(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】多発性骨髄腫の治療における抗増殖化合物及び第2の活性薬剤とそれらの併用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/496 20060101AFI20240408BHJP
A61K 31/4178 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/436 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/4418 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/472 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/517 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/551 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/706 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/7064 20060101ALI20240408BHJP
A61K 31/7076 20060101ALI20240408BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240408BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240408BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A61K31/496
A61K31/4178
A61K31/436
A61K31/4418
A61K31/444
A61K31/4545
A61K31/472
A61K31/497
A61K31/4985
A61K31/506
A61K31/517
A61K31/519
A61K31/5377
A61K31/551
A61K31/706
A61K31/7064
A61K31/7076
A61K45/00
A61P35/00
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2021539935
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(86)【国際出願番号】 US2020012647
(87)【国際公開番号】W WO2020146440
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2023-01-05
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509307635
【氏名又は名称】セルジーン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】リリー エル. ウォン
【審査官】工藤 友紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/014100(WO,A1)
【文献】特表2017-523207(JP,A)
【文献】特表2017-527547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式の化合物1、
【化1】
またはその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である化合物を含む多発性骨髄腫を治療するための医薬組成物であって、該医薬組成物は該化合物が第2の活性薬剤と組み合わせて投与されるように用いられ、該第2の活性薬剤は、BTK阻害剤、mTOR阻害剤、PIM阻害剤、IGF-1R阻害剤、MEK阻害剤、XPO1阻害剤、DOT1L阻害剤、EZH2阻害剤、JAK2阻害剤、BRD4阻害剤、PLK1阻害剤、NEK2阻害剤、AURKB阻害剤、BIRC5阻害剤、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤のうち1つ以上である、前記医薬組成物。
【請求項2】
下式の化合物2、
【化2】
またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である化合物を含む多発性骨髄腫を治療するための医薬組成物であって、該医薬組成物は該化合物が第2の活性薬剤と組み合わせて投与されるように用いられ、該第2の活性薬剤は、BTK阻害剤、mTOR阻害剤、PIM阻害剤、IGF-1R阻害剤、MEK阻害剤、XPO1阻害剤、DOT1L阻害剤、EZH2阻害剤、JAK2阻害剤、BRD4阻害剤、PLK1阻害剤、NEK2阻害剤、AURKB阻害剤、BIRC5阻害剤、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤のうち1つ以上である、前記医薬組成物。
【請求項3】
前記化合物は、化合物2である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記第2の活性薬剤は、BTK阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記BTK阻害剤は、イブルチニブもしくはアカラブルチニブ、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記BTK阻害剤は、イブルチニブである、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記第2の活性薬剤は、mTOR阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記mTOR阻害剤は、ラパマイシンまたはその類似体(ラパログとも称される)である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記mTOR阻害剤は、エベロリムスである、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記第2の活性薬剤は、PIM阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記PIM阻害剤は、LGH-447、AZD1208、SGI-1776もしくはTP-3654、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記PIM阻害剤は、LGH-447もしくはLGH-447の塩酸塩である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記第2の活性薬剤は、IGF-1R阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記IGF-1R阻害剤は、リンシチニブである、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記第2の活性薬剤は、MEK阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記MEK阻害剤は、トラメチニブ、トラメチニブジメチルスルホキシド、コビメチニブ、ビニメチニブ、もしくはセルメチニブ、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記MEK阻害剤は、トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシドである、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシドは、約1mg、約1.5mg、または約2mgの投薬量で毎日1回投与される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記第2の活性薬剤は、XPO1阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記XPO1阻害剤は、セリネクソールである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記第2の活性薬剤は、DOT1L阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記DOT1L阻害剤は、SGC0946、もしくはピノメトスタット、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記DOT1L阻害剤は、SGC0946である、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記DOT1L阻害剤は、ピノメトスタットである、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記第2の活性薬剤は、EZH2阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記EZH2阻害剤は、タゼメトスタット、3-デアザネプラノシンA(DZNep)、EPZ005687、EI1、GSK126、UNC1999、CPI-1205、もしくはシネフンギン、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記EZH2阻害剤は、タゼメトスタットである、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記タゼメトスタットは、約800mgの投薬量で毎日2回投与される、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記EZH2阻害剤は、UNC1999である、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記EZH2阻害剤は、CPI-1205である、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記第2の活性薬剤は、JAK2阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記JAK2阻害剤は、フェドラチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、ガンドチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、もしくはパクリチニブ、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記JAK2阻害剤は、フェドラチニブである、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記第2の活性薬剤は、BRD4阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記BRD4阻害剤は、JQ1である、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記第2の活性薬剤は、PLK1阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記PLK1阻害剤は、BI2536である、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記第2の活性薬剤は、NEK2阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記NEK2阻害剤は、JH295である、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記第2の活性薬剤は、AURKB阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記AURKB阻害剤は、バラセルチブまたはAZD1152-HQPAである、請求項40に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記第2の活性薬剤は、BIRC5阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記BIRC5阻害剤は、YM155である、請求項42に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記第2の活性薬剤は、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、アザシチジンである、請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記多発性骨髄腫は、再発性、難治性または抵抗性である、請求項1~45のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記多発性骨髄腫は、レナリドマイドに対して難治性または抵抗性である、請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記多発性骨髄腫は、ポマリドマイドに対して難治性または抵抗性である、請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記多発性骨髄腫は、新たに診断された多発性骨髄腫である、請求項1~45のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記医薬組成物は前記化合物がさらに追加の活性薬剤と組み合わせて投与されるように用いられる、請求項1~49のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
前記追加の活性薬剤は、デキサメタゾンである、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記追加の活性薬剤は、ボルテゾミブである、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項53】
下式の化合物2、
【化2】
またはその薬学的に許容される塩である化合物を含む、再発性または難治性多発性骨髄腫を治療するための医薬組成物であって、該医薬組成物は該化合物が(i)トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシド、および(ii)デキサメサゾンと組み合わせて投与されるように用いられる、前記医薬組成物。
【請求項54】
下式の化合物2、
【化2】
またはその薬学的に許容される塩である化合物を含む、再発性または難治性多発性骨髄腫を治療するための医薬組成物であって、該医薬組成物は該化合物が(i)タゼメトスタット、および(ii)デキサメサゾンと組み合わせて投与されるように用いられる、前記医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月9日に出願された米国仮出願第62/790,326号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
多発性骨髄腫を治療、予防または管理するための、4-(4-(4-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と併用する方法を、本明細書で提供する。
【背景技術】
【0003】
多発性骨髄腫(MM)は、骨髄中の形質細胞のがんである。通常、形質細胞は、抗体を産生し、免疫機能において重要な役割を果たす。しかしながら、これらの細胞の制御されない増殖は、骨痛と骨折、貧血、感染、及び他の合併症を引き起こす。多発性骨髄腫は、2番目に一般的な血液悪性腫瘍であるが、多発性骨髄腫の正確な原因は不明なままである。多発性骨髄腫は、血液、尿、臓器中に、Mタンパク質及び他の免疫グロブリン(抗体)、アルブミン、ならびにベータ-2-ミクログロブリンを含むがこれらに限定されない高レベルのタンパク質を引き起こすが、例外として、一部の患者(推定1%~5%)は、骨髄腫細胞がこれらのタンパク質を分泌しない(非分泌性骨髄腫と呼ばれる)。パラプロテインとしても知られるモノクローナルタンパク質の略であるMタンパク質は、骨髄腫形質細胞によって産生される特に異常なタンパク質であり、多発性骨髄腫を有するほぼすべての患者の血液または尿中に見いだされ得るが、非分泌性骨髄腫を有する患者またはその骨髄腫細胞が重鎖と共に免疫グロブリン軽鎖を産生する患者を除く。
【0004】
骨痛を含む骨格症状は、多発性骨髄腫の最も臨床的に重要な症状の1つである。悪性形質細胞は、破骨細胞刺激因子(IL-1、IL-6及びTNFを含む)を放出し、それにより骨からのカルシウム溶出が引き起こされて溶解性病変を生じさせる。高カルシウム血症はもう一つの症状である。サイトカインとも呼ばれる破骨細胞刺激因子は、アポトーシス、すなわち、骨髄腫細胞の死を妨げ得る。患者の50パーセントは、診断時、X線検査で検出可能な骨髄腫関連骨格病変を有する。多発性骨髄腫の他の一般的な臨床症状は、多発性神経障害、貧血、過粘稠、感染症、及び腎不全を含む。
【0005】
現在の多発性骨髄腫療法は、患者における多発性骨髄腫細胞を根絶するための手術、幹細胞移植、化学療法、免疫療法、及び/または放射線治療のうちの1つ以上を含み得る。現在の治療アプローチのすべては、患者に対する顕著な欠点を呈する。
【0006】
過去10年間で、新規治療剤、特にレナリドマイド及びポマリドマイドなどの免疫調節薬により、多発性骨髄腫患者の奏効率が有意に向上し、無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)が延長された。しかしながら、多発性骨髄腫を有する多くの患者では、これらの患者が完全奏効(CR)を達成した後でさえも、骨髄(BM)形態、免疫固定を伴うタンパク質電気泳動、及び軽鎖定量の感度を下回る持続的なレベルの残存病変が存在し、最終的には疾患の再発を引き起こす。骨髄腫の微小残存病変(MRD)は、無増悪生存期間(PFS)の独立した予測因子であり、効果的な治療法の同定を向上させるための代替試験のエンドポイントとして、特に生存差を同定するために現在5~10年の経過観察を必要とする最先端試験で研究されている。したがって、多発性骨髄腫を有する患者の微小残存病変(MRD)をモニタリングすることにより、PFS及びOSを予測し、治療法を決定する際の予後値が得られる。骨髄腫における微小残存病変(MRD)の検出では、治療後に0.01%の閾値(10-4)が使用される場合があり、すなわち、総骨髄単核細胞に対する割合として、10-4細胞以下の多発性骨髄腫細胞を有することはMRD陰性と見なされ、10-4細胞以上はMRD陽性と見なされる。10-4のMRD閾値は、元々技術的能力に基づいていたが、現在、フローサイトメトリーでは10-5、ハイスループットシーケンシングでは10-6で定量的MRD検出が可能である。(Rawstron et al.,Blood 2015;125(12):1932-1935)。MRDの測定方法として、VDJのDNAシーケンシング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(対立遺伝子特異的PCR、ASO PCRを含む)、及びマルチパラメーターフローサイトメトリー(MPF)が挙げられる。例えば、クロノタイプ特性測定に基づくMRDのアッセイはまた、参照により本明細書に援用される、Fahamらの米国特許第8,628,927号に記載されている。
【0007】
従来の療法に伴う毒性及び/または副作用を低減または回避しながら、多発性骨髄腫が新たに診断されたか、または標準治療に難治性である患者に対するものを含む、多発性骨髄腫を治療、予防及び管理するための安全かつ効果的な化合物及び方法が非常に必要とされている。
【0008】
本出願の第2節におけるいずれの参考文献の引用または特定も、その参考文献が本出願の先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0009】
多発性骨髄腫を治療、予防または管理するための、4-(4-(4-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリルの化合物、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と併用する方法を本明細書で提供するが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0010】
また、本明細書中の方法で使用するために提供されるのは、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩などの、有効な濃度の本明細書に記載の化合物を含み、また場合により少なくとも1つの薬学的担体を含む、適切な経路及び手段による投与のために製剤化された医薬組成物である。また、本明細書中の方法で使用するために提供されるのは、例えば、イブルチニブ、エベロリムス、LGH-447、リンシチニブ、トラメチニブ、トラメチニブジメチルスルホキシド、セリネクソール、SGC0946、ピノメトスタット、タゼメトスタット、UNC1999、CPI-1205、フェドラチニブ、JQ1、BI2536、JH295、バラセルチブ、AZD1152-HQPA、YM155、化合物Cもしくはアザシチジン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩などの有効な濃度の本明細書に記載の第2の活性薬剤を含む、適切な経路及び手段による投与のために製剤化された医薬組成物である。
【0011】
一実施形態では、医薬組成物は、多発性骨髄腫の治療に有効な量を送達する。一実施形態では、医薬組成物は多発性骨髄腫の予防に有効な量を送達する。一実施形態では、医薬組成物は、多発性骨髄腫の寛解に有効な量を送達する。
【0012】
また、本明細書に記載の化合物もしくは組成物、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩と、本明細書に記載の第2の活性薬剤(例えば、イブルチニブ、エベロリムス、LGH-447、リンシチニブ、トラメチニブ、トラメチニブジメチルスルホキシド、セリネクソール、SGC0946、ピノメトスタット、タゼメトスタット、UNC1999、CPI-1205、フェドラチニブ、JQ1、BI2536、JH295、バラセルチブ、AZD1152-HQPA、YM155、化合物Cもしくはアザシチジン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩)とを使用する併用治療、例えば、多発性骨髄腫またはその症状に対して活性である別の医薬剤とさらに組み合わせた療法(例えば、三剤療法)を、本明細書で提供する。本方法の範囲内にある療法の例としては、手術、化学療法、放射線療法、生物学的療法、幹細胞移植、細胞療法、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書に記載の化合物または組成物、またはその薬学的に許容される誘導体は、上述の療法剤のうち1つ以上と同時に、相互の投与の前または後に投与され得る。本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物及び上述の療法剤のうち1つ以上も提供する。
【0014】
本明細書に記載の方法を実施する一実施形態では、有効な量の化合物または治療上有効な濃度の化合物を含む組成物は、治療対象の多発性骨髄腫の症状を示す個体に投与される。これらの量は、多発性骨髄腫の1つ以上の症状の寛解または除去に有効である。
【0015】
医薬組成物の成分の1つ以上が充填された1つ以上の容器を備える、医薬パックまたはキットをさらに提供する。場合により、医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関により定められた形式の通知書を、そのような容器(複数可)に付属させることができ、この通知書は、ヒトへの投与に関する製造、使用または販売の政府機関による承認が反映されたものである。パックまたはキットには、投与様式、薬物投与の順序(例えば、別々、順次、または同時)などに関する情報のラベルが付けられることがある。
【0016】
本明細書に記載の主題のこれら及び他の態様は、以下の発明を実施するための形態を参照することにより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.定義
別段の定義がない限り、本明細書中で使用するすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開出願及び他の刊行物は、その全体が参照により援用される。本明細書の用語に複数の定義がある場合、特に明記しない限り、本節における定義が優先される。
【0018】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」及び「含む(including)」は同じ意味で用いられる。用語「含む(comprising)」及び「含む(including)」は、記載された特徴または成分の存在を参照されるように指定することとして解釈されるが、1つ以上の特徴もしくは成分、またはその群の存在または追加を妨げるものではない。追加的に、用語「含む(comprising)」及び「含む(including)」は、用語「からなる(consisting of)」によって包含される例を含むことが意図される。したがって、用語「からなる(consisting of)」は、本発明のより特定の実施形態を提供するために、用語「含む(comprising)」及び「含む(including)」の代わりに使用され得る。
【0019】
用語「からなる(consisting of)」とは、対象物が、それが構成する少なくとも90%、95%、97%、98%または99%の記載する特徴または成分を有することを意味する。別の実施形態では、用語「からなる(consisting of)」は、達成されるべき技術的効果にとって必須ではないものを除いて、任意の後続の記述の範囲から任意の他の特徴または成分を除外する。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「または」は、任意の1つまたは任意の組み合わせを意味する包括的な「または」として解釈される。したがって、「A、BまたはC」とは、「A;B;C;A及びB;A及びC;B及びC;A、B及びC」のうちのいずれかを意味する。この定義の例外は、要素、機能、ステップまたは行為の組み合わせが、なんらかの形で本質的に互いに排他的な場合にのみ生じる。
【0021】
「IC50」とは、本明細書に記載のインビトロアッセイまたは細胞ベースのアッセイのいずれかを介して測定される、受容体の結合、受容体の活性、細胞の増殖または増大などを、最大応答に対して50%阻害するような特定の被験化合物の量、濃度または用量を指す。
【0022】
薬学的に許容される塩として、アミン塩、例えば、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミン及び他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、1-パラ-クロロベンジル-2-ピロリジン-1’-イルメチル-ベンズイミダゾール、ジエチルアミン及び他のアルキルアミン、ピペラジンならびにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;リチウム、カリウム及びナトリウムなどであるがこれらに限定されないアルカリ金属塩;バリウム、カルシウム及びマグネシウムなどであるがこれらに限定されないアルカリ土類金属塩;亜鉛などの遷移金属塩;ならびにリン酸水素ナトリウム及びリン酸二ナトリウムなどであるがこれらに限定されない他の金属塩が挙げられるが、これらに限定されず;さらに、塩酸塩及び硫酸塩などの鉱酸の塩;酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、フマル酸塩及び有機スルホン酸塩などの有機酸の塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
別段記載されない限り、化合物が代替の互変異性体、位置異性体、及び/または立体異性体の形態をとり得る場合、全ての代替の異性体は、特許請求される対象の範囲内に包含されることが意図される。例えば、化合物が2つの互変異性体形態のうち1つを有することができる場合、両方の互変異性体が本明細書中に包含されることが意図される。
【0024】
したがって、本明細書に記載の化合物は、鏡像異性体として純粋であり得るか、または立体異性体もしくはジアステレオマー混合物であり得る。本明細書で使用される場合、及び特に記載がない限り、用語「立体異性体として純粋」は、ある化合物の1種の立体異性体を含み、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として純粋な組成物は、その化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まない。2つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として純粋な組成物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性体として純粋な化合物は、その化合物の1種の立体異性体を約80重量%超、及びその化合物の他の立体異性体を約20重量%未満、より好ましくは、その化合物の1種の立体異性体を約90重量%超、及びその化合物の他の立体異性体を約10重量%未満、さらにより好ましくは、その化合物の1種の立体異性体を約95重量%超、及びその化合物の他の立体異性体を約5重量%未満、ならびに最も好ましくは、その化合物の1種の立体異性体を約97重量%超、及びその化合物の他の立体異性体を約3重量%未満含む。立体異性体として純粋な化合物は、本明細書で使用される場合、その化合物の1種の立体異性体を約80重量%超、より好ましくは、その化合物の1種の立体異性体を約90重量%超、さらにより好ましくは、その化合物の1種の立体異性体を約95重量%超、及び最も好ましくは、その化合物の1種の立体異性体を約97重量%超含む。本明細書で使用される場合、及び特に記載がない限り、用語「立体異性体として濃縮された」は、ある化合物の1種の立体異性体を約60重量%超、好ましくは約70重量%超、より好ましくはある化合物の1種の立体異性体を約80重量%超含む組成物を意味する。本明細書で使用される場合、及び特に記載がない限り、用語「鏡像異性体として純粋」は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として純粋な組成物を意味する。同様に、用語「立体異性体として濃縮された」は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体として濃縮された組成物を意味する。本明細書で使用される場合、立体異性体またはジアステレオマー混合物は、化合物の2つ以上の立体異性体を含む組成物を意味する。化合物の典型的な立体異性混合物は、その化合物の1種の立体異性体を約50重量%及びその化合物の他の立体異性体を約50重量%含むか、またはその化合物の1種の立体異性体を約50重量%超及びその化合物の他の立体異性体を約50重量%未満含むか、またはその化合物の1種の立体異性体を約45重量%超及びその化合物の他の立体異性体を約55重量%未満含むか、またはその化合物の1種の立体異性体を約40重量%超及びその化合物の他の立体異性体を約60重量%未満含むか、またはその化合物の1種の立体異性体を約35重量%超及びその化合物の他の立体異性体を約65重量%未満含む。
【0025】
本明細書に記載の化合物は、キラル中心を含み得ることが理解されるべきである。そのようなキラル中心は、(R)もしくは(S)構成のいずれかであり得るか、またはそれらの混合物であり得る。本明細書に記載の化合物のキラル中心はインビボでエピマー化を受ける場合があることを、理解されたい。したがって、(R)形態の化合物の投与が、インビボでエピマー化を受ける化合物について、(S)形態の化合物の投与と同等であることを当業者であれば認識するであろう。
【0026】
光学的に活性な(+)及び(-)、(R)及び(S)、または(D)及び(L)異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製され得るか、またはキラル固定相に対するクロマトグラフィーなどの従来の技法を使用して分割され得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「アイソトポログ」とは、同位体として濃縮された化合物である。用語「同位体として濃縮された」とは、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位体として濃縮された」はまた、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1つの原子を含有する化合物を指す場合もある。用語「同位体組成」とは、所与の原子について含まれる各同位体の量を指す。放射性同位元素を使って識別された化合物及び同位体として濃縮された化合物は、治療剤、例えば、多発性骨髄腫の治療剤、研究試薬、例えば、結合アッセイ試薬、ならびに診断薬、例えば、インビボ造影剤として有用である。本明細書に記載される化合物の同位体のすべての変形は、放射性であるか否かにかかわらず、本明細書に記載の実施形態の範囲内に包含されることが意図される。いくつかの実施形態では、化合物のアイソトポログが提供され、例えば、化合物1、化合物2または化合物3のアイソトポログは、重水素、炭素13、または窒素15が濃縮された化合物である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアイソトポログは、重水素が濃縮された化合物である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアイソトポログは、重水素が濃縮された化合物であり、その場合、重水素化はキラル中心に生じる。
【0028】
本明細書の記載において、化学名と化学構造との間になんらかの不一致がある場合、構造が優先される。
【0029】
本明細書で使用される場合、「多発性骨髄腫」は、悪性形質細胞を特徴とする血液学的病態を指し、以下の疾患、すなわち、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS);低リスク、中リスク、及び高リスクの多発性骨髄腫;新たに診断された多発性骨髄腫(低リスク、中リスク、及び高リスクの新たに診断された多発性骨髄腫を含む);移植適応及び移植不適応の多発性骨髄腫;くすぶり型(無痛性)多発性骨髄腫(低リスク、中リスク、及び高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫を含む);活動性多発性骨髄腫;孤立性形質細胞腫;髄外性形質細胞腫;形質細胞白血病;中枢神経系多発性骨髄腫;軽鎖骨髄腫;非分泌性骨髄腫;免疫グロブリンD骨髄腫;及び免疫グロブリンE骨髄腫;ならびにサイクリンD転座(例えば、t(11;14)(q13;q32);t(6;14)(p21;32);t(12;14)(p13;q32))またはt(6;20););MMSET転座(例えば、t(4;14)(p16;q32));MAF転座(例えば、t(14;16)(q32;q32);t(20;22);t(16;22)(q11;q13);またはt(14;20)(q32;q11));または他の染色体因子(例えば、17p13または染色体13の欠失;del(17/17p)、非高二倍性、及びgain(1q))などの遺伝的異常を特徴とする多発性骨髄腫を含む。一実施形態では、多発性骨髄腫は、多発性骨髄腫国際病期分類システム(ISS)に従って特徴付けられる。一実施形態では、多発性骨髄腫は、ISSによって特徴付けられるステージIの多発性骨髄腫である(例えば、血清β2ミクログロブリン3.5mg/L未満及び血清アルブミン3.5g/dL以上)。一実施形態では、多発性骨髄腫は、ISSによって特徴付けられるステージIIIの多発性骨髄腫である(例えば、血清β2ミクログロブリン5.4mg/L未満)。一実施形態では、多発性骨髄腫は、ISSによって特徴付けられるステージIIの多発性骨髄腫である(例えば、ステージIまたはIIIではない)。
【0030】
本明細書で使用される場合、及び特に記載がない限り、用語「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、治療される疾患または病態、例えば、多発性骨髄腫に伴う症状の重症度を軽減または低減することを指す。
【0031】
