(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】試料チューブ用ラック
(51)【国際特許分類】
G01N 1/10 20060101AFI20240408BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
G01N1/10 N
C12M1/00 A
(21)【出願番号】P 2021533557
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(86)【国際出願番号】 US2019065363
(87)【国際公開番号】W WO2020123437
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-11-10
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ローハン ダニエル ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ダビエ アレキサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ラオ ロヒニ
(72)【発明者】
【氏名】リーチ シャロン
(72)【発明者】
【氏名】レンツ アモン デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ラチャンス スティーブン
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0376137(US,A1)
【文献】米国特許第05579928(US,A)
【文献】特表2013-536948(JP,A)
【文献】米国特許第04787523(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/10
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料チューブを保持するための装置であって、
試料チューブを受け入れるように構成された開口部を含む試料チューブホルダと、
ヒンジ板とヒンジ支持体とを有するヒンジアセンブリであって、前記ヒンジ板が、第1の構成と第2の構成との間で前記ヒンジ支持体に対して摺動及びピボット運動するように構成され、前記ヒンジ板が、前記第1の構成では前記開口部での前記試料チューブの挿入を許すように位置決めされ、前記ヒンジ板が、前記第2の構成では前記試料チューブホルダ内の前記試料チューブの垂直移動を制限するように位置決めされる前記ヒンジアセンブリと、
を備え
、
前記ヒンジアセンブリの前記ヒンジ板は、前記第2の構成において、前記試料チューブのキャップの領域をピペット先端に対して塞ぐことなく、前記キャップの円周の一部分を覆う、
装置。
【請求項2】
前記ヒンジ板に結合されたスライドロックを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スライドロックは、ヒンジピンに対して摺動及びピボット運動するように構成され、
前記ヒンジピンは、前記ヒンジ支持体に結合される、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記スライドロックを前記ヒンジ支持体の内面に対して付勢するように構成されたバネを更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
試薬ハウジングを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記試料チューブホルダと前記試薬ハウジングとが結合される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ヒンジ支持体と前記試薬ハウジングとが結合される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記試料チューブホルダは、複数の試料チューブを受け入れるように構成された複数の開口部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記試料チューブホルダは、前記試料チューブを受け入れるように構成された2つの開口部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記開口部は、前記試料チューブが前記試料チューブホルダに受け入れられたときに、前記試料チューブを水平方向に拘束する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ヒンジ板は、前記試料チューブホルダ内の前記試料チューブの垂直移動を制限するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ヒンジ板は、前記ヒンジ板の縁部に沿って小陥凹を備え、
前記小陥凹は、前記試料チューブのキャップの上に横たわるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ヒンジ板は、前記ヒンジ板の縁部に沿って大陥凹を備え、
前記大陥凹は、試料チューブが前記試料チューブホルダから取り出される又は前記試料チューブホルダの中に挿入されることを可能にするように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記試料チューブを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ヒンジ板に対して相対的に位置決めされた自己ロッキングタブを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
試料チューブホルダの開口部の中に試料チューブを挿入する段階と、
ヒンジ支持体に対してヒンジ板をピボット運動させる段階と、
前記ヒンジ板をピボット運動させた状態で前記ヒンジ支持体に対して摺動させる段階であって、前記ヒンジ板が、前記試料チューブホルダ内の前記試料チューブの垂直移動を制限するように構成される前記摺動させる段階と、
を有
し、
前記ヒンジ板は、第2の構成において、前記試料チューブのキャップの領域をピペット先端に対して塞ぐことなく、前記キャップの円周の一部分を覆う、
方法。
【請求項17】
前記ヒンジ板は、バネの付勢力の下で摺動する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ヒンジ板の上面が、前記試料チューブが挿入されるときに前記試料チューブの垂直軸線から離れるように回転させられ、
前記ヒンジ板は、前記試料チューブの前記垂直軸線に対してほぼ垂直であるようにピボット運動させられる、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記試料チューブが前記試料チューブホルダ内であり、かつ前記ヒンジ板がピボット運動及び摺動したときに前記試料チューブの中にピペット先端を挿入する段階を更に有する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記試料チューブが前記試料チューブホルダ内であり、かつ前記ヒンジ板がピボット運動及び摺動したときに前記試料チューブからピペット先端を取り出す段階を更に有する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、2018年12月14日出願の米国仮特許出願第62/779,926号及び2019年8月27日出願の米国仮特許出願第62/892,263号の利益を主張するものであり、この両方は、これによりそれらの全体が引用によって組み込まれる。
【0002】
本明細書に説明する技術は、一般的に、試料及び様々な試薬を保持するためのラックに関する。この技術は、より具体的には、試料から抽出されたポリヌクレオチドを増幅して検出するために生体試料を調製することのような1又は2以上の試薬を用いた予め決められた処理作業を実施するための試料を各々が含有する相補形試料チューブを受け入れて保持する試料チューブホルダに関する。
【背景技術】
【0003】
医療診断業界は、今日の健康管理インフラストラクチャの極めて重要な要素である。しかし、今日では、診断分析は、いかに日常的であっても患者診療での障害になっている。これにはいくつかの理由がある。第1に、多くの診断分析は、非常に専門的な機器を用いてのみ行うことができ、これは、高価であり、かつ熟練臨床医によってのみ運用可能である。そのような機器は、少数の場所にのみ、多くの場合にいずれか所与の都市圏内に僅か1つに見出される。これは、殆どの病院が分析のためにこれらの場所に試料を発送することを要求され、それによって出荷コスト及び搬送遅延、及び潜在的に試料紛失又は手違いさえも招くことを意味する。第2に、当該の機器は、典型的に「オンデマンド」で利用可能ではなく、代わりにバッチで稼働し、それによって多くの試料に対して、それらはそれらを処理することができる前に機械が充填されることを待たなければならないので処理時間が遅延する。
【0004】
試料フローがいくつかの主要段階に分かれることを理解すると、可能な限りこれらの多くを自動化する方法を考案することが望ましいと考えられる。例えば、生体試料は、患者から抽出された状態で、当該のベクターを増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、TMA、SDA、NASBA、LCR、及びローリングサイクル増幅を含むがこれらに限定されない増幅方法を使用することを典型的に含む処理レジームに適する形態に置かなければならない。増幅された状態で、試料からの当該のヌクレオチドの存在は明確に決定される必要がある。PCRのために試料を調製することは、現時点で時間を消費して労働集約的段階であるが、専門技能を必要とするものではなく、有用に自動化することができると考えられる。対照的に、PCR及びヌクレオチドの検出のような段階は、通例的に専門機器へのアクセスを有する専門の訓練を受けた個人の職域内に限られる。
【0005】
試料調製は、必要とされる試薬の数及び複数の液体移送(例えば、ピペット採取)作動の必要性に部分的に起因して労働集約的である。更に、必要とされる試薬は、それらが典型的に互いに異なる取り扱いを必要とし、かつ異なる業者から入手可能であるような十分に多様性のものである。2008年7月14日出願(かつWilson他の名前で「試薬チューブ、試薬ホルダ、及びそれを含有するキット(Reagent Tube, Reagent Holder, and Kits Containing Same)」という名称)で引用によって本明細書に組み込まれている米国特許出願第12/218,416号明細書の出願に説明されているように、試薬を単一ホルダ内に互いに収集して使用に待機させることができる場合であっても、バッチでの使用のためにいくつかの試料チューブ及び試薬ホルダを準備し、かつ試料チューブと試薬ホルダに対して並列に作動することができる液体分注ツールに対してそれらを利用可能にすることができることは有益であると考えられる。Duffy他の名前で2016年2月8日出願の「試料チューブ及び試薬ホルダのためのラック(Rack for Sample Tubes and Reagent Holders)」という名称の米国特許出願第15/017977号明細書もその全体が組み込まれている。
【0006】
本明細書の背景技術の議論は、本明細書に説明する技術の関連を解説するために含まれている。これは、参照する資料のいずれかが公開されたものである、公知である、又はこれらの主張のうちのいずれかの優先日付の時点での共通一般知識の一部であることの承認として解釈しないものとする。
【0007】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、単語「comprise」及び「comprising」及び「comrises」のようなその変形は、他の追加物、構成要素、完全体、又は段階を除外するように意図していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願第12/218,416号明細書
【文献】米国特許出願第15/017977号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一部の実施形態では、試料チューブを保持するための装置を提供する。装置は、試料チューブを受け入れるように構成された開口部を含む試料チューブホルダを含むことができる。装置は、ヒンジ板とヒンジ支持体とを含むヒンジアセンブリを含むことができる。一部の実施形態では、ヒンジ板は、第1の構成と第2の構成の間でヒンジ支持体に対して摺動及びピボット運動するように構成される。一部の実施形態では、ヒンジ板は、第1の構成では開口部での試料チューブの挿入を許すように位置決めされる。一部の実施形態では、ヒンジ板は、第2の構成では試料チューブホルダ内の試料チューブの垂直移動を制限するように位置決めされる。
【0010】
一部の実施形態では、装置は、ヒンジ板に結合されたスライドロックを含むことができる。一部の実施形態では、スライドロックは、ヒンジピンに対して摺動及びピボット運動するように構成され、ヒンジピンは、ヒンジ支持体に結合される。一部の実施形態では、装置は、スライドロックをヒンジ支持体の内面に対して付勢するように構成されたバネを含むことができる。一部の実施形態では、装置は、試薬ハウジングを含むことができる。一部の実施形態では、試料チューブホルダと試薬ハウジングは結合される。一部の実施形態では、ヒンジ支持体と試薬ハウジングは結合される。一部の実施形態では、試料チューブホルダは、複数の試料チューブを受け入れるように構成された複数の開口部を含む。一部の実施形態では、試料チューブホルダは、試料チューブを受け入れるように構成された2つの開口部を含む。一部の実施形態では、開口部は、試料チューブが試料チューブホルダに受け入れられたときに試料チューブを水平方向に抑制する。一部の実施形態では、ヒンジ板は、試料チューブホルダ内の試料チューブの垂直移動を制限するように構成される。一部の実施形態では、ヒンジ板は、ヒンジ板の縁部に沿って小陥凹を備え、小陥凹は、試料チューブのキャップの上に横たわるように構成される。一部の実施形態では、ヒンジ板は、ヒンジ板の縁部に沿って大陥凹を備え、大陥凹は、試料チューブが試料チューブホルダから取り出されること又はその中に挿入されることを可能にするように構成される。一部の実施形態では、装置は、試料チューブを含むことができる。一部の実施形態では、装置は、ヒンジ板に対して位置決めされた自己ロッキングタブを含むことができる。
【0011】
一部の実施形態では、方法を提供する。本方法は、ヒンジ板をヒンジ支持体に対してピボット運動させる段階を含むことができる。本方法は、ピボット運動させた状態で、ヒンジ板をヒンジ支持体に対して摺動させる段階を含むことができ、ヒンジ板は、試料チューブホルダ内の試料チューブの垂直移動を制限するように構成される。
【0012】
一部の実施形態では、ヒンジ板は、バネの付勢力の下で摺動する。一部の実施形態では、ヒンジ板の上面は、試料チューブが挿入されるときに試料チューブの垂直軸線から離れるように回転させられ、ヒンジ板は、試料チューブの垂直軸線とほぼ垂直であるようにピボット運動させられる。本方法は、試料チューブが試料チューブホルダ内であり、かつヒンジ板がピボット運動し摺動したときに、ピペット先端を試料チューブの中に挿入する段階を含むことができる。本方法は、試料チューブが試料チューブホルダ内であり、かつヒンジ板がピボット運動し摺動したときに、ピペット先端を試料チューブから取り出す段階を含むことができる。
【0013】
一部の実施形態では、試料チューブを保持するための装置を提供する。装置は、試料チューブを受け入れるように構成された開口部を含む試料チューブホルダを含むことができる。装置は、ヒンジ板とヒンジ支持体とを含むヒンジアセンブリを含むことができる。一部の実施形態では、ヒンジ板は、第1の構成と第2の構成の間でヒンジ支持体に対して摺動及びピボット運動するように構成される。一部の実施形態では、ヒンジ板は、第1の構成では開口部での試料チューブの挿入を許すように位置決めされる。一部の実施形態では、ヒンジ板は、第2の構成では試料チューブホルダ内の試料チューブの垂直移動を制限するように位置決めされる。
【0014】
一部の実施形態では、装置は、試薬ホルダを受け入れるように構成されたスロットを含む試薬ハウジングを含むことができる。一部の実施形態では、開口部は、スロットと一致するように配置される。一部の実施形態では、試料チューブホルダと試薬ハウジングは結合される。一部の実施形態では、ヒンジ支持体と試薬ハウジングは結合される。一部の実施形態では、試料チューブホルダは、複数の試料チューブを受け入れるように構成された複数の開口部を含む。一部の実施形態では、試料チューブホルダは、試料チューブを受け入れるように構成された2つの開口部を含む。一部の実施形態では、開口部は、試料チューブが試料チューブホルダに受け入れられたときに試料チューブを水平方向に抑制する。一部の実施形態では、ヒンジ板は、試料チューブホルダ内の試料チューブの垂直移動を制限するための力を印加するように構成される。一部の実施形態では、装置は、仕切りを含む受け入れ区画に受け入れられるように構成され、ヒンジ板は、装置が受け入れ区画に受け入れられるときに仕切りによってピボット運動させられる。一部の実施形態では、ヒンジ板は、ヒンジ板の縁部に沿って陥凹を備え、陥凹は、試料チューブのキャップに当接するように構成される。一部の実施形態では、ヒンジ板は、装置が診断装置の中に挿入されるときにピボット運動させられる。一部の実施形態では、装置は、試料チューブを含むことができる。
【0015】
一部の実施形態では、方法を提供する。本方法は、試料チューブを試料チューブホルダの開口部の中に挿入する段階を含むことができる。本方法は、ヒンジ板をヒンジ支持体に対してピボット運動させる段階を含むことができ、ヒンジ板は、試料チューブホルダ内の試料チューブの垂直移動を制限するように構成される。
【0016】
一部の実施形態では、ヒンジ板をピボット運動させる段階は、試料チューブホルダを診断装置の中に挿入する段階を更に含む。一部の実施形態では、ヒンジ板をピボット運動させる段階は、ヒンジ板を診断装置の受け入れ区画内の仕切りに接触させる段階を更に含む。一部の実施形態では、本方法は、試料チューブが試料チューブホルダ内であるときにピペット先端を試料チューブの中に挿入する段階を含むことができる。一部の実施形態では、本方法は、試料チューブが試料チューブホルダ内であるときにピペット先端を試料チューブから取り出す段階を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】試料チューブ及び試薬ホルダのためのラックの第1の実施形態の前面斜視図である。
【
図7】
図1のラックの試料チューブホルダの第1の前面斜視図である。
【
図8】
図7の試料チューブホルダの背面斜視図である。
【
図9】
図1のラックのヒンジアセンブリの前面斜視図である。
【
図13】
図9のヒンジアセンブリの一部分の分解前面斜視図である。
【
図14】
図9のヒンジアセンブリの分解前面斜視図である。
【
図17】診断装置及び
図1のラックの前面斜視図である。
【
図19A】試料チューブ及び試薬ホルダのためのラックの第2の実施形態の前面斜視図である。
【
図19B】試料チューブ及び試薬ホルダのためのラックの第2の実施形態の前面斜視図である。
【
図32】
図27のヒンジアセンブリの一部分の前面斜視図である。
【
図33】
図27のヒンジアセンブリの一部分の前面斜視図である。
【
図34】
図27のヒンジアセンブリの一部分の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書では、ピペット採取作動中に試料チューブホルダからの試料チューブの垂直移動又は持ち上げを防止するように設計されたヒンジアセンブリを説明する。ヒンジアセンブリは、移動可能ヒンジ板に結合されたヒンジ支持体を含むことができる。ヒンジ支持体は静止状態に留まることができ、一部の実施形態ではヒンジ板の運動、例えば、ラックの試薬ハウジングに対するヒンジ板のピボット運動及び摺動運動中にラックの試薬ハウジングに結合された状態に留まる。ヒンジアセンブリは、1又は2以上のヒンジピンを含むことができ、ヒンジ板は、1又は2以上のヒンジピンを通してヒンジ支持体に対してピボット運動するように構成される。一部の使用方法では、ヒンジ板を1又は2以上の試料チューブとの接触状態になるように回転させるためにヒンジ板に力が印加される。一部の実施形態では、ラックを受け入れる受け入れ区画内の仕切りが力を印加することができる。例えば、この力は、ラックが受け入れ区画の中に挿入されてラックが受け入れ区画内の特徴部と物理的に仕切りが印加することができる。
【0019】
ヒンジアセンブリは、1又は2以上の試料チューブを試料チューブホルダ内に確実に拘束する。作動力によって引き起こされる1つの運動が、ヒンジアセンブリをピボット運動及び摺動させ、それによって試料チューブを定位置にロックすることができる。ヒンジ板は、ピボット運動させられて定位置の中に摺動させられた状態で、複数の試料チューブに同時に接触し、それによって試料チューブホルダによって保持された各試料チューブを留めるように設計することができる。ヒンジアセンブリは、ピボット運動及び摺動させられた状態で、ピペット採取作動中に試料チューブが垂直持ち上げを受けることを防止することができ、それによってピペット採取効率が高まる。本明細書でより詳しく説明するように、試料チューブは、ヒンジアセンブリによる1つの運動で確実に一貫して有利に垂直に拘束される。
【0020】
一部の実施形態では、ラックを受け入れ区画内に配置する行為は、同時にヒンジ板をピボット運動及び摺動させて試料チューブを定位置にロックし、それによってラックに対して実施されるその後のピペット採取作動中に試料チューブの移動が防止される。ラックを受け入れ区画の中に降下させる前に、試料チューブを試料チューブホルダの中に容易に装填することができる。ヒンジ板は、複数の試料チューブと接触し、これら複数の試料チューブを試料チューブホルダ内に拘束するためにピボット運動及び摺動させられる。ヒンジ板は、一貫した再現可能な力を試料チューブホルダ内の各試料チューブに印加する。ヒンジ板は、試料チューブの容易な装填及び除荷を可能にし、それによってユーザ過誤、並びにラックを装填及び除荷する時間が最小にされる。
【0021】
本明細書では、特に臨床状況での試料調製に関する様々な目的で試薬及び試料を支持、運搬、及び搬送するためのラックを説明する。ラックは、1又は2以上の試料チューブの配置及び保持を可能にする。ラックは、1又は2以上の対応する試薬ホルダの配置を可能にする。試料チューブ及び試薬ホルダは、ポリヌクレオチド増幅のような試料調製に関する液体分注処理を実施するように配置することができる。このラック配置は、試料間汚染を最小にし、複数の臨床試料から複数の試料調製を直列に又は並列に実施することを可能にすることができる。
【0022】
一部の実施形態では、試料チューブ内の試料は、環境ソース又は生体ソースを含むソースから得られる。一部の実施形態では、試料は、1又は2以上の着目検体を有すると推測される。生体試料は、動物(ヒトを含む)から取得することができ、流体、固体、組織、及びガスを包含する。生体試料は、尿、唾液、及び血漿及び血清などのような血液生成物を含む。試料チューブは、気体、液体、又は固体の試料を受け入れることができる。試料は、血液試料、組織試料(例えば、鼻、頬、肛門、又は膣の組織のようなスワブ検体)、生検吸引液、溶菌液、真菌、又は細菌として与えることができる。増幅されるポリヌクレオチドは、粒子(例えば、白血球又は赤血球のような細胞)、組織片、細菌(例えば、グラム陽性菌又はグラム陰性菌)、真菌、又は胞子の中に含有される場合がある。1又は2以上の液体(例えば、水、緩衝液、血液、血漿、唾液、尿、脳脊髄液(CSF)、又は有機溶媒)が試料の一部である場合があり、及び/又は処理段階中に試料に追加される。試料チューブは、いずれかの生体試料又は環境試料を受け入れることができる。しかし、そのような例を本発明の開示に適用可能な試料のタイプを限定するものと解釈すべきではない。
【0023】
ラックは、診断装置の中に挿入可能であり、そこから取り出し可能であるように構成される。ラックは、自動試料調製を例えば複数の試料に対して別々に又は同時に実施する診断装置による使用のために構成される。診断装置は、試料調製を複数の試薬に対して別々に又は同時に実施することができる。本明細書に説明するラックは、遺伝子検査及び様々なヒト感染症に関する臨床検査を含むがこれらに限定されないいずれかの目的でいずれかの核酸含有試料を分析するのに使用することができる。
【0024】
本明細書に説明するシステムの実施形態は、診断装置の中に挿入可能であり、そこから取り出し可能なラックにも、核酸を分析するのに使用されるラックにも限定されないことは理解されるであろう。本発明の開示によるヒンジアセンブリの実施形態は、試料チューブを受け入れるあらゆる適切なラックに実施することができる。
