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特許7467482抽出飲料を調製するポーションパッケージおよび機械および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】抽出飲料を調製するポーションパッケージおよび機械および方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20240408BHJP
   A47J 31/02 20060101ALI20240408BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A47J31/06 160
A47J31/02
A47J31/44 510
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021542215
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2020051144
(87)【国際公開番号】W WO2020152053
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】102019101538.3
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517010507
【氏名又は名称】メリッタ シングル ポーションズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Melitta Single Portions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Marienstrasse 88, D-32425 Minden, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ケアスティン フェルナンデス デ カルヴァーリョ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン パーンケ
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー フェルトマン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-518884(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0354713(US,A1)
【文献】特表2013-517027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/06
A47J 31/02
A47J 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に抽出材料が配置された室(80)を包囲する液体透過性のフィルタ材料を備えたポーションパッケージ(8)であって、前記室(80)には可動の閉鎖装置(84)が設けられており、該閉鎖装置(84)は、閉鎖位置から、前記室(80)を開放する開放位置に可動である、ポーションパッケージにおいて、
可動の前記閉鎖装置(84)に、当該ポーションパッケージ(8)の識別用の少なくとも1つのマーク(11)が設けられており、
前記閉鎖装置(84)は、前記室を開放する開放位置において前記室(80)に面した開口を環状に包囲する複数の旋回可能なフラップを有している、
ことを特徴とする、ポーションパッケージ(8)。
【請求項2】
前記マーク(11)は、複数の前記フラップのうちの少なくとも一部においてそれぞれ端部側に設けられており、当該ポーションパッケージ(8)の前記閉鎖位置では前記フラップが互いに係止されている、請求項記載のポーションパッケージ(8)
【請求項3】
前記マーク(11)は、有色面により形成されている、請求項1または2記載のポーションパッケージ(8)
【請求項4】
当該ポーションパッケージ(8)は、前記フィルタ材料に結合された厚紙から成る支持体を有しており、該支持体は、折曲げ縁部(83)を有しており、該折曲げ縁部(83)には、前記閉鎖装置(84)のフラップが旋回可能に支承されており、前記折曲げ縁部(83)に給湿することにより、前記閉鎖装置(84)を前記閉鎖位置から前記室を開放する開放位置に動かすことができるようになっている、請求項1からまでのいずれか1項記載のポーションパッケージ(8)
【請求項5】
抽出飲料を調製する機械であって、
熱湯を生成する装置と、
抽出材料を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載のポーションパッケージ(8)を熱湯用の供給部の下側に配置するための、前記ポーションパッケージ(8)用のホルダ(7)と、