用語「予防」は、特定の疾患または障害、例えば、多発性骨髄腫の症状の阻害を含む。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫の家族歴を有する患者は、予防レジメンの候補である。一般に、用語「予防すること」は、特に多発性骨髄腫のリスクがある患者への、症状発生前の薬剤の投与を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、及び特に記載がない限り、用語「管理すること」は、多発性骨髄腫などの特定の疾患または障害の再発を、それを患った患者において予防すること、疾患または障害を患った患者が寛解し続ける時間を延長すること、患者の死亡率を低減すること、及び/または管理されている疾患または病態に伴う症状の重症度の低減または回避を維持することを包含する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「対象」または「患者」は、動物、典型的に、ヒト患者などのヒトを含む哺乳動物である。
【0034】
用語「再発性」とは、療法後に多発性骨髄腫が寛解した患者の骨髄において、骨髄腫細胞が復帰し、及び/または正常な血液細胞が減少する状況を指す。
【0035】
用語「難治性または抵抗性」とは、集中治療後でさえも、患者の骨髄において、骨髄腫細胞が残存し、及び/または正常細胞が減少している状況を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「導入療法」とは、疾患に対して行う最初の治療、またはがんなどの疾患の完全寛解を誘導する目的で行う最初の治療を指す。それ自身で使用する場合、導入療法は、最善の治療として認められる療法である。残存するがんが検出される場合、患者を、再導入と呼ばれる別の療法で治療する。導入療法後に患者が完全寛解にある場合、追加の地固め療法及び/または維持療法を行い、患者の寛解を延長するか、または潜在的に治癒する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「地固め療法」とは、寛解が最初に達成された後に、疾患に対して行う治療を指す。例えば、がんの地固め療法は、初期治療後にがんが消失した後に行う治療である。地固め療法として、放射線療法、幹細胞移植、またはがん薬物療法を用いた治療が挙げられ得る。地固め療法はまた、強化療法及び寛解後療法とも称される。
【0038】
本明細書で使用される場合、「維持療法」とは、寛解または最良の奏効が達成された後に、再発を予防するか、または遅延させるために、疾患に対して行う治療を指す。維持療法は、化学療法、ホルモン療法、または標的療法を含み得る。
【0039】
「寛解」とは、本明細書で使用される場合、がん、例えば、多発性骨髄腫の兆候及び症候の減少または消失である。部分寛解では、がんの兆候及び症候のあるものが消失するが、すべてではない。完全寛解では、がんのすべての兆候及び症候が消失するが、がんは依然として体内に存在する可能性がある。
【0040】
本明細書で使用される場合、「移植」とは、幹細胞救済を伴う高線量治療を指す。造血(血液)または骨髄幹細胞は、治療としてではなく、例えば高線量化学療法及び/または放射線などの高線量治療後に患者を救済するために使用される。移植には、「自家」幹細胞移植(ASCT)が含まれ、これは、代替細胞として採取されて、使用される患者本人の幹細胞の使用を指す。いくつかの実施形態では、移植はまた、タンデム移植または複合移植を含む。
【0041】
本明細書で使用される場合、及び別途指定されない限り、化合物の「治療上有効な量」及び「有効な量」は、疾患、例えば、多発性骨髄腫の治療、予防及び/もしくは管理に治療上の利点を提供するか、または治療される疾患もしくは障害に伴う1つ以上の症状を遅延させるか、もしくは最小限に抑えるのに充分な量を指す。用語「治療上有効な量」及び「有効な量」は、全体的な療法を改善するか、疾患もしくは障害の症状もしくは病因を低減もしくは回避するか、または別の治療剤の治療効力を増強する量を包含し得る。
【0042】
用語「共投与」及び「組み合わせて」とは、1つ以上の治療剤(例えば、本明細書に記載の化合物及び別の抗多発性骨髄腫薬、抗がん剤または支持療法薬)を、同時に、一斉に、または特定の時間制限なく連続して投与することを含む。一実施形態では、薬剤は、細胞または患者の体内に同時に存在するか、または生物学的効果もしくは治療効果を同時に及ぼす。一実施形態では、治療剤は、同じ組成または単位剤形である。別の実施形態では、治療剤は、別の組成または単位剤形である。
【0043】
用語「支持療法薬」は、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩での治療からの有害作用を治療、予防または管理する任意の物質を指す。
【0044】
用語「生物学的療法」は、臍帯血、幹細胞、成長因子などの生物学的治療剤の投与を指す。
【0045】
多発性骨髄腫などのがんの文脈において、阻害は、とりわけ、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発性腫瘍の低減、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害、原発性または続発性腫瘍の出現の遅延、原発性または続発性腫瘍の発達の鈍化、原発性または続発性腫瘍の発生の減少、疾患の続発的作用の重症度の鈍化または減少、腫瘍成長の停止及び腫瘍の退縮、無増悪期間(TTP)の増加、無増悪生存期間(PFS)の増加、全生存期間(OS)の増加によって評価され得る。OSは、本明細書で使用される場合、治療開始からなんらかの原因による死亡までの時間を意味する。TTPは、本明細書で使用される場合、治療開始から腫瘍進行までの時間を意味するが、TTPは、死亡を含まない。一実施形態では、PFSは、治療開始から腫瘍進行または死亡までの時間を意味する。一実施形態では、PFSは、化合物の最初の投与から、疾患進行の最初の発生または任意の原因による死亡までの時間を意味する。一実施形態では、PFS率は、カプランマイヤー推定を使用して算出される。無事象生存期間(EFS)は、治療開始から、疾患進行、なんらかの理由による治療中止、または死亡を含む、なんらかの治療の失敗までの時間を意味する。一実施形態では、全奏効率(ORR)は、奏効を達成した患者のパーセンテージを意味する。一実施形態では、ORRは、完全奏効及び部分奏効を達成した患者のパーセンテージの合計を意味する。一実施形態では、ORRは、IMWG Uniform Response Criteriaに従って、自身の最良奏効が部分奏効(PR)以上である患者のパーセンテージを意味する。一実施形態では、奏効期間(DoR)は、奏効を達成してから再発または疾患進行までの時間である。一実施形態では、DoRは、部分奏効(PR)以上の奏効を達成してから再発または疾患進行までの時間である。一実施形態では、DoRは、奏効が最初に文書で記録されてから進行性疾患または死亡が最初に文書で記録されるまでの時間である。一実施形態では、DoRは、部分奏効(PR)以上の奏効が最初に文書で記録されてから進行性疾患または死亡が最初に文書で記録されるまでの時間である。一実施形態では、奏効までの期間(TTR)は、化合物の最初の投与から奏効が最初に文書で記録されるまでの時間を意味する。一実施形態では、TTRは、化合物の最初の投与から、部分奏効(PR)以上の奏効が最初に文書で記録されるまでの時間を意味する。極端な場合、完全阻害は、本明細書中で、予防または化学予防と称される。この文脈において、用語「予防」は、臨床的に明らかながんの発生を完全に予防すること、または前臨床的に明白なステージのがんの発生を予防することのいずれかを含む。また、この定義によって包含されることを意図するのは、悪性細胞への形質転換の予防、または前悪性細胞から悪性細胞への進行の停止もしくは反転である。これは、がんを発症するリスクがあるものの予防的治療を含む。
【0046】
ある特定の実施形態では、多発性骨髄腫の治療を、以下に示す効果判定及びエンドポイント定義を使用して、多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(IURC)によって評価してもよい(Durie BGM,Harousseau J-L,Miguel JS,et al.International uniform response criteria for multiple myeloma.Leukemia,2006;(10)10:1-7を参照されたい)。
【表1】
略語:CR、完全奏効;FLC、遊離軽鎖;PR、部分奏効;SD、不変;sCR、厳密な完全奏効;VGPR、最良部分奏効。
aすべての効果判定カテゴリは、任意の新規療法を実施する前の任意の時点で行う2つの連続評価を必要とし;すべてのカテゴリはまた、X線検査を実施していた場合に、進行性病変または新規骨病変の既知のエビデンスが存在していなかったことも必要である。これらの効果判定要件を満たすためにX線検査は必要ない。
b 骨髄生検を繰り返すことによる確認は必要ない。
cクローン細胞の有無は、κ/λ比に基づく。κ/λ比の異常を免疫組織化学検査及び/または免疫蛍光法により分析するためには、最低でも100個の形質細胞を必要とする。異常なクローンの存在を反映する異常な比率は、κ/λが4:1超または1:2未満である。
d以下の測定値の少なくとも1つによって定義される測定可能な疾患:骨髄形質細胞が30%以上;血清Mタンパク質が1g/dl以上(10gm/l以上)[10g/l];尿中Mタンパク質が200mg/24時間以上;血清FLCアッセイ:腫瘍由来FLCレベルが10mg/dl以上(100mg/l以上);ただし、血清FLC比が異常である場合。
【0047】
本明細書で使用される場合、ECOGステータスとは、以下に示すとおり、米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス(Oken M,et al Toxicity and response criteria of the Eastern Cooperative Oncology Group.Am J Clin Oncol 1982;5(6):649-655)を指す。
【表2】
【0048】
本明細書で使用される場合、特に記載がない限り、用語「約」とは、この用語によって修飾される値の上下10%を超えない値を指す。例えば、用語「約10mg/m2」は、9mg/m2~11mg/m2の範囲を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
B.図面の簡単な説明
【
図1】9つの小分子阻害剤と組み合わせた化合物2によるMM細胞の処理の効果を示す。MM細胞株のパネル全体にわたる9つの小分子阻害剤と組み合わせた化合物2による処理に対して相乗効果の算出を実施した。陰影ボックスは、化合物2による併用処理後の相乗活性を示すウェルの割合を示している。*は、ヌルモデルとの表面反応の違いの有意性を表す。
【0050】
【
図2A】イブルチニブと組み合わせた化合物2によるRPMI MM細胞の処理の効果を示す。
【
図2B】エベロリムスと組み合わせた化合物2によるRPMI MM細胞の処理の効果を示す。
【
図2C】LGH-447と組み合わせた化合物2によるRPMI MM細胞の処理の効果を示す。
【
図2D】リンシチニブと組み合わせた化合物2によるRPMI MM細胞の処理の効果を示す。
【
図2E】SGC0946と組み合わせた化合物2によるRPMI MM細胞の処理の効果を示す。
【
図2F】EPZ-6438と組み合わせた化合物2によるRPMI MM細胞の処理の効果を示す。
【
図2G】トラメチニブと組み合わせた化合物2によるH929MM細胞の処理の効果を示す。
【
図2H】フェドラチニブと組み合わせた化合物2によるH929MM細胞の処理の効果を示す。
【
図2I】セリネクソールと組み合わせた化合物2によるL363MM細胞の処理の効果を示す。
【0051】
【
図3A】JQ1と組み合わせた化合物2によるK12PE細胞株の処理の効果を示す。
【
図3C】JQ1と組み合わせた化合物2によるK12PE-PR細胞株の処理の効果を示す。
【0052】
【
図4A】トラメチニブと組み合わせた化合物2によるAMO1細胞株の処理を示す。
【
図4C】トラメチニブと組み合わせた化合物2によるAMO1-PR細胞株の処理の効果を示す。
【0053】
【
図5A】UNC1999と組み合わせた化合物2によるH929細胞株の処理の効果を示す。
【0054】
【
図6A】BI2536と組み合わせた化合物2によるAMO1細胞株の処理の効果を示す。
【
図6C】BI2536と組み合わせた化合物2によるAMO1-PR細胞株の処理の効果を示す。
【0055】
【
図7A】JH295と組み合わせた化合物2によるAMO1細胞株の処理の併用指数を示す。
【
図7B】JH295と組み合わせた化合物2によるAMO1-PR細胞株の処理の併用指数を示す。
【0056】
【
図8A】AZD1152と組み合わせた化合物2によるAMO1細胞株の処理の併用指数を示す。
【
図8B】AZD1152と組み合わせた化合物2によるK12PE細胞株の処理の併用指数を示す。
【
図8C】AZD1152と組み合わせた化合物2によるAMO1-PR細胞株の処理の併用指数を示す。
【
図8D】AZD1152と組み合わせた化合物2によるK12PE-PR細胞株の処理の併用指数を示す。
【0057】
【
図9A】YM155と組み合わせた化合物2によるAMO1細胞株の処理の効果を示す。
【
図9C】YM155と組み合わせた化合物2によるAMO1-PR細胞株の処理の効果を示す。
【0058】
【
図10A】OPM.2-P10MM細胞における化合物Cと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図10B】H929-1051MM細胞における化合物Cと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【0059】
【
図11A】OPM.2-P10MM細胞におけるアザシチジンと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図11B】H929-1051MM細胞におけるアザシチジンと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図11C】L363MM細胞におけるアザシチジンと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図11D】JJN3MM細胞におけるアザシチジンと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【0060】
【
図12A】OPM.2-P10MM細胞におけるタゼメトスタットと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図12B】H929-1051MM細胞におけるタゼメトスタットと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図12C】L363MM細胞におけるタゼメトスタットと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図12D】JJN3MM細胞におけるタゼメトスタットと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【0061】
【
図13A】OPM.2-P10MM細胞におけるCPI-1205と組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図13B】H929-1051MM細胞におけるCPI-1205と組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図13C】L363MM細胞におけるCPI-1205と組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図13D】JJN3MM細胞におけるCPI-1205と組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【0062】
【
図14A】タゼメトスタットと組み合わせた化合物2によるKMS12BM PR細胞における処理の効果を示す。
【
図14B】CPI-1205と組み合わせた化合物2によるKMS12BM PR細胞における処理の効果を示す。
【0063】
【
図15A】OPM.2-P10MM細胞におけるピノメトスタットと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図15B】H929-1051MM細胞におけるピノメトスタットと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図15C】L363MM細胞におけるピノメトスタットと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【
図15D】JJN3MM細胞におけるタピノメトスタットと組み合わせた化合物2による処理の効果を示す。
【0064】
(発明を実施するための形態)
C.化合物
本明細書中の方法で使用するために提供されるのは、「化合物1」と呼ばれる、化合物4-(4-(4-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル、
【化1】
または鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0065】
また、本明細書中の方法で使用するために提供されるのは、「化合物2」と呼ばれる、化合物(S)-4-(4-(4-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル、
【化2】
または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0066】
また、本明細書中の方法で使用するために提供されるのは、「化合物3」と呼ばれる、化合物(R)-4-(4-(4-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル、
【化3】
または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0067】
一実施形態では、化合物1が、本明細書に記載の方法で使用される。一実施形態では、化合物1の互変異性体が、本明細書に記載の方法で使用される。一実施形態では、化合物1の鏡像異性体が、本明細書に記載の方法で使用される。一実施形態では、化合物1の鏡像異性体の混合物が、本明細書に記載の方法で使用される。一実施形態では、化合物1の薬学的に許容される塩が、本明細書に記載の方法で使用される。
【0068】
一実施形態では、化合物2が、本明細書に記載の方法で使用される。一実施形態では、化合物2の互変異性体が、本明細書に記載の方法で使用される。一実施形態では、化合物2の薬学的に許容される塩が、本明細書に記載の方法で使用される。
【0069】
一実施形態では、化合物3が、本明細書に記載の方法で使用される。一実施形態では、化合物3の互変異性体が、本明細書に記載の方法で使用される。一実施形態では、化合物3の薬学的に許容される塩が、本明細書に記載の方法で使用される。
【0070】
一実施形態では、化合物の同位体として濃縮された類似体が、本明細書に記載の方法で使用される。一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される化合物の同位体として濃縮された類似体は、その全体が参照により本明細書に援用される米国特許出願第16/030,695に記載されているものを含む。
【0071】
D.化合物1、化合物2及び化合物3の調製
本明細書に記載の方法で使用される化合物は、当業者に既知の方法によって、また、本明細書の実施例の節に示されている手順と同様の手順及びその日常的な改変によって調製することができる。化合物の調製のための例示的な反応スキームは、化合物2のスキーム1において後述する。
【0072】
塩基(DIEAなど)の存在下で、2-(ブロモメチル)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-安息香酸メチル中間体を、キラルtert-ブチル(4S)-4,5-ジアミノ-5-オキソ-ペンタン酸塩(H-L-Glu(OtBu)-NH
2とも呼ばれる;H-D-Glu(OtBu)-NH
2との反応は反対の鏡像異性体をもたらす)と反応させて、誘導体化イソインドリンを形成し、続いて、テトラブチルアンモニウムフルオリドを使用してTBSを脱保護した。塩基(炭酸カリウムなど)の存在下で、誘導体化イソインドリンを、4-(4-(4-(クロロメチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリルと反応させ、続いて脱保護し、グルタルイミドを形成させ、標的化合物2を得た。化合物1及び化合物3は、スキーム1に従って調製され得るが、それぞれ、対応するラセミまたはR鏡像異性体出発物質を伴う。化合物1、化合物2及び化合物3の調製については、その全体が参照により本明細書に援用される米国特許出願第16/030,695号に記載されている。
【化4】
【0073】
例示的スキーム及び実施例に記載する手順を修正して所望の製品を取得する方法を当業者であれば理解するであろう。
【0074】
E.第2の活性薬剤
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤である。一実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブもしくはアカラブルチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。一実施形態では、BTK阻害剤は、アカラブルチニブである。イブルチニブの化学名は、1[(3R)-3-[4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1Hピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]-1-ピペリジニル]-2-プロペン-1-
オンであり、下記構造を有する。
【化5】
【0075】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、哺乳類標的のラパマイシン(mTOR)阻害剤である。一実施形態では、mTOR阻害剤は、ラパマイシンまたはその類似体(ラパログとも称される)である。一実施形態では、mTOR阻害剤は、エベロリムス、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、mTOR阻害剤は、エベロリムスである。エベロリムスの化学名は、40-O-(2-ヒドロキシエチル)-ラパマイシンであり、下記構造を有する。
【化6】
【0076】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、モロニーマウス白血病キナーゼ(PIM)阻害剤のプロウイルス組み込み部位である。一実施形態では、PIM阻害剤は、pan-PIM阻害剤である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447、AZD1208、SGI-1776もしくはTP-3654、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447の薬学的に許容される塩である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447の塩酸塩である。一実施形態では、LGH-447の塩酸塩は、ジ塩酸塩である。一実施形態では、LGH-447の塩酸塩は、モノ塩酸塩である。一実施形態では、PIM阻害剤は、AZD1208である。一実施形態では、PIM阻害剤は、SGI-1776である。一実施形態では、PIM阻害剤は、TP-3654である。LGH-447の化学名は、N-[4-[(1R,3S,5S)-3-アミノ-5-メチルシクロヘキシル]-3-ピリジニル]-6-(2,6-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-2-ピリジンカルボキサミドであり、下記構造を有する。
【化7】
【0077】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、インスリン様成長因子1受容体(IGF-1R)阻害剤である。一実施形態では、IGF-1R阻害剤は、リンシチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、IGF-1R阻害剤は、リンシチニブである。リンシチニブの化学名は、cis-[8-アミノ-1-(2-フェニル-7-キノリニル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-3-イル]-1-メチルシクロブタノールであり、下記構造を有する。
【化8】
【0078】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、分裂促進因子活性化細胞外シグナル調節キナーゼ(MEK)阻害剤である。一実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブ、トラメチニブジメチルスルホキシド、コビメチニブ、ビニメチニブ、もしくはセルメチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブもしくはトラメチニブジメチルスルホキシド、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブである。一実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブジメチルスルホキシドである。一実施形態では、MEK阻害剤は、コビメチニブである。一実施形態では、MEK阻害剤は、ビニメチニブである。一実施形態では、MEK阻害剤は、セルメチニブである。トラメチニブジメチルスルホキシドの化学名は、N-[3-[3-シクロプロピル-5-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-3,4,6,7-テトラヒドロ-6,8-ジメチル-2,4,7-トリオキソピリド[4,3-d]ピリミジン-1(2H)-イル]フェニル]-アセトアミドであり、ジメチルスルホキシドを含む化合物(1:1)である。トラメチニブジメチルスルホキシドの構造を下記に示す。
【化9】
【0079】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、エクスポーチン1(XPO1)阻害剤である。一実施形態では、XPO1阻害剤は、セリネクソール、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、XPO1阻害剤は、セリネクソールである。セリネクソールの化学名は、(2Z)-3-{3-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-1,2,4-トリアゾル-1-イル}-N′-(ピラジン-2-イル)プロパ-2-エノヒドラジドであり、下記構造を有する。
【化10】
【0080】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、テロメアサイレンシング1様破壊因子(DOT1L)阻害剤である。一実施形態では、DOT1L阻害剤は、SGC0946、もしくはピノメトスタット、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、DOT1L阻害剤は、SGC0946、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、DOT1L阻害剤は、SGC0946である。SGC0946の化学名は、5ブロモ-7-[5-デオキシ-5-[[3-[[[[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]プロピル](1-メチルエチル)アミノ]-β-D-リボフラノシル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンであり、下記構造を有する。
【化11】
【0081】
一実施形態では、DOT1L阻害剤は、ピノメトスタット、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、DOT1L阻害剤は、ピノメトスタットである。ピノメトスタット(別名EPZ-5676)の化学名は、(2R、3R、4S、5R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-5-((((1r、3S)-3-(2-(5-(tert-ブチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオールであり、下記構造を有する。
【化12】
【0082】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタット、3-デアザンプラノシンA(DZNep)、EPZ005687、EI1、GSK126、UNC1999、CPI-1205、もしくはシネフンギン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタット、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタットである。一実施形態では、EZH2阻害剤は、3-デアザンプラノシンAである。一実施形態では、EZH2阻害剤は、EPZ005687である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、EI1である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、GSK126である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、シネフンギンである。タゼメトスタット(別名EPZ-6438)の化学名は、N-[(1,2-ジヒドロ-4,6-ジメチル-2-オキソ-3-ピリジニル)メチル]-5-[エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ]-4-メチル-4′-(4-モルホリニルメチル)-[1,1′-ビフェニル]-3-カルボキサミドであり、下記構造を有する。
【化13】
【0083】
一実施形態では、EZH2阻害剤は、UNC1999、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、UNC1999である。UNC1999の化学名は、1-イソプロピル-6-(6-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-N-((6-メチル-2-オキソ-4-プロピル-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボキサミドであり、下記構造を有する。
【化14】
【0084】
一実施形態では、EZH2阻害剤は、CPI-1205、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、CPI-1205である。CPI-1205の化学名は、(R)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-メチル-1-(1-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペリジン-4-イル)エチル)-1H-インドール-3-カルボキサミドであり、下記構造を有する。
【化15】
【0085】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)阻害剤である。一実施形態では、JAK2阻害剤は、フェドラチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、ガンドチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、もしくはパクリチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、JAK2阻害剤は、フェドラチニブ、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、JAK2阻害剤は、フェドラチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、ルキソリチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、バリシチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、ガンドチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、レスタウルチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、モメロチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、パクリチニブである。フェドラチニブの化学名は、N-tert-ブチル-3-[(5-メチル-2-{4-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]アニリノ}ピリミジン-4-イル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドであり、下記構造を有する。
【化16】
【0086】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、ブロモドメイン4(BRD4)阻害剤である。一実施形態では、BRD4阻害剤は、JQ1、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BRD4阻害剤は、JQ1である。JQ1の化学名は、(S)-tert-ブチル2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)アセテートであり、下記構造を有する。
【化17】
【0087】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、ポロ様キナーゼ1(PLK1)阻害剤である。一実施形態では、PLK1阻害剤は、BI2536、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、PLK1阻害剤は、BI2536である。BI2536の化学名は、(R)-4-((8-シクロペンチル-7-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンズアミドであり、下記構造を有する。
【化18】
【0088】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、セリン/スレオニン-プロテインキナーゼ(NEK2)阻害剤である。一実施形態では、NEK2阻害剤は、JH295、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、NEK2阻害剤は、JH295である。JH295の化学名は、(Z)-N-(3-((2-エチル-4-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチレン)-2-オキソインドリン-5-イル)プロピオールアミドであり、下記構造を有する。
【化19】
【0089】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、オーロラキナーゼB(AURKB)阻害剤である。一実施形態では、AURKB阻害剤は、バラセルチブ(別名AZD1152)もしくはAZD1152-HQPA、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、AURKB阻害剤は、バラセルチブである。一実施形態では、AURKB阻害剤は、AZD1152-HQPAである。AZD1152-HQPAの化学名は、2-(3-((7-(3-(エチル(2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロポキシ)キナゾリン-4-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)-N-(3-フルオロフェニル)アセトアミドであり、下記構造を有する。
【化20】
【0090】
バラセルチブは、AZD1152-HQPAの二水素リン酸塩プロドラッグであり、下記構造を有する。
