を示す。エアロゾル送達デバイスは、制御本体302と、エアロゾル源部材304とを含んでよい。様々な実装において、エアロゾル源部材と、制御本体は、機能的関係で、恒久的にまたは取り外し可能に整列されることができる。これに関して、図3は、結合された構成のエアロゾル送達デバイスを示しており、一方、図4は、切り離された構成のエアロゾル送達デバイスを示している。
【0085】
図4に示されるように、本開示の様々な実装において、エアロゾル源部材304は、制御本体302に挿入されるように構成された加熱される端部406と、エアロゾルを作り出すためにユーザがそれで吸い込むマウスエンド408とを含んでよい。様々な実装において、加熱される端部の少なくとも一部は、エアロゾル前駆体組成物410を含み得る。
【0086】
様々な実装において、エアロゾル源部材304またはその一部は、エアロゾル源部材に追加の構造および/または支持を提供するのに有用な任意の材料で形成され得る外側オーバーラップ材料412で包まれてもよい。様々な実装において、外側オーバーラップ材料は、熱の伝達に抵抗する材料を含むことができ、それは紙またはセルロース材料などの他の繊維材料を含み得る。外側オーバーラップ材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれた、またはその中に分散された少なくとも1つのフィラー材料を含み得る。様々な実装において、フィラー材料は、水不溶性粒子の形態を有する場合がある。さらに、フィラー材料は無機成分を組み込む場合がある。様々な実装において、外側オーバーラップは、下にあるバルク層と、紙巻きタバコにおける典型的な包装紙などの上に重なる層など、多数の層で形成されてもよい。このような材料は、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、および/またはエスパルトなどの軽量の「くず繊維」を含んでよい。外側オーバーラップはまた、酢酸セルロースなど、従来の紙巻きタバコのフィルタ要素で通常使用される材料を含み得る。さらに、エアロゾル源部材のマウスエンド408におけるオーバーラップの過剰な長さは、エアロゾル前駆体組成物410を消費者の口から単に分離するように機能する場合、または以下に説明するようにフィルタ材料を位置決めするためのスペースを提供するように機能する場合、あるいは物品での吸い込みに影響を与えるため、または吸い込み中、デバイスから出て行く蒸気またはエアロゾルの流動特性に影響を与えるために機能する場合もある。本開示で使用することができるオーバーラップ材料の構成に関するさらなる議論は、Worm等に対する上記の米国特許第9,078,473号明細書に見出されることができる。
【0087】
様々な実装において、エアロゾル前駆体組成物410とエアロゾル源部材304のマウスエンド408との間に他の構成要素が存在してもよく、この場合、マウスエンドは、例えば、酢酸セルロースまたはポリプロピレン材料から作製され得るフィルタ414を含んでもよい。フィルタは、追加的または代替的に、Raker等に対する米国特許第5,025,814号明細書に説明されているようなタバコを含む材料のストランドを含んでもよく、この特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。様々な実装において、フィルタは、エアロゾル源部材のマウスエンドの構造的な完全性を増加させ、および/または必要に応じて濾過能力を提供する、および/または吸い込みに対する抵抗を提供することができる。いくつかの実装において、エアロゾル前駆体組成物とマウスエンドとの間に、以下のうちの1つまたはその任意の組合せが位置決めされてもよい:空隙;冷却空気用の相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;および他の適切な材料。
【0088】
本開示の様々な実装は、1つ以上の導電性加熱要素が用いられて、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱する。様々な実装において、加熱要素は、箔、発泡体、メッシュ、中空のボール、ハーフボール、ディスク、渦巻き、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボンまたはシリンダの形態などの様々な形態で提供され得る。そのような加熱要素は、しばしば金属材料を含み、そこを通るように電流を流すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成されている。そのような抵抗性加熱要素は、エアロゾル源部材、特にエアロゾル源部材のエアロゾル前駆体組成物と直接接触して、またはそれに近接して位置決めされてよい。加熱要素は、制御本体および/またはエアロゾル源部材の中に配置されてもよい。様々な実装において、エアロゾル前駆体組成物は、加熱アセンブリとして機能するか、または加熱アセンブリの機能を促進し得る基材部分に埋め込まれるか、そうでなければ基材部分の一部である構成要素(すなわち、熱伝導構成要素)を含み得る。様々な加熱部材および要素のいくつかの例は、Worm等に対する米国特許第9,078,473号明細書に説明されている。
【0089】
様々な加熱要素構成のいくつかの非限定的な例は、加熱要素がエアロゾル源部材304の近くに置かれる構成を含む。例えば、いくつかの例では、加熱要素の少なくとも一部は、エアロゾル源部材の少なくとも一部を取り囲んでもよい。他の例では、1つ以上の加熱要素は、制御本体302に挿入されたときにエアロゾル源部材の外側に隣接して位置決めされてもよい。他の例では、エアロゾル源部材が制御本体に挿入されるときに、加熱要素の少なくとも一部がエアロゾル源部材の少なくとも一部を貫通してもよい(例えば、1つ以上のプロングおよび/またはスパイクがエアロゾル源部材を貫通するなど)。いくつかの例では、エアロゾル前駆体組成物は、加熱要素として機能するか、または加熱要素の機能を促進することができる、エアロゾル前駆体組成物に接する構造、またはエアロゾル前駆体組成物に埋め込まれた、またはそうでなければエアロゾル前駆体組成物の一部である複数のビーズもしくは粒子を含むことができる。
【0090】
図5は、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイス300の正面図を示しており、図6は、図5のエアロゾル送達デバイスを通る断面図を示している。特に、図示の実装の制御本体302は、その係合端部に規定された開口部518を含むハウジング516、流量センサ520(例えば、吹かしセンサまたは圧力スイッチ)、制御構成要素522(例えば、処理回路など)、電源524(例えば、バッテリ、スーパーキャパシタ)、およびインディケータ526(例えば、LED)を含むエンドキャップを備えてよい。電源は再充電可能であってもよく、制御構成要素は、スイッチと、流量センサおよびスイッチに結合された処理回路とを含んでもよい。処理回路は、流量センサからの大気圧の測定値と基準大気圧との差を決定するように構成されてよい。
【0091】
一実装では、インディケータ526は、1つ以上のLED、量子ドットベースのLEDなどを含むことができる。インディケータは、制御構成要素522と通信しており、例えば、制御本体302に結合されたとき、ユーザがエアロゾル源部材304で吸い込むとき、流量センサ520によって検出されると、照明されてよい。
【0092】
図示の実装の制御本体302は、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱するように構成された1つ以上の加熱アセンブリ528(個別にまたは集合的に加熱アセンブリと呼ばれる)を含む。本開示の様々な実装の加熱アセンブリは様々な形態を採ることができるが、図5および図6に示される特定の実装では、加熱アセンブリは、外筒530と、加熱要素532(エアロゾル生成構成要素)とを含み、加熱要素534は、この実装では受け入れベース534から延在する複数のヒータプロング(様々な構成において加熱アセンブリ、またはより具体的にはヒータプロングは、ヒータと呼ばれる場合がある)を備える。図示の実装において、外筒は、ヒータプロングによって発生された熱を外筒の中で維持するように、より具体的には、ヒータプロングによって発生された熱をエアロゾル前駆体組成物の中で維持するようにステンレス鋼で構築された二重壁の真空管を備える。様々な実装において、ヒータプロングは、限定されないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真ちゅう、青銅、グラファイト、またはそれらの任意の組合せを含む、1つ以上の導電性材料から構築され得る。
【0093】
図示されるように、加熱アセンブリ528は、ハウジング516の係合端の近くに延在してよく、エアロゾル前駆体組成物410を含むエアロゾル源部材304の加熱される端部406の一部を実質的に取り囲むように構成されてよい。そのようなやり方では、加熱アセンブリは、概ね管状の構成を規定してよい。図5および図6に示されるように、加熱要素532(例えば、複数のヒータプロング)は、受け入れチャンバ536を作り出すように外筒530によって取り囲まれる。そのようなやり方では、様々な実装において、外筒は、限定されないが、絶縁ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重壁の真空構造、またはそれらの任意の組合せを含む非導電性絶縁材料および/または非導電性絶縁構造を含み得る。