【0025】
一非限定例では、増幅待機試料の調製は、ポリメラーゼ酵素及び複数のヌクレオチドを含み、任意的にプラスミドの少なくとも一部分に対して選択的に陽性対照プラスミド及び蛍光発生交雑プローブを含む増幅試薬混合物に中和ポリヌクレオチド試料を接触させる段階、及び/又は凍結乾燥ペレットを液体で元に戻して増幅試薬混合溶液を生成する段階のうちの一方又は両方を含むことができる。一部の実施形態では、試薬ホルダは、増幅待機試料を調製するのに必要とされる試薬の全てを供給する。本明細書に説明する試薬ホルダ及び試料チューブは、一例として提供するものであり、本発明の開示を限定するように意図したものではないことは理解されるであろう。本発明の開示の実施形態は、他の適切な試薬ホルダ及び試料チューブを用いて実施することができる。
【0026】
本発明の開示による第1の例示的ラック
図1~
図6は、本発明の開示の第1の実施形態によるラック100を示している。
図1は、ラック100の前面斜視図を示している。
図2は、ラック100の背面斜視図を示している。
図3は、ラック100の上面図を示している。
図4は、ラック100の側面図を示している。
図5は、ラック100の前面図を示している。
図6は、ラック100の背面図を示している。ラック100は、複数の試料チューブ102を受け入れ、更に複数の試薬ホルダ104を受け入れるように構成される。ラック100は、試料チューブ102と試薬ホルダ104とが互いに別々に独立に装填されるようにこれらの構成要素を受け入れる。この非限定的な実施形態では、試料チューブ102は、試薬ホルダ104と1対1対応である。他の構成、例えば、1つの試薬ホルダ104に対して2つの試料チューブ102又は2つの試薬ホルダ104に対して1つの試料チューブ102が考えられている。
【0027】
試薬ホルダ104の各々は、試料からポリヌクレオチドを抽出し、それを増幅待機形態にするための試薬を含有する。試薬ホルダ104は、臨床状況での試料調製を含むがこれに限定されない様々な目的で試薬を保持及び搬送するように設計することができる。試薬ホルダ104は、試料調製中に行われる様々な混合処理及び反応処理に使用される処理チューブ174を含むことができる。例えば、処理チューブ174内では細胞溶解を行うことができ、同じく患者のDNA又はRNA及び病原体のDNA又はRNAのような核酸の抽出を行うことができる。試薬ホルダ104は、それと一体とするか又は取り外し可能にすることができる1又は2以上の試薬チューブ176を含むことができる。試薬は、ラック100に関連付けられた試料からの核酸の抽出を実施するために液体形態又は凍結乾燥形態のような固体形態で存在することができる。試料調製は、液体分注器が試料チューブ102及び試薬ホルダ104の内外に物質を多くの異なる回数でピペット採取する多くの異なるピペット採取シーケンスを含むことができる。
【0028】
ラック100は、12個の試料チューブ102と、対応する12個の試薬ホルダ104とを受け入れるように構成される。12個の試料チューブ102を有するラック100を示すが、ラック100は、いずれの個数の試料チューブ102も受け入れることができる。12個の試薬ホルダ104を有するラック100を示すが、ラック100は、いずれの個数の試薬ホルダ104も受け入れることができる。一部の実施形態では、ラックは、1個、2個、4個、6個、8個、10個、12個、16個、20個、又は24個の試料チューブ102を受け入れることができる。各試料は、別々の試料チューブ102に含むことができる。一部の実施形態では、ラックは、1個、2個、4個、6個、8個、10個、12個、16個、20個、又は24個の試薬ホルダ104を受け入れることができる。各試薬ホルダ104は、1又は2以上の試薬を含むことができる。従って、12個の試料チューブ102と、対応する12個の試薬ホルダ104とを受け入れるように構成された
図1のラック100の実施形態は例示的である。一部の実施形態では、ラック100は、複数の試料チューブ102の各々が互いに対して同じ高さに維持されるように構成される。一部の実施形態では、ラック100は、複数の試薬ホルダ104の各々が互いに対して同じ高さに維持されるように構成される。
【0029】
ラック100は、複数の試料チューブ102と複数の試薬ホルダ104とを各々が1個の試料チューブ102と1個の試薬ホルダ104とを有する12個のレーン106内に受け入れる。ラック100の関連で本明細書に対して使用するレーン106は、試料チューブ102と対応する試薬ホルダ104とを受け入れるように設計されたラック100の専用領域である。12個のレーン106を有するラック100を示すが、ラック100は、いずれの個数のレーン106を含むことができる。
【0030】
レーン106は、第1のレーンと第2のレーンを含む。レーン106は、互いに平行である。この構成は、一部の実施形態ではピペット採取効率を高める。一典型的には、対を構成する隣接試料レーン106は、互いに平行であるときに、そのそれぞれの中点で24mmだけ分離される。18mm間隔又は27mm間隔のような他の距離が可能である。これらの中点の間の距離は、液体分注器内のノズルのピッチに依存する可能性がある。間隔を9mmの倍数に保つことにより、ウェルが典型的に9mmだけ離間した96ウェル板内へのラック100からの装填を容易にすることを可能にする。
【0031】
ラック100は、本明細書で更に詳しく説明するようないくつかの試料チューブ102を受け入れるように構成される。ラック100は、1又は2以上のそのような試料チューブ102を固定及び保持するように構成される。ラック100は、実験室ベンチトップ上か又は診断装置の専用領域に置かれているかのいずれかの試料チューブ102内に保存された試料へのアクセスを可能にするように構成される。ラック100は、自動ピペット採取のような診断装置の1又は2以上の他の機能によって利用されることになる試料チューブ102へのアクセスを可能にするように構成される。
【0032】
ここで本発明の開示に従って実施することができる非限定的な例示的ラックの特徴を図に示すラック100を参照して以下に説明する。本発明の開示に従って他の適切なラックを実施することができ、ラック100の特徴が本明細書に説明するヒンジアセンブリの実施形態を限定するように意図したものではないことは理解されるであろう。ラック100は、所与の試料チューブ102が定位置に取り外し可能に保持され、それによって試料が試料チューブ102内でアクセスされている間に安定状態に留まるように試料チューブ102を受け入れるように構成される。ラック100は、1つの場所から別の場所に持ち運ばれている間に所与の試料チューブ102が保持されるようにこの試料チューブ102を受け入れるように構成される。ラック100は、診断装置の中に挿入されたときに所与の試料チューブ102を保持するように構成される。ラック100は、ピペット先端が所与の試料チューブ102に入る及び出る間に試料チューブ102が定位置に取り外し可能に保持されるように試料チューブ102を受け入れるように構成される。ラック100は、所与の試料チューブ102を受け入れ、かつピペット採取作動中の垂直移動又は持ち上げを防止するように構成される。ラック100の他の適切な特徴及び構成が可能である。
【0033】
ラック100は、2又は3以上の部分構成要素を含むことができる。ラック100は、1又は2以上の試料チューブ102を受け入れるように構成された試料チューブホルダ108を含む。この非限定例では、ラック100は、1又は2以上の試薬ホルダ104を受け入れるように構成された試薬ハウジング110も含む。試料チューブホルダ108と試薬ハウジング110は、単体構造を形成するように結合することができる。試料チューブホルダ108と試薬ハウジング110との組み立て及び分解を可能にするために、試料チューブホルダ108と試薬ハウジング110は、例えば、ファスナを使用することによって取り外し可能に結合することができる。本発明の開示により、試料チューブホルダ108は、試薬ハウジング110を含むがこれに限定されないあらゆる適切な部分構成要素に結合することができることは理解されるであろう。
【0034】
ラック100は、1又は2以上のレーン106に分割することができる。ラック100の各レーン106は、試料チューブ102を受け入れるように構成された第1の場所112と、試薬ホルダ104を受け入れるように構成された第2の場所114とを含む。第1の場所112は、試料チューブホルダ108上に位置付けられる。第2の場所114は、試薬ハウジング110上に位置付けられる。各レーン106は、対応する試薬ホルダ内で試料を1又は2以上の試薬と混合する段階を含む1又は2以上の試料処理段階に従う試料チューブ102内に含有された試料の処理のために配置される。
【0035】
一非限定例では、ラック100は、試薬ホルダ104を位置決め及び保持するための特徴部を含む。図示の実施形態では、それぞれのレーン106内の第2の場所114の各々は、試薬ホルダ104を単一向きに受け入れるように構成された機械鍵116を含む。試薬ホルダ104は、試薬ハウジング110内に位置付けられたスロット120の中に水平に摺動する。試薬ホルダ104は、それを定位置に保つ機械鍵116を通して試薬ハウジング110に係合することができる。例えば、機械鍵116は、試薬ホルダ104の相補形の部分に係合するときに試薬ホルダ104が第2の場所114の中にスナップ係合することを可能にする隆起又は陥凹部分を含むことができる。一部の実施形態では、試薬ホルダ104の縁部は、スロット120の上側部分内の相補形の溝に係合する。一部の実施形態では、試薬ホルダ104は、試薬ハウジング110内の定位置の中にロッキング機構によってロックされる。ロッキング機構は、ロックされたことを可聴合図又は物理的合図によって識別可能とすることができる。
【0036】
試薬ハウジング110は、試薬ホルダ104が試薬ハウジング110に配置されたときに液体分注器を用いた適正なピペット先端の取り上げのために位置合わせするように構成することができる。更に、各レーン106の第2の場所114は、本明細書に説明するピペット先端シースに含まれるような1又は2以上のピペット先端を受け入れるほど十分に深くすることができる。試薬ホルダ104は、試薬ハウジング110に配置されたときに、本明細書に説明する診断装置の1又は2以上の構成要素による作用を受けるように構成される。
【0037】
試薬ハウジング110は、様々な特徴を含むことができる。試薬ハウジング110は、それを安定させる役割及びラック100を装置の専用部分の中に挿入するときに位置ロケータとして作用する4つの脚124を有することができる。試薬ハウジング110は、ハンドル126を含むことができる。ハンドル126は、試薬ハウジング110の中点のようないずれかの場所で試薬ハウジング110に取り付けることができる。試薬ホルダ104を受け入れる試薬ハウジング110の部分は、金属又はプラスチックを含むあらゆる適切な材料で製造することができる。試薬ハウジング110は、軽量であるが、高精度の公差まで機械加工することができるアルミニウムのような金属で製造することができる。試薬ハウジング110は、診断装置内に位置付けられたときに安定状態に留まることを保証するほど十分に堅固な材料で製造することができる。試薬ハウジング110は、1又は2以上の位置合わせ部材130を含む。位置合わせ部材130は、試薬ハウジング110のコーナ毎に1つずつ位置付けられた4つの厳しい公差のペグを含む。位置合わせ部材130は、診断装置の陥凹区域のような受け入れ区域内の相補形の孔の中にピッタリと緊密に嵌合し、それによって診断装置内で試薬ハウジング110を安定化する。
【0038】
試薬ハウジング110は、水平部材132と、それに接続された2つの垂直部材134とを含む。垂直部材134の各々は2つの脚124を含むが、垂直部材134及び脚124の他の構成も考えられている。各それぞれのレーン106の第2の場所114は、水平部材132内の陥凹部分である。2つの垂直部材134は、試薬ハウジング110が直立するか又は安定性を維持することを可能にするように構成される。第1及び第2の垂直部材134に対称に取り付けられた脚124は、配置されたときに試薬ハウジング110に追加の安定性を与える。
【0039】
ラック100は、試料チューブ102を位置決めして保持するための特徴部を含む。ラック100は、1つの個々の試料チューブ102内に各々が受け入れられた複数の試料を受け入れるように構成される。試料チューブ102内に受け入れられる試料は、共通のソース又は異なるソースからのものとすることができる。上述のように、各試料チューブ102は、ラック100の単一レーン106内の対応する試薬ホルダ104に隣接するように装着される。
【0040】
図7及び
図8は、本発明の開示による非限定的な例示的試料チューブホルダ108を示している。
図7は、試料チューブホルダ108の前面斜視図を示しており、
図8は、試料チューブホルダ108の背面斜視図を示している。第1の部分142と、第2の部分146と、第3の部分154と、第4の部分160とを含む試料チューブホルダ108の一非限定例を
図7及び
図8を参照して説明する。しかし、あらゆる適切な形状及び形態の試料チューブホルダ108を本発明の開示の実施形態に実施することができ、図示の実施形態に含まれる第1、第2、第3、及び第4の部分の全て又はいずれかを含む必要はないことは理解されるであろう。
【0041】
試料チューブホルダ108は、第1の部分142を含む。第1の部分142は、平面又は実質的に平面である。第1の部分142は、水平又は実質的に水平である。第1の部分142は、複数の上側開口部144を含む。第1の部分142は、12個の上側開口部144の中をそれぞれ通して12個の試料チューブ102を受け入れるように構成される。12個の上側開口部144を有する試料チューブホルダ108を示すが、試料チューブホルダ108は、いずれの個数の上側開口部144も含むことができる。上側開口部144は丸形又は円形とすることができるが、試料チューブ102の特徴に依存して他の断面形状を有することができる。上側開口部144の個数は、試料チューブ102の個数に1対1対応で対応することが可能である。第1の部分142は、それ自体を試料チューブホルダ108の別の部分に接続する丸形コーナ又は曲げ部のような1又は2以上の丸形縁部を含むことができる。
【0042】
試料チューブホルダ108は、第2の部分146を含む。第2の部分146は、平面又は実質的に平面である。第2の部分146は、垂直又は実質的に垂直である。第2の部分146は、試料チューブ102の長さの一部分、例えば、この長さの少なくとも30%、この長さの少なくとも40%、この長さの少なくとも50%、この長さの少なくとも60%、この長さの少なくとも70%、又はこれらの値のいずれかに沿って延びることができる。第2の部分146は、上側ポスト148を含む。上側ポスト148は、第1の部分142から垂直上向きに延びることができる。各上側ポスト148は、それを通してファスナを受け入れるように構成された開口部150を有する。第2の部分146のいずれのセグメントも、1又は2以上の開口部150を含むことができる。
【0043】
試料チューブホルダ108は、ラック100のこれら2つの構成要素が強固に接続されるように試薬ハウジング110と結合するように構成される。試料チューブホルダ108の開口部150は、試薬ハウジング110内の対応する開口部に位置合わせするように構成される。試料チューブホルダ108を試薬ハウジング110に結合するために、あらゆる適切なファスナ(スクリュー又はピンが例であるがこれらに限定されない)が、試料チューブホルダ108の開口部150及び試薬ハウジング110内の対応する開口部を通って延びることができる。2つの開口部150を示すが、試料チューブホルダ108は、いずれの個数の開口部150も含むことができる。
【0044】
第2の部分146は、1又は2以上のレール152を含むことができる。レール152は、第2の部分146の側面から水平に延びる。レール152は、第2の部分146の全長又はその一部分を延びる。レール152は、第1の部分142と同じ方向に延びる。
【0045】
この非限定例の試料チューブホルダ108は、第3の部分154を含む。本発明の開示による他の例示的試料チューブホルダ108は、第3の部分154を含まない場合があり、試料チューブ102を保持するように位置決めされた第1の部分142、第2の部分146、第4の部分160、又はこれらの部分のあらゆる組合せのみを含む場合があることは理解されるであろう。この例では、第3の部分154は、第2の部分146と第4の部分160の間で斜方に向けられる。第3の部分154は、第1の部分142と同じ方向に延びる。第1の部分142と第3の部分154は斜角を形成する。第3の部分154は、複数の下側開口部156を含む。第3の部分154は、12個の下側開口部156の中をそれぞれ通る12個の試料チューブ102を受け入れるように構成される。12個の下側開口部156を有する試料チューブホルダ108を示すが、試料チューブホルダ108は、いずれの個数の下側開口部156も含むことができる。下側開口部156の個数は、試料チューブ102の個数に1対1対応で対応することが可能である。下側開口部156は、長円形細長開口部、卵形開口部、及び円形開口部を含むがこれらに限定されないあらゆる適切な断面形状を有することができる。下側開口部156は、試料チューブ102の円周を受け入れるように成形及び構成される。第3の部分154は、それ自体を試料チューブホルダ108の別の部分に接続する丸形コーナ又は曲げ部のような1又は2以上の丸形縁部を含むことができる。
【0046】
試料チューブホルダ108は、第4の部分160を含む。第4の部分160の1又は2以上の部分は、平面又は実質的に平面とすることができる。第4の部分160の1又は2以上の部分は、水平又は実質的に水平とすることができる。第1の部分142と第4の部分160の一部とは平行とすることができる。第4の部分160は、試料チューブホルダ108のベースを形成することができる。第4の部分160は、1又は2以上のレール164を含むことができる。レール164は、第4の部分160の側面から垂直に延びることができる。3つのレール164を示すが、第4の部分160は、いずれの個数のレール164も含むことができる。
【0047】
本発明の開示による使用方法では、複数の試料チューブ102の各々が試料チューブホルダ108の中に挿入される。最初に、試料チューブ102の遠位端166が、第1の部分142の上側開口部144の中に挿入される。次いで、試料チューブ102の遠位端166は、垂直に第2の部分146と平行に通される。次いで、試料チューブ102の遠位端166は、第3の部分154の下側開口部156の中に挿入される。その後に、試料チューブ102の遠位端166は、第4の部分160の面に対して静止するまで垂直に通される。試料チューブ102の近位端170は、試料チューブホルダ108の第1の部分142の上方に試料チューブ102がそこに受け入れられるときに延びる。
【0048】
試料チューブ102の近位端170は、キャップ172を含むことができる。キャップ172は、近位端170に取り付けられる取り外し可能キャップとすることができる。キャップ172は、ピペット先端によって穿通されるように構成された穿通可能シールを含むことができる。穿通可能シールは、金属箔、プラスチック層、エラストマー膜、又はこれら又は他の適切なシール構造のあらゆる組合せを含むことができる。キャップ172は、試料チューブ102内に保持されている試料へのアクセスを近位端170を通して可能にするように構成することができる。この非限定的な実施形態では、キャップ172は、液体分注器による試料チューブ102内の試料へのアクセスを可能にするためにピペット先端によって貫通されるように構成される。キャップ172は、第1の部分142の上向きに延びる。一部の事例では、キャップ172は、第1の部分142に当接することができる。キャップ172は、上側開口部144の直径よりも大きい直径を有することができる。本発明の開示の実施は、試料チューブ102がその近位端170に取り付けられたキャップ172を有することを必要としないことは理解されるであろう。本明細書に説明する本発明の開示による試料チューブホルダ内には、開放(例えば、露出)近位端を有する試料チューブ102を受け入れて保持することができる。
【0049】
図示の実施形態では、試料チューブ102は、近位端170の近くで上側開口部144によって保持される。上側開口部144は、試料チューブ102の少なくとも1つの部分に接触することができる。上側開口部144は、試料チューブ102の2つの対向する部分に接触することができる。上側開口部144は、試料チューブ102の円周又はその一部分に接触することができる。上側開口部144の丸形形状は、試料チューブ102の周囲に適合することができる。試料チューブ102は、遠位端166の近くで下側開口部156によって保持される。下側開口部156は、試料チューブ102の少なくとも1つの部分に接触することができる。下側開口部156は、試料チューブ102の2つの対向する部分に接触することができる。下側開口部156は、試料チューブ102の円周又はその一部分に接触することができる。上側開口部144及び下側開口部156の各々は、リング又は開ループとすることができる。上側開口部144及び下側開口部156の各々は、試料チューブホルダ108内の孔を形成することができる。試料チューブホルダ108は、金属のようなあらゆる適切な材料で構成することができる。
【0050】
試料チューブ102は、その上部及び底部で試料チューブホルダ108によって保持することができる。試料チューブホルダ108は、水平方向の移動を防止又は制限することができる。上側開口部144及び下側開口部156は、試料チューブ102の外面と類似の開口部144、156の形状に基づいて水平方向の移動を制限することができる。試料チューブホルダ108は、試料チューブ102の垂直方向の移動を可能にすることができる。試料チューブ102は、試料チューブホルダ108に自由に挿入されるか又はそこから取り出すことができる。試料チューブ102は、それを試料チューブホルダ108に挿入するために垂直又は実質的に垂直に移動される。試料チューブ102は、それを試料チューブホルダ108から取り出すために垂直又は実質的に垂直に移動される。複数の試料チューブ102を試料チューブホルダ108の中に垂直に挿入するために本方法を繰り返すことができる。
【0051】
有利なことに、本発明の開示の実施形態は、試料チューブ102の各部分が試料チューブホルダ108内に配置されたときにバーコード読取器のような試料識別検証器に対してアクセス可能であることを可能にする。本明細書に説明するように、患者又は試料を識別するために各試料チューブ102の前面を走査することができる。試料識別子が外側を向くようにユーザが試料チューブホルダ108内で試料チューブ102を回転させることができる。試料チューブ102は、試料チューブ102を取り囲む識別子を含むことができる。
【0052】
本発明の開示の第1の実施形態による例示的ヒンジアセンブリ
本発明の開示の第1の実施形態による例示的ヒンジアセンブリ200を
図9~
図14を参照して以下に説明する。本発明の開示のヒンジアセンブリは、例示的ヒンジアセンブリ200の特徴に限定されず、本発明の開示と矛盾しない他の形態、形状、及び寸法を取ることができることは理解されるであろう。
図9は、ヒンジアセンブリ200の前面斜視図を示している。
図10は、ヒンジアセンブリ200の背面斜視図を示している。
図11は、ヒンジアセンブリ200の側面図を示している。
図12は、ヒンジアセンブリ200の上面図を示している。
図13は、ヒンジアセンブリ200の一部分の分解前面斜視図を示している。
図14は、ヒンジアセンブリ200の分解前面斜視図を示している。
【0053】
ヒンジアセンブリ200は、ヒンジ板202を含む。ヒンジアセンブリ200は、ヒンジ支持体204を含む。ヒンジアセンブリ200は、1又は2以上のヒンジピン206を含む。
図13及び
図14は、ヒンジ支持体204及びヒンジピン206を分解組立図で例示している。ヒンジ支持体204は、細長部材とすることができる。ヒンジ支持体204は、それを通してファスナを受け入れるように構成された1又は2以上の開口部210を有する。ヒンジ支持体204のいずれのセグメントも、1又は2以上の開口部210を含むことができる。開口部210は、試薬ハウジング110内の対応する開口部に位置合わせするように構成される。ファスナが対応する開口部を通って延びるときに、ヒンジアセンブリ200のヒンジ支持体204は、試薬ハウジング110に剛的に結合される。3つの開口部210を示すが、ヒンジ支持体204は、いずれの個数の開口部210も含むことができる。
【0054】
ヒンジ支持体204は、
図13に示すように1又は2以上のハブ212を含むことができる。ハブ212は、ヒンジ支持体204の端部の近くでヒンジ支持体の長手軸線L