【化21】
【0091】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、サバイビン(アポトーシス反復含有5のバキュロウイルス阻害剤またはBIRC5とも呼ばれる)阻害剤である。一実施形態では、BIRC5阻害剤は、YM155、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BIRC5阻害剤は、YM155である。YM155の化学名は、1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウムブロマイドであり、下記構造を有する。
【化22】
【0092】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、ブロモドメイン及び特異的末端配列を持つタンパク質(BET)阻害剤である。一実施形態では、BET阻害剤は、ビラブレシブ、もしくは化合物C、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0093】
一実施形態では、BET阻害剤は、ビラブレシブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BET阻害剤は、ビラブレシブである。ビラブレシブ(別名OTX015またはMK-8628)の化学名は、(S)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-N-(4-ヒドロキシフェニル)アセトアミドであり、下記構造を有する。
【化23】
【0094】
一実施形態では、BET阻害剤は、化合物C、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BET阻害剤は化合物Cである。化合物Cの化学名は4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(メタンスルホニル)フェニル]-2-メチルイソキノリン-1(2H)-
オンであり、下記構造を有する。
【化24】
【0095】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、アザシチジン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、低メチル化剤は、アザシチジンである。アザシチジン(別名アザシチジンまたは5-アザシチジン)の化学名は、4-アミノ-l-β-D-リボフラノシル-1,3,5-トリアジン-2(1H)-
オンであり、下記構造を有する。
【化25】
【0096】
F.治療方法及び予防方法
一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、多発性骨髄腫を治療する方法で使用される、化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩であるが、ここで、方法は、治療上有効な量の上記化合物を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含み、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0097】
一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、多発性骨髄腫を治療する方法で使用される、化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩であるが、ここで、方法は、治療上有効な量の上記化合物を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含み、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0098】
一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、多発性骨髄腫を治療する方法で使用される、化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩であるが、ここで、方法は、上記化合物を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含み、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0099】
一実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を予防する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、多発性骨髄腫を予防する方法で使用される、本明細書に記載の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩であるが、ここで、方法は、上記化合物を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含み、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0100】
別の実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を管理する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、多発性骨髄腫を管理する方法で使用される、本明細書に記載の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩であるが、ここで、方法は、上記化合物を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含み、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0101】
また、一実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の有効な量の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて多発性骨髄腫を有する患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(IURC)(Durie BGM,Harousseau J-L,Miguel JS,et al.International uniform response criteria for multiple myeloma.Leukemia,2006;(10)10:1-7)を参照のこと)を用いて評価される患者の治療応答を誘導する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0102】
別の実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の有効な量の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて多発性骨髄腫を有する患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(IURC)によって判定される患者の厳密完全奏効、完全奏効、または非常に良好な部分奏効を達成する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0103】
別の実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の有効な量の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて多発性骨髄腫を有する患者へ投与することを含む、患者の全生存期間、無増悪生存期間、無事象生存期間、無増悪期間、または無病生存期間の延長を達成する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0104】
別の実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の有効な量の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて多発性骨髄腫を有する患者へ投与することを含む、患者の全生存期間の延長を達成する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0105】
別の実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の有効な量の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて多発性骨髄腫を有する患者へ投与することを含む、患者の無増悪生存期間の延長を達成する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0106】
別の実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の有効な量の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて多発性骨髄腫を有する患者へ投与することを含む、患者の無事象生存期間の延長を達成する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0107】
別の実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の有効な量の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて多発性骨髄腫を有する患者へ投与することを含む、患者の無増悪期間の延長を達成する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0108】
別の実施形態において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の有効な量の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて多発性骨髄腫を有する患者へ投与することを含む、患者の無病生存期間の延長を達成する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ)、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946またはピノメトスタット)、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット、UNC1999またはCPI-1205)、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)、BRD4阻害剤(例えば、JQ1)、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)、NEK2阻害剤(例えば、JH295)、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)、BET阻害剤(例えば、化合物C)、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)のうち1つ以上である。
【0109】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、BTK阻害剤である。一実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブもしくはアカラブルチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BTK阻害剤は、イブルチニブである。一実施形態では、BTK阻害剤は、アカラブルチニブである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、イブルチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、イブルチニブである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0110】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、mTOR阻害剤である。一実施形態では、mTOR阻害剤は、ラパマイシンまたはその類似体(ラパログとも称される)である。一実施形態では、mTOR阻害剤は、エベロリムス、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、mTOR阻害剤は、エベロリムスである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、エベロリムス、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、エベロリムスである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0111】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、PIM阻害剤である。一実施形態では、PIM阻害剤は、pan-PIM阻害剤である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447、AZD1208、SGI-1776もしくはTP-3654、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447の薬学的に許容される塩である。一実施形態では、PIM阻害剤は、LGH-447の塩酸塩である。一実施形態では、LGH-447の塩酸塩は、ジ塩酸塩である。一実施形態では、LGH-447の塩酸塩は、モノ塩酸塩である。一実施形態では、PIM阻害剤は、AZD1208である。一実施形態では、PIM阻害剤は、SGI-1776である。一実施形態では、PIM阻害剤は、TP-3654である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、LGH-447、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、LGH-447である。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0112】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、IGF-1R阻害剤である。一実施形態では、IGF-1R阻害剤は、リンシチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、IGF-1R阻害剤は、リンシチニブである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、リンシチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、リンシチニブである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0113】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、MEK阻害剤である。一実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブ、トラメチニブジメチルスルホキシド、コビメチニブ、ビニメチニブ、もしくはセルメチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブもしくはトラメチニブジメチルスルホキシド、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブである。一実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブジメチルスルホキシドである。一実施形態では、MEK阻害剤は、コビメチニブである。一実施形態では、MEK阻害剤は、ビニメチニブである。一実施形態では、MEK阻害剤は、セルメチニブである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、トラメチニブもしくはトラメチニブジメチルスルホキシド、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、トラメチニブである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、トラメチニブジメチルスルホキシドである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0114】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、XPO1阻害剤である。一実施形態では、XPO1阻害剤は、セリネクソール、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、XPO1阻害剤は、セリネクソールである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、セリネクソール、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、セリネクソールである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0115】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、DOT1L阻害剤である。一実施形態では、DOT1L阻害剤は、SGC0946、もしくはピノメトスタット、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、DOT1L阻害剤は、SGC0946、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、DOT1L阻害剤は、SGC0946である。一実施形態では、DOT1L阻害剤は、ピノメトスタット、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、DOT1L阻害剤は、ピノメトスタットである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、SGC0946、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、SGC0946である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、ピノメトスタット、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、ピノメトスタットである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0116】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、EZH2阻害剤である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタット、3-デアザンプラノシンA(DZNep)、EPZ005687、EI1、GSK126、UNC1999、CPI-1205、もしくはシネフンギン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタット、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタットである。一実施形態では、EZH2阻害剤は、3-デアザンプラノシンAである。一実施形態では、EZH2阻害剤は、EPZ005687である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、EI1である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、GSK126である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、UNC1999、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、UNC1999である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、CPI-1205、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、CPI-1205である。一実施形態では、EZH2阻害剤は、シネフンギンである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、タゼメトスタット、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、タゼメトスタットである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、UNC1999、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、UNC1999である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、CPI-1205、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、CPI-1205である。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0117】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、JAK2阻害剤である。一実施形態では、JAK2阻害剤は、フェドラチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、ガンドチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、もしくはパクリチニブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、JAK2阻害剤は、フェドラチニブ、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、JAK2阻害剤は、フェドラチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、ルキソリチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、バリシチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、ガンドチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、レスタウルチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、モメロチニブである。一実施形態では、JAK2阻害剤は、パクリチニブである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、フェドラチニブ、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、フェドラチニブである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0118】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、BRD4阻害剤である。一実施形態では、BRD4阻害剤は、JQ1、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BRD4阻害剤は、JQ1である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、JQ1、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、JQ1である。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0119】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、PLK1阻害剤である。一実施形態では、PLK1阻害剤は、BI2536、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、PLK1阻害剤は、BI2536である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BI2536、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、BI2536である。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0120】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、NEK2阻害剤である。一実施形態では、NEK2阻害剤は、JH295、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、NEK2阻害剤は、JH295である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、JH295、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、JH295である。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0121】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、AURKB阻害剤である。一実施形態では、AURKB阻害剤は、バラセルチブ(AZD1152)もしくはAZD1152-HQPA、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、AURKB阻害剤は、バラセルチブである。一実施形態では、AURKB阻害剤は、AZD1152-HQPAである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、バラセルチブもしくはAZD1152-HQPA、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、バラセルチブである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、AZD1152-HQPAである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0122】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、BIRC5阻害剤である。一実施形態では、BIRC5阻害剤は、YM155、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BIRC5阻害剤は、YM155である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、YM155、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、YM155である。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0123】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、BET阻害剤である。一実施形態では、BET阻害剤は、ビラブレシブ、もしくは化合物C、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BET阻害剤は、ビラブレシブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BET阻害剤は、ビラブレシブである。一実施形態では、BET阻害剤は、化合物C、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、BET阻害剤は、化合物Cである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、ビラブレシブ、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、ビラブレシブである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、化合物C、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、化合物Cである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0124】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、アザシチジン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、アザシチジンである。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、アザシチジン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2を、第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療する方法であるが、ここで、第2の活性薬剤は、アザシチジンである。一実施形態では、方法は、患者へのデキサメタゾンの投与をさらに含む。一実施形態では、方法は、患者へのボルテゾミブの投与をさらに含む。
【0125】
多発性骨髄腫に関して以前に治療されているが、標準療法に対しては非応答性であり、かつ以前に治療されていない患者の治療方法も本明細書で提供する。さらに、多発性骨髄腫を治療するために手術を受けたことがある患者、及び受けたことがない患者の治療方法も包含される。以前に移植療法を受けたことがある患者、ならびに受けたことがない患者の治療方法も本明細書で提供する。
【0126】
本明細書に記載の方法は、再発性、難治性または抵抗性の多発性骨髄腫の治療を含む。本明細書に記載の方法は、再発性、難治性または抵抗性の多発性骨髄腫の予防を含む。本明細書に記載の方法は、再発性、難治性または抵抗性である多発性骨髄腫の管理を含む。いくつかのそのような実施形態では、骨髄腫は、原発性、続発性、三次性、四重または五重に再発した多発性骨髄腫である。一実施形態では、本明細書に記載の方法は、微小残存病変(MRD)を低減、維持、または排除する。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む、多発性骨髄腫患者のMRD陰性の割合及び/または耐久性を向上させる方法である。一実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む、多発性骨髄腫患者のMRD陰性の割合及び/または耐久性を向上させる方法である。一実施形態では、本明細書に記載の方法は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)、低リスク、中リスク、及び高リスクの多発性骨髄腫、新たに診断された多発性骨髄腫(低リスク、中リスク、及び高リスクの新たに診断された多発性骨髄腫を含む)、移植適応及び移植不適応の多発性骨髄腫、くすぶり型(無痛性)多発性骨髄腫(低リスク、中リスク、及び高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫を含む)、活動性多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、髄外性形質細胞腫、形質細胞白血病、中枢神経系多発性骨髄腫、軽鎖骨髄腫、非分泌性骨髄腫、免疫グロブリンD骨髄腫、ならびに免疫グロブリンE骨髄腫など様々なタイプの多発性骨髄腫を、本明細書に記載の治療上有効な量の化合物を投与することによって、治療、予防、及び管理することを含む。別の実施形態では、本明細書に記載の方法は、サイクリンD転座(例えば、t(11;14)(q13;q32);t(6;14)(p21;32);t(12;14)(p13;q32))またはt(6,20));MMSET転座(例えば、t(4;14)(p16;q32));MAF転座(例えば、t(14;16)(q32;q32);t(20;22);t(16;22)(q11;q13);またはt(14;20)(q32;q11));または他の染色体因子(例えば、17p13または染色体13の欠失;del(17/17p)、非高二倍性、及びgain(1q))などの遺伝的異常を特徴とする多発性骨髄腫を、本明細書に記載の治療上有効な量の化合物を投与することによって、治療、予防、及び管理することを含む。一実施形態では、多発性骨髄腫は、多発性骨髄腫国際病期分類システム(ISS)に従って特徴付けられる。一実施形態では、多発性骨髄腫は、ISSによって特徴付けられるステージIの多発性骨髄腫である(例えば、血清β2ミクログロブリン3.5mg/L未満及び血清アルブミン3.5g/dL以上)。一実施形態では、多発性骨髄腫は、ISSによって特徴付けられるステージIIIの多発性骨髄腫である(例えば、血清β2ミクログロブリン5.4mg/L未満)。一実施形態では、多発性骨髄腫は、ISSによって特徴付けられるステージIIの多発性骨髄腫である(例えば、ステージIまたはIIIではない)。
【0127】
一実施形態では、方法は、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施形態では、方法は、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施形態では、方法は、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、方法は、導入療法として、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施形態では、方法は、導入療法として、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施形態では、方法は、導入療法として、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、地固め療法として、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施形態では、方法は、地固め療法として、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施形態では、方法は、地固め療法として、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、維持療法として、治療上有効な量の化合物1、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施形態では、方法は、維持療法として、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施形態では、方法は、維持療法として、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。
【0129】
本明細書に記載の方法の特定の一実施形態では、多発性骨髄腫は、形質細胞白血病である。
【0130】
本明細書に記載の一実施形態では、多発性骨髄腫は、高リスクの多発性骨髄腫である。いくつかのそのような実施形態では、高リスクの多発性骨髄腫は、再発性または難治性である。一実施形態では、高リスクの多発性骨髄腫は、最初の治療から12ヶ月以内に再発する多発性骨髄腫である。さらに別の実施形態では、高リスクの多発性骨髄腫は、遺伝的異常、例えば、del(17/17p)及びt(14;16)(q32;q32)のうち1つ以上を特徴とする多発性骨髄腫である。いくつかのそのような実施形態では、高リスクの多発性骨髄腫は、1回、2回、または3回の以前の治療に対して再発性または難治性である。
【0131】