【0094】
いくつかの実装において、加熱アセンブリ528の1つ以上の部分または構成要素は、エアロゾル前駆体組成物410と組み合わされる、パッケージ化される、および/または一体化されて(例えば、その中に埋め込まれて)もよい。例えば、いくつかの実装において、エアロゾル前駆体組成物は、上述したような材料から形成されてよく、混合された1つ以上の導電性材料を中に含む場合もある。これらの実装のいくつかでは、エアロゾル源部材が制御本体の受け入れチャンバに挿入されるとき、接点が電気エネルギー源との電気接続を形成するように、接点がエアロゾル前駆体組成物に直接接続されてよい。あるいは、接点は、電気エネルギー源と一体であってもよく、エアロゾル源部材が制御本体の受け入れチャンバに挿入されるとき、接点がエアロゾル前駆体組成物との電気接続を形成するように受け入れチャンバ内に延在する場合もある。エアロゾル前駆体組成物中に導電性材料が存在するため、電気エネルギー源からエアロゾル前駆体組成物に電力を印加することは電流が流れることを可能にし、よって導電性材料から熱を生成する。したがって、いくつかの実装において、加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物と一体であると説明されてもよい。非限定的な例として、グラファイトまたは他の適切な導電性材料が、エアロゾル前駆体組成物を形成する材料と混合される、その中に埋め込まれる、あるいはそうでなければエアロゾル前駆体組成物を形成している材料の上に直接存在する、またはその中に存在することで、媒体と一体の加熱要素を作製する場合もある。
【0095】
上記で指摘したように、例示される実装において、外筒530はまた、エアロゾル源部材がハウジング516に挿入されるとき、エアロゾル源部材304の適切な位置決めを容易にするように機能する場合もある。様々な実装において、加熱アセンブリ528の外筒は、ハウジングの内面と係合して、ハウジングに対する加熱アセンブリの位置合わせを行う場合もある。それにより、加熱アセンブリ間の固定された結合の結果として、加熱アセンブリの長手方向軸は、ハウジングの長手方向軸に実質的に平行に延在してよい。特に、受け入れチャンバ536を作り出すために、支持シリンダが、ハウジングの開口部518から受け入れベース534まで延在してもよい。
【0096】
エアロゾル源部材304の加熱される端部406は、制御本体302への挿入のためにサイズが決められ、成形されている。様々な実装において、制御本体の受け入れチャンバ536は、内面および外面を有する壁によって規定されるものとして特徴付けられてもよく、内面は、受け入れチャンバの内部容積を規定している。例えば、図示の実装では、外筒530は、受け入れチャンバの内部容積を規定する内面を規定する。図示の実装では、外筒がエアロゾル源部材を制御本体に対して適切な位置(例えば、横方向の位置)に案内するように構成されるように、外筒の内径は、(例えば、滑り嵌めを作り出すために)対応するエアロゾル源部材の外径よりもわずかに大きいか、またはほぼ等しくてよい。したがって、エアロゾル源部材の最大外径(またはこの実装の特有の断面形状に応じた他の寸法)は、制御本体の受け入れチャンバの開放端の壁の内面での内径(または他の寸法)より小さくなるようなサイズにされてよい。いくつかの実装において、エアロゾル源部材が受け入れチャンバにぴったりと嵌まり、摩擦力が、印加される力なしでエアロゾル源部材が動くのを防止するように、それぞれの直径の差は十分に小さくてよい。一方で、そのような差は、エアロゾル源部材が、過度の力を必要とせずに受け入れチャンバにスライドして出入りすることを可能にするのに十分なものであってよい。
【0097】
例示される実装では、制御本体302は、エアロゾル源部材304が制御本体に挿入されると、加熱要素532(例えば、ヒータプロング)が、エアロゾル源部材の加熱される端部406のエアロゾル前駆体組成物410の少なくとも一部のおおよその半径方向の中心に配置されるように構成されている。そのようなやり方では、固体または半固体のエアロゾル前駆体組成物と組み合わせて使用されるとき、ヒータプロングは、エアロゾル前駆体組成物と直接接触し得る。他の実装では、管構造を規定する押し出し成形のエアロゾル前駆体組成物と組み合わせて使用されるときなど、ヒータプロングは、押し出し成形管構造の内面によって規定される空洞の内側に配置されてよく、押し出し成形管構造の内面には接触することはない。
【0098】
使用中、消費者は、加熱アセンブリ528、特にエアロゾル前駆体組成物410(またはその特定の層)に隣接する加熱要素532の加熱を始める。吸入可能物質を生み出すために、エアロゾル前駆体組成物を加熱することは、エアロゾル源部材304内に吸入可能物質を放出する。消費者がエアロゾル源部材のマウスエンド408で吸入すると、空気が、制御本体302の開口部またはアパーチャなどの空気取り入れ口538を通してエアロゾル源部材の中に吸い込まれる。吸い込まれた物質がエアロゾル源部材のマウスエンドを出るときに、引き込まれた空気と放出された吸入可能な物質とを組み合わせたものが消費者によって吸入される。いくつかの実装において、加熱を始めるために、消費者は、加熱アセンブリの加熱要素がバッテリまたは他のエネルギー源から電気エネルギーを受け取るようにさせる押しボタンまたは同様の構成要素を手動で作動させることができる。電気エネルギーは、所定の時間の間供給されてよい、または手動で制御されてもよい。
【0099】
いくつかの実装において、電気エネルギーの流れは、デバイス300での吹かしの合間には実質的に進行しない(ただし、エネルギーの流れは、周囲温度よりも高いベースライン温度-例えばアクティブな加熱温度への急速加熱を促進する温度を維持するために進行する場合がある)。しかしながら、図示の実装では、加熱は、流量センサ520などの1つ以上のセンサの使用を通して消費者の吹かしをする行為によって始められる。吹かしが中止されると、加熱が停止する、または低減される。消費者が十分な量(例えば、典型的な喫煙体験と同等となるのに十分な量)の吸入可能物質を放出させるために十分な回数の吹かしを行ったとき、エアロゾル源部材304は、制御本体302から取り外され、廃棄されてよい。いくつかの実装において、容量性感知要素および他のセンサなどのさらなる感知要素が、Phillips等に対する米国特許出願第15/707,461号明細書に論じられるように使用されてもよく、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0100】
様々な実装において、エアロゾル源部材304は、管状形状などの妥当なコンフォメーションを形成および維持するのに適しており、エアロゾル前駆体組成物410をその中に保持するのに適した任意の材料で形成されてよい。いくつかの実装において、エアロゾル源部材は、単一の壁、または他の実装では、多数の壁で形成されてもよく、例えば、本明細書でさらに論じられるように、少なくとも電気加熱要素によって提供される加熱温度である温度では、その構造的完全性を保持する―例えば劣化しない―ように、耐熱性である(天然または合成の)材料で形成されてよい。いくつかの実装において、耐熱性ポリマーが使用され得るが、他の実装では、エアロゾル源部材は、実質的にストロー形状の紙などの紙から形成される場合もある。本明細書でさらに論じられるように、エアロゾル源部材は、その中を通る蒸気の動きを実質的に防止するように機能する、それに関連する1つ以上の層を有し得る。1つの例示的な実装において、アルミニウム箔層が、エアロゾル源部材の1つの表面に積層されてもよい。セラミック材料が使用されてもよい。さらなる実装では、エアロゾル前駆体組成物から不必要に熱を遠ざけないようにするために絶縁材料が使用される場合もある。上記の機能を提供するために使用され得る、または上記の材料および構成要素の代替として使用され得る構成要素および材料のさらなる例示のタイプは、Crooks等に対する米国特許出願公開第2010/00186757号明細書、Crooks等に対する同第2010/00186757号明細書、およびSebastian等に対する同第2011/0041861号に記載されるタイプのものであってよく、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0101】
図示の実装では、制御本体302は、電気加熱要素532に電力を提供することを含む、エアロゾル送達デバイス300の様々な機能を制御する制御構成要素522を含む。例えば、制御構成要素は、導電性ワイヤ(図示せず)によって電源524に接続される処理回路(これは、本明細書でさらに説明されるように、さらなる構成要素に接続されてもよい)を含み得る。様々な実装において、処理回路は、加熱アセンブリ528、特にヒータプロングが、消費者による吸入のための、吸入可能な物質の放出のためにエアロゾル前駆体組成物410を加熱するために、電気エネルギーをいつどのように受け取るかを制御し得る。いくつかの実装において、そのような制御は、上記でより詳細に説明されているように流量センサ520によってアクティブ化されてもよい。
【0102】