制御装置および識別ユニット(12)と、
を有する機械において、
前記識別ユニット(12)を介して、前記ポーションパッケージ(8)の可動の閉鎖装置(84)に配置されたマーク(11)を閉鎖位置において検出することができるようになっていることを特徴とする、機械。
【請求項6】
前記識別ユニット(12)により、前記ポーションパッケージ(8)の閉鎖位置と室を開放する開放位置とを検出することができるようになっている、請求項記載の機械。
【請求項7】
前記閉鎖装置(84)に配置された前記マーク(11)は、前記閉鎖装置(84)の開放時に旋回する、請求項5または6記載の機械。
【請求項8】
前記識別ユニット(12)は、光源(13)と光学読取り装置(14)とを有している、請求項5から7までのいずれか1項記載の機械。
【請求項9】
抽出飲料を製造する方法であって、以下のステップ、すなわち、
抽出材料を含む、液体透過性のフィルタ材料を有するポーションパッケージ(8)を機械(1)のホルダ(7)内に挿入するステップと、
前記ポーションパッケージ(8)の上面における閉鎖装置(84)に配置されたマーク(11)を、機械(1)の識別ユニット(12)により検出するステップと、
前記閉鎖装置(84)を開いて前記ポーションパッケージ(8)の前記マーク(11)を動かすステップと、
前記ポーションパッケージ(8)の上面における開口に熱湯を供給して飲料を抽出するステップと、
抽出した前記飲料を、前記ポーションパッケージ(8)の下側で捕集するステップと、
を有する方法。
【請求項10】
閉じられた前記ポーションパッケージ(8)の検出後に、制御装置により前記ポーションパッケージ(8)の開放用の熱湯を該ポーションパッケージ(8)に供給し、所定の待機時間が経過してから、開いた前記ポーションパッケージ(8)に再び熱湯を供給して、飲料を抽出する、請求項記載の方法。
【請求項11】
前記識別ユニット(12)を介して、最初の熱湯供給後に前記ポーションパッケージ(8)が開放されたか否かを点検する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記ホルダ(7)内でポーションパッケージ(8)が検出されなかった場合には、制御装置を介して熱湯供給を停止する、請求項9から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記ホルダ(7)内で、既に開けられたポーションパッケージ(8)が検出された場合には、制御装置を介して熱湯供給を停止する、請求項9から12までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉じられた位置から室を開放する位置へ動くことができる可動の閉鎖装置が設けられており、内部に抽出材料が配置された室を包囲する、液体透過性のフィルタ材料を有するポーションパッケージ、熱湯生成装置と、ポーションパッケージを熱湯供給部の下側に配置するための、抽出材料を含むポーションパッケージ用のホルダと、制御装置と、識別ユニットと、を備えた抽出飲料を調製する機械、および抽出飲料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102014109768号明細書に開示された、抽出飲料を調製する装置では、光の導入および変向により、カプセルの識別を行うことができるようにするために、カプセルの底部に光導体が設けられている。カプセルのこのような識別は、装置の最適化されたプログラム制御を可能にする。しかしながら、カプセルが開放位置にあるのかまたは閉鎖位置にあるのかを識別することは不可能である。
【0003】
欧州特許第1786303号明細書では、検出装置を介して、カプセルに設けられた識別マークが識別され、この場合、検出装置は、カプセルを供給するスライドレールに設けられている。確かにここでもカプセルを識別することができるが、カプセルの異なる状態を検出することは不可能である。
【0004】
国際公開第2013080073号には、液体透過性の材料と、識別に使用可能な穿孔されたフィルムとを備えたポーションパッケージが開示されている。抽出材料を含むポーションパッケージは、フィルムの除去後も閉じられた状態のままであり、開かれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、操作を簡単にするためにポーションパッケージの識別が改良された、抽出飲料を調製するポーションパッケージ、機械および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1記載の特徴を有するポーションパッケージ、請求項7記載の特徴を有する機械、および請求項11記載の特徴を有する方法によって解決される。
【0007】