HSに沿って水平に延びる。図示の非限定的な実施形態では、各ハブ212は、ヒンジ支持体204の端部から内向きに延びる開口部214内で中空円筒形断面を有する。本発明の開示は、ハブ212に限定されず、他の形状及びサイズが可能であることは理解されるであろう。開口部214は、ヒンジ支持体204の長手軸線L
HSに沿って延びることができる。各開口部214は、ヒンジピン206を受け入れるように構成される。ハブ212は、ヒンジ板202が周りに回転するヒンジ継手を生成するナックル又は中空部分とすることができる。ハブ212は、ヒンジピン206が設定される場所とすることができる。ハブ212は、バレル形状又は半球形状として構成することができる。他の構成が可能である。
【0055】
ヒンジ支持体204は、
図10に示すように裏面216を含むことができる。裏面216は、試薬ハウジング110の平面に当接するように平面とすることができる。裏面216は、互いに締結されたときにヒンジ支持体204と試薬ハウジング110の間の確実な接続を可能にするあらゆる形状とすることができる。
【0056】
ヒンジピン206は、ほぼ円筒形の部材とすることができ、対応する開口部214は、相応に円筒形とすることができる。本発明の開示の実施形態では適切に成形かつサイズが決定されたあらゆる嵌合構成を実施することができることは理解されるであろう。ヒンジピン206は、ヒンジアセンブリ200が周りにピボット運動することができるピボット軸を定めることができる。言い換えれば、ヒンジアセンブリ200のピボット軸又は関節運動軸は、ヒンジピン206の長手軸線L
HPに沿うことができる。ヒンジ支持体204は、ピボット運動中に静止状態に留まるように構成される。一部の場合に、ヒンジピン206も静止状態に留まる。ヒンジ板202は、不動ヒンジ支持体204に対してピボット運動又は回転するように構成される。ヒンジピン206は、回転軸を形成し、全ての他の平行移動及び回転は防止又は制限される。ヒンジアセンブリ200は、1つの運動自由度を有することができる。例えば、
図11Aに示すように、ヒンジアセンブリ200のヒンジ板202は、1次元で時計周り方向又は反時計周り方向に回転することができる。
【0057】
図11Aは、ヒンジ板202の第1の側面図を示している。
図11Bは、ヒンジ板202の第2の側面図を示している。次いで、ヒンジ板202の特徴を
図11Aを参照して以下に説明する。ヒンジ板202は、第1の部分220と、第2の部分224と、第3の部分234とを含む。第1の部分220は、平面又は実質的に平面とすることができる。この非限定的な実施形態では、
図11Aに示すように、第3の部分234が軸線Xと平行に配置されたときに、第1の部分220は、水平から角度アルファ(α)だけ傾く。軸線Xに対する角度αは、第1の部分220が水平であるように水平から0°とするか又は水平から1°、水平から2°、水平から3°、水平から4°、水平から5°、水平から6°、水平から7°、水平から8°、水平から9°、水平から10°とするか又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。他の構成が可能であることは理解されるであろう。
図10Aを参照し直すと、第1の部分220は、複数の陥凹222を含む。第1の部分220は、12個の陥凹222それぞれによって12個の試料チューブ102を保持するように構成される。12個の陥凹222を有するヒンジ板202を示すが、ヒンジ板202は、いずれの個数の陥凹222を含むことができる。陥凹222は、丸形とすることができる。陥凹222は、円形とすることができる。陥凹222は、半円形又は半球形とすることができる。陥凹222は、先細とすることができる。陥凹222の個数は、試料チューブホルダ108内の上側開口部144の個数に1対1対応で対応することが可能である。第1の部分220は、第1の部分220をヒンジ板202の別の部分に接続する丸形コーナ又は曲げ部のような1又は2以上の丸形縁部を含むことができる。
【0058】
ヒンジ板202は、第2の部分224を含む。第2の部分224は、平面又は実質的に平面である。この非限定的な実施形態では、
図11Aに示すように、第3の部分234が軸線Zと垂直に配置されたときに、第2の部分224は、垂直から角度ベータ(β)だけ傾く。軸線Zに対する角度βは、第2の部分224が垂直であるように垂直から0°とするか又は垂直から2°、垂直から4°、垂直から6°、垂直から8°、垂直から10°、垂直から12°、垂直から14°、垂直から16°、垂直から18°、垂直から20°とするか又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。他の構成が可能であることは理解されるであろう。第2の部分224は、ラック100が組み立てられたときに試料チューブ102の長さの一部分、例えば、この長さの少なくとも5%、この長さの少なくとも10%、この長さの少なくとも15%、この長さの少なくとも20%、この長さの少なくとも25%、又はこれらの値のいずれかに沿って延びることができる。第2の部分146は、ラック100が組み立てられたときに少なくともキャップ172(試料チューブ上に存在する場合)の長さに沿って延びることができる。
【0059】
第2の部分224は、それを通してファスナ又はツールを受け入れるように構成された1又は2以上の開口部226を有する。第2の部分224のいずれのセグメントも、1又は2以上の開口部226を含むことができる。開口部226は、ヒンジ支持体204内の対応する開口部210に位置合わせするように構成される。開口部226は、試薬ハウジング110内の対応する開口部に位置合わせするように構成される。開口部226は、それを通ってネジ回し等であるがこれに限定されないツールが延びることを可能にする。ツールは、ヒンジ支持体204と試薬ハウジング110とを剛的に結合するためにヒンジ支持体204内の開口部210及び試薬ハウジング110内の開口部を通してファスナを設置することができる。3つの開口部226を示すが、第2の部分224は、いずれの個数の開口部も含むことができる。開口部226は、ヒンジ支持体204内の開口部210へのアクセスを与えてヒンジ支持体204を試薬ハウジング110に固定することを容易にするように構成することができる。
【0060】
第2の部分224は、フランジ230を含む。これらのフランジ230は、一般的に、
図11Aに示すX軸とZ軸とによって定められる平面内を延びる。これらのハブ230は、第2の部分224の縁部の近くで水平に延びる。これらのハブ230は、第1の部分220と反対の方向に延びる。各フランジ230は、それを通って延びる開口部232を含む。これらの開口部232は同軸とすることができる。各開口部232は、ヒンジピン206を受け入れるように構成される。1対のフランジ230は、それらの間にヒンジ支持体204を受け入れるように離間している。1対のフランジ230の間の空間は、ヒンジ支持体204の長さよりも若干長くすることができる。
【0061】
ヒンジ板202は、第3の部分234を含む。第3の部分234は、平面又は実質的に平面とすることができる。この非限定的な実施形態では、
図11Aに示すように、第3の部分234が軸線Xと平行に配置されたときに、第1の部分220は、水平から角度アルファ(α)だけ傾く。他の実施形態では、第3の部分234は、軸線Xと平行ではなく、ヒンジアセンブリ200が接合する試料チューブホルダ108及びラック100の形状及び寸法に依存して軸線Xに対して傾けることができる。1つの非限定的実施では、第1の部分220と第3の部分234は、平行又は実質的に平行とすることができる。第3の部分234は、ヒンジ板202のベースを形成することができる。
【0062】
本発明の開示の第1の実施形態のヒンジアセンブリを作動させる例示的方法
図15A~
図15Cは、本発明の開示の第1の実施形態によるヒンジアセンブリ200の作動の図を示している。
図15Aは、試料チューブ102が試料チューブホルダ108の中に挿入されている場所の側面図である。
図15Bは、試料チューブ102が試料チューブホルダ108の中に完全に挿入された場所の側面図である。
図15Cは、試料チューブ102が完全に挿入された時の試料チューブ102及び試料チューブホルダ108の上面図である。
図15A~
図15Cに例示して本明細書で「チューブ挿入構成」と呼ぶ第1の構成では、ヒンジアセンブリ200は、試料チューブ102を試料チューブホルダ108の中に挿入することを可能にするように構成される。下記の説明は、このチューブ挿入構成にあるヒンジアセンブリ200を説明するものである。
【0063】
チューブ挿入構成では、ヒンジ板202の第1の部分220は、試薬ハウジング110の近くに配置される。ヒンジ板202の第1の部分220は、試料チューブホルダ108の第1の部分142の上側開口部144から遠く離れるように位置決めされる。試料チューブ102を試料チューブホルダ108の上側開口部144の中に挿入するためのクリアランスを与えるために、ヒンジ板202の第1の部分220は、試料チューブホルダ108の上側開口部144から離れるように回転させられる(試薬ハウジング110に向けて回転させられる)。例えば、チューブ挿入構成では、ヒンジ板202の第1の部分220は、試料チューブ102を試料チューブホルダ108の中に垂直に挿入するためのクリアランスを与えるように位置決めされる。
【0064】
ヒンジ板202の第3の部分234は、チューブ挿入構成では試薬ハウジング110の底部から離れるように回転させられる。ヒンジ板202の第3の部分234を回転させて
図15A~
図15Cに示す構成に入れることにより、試料チューブ102を挿入するためのクリアランスが設けられる。この構成では、ヒンジ板202の第3の部分234の一部分は、試料チューブホルダ108の第1の部分142の下方に延びることができる。一部の場合に、ヒンジ板202の第3の部分234は、試料チューブホルダ108の第1の部分142に対して角度(γ)で配置することができる。角度(γ)は、鋭角とすることができる。角度γは、水平から2°、水平から4°、水平から6°、水平から8°、水平から10°、水平から12°、水平から14°、水平から16°、水平から18°、水平から20°とするか又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。ヒンジ板202の第3の部分234は、場所Pで試料チューブホルダ108の第1の部分142に当接することができる。
図15A及び
図15Bの視点から見たときに、ヒンジ板202の第3の部分234と試料チューブホルダ108の第1の部分142との間の接触は、ヒンジ板202の時計周り方向の更に別の回転を制限することができる。
【0065】
図15Cは、チューブ挿入構成の上面図を示している。
図15A及び
図15Bの場合と同様に、ヒンジ板202の第1の部分220は、試薬ハウジング110に向けて(試料チューブホルダ108の第1の部分142から外に)回転させられる。ヒンジ板202の第1の部分220の陥凹222は、第1の部分142内の上側開口部144の垂直軸線Aに沿う試料チューブホルダ108内への試料チューブ102の挿入のためのクリアランスを与える。
図15Cに示すように、ヒンジアセンブリ200の上部から見たときに、陥凹222は、試料チューブホルダ108の上側開口部144から距離dだけ横方向にオフセットされる。横方向オフセット距離dは、ユーザがヒンジアセンブリ200からの干渉又はそれとの接触なく試料チューブ102を試料チューブホルダ108内に挿入することを可能にする距離とすることができる。
【0066】
本発明の開示によるヒンジアセンブリ200の作動は、
図15A~
図15Cに示すチューブ挿入構成から
図16A及び
図16Bに例示して本明細書で「チューブ保持構成」と呼ぶ第2の構成にヒンジ板202を移動する段階を含む。
図16Aは、作動後のヒンジアセンブリ200の側面図である。
図16Bは、ヒンジアセンブリ200が作動された後の試料チューブ102及び試料チューブホルダ108の上面図である。本明細書に説明するように、ヒンジ板202は、ヒンジ支持体204に対してピボット運動することができる。ピボット運動中に、ヒンジ支持体204は、静止状態に留まるように構成され、ヒンジ板202は、静止したヒンジ支持体204に対してピボット運動する。ヒンジアセンブリ200は、試料チューブ102を垂直方向に保持することを可能にするように構成される。下記の説明は、チューブ保持構成にあるヒンジアセンブリ200を説明するものである。
【0067】
この非限定的な実施形態では、
図16Aに示すように、チューブ保持構成でのヒンジ板202の第1の部分220は、水平又は実質的に水平の向きで配置することができる。1つの非限定的な実施形態では、ヒンジ板202の第1の部分220は、
図16Aの視点で反時計周りに回転させることができる。1つの非限定的な実施形態では、ヒンジ板202の第1の部分220は、水平を超えて回転させることができる。これらの例示的実施では、ヒンジ板202と試料チューブ102(又は適用可能な場合はキャップ172)の間の接触は、ヒンジ板202の更に別の反時計周り回転を制限する。ヒンジ板202の第1の部分220は、試料チューブ102を試料チューブホルダ108内に保持する。
図15Bと比較して、ヒンジ板202の第1の部分220は、試料チューブ102又はそのキャップ172の一部分に接触するようにピボット運動させられる。ヒンジ板202の第1の部分220は、試料チューブ102のキャップ172の上面に対して静止する。
【0068】
ヒンジ板202の第1の部分220の陥凹222は、試料チューブ102の内容物へのアクセスを可能にするように半円形又は半球形とすることができる。チューブ保持構成では、ヒンジ板202の第1の部分220の陥凹222は、試料チューブ102の上部の中心領域又は中心区域Cを塞がない。ヒンジ板202の第1の部分220の陥凹222は、キャップ172の一部分を覆うが、中心区域Cを覆わないように半円形又は半球形とすることができる。陥凹222は、試料チューブホルダ108内に複数の試料チューブ102を同時に保持することができる。陥凹222を取り囲む部分を含む第1の部分220の各部分は、試料チューブホルダ108に配置された全ての試料チューブに対して互いに同時に垂直保持力を印加することができる。
【0069】
ヒンジ板202の第2の部分224は、上側開口部144の垂直軸線Aに対して角度デルタ(δ)を成すことができる。角度δは、垂直から0°、垂直から2°、垂直から4°、垂直から6°、垂直から8°、垂直から10°、垂直から12°、垂直から14°、垂直から16°、垂直から18°、垂直から20°とするか又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。他の構成が可能である。ヒンジ板202の第2の部分224は、
図15Bの位置と比較して反時計周り方向にピボット運動させられる。
【0070】
第3の部分234は、ヒンジアセンブリ200がチューブ保持構成にあるときに水平又は実質的に水平とすることができる。ヒンジ板202の第3の部分234は、ヒンジアセンブリ200がチューブ保持構成にあるときに試薬ハウジング110の水平部材132と平行とすることができる。ヒンジ板202の第3の部分234は、ヒンジアセンブリ200がチューブ保持構成にあるときに試料チューブホルダ108の第1の部分142と平行とすることができる。
【0071】
本発明の開示の実施形態では、作動力は、ヒンジアセンブリ200をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するようにヒンジ板202をピボット運動させる。一部の実施形態では、同じ作動力は、ヒンジアセンブリ200をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動するようにヒンジ板202をピボット運動させる。他の実施形態では、第2の異なる作動力は、ヒンジアセンブリ200をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動することができる。一例では、ヒンジアセンブリ200を構成間で回転させるために、ユーザは、ヒンジアセンブリ200の一部分に作動力を印加する。例えば、ユーザは、ヒンジアセンブリ200をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するために第1の部分220に対して下向きの力を作用することができる。同様に、ユーザは、ヒンジアセンブリ200をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動するために第1の部分220に対して上向きの力を作用することができる。この実施形態では、ヒンジ板202の第1の部分220の重さは、試料チューブ102の垂直移動を防止するための下向きの力を与えることができる。
図16Aに例示して下記で詳細に説明する別の例では、ラック100を受け入れる受け入れ区画の構造特徴部は、ヒンジアセンブリ200をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するために第3の部分234に対して作動力を作用する。この構造特徴部は、この作動力を維持することができ、それによってヒンジ板202が試料チューブ102に対してロックされる。
【0072】
ヒンジアセンブリ200をピボット運動させるためにヒンジ板202の第1の部分220、第2の部分224、及び第3の部分234のいずれかを作動力によって接触させることができることは理解されるであろう。ヒンジ板202を試料チューブ102との係合状態に移動するために、例えば、第1の部分220を下向きに押下することができ、第2の部分224を水平に押下することができ、及び/又はヒンジ板202の第3の部分234を上向きに押下することができる。
図15Bと比較すると、ヒンジアセンブリ200の位置を変化させるためにヒンジ板202の第3の部分234が作動されている。
図15A及び
図16Aの視点から見た場合に、ヒンジ板202の第3の部分234は、ヒンジアセンブリ200を反時計周り方向に回転させるように作動される。ヒンジ板202の第3の部分234は、ヒンジ板202のピボット運動を可能にするレバーアームとすることができる。
【0073】
ヒンジアセンブリ200の実施形態は、ラック100を受け入れる受け入れ区画内の仕切り250によってチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するように作動されることが可能である。仕切り250は、ラック100が受け入れ区画の中に挿入されたときにヒンジアセンブリ200を作動させるように成形され、サイズが決定され、かつ受け入れ区画に位置決めされた面、壁、棚、エンクロージャ、又はいずれかの他の適切な構造体を含むことができる。例えば、一非限定例では、仕切り250は、ラック100が受け入れ区画の中に挿入されたときにヒンジアセンブリ200と相互作用するように受け入れ区画に位置決めされた1又は2以上のペグ、ロッド、又はバーを含むことができる。仕切り250は、受け入れ区画を第1の区域及び第2の区域という2つの区域に分割するように成形かつサイズが決定される。ラック100が受け入れ区画に受け入れられたときに、試薬ハウジング110は第1の区域に位置決めされ、試料チューブホルダ108は第2の区域に位置決めされる。仕切り250は、ラック100が受け入れ区画内に位置付けられたときに試薬ハウジング110と試料チューブホルダ108の間に位置付けられる。
【0074】
仕切り250は、ラック100が受け入れ区画内に挿入されるときにヒンジアセンブリ200に対して作用する。ヒンジアセンブリ200が、
図15Aに示すチューブ挿入構成から
図16Aに示すチューブ保持構成に移行しているときに、仕切り250は、ヒンジ板202の第3の部分234に接触する。仕切り250は、ヒンジ板202の第3の部分234に対して反時計周りの力を印加する。仕切り250と第3の部分234との相互作用は、すなわち、ヒンジ板202をヒンジ支持体204の周りに回転させ、ヒンジアセンブリ200をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移行させる。
【0075】
ヒンジアセンブリ200は、ピペット採取作動中に試料チューブ102を試料チューブホルダ108内に保持するように設計された他の代替システムに優る利点を有する。1つの代替システムは、試料チューブホルダ108に配置された試料チューブ102の各キャップ172に対して水平の力を印加するためにバネクリップの列を使用する。バネクリップは、試料チューブホルダ108の第2の部分146の上側ポスト148間に配置された水平の列に配置することができる。バネクリップのアームは、試料チューブホルダ108に配置された試料チューブ102のキャップ172の一方の側面に接触し、それに対して水平の力を印加する。この力と、試料チューブホルダ108の上側開口部144によって試料チューブ102の本体に印加される反作用力とは、試料チューブ102が水平方向に移動して試料チューブホルダ108から出ることを抑制することができる。試料チューブ102の遠位端は、試料チューブホルダ108の第4の部分160に接触することができる。バネクリップによって印加される力、上側開口部144によって印加される力、及び試料チューブ102の底部にある接触区域内の摩擦は、試料チューブ102が試料チューブホルダ108から出て垂直方向に持ち上げられることを抑制することができる。
【0076】
一部の場合に、試料チューブ102及びキャップ172の寸法の変化は、試料チューブ102が垂直方向に移動することをバネクリップシステムが一貫して拘束することを妨げる場合がある。一部の場合に、バネクリップのアームが発生させるバネ力の変化(製造変化、材料変化、又はバネクリップの経時摩耗に起因する)は、試料チューブ102が垂直方向に移動することをバネクリップシステムが一貫して拘束することを妨げる場合がある。そのような場合に、ピペット先端が垂直上向きに移動してキャップ172から出て試料チューブ102を垂直に変位させるほど十分な垂直の力を試料チューブ102に印加するときに、1又は2以上の試料チューブ102が垂直に試料チューブホルダ108から持ち上がる場合がある。
【0077】
従って、一部の従来設計では、試料チューブ102は、液体分注中に持ち上がる場合がある。一部の場合に、例えば、ピペット先端とキャップ172の間の摩擦力に起因して試料チューブ102が液体分注器のピペット先端上に保持される場合がある。バネクリップは、試料チューブ102を試料チューブホルダ108内に一貫して保持することができず、ときに複数の試料チューブ102のうちの最大で25%は、液体分注器によるある程度の垂直持ち上げを受ける場合がある。いずれの程度の試料チューブ102の垂直持ち上げも、ピペット採取作動を妨害し、液体分注器を誤作動させるか又は最適とは言えない速度及び精度で作動させる場合がある。一部の極端な場合に、試料チューブホルダ108内に十分に拘束されていない試料チューブ102からピペット先端が分離することができず、潜在的にシステムの妨害及び障害が引き起こされる。信頼性及び最大収量を保証するために、垂直持ち上げを受ける試料チューブ102の個数がゼロであるか又はゼロに近いことが望ましい。
【0078】
有利なことに、本発明の開示の実施形態は、試料チューブ102を試料チューブホルダ108内に確実に拘束し、垂直持ち上げを受けるチューブの個数をゼロまで低減することができる。本発明の開示によるヒンジアセンブリ200を含むラック100の実施形態は、計器ワークフロー中に試料チューブ102を確実に保持する。試料チューブホルダ108の上側開口部144は、試料チューブ102が水平方向に移動することを抑制することができる。一部の場合に、ヒンジアセンブリ200によって試料チューブ102に印加される力は、試料チューブ102が水平方向に移動することを抑制することができる。試料チューブホルダ108の第4の部分160とヒンジアセンブリ200とは、一緒に試料チューブ102を垂直方向に抑制する。仕切り250は、チューブ保持構成ではヒンジ板202をロックすることができ、それによって試料チューブ102が定位置にロックされ、試料チューブ102の垂直持ち上げが防止される。有利なことに、試料チューブ102を保持するのに必要とされる最大保持力を調節するために、ヒンジアセンブリ200の形状、サイズ、及び位置を調整することができる。
【0079】