一実施形態では、多発性骨髄腫は、p53突然変異を特徴とする。一実施形態では、p53突然変異はQ331突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、R273H突然変異である。一実施形態では、p53突然変異はK132突然変異である。一実施形態では、p53突然変異はK132N突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、R337突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、R337L突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、W146突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、S261突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、S261T突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、E286突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、E286K突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、R175突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、R175H突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、E258突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、E258K突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、A161突然変異である。一実施形態では、p53突然変異は、A161T突然変異である。
【0132】
一実施形態では、多発性骨髄腫は、p53のホモ接合型欠失を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、野生型p53のホモ接合型欠失を特徴とする。
【0133】
一実施形態では、多発性骨髄腫は、野生型p53を特徴とする。
【0134】
一実施形態では、多発性骨髄腫は、1つ以上の発がん性ドライバーの活性化を特徴とする。一実施形態では、1つ以上の発がん性ドライバーは、C-MAF、MAFB、FGFR3、MMset、サイクリンD1、及びサイクリンDからなる群から選択される。一実施形態では、多発性骨髄腫は、C-MAFの活性化を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、MAFBの活性化を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、FGFR3及びMMsetの活性化を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、C-MAF、FGFR3、及びMMsetの活性化を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、サイクリンD1の活性化を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、MAFB及びサイクリンD1の活性化を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、サイクリンDの活性化を特徴とする。
【0135】
一実施形態では、多発性骨髄腫は、1つ以上の染色体転座を特徴とする。一実施形態では、染色体転座は、t(14;16)である。一実施形態では、染色体転座は、t(14;20)である。一実施形態では、染色体転座は、t(4;14)である。一実施形態では、染色体転座は、t(4;14)及びt(14;16)である。一実施形態では、染色体転座は、t(11;14)である。一実施形態では、染色体転座は、t(6;20)である。一実施形態では、染色体転座は、t(20;22)である。一実施形態では、染色体転座は、t(6;20)及びt(20;22)である。一実施形態では、染色体転座は、t(16;22)である。一実施形態では、染色体転座は、t(14;16)及びt(16;22)である。一実施形態では、染色体転座は、t(14;20)及びt(11;14)である。
【0136】
一実施形態では、多発性骨髄腫は、Q331 p53突然変異、C-MAFの活性化、及びt(14;16)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、p53のホモ接合型欠失、C-MAFの活性化、及びt(14;16)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、K132N p53突然変異、MAFBの活性化、及びt(14;20)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、野生型p53、FGFR3及びMMsetの活性化、ならびにt(4;14)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、野生型p53、C-MAFの活性化、及びt(14;16)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、p53のホモ接合型欠失、FGFR3、MMset、及びC-MAFの活性化、ならびにt(4;14)及びt(14;16)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、p53のホモ接合型欠失、サイクリンD1の活性化、及びt(11;14)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、R337L p53突然変異、サイクリンD1の活性化、及びt(11;14)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、W146 p53突然変異、FGFR3及びMMsetの活性化、ならびにt(4;14)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、S261T p53突然変異、MAFBの活性化、ならびにt(6;20)及びt(20;22)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、E286K p53突然変異、FGFR3及びMMsetの活性化、ならびにt(4;14)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、R175H p53突然変異、FGFR3及びMMsetの活性化、ならびにt(4;14)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、E258K p53突然変異、C-MAFの活性化、ならびにt(14;16)及びt(16;22)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、野生型p53、MAFB及びサイクリンD1の活性化、ならびにt(14;20)及びt(11;14)での染色体転座を特徴とする。一実施形態では、多発性骨髄腫は、A161T p53突然変異、サイクリンDの活性化、及びt(11;14)での染色体転座を特徴とする。
【0137】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、移植適応の新たに診断された多発性骨髄腫である。別の実施形態では、多発性骨髄腫は、移植不適応の新たに診断された多発性骨髄腫である。
【0138】
さらに他の実施形態では、多発性骨髄腫は、初期治療に続く早期進行(例えば、12か月未満)を特徴とする。さらにその他の実施形態では、多発性骨髄腫は、自家幹細胞移植に続く早期進行(例えば、12ヶ月未満)を特徴とする。別の実施形態では、多発性骨髄腫は、レナリドマイドに対して難治性である。別の実施形態では、多発性骨髄腫は、ポマリドマイドに対して難治性である。いくつかのそのような実施形態では、多発性骨髄腫は、ポマリドマイドに対して難治性であると予測される(例えば、分子特徴付けによって)。別の実施形態では、多発性骨髄腫は、3つ以上の治療に対して再発性または難治性であり、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、オプロゾミブ、またはマリゾミブ)及び免疫調節化合物(例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、イベルドマイド、またはアバドマイド)に曝露されたか、またはプロテアソーム阻害剤及び免疫調節化合物に対して二重難治性である。さらにその他の実施形態では、多発性骨髄腫は、例えば、CD38モノクローナル抗体(CD38 mAb、例えば、ダラツムマブまたはイサツキシマブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、またはマリゾミブ)、及び免疫調節化合物(例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、イベルドマイド、またはアバドマイド)を含む3つ以上の依然の治療に対して再発性または難治性であるか、またはプロテアソーム阻害剤もしくは免疫調節化合物及びCD38 mAbに対して二重難治性である。さらにその他の実施形態では、多発性骨髄腫は、三重難治性であり、例えば、多発性骨髄腫は、本明細書に記載されているように、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、オプロゾミブまたはマリゾミブ)、免疫調節化合物(例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、イベルドマイド、またはアバドマイド)、及び1つの他の活性薬剤に対して難治性である。
【0139】
ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて、腎機能障害を伴う再発性/難治性多発性骨髄腫を有する患者に投与することを含む、腎機能障害またはその症状を伴う患者における再発性/難治性多発性骨髄腫を含む多発性骨髄腫を治療、予防及び/または管理する方法である。
【0140】
ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて、多発性骨髄腫を有する虚弱な患者に投与することを含む、虚弱な患者における再発性もしくは難治性多発性骨髄腫またはその症状を含む多発性骨髄腫を治療、予防及び/または管理する方法である。いくつかのそのような実施形態では、虚弱な患者は、導入療法に対する不適応性、またはデキサメタゾン治療に対する不耐性を特徴とする。いくつかのそのような実施形態では、虚弱な患者は、例えば、65歳より高齢な高齢者である。
【0141】
ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、第4の再発性/難治性多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、第4の再発性/難治性多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、第4の再発性/難治性多発性骨髄腫である。
【0142】
ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、導入療法として、治療上有効な量の化合物1、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、新たに診断された移植適応多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、導入療法として、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、新たに診断された移植適応多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、導入療法として、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、新たに診断された移植適応多発性骨髄腫である。
【0143】
ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、他の治療または移植後の維持療法として、治療上有効な量の化合物1、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、他の治療または移植の前に新たに診断された移植適応多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、他の治療または移植後の維持療法として、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、他の治療または移植の前に新たに診断された移植適応多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、他の治療または移植後の維持療法として、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、他の治療または移植の前に新たに診断された移植適応多発性骨髄腫である。
【0144】
ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、他の治療または移植後の維持療法として、治療上有効な量の化合物1、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、他の治療及び/または移植前に新たに診断された移植適応多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、移植前の他の治療は、化学療法、または化合物1、化合物2もしくは化合物3による治療法である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、他の治療または移植後の維持療法として、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、他の治療及び/または移植前に新たに診断された移植適応多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、移植前の他の治療は、化学療法、または化合物1、化合物2もしくは化合物3による治療法である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、他の治療または移植後の維持療法として、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、他の治療及び/または移植前に新たに診断された移植適応多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、移植前の他の治療は、化学療法、または化合物1、化合物2もしくは化合物3による治療法である。
【0145】
ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、1回、2回、または3回の以前の治療に対して再発性または難治性である、高リスクの多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、1回、2回、または3回の以前の治療に対して再発性または難治性である、高リスクの多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、1回、2回、または3回の以前の治療に対して再発性または難治性である、高リスクの多発性骨髄腫である。
【0146】
ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物1、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、新たに診断された移植不適応多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物2、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、新たに診断された移植不適応多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、治療上有効な量の化合物3、または互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法であるが、ここで、多発性骨髄腫とは、新たに診断された移植不適応多発性骨髄腫である。
【0147】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法の1つを用いて治療される患者は、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与する前に多発性骨髄腫療法で治療されたことがない。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法の1つを用いて治療される患者は、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて投与する前に多発性骨髄腫療法で治療されたことがある。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法の1つを用いて治療される患者は、抗多発性骨髄腫療法に対する薬物抵抗性を発達させている。いくつかのそのような実施形態では、患者は、1つ、2つ、または3つの抗多発性骨髄腫療法に対する抵抗性を発達させており、ここで、療法とは、CD38モノクローナル抗体(CD38 mAb、例えば、ダラツムマブまたはイサツキシマブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、またはマリゾミブ)、及び免疫調節化合物(例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、イベルドマイド、またはアバドマイド)から選択されたものである。
【0148】
本明細書に記載の方法は、患者の年齢に関係なく患者を治療することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、18歳以上である。他の実施形態では、対象は、18、25、35、40、45、50、55、60、65、または70歳超である。他の実施形態では、対象は、65歳未満である。他の実施形態では、対象は、65歳超である。一実施形態では、対象は、65歳より高齢な対象などの、高齢の多発性骨髄腫対象である。一実施形態では、対象は、75歳より高齢な対象などの、高齢の多発性骨髄腫対象である。
【0149】
G.化合物1、化合物2または化合物3の投与
ある特定の実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3の治療上または予防上有効な量は、約0.01~約25mg/日、約0.01~約10mg/日、約0.01~約5mg/日、約0.01~約2mg/日、約0.01~約1mg/日、約0.01~約0.5mg/日、約0.01~約0.25mg/日、約0.1~約25mg/日、約0.1~約10mg/日、約0.1~約5mg/日、約0.1~約2mg/日、約0.1~約1mg/日、約0.1~約0.5mg/日、約0.1~約0.25mg/日、約0.5~約25mg/日、約0.5~約10mg/日、約0.5~約5mg/日、約0.5~約2mg/日、約0.5~約1mg/日、約1~約25mg/日、約1~約10mg/日、約1~約5mg/日、約1~約2.5mg/日、または約1~約2mg/日である。一実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3の治療上または予防上有効な量は、約0.1mg/日~約0.4mg/日である。
【0150】
ある特定の実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3の治療上または予防上有効な量は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、または約25mg/日である。いくつかのそのような実施形態では、治療上または予防上有効な量は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6または約0.7mg/日である。
【0151】
一実施形態では、本明細書に記載の病態に対する化合物1、化合物2または化合物3の推奨される一日量範囲は、約0.1mg~約25mg/日の範囲であり、好ましくは、1日1回の単回投与として、または1日を通して分割用量で与えられる。他の実施形態では、投薬量は、約0.1~約10mg/日の範囲に及ぶ。1日あたりの特定の用量は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25mg/日を含む。1日あたりのより具体的な用量は、0.1、0.2、0.3、0.4、または0.5mg/日を含む。
【0152】
ある特定の実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3の推奨される開始投薬量は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、または25mg/日であってもよい。別の実施形態では、推奨される開始投薬量は、0.1、0.2、0.3、0.4、または0.5mg/日であってもよい。用量は、1、2、3、4、または5mg/日に漸増され得る。
【0153】
ある特定の実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3の治療上または予防上有効な量は、約0.001~約5mg/kg/日、約0.001~約4mg/kg/日、約0.001~約3mg/kg/日、約0.001~約2mg/kg/日、約0.001~約1mg/kg/日、約0.001~約0.05mg/kg/日、約0.001~約0.04mg/kg/日、約0.001~約0.03mg/kg/日、約0.001~約0.02mg/kg/日、約0.001~約0.01mg/kg/日、約0.001~約0.005mg/kg/日である。
【0154】
投与される用量はまた、mg/kg/日以外の単位で表され得る。例えば、非経口投与のための用量は、mg/m2/日として表され得る。当業者は、対象の身長もしくは体重のいずれかまたは両方から用量をmg/kg/日からmg/m2/日に変換する方法を容易に理解するであろう(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htmを参照されたい)。例えば、65kgのヒトに対する1mg/kg/日という用量は、38mg/m2/日におよそ等しい。
【0155】
治療される疾患の状態及び対象の条件及び被検者の病態に応じて、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内注射もしくは注入、皮下注射、または埋植)、吸入、鼻腔内、膣内、直腸、舌下、または局部(例えば、経皮もしくは局所)投与経路により投与され得る。本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、単独でまたは組み合わせて、好適な投薬量単位で、各投与経路に適した薬学的に許容される賦形剤、担体、アジュバント、及びビヒクルと共に製剤化され得る。
【0156】
一実施形態では、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、経口投与される。別の実施形態では、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3の化合物、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、非経口投与される。さらに別の実施形態では、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3の化合物、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、静脈内投与される。
【0157】
本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、例えば単回ボーラス注射、または経口錠剤もしくは丸剤などの単回の用量として、あるいは、例えば、経時的な連続注入または経時的な分割ボーラス投与など経時的に送達することができる。本明細書に記載される化合物は、必要な場合、例えば、患者が疾患安定もしくは退縮を経験するまで、または患者が疾患進行もしくは許容できない毒性を経験するまで、繰り返し投与され得る。病勢安定またはその欠如は、患者の症状の評価、身体診察、X線、CAT、PET、またはMRIスキャン及び他の一般的に受け入れられている評価モダリティを使用して撮像された腫瘍の可視化など、当該技術分野で公知の方法で決定される。
【0158】
本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、毎日1回(QD)投与され得るか、または毎日2回(BID)、毎日3回(TID)、及び毎日4回(QID)などの複数の日ごとの用量へと分割され得る。加えて、投与は、連続的(すなわち、連続した複数日の1日1日または毎日)、断続的、例えば、サイクル(すなわち、数日、数週間、または数ヶ月の休薬を含む)であってもよい。本明細書で使用される場合、用語「毎日」とは、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3などの治療化合物、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、例えば、ある期間にわたって毎日1回または2回以上投与することを意味するものとする。用語「連続的」とは、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3などの治療化合物、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、少なくとも7日~52週間の中断のない期間にわたって毎日投与することを意味するものとする。本明細書で使用される用語「断続的」または「断続的に」とは、定期的な間隔または不定期的な間隔で停止及び開始することを意味するものとする。例えば、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩の断続的な投与とは、1週間に1~6日投与すること、サイクルで(例えば、2~8週間連続して毎日投与した後に、最大で1週間、投与を行わない休薬期間を設けて)投与すること、または隔日で投与することである。本発明で使用される用語「サイクル」とは、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3などの治療化合物、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、毎日または連続的に投与するが、休薬期間を設けることを意味するものとする。いくつかのそのような実施形態では、投与は、2~6日間、1日1回であり、次いで、無投与の休薬期間は、5~7日間である。
【0159】
いくつかの実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3の投与の頻度は、毎日の用量から毎月の用量までの範囲にある。ある特定の実施形態では、投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日おきに1回、週に2回、週に1回、2週に1回、3週に1回、または4週に1回である。一実施形態では、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。別の実施形態では、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、1日3回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書に記載の化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、1日4回投与される。
【0160】
一実施形態では、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3は、最大21日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む治療サイクルで投与される。一実施形態では、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3は、最大20日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む治療サイクルで投与される。一実施形態では、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3は、最大15日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む治療サイクルで投与される。一実施形態では、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3は、最大10日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む治療サイクルで投与される。一実施形態では、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3は、最大7日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む治療サイクルで投与される。一実施形態では、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3は、最大5日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む治療サイクルで投与される。一実施形態では、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3は、最大4日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む治療サイクルで投与される。一実施形態では、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3は、最大3日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む治療サイクルで投与される。
【0161】
一実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3による治療サイクルは、最大14日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大10日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大7日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大5日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大4日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大3日の投与期間とその後に続く休薬期間を含む。
【0162】
一実施形態では、休薬期間は、約2日~最大約11日である。一実施形態では、休薬期間は、約2日~最大約10日である。一実施形態では、休薬期間は、約2日である。一実施形態では、休薬期間は、約3日である。一実施形態では、休薬期間は、約4日である。一実施形態では、休薬期間は、約5日である。一実施形態では、休薬期間は、約6日である。別の実施形態では、休薬期間は、約7日である。別の実施形態では、休薬期間は、約8日である。別の実施形態では、休薬期間は、約9日である。別の実施形態では、休薬期間は、約10日である。別の実施形態では、休薬期間は、約11日である。
【0163】
一実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3による治療サイクルは、最大15日の投与期間とその後に続く約2日~最大約10日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大10日の投与期間とその後に続く約2日~最大約10日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大7日の投与期間とその後に続く約2日~最大約10日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大5日の投与期間とその後に続く約2日~最大約10日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大3日の投与期間とその後に続く約10日~最大約15日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大3日の投与期間とその後に続く約3日~最大約15日の休薬期間を含む。
【0164】
一実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3による治療サイクルは、最大15日の投与期間とその後に続く7日間の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大10日の投与期間とその後に続く5日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大10日の投与期間とその後に続く4日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大10日の投与期間とその後に続く3日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大10日の投与期間とその後に続く2日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大7日の投与期間とその後に続く7日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大5日の投与期間とその後に続く5日の休薬期間を含む。一実施形態では、治療サイクルは、最大3日の投与期間とその後に続く11日の休薬期間を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、最大5日の投与期間とその後に続く9日の休薬期間を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、最大5日の投与期間とその後に続く2日の休薬期間を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、最大3日の投与期間とその後に続く4日の休薬期間を含む。
【0165】
一実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3による治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の28日サイクルの1~5日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3の28日サイクルの1~10日目での投与を含む。一実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の28日サイクルの1~21日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の7日サイクルの1~5日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の7日サイクルの1~7日目での投与を含む。一実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の28日サイクルの1~10日目と15~24日目での投与を含む(本明細書において20/28投薬サイクルと呼ばれる)。一実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の28日サイクルの1~3日目と15~18日目での投与を含む。一実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の28日サイクルの1~7日目と15~21日目での投与を含む(本明細書において14/28投薬サイクルと呼ばれる)。一実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の28日サイクルの1~5日目と15~19日目での投与を含む(本明細書において10/28投薬サイクルと呼ばれる)。一実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の28日サイクルの1~3日目と15~17日目での投与を含む(本明細書において6/28投薬サイクルと呼ばれる)。
