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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】熱可塑性エラストマコルク複合材料
(51)【国際特許分類】
   B27N 5/00 20060101AFI20240408BHJP
   A43B 1/06 20060101ALI20240408BHJP
   A43B 13/02 20220101ALI20240408BHJP
   A43B 17/00 20060101ALI20240408BHJP
   B27N 3/02 20060101ALI20240408BHJP
   B27M 3/20 20060101ALI20240408BHJP
   B27K 7/00 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B27N5/00 A
A43B1/06
A43B13/02 Z
A43B17/00 A
B27N3/02 A
B27M3/20
B27K7/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021529499
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 CA2019051062
(87)【国際公開番号】W WO2020024063
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】62/713,979
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521046815
【氏名又は名称】エッジ マーケティング コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】EDGE MARKETING CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】パーマー、ジョーダン
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-171824(JP,A)
【文献】特開2002-309096(JP,A)
【文献】特開昭53-033277(JP,A)
【文献】特開2001-009936(JP,A)
【文献】特開昭51-123809(JP,A)
【文献】特開昭51-001611(JP,A)
【文献】特開2001-271483(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105643756(CN,A)
【文献】特開昭48-090357(JP,A)
【文献】特開2003-027715(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0110910(KR,A)
【文献】特開平10-259256(JP,A)
【文献】特開2015-137442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27N 5/00
A43B 1/06
A43B 13/02
A43B 17/00
B27N 3/02
B27M 3/20
B27K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コルク複合材料を加工する方法であって、
(a)容積内に複数のコルク粒子を提供することと、
(b)熱可塑性エラストマの分散物および前記コルク粒子の混合物を提供するように前記容積に前記熱可塑性エラストマの分散物を添加することと、
(c)前記熱可塑性エラストマの分散物と前記コルク粒子との前記混合物を撹拌することと、
(d)前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を加熱することと、
(e)前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却すること
とを備える方法であって、
ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)は共同して、各々が前記熱可塑性エラストマの第1の層でコーティングされた、複数の個別的な被覆コルク粒子をもたらす、方法。
【請求項2】
前記熱可塑性エラストマおよび前記コルク粒子の混合物を加熱することが、前記熱可塑性エラストマおよび前記コルク粒子の混合物を前記熱可塑性エラストマのガラス転移温度未満の温度まで加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(f)熱可塑性エラストマの分散物と前記被覆コルク粒子との混合物を提供するように、前記容積に前記熱可塑性エラストマの分散物を添加することと、
(g)前記熱可塑性エラストマの分散物と前記被覆コルク粒子との前記混合物を撹拌することと、
(h)前記熱可塑性エラストマと前記被覆コルク粒子との前記混合物を加熱することと、
(i)前記熱可塑性エラストマと前記被覆コルク粒子との前記混合物を冷却すること
とを含む方法であって、
ステップ(f)、(g)、(h)、および(i)は共同して、前記熱可塑性エラストマの第2の層でコーティングされた、前記複数の被覆コルク粒子をもたらす、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記コルク複合材料が60重量%~80重量%の熱可塑性エラストマである前記コルク複合材料の組成を有するまで前記複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記コルク複合材料は、70体積%~90体積%のコルク粒子である前記コルク複合材料の組成を有するまで前記複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のコルク粒子のそれぞれは、0.5mm~2.0mmの最大寸法を有する請求項1~のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記熱可塑性エラストマは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンポリマーおよびスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる群から選択される請求項1~のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記熱可塑性エラストマは、バイオポリマーからなる請求項1~のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
熱可塑性エラストマの分散物を前記容積に添加することは、前記熱可塑性エラストマの分散物を前記容積内に噴霧することからなる請求項1~のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記熱可塑性エラストマの分散物は、熱可塑性エラストマの水性分散物からなる請求項1~のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を加熱することは前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を少なくとも60℃に加熱することを備える請求項1~10のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を加熱することは、前記容積内の湿度が10%未満まで前記熱可塑性エラストマの前記混合物を加熱することを備える請求項1~11のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却させることは、55℃未満に前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却することからなる請求項1~12のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却することは、前記容積内に空気を吹き込むことにより、前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を能動的に冷却することからなる請求項1~13のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を加熱しながら前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を撹拌し続けることを含む請求項1~14のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記熱可塑性エラストマの分散物の前記混合物を前記コルク粒子に添加することは、前記熱可塑性エラストマの分散物の前記混合物を前記容積に対して、1.25:1~5:1のコルク粒子熱可塑性エラストマの分散物の重量比率で添加することからなる請求項1~15のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1~16のうちのいずれか1項に記載の方法を備える、履物の中敷の少なくとも一部を加工する方法。
【請求項18】
複数のコルク粒子を備えるコルク複合材料であって、
複数の個別的な被覆コルク粒子を形成するよう、各コルク粒子は熱可塑性エラストマ内に包まれている、コルク複合材料。
【請求項19】
前記熱可塑性エラストマは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンポリマーおよびスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる群から選択される請求項18に記載のコルク複合材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コルク複合材料に関連する。より具体的には、本発明の複数の態様は、熱可塑性エラストマコルク複合材料に関連する。
【背景技術】
【0002】
コルクは用途の広い天然材料である。未加工のコルクは軽量で弾性があり、可撓性であり、気体や液体を透過せず、腐敗しない。未加工のコルクは、良好な電気、熱、音響、振動の絶縁体である。これらのコルクの特質は、その独立気泡構造から生じる。コルクの細胞は、圧縮後にコルクが回復する能力に寄与する空気と同様の気体混合物で充填されている。コルクのこれらの機械的性質は、天然、再生可能、およびリサイクル可能な材料であることと組み合わせて、コルクを様々な用途に望ましいものとする。
【0003】
未加工の形態において、コルクは所望の形状およびサイズで入手可能ではない場合がある。さらに、未加工の形態において、コルクは所望の形状およびサイズを形成するように容易に扱えない場合がある。したがって、互いに結合された複数の天然コルク粒子から作られたコルク凝集体が用いられることが一般的である。しかしながら、凝集されたコルクから製造された一般的な物品は多くの用途にとって、壊れやすすぎたり、頑丈すぎたり、硬すぎたり、および/または重すぎる傾向がある。加えて、所与のコルク複合材料の密度レベルまたはクッション性の制御能および/または調整能がほとんどまたは全くない。
【0004】
既存の結合剤は、通常、複合材料およびそのような複合材料から加工される完成した構成要素の結果として生じる機械的性質が、ポリマーマトリックス材料の機械的性質からの恩恵を受けることなく、コルク自体の機械的性質に依存し、かつ、それによって制限されるように、コルクと結合し得る。したがって、完成した構成要素の機械的性質は固体のコルクからもっぱら作られた同じ形の構成要素と同然である。
【0005】