有利なことに、本発明の開示の実施形態は、1つの運動で試料チューブを確実に一貫してロックすることができる。ヒンジアセンブリのヒンジ板202は、仕切りがヒンジ板202と接触するときに仕切り250の作動力によってピボット運動させられる。一部の実施形態では、仕切り250に対するラック100の引き下げは、ヒンジ板202をピボット運動させ、それによって試料チューブ102をロックする運動である。仕切り250は、ヒンジ板202に対して上向きの力を印加し、それによってヒンジ板202を定位置にピボット運動させる。試料チューブ102を試料チューブホルダ108の中に容易に装填することができるように、ラック100を降下させる前にヒンジ板202を自由にピボット運動させることができる。ヒンジ板202が、試料チューブ102の全てを試料チューブホルダ108内に同時に拘束することができるように、ヒンジ板202は複数の試料チューブ102と一貫して接触する。ヒンジ板202の単体構造は、各試料チューブ102に一貫した力を印加することを可能にする。更に、ヒンジ板202のピボット運動は、同じ作動力がヒンジ板の同じピボット運動をもたらすように再現可能である。有利なことに、ヒンジ板は、同じラックを用いて順次実施される一連の診断検査中の試料チューブバッチの容易な装填及び除荷のために構成間で容易に移動し、それによってユーザ過誤、並びにラックを装填及び除荷する時間が最小にされ、ピペット採取効率が高まる。
【0080】
一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ200は、試料チューブ102に接触し、例えば、試料チューブ102のキャップ172に接触する。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ200は、試料チューブ102に対して下向きの力を印加する。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ200は、チューブ保持構成では試料チューブホルダ108内の試料チューブ102の全ての垂直移動を防止する。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ200は、チューブ保持構成では試料チューブホルダ108内の試料チューブ102の一部の垂直移動を可能にする。一部の実施形態では、1又は2以上の試料チューブは、ピペット採取作動中に小さい距離だけ垂直に持ち上がる可能性があるが、ヒンジ板202の存在は、ピペット採取システムの性能に影響を及ぼすほどに試料チューブが垂直に移動することを抑制する。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ200は、試料チューブ102に対して圧縮力を印加する。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ200のヒンジ板202は、上向き移動を防止するために試料チューブ102の一部分の上方で横方向に位置決めされ、一部の場合はこの部分を覆う。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ200は、キャップ172の区域Cをピペット先端に対して塞ぐことなく試料チューブ102のキャップ172の円周の一部分の上方で横方向に位置決めされ、一部の場合はこの部分を覆う。
【0081】
有利なことに、本発明の開示によるヒンジ板202は、試料チューブホルダ108内の試料チューブ102の垂直移動を防止又は制限することができる。一例では、ヒンジ板202は、試料チューブ102の内容物が液体分注器によってアクセスされるときに試料チューブ102の垂直持ち上げを防止又は制限する。別の例では、ヒンジ板202は、流体処理作動中に試料チューブホルダ108内の試料チューブ102の垂直移動を防止又は制限する。更に別の例では、ヒンジ板202は、ピペット先端による試料チューブ102の垂直持ち上げを防止又は制限する。
【0082】
ヒンジアセンブリ200は、いくつかの利点を含むことができる。ヒンジアセンブリ200は、使用するのが容易で直感的なものとすることができる。ヒンジアセンブリ200は、ラック100を本明細書に説明する診断装置の中に挿入するという簡単なアクション等によって自動的に作動させることができる。ヒンジアセンブリ200を使用する段階は、簡単な自己学習過程とすることができる。ヒンジ支持体204は、試薬ハウジング110の前面に沿って試薬ハウジング110又はその一部分を張ることができる。ヒンジ板202の第1の部分220は、ロッキング部材と考えることができる。ヒンジ機構200は、金属板を含むあらゆる適切な材料で製造することができる。
【0083】
有利なことに、本発明の開示の実施形態は、試料チューブを1つの運動で確実に一貫してアンロックする。ヒンジアセンブリ200のヒンジ板202は、ラック100を受け入れる受け入れ区画の仕切り250によって定位置に保持することができる。仕切り250の力を軽減するために、ラック100を仕切り250に対して持ち上げることができる。従って、ヒンジ板202は、ヒンジ支持体204に対して自由にピボット運動する。受け入れ区画に対してラック100を上昇させる1つの運動は、試料チューブ102をアンロックすることができる。ラック100を上昇させた後に、第1の試料チューブ102を試料チューブホルダ108から容易に除荷することができ、第2の試料チューブ102を装填することができるように、ヒンジ板202は自由にピボット運動することができる。ヒンジ板は、チューブ保持構成からチューブ挿入構成にユーザがピボット運動させることができる。ヒンジ板202は、次の試料チューブを容易に装填するために試料チューブホルダ108から離れるように移動することができる。
【0084】
ヒンジアセンブリ200は、装填作動及び除荷作動を妨げない。有利なことに、ヒンジアセンブリ200は、ユーザが試料チューブ102をラック100の内外に容易に装填及び除荷することを可能にする。ヒンジアセンブリ200は、ラック100が診断装置内に配置されたときに試料チューブ102を定位置にロックすることを可能にする。ヒンジアセンブリ200は、ラック100が受け入れ区画に受け入れられた後に試料チューブ102をラック100内に保持するロッキング機構である。ヒンジアセンブリ200は、試料チューブホルダ108内の試料チューブ102の完全な保持を容易にすることができる。ヒンジアセンブリ200は、ラック100が診断装置に配置されたときに試料チューブ102を定位置にロックすることができる。ヒンジアセンブリ200は、各試料チューブ102の上のカバーとして作用することができる。図示の実施形態では、試料チューブホルダ108内の試料チューブ102の全ては、1つの物理的部品であるヒンジ板202の下で拘束される。
【0085】
本発明の開示によるヒンジアセンブリの実施形態は、追加の利点を含む。本発明の開示のヒンジアセンブリは、試料チューブ102のいずれの設計とも併用することができる。本発明の開示のヒンジアセンブリは、キャップ172のいずれの設計とも併用することができる。このヒンジアセンブリを持たないラックをこのヒンジアセンブリを含むように有利に換装することができるように、このヒンジアセンブリは後方互換性を有することができる。一非限定例として、バネクリップシステムを有するラックを換装することができる。一部の実施形態では、バネクリップシステムは、試料チューブホルダを試薬ハウジングから切り離すことなく取り外される。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリは、試料チューブホルダを試薬ハウジングから切り離すことなく設置される。
【0086】
ヒンジアセンブリ200は、本明細書に説明するようにファスナを固定することなどによってラック100の中に直接に組み込むことができる。ヒンジアセンブリ200は、試料チューブホルダ108と試薬ハウジング110の間に容易に設置することができる。試料チューブホルダ108とヒンジ支持体204と試薬ハウジング110とは、受け入れ区画の中に1つの流動的運動で挿入され、受け入れ区画から1つの流動的運動で取り外される単体構造を形成することができる。ヒンジ板202は、この単体構造に対してピボット運動するように設計される。ヒンジアセンブリ200は、製造供給チェーンの中に容易に導入することができ、又はユーザがラックの使用時点で設置することができる。
【0087】
図17は、本発明の開示による例示的診断装置300を示している。ラック100は、それを診断装置300の内外に容易に挿入し、取り出すことができるように設計することができる。試薬ハウジング110は、
図2及び
図3に示すラック100の位置決めを容易にする1又は2以上の位置合わせ部材130を含むことができる。位置合わせ部材130は、ラック100を診断装置300内に単一向きにしか配置することができないことを保証するように構成される。更に、位置合わせ部材130は、仕切り250によって作動させるべき適正な向きでラック100が挿入されることを保証することができる。ラック100は、診断装置300の中に正しく位置決めし、その後の移動を液体取り扱い作動中に液体分注器の移動が損なわれることにならないように制限することが望ましい。例えば、位置合わせ部材130は、ラック100の左右の移動及び前後の移動のような2つの方向の移動を制限することができる。垂直方向の移動は、ラック100の重さに基づいて制限することができ、ユーザは、ラック100を診断装置300から持ち上げることができる。位置合わせ部材130は、診断装置300に配置された時のラック100に対して安定性を与えることができる。
【0088】
一部の実施形態では、ラック100又は診断装置300は、診断装置300内へのラック100の適正な配置を示すように構成されたセンサを含むことができる。センサは、ラック100が正しく着座されない場合にインタフェースを通して通信される可聴警告又は視覚警告のような警告をユーザに与えるためにプロセッサと通信することができる。センサは、ラック100の着座誤差が検出された場合に試料調製処理が開始又は続行することを防止するように構成することができる。一部の実施形態では、ラック100は、それが正しく配置されたという肯定的なフィードバックを例えば聴覚的又は物理的にユーザに与える。ラック100が診断装置300内に適正に配置されたことを示す肯定的なフィードバックは、ヒンジアセンブリ200がチューブ保持構成に移行され、試料チューブ102が試料チューブホルダ108内の定位置にロックされたことをユーザに示すことができる。
【0089】
本発明の開示のヒンジアセンブリの実施形態は、多くの異なる方法で作動させることができることは明らかであろう。例えば、1つの非限定的な実施形態では、仕切り250は静止状態にあり、ラック100は、診断装置300の中に引き下げられるときに仕切り250と相互作用し、それによってヒンジアセンブリ200が作動される。別の非限定的な実施形態では、仕切り250は、ラック100が診断装置300内に受け入れられた後に収納位置からヒンジアセンブリ200に接触する係合位置まで垂直に移動し、それによってヒンジアセンブリ200を作動させるための力を印加する。
【0090】
仕切り250は、ラック100を診断装置300内に配置するときにヒンジアセンブリ200のヒンジ板202と接触して1又は2以上の試料チューブ102を定位置にロックするように成形かつサイズが決定される。有利なことに、試料チューブ102は、ラック100内及び診断装置300内で少なくとも試料チューブホルダ108の上側開口部144によって水平方向に抑制され、更に少なくともヒンジアセンブリ200によって垂直方向に抑制される。
【0091】
ラック100は、それを診断装置300の内外に容易に取り出して再挿入することができるように設計することができる。診断装置300からの取り出し後に、仕切り250は、ヒンジアセンブリ200のヒンジ板202に対してもはや力を作用しない。1又は2以上の試料チューブ102を垂直上向きに摺動させることによって1又は2以上の試料チューブ102を容易に取り出すことができる。1又は2以上の試料チューブ102を垂直下向きに摺動させることによって新しい試料チューブ102を容易に挿入することができる。ラック100は、診断装置300の中に再挿入することができる。挿入のアクションは、新しい組の試料チューブ102を保持するようにヒンジアセンブリ200を作動させることができる。従って、1又は2以上の仕切り250の作動は自動とすることができ、ユーザによる更に別のアクションを必要としない。ヒンジアセンブリ200を仕切り250に係合させる行為は、ラック100を診断装置300の中に挿入する行為と同じ行為とすることができる。
【0092】
本発明の開示によるヒンジアセンブリの実施形態は、仕切り250を含まない受け入れ区画に受け入れることができることは理解されるであろう。そのような場合のヒンジアセンブリ200は、ヒンジ板202をピボット運動させるためにヒンジアセンブリ200に係合するピン、リンケージ、レバー、楔、カム、又は摺動バーを含むがこれらに限定されないあらゆる適切な機構によって定位置にロックすることができる。一部の実施形態では、この機構は、ヒンジ板202をチューブ保持構成にロックする役割ももたらす。一部の実施形態では、仕切り250を有する受け入れ区画を使用することなどによって診断装置300の中に挿入される前にのみラック100に1又は2以上の試料チューブ102を装填することができる。一部の実施形態では、別の適切な機構を有する受け入れ区画を使用することなどによって診断装置300の中に挿入される前及び挿入された後にラック100に1又は2以上の試料チューブ102を装填することができる。
【0093】
図18は、本発明の開示による診断装置300の別の例を示している。診断装置300は、本発明の開示の実施形態によるラック100又はその一部分を受け入れるように構成された受け入れ区画301を含む。
図18に示す非限定的な実施形態では、破線で囲まれた受け入れ区画301を示している。この例では、受け入れ区画301は、ラック100の試薬ハウジング110を受け入れるように構成された第1の部分303を含む。受け入れ区画301は、第1の部分303とは別々でそれに隣接する第2の部分304を含むことができる。第2の部分304は、第1の部分303とは別々でそれに隣接する開放容積、ウェル、又は区画を含むことができる。ラック100は、それを診断装置300の内外に容易に挿入して取り出すことができるように設計することができ、例えば、試薬ハウジング110は、受け入れ区画301の第1の部分303内に挿入することができ、試料チューブホルダ108は、受け入れ区画301の第2の部分304内に挿入することができる。本明細書に説明するように、試薬ハウジング110は、診断装置300内の1又は2以上の凹部306内へのラック100の位置決めを容易にする1又は2以上の位置合わせ部材130を含むことができる。位置合わせ部材130は、第1の部分303が試薬ハウジング110を受け入れるような単一向きにしかラック100を診断装置300内に配置することができないことを保証するように構成される。
【0094】
図18に示す非限定的な実施形態では、受け入れ区画301は、破線で囲んで示す仕切り250を含むことができる。仕切り250は、受け入れ区画301の第1の部分303と受け入れ区画301の第2の部分304との間に位置付けられる。仕切り250は、受け入れ区画301内で静止状態とする、例えば、受け入れ区画301の一体的壁部分とすることができる。ラック100は、診断装置300の受け入れ区画301の中に引き下げられるとき、例えば、試薬ハウジング110が第1の部分303の中に挿入される時及び試料チューブホルダ108が第2の部分304の中に挿入されるときに仕切り250と相互作用する。仕切り250は、本明細書に説明するようにヒンジアセンブリ200を作動する。
【0095】
例示的試料チューブ及び試薬ホルダ装填手順
ここで本発明の開示の第1の実施形態による例示的試料チューブ及び試薬ホルダの装填手順を以下に説明する。一部の実施形態では、ベンチトップ面上でラック100に1又は2以上の試料チューブ102が装填される。
図15A~
図15Cに示すように、ラック100は、それに1又は2以上の試料チューブ102を容易に装填することができるように設計することができる。試料チューブ102は、垂直に位置合わせされた開口部144、156の中に垂直に挿入されるので、試料チューブ102の装填は直感的なものとすることができる。ヒンジ板202は、試料チューブ102を装填することを可能にするために開口部144、156から離れるようにピボット運動させられる。
【0096】
試料チューブホルダ108は、試料チューブ102の挿入を許す位置合わせされた上側開口部144と下側開口部156とを含むことができる。上側開口部144と下側開口部156は、
図15Aに示す垂直軸線Aに沿って試料チューブ102を挿入することができるように垂直軸線に沿って位置合わせすることができる。上側開口部144は、更に別の挿入中に試料チューブ102を支持して誘導することができる。下側開口部156は、更に別の挿入中に試料チューブ102を支持して誘導することができる。
【0097】
一部の実施形態では、診断装置300の中に挿入される前にラック100の試薬ハウジング110に1又は2以上の試薬ホルダ104が装填される。一部の実施形態では、ベンチトップ面上でラック100に1又は2以上の試薬ホルダ104が装填される。
【0098】
一部の実施形態では、1又は2以上の試料チューブ102及び1又は2以上の試薬ホルダ104が装填されるラック100は、ベンチトップ面のような水平面上で安定するように設計される。ラック100は、持ち運び中に容易に転倒せず、かつこの目的に対して試薬ハウジング110の第1及び第2の垂直部材134に対称に取り付けられた1又は2以上の脚124を有する。ある一定の実施形態では、ラックは、持ち上げ及び移動を容易にするためのハンドル126を有し、一部の実施形態では、ハンドル126は、垂直位置にロックすることができる。一部の実施形態では、ハンドル126は、装填された時のラック100の重心を通過する軸線から変位した軸線を中心として配置される。ハンドル126は、試薬ハウジング110の上側水平部材132と面一の位置に収まるように設計される。
【0099】
試料チューブ102は、試料調製処理を容易にするための追加の特徴を含むことができる。試料チューブ102は、様々な目的で試料を保持及び搬送するように設計される。1つの非限定的な実施形態では、試料チューブ102は、臨床状況での試料調製に使用される。試料チューブ102は、あらゆる適切な形状及びサイズとすることができる。
【0100】
例示的試料チューブ及び試料チューブホルダ
ここで本発明の開示の実施形態との併用のための例示的試料チューブ及び試料チューブホルダの特徴を以下に説明する。以下の例示的試料チューブは非限定的であり、本発明の開示の実施形態ではあらゆる適切な試料チューブを使用することができることは理解されるであろう。一部の場合に、試料チューブホルダ108内に装填される試料チューブ102の全てが同じである。一部の事例では、試料チューブホルダ108内に装填される2又は3以上の試料チューブ102は、同じサイズ、形状、又は構成にある。他の場合に、試料チューブホルダ108内に装填される2又は3以上の試料チューブ102は、異なるサイズ、形状、又は構成にある。試料チューブ102の直径及び長さは異なることが可能である。例えば、試料チューブホルダ108内に装填される2又は3以上の試料チューブ102は、同じ直径を有することができる。別の例として、試料チューブホルダ108内に装填される2又は3以上の試料チューブ102は、異なる長さを有することができる。ラック100内に受け入れられる様々な特徴を有する試料チューブは、試料チューブホルダ108及びヒンジアセンブリ200と異なる方法で相互作用することができる。例えば、1つの試料チューブ102は、試料チューブホルダ108の第4の面160と接触することができ、1つの試料チューブ102は接触することができない。一部の実施形態では、試料チューブホルダ108は、複数の同一試料チューブ102を保持するように設計される。一部の実施形態では、第2の試料チューブホルダ108は、第1の試料チューブホルダ108とは異なるサイズ、形状、又は構成の複数の同一試料チューブ102を保持するように設計される。一部の実施形態では、試料チューブホルダ108は、ラック100の第2の試料チューブホルダ108と交換するか又は入れ替えることができる。一部の実施形態では、試料チューブホルダ108はラック100に結合され、第2の試料チューブホルダ108は第2のラック100に結合される。
【0101】
試料チューブ102は、流体の漏出を防止し、試料間汚染を最小にすることができる自己完了的容器である。試料チューブ102は、それを搬送することを可能にする密封キャップを含むことができる。密封キャップは、液密シールを設けることによっていずれの液体も流出することを防止する。密封キャップは、製造業者により、又は試料が試料チューブ102に追加された後に医療提供者によって試料チューブ102に結合することができる。一部の実施形態では、試料チューブ102の近位端170はネジ切り面を含む。密封キャップは、それを試料チューブ102に取り外し可能に結合するためにこのネジ切り面に係合することができる。試料チューブ102及び密封キャップは、市販のいずれかの試料チューブシステムとすることができる。
【0102】
試料チューブ102は、ピペット先端のような流体移送デバイスによって試料チューブ102が貫通されることを可能にするキャップ172を含むことができる。一部の実施形態では、キャップ172は、液密シールを設けない場合がある。キャップ172は、試料調製が実施される場所、例えば、診断装置300の場所で試料チューブ102に結合することができる。一部の実施形態では、試料チューブ102の近位端170はネジ切り面を含む。キャップ172は、それを試料チューブ102に取り外し可能に結合するためにこのネジ切り面に係合することができる。
【0103】
キャップ172は、液体分注器による試料へのアクセスを可能にすることができる。一部の実施形態では、キャップ172は、試料チューブ102に係合するように設計されたネジ切り外側部分を含む。一部の実施形態では、キャップ172は、それを通してピペット先端を受け入れるように設計された貫通可能隔壁を含む。隔壁は、不用意な流体の移送、蒸発、又は漏出を実質的に制限するための特徴を含むことができる。隔壁は、引き抜き中にピペット先端を拭き取るための特徴を含むことができる。キャップ172は、試料から1又は2以上の増幅待機試料を調製することを可能にするために試料へのアクセスを可能にすることができる。キャップ172を有する試料チューブ102は、1よりも多い試料チューブ102内の試料に対して試料調製を同時に実施することができる診断装置300での使用のために設計される。
【0104】
ラック100との併用のための試料チューブ102は、プラスチックを含むがこれに限定されないあらゆる適切な材料で製造することができる。試料チューブ102は、日常的な取り扱い及び搬送中に試料チューブ102が容易に変形することのないように十分に高い剛性を有することができる。試料チューブ102の管状部分は、単体又はモノリシック構成のような単一片から製造することができ、キャップ172は、個別の構成から製造される。試料チューブ102は半透明とすることができる。試料チューブ102は、1回使用のための使い捨て用品とすることができ、使用後に試料チューブ102は廃棄される。
【0105】
例示的液体分注器
試料チューブ102及び試薬ホルダ104は、ラック100によって受け入れられたときに、オペレータによって手動で実施されるものと液体分注器302によって実施されるものの両方のピペット作動を受け入れるように構成される。液体分注器302は、流体試料、特に複数の生体試料を含むいずれの流体の流体処理作動も制御する。液体分注器302は、試料チューブ102及び試薬ホルダ104に対して様々な吸引作動及び分注作動を実施する。液体分注器302は、試料チューブ102のキャップ172を貫通するようにサイズが決定されたピペット先端を含むことができる。
【0106】
本発明の開示による試料チューブ102及び試薬ホルダ104に対して作動するのに適切な液体分注器302の典型的な非限定的な特徴は、少なくとも、ピペット先端を取り上げて使用後にそれを戻す機能と、使用後又は異常に遭遇したときにピペット先端を液体分注器302から外して廃棄する機能と、ピペット先端を所与のラック100の1つの場所から別の場所に正確に移動する機能とを含む。試料調製手順中に、例えば、試料チューブ102からの試料を1又は2以上の試薬と混合することができ、液体試薬を固体試薬に加えて溶液を調合することができ、様々な液体試薬と試料とを互いに混合することができる。液体分注器302は、ラック100によって受け入れられた時の2又は3以上の試料チューブ102に対して別々に又は同時に作動することができる。液体分注器302は、ラック100によって受け入れられた時の2又は3以上の試薬ホルダ104に対して別々に又は同時に作動することができる。液体分注器302は、2又は3以上のレーン106に対して別々に又は同時に作動することができる。液体分注器302は、ある一定の複数の作動を並列に実施することができる。液体分注器302は、ある一定の複数の作動を直列に実施することができる。液体分注器302は、少なくとも3つの自由度のような複数の自由度で移動することができる。
【0107】