【0166】
一実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3による治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の21日サイクルの1~14日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3の21日サイクルの1~4日目と8~11日目での投与を含む。一実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の21日サイクルの1~5日目と8~12日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の21日サイクルの1~5日目と11~15日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の21日サイクルの1~5日目と8~12日目と15~19日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の21日サイクルの1~4日目と8~11日目と15~18日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の21日サイクルの1~4日目と8~10日目と15~17日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の21日サイクルの1~3日目と8~11日目での投与を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3の21日サイクルの1~3日目と11~13日目での投与を含む。
【0167】
本明細書に記載の任意の治療サイクルは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のサイクルで繰り返される場合がある。ある特定の例では、本明細書に記載される治療サイクルは、1~約24のサイクル、約2~約16のサイクル、または約2~約4のサイクルを含む。ある特定の例では、本明細書に記載される治療サイクルは、1~約4のサイクルを含む。ある特定の実施形態では、サイクル1~4は、すべて28日サイクルである。いくつかの実施形態では、治療上有効な量の化合物1、化合物2または化合物3は、28日の1~13回のサイクル(例えば、約1年)で投与される。ある特定の例では、サイクリング療法はサイクル回数に限定されず、療法は疾患進行まで続けられる。サイクルは、ある特定の例では、本明細書に記載の投与期間及び/または休薬期間の持続期間を変化させることを含む場合がある。
【0168】
一実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3を、約0.1mg/日、0.2mg/日、0.3mg/日、0.4mg/日、0.5mg/日、0.6mg/日、0.7mg/日、0.8mg/日、0.9mg/日、1.0mg/日、2.0mg/日、5.0mg/日、または10mg/日の投薬量で1日1回投与することを含む。一実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3を、約0.1mg/日、0.2mg/日、0.3mg/日、0.4mg/日、0.5mg/日、0.6mg/日、0.7mg/日、または0.8mg/日の投薬量で1日1回投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3を、28日サイクルの1~10日目に、約0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mgの投薬量で1日1回投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3を、28日サイクルの1~10日目及び15~24日目に、約0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mgの投薬量で1日1回投与することを含む。いくつかのそのような実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3を、28日サイクルの1~10日目及び15~24日目に、約0.1mgの投薬量で1日1回投与することを含む。他の実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3を、28日サイクルの1~3日目に、約0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mgの投薬量で1日2回投与することを含む。他の実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3を、28日サイクルの1~3日目及び15~19日目に、約0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mgの投薬量で1日2回投与することを含む。他の実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3を、28日サイクルの1~3日目及び15~17日目に、約0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mgの投薬量で1日2回投与することを含む。他の実施形態では、治療サイクルは、化合物1、化合物2または化合物3を、28日サイクルの1~3日目及び15~17日目に、約0.2mgの投薬量で1日2回投与することを含む。そのような一実施形態では、化合物は、28日サイクル、例えばサイクル1の1~3日目(朝と夕方)、14日目(夕方のみ)、15日目及び16日目(朝と夕方)、ならびに17日目(朝のみ)に投与される。
【0169】
H.第2の活性薬剤の投与
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される本明細書に記載の第2の活性薬剤の特定の量(投薬量)は、使用される特定の薬剤、治療または管理される多発性骨髄腫の種類、疾患の重症度及びステージ、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩の量、及び同時に患者に投与されるいずれかの任意の追加の活性薬剤などの因子によって決定される。
【0170】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される本明細書に記載の第2の活性薬剤の投薬量は、上記活性薬剤に対してFDAまたは米国以外の国の同様の規制機関によって承認された医薬品の市販パッケージ挿入物(例えば、ラベル)に基づいて決定される。一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される本明細書に記載の第2の活性薬剤の投薬量は、上記活性薬剤に対してFDAまたは米国以外の国の同様の規制機関によって承認された投薬量である。一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される本明細書に記載の第2の活性薬剤の投薬量は、上記活性薬剤に対するヒト臨床試験で使用される投薬量である。一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される本明細書に記載の第2の活性薬剤の投薬量は、上記活性薬剤に対してFDAまたは米国以外の国の同様の規制機関によって承認された投薬量、または上記活性薬剤に対するヒト臨床試験で使用される投薬量よりも低く、例えば、第2の活性薬剤と、化合物1、化合物2または化合物3との相乗効果によって決まる。
【0171】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、BTK阻害剤である。一実施形態では、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、約140mg~約700mg、約280mg~約560mg、または約420mg~約560mgの範囲の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、約700mg以下、約560mg以下、約420mg以下、約280mg以下または約140mg以下の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、約560mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、約420mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、約280mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、約140mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)は、経口投与される。
【0172】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、mTOR阻害剤である。一実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)は、約1mg~約20mg、約2.5mg~約15mg、または約5mg~約10mgの範囲の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)は、約20mg以下、約15mg以下、約10mg以下、約5mg以下または約2.5mg以下の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)は、約10mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)は、約5mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)は、約2.5mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)は、経口投与される。
【0173】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、PIM阻害剤である。一実施形態では、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)は、約30mg~約1000mg、約70mg~約700mg、約150mg~約500mg、約200mg~約350mg、または約250mg~約300mgの範囲の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)は、約700mg以下、約500mg以下、約350mg以下、約300mg以下、約250mg以下、約200mg以下、約150mg以下または約70mg以下の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)は、約500mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)は、約350mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)は、約300mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)は、約250mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)は、約200mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)は、約150mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、PIM阻害剤(例えば、LGH-447)は、経口投与される。
【0174】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、IGF-1R阻害剤である。一実施形態では、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)は、約100mg~約500mg、約150mg~約450mg、約200mg~約400mg、または約250mg~約300mgの範囲の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)は、約50mg~約250mg、約75mg~約225mg、約100mg~約200mg、または約125mg~約150mgの範囲の投薬量で毎日2回(BID)投与される。一実施形態では、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)は、約450mg以下、約400mg以下、約300mg以下、約250mg以下、約200mg以下または約150mg以下の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)は、約450mg以下、約400mg以下、約300mg以下、約250mg以下、約200mg以下または約150mg以下の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)は、約225mg以下、約200mg以下、約150mg以下、約125mg以下、約100mg以下または約75mg以下の投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)は、約450mg、約400mg、約300mg、約250mg、約200mgまたは約150mgの投薬量で毎日投与される。一実施形態では、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)は、約225mg、約200mg、約150mg、約125mg、約100mgまたは約75mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)は、7日ごとに1~3日目に投与される。一実施形態では、IGF-1R阻害剤(例えば、リンシチニブ)は、経口投与される。
【0175】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、MEK阻害剤である。一実施形態では、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシド)は、約0.25mg~約3mg、約0.5mg~約2mg、または約1mg~約1.5mgの範囲の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシド)は、約2mg以下、約1.5mg以下、約1mg以下または約0.5mg以下の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシド)は、約2mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシド)は、約1.5mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシド)は、約1mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシド)は、約0.5mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシド)は、経口投与される。
【0176】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、XPO1阻害剤である。一実施形態では、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)は、約30mg~約200mg、約45mg~約150mg、または約60mg~約100mgの範囲の投薬量で週2回投与される。一実施形態では、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)は、約100mg以下、約80mg以下、約60mg以下または約40mg以下の投薬量で週2回投与される。一実施形態では、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)は、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mgまたは約100gの投薬量で週2回投与される。一実施形態では、投薬量は、週2回約40mgである。一実施形態では、投薬量は、週2回約60mgである。一実施形態では、投薬量は、週2回約80mgである。一実施形態では、投薬量は、週2回約100mgである。一実施形態では、XPO1阻害剤(例えば、セリネクソール)は、経口投与される。
【0177】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、DOT1L阻害剤である。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946)は、1日あたり、約10mg~約500mg、約25mg~約400mg、約50mg~約300mg、約75mg~約200mg、または約100mg~約150mgの範囲の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946)は、1日あたり、約500mg以下、約400mg以下、約300mg以下、約200mg以下、約150mg以下、約100mg以下、約75mg以下、約50mg以下または約25mg以下の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946)は、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mgまたは約500mgの投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946)は、1日あたり、約18mg/m2~約126mg/m2、約36mg/m2~約108mg/m2、または約54mg/m2~約90mg/m2の範囲の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946)は、1日あたり、約126mg/m2以下、約108mg/m2以下、約90mg/m2以下、約72mg/m2以下、約54mg/m2以下、約36mg/m2以下または約18mg/m2以下の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946)は、1日あたり、約18mg/m2、約36mg/m2、約54mg/m2、約72mg/m2、約90mg/m2、約108mg/m2または約126mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946)は、経口投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、SGC0946)は、静脈内投与される。
【0178】
一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、1日あたり、約18mg/m2~約108mg/m2、約36mg/m2~約90mg/m2、または約54mg/m2~約72mg/m2の範囲の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、1日あたり、約108mg/m2以下、約90mg/m2以下、約72mg/m2以下、約54mg/m2以下、約36mg/m2以下または約18mg/m2以下の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、1日あたり、約18mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、1日あたり、約36mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、1日あたり、約54mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、1日あたり、約70mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、1日あたり、約72mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、1日あたり、約90mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、1日あたり、約108mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、DOT1L阻害剤(例えば、ピノメトスタット)は、静脈内投与される。
【0179】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、EZH2阻害剤である。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、約50mg~約1600mg、約100mg~約800mg、または約200mg~約400mgの範囲の投薬量で毎日2回(BID)投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、約800mg以下、約600mg以下、約400mg以下、約200mg以下または約100mg以下の投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、約800mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、約600mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、約400mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、約200mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、経口投与される。
【0180】
一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、約100mg~約3200mg、約200mg~約1600mg、約400mg~約800mgの範囲の投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、約3200mg以下、約1600mg以下、約800mg以下、約400mg以下、約200mg以下または約100mg以下の投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、約3200mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、約1600mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、約800mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、約400mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、約200mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、約100mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、1回以上の28日サイクルで投与される。一実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、CPI-1205)は、経口投与される。
【0181】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、JAK2阻害剤である。一実施形態では、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)は、約120mg~約680mg、約240mg~約500mg、または約300mg~約400mgの範囲の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)は、約680mg以下、約500mg以下、約400mg以下、約300mg以下または約240mg以下の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)は、約500mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)は、約400mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、JAK2阻害剤(例えば、フェドラチニブ)は、約300mgの投薬量で毎日1回投与される。
【0182】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、PLK1阻害剤である。一実施形態では、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)は、1日あたり、約20mg~約200mg、約40mg~約100mg、または約50mg~約60mgの範囲の投薬量で投与される。一実施形態では、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)は、1日あたり、約200mg以下、約100mg以下、約60mg以下、約50mg以下、約40mg以下または約20mg以下の投薬量で投与される。一実施形態では、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)は、1日あたり、約200mg、約100mg、約60mg、約50mg、約40mgまたは約20mgの投薬量で投与される。一実施形態では、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)は、約200mgの投薬量で21日サイクルごとに1回投与される。一実施形態では、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)は、21日サイクルの1日目及び8日目に、1日あたり約100mgの投薬量で投与される。一実施形態では、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)は、21日サイクルの1日目~3日目に、1日あたり約50mgの投薬量で投与される。一実施形態では、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)は、21日サイクルの1日目~3日目に、1日あたり約60mgの投薬量で投与される。一実施形態では、PLK1阻害剤(例えば、BI2536)は、静脈内投与される。
【0183】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、AURKB阻害剤である。一実施形態では、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)は、1日あたり、約50mg~約200mg、約75mg~約150mg、または約100mg~約110mgの範囲の投薬量で投与される。一実施形態では、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)は、1日あたり、約200mg以下、約150mg以下、約110mg以下、約100mg以下、約75mg以下または約50mg以下の投薬量で投与される。一実施形態では、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)は、1日あたり、約200mg、約150mg、約110mg、約100mg、約75mgまたは約50mgの投薬量で投与される。一実施形態では、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)は、28日サイクルの1日目、2日目、15日目及び16日目に、本明細書に記載の投薬量で投与される。一実施形態では、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)は、静脈内投与される。一実施形態では、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)は、28日サイクルのうち14日ごとに、48時間の連続注入として約150mgの投薬量で投与される。一実施形態では、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)は、28日サイクルのうち14日ごとに、2回の2時間注入として約220mgの投薬量で(例えば、1日目、2日目、15日目及び16日目に110mg/日で)投与される。一実施形態では、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)は、7日ごとに、2時間注入として約200mgの投薬量で投与される。一実施形態では、AURKB阻害剤(例えば、AZD1152)は、14日ごとに、2時間注入として約450mgの投薬量で、投与される。
【0184】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、BIRC5阻害剤である。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、1日あたり、約2mg/m2~約15mg/m2、または約4mg/m2~約10mg/m2の範囲の投薬量で投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、1日あたり、約15mg/m2以下、約10mg/m2以下、約4.8mg/m2以下、約4mg/m2以下または約2mg/m2以下の投薬量で投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、1日あたり、約15mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、1日あたり、約10mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、1日あたり、約4.8mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、1日あたり、約4mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、1日あたり、約2mg/m2の投薬量で投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、静脈内投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、3週間ごとに、約168時間の連続静脈内注入によって約4.8mg/m2/日の投薬量で投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、3週間ごとに、約168時間の連続静脈内注入によって約5mg/m2/日の投薬量で投与される。一実施形態では、BIRC5阻害剤(例えば、YM155)は、3週間ごとに、約72時間の連続静脈内注入によって約10mg/m2/日の投薬量で投与される。
【0185】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、BET阻害剤である。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、約10mg~約160mg、約20mg~約120mg、または約40mg~約80mgの範囲の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、約160mg以下、約120mg以下、約80mg以下、約40mg以下、約20mg以下または約10mg以下の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、約160mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、約120mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、約80mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、約40mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、約20mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、約10mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、21日サイクルの1日目~7日目に、本明細書に記載の投薬量で投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、21日サイクルの1日目~14日目に、本明細書に記載の投薬量で投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、21日サイクルの1日目~21日目に、本明細書に記載の投薬量で投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、7日サイクルの1日目~5日目に、本明細書に記載の投薬量で投与される。一実施形態では、BET阻害剤(例えば、ビラブレシブ)は、経口投与される。
【0186】
一実施形態では、本明細書に記載の方法で使用される第2の活性薬剤は、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約25mg/m2~約150mg/m2、約50mg/m2~約125mg/m2、または約75mg/m2~約100mg/m2の範囲の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約150mg/m2以下、約125mg/m2以下、約100mg/m2以下、約75mg/m2以下、約50mg/m2以下または約25mg/m2以下の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約150mg/m2の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約125mg/m2の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約100mg/m2の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約75mg/m2の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約50mg/m2の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約25mg/m2の投薬量で毎日投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、皮下投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、静脈内投与される。
【0187】