逆に、既存の結合剤は、複合材料およびそのような複合材料から加工される完成した構成要素の結果として生じる機械的性質が、コルクの機械的性質からの恩恵を受けることなく、ポリマーマトリックス自体の機械的性質に依存し、かつ、それによって制限されるようにコルクと結合し得る。したがって、完成した構成要素の機械的性質は固体のポリマーからもっぱら作られた同じ形の構成要素と同然であり得る。
【0006】
ポリウレタンコルク複合材料は、低密度または高密度のいずれかであり得る。低密度ポリウレタン系コルク複合材料は、通常、容易に損傷を受けるか、または壊れるか、柔らかくて壊れやすい。他方、高密度ポリウレタン系コルク複合材料は、壊れにくいが、その結果として頑丈である。
【0007】
ラテックス系コルク複合材料は、通常、最小限の量の未加工のコルクを使用する。したがって、最終的な複合材料およびそのような複合材料から加工される完成した構成要素の機械的性質は、主にポリマーマトリックスの機械的性質に依存する。さらに、加硫ラテックスは黒みがかった、中程度にのみ半透明であるので、完成した物品はコルクとして視覚的に識別可能ではない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
製造が容易であり、成形可能であり、所望の、かつ、制御可能な機械的性質(例えば、密度、強度、弾性など)を有するコルク複合材料が一般的に望まれている。天然コルクよりもより柔らかく、より可撓性があり、より耐久性のあるコルク複合材料が一般的に望まれている。例えば履物に使用される合成発泡体と少なくともおおよそ同程度柔らかく、可撓性があり、耐久性のあるコルク複合材料が一般的に望まれている。
【0009】
関連技術の前述の例およびそれに関連した制限は、例示的であることを意図したものであり、排他的ではない。関連技術の他の制限は明細書を読み、図面を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下の実施形態およびその態様は、システム、ツール、および方法とともに記載されおよび示され、それらは例示的かつ例証的であることを意図し、範囲を限定するものではない。様々な実施形態において、1つ以上の上記の問題が減少されるか、または排除されるが、他の実施形態は他の改善に向けられている。
【0011】
本発明の一態様は、コルク複合材料の加工方法を提供する。本方法は(a)容積中に複数のコルク粒子を提供することと、(b)熱可塑性エラストマの分散物とコルク粒子との混合物を提供するように前記容積に熱可塑性エラストマの分散物を添加することと、(c)熱可塑性エラストマの分散物とコルク粒子との混合物を撹拌することと、(d)熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を加熱することと、(e)熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を冷却することとを備え得る。ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)は共同して、熱可塑性エラストマの第1の層でコーティングされた、複数の被覆コルク粒子をもたらし得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、本方法は、(f)熱可塑性エラストマの分散物と被覆コルク粒子との混合物を提供するように、容積中に熱可塑性エラストマの分散物を添加することと、(g)熱可塑性エラストマの分散物と被覆コルク粒子との混合物を撹拌することと、(h)熱可塑性エラストマと被覆コルク粒子との混合物を加熱することと、(i)熱可塑性エラストマと被覆コルク粒子との混合物を冷却することとを備え得る。ステップ(f)、(g)、(h)、および(i)は共同して熱可塑性エラストマの第2の層でコーティングされた、複数の被覆コルク粒子をもたらし得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、本方法は、コルク複合材料が30重量%~80重量%の熱可塑性エラストマの組成を有するまで、複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、コルク複合材料が60重量%~80重量%の熱可塑性エラストマの組成を有するまで、前記複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、コルク複合材料が70体積%~90体積%のコルク粒子の組成を有するまで、複数のコルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える。いくつかの実施形態において、本方法は、コルク複合材料が75体積%~85体積%のコルク粒子の組成を有するまで、複数のコルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える。
【0014】
いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のそれぞれは、0.5mm~2.0mmの最大寸法を有する。いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のそれぞれは0.5mm~1.0mmの最大寸法を有する。いくつかの実施形態において、粒子数で90%の複数のコルク粒子は0.5mm~2.0mmの最大寸法を有する。いくつかの実施形態において、粒子数で90%の複数のコルク粒子は0.5mm~1.0mmの最大寸法を有する。いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のそれぞれは、2.0mm以下の直径をそれぞれ有する円形の開口部を備えたふるいを通り抜ける。いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のそれぞれは、1.0mm以下の直径をそれぞれ有する円形の開口部を備えたふるいを通り抜ける。
【0015】
いくつかの実施形態において、各コルク粒子が熱可塑性エラストマの5~12の層に包まれる。いくつかの実施形態において、各コルク粒子が熱可塑性エラストマの10~20の層に包まれる。
【0016】
いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは、スチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは、スチレン-ブタジエン-スチレンポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマはバイオポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは、コーン系バイオポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは藻類油系バイオポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマはエタノール系バイオポリマーからなる。
【0017】
いくつかの実施形態において、本方法は、熱可塑性エラストマの分散物を容積に添加することは、熱可塑性エラストマの分散物を容積内に噴霧することからなる。
いくつかの実施形態において、容積は、回転ドラムのキャビティによって画定され、熱可塑性エラストマの分散物とコルク粒子との混合物を撹拌することは、熱可塑性エラストマの分散物とコルク粒子との前記混合物を回転ドラム内で混合することからなる。
【0018】
いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマの分散物は熱可塑性エラストマの水性分散物からなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマの分散物は熱可塑性エラストマの油系分散物からなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマの分散物は、熱可塑性エラストマの溶媒系の分散物からなる。
【0019】
いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を加熱することは、熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を少なくとも60℃に加熱することからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマとコルク粒子を加熱することは、熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を少なくとも65℃に加熱することからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を加熱することは、前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を少なくとも70℃に加熱することからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を加熱することは、容積内の湿度が10%未満になるまで熱可塑性エラストマの混合物を加熱することからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を加熱することは、容積内の湿度が5%未満になるまで熱可塑性エラストマを加熱することからなる。
【0020】
いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を冷却することは、55℃未満に熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を冷却することからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を冷却することは、50℃未満に熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を冷却することからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却することは、前記容積内に空気を吹き込むことにより前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を能動的に冷却することからなる。
【0021】
いくつかの実施形態において、本方法は、熱可塑性エラストマの分散物を容積に添加しながら、熱可塑性エラストマの分散物とコルク粒子との混合物を撹拌することを含む。いくつかの実施形態において、本方法は熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を加熱しながら熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を撹拌し続けることを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を冷却しながら熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を撹拌し続けることを含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマの分散物の混合物をコルク粒子に添加することは、熱可塑性エラストマの分散物の混合物を容積に対して、1.25:1~5:1の重量比率でコルク粒子を熱可塑性エラストマの分散物に添加することからなる。
【0023】
いくつかの実施形態において、ステップ(b)では、第1の量の熱可塑性エラストマの分散物が容積に添加され、ステップ(f)では、第2の量の熱可塑性エラストマの分散物が容積に添加され、第2の量は第1の量よりも少ない。いくつかの実施形態において、第2の量は、第1の量より12重量%~40重量%少ない。
【0024】