診断装置300は、試料チューブ102内に含有された複数の試料に対して本明細書に例示する段階に従って自動試料調製を実施するように設計することができる。診断装置300の構成要素の幾何学的配置は概略的であり、限定的であるように意図したものではない。本発明の開示の実施形態は、試料チューブが試料チューブホルダに受け入れられたあらゆる適切な診断装置内で実施することができる。診断装置300は、カートリッジ受け入れ区画305内にマイクロフルイディックカートリッジ308を更に含むことができる。マイクロフルイディックカートリッジ308は、試料を増幅し、マイクロフルイディックカートリッジ308内の増幅ポリヌクレオチドの存在を検出するように構成することができる。液体分注器302は、1又は2以上の試料から抽出された核酸等であるがこれに限定されない着目検体を含有する一定分量の流体を取得し、それを保存区域等であるがこれに限定されない診断装置の他の区域に誘導するように構成することができる。
【0108】
診断装置300は、その様々な構成要素の機能を制御するように構成され、従って、制御を必要とする各そのような構成要素と通信するマイクロプロセッサのようなプロセッサ310を含むことができる。液体分注器302は、プロセッサ310が制御することができる。液体分注器302は、試料チューブ102及び試薬ホルダ104内のそれぞれの試料、流体、及び試薬に対して様々な吸引作動及び分注作動を実施するように構成される。液体分注器302は、そのような作動を複数の試料チューブ102及び試薬ホルダ104に対して同時に実施することができる。診断装置300は、複数の試料を並列処理することができ、各レーン106は、別々の又は独立した段階又は処理を受ける。更に、以下で様々な機能を説明する順序は、診断装置300が作動しているときにプロセッサ310が命令を実行する順序を限定しない。
【0109】
診断装置300は、相補的なラック100と連携して作動するように構成される。一部の実施形態では、診断装置300は、複数のラック100を受け入れる機能を有することができる。
図17は、診断装置300内の2つのラック100を示している。ラック100は、いくつかの生体試料を試料チューブ102内に受け入れ、これらの試料を精密検査及び診断分析に適する形態に調製するように構成される。ラック100は、任意的に処理チューブ174と、試薬チューブ176と、容器を有するレセプタクル180とを含む様々な構成要素を装備することができる試薬ホルダ104内にいくつかの試薬を受け入れるように構成される。ラック100は、試料精密検査中に試料が試料チューブ102のそれぞれのレーン106内のそれぞれの試薬ホルダ104内で処理されるように構成される。一部の実施形態では、この処理は、混合、加熱、冷却、及び/又は磁気分離を含む。
【0110】
診断装置300は、自己完了的なものとすることができ、ラック100を通して診断装置300の中に挿入された試料チューブ102及び試薬ホルダ104と連携して作動する。診断装置300は、多重試料分析及び/又は複数の試料バッチの分析に対して構成することができ、単一ラック100は、単一試料バッチを保持する。従って、診断装置300の各構成要素は、存在する試料バッチ数と同じ回数だけ存在する場合があるが、様々な構成要素は、共通ハウジング内に構成することができる。
【0111】
本発明の開示による第2の例示的ラック
図19~
図24は、本発明の開示の第2の実施形態によるラック400を示している。
図19Aは、ラック400の前面斜視図を示している。
図19Bは、ラック400の分解前面斜視図を示している。
図20A~
図20Bは、ラック400の背面斜視図を示している。
図21は、ラック400の上面図を示している。
図22は、ラック400の側面図を示している。
図23は、ラック400の前面図を示している。
図24は、ラック400の背面図を示している。ラック400は、複数の試料チューブ102を受け入れ、かつ複数の試薬ホルダ104を受け入れるように構成される。ラック400は、試料チューブ102と試薬ホルダ104とが互いに別々に独立に装填されるようにこれらの構成要素を受け入れる。この非限定的な実施形態では、試料チューブ102は、試薬ホルダ104と1対1対応である。ラック400は、12個の試料チューブ102と、対応する12個の試薬ホルダ104とを受け入れるように構成される。一部の実施形態では、ラック400は、1個、2個、4個、6個、8個、10個、12個、16個、20個、24個、36個、48個、60個、又は72個の試料チューブ102を受け入れることができ、従って、1個、2個、4個、6個、8個、10個、12個、16個、20個、24個、36個、48個、60個、又は72個の対応する試薬ホルダ104を受け入れることができる。一部の実施形態では、ラック400は、あらゆる適切な個数の試料を受け入れることができる。一部の実施形態では、ラック400は、あらゆる適切な個数の試薬ホルダを受け入れることができる。ラック400は、本明細書に説明するラック100の特徴のうちのいずれかを含むことができる。
【0112】
ラック400は、2又は3以上の部分構成要素を含むことができる。ラック400は、1又は2以上の試料チューブ102を受け入れるように構成された試料チューブホルダ408を含む。試料チューブ102の非限定的な実施形態に関しては
図1~
図3を参照されたい。この非限定例では、ラック400は、1又は2以上の試薬ホルダ104を受け入れるように構成された試薬ハウジング410も含む。試薬ホルダ104の非限定的な実施形態に関しては
図1~
図3を参照されたい。試料チューブホルダ408と試薬ハウジング410は、単体構造を形成するように結合することができる。試料チューブホルダ408は、本明細書に説明する試料チューブホルダ108のいずれの特徴も含むことができる。試薬ハウジング410は、本明細書に説明する試薬ハウジング110のいずれの特徴も含むことができる。ラック400は、1又は2以上のレーン406に分割することができる。レーン406は、本明細書に説明するレーン106のいずれの特徴も有することができる。
【0113】
試薬ハウジング410は、水平部材432と、それに接続された2つの垂直部材434とを含む。垂直部材434の各々は2つの脚424を含むが、垂直部材434及び脚424の他の構成も考えられている。水平部材及び垂直部材のあらゆる適切な配置を実施することができる。2つの垂直部材434は、試薬ハウジング410が直立するか又は安定性を維持することを可能にするように構成される。試薬ハウジング410は、ハンドル426を含むことができる。
【0114】
試薬ハウジング410は、試薬ハウジング縁部436を含む。試薬ハウジング縁部436は、試薬ハウジング410の水平部分436aと垂直部分436bとが出合う場所である。試薬ハウジング縁部436は、90度又は直角の縁部とすることができる。試薬ハウジング縁部436は、水平部材432の縁部とすることができる。
【0115】
試薬ハウジング縁部436は、本明細書に説明する試料チューブホルダ408に向くように位置決めされる。試薬ハウジング410は、第1の組の開口部438を含む。第1の組の開口部438は、1又は2以上の開口部を含むことができる。図示の実施形態では、第1の組の開口部438は2つの開口部を含む。第1の組の開口部438は、本明細書に説明する試料チューブホルダ408と結合するように設計される。
【0116】
試薬ハウジング410は、
図19Bに示す第2の組の開口部440を含む。第2の組の開口部440は、1又は2以上の開口部を含むことができる。図示の実施形態では、第2の組の開口部440は3つの開口部を含む。第2の組の開口部440は、本明細書に説明するヒンジアセンブリと結合するように設計される。第1の組の開口部438は、2つの垂直部材434の近くに存在することができる。第2の組の開口部440は、第1の組の開口部438の間に配置することができる。
【0117】
図25及び
図26は、本発明の開示による非限定的な例示的試料チューブホルダ408を示している。試料チューブホルダ408は、試料チューブ102を位置決めして保持するための特徴部を含む。ラック400は、1つの個々の試料チューブ102内に各々が受け入れられた複数の試料を受け入れるように構成される。
図25は、試料チューブホルダ408の前面斜視図を示しており、
図26は、試料チューブホルダ408の背面斜視図を示している。試料チューブホルダ408は、本明細書に説明する試料チューブホルダ108のいずれの特徴も有することができる。
【0118】
試料チューブホルダ408は、第1の部分442と、第2の部分446と、第3の部分454と、第4の部分460とを含む。第1の部分442は、平面又は実質的に平面である。第1の部分442は、複数の上側開口部444を含む。上側開口部444は丸形又は円形とすることができるが、試料チューブ102の特徴に依存して他の断面形状を有することができる。
【0119】
試料チューブホルダ408は、第2の部分446を含む。第2の部分446は、垂直又は実質的に垂直である。第2の部分446は、上側ポスト448を含む。上側ポスト448は、第1の部分442から垂直上向きに延びることができる。各上側ポスト448は、それを通してファスナ412を受け入れるように構成された開口部450を有する。第2の部分446のいずれのセグメントも、1又は2以上のレール452を含むことができる。
【0120】
試料チューブホルダ408は、ラック400のこれら2つの構成要素が強固に接続されるように試薬ハウジング410と結合するように構成される。試料チューブホルダ408の開口部450は、試薬ハウジング410内の第1の組の開口部438に位置合わせするように構成される。試料チューブホルダ408を試薬ハウジング410に結合するために、あらゆる適切なファスナ412が、試料チューブホルダ408の開口部450及び試薬ハウジング410内の対応する開口部を通って延びることができる。このファスナ412を
図23に例示している。
【0121】
試料チューブホルダ408は、第3の部分454を含む。この例では、第3の部分454は、第2の部分446と第4の部分460との間で斜方に向けられる。第3の部分454は、複数の下側開口部456を含む。下側開口部456は、長円形細長開口部、卵形開口部、及び円形開口部を含むがこれらに限定されないあらゆる適切な断面形状を有することができる。下側開口部456は、試料チューブ102の円周を受け入れるように成形及び構成される。
【0122】
試料チューブホルダ408は、第4の部分460を含む。第4の部分460の1又は2以上の部分は、水平又は実質的に水平とすることができる。第4の部分460は、試料チューブホルダ408のベースを形成することができる。第4の部分460は、1又は2以上のレール464を含むことができる。
【0123】
本発明の開示による使用方法では、複数の試料チューブ102の各々が試料チューブホルダ408の中に挿入される。最初に、試料チューブ102の遠位端166が、第1の部分442の上側開口部444の中に挿入される。次いで、試料チューブ102の遠位端166は、垂直に第2の部分446と平行に通される。次いで、試料チューブ102の遠位端166は、第3の部分454の下側開口部456の中に挿入される。その後に、試料チューブ102の遠位端166は、第4の部分460の面に対して静止するまで垂直に通される。試料チューブ102の近位端170は、試料チューブ102が試料チューブホルダ408内に受け入れられるときに試料チューブホルダ408の第1の部分442の上向きに延びる。試料チューブ102の近位端170は、キャップ172を含むことができる。キャップ172は、第1の部分442の上向きに延びる。遠位端166と近位端170とキャップ172とを含む試料チューブ102の実施形態に関しては
図7を参照されたい。
【0124】
上側開口部444及び下側開口部456は、試料チューブ102の外面と類似の開口部444、456の形状に基づいて水平方向の移動を制限することができる。有利なことに、本発明の開示の実施形態は、試料チューブ102の各部分が試料チューブホルダ408内に配置されたときにバーコード読取器のような試料識別検証器に対してアクセス可能であることを可能にする。
【0125】
本発明の開示の第2の実施形態による例示的ヒンジアセンブリ
ここで本発明の開示の第2の実施形態による例示的ヒンジアセンブリ500を
図27~
図34を参照して以下に説明する。本発明の開示のヒンジアセンブリは、例示的ヒンジアセンブリ500の特徴に限定されず、本発明の開示と矛盾しない他の形態、形状、及び寸法を取ることができることは理解されるであろう。
図27は、ヒンジアセンブリ500の前面斜視図を示している。
図28は、ヒンジアセンブリ500の背面斜視図を示している。
図29は、ヒンジアセンブリ500の前面分解組立図を示している。
図30A~
図30Bは、ヒンジアセンブリ500の前面図を示している。
図31は、ヒンジアセンブリ500の上面図を示している。
図32は、ヒンジアセンブリ500の一部分の図を示している。
図33は、ヒンジアセンブリ500の一部分の図を示している。
図34は、ヒンジアセンブリ500の一部分の図を示している。
【0126】
ヒンジアセンブリ500は、チューブ挿入構成を含む。チューブ挿入構成では、ヒンジアセンブリ500は、試料チューブホルダ408内の試料チューブ102の垂直方向の移動を可能にすることができる。試料チューブ102は、試料チューブホルダ408に自由に挿入されるか又はそこから取り出すことができる。試料チューブ102は、それを試料チューブホルダ408に挿入するために垂直又は実質的に垂直に移動される。複数の試料チューブ102を試料チューブホルダ408の中に垂直に挿入するために本方法を繰り返すことができる。一部の使用方法では、試料チューブ102は、それを試料チューブホルダ408から取り出すために垂直又は実質的に垂直に移動される。一部の使用方法では、試料チューブ102を試料チューブホルダ408から取り出すためにラックが逆転される。
【0127】
ヒンジアセンブリ500は、チューブ保持構成を含む。チューブ保持構成では、ヒンジアセンブリ500は、試料チューブホルダ408内の試料チューブ102の垂直方向の移動を防止又は制限することができる。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、ピペット採取作動中に試料チューブ102が垂直持ち上げを受けることを防止又は制限することができ、それによってピペット採取効率が高まる。一部の場合に、ピペット採取中に、例えば、試料チューブ102からのピペット先端の退出中に試料チューブ102のある程度の量の垂直持ち上げがある。これらの事例では、ヒンジアセンブリ500は、チューブ保持構成では、試料チューブ102の垂直進行中の特定の点で、特に、試料チューブ102がヒンジアセンブリ500と物理的に接触し、それによって更に別の垂直持ち上げに対して物理的に拘束されるときに試料チューブ102を停止する。これらの事例では、ヒンジアセンブリ500は、液体分注器の誤作動に起因してピペット採取作動が妨害されるか又は完全に停止されることになるほど試料チューブ102が垂直に持ち上がることを停止することができる。試料チューブ102は、ヒンジアセンブリ500によって有利に垂直に拘束される。
【0128】
ヒンジアセンブリ500は、ヒンジ支持体502を含む。ヒンジ支持体502は水平スライドマウントである。ヒンジ支持体502は細長部材である。図示の実施形態では、ヒンジ支持体502はほぼ矩形の形状にある。ヒンジ支持体502は、前面504と、後面506と、側面508とを含む。前面504は、使用ときに試料チューブ102に対面する。後面506は、使用ときに試薬ハウジング410に対面する。後面506は、試薬ハウジング410の垂直部分436bに当接する平面とすることができる。後面506は、互いに締結された時のヒンジ支持体502と試薬ハウジング410の間の確実な接続を可能にするあらゆる形状にすることができる。ヒンジ支持体502は、金属及びプラスチックを含むがこれらに限定されないいずれかの材料とすることができる。
【0129】
ヒンジ支持体502は、ファスナ414を受け入れるように構成された1又は2以上の開口部510を有する。1又は2以上の開口部510は、前面504から後面506まで延びる。3つの開口部510を示すが、ヒンジ支持体502は、いずれの個数の開口部510も含むことができる。ヒンジ支持体502のいずれのセグメントも、1又は2以上の開口部510を含むことができる。開口部510は、試薬ハウジング410内の第2の組の開口部440に位置合わせするように構成される。ファスナ414が対応する開口部510、440を通って延びると、ヒンジアセンブリ500のヒンジ支持体502は試薬ハウジング410に剛的に結合される。中心のファスナ414は、本明細書に説明する自己ロッキングタブに結合することができる。
図23は、ファスナ414を示している。
図19Bは、ラック400のファスナを示している。
【0130】
ヒンジ支持体502は、切り欠き512を含む。2つの切り欠き512を示すが、ヒンジ支持体502は、いずれの個数の切り欠き512も含むことができる。切り欠き512は、上側部分を含む。切り欠き512の上側部分は、上側開口部514を含む。上側開口部514は、切り欠き512のほぼ矩形の開口部とすることができる。上側開口部514は、前面504から後面506まで延びる。上側開口部514は、ヒンジ支持体502を通って延びる。他の実施形態では、上側開口部514は、ヒンジ支持体502の一部分を通って延びる。
【0131】
切り欠き512は、下側部分を含む。切り欠き512の下側部分は、下側開口部516を含む。下側開口部516は、ほぼ矩形の開口部とすることができる。下側開口部516は、上側開口部514よりも小さくすることができる。下側開口部516は、上側開口部514に対して中心に置くことができる。下側開口部516は、前面504からヒンジ支持体502の一部分を通って延びることができる。一部の実施形態では、切り欠き512の下側部分の下側開口部516は、後面506まで延びない。一部の実施形態では、下側開口部516は、ヒンジ支持体502の一部分のみを通って延びる。他の実施形態では、下側開口部516は、ヒンジ支持体502を通って延びる。
【0132】
切り欠き512の下側部分は、チャネル518を含む。チャネル518は、ほぼ矩形のチャネルとすることができる。チャネル518は、上側開口部514よりも小さくすることができる。チャネル518は、
図27に示すヒンジアセンブリ500の前面から見たときに下側開口部516の右に存在することができる。チャネル518は、前面504と後面506の間に配置される。一部の実施形態では、チャネル518は、前面504まで延びない。一部の実施形態では、チャネル518は、後面506まで延びない。チャネル518は、下記でより詳細に説明するキャッチを形成することができる。
【0133】
ヒンジ支持体502は、1又は2以上のボア520を含むことができる。1又は2以上のボア520は同軸とすることができる。2つのボア520を示すが、ヒンジ支持体502は、いずれの個数のボア520も含むことができる。ボア520は、ヒンジ支持体502を通って水平に延びる。ボア520は、側面508からヒンジ支持体502の中心に向けて内向きに延びる。ボア520は、上側開口部514で終端し、次いで、上側開口部514を超えてヒンジ支持体502の中心に向けて延続する。図示の例では、ヒンジ支持体502の各側面508は、ボア520を含むことができる。他の例では、ヒンジ支持体502は、その側面508間を延びる単一ボア520を含む。
【0134】
ヒンジアセンブリ500は、1又は2以上のヒンジピン522を含む。1又は2以上のヒンジピン522は同軸とすることができる。2つのヒンジピン522を示すが、ヒンジアセンブリ500は、いずれの個数のヒンジピン522も含むことができる。ヒンジピン522の個数は、ボア520の個数に対応することが可能である。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、単一ボア520と単一ヒンジピン522を含むことができる。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、いくつかのヒンジピン522と、対応する個数のボア520とを含むことができる。図示の実施形態では、各ボア520は、ヒンジピン522を受け入れるように構成される。ヒンジピン522は、ほぼ円筒形の部材とすることができ、対応するボア520は円筒形とすることができる。ヒンジピン522は、ヒンジアセンブリ500の構成要素が周りにピボット運動することができるピボット軸を与えることができる。ヒンジピン522は、上側開口部514内に配置することができる。ヒンジピン522は、上側開口部514に対して中心に置くことができる。ヒンジピン522は、ステンレス鋼を含むいずれかの材料とすることができる。
【0135】
ヒンジアセンブリ500は、1又は2以上のバネ524を含む。1又は2以上のバネ524は同軸とすることができる。2つのバネ524を示すが、ヒンジアセンブリ500は、いずれの個数のバネ524も含むことができる。バネ524の個数は、切り欠き512の個数に1対1対応で対応することが可能である。バネ524の個数は、ヒンジピン522の個数に1対1対応で対応することが可能である。本発明の開示の実施形態では、あらゆる適切なバネ524を実施することができる。バネ524は圧縮バネとすることができる。バネ524は、中立構成を回復するために付勢力を印加するように設計することができる。バネ524は、ステンレス鋼を含むいずれかの材料とすることができる。バネ524は、0.218″の外径のバネとすることができる。このバネは、1″の長さのバネとすることができる。ヒンジアセンブリ500は、1又は2以上のワッシャ526を含むことができる。ワッシャ526は、バネ524の力を分散させることができる。ワッシャ526の個数は、バネ524の個数に1対1対応で対応することが可能である。ヒンジアセンブリ500は、1又は2以上のキャップ528を含むことができる。キャップ528は、ヒンジピン522をボア520内に保持することができる。キャップ528の個数は、ヒンジピン522の個数に1対1対応で対応することが可能である。
【0136】
ヒンジアセンブリ500はスライドロック530を含む。次いで、スライドロック530の非限定例の特徴を以下に説明するが、本発明の開示は、この例に限定されず、あらゆる適切なスライドロックを本発明の開示に従って実施することができることは理解されるであろう。スライドロック530は、前面532と、後面534と、側面536とを含む。前面532は、使用ときに試料チューブ102に対面する。後面534は、使用ときに試薬ハウジング410に対面する。スライドロック530は、上面538と底面540を含むことができる。スライドロック530は、プラスチックを含むいずれかの材料とすることができる。
【0137】
スライドロック530の上面538は、棚を形成することができる。上面538は、直角棚を形成することができる。上面538は、上向きに延びるリップ542を含むことができる。リップ542は、後面534の一部分を形成することができる。リップ542は、ほぼ矩形のブロックとすることができる。上面538は、ファスナを受け入れるように構成された1又は2以上の開口部544を有する。1又は2以上の開口部544は、上面538から底面540に向けて延びる。2つの開口部544を示すが、スライドロック530は、いずれの個数の開口部544も含むことができる。
【0138】
スライドロック530は、1又は2以上のボア546を含む。1つのボア546を示すが、スライドロック530は、いずれの個数のボア546も含むことができる。ボア546は、スライドロック530を通って水平に延びる。ボア546は、側面536まで延びる。図示の例では、スライドロック530は、その側面536間を延びる単一ボア546を含む。ボア546は、スライドロック530の中心部分に沿って延びることができる。ボア546の軸線は、開口部544の軸線を横断することができる。一部の実施形態では、ボア546と開口部544は交差する。一部の実施形態では、ボア546と開口部544は交差しない。ボア546は、スライドロック530の回転中心に沿って延びることができる。ボア546は、それを通してヒンジピン522を受け入れるように構成される。
【0139】
スライドロック530の後面534は、棚を形成することができる。後面534は、直角棚を形成することができる。後面534は、内向きに延びるノッチ548を含むことができる。ノッチ548は、後面534の一部分を形成することができる。ノッチ548は、ほぼ矩形のノッチとすることができる。一部の実施形態では、ノッチ548とリップ542は、同じか又は類似の厚みを有する。ノッチ548は、ボア546と平行に延びることができる。ノッチ548は、スライドロック530の中心部分に沿って延びることができる。ノッチ548は、本明細書に説明するチューブ挿入構成ではヒンジアセンブリ500を保持するためのストップとして作用することができる。後面534は、試薬ハウジング410に対して直線的に摺動するように成形することができる。後面534はほぼ平面とすることができる。後面534は、試薬ハウジング410の平坦面に対して摺動することができる。