本発明によるポーションパッケージでは、抽出材料が、液体透過性のフィルタ材料により包囲された室内に配置されており、室を開放するための、可動の閉鎖装置が設けられており、閉鎖装置は、閉鎖位置から開放位置に可動であり、可動の閉鎖装置には、ポーションパッケージの識別用の少なくとも1つのマークが設けられている。これにより、識別ユニットを介して一方では、例えば飲料抽出時の、熱湯の温度または熱湯の量等の調製パラメータを制御するためにポーションパッケージの識別を行うことができ、他方では、可動の閉鎖装置にマークが配置されているため、識別ユニットを介して、ポーションパッケージが閉鎖位置にあるのかまたは開放位置にあるのかを検出することができる。閉鎖装置が動くことによりマークも動き、ひいてはポーションパッケージの開放位置も検出することができる。
【0008】
好適には、閉鎖装置は少なくとも1つの旋回可能なフラップを有している。この場合、ポーションパッケージが使用位置にあるとき、つまり抽出飲料を調製する機械のホルダ内に挿入されているとき、フラップは、ポーションパッケージの上辺に配置されていてよい。好適には、閉鎖装置は複数の旋回可能なフラップを有しており、これらのフラップは、例えば三角形に形成されており、開放位置において上部開口を環状に包囲する。ポーションパッケージの形態に応じて、上辺に2~10の旋回可能なフラップ、好適には4~8のフラップ、特に6のフラップが設けられていてよい。
【0009】
1つの別の構成では、マークは、フラップの端部側にそれぞれ設けられており、ポーションパッケージの閉鎖位置において、個々のフラップに設けられたマークは1つの共通の面、例えば有色面またはバーコード等のその他のコードまたはシンボルを形成する。この場合、旋回可能な各フラップのうちの少なくとも一部は、端部側にマークを有していてよく、これにより、これらのフラップが開放位置にあるのかまたは閉鎖位置にあるのかを検出することができる。
【0010】
好適には、ポーションパッケージは、フィルタ材料に結合された厚紙から成る支持体を有しており、この場合、支持体は折曲げ縁部を有しており、折曲げ縁部には、閉鎖装置のフラップが旋回可能に支承されている。折曲げ縁部に給湿することにより、フラップを備えた閉鎖装置を閉鎖位置から開放位置に動かすことができる。なぜなら、給湿により、折曲げ縁部においてフラップの旋回をもたらす膨張過程が開始されるからである。ポーションパッケージは、例えば独国特許出願公開第102018101338号明細書に開示されているように形成されていてよい。
【0011】
本発明による、抽出飲料を調製する機械では、識別ユニットを介して、ポーションパッケージの可動の閉鎖装置に配置されたマークを閉鎖位置において検出することができ、これにより、一方ではポーションパッケージの識別を行うことができ、他方ではポーションパッケージの閉鎖状態および開放状態をも検出することができるようになっている。この場合、識別ユニットは、好適にはポーションパッケージの上側で、熱湯用の供給部に隣接して位置している。識別ユニットは、例えば光源と、光学読取り装置とを有する光学式の識別ユニットであってよい。光源としては、ポーションパッケージの閉鎖装置を証明するLEDを使用することができ、この場合、光学読取り装置を介して、例えばカメラを介して、反射が検出される。マークは、例えば有色マークとして形成されていてよく、これにより、RGBセンサを介して色を識別し、異なる型式のポーションパッケージの検出を行うことができる。
【0012】
本発明による方法では、ポーションパッケージを機械のホルダ内に挿入した後に、ポーションパッケージの上面における閉鎖装置に設けられたマークの検出を、機械の読取り装置により行ってから、抽出過程を開始する。好適には、機械のホルダ内のポーションパッケージの検出後に、制御装置により開放用の少量の熱湯をポーションパッケージに供給し、例えば2秒~30秒、特に4秒~15秒の所定の待機時間が経過してから、開いたポーションパッケージに再び熱湯を供給して、飲料を抽出する。この二段階のプロセスは、最初にポーションパッケージの閉鎖位置を検出し、次いでポーションパッケージの開放後に、閉鎖装置が本当に依然として閉鎖位置に位置してはいないかどうかを点検することで、制御装置によって監視することができる。これにより、機能障害が生じた場合には熱湯の供給を阻止することができ、これはユーザの怪我のリスクを低下させる。識別ユニットを介して、最初の熱湯供給によりポーションパッケージが開放もされたのかどうかを点検することができる。同時に、総調製時間も最適化することができる。なぜなら、第1の給水と引き続く給水との間の待機時間を必ずしも固定して規定する必要がなく、ポーションパッケージが十分に開く時点を識別して、プロセスを続行することができるからである。
【0013】
さらに、任意には、識別ユニットにより、機械のホルダ内のポーションパッケージが識別されなかった場合、または既に使用されたポーションパッケージが識別された場合には、熱湯の供給を停止するために、制御装置を使用することができる。これは、ユーザの怪我のリスクをさらに低下させる。なぜなら、既に開始されたプロセスにおいてポーションパッケージの挿入が行われることはないからである。