図5および図6に見られるように、図示の実装の加熱アセンブリ528は、外筒530と、受け入れベース534から延在する加熱要素532(例えば、複数のヒータプロング)とを備える。エアロゾル前駆体組成物410が管構造を含むものなどのいくつかの実装において、ヒータプロングは、エアロゾル前駆体組成物の内面によって規定される空洞内に延在するように構成されてよい。エアロゾル前駆体組成物が固体または半固体を含む図示の実装などの他の実装では、エアロゾル源部材が制御本体302に挿入されるとき、複数のヒータプロングは、エアロゾル源部材304の加熱される端部406に含まれるエアロゾル前駆体組成物に貫通するように構成されている。そのような実装において、ヒータプロングおよび/または受け入れベースを含む、加熱アセンブリの1つ以上の構成要素は、非粘着性または耐粘着性材料、例えば、特定のアルミニウム、銅、ステンレス鋼、炭素鋼、およびセラミック材料で構築されてよい。他の実装では、ヒータプロングおよび/または受け入れベースを含む、加熱アセンブリの構成要素のうちの1つ以上は、例えば、テフロン(R)などのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティングを含む非粘着性コーティング、または耐粘着性のエナメルコーティング、またはGreblon(R)またはThermolon(TM)などのセラミックコーティング、あるいはGreblon(R)またはThermolon(TM)などのセラミックコーティングなどの他のコーティングを含んでもよい。
【0103】
加えて、図示の実装では、受け入れベース534の周りに実質的に等しく分散された多数のヒータプロング532が存在するが、他の実装では、任意の他の好適な空間構成で、わずか1つを含む、任意の数のヒータプロングが使用される場合もあることに留意されたい。さらに、様々な実装において、ヒータプロングの長さは変化し得る。例えば、いくつかの実装において、ヒータプロングは小さな突起を備えてよいが、他の実装では、ヒータプロングは、最大約25%、最大約50%、最大約75%、および受け入れチャンバのほぼ全長までを含め、受け入れチャンバ536の長さの任意の部分に延在する場合もある。さらに他の実装では、加熱アセンブリ528は他の構成を採る場合もある。上記に提供された議論に従って本開示での使用に適合させることができる他のヒータ構成の例は、Counts等に対する米国特許第5,060,671号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,093,894号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.等に対する米国特許第5,228,460号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,322,075号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,353,813号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,468,936号明細書、Dasに対する米国特許第5,498,850号明細書、Dasに対する米国特許第5,659,656号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolに対する米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolに対する米国特許第5,665,262号明細書、およびDas等に対する米国特許第5,573,692号明細書;およびFleischhauer等に対する米国特許第5,591,368号明細書に見出すことができ、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0104】
様々な実装において、制御本体302は、周囲空気が受け入れチャンバ536の内部に入るのを可能にするために、その中に空気取り入れ口538(例えば、1つ以上の開口部またはアパーチャ)を含み得る。そのようなやり方では、いくつかの実装において、受け入れベース534も空気取り入れ口を含む場合がある。したがって、いくつかの実装において、消費者がエアロゾル源部材304のマウスエンドで吸い込むとき、制御本体および受け入れベースの空気取り入れ口を通して空気が受け入れチャンバ内に吸い込まれ、エアロゾル源部材の中へと進み、消費者による吸入のためにエアロゾル源部材のエアロゾル前駆体組成物410の中を通るように吸い込まれることができる。いくつかの実装において、吸い込まれた空気は、吸入可能な物質をオプションのフィルタ414を通るように運び、エアロゾル源部材のマウスエンド408の開口部から外に出す。加熱要素532がエアロゾル前駆体組成物の内部に位置決めされた状態で、ヒータプロングがアクティブ化されてエアロゾル前駆体組成物を加熱し、エアロゾル源部材を通して吸入可能な物質の放出を引き起こすことができる。
【0105】
特に図5および図6を参照して上述したように、本開示の様々な実装は、導電性ヒータを用いてエアロゾル前駆体組成物410を加熱する。また上記で示したように、他の様々な実装は、エアロゾル前駆体組成物を加熱するために誘導ヒータを用いる。これらの実装のいくつかでは、加熱アセンブリ528は、誘導送信機および誘導受信機を伴う変圧器を備える誘導ヒータとして構成され得る。加熱アセンブリが誘導加熱器として構成されている実装では、外筒530は誘導送信機として構成されてよく、受け入れベース534から延在する加熱要素532(例えば、複数のヒータプロング)は、誘導受信機として構成されてよい。様々な実装において、誘導送信機および誘導受信機の一方または両方は、制御本体302および/またはエアロゾル源部材304の中に配置されてよい。
【0106】
様々な実装において、誘導送信機および誘導受信機としての外筒530および加熱要素532は、1つ以上の導電性材料から構築されてもよく、またさらなる実装では、誘導受信機は、限定されないが、コバルト、鉄、ニッケル、およびそれらの組合せを含む、強磁性材料から構築されてもよい。1つの例示的な実装では、箔材料は導電性材料で構築され、ヒータプロングは強磁性材料で構築されている。様々な実装において、受け入れベースは、非導電性および/または絶縁性材料で構築されてもよい。
【0107】
誘導送信機としての外筒530は、支持シリンダを取り囲む箔材料を備えたラミネートを含み得る。いくつかの実装において、箔材料は、例えば、いくつかの実装において、箔材料が誘導受信機としての加熱要素532の周りに位置決めされたとき螺旋形のコイルパターンを形成し得る1つ以上の電気トレースなど、その上に印刷された電気トレースを含んでもよい。箔材料および支持シリンダは、それぞれ管状構成を規定し得る。支持シリンダは、箔材料がヒータプロングと接触するように移動し、それによってヒータプロングと短絡しないように、箔材料を支持するように構成されてよい。そのようなやり方では、支持シリンダは、非導電性材料を含む場合があり、この非導電性材料は、箔材料によって生成される発振磁場に対して実質的に透明であってよい。様々な実装において、箔材料は、支持シリンダに埋め込まれるか、さもなければ支持シリンダに結合されてもよい。図示される実装では、箔材料は、支持シリンダの外面と係合されているが;しかしながら、他の実装では、箔材料は、支持シリンダの内面に位置決めされるか、または支持シリンダに完全に埋め込まれてもよい。
【0108】
外筒530の箔材料は、交流電流がそれを通して導かれたときに発振磁場(例えば、時間と共に周期的に変化する磁場)を作り出すように構成されてよい。加熱要素532のヒータプロングは、少なくとも部分的に外筒内に配置される、またはその中に受け入れられ、また導電性材料を含み得る。箔材料を通して交流電流を導くことにより、誘導を介して渦電流がヒータプロング内に発生され得る。ヒータプロングを規定する材料の抵抗を流れる渦電流が、ジュール加熱によって(つまり、ジュール効果を通して)ヒータプロングを加熱してよい。ヒータプロングは、無線で加熱されることで、ヒータプロングの近くに位置決めされたエアロゾル前駆体組成物410からエアロゾルを形成することができる。
【0109】
エアロゾル送達デバイス、制御本体、およびエアロゾル源部材の他の実装は、上記のSur等に対する米国特許出願第15/916,834号明細書;Surに対する米国特許出願第15/916,696号明細書;およびSurに対する米国特許出願第15/836,086号明細書に説明されている。
【0110】
図7および図8は、非加熱非燃焼デバイスの場合の、制御本体と、カートリッジとを含むエアロゾル送達デバイスの実装を図示する。これに関して、図7は、本開示の様々な例示的な実装による、制御本体702と、カートリッジ704とを含むエアロゾル送達デバイス700の側面図を示す。詳細には、図7は、互いに連結された制御本体とカートリッジを示している。制御本体とカートリッジは、機能的な関係で取り外し可能に整列されてよい。
【0111】