【0140】
スライドロック530は、フランジ550を含む。フランジ550は、前面532から内向きにオフセットすることができる。フランジ550は、後面534から内向きにオフセットすることができる。フランジ550は、前面532と後面534の間に中心を置くことができる。フランジ550は、側面536から内向きにオフセットすることができる。フランジ550は、側面536間に中心を置くことができる。フランジ550は、スライドロック530の底面540を形成することができる。フランジ550は、ほぼ矩形のブロックとすることができる。フランジ550は、1又は2以上の丸形縁部を含むことができる。
【0141】
スライドロック530は、ヒンジピン522及びヒンジ支持体502と相対的に組み立てることができる。ヒンジピン522は、側面508の近くでヒンジ支持体502のボア520の中に挿入することができる。バネ524は、上側開口部514内に配置することができる。ヒンジピン522は、バネ524を通して挿入することができる。ワッシャ526は、上側開口部514内に配置することができる。ヒンジピン522は、ワッシャ526を通して挿入することができる。スライドロック530は、切り欠き512内に配置することができる。フランジ550は、切り欠き512の下側部分内に配置することができる。フランジ550は、下側開口部516及び/又はチャネル518内に配置することができる。ヒンジピン522は、スライドロック530を通して挿入することができる。ヒンジピン522は、ヒンジ支持体502の中に挿入することができる。ヒンジピン522は、キャップ528に留めることができる。別のヒンジピン522を他方の側面508の近くで第2のスライドロック530を通してヒンジ支持体502のボア520の中に類似の方式で挿入することができる。
【0142】
スライドロック530は、ヒンジピン522に対して摺動することができる。スライドロック530は、ヒンジ支持体502の長手軸線に対してほぼ平行な2つの方向に摺動することができる。スライドロック530の上側部分は、切り欠き512の上側開口部514内で摺動することができる。フランジ550は、下側開口部516内で摺動することができる。フランジ550は、チャネル518内で摺動することができる。チャネル518は、その内部でフランジ550が摺動することを可能にするように寸法決めされる。ヒンジ支持体502は、スライドロック530の摺動運動中に静止状態に留まるように構成される。スライドロック530は、不動ヒンジ支持体502に対して摺動するように構成される。
【0143】
スライドロック530は、2つの方向に摺動することができる。第1の方向には、スライドロック530は、バネ524を上側開口部514の内面に対して圧縮する。
図30Aに示す例示実施形態では、スライドロック530は、左に摺動するときにバネを圧縮する。第2の方向には、スライドロック530は、バネ524を伸張させる。バネ524は、バネロック530を第2の方向に移動するように付勢することができる。
図30Aに示す例示実施形態では、スライドロック530は、右に摺動するときにバネを伸張させる。
【0144】
スライドロック530は、フランジ550が下側開口部516に配置されたときにヒンジピン522の周りに回転することができる。フランジ550は、チャネル518に位置合わせされた位置からチャネル518に対して斜角を形成する位置に回転することができる。フランジ550は、下側開口部516を通って回転することができる。スライドロック530は、バネ524が圧縮されたときにヒンジピン522の周りに回転することができる。スライドロック530は、左に摺動させられたときにヒンジピン522の周りに回転することができる。フランジ550を下側開口部516に位置合わせするようにスライドロック530を摺動させた後に、スライドロック530は、ヒンジピン522の周りに回転することができる。フランジ550は、チューブ挿入構成ではチャネル518内に配置されないか又はそれによって抑制されない。チューブ挿入構成では、フランジ550は、下側開口部516内の位置(チャネル518に位置合わせ状態にあるが、その内部に配置されていない)から前面504を含む平面をフランジ550が通過する位置まで回転している。
図30Bは、チューブ挿入構成ではフランジ550が下側開口部516の外に回転させられる場所を示している。
【0145】
チューブ保持構成に移行させるために、スライドロック530は、フランジ550をチャネル518に位置合わせするように回転させることができる。一部の実施形態では、スライドロック530は、ユーザによってチャネル518の中に摺動させられる。一部の実施形態では、バネ524は、チャネル518の中に摺動するようにフランジ550を付勢することができる。バネ524は、スライドロック530を
図30Bの視点から見て右に向けて移動することができる。チャネル518は、フランジ550がチャネル518内であるときにフランジ550が回転することを防止又は制限することができる。チャネル518は、スライドロック530が回転することを防止又は制限することができる。摺動運動中に、ヒンジ支持体502は、静止状態に留まるように構成される。スライドロック530は、不動ヒンジ支持体502に対して摺動するように構成される。
【0146】
ヒンジアセンブリ500は、ヒンジ板552を含む。下記でより詳細に説明するように、使用中に、ヒンジ支持体502に対するスライドロック530の摺動移動及びピボット運動移動がヒンジ支持体502に対するヒンジ板552の摺動移動及びピボット運動移動をもたらすように、ヒンジ板552は、2つのスライドロック530に剛的に結合することができる。ヒンジ板552は、前面554と、後面556と、側面558とを含む。後面556は、使用ときに試薬ハウジング410に対面する。ヒンジ板552は、上面560と底面562を含むことができる。ヒンジ板552は、平面又は実質的に平面とすることができる。上面560と底面562は平行とすることができる。ヒンジ板552は、上面560と底面562の間で一定の厚みを有することができる。
【0147】
ヒンジ板552は、それを通してファスナ566を受け入れるように構成された1又は2以上の開口部564を含む。4つの開口部564を示すが、ヒンジ板552は、いずれの個数の開口部564も含むことができる。ヒンジ板552のいずれのセグメントも、1又は2以上の開口部564を含むことができる。図示の実施形態では、2つの開口部564がヒンジ板552の右側面の近くに配置され、2つの開口部564がヒンジ板552の左側面の近くに配置される。1又は2以上の開口部564は、ヒンジ板552の上面560から底面562まで延びる。
【0148】
本明細書に説明するように、スライドロック530の上面538は、ファスナを受け入れるように構成された1又は2以上の開口部544を有する。スライドロック530の上面538は、ヒンジ板552の一部分を受け入れるように成形かつサイズが決定された棚を形成する。スライドロック530の上面538は、上向きに延びるリップ542を含む。リップ542は、ヒンジ板552の後面556の近くに配置されるように構成される。スライドロック530の上面538の残余は、ヒンジ板552の底面562に沿って延びる。リップ542は、スライドロック530とヒンジ板552の間の位置合わせを容易にすることができる。ヒンジ板552がリップに当接すると、開口部544、564は位置合わせする。ヒンジ板552の1又は2以上の開口部564は、スライドロック530の1又は2以上の開口部544に位置合わせすることができる。ファスナ566は、ヒンジ板552とスライドロック530を結合することができる。ヒンジ板552とスライドロック530は、単体構造を形成することができる。ファスナ566が対応する開口部544、564を通って延びると、ヒンジ板552は、スライドロック530に剛的に結合される。ファスナ566は、トルクススクリューとすることができる。ファスナ566は、18-8スクリューとすることができる。ファスナ566は、ステンレス鋼を含むいずれかの材料で製造することができる。代替実施形態では、ヒンジ板552と1又は2以上のスライドロック530は、例えば、あらゆる適切なプラスチックで射出成形された単一単体片として製造される。
【0149】
ヒンジ板552の後面556は、フランジ568を含むことができる。フランジ568は、ヒンジ板552の中心部分に支持を提供することができる。フランジ568は、ヒンジ板552の中心部分の曲げを防止することができる。フランジ568は、下記でより詳細に説明するように力を受けてヒンジ板552をピボット運動させるように作動される面とすることができる。
【0150】
ヒンジ板552の前面554は、賦形縁部を含むことができる。前面554は、複数の凹面を含む。前面554は、複数の小陥凹570を含む。ヒンジ板552は、試料チューブホルダ408内に受け入れられた1又は2以上の試料チューブ102が垂直方向に移動することを抑制するように構成される。1又は2以上の試料チューブ102は、それぞれの小陥凹570を用いて拘束される。この例では、ヒンジ板552は、試料チューブホルダ408内に受け入れられた12個の試料チューブ102をそれぞれ12個の小陥凹570を用いて保持するように構成される。
図21及び下記でより詳細に説明する
図41Bを参照されたい。12個の小陥凹570を有するヒンジ板552を示すが、ヒンジ板552は、いずれの個数の小陥凹570も含むことができる。
【0151】
小陥凹570は、丸形とすることができる。小陥凹570は、半円形又は半球形とすることができる。小陥凹570は、部分円とすることができる。小陥凹570は、部分円、例えば、30°、40°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、140°、150°、160°、170°、180°、190°、200°、210°、220°、230°、240°、250°、260°、270°、又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。小陥凹570は、先細とすることができる。小陥凹570は、試料チューブホルダ408内の上側開口部444の個数に1対1対応で対応することが可能である。小陥凹570は、丸形のコーナ又は曲げ部のような1又は2以上の丸形縁部を含むことができる。
【0152】
前面554は、複数の大陥凹572を含む。ヒンジ板552は、試料チューブホルダ408の上側及び下側の開口部444、456を通した1又は2以上の試料チューブ102の挿入及び取り出しを可能にするように構成される。試料チューブ102の移動は、試料チューブがそれぞれの大陥凹572に位置合わせされたときに許される。下記でより詳細に説明する
図40Cを参照されたい。ヒンジ板552は、大陥凹572を通した試料チューブホルダ408の上側及び下側の開口部444、456内への12個の試料チューブの受け入れを可能にするように構成される。ヒンジ板552は、12個の試料チューブ102が大陥凹572に位置合わせされたときにこれらの試料チューブ102を試料チューブホルダ408から解除するようにも構成される。12個の大陥凹572を有するヒンジ板552を示すが、ヒンジ板552は、いずれの個数の大陥凹572も含むことができる。複数の大陥凹572の間に、複数の小陥凹570を割り込ませることができる。大陥凹572の各々は、
図31及び
図32の視点から見たときに対応する小陥凹570の右に配置することができる。
【0153】
大陥凹572は、丸形とすることができる。大陥凹572は、半円形又は半球形とすることができる。大陥凹572は、部分円とすることができる。大陥凹572は、部分円、例えば、90°、100°、110°、120°、130°、140°、150°、160°、170°、180°、190°、200°、210°、220°、230°、240°、250°、260°、270°、280°、290°、300°、310°、320°、又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。大陥凹572は、先細とすることができる。大陥凹572は、試料チューブホルダ408内の試料チューブ102の個数に1対1対応で対応することが可能である。大陥凹572は、丸形のコーナ又は曲げ部のような1又は2以上の丸形縁部を含むことができる。
【0154】
一部の実施形態では、小陥凹570と大陥凹572は、異なる曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、大陥凹572は、小陥凹570よりも大きい曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、小陥凹570と大陥凹572は、同じ曲率半径を有することができる。一部の実施形態では、小陥凹570及び大陥凹572は、凹面とすることができる。ヒンジ板は、小陥凹570と大陥凹572とを接続する丸形のコーナ又は曲げ部のような1又は2以上の丸形縁部を含むことができる。小陥凹570及び大陥凹572は、繰り返しパターンを形成することができる。
【0155】
前面554は、
図31及び
図32の視点から見たときに側面558の近くに異なる特徴部を含むことができる。図示の実施形態では、左側面558に最も近い小陥凹570は、他の小陥凹570よりも大きい部分円とすることができる。左側面558に最も近い小陥凹570は、部分円、例えば、30°、40°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、140°、150°、160°、170°、180°、190°、200°、210°、220°、230°、240°、250°、260°、270°、又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。図示の実施形態では、右側面558に最も近い大陥凹572は、他の大陥凹572よりも大きい部分円とすることができる。右側面558に最も近い大陥凹572は、部分円、例えば、90°、100°、110°、120°、130°、140°、150°、160°、170°、180°、190°、200°、210°、220°、230°、240°、250°、260°、270°、280°、290°、300°、310°、320°、又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。側面558は、平行とすることができる。側面558は、1又は2以上の丸形縁部を含むことができる。大陥凹572と小陥凹570は、側面558から内向きに離間させることができる。
【0156】
ヒンジ板552の小陥凹570は、ヒンジ板552がチューブ保持構成にあるときに試料チューブ102の内容物にアクセスすることを可能にするように成形かつサイズ決定することができる。チューブ保持構成では、小陥凹570は、試料チューブ102の上部の中心領域又は中心区域Cを塞がない。小陥凹570は、キャップ172の一部分を覆うが、中心区域Cを覆わない場合がある。複数の小陥凹570は、複数の試料チューブ102を試料チューブホルダ408内に同時に保持することができる。複数の小陥凹570は、試料チューブホルダ408に配置された全ての複数の試料チューブ102を互いに同時に保持することができる。ヒンジ板552の小陥凹570は、試料チューブホルダ408内の試料チューブ102に接触してもしなくてもよい。一部の実施形態では、ヒンジ板552の小陥凹570は、試料チューブ102のキャップ又は近位端と直接に物理的に接触することができる。一部の実施形態では、小陥凹570は、ロック構成又はチューブ保持構成では試料チューブ102から垂直にオフセットすることができる。そのような場合に、通常作動中に試料チューブ102の上部(又は試料チューブ102のキャップ)と小陥凹570の底部の間に垂直空間が存在し、試料チューブ102は、ピペット採取作動中に垂直移動又は持ち上げを受けたときにのみ小陥凹570と接触する(かつ小陥凹570によって更に別の垂直移動に対して抑制される)。
【0157】
チューブ挿入構成では、ヒンジ板552は、
図30A及び
図31の視点から見て左に向けて摺動させられている。ヒンジ板552は、
図30Bに示すように、摺動後にピボット運動させられている。チューブ挿入構成では、大陥凹572は、試料チューブ102のキャップ172の上に配置される。ヒンジ板552の大陥凹572は、試料チューブ102の挿入又は取り出しを可能にする。チューブ挿入構成では、大陥凹572は、試料チューブ102の垂直移動を妨害しない。複数の大陥凹572は、試料チューブホルダ408から複数の試料チューブ102を分離すること又は同時に解除することを可能にすることができる。
【0158】
本発明の開示の第2の実施形態による例示的自己ロッキングタブ
ここで本発明の開示の第2の実施形態に使用するための例示的自己ロッキングタブを以下に説明する。第2の実施形態の例は自己ロッキングタブを必要としないことは理解されるであろう。例えば、自己ロッキングタブは、第2の実施形態から除外することができ、又は異なる自己ロッキングタブを第2の実施形態に適切に実施することができる。自己ロッキングタブは、その上向きの力によってヒンジ板を機械的にピボット運動させることを可能にする。ピボット運動させられた状態で、ヒンジ板は、バネ524の付勢力の影響下でチューブ挿入構成からチューブ保持構成に摺動することができる。自己ロッキングタブは、診断装置300内での作動中にヒンジアセンブリ500がチューブ保持構成にあることを保証するために診断装置300の受け入れ区画が作動させることができる。
【0159】
図35は、自己ロッキングタブ480を有するラック400の上面図を示している。
図36は、自己ロッキングタブ480を有するラック400の底面図を示している。
図37は、自己ロッキングタブ480の側面斜視図を示している。
図38は、自己ロッキングタブ480の側面図を示している。
図39は、自己ロッキングタブ480の背面図を示している。自己ロッキングタブ480は、第1の部分482と、第2の部分484と、第3の部分486と、第4の部分488とを含む。第1の部分482は、平面又は実質的に平面とすることができる。この非限定的な実施形態では、第1の部分482は垂直である。第2の部分484は、平面又は実質的に平面とすることができる。第2の部分484は、
図38に示すように、第1の部分482と第3の部分486の間で下向きに傾斜することができる。第2の部分484は、
図38に示すように垂直から角度(α)を成すことができる。垂直軸線に対する角度αは、垂直から40°、垂直から45°、垂直から50°、垂直から50°、垂直から55°、垂直から60°、垂直から65°、垂直から70°、垂直から75°、垂直から80°(図示のように)、垂直から85°、垂直から90°(例えば、水平)とするか又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。第1の部分482と第2の部分484の間の移行部は丸形とすることができる。第2の部分484と第3の部分486の間の移行部は丸形とすることができる。第3の部分486は、平面又は実質的に平面とすることができる。この非限定的な実施形態では、第3の部分486は垂直である。第1の部分482と第3の部分486は平行とすることができる。
【0160】
第3の部分486は、それを通してファスナ414を受け入れるように構成された開口部490を有する。本明細書に説明するように、ヒンジ支持体502は、1又は2以上のファスナ414を受け入れるように構成された1又は2以上の開口部510を有する。中央ファスナ414は、自己ロッキングタブ480に結合することができる。
図23に中央ファスナ414を示している。第3の部分486のいずれのセグメントも、1又は2以上の開口部490を含むことができる。開口部490は、試薬ハウジング410内の対応する開口部440及びヒンジ支持体502内の対応する開口部510に位置合わせするように構成される。開口部490は、試薬ハウジング410の中心開口部440及びヒンジ支持体502内の中心開口部510に位置合わせするように構成される。開口部490は、その内部でファスナ414が自由に移動することを可能にするが、依然としてそれによって抑制されるように成形かつサイズが決定される。下記で詳細に説明するように、自己ロッキングタブ480は、ファスナ414に対して垂直に移動するように構成される。自己ロッキングタブ480の移動は、下記で詳細に説明する様々な特徴部によって抑制される。自己ロッキングタブ480の移動を抑制する1つの特徴部は、ファスナ414と物理的に接触し、それによって拘束される開口部490の内面である。
【0161】
第4の部分488は、平面又は実質的に平面とすることができる。この非限定的な実施形態では、第4の部分488は水平である。第3の部分486と第4の部分488の間の移行部は丸形とすることができる。第2の部分484は、第4の部分488に対して斜角を成すことができる。
【0162】
使用中に、自己ロッキングタブ480は、
図35に示すように試薬ハウジング410とヒンジ支持体502の間に配置される。第3の部分486は、試薬ハウジング410とヒンジ支持体502の間に配置される。第3の部分486は、
図35に示すように、試薬ハウジング410の水平部材432の上方及び下方に延びる。第1の部分482と、第2の部分484と、第3の部分486の少なくとも一部分とは、
図35に示すように水平部材432の上方にある。第4の部分488は、
図36に示すように水平部材432の下方にある。第1の部分482及び第2の部分484は、試料チューブホルダ408から外に延びる。第4の部分488は、試料チューブホルダ408から外に延びる。
図33を参照し直すと、ヒンジ支持体502は、自己ロッキングタブ480を保持するように構成された切り欠き578を含むことができる。切り欠き578は、自己ロッキングタブ480と類似の横方向寸法を有することができる。切り欠き578は、ヒンジ支持体502に対する自己ロッキングタブ480の垂直移動を可能にすることができる。
【0163】
図23及び
図27を参照して上述したように、ヒンジ支持体502は、ファスナ414を受け入れるように構成された1又は2以上の開口部510を有する。1又は2以上の開口部510は、前面504から後面506まで延びる。開口部510は、試薬ハウジング410内の第2の組の開口部440に位置合わせするように構成される。ファスナ414が、対応する開口部510、440、490を通って延びると、自己ロッキングタブ480は、試薬ハウジング410に対して摺動することができる。開口部490は、対応するファスナ414よりも大きいように寸法決めされる。開口部490は、自己ロッキングタブ480が試薬ハウジング410に対して垂直方向に摺動することを可能にする。開口部490は、垂直方向に長円形である。開口部490は、自己ロッキングタブ480が試薬ハウジング410に結合されたときに垂直移動を可能にするいずれかの形状とすることができる。
【0164】
自己ロッキングタブ480は、第4の部分488が自己ロッキングタブ480と物理的に接触し、試薬ハウジング410の水平部材432によって抑制されるまで垂直上向き方向に平行移動することができる。自己ロッキングタブ480は、第1の部分482が自己ロッキングタブ480と物理的に接触し、試薬ハウジング410の水平部材432によって抑制されるまで垂直下向き方向に平行移動することができる。自己ロッキングタブ480は、摺動するときにファスナ414が開口部510の上壁及び下壁に当接するまで垂直に平行移動することができる。
【0165】
本発明の開示の第2の実施形態のヒンジアセンブリを作動させる例示的方法
図40A~
図40Dは、第2の実施形態によるヒンジアセンブリ500の作動の図を示している。
図40Aは、試料チューブ102が試料チューブホルダ408の中に挿入されている場所の前面図である。
図40Bは、試料チューブ102が試料チューブホルダ408の中に完全に挿入された場所の側面図である。
図40Cは、試料チューブ102が完全に挿入された時の試料チューブ102及び試料チューブホルダ408の上面図である。
図40Dは、
図40Bの詳細
図40Dである。
図40A~
図40Dに例示して本明細書で「チューブ挿入構成」と呼ぶ第1の構成では、ヒンジアセンブリ500は、試料チューブ102を試料チューブホルダ408の中に挿入することを可能にするように構成される。下記の説明は、このチューブ挿入構成にあるヒンジアセンブリ500を説明するものである。
【0166】
チューブ挿入構成では、スライドロック530は、
図30Aで見て左に摺動させられる。スライドロック530は、
図30Bに示すようにバネ524を圧縮する。フランジ550は、