【0014】
以下に、本発明を添付の図面に関する1つの実施例に基づき、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】抽出飲料を調製する機械を示す概略斜視図である。
図2】識別時の、機械に挿入されたポーションパッケージを示す概略図である。
図3】ポーションパッケージを示す斜視図である。
図4A】抽出飲料のそれぞれ異なる製造段階における識別ユニットを示す複数の概略図である。
図4B】抽出飲料のそれぞれ異なる製造段階における識別ユニットを示す複数の概略図である。
図4C】抽出飲料のそれぞれ異なる製造段階における識別ユニットを示す複数の概略図である。
図4D】抽出飲料のそれぞれ異なる製造段階における識別ユニットを示す複数の概略図である。
図5】動的な測定を可能にする可動の識別ユニットを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
機械1はケーシング2を有しており、ケーシング2には、好適には取外し可能な新鮮水タンク3が設けられており、新鮮水タンク3からは、ポンプと加熱装置とを介して水を圧送可能であり、これにより、供給部4に熱湯を供給することができるようになっている。機械1は、ケーシング2に固定された保持装置6を有しており、保持装置6には、ポーションパッケージ8用の収容部を有するホルダ7が挿入されている。ポーションパッケージ8は供給部4の下側に位置しており、上面に、識別ユニット12を介して検出可能なマーク11を有している。このために識別ユニット12は光源13、例えばLEDを有しており、光源13を介してポーションパッケージ8の上面に光が放射される。マーク11から反射された光を検出するために、光源13に隣接して、例えばRGBセンサを備えた光学読取り装置14が設けられている。これにより、マーク11の有色の表面をセンサにより検出し、型式識別に用いることができるようになっている。有色の表面は、例えば印刷または接着されたラベルにより与えられていてよい。
【0017】
抽出過程中、開かれたポーションパッケージ8に供給部4を介して熱湯が供給され、熱湯は、ポーションパッケージ8を通流し、ホルダ7の下側で、機械1の滴皿10に置かれたカップ9に導入される。
【0018】
図2には、光源13と光学読取り装置14とを有する識別ユニット12が略示されている。識別ユニット12は、ホルダ7内に収容されたポーションパッケージ8の上側に配置されている。ポーションパッケージ8は、互いに向かって傾斜して延びかつ下部領域において先端部82のところに開口する複数の側壁81を有する液体透過性のフィルタ材料、例えば紙または不織布を有している。側壁81の上辺には折曲げ縁部83が設けられており、折曲げ縁部83には閉鎖装置84が旋回可能に支承されている。マーク11は、図2に閉鎖位置で示す閉鎖装置84に位置している。コーヒー粉または茶葉等の抽出材料は、ポーションパッケージ8内の室80内に配置されている。
【0019】
さらに、ポーションパッケージ8の下側の先端部82は、ホルダ7内の流出通路70の上側に位置していることが認められる。
【0020】
光源13は、破線によって示すように、ポーションパッケージ8の上面に設けられたマーク11に向かって光を放出する。マーク11から反射された光線を読取り装置14が検出し、マーク11の有色の構成に基づき、ホルダ7内に配置されたポーションパッケージ8の型式を、光学読取り装置14において検出することができる。周辺環境の光の影響を最小限にするために、コンビネーション測定、すなわち光源13による照明無しの測定と、光源13による照明有りの測定と、引き続く信号評価とが行われてもよい。
【0021】
図3には、ポーションパッケージ8が示されている。ポーションパッケージ8は角錐状に形成され、下側の先端部82を有しており、先端部82から上方に向かって広がるように各側壁81が延在している。各側壁81において上辺には折曲げ縁部83が設けられており、折曲げ縁部83は側壁81と上側の閉鎖装置84とをつないでおり、閉鎖装置84は、閉鎖位置では実質的に水平方向に向けられている複数の旋回可能なフラップを有している。この場合、水平方向の向きは、飲料調製時にホルダ7内に挿入された位置に関係する。旋回可能なフラップを備えた閉鎖装置84は、端部側にマーク11を有しており、マーク11は、選択的に唯一のフラップに設けられていてもよいが、好適には個々のフラップの複数の面によって構成される。例えば3つのフラップが端部に有色のマークを有していてよく、これらのマークが共に、閉鎖位置において連続したマーク11を形成する。
【0022】