本発明の別の態様は、履物の中敷の少なくとも一部を加工する方法を提供する。本方法は、本明細書に記載されるようにコルク複合材料を加工する方法を備え得る。いくつかの実施形態において、本方法は、履物の中敷の少なくとも一部を形成するように複数の被覆コルク粒子を鋳型内に導入することを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、鋳型内の複数の被覆コルク粒子に圧力を適用することを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、鋳型内の複数の被覆コルク粒子に熱を適用することを含む。
【0025】
本発明の別の態様は、コルク複合材料を提供する。コルク複合材料は、複数のコルク粒子を備え得、各コルク粒子は熱可塑性エラストマ内に包まれる。
いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のそれぞれは0.5mm~2.0mmの最大寸法を有する。いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のそれぞれは0.5mm~1.0mmの最大寸法を有する。いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のうち、コルク粒子数で90%は、0.5mm~2.0mmの最大寸法を有する。いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のうち、コルク粒子数で90%は、0.5mm~1.0mmの最大寸法を有する。いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のそれぞれは、各開口部が2.0mm以下の直径を有する円形の開口部を備えたふるいを通り抜ける。いくつかの実施形態において、複数のコルク粒子のそれぞれは、各開口部が1.0mm以下の直径を有する円形の開口部を備えたふるいを通り抜ける。
【0026】
いくつかの実施形態において、コルク複合材料の組成は50重量%~80重量%の熱可塑性エラストマである。いくつかの実施形態において、コルク複合材料の組成は70重量%~80重量%の熱可塑性エラストマである。いくつかの実施形態において、コルク複合材料の組成は70体積%~90体積%のコルク粒子である。いくつかの実施形態において、コルク複合材料の組成は75体積%~85体積%のコルク粒子である。
【0027】
いくつかの実施形態において、各コルク粒子は、複数の層の熱可塑性エラストマに包まれる。いくつかの実施形態において、各コルク粒子は、10~20の層の熱可塑性エラストマに包まれる。いくつかの実施形態において、各コルク粒子は、5~12の層の熱可塑性エラストマに包まれる。
【0028】
いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマはスチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマはスチレン-ブタジエン-スチレンポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは、スチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマはバイオポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは、コーン系バイオポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは藻類油系バイオポリマーからなる。いくつかの実施形態において、熱可塑性エラストマは、エタノール系バイオポリマーからなる。
【0029】
いくつかの実施形態において、コルク複合材料はアスカーC20~アスカーC80のデュロメータを有する。いくつかの実施形態において、コルク複合材料は、アスカーC40~アスカーC80のデュロメータを有する。いくつかの実施形態において、コルク複合材料は、1.0Mpa~5.0MPaの平均弾性係数を有する。いくつかの実施形態において、コルク複合材料は、1.41MPa~4.06MPaの平均弾性係数を有する。いくつかの実施形態において、コルク複合材料は、0.20gm/cm-3~0.47gm/cm-3の比重を有する。いくつかの実施形態において、コルク複合材料は、0.29gm/cm-3~0.47gm/cm-3の比重を有する。いくつかの実施形態において、コルク複合材料は、43%~46%のエネルギリターンの割合を有する。
【0030】
上に記載した例示的な態様および実施形態に加えて、さらなる態様および実施形態は、図面を参照し、以下の詳細な記載を検討することによって明らかになるであろう。
例示的な実施形態は図面の参照図に示されている。本明細書に開示される実施形態および図は制限的ではなく例示的とみなされるべきであることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一例示的実施形態によるコルク複合材料粒体の断面の概略図。
図2】本発明の一例示的実施形態によるコルク複合材料の製造方法のフローチャート。
図3A】本発明の一例示的実施形態によるコルク複合材料の製造方法の1つ以上のステップの概略図。
図3B図2の方法の部分または全部を実施する自動化されたシステムの概略図。
図4】本発明の一例示的実施形態によるコルク複合材料で製造する方法の概略図。
図5】本発明の一例示的実施形態による引き伸ばされたコルク複合材料の断面の概略図。
図6】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料の比重を示す棒グラフ。
図7】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料の応力-ひずみプロット。
図8A】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料の初期弾性係数、λ、の棒グラフ。
図8B】第三者試験によって決定されたように例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料の平均弾性係数、λavg、の棒グラフ。
図9A】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料の圧縮率の棒グラフ。
図9B】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料の負荷容量の棒グラフ。
図10A】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料の体積でのエネルギ容量の棒グラフ。
図10B】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料の重量でのエネルギ容量の棒グラフ。
図11A】第三者試験によって決定されたように例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料のピーク緩衝効率の棒グラフ。
図11B】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料のピーク重量効率の棒グラフ。
図12A】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料のエネルギリターンの棒グラフ。
図12B】第三者試験によって決定されたように、例示的なコルク複合材料試料および例示的な発泡体試料の非線形性の棒グラフ。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の記載を通して、当業者により完全な理解を提供するために、特定の詳細が述べられている。しかしながら、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の要素は詳細に示されていないか、または記載されていない場合がある。したがって、記載および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味においてみなされるべきである。
【0033】
本発明の一態様は、コルク複合材料を提供する。いくつかの実施形態において、コルク複合材料は、熱可塑性エラストマによってコーティングされた、または包まれた複数のコルク粒子を備える。いくつかの実施形態において、コルク複合材料は、複数のコルク複合材料粒体を備え、各コルク複合材料粒体は、熱可塑性エラストマによってコーティングされた、または包まれたコルク粒子を備える。いくつかの実施形態において、コルク複合材料は、熱可塑性エラストママトリックスに埋め込まれた複数のコルク粒子を備える。
【0034】
本発明の別の態様はコルク複合材料および/またはコルク複合材料粒体の製造方法を提供する。いくつかの実施形態において、本方法は(a)容積中に複数のコルク粒子を提供することと、(b)熱可塑性エラストマの分散物とコルク粒子との混合物を提供するように前記容積に熱可塑性エラストマの分散物を添加することと、(c)熱可塑性エラストマの分散物とコルク粒子との混合物を撹拌することと、(d)熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を加熱することと、(e)熱可塑性エラストマとコルク粒子との混合物を冷却することとからなる。ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)は共同して熱可塑性エラストマの第1の層でコーティングされた、複数の被覆コルク粒子をもたらし得る。いくつかの実施形態において、本方法は、(f)熱可塑性エラストマの分散物と被覆コルク粒子との混合物を提供するように、容積中に熱可塑性エラストマの分散物を添加することと、(g)熱可塑性エラストマの分散物と被覆コルク粒子との混合物を撹拌することと、(h)熱可塑性エラストマと被覆コルク粒子との混合物を加熱することと、(i)熱可塑性エラストマと被覆コルク粒子との混合物を冷却させることとからなる。ステップ(f)、(g)、(h)、および(i)は共同して熱可塑性エラストマの第2の層でコーティングされた、複数の被覆コルク粒子をもたらし得る。
【0035】
本発明の複数の態様は、複数のコルク複合材料粒体10を備えるコルク複合材料5を提供する(コルク複合材料5のうちの1つは図1に概略的に示される)。各コルク複合材料粒体10はポリマー14によってコーティングされた、または包まれたコルク粒子12を備える。図1は、ポリマー14によってコーティングされた、または包まれたコルク粒子12を備える例示的なコルク複合材料粒体10の断面の概略図である。コルク粒子12は、断面円形に描かれるが、これは概略図であって必須ではないことを理解されたい。コルク粒子12は任意の断面形状を有し得る。さらに、コルク粒子12の外側表面は、描かれているように必ずしも滑らかでなく、テクスチャおよび表面粗さにおいて、変化を有してよい。同様に、コルク複合材料粒体10のポリマー14コーティングは断面円形に描かれているが、これは概略図であって必須ではないことを理解されたい。コルク複合材料粒体10は、任意の断面形状を有し得る。さらに、コルク複合材料粒体10の外側表面は描かれているように必ずしも滑らかでなく、テクスチャおよび表面粗さにおいて、変化を有してもよい。
【0036】
コルク複合材料5は、ポリマー14のマトリックス22に埋め込まれた複数のコルク粒子12を備え得る(図4に概略的に示されるように)。いくつかの実施形態において、コルク複合材料粒体10は(例えば図1に示されるように)、ポリマー14のマトリックス22内に埋め込まれた複数のコルク粒子12を備えるコルク複合材料5の製造プロセスの中間ステップの産物である。
【0037】
コルク複合材料5および/またはその粒体10は、様々な方法を使用して加工され得る。コルク粒子12は化学的方法(例えば、溶媒を使用して)、物理化学的方法、または物理的方法によってポリマー14にコーティングされ得る。例えば、コルク粒子12上にポリマー14をコーティングする物理的方法の非限定的な例は、エアサスペンション(例えば、流動床リアクタ内)、噴霧乾燥、噴霧凝固、造粒またはパンコーティング(例えば、分散ベースのパンコーティングまたは加熱溶融噴霧)を含む。