図30Bに示すようにチャネル518の左にある。チャネル518は、フランジ550を保持しない。フランジ550は、下側開口部516内に配置される。フランジ550は、下側開口部516の外に回転させられる。フランジ550は、ヒンジアセンブリ500の前面内の下側開口部516を通過する。フランジ550の一部分は、下側開口部516の壁576に当接する。フランジ550は、下側開口部516から外向きに斜角を形成する。フランジ550は、
図30Bに示すように前部に向けて回転させられる。フランジ550は、下側開口部516から離れるように回転させられる。一部の場合に、フランジ550は、垂直軸線に対して角度ガンマ(γ)で配置することができる。角度γは鋭角とすることができる。角度γは、垂直から2°、垂直から4°、垂直から6°、垂直から8°、垂直から10°、垂直から12°、垂直から14°、垂直から16°、垂直から18°、垂直から20°、垂直から22°、垂直から24°、垂直から26°、垂直から28°、垂直から30°、垂直から32°、垂直から34°、垂直から36°、垂直から38°、垂直から40°とするか又はこれらの値のいずれかの範囲とすることができる。
図40B及び
図40Dに示す図は、フランジ550が試料チューブ102と物理的接触していることを示すように見えるが、これは、
図40Dに示す斜視図の結果である。一部の実施形態では、スライドロック530のフランジ550は、側面図では確かに試料チューブ102のキャップを超えて延びる。一部の実施形態では、スライドロック530は、運動内でスライドロック530が試料チューブ102に決して接触しない(例えば、試料チューブ102間で離間する)ように位置決めされる。
【0167】
チューブ挿入構成では、ヒンジ板552は、試料チューブホルダ408の第1の部分442に対して斜角を形成する。ヒンジ板552は、試料チューブ102から外に傾斜される。例えば、ヒンジ板552は、
図40Bの視点から見てヒンジ板552の長手軸線に沿って時計周りに回転させられる。ヒンジ板552は上向きに傾斜される。複数の大陥凹572は、試料チューブホルダ408の上側開口部444に位置合わせする。ヒンジ板552は、試薬ハウジング410に向けて回転させられる。ヒンジ板552は、試料チューブ102を複数の大陥凹572のそばを通過させて試料チューブホルダ408の上側開口部444の中に挿入するためのクリアランスを与えるように回転させられる。チューブ挿入構成では、ヒンジ板552は、試料チューブ102を試料チューブホルダ408の中に垂直に挿入するためのクリアランスを与えるように位置決めされる。チューブ挿入構成は、チューブの取り出しも可能にする。ヒンジ板552は、試料チューブ102を複数の大陥凹572のそばを通過させて試料チューブホルダ408の上側開口部444から取り出すためのクリアランスを与えるように回転させられる。ヒンジ板552は、試料チューブ102を試料チューブホルダ408から垂直に取り出すためのクリアランスを与えるように位置決めされる。
【0168】
チューブ挿入構成では、スライドロック530のノッチ548は、チューブ挿入構成から切り換わるように作動されるまでヒンジ板552をチューブ挿入構成に固定又は保持するためのストップとして作用することができる。チューブ挿入構成に保持されているときに、ヒンジ板552は、作動してチューブ保持構成に移動するようにバネ荷重することができる。ノッチ548は、
図40Bに示すように試薬ハウジング縁部436に当接することができる。ノッチ548は、ヒンジアセンブリ500と試薬ハウジング410の間の追加の接触点を与えることができる。ノッチ548は、スライドロック530に安定性を与えることができる。ノッチ548は、スライドロック530の更に別の回転を防止することができる。ノッチ548は、試薬ハウジング縁部436に当接し、1つの方向の更に別の回転移動を防止することができる。ノッチ548は、ヒンジピン522の周りのスライドロック530の更に別の時計周り回転を防止することができる。
図40Bの図から、ノッチ548は、ハウジング縁部436に当接するまでヒンジピン522の周りのスライドロック530の反時計周り回転を可能にすることができる。スライドロック530のノッチ548は、その面に沿って試薬ハウジング縁部436に当接することができる。スライドロック530のノッチ548と試薬ハウジング410の間の接触は、
図40A及び
図40Bの視点から見て時計周り方向のヒンジ板552の更に別の回転を制限することができる。
【0169】
ヒンジピン522は、ヒンジ板552及びスライドロック530の回転移動に対する回転軸を与える。チューブ挿入構成では、全ての他の平行移動及び回転を防止又は制限することができる。ヒンジ板552及びスライドロック530は、チューブ挿入構成では1つの回転運動自由度を有することができる。例えば、
図40Aに示すように、ヒンジアセンブリ500のヒンジ板552及びスライドロック530は、反時計周り方向に回転することができる。反時計周り方向に回転させられた状態で、スライドロック530は、摺動を可能にするような追加の自由度を有することができる。
【0170】
図40Cは、チューブ挿入構成にあるヒンジ板552の上面図を示している。
図40A及び
図40Bの場合と同様に、ヒンジ板552は、試薬ハウジング410に向けて(試料チューブホルダ408の第1の部分442から外に)回転させられる。ヒンジ板552の大陥凹572は、第1の部分442内の上側開口部444の垂直軸線に沿う試料チューブホルダ408内への試料チューブ102の挿入のためのクリアランスを与える。
図40Cに示すように、大陥凹572は、ヒンジアセンブリ500の上部から見たときに試料チューブホルダ408の上側開口部444から横方向にオフセットされる。横方向オフセットの距離は、ユーザがヒンジ板552からの干渉又はそれとの接触なく試料チューブ102を試料チューブホルダ408の中に挿入することを可能にする距離とすることができる。
【0171】
本発明の開示によるヒンジアセンブリ500の作動は、
図40A~
図40Dに示すチューブ挿入構成から
図41A及び
図41Bに例示して本明細書で「チューブ保持構成」と呼ぶ第2の構成にヒンジ板552を移動する段階を含む。
図41Aは、作動後のヒンジアセンブリ500の側面図である。
図41Bは、ヒンジアセンブリ500が作動されてチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動した後の試料チューブ102及び試料チューブホルダ408の上面図である。本明細書に説明するように、ヒンジ板552は、2つのスライドロック530にファスナ566を通して結合される。ヒンジ板552と1又は2以上のスライドロック530は、単体構造としてヒンジピン522の周りに回転する。ヒンジ板552と1又は2以上のスライドロック530は、単体構造としてヒンジピン522の周りに摺動する。ヒンジ板552と1又は2以上のスライドロック530は、静止したヒンジ支持体502に対してピボット運動及び摺動することができる。下記の説明は、チューブ保持構成にあるヒンジアセンブリ500を説明するものである。
【0172】
この非限定的な実施形態では、チューブ保持構成でのヒンジ板552は、
図41Aに示すように水平又は実質的に水平の向きに配置される。ヒンジ板552及びスライドロック530は、
図40Aの視点から見て反時計周りに回転させることができる。ヒンジ板552及びスライドロック530は、斜角の向きからほぼ水平の向きまで回転させることができる。ヒンジ板552及びスライドロック530が回転すると、フランジ550は、下側開口部516の壁576に当接した状態から、完全に下側開口部516の中にあってフランジ550がヒンジ支持体502の前面504と後面506の間に来る位置まで回転する。ヒンジ板552及びスライドロック530が回転すると、フランジ550は、後面506に向けて内向きに回転する。ヒンジ板552及びスライドロック530は、フランジ550が垂直又はほぼ垂直であるまで回転させることができる。ヒンジ板552及びスライドロック530は、フランジ550が下側開口部516の後方部分に当接するまで回転させることができる。ヒンジ板552及びスライドロック530は、フランジ550がチャネル518に位置合わせするまで回転させることができる。これらの例示的実施では、フランジ550と下側開口部516の後方部分の間の接触は、ヒンジ板552及びスライドロック530の更に別の反時計周り回転を制限する。
【0173】
この非限定的な実施形態では、ヒンジ板552及びスライドロック530は、ヒンジピン522に沿って摺動する。バネ524は、スライドロック530に、従って、それに結合されたヒンジ板552に力を印加する。バネ524は、スライドロック530を第1の方向に付勢する。バネ524は、下側開口部516内で第1の方向にチャネル518に向けて移動するようにスライドロック530を付勢する。
図30Aを参照されたい。フランジ550は、バネ524の影響下でチャネル518内で摺動する。ヒンジ板552は、フランジ550がチャネル518内で摺動するときに水平又は実質的に水平の向きに配置される。ヒンジ板552及びスライドロック530は、スライドロック530が上側開口部514の側面に接触するまで摺動することができる。これらの例示的実施では、スライドロック530と上側開口部514の間の接触は、ヒンジ支持体502に対するスライドロック530の更に別の摺動を制限し、従って、ヒンジ支持体502に対するヒンジ板552(スライドロック530に結合された)の更に別の摺動を制限する。スライドロック530及びヒンジ板552のこのピボット運動及び摺動運動の完了ときに、ヒンジ板552は、
図30Aに示すチューブ保持構成にある。
【0174】
チューブ保持構成にあるときに、ヒンジ板552は、試料チューブ102を試料チューブホルダ408内に保持する。
図40Bと比較すると、ヒンジ板552はピボット運動及び摺動させられている。ヒンジ板552の複数の小陥凹570は、試料チューブ102と垂直に位置合わせする。一部の実施形態では、ヒンジ板552の複数の小陥凹570は、試料チューブ102又はそのキャップ172の一部分の上に横たわる。一部の実施形態では、ヒンジ板552は、試料チューブ102のキャップ172の上面から垂直にオフセットされる。一部の実施形態では、ヒンジ板552は、ヒンジ板552と試料チューブ102のキャップ172の上面との間に小さい垂直クリアランスを有する。
【0175】
ヒンジ板552の小陥凹570は、試料チューブ102の内容物へのアクセスを可能にする凹面又は切り欠きとすることができる。チューブ保持構成では、小陥凹570は、試料チューブ102の上部の中心領域又は中心区域Cへのアクセスを可能にする。一部の実施形態では、試料チューブ102の上部の中心領域又は中心区域Cは、箔カバーを含むことができる。一部の実施形態では、試料チューブ102の上部の中心領域又は中心区域Cは、穿通されるように構成された膜を含むことができる。チューブ保持構成では、小陥凹570は、キャップ172の外側のリム又は縁部と同様に成形することができる。小陥凹570は、複数の試料チューブ102を試料チューブホルダ408内に同時に保持することができる。小陥凹570は、ピペット採取作動中に試料チューブが持ち上げを受ける場合に互いに同時に垂直保持力を印加することができる。
【0176】
本発明の開示の実施形態では、作動力は、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するようにヒンジ板552をピボット運動させる。一部の実施形態では、同じ作動力は、ヒンジアセンブリ500をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動するようにヒンジ板552をピボット運動させる。他の実施形態では、第2の異なる作動力が、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動することができる。
【0177】
一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するために、ユーザは、ヒンジ支持体502に対してヒンジ板552をピボット運動させるための作動力をヒンジアセンブリ500の一部分に印加する。一部の実施形態では、ユーザがヒンジ板552をピボット運動させた状態で、バネ524の作動力は、ヒンジ板552を平行移動方向(
図30A~
図30Bで見て右/左)に摺動させる。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動するために、ユーザは、ヒンジアセンブリ500の一部分に作動力を印加する。一部の実施形態では、ユーザは、ヒンジ板552を回転させるための力を印加する。一部の実施形態では、ユーザは、ヒンジ板552を平行移動するための力を印加する。一部の実施形態では、ユーザは、ヒンジ板552を回転させるためにヒンジ板552に対して下向きの力を作用することができる。一部の実施形態では、ユーザがヒンジ板552をピボット運動させた状態で、バネ524の作動力は、ヒンジ板552を平行移動方向に摺動させる。
【0178】
図41Aに例示して下記で詳細に説明する別の例では、ラック400を受け入れる受け入れ区画の構造特徴部は、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するための作動力を自己ロッキングタブ480に作用する。この構造特徴部は、この作動力を維持することができ、従って、ヒンジ板552がチューブ保持構成にロックされる。
【0179】
自己ロッキングタブ480のいずれの部分にもヒンジアセンブリ500をピボット運動させるための作動力を掛けることができることは理解されるであろう。例えば、自己ロッキングタブ480をヒンジ板552との係合状態に移動するために、第1の部分482、第2の部分484、第3の部分486、又は第4の部分488を上向きに押すことができる。第4の部分488は、平面又は実質的に平面とすることができる。この非限定的な実施形態では、第4の部分488は水平である。一部の実施形態では、自己ロッキングタブ480の第4の部分488にヒンジアセンブリ500をピボット運動させるための作動力がかけられる。自己ロッキングタブ480は、ヒンジアセンブリ500の位置を切り換えるように作動させることができる。
図40A及び
図41Aの視点から見て、ヒンジ板552は、それを反時計周り方向に回転させるように作動される。ヒンジ板552の第2の部分484は、ヒンジ板552の回転を可能にするレバーアームとすることができる。
【0180】
ヒンジアセンブリ500の実施形態は、ラック400を受け入れる受け入れ区画内の仕切り250によってチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するように作動させることができる。
図18を参照されたい。仕切り250は、ラック400が受け入れ区画の中に挿入されたときに自己ロッキングタブ480を作動させるように成形され、サイズが決定され、かつ受け入れ区画に位置決めされた面、壁、棚、エンクロージャ、又はいずれかの他の適切な構造体を含むことができる。図示の例では、仕切り250は、1又は2以上の棚又は段差面を含むことができる。例えば、一非限定例では、仕切り250は、ラック400が受け入れ区画の中に挿入されたときにヒンジアセンブリ500と相互作用するように受け入れ区画に位置決めされた1又は2以上のペグ、ロッド、又はバーを含むことができる。仕切り250は、受け入れ区画を第1の区域及び第2の区域という2つの区域に分割するように成形かつサイズが決定される。ラック400が受け入れ区画に受け入れられたときに、試薬ハウジング410は第1の区域に位置決めされ、試料チューブホルダ408は第2の区域に位置決めされる。仕切り250は、ラック400が受け入れ区画内に位置付けられたときに試薬ハウジング410と試料チューブホルダ408の間に位置付けられる。
【0181】
仕切り250は、ラック400が受け入れ区画内に挿入されるときに自己ロッキングタブ480に対して作用する。仕切り250は、自己ロッキングタブ480の第4の部分488に接触する。仕切り250は、自己ロッキングタブ480の第4の部分488に対して上向きの力を印加する。この場合に、仕切り250と第4の部分488との相互作用は、自己ロッキングタブ480を上向きに摺動させる。自己ロッキングタブ480は、ヒンジ板552のフランジ568に接触する。
図35及び
図40Cを参照されたい。ヒンジ板552の後面556は、フランジ568を含むことができる。フランジ568は、賦形前面554から外に延びることができる。使用ときに、フランジ568は、ラック400が組み立てられるときに自己ロッキングタブ480の上を延びる。
【0182】
フランジ568は、ヒンジ板552をピボット運動させるように作動させることができる。自己ロッキングタブ480は、仕切り250によって上向きに押される。自己ロッキングタブ480は、その開口部490の中に挿入されたファスナ414に対して摺動する。自己ロッキングタブ480の第2の面484は斜角を形成する。
図38を参照されたい。自己ロッキングタブ480が上向きに移動すると、第2の面484の上向き縁部がフランジ568に接触する。第2の面484の上向き縁部は、第2の面484と第1の面482の間のインタフェースの近くに位置付けられる。第2の面484の上向き縁部は、第3の面486から離間している。第2の面484の上向き縁部は、ヒンジ板552をピボット運動させるためのより大きいてこ効果を与えるためにフランジ568の後縁に向く。
【0183】
図18を参照し直すと、診断装置300は、ラック400又はその各部分を受け入れるように構成された受け入れ区画301を含む。この例では、受け入れ区画301は、ラック400の試薬ハウジング410を受け入れるように構成された第1の部分303を含む。受け入れ区画301は、第1の部分303とは別々でそれに隣接する第2の部分304を含むことができる。第2の部分304は、第1の部分303とは別々でそれに隣接する開放容積、ウェル、又は区画を含むことができる。ラック400は、それを診断装置300の内外に容易に挿入して取り出すことができるように設計することができ、例えば、試薬ハウジング410は、受け入れ区画301の第1の部分303内に挿入することができ、試料チューブホルダ408は、受け入れ区画301の第2の部分304内に挿入することができる。受け入れ区画301は、仕切り250を含むことができる。仕切り250は、受け入れ区画301の第1の部分303と受け入れ区画301の第2の部分304の間に位置付けられる。仕切り250は、受け入れ区画301内で静止状態にされ、例えば、受け入れ区画301の一体的壁部分とすることができる。ラック400は、診断装置300の受け入れ区画301の中に引き下げられるときに仕切り250と相互作用する。仕切り250は、自己ロッキングタブ480を上向きに押すストップを与えることによって自己ロッキングタブ480を作動させる。この上向き移動自己ロッキングタブ480は、ヒンジアセンブリ500のヒンジ板552に対して作用する。
【0184】
自己ロッキングタブ480は、ヒンジ板552をヒンジ支持体502の周りに回転させる。回転ときに、バネ524は、ヒンジ板552を摺動させ、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移行させる。一部の実施形態では、自己ロッキングタブ480は、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するためにヒンジ板552をピボット運動させる。一部の実施形態では、ユーザが、受け入れ区画内への挿入の前にヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するためにヒンジ板552をピボット運動させる。一部の実施形態では、チューブ挿入構成からチューブ保持構成へのヒンジアセンブリ500の移行を容易にするために、自己ロッキングタブ480又はユーザがこのピボット運動を与える。
【0185】
一部の実施形態では、バネ524が、チューブ挿入構成からチューブ保持構成へのヒンジアセンブリ500の移行を容易にするためにヒンジ板552を摺動させる。バネ524は、ヒンジ板552を摺動させるための付勢力を与えることができる。一部の実施形態では、バネ524は、自己ロッキングタブ480又はユーザがピボット運動を与えた後にヒンジ板552を摺動させる。一部の実施形態では、ユーザが、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動するためにヒンジ板552をピボット運動及び摺動させる。
【0186】
ラック400が受け入れ区画内である間に、自己ロッキングタブ480は、仕切り250によって上向きに押される。自己ロッキングタブ480は、ラック400が受け入れ区画の中に受け入れられている間にヒンジ板552がチューブ挿入構成にピボット運動することを制限又は防止する。自己ロッキングタブ480は、受け入れ区画内であるときにヒンジアセンブリ500がチューブ保持構成にあることを保証する。自己ロッキングタブ480は、診断装置300に配置されたときにヒンジ板552が常に水平又はほぼ水平であることを保証する。
図17は、診断装置300の実施形態を示している。診断装置300は、本明細書に説明するように自己ロッキングタブ480を作動させるように構成することができる。チューブ保持構成では、ヒンジ板552は、ピペット採取作動中に試料チューブ102が持ち上げられた場合に試料チューブ102の垂直移動を制限することができる。
【0187】
ユーザは、ラック400を診断装置300の受け入れ区画から取り出すことができる。ラック400が受け入れ区画から抽出されると、自己ロッキングタブ480は、もはや仕切り250と相互作用せず、重力の影響下で下向きに摺動することができる。自己ロッキングタブ480の第2の部分484は、下向きにフランジ568から離れるように移動することができる。ユーザは、ラック400が受け入れ区画から抽出されるときにヒンジアセンブリ500をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動することができる。この場合に、一部の実施形態では、ユーザは、ヒンジアセンブリ500をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動するためにヒンジ板552をピボット運動させる。バネ524の力が打ち負かされて、ヒンジアセンブリ500は、チューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動される。一部の実施形態では、ユーザは、チューブ保持構成からチューブ挿入構成に移行させるために摺動及びピボット運動作動力の両方を提供する。ユーザは、ヒンジアセンブリ500をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動するためにヒンジ板552に対して摺動力を作用し、次いで、上向きの力又は時計周りの力を作用することができる。右側面に近いヒンジ板552の側面558は、チューブ保持構成では最も近い試料チューブ102から横方向にオフセットされていることで把持しやすいとすることができる。ヒンジアセンブリ500を摺動又はピボット運動させる際にヒンジ板552のいずれの部分又はスライドロック530のいずれの部分にも作動力を掛けることができることは理解されるであろう。ヒンジ板552は、側面558の近くで把持することができる。
【0188】
試料チューブ102が装填された後にラック400が受け入れ区画から抽出されるときに、ユーザは、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動することができる。この場合に、一部の実施形態では、ユーザは、ヒンジアセンブリ500をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動するためにヒンジ板552を摺動させる。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500をチューブ保持構成からチューブ挿入構成に移動するために、ユーザは、ヒンジ板552をピボット運動させ、バネ524は、ヒンジ板552を摺動させる。一部の実施形態では、チューブ挿入構成からチューブ保持構成に移行させる際にピボット運動作動力のみを与える。ユーザは、ヒンジアセンブリ500を移行させるためにヒンジ板552に対して下向きの力又は反時計周りの力を作用することができる。これに代えて又はこれに加えて、自己ロッキングタブ480が、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移動することができる。
【0189】