図8は、いくつかの例示的な実装によって、エアロゾル送達デバイス700をより詳細に示す。そこに示されている切欠き図に見られるように、ここでもやはりエアロゾル送達デバイスは、各々がいくつかのそれぞれの構成要素を含む制御本体702と、カートリッジ704とを備えることができる。図8に示される構成要素は、制御本体およびカートリッジ内に存在し得る構成要素の代表的なものであり、本開示によって包含される構成要素の範囲を限定することは意図されていない。示されるように、例えば、制御本体は、制御構成要素808(例えば、処理回路など)、入力デバイス810、電源812、およびインディケータ814(例えば、LED、量子ドットベースのLED)を含むことができる制御本体ハウジングまたはシェル806から形成することができ、そのような構成要素は、可変的に整列されることができる。ここで、適切な制御構成要素の特定の例は、Microchip Technology、Inc.、AN2265、Vibrating Mesh Nebulizer Reference Design(2016)に記載されているMicrochip Technology Inc.のPIC16(L)F1713/6マイクロコントローラを含み、これは参照により組み込まれる。
【0112】
カートリッジ704は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ818を囲み、圧電/圧磁メッシュ(エアロゾル生成構成要素)を有するノズル820を含む―ときにはカートリッジシェル816と呼ばれる-ハウジングから形成されることができる。上記と同様に、様々な構成において、この構造はタンクと呼ばれることがある。
【0113】
図8に示されるリザーバ818は、目下説明されているように、容器である場合、または繊維状リザーバである場合もある。リザーバは、リザーバハウジングに保存されたエアロゾル前駆体組成物のノズルへの輸送のために、ノズル820と流体連通してもよい。カートリッジ704から、形成されたエアロゾルの排出を可能にするために、開口部822がカートリッジシェル816に(例えば吸い口に)存在してよい。
【0114】
いくつかの例では、輸送要素が、リザーバ818とノズル820との間に位置決めされ、リザーバからノズルに渡される、または送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されてよい。いくつかの例では、マイクロ流体チップがカートリッジ704に埋め込まれてもよく、リザーバから送達されるエアロゾル前駆体組成物の量および/または質量が1つ以上のマイクロ流体構成要素によって制御されてよい。マイクロ流体構成要素の一例は、微小電気機械システム(MEMS)技術に基づくものなどのマイクロポンプ824である。適切なマイクロポンプの例は、thinXXS Microtechnology AGのモデルMDP2205マイクロポンプおよびその他、Bartels Mikrotechnik GmbHのmp5およびmp6モデルマイクロポンプおよびその他、ならびにTakasago Fluidic Systemsの圧電マイクロポンプを含む。
【0115】
また示されるように、いくつかの例では、ノズルに送達されるエアロゾル前駆体組成物を濾過するために、マイクロポンプ824とノズル820との間にマイクロフィルタ826が位置決めされていてもよい。マイクロポンプと同様に、マイクロフィルタはマイクロ流体構成要素である。適切なマイクロフィルタの例は、ラボオンチップ(LOC)技術を使用して製造されたフロースルーマイクロフィルタを含む。
【0116】
使用中、入力デバイス810がエアロゾル送達デバイスをアクティブ化するためのユーザ入力を検出すると、圧電/圧磁メッシュが振動するようにアクティブ化され、それによりメッシュを通るようにエアロゾル前駆体組成物を吸い込む。このことは、空気と結合してエアロゾルを形成するエアロゾル前駆体組成物の液滴を形成する。エアロゾルはメッシュから取り払われる、吸引される、またはそれ以外の方法で吸い出され、エアロゾル送達デバイスの吸い口にある開口部822から外へ出される。
【0117】
エアロゾル送達デバイス700は、エアロゾルの発生が望まれるとき(例えば、使用中の吸い込み時)にノズル820の圧電/圧磁メッシュへの電力供給の制御のためのスイッチ、センサまたは検出器などの入力デバイス810を組み込むことができる。したがって、例えば、使用中にエアロゾル送達デバイスが吸い込まれていないときはメッシュへの電力をオフにし、吸い込み中はノズルからのエアロゾルの生成および分配をアクティブ化する、またはトリガするために、電力をオンにするやり方または方法が提供される。追加の代表的なタイプの感知または検出機構、それらの構造および構成、それらの構成要素、ならびにそれらの一般的な動作方法は、上記に記載され、Sprinkel、Jrに対する米国特許第5,261,424号明細書、McCafferty等に対する米国特許第5,372,148号明細書、およびFlickに対する国際公開第2010/003480号に記載されており、これらの特許の全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
非加熱非燃焼デバイスの場合の、エアロゾル送達デバイスの上記のおよび他の実装に関するより多くの情報については、2017年7月17日に出願されたSurに対する米国特許出願シリアル番号15/651,548号明細書を参照されたく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0119】
上述したように、例示的な実装のエアロゾル送達デバイスは、電子タバコ、非燃焼加熱式デバイスまたは非加熱非燃焼デバイスのコンテキストにおいて、あるいはさらに電子タバコ、非燃焼加熱式デバイスまたは非加熱非燃焼デバイスのうちの1つ以上の機能を含むデバイスの場合でも、様々な電子構成要素を含んでよい。図9は、本開示の様々な例示的な実装による、エアロゾル送達デバイス100、300、700のうちの任意の1つ以上であり得る、またはそれらの機能を組み込む場合もあるエアロゾル送達デバイス900の回路図を図示する。
【0120】
図9に示されるように、エアロゾル送達デバイス900は、電源904を有する制御本体902と、制御本体102、302、702、電源212、524、812、および制御構成要素208、522、808のそれぞれの機能に対応する、またはそれらの機能を含み得る制御構成要素906とを含む。エアロゾル送達デバイスはまた、加熱要素220、532またはノズル820の圧電/圧磁メッシュの機能に対応する、またはその機能を含み得るエアロゾル生成構成要素914を含む。制御本体902は、エアロゾル生成構成要素914、またはエアロゾル生成構成要素を制御本体に接続するように構成された端子916を含んでもよい。
【0121】
いくつかの実装では、制御本体902は、ハウジング918を通る空気流路内の大気圧の測定値を生成するように構成されたセンサ908を含む。センサ908は、流量センサ210、520または入力デバイス810の機能に対応する、またはその機能を含むことができ、ハウジング918は、ハウジング206、516、806の機能に対応する、またはその機能を含むことができる。これらの実装では、制御構成要素906は、電源904とエアロゾル生成構成要素914とに結合され、電源とエアロゾル生成構成要素との間にあるスイッチ910を含む。制御構成要素はまた、センサおよびスイッチに結合された処理回路912を含む。いくつかのさらなる例では、制御本体は、ハウジングを通る空気流路内の大気圧の測定値を生成するように構成された第2のセンサを含むことができ、第2のセンサは、大気圧についての追加の基準として作用する。
【0122】
他の実装では、センサ908は、別のタイプの圧力センサであってもよい。一つの実装では、センサは、動く膜、プリント回路板(PCB)、および特定用途向け集積回路(ASIC)を含む圧力センサであってもよい。ASICは、空気流が存在するかどうかを示すアナログ出力信号を含む場合がある。圧力センサはまた、空気流の量を検出してもよい。例えば、センサは、空気流の量を決定するために処理回路912に接続可能な、またはその中にある静電容量センサを含んでよい。空気流は、膜を動かすことができ、静電容量センサは、静電容量の変化を検出し、信号から静電容量を測定する処理回路に信号を提供してよい。測定された静電容量は、センサから出力された信号が空気流の量に対応することができるように、空気流に比例し得る。
【0123】
別の実装では、センサ908は、熱電対列を使用する空気流センサであってもよい。一例では、このタイプのセンサは、2つの熱電対列と、エアロゾル生成構成要素914とを含んでもよい。検出された空気流は、温度差を引き起こす可能性がある。処理回路912は、エアロゾル生成構成要素を駆動することができ、熱電対列からアナログ温度差を読み取り、検出された空気流に対応するインディケーション(例えば、デジタル数字)を出力することができる。第2の例では、センサは、熱伝達原理を使用して空気流を測定するために熱電対列を使用してよい。この第2の例では、センサは、抵抗器の代わりに温度検知のために熱電対を使用する熱流センサダイを含んでよい。別の例では、熱電対列を使用するセンサは、熱量測定原理を使用して空気流を測定してよい。この例では、センサは、サーミスタの代わりに温度センサとして熱電対列を使用し得る。固体断熱層は、熱電対列を保護するために様々なセラミックフィルムでコーティングされてもよい。さらなる例では、センサは、エアロゾル生成構成要素の上流および下流に対称的に位置決めされた熱電対の2つのクラスタ(例えば、20個の熱電対)を含んでもよい。このさらなる例では、上流熱電対は空気流によって冷却されてよく、下流熱電対は流れ方向におけるエアロゾル生成構成要素からの熱伝達によって加熱されてよい。したがって、センサの出力信号は、上流および下流熱電対の差分の電圧であり得る。熱電対列を使用する空気流センサの一例は、Tuに対する米国特許第9,635,886号明細書に説明されており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0124】