【0038】
図2は、特定の例示的な実施形態によるコルク複合材料粒体10の製造方法100を示す。ステップ110において、コルク粒子12が提供される。ステップ110において、コルク粒子12が容積18内に提供(例えば導入)され得る。いくつかの実施形態において、容積18は、容器20のキャビティによって画定され、図3Aに概略的に示される。例えば、容器20は、パンコーティングドラム、セメント混合ドラム、回転および/または旋回ドラムのいくつかの他の形態および/または同様のものを備え得る。容積18は、コルク粒子12を支持できる少なくとも1つの表面によって画定(または部分的に画定)され得る。例えば容積18は、容器20(例えば図3Aに示されるように)、トレイ、コンベアベルトの表面および/または任意の他の適切な表面によって少なくとも部分的に画定され得る。本明細書に記載されるように、方法100は容積18内で起こる一連のステップに言及するが、容積18の具体的な例は方法100を通して変わり得る。例えば、方法100のうちの1つ以上のステップは1つ以上の異なる容積内で実行されることができる(同時にまたは次々と)ことを理解されたい。例えば、容積18の内容物は方法100の1つ以上のステップのために異なる容積18に移動されるか、または、容積18の内容物は、方法100の1つ以上のステップのために複数の容積18内に分けることが可能である(またはその逆)。
【0039】
いくつかの実施形態において、コルク粒子12は任意選択的にステップ110において、および/またはステップ110の前に処理され得る。そのような事前処理ステップは図2において明示的には示されていない。例えば、いくつかの実施形態において、コルク粒子12は水で(例えば、蒸留水)またはアルコールで(例えば、イソプロピルアルコール)洗浄され得る。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は、ポリマー14とコルク粒子12との間の付着を改善するように界面活性剤で事前処理され得る。いくつかの実施形態において、コルク粒子12はポリマー14とコルク粒子12との間の付着の改善を補助し得る所望の表面粗さを有するように事前処理され得る。そのようなコルク粒子12の事前処理は必須ではない。
【0040】
コルク粒子12は、未加工のコルク粒子からなり得る。例えば、コルク粒子12は未加工のコルクの処理の副産物を含み得る。加えて、または代わりに、コルク粒子12は、リサイクルされたコルクからなり得る。
【0041】
コルク粒子12は様々なサイズであり得る。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は0.3mmよりも大きい最長の寸法(最大寸法)、d、を有し、コルク複合材料12は最大寸法が0.3mmよりも小さいコルクの粒子には存在しない場合があるコルク粒子12の細胞構造の恩恵を受ける。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は最大寸法、d、を有し、それは0.3~3.0mmである。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は最大寸法、d、を有し、それは0.3~1.2mmである。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は、最大寸法、d、を有し、それは0.5~1.0mmである。いくつかの実施形態において、コルク粒子12のうちの少なくとも90%(粒子の重量で、体積で、または数で)は、最大寸法、d、を有し、それは0.5~3.0mmである。いくつかの実施形態において、コルク粒子12のうちの少なくとも90%(粒子の重量で、体積で、または数で)は、最大寸法、d、を有し、それは0.5~1.0mmである。いくつかの実施形態において、コルク粒子12のうちの少なくとも95%(粒子の重量で、体積で、または数で)は、最大寸法、d、を有し、それは0.5~1.0mmである。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は、1.0mm以下の直径をそれぞれ有する円形の開口部または1.0mm以下の対角の角と角との間隔を有する長方形の開口部を備えるふるい(例えば、機械的なふるい)によって選り分けられる。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は、2.0mm以下または3.0mm以下の直径を有する円形の開口部または2.0mm以下または3.0mm以下の対角の角と角との間隔を有する長方形の開口部を備えるふるい(例えば、機械的なふるい)によって選り分けられる。
【0042】
いくつかの実施形態において、コルク粒子12は低密度コルクを備える。コルク粒子12は、45kg/m~65kg/mの密度を有し得る。コルク粒子12は51kg/m~57kg/mの密度を有し得る。いくつかの実施形態において、コルク粒子12のうちの少なくとも90%(粒子の重量で、体積で、または数で)は、51kg/m~57kg/mの密度を有する。いくつかの実施形態において、コルク粒子12のうちの少なくとも95%(粒子の重量で、体積で、または数で)は、51kg/m~57kg/mの密度を有する。
【0043】
いくつかの実施形態において、コルク粒子12は5%~11%の湿度を有する。
ステップ120において、ポリマー14の分散物16はコルク粒子12と分散物16との混合物を形成するためにコルク粒子12が存在する容積18に添加される。ポリマー14の分散物16は、コルク粒子12が存在する容積18に様々な技術を使用して添加され得る。いくつかの実施形態において、図3Aに示されるようにポリマー14の分散物16は、容積18内に噴霧される(例えば、圧力噴霧器で)。
【0044】
いくつかの実施形態において、ポリマー14は、熱可塑性エラストマからなるか、またはから構成される。例えば、ポリマー14はスチレンブロックコポリマーからなるか、またはから構成され得る。いくつかの実施形態において、ポリマー14はスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなるか、またはから構成され得る。いくつかの実施形態において、ポリマー14はスチレン-ブタジエン-スチレンポリマー、スチレン-ブチレン-スチレンポリマー(例えば、RAPLAN(商標))、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンポリマー、熱可塑性オレフィンポリマー、熱可塑性ポリウレタン、いくつかの他の適切な熱可塑性エラストマおよび/またはそれらの熱可塑性エラストマの組み合わせからなるか、またはから構成される。
【0045】
いくつかの実施形態において、ポリマー14はバイオポリマーからなるか、またはから構成される。例えば、いくつかの実施形態において、ポリマー14は、コーン系ポリマー、藻類油系ポリマー、エタノール系ポリマー、いくつかの他の適切なバイオポリマーおよび/またはそのようなバイオポリマーの組み合わせからなるか、またはから構成される。いくつかの実施形態において、ポリマー14は、バイオポリマー熱可塑性エラストマからなるか、またはから構成される。いくつかの実施形態において、ポリマー14は、Dryflex Green(商標)、Terraprene(商標)、いくつかの他の適切なバイオポリマー熱可塑性エラストマおよび/またはそれらのバイオポリマー熱可塑性エラストマの組み合わせからなるか、またはから構成される。
【0046】
いくつかの実施形態において、ポリマー14はソフトタッチ、マット仕上げ、光沢なし、またはサテン仕上げの熱可塑性エラストマである。
いくつかの実施形態において、ポリマー14は、破壊(例えば、破断)前に元の長さの200%~300%の伸長が可能である。いくつかの実施形態において、ポリマー14は、破壊(例えば、破断)前に元の長さの500%より大きい伸長が可能である。いくつかの実施形態において、ポリマー14は、破壊(例えば、破断)前に元の長さの1000%より大きい伸長が可能である。いくつかの実施形態において、ポリマー14は破壊(例えば、破断)前に元の長さの1300%より大きい伸長が可能である。
【0047】
いくつかの実施形態において、ポリマー14は、コルク複合材料5の所望の特徴に基づいて選択され得る。例えば、ポリマー14はコルク複合材料5のデュロメータ、弾性、圧縮強度、引張強度、密度、緩衝効率、エネルギリターン、衝撃吸収、振動減衰、耐久性、剛性、成形温度などを合わせるように選択され得る。
【0048】
ポリマー14の分散物16は、任意の適切な分散物を備え得る。例えば、ポリマー14の分散物16は、溶媒系(例えば、トルエン系)分散物、油系(例えば、鉱物油系)分散物および/または水系分散物であり得る。ポリマー14の分散物16は任意の適切な方法において調製され得る。いくつかの実施形態において、水系分散物は、環境的な理由で用いられる。
【0049】
ポリマー14の分散物16は、化学的プロセスまたは機械的プロセスによって製造され得る。例えば、分散物16の製造のための非限定的で例示的な化学的プロセスは、ポリマー14が水と混合され得るように、ポリマー14を溶解するための溶媒を用いることを含む。溶媒は、その後、水系分散物を残すように、混合物から除去または分離され得る。あるいは、分散物16の製造のための非限定的で例示的な機械的プロセスは、高せん断分散混合を使用することを含む。任意選択的に、ポリマー14の分散物16は、さらなる粒子サイズ縮小および均質化のためにインラインホモジナイザによって処理され得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、40重量%~60重量%の水および40重量%~60重量%のポリマー14の組成を有する水性ポリマー14の分散物16が用いられ得る。いくつかの実施形態において、45重量%~55重量%の水および45重量%~55重量%のポリマー14の組成を有する水性ポリマー14の分散物16が用いられ得る。いくつかの実施形態において、おおよそ50重量%の水および50重量%のポリマー14の組成を有する水性ポリマー14の分散物16が用いられ得る。
【0051】
ステップ120においてコルク粒子12を含む容積18に添加されるポリマー14の分散物16の量は、様々な要因に依存し得る。例えば、ステップ120においてコルク粒子12に添加されるポリマー14の分散物16の量は、ポリマー14の分散物16のいずれかが既にコルク粒子12に添加されたかどうか、コルク複合材料5の所望の組成、容積18または容器20の内側の温度、コルク粒子12に添加されたポリマー14の以前の層の含水量、および/または同様のものに依存し得る。いくつかの実施形態においてポリマー14の分散物16は、コルク粒子12が望ましくなく凝集し始めて塊を形成するまで、コルク粒子12に添加される。
【0052】
塊は、個別にコーティングされる代わりに、またはそれに加えて、一緒にグループ化されて全体としてポリマー14でコーティングされた複数のコルク粒子12を備え得る。塊は方法100のうちの様々なステップにおいて形成され得る。塊100の発生は加工温度、材料の流量、水分/湿度レベルなどの(自動的におよび/または手動で)監視および制御によって最小化され得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、塊は方法100中(例えば、ステップ130、140、150のうちの1つ以上の後または間)または方法100の終わりに除去される。例えば、方法100の最終産物(または、ステップ130、140、150のうちの1つ以上における方法100の中間産物)は、メッシュスクリーン(または、ふるい)を通り抜け、それによって塊が除去される。いくつかの実施形態において、メッシュスクリーンは、1.0mm、2.0mm、2.5mmまたは3.0mmの直径(円形の開口部)、または、対角の角と角との寸法(長方形の開口部)の開口部を有し得る。メッシュスクリーンの開口部のサイズは、方法100において用いられるコルク粒子12のサイズおよび方法100中にコルク粒子12にコーティングされるポリマー14の量に依存し得る。方法100中の中間ステップで塊が除去された場合、後のステップにおいて添加されるポリマー14の分散物の量を調整すること、および/または、取り除かれる塊を収容するための容積18または容器20に置換粒体10を添加することが望ましいことがある。