一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約100mg~約500mg、または約200mg~約400mgの範囲の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約500mg以下、約400mg以下、約300mg以下、約200mg以下または約100mg以下の投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約500mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約400mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約300mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約200mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約100mgの投薬量で毎日1回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約100mg~約300mg、または約150mg~約250mgの範囲の投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約300mg以下、約250mg以下、約200mg以下、約150mg以下または約100mg以下の投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約300mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約250mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約200mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約150mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、約100mgの投薬量で毎日2回投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、28日サイクルの1日目~14日目に、本明細書に記載の投薬量で投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、28日サイクルの1日目~21日目に、本明細書に記載の投薬量で投与される。一実施形態では、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、アザシチジン)は、経口投与される。
【0188】
I.追加の活性薬剤との併用治療
本明細書に記載の化合物(例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩)と、本明細書に記載の第2の活性薬剤(例えば、イブルチニブ、エベロリムス、LGH-447、リンシチニブ、トラメチニブ、トラメチニブジメチルスルホキシド、セリネクソール、SGC0946、ピノメトスタット、タゼメトスタット、UNC1999、CPI-1205、フェドラチニブ、JQ1、BI2536、JH295、バラセルチブ、AZD1152-HQPA、YM155、化合物C、もしくはアザシチジン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩のうち1つ以上)との併用はまた、多発性骨髄腫の治療、予防または管理のために現在使用されている、手術、生物学的療法(例えば、チェックポイント阻害剤を用いる免疫療法を含む)、放射線療法、化学療法、幹細胞移植、細胞療法、または他の非薬物ベース療法を含むが、これらに限定されない従来の療法と、さらに組み合わせられるか、または併用(例えば、前、間、後に)され得る。本明細書に記載の化合物と、本明細書に記載の第2の活性薬剤と、従来の療法との併用は、ある特定の患者に予想外に有効である固有の治療レジメンを提供し得る。理論に制限されることなく、化合物1、化合物2または化合物3と本明細書に記載の第2の活性薬剤とは、従来の療法と同時に与えられる場合、相加または相乗効果を提供し得ると考えられる。
【0189】
本明細書の他の箇所で論じるように、限定されないが、手術、化学療法、放射線療法、生物学的療法、及び免疫療法を含む従来の療法に関連する有害作用または望ましくない効果を低減、治療、及び/または予防する方法が、本明細書に包含される。本明細書に記載の化合物、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、本明細書に記載の第2の活性薬剤、及び追加の活性成分は、従来の療法に関連する有害反応の発生前、発生中、発生後に、患者に投与され得る。そのような一実施形態では、追加の活性薬剤は、デキサメタゾンである。
【0190】
本明細書に記載の化合物(例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩)と、本明細書に記載の第2の活性薬剤(例えば、イブルチニブ、エベロリムス、LGH-447、リンシチニブ、トラメチニブ、トラメチニブジメチルスルホキシド、セリネクソール、SGC0946、ピノメトスタット、タゼメトスタット、UNC1999、CPI-1205、フェドラチニブ、JQ1、BI2536、JH295、バラセルチブ、AZD1152-HQPA、YM155、化合物C、もしくはアザシチジン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩のうち1つ以上)との併用はまた、本明細書に記載の多発性骨髄腫の治療法及び/または予防において有用な他の治療剤と、さらに組み合わせられるか、または併用され得る。そのような一実施形態では、追加の活性薬剤は、デキサメタゾンである。
【0191】
一実施形態において、本明細書で提供されるのは、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩を、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて、さらに1つ以上の追加の活性薬剤と組み合わせて、またさらに任意選択で、放射線療法、輸血または手術と組み合わせて、患者へ投与することを含む、多発性骨髄腫を治療、予防、または管理する方法である。
【0192】
本明細書で使用される場合、用語「組み合わせて」は、2つ以上の療法剤(例えば、1つ以上の予防剤及び/または治療剤)の使用を含む。しかしながら、用語「組み合わせて」の使用は、疾患または障害を有する患者に療法剤(例えば、予防剤及び/または治療剤)が投与される順序を制限しない。第1の療法剤(例えば、本明細書に記載の化合物などの予防剤または治療剤、例えば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩)は、対象に第2の療法剤(例えば、本明細書に記載の第2の活性薬剤、例えば、イブルチニブ、エベロリムス、LGH-447、リンシチニブ、トラメチニブ、トラメチニブジメチルスルホキシド、セリネクソール、SGC0946、ピノメトスタット、タゼメトスタット、UNC1999、CPI-1205、フェドラチニブ、JQ1、BI2536、JH295、バラセルチブ、AZD1152-HQPA、YM155、化合物C、もしくはアザシチジン、または立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩のうち1つ以上)を投与する前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)、それと同時に、またはそれに続いて(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後に)投与され得る。例えば、第1の療法剤及び第2の療法剤は、対象に第3の療法剤(例えば、追加の予防剤または治療剤)を投与する前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)、それと同時に、またはそれに続いて(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後に)個別に投与され得る。五重療法と同様に、四重療法も本明細書において企図される。一実施形態では、第3の療法剤は、デキサメタゾンである。
【0193】
化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、本明細書に記載の第2の活性薬剤、及び1つ以上の追加の活性薬剤の患者への投与は、同時にまたは連続的に、同じ投与経路または異なる投与経路によって行われ得る。特定の活性薬剤に用いられる特定の投与経路の適合性は、活性薬剤自体(例えば、それが血流に入る前に分解することなく経口投与され得るかどうか)に依存するであろう。
【0194】
化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩の投与経路は、本明細書に記載の第2の活性薬剤及び追加の療法剤の投与経路から独立している。一実施形態では、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、経口投与される。別の実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3は、静脈内投与される。一実施形態では、本明細書に記載の第2の活性薬剤は、経口投与される。一実施形態では、本明細書に記載の第2の活性薬剤は、静脈内投与される。したがって、これらの実施形態によれば、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、経口投与または静脈内投与され、本明細書に記載の第2の活性薬剤は、経口投与または静脈内投与され、また追加の療法剤は、経口投与、非経口投与、腹腔内投与、静脈内投与、動脈内投与、経皮投与、舌下投与、筋肉内投与、直腸投与、経口腔投与、鼻腔内投与、リポソーム投与、吸入を介した投与、膣内投与、眼内投与、カテーテルもしくはステントによる局部送達を介した投与、皮下投与、脂肪内投与、関節内投与、髄腔内投与または徐放剤形で投与され得る。一実施形態では、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩と、本明細書に記載の第2の活性薬剤と、追加の療法剤とは、同じ投与様式によって、経口または静脈内投与される。別の実施形態では、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩は、1つの投与様式によって、例えば、静脈によって投与されるが、本明細書に記載の第2の活性薬剤または追加の薬剤(抗多発性骨髄腫薬)は、別の投与様式、例えば、経口によって投与される。
【0195】
一実施形態では、追加の活性薬剤は、静脈内または皮下に、約1~約1000mg、約5~約500mg、約10~約350mg、または約50~約200mgの量で毎日1回または2回投与される。追加の活性薬剤の特定の量は、使用される特定の薬剤、治療または管理される多発性骨髄腫の種類、疾患の重症度及びステージ、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩の量、本明細書に記載の第2の活性薬剤の量、及び同時に患者に投与されるいずれかの任意の追加の活性薬剤によって決定される。
【0196】
1つ以上の追加の活性成分または活性薬剤は、本明細書に記載の方法及び組成物において、化合物1、化合物2または化合物3及び本明細書に記載の第2の活性薬剤と一緒に使用され得る。追加の活性薬剤は、大分子(例えば、タンパク質)、小分子(例えば、合成無機、有機金属、または有機分子)、または細胞療法剤(例えば、CAR細胞)であり得る。
【0197】
本明細書に記載の方法及び組成物において使用され得る追加の活性薬剤の例は、メルファラン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、エトポシド、ドキソルビシン、ベンダムスチン、オビヌツズマブ、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、イキサゾミブ、オプロゾミブまたはマリゾミブ)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、パノビノスタット、ACY241)、BET阻害剤(例えば、GSK525762A、OTX015、BMS-986158、TEN-010、CPI-0610、INCB54329、BAY1238097、FT-1101、ABBV-075、BI 894999、GS-5829、GSK1210151A(I-BET-151)、CPI-203、RVX-208、XD46、MS436、PFI-1、RVX2135、ZEN3365、XD14、ARV-771、MZ-1、PLX5117、4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(メタンスルホニル)フェニル]-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン、EP11313及びEP11336)、BCL2阻害剤(例えば、ベネトクラクスまたはナビトクラクス)、MCL-1阻害剤(例えば、AZD5991、AMG176、MIK665、S64315、またはS63845)、LSD-1阻害剤(例えば、ORY-1001、ORY-2001、INCB-59872、IMG-7289、TAK-418、GSK-2879552、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル、もしくはその塩)、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)、デキサメタゾン;抗体(例えば、エロツズマブなどのCS1抗体、ダラツムマブもしくはイサツキシマブなどのCD38抗体、またはGSK2857916もしくはBI 836909などのBCMA抗体もしくは抗体コンジュゲート)、チェックポイント阻害剤(本明細書に記載のような)、またはCAR細胞(本明細書に記載のような)のうちの1つ以上を含む。
【0198】
一実施形態では、本明細書に記載の方法及び組成物において、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の第2の活性薬剤と一緒に使用される追加の活性薬剤は、デキサメタゾンである。
【0199】
いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1日目及び8日目に4mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1、4、8及び11日目に4mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、及び15日目に4mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、4、8、11、15及び18日目に4mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、15、及び22日目に4mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、10、15、及び22日目に4mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、3、15、及び17日目に4mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、3、14、及び17日目に4mgの用量で投与される。
【0200】
いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1日目及び8日目に8mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1、4、8及び11日目に8mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、及び15日目に8mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、4、8、11、15及び18日目に8mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、15、及び22日目に8mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、10、15、及び22日目に8mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、3、15、及び17日目に8mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、3、14、及び17日目に8mgの用量で投与される。
【0201】
いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1日目及び8日目に10mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1、4、8及び11日目に10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、及び15日目に10mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、4、8、11、15及び18日目に10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、15、及び22日目に10mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、10、15、及び22日目に10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、3、15、及び17日目に10mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、3、14、及び17日目に10mgの用量で投与される。
【0202】
いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1日目及び8日目に20mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1、4、8及び11日目に20mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、及び15日目に20mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、4、8、11、15及び18日目に20mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、15、及び22日目に20mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、10、15、及び22日目に20mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、3、15、及び17日目に20mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、3、14、及び17日目に20mgの用量で投与される。
【0203】
いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1日目及び8日目に40mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、21日サイクルの1、4、8及び11日目に40mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、及び15日目に40mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、10、15、及び22日目に40mgの用量で投与される。いくつかの他の実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、4、8、11、15及び18日目に40mgの用量で投与される。他のそのような実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、8、15、及び22日目に40mgの用量で投与される。他のそのような実施形態では、デキサメタゾンは、28日サイクルの1、3、15、及び17日目に40mgの用量で投与される。そのような一実施形態では、デキサメタゾンは、サイクル1の1、3、14、及び17日目に40mgの用量で投与される。
【0204】
別の実施形態では、本明細書に記載の方法及び組成物において、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の第2の活性薬剤と一緒に使用される追加の活性薬剤は、ボルテゾミブである。さらに別の実施形態では、本明細書に記載の方法及び組成物において、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の第2の活性薬剤と一緒に使用される追加の活性薬剤は、ダラツムマブである。いくつかのそのような実施形態では、方法は、追加的にデキサメタゾンの投与を含む。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載のプロテアソーム阻害剤、本明細書に記載のCD38阻害剤及び本明細書に記載のコルチコステロイドを伴う、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の第2の活性薬剤の投与を含む。
【0205】
ある特定の実施形態では、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の第2の活性薬剤は、チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与される。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、本明細書に記載の方法に関連して、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の第2の活性薬剤と併用される。別の実施形態では、2つのチェックポイント阻害剤が、本明細書に記載の方法に関連して、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の第2の活性薬剤と併用される。さらに別の実施形態では、3つ以上のチェックポイント阻害剤が、本明細書に記載の方法に関連して、化合物1、化合物2もしくは化合物3、または鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、及び本明細書に記載の第2の活性薬剤と併用される。
【0206】
本明細書で使用される場合、用語「免疫チェックポイント阻害剤」または「チェックポイント阻害剤」とは、1つ以上のチェックポイントタンパク質を完全にまたは部分的に低減するか、それらを阻害するか、それらに干渉するか、またはそれらを調節する分子を指す。特定の理論によって制限されることなく、チェックポイントタンパク質は、T細胞活性化または機能を調節する。多数のチェックポイントタンパク質、例えば、CTLA-4ならびにそのリガンドCD80及びCD86と、リガンドPD-Ll及びPD-L2を有するPD-1とが、知られている(Pardoll,Nature Reviews Cancer,2012,12,252-264)。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激性または阻害性相互作用を担うと思われる。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容、ならびに生理学的免疫応答の持続期間及び程度を調節し維持すると思われる。免疫チェックポイント阻害剤は、抗体を含むか、または抗体から誘導される。
【0207】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。一実施形態では、CTLA-4阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。抗CTLA-4抗体の例は、すべてが全体において本明細書に組み込まれる米国特許第5,811,097号、同第5,811,097号、同第5,855,887号、同第6,051,227号、同第6,207,157号、同第6,682,736号、同第6,984,720号、及び同第7,605,238号に記載されるものを含むが、これらに限定されない。一実施形態では、抗CTLA-4抗体は、トレメリムマブ(別名、チシリムマブまたはCP-675,206としても知られる)である。別の実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(MDX-010またはMDX-101としても知られる)である。イピリムマブは、CTLA-4に結合する完全ヒトモノクローナルIgG抗体である。イピリムマブは、Yervoy(商標)という商品名で販売されている。
【0208】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1/PD-L1阻害剤である。PD-l/PD-L1阻害剤の例は、すべてが全体において本明細書に組み込まれる米国特許第7,488,802号、同第7,943,743号、同第8,008,449号、同第8,168,757号、同第8,217,149号、ならびにPCT特許出願公開第WO2003042402号、同第WO2008156712号、同第WO2010089411号、同第WO2010036959号、同第WO2011066342号、同第WO2011159877号、同第WO2011082400号、及び同第WO2011161699号に記載されるものを含むが、これらに限定されない。
【0209】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。一実施形態では、PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体である。一実施形態では、抗PD-1抗体は、BGB-A317、ニボルマブ(ONO-4538、BMS-936558、またはMDX1106としても知られる)、またはペンブロリズマブ(MK-3475、SCH900475、またはランブロリズマブとしても知られる)である。一実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。ニボルマブは、ヒトIgG4抗PD-1モノクローナル抗体であり、Opdivo(商標)という商品名で販売されている。別の実施形態では、抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブである。ペンブロリズマブは、ヒト化モノクローナルIgG4抗体であり、Keytruda(商標)という商品名で販売されている。さらに別の実施形態では、抗PD-1抗体は、ヒト化抗体であるCT-011である。単独で投与されたCT-011は、再発時に急性骨髄性白血病(AML)を治療することにおいて応答を示すことができなかった。さらに別の実施形態では、抗PD-1抗体は、融合タンパク質であるAMP-224である。別の実施形態では、PD-1抗体は、BGB-A317である。BGB-A317は、Fcガンマ受容体Iに結合する能力が特異的に操作されており、かつ高い親和性及び優れた標的特異性を伴うPD-1に対する独自の結合シグネチャを有する、モノクローナル抗体である。
【0210】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。一実施形態では、PD-L1阻害剤は、抗PD-L1抗体である。一実施形態では、抗PD-L1抗体は、MEDI4736(デュルバルマブ)である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、BMS-936559(MDX-1105-01としても知られる)である。さらに別の実施形態では、PD-L1阻害剤は、アテゾリズマブ(MPDL3280A、及びTecentriq(登録商標)としても知られる)である。
【0211】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L2阻害剤である。一実施形態では、PD-L2阻害剤は、抗PD-L2抗体である。一実施形態では、抗PD-L2抗体は、rHIgM12B7Aである。
【0212】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)阻害剤である。一実施形態では、LAG-3阻害剤は、可溶性Ig融合タンパク質であるIMP321である(Brignone et al.,J.Immunol.,2007,179,4202-4211)。別の実施形態では、LAG-3阻害剤は、BMS-986016である。
【0213】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B7阻害剤である。一実施形態では、B7阻害剤は、B7-H3阻害剤またはB7-H4阻害剤である。一実施形態では、B7-H3阻害剤は、抗B7-H3抗体であるMGA271である(Loo et al.,Clin.Cancer Res.,2012,3834)。
【0214】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、TIM3(T細胞免疫グロブリンドメイン及びムチンドメイン3)阻害剤である(Fourcade et al.,J.Exp.Med.,2010,207,2175-86、Sakuishi et al.,J.Exp.Med.,2010,207,2187-94)。
【0215】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、OX40(CD134)アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗OX40抗体である。一実施形態では、抗OX40抗体は、抗OX-40である。別の実施形態では、抗OX40抗体は、MEDI6469である。
【0216】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、GITRアゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗GITR抗体である。一実施形態では、抗GITR抗体は、TRX518である。
【0217】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD137アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD137抗体である。一実施形態では、抗CD137抗体は、ウレルマブである。別の実施形態では、抗CD137抗体は、PF-05082566である。
【0218】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD40アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD40抗体である。一実施形態では、抗CD40抗体は、CF-870,893である。
【0219】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、組換えヒトインターロイキン-15(rhIL-15)である。
【0220】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、IDO阻害剤である。一実施形態では、IDO阻害剤は、INCB024360である。別の実施形態では、IDO阻害剤は、インドキシモドである。
【0221】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の併用治療は、本明細書に記載のチェックポイント阻害剤(同じまたは異なるクラスのチェックポイント阻害剤を含む)のうちの2つ以上を含む。さらに、本明細書に記載の併用治療は、本明細書に記載の疾患を治療するために適切であり、かつ当技術分野で理解されている、本明細書に記載の1つ以上の第2の活性薬剤と併用され得る。
【0222】
ある特定の実施形態では、化合物1、化合物2または化合物3及び本明細書に記載の第2の活性薬剤は、それらの表面(例えば、修飾された免疫細胞)で1つ以上のキメラ抗原受容体(CAR)を発現する1つ以上の免疫細胞と併用され得る。一般に、CARは、第1のタンパク質(例えば、抗原結合タンパク質)からの細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。ある特定の実施形態では、細胞外ドメインが、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)などの標的タンパク質に結合すると、シグナルは、例えば、標的タンパク質を発現する細胞を標的とし、死滅させるために、免疫細胞を活性化する細胞内シグナル伝達ドメインを介して生成される。
【0223】
細胞外ドメイン:CARの細胞外ドメインは、目的の抗原に結合する。ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインは、受容体、または上記抗原に結合する受容体の一部を含む。ある特定の実施形態では、細胞外ドメインは、抗体もしくはその抗原結合部分を含むか、または抗体もしくはその抗原結合部分である。特定の実施形態では、細胞外ドメインは、一本鎖Fv(scFv)ドメインを含むか、または一本鎖Fv(scFv)ドメインである。一本鎖Fvドメインは、例えば、可撓性リンカーによってVHに連結されたVLを含み得、上記VL及びVHは、上記抗原に結合する抗体に由来する。
【0224】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のポリペプチドの細胞外ドメインによって認識される抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である。様々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、Her2、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、α-フェトプロテイン(AFP)、がん胎児性抗原(CEA)、がん抗原-125(CA-125)、CA19-9、カルレチニン、MUC-1、B細胞成熟抗原(BCMA)、上皮膜タンパク質(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、メラノーマ-24関連抗原(MAGE)、CD19、CD22、CD27、CD30、CD34、CD45、CD70、CD99、CD117、EGFRvIII(上皮成長因子変異体III)、メソテリン、PAP(前立腺酸性ホスファターゼ)、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ代替リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、STEAPI(前立腺の6回膜貫通上皮抗原1)、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、総嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、タンパク質メラン-A(Tリンパ球によって認識されるメラノーマ抗原;MART-I)、myo-D1、筋特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、チログロブリン、甲状腺転写因子-1、二量体形態のピルビン酸キナーゼアイソエンザイムM2型(腫瘍M2-PK)、異常なrasタンパク質、または異常なp53タンパク質であるが、これらに限定されない。ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、またはRal-Bである。
【0225】
ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、がん/精巣(CT)抗原、例えば、BAGE、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-ES0-1、NY-SAR-35、OY-TES-1、SPANXBI、SPA17、SSX、SYCPI、またはTPTEである。
【0226】
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、炭水化物またはガングリオシド、例えば、fuc-GMI、GM2(腫瘍胎児抗原-免疫原性-1、OFA-I-1);GD2(OFA-I-2)、GM3、GD3などである。
【0227】