ポーションパッケージ8は実質的に、独国特許出願公開第102018101338号において説明されているように形成されていてよい。特にポーションパッケージ8は、環状の支持体内に保持された液体透過性のフィルタ材料を有していてよい。この場合、支持体は、折曲げ縁部83を形成していてよく、厚紙またはその他の膨張可能な材料から製造されていてよい。少量の熱湯をポーションパッケージ8の上面に供給することにより、水は折曲げ縁部83に到達し、そこで個々のフラップが上方に旋回して開くことにより閉鎖装置を開放させる膨張過程を生じさせる。これにより、前掲の出願において説明されているように、各フラップの機械的な係止を外すことができる。
【0023】
抽出飲料を調製する機械1の制御を、図4A図4Dに示す、それぞれ異なるステップにおいて説明する。
【0024】
図4Aでは、ホルダ7にポーションパッケージ8は挿入されておらず、識別ユニット12がそのことを検出可能である。なぜなら、光学読取り装置14により、光源13によって送出された光線の反射が検出されないからである。これにより、熱湯の供給を停止して、ユーザの怪我のリスクを最小にすることができる。さらに、機械1の表示部に、ホルダ7内にポーションパッケージ8が配置されていないという情報を供給することができる。
【0025】
図4Bでは、ホルダ7内にポーションパッケージ8が挿入されている。光源13から送出された光線がマーク11によって反射され、光学読取り装置14によって識別されることにより、識別ユニット12を介してポーションパッケージ8の上面のマーク11が検出される。この検出は制御装置に、閉じられたポーションパッケージ8がホルダ7内に配置されており、抽出過程を実行可能であるという信号を供給することができる。
【0026】
次に、第1のステップにおいて、ポーションパッケージ8の上面に少量の熱湯を供給し、これにより、図4Cに示すようにポーションパッケージ8の閉鎖装置84を開く。ポーションパッケージ8に熱湯を供給することにより、環状に配置された個々のフラップを備えた閉鎖装置84が開かれ、このときフラップは、抽出過程のために室80の上面を開放する。識別ユニット12は、所定の待機時間、例えば2秒~20秒が経過してから、閉鎖装置84が少なくとも部分的に開かれた位置にあるか否かを検出することができる。図4Cでは、マーク11の第1の部分11aとマーク11の第2の部分11bとが、閉鎖装置84のそれぞれ異なるフラップに設けられており、マーク11の動きにより、識別ユニット12は、ポーションパッケージ8の少なくとも部分的に開かれた位置を検出可能であることが認められる。
【0027】
図4Dには、ポーションパッケージ8の完全に開かれた位置が略示されており、この位置では、抽出材料の上側の室80の全面にアプローチすることができ、これにより、上方から熱湯を供給することができるようになっている。閉鎖装置84の開放位置の検出は例えば、室80内に抽出材料、例えば茶色のコーヒー粉が配置されており、この茶色を光学読取り装置によって検出可能であるということにより行われてよい。マーク11は、赤、緑、または青等の、抽出材料とは異なる色で設けられていてよく、その結果、色識別により、ホルダ7内にポーションパッケージが挿入されていないのか、つまり反射が行われていないのか、または閉鎖位置にあるポーションパッケージ8が挿入されているのか、または茶色のコーヒー粉が検出された場合には開放位置にあるポーションパッケージ8が配置されているのか、を識別することができる。
【0028】
機械の1つの特に有利な形態では、識別ユニットは可動部40、例えば可動の供給部内に配置されており、これにより、識別ユニットはポーションパッケージ8の着脱を妨げず、測定中はポーションパッケージ8に対して正しい相対位置(例えば鉛直方向においてポーションパッケージ8の上側)に位置することになる。可動部40は、機械の駆動装置と制御装置とを介して動かされてよい。その上、可動の識別ユニットは、開放角度の動的な測定を可能にする。このことは、図5に示されている。これにより、1つの特定の最小開放を検出可能な静的な測定とは異なり、0°~90°の任意の開放角度を検出することができる。
【0029】
図示の実施例では、ポーションパッケージ8はコーヒー粉を含んでいる。コーヒー粉の代わりに、茶葉またはその他の抽出材料を用いることも可能である。さらに、ポーションパッケージ8は、スープまたはその他の食品の調製に使用されてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 機械
2 ケーシング
3 新鮮水タンク
4 供給部
6 保持装置
7 ホルダ
8 ポーションパッケージ
9 カップ
10 滴皿
11 マーク
11a 部分
11b 部分
12 識別ユニット
13 光源
14 読取り装置
70 流出通路
80 室
81 側壁
82 先端部
83 折曲げ縁部
84 閉鎖装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5