【0054】
除去された後、本明細書にさらに記載されるように塊は再加工、再利用および/またはリサイクルされる。
ステップ130において、コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物が撹拌される。いくつかの実施形態において、ステップ130の撹拌はステップ120の前に開始され得、コルク粒子12はポリマー14の分散物16が添加される前および/または間に撹拌される。これは必須ではない。ステップ130は、ステップ120中または後に始めることができる。コルク粒子12および/またはポリマー14の分散物16は様々な技術を使用して撹拌され得る。例えば、容積18または容器20は、コルク粒子12およびポリマー14の分散物16を撹拌するように回転され、振動され、交互に旋回され、および/または、振盪され得る。代わりにまたは加えて、コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物を撹拌するように、気体(例えば、空気)を容積18または容器20を通して強制的に流れさせてよい。容積18がパンコーティングドラムによって提供される場合、コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物を撹拌するようにドラムは回転され得るか、または交互に旋回され得る。コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物の撹拌は、ステップ140の前に終わることができるか、またはステップ140、150、および160のうちの1つ以上にわたって続くことができる。例えば、いくつかの実施形態において、コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物は、方法100の間、連続的に撹拌される。
【0055】
ステップ140において、コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物は加熱され得る。様々な熱源がコルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物を加熱するために用いられ得る。例えば、容器20は、加熱コイルを備え得るか、または加熱コイル、バーナ、または別の適切な熱源の上方に設置され得る。あるいは、1つ以上の送風機、ファンおよび/または同様のものを使用して加熱気体(例えば、空気)を容積18または容器20を通して強制的に流れさせてよい。
【0056】
コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物は、いくつかの実施形態において少なくとも60℃、いくつかの実施形態において少なくとも65℃、またはいくつかの実施形態において少なくとも70℃の温度に加熱され得る。コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物は、いくつかの実施形態において60℃~75℃の温度に加熱され得る。混合物が加熱される温度は、ポリマー14の組成物に依存し得る。例えば、混合物が加熱される温度はポリマー14のガラス転移温度および/または融点に依存し得る。特に、混合物が加熱される温度は、ポリマー14の硬い相のガラス転移温度よりも低いことが望ましい場合がある。いくつかの実施形態において、容器20自体の表面(例えば、容積18を画定する表面)は、コルク粒子とポリマー14の分散物16との混合物の温度を超えないことが望ましい。
【0057】
コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物が加熱されると、水性分散物16からの水(または溶媒)は蒸発し得、それによって容積18内(例えば、容器20のキャビティ内)の湿度が一時的に増加または比較的高いままになることを引き起こす。コルク粒子12と分散物16との混合物内の水性分散物16からの水の量が減少すると(かつ水分が容積18を離れると)、容積18内の湿度が減少し得る。容積18内の湿度の減少は、分散物16から十分な水がコルク粒子12と分散物16との混合物から除去されたことの指標であり得る。コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物から全てのまたは実質的に全ての水を除去することは、ポリマー14にコーティングされたか、または包まれたコルク12の被覆粒子をもたらし得る。いくつかの実施形態において、コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物は、その混合物から全てのまたは実質的に全ての水が蒸発するまで加熱される。いくつかの実施形態において、コルク粒子12とポリマー14の分散物16との混合物は、容積18または容器20内の湿度が閾値(例えば、10%、5%、2%または1%の湿度)未満、または、閾値(例えば、10%、5%または0%の湿度)になるまで加熱される。例えば、湿度センサは、容積18または容器20内の局所湿度の決定のために提供され得、湿度が閾値以下に到達したことを湿度センサが読み取ったときに、熱源はオフにされ得るか、または容器20から取り除かれ得る。
【0058】
ステップ150において、コルク12の被覆粒子は冷却される。いくつかの実施形態において、コルク12の被覆粒子は55℃より低いか、または50℃より低い温度に冷却される。いくつかの実施形態において、コルク12の被覆粒子は、40℃~55℃の温度に冷却される。いくつかの実施形態において、コルク複合材料粒体10は室温に冷却される。コルク12の被覆粒子は、任意の適切な技術、例えば、適切な受動的な技術または適切な能動的な技術などを使用して冷却され得る。いくつかの実施形態において、コルク12の被覆粒子は、容積18を通るかまたは容積18内の空気の流れによって冷却される。いくつかの実施形態において、コルク12の被覆粒子は撹拌されながら空気の流れによって冷却される。
【0059】
いくつかの実施形態において、コルク複合材料5の各コルク粒子12の外側表面は完全に(例えば、100%)ポリマー14に覆われるか、コーティングされるか、または包まれる。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は、ステップ160において閾値を満たすまでステップ120~150を繰り返すことにより、ポリマー14の複数の層に覆われるか、コーティングされるか、または包まれる。1つの層は、ステップ120~150の単一の出現中のコルク粒子12にコーティングされたポリマー14の別個の分量として定義される。いくつかの実施形態において、個々の層は、方法100の後、視覚的に(および/または別の方法で)識別可能である。他の実施形態において、複数の層のそれぞれは、他の層から視覚的に(および/または別の方法で)識別可能ではない。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は、ポリマー14の5~12の層に覆われるか、コーティングされるか、または包まれる。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は、ポリマー14の10~12の層に覆われるか、コーティングされるか、または包まれる。いくつかの実施形態において、コルク粒子12は、異なるポリマー14の複数の層に覆われるか、コーティングされるか、または包まれる。例えば、ポリマーのうちの各層は、先述のポリマーのうちの任意の1つからなり得る。さらに、ポリマーの内側の層のいくつか(例えば、粒体10のポリマーの最外層ではない)は、熱硬化性樹脂ポリマーまたは別の適切なポリマーからなり得る。
【0060】
ステップ160において、(1)閾値を満たし、かつ、方法100が完了するか、または(2)閾値を満たさず、かつ、方法100は、ポリマー14の追加の層によってコルク粒子12をコーティングすることを始めるようにステップ120に戻るかどうかが決定される。いくつかの実施形態において、ステップ160における閾値は、少なくとも部分的にコルク複合材料5の所望の組成に基づく。例えば、ブロック160の閾値は、コルク材料5の所望の組成または各コルク粒子12上にコーティングされるポリマー14の所望の厚さであり得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、ブロック160の閾値は、70体積%~90体積%のコルク粒子12を含む組成のコルク複合材料5であり得る。いくつかの実施形態において、ブロック160の閾値は、75体積%~85体積%のコルク粒子12を含む組成のコルク複合材料5であり得る。いくつかの実施形態において、ブロック160の閾値は、コルク複合材料5の組成が80体積%~90体積%のコルク粒子12であることであり得る。いくつかの実施形態において、ブロック160の閾値は、コルク複合材料5の組成が50重量%~80重量%のポリマー14であることであり得る。いくつかの実施形態において、ブロック160の閾値は、コルク複合材料5の組成が70重量%~80重量%のポリマー14であることであり得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、ブロック160の閾値に用いられるコルク複合材料5の組成は、コルク複合材料5の所望の特徴に基づいて選択され得る。例えば、コルク複合材料5の組成は、コルク複合材料5のデュロメータ、弾性、圧縮強度、引張強度、密度、緩衝効率、エネルギリターン、衝撃吸収、振動減衰、耐久性、剛性、成形温度などを適合させるために選択され得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、ブロック160の閾値は、各コルク粒子12をコーティングするポリマー14の厚さtであり得る。例えば、ポリマー14のそのような閾値厚さtは、例えば、100μm~350μm、100μm~125μm、150μm~200μm、150μm~300μmまたは200μm~250μmであり得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、一定量のポリマー14の分散物16は、方法100内でステップ120が出現する度にコルク粒子12に添加され得る。これは必須ではない。他の実施形態において、コルク粒子12に添加されるポリマー14の分散物16の量は、方法100内のステップ120の異なる出現で可変であり得る。いくつかの実施形態において、コルク粒子12に添加されるポリマー14の分散物16の量は、方法100内のステップ120の引き続く出現により減少し得る(例えば、連続的に、または段階的に)。
【0065】
例えば、例示的な非限定的なシナリオにおいて、70重量%のポリマー14および30重量%コルク粒子12の組成を有する10kgのコルク複合材料5を有することが望まれ得る。この例示的なシナリオにおいて、ポリマー14の分散物16は、50重量%の水および50重量%のポリマー14である。この例示的なシナリオにおいて、14kgのポリマー14の分散物16は、所望の組成を達成するようにコルク粒子12に添加される。1.4kgのポリマー14の分散物16は10回繰り返されるそれぞれのステップ120~150の間に、コルク粒子12に添加され得るが、必須ではない。例えば、ポリマー14の分散物16は、以下のスケジュールにしたがってコルク粒子12に添加され得る。
【0066】
【表1】