上記の段落で説明した熱流センサダイは、いくつかの例では、処理回路912と一体化される場合がある。熱流センサダイは、ユーザの吹かしに比例するアナログ電圧を出力することができる。処理回路内の演算増幅器およびアナログ-デジタル変換器(ADC)は、アナログ形式を、検出された空気流またはユーザの吹かしを表すデジタル数字などのデジタル形式に変換することができる。熱流センサダイを処理回路と一体化するために、一例では、センサ908は、マイクロホンベースの圧力センサであってもよい。マイクロホンベースの圧力センサの信号線は、処理回路に接続されている。処理回路内のADCは、マイクロホンベースの圧力センサからのアナログ信号をデジタル信号(例えば、検出された空気流またはユーザの吹かしを表すデジタル数字として)に変換することができる。
【0125】
別の実装では、センサ908は、防水圧力センサであってもよい。一例では、センサは、上述の例と同様のマイクロホンベースの圧力センサであってもよい。センサの防水レベルは、センサが最大30分間まで1メートルまでの水への浸漬に耐えることができるように、IPX7であってよい。
【0126】
別の実装では、センサ908は、処理回路912に接続可能なMEMSベースの圧力センサであってもよい。一例では、センサは、現在の周囲圧力をゼロ基準としてロードすることによってオートゼロを設定するためにオートゼロ機能を使用することができる。この例では、オートゼロ機能を使用して大気圧がフィルタリングされてよい。別の例では、センサの出力は、圧力閾値に達した後に中断されてもよい。MEMSベースの圧力センサの一例は、Lamb等に対する米国特許出願公開第2016/0128389号明細書に説明されており、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。他の適切な圧力センサの例は、Sur等に対する米国特許出願公開第2018/0140009号明細書に説明されており、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0127】
いくつかの実装では、処理回路912は、センサ908からの大気圧の測定値と基準大気圧との差を決定するように構成される。これらの実装では、差が少なくとも閾値差であるときのみ、処理回路は、エアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するために、スイッチ910に、電源904からエアロゾル生成構成要素914への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるために信号(矢印920によって示される)を出力するように構成される。いくつかの実装では、スイッチは、差と電力目標との間の所定の関係に従って可変である電力目標(例えば、電力設定点)に合わせて、エアロゾル生成構成要素に提供される電力を調整するために、出力電圧を切り替え可能に接続および切断するようにされる。これらの実装では、所定の関係は、ステップ関数、線形関数、非線形関数、またはそれらの組合せによって記述される。
【0128】
いくつかの実装では、処理回路912は、パルス幅変調(PWM)信号を出力するように構成される。PWM信号のデューティサイクルは調整可能であり、それによってエアロゾル生成構成要素に提供される電力を調整する。
【0129】
いくつかの実装では、閾値差は、ユーザがエアロゾル送達デバイス900を使用する吹かし行為によって引き起こされる、基準大気圧からの最小偏差を反映するように設定される。これらの実装では、処理回路912は、吹かし行為と同一の広がりを有するエアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素914に電力を供給するための信号を出力するように構成される。
【0130】
エアロゾル生成期間外であるとき、いくつかの実装では、処理回路912から出力される信号は存在せず、電源904からエアロゾル生成構成要素914への出力電圧は切断される。これらの実装では、センサ908は、センサが曝される周囲大気圧の測定値を生成するように構成される。処理回路は、周囲大気圧の測定値に基づいて基準大気圧を設定するように構成される。
【0131】
エアロゾル生成期間外のとき、基準大気圧を設定するために、いくつかの実装では、センサ908は、センサが曝される周囲大気圧の測定値を周期的に生成してよい。いくつかのそのような実装の処理回路912は、周囲大気圧の測定値に基づいて基準大気圧を周期的に設定することができる。別の例では、処理回路は、センサによって生成された周囲大気圧の測定値を周期的に読み取るために、センサに周期的に信号を送るように構成されることができる。
【0132】
いくつかの実装では、処理回路912は、あるイベントによってトリガされたときに基準大気圧を設定するように構成されることができる。例えば、イベントは、カートリッジを制御本体902に挿入することであってもよい。別の例では、イベントはエアロゾル送達デバイス900の動きであってもよく、そのような動きは、加速度計、ジャイロスコープ、および/またはエアロゾル送達デバイスの運動を感知および/または定量化することができる他のセンサによって検出されてもよい。エアロゾル送達デバイスの動きは、エアロゾル送達デバイスの今後の使用を示す可能性がある。これらの実装では、イベントが検出されると、処理回路は基準大気圧を設定することができる。イベントが検出されないとき、センサ908は、電力を節約するために休止電流モードであってよい。さらなる例では、カートリッジが制御本体に挿入されていない場合、処理回路は、スイッチ910に出力電圧を切り替え可能に接続および切断させてエアロゾル生成構成要素914に電力を供給させるための信号を出力しなくてもよい。
【0133】
いくつかの実装では、処理回路912は、検出された基準大気圧に基づいて、および/または一連の2つ以上の決定された基準大気圧の変化に基づいてエアロゾル送達デバイス900の状況コンテキストを検出し、検出された状況コンテキストに対応する制御モードプロトコルをアクティブ化するように構成されてもよい。いくつかのそのような実装の処理回路は、エアロゾル送達デバイスが飛行機上にあると決定し、航空機モード制御プロトコルをアクティブ化するように構成されてもよい。
【0134】
一例として、いくつかの実装では、検出された基準大気圧は、エアロゾル送達デバイスが特定の飛行高度(例えば、高度28,000フィート以上)にあることを示す閾値大気圧と比較されてもよい。検出された基準大気圧が飛行高度を示す閾値を下回る場合、処理回路は、エアロゾル送達デバイスが航空機上にあると決定し、航空機モード制御プロトコルをアクティブ化することができる。別の例として、いくつかの実装の処理回路は、一連の時間にわたって取られた一連の2つ以上の決定された基準大気圧を比較し、一連の基準大気圧間の変化の大きさ、または一連の基準大気圧の変化率のうちの1つ以上に基づいて(例えば、航空機の離陸中にエアロゾル送達デバイスの高度が増加するときに観測される基準大気圧の降下に基づいて)、エアロゾル送達デバイスが航空機上にあると決定し、航空機モード制御プロトコルをアクティブ化する場合もある。
【0135】
航空機モード制御プロトコルは、例えば、エアロゾル送達デバイスが飛行中の航空機上にある間のエアロゾル生成構成要素914のアクティブ化を防止するために、以下の動作のうちの1つ以上を行う処理回路を含んでよい:(1)検出された空気圧と基準大気圧との間の検出された差がエアロゾル送達デバイスでの吹かしを示す閾値を上回る場合であっても、スイッチ910に出力電圧を切り替え可能に接続および切断させてエアロゾル生成構成要素に電力を供給するための信号を出力しない;(2)センサ908を、吹かしを検出する目的で空気圧を測定しないスリープモードにする。
【0136】
処理回路は、例えば、エアロゾル送達デバイスがある飛行高度にあることを示す閾値を下回るその後の測定された基準大気圧に応答して、および/または一連の基準大気圧間の変化の大きさ、もしくは(例えば、基準大気圧の観測された大きさまたは増加率に基づいて)航空機が着陸したことを示す圧力増加をシグナリングする一連の基準大気圧の変化率に基づいて、航空機モード制御プロトコルを無効にするように構成されてよい。様々な実装において、測定された基準大気圧および/または観測された基準大気圧の変化に基づいて、追加のまたは代替のコンテキストが検出されることができ、他の対応するコンテキスト固有の制御プロトコルがアクティブ化されることができることが理解されよう。例えば、いくつかの実装では、処理回路は、潜水艦が水中に沈んだ後の基準大気圧の変化に基づいて、エアロゾル送達デバイスが潜水艦などの水中に沈んだ環境にあることを検出するように構成されてもよい。
【0137】