ヒンジアセンブリ500は、ピペット採取作動中に試料チューブ102を試料チューブホルダ内に保持するように設計された他の代替システムに優る利点を有する。有利なことに、本発明の開示の実施形態は、試料チューブ102を試料チューブホルダ内に確実に保持し、実質的な垂直持ち上げを受けるチューブの個数を低減することができる。本発明の開示によるヒンジアセンブリ500を含むラック400の実施形態は、計器ワークフロー中に試料チューブ102を確実に保持する。試料チューブホルダ408の上側開口部444は、試料チューブ102が水平方向に移動することを抑制することができる。一部の場合に、ヒンジアセンブリ500、特にヒンジ板552は、試料チューブ102が実質的に垂直方向に移動することを抑制することができる。試料チューブは、キャップ172とヒンジ板552間のクリアランスに起因して僅かな垂直移動を有する場合がある。
【0190】
仕切り250は、チューブ保持構成ではヒンジ板552をロックすることができ、それによって試料チューブ102が定位置にロックされ、試料チューブ102の垂直持ち上げが制限される。仕切り250と自己ロッキングタブ480は、相互作用してヒンジ板552にピボット運動力を印加する。自己ロッキングタブ480のピボット運動力は、バネ524の付勢力との組合せでヒンジ板552をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移行させることができる。一部の実施形態では、受け入れ区画内へのラック400の挿入は、自己ロッキングタブ480が作動されることを保証する。有利なことに、試料チューブ102を保持するのに必要とされる最大保持力を調節するために、ヒンジアセンブリ500の形状、サイズ、及び位置を調整することができる。
【0191】
有利なことに、本発明の開示の実施形態は、試料チューブ102を1つの運動で確実に一貫して保持することができる。ヒンジアセンブリ500のヒンジ板552は、仕切り250が自己ロッキングタブ480と接触するときに仕切り250の作動力によってピボット運動させられる。一部の実施形態では、仕切り250に対するラック400の引き下げは、自己ロッキングタブ480を摺動させ、従って、ヒンジ板552をピボット運動させる運動である。仕切り250は、自己ロッキングタブ480に対して上向きの力を印加し、従って、ヒンジ板552をピボット運動させる。ピボット運動させられた状態で、バネ524の付勢力がヒンジ板552を摺動させる。ヒンジ板552の摺動ときに、大陥凹572の代わりに小陥凹570が各試料チューブ102の上に横たわる。
【0192】
ヒンジ板552の小陥凹570は、チューブ保持構成では複数の試料チューブ102に接触するか又は複数の試料チューブ102から小さい垂直距離だけ離間させることができる。ヒンジ板552は、試料チューブ102の全てを試料チューブホルダ408内に同時に拘束することができる。ヒンジ板552の単体構造は、各試料チューブ102に一貫した力を印加することを可能にする。更に、ヒンジ板552のピボット運動は、同じ作動力がヒンジ板552の同じピボット運動をもたらすように再現可能である。有利なことに、ヒンジ板552は、同じラックを用いて順次実施される一連の診断検査中の試料チューブバッチの容易な装填及び除荷のために構成間で容易に移動し、それによってユーザ過誤、並びにラックを装填及び除荷する時間が最小にされ、ピペット採取効率が高まる。
【0193】
一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、チューブ保持構成では試料チューブホルダ408内の試料チューブ102の何らかの垂直移動を可能にする。一部の実施形態では、1又は2以上の試料チューブは、ピペット採取作動中に小さい距離だけ垂直に持ち上がる可能性があるが、ヒンジ板552の存在は、ピペット採取システムの性能に影響を及ぼすほどまで試料チューブが垂直に移動することを抑制する。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、試料チューブ102に接触し、例えば、試料チューブ102のキャップ172に小陥凹570によって接触する。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、小陥凹570によって試料チューブ102のキャップ172を覆うだけである。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、チューブ保持構成では試料チューブホルダ408内の試料チューブ102の実質的に全ての垂直移動を防止する。一部の実施形態では、ヒンジ板552は、試料チューブ102の一部分の上方に垂直に位置決めされる。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500、特に小陥凹570は、キャップ172の区域Cをピペット先端に対して塞ぐことなく試料チューブ102のキャップ172の円周の一部分を覆う。本発明の開示によるヒンジアセンブリの実施形態は、追加の利点を含む。ヒンジアセンブリ500は、試料チューブ102のいずれの設計とも併用することができる。ヒンジアセンブリ500は、キャップ172のいずれの設計とも併用することができる。
【0194】
有利なことに、ヒンジ板552は、チューブ保持構成では試料チューブホルダ408内の試料チューブ102の垂直移動を防止又は制限することができる。ヒンジ板552は、試料チューブ102の内容物が液体分注器によってアクセスされるときに試料チューブ102の垂直持ち上げを防止又は制限することができる。ヒンジ板552は、流体処理作動中に試料チューブホルダ408内の試料チューブ102の垂直移動を防止又は制限することができる。ヒンジ板552は、ピペット先端による試料チューブ102の垂直持ち上げを防止又は制限することができる。ピペット採取作動は、診断装置300内で実施することができる。診断装置300内であるときに、ヒンジアセンブリ500はチューブ保持構成にある。
【0195】
ヒンジアセンブリ500は、いくつかの利点を含むことができる。ヒンジアセンブリ500は、使用するのが容易で直感的なものとすることができる。ヒンジアセンブリ500は、ラック400を本明細書に説明する診断装置300の中に挿入するという簡単なアクション等によって自動的に作動させることができる。ヒンジアセンブリ500を使用する段階は、簡単な自己学習処理とすることができる。ヒンジ支持体502は、試薬ハウジング410の前面に沿って試薬ハウジング410又はその一部分を張ることができる。ヒンジアセンブリは、ユーザが容易に作動させることができ、又は一部の実施形態では自己ロッキングタブ480が作動させることができる。
【0196】
ヒンジアセンブリ500は、ラック400が診断装置300に配置されたときに試料チューブ102を定位置にロックすることができる。自己ロッキングタブ480は、ラック400内で試料チューブ102を保持する位置にヒンジ板552をロックするロッキング機構である。ヒンジアセンブリ500は、試料チューブホルダ408内の試料チューブ102の完全な保持を容易にすることができる。ヒンジアセンブリ500は、各試料チューブ102の上のカバーとして作用することができる。図示の実施形態では、試料チューブホルダ408内の試料チューブ102の全ては、1つの物理的部品であるヒンジ板552の下で拘束される。
【0197】
有利なことに、本発明の開示の実施形態は、試料チューブを1つの運動で確実に一貫してアンロックする。ヒンジアセンブリ500のヒンジ板552は、ラック400を受け入れる受け入れ区画の仕切り250によって定位置に保持することができる。仕切り250の力を軽減するために、ラック400を仕切り250に対して持ち上げることができる。自己ロッキングタブ480は、ヒンジ板552から垂直に離れるように摺動することができる。ユーザは、ヒンジ板552にピボット運動力又は下向きの力を印加することができる。ヒンジ板552をピボット運動させたときに、ヒンジ板552は、ヒンジ支持体502に対して摺動することができる。ラック400を診断装置300の中に降下させる前又はラック400を診断装置300から取り出した後に、ユーザは、ヒンジアセンブリ500をチューブ挿入構成に自由にピボット運動及び摺動させることができる。
【0198】
チューブ挿入構成では、ヒンジ板552は、試料チューブホルダ408から上向きにピボット運動させられる。大陥凹572は、試料チューブホルダ408の上側開口部444の上に横たわる。試料チューブ102は、ヒンジ板552の妨害なく容易に挿入することができる。第1の試料チューブ102は、試料チューブホルダ408から容易に除荷することができ、次いで、第2の試料チューブ102を装填することができる。ヒンジアセンブリ500は、チューブの装填作動及び除荷作動を妨げない。有利なことに、ヒンジアセンブリ500は、ユーザが試料チューブ102をラック400の内外に容易に装填及び除荷することを可能にする。
【0199】
ヒンジアセンブリ500を含むようにヒンジアセンブリ500を持たないラックを有利に換装することができるように、ヒンジアセンブリ500は後方互換性を有することができる。一部の実施形態では、換装されるラックの試料チューブホルダは、試薬ハウジングから取り出すことができる。本明細書に説明するように、試料チューブホルダは、1又は2以上のファスナ412を通して試薬ハウジングと結合及び結合解除するように構成される。試料チューブホルダの開口部は、試薬ハウジング内の第1の組の開口部に位置合わせするように構成される。試料チューブホルダを試薬ハウジングに結合するために、あらゆる適切なファスナ412は、試料チューブホルダ及び試薬ハウジングを通って延びることができる。1又は2以上のファスナ412は、試料チューブホルダを試薬ハウジングから切り離すことができる。いずれの従来のヒンジアセンブリ又は保持部材も、換装されるラックから取り外すことができる。一部の実施形態では、試料チューブホルダは、換装中に定位置に留まる。一部の実施形態では、試料チューブホルダは、ヒンジアセンブリをラックに提供する処理中に試薬ハウジングから切り離す必要はない。
【0200】
ヒンジ支持体502は、ファスナ414を受け入れるように構成された1又は2以上の開口部510を有する。1又は2以上の開口部510は、前面504から後面506まで延びる。3つの開口部510を示すが、ヒンジ支持体502は、いずれの個数の開口部510も含むことができる。開口部510は、換装される試薬ハウジング内の第2の組の開口部に位置合わせするように構成される。ファスナ414が対応する開口部を通って延びると、ヒンジアセンブリ500のヒンジ支持体502は、換装される試薬ハウジングに剛的に結合される。
【0201】
中央ファスナ414は、自己ロッキングタブ480に結合することができる。ファスナ414がヒンジアセンブリ500、自己ロッキングタブ480、及び換装される試薬ハウジング内の対応する開口部を通って延びると、自己ロッキングタブ480は、試薬ハウジングに対して摺動することができる。開口部490は、対応するファスナ414よりも大きいように寸法決めされる。開口部490は、自己ロッキングタブ480が試薬ハウジングに対して垂直方向に摺動することを可能にする。開口部490は、自己ロッキングタブ480が試薬ハウジングに結合されたときに垂直移動を可能にするあらゆる形状にすることができる。ヒンジアセンブリ500の設置のために試料チューブホルダを取り外した実施形態では、試料チューブホルダを試薬ハウジングに結合することができる。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、試料チューブホルダを試薬ハウジングから切り離すことなく設けられる。一部の実施形態では、ラックを換装するためのキットが供給される。キットは、ヒンジアセンブリ500を含むことができる。キットは、自己ロッキングタブ480を含むことができる。キットは、試料チューブホルダを試薬ハウジングに結合するためのファスナ412を含むことができる。キットは、ヒンジアセンブリを試薬ハウジングに結合するためのファスナ414を含むことができる。キットは、ファスナを回転させるためのツールのようなツールを含むことができる。一部の実施形態では、キットは、1/16六角ネジ回しを含むことができる。一部の実施形態では、キットは、1/16六角lキーレンチを含むことができる。一部の実施形態では、キットは、ネジ緩み止め接着剤を含むことができる。一部の実施形態では、キットは、Loctite(登録商標)242を含むことができる。キットは、本明細書に説明するあらゆる追加の構成要素を含むことができる。
【0202】
ヒンジアセンブリ500は、本明細書に説明するようにファスナ412、414を留めることなどによってラック400の中に直接に組み込むことができる。ヒンジアセンブリ500及び自己ロッキングタブ480は、試料チューブホルダ408と試薬ハウジング410の間に容易に取り付けることができる。ヒンジアセンブリ500は、製造供給チェーンの中に容易に導入することができ、又はユーザがラックの使用時点で取り付けることができる。試料チューブホルダ408と、ヒンジアセンブリ500と、自己ロッキングタブ480と、試薬ハウジング410とは単体構造を形成することができる。この単体構造は、1つの流動的運動で受け入れ区画の中に挿入され、1つの流動的運動で受け入れ区画から取り出すことができる。
【0203】
ラック400は、それを
図17及び
図18に示す診断装置300の内外に容易に挿入して取り出すことができるように設計することができる。試薬ハウジング410は、ラック400の位置決めを容易にする1又は2以上の位置合わせ部材430を含むことができる。位置合わせ部材430は、仕切り250によって作動させるべき適正な向きでラック400が挿入されることを保証することができる。ラック400は、診断装置300の中に正しく位置決めされ、その後の移動は、液体取り扱い作動中に液体分注器の移動が損なわれることにならないように制限されることが望ましい。一部の実施形態では、ラック400又は診断装置300は、診断装置300内へのラック400の適正な配置を示すように構成されたセンサを含むことができる。
【0204】
本発明の開示のヒンジアセンブリの実施形態は、多くの異なる方法で作動させることができることは明らかであろう。例えば、1つの非限定的な実施形態では、仕切り250は静止状態にあり、ラック400は、診断装置300の中に引き下げられるときに仕切り250と相互作用し、それによってヒンジアセンブリ500が作動される。仕切り250は、ラック100を診断装置300内に配置するときに自己ロッキングタブ480と接触するように成形かつサイズが決定される。有利なことに、試料チューブ102は、ラック400内で少なくとも試料チューブホルダ408の上側開口部444によって水平方向に抑制され、更に少なくともヒンジアセンブリ500によって垂直方向に抑制される。
【0205】
ラック400は、それを診断装置300の内外に容易に取り出して再挿入することができるように設計することができる。診断装置300からの取り出し後に、仕切り250は、自己ロッキングタブ480に対してもはや力を作用しない。ヒンジ板552は、ユーザが作動させるまでチューブ保持構成に留まることができる。ユーザは、1又は2以上の試料チューブ102を垂直上向きに摺動させることによって1又は2以上の試料チューブ102を容易に取り出すことができるようにヒンジ板552をピボット運動及び/又は摺動させることができる。1又は2以上の試料チューブ102を垂直下向きに摺動させることによって新しい試料チューブ102を容易に挿入することができる。ラック400は、診断装置300の中に再挿入することができる。挿入作動は、新しい試料チューブ102のセットを保持するようにヒンジアセンブリ500を作動させることができる。自己ロッキングタブ480の作動は自動とすることができ、ユーザによる更に別のアクションを必要としない。自己ロッキングタブ480を仕切り250に係合させる行為は、ラック400を診断装置300の中に挿入する行為と同じ行為とすることができる。
【0206】
ラック400の実施形態は、仕切り250を含まない受け入れ区画に受け入れることができることは理解されるであろう。そのような場合のヒンジアセンブリ500は、ユーザによるヒンジ板552の作動によってチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移行させることができる。一部の実施形態では、ユーザは、自己ロッキングタブ480の存在に関わらずヒンジ板552をチューブ挿入構成からチューブ保持構成に移行させる。一部の実施形態では、自己ロッキングタブ480は、ヒンジアセンブリ500がチューブ保持構成に作動されたことを保証するための追加の保護である。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、ユーザ又は自己ロッキングタブ480のいずれかによってロックすることができる。一部の実施形態では、仕切り250を有する受け入れ区画を使用することなどによって診断装置300の中に挿入される前にのみラック400に1又は2以上の試料チューブ102を装填することができる。一部の実施形態では、仕切り250を持たない受け入れ区画を使用することなどによって診断装置300の中に挿入される前及び挿入された後にラック400に1又は2以上の試料チューブ102を装填することができる。
【0207】
ヒンジアセンブリ500は、診断装置300の外にあるときにチューブの装填及び取り出しに向けて摺動及びピボット運動することができる機械的アセンブリである。チューブ挿入構成では、ヒンジアセンブリは、この開放構成又は装填可能構成にロックされるような安定状態を有する。ヒンジアセンブリ500は、診断装置300の外又は中にあるときにチューブの保持に向けて摺動及びピボット運動することができる機械的アセンブリである。チューブ保持構成では、ヒンジアセンブリは、この閉鎖構成にロックされるような安定状態を有する。ヒンジアセンブリ500は、ヒンジアセンブリ500が診断装置300内に配置されるときに閉鎖状態にあることを保証するためにバネ及び自己閉鎖構成要素を利用する。試料チューブ102は、そのキャップ172の上部の最小限の面積を覆うことによって垂直に拘束される。一部の実施形態では、チューブ保持構成でのヒンジアセンブリ500のヒンジ板552は、チューブ102の上部に接触しない。チューブ保持構成は、試料チューブ102の脱出を防止しながらピペット採取作動を可能にする。ヒンジアセンブリ500は、バネロックチューブ拘束器と考えることができる。ヒンジアセンブリ500は、試料の採取及び搬送に適している。ヒンジアセンブリ500は、力学及び自動化に関連している。
【0208】
ヒンジアセンブリ500は、垂直拘束を適用する機構である。ヒンジアセンブリ500は、本明細書に説明する一連のバネフィンガを含む他の設計を置換することができる。ヒンジアセンブリ500は、診断装置300の外にあるときに、試料チューブ102が留められてラック400から脱出することができないチューブ保持構成、及びユーザが試料チューブ102をラック400に挿入すること及び/又はラック400から取り出すことができるチューブ挿入構成という2つの状態を有する。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、診断装置の外にあるときに2つの可能な状態のみを有する。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、診断装置300内であるときにチューブ保持構成でのみ作動させることができる。一部の実施形態では、ヒンジアセンブリ500は、診断装置300内に挿入されたときにチューブ保持構成に移行する。
【0209】
ヒンジアセンブリ500は、スライドロック530及び従ってヒンジ板552をヒンジ支持体502内でヒンジピン522に沿って左右に摺動させる2つのバネ524を使用することによって作用する。チューブ保持構成では、スライドロック530は、ヒンジ板552の回転を防止する。スライドロック530のフランジ550は、チャネル518内である。チャネル518は、スライドロック530のフランジ550の回転を防止又は制限し、それによってスライドロック530に取り付けられたヒンジ板552の回転を防止又は制限する。チューブ保持構成では、自己ロッキングタブ480は、例えばラック400が診断装置300内であるときにフランジ568を上向きに押すように作動させることができる。チューブ保持構成では、例えば、ラック400が診断装置300の外側にあるときに自己ロッキングタブ480を作動させることはできない。自己ロッキングタブ480は、ヒンジアセンブリ500が診断装置300に配置されているときに常にチューブ保持構成にあることを保証するためにこの設計に組み込まれた自己閉鎖機構である。
【0210】
チューブ挿入構成では、スライドロック530は、チャネル518に対して摺動させられる。スライドロック530のフランジ550は、最初に下側開口部516の中に位置付けられる。次いで、スライドロック530のフランジ550は、下側開口部516から外向きにピボット運動させられる。スライドロック530は、ヒンジ支持体502に対してピボット運動させられ、これは、スライドロック530に取り付けられたヒンジ板552をヒンジ支持体502に対してピボット運動させる。フランジ550が面504内の開口部に位置合わせするようにバネ524及びスライドロック530が摺動すると、フランジ550は下側開口部516の外に回転し、それによってヒンジ板552が回転する。
【0211】
ヒンジアセンブリ500は、試料チューブを接触摩擦によって定位置に保持するバネフィンガ設計に優る利点を有する。接触摩擦を発生させるのに使用されるバネ定数は、変化するバネ定数を有し、たやすく損なわれ、その結果、試料チューブ102の脱出がもたらされる場合がある。ヒンジアセンブリ500は、チューブを拘束するのに摩擦及びバネを拠り所としない。チューブ保持構成では、試料チューブ102は、ヒンジアセンブリ500から出るクリア経路を持たない。試料チューブ102は、それが脱出することをヒンジ板552との相互作用によって防止する確実なストップを有する。同様に、ヒンジアセンブリ500は、ユーザがチューブを装填し、取り出すことを容易にする。ヒンジアセンブリ500がチューブ挿入構成にあるときに、ユーザは、試料チューブ102を挿入して取り出すのに2つの手を自由に使用することができる。一部の限られた状況下では、ラックを逆さにすることができ、試料チューブ102をラック400から一度に全て捨てることができる。一部の実施形態では、12個の試料チューブ102を装填又は除荷するのにユーザによる12回の個々の力印加を必要とするのではなく、ユーザからの1回の力印加しか必要とされない。
【0212】
ヒンジアセンブリ500は、試料チューブ102の垂直移動を防止又は制限することができる。ヒンジアセンブリ500は、試料チューブホルダ408からの試料チューブ102の脱出を防止又は制限することができる。ヒンジアセンブリ500は、計器ワークフロー中にラック400からの試料チューブ102の脱出を防止又は制限することができる。試料チューブの脱出は、稼働を中断させてユーザ関与を引き起こすと考えられる。
【0213】
ヒンジアセンブリ500は、運動のためのバネを使用する可能性がある。ヒンジアセンブリ500は、運動のためのモータを用いない。ヒンジアセンブリ500は、試料チューブ102を拘束するのに小さい面積しか用いない。ヒンジアセンブリ500は、チューブを拘束するのに使用される。ヒンジアセンブリ500は、開閉するための摺動運動のためのバネを使用する。ヒンジアセンブリ500は、チューブ拘束のための摺動ヒンジ板552を使用する。
【0214】
ヒンジアセンブリ500のヒンジ板552は、作動力によってピボット運動させられる。一部の実施形態では、自己ロッキングタブ480は、ヒンジ板552をピボット運動させ、それによって試料チューブ102をロックする機構である。自己ロッキングタブ480の利用の前に試料チューブ102を試料チューブホルダ408の中に容易に装填することができるように、ヒンジ板552は、チューブ挿入構成にすることができる。チューブ保持構成にあるときに、ヒンジ板552は、試料チューブ102の全てを試料チューブホルダ408内に同時に拘束することができるように複数の試料チューブ102に垂直拘束を一貫して提供する。ヒンジ板552の単体構造は、各試料チューブ102に一貫した力を印加することを可能にする。更に、同じ作動力がヒンジ板552の同じピボット運動及び/又は摺動運動をもたらすように、ヒンジ板552のピボット運動は再現可能である。有利なことに、ヒンジ板552は、同じラック400を用いて順次実施される一連の診断検査中の試料チューブ102のバッチの容易な装填及び除荷のために構成間で容易に移動され、それによってユーザ過誤、並びにラックを装填及び除荷する時間が最小にされ、ピペット採取効率が高まる。
【0215】
以上の説明は、本発明の様々な態様を例示することを意図している。本明細書に提示した例は、本発明の範囲を制限するように意図していない。本発明の技術をここで完全に説明したところで、添付の特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱することなく、多くの変形及び修正をそこに加えることができることは当業者に明らかであろう。