ポリマー14の分散物16(例えば、14kg)の総重量全体が添加され、ステップ160における閾値を満たすまで、このスケジュールに従うことができる。特に、ステップ120の最後の発生中、どの程度の量が残っているかに応じて、ポリマー14の分散物16の総重量の5%未満の量を添加することが実行可能である。しかしながら、各ステップ120におけるコルク粒子12に添加されるポリマー14の分散物16の量のスケジュールの一例が表1に提供されるが、異なるスケジュールが実行可能かつ推定可能であることを理解されたい。特に、ステップ120におけるコルク粒子12に添加されるポリマー14の分散物16の量の任意のスケジュールは、コルク複合材料5の所望の組成物、ポリマー14の組成物、コルク粒子12のサイズ、容積18または容器20の内側の温度、ポリマー14の分散物16がコルク粒子12に添加される速度、観察される凝集度、方法100中に容積18から除去される塊の量、混合物の飽和点などに依存し得る。
【0067】
方法100は手動で、自動で、または手動プロセスと自動プロセスとのいくつかの組み合わせによって実施され得る。図3Bは、方法100のステップのうちの一部または全部を実施するための自動化されたシステム200の概略的な図である。システム200は、コントローラ210を備える。コントローラ210は、容積18に接続された複数のセンサからのフィードバックを受け取り得る。例えば、コントローラ210は、容積18内の湿度を監視する湿度センサ220、容積18の物理的な撹拌を監視する撹拌センサ230、および容積18(および/またはコルク粒子12および/または粒体10および/または分散物16)の温度を測定する温度センサ240のうちの1つ以上からのフィードバックを受け取り得る。コントローラ210は、容積18の内容物の加熱(または冷却)のための熱源250および容積18の内容物を撹拌するための撹拌源260のうちの1つ以上にコマンドを提供するように(例えば、ステップ130を実施するように)、本明細書の方法100にしたがってそのようなフィードバックを処理し得る。示されていないが、いくつかの実施形態において、システム200は、塊を取り除くため、コルク粒子12の事前処理のため、容積18にポリマー14の分散物16を添加するため、被覆粒子を冷却させるためなどの自動化された構成要素を含んでよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、ステップ140において、コントローラ210は、熱源250を作動させ得、湿度センサ220および温度センサ240のうちの1つまたは両方を監視する。容積18内の湿度が閾値以下であることをコントローラ210が決定した場合、コントローラ210は、方法100のステップ140にしたがって、熱源250への信号をオフにし得る。別の例として、コントローラ210は、コルク粒子12と分散物16との混合物が十分に冷却されているかどうかを決定するようにステップ150において温度センサ240からのフィードバックを監視し得る。同様に、コントローラ210は、ステップ160の閾値を満たすかどうか決定し得る。ステップ160の閾値を満たす場合、コントローラ210は、自動化されたシステムにステップ120にしたがって容積18に分散物16を添加し始めるようにさせるか、またはコントローラ210は、操作者にステップ120にしたがって分散物16が添加されるべきだということを視覚的および/または可聴の信号を提供し得る。
【0069】
方法100の終了時に、複数のコルク複合材料粒体10が提供され得る。コルク複合材料粒体10は、様々な構造物を製造するように処理され得る。例えば、コルク複合材料5は(例えば、適切な熱成形技術を使用して)、履物(例えば、中敷、内底、外底など)、家具のシートクッション、スポーツ用品(例えば、自転車シート、エアレス自転車タイヤ、自転車ハンドルグリップ、ゴルフクラブグリップ、スキーポールグリップ、テニスラケットグリップ、ラケットボールなど)、アクセサリ(例えば、リストバンド、時計ストラップ、ベルト、バックパックのパッド、電話ケース、ウェアラブル機器のパッドまたはクッションなど)、ヘッドホン、ゴーグル、眼鏡などに用いられ得る。コルク複合材料5はまた、自動車産業または航空宇宙産業において用いられ得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、コルク複合材料5またはコルク複合材料粒体10は、加熱成形、加熱圧縮成形、および/または同様のものを使用して様々な構造を製造するように処理され得る。有益なことに、コルク複合材料5は、従来の熱硬化性樹脂と同様の条件下でそのような加工方法を使用して処理され得る。特に、本発明者らは、ラテックス系コルク複合材料およびポリウレタン系コルク複合材料の加工に一般に使用される既存の標準的な製造方法および装置と比較して改善された(例えば、減少された)温度および加熱サイクル回数の、ラテックス系コルク複合材料およびポリウレタン系コルク複合材料の加工に一般に使用される既存の標準的な製造方法および装置を使用してコルク複合材料5が処理され得ることを観察した。
【0071】
例えば、図4に概略的に示されるように、ポリマー14に包まれたコルク粒子12を備える複数の粒体10は、金型24内に挿入され得る。金型24内の粒体10に熱および/または圧力を適用することにより、成形コルク複合材料26が形成される。成形コルク複合材料26は、ポリマー14のポリマーマトリックス22に埋め込まれたコルク粒子12を備え得る。成形コルク複合材料26の密度および成形コルク複合材料26に付随する性質(例えば、デュロメータ、弾性、圧縮強度、引張強度、緩衝効率、エネルギリターン、衝撃吸収、振動減衰、耐久性、剛性/弾性、成形温度など)は、金型内に配置されるコルク複合材料粒体10の質量を増加または減少させることによって変化させることができる。例えば、金型内に配置されるコルク複合材料粒体10の質量を増加させることによって、成形コルク複合材料26の密度およびデュロメータは増加され得る。同様に、金型内に配置されるコルク複合材料粒体10の質量を減少させることによって、成形コルク複合材料26の密度およびデュロメータは減少され得る。
【0072】
ポリマーマトリックス22およびコルク粒子12は所望の性質のあるコルク複合材料5を提供するように共に作用し得る。参照のために、以下の表は未加工のコルクおよび熱可塑性エラストマの典型的な材料の性質を提供する。
【0073】
【表2】

コルク複合材料5は、少なくとも部分的にコルク粒子12に起因する、低密度、良好なエネルギ吸収、良好な圧縮強度、所望の美観(例えば、コルク様の美観)および/または良好な弾性を示し得る。同時に、コルク複合材料5は、少なくとも部分的にポリマーマトリックス22に起因する良好な可撓性および耐久性を示し得る。例えば、図5から分かるように、コルク複合材料がX方向に引き伸ばされると、所望の弾性特徴を有する(例えば、天然コルクと比べて、比較的低い弾性係数および高い弾性)ポリマーマトリックス22は、コルク粒子12が損傷を受けない間、伸長される。
【0074】
有利には、コルク複合材料5(本明細書に説明された望まれない塊を含む)はリサイクルおよび/または再使用され得る。例えば、ポリマー14の融点を超えてコルク複合材料5を加熱することにより、コルク複合材料5をコルク複合材料粒体10に戻す、および/または、コルク複合材料5を所望されるように再成形することが可能であり得る。加えて、または代わりに、コルク複合材料5をポリマー14の融点を超えて加熱し、コルク複合材料5を撹拌(例えば、遠心を使用して)することにより、リサイクルのために所望されるようにコルク粒子12をポリマー14から機械的に分離することが可能であり得る。任意選択的に、リサイクルされたコルク粒子12は、そのようなリサイクルされたコルク粒子12の密度を減少するように真空減圧および/または加熱にさらされ得る。
【0075】
方法100を使用して作られたコルク複合材料5は、従来のコルク複合材料および天然コルク材料よりも、より可撓性があり、より耐久性があり、より柔らかいことが分かっている。特に、方法100を使用して作られたコルク複合材料5は、履物に一般的に使用される合成発泡体材料に匹敵する可撓性、耐久性、および柔らかさを示すことが分かっている。
【0076】
第三者試験会社は、コルク複合材料5および履物の中敷として一般的に使用される様々な合成発泡体の初期試料のいくつかの試験を実施するために雇用された。図6~12Bは、アスカーC40、アスカーC50、アスカーC60、アスカーC70、およびアスカーC80のデュロメータを有するコルク複合材料5の試料、ならびに、第1EVA発泡体、PEBA発泡体、TPU発泡体および第2EVA発泡体の、そのような第三者試験の結果を提示する。
【0077】
図6は、試料のそれぞれの比重を示す棒グラフである。図6から分かるように、コルク複合材料5の試料(図6において「リコルク」として表される)は、第1EVA発泡体、PEBA発泡体、TPU発泡体および第2EVA発泡体(図6において集合的に「参照」として表され、本明細書においてその後「参照発泡体」として表される)よりも高い比重を有する。
【0078】
図7は、試料のそれぞれの応力-ひずみプロットを示す。示されるように、コルク複合材料5の試料の応力-ひずみ曲線は、参照発泡体の応力-ひずみ曲線に類似した形状を有する。しかしながら、所与のひずみにおいて、コルク複合材料5の試料が示す応力は、参照発泡体のそれよりも高い。
【0079】
図8Aは、試料の初期弾性係数、λ、の棒グラフである。初期弾性係数は、低いひずみ(線形弾性)範囲の応力-ひずみ曲線の初期傾斜として、定義される。図8Aから分かるように、低いデュロメータのコルク複合材料5の試料の初期弾性係数は、参照発泡体のそれに匹敵する。図8Bは、試料の平均は、弾性係数、λavg、の棒グラフである。平均弾性係数は、緻密化の開始までの応力-ひずみ曲線の平均傾斜として定義される。
【0080】
図9Aは、試料の圧縮率の棒グラフである。図9Aから分かるように、コルク複合材料5の試料の圧縮率は、参照発泡体のそれに匹敵する。
図9Bは、試料の負荷容量の棒グラフである。図9Bから分かるように、コルク複合材料5の試料の負荷容量は、参照発泡体のそれよりも高い。
【0081】
図10Aは、試料の体積でのエネルギ容量の棒グラフである。図10Aから分かるように、コルク複合材料5の試料の体積でのエネルギ容量は、参照発泡体のそれよりも高い。
【0082】
図10Bは、試料の重量でのエネルギ容量の棒グラフである。図10Bから分かるように、コルク複合材料5の試料の重量でのエネルギ容量は、PBA発泡体を除く参照発泡体のそれに匹敵する。
【0083】
図11Aは、試料のピーク緩衝効率の棒グラフである。図11Aから分かるように、コルク複合材料5の試料のピーク緩衝効率は、参照発泡体のそれに匹敵する。緩衝システムは、結果として生じる負荷をできる限り低く維持しながら、できる限り多くのエネルギを吸収することが必要とされる。緩衝効率は、図11Aに示されるように、吸収されたエネルギあたり産生された応力として定義される。図11Bは、試料のピーク重量効率の棒グラフである。
【0084】
図12Aは、試料のエネルギリターンの棒グラフである。エネルギリターンは、材料が回復するまたは跳ね返るときに戻されるエネルギインプットのパーセンテージとして定義される。図12Bは試料の非線形性の棒グラフである。非線形性は材料の剛性または弾性係数が圧縮率の様々な程度でどのように変化するかの記述子である。
【0085】
履物の最適な緩衝の解決策は、特定の用途に計画または調整させられ得る材料からなる。換言すれば、全ての履物の緩衝の解決策に理想的な単一の組の材料特性が必ずしもあるとは限らない。代わりに、必要に応じて、様々な緩衝解決策に適合させるように材料を適合させられることが望ましい。図6~12Aから分かるように、試験されたコルク複合材料5の様々なバージョンは、類似するが異なる特徴を示す。したがって、本明細書に説明されるようにコルク複合材料5の密度を変化させることで、コルク複合材料5の特徴を調整することを可能にする。このように、コルク複合材料5は、様々な緩衝用途に対して最適な緩衝解決策を提供するように調整または計画され得る。