エアロゾル生成構成要素914は、エアロゾル生成期間中にエアロゾル生成構成要素に提供される電力を介することを含む、いくつかの異なるやり方で制御されてよい。いくつかの実装では、エアロゾル生成期間中に周期的なレートで、処理回路912は、エアロゾル生成構成要素に提供される瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウを決定するように構成される。測定値のサンプルウィンドウの各測定値は、エアロゾル生成構成要素における電圧と、エアロゾル生成構成要素を通る電流との積として決定されてよい。そのような実装の処理回路は、瞬時の実際の電力の測定値のサンプルウィンドウに基づいて、エアロゾル生成構成要素に提供される移動平均電力を計算するようにさらに構成されてもよい。そのような実装では、処理回路は、移動平均電力を電力目標と比較し、移動平均電力が電力目標をそれぞれ上回る、または下回る各時点にスイッチに出力電圧をそれぞれ切断および接続させるために信号を出力するようにさらに構成されてよい。
【0138】
一例では、処理回路912は、エアロゾル生成構成要素914を通る実際の電圧(V)および電流(I)を決定することができる。処理回路は、処理回路のアナログデジタル変換器(ADC)入力から、決定された電圧値および電流値を読み取り、エアロゾル生成構成要素に導かれた瞬時の「実際の」電力(I*V)を決定することができる。場合によっては、そのような「瞬時」電力測定値が、値のサンプルウィンドウまたは移動ウィンドウ(すなわち、他の瞬時電力測定値)に追加されることができ、次いで、サンプルウィンドウの移動平均電力が、例えば、式Pavg=Psample+Pavg -1/WindowSizeに従って計算されることができる。いくつかの態様では、例えば、ウィンドウサイズは、約20と約256サンプルとの間であってもよい。
【0139】
いくつかの例では、次いで、処理回路912は、計算された移動平均電力を電力目標と比較することができる。電力目標は、電源904(例えば、処理回路912によって調節された電源、またはそれに関連し、電源とエアロゾル生成構成要素914との間で電気的に通信して設置された他の調節構成要素からの電力レベルまたは電流出力)に関連する選択された電力目標とすることができる。
【0140】
いくつかの例では、(1)Pave(エアロゾル生成構成要素914で決定された実際の電力)が選択された電力目標(平均電力)を下回っている場合、スイッチ910は、電源904からエアロゾル生成構成要素への電流の流れを可能にするようにオンにされる;(2)Paveが選択された電力目標を上回っている場合、スイッチは、電源からエアロゾル生成構成要素への電流の流れを防止するようにオフにされる;および(3)ステップ1および2は、エアロゾル生成期間の満了または停止まで繰り返される。より具体的には、エアロゾル生成期間中、エアロゾル生成構成要素に導かれ、そこで送達されるより安定した正確な平均電力を確実にするために、エアロゾル生成構成要素における実際の電力の決定および計算、実際の電力と予め選択された電力目標との比較、および予め選択された電力目標を調整するためのスイッチに対するオン/オフの判定は、処理回路912によって、例えば1秒あたり約20と50回の間の周期的なレートで実質的に連続的に行われてよい。エアロゾル生成構成要素で決定された実際の電力(Pave)に基づいてスイッチを制御する様々な例は、Ampolini等に対する米国特許第9,423,152号明細書に説明され、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0141】
図10は、本開示の例示的な実装による、電源904、センサ908、スイッチ910、処理回路1000およびエアロゾル生成構成要素1006を含むエアロゾル送達デバイスの構成要素の回路図を図示する。処理回路1000およびエアロゾル生成構成要素1006は、それぞれ処理回路912およびエアロゾル生成構成要素914に対応してよい。示されるように、いくつかの実装では、センサは、ハウジング918を通る空気流路内の大気圧の測定値を生成するように構成される。これらの実装では、保護回路1010が電源に結合されて、電源に過電流保護を提供することができる。センサは、例えば集積回路間(I2C)プロトコルを使用して、デジタルシリアル通信リンクを介して処理回路1000に接続されてもよい。一例では、センサによって提供されるデータは、絶対大気圧であってよい。別の例では、センサは、大気圧の著しい変化があるときに処理回路を低電力状態から中断することができる検出回路を含む場合がある、または処理回路は、周期的ベースで空気圧情報についてセンサを連続的にポーリングする。適切なセンサの一例は、Bosch Sensortec GmbHからのBMP388圧力センサである。
【0142】
いくつかの実装では、処理回路1000は、センサ908からの大気圧の測定値と基準大気圧との差を決定することができる。差が少なくとも閾値差であるときのみ、処理回路は、エアロゾル生成期間にわたってエアロゾル生成構成要素に電力を供給するために、スイッチ910にエアロゾル生成構成要素1006への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるための信号を出力することができる。スイッチは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)スイッチとすることができる。一例では、信号は、矢印1008で示すように、PWM信号とすることができる。PWM信号のデューティサイクルは調整可能であり、それによってエアロゾル生成構成要素に提供される電力を調整することができる。
【0143】
いくつかの実装では、基準大気圧は、運転中に下がる車の窓、密閉された部屋におけるドアの閉鎖、高度の変化、またはデバイスの大気圧が変化を経験し得る任意の他の手段などの大気圧の変化をデバイス900が経験し得る場合の吹かしの誤検出を防止するために確立されてよい。高度の変化は、エレベータの乗車、航空機の飛行、階段、エスカレータ、および様々な地形上での移動を含むことができる。そのような変化に対処するために利用することができる様々な方法は:別個の感知線を使用して大気圧を確立すること;大気圧を読み取る2次的なセンサを使用するステップ;および/または基準点を決定するために吹かし間にセンサ908をサンプリングすることを含む。
【0144】
いくつかの例では、アルゴリズムは、センサ908からの測定値のローリングバッファを使用して、大気圧の変化を説明する場合がある。これらの例のいくつかでは、処理回路912は、測定値のローリングバッファを使用して測定値の平均を決定し、基準大気圧を平均に設定することができる。これに関して、測定値の平均は、センサからの測定値における大気圧を表すものとして取られた大気圧である。いくつかの例では、平均はサンプル測定値の算術平均であり得る。他の例では、平均は、測定値の幾何平均、調和平均、中央値、モードまたは中間範囲であってもよい。
【0145】
いくつかの例では、処理回路1000は、センサ908からの最新の測定値と基準大気圧との差を決定し、その差が少なくとも閾値差であるかどうかを決定することができる。処理回路はまた、測定大気圧の少なくともいくつかから大気圧の変化率を決定することができ、差が変化率に基づいて、差が吹かし行為によって引き起こされたかどうかを決定することができる。次いで、処理回路は、差が少なくとも閾値差であり、吹かし行為によって引き起こされたときのみ、スイッチ910にエアロゾル生成構成要素1006への出力電圧を切り替え可能に接続および切断させるための信号を出力することができる。これは、吹かしの誤検出を防止するために使用され得るだけでなく、大気圧の移行において通常の動作経験の下でユーザがデバイスを体験することを可能にし得る。
【0146】
いくつかの実装では、処理回路1000は、2つのADC構成要素1002および1004を含むことができる。これらの実装では、ADC構成要素1002は、エアロゾル生成構成要素(APC)914内を流れる電流IAPCを測定することができ、ADC構成要素1004は、エアロゾル生成構成要素の電圧VAPCを測定することができる。測定値に基づいて、処理回路は、電源904によってエアロゾル生成構成要素に提供される電力を決定することができ、上述したように、エアロゾル生成構成要素に提供される電力を調整するようにスイッチ910を制御するための信号を出力することができる。
【0147】
図11は、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイス900のための電力制御の方法1100のフローチャートを図示する。いくつかの実装では、示されるように、ブロック1102において、処理回路912は、基準大気圧を設定することができる。一例では、非吹かしアイドル動作中、処理回路は、センサ908から測定された大気圧を周期的に読み取って基準大気圧を設定することができる。このプロセスは、大気圧の変化に起因して基準大気圧が更新されることを確実にするために周期的に行われてよい。例えば、エアロゾル送達デバイスの高度が変化すると、大気圧は変化する可能性がある。ブロック1104において、処理回路912は、電力制御のためのアクティブ化イベントが生じたか否かを決定することができる。一例では、各新しい圧力読み取り値が基準大気圧と比較されて、アクティブ化イベントが生じたかどうかを決定する。いくつかの実装では、時間および圧力の区別によって、不注意なアクティブ化または誤ったトリガの回避が実現されることができる。例えば、車のドアを閉める、またはエアロゾル送達デバイスがエレベータ上で上下に移動している間などのイベントに起因して、小さなまたは短い持続時間の圧力変化が生じる場合がある。イベントは、エアロゾル送達デバイスの電力制御がアクティブ化されるかどうか、または新しい圧力読み取り値が使用されて基準大気圧を更新して変化する大気条件を反映するかどうかを決定するために、特定の時間閾値と圧力閾値を満たす必要があり得る。ブロック1104でアクティブ化イベントが検出された場合、方法1100はブロック1104からブロック1106に進むことができる。そうでなければ、方法1100は、ブロック1104からブロック1102に進み、基準大気圧を更新することができる。