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、α-アクチニン-4、Bage-1、BCR-ABL、Bcr-Abl融合タンパク質、β-カテニン、CA125、CA15-3(CA27.29\BCAA)、CA195、CA242、CA-50、CAM43、Casp-8、cdc27、cdk4、cdkn2a、CEA、coa-l、dek-can融合タンパク質、EBNA、EF2、エプスタインバーウイルス抗原、ETV6-AML1融合タンパク質、HLA-A2、HLA-All、hsp70-2、KIAA0205、Mart2、Mum-1、2、及び3、neo-PAP、ミオシンクラスI、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PTPRK、K-ras、N-ras、トリオースリン酸イソメラーゼ、Gage3,4,5,6,7、GnTV、Herv-K-mel、Lage-1、NA-88、NY-Eso-1/Lage-2、SP17、SSX-2、TRP2-Int2、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2、MAGE-l、MAGE-3、RAGE、GAGE-l、GAGE-2、p15(58)、RAGE、SCP-1、Hom/Mel-40、PRAME、p53、HRas、HER-2/neu、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6及びE7、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72-4、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、13-カテニン、Mum-1、p16、TAGE、PSMA、CT7、テロメラーゼ、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68\KP1、C0-029、FGF-5、G250、Ga733(EpCAM)、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB\70K、NY-C0-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TAG72、TLP、またはTPSである。
【0228】
様々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、S.Anguille et al,Leukemia(2012),26,2186-2196に記載されているような、AML関連腫瘍抗原である。
【0229】
他の腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、当業者に公知である。
【0230】
キメラ抗原受容体を構築するのに有用なTSA及びTAAに結合する受容体、抗体、及びscFvは、当技術分野で既知であり、それらをコードするヌクレオチド配列もまた当技術分野で既知である。
【0231】
ある種の特定の実施形態では、キメラ抗原受容体の細胞外ドメインによって認識される抗原は、一般的にTSAまたはTAAであると見なされないが、それでもなお腫瘍細胞に関連するか、または腫瘍によって引き起こされる損傷に関連する抗原である。ある特定の実施形態では、例えば、抗原は、例えば、成長因子、サイトカインまたはインターロイキン、例えば、血管新生または血管形成に関連する成長因子、サイトカイン、またはインターロイキンである。そのような成長因子、サイトカイン、またはインターロイキンとして、例えば、血管内皮成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インスリン様成長因子(IGF)、またはインターロイキン-8(IL-8)が挙げられ得る。腫瘍はまた、腫瘍局在的な低酸素環境も生成し得る。したがって、他の特定の実施形態では、抗原は、低酸素症関連因子、例えば、HIF-1α、HIF-1β、HIF-2α、HIF-2β、HIF-3α、またはHIF-3βである。腫瘍はまた、局所的な損傷を正常組織に引き起こし、損傷関連分子パターン分子(DAMP;別名、アラーミン)として知られる分子の放出を引き起こし得る。したがって、ある種の他の特定の実施形態では、抗原は、DAMP、例えば、熱ショックタンパク質、クロマチン関連タンパク質高移動度群ボックス1(HMGB1)、S100A8(MRP8、カルカルグラヌリンA)、S100A9(MRP14、カルグラヌリンB)、血清アミロイドA(SAA)であるか、または、デオキシリボ核酸、アデノシン三リン酸、尿酸、もしくはヘパリン硫酸である。
【0232】
膜貫通ドメイン:ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインは、リンカー、スペーサ、またはヒンジポリペプチド配列、例えば、CD28由来の配列もしくはCTLA4由来の配列によってポリペプチドの膜貫通ドメインに結合される。膜貫通ドメインは、任意の膜貫通タンパク質の膜貫通ドメインから得ることができるか、またはそれに由来し得、そのような膜貫通ドメインのすべてまたは一部を含み得る。特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、例えば、CD8、CD16、サイトカイン受容体、及びインターロイキン受容体、または成長因子受容体などから取得し得るか、またはそれに由来し得る。
【0233】
細胞内シグナル伝達ドメイン:ある特定の実施形態では、CARの細胞内ドメインは、T細胞の表面で発現するタンパク質の細胞内ドメインもしくはモチーフであるか、またはそれらを含み、上記T細胞の活性化及び/または増殖を引き起こす。そのようなドメインまたはモチーフは、CARの細胞外部分への抗原の結合に応答してTリンパ球の活性化に必要な一次抗原結合シグナルを伝送することができる。一般的に、このドメインまたはモチーフは、ITAM(免疫受容活性化チロシンモチーフ)を含むか、またはITAMである。CARに好適なITAM含有ポリペプチドは、例えば、ゼータCD3鎖(CD3ζ)またはそのITAM含有部分を含む。特定の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインである。他の特定の実施形態では、細胞内ドメインは、リンパ球受容体鎖、TCR/CD3複合体タンパク質、Fe受容体サブユニット、またはIL-2受容体サブユニット由来である。ある特定の実施形態では、CARは、さらに、例えば、ポリペプチドの細胞内ドメインの一部として1つ以上の共刺激性ドメインまたはモチーフを含む。1つ以上の共刺激性ドメインまたはモチーフは、共刺激性CD27ポリペプチド配列、共刺激性CD28ポリペプチド配列、共刺激性OX40(CD134)ポリペプチド配列、共刺激性4-1BB(CD137)ポリペプチド配列、または共刺激性誘導性T細胞共刺激性(ICOS)ポリペプチド配列、または他の共刺激性ドメインもしくはモチーフ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上であり得るか、あるいはそれらを含み得る。
【0234】
CARはまた、T細胞生存モチーフを含み得る。T細胞生存モチーフは、抗原による刺激後のTリンパ球の生存を促進する任意のポリペプチド配列またはモチーフであり得る。ある特定の実施形態では、T細胞生存モチーフは、CD3、CD28、IL-7受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン(IL-7R)、IL-12受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-15受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-21受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、または形質転換成長因子β(TGFβ)受容体の細胞内シグナル伝達ドメインであるか、またはそれらに由来する。
【0235】
CARを発現する修飾された免疫細胞は、例えば、Tリンパ球(T細胞、例えば、CD4+T細胞またはCD8+T細胞)、細胞傷害性リンパ球(CTL)、または天然キラー(NK)細胞であり得る。本明細書に記載の組成物及び方法で使用するTリンパ球は、ナイーブTリンパ球またはMHC拘束性Tリンパ球であり得る。ある特定の実施形態では、Tリンパ球は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。ある特定の実施形態では、Tリンパ球は、腫瘍生検から単離されているか、または腫瘍生検から単離されたTリンパ球から増殖されている。ある特定の他の実施形態では、T細胞は、末梢血、臍帯血、またはリンパ液から単離されているか、または末梢血、臍帯血、もしくはリンパ液から単離されたTリンパ球から増殖されている。CARを発現する修飾された免疫細胞を生成するために使用される免疫細胞は、当技術分野で認められた常法、例えば、血液収集、それに続くアフェレシス、及び任意選択で抗体媒介性の細胞の単離またはソーティングを使用して単離され得る。
【0236】
修飾された免疫細胞は、好ましくは、修飾された免疫細胞が投与される個体にとって自家性である。ある特定の他の実施形態では、修飾された免疫細胞は、修飾された免疫細胞を投与しようとする個体にとって同種異系である。同種異系Tリンパ球またはNK細胞を使用して修飾されたTリンパ球を調製する場合、個人の移植片対宿主病(GVHD)の可能性を低減するTリンパ球またはNK細胞を選択することが好ましい。例えば、ある特定の実施形態では、修飾されたTリンパ球の調製のためにウイルス特異的Tリンパ球が選択され、そのようなリンパ球は、任意のレシピエント抗原に結合し、その結果、該抗原により活性化されるようになる本来の能力が大幅に低下すると考えられる。ある特定の実施形態では、同種異系Tリンパ球のレシピエントによる拒絶は、宿主に1つ以上の免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、シクロホスファミドなどを共投与することにより、低下させることができる。
【0237】
Tリンパ球、例えば、未修飾Tリンパ球、またはCD3及びCD28を発現するTリンパ球、またはCD3ζシグナル伝達ドメイン及びCD28共刺激性ドメインを含むポリペプチドを含むTリンパ球は、CD3及びCD28への抗体、例えば、ビーズに結合した抗体を使用して増殖させることができる。例えば、米国特許第5,948,893号;第6,534,055号;第6,352,694号;第6,692,964号;第6,887,466号;及び第6,905,681号を参照されたい。
【0238】
修飾された免疫細胞、例えば、修飾されたTリンパ球には、所望の場合、修飾された免疫細胞の実質的にすべての死滅を可能にする「自殺遺伝子」または「安全スイッチ」を任意選択で含ませることができる。例えば、修飾されたTリンパ球には、ある特定の実施形態では、ガンシクロビルとの接触時に、修飾されたTリンパ球の死滅をもたらす、HSVチミジンキナーゼ遺伝子(HSV-TK)を含ませることができる。別の実施形態では、修飾されたTリンパ球は、誘導性カスパーゼ、例えば、誘導性カスパーゼ9(icaspase9)、例えば、カスパーゼ9と特定の小分子医薬品を使用した二量体化を可能にするヒトFK506結合タンパク質との融合タンパク質を含む。Straathof et al.,Blood 1 05(11):4247-4254(2005)を参照されたい。
【0239】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物1、化合物2または化合物3及び本明細書に記載の第2の活性薬剤は、様々な種類またはステージの多発性骨髄腫の患者に、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞と組み合わせて投与される。ある特定の実施形態では、組み合わせにおけるCAR T細胞は、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とし、より特定の実施形態では、CAR T細胞は、bb2121またはbb21217である。いくつかの実施形態では、CAR T細胞は、JCARH125である。
【0240】
J.医薬組成物
本明細書に記載の医薬組成物は、治療上有効な量の1つ以上の本明細書に記載の化合物及び/または本明細書に記載の第2の活性薬剤と、任意選択で、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含有する。
【0241】
化合物は、経口投与のための溶液、懸濁液、錠剤、分散型錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤もしくはエリキシル剤などの好適な薬学的調製物へと、または眼部投与もしくは非経口投与のための滅菌溶液または懸濁液、ならびに経皮パッチ調製物及び乾燥粉末吸入物に製剤化され得る。典型的に、上記の化合物は、当技術分野で既知の技法及び手順を使用して医薬組成物へと製剤化される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,Seventh Edition 1999を参照されたい)。
【0242】
組成物において、有効な濃度の1つ以上の化合物または薬学的に許容される塩が、好適な薬学的担体またはビヒクルと混合される。ある特定の実施形態では、組成物中の化合物の濃度は、投与時に、多発性骨髄腫の症状及び/または進行のうちの1つ以上を治療、予防、または緩和する量の送達に有効である。
【0243】
典型的には、組成物は、単回投薬量投与向けに製剤化される。組成物を製剤化するために、化合物の重量画分が、治療される病態が軽減または緩和されるような有効な濃度で、選択されたビヒクル中で、溶解、懸濁、分散または他の方法で混合される。本明細書に記載の化合物の投与に好適な薬学的担体またはビヒクルは、特定の投与様式に好適であることが当業者に既知の、任意のそのような担体を含む。
【0244】
加えて、化合物は、組成物中の唯一の薬学的活性成分として製剤化され得るか、または他の活性成分と組み合わされ得る。腫瘍標的化リポソームなどの組織標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液も、薬学的に許容される担体として好適であり得る。これらは、当業者に既知の方法に従って調製され得る。例えば、リポソーム製剤は、当技術分野で既知のように調製され得る。簡単に言えば、多重層膜ベシクル(MLV)などのリポソームは、フラスコの内側で卵ホスファチジルコリン及び脳ホスファチジルセリン(7:3モル比)を乾燥させることによって形成され得る。二価陽イオンを欠くリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の本明細書に記載の化合物の溶液が添加され、フラスコは脂質フィルムが分散するまで振盪される。結果として得られるベシクルは、カプセル化されていない化合物を除去するために洗浄され、遠心分離によってペレット化され、次いで、PBS中に再懸濁される。
【0245】
活性化合物は、望ましくない副作用がなく、治療される患者に治療上の有用な効果を及ぼすのに充分な量で、薬学的に許容される担体中に含まれる。治療上有効な濃度は、本明細書に記載のインビトロ及びインビボ系で化合物を試験することによって経験的に決定され得、次いで、それからヒトに対する投薬量のために外挿され得る。
【0246】
医薬組成物中の活性化合物の濃度は、その活性化合物の吸収、組織分布、不活化、代謝、及び排泄速度、その化合物の物理化学的特徴、投与スケジュール、及び投与量、ならびに当業者に知られているその他の要因に左右されるであろう。例えば、送達される量は、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むがんの症状のうちの1つ以上を緩和するのに充分である。
【0247】
非経口、皮内、皮下、または局部適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の成分のうちのいずれかを含み得る:注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルアセトアミド、または他の合成溶媒などの滅菌希釈剤、ベンジルアルコール及びメチルパラベンなどの抗微生物剤、アスコルビン酸及び重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、及びリン酸塩などの緩衝液、ならびに塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性の調節のための薬剤。非経口調製物は、アンプル、ペン、使い捨てシリンジ、またはガラス、プラスチック、もしくは他の好適な材料から作製された単一もしくは複数用量バイアルに封入され得る。
【0248】
化合物が不充分な溶解度を呈する例では、化合物を可溶化するための方法が使用され得る。そのような方法は、当業者に既知であり、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの共溶媒を使用すること、TWEEN(登録商標)などの界面活性剤を使用すること、または水性重炭酸ナトリウム中での溶解を含むが、これらに限定されない。
【0249】
化合物(複数可)の混合または添加時に、結果として得られる混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり得る。結果として得られる混合物の形態は、意図される投与様式及び選択された担体またはビヒクル中の化合物の溶解度を含む、いくつもの要因に依存する。有効な濃度は、治療される疾患、障害、または病態の症状を緩和するのに充分であり、経験的に決定され得る。
【0250】
医薬組成物は、好適な量の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を含有する錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒、滅菌非経口溶液または懸濁液、及び経口溶液または懸濁液、及び油水エマルジョンなどの単位剤形で、ヒト及び動物への投与のために提供される。薬学的、治療上の活性化合物及びその塩は、単位剤形または複数の剤形で製剤化及び投与される。本明細書で使用される単位用量形態は、ヒト及び動物対象に好適であり、当該分野で知られているように個別にパッケージ化される物理的に別個の単位を指す。各単位用量は、必要とされる薬学的担体、ビヒクル、または希釈剤を伴って、所望の治療効果を生み出すのに充分な、事前決定された量の治療上の活性化合物を含有する。単位用量形態の例は、アンプル及びシリンジならびに個別にパッケージ化された錠剤またはカプセル剤を含む。単位用量形態は、その一部分ずつまたは複数で投与され得る。複数用量形態は、単一容器にパッケージ化される、分割された単位用量形態で投与される複数の同一の単位剤形である。複数用量形態の例は、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤のボトルまたはパイントもしくはガロンのボトルを含む。したがって、複数用量形態は、パッケージにおいて分割されない複数の単位用量である。
【0251】
0.005%~100%の範囲の活性成分を含み、残りが非毒性担体である剤形または組成物が、調製され得る。経口投与のために、薬学的に許容される非毒性組成物は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルカム、セルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ショ糖、炭酸マグネシウムまたはサッカリンナトリウムなどの、通常用いられる賦形剤のうちのいずれかの組み込みによって形成される。そのような組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、カプセル剤、散剤、ならびに限定されないが、埋植及びマイクロカプセル化送達系などの徐放性製剤と、コラーゲン、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーとを含む。これらの組成物の調製のための方法は、当業者に既知である。
【0252】
活性化合物または薬学的に許容される塩は、持続放出製剤またはコーティングなどの、身体からの迅速な排除に対して化合物を保護する担体を用いて調製され得る。
【0253】
組成物は、所望の特性の組み合わせを得るために他の活性化合物を含み得る。本明細書に記載の化合物、または本明細書に記載のそれらの薬学的に許容される塩はまた、有利に、酸化的ストレスに関連する疾患などの上記で参照される疾患または医学的病態のうちの1つ以上を治療する際に、当該分野で価値あることが知られる別の薬理学的薬剤と一緒に、治療または予防目的のために投与され得る。そのような併用治療は、本明細書に記載の治療の組成物及び方法のさらなる態様を構成することを、理解されたい。
【0254】
K.組み合わせの活性評価及び特性評価
化合物を試験して、抗多発性骨髄腫増殖活性及び十分な安全特性を含む所望の特性を有する化合物を特定するために、標準的な生理学的、薬理学的、及び生化学的手順が利用可能である。そのようなアッセイとしては、例えば、結合アッセイ、放射能取り込みアッセイのような生化学的アッセイ、ならびに様々な細胞ベースのアッセイが挙げられる。
【0255】
イソインドリノン誘導体及びそれらの治療用途は、例えば、米国特許第8,518,972号に記載されている。驚くべきことに、化合物1、化合物2及び化合物3は、実施例の節で示すように、予期せぬ有益な特性を示す。これらの有益な特性は、抗多発性骨髄腫効力の有意な向上、アポトーシスのレベルの増加、及びデキサメタゾンとのより強力で有効性の高い組み合わせ応答を含み、かつ、驚くべきことに、向上した安全性プロファイルは、α1アドレナリン及びD2ドーパミン受容体(インビトロ、及びインビボ)での機能活性の低下、殺細胞選択性の向上(非骨髄腫細胞の死滅の低下によって示される)、及びCYP3A4阻害の低減を示した。加えて、化合物1、化合物2及び化合物3は、実施例の節で示すように、第2の活性薬剤と併用した場合に予期せぬ相乗効果を示す。
【0256】
前述の詳細な説明及び付随する実施例は、例示であるに過ぎず、本対象物の範囲に対する限定であると解釈されるべきではないことが、理解される。開示された実施形態に対する様々な変更及び修正が当業者に明らかとなるであろう。限定されないが、本明細書で提供される化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤及び/または使用方法に関連するものを含むそのような変更及び修正は、その主旨及び範囲から逸脱することなく行われ得る。本明細書中で参照する米国特許及び刊行物は、参照により援用される。
【実施例】
【0257】
5.実施例
本発明のある特定の実施形態は、以下の非限定的実施例によって例示される。
略称:
AcN/ACN アセトニトリル
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
Boc
2O 二炭酸ジ-tert-ブチル
tBuOK カリウムtert-ブトキシド
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N’-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
IPA イソプロパノールまたは2-プロパノール
MeOH メタノール
MM 多発性骨髄腫
NBS N-ブロモスクシンイミド
NMR 核磁気共鳴
PBMC ヒト末梢血単核細胞
i-PrOAc 酢酸イソプロピル
TBS tert-ブチルジメチルシリル
TBSCl tert-ブチルジメチルシリルクロリド
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMSCl トリメチルシリルクロリド
実施例1:(S)-4-(4-(4-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(化合物2)の合成。
【化26】
【0258】
tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸塩。1,4-ジオキサン(1.50L)中の(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-tert-ブトキシ-5-オキソ-ペンタン酸(150g、445mmol)の溶液に、二炭酸ジ-tert-ブチル(155g、711mmol)、ピリジン(70.3g、889mmol)及び重炭酸アンモニウム(105g、1.33mol)を加えた。反応混合物を18℃で16時間撹拌し、次いで濃縮した。残留物を酢酸エチル(5.0L)及び水(5.0L)に溶解させ、有機層を、分離し、HCl(3.0mL、1N)、飽和重炭酸ナトリウム(3.0L)、ブライン(3.0L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製のtert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸塩(450g、粗製)を白色固体として得て、さらなる精製なしで次のステップで使用した。1H NMR 400 MHz DMSO-d6 δ: 7.35-7.30 (m, 5H), 7.02 (s, 1H), 5.01 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 3.93-3.90 (m, 1H), 2.20 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.88-1.84 (m, 1H), 1.72-1.69 (m, 1H), 1.35 (s, 9H)。
【0259】
tert-ブチル(4S)-4,5-ジアミノ-5-オキソ-ペンタン酸塩。メタノール(1.0L)中のtert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸塩(112g、333mmol)の溶液に、窒素下で10%パラジウム炭素(15g)を加えた。懸濁液を真空下で脱気し、水素で数回パージした。混合物を水素ガス(40psi)下、30℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗製のtert-ブチル(4S)-4,5-ジアミノ-5-オキソ-ペンタン酸塩を無色の油として得た。1H NMR 400 MHz DMSO-d6 δ: 7.30 (s, 1H), 6.95 (s, 1H), 3.10-3.07 (m, 1H), 2.27-2.23 (m, 2H), 1.69-1.78 (m, 1H), 1.59-1.55 (m, 1H), 1.38 (s, 9H)。
【0260】
3-ヒドロキシ-2-メチル-安息香酸メチル。4つのバッチ(各200g)を並行して実行した。メタノール(4.0L)中の3-ヒドロキシ-2-メチル-安息香酸(200g、1.31mol)の溶液に、濃硫酸(47.7g、486mmol)を加えた。反応混合物を60℃で17時間撹拌した。反応混合物を800mLに濃縮した。得られた混合物を20℃に冷却し、30分かけてゆっくりと水(400mL)中に注いだ。水(1200mL)を20℃で3時間かけて加え、得られた混合物を20℃で1時間撹拌した。沈殿した固体を、真空濾過(4つのバッチが組み合わされた)によって収集し、濾液がpH>3になるまで水/メタノール(1000mL、9:1)で3回洗浄した。固体を、45℃にて真空下で乾燥して、灰色固体として3-ヒドロキシ-2-メチル-安息香酸メチル(700g、収率80.4%)を得た。1H NMR: 400 MHz DMSO-d6 δ: 9.70 (s, 1H), 7.18 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.00 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 2.29 (s, 3H)。
【0261】
3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-メチル-安息香酸メチル。2つのバッチ(各々240g)を、並行して実行した。N,N-ジメチルホルムアミド(1.40L)中の3-ヒドロキシ-2-メチル-安息香酸メチル(240g、1.44mol)の溶液に、イミダゾール(246g、3.61mol)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(238g、1.58mol)を、5℃で添加した。添加後、混合物を20℃まで温め、6時間撹拌した。酢酸イソプロピル(1700mL)を加え、次いで温度を30℃以下に保ちながら水(2000mL)をゆっくりと加えた。結果として生じた混合物を撹拌し、続いて有機相を分離した。組み合わされた有機物(2つのバッチが組み合わされた)を、水(1700mL×3)で洗浄し、約1500mL(KF<0.05%)に濃縮した。生成物を、酢酸イソプロピル溶液として保管し、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0262】
2-(ブロモメチル)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-安息香酸メチル。2つのバッチ(各々約375g)を、並行して実行した。3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-メチル-安息香酸メチル(約375g、1.34mol)の酢酸イソプロピル溶液に、N-ブロモスクシンイミド(274g、1.54mol)とアゾビスイソブチロニトリル(4.40g、26.8mmol)を加えた。反応混合物を少なくとも1時間にわたって70℃に加熱し、70℃で4時間撹拌した。反応混合物を20℃に冷却し、20℃で少なくとも1時間保持した。固形物(スクシンイミド)の2つのバッチを濾過により除去し、酢酸イソプロピル(700mL)で洗浄した。濾液を、水(6000mL)中の亜硫酸ナトリウム(700g)の溶液で、続いて水(1500mL)で洗浄した。有機層を、真空下45℃で蒸留乾固させて、2-(ブロモメチル)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-安息香酸メチル(920g、収率95.5%)を濃橙色の油として得た。1H NMR: 400 MHz DMSO-d6 δ: 7.45 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.36 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.13 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.95 (s, 2H), 1.02 (s, 9H), 0.29 (s, 6H)。
【0263】
tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-[4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-5-オキソ-ペンタン酸塩。アセトニトリル(4.0L)中のtert-ブチル(4S)-4,5-ジアミノ-5-オキソ-ペンタン酸塩(130g、643mmol)の溶液に、2-(ブロモメチル)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-安息香酸メチル(210g、584mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(113g、877mmol)を加えた。反応混合物を50℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮してアセトニトリルのほとんどを除去し、残留物をメチルtert-ブチルエーテル(2.0L)及び水(1.5L)に溶解させ、有機層を飽和リン酸一カリウム(1.0L×2)、ブライン(1.0L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製のtert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-[4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-5-オキソ-ペンタン酸塩(524g)を得て、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0264】
tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-5-オキソ-ペンタン酸塩。メタノール(2.0L)中のtert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-[4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]-5-オキソ-ペンタン酸塩(275g、613mmol)の溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド三水和物(38.7g、123mmol)を加えた。混合物を、18℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、メタノールのほとんどを除去し、残留物をジクロロメタン/水(3L/2L)に溶解させた。有機層を、分離し、ブライン(1.0L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得て、シリカゲルカラムによって精製して、生成物(260g)を得た。生成物をアセトニトリル(750mL)に加え、混合物を60℃で2時間撹拌し、18℃に冷却し、さらに2時間撹拌した。固体を濾過し、ケーキを乾燥させて、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-5-オキソ-ペンタン酸塩(248g、収率60.5%)を灰色の固体として得た。1H NMR 400 MHz DMSO-d6 δ: 10.00 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.29 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 4.72-4.68 (m, 1H), 4.49-4.28 (m, 2H), 2.17-1.97 (m, 4H), 1.31 (s, 9H)。
【0265】
4-(4-(4-(クロロメチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル。1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン(51.2g、292mmol)を、アセトニトリル(195mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(195mL)と共にフラスコに入れた。反応混合物を、周囲温度ですべての固体が溶解するまで撹拌した。次いで、ジイソプロピルアミン(51.1mL、292mmol)を3-フルオロ-4-(ピペラジン-1-イル)ベンゾニトリル(20g、97mmol)と共に加えた。反応混合物を1時間、60℃に加熱した。アセトニトリルを減圧下で除去した。残りの混合物を酢酸エチル(1.0L)、水(700mL)、及びブライン(300mL)に分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。揮発性有機物を、組み合わせ、減圧下で除去した。固体を、最小のジクロロメタンに溶解させ、シリカゲルカラム(3Lを超えるヘキサン中の0~100%酢酸エチル)で精製した。所望の生成物を含有する画分を組み合わせ、揮発性有機物を減圧下で除去した。残留物を、最小量のジクロロメタンに溶解させ、シリカゲルカラム上で再度精製した(800mLを超えるヘキサン中の10%アイソクラティック酢酸エチル、続いて4Lを超えるヘキサン中の20~80%酢酸エチル)。所望の生成物を含有する画分を、組み合わせ、揮発性有機物を減圧下で除去して、4-(4-(4-(クロロメチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(22.7g、66.0mmol、収率67.7%)を、オフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.33 - 7.39 (m, 5 H) 7.29 (d, J=1.96 Hz, 1 H) 7.25 (d, J=1.96 Hz, 1 H) 6.91 (t, J=8.56 Hz, 1 H) 4.60 (s, 2 H) 3.58 (s, 2 H) 3.19 - 3.27 (m, 4 H) 2.58 - 2.66 (m, 4 H)。MS (ESI) m/z 344.2 [M+1]+。
【0266】