【0086】
システム、方法、および装置の特定の例は、例示の目的のために本明細書に記載されている。これらは単なる例である。本明細書に提供される技術は、上に記載された例示的なシステム以外にも適用することができる。多くの変更、修正、追加、省略、および入れ替えがこの発明の実施の範囲内で可能である。この発明は、記載された実施形態について、当業者に明らかな変形を含み、それらの変形は、特徴、要素および/または作用を、同等の特徴、要素および/または作用で置換すること、様々な実施形態から特徴、要素および/または作用を混合しマッチングすること、他の技術の特徴、要素および/または作用と本明細書に記載される実施形態からの特徴、要素および/または作用とを組み合わせること、および/または記載された実施形態から特徴、要素および/または作用を組み合わせることを省略することによって得られる。
【0087】
様々な特徴が「いくつかの実施形態」において存在するものとして本明細書に記載される。そのような特徴は必須ではなく、全ての実施形態において存在しなくてよい。本発明の複数の実施形態は、そのような特徴のうちの2つ以上のゼロ、任意の1つ、または任意の組み合わせを含み得る。これは、そのような特徴のうちの特定のものがそのような特徴のうちの他のものと、当業者がそのような互換性のない特徴を組み合わせた実用的な実施形態を構築することは不可能であるという意味で互換性がないという程度でのみ制限される。結果として、「いくつかの実施形態」が特徴Aを有し、かつ、「いくつかの実施形態」が特徴Bを有するという記載は、本発明者らが特徴AおよびBを組み合わせた実施形態をも企図している明示的な表示として解釈されたい(特に記載がなければ、または特徴AおよびBが基本的に互換性がなければ)。
【0088】
いくつかの例示的な態様および実施形態について上述したが、当業者は、それらの特定の修正、入れ替え、追加、およびサブコンビネーションを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲および以下に導入される特許請求の範囲は、全体としての明細書の最も広い解釈と一致するようなすべてのそのような修正、並び替え、追加およびサブコンビネーションを含むとみなされることが意図される。
[付記1] コルク複合材料を加工する方法であって、(a)容積内に複数のコルク粒子を提供することと、(b)熱可塑性エラストマの分散物および前記コルク粒子の混合物を提供するように前記容積に前記熱可塑性エラストマの分散物を添加することと、(c)前記熱可塑性エラストマの分散物と前記コルク粒子との前記混合物を撹拌することと、(d)前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を加熱することと、(e)前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却することとを備える方法であって、ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)は共同して、前記熱可塑性エラストマの第1の層でコーティングされた、複数の被覆コルク粒子をもたらす、方法。
[付記2] (f)熱可塑性エラストマの分散物と前記被覆コルク粒子との混合物を提供するように、前記容積に前記熱可塑性エラストマの分散物を添加することと、(g)前記熱可塑性エラストマの分散物と前記被覆コルク粒子との前記混合物を撹拌することと、(h)前記熱可塑性エラストマと前記被覆コルク粒子との前記混合物を加熱することと、(i)前記熱可塑性エラストマと前記被覆コルク粒子との前記混合物を冷却することとを含む方法であって、ステップ(f)、(g)、(h)、および(i)は共同して、前記熱可塑性エラストマの第2の層でコーティングされた、前記複数の被覆コルク粒子をもたらす、付記1または任意の他の付記に記載の方法。
[付記3] 前記コルク複合材料が30重量%~80重量%の熱可塑性エラストマの組成を有するまで前記複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える付記2または任意の他の付記に記載の方法。
[付記4] 前記コルク複合材料が60重量%~80重量%の熱可塑性エラストマである前記コルク複合材料の組成を有するまで前記複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える付記2または任意の他の付記に記載の方法。
[付記5] 前記コルク複合材料は、70体積%~90体積%のコルク粒子である前記コルク複合材料の組成を有するまで前記複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える付記2または任意の他の付記に記載の方法。
[付記6] 前記コルク複合材料が75体積%~85体積%のコルク粒子の組成を有するまで、前記複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える付記2または任意の他の付記に記載の方法。
[付記7] 前記複数のコルク粒子のそれぞれは、0.5mm~2.0mmの最大寸法を有する付記1~6のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記8] 前記複数のコルク粒子のそれぞれは0.5mm~1.0mmの最大寸法を有する付記1~6のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記9] 粒子数で90%の前記複数のコルク粒子は0.5mm~2.0mmの最大寸法を有する付記1~6のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記10] 粒子数で90%の前記複数のコルク粒子は0.5mm~1.0mmの最大寸法を有する付記1~6のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記11] 前記複数のコルク粒子のそれぞれは2.0mm以下の直径をそれぞれ有する円形の開口部を備えるふるいを通り抜ける付記1~6のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記12] 前記複数のコルク粒子のそれぞれは1.0mm以下の直径をそれぞれ有する円形の開口部を備えるふるいを通り抜ける付記1~6のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記13] 各コルク粒子が前記熱可塑性エラストマの5~12の層に包まれるまで、前記複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える付記1~12のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記14] 各コルク粒子が前記熱可塑性エラストマの10~20の層に包まれるまで、前記複数の被覆コルク粒子のためにステップ(f)、(g)、(h)、および(i)を繰り返すことを備える付記1~12のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記15] 前記熱可塑性エラストマは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンポリマーからなる付記1~14のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記16] 前記熱可塑性エラストマは、スチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる付記1~14のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記17] 前記熱可塑性エラストマは、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる付記1~14のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記18] 前記熱可塑性エラストマは、スチレン-ブタジエン-スチレンポリマーからなる付記1~14のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記19] 前記熱可塑性エラストマは、バイオポリマーからなる付記1~14のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記20] 前記熱可塑性エラストマは、コーン系バイオポリマーからなる付記1~14のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記21] 前記熱可塑性エラストマは、藻類油系バイオポリマーからなる付記1~14のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記22] 前記熱可塑性エラストマは、エタノール系バイオポリマーからなる付記1~14のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記23] 熱可塑性エラストマの分散物を前記容積に添加することは、前記熱可塑性エラストマの分散物を前記容積内に噴霧することからなる付記1~22のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記24] 前記容積は、回転ドラムのキャビティによって画定され、前記熱可塑性エラストマの分散物と前記コルク粒子との前記混合物を撹拌することは前記熱可塑性エラストマの分散物と前記コルク粒子との前記混合物を前記回転ドラム内で混合することからなる付記1~23のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記25] 前記熱可塑性エラストマの分散物は、熱可塑性エラストマの水性分散物からなる付記1~24のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記26] 前記熱可塑性エラストマの分散物は熱可塑性エラストマの油系分散物からなる付記1~24のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記27] 前記熱可塑性エラストマの分散物は、熱可塑性エラストマの溶媒系の分散物からなる付記1~24のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記28] 熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を加熱することは前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を少なくとも60℃に加熱することを備える付記1~27のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記29] 前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子を加熱することは、前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を少なくとも65℃に加熱することを備える付記1~27のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記30] 前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を加熱することは前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を少なくとも70℃に加熱することを備える付記1~27のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記31] 