【0148】
ブロック1106において、処理回路912は、システムチェックを行うことができる。いくつかの実装では、処理回路は、電力がエアロゾル生成構成要素914に送達されるべきかどうかを決定するためのシステムチェックを行ってもよい。例えば、システムチェックは、限定はしないが:エアロゾル生成構成要素内の蓄積されたエネルギー堆積チェック、バッテリの健康およびエアロゾル生成構成要素の耐性を含んでもよい。一例では、システムチェックがエラーを検出した場合、処理回路912はエラー状態に入ることができる。この例では、方法1100は、ブロック1106からブロック1116に進むことができる。
【0149】
システムチェックがエラーを検出しない場合、方法1100はブロック1106からブロック1108に進むことができる。エアロゾル生成構成要素914が加熱要素220,532の機能に対応するか、またはそれらの機能を含むいくつかの実装では、ブロック1108において、エアロゾル生成構成要素は、電源904からエアロゾル生成構成要素に一定の時間にわたって一定の電力を送達することによって所定のレベルに予熱され得る。エアロゾル生成構成要素の予熱はまた、吹かしの開始時のエアロゾル生成構成要素の温度に基づいて可変電力レベルで所定の時間にわたって加熱することによって行われてもよいことが理解されよう。例えば、予熱は、設定温度を目標とすることを伴うが、電力レベルおよび/または予熱時間は、エアロゾル生成構成要素が既に高温であった場合、例えば吹かしがこれより前の吹かしと近い間隔である場合には低減される。方法1100は、ブロック1108からブロック1110に進むことができる。一例では、ブロック1110において、処理回路912が、予熱中にエアロゾル生成構成要素の過度の温度上昇を検出した場合、例えば、寿命末期(EOL)が検出された場合、処理回路はエラー状態に入る場合がある。この例では、方法1100は、ブロック1110からブロック1116に進むことができる。一方、EOLが検出されない場合、方法1100はブロック1110からブロック1112に進むことができる。
【0150】
他の例では、予熱は、吹かしの検出時にエアロゾル生成構成要素914に可変電力レベルを送ることを伴う。可変電力レベルは、持続時間と信号強度の両方の端数サイズの信号パルスであってもよい。処理回路912は、エアロゾル生成構成要素の開始温度を計算することができ、この開始温度を使用して、処理回路は、エアロゾルの生成を開始するために、エアロゾル生成構成要素を効果的に素早く設定温度にするのに必要とされるエネルギー量を計算することができる。エアロゾル生成構成要素が開始温度にあるとき、予熱は、電力レベルが最大であり、予熱の最大時間にある状態にあると考えられてよい。エアロゾル生成構成要素が設定温度に近づくにつれて、予熱は、電力レベルが所望の量のエアロゾルを生成するレベルであり、予熱の最小時間である状態であると考えられてよい。
【0151】
いくつかの実装では、予熱エネルギー(例えばジュールで示す)とエアロゾル生成構成要素温度との間の所定の関係は、線形関数によって記述されることができる。図12Aに示される一例では、点Aにおいて、予熱エネルギーは最大であり、エアロゾル生成構成要素温度は最小である。点Aから点Bまで、予熱エネルギーは、エアロゾル生成構成要素温度と共に直線で変化してよい。点Bにおいて、エアロゾル生成構成要素の温度は、エアロゾルが生成され始める温度に達し、予熱が停止し得る。点Bから点Cまで、エアロゾル生成構成要素の温度は、予熱以外のエアロゾル送達デバイス900の動作の一部としてエアロゾルを生成し続けるためのエアロゾル生成構成要素の制御に起因して増加し続けてよい。点Cで、エアロゾル生成構成要素の温度が最大に達する。
【0152】
いくつかの実装では、所定の関係は非線形関数として記述されることができる。図12Bに示される一例では、点A、B、およびCは、図12Aの例と実質的に同様である。しかしながら、図12Bでは、予熱のためのエネルギーは、点Aから点Bまでエアロゾル生成構成要素温度と共に非線形に変化し得る。
【0153】
エアロゾル生成構成要素914の温度(例えば、加熱要素220,532)は、いくつかの異なるやり方のいずれかで測定、決定または計算されてよい。様々な例において、温度は、測温抵抗体(RTD)、サーミスタ、熱電対、赤外線(IR)温度センサなどを使用して測定、決定、または計算されてよい。追加的または代替的に、処理回路912は、前の吹かしの後のエアロゾル生成構成要素の温度、および自然対流によってエアロゾル生成構成要素から熱が除去される既知の速度に基づいて温度を推定することができる。
【0154】
エアロゾル送達デバイス900が温度を測定するためのRTDを含むいくつかの例では、RTDはエアロゾル生成構成要素とは別個であってもよいし、一体化されていてもよい。RTDは、可変でありエアロゾル生成構成要素の温度に比例する抵抗と、温度に対して不変である抵抗温度係数(TCR)とを有する。これらの例では、処理回路912は、エアロゾル生成構成要素を渡る電圧、およびそれを通る電流の測定値などから抵抗を計算し(R=V/I)、抵抗およびTCRからエアロゾル生成構成要素の温度を計算することができる。適切な抵抗温度検出の例に関するさらなる情報については、Davis等に対する米国特許公開第2018/0132526号明細書を参照されたく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。適切なIR温度検出の例に関するさらなる情報は、2019年10月4日に出願されたSurに対する米国特許出願シリアル番号16/593,454号明細書に見出されることができ、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0155】
図11に戻ると、いくつかの実装では、ブロック1112において、処理回路912は、上述したように、センサ908によって測定された現在の大気圧を基準大気圧と比較し、それに応じてエアロゾル生成構成要素914に提供される電力を調整することができる。方法1100は、ブロック1112からブロック1114に進むことができる。一例では、ブロック1114において、最大の吹かし長が達せられるか、または吹かし行為が終了した場合、センサ読み取り値は基準大気圧に戻ることができる。別の例では、ブロック1114において、処理回路912は、エアロゾル生成構成要素914のエネルギー堆積限界が超えられたことを検出する場合がある。
【0156】
この例では、処理回路912はエラー状態に入ることができ、方法1100はブロック1114からブロック1116に進むことができる。一方、最大吹かし長が達せられていない、吹かし行為が終了していない、またはエネルギー堆積エラーが検出されない場合、方法1100は、ブロック1114からブロック1112に進み、エアロゾル生成構成要素に提供される電力を調整し続けることができる。一例では、エアロゾル生成構成要素に妥当な電力レベルを提供するために、電力調整は周期的に繰り返されてもよい。一例では、ひとたび妥当な電力レベルがエアロゾル生成構成要素に対して設定されると、この電力レベルは、エアロゾル送達デバイス900が正常状態で動作するときに維持されてよい。
【0157】
図13は、本開示の例示的な実装によるエアロゾル送達デバイス900のための電力制御の方法1300のフローチャートを図示する。いくつかの実装では、ブロック1302に示されるように、センサ908は、カートリッジ/エアロゾル源部材が制御本体に取り付けられ、電力消費を節約するために使用する準備が整うまで非アクティブである。カートリッジ/エアロゾル源部材の取り付けが検出された後、ブロック1304に示されるように、先入れ先出し(FIFO)バッファなどのバッファにセンサからの測定値を入れることができ、基準大気圧(またはベースライン)が測定値の平均に設定されることができる。次に、ブロック1306に示されるように、センサの周期的なサンプリングが行われることができ、ブロック1308に示されるように、変化率およびセンササンプルとベースラインとの差が使用されて、吹かしが来ているかどうかを決定することができる(例えば、アクティブ化が検出される)。吹かしが来ていない場合、ブロック1310に示されるように、サンプルがバッファに追加され、新しい平均が取られ、ベースラインが再確立されることができる。いくつかの例では、カートリッジがエアロゾル生成構成要素914を含んでもよい。または、制御本体がエアロゾル生成構成要素を含んでもよい。
【0158】