(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-((4-((4-(4-シアノ-2-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸塩。(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸塩(22.05g、65.9mmol)を、4-(4-(4-(クロロメチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(22.67g、65.9mmol)、炭酸カリウム(18.23g、132mmol)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(330mL)を含むフラスコに入れた。反応混合物を45℃に16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、濾過した。濾液を、酢酸エチル(900mL)及び水(600mL)及びブライン(200mL)で分配した。有機層を、単離し、水(600mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、揮発性物質を減圧下で除去した。残留物をヘキサン中の20%酢酸エチルで処理し、揮発性物質を減圧下で除去して、(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-((4-((4-(4-シアノ-2-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸塩(44.02g、68.6mmol、収率104%)をオフホワイトの固形物として得た。一部のDMFが残っていたため、収量はわずかに定量を超えた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.43 - 7.49 (m, 2 H) 7.40 (s, 4 H) 7.36 (dd, J=8.38, 1.28 Hz, 1 H) 7.29 (d, J=1.96 Hz, 1 H) 7.26 (d, J=1.83 Hz, 1 H) 7.11 (dd, J=7.64, 1.16 Hz, 1 H) 6.92 (t, J=8.50 Hz, 1 H) 6.23 (br s, 1 H) 5.24 - 5.32 (m, 1 H) 5.15 (s, 2 H) 4.86 - 4.94 (m, 1 H) 4.38 - 4.55 (m, 2 H) 3.61 (s, 2 H) 3.18 - 3.32 (m, 4 H) 2.58 - 2.70 (m, 4 H) 2.09 - 2.47 (m, 4 H) 1.43 (s, 8 H)。MS (ESI) m/z 642.4 [M+1]+。
【0267】
(S)-4-(4-(4-(((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)オキシ)メチル)ベンジル)ピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンゾニトリル(化合物2)。(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-((4-((4-(4-シアノ-2-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸塩(12.1g、18.86mmol)を、アセトニトリル(189mL)及びベンゼンスルホン酸(3.96g、24.51mmol)を含むバイアルに入れた。反応混合物を真空下に置き、窒素でパージした。これをもう一度繰り返し、次いで混合物を窒素雰囲気下で一晩85℃に加熱した。温めた反応混合物を、ジクロロメタン(1000mL)及び酢酸エチル(300mL)を含む2つの分液漏斗に直接注いだ。この混合物に、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(900mL)、水(100mL)、及びブライン(450mL)を、添加した。有機層を単離し、水層を、ジクロロメタン(800mL)及び酢酸エチル(200mL)で抽出した。組み合わせた有機層を、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。標準的な方法によって精製し、表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ ppm 10.96 (s, 1 H) 7.68 (dd, J=13.45, 1.83 Hz, 1 H) 7.56 (dd, J=8.44, 1.83 Hz, 1 H) 7.43 - 7.52 (m, 3 H) 7.29 - 7.39 (m, 4 H) 7.11 (t, J=8.80 Hz, 1 H) 5.24 (s, 2 H) 5.11 (dd, J=13.20, 5.14 Hz, 1 H) 4.22 - 4.46 (m, 2 H) 3.54 (s, 2 H) 3.12 - 3.22 (m, 4 H) 2.85 - 2.97 (m, 1 H) 2.53 - 2.62 (m, 2 H) 2.38 - 2.48 (m, 2 H) 1.93 - 2.03 (m, 1 H)。MS(ESI) m/z 568.2[M+1]+。
【0268】
実施例2:多発性骨髄腫に対する抗増殖効果
細胞培養材料:ヒト多発性骨髄腫細胞株を供給業者から購入し、表1に示すように、培地中で、37℃、5%CO
2で培養した。レナリドマイド及びポマリドマイド耐性細胞株を、概略的に前述した方法により得た(Lopez-Girona et al Leukemia 2012;26(11):2335)。すべての細胞株を対数期に保ち、細胞密度及び生存率を、Vi cell XR細胞生存率分析装置(Beckman Coulter,Brea,CA)を使用したトリパンブルー排除によってモニタリングした。
表1:試験した多発性骨髄腫細胞株
【表3】
【0269】
試験品の溶液の調製:化合物を、最大容積50μLを想定して0.1%の最終DMSO容積まで、ブラック384ウェルプレート(Corning Inc.)にプレーティングした。1:3の希釈で10μMから開始する10点用量反応を、EDC ATS-100プラットフォームを使用して、音響分注によって2つ組でプリントした。別の方法として、1:10の希釈で10μMから開始するか、または1:3の希釈で100nMから開始する10点用量反応を使用した。
【0270】
細胞増殖アッセイ:血液細胞株(表1)の増殖/生存率に対する化合物の効果を、製造者の指示に従い、CTG(Promega)を使用して、120時間の培養後に評価した。血液細胞株を、Multidrop Combi Reagent Dispenser(Thermo Scientific,Waltham,MA)によって、50μL総容積中0.1×106細胞/mLの濃度で化合物プレートに分注した。120時間目に、Multidrop Combi Reagent Dispenserによって、CTGを25μL/ウェルに分注し、Envisionプラットフォームを使用して、30分後に生存細胞によるアデノシン三リン酸(ATP)の放出を相対発光単位として測定した。
【0271】
結果。化合物1及び化合物2は、MM細胞株に対して抗増殖活性を示した。本研究のために選択したMM細胞株は、骨髄腫患者の治療において使用されている、2つの薬剤、レナリドマイド及び/またはポマリドマイドに対して感受性及び耐性がある株であった(表1)。増殖を、CellTitre-Glo(登録商標)アッセイを使用して評価した。化合物と共に培養した培養物の結果を、細胞株ごとに対照培養物の結果に正規化した。化合物による細胞増殖阻害のIC
50を、ActivityBaseソフトウエアを使用して、細胞株ごとに測定した。化合物1及び化合物2は、120時間後に培地中に存在するATPレベルの定量的評価によって、4つの細胞株において細胞増殖を強力に阻害したと判定された。化合物1及び化合物2の抗増殖IC
50値は、0.07nM~19nMの範囲であった(表2)。化合物1及び化合物2は、レナリドマイド及び/またはポマリドマイド耐性であった細胞株に対しても非常に強力な多発性骨髄腫抗増殖活性を示した。
表2:液体培養物中のMM細胞株における化合物1及び化合物2による細胞成長の阻害
【表4】
【0272】
実施例3:化合物1/化合物2のオフターゲット効果と影響。
α1アドレナリン受容体及びドーパミンD2受容体。方法:α1アドレナリン受容体及びドーパミンD2受容体に対する結合及び機能アッセイを、それらの方法に従い、Eurofins Cerepによって実施した。
【0273】
α1アドレナリン受容体。10μMでの結合。結合アッセイにより、ラット大脳皮質における非選択的α1アドレナリン受容体に対する試験品の親和性を評価した。大脳皮質の膜ホモジネートを、10μMの試験品の不在下または存在下で、0.25nMの[3H]プラゾシンと共に、室温で60分間、2つ組で培養した。培養期間後、試料を、ガラスファイバフィルタを通して濾過し、フィルタを乾燥させ、その後、シンチレーションカウンターを使用して、放射能を計数した。結果を、対照放射性リガンド結合の平均阻害パーセントとして表す。
【0274】
結合IC50。非選択的α1アドレナリン受容体の結合IC50を判定するために、様々な濃度の試験品を、0.25nMの[3H]プラゾシンと共に2つ組で培養した。これまでに報告されている化合物3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(米国特許第8,518,972号の実施例5.285)(化合物A)を、0.01~30μMで試験した。化合物B、化合物AのS-鏡像異性体を、0.0003~10μMで試験した。化合物1及び化合物2、化合物1のS-鏡像異性体を、0.03~100μMで評価した。放射能を、前述のように測定した。IC50を、対照特異的結合の最大半減の阻害をもたらす濃度として定義した。
【0275】
アンタゴニスト活性。α1Aアドレナリン受容体及びα1Bアドレナリン受容体に対する試験化合物のアンタゴニスト作用を、ヒト受容体をトランスフェクトしたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を使用して測定した。アンタゴニスト活性を、α1A受容体アッセイにおけるアゴニスト(エピネフィリン)誘導性カルシウム動員、またはα1B受容体アッセイにおけるcAMPレベルに基づいて化合物の効果を測定することによって判定した。これらの実験では、CHO細胞を、試験品と、α1A受容体アッセイにおいては3nM、α1B受容体アッセイにおいては3000nMのエピネフィリンと共に室温で2つ組で培養した。化合物Aを、α1A受容体アッセイにて0.01~30μMで試験した。化合物Bを、α1A受容体アッセイ及びα1B受容体アッセイにて0.0003~30μMで試験した。化合物1及び化合物2を、α1A受容体アッセイにて0.03~30μMで、及びα1B受容体アッセイにて0.03~100μMで評価した。α1A受容体アッセイにて、サイトゾルカルシウムレベルを、蛍光プローブ、Fluo4 Directを使用して蛍光定量的に測定した。α1Bアドレナリン受容体アッセイにおける細胞内cAMPレベルを、均一時間分解蛍光測定(HTRF)によって測定した。拮抗作用IC50を、対照アゴニスト応答の最大半減の阻害をもたらす濃度として定義した。
【0276】
ドーパミンD2受容体。10μMでの結合。結合アッセイにより、トランスフェクトされたヒト胎児由来腎臓(HEK)-293細胞におけるドーパミンD2受容体に対する試験品の親和性を評価した。D2S受容体アッセイにおける結合を判定するために、試験品を、0.3nMの[3H]メチルスピペロンまたは1nMの[3H]7-ヒドロキシ-2-N,N-ジプロピルアミノテトラリン(7-OH-DPAT)と共に培養した。0.3nMの[3H]メチルスピペロンは、D2L結合アッセイにおいても対照リガンドとして使用した。細胞膜ホモジネートを、10μMの試験品の不在下または存在下で、リガンドと共に、室温で60分間、2つ組で培養した。培養期間の後、試料を、ガラスファイバフィルタを通して濾過し、フィルタを乾燥させ、その後、シンチレーションカウンターを使用して、放射能を計数した。結果を、対照放射性リガンド結合の平均阻害パーセントとして表す。
【0277】
結合IC50。D2受容体アッセイにおける結合IC50を判定するために、HEK-293を、試験品の濃度は変えて、前述のように試験した。化合物Aを、D2S放射性リガンド結合アッセイにて0.01~30μMで試験した。化合物Bを、D2S結合アッセイ及びD2L結合アッセイの両方にて0.0003~10μMで試験した。化合物1を、D2Sアッセイ及びD2Lアッセイの両方にて0.03~100μMで評価し、同時に化合物2を、D2Sアッセイにて0.03~100μMで、かつD2Lアッセイにて0.01~100μMで試験した。IC50を、対照特異的結合の最大半減の阻害をもたらす濃度として定義した。
【0278】
アゴニスト活性。ドーパミンD2S受容体に対する試験化合物の作動性を、ヒト受容体をトランスフェクトしたHEK-293細胞を使用して評価した。アゴニスト活性は、インピーダンス変調に基づいて化合物の効果を測定することによって判定した。これらの実験では、HEK-293細胞を、試験品と共に28℃で2つ組で培養した。化合物Aを、0.01~30μMで試験した。化合物Bを、0.0003~10μMで試験し、同時に化合物1及び化合物2を0.01~10μMで評価した。ドーパミン(3μM)を、対照アゴニストとして使用した。リガンドを添加した後、細胞誘電分光を使用して、インピーダンス測定値を10分間モニタリングした。EC50を、対照アゴニスト(ドーパミン)応答と比較して、最大半減の応答をもたらす濃度として定義した。
【0279】
結果。10μMのα1アドレナリン受容体及びドーパミンD2受容体における結合を、化合物1、化合物2、化合物A、化合物B、及び米国特許第8,518,972で例示されたいくつかの化合物(各実施例の番号は「Ex.」と示されている)に関して評価した(表3)。以前に開示されている化合物は、両方の受容体においてリガンドの結合を完全に阻害したが、驚くべきことに、化合物1及び化合物2は、リガンド結合の阻害に対する能力が大幅に低いことを示し、それぞれ、67/62%(α1アドレナリン受容体)及び55/52%(ドーパミンD
2S)のリガンド結合しか阻害しないことを示した。
表3:α1アドレナリン受容体及びドーパミンD2受容体に対する化合物A、化合物B、化合物1及び化合物2、ならびにこれまでに報告されている化合物の効果
【化27】
【表5】
【0280】
実施例4:化合物2と小分子阻害剤との併用の効果
各種機構を伴う化合物2と小分子阻害剤とによる併用処理を、MM細胞株のパネルで評価した。MMに対する前臨床及び/または活性に基づいて、化合物2との併用の研究のために9つの小分子阻害剤を選択した。本研究では、すべてのMM細胞株にわたって異なる遺伝子クラスタリンググループを表すために、細胞株H929-1051、KMS11、KMS-12PE、L363、OPM-P10及びRPMI8226を選択した。併用処理剤の化合物濃度を、単剤のIC50より1log上から2log下の範囲で選択した。併用薬剤を、6点用量反応曲線(DRC)により1:3の希釈で投与し、化合物2もまた、10点DRCにより1:3の希釈で投与した。併用実験は、毎回、別々のプレートに関するデータを複製して、2回実行した。化合物は、音響分注を用いて384個のウェルプレートの適切なウェルに事前スポットした。全てのMM細胞株を、1×ペニシリン・ストレプトマイシンを含有する前述の細胞培養培地を使用して、5%のCO2を含むインキュベータ内で37℃で培養した。細胞を、Multidrop Combi試薬ディスペンサーを使用して化合物を含有する384個のウェルプレートに添加し、5%のCO2と共に37℃で3日間インキューベートさせた。3日後、発光検出器(PerkinElmer Envision)で測定されたCellTiter-Gloを介して細胞のATP含有量のレベルを評価した。
【0281】
最高単一薬剤(Highest Single Agent)(HAS)法を使用して、用量反応曲線データにより相乗効果を検出した。併用物を、応答曲面の観点から分析した。統計フレームワーク(Van Der Borght,K.,et al., BIGL:Biochemically Intuitive Generalized Loewe null model for prediction of the expected combined effect compatible with partial agonism and antagonism、Scientific Reports,7(1),17935-1-17935-9(2017))を、HASヌルモデルに加えて、1)ヌルモデルとは異なる完全応答曲面と、2)ヌルモデルとは異なる単一のウェルとの2つの統計的検定と共に分析に導入した。
【0282】
結果:小分子阻害剤と組み合わされた化合物2による処理の効果を、多発性骨髄腫細胞のパネルで評価した。化合物2を、9つの化合物と組み合わせてスクリーニングし、6つの細胞株の全てのウェルにわたる相乗効果を計算した。その結果を
図1にまとめた。選択した研究から得られたデータのグラフ例を、それぞれ、
図2Aから
図2Iに示す。PIM阻害剤LGH-447は、試験した6つの細胞株の全てにおいて化合物2との併用で相乗効果を示した。mTOR阻害剤エベロリムスは、試験した6つの細胞株のうち5つで化合物2との併用で相乗効果を示した。IGF-1R阻害剤リンシチニブは、試験した6つの細胞株のうち4つで化合物2との併用で相乗効果を示した。BTK阻害剤イブルチニブ、MEK阻害剤トラメチニブ、XPO1阻害剤セリネクソール、DOT1L阻害剤SGC0946、EZH2阻害剤EPZ-6438、及びJAK2阻害剤フェドラチニブと、化合物との併用は、試験した6つの細胞株のうち1つ、2つ、または3つで相乗効果を示した。このデータは、試験した化合物2と小分子阻害剤との併用処理は、相乗活性を有するものを含む、MMに対する潜在的な治療範例を表していることを示唆している。
【0283】
実施例5:化合物2とBRD4阻害剤との併用の効果
K12PE(親)細胞株及びK12PE-PR(ポマリドマイド耐性)細胞株を、様々な用量の化合物2と、用量を漸増させたBRD4阻害剤JQ1との組み合わせによって3日間処理した。細胞増殖を、チミジン組み込みアッセイを用いて分析した。併用指数値を、Calcusynによって計算した。10
0を下回る値は、併用処理剤間で相乗効果があったことを意味する。この結果を、それぞれ、
図3A(K12PE)、
図3B(K12PE併用指数)、
図3C(K12PE-PR)、及び
図3D(K12PE-PR併用指数)に示す。BRD4阻害剤(JQ1)は、化合物2との相乗活性を示した。
【0284】
実施例6:化合物2とMEK阻害剤との併用の効果
AMO1(親)細胞株及びAMO1-PR(ポマリドマイド耐性)細胞株を、様々な用量の化合物2と、用量を漸増させたMEK阻害剤トラメチニブとの組み合わせによって3日間処理した。細胞増殖を、チミジン組み込みアッセイを用いて分析した。併用指数値を、Calcusynによって計算した。10
0を下回る値は、併用処理剤間で相乗効果があったことを意味する。この結果を、それぞれ、
図4A(AMO1)、
図4B(AMO1併用指数)、
図4C(AMO1-PR)、及び
図4D(AMO1-PR併用指数)に示す。MEK阻害剤(トラメチニブ)は、化合物2との相乗活性を示した。
【0285】
実施例7:化合物2とEZH2阻害剤との併用の効果
H929細胞株を、様々な用量の化合物2と、用量を漸増させたEZH2阻害剤UNC1999との組み合わせによって3日間処理した。細胞増殖を、チミジン組み込みアッセイを用いて分析した。併用指数値を、Calcusynによって計算した。10
0を下回る値は、併用処理剤間で相乗効果があったことを意味する。この結果を、
図5A(H929)及び
図5B(H929併用指数)に示す。EZH2阻害剤(UNC1999)は、化合物2との相乗活性を示した。
【0286】
実施例8:化合物2とPLK1阻害剤との併用の効果
AMO1細胞株及びAMO1-PR(ポマリドマイド耐性)細胞株を、用量を漸増させた化合物2とPLK1阻害剤(BI2536)との組み合わせによって処理した。処理後3日目に、単剤及び併用剤に対する細胞増殖の変化を調べた。併用指数を、Calcusynベースの方法を用いて計算した。併用指数値を、Calcusynによって計算した。10
0を下回る値は、併用処理剤間で相乗効果があったことを意味する。PLK1は、MDMS8(分子的に画定された骨髄腫セグメント8)の主要な標的遺伝子の1つ、骨髄腫ゲノムプロジェクトから同定される高リスククラスタである。この結果を、それぞれ、
図6A(AMO1)、
図6B(AMO1併用指数)、
図6C(AMO1-PR)、及び
図6D(AMO1-PR併用指数)に示す。化合物2とのMDMS8標的遺伝子PLK1の阻害は、AMO1及びAMO1-PR細胞において相乗的である。
【0287】
実施例9:化合物2とNEK2阻害剤との併用の効果
AMO1細胞株及びAMO1-PR(ポマリドマイド耐性)細胞株を、用量を漸増させた化合物2とNEK2阻害剤(JH295)との組み合わせによって処理した。処理後3日目に、単剤及び併用剤に対する細胞増殖の変化を調べた。併用指数値を、Calcusynによって計算した。10
0を下回る値は、併用処理剤間で相乗効果があったことを意味する。NEK2は、MDMS8(分子的に画定された骨髄腫セグメント8)の主要な標的遺伝子の1つ、骨髄腫ゲノムプロジェクトから同定される高リスククラスタである。この結果を、それぞれ、
図7A(AMO1併用指数)及び
図7B(AMO1-PR併用指数)に示す。化合物2とのMDMS8標的遺伝子NEK2の阻害は、AMO1及びAMO1-PR細胞において相乗的である。
【0288】
実施例10:化合物2とAURKB阻害剤との併用の効果
AMO1細胞株、AMO1-PR(ポマリドマイド耐性)細胞株、K12PE細胞株及びK12PE-PR(ポマリドマイド耐性)細胞株を、用量を漸増させた化合物2とAURKB阻害剤(AZD1152)との組み合わせによって処理した。処理後3日目に、単剤及び併用剤に対する細胞増殖の変化を調べた。併用指数値を、Calcusynによって計算した。10
0を下回る値は、併用処理剤間で相乗効果があったことを意味する。AURKBは、MDMS8(分子的に画定された骨髄腫セグメント8)の主要な標的遺伝子の1つ、骨髄腫ゲノムプロジェクトから同定される高リスククラスタである。この結果を、それぞれ、
図8A(AMO1併用指数)、
図8B(K12PE併用指数)、
図8C(AMO1-PR併用指数)、及び
図8D(K12PE-PR併用指数)に示す。化合物2とのMDMS8標的遺伝子AURKBの阻害は、AMO1、AMO1-PR、K12PE、及びK12PE-PR細胞において相乗的である。
【0289】
実施例11:化合物2とBIRC5阻害剤との併用の効果
AMO1細胞株及びAMO1-PR(ポマリドマイド耐性)細胞株を、用量を漸増させた化合物2とBIRC5阻害剤(YM155)との組み合わせによって処理した。処理後3日目に、単剤及び併用剤に対する細胞増殖の変化を調べた。併用指数値を、Calcusynによって計算した。10
0を下回る値は、併用処理剤間で相乗効果があったことを意味する。BIRC5は、MDMS8(分子的に画定された骨髄腫セグメント8)の主要な標的遺伝子の1つ、骨髄腫ゲノムプロジェクトから同定される高リスククラスタである。この結果を、それぞれ、
図9A(AMO1)、
図9B(AMO1併用指数)、
図9C(AMO1-PR)、及び
図9D(AMO1-PR併用指数)に示す。化合物2とのMDMS8標的遺伝子BIRC5の阻害は、AMO1及びAMO1-PR細胞において相乗的である。
【0290】
実施例12:追加の第2の薬剤との併用の研究
DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、EZH2阻害剤、DOT1L阻害剤、及びBET阻害剤を含む追加の第2の薬剤を、再発性難治性多発性骨髄腫における化合物2との併用の研究のために選択した。レナリドマイドまたはポマリドマイドに後天的または特有の耐性を有する5つのMM細胞株(OPM.2-P10、H929-1051、KMS12BM PR、L363、及びJJN3)を、研究に含めた。MM細胞に対する化合物2とこれらの第2の薬剤との併用の効果を、インビトロアッセイで7日間評価した。MM細胞を、7日目までに50~100K個の細胞を達成することを目的として各細胞株の増殖速度に応じた密度で播種した。アッセイを、96個のウェルプレートで実施した。全てのMM細胞株を、1×ペニシリン・ストレプトマイシンを含有する前述の細胞培養培地を使用して、5%のCO2を含むインキュベータ内で37℃で培養した。MM細胞に、単剤のIC50値で、これらの第2の薬剤を3日間与えた。IC50値を達成しなかった化合物に対しては、3μM(試験した最高濃度)を使用した。化合物2を、8点用量反応曲線に関して、細胞株に応じて30μM~0.00018μMの用量範囲で細胞に添加した。細胞を、さらに4日間37℃で培養した。7日間の処理の最後に、MM細胞をアネキシンA及び7-AADを用いて染色し、フローサイトメーターで分析した。生きているMM細胞を、アネキシンV及び7-AAD二重陰性細胞として同定した。これらの実験では、フラクショナル・プロダクト法(fractional product method)(Webb,1963)を用いて相乗効果計算を実施した。これらの第2の薬剤と化合物2の1回以上の投与量で相乗効果がある場合、組み合わせは相乗的であると見なした。
【0291】
結果:化合物2とこれらの第2の薬剤との併用の効果を、アッセイにてMM細胞株のパネルにおいて7日間評価した。化合物2を、アザシチジン(DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤)、タゼメトスタット及びCPI-1205(EZH2阻害剤)、化合物C(BET阻害剤)、ならびにピノメトスタット(DOT1L阻害剤)と組み合わせて試験した。BET阻害剤(化合物C)と組み合わせた化合物2は、OPM-2.P10細胞及びH929-1051細胞において著しい相乗効果を示した(
図10A及び
図10B)。アザシチジンと組み合わせた化合物2は、試験した細胞株のうち4つで相乗効果を示した(
図11A~
図11D)。EZH2阻害剤との併用は、KMS12BM PR細胞を用いた
図14A及び14Bに示される用量による影響を併せて、試験した5つの細胞株全てにおいて相乗的であった(
図12A~
図12D、
図13A~
図13D、
図14A及び
図14B)。相乗効果はまた、ピノメトスタットと組み合わせた化合物2でも明白であった(
図15A~
図15D)。
【0292】
結論:試験した6つの第2の薬剤と組み合わせた化合物2は、試験した細胞株の少なくとも2つ以上で相乗効果を示した。このデータは、化合物2とこれらの薬剤との併用は、再発性難治性MMに対して潜在的な治療範例である可能性があることを示唆している。
【0293】
上記の実施形態は、単に例示であることが意図され、当業者は、単なる日常的な実験を使用して、特定の化合物、材料、及び手順の多数の等価物を認識するか、または確認することができるであろう。そのような均等物はすべて、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲により包含される。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
多発性骨髄腫を治療する方法であって、治療上有効な量の化合物を、第2の活性薬剤と組み合わせてそれを必要とする患者へ投与することを含み、前記化合物は、下式の化合物1、
(化1)
またはその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩であり、前記第2の活性薬剤は、BTK阻害剤、mTOR阻害剤、PIM阻害剤、IGF-1R阻害剤、MEK阻害剤、XPO1阻害剤、DOT1L阻害剤、EZH2阻害剤、JAK2阻害剤、BRD4阻害剤、PLK1阻害剤、NEK2阻害剤、AURKB阻害剤、BIRC5阻害剤、BET阻害剤、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤のうち1つ以上である、前記方法。
(態様2)
多発性骨髄腫を治療する方法であって、治療上有効な量の化合物を、第2の活性薬剤と組み合わせてそれを必要とする患者へ投与することを含み、前記化合物は、下式の化合物2、
(化2)
またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩であり、前記第2の活性薬剤は、BTK阻害剤、mTOR阻害剤、PIM阻害剤、IGF-1R阻害剤、MEK阻害剤、XPO1阻害剤、DOT1L阻害剤、EZH2阻害剤、JAK2阻害剤、BRD4阻害剤、PLK1阻害剤、NEK2阻害剤、AURKB阻害剤、BIRC5阻害剤、BET阻害剤、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤のうち1つ以上である、前記方法。
(態様3)
前記化合物は、化合物2である、態様2に記載の方法。
(態様4)
前記第2の活性薬剤は、BTK阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様5)
前記BTK阻害剤は、イブルチニブもしくはアカラブルチニブ、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、態様4に記載の方法。
(態様6)
前記BTK阻害剤は、イブルチニブである、態様5に記載の方法。
(態様7)
前記第2の活性薬剤は、mTOR阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様8)
前記mTOR阻害剤は、ラパマイシンまたはその類似体(ラパログとも称される)である、態様7に記載の方法。
(態様9)
前記mTOR阻害剤は、エベロリムスである、態様8に記載の方法。
(態様10)
前記第2の活性薬剤は、PIM阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様11)
前記PIM阻害剤は、LGH-447、AZD1208、SGI-1776もしくはTP-3654、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、態様10に記載の方法。
(態様12)
前記PIM阻害剤は、LGH-447もしくはLGH-447の塩酸塩である、態様11に記載の方法。
(態様13)
前記第2の活性薬剤は、IGF-1R阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様14)
前記IGF-1R阻害剤は、リンシチニブである、態様13に記載の方法。
(態様15)
前記第2の活性薬剤は、MEK阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様16)
前記MEK阻害剤は、トラメチニブ、トラメチニブジメチルスルホキシド、コビメチニブ、ビニメチニブ、もしくはセルメチニブ、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、態様15に記載の方法。
(態様17)
前記MEK阻害剤は、トラメチニブまたはトラメチニブジメチルスルホキシドである、態様16に記載の方法。
(態様18)
前記第2の活性薬剤は、XPO1阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様19)
前記XPO1阻害剤は、セリネクソールである、態様18に記載の方法。
(態様20)
前記第2の活性薬剤は、DOT1L阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様21)
前記DOT1L阻害剤は、SGC0946、もしくはピノメトスタット、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、態様20に記載の方法。
(態様22)
前記DOT1L阻害剤は、SGC0946である、態様21に記載の方法。
(態様23)
前記DOT1L阻害剤は、ピノメトスタットである、態様21に記載の方法。
(態様24)
前記第2の活性薬剤は、EZH2阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様25)
前記EZH2阻害剤は、タゼメトスタット、3-デアザネプラノシンA(DZNep)、EPZ005687、EI1、GSK126、UNC1999、CPI-1205、もしくはシネフンギン、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、態様24に記載の方法。
(態様26)
前記EZH2阻害剤は、タゼメトスタットである、態様25に記載の方法。
(態様27)
前記EZH2阻害剤は、UNC1999である、態様25に記載の方法。
(態様28)
前記EZH2阻害剤は、CPI-1205である、態様25に記載の方法。
(態様29)
前記第2の活性薬剤は、JAK2阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様30)
前記JAK2阻害剤は、フェドラチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、ガンドチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、もしくはパクリチニブ、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、態様29に記載の方法。
(態様31)
前記JAK2阻害剤は、フェドラチニブである、態様30に記載の方法。
(態様32)
前記第2の活性薬剤は、BRD4阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様33)
前記BRD4阻害剤は、JQ1である、態様32に記載の方法。
(態様34)
前記第2の活性薬剤は、PLK1阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様35)
前記PLK1阻害剤は、BI2536である、態様34に記載の方法。
(態様36)
前記第2の活性薬剤は、NEK2阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様37)
前記NEK2阻害剤は、JH295である、態様36に記載の方法。
(態様38)
前記第2の活性薬剤は、AURKB阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様39)
前記AURKB阻害剤は、バラセルチブまたはAZD1152-HQPAである、態様38に記載の方法。
(態様40)
前記第2の活性薬剤は、BIRC5阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様41)
前記BIRC5阻害剤は、YM155である、態様40に記載の方法。
(態様42)
前記第2の活性薬剤は、BET阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様43)
前記BET阻害剤は、ビラブレシブ、もしくは化合物C(4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(メタンスルホニル)フェニル]-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン)、またはそれらの立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは薬学的に許容される塩である、態様42に記載の方法。
(態様44)
前記第2の活性薬剤は、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である、態様1~3のいずれか1項に記載の方法。
(態様45)
前記DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、アザシチジンである、態様44に記載の方法。
(態様46)
前記多発性骨髄腫は、再発性、難治性または抵抗性である、態様1~45のいずれか1項に記載の方法。
(態様47)
前記多発性骨髄腫は、レナリドマイドに対して難治性または抵抗性である、態様46に記載の方法。
(態様48)
前記多発性骨髄腫は、ポマリドマイドに対して難治性または抵抗性である、態様46に記載の方法。
(態様49)
前記多発性骨髄腫は、新たに診断された多発性骨髄腫である、態様1~45のいずれか1項に記載の方法。
(態様50)
追加の活性薬剤を前記患者に投与することをさらに含む、態様1~49のいずれか1項に記載の方法。
(態様51)
前記追加の活性薬剤は、デキサメタゾンである、態様50に記載の方法。
(態様52)
前記追加の活性薬剤は、ボルテゾミブである、態様50に記載の方法。