前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を加熱することは、前記容積内の湿度が10%未満まで前記熱可塑性エラストマの前記混合物を加熱することを備える付記1~30のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記32] 前記熱可塑性エラストマの前記混合物と前記コルク粒子の前記混合物とを加熱することは、前記容積内の湿度が5%未満まで前記熱可塑性エラストマを加熱することを備える付記1~30のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記33] 前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却させることは、55℃未満に前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却することからなる付記1~32のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記34] 前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却させることは50℃未満に前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却させることを備える付記1~32のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記35] 前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却することは、前記容積内に空気を吹き込むことにより、前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を能動的に冷却することからなる付記1~34のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記36] 前記熱可塑性エラストマの分散物を前記容積に添加しながら前記熱可塑性エラストマの分散物と前記コルク粒子との前記混合物を撹拌することを含む付記1~35のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記37] 前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を加熱しながら前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を撹拌し続けることを含む付記1~36のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記38] 前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を冷却しながら前記熱可塑性エラストマと前記コルク粒子との前記混合物を撹拌し続けることを含む付記1~37のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記39] 前記熱可塑性エラストマの分散物の前記混合物を前記コルク粒子に添加することは、前記熱可塑性エラストマの分散物の前記混合物を前記容積に対して1.25:1~5:1の重量比率でコルク粒子を熱可塑性エラストマの分散物に添加することからなる付記1~38のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記40] ステップ(b)では、第1の量の前記熱可塑性エラストマの分散物が前記容積に添加され、ステップ(f)では、第2の量の前記熱可塑性エラストマの分散物が前記容積に添加され、前記第2の量は前記第1の量よりも少ない付記1~39のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法。
[付記41] 前記第2の量は、前記第1の量より12重量%~40重量%少ない、付記40または任意の他の付記に記載の方法。
[付記42] 付記1~41のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載の方法を備える、履物の中敷の少なくとも一部を加工する方法。
[付記43] 履物の中敷の少なくとも一部を形成するように前記複数の被覆コルク粒子を鋳型内に導入することを含む付記42または任意の他の付記に記載の方法。
[付記44] 前記鋳型内の前記複数の被覆コルク粒子に圧力を適用することを含む付記43または任意の他の付記に記載の方法。
[付記45] 前記鋳型内の前記複数の被覆コルク粒子に熱を適用することを含む付記43または44に記載の方法。
[付記46] 複数のコルク粒子を備えるコルク複合材料であって、各コルク粒子は熱可塑性エラストマ内に包まれる、コルク複合材料。
[付記47] 前記複数のコルク粒子のそれぞれは0.5mm~2.0mmの最大寸法を有する付記46または任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記48] 前記複数のコルク粒子のそれぞれは0.5mm~1.0mmの最大寸法を有する付記46または任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記49] 前記複数のコルク粒子のうち、コルク粒子数で90%は0.5mm~2.0mmの最大寸法を有する付記46または任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記50] 前記複数のコルク粒子のうち、コルク粒子数で90%は0.5mm~1.0mmの最大寸法を有する付記46または任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記51] 前記複数のコルク粒子のそれぞれは、各開口部が2.0mm以下の直径を有する円形の開口部を備えるふるいを通り抜ける付記46または任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記52] 前記複数のコルク粒子のそれぞれは、各開口部が1.0mm以下の直径を有する円形の開口部を備えるふるいを通り抜ける付記46または任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記53] 前記コルク複合材料の組成が50重量%~80重量%の熱可塑性エラストマである、付記46~52のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記54] 前記コルク複合材料の組成が70重量%~80重量%の熱可塑性エラストマである、付記46~52のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記55] 前記コルク複合材料の組成が70体積%~90体積%のコルク粒子である付記46~52のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記56] 前記コルク複合材料の組成が75体積%~85体積%のコルク粒子である付記46~52のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記57] 各コルク粒子は、複数の層の前記熱可塑性エラストマに包まれる付記46~56のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記58] 各コルク粒子は、10~20の層の前記熱可塑性エラストマに包まれる付記46~56のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記59] 各コルク粒子は、5~12の層の前記熱可塑性エラストマに包まれる付記46~56のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記60] 前記熱可塑性エラストマはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる付記46~59のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記61] 前記熱可塑性エラストマは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンポリマーからなる付記46~60のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記62] 前記熱可塑性エラストマはスチレン-ブタジエン-スチレンポリマーからなる付記46~60のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記63] 前記熱可塑性エラストマはスチレン-ブチレン-スチレンポリマーからなる付記46~60のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記64] 前記熱可塑性エラストマはバイオポリマーからなる付記46~60のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記65] 前記熱可塑性エラストマは、コーン系バイオポリマーからなる付記46~60のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記66] 前記熱可塑性エラストマは藻類油系バイオポリマーからなる付記46~60のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記67] 前記熱可塑性エラストマはエタノール系バイオポリマーからなる付記46~60のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記68] アスカーC20~アスカーC80のデュロメータを有する付記46~67のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記69] アスカーC40~アスカーC80のデュロメータを有する付記46~67のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記70] 1.0Mpa~5.0MPaの平均弾性係数を有する付記46~69のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記71] 1.41MPa~4.06MPaの平均弾性係数を有する付記46~69のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記72] 0.20gm/cm -3 ~0.47gm/cm -3 の比重を有する付記46~71のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記73] 0.29gm/cm -3 ~0.47gm/cm -3 の比重を有する付記46~71のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記74] 43%~46%のエネルギリターンの割合を有する付記46~73のうちのいずれか1つまたは任意の他の付記に記載のコルク複合材料。
[付記75] 本特許請求の範囲に記載されるか、またはそれから推論可能である任意の特徴、特徴の組み合わせ、および/または、特徴のサブコンビネーションを備える方法。
[付記76] 本特許請求の範囲に記載されるか、またはそれから推論可能である任意の特徴、特徴の組み合わせ、および/または、特徴のサブコンビネーションを備える装置。
[付記77] 本特許請求の範囲に記載されるか、またはそれから推論可能である任意の特徴、特徴の組み合わせ、および/または、特徴のサブコンビネーションを備えるキット。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B