ブロック1312において、システムチェックが行われてエラーを決定することができ、エラーは:吹かしのために電源904に十分なエネルギーがないこと、過剰な加熱、カートリッジ/エアロゾル源部材の乾燥、および/または高すぎるエネルギー堆積を含んでよい。ブロック1314に示されるように:エアロゾル生成構成要素914の電圧を測定する、エアロゾル生成構成要素の電流を測定する、エアロゾル生成構成要素の温度を読み取る、エアロゾル生成構成要素の温度を計算する、ユーザの吸い込み速度の変化に対してセンサ908の圧力をサンプリングする、および/またはセンサからのユーザの変化に基づいて電力を調整することを含む様々な測定が行われてよい。
【0159】
次に、方法1300は、ブロック1316に進んで、ユーザの停止、または吹かしが達することが可能とされる最大時間のいずれかから、吹かしが終了しているか否かを決定することができる。ブロック1318に示されるように、エラー処理は、フラグが立てられたエラーに基づいてよい。場合によっては、エラーは、吹かしが発生するのを単に防止するために起こる場合があり、このような場合、デバイスは、センサ908のサンプリングを再開してよい。
【0160】
上述したように、いくつかの実装では、処理回路912は、センサ908からの大気圧の測定値と基準大気圧との差を決定することができる。これらの実装では、処理回路は、スイッチ910を制御し、差と電力目標との間の所定の関係に従って可変である電力目標に、エアロゾル生成構成要素914に提供される電力を調整することができる。図14A図14B図14C図14D図14E、および図14Fは、本開示の例示的な実装による、差と電力目標との間の異なる所定の関係を示す。
【0161】
いくつかの実装では、所定の関係は線形関数によって説明されることができる。図14Aに示される一例では、領域Aでは、センサ908からの大気圧の測定値と基準大気圧との間の差は、吹かし行為が生じたことを示すのに十分なほど大きくない。エアロゾル生成構成要素914に提供される電力は、0ワットのままであり得る。点Bで、差は閾値差(図14Aで「最小圧力」として示される)に達し、これは、吹かし行為が生じたことを示すことができる。一例では、点Bにおいて、エアロゾル生成構成要素を予熱するために一定の電力が提供されることができる(図14Aに「最小電力」として示される)。別の例では、一定の電力は図14Aに示される「最小電力」とは異なってもよい。点Bから点Cまで、電源904からエアロゾル生成構成要素に提供される電力は、圧力変化(大気圧の測定値と基準大気圧との差)と共に直線で変化してよい。より大きな圧力変化は、提供される電力が特定の値(図14Aに「最大電力」として示される)に制限される点(図14Aに「高圧」として示される)まで、より高い電力がエアロゾル生成構成要素に提供される結果になり得る。
【0162】
いくつかの実装では、所定の関係は非線形関数によって記述されることができる。図14Bに示される一例では、領域Aでは、センサ908からの大気圧の測定値と基準大気圧との差は、吹かし行為が生じたことを示すのに十分なほど大きくない。エアロゾル生成構成要素914に提供される電力は、0ワットのままであり得る。点Bにおいて、差が閾値差(図14Bに「最小圧力」として示されている)に達し、これは、吹かし行為が生じたことを示すことができる。一例では、点Bにおいて、エアロゾル生成構成要素を予熱するために一定の電力(図14Bに「最小電力」として示されている)を供給することができる。別の例では、一定の電力は、図14Bに示される「最小電力」とは異なる場合がある。点Bから点Cまで、電源904からエアロゾル生成構成要素に提供される電力は、圧力変化と共に非線形に変化してよい。より大きな圧力変化は、提供される電力が値(図14Bに「最大電力」として示される)に制限される点(図14Bに「高圧」として示される)まで、より高い電力がエアロゾル生成構成要素に提供される結果になり得る。
【0163】
いくつかの実装では、所定の関係はステップ状の関数によって記述されることができる。図14Cに示される一例では、領域Aでは、センサ908からの大気圧の測定値と基準大気圧との差は、吹かし行為が生じたことを示すのに十分なほど大きくない。エアロゾル生成構成要素914に提供される電力は、0ワットのままであり得る。点Bにおいて、差が閾値差(図14Cでは「最小圧力」として示される)に達し、これは、吹かし行為が生じたことを示すことができる。一例では、点Bにおいて、エアロゾル生成構成要素を予熱するために一定の電力(図14Cでは「最小電力」として示される)が提供されることができる。別の例では、一定の電力は、図14Cに示す「最小電力」とは異なる場合がある。点Bから領域Cまで、電源904からエアロゾル生成構成要素に提供される電力は、非連続的な圧力変化を伴う電力ステップで変化してよい。より高い圧力変化は、提供される電力がある値(図14Cでは「最大電力」として示される)に制限される点(図14Cに「高圧」として示される)まで、より高い電力がエアロゾル生成構成要素に提供される結果になり得る。一例では、電力ステップのステップサイズおよび出力電力に対する圧力に関する圧力レベル相関は、エアロゾル送達デバイス900の製造業者または処理回路912によって決定されてよい。別の例では、ユーザは、処理回路にユーザ入力を提供することなどによって、電力ステップのステップサイズを規定することができる。
【0164】
いくつかの実装では、所定の関係は、線形関数、非線形関数、およびステップ関数のうちの2つ以上の組合せによって記述されることができる。図14Dに示される一例では、所定の関係は、ステップ線形関数によって、すなわちステップ関数と線形関数との組合せによって記述されることができる。示されるように、領域Aでは、センサ908からの大気圧の測定値と基準大気圧との間の差は、吹かし行為が生じたことを示すのに十分なほど大きくはない。エアロゾル生成構成要素914に提供される電力は、0ワットのままであり得る。点Bにおいて、差が閾値差(図14Dでは「最小圧力」として示される)に達し、これは、吹かし行為が生じたことを示すことができる。一例では、点Bにおいて、エアロゾル生成構成要素を予熱するために一定の電力(図14Dでは「最小電力」として示される)が提供されることができる。別の例では、一定の電力は、図14Dに示される「最小電力」とは異なる場合がある。点Bから点Cまで、圧力変化があるレベル(図14Dでは「中圧」として示されている)に達するまで、電源904からエアロゾル生成構成要素に提供される電力は一定のままであり得る。点Cから点Dまで、エアロゾル生成構成要素に提供される電力は、圧力変化と共に線形で変化してよい。より大きな圧力変化は、提供される電力がある値(図14Dで「最大電力」として示される)に制限される点(図14Dに「高圧」として示される)まで、より高い電力がエアロゾル生成構成要素に提供される結果になり得る。
【0165】
別の例では、図14Eに示されるように、所定の関係は、ステップ関数と線形関数との別の組合せによって記述されることができる。示されるように、領域A、点B、および点Cは、図14Dの例と同様である。点Cから点Dまで、エアロゾル生成構成要素に提供される電力は、圧力変化と共に線形で変化してよい。次いで、点Dから点Eまで、電源904からエアロゾル生成構成要素に提供される電力は、点Bから点Cまでより高い電力レベルで一定のままであってよい。点Eから点Fまで、エアロゾル生成構成要素に提供される電力は、提供される電力がある値(図14Eでは「最大電力」として示される)に制限される点(図14Eに「高圧」として示される)まで圧力変化と共に再び線形で変化してよい。
【0166】
さらに別の例では、図14Fに示されるように、所定の関係は、ステップ関数と非線形関数との組合せによって記述されることができる。図14Eと比較した図14Fの例の違いは、図14Fでは、エアロゾル生成構成要素に提供される電力が、点Cから点Dおよび点Eから点Fまでの部分の圧力変化と共に非線形に変化し得ることである。
【0167】
図14Aから図14Fは、所定の関係のいくつかの実装のみを示す。他の実装では、所定の関係は、異なる線形関数、異なる非線形関数、異なるステップ関数、またはそれらの異なる組合せによって記述されることができる。
【0168】
喫煙物品(複数可)の使用の前述の説明は、本明細書で提供されるさらなる開示に照らして当業者にとって明白であり得るわずかな修正を通して、本明細書で説明される様々な例示的な実装に適用されることができる。しかしながら、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示の開示の全ての必要な要件を満たすために提供されている。図1から図12に図示される、またはそれ以外の方法で上述される喫煙物品(複数可)において示される要素のいくつかは本開示によるエアロゾル送達デバイスに含まれてよい。
【0169】
前述の説明および関連する図面に提示された教示の恩恵を受ける、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの修正形態および他の実装が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実装に限定されるものではないこと、ならびに修正形態および他の実装が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本明細書では特定の用語が用いられているが、それらは一般的で説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F